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ウクライナ戦争はアメリカ製―ロシアに軍事的対応を強いた米国

<記事原文 寺島先生推薦>

The War in Ukraine: Made in Washington Not Moscow

筆者:マイク・ホイットニー(Mike Whitney)

出典:Global Research

2022年10月24日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年11月16日



「あなた方はまだ危機感を抱いていません。それが心配です。世界が取り返しのつかない方向に引っ張られているのがわからないのですか。

その一方で、あなたがたは何も起こっていないふりをしています。もう、どうしたらいいのか、わたしにはわかりません。」
 

ロシア大統領 ウラジーミル・プーチン、YouTube、12分の動画 

 「ロシアは核兵器を厳戒態勢に置いています。。これは本当に重要な状況の進展です。彼らは.....非常に強力な合図を送ってきているのです。もし我々が勝ち始め、ロシアが負け始めたら、私たちが話していることを理解する必要があります。ここでやっていることは核武装した大国を―彼らはいま起こっていることを実存的脅威*とみなしています―追い詰めることなのです。これは本当に危険なことです。 
    *自分の国の存続が脅かされている状況

 キューバ危機を思い出してください。キューバ危機で起こったことが、ロシアにとって今回の状況ほど脅威的だったとは思えません。しかし、当時を振り返って米国の意思決定者が何を考えていたのかを見てみると、彼らはひどく怯えていたのです"。



ミアシャイマー:「ロシアを追い込む」ことの危険性。ツィッター上の動画の1分19秒の部分を参照

 プーチンは、西側の国境であるウクライナにワシントンの核ミサイルが駐留することを望んでいない。安全保障上の理由から、彼はこれを許すことができない。彼はこのことを何度も何度も辛抱強く明言してきた。開戦の1カ月以上前、2021年12月21日に彼が言ったように。

 「米国とNATOのミサイルシステムがウクライナに配備された場合、モスクワまでの飛行時間はわずか7~10分、極超音速システムなら5分にまで短縮される。

 アメリカの大統領は、潜在的な敵対国がメキシコとアメリカの国境沿いの場所に核ミサイルを配備することを許さないだろう。国家安全保障に対する危険があまりにも大きすぎるからだ。

 実際、アメリカだったら平然とミサイル基地を武力で撤去するだろう。私たちは皆、それを知っている。では、なぜロシアには同じ基準が適用されないのだろうか。関係者全員が何が問題なのかを知っており、「近隣諸国の犠牲の上に自国の安全を向上させない」ことを約束する条約に署名していることを知っているのに、なぜ政策立案者はアメリカやNATOの側に立つのだろうか。これは、カクテルを飲みながら気軽に交わした意味のない「口約束」ではなく、署名者が守るべき条約に署名した約束なのである。(注:米国とNATOに加盟するすべての国は、1999年のイスタンブール*と2010年のアスタナ**で、他国を犠牲にして自国の安全を向上させないことを規定した条約に署名している)。NATOの拡大がウクライナの安全保障を強化し、ロシアの安全保障を弱体化させることは疑いようがない。それだけは議論の余地がない。そして、これは単なる条約違反ではなく、宣戦布告に等しい明確な挑発行為である。レイ・マクガバンによる記事からの抜粋をご覧いただきたい。この記事は、西側メディアによって省略されてきたいくつかの重要な詳細について光を当てている。
    *トルコで最大の都市  **カザフスタンの首都

 「ウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアが直面していると信じる存亡の危機について何度も警告してきた。というのも、西側の国境沿いにはロシアがトマホークのような「攻撃型ミサイル」と呼ぶものがあり、そしていずれは極超音速ミサイルまで配備されようとしているからである。

 いわゆる「ABM*基地」がルーマニアにはすでに設置され、ポーランドでも完成間近になっており、コンピューターディスクを挿入すれば、一晩でトマホークと極超音速ミサイルを格納できる。6年前に西側のジャーナリストの小グループに行った異例の口頭説明で、プーチン自身がこのことをはっきりと示していた。(このビデオの最初の10分間を視聴ください)。
    *弾道弾迎撃ミサイル。Anti-Ballistic Missile

 2021年12月21日、プーチン大統領は軍の最高指導者たちにこう言った。

 「米国の地球規模の防衛システムの要素がロシアの近くに配備されていることは、極めて憂慮すべきことだ。ルーマニアにあり、ポーランドに配備される予定のMk41発射機は、トマホーク攻撃ミサイルの発射に適合している。この基礎設備がこのまま進み、米国やNATOのミサイルシステムがウクライナに配備されれば、モスクワまでの飛行時間はわずか7~10分、極超音速システムなら5分程度で済むようになる。これは、私たちにとって、私たちの安全保障にとって大きな挑戦である。」

 2021年12月30日、バイデンとプーチンは、プーチンの緊急要請により電話で会談した。クレムリンの情報提示ではこうなっている。

 「ジョセフ・バイデンは、ロシアとアメリカがヨーロッパと全世界の安定を確保するための特別な責任を共有しており、ワシントンがウクライナに攻撃型打撃兵器を配備する意図はないことを強調した。」 プーチンの外交政策最高顧問であるユーリ・ウシャコフは、これはモスクワが米国とNATOへの安全保障の提案で達成したい目標の一つでもあると指摘した。

 ...2022年2月12日、ウシャコフは、その日の早い時間に行われたプーチンとバイデンの電話会談についてメディアに報告した。

 「この電話は、再確認のようなものであった...12月30日の電話会談の...。ロシア大統領は、バイデン大統領の提案が、NATOの非拡張に関しても、ウクライナ領土への攻撃兵器システムの非展開に関しても、ロシアによる提案の中心的で重要な要素に真面目に対応していないことを明らかにした... これらの項目に対して、我々は意味のある返答を受け取ってはいない。」

 2022年2月24日、ロシアはウクライナに侵攻した。なぜ多くのアメリカ人が「(この侵攻には)正当な理由がない」という大嘘を信じるのか、私にはわかる。彼らはただ単に知らされていないだけなのだ。(「情け容赦なき攻撃の対象:キューバ危機のときのケネディ、そしてウクライナ戦争のプーチン」、レイ・マクガバン、antiwar.com)

 これは何を意味するのだろうか。

 バイデンは当初の約束から手を引いたということだ。ロシアが侵攻する前に、プーチンのささやかで正当な安全保障上の要求を考慮することさえ拒否したということである。NATOの拡大の脅威、特にロシア西部の国境にある致命的なミサイルの脅威は、プーチンに自らの安全保障の盾を確立するために軍事的に対応する以外の選択肢を与えないことを、ワシントンは知っていたということである。プーチンはこのように要約している。

 「我々は誰も脅かしたりしていない。これ以上NATOの東方への拡大は受け入れられないということを明確にしたのだ。これに関して不明瞭なところはどこもない。我々は米国の国境にミサイルを配備していないが、米国はわれわれの家の玄関にミサイルを配備している。私たちは多くを求めすぎているのだろうか? 私たちが望んでいるのは、ただ、彼らが私たちの家に攻撃システムを配備しないことだけなのだ。それを理解することはそんなに難しいのだろうか?(「ロシアのプーチン、米国は私たちの家の玄関先にミサイルを駐留させている」、YouTube、開始時間:48秒)



 合理的に考える人なら誰でも、プーチンは頭に銃を突きつけられていて、同じような状況で「責任あるリーダーならすること」をしなければならなかったと結論づけるだろう。

 しかし、プーチンは「責任ある指導者なら誰でもすること」をしなかった。それどころか、彼は待ったをかけた。しかし、ウクライナのNATO加盟という脅威は、侵攻のきっかけとなる罠とはならなかった。プーチンが侵攻せざるを得なかったのは、ウクライナ東部のドンバスと呼ばれる地域で、ロシア系市民が砲撃されたからだ。以前の記事で述べたとおりである。

 何が実際には起きていたのか?

 2月16日、ロシア軍侵攻のちょうど8日前のことだが、ドンバスへの砲撃は激増し、その後1週間にわたり着実に強化され、「2月22日には1日2000発以上」という規模にまで達した。これらの砲撃の大半は、最前線にいた欧州安全保障協力機構(OSCE)の監視団によって毎日の要約の中に記録されていた。言い換えれば、ウクライナ軍が自国民の住む地域に対して大規模な砲撃を行った証拠を文書化し、訓練を受けた専門家が記録したものである。今日に至るまで、この文書化された証拠の目録に異議を唱えた研究者は一人もいない。にもかかわらず、メディアは証拠が存在しないかのように装っている。彼らはその砲撃を完全に消し去ったのだ。そして歴史的記録を完全に無視したワシントン中心主義的な出来事を作り上げたのだ。 (「私たちの中にはロシアの侵攻を「侵略」と考えない人もいる」, Unz Review)    

 私たちが言ったように、これがロシア侵攻の引き金となった罠である。この「特別軍事作戦」は、基本的に国家安全保障上の緊急課題と密接に結びついた救出作戦であった。いずれにせよ、戦争の近因は、NATOの拡大ではなく、ドンバスの民間人地区への砲撃にあったのである。

 今週、イタリアのベルルスコーニ元首相の秘密録音がインターネット上で公開され、ロシアの侵攻に至るまでの出来事に関する我々の見解が、事実上正確であることが確認された。マリア・タデオのTwitterアカウントに掲載されたこの文章をご覧ください。



 以下は、RTの記事からの引用だ。

 イタリアの元首相は、ロシアとの対立を煽ったとしてキエフを非難したと報じられた...。

 イタリアの元首相シルヴィオ・ベルルスコーニは、キエフがウクライナ東部の和平計画(ミンスク条約)を反故にしてロシアとの紛争を誘発したと主張していると、メディアに提供されたテープが示唆している...火曜日に、ベルルスコーニはフォルツァ・イタリア党員に向けて、ウクライナ危機の起源についての視点を提供したと伝えられている。それは「隣国に対するロシアによる正当な理由のない侵略」というNATOが好むシナリオと衝突するものだった..

 その音声の一部分では、ベルルスコーニがキエフがドネツクおよびルガンスク人民共和国との和平協定を何年も守れなかったと非難しているのが聞こえる。2019年にウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が政権を握ると、彼はこの地域への攻撃を「3倍」にしたと、この政治家は述べている。

 ドネツクとルガンスクはモスクワの保護を求めた、と彼は続けた。ロシアのプーチン大統領はウクライナに軍隊を送り込み...」(「ベルルスコーニ、ウクライナに関するNATOのシナリオをつぶす―メディア」、RT通信社)。

 ベルルスコーニをあなたがどう評価するかは別にしても、彼の言い分は欧州安全保障協力機構(OSCE)の監視員が作成した砲撃激化の報告と完全に一致する。(なぜメディアは、この歴然とした信用できる主張を調査しなかったのだろうかと不思議でならない。これは「ウクライナで戦争を始めたのは本当は誰なのか」という公式見解に考慮すべき疑問を投げかけるものだからだ。

 ダグラス・マクレガー大佐は、最近のYou Tubeのインタビューで、プーチンがウクライナで包囲されているロシア系民族の安全を確保するために、米国とEUに事態の収拾と暴力の停止を訴え、あらゆる努力をした」と説明し、「しかし、プーチンの要請は聞き入れられなかった」と総括している。

 「プーチンは、この大きな多民族国家の中で、ロシア国民はウクライナ国民と同じように法の下で平等に扱われるべきだということを、イギリス、フランス、ドイツ、そして我々に必死に理解してもらおうとした。(しかし)ゼレンスキーたちは『いやだ。我々と同じになるか、ここから出て行くかだ』と言った。そしてその結果、この悲劇的な(ロシアの)介入を招いた...。

 ロシアは「ウクライナを征服する」ことにも、キエフに駆け込んで「銃を突きつけて平和にする」ことにも、まったく興味がなかった。しかし、今、ゼレンスキーが強権的になり、彼の黒幕も強権的になったのは、我々(米国)が『ロシアを血祭りに上げる』と決めたからだ。我々はロシアを制裁し、その経済を破壊するつもりだった。何十万人ものロシア人を殺し、最終的にはロシアを我々の意志に従わせ、より全世界的なアメリカ支配の金融システムの臣民とするつもりだった。

 しかし、それはうまくいかなかった。制裁はすべて裏目に出た。今、絶望的な問題を抱えているのは、ヨーロッパの同盟国である。我々も絶望的な問題を抱えているが、それはヨーロッパほど深刻ではない。その上、我々はロシア軍を破壊することに全く成功していない。ロシア軍は非常によくまとまっており、先ほど申し上げたように、現在、南部では戦力の節約作戦が展開されていて、ミンスクからロシア西部に向かって軍隊が大規模に増強されているが、それはいずれは (おそらく) 地面が凍ったときに開始されるだろう。なぜなら、そのような地形で作戦を展開するにはその時期が最適だからだ。

 先に、これが何であるかをお話した。ロシアを滅ぼそうとする試みがあるのだ。ロシアはヨーロッパのような道を歩むことを拒否しているので、排除しなければならない血の敵とすることにしたのだ。(「大規模な戦力の増強」、ダグラス・マグレガー大佐。 You Tube、3分)



 これほど真実味のある言葉はない。アメリカは、ロシアを血の敵とすることを決めた。なぜなら、ロシアは踵を返して言われたとおりにすることを拒否しているからだ。ロシアは、崇高な「規則に支配された組織」の中で、もう一つの鼻持ちならない小間使いになることを拒否しているのだ。

 だから今、我々はロシアとの本格的な地上戦に入っている。この戦争は、ワシントンによって企てられ、扇動され、資金を供給され、指導され、細かく管理されたものである。この戦争は、イラクやアフガニスタンがワシントンの戦争であったのと同様に、いかなる客観的基準においても、ワシントンの戦争である。今回の違いは、敵は自らを守ることができるだけでなく、米国本土をくすぶる瓦礫の山にする手段を持っていることだ。最近、プーチンの発言が思い出されるが、マスコミはこれを見逃したようだ。プーチンはこう言った。

 「我々は持てる全ての力と資源で国土を守り、国民の安全を確保するために出来る限りのことをする。」

 バイデン氏のチームの誰かが、それが何を意味するのか理解するのに十分な賢さを持っていることを、私たちは願っている。

 この記事はThe Unz Reviewに掲載されたものだ。

マイケル・ホイットニーは、ワシントン州を拠点とする、著名な地政学・社会学の分析家。誠実な報道、社会正義、世界平和への献身を掲げ、2002年に独立した市民ジャーナリストとして仕事を始めた。
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