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ロシア連邦保安庁は、クロッカス・テロ攻撃の容疑者として米国を特定

<記事原文 寺島先生推薦>
The Russian Federal Security Service Identifies US as a Suspect in Crocus Attack
筆者:ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)
出典:本人ブログ 2024年3月28日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月30日


以下は、私が昨日投稿した、ギルバート・ドクトローのインタビューの更新版だ。https://www.paulcraigroberts.org/2024/03/27/washington-crossed-a-fatal-red-line-with-the-crocus-attack/

ドクトローは慎重な専門家であり、状況の深刻さを大げさに語ったりはしない。クロッカスのテロ攻撃は、米国に対するプーチンの態度を変えるきっかけになった可能性がある。プーチンはずっと、米国からの挑発に対するロシアの反応において、状況を激化させないよう、慎重な態度を取り続けてきた。プーチンのやり方とは、西側が我にかえって、現実を受け入れるのを待つことだった。私がずっと強く言ってきたとおり、このようなやり方は間違っている。というのも、プーチンが挑発に耐え続ければ、挑発は激しさを増すことになるからだ。モスクワ郊外において、319人のロシア市民の死傷者を出したいま、その挑発は越えてはならない一線を越えてしまったようだ。連邦保安庁長官は、ロシアの報道機関に「米国が容疑者である」という情報を流すことを許可した。プーチンが全ての責任者には罰を与えると公言しているなか、私はドクトローが唱える、「今はキューバ危機に酷似している」という現状認識に同意する。

ありえることは、プーチンが現状を考え直し、クロッカスへのテロ攻撃を使って、政界や報道機関からの求めに応じてなにか手を打つ、ということだ。プーチンはその責任をウクライナに限定し、2年前に使うべきだった規模の武力を行使して、ウクライナを平定し紛争を終結させるための攻撃をおこなうことができる。

プーチンが再び自分に言い聞かせ、あるいはロシア国内の親西側派(まだ存在していればの話だが)により、「最終的には西側は我にかえる」となだめられ、再び行動を起こしそこなえば、西側からの挑発はさらに悪化するだろう。実際、もう一度クロッカスのテロ攻撃のような激震が走ることになれば、第三次世界大戦に繋がるヒューズは光り始めるだろう。

以下がドクトローによる記事だ。

昨日のロシア安全保障庁(FSB)アレクサンドル・ボルトニコフ長官の報道関係者に対する注目すべき声明

ギルバート・ドクトロー
2024年3月27日

https://gilbertdoctorow.com/2024/03/27/

事情をよくご存知ない方々のために、まず説明しよう。FSBというのは、ソ連のよく知られ、深く恐れられていたKGBの後継組織だ。しかし、こんにちのFSBは米国のFBIと比べた方が良いかもしれない。国内のあらゆる種類の犯罪やテロのようなロシア国民に対する危険を取扱っている組織だ。この組織やその長官がニュースで報じられることはほとんどない。

この点において、FSBは、国外においても国内においても、セルゲイ・ナルイシキン対外情報庁長官と比べると、あまり見えない存在である。この政治家は2000年以降5年間、ロシア下院国会院議長をつとめ、大統領府長官も3年務めた経歴をもつ。その二つの仕事をしていた際、ナルイシキンをテレビで見ることは頻繁だった

ボルトニコフはFSBでこの15年つとめてきたが、人前にでることはなかった。しかし、クロッカス・シティ・ホールへの目を見張るような攻撃のせいで、ボルトニコフは舞台の中央に駆り出され、昨日、ボルトニコフはロシアの国営テレビのジャーナリストのパベル・ザルビンとのインタビューをおこない、廊下を通って出て行く途中、他の記者たちからさらに質問を受けた。この即座の質疑応答が後にテレビのニュースで放送された。ボルトニコフが述べなければならなかったことは、尋常ではない内容であり、読者の皆さんも私も今すぐ防空壕を探すべきか否かに直接関わる内容だった。残念ながら、今日の主流報道機関の報道ではこの件をトップニュースとして伝えていない。例えば、フィナンシャル・タイムズ紙は習近平が米国企業界のCEOたちと面会し、関係改善をはかろうとした記事を特集している。興味深い記事だが、我々が第三次世界大戦の瀬戸際に立たされていることと比べれば重要ではない。

ボルトニコフはプーチンの側近中の側近である。 彼もプーチンもナリシキンもほぼ同年齢だ。 ボルトニコフは72歳で、数歳年上である。

特に印象的だったのは、彼の冷静さと慎重さ、慎重に言葉を選びながら、捜査の方向性を透明性をもって示し、「何があっても動じない」淡々とした態度だった。

記者たちは皆、テロ攻撃の背後に誰がいるのかという疑問を投げかけていた。ボルトニコフは記者たち、それと私たちにこう答えた。「イスラム過激派によるテロ行為の背後にいるのは、米、英、ウクライナです」と。

ボルトニコフは、予備的な調査結果では、虐殺の実行犯4人は車でウクライナとの国境に向かい、国境の向こう側にはその実行犯を待っている人々がいたことがわかった、と述べた。彼は非常に冷静に、外国勢力の関与は明らかにされつつあると述べ、今は純粋な感情から何も言わないが、発表する前に事実がしっかりと収集されるのを待つ、と説明した。

そうとはいえ、ボルトニコフがテロ行為の操り手である可能性が高い国として、米、英、ウクライナを挙げたことは、まったく報じる価値のある事実だった。ノルド・ストリーム・パイプライン爆破事件は、過去50年間で世界的に重要な民間インフラに対する最も重大な攻撃であったが、ロシア政府高官はどの国も直接には非難しなかった。仄めかしはあったが、昨日ボルトニコフから聞いたような直接的な非難はなかった。

いっぽう、ボルトニコフの報道関係者らとの雑談とはまったく別に、クロッカス・シティ・ホールでのテロ攻撃に関する多くの新情報が昨日、ロシア国営テレビのニュース分析番組『60分』に掲載された。特に、2月末日と3月初めの数日間、4人の犯人のうち2人がイスタンブールにいたことがわかった。うち一人がモスクワの空港への出発と到着した模様がビデオに収められた。彼らがどのホテルに宿泊したかは知らされ、イスタンブールで1人が撮影した自撮り写真などがスクリーンに映し出された。トルコで誰と会ったのかはまだ明らかになっていない。ただしどの時機だったのか、という点が非常に重要だ。というのも、ロシア暦の聖なる日である3月8日(国際女性デー)にテロ攻撃を実行するためにモスクワに戻ったという指摘があったからだ。もし彼らがその日にテロを行なっていたら、1週間後のロシア大統領選挙に壊滅的な影響を及ぼしていただろう。

しかし、テレビ番組『60分』によれば、3月8日のロシアの国家安全保障体制がテロ作戦を成功させるには厳しすぎると判断され、米国はこの作戦の中止を決定した、という。

なお、これはヴィクトリア・ヌーランドが国務省に辞表を提出した時期(3月5日)とほぼ同じである。この2つの事象に因果関係がある可能性は、米国の「反体制派」コミュニティーにいる私の仲間たちが注目するに値するものであることは間違いない。

いずれにせよ、ウラジーミル・ソロヴィョフのトークショー『イブニング』で後日語られた話によると、ウクライナ側がロシア大統領選の1週間後にテロ攻撃を決行したため、意義がほとんど失われたという内容だった。そしてそれは、米当局の反対を押し切ってのことだった、という。

時折、読者からなぜ私がウラジーミル・ソロヴィヨフのような人物のトークショーに注目するのかと質問されることがある。こうした懐疑的な人たちの目に入っていない事実は、ソロヴィヨフがた番組に招くのは、大衆を楽しませることができる無責任な学者やジャーナリストだけでなく、ロシアの権力中枢に近く、外交・内政の遂行に影響力を行使する非常にまじめな政治家たち、特に国家院の委員長やその他の重要人物も含まれている、という事実である。

独立国家共同体(旧ソ連)関係委員会の委員の一人から話を聞いたのは昨夜の番組でのことだった。ロシア国境地帯のベルゴロドで、近隣のハリコフ(ウクライナ)から市民へのテロ攻撃が後を絶たないことについて、彼はハリコフを壊滅させる時だ、と言った。ちなみに、ハリコフはキエフに次いでウクライナで2番目に人口の多い都市である。

概して、パネリストたちや司会のソロヴィヨフ自身の雰囲気は、今や決定的な変化を遂げている。つまり、ウクライナは敵国であり、一刻も早く消滅させたほうがいい、というものだ。昨夜は、キエフの大統領官邸と、首都にあるすべての軍事施設や政府中枢をミサイル攻撃で破壊する必要性が語られた。

過去2年間、私たちが繰り返し観察してきた状況は、プーチン大統領が、第三次世界大戦を引き起こしかねない行動に抵抗し、節度と自制の代弁者として振る舞う姿だった。しかし、ロシア連邦保安庁(FSB)長官がこの20年で最大のテロ攻撃の計画者として米国と英国を名指ししたことで、そのような状況は明らかに終わりを告げようとしている。

©Gilbert Doctorow, 2024
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フランスは「戦争の準備」をし、欧州の安全保障構造を脅かしている

<記事原文 寺島先生推薦>
France ‘Prepares for War’ and Threatens European Security Architecture
筆者:ルーカス・レイロズ(Lucas Leiroz)
出典:Strategic Culture Foundation  2024年3月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月30日


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マクロン大統領が「欧州の指導者」になろうとして失敗したことで、大陸を全面戦争に導く可能性がある、とルーカス・レイロズ氏は書いている。

フランスは軍事化とロシアとの緊張激化に向けた措置を講じ続けている。ウクライナ領土にフランス軍を派兵するか否かが議論される中、パリの高官たちは「戦争の準備」とされるものについて物議を醸す発言をしており、多くの専門家はフランスとロシアの関係は取り返しのつかない瀬戸際に近づいている、と考えている。このような状況は、明らかにヨーロッパ大陸と全世界に壊滅的な結果をもたらす可能性を生んでいる。

フランス軍のピエール・シル司令官は最近の声明で、フランス軍は戦闘準備が整っており、必要であればいつでも戦争に参加できる、と述べた。彼は今日のフランスが深刻な脅威にさらされていると考えている。この意味で、この国はパリに危険をもたらす国家に対して戦争をする準備をしなければならない、というのだ。

同時に、政府の公式発表はロシア連邦に対してますます攻撃的なものになり続けている。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ウクライナ紛争への自国の介入を強化する計画を進めており、戦場へフランス軍が直接介入する仮説を排除するとの明言を避け続けている。実際には、フランスはロシアとの直接戦争に確実につながる計画を進めているだけであり、フランスがNATOに加盟している点を考慮すると、これは明らかに世界情勢が多大なる危険に直面していることを意味する。

さらに先日、ロシア諜報機関は、約2000人のフランス兵士が動員され、いつでもウクライナに派遣される準備が出来ているという情報を入手した。これらのフランス兵は、ロシア軍が陣地を強化すると西側諸国が懸念しているオデッサや北部国境などの重要地域に配備されている、と考えられている。フランス政府はロシアの報告書に記載された情報を否定しているが、「必要であれば」ウクライナへの派兵に公的に意欲を示しており、それが緊張が依然として高い理由である。

興味深いことに、ウクライナのドミトリー・クレバ外務大臣は、ロシアはフランスの計画を誤解している、と述べた。同大臣によれば、マクロン大統領の本当の意図は、紛争に直接参加することではなく、「必要に応じて」キエフ軍を地上で訓練できるよう、ウクライナ国内にフランス人の教官を配置することだけだ、という。戦況が激化していることとウクライナが兵站面に問題があることから考えると、このような措置が西側諸国による現在の協力体制とキエフ軍の訓練を継続する最善の方法である、と考える向きもある。

しかし、念頭に置いておくべきことは、マクロン大統領が軍事教官の派遣の計画だけを提案しているわけでは全くない、という事実だ。実際、大統領は声明の中で、戦争への直接介入の可能性を排除していないと述べ、フランス当局が将来的にウクライナ前線で戦うために軍隊を派遣する可能性があることを明らかにした。さらに、たとえマクロン大統領が言い間違えて、その意図が軍事訓練兵の派遣だけだったとしても、フランスが実際にロシアと戦争をすることになるという事実は変わらない。

ウクライナ領内の西側軍は、現在もそして今後もロシア軍から狙われて当然の標的だ。それ以上に、ロシア政府はこれらの敵がウクライナ犯罪の背後にいる真の戦略家であることを理解しているため、西側軍は優先される標的である。ウクライナではすでに西側兵士数名が死亡しており、その中には傭兵として活動していた者もいれば、指導者や意思決定者として活動していた者もいる。しかし、今のところ西側の軍隊が公に駐留されたことはなく、そのおかげでなんとか両者間の緊張においては理性的な抑制が保たれている。

NATO加盟国が、たとえ単なる軍を指導する目的であっても、ウクライナに正規兵を派遣し始めた瞬間から、危機は非常に深刻な、おそらくは取り返しのつかない段階にまで激化するだろう。ウクライナに西側軍が正式に駐留すれば、NATOとロシアの関係において後戻りできない点となり、第三次世界大戦が勃発し、その結果は壊滅的なものになる可能性がある。

この過程において、フランスとヨーロッパが単純に「見捨てられる」という危険性もある。これまでのところ、NATOの主導国である米国は直接の介入には関心を示していない。米国政府にとって最も有益な展開は、米軍を公的に関与させずに、ロシアを「疲弊させる」消耗戦に代理諸国を関与させることである。そういう意味では、フランスがロシアと開戦した場合、フランス当局とそのヨーロッパの同盟諸国に対して、米国が直接支援しない可能性は非常に高い。結局のところ、同盟国が他の国家に対して敵対行為を開始した場合でも、NATOの集団防衛義務は適用されない、ということだ。

実際、マクロン大統領は完全に危険かつ無責任な行動をとっている。ヨーロッパ国民の間で「リーダーシップ」を獲得しようとする利己的な試みの中で、フランス大統領は大陸全体を前例のない安全保障危機に導いている。
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西側の諸国民は目隠しをされたまま戦場へ向かっている

<記事原文 寺島先生推薦>
Western Peoples Are Going Into Battle Blindfolded!
筆者:ヒューゴ・ディオニシオ(Hugo Dionísio)
出典:Strategic Culture Foundation  2024年3月23日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月30日


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NATOによる全面的「反選挙運動」が功を奏さなかったのであれば、威嚇やロシア国民に恐怖や疑念、困惑を広めようという戦略もうまくいかなかった、ということだ。

先日のロシアの大統領選は、「報道」の概念や西側の諸国民が情報を入手する権利に対する侵略行為がまったく新しい段階に入ったことを示す機会となった。未だに「報道」機関であるという仮面をかぶっている主流報道機関という独占企業が、今頃になってやっと最悪の状態に陥ったと考える人間がいれば、の話だが・・・。この選挙は過去最悪のものとして知られる恐れがある。

3日間おこなわれたこの選挙までの数日、数週間は、今後起こることの準備運動となった。L’imitation de Napoléon(ナポレオンもどき)マクロンが指揮棒を手にし、ズボンをはいた将軍のように、彼のフランスが軍事的行動としてウクライナに軍を送る、とロシアを脅し始めた。脅しだけに飽き足らず、マクロンはそもそも制限や超えてはいけない線など存在しない、とまで述べた。

フランスが軍を送るのは、ロシア軍がキエフやオデッサ(この二つの都市の間にある地域のことは「口にして」いただろうか?)方面に進軍しようとしたときだけである、と明言した後マクロンはブレーキをかけ、いくつかの防衛戦を後退させた。それは私も含め多くの人たちが考えたことだ。事実は、マクロンはモルドバとの合意文書に署名した。これはウラジミール・プーチン大統領率いる行政府に対する明らかな挑発だ。そして、マクロンはドイツやポーランドの取り巻き連中と会い、この攻勢における協力体制を固めたのだ。

誰かが裏から手を回し、小物ナポレオンが臆病な様子を見せるショルツに激怒しているという情報を報道機関に流したに違いない。具体的には、ドイツ本場本物ソーセージのやり方でタウルスミサイルを送ることに抵抗していることについてだ。そんなことをすれば、キエフ政権はドンバスやクルスク、ベルゴロドで一般市民を殺し続けることになる。ロシア軍人を殺すことについては、これまでになく難しくなっている。

私にはこのl’enfant terrible(手に負えない子ども)についての騒ぎの狙いは、何より選挙を目前に控えたウラジミール・プーチン大統領に向けられたものだと思える。それと同時に、ロシア国民がどれほど自分たちの指導者を支持するかの決意を試そうとしている、とも言える。要は、私の見方になるが、ロシアの人々に彼らの大統領(プーチン)の動きを強調することで事態はエスカレーションするぞ、と脅すことにあった。同時にウクライナにNATOが介入するかどうかは、ひとえに、この官僚的で卑屈な軍隊であるNATO軍が両陣営対決の唯一の責任ある脅威と考える存在、つまりウラジミール・プーチンにかかっている、とも言っている。ロシア国民に対して潜在意識に働きかける(サブリミナルな)脅しをかけていた、ということだ。「独裁君主」で「暴君」で「独裁者」を選んでしまえば、ロシアとヨーロッパ、つまりNATOとの直接戦争がおこる危険が生じるぞ、と。

独占報道機関が出す唯一の疑問は、マクロンがこんなことをするのは、自身の欧州議会選挙にむけた宣伝活動のためではないか、ということだが、実は、ウクライナに軍を送る可能性の是非を問う指標はすでに示されている。BFMテレビがおこなった世論調査によると、フランス国民の57%が、この件に関してマクロンは間違っていると答えた、という。

フランス国民がその可能性を否決したのならば、マクロンがこのような決定を下した理由が国内選挙にあると考えるのには意味がない、ということだ。そしてこの点において、私はマクロンが「この決定は選挙に向けた動きとは全く無関係だ」と自己弁護していることに同意する。「国内では」という意味で! 言い換えれば、このL’imitation de Napoléon(ナポレオンもどき)は、部分的にウソをついていたのだ。その選挙工作は、ロシアの大統領選挙に介入しようという動きに関するものだったのだ。つまり、ロシアが西側でやっていると非難されている動きみたいなものだ。

この騒ぎに先だって、ナワリヌイ事件が奇術師の見世物のように展開されていたが、その狙いはウラジミール・プーチン大統領に反対する勢力が実際の力よりも強大であるという幻想をみせるためだった。その結果生じた状況から、ナワリヌイの死が見世物のひとつだったことを考えると、私はこの腐敗した人種差別主義者のナワリヌイにある種の自由主義的な姿を見ていた人々に、「ナワリヌイは無駄死にだった」という事実を伝えることはつらい。実際、これはマンガのような事例の一種だった。奇術師が自分の奇術を成功させるために、助手を殺してしまうという筋書きだ。悲しいことだ。

紛争や騒乱の脅威も嘘ではないと思わせようと、ロシアの大統領選挙が始まる1週間前から、報道機関による工作が展開された。「自由ロシア軍(FRL)」や「シビル大隊(SB)」という名称の仮想組織が国境を越えロシア国内の2つの村を占領した、という軍事的な動きもあることを含ませて。その後、旗を掲げた多くの写真や動画が公開され、キエフ政権が無関係だと主張する傭兵の大部分が虐殺され、戦闘車両が破壊されたことが確認された。私がカミカゼ作戦と呼んでいるものは何日も続き、この軍事宣伝作戦で1000人以上の兵士が失われた。

ロシアの選挙におけるNATOの広報戦略として特徴づけられたものは、最も致命的で、最も破滅的で、失敗した政治的プロパガンダ作戦として知られることになるだろう。主要人物や「活動家たち」はほぼ皆死んでしまった! この投票率と得票率でプーチンが選挙に勝ったのだから、CIAがあとどれだけのナワリヌイとカミカゼ大隊をしつらえないといけないか、見当もつかない。完全に遅ればせながら、ニューヨーク・タイムズ紙は私たちがずっと前から知っていたことを確認する記事を出した。「すでにウクライナの村々が人手不足になっており、リンゼー・グラハム米国会議員がゼレンスキーに、前線に最も若い兵たちを送る時だと伝えた」という記事だ!

しかし、私たちが向き合わねばならない問題がひとつある。それは、ウラジミール・プーチンに対して(反)選挙運動をおこなうことは本当に危険である、という事実だ。本当に恐ろしいことだ。相当数の宣伝活動家がCIAやキエフ政権の手で死んでいるからだ。となれば、それは何のための運動なのだろうか? 結局、投票率は記録的な高さとなり、ロシア大統領は過去最高の結果を得ることになった。

NATOの「反選挙活動」が功を奏さなかったのならば、脅しや、怖さと疑念と困惑をロシア国民の間に広めようという戦略も失敗した、ということだ。逆効果だった、とさえ言える。ロシア国民は、市民権や責任、勇気と抵抗についての教訓を示してくれた。自国の市民たちが今回のロシア国民のような振る舞いを見せるのであれば、どんな国のどんな市民でも、自分の国に誇りをもてることだろう。投票の方向性に関係なく、こんな風な動きに結集した諸国民であれば、間違いなく自分たちの未来を自分たちの手に掴むことができるだろう。

つまり、この動きは反教育的なサーカスに過ぎなかったのだ。この3日間、今回のロシアの選挙に関してはあることないことが目白押しに語られた。129カ国から1125人の独立選挙監視員がロシアに派遣されていたのに、テレビでは「この選挙は国際的な監視員たちから監視されていない」と報じられていた。まるで西側諸国の選挙では監視がおこなわれていて、さらにすでにネオ・ファシズムへ滑り落ちようとしている西側が、他国に民主主義のお手本を示せる立場にあるかのように。例えばキエフ政権のようにファシストやナチス政権を支持する勢力や、バルト諸国のように外国人を嫌悪する勢力であれば、民主主義の手本になれる資格などまったく失っているといえる。

弾圧に対する非難が殺到し、「ロシアでは投票は強制されている」という主張までされた。最後には、投票者の77%が「(被害者が犯人に対する同情心をもつと言われる)ストックホルム症候群」に陥った、という話を正しいと思わねばならなくなった。これらの投票者は「警告」にも関わらず、プーチンに「はい」と言いたくなってしまった、と。選挙前の数日間、その「警告」は西側諸国の大使館から雨のように流されており、ロシアでテロがおこなわれる可能性があると自国民たちに警告され、群衆を避けるよう助言がおこなわれていた。まるで「もしテロ攻撃があったとしても、それは自分たちがやったのではない」と言いたいかのように。

ナワリヌイの亡霊が再浮上した。この人物をどれだけつかい回せば気が済むのだろう! ナワリヌイは「正午」という作戦により今回の選挙を動揺させることを約束していた。ロイター通信は、投票に並ぶ長蛇の列の写真を撮って、ロシア「反体制派」による平和的な抗議活動と報じた。

「何千人もが!」とロイター通信は報じた。まるで1億人以上の有権者が存在する国で、その数千人が何かの代表となっているかのような報じ方だった。ヨーロッパ各地の大使館では、外交官の追放などのボイコット作戦にもかかわらず、行列はまるで投票への意志とは切り離されたものであるかのように感じられ、多くの場合、メディアでそう報じられた。

キエフ政権により投票箱には液体がかけられ、一般市民が爆撃され、投票所で破壊行為がおこなわれた。これら全てのことは西側民主主義社会の通信社と呼ばれる組織の客観的な分析からは見過ごされてきた。確かなことがひとつある。ロシア国民が今回の選挙を支持したのは、自身のアイデンティティを肯定し、自分たちの利益に反して継続される敵からの侵略に対する戦いと攻撃に向かう真の行為を求めるものであるとしても、注意深くものごとを見られなくなっている西側の諸国民にはその声が聞こえなかったのだ。それでも、西側の諸国民はその攻撃の効果を感じとることになるだろう。

情報独占媒体の「ニュース」報道と同様、西側の諸国民は生活のさまざまな分野において、ロシア国民が繰り出す攻撃の効果に苦しむことになるだろう。具体的には、

① 財源が公共事業から軍事産業に回されることで生活状況が悪化していること、
② 西側の支配者層が流すたった一つの真実と相容れない情報は検閲されるという工作が強められること、
③ 自分たちの権利が抑圧されること、
④ ネオ・ファシズムの促進に拍車がかかっていること、
⑤ 帝国主義のもとでの統治を唯一可能にする枠組みとして、ロシア国民に対する憎しみや外国人嫌悪を持たされていること、
⑥ 西側の諸国民の真の懸念から目をそらせるような陽動作戦が促進されていること、

つまり、平和や食べ物、教育、健康、住居の問題だ。

ロシア国民は西側の侵略から勝利を収め、NATOのサブリミナル攻勢に対して反響の大きい反撃を加えた。いっぽう、西側の諸国民は、現実に目覚めなければ、自分たちが感じている攻撃がどこから来ているのかさえ特定できないような状況に陥るだろう!

もしこの真実に対する攻撃について私が述べたことのすべてを証明するものがあるとすれば、それは西側の諸国民は目隠しをされたまま、戦場に放り込まれることになる!ということだ。
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