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西側、代理戦争でウクライナが敗北状況にあることを認める

<記事原文 寺島先生推薦>
West Admits Ukraine is Losing Proxy War
筆者:ブライアン・バーレティック(Brian Berletic)
出典:New Eastern Outlook(NEO)  2023年11月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12月9日


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ウクライナで進行中の紛争は、キエフと欧米に有利に展開していると2年近く描かれてきた。その後ウクライナは負けているだけでなく、この事実を変えるために西側の支援者にできることはほとんど何もないことを認める話が、突然、洪水のように西側の見出しを満たし始めた。

ウクライナの着実な勝利と不屈の闘志だと言われてきたものが、今やウクライナの壊滅的な損失(と実質的領土損失)、さらには部隊の士気の着実な崩壊に取って代わっている。ロシア軍は訓練も統率も不十分で、時代遅れの武器すら十分には装備しておらず、弾薬の備蓄量も減少していると言われてきたものが、今や、ロシアの軍需産業基盤がアメリカとヨーロッパを合わせた生産量を上回る一方で、西側諸国と同等の、あるいは西側諸国の能力を完全に凌駕する兵器システムを配備していることを認める話に取って代わっている。


ウクライナの破局的な損失

ウクライナの損失は、特に5カ月に及ぶ反転攻勢の失敗の今となっては、ほとんど隠しようがない。

ロンドン・テレグラフ紙は、今年8月に掲載した記事「ウクライナの軍隊は採用する人員も、勝利するための時間も不足している」で以下のことを認めている。

ウクライナでの戦争は今や消耗戦の様相を呈しており、モスクワにますます有利な条件で戦われている。キエフはこれまで、西側諸国の装備不足に見事に対処してきたが、人手不足-すでに直面しつつある―は致命的となるかもしれない。


同記事は次のようにも述べている。

あからさまだが単純な計算だ: キエフは人手不足なのだ。米国の情報筋によれば、ウクライナ軍は7万人もの戦死者を出し、さらに10万人が負傷したという。ロシアの死傷者の方が多いとはいえ、その比率はモスクワに有利である。兵の供給は一見無限にあるように見えながら、ウクライナは兵士の補充に苦労しているからだ。


この記事は、ウクライナの軍事作戦が継続不可能であることがほぼ確実であるという暗いイメージを描いている。

ウクライナ軍の戦死者7万人という主張は過小評価であり、「ロシア軍の死傷者はもっと多い」という主張は根拠がないだけでなく、西側諸国の他の情報源でも矛盾した報道がある。

米国政府に支援されたロシアの野党関係者が管理するメディアであるメディアゾナ(Mediazona)は、2022年2月以降、ロシア兵の死に関する公開情報を追跡していると言われている。

その数字を完全に検証することはできないが、ロシア国防省の数少ない発表では、ロシアの死傷者数は、メディアゾナの主張に比較的近いものだった。これに対して、ウクライナの総参謀本部が行う漫画のような荒唐無稽な主張は、しばしば西側の政府やメディアによって何の疑問も呈さず繰り返されている。

10月下旬、Business Insiderが掲載した最新の記事「ウクライナ政府高官、残存兵士が少ないため西側兵器を適切に使用できないと報告」は、ウクライナの損失とその結果生じる人員危機が悪化の一途をたどっていることを裏付けている。
記事はこう伝えている。

あるウクライナ政府関係者は、ウクライナ軍は人手不足に悩まされており、それで西側から供与された兵器が使用できなくなっていると語った、と『タイム』誌は報じている。戦争が始まって以来、何人かのウクライナ政府関係者は、ロシアの侵攻を撃退するのが難しいのは、同盟国からの供与ペースが遅いからだと非難している。
しかし、『タイム』誌の報道では、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の側近とされる無名の情報筋が、別の問題を強調している。「我々には供給された兵器を使う兵士がいない」、その側近は、西側の兵器についてこう語った。ウクライナは公的な数字を公表していないが、西側の推定では10万人以上の死傷者を出している。


兵員の不可逆的な損失に加えウクライナは、5カ月にわたる集中的な攻撃作戦にもかかわらず、また、ロシア軍指導部がロシアの目標はウクライナの軍隊を排除することであり、領土を奪うことではないと繰り返し述べているにもかかわらず、領土も失っている。

ニューヨーク・タイムズ紙は9月の記事「ウクライナで地歩を固めているのは誰か?今年はだれもいない」で以下のように述べている。

ウクライナの反転攻勢は、南部の広々とした野原を前進するのに苦労している。ロシアが昨冬、ウクライナの車両を減速させ、標的にされやすい位置に追い込むために築いた、広範囲に及ぶ地雷原と、何百マイルにも及ぶ要塞(塹壕、対戦車溝、コンクリート製の障害物)にウクライナ軍は直面しているのだ。両陣営の戦利を合計すると、ロシアがウクライナで支配している領土は、今年の初めと比べて200平方マイル近く増えたことになる。


ウクライナは、人員の急減と領土の実質的損失に加え、装備品の損失にも苦しんでいる。西側の軍需産業がこれらの損失を補うことができないという事実が、資材の損失をさらに大きくしている。


軍需産業生産:西側は枯渇、ロシアは拡大

昨年、西側の政治家や西側のメディアは、西側の優れた軍備が、時代遅れと思われ、その数も減少しているロシアの兵器システムを簡単に一掃するだろうという考えを宣伝した。今年6月上旬にロンドン・テレグラフ紙が掲載したひとつ記事のタイトルは、「英国製戦車がプーチンの徴兵された兵士を一掃しようとしている」であった。

これほど事実からかけ離れたものはない。

それどころか、ロシアの軍事装備は、西側の兵器システムより優れているとは言わないまでも、その能力が証明されており、ロシアの巨大な軍需産業基盤とともに、西側が訓練し装備したウクライナ軍を数でも戦闘能力でも勝っている。

このことは、ニューヨーク・タイムズ紙が9月に報じた記事「ロシア、制裁を乗り越えてミサイル生産を拡大、政府関係者が語る」でも認められている。

ロシアは現在、アメリカやヨーロッパよりも多くの弾薬を生産している。エス トニア国防省の高官であるクスティ・サルム(Kusti Salm)は、ロシアの現在の弾薬生産量は西側諸国の7倍に上ると推定している。


この記事は、ロシアが戦車生産を倍増させ、ミサイル生産を増加させ、少なくとも年間200万発もの砲弾を生産していることを認めている。これは欧米が現在生産している量を上回っている。これは、もし欧米が2025年から2027年にかけての増産目標を達成した時の生産量を上回る量だ。

エコノミスト誌が最近掲載した「ロシアは電子戦における優位性を数え上げ始めている」と題する記事では、ロシアが「NATOの高度にネットワーク化されたシステムに対抗するための、広範囲にわたるEW(電子戦)の素晴らしい能力を開発した」と認めている。ロシアのEW能力が、GPS誘導エクスカリバー155mm砲弾やJDAM誘導爆弾、HIMARS発射GPS誘導ロケットなど、NATOがウクライナに提供した精密誘導兵器をいかに無力化したかを説明している。

この記事はまた、ロシアのEW能力がウクライナの無人機(週ごとに数千の無人機が失われている)に与える影響についても論じている。ロシアのEW能力は、ウクライナが戦場で誘導兵器やドローンを使用する能力を混乱させるが、ロシアはウクライナの少なくとも2倍のドローンを生産することができ、ロシアに量的・質的優位性を与えていることを同記事は認めている。

ウクライナにNATOが提供するF-16戦闘機を装備するという話には誇大広告が多いが、より冷静な西側のアナリストたちは、ロシアの広大で成長しつつある航空宇宙戦力と優れた統合防空システムとの間にあって、NATOが提供するF-16は、ウクライナが特別軍事作戦の期間中に保有し、失ったソ連時代の航空機よりも良い結果をもたらすことはないだろう、と徐々に認めている。

ウクライナに何年も送られた「ゲームチェンジャー」たちは、ロシアの軍事力を上回ることはおろか、それに匹敵することもできないと証明されただけで、実際にゲームは変更されたことが明らかになった―ロシアにとって有利になるように。つまり、ロシアの膨大な軍事産業生産、安価で効果的な兵器システムに基づいた軍事原則、そして最も重要なことは、同等またはそれに近い敵対国と戦い勝利するために構築された軍事原則が有利になるようにゲームは変わったのである。

これは、何十年もの間、世界中の発展途上国や破綻国家を不釣り合いな軍事力で押し倒すために軍備を整えてきた西側諸国とは対照的で、ウクライナにおけるロシアとの代理戦争に「勝利」するために米国とその同盟国が何年も前から整えておく必要があったはずの技術的、産業的、戦略的能力を、彼らは萎縮させていたのだ。

戦場における質と量の面でロシアが優位に立っていることを認めるに至った上での「解決策」は、「生産量を増やし」、ロシアの能力に関する「データを収集」して、「それに対する対抗策を開発する」ことである。しかし、こんなことは結果を得るまでに何年もかかる。その間にもロシアはこの質的・量的優位を維持するために能力を拡大し続ける。

そして、このプロセスが展開され続ける一方で、アメリカはロシアよりもさらに大きな産業基盤を持つ中国との同様の対立を同時に模索し続ける。

西側メディアが最近、ロシアの実際の軍事力について認めているように、ワシントンとブリュッセルの長年にわたるロシア国境侵犯政策によってロシアとの紛争を引き起こすずっと前に、ロシアとの実際の軍事力が示されていれば、どれだけの命が救われたことだろう。同じように、もし西側諸国が、中国を侵略し挑発しようとして引き起こされている無意味な紛争で再び過ちを繰り返す前に、現在の過ちから学べば、まだどれだけの命が救われるのだろうか。


ブライアン・バーレティックはバンコクを拠点とする地政学研究者で、特にオンラインマガジン「New Eastern Outlook」の筆者である。
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