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ロシアの宇宙核兵器とナワリヌイ氏の死…米国発の心理戦が急上昇

<記事原文 寺島先生推薦>
Russian Space Nukes and Navalny’s Death… U.S. Psyops Go Ballistic
出典:Strategic Culture 2024年2月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月2日


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ロシアの宇宙配備核兵器に関する主張は、冗談のようなものになった。幸いなことに、その後、西側の後援を受けた反体制派アレクセイ・ナワリヌイ氏が死亡し、西側報道機関は狂乱の「反ロシア」見出しをつけることができた。

まず最初に取り上げられたのは、ロシアが宇宙配備型核兵器を開発しているとされる疑惑に関する恐怖を煽る記事だった。当初、これは米国にとって重大な国家安全保障上の脅威をもたらすものとして、まるで劇でも見てるかのような報道ぶりだった。衝撃的な報道にもかかわらず、この話はすぐに笑いものになった。一部の米国議会議員でさえ、これは「でたらめ」であり、610億ドル相当のウクライナへの新たな巨大軍事援助法案を議会に強引に可決させようとするバイデン大統領と諜報機関のあからさまな試みである、と一蹴した。

ナワリヌイ氏の話については後で触れるとして、まずはロシアの宇宙核兵器疑惑でっち上げを解析してみよう。

このドラマは水曜日(2月15日)、下院情報委員会のマイク・ターナー委員長(情報源としは信頼できない人物)がジョー・バイデン大統領に対し、「国家安全保障に対する重大な脅威」に関する情報の機密を解除するよう公に訴えたときに始まった。ターナー委員長は共和党の下院議員だが、ウクライナへの軍事援助を熱心に支援するという点で民主党の大統領府と緊密な同盟関係にある。最新法案は前日の2月13日に米上院を通過したが、多くの共和党議員が断固反対している下院で承認される可能性は低い。

ターナー情報委員会委員長の「懸念」を受けて、報道機関は米国諜報機関の匿名の情報源の話として、ロシアが宇宙上の米国の通信衛星を破壊するための核兵器を開発中であるという国家的危機が生じている、と報じた。それから大統領官邸は、その翌日の2月15日にその情報の正しさを「認め」た。それは目に余る出来レースだった。しかしバイデン政権は、人々の混乱を鎮めようとして、そのような脅威はすぐに起こることではなく、ロシアが開発中だとされる対人工衛星兵器はこれまで軌道に乗せられたことはないし、地球になんの損害も加えるものではない、と伝えた。(だとしたらいったい、この騒ぎは何だったのだろう?)。

皮肉なことに、信じられないという米議員たちの嘲笑的な発言と同じことが、クレムリンでも聞こえてきた。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、バイデン政権がウクライナへの軍事資金援助予算案を押し通すために策略を弄しているという米議員たちと同様の評価を下した。

この法案の可決は昨年末から遅れている。バイデン政権は何カ月も議会に法案を可決するよう働きかけてきた。上院が今週ようやく法案を可決した後、バイデン大統領は下院に圧力をかけ、「歴史はあなたたちを見ている」と言った。

この法案は、ウクライナにおける「ロシアの侵略」を打ち負かす上で、実存的な重要性を持っていると称揚されている。米報道機関は(本末転倒も甚だしいが)、もし軍事援助が提供されなければ、ウクライナが敗北し、ヨーロッパ全域でロシアが暴れまわるのを防ぐために米軍が出動することになりかねない、と主張している。

米国民は、ヨーロッパ国民と同様に、ウクライナに税金と武器を途切れることなく投入することに懐疑的な見方を強めている。 世論調査によれば欧米の大多数の市民は、ネオナチが支配する政権で「民主主義を守る」という怪しげな大義のために流血の戦争を煽ることに批判的になっている。米国やヨーロッパで社会的・経済的苦境が深刻化している今、西側諸国民は、数千億ドルや数千億ユーロが死と破壊のために浪費され、さらにはウクライナ政府に巣食う腐敗分子に吸い上げられることを歯に衣を着せず発言するようになっている。

ウクライナへの610億ドルの軍事援助は、米国政府がロシアとの代理戦争というブラックホールに投げ込もうとしている最新の一片にすぎない。もうひとつの原動力は、西側資本主義の腐った中心部にある軍産複合体に、納税者が巨額の利益を助成していることだ。

ウクライナにおける米国と北大西洋条約機構(NATO)の代理戦争の失敗には大きな危機がある。キエフ政権は、優れたロシア軍の前に崩壊に直面している。

だからこそ、議会が最新の法案を可決することは、必要不可欠なのだ。そう、戦争亡者たちにとって、だ。

この法案を成立させるために、米国のディープ・ステートの支配者たちと、それに従順なバイデン・ホワイトハウスは、報道機関や諜報機関とともに、宇宙用の核兵器疑惑というやぶれかぶれな言説でロシアを悪者にしようとした。あの卑劣なロシア人め!というわけだ。

しかし、前述したように、ロシアの宇宙核兵器というつぎはぎだらけの話は茶番劇と化した。国民が操られていた、あるいは米議会議員のことばを借りれば、たぶらかされていた、というのはあまりに明白だ。心理作戦が失敗した場合、その反動はその作戦を仕掛けた側に危険が降りかかる。なぜなら、それが発覚すると手酷い周囲からの蔑みを生むからだ。バイデン政権は嘲笑の的となった。

この話が当初からまったくのデタラメであったことを示すいくつかの兆候はある。米国を拠点とする「宇宙における兵器と原子力に反対するグローバル・ネットワーク」のまとめ役であるブルース・ギャグノン氏は、この主張は馬鹿げていると言う。本論説のために当ストラテジック・カルチャーと交わした電子メールのやりとりの中で、ギャグノン氏は、ロシアはその気になれば衛星を破壊できる強力な非核運動兵器をすでに開発していると述べた。また、米国は対衛星兵器(ASAT)を保有しているとも述べた。

言い換えれば、ロシアが人工衛星を破壊するような危険な核兵器を開発する必要はないということだ。今週、米報道機関が報じた核兵器の詳細は、国民を不安にさせ、ロシアを悪のならず者国家として悪者扱いするための、不当な脚色である。

ロシアは1967年の宇宙条約の共同加盟国であり、この条約には、米国や中国、その他120カ国以上が加盟している。

ブルース・ギャグノン氏は、こう発言した。「米国が条約を守らないのに対して、ロシアは概ね条約を守ってきた長い歴史があると思います。ロシアと中国は、少なくとも過去20~30年間、毎年国連に行き、1967年の条約から外れるすべての兵器を禁止するために、宇宙空間における軍拡競争の防止(PAROS)と呼ばれる新しい条約を導入していることを覚えておいていただきたいです。いっぽう米国はいつも、新しい条約は必要ない、としてその提案を拒否しています」と。

ウクライナでの代理戦争のための追加資金獲得という最重要課題とは別に、もうひとついまおこっている大きな問題は、大成功を収めた、米国民ジャーナリスト、タッカー・カールソン氏によるロシアのウラジーミル・プーチン大統領へのインタビューの余波である。 先週、2月8日(木)木曜日にこのインタビューが放映されて以来、世界中の一般視聴回数の記録を塗り替えた。再生回数は3億回を超え、さらにいまも増え続けている。

この1対1のインタビューは、世界的な特ダネであり、プーチン大統領がウクライナ紛争全体についてロシアの見解を包括的に述べる有益な場になった、と見られた。このロシアの指導者は、米国やヨーロッパの視聴者の目には、理性的で知的、明瞭で説得力のある人物と映った。西側の喧伝によるプーチン大統領の諷刺的イメージは払拭され、西側の国民はウクライナ紛争の大きな原因について説得力を持って知らされた。つまり、米主導のNATO枢軸が、ネオナチが支配する反ロシア政権を煽動することで戦争を引き起こした、という事実だ。このインタビューの衝撃は、「ロシアの侵略」と「邪悪なプーチン」という西側の言説に壊滅的な打撃を与えた。

もっともな話だが、米国の戦争推進勢力はこの暴露に激怒した。

それゆえ、言説の主導権を奪い返し、西側諸国民を牽制するために、ロシアが宇宙核兵器を持っているという脅しのようなでっち上げ話が放たれたのである。残念ながら、この心理作戦の試みは失敗に終わり、ただの茶番として片付けられつつある。

そして渡りに船で、ナワリヌイ氏の訃報が届いた。欧米の報道機関はすぐに、彼は「プーチン政権」によって殺された、という見出しがついた報道を流した。

ナワリヌイ氏は複数の汚職の罪で19年間の禁固刑に服役していたが、金曜日(2月16日)に恐らく血栓が原因で死亡した。47歳の彼は、西側の諜報機関によって反体制派の切り札として利用され、見捨てられた。彼はお先真っ暗だった。現段階では、彼の死因は誰にもわからない。彼は今週、亡くなる2日前、刑務所で弁護士と最後に会っている。弁護士はナワリヌイ氏に何か渡したのだろうか? 既に終わっていた、この欧米の諜報員(ナワリヌイ氏)は、欧米を操っている勢力のために、最後の、究極の心理作戦に同意すれば、家族のためになると取引を持ちかけられたのだろうか? それが自らの命と引き換えだったのだろうか? 彼の獄中死は、西側報道機関にとって、言説の方向性を変え、雪崩を打ってロシア恐怖症に向かわせるまさに絶好の機会だった。

ロシアが宇宙核兵器を開発しているという突拍子もない話やナワリヌイ氏の死について言えば、「誰が得をするのか?」、どんなタイミングで起こったのか?という犯罪学者の疑問が信頼のおける取っ掛かりとなる。
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米空軍兵士、「パレスチナ解放!」と叫び、焼身自殺

<記事原文 寺島先生推薦>
US airman dies after self-immolation Gaza protest
米国のイスラエル大使館前で現役軍人が焼身自殺した
出典:RT 2024年2月26日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月2日


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© X / taliaotg


日曜日(2月25日)にワシントンのイスラエル大使館前で、ユダヤ国家(イスラエル)によるガザのパレスチナ人に対する「大量虐殺」に抗議するため、自らに火をつけた米空軍の現役隊員が死亡した。

25歳のアーロン・ブッシュネル空軍兵士が、自ら負った火傷が原因で死亡したことを、ワシントン警察が月曜日(2月26日)に確認した。

テキサス州サン・アントニオ出身のブッシュネルは、ソーシャルメディアでこの示威行動をライブ配信した。独立系ジャーナリストのタリア・ジェーンが投稿したこの事件の映像には、彼が軍服を着て、液体の入ったボトルを持ち、イスラエル大使館に向かって歩く姿が映っている。

「私はもうジェノサイドに加担するつもりはありません。私は極端な抗議行動を行おうとしているが、パレスチナで人々が植民地支配者の手によって経験してきたことに比べれば、まったく極端なことではありません。こんなことは私たちの支配階級が決定したことで普通のことになるでしょう」。

ビデオには、ブッシュネルが液体を頭からかぶり、ボトルを投げ捨て、自分に火をつける様子が映っている。彼は「パレスチナ解放!」と繰り返し叫んだ後倒れ、言葉が途絶えた。カメラには映っていないが、警察が彼に「地面に伏せろ」と怒鳴る声が聞こえる。約1分後、警官が消火器を持って現場に到着し始める。少なくとも1人の警官がブッシュネルに銃を向け、他の警官が消火する様子が映し出されている。ブッシュネルは日曜日(2月25日)に死亡したと伝えられている。

関連記事:米空軍兵士がイスラエル大使館(ワシントン)の前で焼身自殺

10月に西エルサレムとハマスの戦争が始まって以来、世界の主要都市では親イスラエル、反イスラエルの両方のデモが行なわれている。ガザの保健当局によれば、パレスチナの飛び地(ガザ)で3万人近くが死亡したという。この戦争は、ハマスの戦闘員が10月7日にイスラエル南部の村々に対して奇襲攻撃を仕掛け、1200人近くを殺害し、数百人の人質をガザに連れ帰ったことから始まった。

南アフリカは国連の国際司法裁判所(ICJ)に、イスラエルがガザで「組織的な」ジェノサイド行為を行っていると非難する申し立てを行なった。まだ最終的な判決を下していないが同裁判所は先月、イスラエルはジェノサイドを止め、ガザ市民の人道的状況を改善するための措置を講じなければならないと述べた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ジェノサイドの申し立てを「言語道断だ」とし、ハマスの撲滅を明言した。
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100万人以上のパレスチニア人が、銃口を突きつけられエジプトへ強制移動させられようとしている。

<記事原文 寺島先生推薦>
Over a Million Palestinians Are About to be Forced Into Egypt at Gunpoint
筆者:マイク・ホイットニー (Mike Whitney)
出典:GR 2024年2月15日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月2日


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この国に2つの民族を受け入れる余地はないことはぜったいにはっきりしている・・・。アラブ人が去れば、この国は私たちにとって広くゆったりとしたものになる・・・。唯一の解決策は、アラブ人のいないイスラエルの国だ。ここに妥協の余地はない.・・・(ヨセフ・ヴァイツ(1890~1972)元ユダヤ国民基金土地開拓部長)

イスラエル国防軍によるラファの民間人地区への最近の空爆は、イスラエルによる大規模な民族浄化プロジェクトの最終段階の始まりを意味する。月曜日(2月12日)、イスラエルは、北部のイスラエルの猛攻撃から逃れテントにいる多くのパレスチナ難民を空爆した。破壊の映像は多くのツイッターサイトに掲載され、仮設野営地の真ん中に深く陥没した荒れ地が映し出された。驚くなかれ、女性や子供が死傷者の大半を占め、ハマスの兵士たちの痕跡はどこにも見当たらなかった。現場の目撃者によれば、死体の一部と殺戮が一面に散らばっていたという。以下はWorld Socialist Web Siteの記事より:

イスラエルは日曜(11日)の夜から月曜(12日)の朝にかけて、ガザ最南端の都市ラファに大規模な空爆を行い、100人以上が死亡した。日が昇るにつれ、子どもたちの無残な死体の映像が世界中を恐怖に陥れた。数週間後に何が起こるのか、ぞっとするような光景が広がった。

週末、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、包囲された都市(ラファ)に対して全面的な軍事的猛攻撃を行うことを約束し、「我々の目標は・・・完全勝利だ」と宣言した。イスラエル政権にとって「完全勝利」とは、可能な限り多くのパレスチナ人を殺害し、残りを家から追い出すことを意味する。バイデンからの青信号で、イスラエルはラファの大虐殺を開始する、World Socialist Web Site

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テオドール・ヘルツル(パブリック・ドメインより)

イスラエルの報道官や西側メディアは、イスラエルがハマスの撲滅を試みているという虚構を繰り返すことで、月曜日(2月12日)の攻撃を形ばかりに正当化した。このだれも信じない欺瞞によって見えなくなっているのは、アラブ系住民を祖国から追放するという基本計画が、ユダヤ国家の起源にまでさかのぼるという事実である。実際、近代シオニスト運動の創始者であるテオドール・ヘルツル(1860-1904)は次のように書いている:

「国境沿いの文無し民(アラブの民)に活気を与えるのは転移先の周辺国で雇用を確保させることによってだ。われわれの国で彼らに雇用を与えることはない・・・この貧乏な民の土地を収用したり、立ち退かせることはだれにもわからぬよう慎重に行なわなければならない。


衝撃的なことに、ヘルツルがこの言葉を書いたのは1895年のことで、イスラエルが国家宣言をする50年も前のことである。つまり、この問題は当時から十分に理解されていたのだ。ユダヤ人の祖国を樹立するためには、ユダヤ人がかなりの多数を維持しなければならず、それはパレスチナ人を立ち退かせなければならないことを意味する。これが、1948年以来イスラエルの指導者たちを悩ませてきた厄介な問題である。いかにして先住民を「消滅」させるか。イスラエルの初代首相ダヴィド・ベン・グリオンの言葉を紹介しよう:

「あなた方は、おそらく、この点に関する[ユダヤ人国家基盤]の活動についてすでに把握しているでしょう。今後、全く異なる規模の移動が行われる必要があります。イスラエルの多くの地域では、アラブ・*ファッラーヒーンの農民を移動させずには新しい入植は不可能です」と彼は結論づけた:「パレスチナのユダヤ人の力は着実に大きくなっているので、この移動を大規模に実施することはますます可能になるでしょう」(1948年)。
*ファッラーヒーン・・・中東や北アフリカの定住農民や農業労働者。アラビア語で「耕す人」を意味する。 イスラム教が中東に広まった時期、各地に支配者として移住したアラブ人と、征服された土地に住む被支配層の農民らを区別するためにファッラーヒーンという語が使用された。 (ウィキペディア)


関連記事:ガザにおける戦争:ハマスは関係ない。人口動態が問題なのだ。

こんな論法は何十年も続いているが、今日のシオニストは、より大胆に、それほど自制せずに言いたいことを言う傾向がある。例えば、保守派の人気評論家ベン・シャピロは、「移動は汚い言葉ではない」と題した記事で自身の見解を述べている。彼の発言はこうだ:

ユダヤ人国家に生存権があると信じるのであれば、イスラエルがパレスチナ人とイスラエル系アラブ人をユダヤ、サマリア、ガザ、イスラエルから移動させることを認めなければならない。それは醜い解決策だが、唯一の解決策だ。そしてそれは、血なまぐさい紛争が無限に続くという見通しに比べれば、それほど醜いものではない・・・。

ユダヤ人は、敵対する住民を追放することが、暴力的なもつれを防ぐためによく使われ、一般的に効果的な方法であることに気づいていない。ここにあるのはガス室ではない。大量虐殺ではなく、移動なのだ・・・。

そろそろ潔癖症になるのはやめよう。ユダヤ人はナチスではない。移動は虐殺ではない。そして他に解決策はない。移動は汚い言葉ではないのだ、Narkive


「潔癖症」? シャピロは、人々を土地から追い出して難民キャンプに強制的に押し込めることの道徳的恐怖心を覚える人を潔癖症と考えているのか?

これは政治的シオニズムの本質であり、ユダヤ国家の始まりにさかのぼる。だから、ネタニヤフ首相が「イスラエル史上最も右翼的な政権」を築いたと批判する人たちは、そんな言い方を信じてはいけない。ネタニヤフ首相は前任者たちよりも良くも悪くもない。このシオニズムの「鉄の掟」から少しでも外れた唯一の首相は、1993年のオスロ合意反対派に(予想どおり)暗殺されたイツハク・ラビンだった。それが何を物語っているのか。

それは、「2国家方式」解決策などあり得ないということを物語っている。それは最初から見せかけだったのだ。そして(ネタニヤフ首相が最近示唆したように)イスラエルの指導者たちは、今日差し迫ったものになっている解決策(ユダヤ単独国家)を準備する時間を稼ぐために、この「2国家方式」というデマに付き合ったにすぎない。

なぜ多くのイスラエル人が、ネタニヤフ首相のガザでの暴挙を支持しているのか、考えたことはあるだろうか?

(ヒント)イスラエルのユダヤ人が凶悪な狂人だからではない。そうではない。それはネタニヤフが何をしているかを彼らは知っているからだ。彼らは「ハマス」を口実にした陽動作戦に騙されてはいない。それは西側に対するたんなる宣伝文句なのだ。ネタニヤフがヨルダン川から地中海までの全ての土地を押収する計画を実行していることを彼らは知っている。そして、これにより、シオニストの祖先の領土的野心を達成していることも。多数のイスラエル人がネタニヤフを軽蔑し、汚職で起訴すべきと考えていても、彼が彼らの望みを実現している間はすすんで見て見ぬふりをしているのだ。

外野席の人間が認識しなければならないのは、現在の戦略は全く新しいものではなく、実際にはシオニスト指導部の人口統計学的目標に沿った75年にわたる系譜を持っていることだ。

これはもちろん、先住民族を根絶するための口実にすぎない「ハマス」とは何の関係もない。我々が目にしているのは、シオニストの夢の実現であり、1948年に策定された民族浄化のための最初の見取り図である「ダレット・プラン(Dプラン)」の現代版である。

そこで、「ダレット・プラン(Dプラン)」とは何なのか

「ダレット・プラン(Dプラン)」は、1948年のイスラエル建国時に、イスラエル軍がパレスチナ人を祖国から追放するために使用した青写真である。イスラエルの歴史家ベニー・モリスが1948年の出来事に関する彼の画期的な著書で述べているように、「ダレット・プラン(Dプラン)」は「戦略的・イデオロギー的支柱であり、前線、地区、旅団、大隊の司令官による追放の根拠」であった。今日であれば、この集団追放行為は民族浄化と呼ばれるだろう。

1948年3月10日に公式に採択された「ダレット・プラン(Dプラン)」は、パレスチナのどの都市や町を標的とし、住民を追放し共同体を破壊するかを指定した。それは、以下のようなことを求めている:

「村落の破壊・・・特に、継続的な支配が困難な人口集中地の破壊・・・住民を国家の境界線の外に追放しなけれならない」。

イスラエルの建国中に、すべてのパレスチナ人の3/4、およそ75万人が強制的に自宅を追われ、難民となった。イスラエル人によって、彼らの家や土地、その他の財産が徹底的に破壊されたり占有されたりする中で、彼らは帰還の権利や何らかの補償を受ける権利を拒否された。400を超えるパレスチナの町や村、活気ある都市が破壊されるか、ユダヤ系イスラエル人が再入植した。Plan Dalet & The Ethnic Cleansing of Palestine、*IMEU
*IMEU・・・Institute For Middle East Understanding(中東理解研究所)は、親パレスチナの非営利擁護団体。 2005年に開始され、2006年にはエルサレム教育・地域開発基金から助成金を受け取り、芸術、文学、学界、ビジネス、社会奉仕の分野におけるパレスチナ系アメリカ人のプロフィールを初めて編集することに使われた。( ウィキペディ)


そこで、われわれは過去4か月間何を見てきたのか?

容赦ない爆撃、重要なインフラの破壊、食料・水・医療物資の完全封鎖、銃口を向けられたままガザ最南端の都市への大量脱出を経験した住民全体が、テロに巻き込まれるのを目の当たりにしたのだ。

これは「ダレット・プラン(Dプラン)」ではないのか?

そのとおり。当初の計画の現代版だ。だからイスラエル国防軍は、イスラエルの安全保障にとって何の脅威にもならない非武装の民間人でいっぱいのテント村を爆撃しているのだ。ハマスと戦うためではなく、住民を恐怖に陥れて街から脱出させるためだ。それが目的だ。イスラエルは、もし難民を爆撃すれば、彼らは国境に押し寄せ、壁を破り、集団でエジプトに流れ込むことを知っている。簡単に言えば、それが計画だ。

そしてその計画は成功しているように見える。実際、ネタニヤフ首相は、ベン=グリオンによって始められた仕事を終えるまであと数日かもしれない。彼はすでにラファへの空爆を増やし始めており、本格的な地上攻撃はいつ開始されてもおかしくない。人道的危機が激化すればするほど、絶望と恐怖は増大し、やがてはエジプト国境に殺到することになるだろう。パレスチナ人がガザを離れれば、彼らは国際社会の代表の保護下に置かれ、世界各国に移動させることになる。こうしてネタニヤフ首相は、非武装の市民を家から追い出し砂漠に追いやることで、大イスラエルに編入する土地を手に入れるつもりなのだ。

パレスチナ人の追放は、人権と 「法の支配」 について高みから偉そうな道徳的説教をしている裏で、米国とイスラエルがこれ以上ない野蛮な残虐行為を行うことができることを示している。世界が手をこまねいている間に、両国が白昼堂々とこのような卑劣な計画を実行できることは、本当に衝撃的だ。

われわれはわが身を恥じるべきだ。
*
マイケル・ホイットニーはワシントン州を拠点とする著名な地政学・社会アナリスト。誠実なジャーナリズム、社会正義、世界平和への参画を胸に、2002年より独立系市民ジャーナリストとして活動を開始。グローバリゼーション研究センター(CRG)研究員。
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