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未知で、問題だらけの経済水域。世界的な不況、あおられる恐怖、そして新型コロナウイルスという「引き金」

<記事原文>Uncharted Troubled Economic Waters. Global Recession, Fear-mongering and the COVID-19 “Trigger Mechanism”


グローバルリサーチ 2020年3月16日
ステファン・レンドマン
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年3月26日
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401(k)年金プランの崩壊、長引く経済不況、迫りくる恐慌と比べたら、存在しない世界的COVID-19(以降新型コロナウイルス)のパンデミックに、恐れる必要はない。

あおられた恐怖によって公衆衛生の真実の姿は歪められ、多くの人の日常生活の振る舞いを根本的に変えている。

米国では、3,700件前後の新型コロナウイルス症例と、12州での65人前後の死亡が確認されているにすぎない。[データは3月15日のもの]

この数字は、パニックをおこすには、ほど遠い数字だ。そうではなくて、今必要なのは、個人個人が、衛生を保つための冷静でよいと思われる行為(それらは常に健康のために重要)を行うことであり、皆を平等に扱う統治だ。

今ひどく欠けているのは後者の皆を平等に扱う統治の方だ。人々の不安や怒りには正当な理由があり、今必要なのは、人々の気持ちを前向きにすることであって、パニックを起こすことではない。

予定されている3月17日の会議に先立ち、Fed(連邦準備銀行)は、金利を1%引き下げてほぼゼロにした。金融ではなく大規模な財政政策が必要な時なのに。

週末の更新で、シャドースタッツ(政府経済統計)のエコノミスト、ジョン・ウィリアムズは、連邦準備銀行がパニックに陥っているとし、さらに、「市場、経済、社会、政治の混乱は始まったばかりである」、それは、長年にわたる前例のない超過金融のせいだ、と指摘した。

新型コロナウイルスは、著しく膨らんだ市場という風船を割った画鋲だ。市場は、連邦準備銀行が、投資家と利益向上のために健全な経済政策を犠牲にして10年以上行ってきた過度に緩和的な政策で膨らんでいた。

ウィリアムズは、連邦準備銀行の「システム管理能力が新型コロナウイルス危機で窮地に追い込まれ、石油価格の暴落で事態はさらに悪化した。」と指摘した。

中国の経済状況予想が示す最新のデータは、この先、世界でどんなことが起こるかに対する警告になっている。

年初からの小売売上高は、近代では前例のないマイナス20.5%となり、マイナス4%という予想をはるかに超えた。

工業生産高は、13.5%下落し、史上初の減少となった。

固定資産投資は25%近く急落し、これまた史上初の減少となった。不動産投資は年初から16%以上減少し、失業率は6.2%と報告されており、現代中国では過去最高の失業率となっている。

成長回復が起こる前に、さらに多くの損失が待ち受けていると思われる。中国で起きていることは、すでに世界中で起こっている。

最新のデータに基づいて、香港の英字新聞サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙(SCMP)は、これからの経済の苦境について、「中国経済は、1・2月の劇的な崩壊に苦しんでおり、これは、中国以外の世界への警告になっている」と述べた。

ウィリアムズは、米国はすでに「深刻化」している不況にあると考えている。彼は、GDP、小売売上高、それ以外の主要な指標などについて、以前出されていた経済データは、下方修正されるものと見ている。

2月の生産者価格は「ここ5年間で最も急激なペースで急落した。」

Read More Black Friday: Collapse of Financial Markets, Poverty and Unemployment

企業が先行き下降する経済を考慮して労働者を解雇し始め、失業率は大幅に上昇する可能性が高い。

現在、実質失業率は21.1%だ。これは、1990年以前に計算された方法に基づく計算だ。今の米国の計算方法は、何百万人もいる働く意思のないものの数はカウントしていない。

 ウィリアムズ: 
「連邦準備銀行が米国の銀行および金融システムのコントロールを失ったということはますます明白になっています。」
「大きな金融危機と不況が広がっています。」

新型コロナウイルスは「すでに深刻化している不況を悪化させた、このことは、重要な事例証拠に基づいている」

不況は、Q1データである程度見えており、Q2データになるとさらに劇的になり、それ以上のデータになるとほぼ確実だ。

米国株は、2月の高値を大幅に下回ったにもかかわらず、株式は依然として実態以上の過大な評価を受け、今後の値下がりには無防備なままだ。今は、大幅な財政刺激が金融政策には必要となっているのに、その状況を覆すことができていない。

ウィリアムズやその他のエコノミストは、経済的および財政的な混乱は、まだ初期段階にあり、これからもっとひどい状況になると考えている。

市場からのメッセージは、10年以上の過剰な金があふれかえり、「鶏が鶏小屋に帰って寝る(訳註:自分の悪行の報いを受ける、の意)」という状態が起こっているということだ。それは時間の問題だった。

同時に、経済成長を生み出すために人々のポケットにお金を入れるという財政刺激策がすっぽり抜けていたし、その政策は今後も続く。そうなっているのは、二大政党のどちらも、国民の健康と福祉への関心が薄いからだ。

米国政府は、市場、投資家、企業の利益、そして一般の人々からビジネスや富裕層の個人へ富を移転させることに注目しており、一般市民の長期不況には注意が払われない。

新自由主義が始まった90年代以来、貧困、失業、不完全雇用、ホームレス、食料不足、飢餓、蔓延する貧困、および人類の苦しみは、成長産業となってきた。

何兆ドルもが、軍国主義、終わりのない帝国戦争、ペンタゴンのグローバルな帝国の基地、そしてウォール街やその他のお気に入り企業へのばらまきに費やされている。

同時に、一般市民の要求は、物乞いをしないと手に入らないものになり、社会的正義は排除されるべく、まな板の上に乗せられている。

世界で最も裕福な国である米国は、第三世界と化し、意味のある社会変化を犠牲にして、特権階級のみが利益を享受している。そんな米国を支えているのは、きびしい警察国家体制だ。

ウォール街により所有され、コントロールされている連邦準備銀行による金融政策は、まずシステム危機を生み出し、その後おそらく経済破綻を呼ぶだろう、それは、過去数十年にわたる前例のない管理ミスと過剰金融のせいだ。

ニュースレター「インターナショナル・フォアキャスター」の創設者であり編集者である故ボブ・チャップマンは、経済界において遅かれ早かれ起こる経済は局を、いつのことか、どのくらいの規模か、どのくらいの期間のものかは、分からないが、予見してこう言っていた。

「無防備な政治的および財政的な決定のせいで、米国と欧州経済は、大災害と衝突するコースに置かれています。」

「救済措置と市場操作が、避けられない衝突を遅らせているだけです。」 転換点が近づいている。 前例のない累積債務は「返済不能」だ。

「壊れたシステムに誰が自信を持つことができるのでしょうか? 持続不可能ということばが、現状にふさわしいことばです。」

共和党員と民主主義的ではない民主党員は、金持ち連中の利益にだけ奉仕している。世界平和、公平、正義、そして公衆衛生と福祉を犠牲にして。連邦政府の援助が不可欠な今のような状況になってもだ。

1963年12月、JFKの国家による暗殺の数週間後、マルコムXは、いわゆる「鶏が鶏小屋に帰って寝る」演説を行った際、こう言った。

ダウンロード
(画像は https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Floveforquotes.com%2Fi%2Fchickens-come-home-to-roost-net-chickens-come-home-to-de696cb088a84e0aba50409afd36ea2c&psig=AOvVaw38oGcYfR4WKCTTBoF4bYUE&ust=1585096835663000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwj30-7_77HoAhUXBJQKHcNMACQQr4kDegUIARDYAQ から)

「白人アメリカ社会における何百万人もの黒人の奴隷化(かつては奴隷、今は給料奴隷だが)」によって、米国は「最後の審判が下され、尊敬される国家から没落する」時に向かっている。と。さらにこう続けた。

「子供じみた愛国心に目が見えなくなっているアメリカ人でさえ、それは時間の問題だとわかっています。白人の米国も、自国自身の罪によって完全に破壊されることが。そして、米国のかつての栄光の痕跡は永遠にこの惑星から取り除かれます。なぜなら米国は、学習し、歴史を熟考し、歴史から学び、破壊的な政策を変えることを拒否してきたからです。」

マルコムは遅かれ早かれ「鶏が、鶏小屋に帰って寝る」だろうと警告していたのだ。

現時点では、未知のものを説明するのは後知恵だけだが、今のようないろいろな面での過剰さを永遠に続けることはできないし、続くこともないだろう。
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