2009年英国政府有識者たちは「豚インフルエンザ」の危険性について粗野な煽り方をした――「Covid-19」について歴史は同じ事を繰り返すのか?
<記事原文 寺島先生推薦>
In 2009 UK government experts wildly over-hyped dangers of swine flu — is history repeating with Covid-19?
RT UKニュース 2020年3月28日
Peter Andrews
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月15日
By Peter Andrews, Irish science journalist and writer, based in London. He has a background in the life sciences, and graduated from the University of Glasgow with a degree in genetics

コロナウイルス・ロックダウンの中で、政府やメディアの主張の一部は誇張された言い方になっている。10年前の豚インフルエンザでも同じようなことがあった。彼らは教訓を学んでいない。で、国民は?
水曜日(25日)、RTはメディアや政府が国民を恐怖に陥れるために使っているセンセーショナルな死亡率を取り上げた。その死亡率は何か実体のはっきりしない統計学から導き出されたものであり、「Covid-19がもたらす真の脅威」という言い方も眉唾物だ、という疑いも出てきている。パンデミックがどのように広がるかの予測を作成している統計学者の間では、次のようなことわざがある:「モデルは所詮モデル」。それがどれほど真実であるかは、すぐに証明されるかもしれない。今、コロナウイルス危機が煽られる熱気の中で、疫学者やコンピュータ・モデラーが政府や議会の前に引き出され、最悪ケースのシナリオを予測している。――そしてその予測のいくつかは早くも噴飯物であることが明らかになっている。
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Covid-19: Are we in danger of listening too much to experts?
インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授もその一人で、彼はイギリス議会で、最終的にCovid-19の犠牲になるのは何人ぐらいと考えているかについて証言している。ファーガソン教授は、科学技術に関する議会の特別委員会の一委員として証拠を提出していた。ファーガソン教授の当初の予測では、Covid-19は50万人の英国人の命を奪うだろうとしていたが、彼はその予測を修正した。ファーガソンは現在、せいぜい2万人が死ぬと考えている。そして今後その数値もずっと低めになる可能性がある。
卓越した疫学者ファーガソンの予測Uターンは広く一般には報告されていないが、公聴会の内部からの報道によると、ファーガソン教授は現在、当初の予測より25倍も小さい数字を絶対的な最大値と呼んでいるという。皆が不思議に思うのは、何があって彼は心を変えたのか?ということだ――断言はできないが、予想死亡率より低い死亡率を彼が示したことにより、専門家たちは終末的な雰囲気をより多く漂わせる自分たちの予測を見直しているようだ。実情を明かせば、ファーガソン教授自身、Covid-19に感染している。――おそらく、その「Covid-19感染」も彼が考えていたほど辛いものではなかったのだろう。
さらに、ファーガソン教授は英国議会で、英国の国家医療システム(NHS)には今回のパンデミックに対処するのに十分な集中治療ベッドと設備があると考えている、と述べた。そして、ピークはまだ来ていないが、英国は比較的スムーズに最悪の事態を乗り切るだろう、というのが彼の確信だ。それじゃ、「空騒ぎ」というわけ?
「豚年」
コロナウイルスは、過去20年で3回目の世界的なパンデミックである。最初のパンデミックはサーズであり、2番目のパンデミックは、10年ちょっと前に発生した豚インフルエンザ(A/H1N1ウイルス)だった。こちらの方を鮮明に記憶している読者も多いだろう。2009年の春にメキシコで発生し、世界中で何十万人もの人が感染し、国際線フライトを介して、このウイルスが広範囲に広がった。
最終的にはWHOによって「世界的パンデミック」と宣言された。メディアへの影響については、バケツ一杯の魚の内臓が沿岸海域に捨てられた時、近くにいるサメに与える影響とほぼ同じであった。メディアは血の臭いを嗅ぎ取り、インクを滴らせた。先を争って見出しを作り、背筋の凍るような統計を発掘しようと必死だった。(世界各地のガーディアン紙は、豚ウイルスが発生している時のメディアによる問題報道ついて意見記事を発表した) 。聞いたことある気がしない?
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AIDS, Spanish Flu, the PLAGUE? Just how deadly is the coronavirus compared to history’s WORST pandemics?
リアム・ドナルドソン教授は、当時イギリスの最高医療責任者を務めていた。彼は、最悪の場合のシナリオとして、約1900万人がウイルスに感染し、死亡率は約0.35%、約6万5000人が死亡すると発表した。リアム卿の最悪のシナリオ(結局のところ、人間というのは最悪の事態に備えるものなのだ)に基づいて、イギリス政府は大規模な予防接種プログラムを開始した。まずは特に危機に曝される層(高齢者、妊婦、そして子ども)を優先し、それから残りの層をカバーする段取りになっていた。政府は製薬会社のグラクソ・スミスクラインとバクスターから合計9000万回分のワクチンを購入した。
言うまでもなく、そういう事態にはならなかった。2010年春までには、A/H1N1 は前回のインフルエンザ(サーズ)の流行よりもはるかに致死率が低いことが明らかになっていた。しかし、65,000人の死者というのがリアム卿の最悪のケースのシナリオであったことを思い出してほしい。最良のシナリオとは何だったのか?彼の予想では、一番少なければ、豚インフルエンザは約300万人のイギリス人に感染し、死者はたった3,100人ということだった。実際はそんなにビクビクする必要は全くなかった。では、最終的な集計死亡者数は?
結局、豚インフルエンザで死亡した英国人は500人以下で、そのほとんどが基礎疾患を持つ人たちだった。これは、最高医学責任者が想定していた最良のシナリオの6分の1以下であった。もちろん、政府は、これだけ多くの国民が死を免れたことに大喜びしたが、A/H1N1ワクチンの残量が何千万も入った袋を抱えたまま、予防接種をする人がいなくなってしまったのである。はたと困ってしまった。
それにもかかわらず、英国政府のパニック的ワクチンの買い付けに対する大きな反発はそれほどでもなかった。それはおそらく、そもそも国民が豚インフルエンザについてそこまで感情に流されていなかったからだ。メディアはいろいろ奮闘したが、「パンデミック」がその名の通りになることはなかった。基本的に豚インフルエンザは別種のインフルエンザでしかなかった。マイケル・サマーズは当時、患者会の副会長を務めていたが、製薬会社に巨額のワクチン契約を渡すことになったとき、確かに「学ぶべき教訓」があることを認めた。この件に対する大きな批判はこの程度ですんだ。
メディアは今回どう動いているのか?
しかし、10年が経過した今、歴史の教訓は忘れ去られたように見える。①ハリウッド映画に出てくるようなコロナウイルスの起源の話、②豚インフルエンザよりもやや危険であるという事実、そして③ソーシャルメディア情報の飽和状態、この三つが相まって、世界を第二の大恐慌に落とし込む過剰反応の完璧な嵐が作り出されている。
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最悪なのは、今流布しているだれも口を挟めない言説や社会通念となってしまっているものに疑問を呈する人たちに「のけ者」のレッテルを貼る社会的風土だ。そして、古代の知恵の教えのままに、そういった言説に疑問の声を上げると一般民衆からも、認証ツイッターを持っているジャーナリストからも怒号を浴びせられる可能性が高い。あなたにできることは、心を開いた個人として、自分で考え、何一つ当たり前とは思わず、そして安全な場所にいることしかない。新型コロナウイルスからだけでなく、見境のないメディアの過剰フェイク報道からも、だ。
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Peter Andrews
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月15日
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コロナウイルス・ロックダウンの中で、政府やメディアの主張の一部は誇張された言い方になっている。10年前の豚インフルエンザでも同じようなことがあった。彼らは教訓を学んでいない。で、国民は?
水曜日(25日)、RTはメディアや政府が国民を恐怖に陥れるために使っているセンセーショナルな死亡率を取り上げた。その死亡率は何か実体のはっきりしない統計学から導き出されたものであり、「Covid-19がもたらす真の脅威」という言い方も眉唾物だ、という疑いも出てきている。パンデミックがどのように広がるかの予測を作成している統計学者の間では、次のようなことわざがある:「モデルは所詮モデル」。それがどれほど真実であるかは、すぐに証明されるかもしれない。今、コロナウイルス危機が煽られる熱気の中で、疫学者やコンピュータ・モデラーが政府や議会の前に引き出され、最悪ケースのシナリオを予測している。――そしてその予測のいくつかは早くも噴飯物であることが明らかになっている。
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インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授もその一人で、彼はイギリス議会で、最終的にCovid-19の犠牲になるのは何人ぐらいと考えているかについて証言している。ファーガソン教授は、科学技術に関する議会の特別委員会の一委員として証拠を提出していた。ファーガソン教授の当初の予測では、Covid-19は50万人の英国人の命を奪うだろうとしていたが、彼はその予測を修正した。ファーガソンは現在、せいぜい2万人が死ぬと考えている。そして今後その数値もずっと低めになる可能性がある。
卓越した疫学者ファーガソンの予測Uターンは広く一般には報告されていないが、公聴会の内部からの報道によると、ファーガソン教授は現在、当初の予測より25倍も小さい数字を絶対的な最大値と呼んでいるという。皆が不思議に思うのは、何があって彼は心を変えたのか?ということだ――断言はできないが、予想死亡率より低い死亡率を彼が示したことにより、専門家たちは終末的な雰囲気をより多く漂わせる自分たちの予測を見直しているようだ。実情を明かせば、ファーガソン教授自身、Covid-19に感染している。――おそらく、その「Covid-19感染」も彼が考えていたほど辛いものではなかったのだろう。
さらに、ファーガソン教授は英国議会で、英国の国家医療システム(NHS)には今回のパンデミックに対処するのに十分な集中治療ベッドと設備があると考えている、と述べた。そして、ピークはまだ来ていないが、英国は比較的スムーズに最悪の事態を乗り切るだろう、というのが彼の確信だ。それじゃ、「空騒ぎ」というわけ?
「豚年」
コロナウイルスは、過去20年で3回目の世界的なパンデミックである。最初のパンデミックはサーズであり、2番目のパンデミックは、10年ちょっと前に発生した豚インフルエンザ(A/H1N1ウイルス)だった。こちらの方を鮮明に記憶している読者も多いだろう。2009年の春にメキシコで発生し、世界中で何十万人もの人が感染し、国際線フライトを介して、このウイルスが広範囲に広がった。
最終的にはWHOによって「世界的パンデミック」と宣言された。メディアへの影響については、バケツ一杯の魚の内臓が沿岸海域に捨てられた時、近くにいるサメに与える影響とほぼ同じであった。メディアは血の臭いを嗅ぎ取り、インクを滴らせた。先を争って見出しを作り、背筋の凍るような統計を発掘しようと必死だった。(世界各地のガーディアン紙は、豚ウイルスが発生している時のメディアによる問題報道ついて意見記事を発表した) 。聞いたことある気がしない?
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AIDS, Spanish Flu, the PLAGUE? Just how deadly is the coronavirus compared to history’s WORST pandemics?
リアム・ドナルドソン教授は、当時イギリスの最高医療責任者を務めていた。彼は、最悪の場合のシナリオとして、約1900万人がウイルスに感染し、死亡率は約0.35%、約6万5000人が死亡すると発表した。リアム卿の最悪のシナリオ(結局のところ、人間というのは最悪の事態に備えるものなのだ)に基づいて、イギリス政府は大規模な予防接種プログラムを開始した。まずは特に危機に曝される層(高齢者、妊婦、そして子ども)を優先し、それから残りの層をカバーする段取りになっていた。政府は製薬会社のグラクソ・スミスクラインとバクスターから合計9000万回分のワクチンを購入した。
言うまでもなく、そういう事態にはならなかった。2010年春までには、A/H1N1 は前回のインフルエンザ(サーズ)の流行よりもはるかに致死率が低いことが明らかになっていた。しかし、65,000人の死者というのがリアム卿の最悪のケースのシナリオであったことを思い出してほしい。最良のシナリオとは何だったのか?彼の予想では、一番少なければ、豚インフルエンザは約300万人のイギリス人に感染し、死者はたった3,100人ということだった。実際はそんなにビクビクする必要は全くなかった。では、最終的な集計死亡者数は?
結局、豚インフルエンザで死亡した英国人は500人以下で、そのほとんどが基礎疾患を持つ人たちだった。これは、最高医学責任者が想定していた最良のシナリオの6分の1以下であった。もちろん、政府は、これだけ多くの国民が死を免れたことに大喜びしたが、A/H1N1ワクチンの残量が何千万も入った袋を抱えたまま、予防接種をする人がいなくなってしまったのである。はたと困ってしまった。
それにもかかわらず、英国政府のパニック的ワクチンの買い付けに対する大きな反発はそれほどでもなかった。それはおそらく、そもそも国民が豚インフルエンザについてそこまで感情に流されていなかったからだ。メディアはいろいろ奮闘したが、「パンデミック」がその名の通りになることはなかった。基本的に豚インフルエンザは別種のインフルエンザでしかなかった。マイケル・サマーズは当時、患者会の副会長を務めていたが、製薬会社に巨額のワクチン契約を渡すことになったとき、確かに「学ぶべき教訓」があることを認めた。この件に対する大きな批判はこの程度ですんだ。
メディアは今回どう動いているのか?
しかし、10年が経過した今、歴史の教訓は忘れ去られたように見える。①ハリウッド映画に出てくるようなコロナウイルスの起源の話、②豚インフルエンザよりもやや危険であるという事実、そして③ソーシャルメディア情報の飽和状態、この三つが相まって、世界を第二の大恐慌に落とし込む過剰反応の完璧な嵐が作り出されている。
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最悪なのは、今流布しているだれも口を挟めない言説や社会通念となってしまっているものに疑問を呈する人たちに「のけ者」のレッテルを貼る社会的風土だ。そして、古代の知恵の教えのままに、そういった言説に疑問の声を上げると一般民衆からも、認証ツイッターを持っているジャーナリストからも怒号を浴びせられる可能性が高い。あなたにできることは、心を開いた個人として、自分で考え、何一つ当たり前とは思わず、そして安全な場所にいることしかない。新型コロナウイルスからだけでなく、見境のないメディアの過剰フェイク報道からも、だ。
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