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スコット・リッター:ウクライナの完全な敗北のみがロシアとの紛争での唯一可能な結末だ

<記事原文 寺島先生推薦>
Scott Ritter: A comprehensive Ukrainian defeat is the only possible outcome of its conflict with Russia
筆者:スコット・リッター(Scott Ritter)
出典:RT   2023年9月3日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月13日

スコット・リッターは、元米国海兵隊情報将校であり、『ペレストロイカ時代の軍縮:軍備管理とソビエト連邦の崩壊』の著者。彼はソビエト連邦でINF条約を実施する検査官として勤務し、湾岸戦争中にシュワルツコフ将軍のスタッフで働き、1991年から1998年まで国連の武器検査官として勤務した。


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キエフで行われたウクライナ独立記念日を記念する式典におけるウクライナ大統領ウラジミール・ゼレンスキー © Handout / ウクライナ大統領広報サービス / AFP


キエフには以前から和平が提案されていたが、西側にけしかけられて戦争を選択した。そう、今となっては、その運命はもう変えられないのだ。

 9月2日は、東京湾の米軍艦ミズーリ号における第二次世界大戦降伏調印式の78周年にあたる。この瞬間、日本はアメリカとその同盟国に正式に無条件降伏し、その紛争を終結させた。日本側から見ると、この紛争は1937年7月7日の、日中戦争の発端となったマルコポーロ橋(盧溝橋)事件からずっと続いていたものだ。

 交渉は一切なく、日本政府高官(複数)が無条件で文書に署名する単純な降伏式のみがおこなわれた。

 敗北とはそんなものだ。

 歴史は、過去からの教訓を引き出し、それが現在に関連する可能性があるものとして研究されるべきだ。アメリカの哲学者ジョージ・サンタヤナは、「過去を覚えていない者は、それを繰り返す運命にある」と指摘した。キエフのウクライナ政府は、現在のロシアとの対立を考えるとき、日本の無条件降伏によってもたらされた歴史的な前例とサンタヤナの忠告の両方を熟考することが賢明だろう。

 何をおいても、ウクライナはこの紛争の原因について、そして戦闘の責任はどちらにあるのかについて誠実に思いを馳せるべきだ。ロシア政府がその公式の目標の1つとして使用している「非ナチ化」という用語がある。ウラジミール・プーチン大統領は、ナチス・ドイツの同志であったステパン・バンデラの忌まわしい遺産について何度も言及している。彼は、現代のウクライナ民族主義者によって英雄とされ、国の創始者とほぼみなされている、悪名高い大量殺人犯だ。

 今日のウクライナがバンデラのような人物をそのような地位にまで高めていることは、キエフの主張が根本で腐敗していること、そして今日のウクライナには道徳的骨格が欠けていることを十分に物語っている。現代のナチ協力者の憎悪心に満ちた国粋主義の信奉者たちが、ロシアによる軍事作戦の発端となった主要な出来事を拡散したのだ。その役割は、無視することも軽視することもできない。2014年2月にウクライナの前大統領ヴィクトル・ヤヌコビッチを職から追い出すために暴力を用いたのは、長い間CIAやモスクワに敵対的な他国の情報機関との関係を持っているバンデラ派だ。

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 この不法な政治化された暴力行為から、民族および文化的な虐殺の力が主流となり、現代のバンデラ派の形で現れ、東ウクライナでの暴力と抑圧が始まった。今度は、これが引き金となり、クリミアでのロシアの行動およびドンバスの市民の行動が引き起こされた。彼らは、バンデラと結びついたウクライナ民族主義者の暴れ回る行為に対抗するために組織化した。その後、(2つの)ミンスク協定があり、この協定が示していた平和への潜在的な道を閉ざすというキエフとその西側同盟国の裏切りが続いた。

 ウクライナは、現代のバンデラ主義者が現実を形作る過程で果たした役割から自分自身を切り離すことはできない。この点で、キエフは帝国日本の軍国主義者たちと瓜二つだ。帝国日本の軍国主義者たちは、17世紀の日本の武士にさかのぼる伝統的な「武士道」である武士道の教えに盲目的な忠誠心を示し、それが国を国際紛争に導くことになった。日本が降伏した際の義務のひとつは、社会から軍国主義者の影響を一掃し、侵略戦争とそれを戦うために必要な軍事力を憲法で非合法化することだった。

 バンデラ主義は、どんな表現形態をとるにせよ、ウクライナ社会から根絶しなければならない。これは、武士道に影響を受けた軍国主義が日本から排除されたのと同じ方法で行なわれるべきであり、新しい憲法を作成し、この一掃を法律として確立するべきだ。これをしなければ、バンデラ主義のがんが生き残ることになり、戦後ウクライナの敗北した体内で潜在的に蔓延し、将来的に再び害をもたらすための時を待つことになる。

 これは、ちょうどこの7月に行われたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで、プーチンが第二次世界大戦中のバンデラ主義者たちの犯罪のビデオを公開したときに送られたメッセージと同じ内容だ。「どうしてそれと闘わないことができるのか?」とプーチンは言った。「そして、これを現在表面化している新ナチズムだと言わなければ、それは何ですか?」と彼は尋ねた。「どう考えてもウクライナの非ナチ化が、私たちが取りかかった大事な任務のひとつなのです」と、ロシアの大統領は宣言した。

 西側の主要メディアがウクライナの最終的な軍事的敗北の範囲と規模について理解し始めるにつれて(そして、それに伴ってロシアの決定的な軍事的勝利の現実を考慮に入れるにつれて)、米国や、NATO、欧州連合などの政治的監督者たちはこの戦争の終盤をどんなふうにしようか、と必死になっている。ロシアとウクライナの対立をNATOの存続そのものがかかっている戦いだとはっきり言っているので、これらの西側の政治家たちの今の仕事は、公的な認識を形成することだ。それも、欺かれた有権者の意味のある持続的な政治的反発を和らげるものでなければならない。有権者たちは騙されて、国庫から何十億ドルもの資金や、兵器庫から何十億ドルもの武器を、恥辱にまみれた失われた大義に送り込むことを許したのだ。

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 この認識操作の重要な側面は、交渉に基づく解決の考え方であり、この過程はウクライナが紛争の終結の頃合いと性質について発言権を持っていることを意味している。しかし、実際のところ、キエフは昨春、そのNATOの主導者である当時の英国首相ボリス・ジョンソンを通じて伝えられた要請にしたがい、その交渉代表団とロシアの交渉代表団との間で仲介された平和協定から離れたときに、この発言権を失なった。紛争を長引かせる決定は、キエフに何十億ドルもの軍事装備と支援を提供するという条件に基づいて行われた。当局たちは十分に大規模な動員を行い、ウクライナ軍はロシア軍を数においてはるかに圧倒した。

 新しくNATOの訓練を受け、装備を固めたキエフの部隊は、秋の攻勢中にめざましい領土拡大を達成した。これに対するロシアの反応は、前線を安定化させ、最初から割り当てられた使命である「非ナチ化と非武装化」を達成するために、予備役の一部を動員して十分な兵力を蓄積することだった。非ナチ化は政治的な問題だが、非武装化はそうではない。これをウクライナにあてはめると、それはウクライナがロシアに対抗するための武力衝突を行なう能力を実質的に破壊することを意味する。この目的は、ウクライナからすべてのNATOの軍事的インフラや、装備、資材など取り除く必要性も含んでいると思われる。

 部分動員の開始以来、ロシアはウクライナの武装部隊の非武装化を成功裏に進めている。ウクライナが西側から提供される装備も、ロシアによって持続不能な速さで破壊されている。一方、ロシアの防衛産業は全力で稼働し、十分以上の現代兵器と弾薬を供給している。

 厳しい現実は、ウクライナもその西側の同盟国も、ロシアとの紛争がもたらす兵力と装備の運用上の損失を支え切ることができないということだ。一方、ロシアは、多くの志願兵が軍に採用され、兵器生産も高い割合でおこなわれているため、損失を吸収し、時間の経過とともにその力を増強できるだけの能力を持っている。将来のあまり遠くない時点で、ロシアとウクライナの作戦場面における力の均衡が崩れ、キエフが接触線沿いの防御が十分できなくなり、新たな予備軍を活用できるロシアが触手を伸ばすことになる防衛線に隙間を作ってしまうだろう。これにより、ウクライナの部隊間の結束が崩れ、おそらくドニエプル川の西に設営されるより防御的な陣地へ背水の陣的な撤退をすることになるだろう。

 ウクライナは、2014年の作戦によってクリミアを失なった。また、2022年の選択によってドンバスやザポロージェ、ヘルソンなどを失なった。そして、キエフがこの紛争を引き延ばし、自衛が物理的に不可能になるまで持続させると、オデッサやハルキウを含むさらに多くの領土を失う危険を冒すことになる。

 ロシアはウクライナの領土を奪取する意図でこの紛争に臨んだわけではない。しかし、2022年3月、キエフは平和協定の草案(最初はあらかじめ承認していた)を拒絶した。そして、この平和を避け戦争を選ぶ決定が、ロシアがドンバスやザポロージェ、そしてヘルソンなどを吸収する結果となったのだ。

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 モスクワとの平和交渉を開始するための条件の一つとして、キエフはロシアが現在支配しているすべての以前のウクライナの領土(クリミアを含む)の返還を要求した。しかし、このような結果を実現させるためには、ウクライナはロシアを軍事的および/または政治的に打倒してしたがわせる能力を持っている必要がある。現時点では、これは不可能だ。

 ウクライナとその西側同盟国がまだ理解していないらしいことは、ロシアの指導部が単なる交渉のための交渉をするつもりはないという事実だ。プーチンは、この紛争に関してその目標と目的を列挙しており、それは①非ナチ化、②非武装化、および③ウクライナのNATO加盟禁止だ。

 これが今の現実だ。ロシアは言明した目標と目的を達成するために動いている。現時点では、ウクライナやその仲間である米国や、NATO、そしてEUなど(いわゆる「西側集団」)がこれらの目標の達成を妨げるためにできることはほとんどない。今後の予定はカレンダーにそったものではなく、むしろ結果によって決まる。キエフとその西側の友好国がこの紛争を引き延ばすほど、ウクライナに生じる被害はますます大きくなるだろう。

 ウクライナとその西側友好国は、もう平和と復興への道に進むべきだ。しかし、これはウクライナが降伏し、現実を受け入れるときにのみ実現できる。
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