コロナウイルス対策は健康問題どころではない。それは人間社会全体の破壊だ
<記事原文>
Coronavirus Is More Than a Health Disaster – It’s a Human Calamity
ピーター・ケーニッヒ
グローバルリサーチ、2020年3月30日
<記事翻訳 寺島美紀子・寺島隆吉 2020年4月14日>

3月20日付のニューヨークタイムズ紙は修辞的に問いかける。「われわれのコロナウイルスとの闘いは、病気そのものよりも悪質ではないのか」と。
ウイルス性肺炎として分類された中国の新型コロナウイルス(2019-nCoV)に関して、公衆衛生緊急事態(PHEIC)が宣言された。WHO事務局長のテドロス博士によってなされたその宣言は、WHOに登録された感染者が中国以外で、たった150人のみだったとき、2020年1月30日のことだ。
この宣言は正当化されるものではない。全世界の人びとと世界の社会経済構造に壊滅的な影響を及ぼしたからだ。その結果、地球は文字どおり封鎖状態となった。なぜなら世界はアメリカの調子に合わせて踊るからだ。トランプ大統領が提示した封鎖の最終日は2020年4月12日である。この日付が地球規模で有効性をもつことはほぼ当然であるかのように見なされているが、本当に4月12日で終わるのかは誰にもわからない。
今から約10日前、トランプ氏は、この「封鎖状況」で対策は十分であるから経済を再び機能させる時がきた、と宣言した。彼はビジネスマンだから、そういったことを一番よく知っている。だからトランプ氏は仕事に戻る日を3月30日にすると提案したのだが、その後、彼の裏の指導者たちから命令を受けたに違いない。これは私の推測ではあるが、現在作成中の邪悪で不吉な計画を準備するために、もっと時間が必要だったということなのだろう。それで、「正常に戻る」日付を二週間延期して2020年4月12日としたのだ。
コロナウイルスCOVID-19は壊滅的な影響を与える。世界中に、人びとに、経済に、そして最も重要なことには世界の約四分の一の人びとの生計に、である。この約四分の一の人びとは、傷つきやすさと不安定性(プレケアリアス性)の限界にいるか、あるいはそれ以下のレベルにある。このような人びとは、仕事をしなければ、すなわち食料を買うためのお金を稼ぐための臨時雇いや時間単位や一日単位の仕事すらできなければ、死ぬ運命にある。病気、大規模な食糧危機、あるいは完全な放置によって、死ぬよう運命づけられている。しかし、彼らがいなくなったところで、誰も気づかないだろう。彼らは、人間ではないのだから。
この偽の「世界公衆衛生緊急事態」(PHEIC、1月30日)は、193の国連加盟国のほとんどすべての国に押しつけられた。それが「偽」である理由は、それが宣言されたとき、前述のとおり、中国の外には感染者が150人しかいなかったことである。世界人口64億人の中でだ。
これは「PHEICすなわち想像を絶するほどの大流行」ではない。(PHEICは1月30日に宣言されたが、「パンデミック」は3月11日にWHO事務局長によってさりげなく確認・決定されている)
注目すべきは、この決定がダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF、2020年1月21日~24日)によって、医学的でない完全に政治的機関によって密室でおこなわれたことである。WHOの事務局長であるテドロス博士は、WHO史上初の「医師ではない事務局長」だが、その彼がダボス会議に出席した。
この決定の短期的および中長期的な悪影響は、現時点では誰も想像できない次元のものになるだろう。過去200年以上、人類が経験したことのないパラダイムシフトを、私たちの生活や社会にもたらす可能性がある。
ドイツでは誠実な科学者たちが動き始め、権威に立ち向かい事実を語り始めている。ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ校の医学微生物学名誉教授であるスチャリット・バクディ博士は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相に公開書簡を送り、COVID-19への対応を早急に再評価するよう求め、首相に五つの重要な質問をした。これが2020年3月26日付の書簡だ。
公開書簡を説明するスチャリット・バクディ教授(字幕映像と翻訳をオンにする)
では「中国はどうなのか」という質問が出るだろう。中国は違っている。武漢のウイルス学者たちは、当初2019nCoVと呼ばれていたもの(のちにWHOによってCOVID-19に名称が変更された)が、SARSウイルスの、より強力な突然変異にすぎないことを早くから発見していた。SARSは2002~2003年に香港と中国を襲い、全世界で774人の死者を出したウイルスだ。SARSウイルスは中国人の遺伝子情報ゲノムに合わせて人造されたため、中国の科学者たちは、新しく強力な突然変異がまたもや中国人のDNAに焦点を合わせていることを知っていた。
実験室で作られたウイルスであることから、中国はウイルスが外部から来た、おそらく中国と経済戦争をしているアメリカからだということも知っていた。致死性の高いウイルスは、中国とその経済を弱体化させるための理想的かつ目に見えない手段かもしれない。そのため、中国は躊躇することなく、国内の大部分を検疫すると宣言し、その後、完全な封鎖をおこなった。習近平国家主席の迅速な対応と国民の規律のおかげで、中国は現在COVID-19を克服し、経済は急速に回復している。
「世界的クーデター」の様相だ。一部の国では、銃や爆弾ではなく、道路上の戦車や抑圧的な警察によってではなく、目に見えない極小の敵、顕微鏡レベルのウイルスによって、外出禁止令や自宅軟禁さえも民衆に課しているからだ。想像できるだろうか。まさに天才だ。ウイルスによる世界支配。
皆さんは0.01%の人びとに世界支配を与えるよう余儀なくされている。0.01%の人びとは99.99%の人びとを屈服させた。99.99%の人びとは、慈悲を乞い願う。ワクチン接種を求めるあまり、この極めて悪質なダークフォース(闇の力)があなたの体に注入したがっているかもしれない極微小な混合物質についてなど全く知ろうともしない。だから、人びとは封鎖が解かれれば、街頭に飛び出して、「お願いだ、ワクチンを持ってきてくれ」と叫び、注射器を持ってきた人には誰にでも腕と体を提供する。
注射には、人を不妊症にする多くの悪質な化学物質が含まれている。それは長期的な神経学的損傷をもたらす可能性があり、将来の世代、すなわちDNAを操作するタンパク質に受け継がれる可能性がある。それは生命を減少させるかもしれない。注射にはまた、健康記録から銀行口座までのすべての個人データを追跡する電子ナノチップを挿入させることができる。絶体絶命という絶望の局面では、そんなことに人びとは興味を持たない。人びとは恐怖から解放され、夜には平和に眠りたいと思っているだけなのだから。
2009年のH1N1豚インフルエンザのパンデミック
この人造パンデミックは目新しいことではない。もちろん、大手メディアで言及されていないことは、コロナウイルスCOVID-19が実験室で作られたものであること(SARS、MERS、H1N1豚インフルエンザ、エボラ出血熱、ジカ熱などもみなそうだ)、およびアウトブレイクは特定の集団を対象とすることが可能であり、現在も対象となっていることだ。
実際、悪名高い「アメリカ新世紀計画書Plan for a New American Century(PNAC)」は、2000年の改訂版というかたちで、まだ非常に意気軒昂な現役である。その計画書60頁には、将来の戦争は、通常兵器や核兵器ではなく、通常兵器よりも効果的でインフラを破壊しない、目に見えない病原体、すなわち細菌兵器、ウイルスで戦われる可能性がある、と言及している。
この新型コロナは、大手製薬会社にとって大きな利益となる。これは何年も前から計画されており、2009年の鳥インフルエンザの発生、あるいは豚インフルエンザ(H1N1)の発生をモデルにしている。後者は2009年4月から2010年4月までの約一年間続き、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によると、その死者はアメリカで約1万2500人、全世界で約30万人と推定されている。(CDCによるこの推定値はじつに疑わしいものだった。本当に臨床検査で裏付けがなされた推定値なのだろうか。ほとんどの症例での臨床検査は、H1N1と季節性インフルエンザを区別する立場にはなかったからだ)
参考:コロナウイルス–その後。来るべき大恐慌..

そして、今回と同様に、そのときもWHOはパンデミックを宣言した。製薬業界がワクチンの製造に向けて競争することにゴーサインを出したのだ。大手製薬会社は、49億人分のH1N1ワクチンを製造できると約束した。大手製薬会社は、何百万ものワクチンを政府に届けたが、インフルエンザが終ったため、到着時にはそれはもう使われることはなかった。納税者たちは何十億ドルも無駄にお金を払ったのだ。年に1度のインフルエンザは年を追うごとに変異していくので、同じワクチン接種を続ける意味がない。しかし、いくつかの政府がしたことに耳を傾けてほしい。諸政府はそのワクチンを開発援助としてアフリカに送ったのだ。ワクチンはそこでも同じように役に立たないことを知っていたにもかかわらず。
メディアの偽情報
今日、私たちは、疲れを知らない年中24時間無休のプロパガンダ・マシンに再び直面している。目に見えないウイルスを道具として、恐怖と不安を振りまいている。人びとには見えない敵だ。たとえば、どのように拡散するか、または拡散しないかなどを、追跡できない敵だ。人びとはただ政府を信じるしかないという、そんな敵が存在するのだ。なんて狡賢いんだ。プロパガンダと恐怖は数週間もあれば全世界の人びとを支配するのに十分である。
たとえば、新たに発表されたオックスフォード大学の研究によると、COVID-19は2020年1月からすでにイギリスに存在していた可能性が最も高く、そのあいだにイギリスの人口の約半数が感染しており、その結果、COVID-19に対する免疫を獲得しているという。ほとんどの人は症状がまったくないか、軽い症状しかない。つまり、入院が必要なのは感染者1000人に1人程度で、これはインフルエンザの一般的な流行に相当する。(ここに研究論文がある)
アメリカ人医師でイエール大学予防研究センターの創設者であるデイヴィッド・カッツ博士はニューヨークタイムズ紙で次のように述べている。
主要組織:行動戦略ID2020
「行動戦略ID2020」という名のあまり知られていない団体がある。より広範な行動戦略を実行している、影に隠れている団体だ。「行動戦略ID2020」は、国連機関や市民社会を含む官民提携の共同事業体である。主なパートナーには、次のような団体が名を連ねている。
1)ビル&メリンダ・ゲイツ財団(共同設立者)、
2)ロックフェラー財団(共同設立者)、
3)GAVIというワクチン同盟、「世界の最貧国に住む子どもたちのために、新しいワクチンと十分に活用されていないワクチンへの、平等なアクセスを実現するという共通の目標を掲げて、公共部門と民間部門を結びつける」、
4)Accenture、グローバルな経営コンサルティングとプロフェッショナルサービスを提供する、
5)国際コンサルティング会社IDEO.Org「貧しく弱い立場に置かれたコミュニティの人々の生活を改善するための製品、サービス、経験を設計する」
行動戦略ID2020の主な目的は、全員強制のワクチン接種を踏み台にして身分証明書(ID)を電子化することである。2016年にビル&メリンダ・ゲイツ財団の資金提供により、国連パートナーシップ事務所(UNOFP)は行動戦略ID2020を作成するためにニューヨークで国際サミットを開催した。サミットのウェブサイトによると、行動戦略ID2020は「持続可能な開発目標16.9」に対応して立ち上げられた戦略的で世界的な構想である。
行動戦略ID2020は、同じくビル・ゲイツが創設した「ワクチンと予防接種のための世界同盟」であるGAVIと密接に関係している。GAVIはウェブサイト上で、「世界全員のワクチン接種」を目的とした官民提携による世界的な保健共同事業体であると自認している。GAVIはWHOの支援を受けており、その主要なパートナーとスポンサーは言うまでもなく製薬業界である。
ID2020同盟は、「グッドIDチャレンジへの挑戦」と銘打った2019年サミットを9月にニューヨークで開催し、2020年に同プログラムを開始することを決定した。そして、その決定は2020年1月にダボスで開催された世界経済フォーラムWEFで承認された。
イベント201:世界的流行のシミュレーション
不思議なことに、2019年10月18日、ゲイツ財団、世界経済フォーラム、ジョン・ホプキンズ公衆衛生研究所が、ニューヨーク市で「イベント201」を開催した。「イベント201」は世界的な疫病の流行を模擬演習(シミュレート)することに焦点を当てていた。それは2009年に発生したコロナウイルスSARS(つまり2009-CoV)をモデルにしており、2019年に発生する新たなコロナということで2019-nCoVという名称をつけられた。偶然にも(!?)。その名称は、新型ウイルスが発生したとき最初に与えられた名前と同じであり、その後、WHOはより包括型の名称であるCOVID-19に変更した。

このシミュレーションの結果は、18か月のあいだに世界中で6500万人が死亡し、株式市場は15%急落し、数え切れないほどの倒産と失業が発生する、というものだった。その数週間後、武漢で最初の2019-nCoV感染者が確認された。これは偶然の一致なのだろうか?
WHOが「パンデミック」と宣言したのと同じ時期に「ID2020」の会議が開催されたのも偶然だろうか。あるいは、「ID2020」の複数の破壊的なプログラムを「展開」させるために、パンデミックが必要だったのだろうか。(これを参照)
ウイルス感染が発生してから3か月後、そして世界が完全に閉鎖されてわずか2週間後には、株式市場が少なくとも30%下落し、悲惨な閉塞の兆候をすでに見てとることができた。小規模投資家の預金を消滅させ、世界中の何百万もの中小企業の倒産を引き起こし、「ハルマゲドン」と聖書に書かれているような規模の、おぞましい失業、計り知れない悲惨、貧困、飢餓、絶望、医療の欠如、そして最後には自殺に至るまで、を生み出した。
ニューヨークタイムズ紙(3月27日付)の報道によると、崩壊しつつある経済の中で、330万件を超える新たな失業手当申請があった。トランプ大統領は3月27日、救済策として20億米ドルの法案に署名した。この資金が、絶望的で失業中の人びと、飢えに苦しむ人びと、ホームレスの人びとにどのような恩恵をもたらしうるのか、誰にもわからない。しかし、この金額は、アメリカ経済全体へのダメージと比べると微々たるものだ。現在、危機の初期の救済策には3兆から5兆米ドルが必要だと推定されており、これはアメリカのGDPの約四分の一である。全世界では10兆から20兆米ドルが必要か? そして、人災が起きれば、終わりからはほど遠い。
発展途上国すなわちグローバルサウス(グローバルノースの高所得国とは対照的に、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、およびカリブ海に位置する低・中所得国を指すために世界銀行が使用する新しい用語)では、人口の大部分が貧困という状況がすでに蔓延している。これらのアジア、アフリカ、ラテンアメリカ、およびカリブ海に位置する低・中所得国では、この人災の影響は最悪であり、取り返しのつかないものになる可能性さえある。ニューヨークタイムズ紙は、世界中で推定17億人の人びとが深刻な不安定状態にあると報告している。
発展途上国、しかもとくに大都市には、いわゆる「非公式経済」部門が非常に多く、それがいわゆる労働力の30%以上を占めることが多い。この部門は主に15歳から35歳の若者で構成されている。彼らは決まった仕事に就いておらず、わずかな賃金で日雇いや時間給で臨時の仕事を見つけている。零細中小企業や建設現場が停止すると、ほとんどの場合、手持ちのお金が底をついてしまい、彼らは最低限の収入すら得られなくなる。経済がさらに景気後退に突入していく中で、その規模は不確実ではあるが、まちがいなく巨大となり、回復不能かもしれない。
世界銀行WBや国際通貨基金IMFの類いによって、各国には「救出」タイプの融資が提供される予定である。WBはCOVID-19危機の困難な状況を緩和するために、すでに少なくとも120億米ドルを提供している。IMFは当初500億米ドルでスタートしたが、現在では推定60か国からの需要に応えて、融資額を1兆米ドルに引き上げた。IMF理事の中には、4兆米ドルの特別引出権SDRという特別基金の創設を求める理事もいる。
これらの国々の「救出」は、たとえ低金利であっても、完全な債務の束縛であり、その債務は返済されなければならず、担保として、社会サービスやインフラの民営化、外国企業への譲歩ということになる。それはつまり、外国企業が、天然資源、石油、ガス、森林、水、鉱物、その他を、この犯罪的な行動戦略ID2020の背後にいる、すなわち金持ち寡頭支配者たちが切望するものすべてを、開発することになるのだ。そして、また新たな資金移動が草の根レベルから上層部へとおこなわれ、人びとと国家全体のさらなる依存と奴隷化が起こることになるだろう。
このようなパラダイムシフトの次のステップが、このコロナ危機の直後に続かないとは限らない。
それはあまりにも明白だ。それどころか、つかの間、人びとが一息ついて今の事態を忘れてしまうような休息があるかもしれない。そうだ、忘れることだ。なぜならそれは人間らしさをなんとか保ち維持する人にとっての重要な道具、私たちの忘れっぽさなのだからだ。私たちは自問することができる。一体何が、このように極めて金持ちでかつ強力な人びとを、これほど病的にまで非人道的にしているのか。人間だけでなく、豊かな資源をもっている母なる地球全体をも、何故に支配することを望むのか。一体何が、それほど多くの悪をもたらすものなのか。しかし、私には答えがない。
明るい兆しについて…
闇(夜)の後には明(夜明け)が来る。それが自然界の普遍的法則だ。そしてことわざにもあるように、暗い雲にはすべて銀の裏地(明るい兆し)がある。この世界の底に低く響いている音は、地球の活力を呼び戻す(若返らせる)効果があるのではないだろうか。産業汚染の大部分は一掃され、より健康的な酸素を含んだ空気が流入する。空気と水は絶えず変化しており、速くて果てしなく動く。自然を鞭打ってきたこれまでの長き期間のうちの、ほんの短い休息でさえ、明るい結果をもたらすことがある。それは人間の行動に変化をもたらすかもしれない。そして、全く新しい生態学的事態が出現するかもしれない。
木々は再び息づき、海は絶えず動き、生物を再生し始め、二酸化炭素を吐き出す重苦しい産業用煙突は停止する。空は青々とし、草は緑を増し、虫は戻って幸せに鳴き、そして鳥は再び歌い始める、それは夢か。否その一部はすでに始まっているのかもしれない。この新しい、よりクリーンで健康的で安全な環境に目覚めた人間もいるかもしれない。新しく、きれいで、安全な生命維持活動が生まれ、世界が明るくなるかもしれない。わからない。しかし、私たちはそう願っている。ダイナミクス(自然や人間のもつ力強い可能性)は予測不可能だが、無限なのだ。
私たち人類は、西側の新自由主義資本主義の災厄の道を捨て、その代わりに、私たちの社会と母なる地球のために連帯と思いやりと愛をお互いに支持し、新たな光の時代を育てる精神的な能力を持っている。
Peter Koenig(ピーター・ケーニッヒ)
経済学者かつ地政学アナリスト。水資源と環境問題の専門家でもある。また、Centre for Research on Globalizationのリサーチアソシエイトでもある。
30年以上にわたって世界銀行や世界保健機関で勤務し、パレスチナを含む世界中の環境や水の分野で働いてきた。アメリカ、ヨーロッパ、南米の大学で講義している。
Global Research; ICH; RT; Sputnik; PressTV; The 21st Century; Greanville Post; Defend Democracy Press, TeleSUR; The Saker Blog, the New Eastern Outlook (NEO)その他のインターネットサイトの定期的な寄稿者。
著書に『Implosion– An Economic Thriller about War, Environmental Destruction and Corporate Greed』があるが、これは事実に基づき、かつ世界中の世界銀行での30年間の経験に基づいたフィクション。また『The World Order and Revolution! – Essays from the Resistance』の共著者。
Coronavirus Is More Than a Health Disaster – It’s a Human Calamity
ピーター・ケーニッヒ
グローバルリサーチ、2020年3月30日
<記事翻訳 寺島美紀子・寺島隆吉 2020年4月14日>

3月20日付のニューヨークタイムズ紙は修辞的に問いかける。「われわれのコロナウイルスとの闘いは、病気そのものよりも悪質ではないのか」と。
ウイルス性肺炎として分類された中国の新型コロナウイルス(2019-nCoV)に関して、公衆衛生緊急事態(PHEIC)が宣言された。WHO事務局長のテドロス博士によってなされたその宣言は、WHOに登録された感染者が中国以外で、たった150人のみだったとき、2020年1月30日のことだ。
この宣言は正当化されるものではない。全世界の人びとと世界の社会経済構造に壊滅的な影響を及ぼしたからだ。その結果、地球は文字どおり封鎖状態となった。なぜなら世界はアメリカの調子に合わせて踊るからだ。トランプ大統領が提示した封鎖の最終日は2020年4月12日である。この日付が地球規模で有効性をもつことはほぼ当然であるかのように見なされているが、本当に4月12日で終わるのかは誰にもわからない。
今から約10日前、トランプ氏は、この「封鎖状況」で対策は十分であるから経済を再び機能させる時がきた、と宣言した。彼はビジネスマンだから、そういったことを一番よく知っている。だからトランプ氏は仕事に戻る日を3月30日にすると提案したのだが、その後、彼の裏の指導者たちから命令を受けたに違いない。これは私の推測ではあるが、現在作成中の邪悪で不吉な計画を準備するために、もっと時間が必要だったということなのだろう。それで、「正常に戻る」日付を二週間延期して2020年4月12日としたのだ。
コロナウイルスCOVID-19は壊滅的な影響を与える。世界中に、人びとに、経済に、そして最も重要なことには世界の約四分の一の人びとの生計に、である。この約四分の一の人びとは、傷つきやすさと不安定性(プレケアリアス性)の限界にいるか、あるいはそれ以下のレベルにある。このような人びとは、仕事をしなければ、すなわち食料を買うためのお金を稼ぐための臨時雇いや時間単位や一日単位の仕事すらできなければ、死ぬ運命にある。病気、大規模な食糧危機、あるいは完全な放置によって、死ぬよう運命づけられている。しかし、彼らがいなくなったところで、誰も気づかないだろう。彼らは、人間ではないのだから。
この偽の「世界公衆衛生緊急事態」(PHEIC、1月30日)は、193の国連加盟国のほとんどすべての国に押しつけられた。それが「偽」である理由は、それが宣言されたとき、前述のとおり、中国の外には感染者が150人しかいなかったことである。世界人口64億人の中でだ。
これは「PHEICすなわち想像を絶するほどの大流行」ではない。(PHEICは1月30日に宣言されたが、「パンデミック」は3月11日にWHO事務局長によってさりげなく確認・決定されている)
注目すべきは、この決定がダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF、2020年1月21日~24日)によって、医学的でない完全に政治的機関によって密室でおこなわれたことである。WHOの事務局長であるテドロス博士は、WHO史上初の「医師ではない事務局長」だが、その彼がダボス会議に出席した。
この決定の短期的および中長期的な悪影響は、現時点では誰も想像できない次元のものになるだろう。過去200年以上、人類が経験したことのないパラダイムシフトを、私たちの生活や社会にもたらす可能性がある。
ドイツでは誠実な科学者たちが動き始め、権威に立ち向かい事実を語り始めている。ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ校の医学微生物学名誉教授であるスチャリット・バクディ博士は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相に公開書簡を送り、COVID-19への対応を早急に再評価するよう求め、首相に五つの重要な質問をした。これが2020年3月26日付の書簡だ。
公開書簡を説明するスチャリット・バクディ教授(字幕映像と翻訳をオンにする)
では「中国はどうなのか」という質問が出るだろう。中国は違っている。武漢のウイルス学者たちは、当初2019nCoVと呼ばれていたもの(のちにWHOによってCOVID-19に名称が変更された)が、SARSウイルスの、より強力な突然変異にすぎないことを早くから発見していた。SARSは2002~2003年に香港と中国を襲い、全世界で774人の死者を出したウイルスだ。SARSウイルスは中国人の遺伝子情報ゲノムに合わせて人造されたため、中国の科学者たちは、新しく強力な突然変異がまたもや中国人のDNAに焦点を合わせていることを知っていた。
実験室で作られたウイルスであることから、中国はウイルスが外部から来た、おそらく中国と経済戦争をしているアメリカからだということも知っていた。致死性の高いウイルスは、中国とその経済を弱体化させるための理想的かつ目に見えない手段かもしれない。そのため、中国は躊躇することなく、国内の大部分を検疫すると宣言し、その後、完全な封鎖をおこなった。習近平国家主席の迅速な対応と国民の規律のおかげで、中国は現在COVID-19を克服し、経済は急速に回復している。
「世界的クーデター」の様相だ。一部の国では、銃や爆弾ではなく、道路上の戦車や抑圧的な警察によってではなく、目に見えない極小の敵、顕微鏡レベルのウイルスによって、外出禁止令や自宅軟禁さえも民衆に課しているからだ。想像できるだろうか。まさに天才だ。ウイルスによる世界支配。
皆さんは0.01%の人びとに世界支配を与えるよう余儀なくされている。0.01%の人びとは99.99%の人びとを屈服させた。99.99%の人びとは、慈悲を乞い願う。ワクチン接種を求めるあまり、この極めて悪質なダークフォース(闇の力)があなたの体に注入したがっているかもしれない極微小な混合物質についてなど全く知ろうともしない。だから、人びとは封鎖が解かれれば、街頭に飛び出して、「お願いだ、ワクチンを持ってきてくれ」と叫び、注射器を持ってきた人には誰にでも腕と体を提供する。
注射には、人を不妊症にする多くの悪質な化学物質が含まれている。それは長期的な神経学的損傷をもたらす可能性があり、将来の世代、すなわちDNAを操作するタンパク質に受け継がれる可能性がある。それは生命を減少させるかもしれない。注射にはまた、健康記録から銀行口座までのすべての個人データを追跡する電子ナノチップを挿入させることができる。絶体絶命という絶望の局面では、そんなことに人びとは興味を持たない。人びとは恐怖から解放され、夜には平和に眠りたいと思っているだけなのだから。
2009年のH1N1豚インフルエンザのパンデミック
この人造パンデミックは目新しいことではない。もちろん、大手メディアで言及されていないことは、コロナウイルスCOVID-19が実験室で作られたものであること(SARS、MERS、H1N1豚インフルエンザ、エボラ出血熱、ジカ熱などもみなそうだ)、およびアウトブレイクは特定の集団を対象とすることが可能であり、現在も対象となっていることだ。
実際、悪名高い「アメリカ新世紀計画書Plan for a New American Century(PNAC)」は、2000年の改訂版というかたちで、まだ非常に意気軒昂な現役である。その計画書60頁には、将来の戦争は、通常兵器や核兵器ではなく、通常兵器よりも効果的でインフラを破壊しない、目に見えない病原体、すなわち細菌兵器、ウイルスで戦われる可能性がある、と言及している。
この新型コロナは、大手製薬会社にとって大きな利益となる。これは何年も前から計画されており、2009年の鳥インフルエンザの発生、あるいは豚インフルエンザ(H1N1)の発生をモデルにしている。後者は2009年4月から2010年4月までの約一年間続き、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によると、その死者はアメリカで約1万2500人、全世界で約30万人と推定されている。(CDCによるこの推定値はじつに疑わしいものだった。本当に臨床検査で裏付けがなされた推定値なのだろうか。ほとんどの症例での臨床検査は、H1N1と季節性インフルエンザを区別する立場にはなかったからだ)
参考:コロナウイルス–その後。来るべき大恐慌..

そして、今回と同様に、そのときもWHOはパンデミックを宣言した。製薬業界がワクチンの製造に向けて競争することにゴーサインを出したのだ。大手製薬会社は、49億人分のH1N1ワクチンを製造できると約束した。大手製薬会社は、何百万ものワクチンを政府に届けたが、インフルエンザが終ったため、到着時にはそれはもう使われることはなかった。納税者たちは何十億ドルも無駄にお金を払ったのだ。年に1度のインフルエンザは年を追うごとに変異していくので、同じワクチン接種を続ける意味がない。しかし、いくつかの政府がしたことに耳を傾けてほしい。諸政府はそのワクチンを開発援助としてアフリカに送ったのだ。ワクチンはそこでも同じように役に立たないことを知っていたにもかかわらず。
メディアの偽情報
今日、私たちは、疲れを知らない年中24時間無休のプロパガンダ・マシンに再び直面している。目に見えないウイルスを道具として、恐怖と不安を振りまいている。人びとには見えない敵だ。たとえば、どのように拡散するか、または拡散しないかなどを、追跡できない敵だ。人びとはただ政府を信じるしかないという、そんな敵が存在するのだ。なんて狡賢いんだ。プロパガンダと恐怖は数週間もあれば全世界の人びとを支配するのに十分である。
たとえば、新たに発表されたオックスフォード大学の研究によると、COVID-19は2020年1月からすでにイギリスに存在していた可能性が最も高く、そのあいだにイギリスの人口の約半数が感染しており、その結果、COVID-19に対する免疫を獲得しているという。ほとんどの人は症状がまったくないか、軽い症状しかない。つまり、入院が必要なのは感染者1000人に1人程度で、これはインフルエンザの一般的な流行に相当する。(ここに研究論文がある)
アメリカ人医師でイエール大学予防研究センターの創設者であるデイヴィッド・カッツ博士はニューヨークタイムズ紙で次のように述べている。
「私は、学校や企業が閉鎖され、集会が禁止されるなど、通常の生活がほぼ完全に崩壊したことによる社会、経済、公衆衛生への影響が、ウイルスそのものの直接的な被害よりも深刻で、長く続き、悲惨なものになることを深く懸念している。株式市場は一定期間内に回復するだろうが、多くの企業は回復しないだろう。失業、貧困、絶望は、第一級の公衆衛生上の災いとなるだろう」
パンデミック・パニックを煽った人びとの中で、その全体像をはっきりと理解している人はいないようだ。世界中の政府高官が闇の会員制クラブに入会を認められている。彼らは命令に従う。彼らは、そうしなければならないことを知っている。そうでなければひどいことになる(その方が身のためだ)。これは重要なステップであり、新世界秩序(ニュー・ワールド・オーダーNWO)の世界支配を可能にするための、この巨大な社会的パラダイムの変化をもたらすことになる。それには守備位置の変更が伴う。すなわち時間の経過とともに莫大な量の資産が何兆ドルの単位で一般の人びとから少数の強力な金融エリートに移行しつつあるのだ。主要組織:行動戦略ID2020
「行動戦略ID2020」という名のあまり知られていない団体がある。より広範な行動戦略を実行している、影に隠れている団体だ。「行動戦略ID2020」は、国連機関や市民社会を含む官民提携の共同事業体である。主なパートナーには、次のような団体が名を連ねている。
1)ビル&メリンダ・ゲイツ財団(共同設立者)、
2)ロックフェラー財団(共同設立者)、
3)GAVIというワクチン同盟、「世界の最貧国に住む子どもたちのために、新しいワクチンと十分に活用されていないワクチンへの、平等なアクセスを実現するという共通の目標を掲げて、公共部門と民間部門を結びつける」、
4)Accenture、グローバルな経営コンサルティングとプロフェッショナルサービスを提供する、
5)国際コンサルティング会社IDEO.Org「貧しく弱い立場に置かれたコミュニティの人々の生活を改善するための製品、サービス、経験を設計する」
行動戦略ID2020の主な目的は、全員強制のワクチン接種を踏み台にして身分証明書(ID)を電子化することである。2016年にビル&メリンダ・ゲイツ財団の資金提供により、国連パートナーシップ事務所(UNOFP)は行動戦略ID2020を作成するためにニューヨークで国際サミットを開催した。サミットのウェブサイトによると、行動戦略ID2020は「持続可能な開発目標16.9」に対応して立ち上げられた戦略的で世界的な構想である。
「2030年までに出生登録を含む法的身分証明書をすべての人に提供する。世界中の共同体に「デジタル身分証明書」を付与する。世界人口の約五分の一(18億人)は法的身分証明書を持たず、医療、学校、避難施設へのアクセスを奪われているからだ」
「持続可能な開発目標(SDG)16.9」は、「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人に司法へのアクセスを提供し、すべてのレベルで効果的で、説明責任があり、包摂的な制度を構築する」ことだという。この大目標(長期目標)を実行し正当化するために、ワクチン接種の大立者ビル・ゲイツは、特別な小目標(短期目標)すなわち「持続可能な開発目標16.9」を必要としていたのだ。行動戦略ID2020は、同じくビル・ゲイツが創設した「ワクチンと予防接種のための世界同盟」であるGAVIと密接に関係している。GAVIはウェブサイト上で、「世界全員のワクチン接種」を目的とした官民提携による世界的な保健共同事業体であると自認している。GAVIはWHOの支援を受けており、その主要なパートナーとスポンサーは言うまでもなく製薬業界である。
ID2020同盟は、「グッドIDチャレンジへの挑戦」と銘打った2019年サミットを9月にニューヨークで開催し、2020年に同プログラムを開始することを決定した。そして、その決定は2020年1月にダボスで開催された世界経済フォーラムWEFで承認された。
イベント201:世界的流行のシミュレーション
不思議なことに、2019年10月18日、ゲイツ財団、世界経済フォーラム、ジョン・ホプキンズ公衆衛生研究所が、ニューヨーク市で「イベント201」を開催した。「イベント201」は世界的な疫病の流行を模擬演習(シミュレート)することに焦点を当てていた。それは2009年に発生したコロナウイルスSARS(つまり2009-CoV)をモデルにしており、2019年に発生する新たなコロナということで2019-nCoVという名称をつけられた。偶然にも(!?)。その名称は、新型ウイルスが発生したとき最初に与えられた名前と同じであり、その後、WHOはより包括型の名称であるCOVID-19に変更した。

このシミュレーションの結果は、18か月のあいだに世界中で6500万人が死亡し、株式市場は15%急落し、数え切れないほどの倒産と失業が発生する、というものだった。その数週間後、武漢で最初の2019-nCoV感染者が確認された。これは偶然の一致なのだろうか?
WHOが「パンデミック」と宣言したのと同じ時期に「ID2020」の会議が開催されたのも偶然だろうか。あるいは、「ID2020」の複数の破壊的なプログラムを「展開」させるために、パンデミックが必要だったのだろうか。(これを参照)
ウイルス感染が発生してから3か月後、そして世界が完全に閉鎖されてわずか2週間後には、株式市場が少なくとも30%下落し、悲惨な閉塞の兆候をすでに見てとることができた。小規模投資家の預金を消滅させ、世界中の何百万もの中小企業の倒産を引き起こし、「ハルマゲドン」と聖書に書かれているような規模の、おぞましい失業、計り知れない悲惨、貧困、飢餓、絶望、医療の欠如、そして最後には自殺に至るまで、を生み出した。
ニューヨークタイムズ紙(3月27日付)の報道によると、崩壊しつつある経済の中で、330万件を超える新たな失業手当申請があった。トランプ大統領は3月27日、救済策として20億米ドルの法案に署名した。この資金が、絶望的で失業中の人びと、飢えに苦しむ人びと、ホームレスの人びとにどのような恩恵をもたらしうるのか、誰にもわからない。しかし、この金額は、アメリカ経済全体へのダメージと比べると微々たるものだ。現在、危機の初期の救済策には3兆から5兆米ドルが必要だと推定されており、これはアメリカのGDPの約四分の一である。全世界では10兆から20兆米ドルが必要か? そして、人災が起きれば、終わりからはほど遠い。
発展途上国すなわちグローバルサウス(グローバルノースの高所得国とは対照的に、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、およびカリブ海に位置する低・中所得国を指すために世界銀行が使用する新しい用語)では、人口の大部分が貧困という状況がすでに蔓延している。これらのアジア、アフリカ、ラテンアメリカ、およびカリブ海に位置する低・中所得国では、この人災の影響は最悪であり、取り返しのつかないものになる可能性さえある。ニューヨークタイムズ紙は、世界中で推定17億人の人びとが深刻な不安定状態にあると報告している。
発展途上国、しかもとくに大都市には、いわゆる「非公式経済」部門が非常に多く、それがいわゆる労働力の30%以上を占めることが多い。この部門は主に15歳から35歳の若者で構成されている。彼らは決まった仕事に就いておらず、わずかな賃金で日雇いや時間給で臨時の仕事を見つけている。零細中小企業や建設現場が停止すると、ほとんどの場合、手持ちのお金が底をついてしまい、彼らは最低限の収入すら得られなくなる。経済がさらに景気後退に突入していく中で、その規模は不確実ではあるが、まちがいなく巨大となり、回復不能かもしれない。
(非公式経済とは、公式経済部門と違って、 課税されず、いかなる政府機関の関与も受けず、国民総生産統計にも表れない経済部門のこと。非公式経済部門に関連する言葉として、ブラックマーケット・陰の経済・地下経済・System Dなどがある。 関連イディオムには、机下・簿外・現金労働などがある。)
このような人びとは、お金もなく、屋根もなく、飢えていて、しばしば病気で絶望的になり、犯罪や自殺に走る可能性がある。例えばギリシアでは、医学誌『ランセット』によれば、(ヨーロッパの裏切り者によってギリシアでおこなわれた)2008~2009年と同じく人為的な負債を原因とする不況の後に、自殺率はほぼ指数関数的に増加した。犯罪率は爆発するかもしれない。腹を空かせている人には失うものはない。食料品や現金を求めてスーパーを略奪するのは、今に始まったことではない。ヨーロッパと北アメリカでは貧民街が急速に増えるかもしれない。豊かな国への移住は爆発的だからだ。世界銀行WBや国際通貨基金IMFの類いによって、各国には「救出」タイプの融資が提供される予定である。WBはCOVID-19危機の困難な状況を緩和するために、すでに少なくとも120億米ドルを提供している。IMFは当初500億米ドルでスタートしたが、現在では推定60か国からの需要に応えて、融資額を1兆米ドルに引き上げた。IMF理事の中には、4兆米ドルの特別引出権SDRという特別基金の創設を求める理事もいる。
これらの国々の「救出」は、たとえ低金利であっても、完全な債務の束縛であり、その債務は返済されなければならず、担保として、社会サービスやインフラの民営化、外国企業への譲歩ということになる。それはつまり、外国企業が、天然資源、石油、ガス、森林、水、鉱物、その他を、この犯罪的な行動戦略ID2020の背後にいる、すなわち金持ち寡頭支配者たちが切望するものすべてを、開発することになるのだ。そして、また新たな資金移動が草の根レベルから上層部へとおこなわれ、人びとと国家全体のさらなる依存と奴隷化が起こることになるだろう。
このようなパラダイムシフトの次のステップが、このコロナ危機の直後に続かないとは限らない。
それはあまりにも明白だ。それどころか、つかの間、人びとが一息ついて今の事態を忘れてしまうような休息があるかもしれない。そうだ、忘れることだ。なぜならそれは人間らしさをなんとか保ち維持する人にとっての重要な道具、私たちの忘れっぽさなのだからだ。私たちは自問することができる。一体何が、このように極めて金持ちでかつ強力な人びとを、これほど病的にまで非人道的にしているのか。人間だけでなく、豊かな資源をもっている母なる地球全体をも、何故に支配することを望むのか。一体何が、それほど多くの悪をもたらすものなのか。しかし、私には答えがない。
明るい兆しについて…
闇(夜)の後には明(夜明け)が来る。それが自然界の普遍的法則だ。そしてことわざにもあるように、暗い雲にはすべて銀の裏地(明るい兆し)がある。この世界の底に低く響いている音は、地球の活力を呼び戻す(若返らせる)効果があるのではないだろうか。産業汚染の大部分は一掃され、より健康的な酸素を含んだ空気が流入する。空気と水は絶えず変化しており、速くて果てしなく動く。自然を鞭打ってきたこれまでの長き期間のうちの、ほんの短い休息でさえ、明るい結果をもたらすことがある。それは人間の行動に変化をもたらすかもしれない。そして、全く新しい生態学的事態が出現するかもしれない。
木々は再び息づき、海は絶えず動き、生物を再生し始め、二酸化炭素を吐き出す重苦しい産業用煙突は停止する。空は青々とし、草は緑を増し、虫は戻って幸せに鳴き、そして鳥は再び歌い始める、それは夢か。否その一部はすでに始まっているのかもしれない。この新しい、よりクリーンで健康的で安全な環境に目覚めた人間もいるかもしれない。新しく、きれいで、安全な生命維持活動が生まれ、世界が明るくなるかもしれない。わからない。しかし、私たちはそう願っている。ダイナミクス(自然や人間のもつ力強い可能性)は予測不可能だが、無限なのだ。
私たち人類は、西側の新自由主義資本主義の災厄の道を捨て、その代わりに、私たちの社会と母なる地球のために連帯と思いやりと愛をお互いに支持し、新たな光の時代を育てる精神的な能力を持っている。
Peter Koenig(ピーター・ケーニッヒ)
経済学者かつ地政学アナリスト。水資源と環境問題の専門家でもある。また、Centre for Research on Globalizationのリサーチアソシエイトでもある。
30年以上にわたって世界銀行や世界保健機関で勤務し、パレスチナを含む世界中の環境や水の分野で働いてきた。アメリカ、ヨーロッパ、南米の大学で講義している。
Global Research; ICH; RT; Sputnik; PressTV; The 21st Century; Greanville Post; Defend Democracy Press, TeleSUR; The Saker Blog, the New Eastern Outlook (NEO)その他のインターネットサイトの定期的な寄稿者。
著書に『Implosion– An Economic Thriller about War, Environmental Destruction and Corporate Greed』があるが、これは事実に基づき、かつ世界中の世界銀行での30年間の経験に基づいたフィクション。また『The World Order and Revolution! – Essays from the Resistance』の共著者。
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