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「食の移行」政策は食料や農家、そして世界中の人々に対する戦争だ

<記事原文 寺島先生推薦>
The ‘Food Transition’ Is a War on Food, Farmers and Everybody Worldwide
筆者:コリン・トッドハンター(Colin Todhunter)
出典:グローバル・リサーチ(Global Research) 2024年3月4日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月19日


食の危険


この記事は、研究者のサンディ・アダムス氏のインタビューにもとづいた短い動画から始まる。アダムス氏は、イングランド北西部のサマセットという田舎の郡や英国全体における農業のために取られている計画について話してくれている。この映像が重要なのは、アダムス氏が話してくれている内容が、国連によるより広大な計画の一部を指しているように思えるからだ。そしてこの計画をおろしてきているのは、自分たちがやったことに責任を持たない、選挙で選ばれたわけではない超富裕層だ。

この超富裕層は、自然に頼るよりも、食の本質や食料供給の遺伝子核を変える(合成生物学や遺伝子工学)ほうが効果が得られる、と考えている。

さらにこの計画に含まれている内容は、農地から農家を排除(AIが運用する、農家の存在しない農地)することや、地方の大地を風力発電所や太陽光パネルで埋め尽くすこともある。たしかに食糧体系には手を入れる必要のある問題点があることは事実だが、こんな方向性の間違った計画は、食の問題を不安定にし、だれも賛同できないだろう。



オランダからインドまで、世界中で農民たちは抗議活動をおこなっている。これらの抗議活動は、共通点がほとんど見いだせないように見える。しかし実際のところ、共通点はあるのだ。それには、農民たちはますます、生計を立てることが困難になっていることもあるし、それ以外にはたとえば、新自由主義的貿易政策による国外からの農産物の輸入、国内農産物の生産の弱体化、価格の暴落、国家による農民救済措置の停止、非現実的な目標を掲げている排出ゼロ政策などがあげられるだろう。

これらの抗議活動の理由となっている共通の糸は、なんらかの形で、農業が意図的に不可能である、あるいは金銭的に生き残れないよう追いやられている点にある。その目的は、ほとんどの農民を農地から締め出し、とある計画を強行突破させることだ。そしてその計画の本質は、食料不足を生み出し、食の安全保障を弱体化することにあるようだ。

「ひとつの世界の農業」という名の世界規模の取り組みを推し進めているのは、ゲイツ財団や世界経済フォーラムといった組織だ。その取り組みは農業や食に対する視座に関わるものであり、その視座は、バイエル社やコルテバ社、シンジェンタ社、カーギル社などの農業関連企業がマイクロソフト社やグーグル社などの巨大テック業界と結びつき、AIが運営する農家のいない農地や研究室で操作された「食物」、アマゾン社やウォルマート社が支配する小売業の促進、というところに向けられている。

この取り組みを発案したのは、デジタル・企業・金融複合体であり、この複合体が望んでいるのは、生活や人間の行動の全ての面の形を変え、支配することだ。この複合体は、権威的な世界規模の特権階級層の一部として機能しているが、この階級層は、国連や世界経済フォーラム、世界貿易機関、世界銀行、国際通貨基金、影響力のあるシンクタンクや基金(ゲイツ財団やロックフェラー財団など)を含むそれ以外の多国籍組織を通じて自分たちの取り組みを調整する力を有している。

食と農業のためのこれらの特権階級層の取り組みは、「食の移行」という遠回しなことばで表現されている。巨大農業関連企業と「慈善」基金は、自分たちがまるで人類にとっての救世主であるかのような立ち位置をとるために、大々的に広告されている計画を利用している。具体的には、ハイテクを駆使した「精密農法」や「データに基づく」農業、「グリーン(排出ゼロ)」な農産物により「世界に食料を提供する」という売り込み文句だ。「持続可能性」というお題目を唱えながら、だ。

関連記事:金持ちの腹は飢餓の裏でさらに膨らむ

この「食の移行」政策に不可欠なのが、「気候変動緊急事態」言説だ。この言説に対する注釈は、慎重に作り出され、促進されてきた(調査記者であるコリー・モーニングスター氏の記事を参照)。さらに排出ゼロ思想が炭素農業*やカーボン・トレード・システム**と結び付けられている。
*大気中の二酸化炭素を土壌に取り込んで、農地の土壌の質を向上させ温室効果ガスの排出削減を目指す農法のこと
**二酸化炭素ガスによる地球温暖化防止のために、各国の二酸化炭素発生量の限度量を決め、それを超える国は他の超えていない国から二酸化炭素発生の権利(carbon credit、カーボン・クレジット)を買う、という取り決めのこと(英辞郎)


「食の移行」には、農民たち(少なくともこの先も農業を続ける農民たちのことになるが)を企業支配のもとでの農業にさらに釘付けにしてしまうことも含まれる。こんな農業のもとでは、農地たちの富が搾取され、世界的企業の市場の必要やカーボン・トレード・システムという投資詐欺や組織的な投資家や投機家に応じた農業がおこなわれることになる。これらの投資家や投機家たちは、農業と全く関係を持たず、農業や食料品、農地のことを単なる金融資産としか考えていない。これらの農民は企業から利益を吸い取られる存在となってしまい、全ての危険性を引き受けねばならなくなるだろう。

地方におけるこの略奪的商業主義は、間違った前提や気候変動という不必要な警告を利用して、技術の導入を正当化しようとしている。その技術が、気候崩壊や(人口の増加が地球の危機を招くという)マルサス主義的崩壊から私たち全てを守ってくれるという前提で。

一般社会では、公式言説に疑念を唱えれば、落胆させられ、検閲の対象となり、軽視される。同じような状況を目にしたのは、政策や「科学」が、COVID-19に関連した各国の対応を正当化するために使われたときのことだ。富裕層が科学界に資金提供をおこなう状況がますます増加し、何をどう研究し、その研究結果がどのように流布され、生み出された技術がどう使われるかについての決定権をもつようになっている。

この富裕層がもっている力により、真になすべき討論は封鎖され、支配的な言説に異論を唱える人々は中傷され検閲を課されている。その結果、「人類が直面している諸問題は、すべて技術革新により解決できる」という考え方が普及してしまっている。そしてその考え方を決めたのは、金持ち連中と中央集権的各国政府だ。

こんな自分勝手な考え方(完全な傲慢性といってもいいだろう)により、権威主義の兆候が導かれる、またそのような兆候がすでに生じている。そしてその権威主義は、民主主義を考慮に入れないまま、人類に様々な技術を課そうとしている。その技術には、自己感染力のあるワクチンや植物や食物の遺伝子操作、トランスヒューマ二ズム(科学の力により人間の身体や認知能力を向上させようとする工学)が含まれる。

私たちが目にしているのは、権力を集中させ、技術科学の専門知識(技術官僚がもつ専門知識)が特権を与えられるという間違った判断のもとでの環境道徳主義的観点である。同時に、世界規模における文化内あるいは文化間での歴史的な勢力関係(それはしばしば農業や植民地主義に起源をもつ)や負の遺産については都合良く無視され、政治的色合いを失わされている。技術は貧困や不平等、強奪、帝国主義あるいは搾取を解決できる特効薬ではない。

農業分野において導入されている技術や政策についていえば、こうした現象はさらに強化され、定着していくだろう。私たちが食べる現代食や、「食の移行」を推進する企業によってすでに使用されている農薬や慣行の結果、著しく増加している病気や不健康もそのひとつだ。しかし、農業と医薬品の両方に投資するブラックロック社のような投資家にとっては、生命科学分野の技術を駆使した解決法に資金を投じる機会が生まれることになる。

しかし、新自由主義的な民営化経済では、支配的な富裕層特権階級の台頭がしばしば促進されてきた。その特権階級の人たちは、世界がどのように機能し、今後も機能し続けるべきかについて、ある種の前提を持っている、と考えるのが妥当だろう。その世界とは、規制が緩和され、監視の目は制限され、民間資本が覇権謳歌する世界である。さらには、ビル・ゲイツのように「我こそが一番の物知りである」と考える民間人が主導する世界である。

例えば、生命体の特許化や炭素取引、市場(企業)依存の定着、土地投資などを通じて、これらの特権階級の人々が提唱する環境・近代化政策は、彼らにとってさらなる富を生み出し、蓄積し、支配を強固にするための隠れ蓑として機能している。

であるので、民主主義の原理を軽視する権力をもつものたち(普通の人々もそうかもしれない)が、自分たちは神聖な権利を有していて、食の安全を悪化させたり、議論する余地を閉ざしたり、技術や政策の恩恵を受けて自分たちをさらに富ませたり、人類の未来を勝手に賭け事の対象にしたりできる、と考えているとしても、ほとんど驚かされることはないのだ。



上記の問題に対してさらに詳しくお考えになりたいのであれば、食糧体系の問題に関する同記事筆者の2冊の電子本(こちらこちら)をご参照いただきたい。

著名な作家コリン・トッドハンターの専門は開発、食糧、農業。グローバリゼーション研究センター(CRG)研究員。
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ガザで殺された子どもの数は、この4年間世界中の紛争で殺された子供の数より多い – 国連

<記事原文 寺島先生推薦>
More kids killed in Gaza than in four years of global conflicts – UN
イスラエルのハマスに対する戦争は「子どもたちに対する戦争」である、とUNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)のフィリップ・ラッザリーニ長官は宣言
出典:RT 2024年3月13日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月19日


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2023年12月7日、ガザ地区カーンユニスの破壊された建物の瓦礫の下で発見された、死んだ少女を運ぶパレスチナ人© AP / Mohammed Dahman


火曜日(3月12日)に国連が発表した数字によると、10月以来ガザ地区でイスラエル軍によって殺害された子どもたちの数は、2019年から2022年までで世界中の紛争で亡くなった人の合計よりも多いことが分かった。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラッザリーニ長官は、国連とガザ保健省の数値を引用し、戦争開始以来、パレスチナの飛び地であるガザ地区で1万2300人以上の子どもが殺害されたとの報告がある、と述べた。総死亡者数のほぼ半数を子どもが占めている。総死亡者数は現在3万1000人を超えている。

統計によると、2019年の初めから2022年末までに、世界中のすべての武力紛争で1万2193人の子どもが死亡している。

「この戦争は子どもたちに対する戦争です。これはパレスチナ人の子ども世代とパレスチナ人の将来に向けられた戦争です。」とラッザリーニ長官は述べ、「ガザの子どもたちのために」即時停戦を求めた。

パレスチナ武装勢力がユダヤ人国家であるイスラエルを奇襲攻撃し、1100人以上を殺害し、約250人の人質をとったことを受け、イスラエルは10月7日にハマスに対して宣戦布告した。イスラエルは、容赦ない航空作戦で対抗し、その後同月下旬にガザに軍隊と兵器を派遣した。双方の紛争に関する国連の数値によると、1か月以内に、ウクライナでのほぼ2年間の戦闘で死亡した民間人よりも多くの民間人が死亡した、という。

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関連記事:Netanyahu vows to ‘finish the job’ in Gaza

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は週末、米国からの圧力を無視して、パレスチナ飛び地であるガザ地区の南部に位置するラファ市に侵攻する、と述べた。この市は、ガザ地区北部から避難した100万人以上の人々が避難している。国連はイスラエルによるラファ市への攻撃は民間人の「虐殺につながる可能性がある」と警告した。

死者数が増加しているにもかかわらず、ネタニヤフ首相は火曜日(3月12日)、イスラエル軍は「歴史上どの軍隊よりも民間人の犠牲を最小限に抑えるための措置を講じています」と主張した。

火曜日(3月12日)の夜遅くにラファ市内にあるUNRWAの援助物資配布センターがイスラエル軍の空爆で攻撃された、と同機関は水曜日(3月13日)に発表した。ガザ住民の4分の1が飢餓の危険にさらされ、ガザ地区保健省が少なくとも20人の子どもの餓死を報告している中、ラッザリーニ長官が所属するUNRWAはイスラエルに対し、包囲されたこの飛び地へのより多くの食料と人道物資の搬入を許可するよう繰り返し求めている。
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