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イスラエルの大量虐殺を支援するカナダとアメリカの動機の背後にあるベングリオン運河

<記事原文 寺島先生推薦>
Ben Gurion Canal Behind Canada-US Motive for Backing Israel’s Genocide
筆者:トゥルースボム・メディア(Truthbomb Media)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年11月13日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月25日





 米国、イスラエル、カナダ、そしてその同盟国は、利害の一致を考慮し、停戦を許さないという強い意志を持っている。ガザ地区での意図的な共同攻撃は、継続的な空爆と地上攻撃を特徴とする長期的な戦略計画の明確な表れである。悲惨なことに、多数の子どもを含む1万人以上のパレスチナ人の命を奪ったこの協力関係は、単なる偶然ではない。これらの国々が経済的、地政学的な目標を共有することによって、軍事戦略がうまく調整された結果なのだ。



 この暴力的な軍事作戦を支援することで、2つの動機が明らかになる。ひとつは、沖合の海洋LNG資源を利用すること、もうひとつは、占領下のパレスチナを通る重要な回廊を開拓することだ。パレスチナ人を追い出し、殺害することで、曲がりくねった迂回路のない直通路を実現し、通過期間を大幅に短縮し、何十億という大幅な財政節約につながる可能性がある。



どんな運河なのか?

 ベン・グリオン運河と呼ばれるこの運河の案は、イスラエル建国の父の一人であり、初代首相の名前にちなんで名付けられたもので、エジプトのスエズ運河の代替運河となる。この水路は約300km、スエズ運河の約3分の1の長さだ。イスラエルの運河建設の見積もりは、160億ドルから550億ドルに及ぶ。出発点は、イスラエルがヨルダンと共有する国境に近いアカバ湾の北端にあるエイラート近郊である。その後、アラバ渓谷を横断し、西のネゲブ山脈と東のヨルダン高地の間を約100キロ走る。その後、ルートは西に向きを変え、海抜マイナス1412フィート(約400メートル)の死海に到達する。死海からはネゲヴ山脈の谷を通り、ガザ地区をかすめながら北上し、最終的に地中海に接続する。



歴史

 1956年、スエズ危機の最中、イスラエル、イギリス、フランスは、ガマル・アブデル・ナセル大統領によって国有化されたスエズ運河の支配権を取り戻すため、エジプトへの侵攻を開始した。この出来事は、イスラエルとその同盟国が、重要な貿易・石油輸送経路であるスエズ運河に依存していることを浮き彫りにした。

 1960年代、イスラエルはスエズ運河を迂回するため、南部地域に独自の運河建設を提案した。当時、この計画は、ヨルダン川の迂回によって引き起こされた死海の減少と塩害に対処することを目的としていた。提案されている運河は、海水を死海に導き、大規模な貯水池を形成して水力発電を行い、灌漑や消費に淡水化した水を供給するものである。

 この計画は、イスラエルの政治家、科学者、技術者たちの熱意と支持を得て、運河の実現可能性と利益を研究する委員会が結成された。しかし、計画は多くの課題や論争にも直面した。最終的に計画の進行を妨げた主な検討事項は以下のとおりである:

 運河が環境に与える影響は甚大で、この地域の生態系、気候、地質学に影響を及ぼし、不可逆的なものになる可能性がある。運河は、多様で独特な動植物や考古学的・歴史的遺跡のあるネゲブ砂漠とアラバ渓谷を切り開く必要がある。運河はまた、地球上で最も低い地点にあり、世界の自然の驚異のひとつである死海の塩分濃度、温度、生物多様性を変化させる。海水と淡水の混合は、化学反応、爆発、有毒物質の排出を引き起こし、外来種や病気の蔓延を引き起こす可能性がある。運河は地震、地滑り、洪水を引き起こし、干ばつや砂漠化の危険度を高める危険性もある。

 運河の政治的・外交的影響は複雑で、この地域のいくつかの国や当事者の利益や権利に関わる論争になるだろう。運河はイスラエル、ヨルダン、エジプトの国境を越え、パレスチナ人が領有権を主張するガザ地区とヨルダン川西岸地区の紛争地域も通過する。運河はまた、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、パレスチナが共有するヨルダン川流域の水資源とその配分に影響を与えるだろう。運河建設には、欧米の影響を直接受けた結果、数十年にわたって対立と緊張関係にあるこれらの国や団体の同意と協力が必要となる。

 エジプトと国際社会にとって重要かつ戦略的な資産であるスエズ運河の地位と役割に挑戦することは、エジプトや他のアラブ諸国、イスラム諸国の敵意と憤りを引き起こす可能性がある。これらの国々は、自国の主権と安全保障を脅かしているとしてイスラエルを敵視している。運河はまた、越境水路や重要な大洋間運河の使用と管理を規制する国際法や条約に違反する可能性もある。

 この計画は、1960年代以降、イスラエルや世界のさまざまな機関や専門家によって何度も研究され、見直されてきた。彼らは運河のさまざまな経路、設計、方法を提案してきた。なかでも最も物議を醸し、衝撃的だったのは、1963年に米エネルギー省とローレンス・リバモア国立研究所が提案したもので、ネゲブ砂漠の丘陵地帯を掘削する際に、520発の埋設核爆発物を利用することを提案するものだった。



 この提案は「プラウシェア作戦」と呼ばれる大規模な計画の一環で、採掘、建設、工学などの「平和目的」に核兵器を使用することを目的としていた。

 この提案は1993年まで機密扱いだったが、機密扱いが解除され、一般に公開された。しかしイスラエル政府から待ったをかけられた。というのも、イスラエル政府は、この地域で核兵器を使用することによる環境的・政治的影響を恐れていたからだ。



米国

 イスラエルがおこなった環境への配慮は、米国にとって決して障害とは見なされなかった。中東、特にイスラエルのインフラ整備に関する米国の戦略的視座は、世界的に重要な意味を持つ、はるかに広範な地政学的目標を示している。米国は何十年もの間、イスラエル国内の戦略的運河構想にしっかりと参画する意志を示しており、中国の「一帯一路構想」の影響力に挑戦する貿易回廊の構築を目指している。このような開発は、欧米中心の経済回廊を強化し、急成長する中国の経済支配に対抗する役割を果たそうというものでもある。

 さらに、アダニ・グループの投資によって推進されるハイファ港の近代化は、世界の海上貿易の状況に変化をもたらす可能性を示している。その目的は、ハイファを貿易、特にインドとヨーロッパ間の貿易の中心地に変貌させ、従来のスエズ運河経路に代わる経路を提示することである。この戦略的な動きは、中国の海洋における優位性に挑戦すると同時に、現在スエズ運河を支配しているアラブ諸国の地政学的影響力を低下させることを意図している。

カナダ

 カナダが停戦要請に消極的なのは、いくつかの重要な要因から生じている可能性がある。第一に、中東・北アフリカ(MENA)地域の重要な友好国であるイスラエルに対するカナダの経済的利益と投資が重要な役割を果たしている。両国は多面的な関係を共有しており、カナダ・イスラエル自由貿易協定はカナダ企業のイスラエル市場参入を後押ししている。両国の協力関係は、産業研究、エネルギー、安全保障などの分野にも及んでいる。

 イスラエルの主要同盟国である米国とカナダが緊密に連携していることも要因のひとつだ。世界最大の貿易相手国であるカナダと米国の関係では、カナダは米国の外交政策、特に中東政策をしばしば反映している。カナダは一貫して、パレスチナ人が何人死のうと「平和と安全」を求めるイスラエルの権利を支持している。

 イスラエルのベン・グリオン運河計画からカナダが得る可能性のある利益は、この野蛮な大量虐殺を阻止する姿勢に影響を与える。運河は石油とガスの輸送に新たな経路を提供し、ホルムズ海峡のような地政学的に敏感な地域への依存を減らすだろう。主要なエネルギー生産国であり消費国でもあるカナダは、エネルギー取引経路の多様化と、イスラエルやこの地域との貿易機会の拡大から恩恵を受けるだろう。この計画を支援することは、米国/カナダ/より広い西側諸国が、特に中東や、米国が脅威とみなす「一帯一路構想」を通じて影響力を強める中国を押し返そうとする狙いに合致する。

 ベングリオン運河計画の恩恵を受けるカナダ企業には、以下のようなものがある:

SNCラバラン社:カルメル・トンネル、テルアビブ軽便鉄道、アシュドッド海水淡水化工場など、イスラエルのさまざまな生活基盤施設計画に携わってきた大手工学・建設会社。SNCラバラン社は、運河計画の設計、建設、運営に参加する可能性があるほか、業務に関する助言や管理事業も提供する。

ボンバルディア社:イスラエル鉄道に鉄道車両や信号体系を、イスラエルの顧客にビジネスジェット機やターボプロップ機を供給してきた世界的な運輸業者。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の報告書によると、カナダは2014年から2018年にかけてイスラエルに武器を供給した上位10国のうちの1国にあたり、その総額は2800万米ドル(約42億円)だった。

 政府所有のイスラエル鉄道は2015年8月、ボンバルディア社に電気機関車62両の供給契約を発注した。この契約には、32両の機関車を追加購入する選択肢も含まれており、契約総額は10億シェケル(2億6000万米ド、約400億円以上)となった。この動きは、インドとサウジアラビア間の海上輸送から始まり、サウジアラビアとアラブ首長国連邦を経由する鉄道輸送、ヨルダンまで延びる可能性のある鉄道輸送、そしてトルコまでの海上輸送、それに続く鉄道接続という輸送網を構想する、より広範な西側戦略の一環であると思われる。

 エンブリッジ社をはじめとする大手石油・ガス会社:世界最長の原油・液体輸送システム、天然ガスパイプライン、処理工場、再生可能エネルギー発電施設を運営する大手エネルギー・インフラ企業。エンブリッジ社をはじめとする石油・ガス企業は、エネルギー輸出入の経路や選択肢が増えるだけでなく、沖合天然ガス田や再生可能エネルギー計画を開発するイスラエルのエネルギー企業への投資や提携によって、運河計画から利益を得る可能性がある。

経済上の機密計画

 検証されたイスラエル人の人質に対するイスラエル国防軍の配慮のなさにもかかわらず、表面的には、米国とその同盟国によるこの地域での軍事行動は、テロ対策あるいは「人質奪還」作戦として正当化されている。

 イスラエルが軍事的対応を正当化するために報告した犠牲者数については、政府による公式情報が不足しており、国葬をおこなうために正式な認定が期待される軍の犠牲者数も特に子どもの犠牲が多い民間人の犠牲者数も不明なままだ。さらに、捕虜となった人質の数が239人と発表されているが、これが正しいという主張を立証する証拠もない。このような主張は、「人質救出」作戦のためと称する「ハント&キル」リーパー無人偵察機の配備など、米軍の激しい行動とは不釣り合いに見える。

 毎日のドローンによる攻撃に加えて、ガザのノルデンドの建物の地下空間を狙った強力な弾薬による爆撃が頻繁に行われており、これは米国の支援によるものだと伝えられている。ジュネーブ条約によれば、これらの強力な弾薬は「自衛のための極端な状況」でしか使用できず、民間人の多い地域での使用は禁止されているにもかかわらず、継続的に使用されている。

 ガザの破壊と取り壊しの裏には、ガザの地形を改造しようという計画の初期段階が隠されている可能性が高く、今後、野心的な事業が始まることを暗示している。

 この地政学的計画があるからこそ、暴力的な攻撃を停止しようとすることに消極的なのだ。その計画が進めば進むほど、経済活動への影響が明らかになるだろう。だが、そのときまでには、取り返しのつかない甚大な被害が生み出され、無数の人命と家屋が破壊されていることだろう。


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