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ウクライナは「今すぐ交渉したほうがいい」米退役将官―キエフとNATOは、兵站の不足から戦略を変更せざるを得なくなる可能性がある、とマーク・T・キミット氏はWSJの論説で警告した。

<記事原文 寺島先生推薦>
Better for Ukraine to‘negotiate now’– retired US general
Logistical shortfalls could force Kiev and NATO to change strategy, Mark T. Kimmitt warns in an op-ed for the WSJ

出典:RT

2022年9月4日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年9月15日



マリウポリのアゾフスタル製鉄所で破壊されたアカツヤ自走砲

 ウクライナで紛争を維持することはNATOにとってますます難しくなっており、キエフ政権はモスクワとの交渉を考えなければならないと、退役米陸軍准将のマーク・T・キミット氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙への寄稿で述べた。以下がその詳報である。

 先月、ワシントンがキエフ政権におこなった最新の軍事支援パッケージには「古く、高度でない」システムが含まれているが、そのことは「戦場での武器の消耗率が生産を上回り、ウクライナに提供された在庫がほぼ枯渇してしまったことを示しているかもしれない」と、キミット氏は9月1日(木)の記事で指摘している。

 NATO諸国の「最先端兵器システムの在庫減少」に対処することは、ウクライナとロシアの紛争が長期化することを意味する可能性が高い。このようなシナリオは、西側諸国における「ウクライナを支援している国からの圧力の増大、持続的なインフレ、暖房用ガスの減少、民衆の支持の低下」をもたらす可能性があると、同氏は書いている。

 2008年から2009年にかけて国務次官補(政治・軍事担当)を務めたキミット氏は、現在6カ月に及ぶ紛争の解決を加速させるための4つの方法を提案した。


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 第1の選択肢は、NATOの備蓄を「もっと深く掘って減らす」ことであり、加盟国が自国の防衛の必要性からこれまで差し控えてきた武器をキエフに送ることだと、退役将官は示唆した。「クラクフ*で寝かせておくよりもヘルソン**で武器を使ったほうがマシ」だから、EU諸国はこれを喜んでおこなうかもしれない、と彼は付け加えた。
*ポーランド南部の都市。NATOの軍事基地がある   **ウクライナ南部の都市

 第2の選択肢として、米国とヨーロッパの同盟国は、ゼレンスキー政権が要求する武器の生産量を増やしてみることもできる、とキミット氏は言う。しかし、そうした動きが現地の状況に直ちに影響を与えることはないだろう、とも。

 第3の選択肢は、ATACMミサイル、F-16ジェット機、パトリオットなど、より長距離のシステムをウクライナに提供し、「交戦規則を緩和し、クリミアや場合によってはロシア領内の標的を攻撃することで紛争を激化させる」ことだと、彼は書いている。しかし、このようなエスカレーションは間違いなく「モスクワからの反撃」に直面し、紛争がヨーロッパに波及する危険性が生じるとこの退役将官は警告している。

 最終的に利用可能な解決策としての選択肢は、キミット氏によれば、ウクライナが「領土の譲歩なしに(あるいは譲歩して)暫定的な外交的解決を推し進めること」だという。



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 ウクライナ大統領ゼレンスキーには現時点では、「交渉する動機はほとんどない」が、「西側からの補給の減少が、単に戦場での作戦に影響を与えるだけでなく、外部からの支援の減少というメッセージをウクライナの人々に送ることになり、軍隊に悲惨な影響を及ぼすことを認識しなければならない」とキミット氏は主張する。

 「外交的解決に乗り出すのは不愉快だし、敗北主義者と見られるかもしれない。しかし、現在の泥沼から抜け出す可能性がほとんどない以上、交渉は後回しにするより今やった方がいいかもしれない」と退役将官キミット氏は述べた。

 ウクライナ・ロシアの両者は3月下旬のイスタンブールでの会談以来、交渉のテーブルに着いていない。当初は和平プロセスの見通しについて楽観視していたモスクワも、その後、キエフ政権がトルコで達成した和平プロセスにおけるすべての進展を後退させたと非難し、ウクライナの交渉担当者に対する信頼をすべて失ったと述べた。ロシア政府関係者は、協議が再開されれば、モスクワの要求はより広範なものになると警告した。
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