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大胆な発言:ロシアとの関係改善で世界にメッセージを送るインド

<記事原文 寺島先生推薦>
Bold statement: India sends a message to the world by improving ties with Russia
ニューデリーが微妙なバランス感覚を保つ中、S・ジャイシャンカル外相のモスクワでの相互交流が西側諸国で注視されている。
筆者:アーリアマン・ニジャワン (Aaryaman Nijhawan)
国際関係研究者、政治評論家。デリー大学、モスクワ国立国際関係研究所(MGIMO)卒
出典:RT 2023年12月29日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年1月11日


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モスクワでの記者会見に臨むセルゲイ・ラブロフ外相とスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相。(スプートニク)


インド外務大臣スブラマンヤム・ジャイシャンカル博士の5日間の訪問が終了し、2023年は、古き友であるニューデリーとモスクワの二国間関係にとって、まさに比類なき年となった。両国は現在、強力で予測可能な、互恵的だがやや低迷している関係を再び活性化させるための明確な道筋をたどっていると考えることができる。

公式日程の一環として、ジャイシャンカル外相は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相やデニス・マントゥロフ副首相と会談した。そして、モスクワのインド人コミュニティと交流し、プーチン大統領とも歓談した。この歓談はクレムリンとしては異例のものだった。

ジャイシャンカル外相の今回の訪問は、ヨーロッパのみならず世界的に深い地政学的分裂を引き起こしているウクライナ紛争のために、重要な意味を持っている。インドは一貫して中立の立場を維持し、平和的手段による解決を追求するようすべての当事者に呼びかけてきた。そのため今回の訪問は、ロシアとインドの関係が重要な役割を果たしていることを浮き彫りにしている。なぜなら、欧米諸国がモスクワへの制裁やロシアの輸出品(特に石油や軍需品)のボイコットを求めているにもかかわらず、その訪問が行われたからだ。

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<関連記事> プーチン大統領、「友人」モディをモスクワに招待

ジャイシャンカル外相は、インド人コミュニティとの約1時間にわたる交流の中で、世界政治におけるインドとロシアの関係は、「例外的な安定性と一貫性のある関係」であると指摘した。また、2つの大国間の関係の安定性を賞賛し、国家間のほとんどすべての関係には「良い時期」と「そうでない時期」があるが、インドとロシアの関係は1950年代初頭以来、世界政治において唯一不変のものであるとも述べた。

公式には、印露関係は特別かつ特権的な戦略的友好関係というユニークな称号を享受している。ウクライナ危機が始まって以来、ロシアとヨーロッパが地政学的な関係で断絶に見舞われた一方で、その後のロシアの東方重視とインドの中立は、冷戦時代の伝統的な同盟国間の爆発的な貿易と通商をもたらした。ジャイシャンカル外相は、この関係の重要性を強調し、この関係を育むために歴代の指導者たちが細心の注意を払ってきたことを強調した。

西側諸国がロシアの石油輸入に制限を課しているため、ロシアはインドの石油購入に熱い市場を見出した。アメリカとヨーロッパの同盟国が主導し、ロシア産原油に1バレルあたり60ドルという新たな価格上限が設定された。しかし、インドは欧米の価格上限を認めることを静かに拒否している。

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<関連記事> ロシア・インド貿易が過去最高に ― 大臣

スロバキアで開催された「Globsec 2022フォーラム」で、ウクライナ紛争に対するインドのユニークな立場について質問された際、ジャイシャンカル外相は有名な反論をした。 「ヨーロッパは、『ヨーロッパの問題は世界の問題であり、世界の問題はヨーロッパの問題ではない』という考え方から脱却しなければならない」、と述べた。

演説の中で、ジャイシャンカル外相はまた、両国間の経済関係が著しい成長を示している時に、インドからロシアへの輸出を増やすことは歓迎されるだろうと強調した。このほか、両国で台頭している経済の担い手や情報システム、活動基盤についてよく慣れていないという課題も指摘された。また、文化交流の強化、企業間交流、観光、両国の市民社会組織間の協力などが、成長の可能性を秘めた分野として挙げられた。

インドの外務大臣はまた、12月28日にクレムリンでロシアのプーチン大統領と交流した。プーチン大統領は、インドとロシアの経済的パートナーシップの高まりを強調し、特に石油、石炭、ハイテク分野において、両国の商業的協力関係がより大きな投資が期待されると指摘した。

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<関連記事>ロシアからインドへの石油供給は世界市場の「大混乱」を防いだ―同省

インドは現在、石油のほぼ20%をロシアから輸入している。世界第3位の石油購入国であるインドは、増大する経済需要を賄うためのエネルギー純輸入国である。ロシアは最近、イラクとサウジアラビアを抜いて、インドにとって最大の供給国に浮上した。ロシアからの石油輸入は現在、インドの総石油需要の40%を占め、前年比44%の伸びを示している。

石油の輸入はまた、過去数年間、主に防衛装備品に限定されていた関係に新たな経済的推進力を与えている。両国は現在、商業関係を拡大・活性化させる方法を模索しており、モスクワはアジア市場との統合拡大を、そしてインドは経済的地位の上昇を後押しする新たなビジネス協力関係を模索している。

ウラジーミル・プーチンは、ナレンドラ・モディ・インド首相が来年ロシアを訪問するよう招待した。プーチンは、「平和的な手段でこの問題を解決するためにあらゆることをしたいという彼の願いを知っている」と述べ、ウクライナ危機についてモディは「何度も報告を受け」、常に実情を把握しているとも指摘した。

<関連記事> インドとロシアの関係は「前向きな軌道」に乗っている ― 外相

インドは、ウクライナにおけるロシアの行動を批判していると見られる国連決議への参加を一貫して拒否してきた。今年初め、ロシア大統領は、ニューデリーが近年獲得しようとしているインドの国連安全保障理事会常任理事国入りをモスクワが支持することを改めて表明した。水曜日(12月20日)のジャイシャンカル外相との共同記者会見でも、ラブロフ外相は同じことを繰り返した。

防衛、核、宇宙分野でのロシアとの協力拡大について議論した際、ジャイシャンカル外相は、観察者として注視せずにはいられないと強調した。インド人コミュニティとの交流の中で、彼は「これらの協力は、本当に高い信頼関係がある国とのみ行うものだ」と述べた。また、クダンクラム原子力発電所(KNPP)共同プロジェクトの拡大について重要な合意が交わされたと付け加えた。

特にインドは、西側諸国との関係を拡大する一方で、モスクワとの協力関係を深めるという難しい外交の綱渡りに成功している。今回の訪問は、インドが米国やその同盟国との距離を縮めつつある今、インドが自国の利益を追求するための独立した外交政策と戦略的自主性を示すものでもある。

インドとロシアの長年にわたる関係は、ジャイシャンカル外相の最近の投稿が最もよく表している。その投稿には、1962年に彼が父親と一緒に赤の広場に行ったときのソ連の訪問カードの写真と、クレムリンの前での最近の写真が掲載されており、「どのように始められたのか。どのように継続しているか」という解説が添えられている。
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