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セルゲイ・ストロカン: ヴィクトリア・ヌーランドが辞めた本当の理由とは?

<記事原文 寺島先生推薦>
Sergey Strokan: Is this the real reason why Victoria Nuland quit?
バイデン氏とブリンケン氏は、ロシア嫌いではなく、中国嫌いの人物を選んだ。この選択はヌーランド氏には、訳の分からないものだったかもしれない。
筆者:セルゲイ・ストロカン(Sergey Strokan)。ロシア日刊紙、コメルサント紙論説委員
出典:RT 2024年3月8日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月12日


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ヴィクトリア・ヌーランド女史。写真:ケビン・ディエッチ/ゲッティイメージズ


ヴィクトリア・ヌーランド米国務次官の辞任が間近に迫っているが、彼女が国務省を予期せず辞任した理由についてはさまざまな説が浮上している。ロシア政府の考えによると、その原因が「反ロシア路線」と米国が一体として取り組んだ「ウクライナ計画」の失敗によるものだという。それとあわせて、米国政府は、現在インド太平洋政策の責任者であるカート・キャンベル氏を国務省の次席官僚に指名しようとしている。報道機関と専門家らはこれを、ウクライナに対する米国の関心の低下を背景に、アジアがワシントンの最優先事項となりつつある証拠だと解釈している。

ヌーランド国務次官によるこの発表は多くの人々から驚きをもって迎えられた。長い経歴を持つ米国の外交官であり、2014年のウクライナでのマイダン革命で積極的な役割を果たした彼女が人々の記憶にあるのは、キエフでクッキーを配ったことだけではなく、ここ十何年かのあいだ、主要な国際的な危機や紛争に関わってきたことにもある。

様々な政権下において米国務省で35年以上働いていた経歴をもつヌーランド国務次官のほうが、現職国務長官という肩書きをもつブリンケン氏よりも一見より強い印象が残る。火曜日(3月5日)、ブリンケン国務長官は急いで自らヌーランド国務次官の業績に賛辞を送り、おごそかに彼女に付き添って国務省から退出させ、即座に彼女を歴史と外交の記録に記載する、と表明した。6名の大統領と10人の国務長官に仕えてきたことを思い起こしながら、ブリンケン国務長官はジョー・バイデン政権下で彼女が果たした最後の職務において、ヌーランド国務次官は「世界の指導者たる米国」の再建という願望を具体化した、と褒め称えた。

同国務長官は、ロシア・ウクライナ戦争勃発以来、反ロシア同盟の形成という点においてヌーランド国務次官が果たしてきた役割に特別な敬意を払い、ヌーランド国務次官がおこなってきた努力は不可欠であり、それは外交官や学生たちによって将来研究対象とされるだろう、とした。

同国務長官によると、近年、ヌーランド国務次官が取り組んできた主な使命は、ロシアの「戦略的敗北」であり、ウクライナの「民主的・経済的・軍事的」自立を支援してきたことにある、という。しかし彼女が有する全ての経験や影響力にかかわらず、ブリンケン国務長官は彼女を慰留しようとはしなかったようだ。

ヌーランド国務次官辞任の知らせにより、ロシア政界の指導者や外交官、専門家、報道機関から雪崩のような反応が引き起こされた。

ロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官によると、ヌーランド国務次官が辞任においこまれたのは、バイデン大統領が対ロシア政策を誤ったからだ、という。

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関連記事:Western ‘expertise’ on the Ukraine conflict could lead the world to a nuclear disaster https://www.rt.com/russia/593717-western-expertise-ukraine-conflict/

「これはヌーランド国務次官が関わってきた政策の失敗です。というのも、同国務次官は我が国に対して嫌露感情をもとにした政策を追い求めてきた中心人物だったからです」とザハロワ外務省報道官は述べた。同報道官によると、この先、職を去ることになるこの国務次官は、「国務省の代表的な高官であっただけではなく、米国の省庁間の協力体制に取り組む重要人物」だった、という。

「ヌーランド国務次官は、米国の反ロシア感情や反ロシア政策を調整する働きをしていました。ウクライナに関しては、特にそうでした。ヌーランド国務次官が理論家であったとは思えません。米国内には彼女以上に我が国を嫌っている人々もいます。しかし、彼女は真の調整者の役割を果たしており、反ロシア政策に関わっていたのです。そのような事情こそ、米国政府がヌーランド国務次官に別れを告げた理由なのです」とこのロシア外務省報道官は語った。

現在米国内で生じている論によると、ヌーランド国務次官の辞任は第一副外交政策責任者の座を争う権力闘争の結果である、という。

専門家の中には、(一般的に)意見のぶつけ合いというのは自分を有利に導こうとする水面下での戦いと見る向きもある。(しかし)すべてはアメリカの外交政策の長期的な形とその優先順位をめぐる争いの一部なのだ。

思い起こすべき事実は、昨年夏にウエンディ・シャーマン女史が米国国務次官補を辞任した後に、後任としてヌーランド女史が6ヶ月勤めた点である。しかし昨年末、ホワイトハウスはもう一人の米国の長い経歴をもつ外交官であるキャンベル氏を外交当局の第2位の役職の候補者に据える、という想定外の決断を下した。ヌーランド国務次官ほどは外交界において名を知られていないキャンベル氏は、欧州・大西洋地域ではなく、インド・太平洋地域で経歴を積んできた。

「ヌーランド女史は、恒久的にシャーマン女史の後任をつとめる候補者として妥当である、と考えられていた。しかしブリンケン国務長官は元国家安全保障会議アジア担当代表カート・キャンベル氏を候補者に選んだ」とニューヨーク・タイムズ紙はこの人事について報じた。ジェームス・カーデン元米国務省高官がRIAノーボスチ通信社にこう語っている。「私が本当に驚いたのは、ヌーランド国務次官がこれほど長く要職に就き続けてきたことです。カート・キャンベル氏が国務省で2番目の地位の役職に就くことになった時点で、ヌーランド女史の時代は終わった、と確信しました」と。2月6日の上院での投票において、キャンベル候補には党派を問わず広い支持が集まった。具体的には上院で92名の議員が支持票を投じ、反対票は5票にすぎなかった。

「バイデン大統領がカート・キャンベル氏を選んだことは、バイデン氏の前任者たちが何十年も前から着手した努力を継続したいという欲望の表れだ。それは、米国の外交政策の焦点を中国にうつすことであり、中国をこの先、米国が直面する主要な脅威ととらえることである」とAP通信はこの人事異動について報じた。

「カート・キャンベル氏はバラク・オバマ大統領政権下での『アジア基軸』戦略において重要な役割を果たしてきました。その戦略はいま、バイデン大統領の『インド・太平洋戦略』に引き継がれています」とロシア・中国友好・平和・開発委員会専門部会ユーリ・タブロフスキー議長が、コメルサント紙に語った。

「実際、キャンベル氏は反中国軍事同盟であるAUKUS(豪・英・米)やQUAD(4カ国間安全保障会議―豪・印・米・日)の創設に特に積極的に関わってきました。キャンベル氏を国務省第2位の高官に任命したことは、ホワイトハウスが長年取り組んできた中国封じ込めに取り組もうという姿勢の表れです。ことばや態度からは中国との和解を求めているように取れますが・・」とタブロフスキー議長は述べた。”

つまりタブロフスキー氏によると、「国務省第2位の地位を、1番ロシアを嫌っている人物から、1番中国を嫌っている人物にすげ替えた」ということだ。

この記事の初出は、ロシアの日刊紙であるコメルサント紙。RTが、翻訳・編集を行なった。
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