ホームレスという呼び名を変えたとて、ロサンゼルス郡の野宿者の現状は悪化の一途
<記事原文 寺島先生推薦>
City tries to cancel use of the term ‘homeless’
Public officials in Los Angeles have called for instead using such labels as “people living outside”
(地方行政当局は、“ホームレス”という呼び方を排除しようとしている。
ロサンゼルス郡行政当局は、代わりに“屋外で居住する人々”という名称を使うように要求。)
出典:RT
2022年8月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年9月19日

ロサンゼルスのドヤ街で、寝床用のダンボールを準備しているホームレスの男性。2019年9月撮影© Getty Images / Mario Tama
米国で最も人口の多い郡であるロサンゼルス郡は、ホームレス問題を解決する暗号を未だ解読できていないが、ロサンゼルス地方行政当局はこの危機の名称を変えるという方法を思いついたようだ。そう。「ホームレス」という呼び名を排除することだ。
ロサンゼルスホームレスサービス局(LAHSA) がツイッターで呼びかけたのは、「ホームレス」や「ホームレスの人々」という呼び名は、より「包摂的な」表現に置き換えるべきで、「屋外で居住する人々」や、「家を持っていない人々」などに変える必要があるということだった。この考え方は、ホームレスに纏わる「負の汚名」を排除し、「住処の有無に関わらず人間の人格を重んじる」ためだ、と同局はツイートしていた。
「私たちの郡内の、家を持たない同胞の人々も人間ですし、その考えを言葉にも反映させるべきです」ともLAHSAは訴えていた。「時代遅れで、他人行儀で、人格を否定するような言葉遣いはやめませんか。人間中心の表現に変えましょう」 とも。
このような表現に変える考え方の根本のひとつは、「個人の個性をしっかりと認識するためです」と同局は訴えているが、はっきりとしないのは、どうすれば「家を持たない人々」が、「ホームレスの人々」よりも個性が持てるか、という点だ。
「私は敬意を持って路上生活者の方々に声をかけています」と、映画製作者のグレン・ダンツワイラー(Glen Dunzweiler )さんはツイートした。「路上生活者の方々は遠回しな言い方を嫌います。目を見て話してくれること、尊厳を持った応対をしてくれることが、彼らが好むことです。言葉のサラダで着飾っても、喜ぶのは、家がある人々だけでしょう」
ホームレスという呼び名で呼ばれようが、呼ばれまいが、ロサンゼルス郡は小さな都市なら満杯になるほどの路上生活者を抱えている。同郡のホームレス人口は 2020年の初旬で6万6436人で、前年より13%増加した。それ以降、LAHSAはホームレス人口を数えるのを中止している。

関連記事: US Olympian ‘almost blinded’ after savage assault (VIDEO)
LAHSAは、新しい数値を5月か6月までに発表する予定だったが、その発表は9月まで 延期された。ホームレス人口についての新しい数値はさらに大きな増加が見込まれている。というのも、家賃の高騰やその他のインフレが進行しているため、路上生活をせざるを得ない人々が増えているからだ。
報道によると、ロサンゼルス郡のホームレス人口は、全米の2割を占めおり、1日平均5名の野宿者が亡くなっているという。大きなテント村の建設が、都市部の通り沿いや公共の公園内に広がっている。市当局は、次の住処を提供することなしに強制的に野営地を排除し、住民たちを立ち退かせることでずっと批判を受け続けている。また今月(8月)初旬、ロサンゼルス市議会は、学校やディケア施設仮500フィート以内にホームレスの人々のためのキャンプ地を設置することを禁じた。
LAHSAの推定では、地方行政当局や州政府や連邦政府は、 年間8億ドルをホームレス事業に割いているとのことだ。今年の初旬にLAHSAの局長を退いたハイジ・マーストン(Heidi Marston)さんは、ロサンゼルス郡で1日平均205人のホームレスが住処を見つけているが、逆に1日平均225人が新たに家を失っているという状況を嘆いている。彼女はこう語っている。「ホームレス危機を作り出したのは私たちの社会です。しっかりとした意思を持たない限り、この危機を無くすことはできません」
City tries to cancel use of the term ‘homeless’
Public officials in Los Angeles have called for instead using such labels as “people living outside”
(地方行政当局は、“ホームレス”という呼び方を排除しようとしている。
ロサンゼルス郡行政当局は、代わりに“屋外で居住する人々”という名称を使うように要求。)
出典:RT
2022年8月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年9月19日

ロサンゼルスのドヤ街で、寝床用のダンボールを準備しているホームレスの男性。2019年9月撮影© Getty Images / Mario Tama
米国で最も人口の多い郡であるロサンゼルス郡は、ホームレス問題を解決する暗号を未だ解読できていないが、ロサンゼルス地方行政当局はこの危機の名称を変えるという方法を思いついたようだ。そう。「ホームレス」という呼び名を排除することだ。
ロサンゼルスホームレスサービス局(LAHSA) がツイッターで呼びかけたのは、「ホームレス」や「ホームレスの人々」という呼び名は、より「包摂的な」表現に置き換えるべきで、「屋外で居住する人々」や、「家を持っていない人々」などに変える必要があるということだった。この考え方は、ホームレスに纏わる「負の汚名」を排除し、「住処の有無に関わらず人間の人格を重んじる」ためだ、と同局はツイートしていた。
「私たちの郡内の、家を持たない同胞の人々も人間ですし、その考えを言葉にも反映させるべきです」ともLAHSAは訴えていた。「時代遅れで、他人行儀で、人格を否定するような言葉遣いはやめませんか。人間中心の表現に変えましょう」 とも。
このような表現に変える考え方の根本のひとつは、「個人の個性をしっかりと認識するためです」と同局は訴えているが、はっきりとしないのは、どうすれば「家を持たない人々」が、「ホームレスの人々」よりも個性が持てるか、という点だ。
「私は敬意を持って路上生活者の方々に声をかけています」と、映画製作者のグレン・ダンツワイラー(Glen Dunzweiler )さんはツイートした。「路上生活者の方々は遠回しな言い方を嫌います。目を見て話してくれること、尊厳を持った応対をしてくれることが、彼らが好むことです。言葉のサラダで着飾っても、喜ぶのは、家がある人々だけでしょう」
Our unhoused neighbors are human, and the language we use should reflect that.
— LA Homeless Services Authority (@LAHomeless) August 22, 2022
Let's abandon outdated, "othering", and dehumanizing terminology- and instead, adopt people-centered language that emphasize personhood over housing status. pic.twitter.com/w3u2pfFbjf
ホームレスという呼び名で呼ばれようが、呼ばれまいが、ロサンゼルス郡は小さな都市なら満杯になるほどの路上生活者を抱えている。同郡のホームレス人口は 2020年の初旬で6万6436人で、前年より13%増加した。それ以降、LAHSAはホームレス人口を数えるのを中止している。

関連記事: US Olympian ‘almost blinded’ after savage assault (VIDEO)
LAHSAは、新しい数値を5月か6月までに発表する予定だったが、その発表は9月まで 延期された。ホームレス人口についての新しい数値はさらに大きな増加が見込まれている。というのも、家賃の高騰やその他のインフレが進行しているため、路上生活をせざるを得ない人々が増えているからだ。
報道によると、ロサンゼルス郡のホームレス人口は、全米の2割を占めおり、1日平均5名の野宿者が亡くなっているという。大きなテント村の建設が、都市部の通り沿いや公共の公園内に広がっている。市当局は、次の住処を提供することなしに強制的に野営地を排除し、住民たちを立ち退かせることでずっと批判を受け続けている。また今月(8月)初旬、ロサンゼルス市議会は、学校やディケア施設仮500フィート以内にホームレスの人々のためのキャンプ地を設置することを禁じた。
LAHSAの推定では、地方行政当局や州政府や連邦政府は、 年間8億ドルをホームレス事業に割いているとのことだ。今年の初旬にLAHSAの局長を退いたハイジ・マーストン(Heidi Marston)さんは、ロサンゼルス郡で1日平均205人のホームレスが住処を見つけているが、逆に1日平均225人が新たに家を失っているという状況を嘆いている。彼女はこう語っている。「ホームレス危機を作り出したのは私たちの社会です。しっかりとした意思を持たない限り、この危機を無くすことはできません」
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