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ガザの子どもたちを死に追いやっている今の飢餓作戦には、欧米人が口に出そうとしない明確な理由・動機がある。

<記事原文 寺島先生推薦>
The hunger killing Gaza’s children has a clear cause that few are willing to name out loud
食糧支援を求めるための列を作った市民たちを虐殺した最近の出来事を見れば、パレスチナへ人道的大惨事をもたらそうとする意図ははっきりしている。
筆者:エヴァ・バートレット (Eva Bartlett)
カナダの独立ジャーナリスト。中東の紛争地帯、特にシリアとパレスチナ(約4年間滞在)を長年取材。
出典:RT 2024年3月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月18日


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ガザ地区南部の都市ラファで、慈善団体が提供した寄付ポイントで食料を集めるパレスチナの子どもたち(2023年11月30日撮影) © MOHAMMED ABED / AFP


2月29日、イスラエルが食糧援助を手にしようと並んでいた少なくとも115人の飢えたパレスチナ人をイスラエルは虐殺した。しかし、もし実行者がロシア、あるいはシリアであれば大声で怒りの声を発するであろう西側メディアは、ほぼだんまりだった。

ガザ保健省によると、2月29日(木)早朝、イスラエル軍は、ガザ市の南西で食糧援助を必死に待っていた非武装のパレスチナ人に発砲した。その結果、115人の市民が殺され、750人以上が負傷した。

米国の人気コメンテーター、アンドリュー・ナポリターノ判事は、受賞歴のあるアナリスト、ジェフリー・サックス教授との最近のインタビューで次のように語っている。「何の罪もないガザの市民が、支援トラックから小麦粉と水を受け取るために並んでいたのに、イスラエル軍によって100人以上が虐殺された。これは、イスラエル軍が行なった最も非難されるべき、公然たる虐殺のひとつと言ってよい」。

イスラエルの公式見解は、案の定、パレスチナ人自身に責任を押し付けている。死者や負傷者が出たのは大混乱が原因であると思われ、イスラエル軍兵士が発砲したのは群衆に危険を感じたからだ、という。BBCは、ごていねいにも、ある陸軍中尉の言葉を取り上げ、兵士たちは「数発の威嚇射撃で慎重に暴徒を退散させ(ようとし)た」と伝えた。イスラエル首相の特別顧問であるマーク・レゲフは、CNNの取材に対し、イスラエル軍は直接的には一切関与しておらず、銃撃は「パレスチナの武装グループ」からのものであったと語った。

ただし、生存者や医師は異なる証言をしている。事件後に治療を受けたほとんどの人がイスラエル軍によって撃たれたと述べているのだ。しかし、(ガーディアン紙のような)時代の流れに沿わない「遺産的」メディア報道はイスラエルに不利な証拠が積み重なると中立的な言葉使いになる。ガーディアン紙の見出しは、「救援トラックの近くでイスラエル軍が発砲、混乱した場面で112人死亡」となっている。パレスチナの人々は殺されるのではなくただ「死亡する」だけ、そしてイスラエル軍は単に近くで「発砲」しただけのようだ。こういった歪んだ言葉遣いは同じ見出しにパレスチナの高官を登場させているにもかかわらず変わらない。この高官はイスラエルが「ジェノサイド戦争」の一環として「虐殺」を行なっているとはっきり非難している。

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関連記事:ネタニヤフの動きはイスラエルにプラスではなくマイナスになっている―バイデン

このガーディアン紙の記事は、アル・アウダ病院の院長代理が、治療した161人の死傷者のほとんどが銃で撃たれたようだと述べたことを結局は紹介している。この紛らわしい見出しは、ほとんどの人が記事の全文を読もうとしないことを見越しての意図的なものだろう。

3月3日に発表された報告書の中で、*Euro-Medは、現地チームのメンバーが事件発生時にその場におり、「人道支援を受けようとするパレスチナ市民に向かってイスラエル軍の戦車が激しく発砲したことを記録した」と述べている。報告書はさらに、ガザの主要病院であるシファの看護部長、ジャダラ・アル・シャフィイ博士の言葉を引用し、「救急隊員や救助隊員も犠牲者の中にいた」と述べ、シファでは「イスラエル軍の銃撃を受け、何十人もの死傷者を目撃した」と述べている。
*Euro-Med ・・・Euro-Med Human Rights Monitor(ユーロメッド・ヒューマンライツ・モニター)は、ヨーロッパと中東・北アフリカ地域のすべての人々、特に占領下にある人々、戦争や政情不安の渦中にある人々、迫害や武力紛争によって避難生活を余儀なくされている人々の人権を擁護する、若者主導の独立非営利団体である。

報告書はまた、イスラエルが発砲したときに現場にいたシファの救急専門医、アムジャド・アリワ医師の証言も引用している。アリワによれば、イスラエル軍の砲撃は、「木曜日の午前4時にトラックが到着するとすぐに」始まったという。

しかし、2月29日の大虐殺は、悲劇的ではあるが、イスラエルのガザに対する戦争の現在の段階の一部にすぎない。パレスチナの人々を意図的に飢餓状態に追いやっている。そして、虐殺行為そのものもそうだが、この飢餓作戦についても、既成のメディアは終始傍観者的な言葉遣いだ。

2月29日付のニューヨーク・タイムズ紙は、「飢餓がガザの子どもたちに忍び寄っている」という見出しの記事を掲載した。この飢餓は、イスラエルによる包囲が明らかな原因であることを言わず、まるで飢餓が自らの意思を持った謎めいた悪魔とでもこの記事は言いたげだ。

NYTの記事は、ガーディアンの記事と同様、「飢餓は人災である」と数段落で述べ、イスラエル軍がいかに食料の配達を妨げているか、イスラエル軍の砲撃がいかに援助物資の配給を危険なものにしているかを描写している。

サックス教授は次のように述べた。「・・・イスラエルは意図的にガザの人々を飢えさせています。飢えさせています! 私は誇張しているわけではありません。文字どおり飢えさせています。イスラエルは犯罪者であり、今や止まることを知らない戦争犯罪状態にいます。 私は、これはぜったいにジェノサイドだと思います」。

このような事件は2月29日の大虐殺が最初ではなく、おそらく最後でもないだろう。Twitter/Xのスレッドでは、「昨日の 『小麦粉大虐殺』の前にも、IDFは数週間にわたって、まったく同じ場所で援助トラックを待っている飢えたガザの人々に、事実上毎日、無差別に発砲している!」と書かれている。

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関連記事:支援物資投下でガザの住民5名死亡

ガザのアナリストであり、Euro-Medのチーフ・オブ・コミュニケーションであるムハンマド・シェハダがまとめたこのスレッド(注意:生々しい画像あり!)には、イスラエル兵が2月29日以前の1週間、毎日パレスチナ人に発砲した例が挙げられている。

もしシリア兵やロシア兵が飢餓に苦しむ市民に発砲すれば、その怒りは24時間365日、何週間も(西側メディアの)一面トップで報道されるに違いない。いや、そんなことをする必要すらなかっただろう。ちょっと非難をほのめかすだけで、マスコミを煽るには十分だったはずだ。

シリアでの飢餓は別問題だった

前出のNYTの記事は、「餓死報告は遠方からでは確認が難しい 」と指摘している。しかし、「遠方から確認する」というのは、まさにNYTや他の西側メディアが何年にもわたってシリアで繰り返し行なってきたことである。

アル・ヌスラ(当時)やジェイシュ・アル・イスラム、そして西側諸国や企業メディアが「反体制派」と呼んだ他の過激派テロリスト集団が占領した地域では、食糧援助は常にこれらのテロリストに奪われ、民間人には渡らず、いくつかの地区では飢餓を引き起こした。ダマスカスの西に位置するマダヤやアレッポ東部、そして後にグータ東部は、「遺産的」メディアが最も声高に報道した地区であり、シリア政府を転覆させるという、より広範なアメリカ主導のキャンペーンの援護射撃となった。

(シリア)政府が民間人を飢えさせているという主張を支持しているのは、そのほとんどが 「無名の活動家」か、ヌスラ、さらにはISISへの忠誠が非常に明白な活動家であった。

これらの地域が解放されるたびに見聞きしたことだが、十分な食料や医薬品が送られてきていたにもかかわらず、市民はそれを目にすることがなかった。主要な地域を挙げれば、アレッポ東部やマダヤ、アル=ワール、グータ東部で、テロリストたちが食料や医薬品を買い占め、住民に売ったとしても、それは人々が買えないような恐喝的な価格だと市民は何度も何度も訴えた。

2014年にホムスの旧市街で、当時は「遺産的」メディアによって「革命の首都」と呼ばれていた。私が会った飢餓状態の住民は、西側が御大層に言う「反体制派」が食料を片っ端から盗み、値打ちものも盗んでいったと話した。

だが、この地域に関するメディアの見出しは、シリア政府を非難しながら飢餓について声高に語り、やせ細った市民(一部はシリア出身でさえない)の、人の心を乱すような画像を添え、読者や視聴者の強い感情を引き起こそうとした。この同じメディアが、ガザのやせ細った、飢えたパレスチナ人を報道することはほとんどない。

テロ軍に包囲され、爆撃され、狙撃され、飢餓に苦しむシリアの町は、事実上メディアで報道されることはなかった。「反体制派」=善、アサド=悪というNATOのシナリオにそぐわなかったのだ。

しかしガザでは、予防可能な飢餓によってパレスチナ人が死んでいくのを、世界はリアルタイムで見ている。

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関連記事:イスラエル人とパレスチニア人の議論「イエスはどうするだろうか?」

国境を開け

数日前、パレスチナ人のための医療援助のCEOであるメラニー・ウォードは、CNNとのインタビューで、ガザの飢餓の原因としてイスラエルを挙げた。

「それはとても単純なことで、イスラエル軍が入れないからです。もしイスラエル軍が私たちを受け入れさえすれば、明日にでもこの飢餓を終わらせることができます。しかし、イスラエルはそれを許していない。これが(10月9日に)彼らが言った『何も入れない』ということです」とウォードは言った。

彼女はこの飢餓について、「人口の栄養状態がこれまで記録された中で最も急速に悪化しています。つまり、世界がかつて経験したことのない速さで、子どもたちが飢餓にさらされているということです。私たちは明日にでもそれを終わらせることができるし、彼ら全員を救うこともできる。しかし、それができていないのです」と語った。

この情報はユニセフによっても裏付けられている。2024 年 2 月の報告書のプレス・リリースによると、ガザ北部の2歳未満の子供のうち15.6%(6人に1人)が「急性栄養失調」に苦しんでいます。そのうち約 3% が重度の栄養失調であり、これは幼児にとって最も命にかかわる栄養失調であり、緊急治療を受けない限り、子供たちは医学的合併症や死亡の最も高いリスクにさらされます」とUNICEFは述べている。

さらに悪いことに、「データは1月に収集されたものであるため、今日の状況はさらに深刻である可能性が高い」とユニセフは警告し、同様に栄養失調の急激な増加は「危険であり、完全に予防可能である」と指摘している。

サックス教授は重要な点を述べた:「この状況は、アメリカ合衆国がイスラエルに弾薬を供給するのを止める時に終わるでしょう。イスラエルの自制心によって止まることはありません・・・イスラエルは民族浄化かそれ以上のことを考えています。そして唯一の支援はアメリカ合衆国です・・・この支援があるから虐殺が止まっていないのです」。

ガザにわずかな量の食糧を投下することは、解決策ではない。それは、イスラエルによる意図的なガザ飢餓を正当化するものであり、また、援助物資に向かって走ってくるパレスチナ人を、イスラエル軍が傷害を負わせたり殺したりする格好のカモにするものだ。唯一の解決策は、ただちに国境を開放し、エジプトに停車している何百台もの援助トラックを受け入れることだ。そして、イスラエルによるガザへの砲撃を終わらせることだ。
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