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西側支配者層は、自国の反ロックダウン抗議運動は否定しながら、中国での抗議活動を賞賛

<記事原文 寺島先生推薦>

Chinese anti-lockdown protesters earn the praise that eluded their Western peers

Establishment politicians and media outlets have praised the ‘freedom-loving’ Chinese, after demonizing those who spoke out against their own lockdowns

中国の反ロックダウン抗議運動が賞賛を得ているが、西側での同じような抗議運動は否定されてきた。
支配者層やメディアは、「自由を愛する」中国民を賞賛しているが、自国で同じような抗議の声をあげた人々は、悪者扱いしてきた。

筆者:レイチェル・マーズデン(Rachel Marsden)
Rachel Marsden is a columnist, political strategist, and host of independently produced talk-shows in French and English.

出典:RT

2022年12月2日

<記事翻訳 寺島メソッド飜訳グループ>

2022年12月28日


2022年11月27日(日)、中国の上海の路上で、抗議活動中に警官により警察車両に連れ込まれようとされている一人の抗議運動者©  AP Photo


 「市民たちが自分たちの主張を聞いてもらうことができるということ、さらに、非常に多くの人々に関係する、ある特定の問題について抗議活動を行っているということは、本当に重要なことです。権威主義的な国家で、政府が人民を管理している国なら特にそうです。もちろん、私たちはこれらの抗議運動者たちの側に立ちます」とカナダのジャスティン・トルドー首相は今週(11月最終週)、政府のゼロコロナ政策に反対する現在進行中の中国の抗議運動を受けてべた。

 トルドーはどこで支援をしただろうか?さかのぼること2020年の3月に、フランス在住の我々市民の同胞たちが、厳しい罰金で脅されて、2ヶ月間以上も家に閉じこもるよう命じられていた時には。当時、個人的な外出が認められたのは、決められた2~3の理由のうちのひとつの理由により外出許可を認可された人だけだったのに。

 外出が許される理由には、離れた場所からではできない仕事をすることや、食料品店に買い出しに行く(しかも、外で並んで待つ際はお互いの距離を確保するよう命じられていた)ことや、医者に診察に行くことや、家族のことで緊急に外出することなどがあった。運動のために1時間の外出は、一日一度なら認められていたが、家から周囲一キロ以内に制限されていた。

 トルドー首相と仲間である西側諸国の指導者たちは、程度の差はあれ、独自のゼロコロナ措置を採っていたのだ。しかし他国の政策を、市民を自宅監禁させ、市民から様々な権利を奪っていたことを理由に「専制的である」と非難する国は皆無だった。これらの措置により、各国の市民は、移動、集会、抗議活動、労働の自由が奪われ、さらには国の干渉を受けることなく自身の健康や幸福を追求する方法の決定権を剥奪されていたのにも関わらず、だ。

 トルドー首相自身、「フリーダム・コンボイ(輸送の自由)」運動への参加者や支援者たちに対して、緊急事態法を発動することまでしていた。この運動の参加者たちが要求していたのは、ワクチン接種者と非接種者を平等に扱い、同等に仕事や移動ができるようにすることであったが、トルドー首相は 運動の参加者たちをテロリスト扱いにし、参加者や支援者たちの銀行口座を閉鎖するよう命じたのだ。



関連記事:Anti-lockdown protests break out in China (VIDEOS)

 そして今、Covid関連の取締に反対する抗議運動が中国で発生するや、西側の支配者層は、これらの抗議運動に共感を示している。そんな共感は、同じような抗議運動をしていた自国の市民たちに対しては決して示してこなかった。「中国政府のゼロコロナ措置に反対するこれらの抗議運動の中心となっているのは、自由を求めている若い世代だ」と今週CNNは報じた。しかし2020年3月、ロックダウン措置を取ろうとしていたフランスについて、CNNは、「緊急を要しない外出は全て法律違反となり、罰金が課されることもある」とし、当然のこととして、「フランスは、マクロン大統領が、各種事業を保護した上でのロックダウンに入る」と報じていた。今年上旬、CNNは以下のように報じていた。「欧州内の声の大きい、規則無視のワクチン未接種の少数派の人々は、社会のはみだしものになりつつある」と。政府の厳格な対Covid政策からの自由を要求しているこのような人々が、突然、ただのフーリガン(サッカーにかこつけて暴動をおこす人々)扱いにされたということだ。 

 英国のディリー・メール紙は、先日、中国の抗議運動を中国における「Covid革命」だと持ち上げて報じていたが、2020年8月に、ロンドンの路上に、推定一万人の抗議運動者が繰り出し、ロックダウン措置や各種の強制措置に反対の声をあげた時は、これらの抗議運動者たちを「陰謀論者」だと蔑んでいた。

 スカイ・ニュースは中国でのこの抗議運動を、「何ヶ月にもわたって激しい制限を課されてきた多くの市民たちの堪忍袋の緒がついに切れたのだ」と報じていた。しかし2020年9月には、同社は英国で起こった抗議運動を、反ロックダウン派である陰謀論者的な変わり者がふざけているだけだ、と報じていた。 

 ドイツの国営放送局であるドイチェ・ヴィレは、中国での抗議活動を、「中国における素晴らしい転機」であり、「さらにこの先広がりつつある」と報じた。しかし同局は、ドイツ政府の対策に対するドイツ国内の抗議運動は、「不法」であり、「より好戦的な色彩を帯びつつある」と報じていた。


関連記事:China sets record for daily Covid-19 cases

 今週、私はフランスのテレビ局の報道を耳にしたが、それによると、一人の専門家が、中国政府が非難から逃れるために、西側諸国の干渉により、この抗議運動が行われていると主張しているとして、激しく攻撃していた。しかし、これらの専門家たちは、カナダ政府当局者たちを批判すべき時は、どこにいたのだろうか?当時 カナダ政府当局者たちは、抗議運動者たちが示していた懸念を不法行為だととらえ、このような行為は、米国の大衆迎合主義者たちが干渉しようとして利用している有効な手口に過ぎないと考えていたのではなかったか?それなのに、このような抗議運動は外国からの干渉によるものだと考えている政府が、中国政府となれば、そんな考え方は全く考慮に入れられなくなるということだ。

 西側メディアの報道も、中国当局が抗議運動参加者たちを逮捕したり、打ち叩いたりすることを集中砲火のごとく批判していた。そんな批判の声は、ここ数年で起こったフランスの抗議運動参加者たちが被害を受けた際、どこであがっていただろうか?フランスでは、政府の行き過ぎた措置に反対して抗議運動をしていた人々のうち、警察の取締で、少なくとも24名の人の目が失明させられ、5名の手が切断されている。

 今週、シャルル・ミシェル欧州理事会議長が北京に赴き、中国の習近平国家主席と面会した。この動きは、エネルギー供給危機とインフレに苦しみ、不安定な経済状況とエネルギー供給危機に置かれ、産業の空洞化の危険に喘いでいる欧州が、中国との貿易関係の発展を求めている中でのものだ。欧州当局者たちが同議長に託したのは、習近平総書記とCovid措置について話し合うことであるとポリティコ紙は報じている。 しかし、ミシェル議長にそんなことができる道理がどこにあるというのだろう?昨年ミシェル議長が欧州諸国に求めていたのは、ワクチン強制接種に反対する市民運動と戦うことだったのだから。

 自国の市民が立ち上がり、政府によってますます強化されている抑圧に反対しようとすれば、西側諸国の支配者層は迅速に対応して、これらの抗議運動参加者を非難し、自称民主主義(しかし実際のところは民主主義でもなんでもない)のもと保証されているはずの基本的人権を剥奪しようとしている。 それなのに同じような状況が中国で展開されれば・・・。結局、自由を求める声の拡散は止められない、ということですね。

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