OPCWの内部告発者攻撃は、自らの組織の信頼性失墜にしかならない
<記事原文 寺島先生推薦>OPCW attack on whistleblowers only proves its own credibility is shot
RT-Oped 2020年2月7日 ネボイサ・マリック

Nebojsa Malic
is a Serbian-American journalist, blogger and translator, who wrote a regular column for Antiwar.com from 2000 to 2015, and is now senior writer at RT. Follow him on Twitter @NebojsaMalic https://twitter.com/NebojsaMalic
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ 2020年3月3日>

OPCW(化学兵器禁止機関)は、シリアでの化学兵器攻撃に関する報告書に疑問を投げかけた内部告発者の信用を失墜させようと試みたが、結果的にリークされた文書に信憑性があること、リークに関わった人物たちの専門知識がきちんとしていること、そしてOPCWの組織そのものが腐敗していることを確認することになった。
数カ月前、「アレックス」という人物と以前専門家だったイアン・ヘンダーソンという二人の内部告発者が証言し、シリア政府軍が化学兵器を使用した可能性を示唆する2018年4月ドゥーマで起こった事件に関する最終報告書が改ざんされたものであることを示す文書を提出した。その最終報告書は、シリア政府軍が化学兵器を使用した可能性に言及し、それ故アメリカ、イギリス、そしてフランスによるシリアに対するミサイル攻撃には正当性があった、としている。ただし、この攻撃はOPCW調査団が現地に到着する以前に行われていた。
木曜日、OPCWは、この二人は本当の内部告発者ではなく、専門知識も、すべての証拠へのアクセス権もない守秘義務違反を犯した出来の悪い職員に過ぎないと主張し、彼らの信用を落とそうとした。
ALSO ON RT.COM OPCW responds to Douma leaks... by arguing whistleblowers are not credible & calling for tighter internal security measures
木曜日のこの発表は、根拠のない宣伝活動を中心的に行う一群(Bellingcat、あんたたちのことだよ!)にとっては、自分たちは正当であり、内部告発者たちは信用ならない、そしてドゥーマの報告は100%正しいと宣言するのに十分だった。
彼らはOPCWのちょっとした意味論演習をわざわざ読むことはしなかったに違いない。なぜなら、OPCWは実際には――うっかりしていたのだろうが――リークされた文書が本物であり、二人の内部告発者は彼らが問題にしている証拠へのアクセス権があったことを確認したからである。
例えば、内部告発者の一人はドゥーマの事実調査ミッション(FFM)の「メンバーではなか」ったとOPCWは言っているが、彼はFFMと「行動を共に」し、FFMを「アシスト」し、その後、公開が憚れる証拠の「一覧表を作る任務」が与えられたとも述べている。
こんな困った事態に陥ったのも、元々はOPCWの身から出たさびでしかない。結局のところ、シリアが化学兵器研究所を解体し、病原体は米国と英国に引き渡し、廃棄してもらったことをOPCWは2013年に遡って確認した。そのプロセスを監督し、施設を査察した上でのことだ。が、OPCWのそういった動きは西側諸国と彼らが支援するジハード戦士たちに利用されることになった。――つまり、シリア政府の「政権交代」を実行する作戦の中で。
遡ること2012年、オバマ政権はシリアに対してリビア式の「軍事行動開始」の「レッド・ライン」は化学兵器の使用だとした。シリアが武装解除したことを確認したロシアは、その外交イニシアチブを使ってこの計画を阻止した。しかし、アル・カーイダ系列組織アル・ヌスラなどの「穏健派反乱勢力」が、バッシャール・アサド大統領政府に非難の矛先を転嫁させる可能性のある事件を引き起こすことは止めなかった。彼らの目論むところは、一に、外部勢力の介入を誘い出し、その戦争に勝利を収めることだった。
この「化学兵器攻撃」の問題は、「反乱勢力」が負けていて、シリア軍が何の問題もなく進撃している時に必ず起こるということだ。このことは、シリア政府がいかなる理由であれ、軍事的にも政治的にも化学兵器を使用する必要が全くないことを意味している。ただ、「反乱勢力」は別だ。彼らは自分達の反乱の大義を保つために、こういった偽旗作戦を絶対に必要としている。
ALSO ON RT.COM OPCW report on 2018 Syria chemical ‘attack’ politicized, new probe may be needed – Russian envoy
削除やほのめかしに満ちたドゥーマに関する報告書を公表することで、OPCWは、事実上これらのテロリストたちの味方をしたことになる。同様に国際法を公然と無視してシリアへの攻撃を一方的に開始した国々の側にも立つことになった。
そして、内部告発者を攻撃することで、イラクの大量破壊兵器以来最大の嘘に共謀しているという批判に対処することにした。危険な武器の拡散から世界を守るはずの組織にとって、それは単に外見が悪いという問題ではない。その信頼性を根本から損なうものだ。
RT-Oped 2020年2月7日 ネボイサ・マリック

Nebojsa Malic
is a Serbian-American journalist, blogger and translator, who wrote a regular column for Antiwar.com from 2000 to 2015, and is now senior writer at RT. Follow him on Twitter @NebojsaMalic https://twitter.com/NebojsaMalic
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ 2020年3月3日>

OPCW(化学兵器禁止機関)は、シリアでの化学兵器攻撃に関する報告書に疑問を投げかけた内部告発者の信用を失墜させようと試みたが、結果的にリークされた文書に信憑性があること、リークに関わった人物たちの専門知識がきちんとしていること、そしてOPCWの組織そのものが腐敗していることを確認することになった。
数カ月前、「アレックス」という人物と以前専門家だったイアン・ヘンダーソンという二人の内部告発者が証言し、シリア政府軍が化学兵器を使用した可能性を示唆する2018年4月ドゥーマで起こった事件に関する最終報告書が改ざんされたものであることを示す文書を提出した。その最終報告書は、シリア政府軍が化学兵器を使用した可能性に言及し、それ故アメリカ、イギリス、そしてフランスによるシリアに対するミサイル攻撃には正当性があった、としている。ただし、この攻撃はOPCW調査団が現地に到着する以前に行われていた。
木曜日、OPCWは、この二人は本当の内部告発者ではなく、専門知識も、すべての証拠へのアクセス権もない守秘義務違反を犯した出来の悪い職員に過ぎないと主張し、彼らの信用を落とそうとした。
ALSO ON RT.COM OPCW responds to Douma leaks... by arguing whistleblowers are not credible & calling for tighter internal security measures
木曜日のこの発表は、根拠のない宣伝活動を中心的に行う一群(Bellingcat、あんたたちのことだよ!)にとっては、自分たちは正当であり、内部告発者たちは信用ならない、そしてドゥーマの報告は100%正しいと宣言するのに十分だった。
彼らはOPCWのちょっとした意味論演習をわざわざ読むことはしなかったに違いない。なぜなら、OPCWは実際には――うっかりしていたのだろうが――リークされた文書が本物であり、二人の内部告発者は彼らが問題にしている証拠へのアクセス権があったことを確認したからである。
例えば、内部告発者の一人はドゥーマの事実調査ミッション(FFM)の「メンバーではなか」ったとOPCWは言っているが、彼はFFMと「行動を共に」し、FFMを「アシスト」し、その後、公開が憚れる証拠の「一覧表を作る任務」が与えられたとも述べている。
There are two types of investigations.
— Murad Gazdiev (@MuradGazdiev) February 7, 2020
The first is itended to find out and explain what went wrong.
The second type is intended solely and utterly to cover your ass.
The OPCW opted for the second. Long thread:
こんな困った事態に陥ったのも、元々はOPCWの身から出たさびでしかない。結局のところ、シリアが化学兵器研究所を解体し、病原体は米国と英国に引き渡し、廃棄してもらったことをOPCWは2013年に遡って確認した。そのプロセスを監督し、施設を査察した上でのことだ。が、OPCWのそういった動きは西側諸国と彼らが支援するジハード戦士たちに利用されることになった。――つまり、シリア政府の「政権交代」を実行する作戦の中で。
遡ること2012年、オバマ政権はシリアに対してリビア式の「軍事行動開始」の「レッド・ライン」は化学兵器の使用だとした。シリアが武装解除したことを確認したロシアは、その外交イニシアチブを使ってこの計画を阻止した。しかし、アル・カーイダ系列組織アル・ヌスラなどの「穏健派反乱勢力」が、バッシャール・アサド大統領政府に非難の矛先を転嫁させる可能性のある事件を引き起こすことは止めなかった。彼らの目論むところは、一に、外部勢力の介入を誘い出し、その戦争に勝利を収めることだった。
この「化学兵器攻撃」の問題は、「反乱勢力」が負けていて、シリア軍が何の問題もなく進撃している時に必ず起こるということだ。このことは、シリア政府がいかなる理由であれ、軍事的にも政治的にも化学兵器を使用する必要が全くないことを意味している。ただ、「反乱勢力」は別だ。彼らは自分達の反乱の大義を保つために、こういった偽旗作戦を絶対に必要としている。
ALSO ON RT.COM OPCW report on 2018 Syria chemical ‘attack’ politicized, new probe may be needed – Russian envoy
削除やほのめかしに満ちたドゥーマに関する報告書を公表することで、OPCWは、事実上これらのテロリストたちの味方をしたことになる。同様に国際法を公然と無視してシリアへの攻撃を一方的に開始した国々の側にも立つことになった。
そして、内部告発者を攻撃することで、イラクの大量破壊兵器以来最大の嘘に共謀しているという批判に対処することにした。危険な武器の拡散から世界を守るはずの組織にとって、それは単に外見が悪いという問題ではない。その信頼性を根本から損なうものだ。
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