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キエフ政権軍において暴動が起こる危機が迫っているのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
Looming Mutiny Among Kiev Regime Forces?
筆者:ドラゴ・ボスニック(Drago Bosnic)
出典;Global Researh  2023年5月25日 
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年6月1日




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 キエフ政権とその軍との間の関係が少しも良好ではないということは、取り立てて騒ぎ立てるニュースでもない。しかし、ここ数ヶ月、両者の間の亀裂や距離が拡大し続けていて、危険な規模に到達し、ゼレンスキーやゼレンスキーの取り巻きに対して激しく反発する勢力が軍内に生まれている。現在、ウクライナ軍は、機能不全に陥った寄せ集めの状態になっている。そこには、昔のソ連時代の幹部ら、より最近の「NATO化」された将校団と特殊部隊がおり、さらにNATOから軍事訓練を施されているネオナチであることを広言している様々な部隊も加わっている。ただ、彼らの従軍体験と言えば、そのほとんどは、ドンバスの両共和国での戦闘体験なのだが。
 
 昨年の時点では、何万もの傭兵や志願兵も、この不安定な軍に加えることができるだろう。その中には作戦遂行や訓練、キエフ政権の軍の指揮にあたってきたNATOの特別部隊も含まれている。ウクライナの軍事政権の軍内で、こんなにも多くの異なる集団をまとめ、命令を出すことは本当に骨を折る仕事である。西側諸国政府がほぼ達成不可能な任務をこれらの軍関係者らに課している状況を考えれば、とりわけそうだ。そしてこれらの任務というのは、達成可能な目標を達成するための軍事的な行動ではなく、情報戦争を仕掛けようとする任務なのだ。先日のベルゴロド地方(州)のいくつかの村に対して行われた失敗した攻撃の様子を見れば、現状がよくわかる。

 キエフ政権の先頭に立っているヴォロデミル・ゼレンスキーにとっては、そのような作戦を命じるのはたやすいいことだ。というのも、ゼレンスキーは死の危機に直面する現場に送られることはないからだ。それは、西側各国政府がこれらの戦略的(さらに言えば戦術的)に意味のない「攻撃」を仕掛けて、ロシア軍を中傷しようとしているのと全く同じことだ。このことはまさに、ウクライナ軍内の先述した多くの集団がゼレンスキーやゼレンスキー政権に深い失望感を抱いている理由となっている。ウクライナに「クラウス・フォン・シュタウフェンブルグ (訳注:ヒトラーを暗殺しようとしたドイツの軍人)」や、シュタウフェンブルグに追随する「将軍らによる陰謀」がないとは言い切れないが、軍から強い反発の声が上がっていることは、すでに明らかである。このような状況は、ゼレンスキーにとって非常に危険な状況になり得るだろう。これらの集団がそれぞれの違いを乗り越えて団結することになれば、それはあり得る。

 (控えめに言っても)ゼレンスキーが嫌われているのは、ソ連時代の幹部らからだけではなく、「NATO色を帯びた」司令官たちからもだ。その中には、ペトロ・プロシェンコ元大統領と繋がる経歴をもつ最高位の高官らも含まれている。さらにそこに名を連ねている人々を数名挙げれば、ウクライナのセルヒイ・シャプタラ参謀総長や空中挺進部隊のミハイル・ザブロードスキー元司令官や海軍のオレクシー・ネイツパパ司令官やオレクサンドル・シルスキー陸軍最高指揮官らだ。これらの軍の高官らは、何十年間もかけて面倒で時間がかかる過程を経て、ソ連やNATOから軍事教育を受けてきた。したがって、これらの人々は、ゼレンスキーの取り巻きであるGUR(ウクライナ国防省情報総局)のキリーロ・ブダノフ局長が、急遽台頭した際、落胆し、嫌悪感さえ覚えたのも当然だった。

 いっぽう、ゼレンスキーに対しては、ヴァレリー・ザルジニーという最高位の司令官からあからさまに不満が表明されている。この人物は軍内でほぼ紛れもなく最高の権力を享受している人物だ。これら不満分子には、先述したすべての異なる集団が含まれているが、特筆すべきは、ゼレンスキーを持ち上げる宣伝扇動により本当の姿が見えなくさせられているネオナチ部隊も含まれている点だ。政権の先頭にいるゼレンスキーは、自身がまるで軍の司令官であるかのような姿を演出しようとしているが、実際のところは、明確な軍事作戦などほとんど持っておらず、このような状況も大多数の軍の高官らから反感をかう原因になっている。このゼレンスキーの考え方が招いている事態というのは、ゼレンスキーが本質的には自国軍の奮闘を自分が演出する劇場の出し物くらいにしか捉えられておらず、その軍の奮闘の唯一の目的は、情報戦争を仕掛けるためだけであり、その結果ウクライナ軍にとっては不必要な多くの犠牲者を出すことになってしまっているということだ。

 バフムートはこのような状況の最善の(最悪と言った方がいいかもしれないが)の例だ。ザルジニーが何度も撤退を要求してきたにも関わらず、ゼレンスキーは防衛を主張していた。その理由は、バフムートを失えば、西側からの支援や現金の流入が減じられることをゼレンスキーが恐れていたからだった。このような軍事的に不適切な決定をしたせいで、ウクライナの軍事政権は、凄惨な死亡率を出すことになってしまった。情報源により数値は大きく変わるが、最もありえそうな推定では、これまでほぼ25万人のウクライナ兵士が戦死、あるいは重傷を負っていると見られている。いっぽう、今年の2月の時点で、 トルコの報道機関が、(イスラエルの諜報機関からの情報として)詳細に報じた記事によると、ウクライナ側の取り返しのつかない損失は40万人近くに上り、うち約16万人が戦死し、それ以外の兵士は重傷を負ったという。

 キエフ政権側の恐ろしいほどの戦死者数については、数名の高官から明言されていて、その中には、ヴァディム・プリスタイコ駐英ウクライナ大使も含まれる。ザルジニー自身も、米国側のマーク・ミレーウルズラ・フォン・デア・ライエンとの対談においてさえ明言している。ただしライエンがその対談に参加していたことは、大手報道機関という宣伝扇動機関から検閲が掛けられた。その間ずっと、ゼレンスキーはウクライナ国外に多額の資本を確保しており、ゼレンスキー一族の豪華な生活様式は、何百万人ものウクライナの一般市民たちが送っている厳しい暮らしぶりと全く対照的である。このような状況は、ゼレンスキーの同胞らにも当てはまり、ヴェルホーヴナ・ラーダ (ウクライナの最高議会)のルスラン・ステファンチュク報道官(家族をポーランドに移住させた )や、オレクシー・ダニーロウ(息子のマキシムは徴兵を逃れマイアミに逃亡した)などがその例だ。

 ゼレンスキーは、自身のこのような振る舞いがウクライナ国民から総スカンを食らうことを完全に分かっているにちがいない。特に、ほぼ10年間、NATOから軍事訓練を施されてきた軍隊が隣国の軍事超大国との戦争に引きずり込まれて、好戦的な同盟自体が決してなし得なかった方法(航空優勢を完全に欠くこと)で戦争をする羽目になったのだ。ザルニジーがなぜか姿を消したことが、このような現状の全貌の説明になるだろう。ザルジニーは4月13日以降、公に姿を見せていない。ザルジニーの運命について唯一推測できること、及び多くの情報源から推測できることは、何人かが推測している通り、ザルジニーは逮捕され、支持者から遠ざけられている、というものだ。さらに、ザルジニーは殺害されたのでは、とまで述べる人々もいる。真実はどうあれ、キエフ政権内の分断の動きに拍車がかかる状況は避けられないようだ。

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