コロナウイルスの誇大宣伝によって引き起こされる恐怖は、パンデミックよりも人を速く死に追いやる可能性がある
<記事原文 寺島先生推薦>
Fear triggered by coronavirus hype may kill its victims faster than the pandemic
RT World News 2020年3月26日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月16日

コロナウイルスのパンデミックに対する、非合理的で何もかもを巻き込んでしまう恐怖は、時には病気自体による犠牲者よりも多くの犠牲者を生んでいる。コロナウイルスが原因となる自殺が増加している中、あるイタリアの看護師が、その自殺者の一人に加わってしまった。
ダニエラ・トレッツィさんは、コロナウイルスが大流行しているイタリアのロンバルディア地方のサンヘラルド病院で集中治療に当たっていた看護師だったが、今月(3月)初めにコロナウイルスと診断されていた。彼女は、3月22日に自殺した。トレッツィさんは、心の底から助けたいと思っていた患者たちに感染させしまったことを気に病んでいたと、彼女の死を確認したイタリア看護師連盟が、3月24日に報告した。トレッツィさんは、3月10日の診断以来、隔離されていた。
自分がCovid-19を拡散させてしまうことを恐れて
突然、長期にわたって隔離された孤独の中で、病人の世話をするという長い過酷な業務の後ならなおさら、罪の意識や自責の念におちいってしまうということを想像するのはむずかしいことではない。当局はトレッツィさんの死について調査しているが、私たちの中で最も心が強い人でさえ、孤立させられて精神がすり減らされることはある。世界中の多くの国々が、人道上の理由で刑務所での独房監禁を禁止しているのは、十分うなずけることだ。
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トレッツィさんだけではない。イタリアには、誠心誠意治療に当たっていたのに、そのウイルスを自分が広めてしまったという理由で、自ら命を絶った看護師は他にもいる。
具体的な名前をあげることはしなかったが、イタリア看護師連盟は3月24日に、こういう声明を出した。「同じような自殺者の話は、1週間前ベニスでも起こった。自殺の動機は同じようなものだった」と。イタリアの医療系財団であるジンベ財団によると、イタリアのコロナウイルス症例の約8%が医療従事者であり、ジンベ財団の推定では、3月24日の時点で、5760名の医療従事者に陽性反応が出ている。
隔離の影響
ウイルスを取り巻く恐怖が医療従事者を自殺に駆り立てているのであれば、同様に、一般市民もウイルスへの恐怖から自死を選ぶケースが出てくることが予想される。実際、そうなっている。自身のコロナウイルス感染を動機として自殺未遂を起こし、致命傷を負った数日後の3月22日に、自閉症の若いイギリス人女性が亡くなった。
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19歳のウェイトレス、エミリー・オーウェンさんは、今月初めに自殺未遂を起こした後に重態の状態で発見され、そのまま回復することはなかった。オーウェンさんの家族は3月22日、生命維持装置を外した。報道によると、オーウェンさんは、「世界が閉ざされ、予定はすべてキャンセルになり、内面に閉じ込められて」など、自分が石のように固まってしまいつつあるサインを親類に繰り返し出し続けていた。コロナウイルスが、オーウェンさんの日常生活を突然ストップさせてしまったのだ。
「この間、ウイルスにかかって死ぬ人よりも多くの人々が、自殺で死ぬだろう」、自殺未遂を起こす数日前、オーウェンさんは、家族にこう話していた。
診断に対する恐怖
50歳のインド人、K・バラ・クリシュナさんは、コロナウイルスをもっていなかったのに、先月首を吊ってしまった。インフルエンザのような症状が出ただけだったのに。クリシュナさんは、感染したと思いこんでいたのだ。近くのクリニックの医師が、ウイルス熱に感染しているという診断をして、家に帰した後、クリシュナさんは、自分の部屋に自主隔離している際、繰り返し流されるコロナウイルスについての動画を視聴し続けるうちに、深く気分がめいってしまったのだ。
アンドラプラデーシュ州のチットール地区の家族や近所の人にこの病気を広めたくない一心で、クリシュナさんは、家から抜け出し、母親が埋葬されていた墓地で人生を終えた。
クリシュナさんは、12月の武漢市での大流行以来初の「コロナウイルスによる自殺者」であると、一応されているが、蔓延するコロナウイルスの死者の中に、自死を選んだ人が他にどれくらい含まれているかを知ることは不可能だ。
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米国の自殺防止ホットラインへの電話件数は、政府の強制隔離が人々を孤立させたため、300%増加したと伝えられている。
いっぽう、SNSを通じて人々の相談を受け付けている米国のNPOクライシス・テキストの3月23日の発表によると、先週は通常時の2倍の相談を受けたという。それ以外の、地域の自殺予防相談ホットラインでも相談件数は急しているようだ。
孤立を防ぐために、電話やインターネットで愛する人とつながろうというアドバイスは、多くの人の心の隙を完全に埋めるものではない。人間は社会的な生き物であり、失業や経済的不安といったストレスが、ママとのチャットで解決できるわけではない。
ドナルド・トランプ米大統領でさえこの問題に気づき、不幸なエミリー・オーウェンと今週初めに自らが行った警告を結びつけた。その警告とは、米国経済の長期にわたる閉鎖は、「数千人の自殺を引き起こすだろう…その数は、現在我々が考えている、このウイルスでひきおこされるであろう死者数よりもずっと多くなるだろう」という警告だ。
「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」は間違いなくいくつかの命を救ったが、逆にそれは、他の人の人生を終わらせることになっているのかもしれない。
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RT World News 2020年3月26日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月16日

コロナウイルスのパンデミックに対する、非合理的で何もかもを巻き込んでしまう恐怖は、時には病気自体による犠牲者よりも多くの犠牲者を生んでいる。コロナウイルスが原因となる自殺が増加している中、あるイタリアの看護師が、その自殺者の一人に加わってしまった。
ダニエラ・トレッツィさんは、コロナウイルスが大流行しているイタリアのロンバルディア地方のサンヘラルド病院で集中治療に当たっていた看護師だったが、今月(3月)初めにコロナウイルスと診断されていた。彼女は、3月22日に自殺した。トレッツィさんは、心の底から助けたいと思っていた患者たちに感染させしまったことを気に病んでいたと、彼女の死を確認したイタリア看護師連盟が、3月24日に報告した。トレッツィさんは、3月10日の診断以来、隔離されていた。
自分がCovid-19を拡散させてしまうことを恐れて
突然、長期にわたって隔離された孤独の中で、病人の世話をするという長い過酷な業務の後ならなおさら、罪の意識や自責の念におちいってしまうということを想像するのはむずかしいことではない。当局はトレッツィさんの死について調査しているが、私たちの中で最も心が強い人でさえ、孤立させられて精神がすり減らされることはある。世界中の多くの国々が、人道上の理由で刑務所での独房監禁を禁止しているのは、十分うなずけることだ。
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具体的な名前をあげることはしなかったが、イタリア看護師連盟は3月24日に、こういう声明を出した。「同じような自殺者の話は、1週間前ベニスでも起こった。自殺の動機は同じようなものだった」と。イタリアの医療系財団であるジンベ財団によると、イタリアのコロナウイルス症例の約8%が医療従事者であり、ジンベ財団の推定では、3月24日の時点で、5760名の医療従事者に陽性反応が出ている。
隔離の影響
ウイルスを取り巻く恐怖が医療従事者を自殺に駆り立てているのであれば、同様に、一般市民もウイルスへの恐怖から自死を選ぶケースが出てくることが予想される。実際、そうなっている。自身のコロナウイルス感染を動機として自殺未遂を起こし、致命傷を負った数日後の3月22日に、自閉症の若いイギリス人女性が亡くなった。
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19歳のウェイトレス、エミリー・オーウェンさんは、今月初めに自殺未遂を起こした後に重態の状態で発見され、そのまま回復することはなかった。オーウェンさんの家族は3月22日、生命維持装置を外した。報道によると、オーウェンさんは、「世界が閉ざされ、予定はすべてキャンセルになり、内面に閉じ込められて」など、自分が石のように固まってしまいつつあるサインを親類に繰り返し出し続けていた。コロナウイルスが、オーウェンさんの日常生活を突然ストップさせてしまったのだ。
「この間、ウイルスにかかって死ぬ人よりも多くの人々が、自殺で死ぬだろう」、自殺未遂を起こす数日前、オーウェンさんは、家族にこう話していた。
診断に対する恐怖
50歳のインド人、K・バラ・クリシュナさんは、コロナウイルスをもっていなかったのに、先月首を吊ってしまった。インフルエンザのような症状が出ただけだったのに。クリシュナさんは、感染したと思いこんでいたのだ。近くのクリニックの医師が、ウイルス熱に感染しているという診断をして、家に帰した後、クリシュナさんは、自分の部屋に自主隔離している際、繰り返し流されるコロナウイルスについての動画を視聴し続けるうちに、深く気分がめいってしまったのだ。
アンドラプラデーシュ州のチットール地区の家族や近所の人にこの病気を広めたくない一心で、クリシュナさんは、家から抜け出し、母親が埋葬されていた墓地で人生を終えた。
クリシュナさんは、12月の武漢市での大流行以来初の「コロナウイルスによる自殺者」であると、一応されているが、蔓延するコロナウイルスの死者の中に、自死を選んだ人が他にどれくらい含まれているかを知ることは不可能だ。
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いっぽう、SNSを通じて人々の相談を受け付けている米国のNPOクライシス・テキストの3月23日の発表によると、先週は通常時の2倍の相談を受けたという。それ以外の、地域の自殺予防相談ホットラインでも相談件数は急しているようだ。
孤立を防ぐために、電話やインターネットで愛する人とつながろうというアドバイスは、多くの人の心の隙を完全に埋めるものではない。人間は社会的な生き物であり、失業や経済的不安といったストレスが、ママとのチャットで解決できるわけではない。
ドナルド・トランプ米大統領でさえこの問題に気づき、不幸なエミリー・オーウェンと今週初めに自らが行った警告を結びつけた。その警告とは、米国経済の長期にわたる閉鎖は、「数千人の自殺を引き起こすだろう…その数は、現在我々が考えている、このウイルスでひきおこされるであろう死者数よりもずっと多くなるだろう」という警告だ。
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