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BRICS加盟国の南アフリカ、シオニズムを訴えて提訴

<記事原文 寺島先生推薦>
BRICS Member South Africa Takes Zionism to Court
出典:INTERNATIONALIST 360° on JANUARY 10, 2024
筆者:ペペ・エスコバル(Pepe Escobar)
出典:INTERNATIONALIST 360°  2024年1月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月13日


変更場増


イスラエルが行っている大量虐殺に対するプレトリア*の提訴は、ガザでのテルアビブの虐殺を止めるためだけでなく、世界の法廷に多極主義の最初の旗を立てるためにも極めて重要である。これは、西側諸国の免責を停止し、国連憲章で想定されている国際法を回復させようとする、多くの取り組みの最初のケースである。
*南アフリカ共和国の首都

国際法とは何かという完全な概念そのものが、今週(1月第2週)ハーグの裁判で争われる。世界中が見ている。

シオニズムによって展開された鉄の鎖を断ち切ろうとするには、アラブやイスラムの国ではなく、BRICSの一員であるアフリカの国が必要だった。それは、恐怖、経済力、絶え間ない脅威によって、パレスチナだけでなく地球のかなりの範囲を奴隷にしている。

歴史的な詩的正義のねじれによって南アフリカはアパルトヘイトについて1つか2つのことを知っている国になったのだが、それゆえ、道徳的に優位な立場に立ち、国際司法裁判所 (ICJ) でアパルトヘイトのイスラエルに対して最初に訴訟を起こさなければならなかった。

84ページの訴訟は、徹底的に議論され、完全に文書化されて2023年12月29日に提出されたもので、占領下のガザ地区で行われているすべての恐怖を詳述している。またその恐怖はスマートフォンを持つ世界中のすべての人が目撃しているものだ。

南アフリカは、国連の機構であるICJに対して、あることをきわめて率直に要求している。それは、イスラエル国家は10月7日以来、国際法上のすべての責任に違反していると宣言せよ!だ。

そして、それは決定的に、1948年のジェノサイド条約の違反を含んでいる。それによると、ジェノサイドは「国家的、民族的、人種的又は宗教的集団の全部又は一部を殺戮する意図をもって行われる行為」で構成されている。

南アフリカは、ヨルダン、ボリビア、トルコ、マレーシア、そしてイスラム諸国を統合したイスラム協力機構 (OIC) によって支援されている。その機構は57の加盟国で構成され、そのうち48の加盟国はイスラム教徒が多数派を占めている。これらの国々は、グローバル・サウスの圧倒的多数を代表しているかのようだ。

ハーグ*で何が起ころうと、イスラエルの大量虐殺を非難する可能性をはるかに超える可能性がある。プレトリアもテルアビブもICJ(国際司法裁判所)に加盟しているため、判決には拘束力がある。理論的には、ICJは国連安全保障理事会よりも重要な役割を担っている。国連安全保障理事会では、イスラエルの慎重に構築された自己イメージを傷つけるような事実があれば、米国は拒否権を行使する。
*オランダの事実上の首都。国際司法裁判所がある。

唯一の問題は、国際司法裁判所に強制力がないことだ。

実質的に南アフリカが目指しているのは、ICJがイスラエルに侵略とジェノサイドを直ちに停止する命令を出すことだ。それが最優先であるべきだ。


殺戮しようとする特定の意図

南アフリカの申請書の全文を読むのは恐ろしい作業だ。これは文字どおり、21世紀のテクノロジー中毒の若者の目の前で起こっている歴史であり、遠い宇宙で起こっている大量虐殺のSFではない。

プレトリアの申請には、全体像を示すという利点がある。その像は「75年間のアパルトヘイト、56年間のパレスチナ領土の好戦的占領、16年間のガザ封鎖の間のイスラエルのパレスチナ人に対する行為をより広い文脈において」捉えているからだ。

原因、結果、意図が明確に描写されていて、それは、2023年10月7日のパレスチナ抵抗軍によるアル・アクサ洪水作戦以来、繰り返された惨劇を超えたものとなっている。

それからさらに、「他の国際法違反に相当する可能性のあるイスラエルによる行為と不作為」がある。南アフリカは、それは「本質的にジェノサイドである。なぜなら、ガザ地区のパレスチナ人を、より広範なパレスチナ国民、人種、民族集団の一部として、殺戮するという必要不可欠な特定の意図(dolus specialis)を持って行われているからだ」としている。

申請書の9ページから紹介されている「事実」は残酷なものである。その事実には、民間人の無差別虐殺から大量追放まで含まれている。「ガザの人口230万人のうち190万人以上のパレスチナ人、つまり人口の約85%が家を追われていると推定されている。彼らが避難するための安全な場所はどこにもなく、避難できない、または避難を拒否することができない人々は、殺害されているか、自宅で殺害される危険性が非常に高い。」

もう後戻りはできない。「国内避難民の人権に関する特別報告者が指摘したように、ガザの住宅と民間の生活施設は破壊され、ガザの避難民が帰還する現実的な見通しが立たず、イスラエルによるパレスチナ人の大量強制移住の長い歴史が繰り返されている」。


殺戮に加担している覇権国

申請書の項目142にはドラマ全体が凝縮されているかもしれない。「全人口が飢餓に直面している。ガザの人口の93%が危機的レベルの飢餓に直面しており、4人に1人以上が壊滅的な状況に直面している。」―つまり死が差し迫っているのだ。

こうした状況を背景に、イスラエルのネタニヤフ首相は、12月25日、クリスマスの日に、虐殺的な表現をさらに強調し、「私たちは止めていません。私たちは戦いを続けています。私たちは今後も戦いを強化していきます。これは長い戦いになり、終わりには近づいていません」と述べたのだ。

そのため、「非常に緊急の問題として」、 「裁判所がこの事件を本案とする決定を下すまで」 、南アフリカは暫定措置を求めている。その第一の措置は、「イスラエル国がガザでの、そしてガザに対する軍事作戦を直ちに停止すること」である。

これは永久停戦に等しい。*ネゲブからアラビアまでのすべての砂は、米国の外交政策を担当するネオコンの精神異常者―彼らの飼い犬、遠隔操作された、老衰したホワイトハウスの占有者を含む―が、イスラエルの大量虐殺に加担しているだけでなく、停戦の可能性に反対していることを知っている。
*イスラエル南部の砂漠地方

ちなみに、ジェノサイド条約によれば、このような共犯も法律で罰せられる。

したがって、ワシントンとテルアビブが手段を選ばないことは当然である。あらゆる圧力と脅しの手段を使って、ICJによる公正な裁判を阻止するだろう。この裁判は、例外主義をかかげるワシントン-テルアビブ連合を国際法に従わせるためにどの国際裁判所も行使する極めて限られた権限とまったく同じものを使うことなる。

ガザへのイスラエルの前例のない軍事攻撃では3ヶ月足らずの間に人口の1%以上が殺害され、それに対して危機感を募らせているグローバル・サウスが行動を起こしているが、その一方で、イスラエル外務省は、自国の大使館の外交官や政治家に圧力をかけて次のような「即時かつ明確な声明」の発表を急がせた。「あなたの国がイスラエルに対してなされた言語道断で、不条理で、根拠のない主張を拒否することを公にかつ明確に表明すること」。

どの国がこの命令に従うかを見るのは、非常に啓発的なことになるだろう。

プレトリアの現在の取り組みが成功するかどうかは別として、これは、数ヶ月、あるいは数年後に世界中の裁判所で初めて提起される訴訟となる可能性が高い。南アフリカが重要な加盟国であるBRICSは、西側の覇権とその「規則に基づく秩序」に挑戦する国際機関の新たなうねりの一部である。この規則は何の意味も持たない。誰もこれを見たことがないからだ。

多極主義は、数十年にわたる国連憲章からの移行を是正し、これらの幻想的な「規則」に具体化された無法状態に突入するために出現したと言えるかもしれない。世界秩序を支える国民国家体制は、それを保障する国際法なしには機能しない。法律がなければ、私たちは戦争、戦争、そしてさらなる戦争に直面する。覇権国家が理想とする終わりのない戦争の世界だ。

南アフリカのイスラエルに対するジェノサイド訴訟は、国際システムに対するこれらの明白な違反を覆すために明らかに必要なものであり、世界を安定、安全、常識に戻すための、イスラエルとその同盟国に対する最初の訴訟になることはほぼ確実である。
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No title

 ご教示ありがとうございます。
 米帝らが言う「ルールに基づく秩序」というのは非米帝側が縷々反論したように表面的な内容でさえ酷いのですが、非米帝側はrulesにruleを見て取り”俺様がルールだ。黙ってオレについてこい★文句がある奴ァ爆撃だ”という底意を感じてカチンと来てるんじゃないの?と思っているのです。

Re: ‘rules-based order’のrulesの底意

>  英語感覚がないので伺いたいのですが、‘rules-based order’の rulesは複数形だから名詞で「規則」という意味なのでしょう。でも、ruleになると「支配」といった意味が出てきます。rule the worldというと世界を征服するという意味合いになるようです。
>
> ‘rules-based order’という言葉には底意に”支配にもとづく秩序”、もっと言えば”オレ様(米欧帝国主義、例外主義)の支配に基づく秩序”という底意があったりしそうですか?

拝復 L様
「規則」という基本義から、ご指摘のような派生的な意味も、文脈によって出てくるかもしれませんね。
なお、rule の語源は、ラテン語regula(ものさし、まっすぐな棒)だと『ジーニアス英和大辞典』にあります。
この辞典によれば、1番目に「規則」、6番目に「支配」、7番目に「物差し(ruler)」と出てきます。
管理人

‘rules-based order’のrulesの底意

 英語感覚がないので伺いたいのですが、‘rules-based order’の rulesは複数形だから名詞で「規則」という意味なのでしょう。でも、ruleになると「支配」といった意味が出てきます。rule the worldというと世界を征服するという意味合いになるようです。

‘rules-based order’という言葉には底意に”支配にもとづく秩序”、もっと言えば”オレ様(米欧帝国主義、例外主義)の支配に基づく秩序”という底意があったりしそうですか?

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