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学生ローンより 援助交際のほうがましだ

College students are increasingly finding ‘sugar daddies’ preferable to student loans - and can we really blame them?

大学生は、ますます学生ローンよりも 「シュガーダディ」[若い女に金品を貢ぐ中高年の男] の方がいいと考えるようになってきているが、本当にそれを責めることができるのだろうか?

Helen Buyniski

RT(Russia Today) Op-ed  2019年9月23日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo.i. 2019年12月10日) 

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/469443-college-sugar-babies-debt-prostitution/


借りている金額を首から下げている学生ローンの抗議者たち © Reuters / Andrew Burton

約250万人の米国の大学生が、学生の借金というくびきを避けようと、高齢者との「交際のお膳立てを求めている」と報じられている。大学の授業料が手に負えなくなって、学生たちの絶望感をネタに金儲けすることが産業になった。

学生たちは本当に、大学の学費を払うために美しく見せかけた売春に手を出しているのだろうか? 「シーキング・アレインジメント」Seeking Arrangementというサイトは、「シュガーダディ」や「シュガーママ」を「シュガーベイビー」と結びつけるものである。「シュガーダディ」や「シュガーママ」とは、交際相手を探すお金持ちの人たちのことで、通常は事実上それは性的な交際ではあるが、いつもそうだとは限らない。「シュガーベイビー」とは、生活の特典と引き換えに進んで交際をしようとする若くて貧しい人たちのことだ。「シーキング・アレインジメント」Seeking Arrangementのユーザーのうち250万人は、学生ローンの罠を避けようとしている米国の大学生である。


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4200万人以上の米国人が平均4万ドルの学生ローンを抱えているという事実に、大学生たちは確かに注目している。高齢の金持ちに性的な恩恵を与えることを、学生ローンよりましなもの、最高級の生活への簡単な道であると、学生たちは考えているようだ。その最高級の生活は人間の業績の頂点にあたるものであると、彼らは幼い頃から教えられてきた。テレビ、ハリウッド、大衆音楽など、すべてが 「自分の価値は銀行口座の残高に比例し、高価なものに囲まれることが幸せの秘訣」 というメッセージを伝える。大学の学位も、それを取得するために必要な金額が膨らんでも、プロとして成功するための必須条件として提示される。

大学の学費は過去20年間で急上昇し、私立大学で254%、公立大学で321%上昇した(州内出身者用学費で)。そんな学費上昇のほとんどは、2008年に住宅バブルがはじけ、学生ローン型資産担保証券であるSLABSが、住宅ローン担保証券に取って代わった時に起きた。アメリカンドリームへの願望を利用することに目を向ける投資家たちにとっては、最新の流行の投資として、住宅ローン担保証券に置き換えたのだった。

住宅ローンと違って、学生はローンをデフォルト(自己破産)にできない。たとえ破産を宣言しても白紙に戻すことはできないので、バブルは膨らみ続け、投資家は買い続けている。実際、このシナリオで損をするのは、給料で恒久的にローンを返済しているために、自分が受けるに値する生活を逃している何百万人もの学生だけである。彼らの2/3は、そもそもローンを組んだことを後悔することになる。

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Seeking Arrangementは139カ国で交際のお膳立てをしていると主張しているが、そのユーザーのほとんどは米国にいて、約1140万人の「シュガーベビー」が、豊かな生活を送っているか、単に食いつないでいるにすぎない(学生は全体のほんの一部でしかないようだ)。これらの「シュガーベイビー」は、おしゃれな服や高価な食事を望んでいるのではなく、日々の生活の必要があるのだ。ユナイテッド・ウェイのALICEプログラムは、アメリカ人の約43%が毎月の食料、避難所、医療、育児などの基本的なニーズを満たすことができないと主張しており、それは教育以前の問題である。

ミレニアル世代[1980年前後から2005年頃にかけて生まれた世代]の一番の財政的負担として、クレジットカードの負債が学生ローンの負債を覆い隠してきた。ミレニアル世代は生活必需品の支払いにクレジットカードを使うしかないからだ。外見が最優先で、平均的な人がぜいたく品を買う余裕がない世界では、インスタグラムの「情報発信者」が、借金をして幻想的で完璧な世界を維持しているという話があふれている。「シュガーダディ」と「シュガーママ」が重要な資源だからだ。一生懸命に挑戦すれば、アメリカンドリームが学生たちを待っていると、生まれた時からずっと教えられてきた米国人学生の多くは、卒業をして完全に落胆することになる。専門分野以外で低賃金の仕事に就かなければならない、あるいはいんちき話を信じ込まされたために親の所に戻らなければならない時があるからだ。

最近の調査によると、ベビーブーム世代の4分の1以上が、借金を完済する前に死ぬと信じているという。そのような生涯にわたる債務奴隷と比べると、エスコート[売春]はとてもたやすいよういに見えるかもしれない。「シュガーベイビー」は売春婦ではないが、その概念は「世界最古の職業[売春]」とほぼ同じくらい古いと言ってもいいだろう。しかし、「シーキング・アレインジメント」Seeking Arrangementの数字を信じるなら、かつては控えめに行われていたことが、多少の恥をかかされても(「金採掘者」は、軽蔑的な用語であった)今や公然と行われており、それは実用主義や必要性の問題であり、さらには誇りの源でさえある(「金採掘者」をGoogle検索するだけで、「お金もない彼女もいないクラブ」を自慢するTシャツがずらりと並んでいるのを見ることができる。)。Seeking Arrangementの「シュガーベイビー」の大学のトップリストには、アイビーリーグの名門コロンビア大学やあまり知られていない州立大学も含まれている。

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未来のエリートが、勝ち組としての大学の資格認定過程を支えるために、高級エスコートになりつつあるなら、この現象は確実に主流になっている。おそらくこれが、多くの学校が悪名高いジェフリー・エプスタイン[米国の実業家、児童買春で逮捕投獄]のお金を受け取ることに何の問題もなかった理由なのだろう。お金と名声で感じやすい少女たちを誘惑していた彼が、もし世界で最も邪悪な「シュガーダディ」ではないなら、一体何なんだ? 「シーキング・アレインメント」Seeking Arrangementに登録されている1000万人のユーザーには、「シュガーダディ、シュガーママ」の4倍の「シュガーベイビー」が含まれており、世の中には必死になっている「起業家」がたくさんいることを示している。これは買い手市場であり、学生ローンよりも援助交際を選択する人たちのことを誰が非難できるだろうか?

伝統的な関係へのよりよい代替案を提供しているとして、「シーキング・アレインジメント」Seeking Arrangementは自らを宣伝している。伝統的な関係は「与えるものが少しで、多くを得ることができるために失敗する...。こうなる前に、目標と出発点がすでに示されていれば、話はずっと楽になるだろう。」ロマンチックなタイプの誰もが、その文章で胸が悪くなるかもしれない。しかし、新自由主義的資本主義はかつてアメリカ社会が大切にしてきた多くのことを破壊している。ロマンスも例外ではない。切迫した時代は切迫した手段を必要とする。誰がこれ以上恋愛をする余裕などあるだろうか?

By Helen Buyniski, RT
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