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戦争の混乱のさなか、ウクライナの赤ちゃん工場が記録的な大もうけ

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine’s baby factories rake in record profits amid chaos of war
筆者:ジャレミー・ロッフレード(Jeremy Loffredo)
出典:グレー・ゾーン(The GRAYZONE) 2023年7月28日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月20日





 一般のウクライナ国民が、NATOによる対露代理戦争に苦しめられているいっぽうで、代理母出産事業が大盛況になっている。この事業に必要なのは、健康的であるが金銭面で困っている女性が安定して存在している状況だ。これらの女性たちが、裕福な外国人たちのために子宮を貸しているのだ。代理母らは、「顧客よりも貧困な階級出身者であるにちがいない」とキエフ最大の「赤ちゃん工場」の医療部長は説明した。


2022年のバイオ・テックス・コム社(Bio TexCom)のサイト上の紹介動画に映っている同社の空爆避難所のウクライナの代理母たち

 スイスに拠点を置くバイオ・テックス・コム社のイホール・ペコノハ氏によると、同氏はこの事業戦略の助けを借り、世界で最も利益の上がる代理母業社のひとつを立ち上げることができたのは、搾取でしかなかった、という。「我が社は元ソ連共和諸国から女性たちを探しています。というのも、論理的に考えて、(そのような女性たちは)我が社の顧客層よりも貧困な階級出身であるにちがいないからです。」

 となれば驚くことではないが、バイオ・テックス・コム社は、若い女性たちをほぼ際限なく手に入れることができるウクライナに目を向けているのだ。彼女たちは喜んで自分の子宮を売ることで、金銭的苦境を和らげようとしている。NATO諸国とロシアの間の代理戦争勃発後の8年間、ウクライナは経済的苦境に追いやられてきた。ウクライナの市民たちが貧困に沈む中、ウクライナは急速に、代理出産業社にとっての世界的な中心地となり、現在のところ世界市場の少なくとも4分の1を占めている。 急激に発展しているこの産業の台頭に伴い、患者いじめと腐敗でまみれた医療界の醜い裏の姿も根を張りつつある。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とその一団は、戦争で疲弊した自国から略奪するよう西側を積極的に励ましており、国際的な資産運用会社であるブラックロック社と投資友好関係を結び、労働者から労働保護権を奪い、国有会社を私企業に売り渡した。

 しかし、ウクライナの代理出産業にはあまり注意が払われてこなかった。この業界は2018年だけでも、ウクライナに150億ドル(約2兆2千億円)をもたらした。それ以来、代理出産の世界市場は2倍以上に膨れ上がっている。この業界は昨年140億ドル(約2兆円)以上の規模があり、毎年順調に約25%成長し続けている、と世界市場眼(Global Market Insights)社は分析している。

 代理出産業から撤退する国が増えている中、西側各国政府は、虐待をもとにしたこの事業が、規制が緩和され政治的に不安定なウクライナで繁盛していることに目をつぶっているようだ。

 エマ・ランバートンは、ピッツバーグ大学国際発展学部の主席教員で、プリンストン大学の「公共および国際関係学部」紀要に論文を発表し、ウクライナの女性が同国の代理出産業社に参加する際に直面する危険性を詳述した。

 「ウクライナ領内で声を上げている人々の主要な心配の種は、法律制定組織や複数の通信社がこの件を人権侵害だと考えていない点です」とランバートン氏は当グレー・ゾーンに語った。

 「政府はこの件を児童虐待のように規制すればいいだけのものであるとは考えていません。政府は『子どもたちを打ちのめしていいのは水曜日だけです』などとは決して言いません。そんなことは信じられないくらい馬鹿げているからです。しかも、ウクライナで声を上げている人々の目からすれば、これは虐待問題であるため、規制されるべきではなく、法律により禁じられるべきだ、ということです」と同氏は説明した。

 2022年上旬に戦争が激化するずっと前から、怪しげな人々や業社にとってウクライナは絶望したウクライナ女性たちを対象にしたおいしい狩り場であることは知られていた。

 この件に関して規制が緩く、貧困層が多い、インドやタイ、ネパールなどのアジア諸国も、代理出産市場の供給源となっている。しかし、これらの国々の政府は、このような人権侵害行為が業界大手の業者の手により積み重ねられることに黙っておらず、最終的には代理母を探している裕福な外国人に対する門戸を閉じた。

 これらの国々が代理出産市場に制限を加えるなかで、世界はウクライナにその市場を求めるようになり、代理出産業界の中で競争が始まった。代理出産で利益を得る業社は、貧しい国々から別の貧しい国への事業の移行を効果的におこなってきた。その国は、近隣国との通常戦で苦しんでいるさなかにある国だ。

 「この戦争のために、代理出産問題について統一した国際的な規制が必要である状況が生まれました。というのも、代理出産は戦争地域に留まるべきなのか、あるいは代理出産を法的に認めていない近隣諸国にも移行すべきなのかを決めざるを得なくなっているからです」とランバートン氏は当グレー・ゾーンに語った。同氏は、「いかなる人道的危機と同じですが、臓器移植のほうがずっと危険度は高いですし、代理出産と人権侵害に関する国際的な同意が、ウクライナの脆弱な女性たちや子どもたちを守るために必要なのです」と述べた。


 「人間扱いではない」:貧しい母親たちが赤ちゃん農場で人質に取られている

 バイオ・テックス・コム社の出産センターは、国際的な代理出産業界で他を遙かにしのぐ最大手だ。この「出産技術事業」の所有者が2018年に主張したところによると、同社はウクライナ国内の代理出産業の7割という大きな割合を占め、世界市場でも25%を占めている、という。

 バイオ・テックス・コム社のサイトには自慢げに、同社が「親になる喜び」を世界中の何千組もの夫婦に与えてきたとあるが、実際のところ、この会社が実践してきた歴史を振り返れば、虐待行為、秘密の行為、違法行為、さらには臓器売買の疑いのある行為にまで手を染めていたことがわかる。

 2018年にアルジャジーラ通信社から取材を受けたアリーナという女性は、バイオ・テックス・コム社と妊娠契約同意に至った状況を説明してくれた。

 「ウクライナで収入のいい仕事を見つけるのは難しいです…私は息子の大学の学費のための蓄えがほしかったんです。大学の学費はとても高いので」とアリーナさんは答えた。

 バイオ・テックス・コム社から代理母になることを委託され、米国夫婦の子どもを代理した別の女性がスペインのエル・パイス紙の取材に答えたところによると、この女性が自分の子宮を売ったのは、金銭状況のためだった、という。「私は家なしで育ちました。私にとっては、自分のアパートを持つことが大事なんです。(代理母になることが)私がアパートを持てる唯一の方法なのです」。

 バイオ・テックス・コム社のイホール・ペチェノハ医療部長は、スペインの調査誌ラ・マレーアの取材で公式に認めたのは、同部長の会社が貧しい地域の女性たちを狙っている事実と、「代理母の仕事をする人々がそうするのは、金銭的に困難な状況にあるから」という事実だった。

 「我が社は旧ソ連共和諸国の女性たちを探しています。というのも、論理的に考えて、(これらの女性たちは)我が社の顧客層よりも貧しい階級出身であるにちがいないからです」とペチェノハ医療部長は説明した。

 最後に同部長はこう付け加えた、「私は良い経済状況にあり、自分には子どもが十分いるし、子どもをほしがっている誰かを助けたいからという親切心から代理母になろうと決めた女性に会ったことは一度もありません」と。

 「代理母になるのは、家を買うお金や、子どもたちの教育費がほしいからです。欧州でいい暮らしができているなら、そんなことはしないでしょうから」とペチェノハ医療部長は最後に付言した。

 自分の子宮を外国人に売った一人のウクライナ女性はバイオ・テックス・コム社の部長の発言を裏付けるような内容をガーディアン紙に語った。「私が代理母になることに同意した唯一の理由は、金銭的な利益のためだけです」と。

 「それと、夫が前線に出ていますので、4人の子どもを支える術(すべ)が必要なのです」とこの女性は付け加えた。

 バイオ・テックス・コム社から代理母の委託を受けたもう一人の女性が2019年、こう語った。「代理母はいわば歩く保育器です。人間扱いはされていません」と。

 2020年にプリンストン大学の公共・国際関係学部紀要に掲載された論文には、外国人による搾取がウクライナの代理出産業界の繁盛の原動力になっている、とある。

 「代理出産の支持者たちは、女性たちには代理母になることを自由に選んでいる、と主張しているが、脆弱な女性たちは選択肢をわざと間違って提示されることがよくある。代理母になる可能性のある女性たちは、自分の家族に対する道徳心に背くかもしれない行為をおこなうのか、あるいはその行為により自分の家族にお金が入る行為をおこなうのかという二択を選ばされている。

 ウクライナのオクサナ・ビロジル国会議員は、外国人がウクライナ女性の子宮を借りる行為を禁じる法案を提出したが、同議員が豪州放送会社(ABC)にこう語った。「ウクライナの代理母は二種類に分けられます。お金のために代理母になる人たちと、すでにお金を持っているのに代理母になる人たちです」と。同議員がABCに主張したところによると、代理出産業によりウクライナは非常に多額の経済価値を手にしているため、この行為を法律で禁止するのは不可能だろう、という。

 ビロジル議員が嘆いたのは、腐敗した財閥勢力がウクライナ政府に強い影響力をもっているため、代理出産業界との法的な闘いが効果的に妨害されている点についてだった。

 「本当に、業界と残念にも議会に出席しているその圧力団体と大闘争をしているところです。代理出産業は、我が国の法律ではただの事業としてしか書かれませんでした」と同議員は述べた。

 ウクライナの代理出産業界についての論文執筆者であるエマ・ランバートン氏の記載によると、バイオ・テックス・コム社は、実はウクライナ国内で事業を行っている外国の会社である、という。同社のサイト上の文書からわかることは、この会社はスイスで登録された会社のようだ。

 裕福な銀行がひしめくスイスとバイオ・テックス・コム社が繋がっており、同社の紹介動画が代理母たちに対して最先端の施設や贅沢な住居空間を用意している様子を示しているにもかかわらず、多くの報告からは、代理母たちの居住地区の住居環境が、四つ星ホテルというよりは、刑務所にずっと近いことがわかる。

 一人の代理母の説明によるとバイオ・テックス・コム社の依頼により妊娠していた間、確かに同社は約束どおりアパートに入れてくれたが、4人の別の妊婦と同室させられ、妊娠期間中の32週間ずっと寝床も共有だった、という。

 内部から同社のやり口を目にした人々の証言によると、同社は代理母の経済的苦境を利用して、居住地から抜け出させないようにしているという。

「4時までに帰宅しないと、100ユーロ(約1万六千円)の罰金が課される可能性があります」とバイオ・テックス・コム社の元代理母がロンドンを拠点とした無所属の記者であるマデリン・ロッシュ氏に答えた。

 代理母への月ごとの報酬は、平均200~350ユーロ(約3万2千円~5万6千円)だ。言い換えれば、バイオ・テックス・コム社の代理母が居住地から離れれば、月ごとの報酬が半額になる、ということだ。

 「さらに私たちは会社を大っぴらに批判したり、赤ちゃんの本当の親と直接に連絡を取れば、罰金を取る、と脅されていました。私たちは家畜のような扱いを受けていましたし、医師たちからもあざ笑われていました」とこの代理母経験者は語った。

 この人によると、この程度の金銭的な補償では、自分の決心にまったく割が合わなかった、という:「二度と代理母になる気はありません。酷い経験でした。」

 出産後、多くの赤ちゃんは、引取人が到着するまで、防空施設で守られたホテルで厳重に守られている。以下はガーディアン紙の2020年の記事だ:「これらの生まれたばかりの赤ちゃんたちは産婦人科病院の育児室ではなく、キーウ郊外にあるホテル・ベニスという相応しくない名前のホテルの大きな応接室二室に一列に並べられ、外壁と有刺鉄線で保護されている。」

 現在、ウクライナの高官らの話によると、この虐待的企業には、米国政府内に強力な保護者たちがいる、とのことだ。


西側報道機関がビオン・テックス・コム社の宣伝を展開する中、米国は同社を守っていると非難される

 ユーリイ・ルツェンコ氏はウクライナの元州検察官だったが、不正や臓器売買の疑いがあるとされたバイオ・テックス・コム社に対する一連の犯罪捜査を監督した。2018年、同検察官は、バイオ・テックス・コム社の創設者のドイツ国籍を持つアルバート・トチロフスキーという名の人物に2カ月間の自宅軟禁処分を課した。

 しかし、ルツェンコ州検察官は2020年にその職を解かれた。解任後、同氏はザ・ヒル紙の取材において、自分は駐キエフ大使のマリア・ヨヴァノヴィッチから「手を出してはいけない人物一覧」を手渡されていた、と述べた。これは、米国政府が、検察官が捜査や起訴をおこなうことを禁じている人々の一覧だった。一覧に掲載された正確な名前は不明だが、ルツェンコ氏は後にガーディアン紙に対し、解任の「結果としてバイオ・テックス・テックス社の捜査が行き詰まったと思っています」と語っている。

 ウクライナの元検察官が、ビオン・テックス・コム社の創設者を保護したことで米国を非難するいっぽうで、西側の主要な通信諸社は、この会社について、宣伝をするかのような好意的な報じ方をし、産科病棟のカーテン裏に潜んでいる虐待行為や搾取行為については、目隠しをした。

 2022年10月、ニューヨーク・タイムズ紙は1本の記事を出したが、その記事はバイオ・テックス・コム社の宣伝資料からそのまま持ってきたかのような記事だった。ニューヨーク・タイムズ紙は、ロシアとの戦争のさなかに、バイオ・テックス・コム社が代理出産業を再開したことを、愛国的な反抗精神のもとでの勇敢な行為であり、この出産業は「子どもがいないたくさんの人々のための拠り所」であると報じた。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、バイオ・テックス・コム社の医療部長の事業形態が経済的理由でそうせざるを得ない貧しい女性たちに依存していることや、これらの女性たちが酷い扱いを受けている報告があがっていることを批判するのではなく、ペチェノハ医療部長に、代理出産市場の現状についてのどうでもいい質問をするにとどまっている。

 「この戦争によって、心の底から赤ちゃんが欲しいと思っている夫婦たちのための代理出産を求める声がなくなったわけではありません」というのも、同社の顧客たちは「急いでいるからです」と同医療部長は説明した。

 「我社は全ての代理母を占領や爆撃の発生から守られたところに搬送しています」と最後にペチェノハ医療部長は自慢げに話した。


防空施設内にある赤ちゃん農場

 ウクライナでの代理戦争が始まるなか、貧しいウクライナの女性たちの犠牲にして外国の女性たちに赤ちゃんを与える収益性の高い事業は軍事的な体制を敷いた。

 アトランティック誌によると、同社は敷地内に防空施設を確保し、爆撃があっても、新生児たちの出産が妨げられることなく継続できるようにしている、という。 2022年上旬に、バイオ・テックス・コム社が発表した動画には、寝床や赤ちゃん用寝床や寝袋だけではなく、ガスマスクまで装備された典型的な防空施設の様子が映っている。

 一日のうちで最も視聴者数が多い時間帯を狙ってABC放送局が出した宣伝報道では、ロシアからの爆撃にも耐えうる同社の赤ちゃん工場のことを褒めちぎっていた。「患者たちの安全を守るためには何でもするウクライナの代理出産業者」というのが、その特集報道の題名だった。この報道特集は、ABCのデイビッド・ミュアー司会者からの以下のような褒め言葉で幕を開けていた。すなわち、「ウクライナ最大の代理出産業者」は、「患者や赤ちゃんたちの安全を確保するために取れる措置は全て取っています」と。

 さらにこの特集では、バイオ・テックス・コム社の医療部長に対する取るに足らない取材の中で、同部長は、ためらうことなく、同社の医療環境の質は「とても高い」と主張していた。 その後、ミューア司会者は、この部長のことを、「勇気があって勇敢」で、このような「素晴らしい」会社で働いていることを褒め讃えた。

 バイオ・テックス・コム社が、人間として最も恐るべき挑戦を金儲けの好機として捉えようとしていることは明らかだ。戦争もそうだし、迫り来る人口減少についてもそうだ。


代理出産の次の展開:胎児の体外人工保育

 同社による自社推進記事に付けられた文書の中でビオン・テックス・コム社が強調していたのは、発展途上国における出生率が低下している危機についてであり、同社の「人工授精技術」が「人類存続の好機になる」の主張していることだ。

 「この先50年で、世界のほとんどの国の人口は半分に減るでしょう」とこの文書にはある。

 ビオン・テックス・コム社の所有者であるドイツ国民のトチロフスキー氏の主張によると、自社がより広い生物技術産業の最先端の地位を維持できるのであれば、この先の生殖工学において革命を成し遂げることを約束する、とのことだ。その生殖工学においては、赤ちゃんたちが人工子宮内で生まれ、遺伝子はコンピューター編集されるという。

 ウクライナの新聞社であるデロ紙の取材において、トチロフスキー氏は「生殖工学業界」におけるデジタル化について話した。

 同氏は、不妊率の増加や、技術業界の億万長者イーロン・マスク氏や中国の実業家であるジャック・マー氏が普及させた「人口崩壊論」を引き合いに出して、人類全体が生物工学により救われるだろう、と主張した。

 「生殖医療は人類の希望です」とトチロフスキー氏は述べた。

 「最も重要なことは、体外出産、つまり胎児を人体外の人口子宮内で育てる技術です。私たちが映画『マトリックス』で見た工場のようなものです。あと5~7年で、対外出産が可能になると思います」。トチロフスキー氏によると、バイオ・テックス・コム社は「その方向に向けて取り組んでいる」という。

 ウクライナの記者から、バイオ・テックス・コム社は赤ちゃん工場という技術と組織に関わる法的な問題や倫理面についてどう解決する計画なのか、と問われた同最高責任者は、その答えは簡単だ、と述べた:外からの監視を排除することだ、と。

 「最も重要なことは、法執行機関に我が社の研究の邪魔をさせないことです」とトチロフスキー氏は主張した。
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