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ガザへの戦争で、ジェノサイド・カルト集団としてのシオニズムの本性を露わにしたイスラエル

<記事原文 寺島先生推薦>
How Israel’s War on Gaza Exposed Zionism as a Genocidal Cult
筆者:ジョセフ・マサド(Joseph Massad)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2024年1月11日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月7日


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2024年1月11日、オランダ・ハーグで、国際司法裁判所での南アフリカによるイスラエルへのジェノサイド提訴に関する審理に反対するデモで、イスラエルの旗を振るデモ参加者(Robin Utrecht/AFP)

問題はもはや、イスラエル政府が人種差別的で大量虐殺的かどうかではなく、パレスチナ人に対する犯罪を支持する多数のイスラエル系ユダヤ人もまた、この表現に当てはまるかどうかである。


2022年12月にベンヤミン・ネタニヤフ率いるイスラエルの現内閣が誕生して以来、西側の主流派やイスラエルの政治的野党の間でさえ、この内閣がユダヤ人至上主義的で人種差別的な政権であるという意見の一致はあった。

イスラエルのユダヤ人選挙民の大多数の好みを明確に表現したこの政府を、イスラエル史上「最も極端」「最も原理主義的」「最も人種差別的」と評するのが一般的になった。また、イスラエル「初のファシスト」政権と言われることもあった。

現政権が誕生する2年前、歴史的に親イスラエル派であった西側の人権団体が、イスラエルを建国以来の人種差別的な「アパルトヘイト」国家であると断定していた事実はさておき、である。パレスチナ人とその支持者たちもまた、少なくとも1960年代から、イスラエルを表現するのにこのレッテルを使ってきた。

国際的な非難の対象となったのは、パレスチナ人に対する現在進行中のジェノサイド戦争を開始し、これまでに10万人以上のパレスチナ人を殺傷し、200万人以上を強制移住させた政府である。

しかし、この全く同じ人種差別的な政府とそのジェノサイド戦争は、米国とそのヨーロッパの同盟国が支援し、武器を与え、資金を提供している。これらの国々は、初めの頃は、自分たちも(イスラエルを)批判していたことも忘れ、臆面もなくイスラエルの犯罪行為の数々を正当化している。ユダヤ人入植地はアパルトヘイト体制だとの批判からイスラエルを弁護していた以前に完全に舞い戻ってしまったのだ。

しかし、議論の焦点はだんだん、イスラエル政府が人種差別主義者、ファシスト、またはジェノサイドを行なっているかどうかではなく、イスラエルのユダヤ人の多数がこれらの特徴を持つのではないか、そして現政府はこういったイスラエルのユダヤ的政治文化が表面化したものに過ぎないのではないか、に移っている。


「もはや少数派ではない」

ミドル・イースト・アイ紙編集長のデビッド・ハーストが最近言っていることだが、イスラエルのユダヤ人(兵士や歌手、芸術家、そして政治家を含む)の間でジェノサイド的人種差別を表明している人々は「もはや少数派ではありません。彼らはイスラエルの主流派です。パレスチナ人について語るとき、彼らはジェノサイド支持者、人種差別主義者、ファシストになります――臆面もなくそうしているのです。彼らは鼻高々に人種差別を思い、冗談を言い、それを隠そうともしません」。

シオニスト運動はその発足以来、パレスチナの先住民であるパレスチナの民族浄化を常に目指してきた。


イスラエル・デモクラシー研究所とテルアビブ大学が行った世論調査によると、イスラエルによるガザへの大規模な空爆が始まってから1カ月以上が経過した時点で、イスラエル系ユダヤ人の57.5%が「イスラエル国防軍(IDF)のガザでの火力は少なすぎる」と答え、36.6%が「IDFは適切な火力を使っている」と答え、「IDFの火力は多すぎる」と答えたのはわずか1.8%だった。

イスラエルのジャーナリストであるギデオン・レヴィ(Gideon Levy)は、多数のイスラエル・ユダヤ人がジェノサイド賛成意見を持っていることやパレスチナ人を民族浄化することを支持する見解に戸惑ったようだ。「それがイスラエルの真の姿であり、10月7日のハマスの攻撃がジェノサイド正当化を表面化させたのか、または10月7日の攻撃が本当に状況を変えたのか、どちらが真実かわかりません」と彼は言った。

しかし、シオニスト運動がその発足以来、人種差別主義を公言してきたことや、パレスチナからパレスチナ原住民を民族浄化しようとしてきたという周知の事実を考えれば、レヴィの反応は驚くべきものである。

イスラエルのマスコミは、イスラエルが計画しているガザのパレスチナ人の民族浄化と、エジプト領シナイへの追放の可能性を、「ガザの人々に希望と平和な未来を与えるのに、地球上で最も適した場所のひとつ」と表現し、素晴らしいものであるとする、一見「合理的」な記事を掲載している。

しかし、それだったらイスラエルのユダヤ人入植者たちは、彼らの権利と特権が保護されているアメリカやヨーロッパ、特にドイツに自発的に移住したらいいのだ。この提案はおそらく可能だし、また同様な合理性もある。実際、この3カ国は「(イスラエル・ユダヤ人に)希望と平和な未来を与えるのに、地球上で最も適した場所」である。

特にイスラエル政府高官や知識人たちは、自分たちの住んでいる場所は、「悪い」または「厳しい」、さらには「ジャングル」と言っているからなおさらだ。ヨーロッパやアメリカは非常に安全性の高い地域であり、(パレスチナよりは)断然いい。結局、ヨーロッパは「庭園」だが、「残りの世界は大半がジャングル」と、欧州連合の外交政策担当者であるホセップ・ボレルを昨年有名にした発言にもあるとおりだ。

EUのドイツ人議長ウルズラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)は、「ユダヤ文化はヨーロッパの文化」であり、「ヨーロッパは自身のユダヤ的性格を重視しなければならない。「ユダヤ的生活がヨーロッパで再び繁栄するように」と強調している。

このようなイスラエル・ユダヤ人の自発的な動きによって、そのうちの100万人以上がすでにヨーロッパとアメリカのパスポートを持っているので、パレスチナ人(そしてより広くは中東の人々)は、1880年代以来、特に1948年以降、シオニストの植民地化が地域の人々に負わせた暴力と戦争を免れることになるだろう。

おそらく、最近報道されたように、イスラエルとその西側スポンサーが追放されたパレスチナ人を受け入れるよう「コンゴ」やカナダとこそこそ交渉するよりも、国連とアラブ諸国が西側諸国にイスラエル系ユダヤ人を受け入れるよう渾身の力を振り絞って働きかけたほうがいい。


暴力的なカルト

最近の世論調査や分析により、イスラエルのユダヤ人市民の圧倒的多数がパレスチナ人に対して憎しみやジェノサイド的な態度を持っていることが明らかになった。パレスチナ人のヨーロッパやアメリカへの移住は、そういう圧倒的多数のユダヤ人市民に幸福や安心をもたらすことになるだろう。

さらに、イスラエルが自身をそれに重ねる西洋文明と価値を守るためにパレスチナ人抹殺を正当化する人々は、西洋文明をその中心(植民地の国境線や反植民地化の抵抗が存在しない場所)から守る方がずっといいことに気づくだろう。

これに関連して、反ユダヤ主義との闘いとユダヤ人の生活の育成に関する欧州委員会のコーディネーターであるドイツ人のカタリーナ・フォン・シュナーバイン(Katharina von Schnurbein)は最近、「ヨーロッパはユダヤ的遺産なしにはヨーロッパではないでしょう」と断言した。「ユダヤ的遺産はヨーロッパのDNAの一部です。そして、ヨーロッパの機関として、私たちECはユダヤ的遺産を守り、保護し、大切にしたいと思っています。これは、反ユダヤ主義と闘い、ユダヤ人の生活を育成するためのEU戦略の究極の目標であるユダヤ人の生活を育成するための重要な面です」と同氏は付言した。

こんなきっぱりとした発言を聞けば、①1930年代や1940年代とは違って、今度はヨーロッパの扉がユダヤ人のために開かれるかもしれない、あるいは、②ナチスから逃れてきたユダヤ人難民の入国を拒否し、1939年には難民を満載した船をヨーロッパに送り返し、その多くがヒトラーの死の収容所で命を落とすことになった、そんな仕打ちをしたアメリカが、今度はイスラエルのユダヤ人を、より良い隣人として両手を広げて迎え入れるのではないか、と期待する向きもあるかもしれない。

イスラエルの精神科医の多くは、10月7日以来増加している仕事量の多さと、精神保健システムが崩壊寸前であることを理由に、すでに英国の緑豊かな牧草地へと出国している。

1948年以来、パレスチナ人に対する計り知れない虐殺や戦争に対する支持がイスラエルの社会全体および政府のあらゆる層で広まっていることは、驚くべきことではない。暴力的なカルトのメンバーと同様に、彼らの自己救済は、脱プログラムだ。これは間違いなく長くて複雑なプロセスになる。多くのイスラエルのユダヤ人にとっては、数十年にわたる洗脳を解く必要がある。

おそらく、イスラエルを離れた精神科医たちも、イスラエルのユダヤ人を安全なヨーロッパの環境で脱プログラムし、民族浄化と大量虐殺戦争への執着を取り除く手助けをしてくれるだろう。


平和な未来

一方、南アフリカが国際司法裁判所(ICJ)に提訴したイスラエルによる大量虐殺を非難する裁判は、ホワイトハウスや西ヨーロッパ各国政府に警鐘を鳴らしている。これは、ICJがイスラエルの犯罪を告発した最新のケースに過ぎない。

1年前、国連総会は、イスラエルによるパレスチナ自治区の占領に関するICJの勧告的意見の要請を賛成87票、反対26票で承認した。反対派のほとんどは、今日、ガザでのイスラエルのジェノサイド戦争を支持している国と同じである。

ICJは来月、この件に関する公聴会を開くことになっている。また、南アフリカが最近起こした裁判については、ICJが1月11日に緊急審理を行う。



ICJは、第二次世界大戦以降、入植者植民地主義の文脈で同様の要請に直面してきた。特に1966年7月、国際司法裁判所は、リベリアとエチオピアが1962年に提出した、南アフリカの入植植民地ナミビアに関する請願を、両国に請願を提出する法的資格がないという理由で却下した。両国はかつて国際連盟に加盟しており、国際連盟は第一次世界大戦後、ナミビアの強制統治国として南アフリカを選んだ。

リベリアとエチオピアの1962年の請願は、ナミビアの法的地位を国際司法裁判所に裁定するよう求めたものだった。裁判長であるパーシー・スペンダー卿(Sir Percy Spencer)は、オーストラリアの入植地出身であり、7対7の賛否同票に対して南アフリカに有利になる決定票を投じた。この決定により、南西アフリカ人民機構(Swapo)が南アフリカのアパルトヘイト支配者に対する武装闘争を開始した。同年、総会は南アフリカの委任統治を取り消したが、何の効果もなかった。

1969年、国連安全保障理事会は、1966年の総会の南アフリカ委任統治撤回を最終的に支持した。南アフリカが国連に反抗し、撤回を拒否したため、1970年7月、この問題は国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見に委ねられた。

1971年のICJ(国際司法裁判所)の決定により、反植民地主義のSwapoとナミビア人の自決権が国際的に認められた。


1966年とは異なり、1971年6月21日に出された国際司法裁判所(ICJ)の見解は、国連の立場を完全に正当化するものであり、ナミビアの合法的な統治権は国連にあり、南アフリカは撤退しなければならないというものであった。

1966年の親植民地的なICJ判決とは対照的に、1971年の判決は、白人至上主義政権がまだ持っていた正統性の最後の痕跡を取り除いた。南アフリカがこの決定を遵守したわけではない。南アフリカを保護する西側NATO諸国は、「和平プロセス」を装った遅延戦術を臆面もなく支援し続け、白人至上主義国家への制裁を求める国連決議に拒否権を行使した。

それにもかかわらず、1971年の国際司法裁判所(ICJ)の判決は、スワポ(Swapo)の国際的な承認とナミビア人の自決権を認めることにつながった。ナミビアが最終的に1990年に独立を達成するためは解放戦争が必要だった。

つまり、イスラエルの戦争をジェノサイドとして非難するICJの決定は、残酷で血に飢えた入植者に対するパレスチナ人の闘いにとって良い前兆となるだろう。

それはすぐに解放と非植民地化をもたらすものではないが、イスラエルのユダヤ人至上主義体制解体のプロセスをかなり加速させ、パレスチナ人とイスラエルのユダヤ人をシオニズムのジェノサイド・カルトから救うことになるだろう。

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ジョセフ・マサドはニューヨークのコロンビア大学で現代アラブ政治と知的歴史の教授を務める。著書、学術論文、ジャーナリズム記事多数。著書に『Colonial Effects: The Making of National Identity in Jordan』、『Desiring Arabs』、『The Persistence of the Palestinian Question』など: パレスチナ問題の持続性:シオニズムとパレスチナ人に関するエッセイ』、最近では『リベラリズムにおけるイスラーム』などがある。著書や論文は12カ国語に翻訳されている。
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