中国の「第三次アヘン戦争」 第2部:グローバル金融とIT専制
<記事原文 寺島先生推薦記事>
China’s “Third Opium War”. Covid-19 and the Opium Wars. The Alliance of Global Finance and IT Tyranny
Part II: The True Threat Posed by China
中国の「第三次アヘン戦争」 。Covid-19とアヘン戦争。グローバル金融とIT専制の同盟国
第二部:中国がもたらす真の脅威
筆者:エマニュエル・パストライヒ(Emanuel Pastreich)
出典:グローバル・リサーチ
2022年12月08日
<翻訳 寺島メソッド飜訳グループ>
2023年2月3日

Covid-19とアヘン戦争の類似性
COVID-19は、中国そして世界市民の生活と心を破壊することを目的とした、超富裕層の利益のために展開されている世界規模の作戦である。現在の中国での作戦は、アメリカ、イスラエル、イギリス、そして中国に拠点を置く民間情報会社によって指図されている可能性が高い。このような民間情報会社は、金持ちのために働きながら、政府の一員であるかのように装っている。彼らは、最初の2回のアヘン戦争を計画したイギリス東インド会社の「直系の子孫」と考えられるかもしれない。
イギリス東インド会社は1840年に中国を滅ぼす必要があった。なぜなら、中国は帝国主義者が支配する世界貿易システムへの統合に抵抗する唯一の大国であり、西洋の伝統に対抗できる高度な文明を持つ唯一の大国であったからである。
COVID19戦略とアヘン戦争との間には、主に次の3つの類似点がある。
政治的支配のための医学の乱用
1840年、イギリスが中国を支配するための戦略の大きな部分を占めたのが医学であった。イギリスは、「先進的な」西洋医学を中国人に紹介し、西洋の科学がどんな病気も治すことができる奇跡の薬を作り出したと提示した。しかし、こうした奇跡の薬は、科学的な進歩に基づいた薬もあったが、ほとんどは、中毒性のあるアヘンを原材料とするものだった。
アヘン(ヘロイン)入りの「西洋」医薬品の販売は儲かるだけでなく、中国人の意思を弱め、儒教などの伝統的な思想(ホメオパシー医学*を含む)を弱め、中国人を市民ではなく、消費者として扱ったのである。最終的な目標は、中国人を健康にすることではなく、無関心で、ナルシストで、享楽的な支配階級を作り出すことであった。
* 私たちが本来持っている自然治癒力、自己治癒過程に働きかけ病気からの回復を手助けする医学。現代医療の薬のように症状を抑えこんだり(抗うつ薬、抗アレルギー薬など“抗”という名の薬)、取り除いたりする治療ではない。
この計画はほぼ成功した。
中国政府内の意思決定プロセスにイギリスの代理人(多くは改革派と自負する中国人知識人)が入り込み、中国の経済的自立性は数十年かけて徐々に損なわれていった。また、書籍や雑誌でイギリスをより文明的な国として見るように洗脳された、新しい世代の中国人知識人が権力を握るようになった。
中国の若者たちは、ロンドンに留学した中国人から、イギリスが豊かで強力なのは、国民の道徳心が高いからであり、教育制度が発達し、科学的手法が用いられているからであり、中国が達成できなかった啓蒙的文明から生まれた目覚しい技術があるからだと、教えられた。そしてそれに比べれば、中国文化は後進的で愚かなものであると教えられたのだ。
西洋の近代に救いを求める中国人に隠されていた真実は、イギリスの進歩を支えている富は、プロテスタントの労働倫理や上流階級の洗練された文明によって生み出されたものではない、ということだった。そう、その富は、何百万人ものアフリカ人が「新世界」に農場を作るために売られた冷酷な奴隷貿易の産物であり、国内の一般農家を廃業させ、ロンドンの銀行家に巨額の富をもたらした。その富は、インド、バングラデシュ、アラビアを買収し、イギリスがそれらの国の資産を押収したことによっても生み出された。
今日、西洋の製薬会社は、疑わしいアロパシー薬*を中国で販売し、そのような製品を「先進的な」西洋医学として中国人に宣伝するために、膨大な予算を投じている。これらの医薬品の多くは、19世紀に中国人に対して使用されたアヘンと同様の機能を持つアヘン製品、または人工アヘンを含んでいる。これらの西洋医薬の多くは、中毒性、気分転換性、あるいはその両方がある。
* アロパシーとは、ホメオパシーと反対で、「逆症療法」である。たとえば「発熱は解熱させる」「下痢は止痢をはかる」というように,生体内に症状と逆向きの力を誘導励起することによって病気を治そうとする考え方である。
現在、退廃的な資本主義社会の残酷な矛盾のためにうつ病に苦しむ中国人は、医師からその問題は病気であると言われ、アヘンを含む「西洋」医薬品を処方されるが、この過程は、19世紀に中国で行われた欧米企業によるアヘンの乱用と酷似している。
19世紀に強制されたアヘンへの依存は、中国で普通の生活を送るために国家が要求するワクチンへの強制的な依存とも類似している。
世界保健機関のような世界的な犯罪組織は、中国人の健康を損ない、ワクチンへの人工的な依存を強制するために、偽りの科学を使っているのである。
また、中国人の依存症の助長は、医薬品に限った話ではない。中国社会では、スマートフォン、ソーシャルメディア、ゲーム、ポルノが常に推進され、文字どおりすべての国民がスマートフォンを携帯し、その要求に応えるしかない環境を作り出している。こうした行為は、中国人の中に人工的な新しい習慣や危険な中毒・依存を生み出し、さらなる搾取を可能にする。
メディアの内容は、情報や知恵を伝えるものではなく、伝統的な意味での娯楽でもなく、短期的な刺激への依存(ドーパミン放出)を誘発し、集中力を阻害することによって、脳の機能をゆっくりと変化させるものである。
このような依存症は、複雑で多元的な思考を阻害し、市民の長期的な計画能力を低下させる。Wechat(ウィーチャット)やToutiao(トウティアオ)*などのソーシャルメディア大手を数ヶ月間定期的にチェックすれば、もはや自分の頭で考えることはできなくなるだろう。
* WeChat (微信)やToutiao(今日头条)は、中国のSNS・動画・EC・検索プラットフォーム。
多国籍投資家に支えられた中国の新しいメディアの目的は、中国人をより独立心旺盛で新しい考え方に開かれた存在にすることではなく、仮想監禁状態を受け入れるほど従順な存在にすることなのである。
第二の戦略は、西洋が魅力的で権威があり、充実していて物質的に豊かであることを示唆するイメージや文書を通じて、人工的な西洋文化を優れたものとして宣伝し、中国文化の権威と正統性を破壊することである。
この戦略は、アヘン戦争後、イギリスをはじめとする帝国主義勢力が中国で成功するために不可欠なものだった。西洋人は、中国の文明はその性質上、後進的で限界があると断じた。英国の学者や宣教師は、中国が近代化し、それによって救われるためには、漢字、中国の家庭習慣、地方の風習、さらには中国哲学の中核となる教義さえも捨てなければならないと主張した。
今日、中国の若者たちは、スターバックス、アディダス、シャネル、ルイ・ヴィトンなどのイメージで溢れている。これらのイメージは、あたかも西洋人(アメリカ人)が金持ちで自信があり、食べ物や飲み物に浪費することで正当に喜びを得ているかのように見えるように設計されている。
大きな家に住み、高級車に乗り、かっこよくお高くとまった特権階級の人々の生活は、羨望の的であり、若者のモデルとして提示される。この破壊的なイデオロギーキャンペーンは、単に市場シェアを拡大するための努力ではない。中国の文化的権威を失墜させ、堕落した退廃的な消費文化(企業の資金援助によりハリウッドで作られた)を直接民衆に供給するための作戦なのだ。

関連記事:第三次アヘン戦争:COVID-19の対中攻撃の背後にある計画
特権階級の自己中心主義文化を奨励する青島の企業広告
19世紀の中国でも、帝国主義勢力は同じような戦略をとっていた。1840年当時の中国文明は、芸術、文学、学問、行政において、地球上のどの国よりも洗練されており、複雑かつ持続可能であった。出版される本の数、教育を受ける人の数、どれをとっても世界一であった。

皮肉なことに、イギリスは1870年代に中国の公務員制度を真似て、帝国を管理するための独自の公務員制度を作ったが、それは中国政府を内部から崩壊させた後に行われたのだ。
19世紀の鉄道、電信線、郵便制度、電灯の普及は、中国の主権を弱体化させ、中国人の統治能力を破壊することにつながった。従来の慣行を時代遅れで後進的と思わせ、政府の意思決定プロセスの大部分を外国の専門家(または海外で訓練を受けた中国人)が担うことを要求したのだ。中国はアヘン戦争の屈辱から50年の間に、文化、教育システム、そして最終的には政府の統制力も失ってしまった。
現在の生態系の危機と人類の文明の衰退を見れば、近代化イデオロギーのどれもが科学的真実に基づいていたのかどうか、疑問を抱かずにはいられない。
オンライン購入、ジオフェンシング*、QRコードの使用、5Gの推進、目に見えない企業権力によってコントロールされた様々なアプリケーションなどのテクノロジーが、近代化の名の下に至る所で実施されているのである。中国では、どのように政策が決定されるのか、透明性がない。
* 地図上にバーチャルなフェンスを設置する技術のこと。特定のフェンスの中に特定のユーザーや特定のモノが出入りした時に、システムからメッセージを送るなど、「モバイル端末のGPS機能」を活用し、予め決めた処理を自動的に行うシステム。
問題は権威主義の中国共産党に起因するのではなく、シスコ*、SAP**、アマゾンなどの多国籍企業が推進する自動化・デジタル化の推進による地方政府の民営化に起因しているのである。
* シスコ・システムズ。アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社。
** ドイツのヨーロッパ最大級のソフトウェア会社。そのシステムは企業における会計システム、物流システム、販売システム、人事システムなどからなり、それぞれがデータ的に一元化されているためにリアルタイムな分析が可能となる。

長沙で店舗が閉鎖されたのは、施設利用のためのCOVID-19に対する不明瞭な指令とQRコードの要求によるものだった。
中国は、世界征服をたくらむ謎めいた 「フー・マンチュー博士*」ではなく、中国における新自由主義的コンセンサスに対するあらゆる抵抗勢力を壊滅させようとする多国籍企業の犠牲者なのである。
* 傅満洲博士。イギリスの作家サックス・ローマーが創造した架空の中国人。西欧による支配体制の破壊を目指して陰謀をめぐらす悪人であり、東洋人による世界征服の野望を持つ怪人である。
清朝が、イギリス東インド会社や、王朝をほぼ崩壊させたおぞましい秘密キリスト教徒の太平天国の乱(1850-1864)などを秘密攻撃したことで非難されたように、今度は中国共産党が、外国の多国籍企業によって開発された全体主義の悪夢を作り出したことで非難を受けているのである。
中国社会が組織的にコントロールされて解体されたことを中国人のせいにするというこの悪巧みは、まさにアヘン戦争で大英帝国が採用した戦略そのものである。
もちろん、この犯罪的買収から利益を得ている中国共産党の腐敗した議員はたくさんいるが、最終的な権力者は中国政府ではない。
多くの教養ある中国人が海外移住を希望しているのは、イスラエルの下請け会社のノウハウを利用して、上海と成都をガザ地区にしている、抑圧的な「ゼロ・コロナ」ジオフェンスと接触者追跡が実施されているためである。 中国の変貌の本質を把握できている人は、実に少ない。
19世紀における英国の中国攻撃の第3段階は、ロンドンが少数者の利益のために支配する世界的な貿易・金融システムに、中国を統合することであった。
中国は明・清時代、食糧安全保障、経済的自立、地域経済を維持しようとする真っ当な懸念から、賢明にも大規模な外国貿易を避けていた。ところが、イギリスはアヘン戦争後、他の植民地主義勢力と同様に、中国に貿易協定で「不平等条約」を強要しただけでなく、上海などの都市で中国の知識人を新たに育成し、中国人が世界貿易と金融に参加することが「先進国」になる唯一の方法であると説いた。
中国の主要都市に住む富裕層は、自分たちの階級的利益をグローバル主義者と一体のものと考えている。彼らは心を鈍らせるAI教育を推進し、監獄社会文化を強制するスマートシティを主張し、中国人を外国のIT業者に依存させるオンライン環境を受け入れ、中国の「ガザ地区化」を意図するドローンやロボットの外国メーカーに広く門戸を開いているのである。
ウォーレン・バフェットのような寄生虫のような人物が、グローバリストに占領された中国のメディアに登場し、国民に経済の天才として紹介されている。中国の大学は、「近代化」を要求する企業からの圧力で、かつて標準的だった階級闘争と寄生的なグローバル金融に関する経済分析を放棄し、誤解を招くようなグローバリストの成長教義を支持している。
ジム・ロジャースやジョン・ソーントンのような億万長者階級や、ハーバードやスタンフォードの教授が意図的に中国人に媚を売ることが、この攻撃のカギを握っているのである。中国人は、国内外の企業メディアから、自分たちはすぐに欧米を追い越すだろう、中国は技術でリードしている、と言われている。Huawei*やXiaomi**は、欧米のえり抜きの専門家によって賞賛され、中国が将来の発展への希望を世界に与えていることを暗に示している。
* ファーウェイ。中華人民共和国 広東省深圳市に本社を置く通信機器大手メーカー。
** シャオミ。家電やスマホ、IoT プラットフォームを提供する世界的な中国の総合家電メーカー。
これらのお世辞の中には真実も混じっているが、その狙いは狡猾である。中国人は、21世紀の大国になりたいのであれば、国民を受動的で贅沢にし、高レベルのエネルギー消費を要求し、グローバリストが管理する貿易・物流システムへの依存度を高める、欧米の成功基準(成長、消費、輸出、デジタル化)を受け入れなければならないというプロパガンダ・キャンペーンにさらされているのである。
経済の究極の目標としての無限の成長の促進は、科学的根拠を欠いた政策であり、化石燃料の使用を増加させ、中国に有害な過剰生産を要求するだけである。捨てられたプラスチックは地面と海を汚染し、何千台もの不要な自動車とコンピュータが、欧米人が設定した成長目標を達成するために生産されているのである。
マルクス主義的経済分析
10月23日に開催された中国共産党第20期中央委員会全体会議は、中華人民共和国にとってマルクス主義経済理論が中心であることを明確に確認した点で特徴的であった。マスコミはすぐさま習近平主席を「歴史の流れに逆行する後進的な社会主義者」と攻撃した。中国が、ソ連が崩壊して、破綻したイデオロギーである共産主義を受け入れるとは、どういうことだろうか、と。
最近、ウィンストン・スミスは、そのエッセイ 「The Left's Grasp(左翼の掌握)」 の中で、世界経済の支配権を握ろうとする世界経済フォーラム全体の企ては、「共産主義」という製品であると論じた。グローバリストの支配に代わる実行可能な選択肢が、なぜかグローバリストの操り人形として信用されていない。
しかし、多国籍銀行のコンサルタントは、中国が「マルクス経済学」に戻ろうとするこの動きの脅威を評価するのに苦労はしなかった。
もし中国が、研究、メディア分析、経済政策において、マルクス主義の経済分析を適用し始め、階級闘争、イデオロギー操作、資本の誤用、過剰生産の乱用を強調することに成功すれば、まさにそうした手法が切実に求められている歴史的瞬間に、世界で唯一それが可能な国家となるだろう。
しかし、グローバリストは、中国がマルクス主義を分析に用いることを許さない。なぜなら、そうすれば、中国は経済的な意味だけでなく、知的な意味でも強国となりうるからである。
もう一つの危険は、マルクス主義の思想において、科学の重要性と、厳格な分析という科学的方法である。それは、カントとヘーゲルの認識論における近代科学の基礎に基づいている。
COVID-19の宣伝活動は、中国であれ米国であれ、科学を劣化させ、病院と医療専門家をグローバル金融の操り人形にし、医師を買収して非科学的な政策を支持させることによって可能になった。多くの場合、科学的手法に訴えることは犯罪と化している。
COVID-19は科学ではなく、支配階級の権威を「科学」と偽った「科学主義」である。市民が独自の行動によって科学的真実を確認する能力は禁止されている。
億万長者たちは、第20回総会で解き放たれた可能性に怯えている。グローバリストが中国人を支配するために用いるグローバル化、消費への自己陶酔、技術への崇拝は依然として残っているが、近代化の相対的価値は弱まっている。さらに、グローバリストを長年支持してきた李克強が中央委員会から排除されたことは、グローバリズムの見地から離れ、マルクス主義の伝統を回復しようとする中国共産党の闘いを示すものであった。
マルクス主義には明らかな弱点がある。しかし、億万長者がハーバード・ビジネス・スクールの教授に金を払って学生に教えているたわごとと比べれば、マルクス主義経済学は高度な科学である。もし中国が、経済とイデオロギーの矛盾の科学的分析に基づく世界的なマルクス主義運動を主導すれば、それは世界のあらゆる国で大衆に訴えることができるだろう。
真の解決策を見出す
現在の第三次アヘン戦争の背後にいる億万長者たちの究極の計画は、中国を始めとする世界の全ての市民を、お金の面ではグローバル銀行に、食料と雇用の面では多国籍企業に、他人との交流ではIT企業に依存させ、自動化によって雇用者として用なしにさせ、自宅に閉じ込めることである。

この人類に対する戦争の唯一の解決策は、第二次世界大戦後、新帝国主義者によって推進されてきた危険な開発成長モデルをすべて放棄し、農業と生産のための地域協同組合を創設し、行動の価値をお金ではなく、知恵、美徳、持続可能性で評価する文化を創造することである。
真に持続可能な文明への回帰は、今後千年間、全人類にとって最良のものを推進し、バイオファシズム、技術権威主義、あるいは大量虐殺による奴隷社会の創造を拒否することにより成し遂げられるものである。 中国の儒教や道教の思想、あるいは毛沢東のようなマルクスの中国的解釈は、真の意味での代替案を提供することができるだろう。
この攻撃に対する解決策は、アメリカ人と中国人の同盟である。それは、このふたつの国が感染したテクノ・ファシズム*に、つまり、アメリカ人が思想と金融を、中国人が製造と流通を支配することによって全世界に輸出されているものに、対抗できるのだ。
* ICT(情報通信技術)を使って、国民の個人の銀行口座や行動や居場所や思考などの個人情報を政府が一元管理し、統治の道具に使う政治的手法。
しかし、テクノ・ファシズムに対抗する中国とアメリカの強力な同盟は、現在の「新冷戦」工作によって、両国の間のいかなる交流も疑わしいものとなっているため、不可能である。
グローバル金融とIT専制の暗黒同盟が、両国を恐ろしい死の協定である「フランケンシュタイン同盟*」に組み込んでいるが、もし、良心のあるアメリカ人と中国人が、それに反対するために結集すれば、現在の第三次アヘン戦争をたちどころに阻止することができるだろう。まさにそのような運動を始める時が来たのだ。
* 自ら作りだした怪物に、自らが滅ぼされる米中の同盟、というほどの意味か。
筆者のエマニュエル・パストライヒは、ワシントンDC、ソウル、東京、ハノイにオフィスを持つシンクタンク、アジア・インスティテュートの代表を務めた。また、未来都市環境研究所の事務局長も務めている。2020年2月、無所属で米国大統領選への出馬を表明。
本記事の画像はすべてFear No Evilから引用している。
China’s “Third Opium War”. Covid-19 and the Opium Wars. The Alliance of Global Finance and IT Tyranny
Part II: The True Threat Posed by China
中国の「第三次アヘン戦争」 。Covid-19とアヘン戦争。グローバル金融とIT専制の同盟国
第二部:中国がもたらす真の脅威
筆者:エマニュエル・パストライヒ(Emanuel Pastreich)
出典:グローバル・リサーチ
2022年12月08日
<翻訳 寺島メソッド飜訳グループ>
2023年2月3日

Covid-19とアヘン戦争の類似性
COVID-19は、中国そして世界市民の生活と心を破壊することを目的とした、超富裕層の利益のために展開されている世界規模の作戦である。現在の中国での作戦は、アメリカ、イスラエル、イギリス、そして中国に拠点を置く民間情報会社によって指図されている可能性が高い。このような民間情報会社は、金持ちのために働きながら、政府の一員であるかのように装っている。彼らは、最初の2回のアヘン戦争を計画したイギリス東インド会社の「直系の子孫」と考えられるかもしれない。
イギリス東インド会社は1840年に中国を滅ぼす必要があった。なぜなら、中国は帝国主義者が支配する世界貿易システムへの統合に抵抗する唯一の大国であり、西洋の伝統に対抗できる高度な文明を持つ唯一の大国であったからである。
COVID19戦略とアヘン戦争との間には、主に次の3つの類似点がある。
政治的支配のための医学の乱用
1840年、イギリスが中国を支配するための戦略の大きな部分を占めたのが医学であった。イギリスは、「先進的な」西洋医学を中国人に紹介し、西洋の科学がどんな病気も治すことができる奇跡の薬を作り出したと提示した。しかし、こうした奇跡の薬は、科学的な進歩に基づいた薬もあったが、ほとんどは、中毒性のあるアヘンを原材料とするものだった。
アヘン(ヘロイン)入りの「西洋」医薬品の販売は儲かるだけでなく、中国人の意思を弱め、儒教などの伝統的な思想(ホメオパシー医学*を含む)を弱め、中国人を市民ではなく、消費者として扱ったのである。最終的な目標は、中国人を健康にすることではなく、無関心で、ナルシストで、享楽的な支配階級を作り出すことであった。
* 私たちが本来持っている自然治癒力、自己治癒過程に働きかけ病気からの回復を手助けする医学。現代医療の薬のように症状を抑えこんだり(抗うつ薬、抗アレルギー薬など“抗”という名の薬)、取り除いたりする治療ではない。
この計画はほぼ成功した。
中国政府内の意思決定プロセスにイギリスの代理人(多くは改革派と自負する中国人知識人)が入り込み、中国の経済的自立性は数十年かけて徐々に損なわれていった。また、書籍や雑誌でイギリスをより文明的な国として見るように洗脳された、新しい世代の中国人知識人が権力を握るようになった。
中国の若者たちは、ロンドンに留学した中国人から、イギリスが豊かで強力なのは、国民の道徳心が高いからであり、教育制度が発達し、科学的手法が用いられているからであり、中国が達成できなかった啓蒙的文明から生まれた目覚しい技術があるからだと、教えられた。そしてそれに比べれば、中国文化は後進的で愚かなものであると教えられたのだ。
西洋の近代に救いを求める中国人に隠されていた真実は、イギリスの進歩を支えている富は、プロテスタントの労働倫理や上流階級の洗練された文明によって生み出されたものではない、ということだった。そう、その富は、何百万人ものアフリカ人が「新世界」に農場を作るために売られた冷酷な奴隷貿易の産物であり、国内の一般農家を廃業させ、ロンドンの銀行家に巨額の富をもたらした。その富は、インド、バングラデシュ、アラビアを買収し、イギリスがそれらの国の資産を押収したことによっても生み出された。
今日、西洋の製薬会社は、疑わしいアロパシー薬*を中国で販売し、そのような製品を「先進的な」西洋医学として中国人に宣伝するために、膨大な予算を投じている。これらの医薬品の多くは、19世紀に中国人に対して使用されたアヘンと同様の機能を持つアヘン製品、または人工アヘンを含んでいる。これらの西洋医薬の多くは、中毒性、気分転換性、あるいはその両方がある。
* アロパシーとは、ホメオパシーと反対で、「逆症療法」である。たとえば「発熱は解熱させる」「下痢は止痢をはかる」というように,生体内に症状と逆向きの力を誘導励起することによって病気を治そうとする考え方である。
現在、退廃的な資本主義社会の残酷な矛盾のためにうつ病に苦しむ中国人は、医師からその問題は病気であると言われ、アヘンを含む「西洋」医薬品を処方されるが、この過程は、19世紀に中国で行われた欧米企業によるアヘンの乱用と酷似している。
19世紀に強制されたアヘンへの依存は、中国で普通の生活を送るために国家が要求するワクチンへの強制的な依存とも類似している。
世界保健機関のような世界的な犯罪組織は、中国人の健康を損ない、ワクチンへの人工的な依存を強制するために、偽りの科学を使っているのである。
また、中国人の依存症の助長は、医薬品に限った話ではない。中国社会では、スマートフォン、ソーシャルメディア、ゲーム、ポルノが常に推進され、文字どおりすべての国民がスマートフォンを携帯し、その要求に応えるしかない環境を作り出している。こうした行為は、中国人の中に人工的な新しい習慣や危険な中毒・依存を生み出し、さらなる搾取を可能にする。
メディアの内容は、情報や知恵を伝えるものではなく、伝統的な意味での娯楽でもなく、短期的な刺激への依存(ドーパミン放出)を誘発し、集中力を阻害することによって、脳の機能をゆっくりと変化させるものである。
このような依存症は、複雑で多元的な思考を阻害し、市民の長期的な計画能力を低下させる。Wechat(ウィーチャット)やToutiao(トウティアオ)*などのソーシャルメディア大手を数ヶ月間定期的にチェックすれば、もはや自分の頭で考えることはできなくなるだろう。
* WeChat (微信)やToutiao(今日头条)は、中国のSNS・動画・EC・検索プラットフォーム。
多国籍投資家に支えられた中国の新しいメディアの目的は、中国人をより独立心旺盛で新しい考え方に開かれた存在にすることではなく、仮想監禁状態を受け入れるほど従順な存在にすることなのである。
第二の戦略は、西洋が魅力的で権威があり、充実していて物質的に豊かであることを示唆するイメージや文書を通じて、人工的な西洋文化を優れたものとして宣伝し、中国文化の権威と正統性を破壊することである。
この戦略は、アヘン戦争後、イギリスをはじめとする帝国主義勢力が中国で成功するために不可欠なものだった。西洋人は、中国の文明はその性質上、後進的で限界があると断じた。英国の学者や宣教師は、中国が近代化し、それによって救われるためには、漢字、中国の家庭習慣、地方の風習、さらには中国哲学の中核となる教義さえも捨てなければならないと主張した。
今日、中国の若者たちは、スターバックス、アディダス、シャネル、ルイ・ヴィトンなどのイメージで溢れている。これらのイメージは、あたかも西洋人(アメリカ人)が金持ちで自信があり、食べ物や飲み物に浪費することで正当に喜びを得ているかのように見えるように設計されている。
大きな家に住み、高級車に乗り、かっこよくお高くとまった特権階級の人々の生活は、羨望の的であり、若者のモデルとして提示される。この破壊的なイデオロギーキャンペーンは、単に市場シェアを拡大するための努力ではない。中国の文化的権威を失墜させ、堕落した退廃的な消費文化(企業の資金援助によりハリウッドで作られた)を直接民衆に供給するための作戦なのだ。

関連記事:第三次アヘン戦争:COVID-19の対中攻撃の背後にある計画
特権階級の自己中心主義文化を奨励する青島の企業広告
19世紀の中国でも、帝国主義勢力は同じような戦略をとっていた。1840年当時の中国文明は、芸術、文学、学問、行政において、地球上のどの国よりも洗練されており、複雑かつ持続可能であった。出版される本の数、教育を受ける人の数、どれをとっても世界一であった。

皮肉なことに、イギリスは1870年代に中国の公務員制度を真似て、帝国を管理するための独自の公務員制度を作ったが、それは中国政府を内部から崩壊させた後に行われたのだ。
19世紀の鉄道、電信線、郵便制度、電灯の普及は、中国の主権を弱体化させ、中国人の統治能力を破壊することにつながった。従来の慣行を時代遅れで後進的と思わせ、政府の意思決定プロセスの大部分を外国の専門家(または海外で訓練を受けた中国人)が担うことを要求したのだ。中国はアヘン戦争の屈辱から50年の間に、文化、教育システム、そして最終的には政府の統制力も失ってしまった。
現在の生態系の危機と人類の文明の衰退を見れば、近代化イデオロギーのどれもが科学的真実に基づいていたのかどうか、疑問を抱かずにはいられない。
オンライン購入、ジオフェンシング*、QRコードの使用、5Gの推進、目に見えない企業権力によってコントロールされた様々なアプリケーションなどのテクノロジーが、近代化の名の下に至る所で実施されているのである。中国では、どのように政策が決定されるのか、透明性がない。
* 地図上にバーチャルなフェンスを設置する技術のこと。特定のフェンスの中に特定のユーザーや特定のモノが出入りした時に、システムからメッセージを送るなど、「モバイル端末のGPS機能」を活用し、予め決めた処理を自動的に行うシステム。
問題は権威主義の中国共産党に起因するのではなく、シスコ*、SAP**、アマゾンなどの多国籍企業が推進する自動化・デジタル化の推進による地方政府の民営化に起因しているのである。
* シスコ・システムズ。アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社。
** ドイツのヨーロッパ最大級のソフトウェア会社。そのシステムは企業における会計システム、物流システム、販売システム、人事システムなどからなり、それぞれがデータ的に一元化されているためにリアルタイムな分析が可能となる。

長沙で店舗が閉鎖されたのは、施設利用のためのCOVID-19に対する不明瞭な指令とQRコードの要求によるものだった。
中国は、世界征服をたくらむ謎めいた 「フー・マンチュー博士*」ではなく、中国における新自由主義的コンセンサスに対するあらゆる抵抗勢力を壊滅させようとする多国籍企業の犠牲者なのである。
* 傅満洲博士。イギリスの作家サックス・ローマーが創造した架空の中国人。西欧による支配体制の破壊を目指して陰謀をめぐらす悪人であり、東洋人による世界征服の野望を持つ怪人である。
清朝が、イギリス東インド会社や、王朝をほぼ崩壊させたおぞましい秘密キリスト教徒の太平天国の乱(1850-1864)などを秘密攻撃したことで非難されたように、今度は中国共産党が、外国の多国籍企業によって開発された全体主義の悪夢を作り出したことで非難を受けているのである。
中国社会が組織的にコントロールされて解体されたことを中国人のせいにするというこの悪巧みは、まさにアヘン戦争で大英帝国が採用した戦略そのものである。
もちろん、この犯罪的買収から利益を得ている中国共産党の腐敗した議員はたくさんいるが、最終的な権力者は中国政府ではない。
多くの教養ある中国人が海外移住を希望しているのは、イスラエルの下請け会社のノウハウを利用して、上海と成都をガザ地区にしている、抑圧的な「ゼロ・コロナ」ジオフェンスと接触者追跡が実施されているためである。 中国の変貌の本質を把握できている人は、実に少ない。
19世紀における英国の中国攻撃の第3段階は、ロンドンが少数者の利益のために支配する世界的な貿易・金融システムに、中国を統合することであった。
中国は明・清時代、食糧安全保障、経済的自立、地域経済を維持しようとする真っ当な懸念から、賢明にも大規模な外国貿易を避けていた。ところが、イギリスはアヘン戦争後、他の植民地主義勢力と同様に、中国に貿易協定で「不平等条約」を強要しただけでなく、上海などの都市で中国の知識人を新たに育成し、中国人が世界貿易と金融に参加することが「先進国」になる唯一の方法であると説いた。
中国の主要都市に住む富裕層は、自分たちの階級的利益をグローバル主義者と一体のものと考えている。彼らは心を鈍らせるAI教育を推進し、監獄社会文化を強制するスマートシティを主張し、中国人を外国のIT業者に依存させるオンライン環境を受け入れ、中国の「ガザ地区化」を意図するドローンやロボットの外国メーカーに広く門戸を開いているのである。
ウォーレン・バフェットのような寄生虫のような人物が、グローバリストに占領された中国のメディアに登場し、国民に経済の天才として紹介されている。中国の大学は、「近代化」を要求する企業からの圧力で、かつて標準的だった階級闘争と寄生的なグローバル金融に関する経済分析を放棄し、誤解を招くようなグローバリストの成長教義を支持している。
ジム・ロジャースやジョン・ソーントンのような億万長者階級や、ハーバードやスタンフォードの教授が意図的に中国人に媚を売ることが、この攻撃のカギを握っているのである。中国人は、国内外の企業メディアから、自分たちはすぐに欧米を追い越すだろう、中国は技術でリードしている、と言われている。Huawei*やXiaomi**は、欧米のえり抜きの専門家によって賞賛され、中国が将来の発展への希望を世界に与えていることを暗に示している。
* ファーウェイ。中華人民共和国 広東省深圳市に本社を置く通信機器大手メーカー。
** シャオミ。家電やスマホ、IoT プラットフォームを提供する世界的な中国の総合家電メーカー。
これらのお世辞の中には真実も混じっているが、その狙いは狡猾である。中国人は、21世紀の大国になりたいのであれば、国民を受動的で贅沢にし、高レベルのエネルギー消費を要求し、グローバリストが管理する貿易・物流システムへの依存度を高める、欧米の成功基準(成長、消費、輸出、デジタル化)を受け入れなければならないというプロパガンダ・キャンペーンにさらされているのである。
経済の究極の目標としての無限の成長の促進は、科学的根拠を欠いた政策であり、化石燃料の使用を増加させ、中国に有害な過剰生産を要求するだけである。捨てられたプラスチックは地面と海を汚染し、何千台もの不要な自動車とコンピュータが、欧米人が設定した成長目標を達成するために生産されているのである。
マルクス主義的経済分析
10月23日に開催された中国共産党第20期中央委員会全体会議は、中華人民共和国にとってマルクス主義経済理論が中心であることを明確に確認した点で特徴的であった。マスコミはすぐさま習近平主席を「歴史の流れに逆行する後進的な社会主義者」と攻撃した。中国が、ソ連が崩壊して、破綻したイデオロギーである共産主義を受け入れるとは、どういうことだろうか、と。
最近、ウィンストン・スミスは、そのエッセイ 「The Left's Grasp(左翼の掌握)」 の中で、世界経済の支配権を握ろうとする世界経済フォーラム全体の企ては、「共産主義」という製品であると論じた。グローバリストの支配に代わる実行可能な選択肢が、なぜかグローバリストの操り人形として信用されていない。
しかし、多国籍銀行のコンサルタントは、中国が「マルクス経済学」に戻ろうとするこの動きの脅威を評価するのに苦労はしなかった。
もし中国が、研究、メディア分析、経済政策において、マルクス主義の経済分析を適用し始め、階級闘争、イデオロギー操作、資本の誤用、過剰生産の乱用を強調することに成功すれば、まさにそうした手法が切実に求められている歴史的瞬間に、世界で唯一それが可能な国家となるだろう。
しかし、グローバリストは、中国がマルクス主義を分析に用いることを許さない。なぜなら、そうすれば、中国は経済的な意味だけでなく、知的な意味でも強国となりうるからである。
もう一つの危険は、マルクス主義の思想において、科学の重要性と、厳格な分析という科学的方法である。それは、カントとヘーゲルの認識論における近代科学の基礎に基づいている。
COVID-19の宣伝活動は、中国であれ米国であれ、科学を劣化させ、病院と医療専門家をグローバル金融の操り人形にし、医師を買収して非科学的な政策を支持させることによって可能になった。多くの場合、科学的手法に訴えることは犯罪と化している。
COVID-19は科学ではなく、支配階級の権威を「科学」と偽った「科学主義」である。市民が独自の行動によって科学的真実を確認する能力は禁止されている。
億万長者たちは、第20回総会で解き放たれた可能性に怯えている。グローバリストが中国人を支配するために用いるグローバル化、消費への自己陶酔、技術への崇拝は依然として残っているが、近代化の相対的価値は弱まっている。さらに、グローバリストを長年支持してきた李克強が中央委員会から排除されたことは、グローバリズムの見地から離れ、マルクス主義の伝統を回復しようとする中国共産党の闘いを示すものであった。
マルクス主義には明らかな弱点がある。しかし、億万長者がハーバード・ビジネス・スクールの教授に金を払って学生に教えているたわごとと比べれば、マルクス主義経済学は高度な科学である。もし中国が、経済とイデオロギーの矛盾の科学的分析に基づく世界的なマルクス主義運動を主導すれば、それは世界のあらゆる国で大衆に訴えることができるだろう。
真の解決策を見出す
現在の第三次アヘン戦争の背後にいる億万長者たちの究極の計画は、中国を始めとする世界の全ての市民を、お金の面ではグローバル銀行に、食料と雇用の面では多国籍企業に、他人との交流ではIT企業に依存させ、自動化によって雇用者として用なしにさせ、自宅に閉じ込めることである。

この人類に対する戦争の唯一の解決策は、第二次世界大戦後、新帝国主義者によって推進されてきた危険な開発成長モデルをすべて放棄し、農業と生産のための地域協同組合を創設し、行動の価値をお金ではなく、知恵、美徳、持続可能性で評価する文化を創造することである。
真に持続可能な文明への回帰は、今後千年間、全人類にとって最良のものを推進し、バイオファシズム、技術権威主義、あるいは大量虐殺による奴隷社会の創造を拒否することにより成し遂げられるものである。 中国の儒教や道教の思想、あるいは毛沢東のようなマルクスの中国的解釈は、真の意味での代替案を提供することができるだろう。
この攻撃に対する解決策は、アメリカ人と中国人の同盟である。それは、このふたつの国が感染したテクノ・ファシズム*に、つまり、アメリカ人が思想と金融を、中国人が製造と流通を支配することによって全世界に輸出されているものに、対抗できるのだ。
* ICT(情報通信技術)を使って、国民の個人の銀行口座や行動や居場所や思考などの個人情報を政府が一元管理し、統治の道具に使う政治的手法。
しかし、テクノ・ファシズムに対抗する中国とアメリカの強力な同盟は、現在の「新冷戦」工作によって、両国の間のいかなる交流も疑わしいものとなっているため、不可能である。
グローバル金融とIT専制の暗黒同盟が、両国を恐ろしい死の協定である「フランケンシュタイン同盟*」に組み込んでいるが、もし、良心のあるアメリカ人と中国人が、それに反対するために結集すれば、現在の第三次アヘン戦争をたちどころに阻止することができるだろう。まさにそのような運動を始める時が来たのだ。
* 自ら作りだした怪物に、自らが滅ぼされる米中の同盟、というほどの意味か。
筆者のエマニュエル・パストライヒは、ワシントンDC、ソウル、東京、ハノイにオフィスを持つシンクタンク、アジア・インスティテュートの代表を務めた。また、未来都市環境研究所の事務局長も務めている。2020年2月、無所属で米国大統領選への出馬を表明。
本記事の画像はすべてFear No Evilから引用している。
- 関連記事
-
- 中国での記者会見で英語による質問が一蹴された (2023/09/19)
- 中国、中央アジアで主導的役割を果たす (2023/07/17)
- ヨーロッパを魅了し続ける中国の「一帯一路」だが、テクノクラートたちは悲鳴を上げている (2023/06/06)
- すべての道は北京に通ず―2人の巡礼者の物語 (2023/04/27)
- マルクスの理論は、真理と共に今でも輝いている (習近平、2018年5月4日) (2023/04/27)
- 中国の「第三次アヘン戦争」 第2部:グローバル金融とIT専制 (2023/02/03)
- 中国の「第三次アヘン戦争」 第1部:COVID-19に関する対中攻撃の背後にある計画 (2023/02/03)
- 孔子はマルクスと結婚するだろうか? 中国政治における正統性の追求 (2023/01/23)
- 中国がイラクに進出しているが、米国のやり方とは違う (2022/01/06)
- バンク・オブ・アメリカの見立てでは、中国経済の規模は2035年には今の2倍になり、米国を凌ぐ可能性がある。 (2021/03/27)
スポンサーサイト