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ジャーナリストたちは要求する。ミロトウォレッツのサイトをテロ組織に分類し、閉鎖することを

<記事原文 寺島先生推薦>

https://libya360.wordpress.com/2022/09/10/journalists-demand-the-mirotvorets-site-be-classified-as-a-terrorist-organization-and-shut-down/

(ジャーナリストたちは要求する。ミロトウォレッツのサイトをテロ組織に分類し、閉鎖することを)

筆者:クリステル・ネアン(Christelle Neant)

出典: INTERNATIONALIST 360°

2022年9月10日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年10月28日



 2022年9月6日、反弾圧財団が主催する会議がモスクワで行われた。会議のテーマは「情報ゲシュタポ*:ウクライナの民族主義ウェブサイト「ミロトウォレッツ」のリストは表現の自由を抑圧し、ジャーナリストを弾圧するために使用されている」であった。

*1933年に組織されたナチス-ドイツの秘密国家警察。超法規的な強い権限を有し,反対派・ユダヤ人・占領地住民などに対してテロ・弾圧を加えた。

 私はこの会議に、ドイツ、アメリカ、フィンランド、オランダ、カナダ、イギリスといった西側諸国の同僚とともに参加した。

 出席したジャーナリスト全員が、ミロトウォレッツの存在そのものを非難し、脅すことによって黙らせようとしてもうまくいかないと強調した。全員が、自分たちに対する殺害予告にかかわらず、自分たちの仕事を続けることを確認した。

 忘れていけないことは、ミロトウォレッツのサイトには、ジャーナリストの個人情報、パスポートのスキャン、住所、親族の情報、さらには車の情報さえも公開されていることだ。(これは私の場合であるが、私の古い車は、車両識別番号(VIN)や登録番号も含めて、その全ての情報がこのサイトで公にされている。)これらの情報はすべて、ミロトウォレッツのリストに載っているジャーナリストを追跡することを可能にするものである。こんな情報を提供できるのは(ウクライナの、あるいは西側の)秘密情報機関だけだと思われる。

 反弾圧財団の責任者であるミラ・テラダは、ミロトウォレッツのサイトに掲載されている欧米のジャーナリストの人数について発表した。ミロトウォレッツに掲載されている341人のジャーナリストのうち、ロシア、ウクライナ、DPR、LPR(ドネツク、ルガンスク人民共和国)以外のジャーナリストは83人いるが、その圧倒的に多数を占めるのは欧米のジャーナリスト(80人)である。

 また、テラダはミロトウォレッツのサイトによってデータが公開された後に殺されたジャーナリストが何人もいることを思い起こさせた。オレスィ・ブジナ、アンドレア・ロッチェルリ、ゼムフィラ・スレイマノヴァ、アンドレイ・ステニーン、イゴール・コルネリウク、アントン・ヴォロシン、最近ではダリア・ドゥーギナといった人たちである。

 個人情報の収集と公開は、ジャーナリストの名誉、尊厳、個人情報、生命の保護に関するすべての国際的な法的基準に対する凶悪な違反であるとし、ロシアの弾圧と戦う財団の責任者テラダは、ロシア連邦保安庁(FSB)トップであるアレクサンドル・ボルトニコフに手紙を送り、ミロトウォレッツをテロ組織として分類するように要請した。

 ラッセル・ベントレーは、ミロトウォレッツというマフィアの構造はウクライナのファシスト政権と一致しており、ドンバスで活動する独立系ジャーナリストを現実の脅威にさらしている、と述べた。彼は、出来事に対する視点を共有し、道徳的・思想的な考慮によってのみ導かれるジャーナリストは、第四帝国に対抗し、21世紀のナチスに対抗して戦っていると確信している。

 カナダ人ジャーナリストのエヴァ・バートレットは、母国カナダがウクライナのネオナチを積極的に支援し資金を提供しており、ウクライナ兵の訓練に次ぐ訓練に10億円以上を費やしていることを付け加えた。また、カナダ政府には、ナチスの協力者の直系の子孫が座っており、その出自を誇りに思っていると指摘した。帰国したら何が待っているのか想像もつかないというバートレットによれば、カナダのジャーナリストたちは、ミロトウォレッツの活動にまったく無関心だという。ウクライナは民主主義国家だと長年主張してきたカナダは、ウクライナのメディアの自由が完全に欠如していることに常に目をつぶっているのだ。

 英国人ジャーナリストのジョン・ミラーがミロトウォレッツの「殺害リスト」に加えられたのは、ルガンスク出身の若い作家、ファイナ・サヴェンコヴァがウクライナのサイトのリストに含まれていることを彼が報じた後のことだった。ジョン・ミラーはロシア支配地域にいるジャーナリストはミロトウォレッツに載っていてもたいしたリスクはないと述べたが、私は個人的には彼の主張に反論した。というのも、ダリア・ドゥーギナがロシアで殺害されたこと、またDPRやLPR、モスクワに住むジャーナリストも、ウクライナや西側諸国(現在多くのウクライナ人が避難している)にいるジャーナリストと同じくらい命の危険があることを思い出したからだ。

 こうした危険性をオランダ人ジャーナリストのソニア・ヴァン・デン・エンデはよく理解しており、ミロトウォレッツはCIA、NATO、米国の支援で作られたものだから、ジャーナリストは特に注意する必要があると強調した。祖国の外交政策について、オランダの戦場記者である彼女は、自国はロシアに対して宣戦布告なき戦争を行っており、ネオナチを批判する者は誰であれオランダ国家の敵であると述べている。それゆえ、彼女が祖国に戻るのはもはや安全ではなくなっている。

 ドイツ人ジャーナリスト、アリーナ・リップも同様の目に遭っている。ドンバスで起きている事実を報道したために、ドイツに戻ったら3年の禁固刑に処すと脅されているのだ。このジャーナリストによれば、弾圧は彼女の両親にも及んでいる。家族の銀行口座は封鎖され、電話番号も変えさせられた。そういった脅迫を受けたためにアリーナの母親はドイツを去らねばならなかったという。彼女はダリア・ドゥーギナへのテロ事件後、自分の身の安全に気を配るようになった。

 フィンランドの通信社UMV-Lehtiのディレクター兼編集長であるヤヌス・プットコネンは、ミロトウォレッツの創設を西側情報機関と関連づけ、重大な人権侵害を無視する外国のメディアと政治家の無策を非難した。彼はこのサイトの活動を何年も見てきた人物である。彼にとっては、ミロトウォレッツは閉鎖されなければならない存在である。さもなければ、このような手法が世界の他の国々に癌のように広がるからだ。彼はまた、このサイトを「新しいゲシュタポ」とも呼んだ。

 この呼び名に私も賛成である。というのも、私自身も以前から、ミロトウォレッツをデジタル・ゲシュタポ、あるいはゲシュタポ2.0と呼んできたからだ。私が講演で述べたように、もしナチスドイツの時代にインターネットがあったら、彼らは間違いなくミロトウォレッツに似たようなサイトを発明していただろう。

 出席したジャーナリストは全員、国連に対し、ミロトウォレッツの活動を非難する決議を採択し、この組織に対する国際調査の基礎となるよう求める共同書簡を提出する。もしロシア連邦保安庁(FSB)が反弾圧財団の要求に応じれば、ロシアは同時にこのテロサイトに対して、全国的に調査し、対策を講じることになる。ウクライナとドンバスで起きていることについて真実を語った人がそのためにまた命を落とす、そんなことが起きる前に、ミロトウォレッツが享受している免罪符に終止符を打つべき時が来ている。

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