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イスラエルが最も恐れるもの:「大イスラエル」への侵食?

<記事原文 寺島先生推薦>
What Israel Fears Most: An Encroachment to “Greater Israel”?
筆者:ステファン・レンドマン(Stephen Lendman)
出典:グローバル・リサーチ  2017年12月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月28日


 この鋭い分析記事の初出は、2016年12月27日

 イスラエルは米国主導の西側諸国から強い支持を受けている。安保理決議2334号は入植地の違法性を確認したが、現地では何も変わらなかったし、この先も、予測可能な限りはそうなることはないだろう。


 1967年6月以前の国境線に基づく最終的なパレスチナ人の自決は、まったく別の問題である。それがいつ実現するかは、イスラエルが最も懸念していることだ。

 長年の国家政策は、アラブ人を最小限に抑えて最大の土地を確保することを求めている。ユダヤ人による排他的な開発のために、超法規的に土地を取り上げ、ブルドーザーで一軒ずつパレスチナ人の家を破壊し、長期的にはコミュニティ全体を消滅させ、奪われた土地で入植地の拡大を止めずに続けることで目標を達成する。

 100年近く前、世界シオニスト機構が打ち出したこのユダヤ人国家の土地領有計画には、次のようなものがあった:

・パレスチナの歴史的な領地

・シドンとリタニ川までの南レバノン

・シリアのゴラン高原、ハウラン平原、デラア

・デラアからヨルダンのアンマンまでのヒジャーズ鉄道とアカバ湾の支配。

 シオニストの中にはもっと多くを求めている人々もいる。つまり、西のナイル川から東のユーフラテス川まで、パレスチナ、レバノン、シリア西部、トルコ南部の土地である。



 強硬派のゼエブ・ジャボチンスキーは、アラブ人との平和共存は実現不可能だと反対した。「(優れた)ユダヤ人の軍事力による鉄の壁」を主張する彼の考えは、イスラエルを破壊するというアラブの希望を阻止することであり、その後にイスラエルが指示した条件に基づく交渉による和解を行うことだった。

 イスラエルの元首相ベン・グリオンはジャボチンスキーと同意見だった。イスラエルの独立戦争は続き、パレスチナの歴史的領地の78%を手に入れた後、残りの領地は1967年6月に占領した。

 未解決の紛争は意図的に続いている。平和と安定は、イスラエルの長期的な目標を打ち砕く。中東専門家のジョセフ・マサドはかつてこう言った:
 その論理は次のようなものだ:イスラエルはパレスチナの土地を占領し、アパルトヘイトの壁に囲まれたバントゥスタンで(その)住民を包囲し、住民を飢餓に陥れ、燃料や電気を遮断し、樹木や作物を根こそぎにし、定期的な空襲や、彼らや彼らが選んだ指導者に対する標的を絞った暗殺を行う権利がある。そして、(もし抵抗があれば、イスラエルには)、彼らを大虐殺する権利がある。

 アラブ人は劣った存在であり、権利を有するに値しないと考えられており、イスラエルにはアラブ人を抑圧し、かつ自衛する権利があるが、イスラエルの抑圧に対して(アラブ人が)自衛するとしたら、そのアラブ人の正当な防衛に対しては、イスラエルは戦争法や人道的配慮を自制も配慮もせずに、自衛する権利がある、と考えられているのだ。

 イスラエルは交渉しない。要求し、力ずくで意思を押し付ける。何十年もの間、パレスチナ人は冷酷な占領の過酷さ、ゆっくりと進行する大量虐殺に耐え、救済の見通しが立たないまま、ひどい犠牲者を出してきた。米国の二大政党のどちらが政権を握ろうとも、変わりはなかった。

 ベン・ローズ副国家安全保障顧問は、ジョン・ケリー国務長官が20日に退任する前に、紛争解決のための「包括的な視座を示す」つもりだと述べた。

 1月15日には、数十カ国の外相が参加するフランスの和平会議が予定されている。予定どおり進めば、1月20日にオバマ大統領が退任する前に、紛争解決案が4カ国協議と安全保障理事会で採択されることになる。

 イスラエルは、抑圧的な現状を維持するために、他の国々が自分たちの独断で条件を決めることに冷静さを欠く様子を見せている。

 匿名のイスラエル政府高官によれば、「いまの努力は、パリ会議でこのような動きをいかに阻止するかということだ」とのことだ。

 超国家主義者のアビグドール・リーベルマン国防相は大げさに、計画されていることを「(19世紀の)ドレフュス裁判*の現代版であり、今回は全イスラエル国民とイスラエル国家丸ごとが被告席に座らせられることになる」と述べた。
*フランス第三共和政下での反ユダヤ主義による陰謀事件。1894年、ユダヤ系軍人がドイツのスパイとして告発されたが、無罪を主張。裁判で背後の軍部・教会の反ユダヤ主義が批判され、結局1906年に無罪となった。(サイト、「世界史の窓」より)

 フランスのジャン=マルク・エロー外相は、フランスは「イスラエルとパレスチナの2国家による解決の必要性を再確認するために(会議を)開催する決意だ」と述べた。

 数年前までならばこのような解決法も可能だった。しかし、イスラエルがヨルダン川西岸の土地の6割以上を支配し、エルサレムはイスラエルのためだけの首都であると主張し、盗んだパレスチナの土地に入植地の拡張を止めずに続けている現状では、もはや不可能だ。

 1月にパリで何が発表されようとも、現地では何も変わらないだろう。特に、間もなくオバマのあとを受けるトランプは、最も「親イスラエル的な大統領」になるつもりなのだから。


スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。連絡先はlendmanstephen@sbcglobal.net。
編集者・寄稿者としての新著のタイトルは『Flashpoint in Ukraine: How the US Drive for Hegemony Risks WW III(ウクライナの一触即発:覇権を狙う米国はいかに第三次世界大戦のリスクを冒すか)』http://www.claritypress.com/LendmanIII.html。
彼のブログサイトはsjlendman.blogspot.com。
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