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ダムの破壊。汚い爆弾の使用。ウクライナの危険な火遊びはレッドラインを超える

<記事原文 寺島先生推薦>

Dirty Bomb, Destruction of Kakhovka Dam: The Dangerous Games of Ukraine

筆者:クリステル・ニャン(Christelle Néant)

出典:INTERNATIONALIST 360° 

2022年10月24日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年11月2日



 
 ここ数日間、ウクライナが汚い爆弾を使用したり、カホフカダムの破壊を行うのではという警戒のために、両国間の緊張が非常に高まっている。キエフ当局に思うがままの行為をとらせ、最悪の戦争犯罪やテロ行為まで許している西側陣営は、ウクライナが火遊び的行為を続けることを奨励している。そしてその行為は、自国国境外にまで害を及ぼす惨事を起こしかねない。

 2022年10月23日、ロシア国防相は、米・仏・英・土の防衛相との電話会談を行った。その中で、セルゲイ・ショイグ露国防相は、ウクライナでの戦況について触れたが、何よりもロシアは、ウクライナが汚い爆弾を使うという挑発行為を行う可能性について懸念していることを強調した。 (汚い爆弾とは、 放射能物質で包まれた通常型爆弾であり、この爆弾が爆発すると、その放射能物質が撒き散らされるという爆弾だ)。

 その翌日、NRBC(ロシアの放射線・化学・生物防衛部隊)指揮官のイーゴリ・キリロフ中将は、記者会見を開き、ウクライナが汚い爆弾を使うという挑発行為に出る可能性について語った。そしてウクライナ側の目的は、 ロシアを国際社会から孤立させる狙いだとし、具体的には、「ロシアは、核兵器非所有の国々に対して核兵器を使用するテロ国家だ」という濡れ衣を着せようとしている、とした

 私見だが、これがキエフ、ロンドン、ワシントン、さらにはブリュッセル各当局の唯一の狙いだとは思えない。汚い爆弾を使った挑発行為により、ウクライナは西側陣営からの武器や資金の支援を継続できるだろうからだ。この挑発行為により、西側諸国での反露宣伝を強化し、 欧州で問題化している市民運動の高まりから注目を逸らせる狙いもあるだろう。

 ロシアに対する制裁や、ノルド・ストリームの破壊により、エネルギー価格がとんでもない規模で上昇していることが、欧州諸国の政府にとって大きな問題になっている。というのも、各国政府は高騰するエネルギー価格と、ウクライナへの支援に反対するデモ(その両者が関連していることを理解している人々によるデモだ)に直面しているからだ。そしてキエフ当局は、この先いつかの時点で西側の各国政府が二者択一に迫られることを完全に理解している。ひとつは、市民たちからの声に押されて、ウクライナに対する軍備や資金の援助を減らすか中止するか、もうひとつは、国内の騒乱に直面し、統制できない程の混乱を招く、あるいは責任を持てない政府にまで没落するか、の2択だ。 (1番目の選択肢を選んだとしても、責任を持てない政府に没落するという、同じ結末になるのだが)。

 さらに米国では、中間選挙が迫っていて、その結果はジョー・バイデンにとって良い結果にはならないと考えられる。そして、バイデンの健康状態は目に見えて悪化している。 (目が不自由な人々と握手をした後、バイデンは眠りに落ち、 インタビュー中に意味不明な言葉を発していた)。その結果、共和党がこの戦い(中間選挙のことだ。最近の世論調査では、共和党は民主党に僅差で上回る結果が出ている)で勝利する芽が出てきており、米国における政治の力の均衡が変わることになるだろう。共和党員の中には、ウクライナへの支援を減らしたいと思っている人々もいる。

 このような状況からすれば、ウクライナ当局が、何か華々しい成果を見せなければならない状況に追い込まれていることは、明白だ。西側諸国の市民たちの目を、自国政府がウクライナを支援している現状から目を逸らさせ、キエフ当局に対する軍備や資金援助を維持、あるいは強化することさえ正当化するために、そのような戦果が必要なのだ。

 その目的を達成するために、ウクライナがとる可能性がある道はふたつある。一つ目は、カホフカ水力発電所のダムを破壊し、ヘルソンやその周辺地域の大部分に洪水を起こし、ロシア軍の援軍との連携を断ち、ロシア軍に奪われていたヘルソン市を奪還することだ。 そうなれば、華々しい戦果を手にでき、西側からの資金や軍備の補強を増やせることになる。ウクライナ軍がこのような作戦に出る可能性があることが分かっているので、ロシア当局は、洪水が発生した際は、 被害を受けることのないよう町を離れることをヘルソン地域の市民たちに求めていて、貯水槽を空にすることで、起こる可能性のある被害を減らそうとし始めている。

 「こんな計画は妄想に過ぎず、ウクライナ当局はそこまでしないだろう」とお考えの方々のために、以下に 、(ウクライナ軍の)第35e旅団が投稿した一連のテレグラムのスクリーンショットを示す。



 翻訳: « ノアの大洪水が来る» ( Скоро будет Ноев потоп ) だから « 今のうちに泳ぎを覚えておけ» ( Учитесь плавать ). このことを、ただの口先だけであると考えるのは無理があるだろう。カホフカ水力発電所への攻撃をウクライナ軍が継続している事実があるのだから。

 10月24日、ウクライナ軍は、米国のハイマース・ミサイルを19発、カホフカ水力発電所に打ち込んだ。
 幸運にも、うち16発は撃退され、残りの3発は水力発電所に大きな被害を与えなかった。しかし、ウクライナ軍が、求めているような結果を得るまで、このような爆撃を続けることは確実だ。 ウクライナがザポリージャ原発の爆撃を継続し、同原発の支配権を奪還しようとしているのと同じことだ。

 キエフ当局が自国にとって利を得るために採用する2つ目の可能性は、汚い爆弾を使うことで、ロシアがウクライナに核兵器を使ったと非難することだ。この計画が1つ目の可能性よりも狂気じみているように見えるとしても、このような明らかにイカれた作戦をウクライナが取らないと決めつけるべきではない。それは、汚い爆弾をウクライナが使用すれば、ウクライナ領内で死や汚染が起こることは避けられないとしても、ウクライナ当局がこのような作戦をとる妨げにはならないだろうからだ。2020年に、一人の国会議員が、ロシアやハンガリーに対して汚い爆弾を使う提案をしていたことを思い出していただきたい。

 別の事例だが、2022年4月、ウクライナはクラマトロスク市を砲撃した際、その都市は自国の支配下におかれた都市で、一般市民たちは電車でそこから逃げ出していたとはいえ、その砲撃によりクラマトロスク市は血の海と化した。さらにウクライナは、2022年8月11日、ドネツクのビール醸成所を砲撃したため、アンモニアが漏れだす事象を起こしているが、これもウクライナは市民や環境への影響などこれっぽっちも気にかけていないことを示す事例だった。

 ここ何ヶ月間も、ウクライナ軍はドンバスの諸都市の住宅街への砲撃を続けているが、そのミサイルは(花びら)地雷を内包していて、 この地雷により、一般市民の中で、既に一人の死者と80人の負傷者が出ていて、その中には子どもも3人含まれている。言うまでもないことだが、繰り返されるテロ行為により、一般市民の多くの生命が奪われている。 (最近ヘルソン地域で起こった砲撃では、一人の通行人が亡くなっている)。

 最後に書き添えるが、戦争が始まってからのこの8ヶ月間で、ウクライナ軍は、ザポリージャ原発への砲撃や攻撃を29回行っている。この原発は、現在ロシアの管理下にあるが、ドローンを使った攻撃が10回行われている。ウクライナ側は、そのような攻撃の結果、どのような破壊的な状況が生まれるかを全く心配していないようだ。 ウクライナの支配下にある市民たちや領地も破壊的な被害を受けることになるであろうに!!

 事例にこと欠かないこのような状況から明らかにわかることは、ウクライナはどんな手段を使うことにもやぶさかではない、ということだ。どれだけ汚い手段でも、非人間的であっても、それがウクライナの利になるのであれば、お構いなしだ。

 だからこそ、ロシア国防省が出した情報が心配の種になる。

 「入手した情報によると、ウクライナの二つの政府機関が汚い爆弾の製造命令を直接下した、とのことです。このような手続きは最終段階にあたります。さらに、ウクライナの大統領官邸と英国の代表団が、核兵器の製造技術の伝達の可能性について連絡を取りあっているという情報も入っています」とロシアのイゴール・キリロフ中尉は語っている。

 記憶しておかなければいけないことは、ウクライナは汚い爆弾を作るのに必要なものをすべて所持しているという点だ。稼働中の原子力発電所が3箇所、ロブノとフメリヌィーツィクィイとユズノウクラインスク(貯蔵プールには1500トンの濃縮ウランがある)にあり、チェルノブイリ原子力発電所跡地 (2万2千以上の核燃料集合体がある)もある。さらにウクライナには、5万立方メートル以上の放射能廃棄物があり、抽出・処理業者は、キロヴォフラード地方にあるいくつかの鉱山から、1年で最大1000トンのウラン鉱石を採掘している。

 科学的にソ連の核計画に参加してきた歴史があるハルキウ物理・技術協会において、ハリケーン熱核体系を始めとする、いくつかの試験体系が今も稼働中だ。加えて、キエフにあるウクライナ国立科学アカデミーの核研究機関には、BBP-M原子炉がある。この原子炉は、高濃度の放射能物質の使用を含む研究に使用されるものだ。この機関が、ウクライナ東部の抽出・処理業者とともに、キエフ当局による汚い爆弾計画に関係している、とロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官は語っている。

 ロシア国防省によると、ウクライナは汚い爆弾の使用を議会で通す計画がある、とのことだ。具体的には、その爆弾を使って、高濃度濃縮ウランを電源に使っているロシアの低出力核弾頭を爆発させるという計画だ。この計画の目的は、空気中に放射能同位体が存在することを、欧州に設置された国際管理体系のセンサーに記録させることで、ウクライナに対して戦略的核兵器を使用したとして、ロシアを非難することだ。

 今のところ、昨日(10月23日)、ロシア国防省と連絡を取った西側諸国は、知らぬふりを決め込み、ウクライナの動きが見えていないよう振舞っているが、これは、ウクライナ軍が8年間ずっとドンバスの一般市民たちに砲撃してきたことが見えていないのと、全く同じことだ。ただ違うのは、今回の見て見ぬふりが招く結末の規模が全く違うという点だ。

 2022年10月24日、ワレリー・ゲラシモフ露連邦軍参謀総長兼第一国防次官は、英国のアントニー・ラダキン提督と電話会談し、 ウクライナが汚い爆弾を使用する可能性について言及した。さらにロシアは、この件に関する議案を国連に提出する意向である、ともしている。

 このような手続きにより、ウクライナが挑発行為を中止することが望まれる。(起こるであろう挑発行為を遮る行為があったならば、ドンバスでの8年間の戦争での挑発行為は防げていたかもしれないのだから)。さらに望まれることは、西側陣営が、汚い爆弾の使用を、絶対に許されない超えてはいけない一線であることを理解することだ。汚い爆弾が使用されれば、そのあと酷い状況が待っていることだろう。
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