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ロック歌手のロジャー・ウォーターズまでが、ウクライナの「殺害すべき人物リスト」ミロトウォレッツに掲載された

<記事原文 寺島先生推薦>

Roger Waters added to Ukrainian govt-sponsored hit list

(ロジャー・ウォーターズ、ウクライナ政府が資金提供しているサイトの「殺害すべき人物」リストに追加される)

筆者:デボラ・アームストロング(DEBORAH ARMSTRONG)

出典:グレー・ゾーン

2022年8月25日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年9月29日




8月20日土曜日に、モスクワで自動車爆弾の爆発で死亡したロシアの政治専門家、ダリア・ドゥギナは、現在、ウクライナのサイトの殺害すべき人物リストに「粛清済み」として表示されている。このサイトは、ウクライナ内務大臣の監視の下に作成されたものだ。

 この記事の初出は、デボラ・L・アームストロングがMedium.comで公開した記事。

編集者注: ミロトウォレッツのIPアドレスを追跡したところ、ベルギーのブリュッセルにあるサーバーまで辿り着ける。 


 ミロトウォレッツ、あるいは「平和の番人」という名称で知られるウクライナの殺害すべき人物リストについての記事については、私はこれまで2度書いた。1度目はインターネット検閲に関するこの記事で、2度目の記事は13歳のウクライナの少女ファイナ・サベンコワがこのリストに載せられたことを取り上げた記事だった。サベンコワは、ドンバスという名で知られているウクライナ東部の一地域での、ロシア語を話す民間人に対するウクライナ当局の血なまぐさい戦争に反対する声を上げていた。


ミロトウォレッツ上の、ファイナ・サベンコワのプロフィールのスクリーンショット
 
 ミロトウォレッは、「ウクライナの敵」と宣告された何千人もの記者や活動家やその他の人々が一覧にされているデータベースだ。これらの人々の個人情報が公表されているが、具体的には、自宅住所や電話番号や銀行口座の番号など、とにかくその人の居場所を簡単に特定するのに役立つ情報だ。この一覧に載せられている人が殺害された場合、一例を挙げるとイタリアのアンドレ・ロッチェリ記者だが、「ЛИКВИДИРОВАН(粛清された)」というウクライナ語が、大きな赤字で画像を横切るように記される。

 そして、8月22日の時点で、8月20日にモスクワでの車爆破事故で亡くなったロシアのダリヤ・ドゥギナさんのサイト上の画像に「粛清済み」と記載されたことも、「ダリヤさんはウクライナの国粋主義者により殺された」というロシア当局による推測を裏付けるものとなった。ロシア当局によると、この国粋主義者は、ダリヤさんが住んでいた建物内に部屋を借り、ダリヤさんが殺害されるまで、彼女の監視を行っていた、という。ダリヤさんが殺された理由は、彼女の父アレクサンドル・ドゥーギンさんにあると考えられている。ドゥーギンさんは「プーチン大統領の頭脳」や「プーチン大統領の精神的な師匠」である、と西側メディアは報じている。ただし実際のところは、これらはただの推測にすぎない。


イタリアのアンドレ・ロッチェリ記者もミロトウォレッツのサイト上で「粛清済み」と記載された。



ロシアの従軍記者のダリヤ・ドゥギナさんも、ミロトウォレッツのサイト上で「粛清済み」と記載された。

 どうやらこの殺害すべき人物リストには、ほとんど誰でも載せられることができるようだ。ヘンリー・キッシンジャーの名前さえリストに載せられている。ロシア嫌いで長年有名だった彼でさえ。キッシンジャーが、中国やロシアとの戦争に向けてぐらついている米国の姿に懸念を公言したことが理由だ。かつてロシアに核爆弾を落とすことまで提案していたキッシンジャーが、今は「ウクライナの敵」だと宣告されている。


ミロトウォレッツ上のキッシンジャーのプロフィール


 本当に非常に多くの人々がこのリストに載せられているので、ウクライナ政権に反対する人たちにとったら、このミロトウォレッツ上のリストに載せられることが名誉のバッジを手にしたようなものになっている。



 映画製作者のイゴーリ・ラパチョナクも、オリバー・ストーンと共同で製作した映画を理由に、ミロトウォレッツから標的にされている。 なぜこんなサイトの運営が許されているのか、というのはいい質問だ。しかしなぜか、このサイトには簡単にアクセスできるし、金を寄付して、「事件」がおこる手助けをすることさえできる。もしあなたがナチスに共感していて、ナチスの見解のもと人を殺すことがウクライナを支持する方法として正当である、と考えるならばの話だが。

 以下はロジャー・ウォーターズのプロフィールだ。


ミロトウォレッツ上のロジャー・ウォーターズのプロフィール

 バンド「ピンク・フロイド」の共同創設者のひとりであるロジャーは、彼の持つ優れた音楽性だけではなく、投獄されているウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジの擁護者としても、帝国主義や戦争の反対者としても知られており、世界中の数百万人の人々から愛されている。

 先日ウォーターズはCNNで、ジョー・バイデンを「戦争犯罪者」と呼び、「ウクライナでの戦争を煽っている」と非難していた。

 ウォーターズはこう語っていた。「この戦争は、基本的にはNATOがロシア国境まで手を伸ばしたことに対する行動と反応です。NATOは拡大しないことを約束していたのです。[ミハイル]・ゴルバチョフが、ソ連は東欧全体から手を引くという交渉を行った時にそんな約束があったのです」

 ウォーターズはさらに、「クリミア半島に住んでいる人々の大多数はロシア人なので、クリミアはロシア領だ」とも語っていた。

 ロックスターであるウォーターズのこのような見方は、親NATO派勢力やその盟友のナチス、さらにはソーシャルメディア上で正義を守る戦士たちの激しい怒りを買った。これらの人々は、大手メディアが「これが今起こっていることだ」と宣告したことを必死に支持し、このような異論に激怒しているのだ。常に異論を発し、戦争に反対する声を上げているウォーターズは、ロックンロールが本物だった頃の古き良き時代のロックスターなら誰でも示した姿を示しているのだ。しかし今その姿は 「ウォーク(差別や社会不正に非常に敏感な、おもにリベラル派の人々)勢力」から、容赦なく攻撃されている。彼らにとっては、自分たちと同じ見方をしない人々は誰でも許せないのだ。






ソーシャルメディア上の正義の戦士たちが救助に駆けつけた!ロジャー・ウォーターズは、彼の持つ異論的立場のせいで、非難を受けている。

 ロシアの「正義のための戦い協会(Foundation to Battle Injustice)」の調査によると、「ウクライナの国粋主義者たちによるウェブサイトに資金援助し、人員を送り込んでいる」と思われる個人や企業や政府組織があきらかになったとのことだ。ミロトウォレッツは、このような情報を得たい人なら誰でも簡単にアクセスできるサイトであるのに、ロシアの人権擁護組織は、フェイスブックなどのソーシャルメディア上の媒体で閉鎖されている。


「正義のための戦い協会」が名前を挙げたミロトウォレッツの背後にいる人々

 調査した人々によると、この殺害すべき人物リストは2014年に創設されたもので、公的機関である「ミロトウォレッツ・センター」という組織が監督しているとのことだ。そしてそのセンター長をつとめているのが、以前ウクライナ特殊部隊に属していたロマン・ザイツェフだ。さらには「人民の後衛」という、ウクライナの政治家で有名人であるジョージ・ツカ率いる組織もそうだ。さらにこのサイトは、ウクライナ保安庁の管理下にあり、このサイトの創設者は、ウクライナ内務大臣の顧問であるアントン・ゲラシチェンコという人物だ。ゲラチシェンコは、このような殺害すべき人物リストを創設したというテロ行為を行ったとして、ロシア連邦政府から容疑をかけられている。


ミロトウォレッツ創設者のアントン・ゲラシチェンコ。画像は「正義のための戦い」協会から

 創設当初、ミロトウォレッツは、いわゆるロシア人「分離主義者たち」(ウクライナ東部に住む人々)の氏名を公表していた。これらの人々は、マイダンのクーデターを支持せず、ロシアとの関係を断つことは経済的に得策ではない、と考えている人々だ。しかし後にこのサイトは、有名人や記者や活動家やさらには子どもたちの個人情報まで晒すようになってきた。

 ミロトウォレッツが悪名を馳せたのは、2015年にウクライナの2名の有名人が殺害された後のことだった。両名の個人情報がこのサイトで晒されていたのだ。作家で記者でもあったオレス・ブジナ(45)さんと、ウクライナ国会副議長だったオレグ・カラシニコフ(52)さんが殺害されたのは、両名の自宅の住所が晒されたほんの数日後のことだった。

 2016年5月、ミロトウォレッツは世界中の4500名以上の記者や報道関係者の個人情報を掲載した。これらの人はドンバス内で活動する許可を得た人々であった。調査員たちによると、ミロトウォレッツの運営者たちが、ドネツク人民共和国の内務省のデータベースに入り込み、外国記者たちの電話番号やメールアドレスや住所を回収していた、という。この記者たちに対して、ミロトウォレットは「テロリストと共謀している」と非難していた。その理由は、記者たちがウクライナの支配下にない地域で、戦争の取材を行っていたからだ。

 記者たちのもとには、脅迫電話や脅迫メールが届くようになり、ソーシャルメディア上でサイバー攻撃や迫害行為を受けることも増えた。しかしウクライナ政府は、ミロトウォレッツのこのような行為は法律違反にはならない、という声明を出した。ミロトウォレッツがウクライナ東部で活動している何千人もの記者たちの個人情報を晒していることに対して、人権団体の「ジャーナリスト保護委員会」は強く非難していたにも拘わらず、だ。

 米国務省が、ウクライナ内務省はこのサイトと関係があると明言し、記者たちの個人情報が公開されている事実を認識していたにもかかわらず、米国政府はなんの対応も見せなかった。 多くのロシアのサイトや、代替ニュースメディアについては、ソーシャルメディアの巨大産業から閉鎖されて、ウクライナでの戦争に関する情報を発信できなくされている。これらのサイトやメディアからの情報が、西側の公式声明とは食い違っているという理由で。

 さらに、ミロトウォレッツに協力し、このサイトに情報を提供している米国企業が存在する。


ミロトウォレッツのネットワークの手順の分析。画像は「正義のための戦い」協会から。

 「正義のための戦い協会」が行ったこのサイトのネットワークの手順の分析によると、このサイトのデータベースには、カリフォルニアのある企業の技術が使われているという。さらにミロトウォレッツのトップページを見れば、「バージニア州ラングレー郡」という文字が見える。 このサイトへの投稿者の名前には、西側諜報機関名のアカウント名が散見される。CIA、 FBI、NATO、MI5、NSA(米国国家安全保障局)、だ。


これらの人たちは本当に一体何者なのだろうか?画像は「正義のための戦い協会」から。

 諜報活動の専門家である米国のアンドリュー・ウェイスバードは、2015年1月にウクライナ政府に協力したことを公表しているが、それは、ミロトウォレッツが記者たちの個人情報を公開し始めるようになった頃のことだ。ウェイスバードはこう語っている。「私は、クレムリンに奉仕する悪人たちの身に災いが降りかかる手助けをしようとしているだけてす。そして私は名目上、軍人ではありません。諜報員と呼べるような任務に就いています」


自称「情報戦の専門家」ジョエル・ハーディング
画像は、「正義のための戦い」協会から


 ドンバスの数年間在住し、米国のコンソーシアム・ニュースに記事を書いているジョージ・エリアソンによると、ジョエル・ハーディングはミロトウォレッツの創設に関わったもう一人の米国人だという。 ハーディングは、自称「情報戦の専門家」であり、彼自身のことばによると、以前米軍の諜報員をしており、NATOの上級顧問もしていたとのことだ。ハーディングはサイバー活動を用いた戦略を開発し、ウクライナの情報網からロシアメディアを追い出した、とエリアソンは述べている。さらにエリアソンによると、ハーディングはウクライナ国民が、ソーシャルメディアやインターネットやテレビ上の、どんなニュースや情報を入手できるかを管理したがっていた、という。

 「正義のための戦い協会」の調査員たちによると、彼らは、ミロトウォレッツにより「ウクライナのサイバー戦士たち」という名で知られているサイバー活動組織に関する情報源や証拠を所持しており、この組織がロシア政府やロシアのニュースサイトにサイバー攻撃を行っていると非難している。被害を受けた組織の中には、ロシア国防省も含まれており、しかも2016年から既にそうだという。そしてこれらのサイトをハッキングすることにより回収された機密情報は、 ウクライナ警察や特殊部隊に送られた、とのことだ。 調査員たちの考えでは、「サイバー戦士たち」はウクライナのメディア専門家であるドミトリー・ゾロツキンの指揮のもとで活動している、という。


ウクライナのメディア専門家ドミトリー・ゾロツキン

 同協会がミロトウォレッツを作ったとしているプログラム製作者組織は、2020年以来定期的に寄付を集め、ウクライナが「情報戦争」に参戦できるよう力を入れている。この組織に参加しているのは、アーテム・カーピンスキー、アンドレイ・バラノビッチ、アレクサンドル・ガルシェンコ、アンドレイ・ペレベジーだ。これらのプログラム製作者たちは、数千ドルしか受け取っていないと言っているが、この組織の暗号通貨に関する取引の数値からは、10万ドル以上の金銭の受領があることが分かる、と同協会の調査員たちは語っている。

 調査員たちによると、クラウドファンディングの形式を取っていると装いながら、ミトロウォレッツは西側の匿名の寄付者から、相当な額の金融支援を受けている、とのことだ。事実上誰でもこのサイトに寄付を行うことが可能だが、このサイトに資金援助をしていると一番考えられるのは、外国在住のウクライナ国粋主義者たちや、西側の諜報機関と繋がりのある人々であり、これらの人々は、国民からの多額の税金を自由に使える立場にある。





デボラ・アームストロング(DEBORAH ARMSTRONG)

 デボラ・アームストロングは現在、ロシアに重点をおいた地政学的な記事を書いている。デボラ女史は、以前米国の地方テレビ局で働いていた経歴があり、その際地区のエミー賞を2度受賞している。1990年代の前半、デボラ女史は末期のソ連に在住し、レニングラードテレビ局で、テレビコンサルタントを務めた。

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