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「人命を救うため」の撤退。ロシアの最高司令官による、ヘルソン撤退に関する声明の要点

<記事原文 寺島先生推薦>

 Pulling back ‘to save lives’: Key points from top Russian commander’s Kherson speech

The order to leave the city came seven months after Moscow's troops captured the regional capital
(ロシア軍がヘルソン州の州都ヘルソンを抑えてから7ヶ月後、ヘルソン市からの撤退命令が下った)

出典:RT

2022年11月9日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年11月12日



FILE PHOTO: ヘルソン市を横断するドニエプル川付近のロシア兵たち。2022年11月2日撮影。©  Sputnik / Ivan Rodionov

 ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、ロシア軍にヘルソン市から撤退し、ドニエプル川沿いに新たな防衛線を引くよう命じた。同国防相が、この決定を下したのは11月9日(木)のことで、ロシアのウクライナ軍事作戦の総司令官であるセルゲイ・スロビキン陸軍大将からの演説を受けたものだった。

 その演説では、撤退の目的のひとつに、より適切な場所の方が、兵士や市民たちの人命を守れると考えられるという点があることが示された。以下に、スロビキン大将が、この紛争の最新の状況について高級将校たちに対して行った、テレビ放映された演説の要点のいくつかを記載する。

1.ウクライナ軍は市民を標的にしている

ウクライナ軍は、ヘルソン市に対して「無差別攻撃」を行い、特に学校や病院を攻撃している、とスロビキン大将は11月9日(木)の自身の演説で述べた。 「砲撃により、市民たちのいのちは常に危険にさらされています」と同大将は語気を強めた。 ドニエプル川の向こう側にある、市民が避難のために利用している人道支援センターや避難経路も攻撃を受けている、と同大将は付け加えた。

2.撤退の理由

 ヘルソン市近郊のカホフカ水力発電ダムへのウクライナによるミサイル攻撃が継続していることも、ドニエプル川右岸にいる軍と市民にとって深刻な脅威となっている、とスロビキン大将は語った。このダムは、ウクライナ側の攻撃により、既に損害を受けており、さらなる「壊滅的な」攻撃を受ければ、「広範囲にわたる地域」が、洪水に襲われる可能性があり、そうなれば、多くの市民が犠牲になり、この地域に在留しているロシア軍が、他地域のロシア軍との連携が断たれてしまう、とスロビキン大将は、撤退の提案をした際に主張した。ショイグ国防相は、スロビキン大将の主張に「同意」し、ドニエプル川左岸で軍陣を再整備する命令を下した。

3.防衛と反撃は成功している

 ロシア軍は、ヘルソンとドンバス両地域でのウクライナ側の前進を食い止めることに早くから成功していた、とスロビキン大将は述べた。そして特筆すべきは、ウクライナ側が9月に抑えたクピャンスク市からの、ルガンスク人民共和国内への攻撃を阻止できたことだ、と同大将は述べた。さらに同大将は、ドンバス内の激戦地域であるクラスニー・リマン地域でも同様の成果を出している、とした。ロシア軍が、反撃を加えている地域もあることも、スロビキン大将は触れた。

4.ロシア側とウクライナ側の損失について

 ウクライナ軍は、ここ数週間、攻撃において大きな損害を受けている、とスロビキン大将は述べた。ウクライナ軍は、10月だけで、推定1万2千人以上の兵士、戦車を200台以上、他の戦闘用車両を800台以上、戦闘機を18機を失ったとのことだ。同大将によると、ロシア側の損失は、「ウクライナ側の7~8倍少ない」という。8月から10月にかけて、ヘルソン地域でのウクライナ側の攻撃だけで9500人以上の犠牲者が出ている、とスロビキン大将は語った。

5.ヘルソン市からの市民の避難

 ロシア軍は、ヘルソン市からドニエプル川左岸に避難することを望んでいる全ての市民を支援している、と同大将は述べた。11万5千人以上の市民が、ここ数週間で既にヘルソン市から避難した、とスロビキン大将は、ショイグ国防相に語った。「避難を望んでいる市民たちの安全を確保するためにできることは全て行っています」とスロビキン大将は述べ、クリミアに避難した市民たちもいる、とも語った。

6.前線の現状

 ウクライナ側からの攻撃が継続する中でも、ロシア軍は前線の現状を「安定」させることができている、とスロビキン大将は述べた。さらに同大将によると、ロシアで9月から11月初旬の間に実施された部分的動員のおかげで、ロシア軍は予備軍を準備し、戦闘能力を各段に向上させることができたという。ドニエプル川右岸から撤退することになる諸部隊は、他の地域の前線の攻撃作戦の支援に回せることも可能だ、とも同大将は述べた。
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