アメリカの天文学的薬価高騰のため、人々は生命維持用の
インシュリンをカナダにまで買いに行く
‘Astronomical’ US drug prices see people drive to Canada for life-saving insulin
RT Home/USA News/ 2019年7月10日
(翻訳:新見明 2,019年8月14日)
<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/usa/463812-big-pharma-insulin-canada/

アリソン・ニムロスは、アメリカの1型糖尿病薬の支援者で、カナダ、オンタリオ州ロンドンで低価格のインシュリンを買い求める旅をしている。2019年6月29日© Reuters / Carlos Osorio
ビッグ・ファーマ(巨大製薬会社)の便乗値上げのため、アメリカ人の一団は、母国での「天文学的価格」を避けて、救命薬を買うためだけに、カナダの国境を越え15時間のドライブを強いられる、と旅行の組織者の一人がRTに語った。
アメリカではインシュリンの価格は、2002年から2013年の間にほぼ3倍になり、それ以降さらに64%の値上がりした。救命薬を買うために、ミネソタ州の一団が、最近15時間かけて815マイル(1,311km)を、バスでカナダまでやって来た。そこの薬は、アメリカよりずっと安いのだ。
多くのアメリカ人は、絶対的に必要とされる薬を、自国で買う余裕がないのだ、と旅行の共同組織者クイン・ナイストロームはRTに語った。国境を隔てて価格の違いは「膨大」なのだと。
私はミネソタ州ミネアポリスのコンビニに行ってみた。
[インシュリン]一瓶の小売価格は340ドルだ。私がオン
タリオ州ロンドンのウォールマート薬局でそれを買いに
行ったとき、小売り価格はUSドルで26ドルだった。
「インシュリンが高価なため、私は借金をしなければならなかった」と彼女は言った。「私は薬が余りに高価になったために、クレジット・カードに頼らなければならなかったが、天文学的値段のため、カード払いができないのだ。」
旅を組織することは簡単なことではなかった。その旅はナイストローム・グループが5つのアメリカの州を巡り、キャラバンに乗客や車を参加させるため途中で時折停車した。旅には参加者にとって他の障害もあったと、ナイストロームはRTに語った。国境を越えた後でさえ、カナダの薬局は、地元メディアの注目を恐れて、私達を拒否さえしたのだ。
無数の制度的、経済的要素が、長年にわたるアメリカのインシュリン価格高騰に関係している。しかし製薬会社間の市場競争の欠如が問題だと指摘する専門家もいる。例えば、アメリカ食品医薬品局(FDA)による規制は、よりやすい代替製品を供給することができる小さな競争相手を閉め出すことができるようになっている。
「ときどきアメリカで起こることは、FDAが製薬会社に一定の注意基準を求めることである。その基準は膨大なので、小規模企業は、それが障害になって市場に参入することができないこともある」とワシントン・ペイン・センターのジョン・ドンブロウスキーはRTに語った。
「多分、6つか8つの製薬会社がインシュリンを作るのに必要だ。そして、そのためには、新たな競争者にとって障壁が少ないことをが必要だ」とドンブロウスキーは付け加えた。
1型糖尿病薬を支援しているT1インターナショナル・チャリティのニコール・スミス・ホルトは、「ビッグ・ファーマはこの何十年か薬価を高騰させることで悪名をはせている」とRTに語った。
「なぜ人々がインシュリンを買えなくて死んでしまうほど、[薬価]が高騰するのかまったくわけがわからない」と彼女は言った。
スミス・ホルトは、彼女の家族が「患者から金を巻き上げる製薬会社の究極の価格を、どうやって支払ったのかを語った。
2017年、26歳の私の息子は、糖尿病ケトン・アシドー
シスで死んだ。彼はインシュリンを買う余裕がなかった
ので、少しずつ制限して使っていた。月々のインシュリン
や糖尿病薬は1,300ドルだった。
アメリカ糖尿病教会(ADA)によると、約3000万人のアメリカ人が糖尿病を患っていて、
そのうち700万人以上がインシュリンに頼っている。ADAの評価では、糖尿病患者の医療支出は、処方箋や通院費用を考えると、糖尿病を患っていない人の2.3倍になる。
RT Home/USA News/ 2019年7月10日
(翻訳:新見明 2,019年8月14日)
<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/usa/463812-big-pharma-insulin-canada/

アリソン・ニムロスは、アメリカの1型糖尿病薬の支援者で、カナダ、オンタリオ州ロンドンで低価格のインシュリンを買い求める旅をしている。2019年6月29日© Reuters / Carlos Osorio
ビッグ・ファーマ(巨大製薬会社)の便乗値上げのため、アメリカ人の一団は、母国での「天文学的価格」を避けて、救命薬を買うためだけに、カナダの国境を越え15時間のドライブを強いられる、と旅行の組織者の一人がRTに語った。
アメリカではインシュリンの価格は、2002年から2013年の間にほぼ3倍になり、それ以降さらに64%の値上がりした。救命薬を買うために、ミネソタ州の一団が、最近15時間かけて815マイル(1,311km)を、バスでカナダまでやって来た。そこの薬は、アメリカよりずっと安いのだ。
多くのアメリカ人は、絶対的に必要とされる薬を、自国で買う余裕がないのだ、と旅行の共同組織者クイン・ナイストロームはRTに語った。国境を隔てて価格の違いは「膨大」なのだと。
私はミネソタ州ミネアポリスのコンビニに行ってみた。
[インシュリン]一瓶の小売価格は340ドルだ。私がオン
タリオ州ロンドンのウォールマート薬局でそれを買いに
行ったとき、小売り価格はUSドルで26ドルだった。
「インシュリンが高価なため、私は借金をしなければならなかった」と彼女は言った。「私は薬が余りに高価になったために、クレジット・カードに頼らなければならなかったが、天文学的値段のため、カード払いができないのだ。」
![]() Also on rt.com US Big Pharma allowed to continue hiding ‘intimidating’ price info from customers in TV ads (さらに読む)「アメリカのビッグ・ファーマは「恐ろしい」値段を、テレビCMで消費者から隠し続ける。」 |
旅を組織することは簡単なことではなかった。その旅はナイストローム・グループが5つのアメリカの州を巡り、キャラバンに乗客や車を参加させるため途中で時折停車した。旅には参加者にとって他の障害もあったと、ナイストロームはRTに語った。国境を越えた後でさえ、カナダの薬局は、地元メディアの注目を恐れて、私達を拒否さえしたのだ。
無数の制度的、経済的要素が、長年にわたるアメリカのインシュリン価格高騰に関係している。しかし製薬会社間の市場競争の欠如が問題だと指摘する専門家もいる。例えば、アメリカ食品医薬品局(FDA)による規制は、よりやすい代替製品を供給することができる小さな競争相手を閉め出すことができるようになっている。
「ときどきアメリカで起こることは、FDAが製薬会社に一定の注意基準を求めることである。その基準は膨大なので、小規模企業は、それが障害になって市場に参入することができないこともある」とワシントン・ペイン・センターのジョン・ドンブロウスキーはRTに語った。
「多分、6つか8つの製薬会社がインシュリンを作るのに必要だ。そして、そのためには、新たな競争者にとって障壁が少ないことをが必要だ」とドンブロウスキーは付け加えた。
1型糖尿病薬を支援しているT1インターナショナル・チャリティのニコール・スミス・ホルトは、「ビッグ・ファーマはこの何十年か薬価を高騰させることで悪名をはせている」とRTに語った。
「なぜ人々がインシュリンを買えなくて死んでしまうほど、[薬価]が高騰するのかまったくわけがわからない」と彼女は言った。
スミス・ホルトは、彼女の家族が「患者から金を巻き上げる製薬会社の究極の価格を、どうやって支払ったのかを語った。
2017年、26歳の私の息子は、糖尿病ケトン・アシドー
シスで死んだ。彼はインシュリンを買う余裕がなかった
ので、少しずつ制限して使っていた。月々のインシュリン
や糖尿病薬は1,300ドルだった。
アメリカ糖尿病教会(ADA)によると、約3000万人のアメリカ人が糖尿病を患っていて、
そのうち700万人以上がインシュリンに頼っている。ADAの評価では、糖尿病患者の医療支出は、処方箋や通院費用を考えると、糖尿病を患っていない人の2.3倍になる。
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