fc2ブログ

アフリカにおける「オバマの家来」、ガボンを揺るがす民衆クーデターで自宅軟禁中

<記事原文 寺先生推薦>
‘Obama’s Man in Africa’ Under House Arrest as Popular Coup Rocks Gabon
筆者:マックス・ブルメンタール(Max Blumenthal)  
出典: INTERNATIONALIST 360°  2023年8月31日
<記事飜訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月29日


1500-1 w
2014年8月5日、ホワイトハウスでの米アフリカ首脳サミットの夕食会中、ブルー・ルームでアリ・ボンゴ・オンディンバ・ガボン大統領、バラク・オバマ大統領、ミシェル・オバマ大統領夫人


ガボンの腐敗しきっていたアリ・ボンゴ大統領は、軍事クーデターで解任される前、オバマ大統領に求められて、ワシントンからダボス会議まで招待された。この地域を不安定化させたアメリカの対リビア戦争は、彼がいなければ成功しなかったかもしれない。



 8月30日、軍事政権がアリ・ボンゴ・オンディンバ大統領を逮捕し、ガボンは軍事クーデターによって政府を退陣させた9番目のアフリカの国となった。ニジェール、ブルキナファソ、マリの国民がそうであったように、ガボンの群衆は、欧米が支援する指導者の退陣を祝うため通りに押し寄せた。国民の3分の1以上が困窮にあえぐなか、大統領一族が贅沢な暮らしを誇示していたからだ。

 「無責任で気まぐれな統治は、社会的結束を絶え間なく悪化させてきて、国を混乱に追い込む恐れがあった」とガボン政権の指導者ウルリッヒ・マンフンビ大佐は政権奪取時に宣言した。

 ガボン軍が現職の親フランス派アリ・ボンゴ大統領を追放した後、数百人が街頭に出て、クーデターへの支持を表明して歌い祝っている。

現在、ロスチャイルドが出資する鉱山会社はガボンでの操業を停止しており、インターネットの接続も停止している模様... pic.twitter.com/8EWzapbpuj
- アンジェロ・ジュリアーノ (@Angelo4justice3) August 30, 2023


 ボンゴ大統領の逮捕は、ワシントンとパリからの怒りに満ちた非難にさらされた。両国は、ガボンの莫大な石油資源を略奪するボンゴ大統領を支えてきたからだ。オバマ前大統領は、ガボンの独裁者を大陸で最も親密な同盟者の一人として育て上げ、リビアとの戦争で地域全体にテロと不安定を巻き起こすときに、外交的な支えとして彼を頼りにしていた。

 オバマとボンゴの絆は深く、フォーリン・ポリシー誌はガボンの指導者をアフリカにおける「オバマの家来」 と呼んだ。

 ボンゴは、オバマの助けを借りて、自らを改革派の近代主義者として仕立て上げようとした。世界経済フォーラムに出席するためにスイスのダボスへ何度も足を運び、そこで 「課題提案者」 に任命された。ボンゴはダボスで、自国の貧困にあえぐ人々に、金儲けに役立つデジタル身分証明書と決済システムを導入することで、アフリカにおける「第四次産業革命」を加速させることを約束した。

 WEFのウェブサイトに掲載されたボンゴの経歴によると、彼は「生物多様性に関するアフリカの唱道者」であり、「音楽作品の作曲家」であり、その趣味は「歴史、サッカー、クラシック音楽、ジャズ、ボサノバ」である。この自称ルネッサンス・マン(自由と革新に生きる人間)は、オバマ大統領と意気投合し、クラウス・シュワブに余計なお節介をし、ビル・ゲイツに握手しまくることができた。しかし国内では、苦境にあえぐガボンの大衆の中に彼の友人はほとんどいなかった。


1500-2 w
ガボンのボンゴ大統領とビル・ゲイツ、2016年


自国での運命に翻弄される「地球市民」

 アリ・ボンゴは、1967年から死去するまでガボンを支配した故オマール・ボンゴ・オディンバの息子として権力を握った。父ボンゴは2004年、失脚した共和党のロビイスト、ジャック・アブラモフと900万ドル(約9億円)にのぼるイメージ払拭の取引をした翌年、ジョージ・W・ブッシュ大統領との会談を実現させた。その5年後に父ボンゴは死去したが、5億ドルの大統領官邸、パリからビバリーヒルズまで十数軒の豪邸、そして不平等が跋扈する国を残した。

 ボンゴは、ディスコ・アーティストとして短期間活動した後、フランスのソルボンヌ大学で学び、国を率いる準備をした。2009年に大統領に就任すると、父親の後を継ぎ、ボーイング777型旅客機や高級車の購入のために公的資金を強奪し、国際的なPR会社と多額の契約を結んだ。ボンゴの妹、パスカルヌは、訴訟によれば、ジェット機でのバカンスや高価な邸宅に5000万ドル以上を費やし、彼女の家族は、中央アフリカ国家銀行から盗んだ資金をニコラ・サルコジとジャック・シラクの元フランス大統領の選挙資金に流用して、パリで影響力を培っていた。

1500-3 w
1977年、ディスコ・ファンク・アルバム『A Brand New Man』を演じるアリ・ボンゴ

 しかし、バラク・オバマ大統領が、リビアの政権転覆作戦を皮肉にも 「民主化促進」と正当化して始めたとき、ボンゴ一族の長きに渡る汚職の記録は何も気にならなかったようだ。ワシントンの支援で、ガボンは国連安全保障理事会の順番になり、2011年2月、リビアへの制裁と飛行禁止区域を要求するアメリカ決議の忠実な承認国として機能した。

 ボンゴの忠実な協力精神によって、4ヵ月後にはワシントンでオバマ大統領との面会を実現させた。大統領の私邸に滞在していたボンゴは、アフリカの指導者として初めてカダフィの権力放棄を求めたのだ。

 ボンゴの側近について、当時の駐ガボン米国大使エリック・ベンジャミンソンは、フォーリン・ポリシー誌にこう語った。「彼らはアフリカの指導者なら誰でも個人携帯番号に電話できた。彼らはカダフィのことを知っていて、彼の参謀長のこともよく知っていた。軍事行動をとらずにカダフィを退陣させるために、ガボン人を通じて働きかけようとしていた」。

 ベンジャミンソンは、「オバマは彼を気に入っていたようだ」、と付け加えた。

 米国が主導したリビアへの政権転覆戦争は、以前は安定し繁栄していたこの国を、アルカイダ系とISISの軍閥が支配する専制的な地獄絵図へと急速に変貌させた。リビア軍のかつての武器庫を事実上無制限に利用できるようになったジハード主義者たちは、サヘル地域*で暴れ始めた。彼らの虐殺への秘密支援は湾岸王国カタールから届いていた。カタールはカダフィを排除するために、フランスやアメリカと提携し、2012年にジハード主義者連合がマリ北東部に事実上のカリフ国家を樹立するのを可能にした。
*サハラ砂漠南端のセネガルからチャドまでの6か国を横切る乾燥地帯

 「かつては安定していたマリを2011年後半から苦しめている暴力は、西側諸国政府にとって驚きではないはずだ。なぜならそれは、NATOのリビア介入の直接的結果であるからだ」と「外交問題評議会(The Council on Foreign Relations)」は述べた。

 この地域で、フランスとアメリカの軍事的な展開が拡大しているにもかかわらず、あるいは、そのせいかもしれないが、2014年にはジハード主義者による攻撃が多発していた。同年8月、オバマ大統領はボンゴ大統領に、ワシントンで開催された米アフリカ首脳会議への招待状を送った。サミットの祝賀会で、オバマは伝説のポップ歌手ライオネル・リッチーの演奏を聴きながらボンゴ大統領の横に座り、アフリカ戦略におけるボンゴ大統領の極めて重要な役割を強調した。

1500-4 w
2014年8月5日、ホワイトハウス南庭で開催された米アフリカ首脳サミットの晩餐会で、ライオネル・リッチーのパフォーマンスに耳を傾けるオバマ夫妻とガボンのボンゴ大統領

 ボンゴは、2016年の怪しげな投票で再選を果たしたが、そのわずか1カ月後、再びアメリカに呼び戻された。今回は、悪名高い怪しげなNATO後援の大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)によって、ニューヨークで開催されたシンクタンクの正装祝賀会で「グローバル・シチズン賞」を受賞するためであった。しかし、本国ガボンの選挙で、ある地域では100%に近い投票率で95%の得票が報告されるといった不正に対して疑問の声がくすぶり続ける中で、彼はこの旅行をキャンセルせざるを得なくなった。

 「大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)は、ガボンのボンゴ大統領が自国での優先事項のために今年の地球市民賞の受賞を見送ったことを尊重する」とシンクタンクのウェブサイトに紋切り型の声明が掲載された。

 一方、マリの首都バマコでは、「マリの愛国者」 と名乗る市民グループが、フランスの外交官と軍関係者の国外退去を求める数百万人分の署名を集め始めていた。彼らはフランス軍に代わってロシア軍を要請し、そして、オバマ率いる対リビア戦争以来、彼らの社会を苦しめてきたイスラム主義のテロリストを追い出すよう要求した。

 一般的なマリ人の爆発寸前の怒りは、2021年に民衆による軍事クーデターを引き起こし、翌年には隣国のブルキナファソでもクーデターが起きるきっかけとなった。そこでは市民は手製のロシア国旗を手にして臨時政府を祝っている様子が見られた。

 今年8月30日、反乱軍がガボン政府を包囲し、ワシントンお気に入りの泥棒政治家の治世を終わらせたとき、ボンゴは所在不明の場所からビデオメッセージを録音し、「世界中にいる友人たちに、声を上げてくれ」 と必死に訴えていた。

 しかし、その時点では、オバマ大統領が耳を傾けているのかどうか、あるいは「アフリカの家来」を救済するために彼ができることがあるのかどうかははっきりしなかった。
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

tmmethod

Author:tmmethod
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
最新記事
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
最新コメント