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米中緊張が高まるにつれ、日本は再軍国主義化してゆく

<記事原文 寺島先生推薦>
As US-China Tensions Rise, Japan Remilitarizes
筆者:スタブルーラ・パブスト (Stavroula Pabst)
出典:INTERNATIONALIST 360°2023年3月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年7月17日





 台湾を巡る米中の緊張が深まり、国際的な地政学的状況が悪化する中、日本は再軍備を進めることを発表した。2022年末に、日本は2028年までに軍事予算を倍増する計画を示した。具体的には、次の3つの重要な文書(2022年12月)において、軍事能力を構築する予定を示した:国家安全保障戦略国防戦略、そして防衛増強計画の3つだ。

 新たな軍事戦略と増強計画を概説する一方で、これらの文書では日本の政策転換の理由も説明されており、国防戦略では「第二次世界大戦終結以来、最も厳しいかつ複雑な安全保障環境の中で、日本は現実を直視し、日本の防衛能力を根本的に強化する必要がある」と述べている。国防戦略はまた、ロシアの「ウクライナへの侵略」、北朝鮮の弾道ミサイルと核兵器の増強、そして「中国が台湾周辺で強制的な軍事活動を強めている」といった、日本の国家安全保障上の懸念も示している。

 日本は、第二次世界大戦後に採用した防衛中心の「専守防衛」政策との整合性を主張しながらも、それに隣接する取り組みからは攻撃準備が進行中であることが示唆されている。例えば、三菱が日本の12式地対艦ミサイルシステムの射程を強化しようとしており、これにより日本は中国本土内部にも攻撃を行えるようになる。さらに、戦車部隊を再編成して機動性を最適化するだけでなく、日本は両大戦以来初の水陸両用部隊を設立し、一部の小さな島々で軍事基地と兵力を強化している。

 中国を含む周辺諸国は、日本の再軍備計画に対してうんざりしている。なぜなら、日本の最近の軍事的な決定は、第二次中日戦争前後にあった侵略と残虐行為の痛ましい記憶を呼び起こすことになるからだ。多くの人はこの第二次中日戦争を第二次世界大戦太平洋戦域と考えている。

 日本の戦時中の恐ろしい虐待行為には、南京大虐殺が含まれる。この事件では、日本軍が中国の当時の首都(南京)を占領した後、民間人を虐殺し、強姦したとされており、数十万人が殺害された可能性がある。さらに、日本は中国のハルビンで行われた731部隊の悪名高い人体実験について、長い間沈黙を守った。1990年代になってようやく戦時中のこの計画の存在をしぶしぶ認め、2011年に現地を発掘し、2018年には関与した多くの人々の氏名を公開した。歴史的な推計では、731部隊で30万人もの人々が死亡したとされている。また、日本の武装部隊は何十万人もの東南アジアの女性を骨の髄まで搾取し、彼女たちは「慰安婦」と呼ばれながら、実質的に性奴隷として扱われ、頻繁に性的虐待を受けた。

 これらの犯罪の重大性を考慮すると、多くの人々は、元枢軸国のドイツなど他の国々の和解過程と比較して、日本全体の過去への反省は色あせたものだ、と主張している。日本は以前の暴行について謝罪しているが、作家のキム・ピーターセンはサイト「Dissident Voice(反体制派の声)」で、そのような発言は実質的な謝罪ではないと主張している。

 実際には、日本の政治家全体では謝罪する真剣な意思が存在しない・・・日本の指導者たちは、侵略戦争の日本の戦犯の霊が祀られている靖国神社を訪れ続け、被害を受けた国々の困惑を招いている。歴史は浄化されている。日本の学生たちは、日本の罪を曖昧にする歴史を教えられている。日本は他の政府に対して、自国の管轄内に建てられた慰安婦の像を撤去するよう働きかけてさえいる。この像は日本軍の犯罪をはっきり呼び起こすものなのだ。

 中途半端な和解の取り組みや態度が蔓延する中、最近の世論調査では、日本の多数派が国防力の強化を支持していることが示されている。朝日新聞は2022年5月に報じたところによれば、調査対象者の64%が、日本は防衛能力を強化することに同意したと報じている。

 最終的に、日本の再軍備計画は、世界的紛争の見通しが深まる中、日本とアメリカの友好関係への投資を提案している。日本の更新された国防戦略は、さらに、国際連携を計画する意図を強調しており、「今年、アメリカは新たな国防戦略を策定した。したがって、日本とアメリカが各自の戦略を調整し、統合的な防衛協力を推進するのは時宜にかなっている」と述べている。

 より正確には、アメリカは事実上の従属国である日本との関係を利用しており、日本は常にアメリカの利益に従属していると言える。この場合、現在進行中の展開や敵対行為は、日本がアメリカの中国との紛争への加虐的な推進力となることを示唆している。

 実際に、最近のフィナンシャル・タイムズ紙の報道では、日本が中国との潜在的な戦争に向けたアメリカの準備において重要な役割を果たしていると書かれている。日本海兵隊第3遠征軍(III MEF)および海兵隊日本部隊の指揮官であるジェームズ・ビアマン中将は、同紙に対して以下のように説明している:

 「ウクライナで成功した理由の一つは、2014年と2015年のロシア侵略の後、将来の紛争に備えて真剣に準備に取り組んだことです。ウクライナ軍への訓練、物資の事前配置、支援活動の拠点の特定などを行いました・・・それを「戦域設定」と呼んでいます。そして、日本、フィリピン、他の場所でも戦域設定を行っています」。

 さらに最近のフィナンシャル・タイムズ紙の記事では、アメリカ空軍機動輸送司令部のマイク・ミニハン将軍が漏洩された文書で「直感的には2025年に戦うことになるだろう」と認めていることが引用されている。一方、アメリカの政治家が台湾を訪れることは、米中の外交的な慣例に違反しており、最近では南カロライナ沖で中国の風船を撃墜した事件や、アメリカが台湾軍の増員訓練を行っているなど、アメリカの行動はあえて物議を醸そうとするものだ。

 長期的な外交の標準を尊重する代わりに、こうしたアメリカの行動は、超大国(アメリカ)が台湾を利用して中国を紛争に誘引する意図がある可能性を示唆している。まさに拡大し続けるNATOがロシアを包囲するためにウクライナを利用しているように。アメリカの高官たちは頻繁に台湾をウクライナに例えている。ララ・セリグマン(Lara Seligman)がPolitico紙で昨年5月に報じたとおり、彼らは台湾に対して「ウクライナの手本に従うこと」を中国に対抗するために強く説得することすらしている。

 現在の展開に対応して、中国は繰り返し、アメリカが台湾への介入を中国の内政干渉と見なすため、アメリカが方針を変える必要があるとの合図を送ってきた。中国の習近平国家主席は、3月初旬に名指しの非難(めったに行わない)を行い、「アメリカを中心とする西側諸国は、包囲・封じ込め・圧制を包括的に実施し、我々に対して前例のないほど厳しい挑戦をしている」と述べた。さらに、中国の新外相である秦剛は、初めての記者会見で、アメリカが「理性的な道筋」から外れたと発表し、アメリカが方針を変えない場合、「必ず紛争と対立が起こる」と述べた。

 中国のますます厳しさを増す警告にもかかわらず、西側の支配者層は世界規模の紛争拡大の可能性によだれを流さんばかりの興奮状態だ。アメリカのリンジー・グラハム上院議員(共和党、サウスカロライナ州)は、次のようなことさえ口にしている。「ウクライナがアメリカから適切な経済的および軍事的支援を受ければ、彼らは『最後の一人まで戦う』でしょう」。(現在、ウクライナ兵の戦闘での推定寿命は約4時間であることを考慮すると、グラハムの不気味な願いは現実になるかもしれない)

 しかしながら、アメリカ帝国が中国に狙い定める中、ウクライナでの紛争だけでは不十分であることは明らかだ:アメリカは世界的紛争に備えている。そして、日本が、アメリカと現在世界で最も人口の多い国であり、最も技術的に先進的な国の一つである中国との想定される戦争で協力することは、米中超大国同士の戦闘において不可避となる大量虐殺の可能性を高めることにしかならないだろう。

 戦争への大規模な抵抗または外交努力が前例のない戦争挑発を抑制することができなければ、爆発的な紛争が起こる可能性が日に日に高まることになる。

この記事の初出は Al Mayadeen
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