アフリカ:帝国主義と闘うための第二戦線
<記事原文 寺島先生推薦>
Africa: The Second Front in the Struggle Against Imperialism
筆者:モフセン・アブデルムーメン(Mohsen Abdelmoumen)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年8月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年8月29日

アフリカにおけるフランスの存在に反対するデモ。D.R.
私たちは、帝国主義と新植民地主義に対するあふれる反乱の中で新しいアフリカの出現を目撃している。これは、中国とロシアの関与の必然的な結果であり、両国ともアフリカ諸国との商業および外交的な交流において対等の政策を追求している。
7月27日から28日にサンクトペテルブルクで開催された直近のロシア・アフリカ・サミットは、49のアフリカ諸国からの代表団、その中には17人の国家元首も含まれ、ウラジミール・プーチンが明確に多極的な世界秩序の推進と新植民地主義への対抗意思を述べたことは、間違いなく大きなきっかけとなった。特に、賓客であるブルキナファソの若き大統領、イブラヒム・トラオレ大佐、エリトリア大統領のイサイアス・アフェウェルキによる力強い演説、そしてプーチン大統領の最貧国への数百万トンの小麦の無料提供の約束が記憶に残る。
アルジェリアは、フランスにしっぽを振るだけの寡頭支配的第5列の手中にあった病弱の老大統領から解放され、慎重ではあるが揺るぎない立場を通じてアフリカの舞台での主導的な役割を取り戻し、問題解決のために、常に、外交手段を優先する姿勢を備え、次々と出現する出来事に揺るぎない役割を果たしている。
ニジェールは、約千キロにわたる共通の国境を持つアルジェリアの直接の隣国である。ウランや石油など多くの豊かな地下資源を持ちながら、アフリカ最貧国の一つだ。しかし、フランスに雇われたさまざまな指導者たちが数十年にわたるずさんな国政運営をすることで、ニジェールの人々を極貧状態にしている。
ニジェール軍は、国民の幸福を最優先に考えることを決定した。これにより、従来アフリカを自分の黄金鳥と見なし、植民地時代からその富を絶え間なく奪ってきたフランスはひどく落胆している。堆肥の山の上の傲慢なフランスおんどりは、今やその庭が塹壕のある基地に変わりつつあり、その中で「ブルカン」部隊は望ましくない存在とされている。彼らはマリから追放された後、今度はニジェールから出て行くよう要求されている。もちろん、ECOWAS*諸国などの一部のアフリカ諸国の首脳には、まだ鳴き声をあげる植民地化された何羽かの鳥のような輩がいるが、全体として、フランスの家父長的な鳥たちはアフリカでますます支持を失っている。実際、完全に逆転している。そして、マリ、ブルキナファソ、そしてニジェールの例に他の国々も続くというのは確かなことだろう。
*西アフリカ諸国経済共同体
フランスの手下、ECOWASの脅し
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)について話そう。これは完全にフランスによって支配されており、ナイジェリア大統領であるボラ・ティヌブは、まさにアメリカとフランスの傀儡であり、輪番制大統領職を務めている。
この人物については後ほど触れる。彼はどこにでも顔を出す悪名高い危険人物だ。白人の主導により、ECOWASはニジェールに対して最終通告を出し、厳格な制裁を課し、もしニジェール軍がモハメド・バズムを権力に返さない場合、25,000人の兵士を結集して軍事作戦を開始する脅しをかけた。アメリカ、フランス、そして欧州連合は即座にこれらの決定を承認した。なぜならこれらの国々が資金援助をしているからだ。アラサン・ワタラというもう一人のフランスの傀儡も、武力介入はできるだけ早く実行されるべきだと感じ、彼はニジェールに対してコートジボワール大使を自国に呼び戻すよう促した。しかし、西側の指令とワタラの願いにもかかわらず、ECOWAS議会は8月12日にニジェールの人々に課された非人道的な制裁に反対する投票を行い、それらの制裁を即座に解除するよう求め、あらゆる武力介入に反対する立場を表明し、交渉による解決が望ましいと宣言した。また一方、ニジェールの新政府は、攻撃がおこなわれた場合、バズムは外国の工作員として直ちに処刑される可能性があることを警告した。
西側とECOWASによってニジェールの人々に課された制裁が、食品や電力(その70%はナイジェリアからのもの。ただし供給停止状態)だけでなく、医薬品も含まれていることは注目に値する。これはまったく嫌悪感を抱かせるものだ。サヘル地域における欧州連合のイタリア代表であるエマヌエラ・デル・レは、8月9日、イタリアの新聞La Republicaに対して次のように述べている:
「制裁の影響が明白になってきている」。「薬や食料品の不足は深刻なレベルに達しており、停電は以前よりも頻繁に起こっている。軍政を弱体化させたいのなら、これらの制裁を続ける必要がある」と彼女はあけすけに宣言し、欧州連合のこの取り組みに対する全面的な支持はまちがいない、とECOWASに確信させた。この社会学者(エマヌエル・デル・レ)の言葉の真価値の評価は読者にお任せしたい。
彼らの制裁はニジェールの人々から電力、医薬品、食料品を奪っている。そして西側の指導者たちはみんな、医療の不足を訴え、わずかな食事で暗闇の中で暮らさざるを得なくなっているモハメド・バズムを心配している。彼の娘であるザジア・バズムは、パリでのバカンス中、8月12日にThe Guardian紙で「感動的な」記事を寄稿した。これはすべての宣伝媒体に取り上げられた。彼女の親戚たちはぱさぱさの乾燥米とパスタで生き延びていると語った。「わかってもらえますか、いつもご飯とパスタだけを食べるわけにはいかないんです。昼も夜も、です」と彼女は言った。「それは健康にとって危険です。飲み水さえありません。暗闇の中にいること、家の温度が非常に高いことを考えると、とても悲しいです」。
この発言ひとつだけでも、アフリカの買弁ブルジョアが何の気遣いもなく、何十年も惨めな状況で生活してきた人々の運命についてどれほど無関心であるかがわかる。ニジェールの人口の82%が電気を持たず、16%が食料不安である中で生きているのだ。バズムが同じ運命を仲間の市民と共に受けることは、完全に正当性がある。そのことは自分の管轄下の人々が何を経験しているかを理解する手助けになるかもしれないからだ。
アルジェリアの警告
ECOWAS諸国間の合意不足で、この有名なニジェールに対する攻撃が実施できなくなっており、フランスにとって大きな悩みの種となっている。
いくつかの要因が影響する:
①自国へのいかなる安全保障上の脅威を許さないだろうというアルジェリア陸軍参謀総長サイド・チェングリハ陸軍大将による警告、
②サヘル地域での紛争拡大を警戒するロシアの声明、さらに、
③ワグナー部隊のニアメ到着
これらの警告によって、西側の主導によって活性化されたアフリカの道化人形たちの戦争熱意が冷えこんだ。特に、8月11日に発表されたウォールストリートジャーナル紙の記事によれば、ECOWASのアフリカ部隊がニジェールで軍事攻撃を開始するまでに数ヶ月かかる可能性がある。実際に、ECOWASの上位高官の一人は、そのような作戦の準備には少なくとも6ヶ月かかるだろうと述べ、当面、迅速対応部隊の優越性は机上でのみ強力であり、実際の現場ではそうではないと語っている。
そして、約十時間以上にわたる協議の末、アフリカ連合はニジェールでのECOWASによる軍事介入に強硬に反対する立場を表明した。アフリカ連合の紛争解決機関である平和と安全保障評議会(PSC)が軍事力の使用を断固拒否したことにより、この混沌は終息した。アルジェリアの影響力は、アフリカ連合の決定において決定的な役割を果たしたことは確かだ。
フランスは平手打ちを食らう
この決定は、アフリカにおける影響力を失なうことを警告されているフランスにとって、本当の顔面平手打ちとなった。
8月7日、Figaro Vox(フィガロ紙の意見・議論欄)は、以下の抜粋を含む、多くのフランス上院議員によって署名されたエマニュエル・マクロン宛の公開書簡を掲載した。「今日、かつてのフランサフリーク*は、軍事的なロシアフリーク、経済的な中国フリーク、外交的なアメリカフリークに取って代わられています」。アブデルマジッド・テブアン大統領は、ヒラク運動**の結果として困難な状況下で政権に就いた人物であり、ときおり和解や定期的に中止される公式訪問について語ったり、アルジェリア人民のすべての苦難の原因とされるフランスの偉大なる悪魔について語ったりする、二律背反な態度を見せている。
*国際関係では、サハラ以南のアフリカにあるフランスとベルギーの旧植民地に対するフランスの影響力の範囲。 (ウィキペディア)
**2019年から2021年にかけてのアルジェリア抗議運動。笑顔の革命(あるいはヒラク運動とも)は、アブデラジズ・ブテフリカが署名入りの声明で5選の大統領候補を発表した6日後の2019年2月16日に始まった。(ウィキペディア)
この振り子の動きは、多くのフランス高官たちが1968年の合意を疑問視するきっかけとなった。これらの合意はもはや意味を持たなくなっている。「モロッコにおける、フランスのサハラ砂漠に関する先延ばし(スペインとドイツがモロッコの主権を認めているにもかかわらず)や、(フランス)外務省のアルジェリアとのバランス感覚から、王宮はパリの外に軍事的および経済的な同盟国を探し求めようとしている」と述べている。彼はつぎの、心からの叫びを結論としている:「私たちとしては、アフリカ全体から徐々に消えてなくなるつもりはありません」。実際、アフリカの富なしには、フランスは急速な貧困に追いやられる運命にあるのだ。
この書簡の傑作は、94人の上院議員によって署名され、3人の共和党の上院議員によって起草された。①ロジェ・カルーシ、上院副議長であり、ボースビール生まれのシオニスト・ユダヤ人、②Puy du Fou(訳注:フランスにある、ヨーロッパの歴史を主題としたテーマパーク)の「勇敢な騎士」として知られる人物、フィリップ・ル・ジョリ・ド・ヴィリエ・ド・サンティニョンに近いブルーノ・ルタヨー、そして③上院の外交・国防・武装委員会の議長であり、情報機関に関する議会派遣団の第1副議長であるクリスチャン・カンボン。
クリスチャン・カンボンは、フランス・モロッコ両院友好団体の議長でもあり、「西サハラのモロッコ的なもの」とボースビール王国の「統一」を強く主張し、ペガサス・スパイウェアの醜聞に関する「小児性愛、大麻、トマトの王国」への「陰謀」を断固として非難している。この件に関するウィキペディア(反帝国主義の主張で知られているわけではない)の特に啓発的な段落を見てみよう:ボースビールの小さな王のお仕え者であるこの人物は、マフゼン(モロッコ政府機構)の報道機関で、国は「明らかに報道や中傷キャンペーンの対象になっている」と宣言し、「仕組まれたもの」と表現した。これは、「いつものやり方で長い間、モロッコの敵対者を集めてきた手によって煽られた策略」であり、「モロッコの成功が嫉妬を生み出すために」「モロッコのイメージを損なう」のが目的だ、と述べた。どの手をこの上院議員が指しているのか、は読者にご推察願いたい。
言うまでもなく、カンボンはオイサム・アラウィート勲章の最高位である、ボースビールの最高の栄誉であるオイサム・アラウィート勲章の司令官に任命された。これは提供された奉仕に対するものであり、もちろん、彼にはラ・マムーニア(モロッコの最高級ホテル)に彼の名前で予約されたスイートがあり、それに付随するあらゆる追加設備がついている。月々の収入をまとめ入れる封筒(複数)は言うまでもない。まだある!それほど無私で変わることのない忠誠心は適切に報いられなければならない!
「フランス打倒!」
一方、ニアメのフランス軍基地の外で、何千人ものニジェール人がデモを行い、フランス軍の即時撤退を求め、ロシアの旗を掲げ、手作りの横断幕には「フランス打倒!ECOWAS打倒!」や「ワグナー、私たちを守って!」という文字が書かれている。
ニジェールの全人民が国の防衛のために立ち上がり、もしフランスが介入しようとするなら、フランスはまず国民全体を殺さなければならないと宣言した。既にニジェールの人々によって大使館が襲撃されたマクロン大統領は、ニジェールにおけるフランスの利益への攻撃を許さないと述べ、武力で対応すると発表した。しかし、人々の支持を受けるニジェールの新しい指導部は脅威や制裁に動じず、フランスに対して9月までに軍を撤退させるよう命じた。「フランス軍の目」とされるドローン基地を持つアメリカもニジェールに駐留しており、ニジェールの方針の変化に懸念を抱いている。さらに、同じ領域でアメリカの基地とワグナーの兵士が共存できるかどうかははっきりしない。
いずれにしても、決意を示すために、8月10日、国家保護評議会(CNSP)は、経済学者で元財務大臣のアリ・マハマン・ラミン・ゼインを民間人の首相とする政府の組織化を発表した。軍人と愛国的な市民とで構成される閣僚20人がいる。国防大臣と内務大臣はCNSPの将軍であるサリフゥ・モディ将軍とモハメッド・トゥンバ将軍だ。新政府は、モハメッド・バズムとその政権の高位メンバーを、重大な裏切り行為およびニジェール共和国の内外の安全を破壊する行為で告発する証拠が十分にあると宣言した。告発内容には公金の大規模な横領、フランスとの法外な防衛協定の締結、平和的なデモへの血なまぐさい弾圧も含まれている。当然ながら、この発表はECOWASから激しい抗議を受けた。ECOWASは即座にこの行動を挑発と評した。
リッサ・アグ=ブラ、「技術的には実行可能」
帝国の小兵士たちはどれも似たり寄ったり:彼らはジャーナリスト、"人権" 活動家、反対派、知識人などだ。
もちろん、8月7日にニアメを訪れたストラウス派のヴィクトリア・ヌーランドは、第5列に遭遇した。彼女はこの訪問中、ティアニ将軍に拒絶され、要求したモハメッド・バズムに会うことも許されなかった。日和見的裏切り者は、世界中のあらゆる国で見られる。帝国の小兵士たちはどれも似たり寄ったり:ジャーナリスト、"人権" 活動家、反対派、知識人、などだ。ここによく知られている人物がいる:トゥアレグの反乱指導者であり、バズム政権のニジェール大臣でもあるリッサ・アグ=ブラだ。彼はパリ(彼もここでバカンス中?)が、8月8日に発表したのは、① 共和国の立憲秩序を回復し、②「クーデター参加者」の首謀者であるティアニ将軍を逮捕し、③バズム大統領を解放することを目指す抵抗評議会の設立、だ。ル・モンド紙とのインタビューで、短期間での軍事介入の可能性について尋ねられた際、彼は「技術的には実行可能です」と答えた。
最初の一歩は、バズム大統領が拘束されている宮殿への局部攻撃だ。2、3回の攻撃だけで十分。それだけだ。その後、大統領護衛隊内で騒ぎが起きるだろう。クーデターの背後にいる部隊だ。「その後は?」「その後は何もなく、完全な平穏が訪れ、秩序が回復されるでしょう」。
このフランスの完全な代理人はかなり厚かましい。「ワグナー部隊として知られる傭兵や戦争犯罪者」と彼の呼ぶ人々がニアメの宮殿を守っていることを彼は知っているので、約束された騒ぎは確実ではないのだ。その意図や目的がどうであれ、我々は、モスクワで開催された国際フォーラム「Army23」の参加者宛のウラジミール・プーチンの電報に記載された内容を彼に伝える。以下はタス通信の引用:
「ロシアは、国家の利益と自立した発展の道を守ろうとする国々との間で、均等な技術同盟関係と防衛協力の拡大に対して開かれており、平等と不可分の安全に基づく体制を共同で築くことが重要であり、各国を確実に保護するものであると信じています」。
ロシアの国防相セルゲイ・ショイグは、自国が収集した情報を、友好国全てと共有する用意があると述べた。この情報は、アメリカとNATOの装備や戦闘方法の脆弱性に関するものだ。ウクライナでのNATOに対するロシアの圧倒的な勝利を考慮すると、軽率な発言は避けるべきだ。
(タス通信の引用、終わり)
ティヌブ:現代の十字軍
次はアフリカの指導者たち。植民地支配下の操り人形である彼らは、権力と富を得るために、西側の主人へ、いつでも自国を売り渡すつもりだ。
失礼ながら、彼はアメリカの後ろ盾でECOWAS議長になっている。ここで、漫画的愚か者であるナイジェリアの傀儡大統領、ボラ・ティヌブ(個人的に言わせてもらえば、こんな人間は自宅で雀を追い払う案山子(かかし)としても欲しくない)に言及しよう。FBIは彼についてすべて知っているのは、彼がアメリカに留学した頃からだ。汚職、資金洗浄、あらゆる種類の悪さで悪名高く、彼はエリゼ宮殿でフランスの主人たちの前で嬉々として道化役を演じている。彼のフランスとの近接性、そして何よりも、彼がアメリカに従属し、その手の平に載っていること、世界銀行と国際通貨基金(IMF)の命令に従う彼の政策、およびシカゴ(彼が住んでいた都市)の地下世界との共謀、これらの要因により、彼はナイジェリアで最も裕福な人物の一人となった。大統領府で資金を運ぶ装甲車が目撃された時、ティヌブはこの件について問われ、自分のお金で好きなことをしていると答えた、言うほどだった。
多年にわたり、アメリカでの勉強と多国籍企業での勤務中、この悪漢はシカゴの麻薬密売人から得た数百万ドルの資金洗浄をおこなった。その中には彼の従兄弟であるアデグボイエガ・ムエズ・アカンデも含まれている。記録によれば、1990年代末にはアメリカ政府がティヌブの様々な銀行口座から麻薬取引による百万ドル以上を押収している。ウィキリークスの電報は、彼の不正行為を詳細に説明しており、何よりこの悪党が16の銀行口座を保持していることなどをはっきりさせた。
アメリカは、この精力的な人物からどれだけ利益を得ることができるかを理解しており、彼はナイジェリアのアメリカ大使館の忠実な顧客となり、長年にわたり有用な情報を提供してきた。その結果、アメリカ大使は会議後、彼について「いつものように、彼の国内政治情勢に対する洞察力に感銘を受けました」と述べるほどだった。ティヌブはまた、ウォロディミル・ゼレンスキーと共にパンドラ・ペーパーズに名が載るほどの人物となった。彼の息子オルワセイが所有する贅沢な別荘がロンドンの高級なウェストミンスター地区、グローブエンドロード32番地にある。この別荘は、英国領ヴァージン諸島に登録されたオフショア会社であるAranda Overseas Corp.の主要株主である息子のオルワセイによって取得された。ティヌブの息子は、2017年末にこの物件を購入するためにドイツ銀行に900万ポンド(1080万ドル)を支払った。そして、この腐敗したギャングの彼こそが、金(きん)の山の上に座る腐敗したアフリカの指導者の完璧な風刺であり、アフリカで最も貧しい国のひとつ、ニジェールに制裁を課し、戦争を宣言しようとしているのだ! しかし、アフリカの人々は目を覚まし始めており、一部の情報源によれば、ナイジェリア軍が軍事介入して選挙結果を詐称して選出されたこの腐敗した暴君を倒すよう求める多くの要請が寄せられている。この情報は、ナイジェリア国防大臣によって確認されており、「軍はボラ・アフメド・ティヌブ大統領政府を転覆させる計画がある」と述べている。私たちの問い①ティヌブはクーデターによって王座から追放されるまでどれくらいの間権力を握り続けるのだろうか? そして②彼が倒れるとき、それは容易なことではないだろうが、次に誰が続くのだろうか?
フランスの「時計の維持者」だったアフリカよ、さらば!
アフリカがロシアの保護下に入ることを、アメリカは決して許さないことは明らかだ。
ヌーランドのニジェール訪問は、CNSPに対してワグナー部隊を呼ぶことを控えるよう説得するためのものであり、その見返りとしてアメリカはおそらく新政権を認めるだろう。この際、フランスの同盟国(ナイジェリア)を完全に無視することになる。だれもが知っているのは、アメリカとクーデター政権には、アフリカがロシアの保護下に入ることをアメリカは決して許さないという信念が根本にあることだ。
ボコ・ハラム、AQIM、および「反乱」グループはその活動活発化の指示を受けており、私たちの情報によれば、イギリスのMI-6(常にアンクル・サム(米国)を支援するために存在する)は、ウクライナのナチス約100人からなる部隊をサヘルに派遣する準備をしている。これらのナチスは既にウクライナで戦闘し、「破壊工作」の「技術」訓練を受けている。この部隊の任務は、生活基盤施設の破壊とロシアとの緊密な関係を促進するアフリカの指導者の排除だ。
この部隊は、8月の後半にイズマイールから船でアフリカに派遣される予定で、指導者としてはGUR(ウクライナの軍事情報機関)中佐のヴィタリー・プラシュクが予定されている。彼は以前に「一掃作戦の成功」で活躍し、2014年から2016年にかけてドンバス地域、ドネツク、ルハンスクで非常に活発に動いていた。彼は特にジンバブエでのMI-6の作戦に関与していた。
こうして、私たちはここにいる。リビアの不安定化だけでは十分ではなかった。サヘル地域全体が火に包まれる脅威が迫っている。
セルゲイ・ラブロフは最近次のように述べた。「ウクライナの新ナチスを使ってロシアを分割しようとする試みは、アメリカの一極支配秩序を復活させる戦略の一部です。彼らは他の地域でも同じ目標を追求しており、異議を唱える人々が脅迫や恐喝の犠牲になっています。」アフリカにおけるロシアの影響力に対抗するため、帝国はサヘル地域を火に包むことをためらわない。そのために、あるいはどのような姿であれ、その協力者を利用する。髭をたくわえたり、坊主頭だったり、ターバンを巻いたりする人々も含まれる。しかし、アルジェリアが脅威を感じる場合、その憲法は今や国境外への介入を許可しており、自国の利益と安全を守るためにためらうことはない。私たちに残されたのは、アルジェリアの参謀総長であるサイド・シェングリハがモスクワで行った第11回国際安全保障会議のビデオ会議での理性への訴求が西側によって聞き入れられることを願うことだけだ。彼が国際社会に対し危機の原因を真剣に取り組むよう呼びかけたのだ。しかし、確かなものは何もない・・・ただし確実なことは、フランスの「時計の主」とも言えるエマニュエル・マクロンが、フランサフリークを一掃する可能性があるということだ。
翻訳(仏→英)は、Internationalist 360°
Africa: The Second Front in the Struggle Against Imperialism
筆者:モフセン・アブデルムーメン(Mohsen Abdelmoumen)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年8月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年8月29日

アフリカにおけるフランスの存在に反対するデモ。D.R.
私たちは、帝国主義と新植民地主義に対するあふれる反乱の中で新しいアフリカの出現を目撃している。これは、中国とロシアの関与の必然的な結果であり、両国ともアフリカ諸国との商業および外交的な交流において対等の政策を追求している。
7月27日から28日にサンクトペテルブルクで開催された直近のロシア・アフリカ・サミットは、49のアフリカ諸国からの代表団、その中には17人の国家元首も含まれ、ウラジミール・プーチンが明確に多極的な世界秩序の推進と新植民地主義への対抗意思を述べたことは、間違いなく大きなきっかけとなった。特に、賓客であるブルキナファソの若き大統領、イブラヒム・トラオレ大佐、エリトリア大統領のイサイアス・アフェウェルキによる力強い演説、そしてプーチン大統領の最貧国への数百万トンの小麦の無料提供の約束が記憶に残る。
アルジェリアは、フランスにしっぽを振るだけの寡頭支配的第5列の手中にあった病弱の老大統領から解放され、慎重ではあるが揺るぎない立場を通じてアフリカの舞台での主導的な役割を取り戻し、問題解決のために、常に、外交手段を優先する姿勢を備え、次々と出現する出来事に揺るぎない役割を果たしている。
ニジェールは、約千キロにわたる共通の国境を持つアルジェリアの直接の隣国である。ウランや石油など多くの豊かな地下資源を持ちながら、アフリカ最貧国の一つだ。しかし、フランスに雇われたさまざまな指導者たちが数十年にわたるずさんな国政運営をすることで、ニジェールの人々を極貧状態にしている。
ニジェール軍は、国民の幸福を最優先に考えることを決定した。これにより、従来アフリカを自分の黄金鳥と見なし、植民地時代からその富を絶え間なく奪ってきたフランスはひどく落胆している。堆肥の山の上の傲慢なフランスおんどりは、今やその庭が塹壕のある基地に変わりつつあり、その中で「ブルカン」部隊は望ましくない存在とされている。彼らはマリから追放された後、今度はニジェールから出て行くよう要求されている。もちろん、ECOWAS*諸国などの一部のアフリカ諸国の首脳には、まだ鳴き声をあげる植民地化された何羽かの鳥のような輩がいるが、全体として、フランスの家父長的な鳥たちはアフリカでますます支持を失っている。実際、完全に逆転している。そして、マリ、ブルキナファソ、そしてニジェールの例に他の国々も続くというのは確かなことだろう。
*西アフリカ諸国経済共同体
フランスの手下、ECOWASの脅し
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)について話そう。これは完全にフランスによって支配されており、ナイジェリア大統領であるボラ・ティヌブは、まさにアメリカとフランスの傀儡であり、輪番制大統領職を務めている。
この人物については後ほど触れる。彼はどこにでも顔を出す悪名高い危険人物だ。白人の主導により、ECOWASはニジェールに対して最終通告を出し、厳格な制裁を課し、もしニジェール軍がモハメド・バズムを権力に返さない場合、25,000人の兵士を結集して軍事作戦を開始する脅しをかけた。アメリカ、フランス、そして欧州連合は即座にこれらの決定を承認した。なぜならこれらの国々が資金援助をしているからだ。アラサン・ワタラというもう一人のフランスの傀儡も、武力介入はできるだけ早く実行されるべきだと感じ、彼はニジェールに対してコートジボワール大使を自国に呼び戻すよう促した。しかし、西側の指令とワタラの願いにもかかわらず、ECOWAS議会は8月12日にニジェールの人々に課された非人道的な制裁に反対する投票を行い、それらの制裁を即座に解除するよう求め、あらゆる武力介入に反対する立場を表明し、交渉による解決が望ましいと宣言した。また一方、ニジェールの新政府は、攻撃がおこなわれた場合、バズムは外国の工作員として直ちに処刑される可能性があることを警告した。
西側とECOWASによってニジェールの人々に課された制裁が、食品や電力(その70%はナイジェリアからのもの。ただし供給停止状態)だけでなく、医薬品も含まれていることは注目に値する。これはまったく嫌悪感を抱かせるものだ。サヘル地域における欧州連合のイタリア代表であるエマヌエラ・デル・レは、8月9日、イタリアの新聞La Republicaに対して次のように述べている:
「制裁の影響が明白になってきている」。「薬や食料品の不足は深刻なレベルに達しており、停電は以前よりも頻繁に起こっている。軍政を弱体化させたいのなら、これらの制裁を続ける必要がある」と彼女はあけすけに宣言し、欧州連合のこの取り組みに対する全面的な支持はまちがいない、とECOWASに確信させた。この社会学者(エマヌエル・デル・レ)の言葉の真価値の評価は読者にお任せしたい。
彼らの制裁はニジェールの人々から電力、医薬品、食料品を奪っている。そして西側の指導者たちはみんな、医療の不足を訴え、わずかな食事で暗闇の中で暮らさざるを得なくなっているモハメド・バズムを心配している。彼の娘であるザジア・バズムは、パリでのバカンス中、8月12日にThe Guardian紙で「感動的な」記事を寄稿した。これはすべての宣伝媒体に取り上げられた。彼女の親戚たちはぱさぱさの乾燥米とパスタで生き延びていると語った。「わかってもらえますか、いつもご飯とパスタだけを食べるわけにはいかないんです。昼も夜も、です」と彼女は言った。「それは健康にとって危険です。飲み水さえありません。暗闇の中にいること、家の温度が非常に高いことを考えると、とても悲しいです」。
この発言ひとつだけでも、アフリカの買弁ブルジョアが何の気遣いもなく、何十年も惨めな状況で生活してきた人々の運命についてどれほど無関心であるかがわかる。ニジェールの人口の82%が電気を持たず、16%が食料不安である中で生きているのだ。バズムが同じ運命を仲間の市民と共に受けることは、完全に正当性がある。そのことは自分の管轄下の人々が何を経験しているかを理解する手助けになるかもしれないからだ。
アルジェリアの警告
ECOWAS諸国間の合意不足で、この有名なニジェールに対する攻撃が実施できなくなっており、フランスにとって大きな悩みの種となっている。
いくつかの要因が影響する:
①自国へのいかなる安全保障上の脅威を許さないだろうというアルジェリア陸軍参謀総長サイド・チェングリハ陸軍大将による警告、
②サヘル地域での紛争拡大を警戒するロシアの声明、さらに、
③ワグナー部隊のニアメ到着
これらの警告によって、西側の主導によって活性化されたアフリカの道化人形たちの戦争熱意が冷えこんだ。特に、8月11日に発表されたウォールストリートジャーナル紙の記事によれば、ECOWASのアフリカ部隊がニジェールで軍事攻撃を開始するまでに数ヶ月かかる可能性がある。実際に、ECOWASの上位高官の一人は、そのような作戦の準備には少なくとも6ヶ月かかるだろうと述べ、当面、迅速対応部隊の優越性は机上でのみ強力であり、実際の現場ではそうではないと語っている。
そして、約十時間以上にわたる協議の末、アフリカ連合はニジェールでのECOWASによる軍事介入に強硬に反対する立場を表明した。アフリカ連合の紛争解決機関である平和と安全保障評議会(PSC)が軍事力の使用を断固拒否したことにより、この混沌は終息した。アルジェリアの影響力は、アフリカ連合の決定において決定的な役割を果たしたことは確かだ。
フランスは平手打ちを食らう
この決定は、アフリカにおける影響力を失なうことを警告されているフランスにとって、本当の顔面平手打ちとなった。
8月7日、Figaro Vox(フィガロ紙の意見・議論欄)は、以下の抜粋を含む、多くのフランス上院議員によって署名されたエマニュエル・マクロン宛の公開書簡を掲載した。「今日、かつてのフランサフリーク*は、軍事的なロシアフリーク、経済的な中国フリーク、外交的なアメリカフリークに取って代わられています」。アブデルマジッド・テブアン大統領は、ヒラク運動**の結果として困難な状況下で政権に就いた人物であり、ときおり和解や定期的に中止される公式訪問について語ったり、アルジェリア人民のすべての苦難の原因とされるフランスの偉大なる悪魔について語ったりする、二律背反な態度を見せている。
*国際関係では、サハラ以南のアフリカにあるフランスとベルギーの旧植民地に対するフランスの影響力の範囲。 (ウィキペディア)
**2019年から2021年にかけてのアルジェリア抗議運動。笑顔の革命(あるいはヒラク運動とも)は、アブデラジズ・ブテフリカが署名入りの声明で5選の大統領候補を発表した6日後の2019年2月16日に始まった。(ウィキペディア)
この振り子の動きは、多くのフランス高官たちが1968年の合意を疑問視するきっかけとなった。これらの合意はもはや意味を持たなくなっている。「モロッコにおける、フランスのサハラ砂漠に関する先延ばし(スペインとドイツがモロッコの主権を認めているにもかかわらず)や、(フランス)外務省のアルジェリアとのバランス感覚から、王宮はパリの外に軍事的および経済的な同盟国を探し求めようとしている」と述べている。彼はつぎの、心からの叫びを結論としている:「私たちとしては、アフリカ全体から徐々に消えてなくなるつもりはありません」。実際、アフリカの富なしには、フランスは急速な貧困に追いやられる運命にあるのだ。
この書簡の傑作は、94人の上院議員によって署名され、3人の共和党の上院議員によって起草された。①ロジェ・カルーシ、上院副議長であり、ボースビール生まれのシオニスト・ユダヤ人、②Puy du Fou(訳注:フランスにある、ヨーロッパの歴史を主題としたテーマパーク)の「勇敢な騎士」として知られる人物、フィリップ・ル・ジョリ・ド・ヴィリエ・ド・サンティニョンに近いブルーノ・ルタヨー、そして③上院の外交・国防・武装委員会の議長であり、情報機関に関する議会派遣団の第1副議長であるクリスチャン・カンボン。
クリスチャン・カンボンは、フランス・モロッコ両院友好団体の議長でもあり、「西サハラのモロッコ的なもの」とボースビール王国の「統一」を強く主張し、ペガサス・スパイウェアの醜聞に関する「小児性愛、大麻、トマトの王国」への「陰謀」を断固として非難している。この件に関するウィキペディア(反帝国主義の主張で知られているわけではない)の特に啓発的な段落を見てみよう:ボースビールの小さな王のお仕え者であるこの人物は、マフゼン(モロッコ政府機構)の報道機関で、国は「明らかに報道や中傷キャンペーンの対象になっている」と宣言し、「仕組まれたもの」と表現した。これは、「いつものやり方で長い間、モロッコの敵対者を集めてきた手によって煽られた策略」であり、「モロッコの成功が嫉妬を生み出すために」「モロッコのイメージを損なう」のが目的だ、と述べた。どの手をこの上院議員が指しているのか、は読者にご推察願いたい。
言うまでもなく、カンボンはオイサム・アラウィート勲章の最高位である、ボースビールの最高の栄誉であるオイサム・アラウィート勲章の司令官に任命された。これは提供された奉仕に対するものであり、もちろん、彼にはラ・マムーニア(モロッコの最高級ホテル)に彼の名前で予約されたスイートがあり、それに付随するあらゆる追加設備がついている。月々の収入をまとめ入れる封筒(複数)は言うまでもない。まだある!それほど無私で変わることのない忠誠心は適切に報いられなければならない!
「フランス打倒!」
一方、ニアメのフランス軍基地の外で、何千人ものニジェール人がデモを行い、フランス軍の即時撤退を求め、ロシアの旗を掲げ、手作りの横断幕には「フランス打倒!ECOWAS打倒!」や「ワグナー、私たちを守って!」という文字が書かれている。
ニジェールの全人民が国の防衛のために立ち上がり、もしフランスが介入しようとするなら、フランスはまず国民全体を殺さなければならないと宣言した。既にニジェールの人々によって大使館が襲撃されたマクロン大統領は、ニジェールにおけるフランスの利益への攻撃を許さないと述べ、武力で対応すると発表した。しかし、人々の支持を受けるニジェールの新しい指導部は脅威や制裁に動じず、フランスに対して9月までに軍を撤退させるよう命じた。「フランス軍の目」とされるドローン基地を持つアメリカもニジェールに駐留しており、ニジェールの方針の変化に懸念を抱いている。さらに、同じ領域でアメリカの基地とワグナーの兵士が共存できるかどうかははっきりしない。
いずれにしても、決意を示すために、8月10日、国家保護評議会(CNSP)は、経済学者で元財務大臣のアリ・マハマン・ラミン・ゼインを民間人の首相とする政府の組織化を発表した。軍人と愛国的な市民とで構成される閣僚20人がいる。国防大臣と内務大臣はCNSPの将軍であるサリフゥ・モディ将軍とモハメッド・トゥンバ将軍だ。新政府は、モハメッド・バズムとその政権の高位メンバーを、重大な裏切り行為およびニジェール共和国の内外の安全を破壊する行為で告発する証拠が十分にあると宣言した。告発内容には公金の大規模な横領、フランスとの法外な防衛協定の締結、平和的なデモへの血なまぐさい弾圧も含まれている。当然ながら、この発表はECOWASから激しい抗議を受けた。ECOWASは即座にこの行動を挑発と評した。
リッサ・アグ=ブラ、「技術的には実行可能」
帝国の小兵士たちはどれも似たり寄ったり:彼らはジャーナリスト、"人権" 活動家、反対派、知識人などだ。
もちろん、8月7日にニアメを訪れたストラウス派のヴィクトリア・ヌーランドは、第5列に遭遇した。彼女はこの訪問中、ティアニ将軍に拒絶され、要求したモハメッド・バズムに会うことも許されなかった。日和見的裏切り者は、世界中のあらゆる国で見られる。帝国の小兵士たちはどれも似たり寄ったり:ジャーナリスト、"人権" 活動家、反対派、知識人、などだ。ここによく知られている人物がいる:トゥアレグの反乱指導者であり、バズム政権のニジェール大臣でもあるリッサ・アグ=ブラだ。彼はパリ(彼もここでバカンス中?)が、8月8日に発表したのは、① 共和国の立憲秩序を回復し、②「クーデター参加者」の首謀者であるティアニ将軍を逮捕し、③バズム大統領を解放することを目指す抵抗評議会の設立、だ。ル・モンド紙とのインタビューで、短期間での軍事介入の可能性について尋ねられた際、彼は「技術的には実行可能です」と答えた。
最初の一歩は、バズム大統領が拘束されている宮殿への局部攻撃だ。2、3回の攻撃だけで十分。それだけだ。その後、大統領護衛隊内で騒ぎが起きるだろう。クーデターの背後にいる部隊だ。「その後は?」「その後は何もなく、完全な平穏が訪れ、秩序が回復されるでしょう」。
このフランスの完全な代理人はかなり厚かましい。「ワグナー部隊として知られる傭兵や戦争犯罪者」と彼の呼ぶ人々がニアメの宮殿を守っていることを彼は知っているので、約束された騒ぎは確実ではないのだ。その意図や目的がどうであれ、我々は、モスクワで開催された国際フォーラム「Army23」の参加者宛のウラジミール・プーチンの電報に記載された内容を彼に伝える。以下はタス通信の引用:
「ロシアは、国家の利益と自立した発展の道を守ろうとする国々との間で、均等な技術同盟関係と防衛協力の拡大に対して開かれており、平等と不可分の安全に基づく体制を共同で築くことが重要であり、各国を確実に保護するものであると信じています」。
ロシアの国防相セルゲイ・ショイグは、自国が収集した情報を、友好国全てと共有する用意があると述べた。この情報は、アメリカとNATOの装備や戦闘方法の脆弱性に関するものだ。ウクライナでのNATOに対するロシアの圧倒的な勝利を考慮すると、軽率な発言は避けるべきだ。
(タス通信の引用、終わり)
ティヌブ:現代の十字軍
次はアフリカの指導者たち。植民地支配下の操り人形である彼らは、権力と富を得るために、西側の主人へ、いつでも自国を売り渡すつもりだ。
失礼ながら、彼はアメリカの後ろ盾でECOWAS議長になっている。ここで、漫画的愚か者であるナイジェリアの傀儡大統領、ボラ・ティヌブ(個人的に言わせてもらえば、こんな人間は自宅で雀を追い払う案山子(かかし)としても欲しくない)に言及しよう。FBIは彼についてすべて知っているのは、彼がアメリカに留学した頃からだ。汚職、資金洗浄、あらゆる種類の悪さで悪名高く、彼はエリゼ宮殿でフランスの主人たちの前で嬉々として道化役を演じている。彼のフランスとの近接性、そして何よりも、彼がアメリカに従属し、その手の平に載っていること、世界銀行と国際通貨基金(IMF)の命令に従う彼の政策、およびシカゴ(彼が住んでいた都市)の地下世界との共謀、これらの要因により、彼はナイジェリアで最も裕福な人物の一人となった。大統領府で資金を運ぶ装甲車が目撃された時、ティヌブはこの件について問われ、自分のお金で好きなことをしていると答えた、言うほどだった。
多年にわたり、アメリカでの勉強と多国籍企業での勤務中、この悪漢はシカゴの麻薬密売人から得た数百万ドルの資金洗浄をおこなった。その中には彼の従兄弟であるアデグボイエガ・ムエズ・アカンデも含まれている。記録によれば、1990年代末にはアメリカ政府がティヌブの様々な銀行口座から麻薬取引による百万ドル以上を押収している。ウィキリークスの電報は、彼の不正行為を詳細に説明しており、何よりこの悪党が16の銀行口座を保持していることなどをはっきりさせた。
アメリカは、この精力的な人物からどれだけ利益を得ることができるかを理解しており、彼はナイジェリアのアメリカ大使館の忠実な顧客となり、長年にわたり有用な情報を提供してきた。その結果、アメリカ大使は会議後、彼について「いつものように、彼の国内政治情勢に対する洞察力に感銘を受けました」と述べるほどだった。ティヌブはまた、ウォロディミル・ゼレンスキーと共にパンドラ・ペーパーズに名が載るほどの人物となった。彼の息子オルワセイが所有する贅沢な別荘がロンドンの高級なウェストミンスター地区、グローブエンドロード32番地にある。この別荘は、英国領ヴァージン諸島に登録されたオフショア会社であるAranda Overseas Corp.の主要株主である息子のオルワセイによって取得された。ティヌブの息子は、2017年末にこの物件を購入するためにドイツ銀行に900万ポンド(1080万ドル)を支払った。そして、この腐敗したギャングの彼こそが、金(きん)の山の上に座る腐敗したアフリカの指導者の完璧な風刺であり、アフリカで最も貧しい国のひとつ、ニジェールに制裁を課し、戦争を宣言しようとしているのだ! しかし、アフリカの人々は目を覚まし始めており、一部の情報源によれば、ナイジェリア軍が軍事介入して選挙結果を詐称して選出されたこの腐敗した暴君を倒すよう求める多くの要請が寄せられている。この情報は、ナイジェリア国防大臣によって確認されており、「軍はボラ・アフメド・ティヌブ大統領政府を転覆させる計画がある」と述べている。私たちの問い①ティヌブはクーデターによって王座から追放されるまでどれくらいの間権力を握り続けるのだろうか? そして②彼が倒れるとき、それは容易なことではないだろうが、次に誰が続くのだろうか?
フランスの「時計の維持者」だったアフリカよ、さらば!
アフリカがロシアの保護下に入ることを、アメリカは決して許さないことは明らかだ。
ヌーランドのニジェール訪問は、CNSPに対してワグナー部隊を呼ぶことを控えるよう説得するためのものであり、その見返りとしてアメリカはおそらく新政権を認めるだろう。この際、フランスの同盟国(ナイジェリア)を完全に無視することになる。だれもが知っているのは、アメリカとクーデター政権には、アフリカがロシアの保護下に入ることをアメリカは決して許さないという信念が根本にあることだ。
ボコ・ハラム、AQIM、および「反乱」グループはその活動活発化の指示を受けており、私たちの情報によれば、イギリスのMI-6(常にアンクル・サム(米国)を支援するために存在する)は、ウクライナのナチス約100人からなる部隊をサヘルに派遣する準備をしている。これらのナチスは既にウクライナで戦闘し、「破壊工作」の「技術」訓練を受けている。この部隊の任務は、生活基盤施設の破壊とロシアとの緊密な関係を促進するアフリカの指導者の排除だ。
この部隊は、8月の後半にイズマイールから船でアフリカに派遣される予定で、指導者としてはGUR(ウクライナの軍事情報機関)中佐のヴィタリー・プラシュクが予定されている。彼は以前に「一掃作戦の成功」で活躍し、2014年から2016年にかけてドンバス地域、ドネツク、ルハンスクで非常に活発に動いていた。彼は特にジンバブエでのMI-6の作戦に関与していた。
こうして、私たちはここにいる。リビアの不安定化だけでは十分ではなかった。サヘル地域全体が火に包まれる脅威が迫っている。
セルゲイ・ラブロフは最近次のように述べた。「ウクライナの新ナチスを使ってロシアを分割しようとする試みは、アメリカの一極支配秩序を復活させる戦略の一部です。彼らは他の地域でも同じ目標を追求しており、異議を唱える人々が脅迫や恐喝の犠牲になっています。」アフリカにおけるロシアの影響力に対抗するため、帝国はサヘル地域を火に包むことをためらわない。そのために、あるいはどのような姿であれ、その協力者を利用する。髭をたくわえたり、坊主頭だったり、ターバンを巻いたりする人々も含まれる。しかし、アルジェリアが脅威を感じる場合、その憲法は今や国境外への介入を許可しており、自国の利益と安全を守るためにためらうことはない。私たちに残されたのは、アルジェリアの参謀総長であるサイド・シェングリハがモスクワで行った第11回国際安全保障会議のビデオ会議での理性への訴求が西側によって聞き入れられることを願うことだけだ。彼が国際社会に対し危機の原因を真剣に取り組むよう呼びかけたのだ。しかし、確かなものは何もない・・・ただし確実なことは、フランスの「時計の主」とも言えるエマニュエル・マクロンが、フランサフリークを一掃する可能性があるということだ。
翻訳(仏→英)は、Internationalist 360°
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