USSA(アメリカ社会主義合衆国)に生まれて?
アメリカは、ネオコンがベネズエラで体制転覆を謀っているときに、
社会主義に寄り添おうとしている。
Born in the USSA? Americans cozy up to Socialism as Neocons pursue regime change in Venezuela
RT Home/Op-ed/ 2019年3月16日
(翻訳:新見明 2019年5月19日)
<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/453996-socialism-americans-neocons-venezuela/
ロバート・ブリッジ
ロバート・ブリッジはアメリカの作家でありジャーナリスト。元モスクワ・ニュースの編集長。彼は『アメリカ帝国の闇』(2013年)の著者である。
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ニューヨーク市のメーデー抗議デモ© AFP / Getty Images / Spencer Platt
資本主義は、アップルパイや野球と同様、伝統的にアメリカ人の心になじみ深いものである。しかし社会主義が若者たちを獲得しつつあると言われる。彼らはカラカスの店の棚が空っぽだという大手メディアの報道を見落としたのか。
ベネズエラ大統領ニコラス・マドゥーロは、アメリカやその同盟国に脅されていたが、今週、アメリカからの報道を読んで、彼は愉快に大笑いした。ワシントンが、民主的に選ばれたベネズエラの社会主義政権の転覆を決意して、既に操り人形の指導者を待機させているとき、新たな世論調査では、18歳から24歳のアメリカ人の61%が、「社会主義」に対して好意的な態度をもっていることを示していた。
同じ統計調査では、資本主義は、大恐慌や大不況やジェフ・ベゾス[アマゾンのCEO]にもかかわらず嵐を乗り切ってきて、58%が好意的態度を示した。
全体で、アメリカ人の39%が、社会主義に対して好意をよせている。
この明かな社会主義への意見の転換は、カラカスを情け容赦なく痛めつけるワシントンの体制転覆マシーンに、ブレーキをかけるだろうか。アメリカ国家安全保障アドバイザーのジョン・ボルトンが、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアのラテンアメリカ政府を「トロイカ独裁政治」と呼ぶとき、彼はアメリカを第四の車輪に加えざるをえないだろうか。気長に待った方がよさそうだ。
ボルトンは去年、「恐怖のトライアングルは・・・膨大な人間的苦痛の原因となり、巨大な地域不安定化を推し進める力となっている。そして"西半球における共産主義"の不潔なゆりかごをつくり出すのだ」と、カラカスに対して全力で攻撃しながら語った。
もしアメリカが、本当に働き蜂のパラダイスで、その民主的理想を外国に押しつけるほど自信があるなら、では何故こんなに多くのアメリカ人が資本主義の船を見捨てようとしたり、少なくとも社会主義的理想を見直しているのだろうか。恐らく、自由市場経済の終わりなき不安定性に代わるべきものとして社会主義には何かがあるのだろう。
アメリカの大学生卒業生の苦境を考えてみよう。ここに資本主義の喜びにケチをつける統計がある。このグループが就職し、住宅のローンや車の支払いに契約する前に、恐らく家族をもつ前に、彼らはすでに膨大な授業料の支払いを抱えている。
現在、約4400万のアメリカの若者が、およそ1.5兆ドルという奨学金ローンを抱えている。アメリカ人がクレジット・カードの乱用で抱えている額より遙かに大きな狂った額である。2017年の平均的卒業生は、ほぼ4万ドルの奨学金返済を抱えている。ところが彼らの多くは、就活でも多くの問題を抱えているのだ。
ではアメリカの状況と北欧諸国と比べてみよう。北欧の学生は、外国人学生も同様、まったく無償で公立大学で学んでいる。実際、はるかスカンジナビア諸国を見るまでもなく、カリブ海のベネズエラ「独裁国家」でも授業料は無料で、すべての人に無償教育が特権ではなく、人権として考えられているのだ。
アメリカ資本主義の共食い競争社会のもう一つの面は、医療面で非常に多くの人々を悩ませていることだ。健康保険制度は、実際、医者や病院、保険会社、製薬会社、そして株主達が利益をむさぼる激しい戦場である。そこで患者は資産を不当にもぎ取られ、犠牲者となっている。驚くなかれ、多くのアメリカ人が薬や治療のために、メキシコやカナダに旅をすることを選んでいるが、祖国へ戻る余裕もないのだ。恐らく、トランプがメキシコ国境に壁を建設したい本当の理由は、アメリカ人を外国の安い医療から遠ざけるためなのだ。
この巨大な産業を修復しようとする最後の努力は、オバマケアであった。それは病気をさらに悪化させる治療である事が判明した。シカゴ大学の大規模な研究が示すところでは、アメリカ人の47%が、医者や歯科医の予防的治療を、法外な費用のため避けていることであった。
だから、政治的観点からみると、もはや共和党も民主党も、何百万人というアメリカ人の経済的苦境を無視することはできなくなっている。特にZ世代や2000年世代を構成する人々を。このグループは有権者の37%である。それは2020年の可能性がある大統領選挙でかなりの部分を占めるだろう。いま二大政党は、これらの懸念に取り組むために、ぎこちない歩みをしている。
[訳注:「Generation Z(Z世代)」は1990年代半ばから2000年代前半生ま
れの世代を指し、省略して「Gen Z」または「Gen Zers」と呼ばれる。
年齢で言えば現在13歳の中学生から22歳の大学生くらいまでで、
その上が20代半ばから30代後半の「ミレニアル世代(Generation Y)」
となる。Z世代はすでにアメリカ人口の25.9%を占め、現時点でアメリカ
の最大層だ。]
https://mag.sendenkaigi.com/senden/201709/us-admarketing/011440.php
77歳のバーニー・サンダースを見よ。このバーモント州出身の「独立民主社会主義者」は、ホワイトハウスを狙っているとき、民主党と「忠誠の誓い」にサインした。サンダースは「リムジン・リベラル」階級のメンバーで、大風呂敷を広げ、お金持ちを厳しく批判しているが、個人的には、資本主義労働者の果実を享受しているのだ。バーニーは2016年の民主党予備選挙でヒラリーに負けた後、どうやって自分を慰めたのか。彼はチャンプレイン湖の浜辺に、3番目の家を買いに出かけていったのだ。しかしサンダース支持者にとって、彼の本当の罪は、彼がヒラリー・クリントンを支持したときだ。その動きは彼が民主党の懐の中にいるだけでなく、中産・下層階級のために強く立ち上がる気はないということだった。
そこで29歳のニューヨーク州出身の新人上院議員アレクサンドリア・オカシオ・コルテスがいる。彼女はいわゆる「グリーン・ニューディール」を展開したが、もしそれが実施されれば、飛行機旅行が不必要となるような規模で高速鉄道を建設するという。それは近視眼的イニシアティブで、アメリカをどうしても発展途上国に変えてしまうだろう。明らかにオカシオ・コルティスは、支持者の中ではわかっているが、世界はアメリカの国境で始まり、そしてアメリカの国境で終わると考えている。「投資家のビジネス・デイリー紙」は彼女の計画を「環境社会主義への呼びかけ」で、それはすべての経済を政府が乗っ取ることになると非難した。
一方、共和党は、「敵が失策をおかしているときに、決して敵の邪魔をしてはいけない」という金言を堅持している。共和党がアメリカ政治に起きている地殻変動を理解する唯一のヒントは、トランプが先月の年頭教書演説で言ったように、「我々はアメリカが決して社会主義国にならないという決意を新たにしよう」ということだ。その声明に対して多くの者が拍手喝采したが、サンダースやオカシオ・コルティスやナンシー・ペロシを含めて多くの民主党員は、立ち上がりも拍手もしなかったことは注目しないわけにはいかない。
このことは次の疑問につながる。アメリカは実際、新たに登場したベネズエラのネメシス(天罰を加える神)のように、社会主義国家としての明るい朝を迎えることができるのだろうか。そして恐らく、さらに適切に言えば、アメリカは社会主義の道を採用するべきなのか。この問題に関して意見は大きく分かれるだろう。左派によって提出された無償教育、すべてのための健康保険制度のように魅力的アイディアがあるのに、何百万人というアメリカ人は社会主義のメリットを享受していない。それは共産主義のようなアメリカのひどい報道のためだ。それは驚くべきことではない。どの企業も、巨大な経済の草刈り場で私的所有制度から膨大な利益を失いたくないのだ。しかし調査が示すように、さらに多くのアメリカ人が、政府により強く経済のコントロールをして欲しいと思っているのだ。
ここでは、物事は徹底的に危険になっている。まず認めなければならないことは、アメリカの政治的・文化的現状は「薄暮地帯」の暗闇に入ったことだ。何か本当に奇妙なものがアメリカ人の心を捕らえている。それは肉食ウィルスに似ていなくもなく、「社会正義の戦士」がいて、他のすべてに彼らの世界観を押しつけることが本来の権利と義務であると考えている。しかし同時に、そのことに関する議論はすべてシャットアウトする。このことは大学のキャンパスや国中の会合で何度となく見られた。しかしそれに付け加えて、ここで見たように我々の高等教育機関で、今日教えられていることを考慮しなければならない。その多くは、はっきりと社会主義計画を推進するコースからなっている。
この「暴政の光」という過激な宣言は、「父権制」や「白人優越主義」への、そしてマンハッタンの大物ドナルド・トランプに関するほとんどすべて、つまり資本主義そのものの人格化への攻撃が進行していることに見ることができる。
さあ、このすべての鬱積した政治的憎しみと、アイデンティティ政治の新たな波との混乱を一緒に混ぜてみよう。アイデンティティ政治は、人々がなりたいと思う者に誰でもなれると教える。たとえ生物学が違うと言っても。そしてあなた方は何百万の抑圧された個人がいつか、彼らもお金持ちになれ、そして必要な手段が何であれ、彼らが彼らであると信じるものに向かって進むという状況である。言い換えれば、歴史は根本的に新たな状況でも繰り返すということである。アメリカ資本主義制度の平等や公正さをある程度望むのであれば、そこでは何百万の周辺化された人々が、経済の裂け目からひどい貧困にいつも落ちこぼれているが、そのリスクを軽減するための手段が今とられなければ、まったく望ましくないものになってしまう。その場合、ベネズエラ大統領マドゥーロは、結局、静かな絶望の中であえいでいるアメリカの周辺化された階級に、彼自身の同盟者を見つけることになるかもしれない。
@Robert_Bridge
RT Home/Op-ed/ 2019年3月16日
(翻訳:新見明 2019年5月19日)
<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/453996-socialism-americans-neocons-venezuela/

ロバート・ブリッジはアメリカの作家でありジャーナリスト。元モスクワ・ニュースの編集長。彼は『アメリカ帝国の闇』(2013年)の著者である。
Get short URL

ニューヨーク市のメーデー抗議デモ© AFP / Getty Images / Spencer Platt
資本主義は、アップルパイや野球と同様、伝統的にアメリカ人の心になじみ深いものである。しかし社会主義が若者たちを獲得しつつあると言われる。彼らはカラカスの店の棚が空っぽだという大手メディアの報道を見落としたのか。
ベネズエラ大統領ニコラス・マドゥーロは、アメリカやその同盟国に脅されていたが、今週、アメリカからの報道を読んで、彼は愉快に大笑いした。ワシントンが、民主的に選ばれたベネズエラの社会主義政権の転覆を決意して、既に操り人形の指導者を待機させているとき、新たな世論調査では、18歳から24歳のアメリカ人の61%が、「社会主義」に対して好意的な態度をもっていることを示していた。
同じ統計調査では、資本主義は、大恐慌や大不況やジェフ・ベゾス[アマゾンのCEO]にもかかわらず嵐を乗り切ってきて、58%が好意的態度を示した。
全体で、アメリカ人の39%が、社会主義に対して好意をよせている。
READ MORE: Don’t forget to file your taxes, America, because Amazon paid ZERO to Uncle Sam last year! アメリカよ、あなたの税金のファイルを忘れるな。アマゾンは去年アメリカに1円も払っていないのだ。 |
この明かな社会主義への意見の転換は、カラカスを情け容赦なく痛めつけるワシントンの体制転覆マシーンに、ブレーキをかけるだろうか。アメリカ国家安全保障アドバイザーのジョン・ボルトンが、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアのラテンアメリカ政府を「トロイカ独裁政治」と呼ぶとき、彼はアメリカを第四の車輪に加えざるをえないだろうか。気長に待った方がよさそうだ。
Read more![]() スラボイ・ジジェック:サンダースの左派批評家は、体制を恐れて、社会主義のない社会主義を提案する。 |
ボルトンは去年、「恐怖のトライアングルは・・・膨大な人間的苦痛の原因となり、巨大な地域不安定化を推し進める力となっている。そして"西半球における共産主義"の不潔なゆりかごをつくり出すのだ」と、カラカスに対して全力で攻撃しながら語った。
もしアメリカが、本当に働き蜂のパラダイスで、その民主的理想を外国に押しつけるほど自信があるなら、では何故こんなに多くのアメリカ人が資本主義の船を見捨てようとしたり、少なくとも社会主義的理想を見直しているのだろうか。恐らく、自由市場経済の終わりなき不安定性に代わるべきものとして社会主義には何かがあるのだろう。
アメリカの大学生卒業生の苦境を考えてみよう。ここに資本主義の喜びにケチをつける統計がある。このグループが就職し、住宅のローンや車の支払いに契約する前に、恐らく家族をもつ前に、彼らはすでに膨大な授業料の支払いを抱えている。
現在、約4400万のアメリカの若者が、およそ1.5兆ドルという奨学金ローンを抱えている。アメリカ人がクレジット・カードの乱用で抱えている額より遙かに大きな狂った額である。2017年の平均的卒業生は、ほぼ4万ドルの奨学金返済を抱えている。ところが彼らの多くは、就活でも多くの問題を抱えているのだ。
ではアメリカの状況と北欧諸国と比べてみよう。北欧の学生は、外国人学生も同様、まったく無償で公立大学で学んでいる。実際、はるかスカンジナビア諸国を見るまでもなく、カリブ海のベネズエラ「独裁国家」でも授業料は無料で、すべての人に無償教育が特権ではなく、人権として考えられているのだ。
アメリカ資本主義の共食い競争社会のもう一つの面は、医療面で非常に多くの人々を悩ませていることだ。健康保険制度は、実際、医者や病院、保険会社、製薬会社、そして株主達が利益をむさぼる激しい戦場である。そこで患者は資産を不当にもぎ取られ、犠牲者となっている。驚くなかれ、多くのアメリカ人が薬や治療のために、メキシコやカナダに旅をすることを選んでいるが、祖国へ戻る余裕もないのだ。恐らく、トランプがメキシコ国境に壁を建設したい本当の理由は、アメリカ人を外国の安い医療から遠ざけるためなのだ。
Read more![]() Dissecting the jingoistic media coverage of the Venezuela crisis ベネズエラ危機への盲目的愛国主義メディア報道を分析する |
この巨大な産業を修復しようとする最後の努力は、オバマケアであった。それは病気をさらに悪化させる治療である事が判明した。シカゴ大学の大規模な研究が示すところでは、アメリカ人の47%が、医者や歯科医の予防的治療を、法外な費用のため避けていることであった。
だから、政治的観点からみると、もはや共和党も民主党も、何百万人というアメリカ人の経済的苦境を無視することはできなくなっている。特にZ世代や2000年世代を構成する人々を。このグループは有権者の37%である。それは2020年の可能性がある大統領選挙でかなりの部分を占めるだろう。いま二大政党は、これらの懸念に取り組むために、ぎこちない歩みをしている。
[訳注:「Generation Z(Z世代)」は1990年代半ばから2000年代前半生ま
れの世代を指し、省略して「Gen Z」または「Gen Zers」と呼ばれる。
年齢で言えば現在13歳の中学生から22歳の大学生くらいまでで、
その上が20代半ばから30代後半の「ミレニアル世代(Generation Y)」
となる。Z世代はすでにアメリカ人口の25.9%を占め、現時点でアメリカ
の最大層だ。]
https://mag.sendenkaigi.com/senden/201709/us-admarketing/011440.php
77歳のバーニー・サンダースを見よ。このバーモント州出身の「独立民主社会主義者」は、ホワイトハウスを狙っているとき、民主党と「忠誠の誓い」にサインした。サンダースは「リムジン・リベラル」階級のメンバーで、大風呂敷を広げ、お金持ちを厳しく批判しているが、個人的には、資本主義労働者の果実を享受しているのだ。バーニーは2016年の民主党予備選挙でヒラリーに負けた後、どうやって自分を慰めたのか。彼はチャンプレイン湖の浜辺に、3番目の家を買いに出かけていったのだ。しかしサンダース支持者にとって、彼の本当の罪は、彼がヒラリー・クリントンを支持したときだ。その動きは彼が民主党の懐の中にいるだけでなく、中産・下層階級のために強く立ち上がる気はないということだった。
そこで29歳のニューヨーク州出身の新人上院議員アレクサンドリア・オカシオ・コルテスがいる。彼女はいわゆる「グリーン・ニューディール」を展開したが、もしそれが実施されれば、飛行機旅行が不必要となるような規模で高速鉄道を建設するという。それは近視眼的イニシアティブで、アメリカをどうしても発展途上国に変えてしまうだろう。明らかにオカシオ・コルティスは、支持者の中ではわかっているが、世界はアメリカの国境で始まり、そしてアメリカの国境で終わると考えている。「投資家のビジネス・デイリー紙」は彼女の計画を「環境社会主義への呼びかけ」で、それはすべての経済を政府が乗っ取ることになると非難した。
一方、共和党は、「敵が失策をおかしているときに、決して敵の邪魔をしてはいけない」という金言を堅持している。共和党がアメリカ政治に起きている地殻変動を理解する唯一のヒントは、トランプが先月の年頭教書演説で言ったように、「我々はアメリカが決して社会主義国にならないという決意を新たにしよう」ということだ。その声明に対して多くの者が拍手喝采したが、サンダースやオカシオ・コルティスやナンシー・ペロシを含めて多くの民主党員は、立ち上がりも拍手もしなかったことは注目しないわけにはいかない。
このことは次の疑問につながる。アメリカは実際、新たに登場したベネズエラのネメシス(天罰を加える神)のように、社会主義国家としての明るい朝を迎えることができるのだろうか。そして恐らく、さらに適切に言えば、アメリカは社会主義の道を採用するべきなのか。この問題に関して意見は大きく分かれるだろう。左派によって提出された無償教育、すべてのための健康保険制度のように魅力的アイディアがあるのに、何百万人というアメリカ人は社会主義のメリットを享受していない。それは共産主義のようなアメリカのひどい報道のためだ。それは驚くべきことではない。どの企業も、巨大な経済の草刈り場で私的所有制度から膨大な利益を失いたくないのだ。しかし調査が示すように、さらに多くのアメリカ人が、政府により強く経済のコントロールをして欲しいと思っているのだ。
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ここでは、物事は徹底的に危険になっている。まず認めなければならないことは、アメリカの政治的・文化的現状は「薄暮地帯」の暗闇に入ったことだ。何か本当に奇妙なものがアメリカ人の心を捕らえている。それは肉食ウィルスに似ていなくもなく、「社会正義の戦士」がいて、他のすべてに彼らの世界観を押しつけることが本来の権利と義務であると考えている。しかし同時に、そのことに関する議論はすべてシャットアウトする。このことは大学のキャンパスや国中の会合で何度となく見られた。しかしそれに付け加えて、ここで見たように我々の高等教育機関で、今日教えられていることを考慮しなければならない。その多くは、はっきりと社会主義計画を推進するコースからなっている。
この「暴政の光」という過激な宣言は、「父権制」や「白人優越主義」への、そしてマンハッタンの大物ドナルド・トランプに関するほとんどすべて、つまり資本主義そのものの人格化への攻撃が進行していることに見ることができる。
さあ、このすべての鬱積した政治的憎しみと、アイデンティティ政治の新たな波との混乱を一緒に混ぜてみよう。アイデンティティ政治は、人々がなりたいと思う者に誰でもなれると教える。たとえ生物学が違うと言っても。そしてあなた方は何百万の抑圧された個人がいつか、彼らもお金持ちになれ、そして必要な手段が何であれ、彼らが彼らであると信じるものに向かって進むという状況である。言い換えれば、歴史は根本的に新たな状況でも繰り返すということである。アメリカ資本主義制度の平等や公正さをある程度望むのであれば、そこでは何百万の周辺化された人々が、経済の裂け目からひどい貧困にいつも落ちこぼれているが、そのリスクを軽減するための手段が今とられなければ、まったく望ましくないものになってしまう。その場合、ベネズエラ大統領マドゥーロは、結局、静かな絶望の中であえいでいるアメリカの周辺化された階級に、彼自身の同盟者を見つけることになるかもしれない。
@Robert_Bridge
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