「西側の観念論者たちは、怒り狂うだろう」:プーチン大統領は再び大統領に立候補するための扉を開いたままにする
<記事原文 寺島先生推薦>‘Western ideologists will go crazy’: Putin leaves door open to run for president again
TravelWireNews 2020年3月10日
<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ 2020年4月9日

火曜日のロシア議会向けに行ったプーチン大統領の発言は、今までの彼の発言の中で最も誠実なもののひとつといっていいだろう:プーチンの主張は「混乱期の国家には安定したリーダーシップがふさわしい」とのことだった。その意味は、2024年以降も、プーチンが権力の座にいる姿を目にするということだろうか?
プーチン大統領は、火曜日、任期終了後に、新しい任期を求めるのは、「憲法裁判所で承認され、市民がその提案を支持する場合のみだ」と語った。
彼が、議会でこの主張をしたのは、ミハイル・ミシュスチン首相と宇宙渡航した最初の女性であるワレンチナ・テレシコワ議員が、憲法修正で予想される新しい制約が適応される前に、プーチン大統領の在職期間をリセットすることで、さらに2度任期を延長出来るよう憲法を修正することを求めた発言を受けてのものだ。
ロシアの主要法の変更の中でとりわけ目を引くのは、大統領の権限を議会に一部再分配すること、国家公務員が外国国籍を持つことを禁止すること、基本的な生活費以上の最低賃金を保証することである。
「西側を挑発」
プーチン大統領は現在、ロシア大統領として4期目だが、任期を伸ばすために憲法の規則を変えたわけではない。 2000年から2008年まで大統領職に就き、その後4年間は首相、2012年に再び大統領選に当選し、それ以来大統領職に就いている。
現行のロシア憲法では、大統領の任期は連続した2期に制限されており、プーチン大統領がさらなる任期を求めるかどうかは、長年の間ロシア国内および外国の政治評論家の関心を引いてきた。ロシア国内にも他国にも、プーチンの統治を「独裁」と非難し、やめさせたいと思っている人は多い。一方、プーチンを「現在の世界の指導者の中で最高のリーダーである」と考え、大統領職にとどまらせることを求めている人も、また多い。
「これは西側諸国にむけた非常にデリケートな挑発です」と、政治情報センターの責任者であるアレクセイ・ムキンは言った。プーチンが2024年以降も自身が大統領職を続ける可能性を表明したことをうけてのことだ。2020年始に行われた、憲法修正案が立案されるという発表は、主流メディアを狂乱させた。そして、「プーチン大統領が権力を握ろうとしているのだ」という解釈がすぐに行われた。
Also on rt.com Putin has no objection to possibility of running for president in 2024
ムキンは大統領が「2024年には出馬する気がない」と何度も念を押したが、 こうも言っている。「プーチンは再選の機会を自分のために残した、それは、西側諸国が用心し続けるようにするためだ」。
それはとても一筋縄では対処できない動きであり、強い否定的な反応を引き起こすだろうが、その反応はきっとまったくの無駄に終わるだろう。
「西側諸国の多くの人々は、2024年以降もプーチンが政権にとどまるならば、怒りの感情を持つでしょう。プーチンが政権にとどまる方が、国際舞台の状況を安定させる可能性は、高くなるのですが。」
と、政治評論家のドミトリー・バビッチは言う。
「プーチンは一貫しています。 彼がやっていることははっきりしています。 よく見ると、ここ数年の彼の厳しい動きはすべて、西側諸国からのより厳しい攻撃への対応にすぎませんでした…ロシア政府によって引き起こされた危機的状況ではありませんでした」とバビッチは言った。
「クリミア半島のロシアへの再統合は、2014年のウクライナでのクーデターへの反応であり、クーデターがなければあり得なかったことです。2015年のシリアへのロシア軍の配備については、それまでの4年間、西側諸国が反政府武装勢力を支援していた事実があったからにすぎません。」
西側諸国には、ロシアにとっての友人と敵が両方いるが、「そのどちらになるかは、政党国家の違いというよりは、現実論者であるか観念論者であるかの違いです」とバビッチは指摘した。
「プーチンが本当に出馬するということではないです」
現実論者たちは、ロシアには西側諸国を破壊する計画はなく、入念に関係修復に取り組んでいることがはっきり分かっていて、ロシア政府と同様に、関係修復を望んでいる。
しかし、観念論者たちは、プーチン大統領が再選された場合、「怒り狂う」だろう。というのも、観念論者たちは、「ロシアは反動的国家であり、潜在的な敵であると見なし」ているからだ。実際、ロシアは、西側諸国が打ち立てようとしているエコフェミニズム志向社会を否定している、
とバビッチ氏は語った。
しかし、プーチン大統領が大統領職にとどまり、「その間はロシアを打ち破ること」ができなくなることに気づいた場合、観念論者たちは妥協案を提示し始めるかもしれない。
モスクワに本拠を置く社会経済政治研究所の責任者であるドミトリー・バドフスキー氏は、4月22日の投票は、プーチン大統領の任期延長ではなく、憲法改正に関わるものであると明言した。
Also on rt.com Parliament GREENLIGHTS Putin’s proposed amendments to Russia’s Constitution
プーチン大統領が再び立候補する日は、まだまだ先だ。 「彼が再び選出されるかどうかは、国内情勢、国際関係の発展、プーチン自身の希望など多くのことが関わってきます。」
しかし、バドフスキーはプーチンを非難する西側諸国の批評家たちにこう警告した。「批評家たちは、プーチンに対する攻撃的な考え方のせいで、不本意にもプーチンの再選を促進することになるかもしれない。というのも、そういう彼らの動きこそが、ロシア社会が強力な指導者を必要とすることになるからです。」
TravelWireNews 2020年3月10日
<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ 2020年4月9日

火曜日のロシア議会向けに行ったプーチン大統領の発言は、今までの彼の発言の中で最も誠実なもののひとつといっていいだろう:プーチンの主張は「混乱期の国家には安定したリーダーシップがふさわしい」とのことだった。その意味は、2024年以降も、プーチンが権力の座にいる姿を目にするということだろうか?
プーチン大統領は、火曜日、任期終了後に、新しい任期を求めるのは、「憲法裁判所で承認され、市民がその提案を支持する場合のみだ」と語った。
彼が、議会でこの主張をしたのは、ミハイル・ミシュスチン首相と宇宙渡航した最初の女性であるワレンチナ・テレシコワ議員が、憲法修正で予想される新しい制約が適応される前に、プーチン大統領の在職期間をリセットすることで、さらに2度任期を延長出来るよう憲法を修正することを求めた発言を受けてのものだ。
ロシアの主要法の変更の中でとりわけ目を引くのは、大統領の権限を議会に一部再分配すること、国家公務員が外国国籍を持つことを禁止すること、基本的な生活費以上の最低賃金を保証することである。
「西側を挑発」
プーチン大統領は現在、ロシア大統領として4期目だが、任期を伸ばすために憲法の規則を変えたわけではない。 2000年から2008年まで大統領職に就き、その後4年間は首相、2012年に再び大統領選に当選し、それ以来大統領職に就いている。
現行のロシア憲法では、大統領の任期は連続した2期に制限されており、プーチン大統領がさらなる任期を求めるかどうかは、長年の間ロシア国内および外国の政治評論家の関心を引いてきた。ロシア国内にも他国にも、プーチンの統治を「独裁」と非難し、やめさせたいと思っている人は多い。一方、プーチンを「現在の世界の指導者の中で最高のリーダーである」と考え、大統領職にとどまらせることを求めている人も、また多い。
「これは西側諸国にむけた非常にデリケートな挑発です」と、政治情報センターの責任者であるアレクセイ・ムキンは言った。プーチンが2024年以降も自身が大統領職を続ける可能性を表明したことをうけてのことだ。2020年始に行われた、憲法修正案が立案されるという発表は、主流メディアを狂乱させた。そして、「プーチン大統領が権力を握ろうとしているのだ」という解釈がすぐに行われた。
Also on rt.com Putin has no objection to possibility of running for president in 2024
ムキンは大統領が「2024年には出馬する気がない」と何度も念を押したが、 こうも言っている。「プーチンは再選の機会を自分のために残した、それは、西側諸国が用心し続けるようにするためだ」。
それはとても一筋縄では対処できない動きであり、強い否定的な反応を引き起こすだろうが、その反応はきっとまったくの無駄に終わるだろう。
「西側諸国の多くの人々は、2024年以降もプーチンが政権にとどまるならば、怒りの感情を持つでしょう。プーチンが政権にとどまる方が、国際舞台の状況を安定させる可能性は、高くなるのですが。」
と、政治評論家のドミトリー・バビッチは言う。
「プーチンは一貫しています。 彼がやっていることははっきりしています。 よく見ると、ここ数年の彼の厳しい動きはすべて、西側諸国からのより厳しい攻撃への対応にすぎませんでした…ロシア政府によって引き起こされた危機的状況ではありませんでした」とバビッチは言った。
「クリミア半島のロシアへの再統合は、2014年のウクライナでのクーデターへの反応であり、クーデターがなければあり得なかったことです。2015年のシリアへのロシア軍の配備については、それまでの4年間、西側諸国が反政府武装勢力を支援していた事実があったからにすぎません。」
西側諸国には、ロシアにとっての友人と敵が両方いるが、「そのどちらになるかは、政党国家の違いというよりは、現実論者であるか観念論者であるかの違いです」とバビッチは指摘した。
「プーチンが本当に出馬するということではないです」
現実論者たちは、ロシアには西側諸国を破壊する計画はなく、入念に関係修復に取り組んでいることがはっきり分かっていて、ロシア政府と同様に、関係修復を望んでいる。
しかし、観念論者たちは、プーチン大統領が再選された場合、「怒り狂う」だろう。というのも、観念論者たちは、「ロシアは反動的国家であり、潜在的な敵であると見なし」ているからだ。実際、ロシアは、西側諸国が打ち立てようとしているエコフェミニズム志向社会を否定している、
とバビッチ氏は語った。
しかし、プーチン大統領が大統領職にとどまり、「その間はロシアを打ち破ること」ができなくなることに気づいた場合、観念論者たちは妥協案を提示し始めるかもしれない。
モスクワに本拠を置く社会経済政治研究所の責任者であるドミトリー・バドフスキー氏は、4月22日の投票は、プーチン大統領の任期延長ではなく、憲法改正に関わるものであると明言した。
Also on rt.com Parliament GREENLIGHTS Putin’s proposed amendments to Russia’s Constitution
プーチン大統領が再び立候補する日は、まだまだ先だ。 「彼が再び選出されるかどうかは、国内情勢、国際関係の発展、プーチン自身の希望など多くのことが関わってきます。」
しかし、バドフスキーはプーチンを非難する西側諸国の批評家たちにこう警告した。「批評家たちは、プーチンに対する攻撃的な考え方のせいで、不本意にもプーチンの再選を促進することになるかもしれない。というのも、そういう彼らの動きこそが、ロシア社会が強力な指導者を必要とすることになるからです。」
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