「閲覧注意の警告」がついたアメリカの古典的な小説
<記事原文 寺島先生推薦>
Classic American novel slapped with ‘trigger warning’
‘Gone with the Wind’ now begins with a cautionary note and a lengthy condemnation of “white supremacy”
『風と共に去りぬ』には、注意書きと長文の「白人至上主義」批判が添えられる
出典:RT
2023年4月2日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2023年4月22日

「風と共に去りぬ」の1場面に登場する女優のヴィヴィアン・リーとハティ・マクダニエル(1939年) © Flickr
日曜日(4月2日)のテレグラフ紙の報道によると、『風と共に去りぬ』の最新の復刻版は、出版社から「問題あり」「有害」と決めつけられている。この出版社は、文章そのものを編集するのではなく、知識人を雇い、この古典的恋愛小説に、人種差別の悪に関する但し書きを前置きしたのだ。
1936年にマーガレット・ミッチェルによって書かれた『風と共に去りぬ』は、ジョージア州の農園主の娘であるスカーレット・オハラと、社交的で、南軍兵士としては消極的なレット・バトラー大佐のラブ・ストーリーを、ヤンキー(北部人)による南部征服という背景のもとで描いている。

関連記事:基本的な児童書が著者の許可を得ずに検閲される
この本とそれに続くハリウッドでの映画化は、奴隷を所有していた南部の大義を、甘美的に表現していると長い間非難されており、HBO Maxは2020年にこの映画を視聴可能作品群から撤去した。また、この小説の最新の再版は、出版社のパン・マクミラン社によって原文のままで出版されたが、代わりに「閲覧注意」という警告文が表紙に添えられている、とテレグラフ紙は報じている。
その警告文には、 「この小説が書かれた当時に流行していた、この小説の時代背景を忠実に再現した、人を傷つける、あるいは実際に有害な表現・用語があるかもしれないことを読者に警告したい」とあり、出版社がこのような差別的な表現を削除しないことは「このような表現を推奨する意図があるという意味ではない」とも書き添えられている。
このような表現を但し書きとして使用するのは、ロアルド・ダールの童話から "fat "や "ugly "といった軽度の攻撃的な言葉を削除したパフィン・ブックス(Puffin Book)社のように、強引な編集や書き換えに頼らずに古典作品を再発行しようとする出版社の典型である。イアン・フレミングのジェームズ・ボンド小説の出版社は、今月の再販に先立ち、「n*****r」のような人種的中傷用語は削除し、女性や同性愛者に対する不快な描写はそのまま残すという中間の立場をとった。

関連記事:アガサ・クリスティーの小説、「感性読者」に切り刻まれる(テレグラフ紙)
しかし、パン・マクミラン社は閲覧注意警告よりさらに踏み込んだ。 『風と共に去りぬ』では、警告の後に、イギリスの小説家フィリッパ・グレゴリーの文章が加わり、この物語は「人種差別を擁護」し「白人至上主義を美化している」と断定している。
「この小説は、アフリカの人々は白人と同じ種族ではない、ということを明確に語っている」とグレゴリーは付け加える。
グレゴリーは白人でイギリス人だ。パン・マクミラン社は、彼女がこの文章の執筆に選ばれた理由を、「少数派の背景を持つ作家が、多数派を教育する責任を負うという人々の感情に訴えるような文章を書くという労苦を求められることがあってはならない、と考えたからです」と述べている。
『風と共に去りぬ』は、その主題や表現に何十年も手を焼いてきたにもかかわらず、世界中で3千万部以上売れた、史上最も人気のある本のひとつだ。
Classic American novel slapped with ‘trigger warning’
‘Gone with the Wind’ now begins with a cautionary note and a lengthy condemnation of “white supremacy”
『風と共に去りぬ』には、注意書きと長文の「白人至上主義」批判が添えられる
出典:RT
2023年4月2日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2023年4月22日

「風と共に去りぬ」の1場面に登場する女優のヴィヴィアン・リーとハティ・マクダニエル(1939年) © Flickr
日曜日(4月2日)のテレグラフ紙の報道によると、『風と共に去りぬ』の最新の復刻版は、出版社から「問題あり」「有害」と決めつけられている。この出版社は、文章そのものを編集するのではなく、知識人を雇い、この古典的恋愛小説に、人種差別の悪に関する但し書きを前置きしたのだ。
1936年にマーガレット・ミッチェルによって書かれた『風と共に去りぬ』は、ジョージア州の農園主の娘であるスカーレット・オハラと、社交的で、南軍兵士としては消極的なレット・バトラー大佐のラブ・ストーリーを、ヤンキー(北部人)による南部征服という背景のもとで描いている。

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この本とそれに続くハリウッドでの映画化は、奴隷を所有していた南部の大義を、甘美的に表現していると長い間非難されており、HBO Maxは2020年にこの映画を視聴可能作品群から撤去した。また、この小説の最新の再版は、出版社のパン・マクミラン社によって原文のままで出版されたが、代わりに「閲覧注意」という警告文が表紙に添えられている、とテレグラフ紙は報じている。
その警告文には、 「この小説が書かれた当時に流行していた、この小説の時代背景を忠実に再現した、人を傷つける、あるいは実際に有害な表現・用語があるかもしれないことを読者に警告したい」とあり、出版社がこのような差別的な表現を削除しないことは「このような表現を推奨する意図があるという意味ではない」とも書き添えられている。
このような表現を但し書きとして使用するのは、ロアルド・ダールの童話から "fat "や "ugly "といった軽度の攻撃的な言葉を削除したパフィン・ブックス(Puffin Book)社のように、強引な編集や書き換えに頼らずに古典作品を再発行しようとする出版社の典型である。イアン・フレミングのジェームズ・ボンド小説の出版社は、今月の再販に先立ち、「n*****r」のような人種的中傷用語は削除し、女性や同性愛者に対する不快な描写はそのまま残すという中間の立場をとった。

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しかし、パン・マクミラン社は閲覧注意警告よりさらに踏み込んだ。 『風と共に去りぬ』では、警告の後に、イギリスの小説家フィリッパ・グレゴリーの文章が加わり、この物語は「人種差別を擁護」し「白人至上主義を美化している」と断定している。
「この小説は、アフリカの人々は白人と同じ種族ではない、ということを明確に語っている」とグレゴリーは付け加える。
グレゴリーは白人でイギリス人だ。パン・マクミラン社は、彼女がこの文章の執筆に選ばれた理由を、「少数派の背景を持つ作家が、多数派を教育する責任を負うという人々の感情に訴えるような文章を書くという労苦を求められることがあってはならない、と考えたからです」と述べている。
『風と共に去りぬ』は、その主題や表現に何十年も手を焼いてきたにもかかわらず、世界中で3千万部以上売れた、史上最も人気のある本のひとつだ。
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