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ロシアとグローバル・サウス(新興・発展途上諸国)との繋がり:戦略的友好国としてのアフリカ諸国

<記事原文 寺島先生推薦>
The Russia-Global South Connection: Africa as Strategic Partner
出典:ストラテジック・ファンデーション・カルチャー(Strategic Culture Foundation)
2023年7月26日
筆者:ぺぺ・エスコバル(Pepe Escobar)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>   2023年8月10日



 いまロシア政府は、全力を尽くして、実り多き、世界の大多数の国々が中心となる戦略的友好関係を打ち立てようとしているようだ。

 第2回ロシア・アフリカ諸国首脳会議が、今週サンクトペテルブルクで開催されたが、この首脳会議は、グローバル・サウスの統合への一里塚として見るべきであり、さらには世界の大多数の国々がより平等で、より公正な世界の多極的枠組み作りに向けての動きであるとも目すべきだ。

 この首脳会議には49ものアフリカの国々の代表団が出迎えられた。この会議に先立ちプーチン大統領は、この首脳会議により包括的宣言と2026年までも続くロシア・アフリカ友好会議の行動計画が採択される予定だ、としていた。

 タンザニアの伝説的な反植民地主義活動家であり、初代大統領でもあるジュリウス・ニエレレの息子のマダラカ・ニエレレ氏がRTの取材に対し、アフリカが発展できる唯一の「現実的な」方向性は、連帯することにより、搾取しようとする外国勢力の代理人になることをやめることしかない、と述べた。

 さらに、その協力体制は、BRICSを通じて道が開かれるとし、間もなく南アフリカで開かれるBRICSの重要な会議がその道の始点となり、ますます多くのアフリカ諸国がBRICS+に加入することになるだろう、とも述べた。

 ニエレレ氏の父は、アフリカ統一機構を推し進める重要な力となった。なおこの機構はのちに、アフリカ連合に昇華した。

 南アフリカ共和国のジュリアス・マレマ氏は、統一されたアフリカという地政学的な概念を以下のように端的に拡大解釈している。「彼ら(新植民地主義者)が広めようとしているのは、アフリカの分断です。天然資源に基づく新たな貨幣制度もとで、コンゴ民主共和国が持つ天然資源と南アフリカ共和国が持つ天然資源が組み合わさるという状況を想像してみてください。アフリカ合衆国という国を立ち上げることができれば、ドルに勝てますよ」。

人道主義がなければ取引はできない

 ヴァルダイ・クラブでのロシア・アフリカ会議は、来たるべくサンクトペテルブルクでのロシア・アフリカ首脳会議に向けて、専門家らが視座を合わせる一種の最終調整のような機能を果たした。特にこの会議の、第一部がそうだった。

 この第一部は、プーチン大統領がロシア・アフリカ間の関係について包括的分析を披露したあとに開かれた。その中でプーチン大統領が特に強調したのは、国連、トルコ、ロシア、ウクライナが参加した穀物協定の腐敗さについて、だった。

 ロシア連邦院のワレンチナ・マトヴィエンコ報道官が語気を強めたのは、「ウクライナと米国とNATOが穀物回廊を妨害しようとした」手口について、だった。

 自身の論説により、プーチン大統領は以下のように説明した。「ほぼ1年間、合計3280万トンの積荷が、ウクライナから『協定』に基づき輸出されました。そのうち7割以上が、高収入あるいは中間層以上の収入を得ている国々に送られました。その中には欧州連合加盟諸国も含まれていました。いっぽう、エチオピア、スーザン、ソマリア、さらにはイエメンやアフガニスタンといった国々には総輸出量の3%も満たない量である100万トン未満しか輸出されていません」と。

 つまりこのことこそが、ロシアが穀物協定から離脱した主要因なのだ。ロシア政府はロシアがこの状況を回復させるために必要となる要求一覧書を提示した。

 その要求の中にあるものといえば、世界市場に向けて輸出されるロシアの穀物と肥料に対する制裁を真に実用的に終わらせること、銀行や金融機関に妨害させないこと、船舶の貸切や保険に制限をかけないこと、などだ。そして全ての食料供給を健全な物流にすること、トリアッティ-オデッサ間のアンモニアのパイプラインを復旧することだ。

 中でも特に重要なことは、「穀物協定が本来有している人道主義」を復活させること、だ。米国の外交政策を牛耳っているシュトラウス派のネオコンの陽動作戦に取り込まれている西側勢力には、これらの要求の全て、いやそのうちのいくつかさえ、満たす力はない。だからこそロシアは独力で、穀物や肥料を無料で最貧諸国に提供し、他の国々に対しても通常の商業条件下での穀物提供の契約を結ぼうとしているのだ。供給が保障されるということだ。ロシアが今期、これまでで最大の収穫をしたその穀物を供給できるのだ。

 これらは全て国家主権の問題だ。バイダンでの話し合いにおける主要議題は、新植民地主義に対する戦いにおける国家主権の重要性について、だった。それは世界における平等主義と正義の実現に繋がるからだ。

 ロシア外務省特使でロシア・アフリカ友好会議の事務局長でもあるオレグ・オゼロフ氏が強調したのは、 アフリカの「元」友好諸国であった欧州諸国が一方的にロシアを非難する際に、アフリカは「主権を獲得して」おり、「新植民地主義を否定している」という口実に固執している点について、だった。

 オゼロフ氏は、「仏-アフリカ関係は破綻していますが、その裏にロシアがいる訳ではありません。ロシアはアフリカが多極化世界における勢力のひとつであることを確認しています」とし、「ロシアはG20加盟国であり、国連安全保障理事国でもあるのですから」と述べた。さらにロシア政府は、ユーラシア経済連合 (EAEU)のもとでの自由貿易協定をアフリカ諸国に拡大することに関心を示している。

グローバル・サウスの「多方面」協力体制へようこそ

 この様な方向性はすべて、ロシア・アフリカ首脳会議の共通主題である「多方面協力体制」を詳しく説明するものだ。南アフリカ共和国代表は、 プーチン大統領は、BRICS首脳会議に対面参加しないことに対する激しい議論について特に触れ、こう述べた。「アフリカ諸国はどちらかの側につくつもりはありません。求めているのは、平和です」と。

 大事なのは、アフリカ諸国がBRICSにもたらすものだ。それは、「市場と、教育を受けた若年世代」なのだ。

 アフリカに向けたロシアのかけ橋の上で必要とされることは、例えば、「海外線沿いの鉄路」である。それはロシアの援助により開発できるものであるし、もちろん中国がすでに一帯一路構想のもと、アフリカ各地に幅広く投資しているのではあるが。結局ロシアがやってきたことは、「アフリカ各地での多くの専門家の訓練」だった。

 広く共通理解されていることであり、今回の首脳会議で反映されるであろうことは、アフリカ諸国がグローバル・サウスにおける経済成長の柱となりつつある、ということだ。そのことは、アフリカ専門家らはだれも承知していることだ。アフリカ諸国の国家機関は安定しつつある。ロシアと西側間の底知れぬ危機が、最終的にはアフリカへの大きな関心を引き起こすことになったのだ。いまやアフリカがロシアの国家戦略にとって最優先事項になっていることには何の不思議もない。

 では、ロシアが提供できるものとは何だろう?本質的には資産目録であり、重要なことは国家主権という考え方だ。見返りを何も求めない、ということだ。

 マリの事例が素晴らしい事例となる。マリとロシアの関係は、ソビエト社会主義連邦共和国が投資して労働力を訓練していたところにまで遡る。少なくとも1万人のマリ国民が第1級の教育を施されたが、マリの大学教授の8割がその教育を受けていた。

 そのような状況が、サラフィー・ジハード主義連合によるテロの脅威によりさえぎられている。この勢力は9-11以前から、おなじみのあの勢力から援助を受けていた。マリは少なくとも35万人の難民を抱えているが、これらの難民はみな失業者だ。フランスがこの状況に「対策」を講じてきたが、「完全な失敗」に終わっている。

 マリに必要なのは、「より幅広い措置」だ。その中には、新たな貿易体制の立ち上げも含まれる。ロシアがマリに伝授したのは、新しい仕事を創設する基盤組織の立ち上げ方である。今こそ、ソビエト社会主義者連邦共和国で訓練を受けた人々の知識を完全に活かすべき時だ。さらに、2023年においても、マリから100人を超える留学生が、国による奨学金制度を使ってロシアに学びに来ている。

 ロシアがアフリカの仏語圏に割り込もうとする中、以前の「友好諸国」が、予想どおり、マリとロシア間の協力関係にイチャモンをつけに来ている。詮無いことだ。マリは仏語を公用語から除外したところだ。(仏語は1960年以来公用語だった)。

 新憲法のもとでの6月15日の国民投票において、96.9%という圧倒的多数で、仏語は、ただの使用言語扱いになるいっぽうで、13の国語が公用語に格上になる。

 本質的な話をすれば、これは国家主権の問題なのだ。並行して起こっているのは、マリやエチオピアといったこれまで一度も植民地になったことのないアフリカでたった二つの国から見れば、西側がアフリカ大陸各地において驚くべき速度で道徳的権威を失いつつあるという現象だ。

 アフリカ内の多くの国々は、ロシアが新植民地主義から脱する道に積極的に誘ってくれていることを理解している。地政学的資本という観点からすれば、ロシア政府は今、全力を尽くして、世界の大多数の国々との実り多き戦略的有効関係を享受しようとしているように見える。
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