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「ノルド・ストリーム3」作戦とロシアによるアブデーフカ制圧

<記事原文 寺島先生推薦>
Nord Stream Three” and the Russian capture of Avdeevka
出典:ギルバート・ドクトロー氏の個人ブログ 2024年2月20日
筆者:ギルバート・ドクトロー(gilbert doctorow)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月24日


ここ数週間ずっと私が文句を言っていたのは、ロシア国営放送ヴェスティ局のニュース番組が、決まりきった内容しか流してこなかったことだ。初めに概説もなしに前線の戦況映像を流し、それからウクライナによる砲撃のもとで惨めな生活を送らされているドンバスの人々について取り上げる。世界のニュースはおおむねすべて無視した放送内容だった。

しかし今晩、ゴールデン・タイムの8時の放送は、これまでとは全く異なる内容だった。はじめに流されたのは、現代で最も大胆な軍事作戦のひとつを成し遂げたばかりの人々へのインタビューだった。その作戦とは、いわゆる「ノルド・ストリーム3」だ。この件にいては、あとで触れよう。この軍事作戦こそ、ウクライナが突然ここ数週間で、アブデーフカ(ドネツク州)を失った理由の説明のたすけになろう。それからこのニュース番組は、この日の午前中に、セルゲイ・ショイグ国防大臣がウラジーミル・プーチン大統領に対しておこなった報告の動画から長い抜粋を流した。この動画には、多くの話題が載せられており、世界各国の諜報機関により詳しく調査されるべき内容だった。当然のことながら、なぜCIAのみがこのことを知っているかに対して疑念を持った。この機会を通して、私が見聞きしたことを皆さんと共有したい。この件に関する情報を私は急いで集めたので、以下に示す記載の中の数字がすべて完全に正しいとは言い難いが、速度と正確さとのせめぎ合いのなかで、今夜、私はあえて情報を伝える速度の方に重きを置く。

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以前私が書いたロシアによるアブデーフカ制圧に関する記事の中で、私が繰り返し強調したのは、砲弾の量において、ロシア側が優位である、ということだった。そして、そのことについては、西側報道機関による報道で見聞きすることになるだろう、とも書いた。 しかし、もう一つ今回の勝利についての重要な側面がある。それは、人並み外れた勇敢さと機知だ。

西側報道機関を耳にしている人ならば誰でも、ウクライナ兵たちの人並みはずれた勇敢さについては、繰り返し耳にしてきたことだろう。その推測は確かに正しい。しかし全く皆さんが耳にしたことがないのは、ロシア兵や軍人たちが信じられないくらい勇敢であることだ。非常に戦意も高く、何のために戦っているかもしっかりとわかっていて、どんな犠牲を払ってでも、自国の利益を守る覚悟ができている兵たちだ。この週末におこった「ノルド・ストリーム3」という冒険は、そのことを完全に示した。さらに、この冒険は、頭脳戦がしっかりと機能して、肉体戦を補完していることをも示すものだった。

この冒険とは、アブデーフカ郊外の陣地から敵陣の真下を通って市街地へと続く、直径1.2~1.5メートル、長さ3キロメートルのパイプを、ロシア軍の旅団全員が通過したことを指している。彼らは、この通路を人知れず、疑われることなく管理し、パイプ・トンネルから出たときには、近くにいたウクライナ軍を圧倒し、19の建物を占領し、そこから戦い続けた。パイプを導管とすることからこの作戦は「ノルド・ストリーム3」と呼ばれているが、その原理は純粋な「トロイの木馬」戦術だった。

ヴェスティ局のインタビューに答えた兵士が主張したように、この作戦は素晴らしい映画になる素質がある。モスフィルム社の製作者の何人かが、この話を取り上げるに違いない。

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プーチン大統領への報告の中で、ショイグ国防大臣は、「アブデーフカの降伏は秩序だった戦略的撤退であった」というウクライナ側の主張は真っ赤な嘘である、と述べた。これはロシア語でいうбегство(逃走)、つまり、ウクライナ軍が装甲兵員輸送車やその他の軍事装備はもちろんのこと、手持ちの武器も置き去りにした無秩序な逃走だった。多くの負傷者も置き去りにした。ショイグ国防大臣は、ウクライナ軍は2月17日と18日の2日間で、アブデーフカで2300人を失った、と推定している。

アブデーフカ自体については、ウクライナ側は、鉄筋コンクリートや防衛線を多用し、ウクライナで最も強固な防衛拠点のひとつとなるよう、9年の歳月をかけて建設と再建を繰り返してきた、と同国防大臣は述べた。

ショイグ国防大臣はさらに、春から夏にかけてのウクライナによる反攻作戦に関する最新の情報機関の結論について語った。いまになってはっきりとした事実は、反攻作戦はすべて米国が計画し、指揮したものであり、米国はNATOの教官を使ってウクライナ人にNATOの軍事教義と技術を植え付けた。その結果、ウクライナは13万人の兵士の死傷者を出す大惨事となった。この体験は、米国とNATOの同盟諸国に衝撃を与えた。軍事教義や技術、ハードウェアのすべてがロシア軍に圧倒され、破壊されたのだ!

ショイグ国防大臣はまた、ドニエプル川東岸(左岸)のクリンキ地区(ヘルソン州)に橋頭堡を築こうとウクライナが繰り返した努力の惨憺たる結果についても報告した。この作戦が絶望的であったため、同じ上陸部隊が何度も繰り返し送り込まれたが、ロシア軍に補給を断たれ、壊滅的な打撃を受けたと説明した。この地域一帯は現在、完全にロシア連邦の支配下にある。

プーチン大統領は、ロシアが地球周回軌道上に核兵器を設置する計画を進めているとの疑惑について、米国政府から上がっている最近の喧伝に話題を移した。プーチン大統領は、これを否定し、こんな話は想像でしかない、と述べた。「我が国はそのような兵器もそのような計画も持っていません」と。プーチン大統領は、このような警鐘を鳴らすのは、米国国会議員を脅して、要求されているウクライナへの新たな予算を可決させるためだ、と考えている。一方、米国政府は、ロシアが開発・配備を進めている、真に脅威的な最先端戦略兵器システムについては何も言わない。具体的には、水中核武装ドローン「ポセイドン」や「サルマット」や「ブレヴェストニク」といったICBM(大陸間弾道ミサイル)など、西側諸国には同等のものがなく、既存の防衛設備や計画されている防衛設備をすべて克服でき、ロシアの真の抑止力を構成する武器についてである。

最後に、プーチン大統領は、最近の自身の発言を繰り返し、ロシアは原則的な問題として、いつでも戦略的軍備制限協議に参加する用意があるが、その協議はすべての要因を考慮しなければならないものだ、と述べた。現在受け入れられない要因は、米国が公然と戦場でロシアに戦略的敗北を負わせようとしていることだ。プーチン大統領が警戒しているのは、米国とその同盟諸国による、同大統領が言うところの終わりの見えない試みだ。その試みの目的は、すべての交渉で自分たちに有利な一方的な解決策を押し付けようとすることにある。
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