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ゼレンスキーの末路は近い? 米国はウクライナ戦争の戦後を模索中

<記事原文 寺島先生推薦>
The U.S. Is Planning for the Aftermath of Ukraine War
筆者:ソニア・バン・デン・エンデ(Sonja van den Ende)
出典:Strategic Culture 2024年2月20日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月4日


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ランド研究所によると、アメリカ合衆国には二つの見通しがあるという。一つは、あまり都合のよくない「戦後」でもうひとつは、より都合の良い「戦後」。

米国の政策立案組織である著名なシンクタンクが先日、いわゆるウクライナ戦争の戦後に関する長い報告書を出した。

米国政府とそのNATO同盟諸国が認めなければならないことは、米国が欧州の衛星諸国と共にまたぞろ代理戦争に負けつつある、という事実だ。かつて、アフガニスタン(20年以上もの戦争のあと、まさに第2のベトナム戦争だった)で負け、最近ではシリアとイラクで負け、今度はウクライナ、だ。

欧州のいわゆる「ロシア専門家ら」でさえ、ウクライナが負けつつあることを認めている。

「今年、ウクライナがこの戦争に負ける可能性を排除していません。欧州はロシア軍を見誤ってきました」といわゆる「ロシア専門家」であるベルギーのヨリス・バン・ブレイド氏がベルギーのデ・スタンダード紙の取材に答えた。

ロシアが再び主導権を有しており、ロシア側はこの戦争をやめるつもりはない、と同氏は考えている。「私たちは、欧州をより安全にする歴史的な機会を見過ごしてしまいました」と。

ランド研究所の報告書によると、現在二つの見通しが可能だという。すなわち、いわゆる「厳しい戦後」か「柔和な戦後」か、だ。もちろん、米国は柔和な戦後を迎えるほうを望んでいる。そうなれば、操作を加えたり、クーデターをしかけたり、ロシアのバルカン半島化(分裂ということ)を画策する余地が残されるからだ。ちょうど、ユーゴスラビアで見せたような形で、だ。ランド研究所によると、欧州駐留の米軍の数は2022年2月のロシアによる特別軍事作戦開始以来、10万人に増加している、という。

米国はドイツからリトアニアに攻撃機を移動させ、パトリオット防空設備をドイツからスロバキアとポーランドに移動させ、F-15 戦術戦闘機を英国からポーランドに移動させた。加えて、欧州諸国はルーマニアにF16 戦闘機を送ることになっていることを、先日オランダ当局がほのめかした。これらのF-16戦闘機はロシアの諸都市を攻撃することが可能だ。米国側はこのような戦闘機の配置を戦時緊急時のものであると特徴付け、ウクライナを超えてロシアが侵略の手を拡げ、欧州の米国同盟諸国にまで攻撃を加えることを阻止するためだ、としている。

欧州諸国の指導者層は、ほとんど冷静さを欠く態度を見せ、ロシアは欧州に侵略するつもりであり、手始めにモルドバやバルト諸国、ポーランドが攻められると公言している。オランダやドイツ、フランスは、自国民にロシアが攻めてくる心づもりをしておくよう警告している。先日NATO入りしたスウェーデンもそうだ。

人々は自国の政治家たちが繰り出す妄言により怖がらせられている。徴兵制度が復活されるにちがいない。ドイツは移民者(軍役が可能な約150万人)を徴兵し、これらの移民者にパスポート所得させる準備さえできている。

欧州諸国の指導者層がさらに懸念しているのは、米国の大統領選挙の結果だ。それは、共和党大統領候補であるドナルド・トランプ氏が、NATOをなくし、欧州諸国は自衛するべきだという旨の発言をしているからだ。米国に欧州諸国が見捨てられないかを懸念しているのだ。

先日ブリュッセルで開かれたNATOの会議において、戦争に関する多くの主張がなされた。「私たちが住んでいる時代というのは、想定外のことを想定しなければならない時代です」とオランダのロブ・バウアーNATO軍事委員長が述べた。いっぽうデンマークとドイツの防衛大臣はこの先5年以内のロシアとの戦争勃発について警告した。

米国や欧州の指導者層は、ここ数年、強硬路線が展開されるだろうと見ている。これらの指導者層がその代弁者である企業支配下の報道機関を通じて公言しているのは、ロシアがますます「危機に対してなにもしない」状況になりつつある、という点だ。それゆえ予想される方向性は、強硬路線によりNATOの軍事能力が向上され、ロシアの侵略とされるものを阻止する、というものだ。

ちょうどドイツのバイエルン州で開催されたタカ派の会議であるミュンヘン安全保障会議の年会義が開かれる時期だ。この会議は、プーチン大統領が2007年の会議での有名な演説の中で警告を発した会議だ。そのなかでプーチン大統領が明言したのは、近い将来、単極的世界は終わり、多極化世界が出現する、というものだった。プーチン大統領のこの予測に対して、西側諸国の指導者らから嫌悪の声があがっていた。

ミュンヘン安全保障会議の今年の議題が活発化した理由は、トランプがNATOを弱体化させようとしているという推測によるものだった。欧州のいくつかの国の政治家らからの米国からの支援を求める声が切実さを増した。これらの政治家たちは、ウクライナは武器や弾薬が不足していることを、公言している。戦場によっては、ロシアの戦力が5倍、優れている場合もある。加えて、米国のウクライナに対する600億ドル相当の軍事支援予算案は、先週上院で承認されたが、共和党が多数を占める下院では否決される可能性もある。実際、いまのところそうなるとみられている。

そうなれば、欧州にはその格差を埋める力はない。したがって、米国と西側諸国の代理戦争をさせられているウクライナは敗北するだろう。

ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領の出席に加えて、欧州諸国の指導者や圧力団体は、ミュンヘン安全保障会議の場を利用して、ウクライナを支援するよう(金銭を使って)米国の共和党上院議員らや代表者らに圧力をかけている。米国外でこれほど多くの米国政治家が一同に会するのは、今年のミュンヘン安全保障会議の場以外ではないだろう。

ゼレンスキー大統領が会議に出席したことは、事前に予想されていたことだったが、正式に明言されてはいなかった。

昨年、ゼレンスキー大統領は、動画によるあいさつという形で、西側諸国の政治家や専門家らの安全保障政策に関するこの会議の冒頭を飾った。今回、同大統領は、この会議に直接参加するのは、ほぼ2年前のロシアによる特別軍事作戦開始以来、初めてのことになる。同大統領が恐れているのは、自分の地位を守れるかということと、米国やEU/NATOのための代理戦争に敗北しつつあるという事実だ。

ウクライナの役者出の大統領、ゼレンスキーは、この先も欧州からの支援を確実にえられることをのどから手が出るくらい望んでいるのだ。

米国のカマラ・ハリス副大統領が、ジョー・バイデン大統領に代わりミュンヘン安全保障会議に出席することになっている。西側報道機関で駆け巡っているうわさによると、バイデン大統領の認知能力がさらに悪化しており、来ることができないからだ、という。バイデン大統領が11月の大統領選に勝てば、ハリス副大統領が、次の大統領になるのだろうか? それはバイデン大統領二期目在任中、引退が避けられなくなる事態が考えられるからだ。それが、今回ハリス副大統領がバイデン大統領に代わって出席する理由だろう。

プーチン大統領が語ったとおり、次期米国大統領選では、トランプよりもバイデンにかって欲しいと思っている。それは、外交面から考えて、バイデンは、「古典的」政治家であるため、バイデン・ハリスのもとでの民主党政権の方が、理解しやすく、何をしてくるか予想しやすいからだ。トランプは、予想がつきにくく先が見えにくい。

つまりこういうことだ。西側諸国の覇権は瓦解しつつある。「西側連合」は戦争に敗れつつある。西側の権威と経済は負の連鎖におちいっている。特別軍事作戦開始以前からそうだったのだ。

西側諸国を影で操る政治家や支配者層で組織される世界経済フォーラム(WEF)などの反世界的組織(たいてい西側起源のものだが)は、単極世界の喪失という歴史的な損失の埋め合わせのために、あらたな体制を求めている。それが脱化石燃料である。一見気候変動に対応するためのように見えるが、実際は豊富な石油やガス資源を基盤にもつロシア経済を破壊させることにより、ロシアの弱化と孤立化を狙ったものだ。

その実の姿は米国の「家臣」にすぎない、欧州のいわゆる指導者たちは、新たな冷戦をつくりだそうという米国の企みに盲従してしまっている。その冷戦が熱戦に変わってしまう可能性もあるのに、だ。外交努力での解決をはからずに、これらの指導者たちは戦争への道を選んでしまっている。こんな方向性は、(西側主導の)国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と相容れない。このアジェンダを、西側諸国はグローバル・サウスに押しつけてきたのに、だ。さらにこのアジェンダには、我々は全ての人々の平和と繁栄の実現を希求しなければならない、とある。つまり、これもまたグローバル・ウエストによるウソなのだ。「ウソでかためられた帝国」といっていいだろう。そしていま、西側は自分でついたウソに沈み込まされているのだ。
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