ウクライナ機撃墜への抗議行動をイラン政府転覆に利用しようとするアメリカ支配層。懲りずに。
<記事原文>寺島先生推薦 Regime change is in the air': US establishment seeks to capitalize on Iranian protests… again
RT Home News 2020年1月12日
<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ 2020年2月7日

ウクライナ旅客機撃墜への関与をイラン政府が認めたことに対するイランでの抗議行動は、米国政府からあふれんばかりの支持に包まれた。しかし、アメリカの支持はイラン人のことを考えてのことなのだろうか、それとも本音は政権交代なのか?
米国当局者や政府関係者が、イラン軍によるウクライナ機撃墜に抗議したイラン人の「勇気」にどれほど賞賛の気持ちを持っているかということをわざわざ表明する努力を惜しまなかったことは確かだ。このウクライナ機には多くのイラン人が搭乗していたし、それがイラン軍によって誤って撃墜されたという事実への怒りの気持ちを発散させるためイランの人々は街頭に繰り出していた。イラン政府といえば、墜落の調査が公表される前に、自ら今回の出来事への関与を認めていた。
ALSO ON RT.COM ‘Your courage is inspiring!’ Trump tweets in FARSI, backing Iranian protesters against Tehran govt
しかし、米国政府は、明白にこう判断した。176人の命を奪ったこの悲劇を願ってもない理由付けにして、イランの人々が「抑圧的」と思われる政権のせいでいかに「苦しみ」の渦中にいるか、を彼らに想起させることを。イランの人々はすでに悲しみに打ちひしがれているのに、だ。その政権が、中東におけるアメリカの最強のライバルだというのは、なんと都合のいい偶然だろうか。
ドナルド・トランプ大統領はこの数日間、英語とペルシャ語の両方で、デモ隊への賛辞とテヘランへの警告をツイートした。日曜日、彼はテヘランに「偉大なイラン人を殺すのをやめよ」と要求した。警察が興奮した群衆に対して催涙ガスと放水砲を何度か配置しなければならなかったにもかかわらず、ウクライナ機撃墜を巡る抗議行動中の死亡報告例はない。
これに先立ち、トランプ大統領は、「自分が大統領に就任した最初からずっとイラン国民の側に立っている」という念押しまでしてのけた。同じ彼が、数日前にイランとの間に何かあれば、著名な文化遺産を含むイラン国内の52の標的を壊滅すると誓ったばかりなのに。
他の米当局者も、ほとんど時を置かず、イランのデモ隊への応援コーラスに加わった。ウッディ・ジョンソン駐英米国大使は、日曜日にソーシャルメディアでデモ隊を賞賛し、「残酷なハメネイ政権を非難した」。一方、米国防総省のマーク・エスパー長官は、ウクライナ機撃墜で引き起こされた抗議行動を、米国政府がどのように見ているかをほのめかした。同氏はCBSの番組「Face the Nation」で、「イランの人々が立ち上がって、自分たちの権利やより良い政府―異なる政権―への願望を主張しているのです」と語った。
米国の悪名高い超タカ派であり、イランとの戦争を始めるという考えの大ファンであるジョン・ボルトン前国家安全保障担当大統領補佐官は、「政権交代の兆しが見えている」「イランの人々はそれが見えている」と、取り付く島もないようなあけすけな言い方をした。
しかし、最初に「イラン国民の声」を自分なりの言い方で伝えようとしたのは、元CIA長官のマイク・ポンペオ国務長官で、土曜日、イランの政権交代を公に要求することが、口先にまで出かかった。
確かにイランは、痛ましいウクライナ国際航空752便の墜落事故で、いまだ動揺している。政府の行動に対する国民の抗議が高まる中、苦悩するイラン人たちが2日目の街頭行動に繰り出している。
しかし、米国の敵対国となると、どんな抗議の兆しも米国政府に強い関心を呼び起こす。さりながら、今回の関心の理由は人道的なものではないようだ。燃料費の高騰が引き金となったイランでの前回の抗議行動で、ポンペオはイラン国民に警察の弾圧のビデオを送るよう要請したが、それはワシントンの「民主主義の擁護者」がイランにさらなる制裁を科すことができるようにするためだった。
ALSO ON RT.COM Pompeo urges Iranian protesters to send him videos so that US can ‘expose & sanction’ Tehran for alleged abuses
RT Home News 2020年1月12日
<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ 2020年2月7日

ウクライナ旅客機撃墜への関与をイラン政府が認めたことに対するイランでの抗議行動は、米国政府からあふれんばかりの支持に包まれた。しかし、アメリカの支持はイラン人のことを考えてのことなのだろうか、それとも本音は政権交代なのか?
米国当局者や政府関係者が、イラン軍によるウクライナ機撃墜に抗議したイラン人の「勇気」にどれほど賞賛の気持ちを持っているかということをわざわざ表明する努力を惜しまなかったことは確かだ。このウクライナ機には多くのイラン人が搭乗していたし、それがイラン軍によって誤って撃墜されたという事実への怒りの気持ちを発散させるためイランの人々は街頭に繰り出していた。イラン政府といえば、墜落の調査が公表される前に、自ら今回の出来事への関与を認めていた。
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しかし、米国政府は、明白にこう判断した。176人の命を奪ったこの悲劇を願ってもない理由付けにして、イランの人々が「抑圧的」と思われる政権のせいでいかに「苦しみ」の渦中にいるか、を彼らに想起させることを。イランの人々はすでに悲しみに打ちひしがれているのに、だ。その政権が、中東におけるアメリカの最強のライバルだというのは、なんと都合のいい偶然だろうか。
ドナルド・トランプ大統領はこの数日間、英語とペルシャ語の両方で、デモ隊への賛辞とテヘランへの警告をツイートした。日曜日、彼はテヘランに「偉大なイラン人を殺すのをやめよ」と要求した。警察が興奮した群衆に対して催涙ガスと放水砲を何度か配置しなければならなかったにもかかわらず、ウクライナ機撃墜を巡る抗議行動中の死亡報告例はない。
これに先立ち、トランプ大統領は、「自分が大統領に就任した最初からずっとイラン国民の側に立っている」という念押しまでしてのけた。同じ彼が、数日前にイランとの間に何かあれば、著名な文化遺産を含むイラン国内の52の標的を壊滅すると誓ったばかりなのに。
他の米当局者も、ほとんど時を置かず、イランのデモ隊への応援コーラスに加わった。ウッディ・ジョンソン駐英米国大使は、日曜日にソーシャルメディアでデモ隊を賞賛し、「残酷なハメネイ政権を非難した」。一方、米国防総省のマーク・エスパー長官は、ウクライナ機撃墜で引き起こされた抗議行動を、米国政府がどのように見ているかをほのめかした。同氏はCBSの番組「Face the Nation」で、「イランの人々が立ち上がって、自分たちの権利やより良い政府―異なる政権―への願望を主張しているのです」と語った。
米国の悪名高い超タカ派であり、イランとの戦争を始めるという考えの大ファンであるジョン・ボルトン前国家安全保障担当大統領補佐官は、「政権交代の兆しが見えている」「イランの人々はそれが見えている」と、取り付く島もないようなあけすけな言い方をした。
しかし、最初に「イラン国民の声」を自分なりの言い方で伝えようとしたのは、元CIA長官のマイク・ポンペオ国務長官で、土曜日、イランの政権交代を公に要求することが、口先にまで出かかった。
確かにイランは、痛ましいウクライナ国際航空752便の墜落事故で、いまだ動揺している。政府の行動に対する国民の抗議が高まる中、苦悩するイラン人たちが2日目の街頭行動に繰り出している。
しかし、米国の敵対国となると、どんな抗議の兆しも米国政府に強い関心を呼び起こす。さりながら、今回の関心の理由は人道的なものではないようだ。燃料費の高騰が引き金となったイランでの前回の抗議行動で、ポンペオはイラン国民に警察の弾圧のビデオを送るよう要請したが、それはワシントンの「民主主義の擁護者」がイランにさらなる制裁を科すことができるようにするためだった。
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