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米国は台湾を戦争の引き金にした。中国は台湾の武装解除はできるのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
The U.S. Has Made Taiwan a Trigger for War. Can China Disarm It?
筆者:フィニアン・カニンガム(Finian Cunningham)
出典:ストラテジック・カルチャー(Strategic Culture)  2024年2月24日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年2月28日


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台湾は、「競争相手」とみなされる中国と対峙する米国の戦略において有用な駒である、とフィニアン・カニンガムは書いている。

1949年に中国の内戦が共産主義側の勝利で終わって以来、中国南海岸沖の台湾島は反共産主義勢力の避難所として米国の手先となってきた。米国は蒋介石独裁政権下から現在の台北政権に至るまで、台湾分離主義者を支援してきた。皮肉なことに、米国政府は台湾を「民主的で自由」であると描いている。

台湾を中華人民共和国の主権統治下にあると規定するいわゆる「一つの中国政策」に基づいて米国が北京との関係正常化に努めた1979年に、米国の台湾支持は弱まった。米国の立場は、台湾は島嶼省にすぎず、中国を一つの主権国家として認める国際規範に沿ったものである。

ところが、米国の中国とのいわゆる国交正常化は本物ではなかった。それは中国政府とソ連政府の関係にくさびを入れるための地政学的な動きだった。習国家主席とプーチン大統領の下で中国とロシアが戦略的つながりを再確立したいま、米国は中国に対するあからさまな敵意と、台湾を本土を不安定にする手先として利用する政策に戻った。

オバマ政権が2011年にアジア基軸戦略に着手した後、米国政府は意図的に中国を刺激し、主権を損なうような形で台湾との関係を熱心に回復した。

米国が台湾領土への軍事物資の供給を強化する中、台湾をめぐる緊張はますます高まっている。兵器システムは、中国本土を攻撃する能力においてますます攻撃的になっている。この発展は中国の主権を損なうだけではない。それはまた、中国政府にとって明白な国家安全保障上の脅威となる。台湾は中国本土から台湾海峡と呼ばれる狭い海を隔ててわずか130キロメートル(80マイル)の距離にあるからだ。

これにより中国は深刻な板挟みに陥っている。先制攻撃的な軍事行動を取るべきなのか、それとも政治が軌道に乗るまで待つべきなのか。

台湾で最近行われた選挙では独立支持政党が勝利した。しかし、中国本土とのより友好的な関係を望む政党への票の合計が多かった。このことは、台湾の人たちが軍事衝突に反対しており、中国政府が提案する政治的和解に好意的であることを強く示唆している。おそらく時間が経てば、台湾では平和的統一を望む声が決定的な多数派を占めるようになるだろう。

問題は、米国が中国との緊張を高める主導権を握っていることだ。その場合、中国政府はその願望とは裏腹に、最終的には軍事衝突に巻き込まれる可能性がある。

大国間競争の復活

ソ連崩壊後の1991年に冷戦が終結すると想定されて以来、その後の30年間のほとんどの間、米国は国家安全保障上の主要な懸念は国際テロを中心に展開すると宣言した。しかし近年、米国は認識されているテロの脅威を格下げし、「大国間の競争」に関する戦略的懸念を公式に優先している。

ロシアと中国は、米国の世界権力にとって地政学上最大のライバルであるとされている。このようにして、米国政府では第二次世界大戦後の50年間に国際関係を支配していた冷戦時代の地政学と言説への回帰が起きている。ロシアと中国はともに敵対関係を否定し、多極化した世界における平和共存を繰り返し主張してきたが、米国はいわゆる「ルールに基づく世界秩序」がロシアと中国によって脅かされていると執拗に描写しようとしてきた。

ジョー・バイデン大統領下の現米国政権は、国際関係を「西側民主主義対独裁国家」間の存亡をかけた争いとして描こうと画策している。このゼロサム的用語は、国際関係を「私たちと彼ら」の地政学的な陣営に二極化させることを目的とした冷戦的思考法の典型だ。このような二極化は、米国と西側の権力政治と米国の覇権的野望の促進に不可欠な機能だ。

世界を「ブロック」に分割することで、その結果として生じる対立関係と緊張がアメリカ軍国主義に影響を与えやすくなる。言い換えれば、ロシアと中国が多極化構想の中で主張する協力的な平和的国際関係は、一方的支配に基づく米国の覇権の追求にとっては忌まわしいものである。

米国にとって中国は第一の敵である

いくつかの米国の戦略計画文書は、「大国間の競争」を重視していることを明確に示している。2022年国家安全保障戦略では、米国の優先懸念事項が定義されている。その文書には次のように記載されている。

「我が国は現在、米国と世界にとって決定的な10年の初期段階にいる。大国間の地政学的な競争の時代に突入するだろう…冷戦後の時代は決定的に終わり、大国間での競争が進行中であり、それにより新しい世界が形成されようとしている…」

戦略的見通しは、中国が米国の力に対するより大きな脅威であると明確に決定している。この文書には次のように記載されている。

「ロシアとPRC(中華人民共和国)は異なる問題を突きつけている。ロシアは、ウクライナに対する残忍な侵略戦争が示しているように、今日の国際秩序の基本法を無謀に無視し、自由で開かれた国際体系に差し迫った脅威をもたらしている。対照的に中国は、国際秩序を再構築する意図と、その目的を推進するための経済力や外交力、軍事力、技術力を備えた唯一の競争相手である。」

もう一つの米国の主要な計画文書である2022年国防戦略も、中国を米国の世界権力に対する「迫りつつある問題」と定義している。そして中国は「国際秩序を再構築する意図とその能力を高めている米国の唯一の競争相手」であるとしている。

「迫りつつある問題」という用語は、「第一の敵」の婉曲表現だ。米国の国家安全保障に対する指定された最大の脅威としてロシアよりも中国を優先することは、2023年と2024年の国防権限法(NDAA)でも繰り返された。NDAAは米国の年間軍事支出8500億ドル以上を管理しているが、これは中国の軍事予算の約4倍、ロシアの軍事予算の8倍以上に相当する。

2022年2月に勃発したウクライナ戦争は、米国とロシア間の緊張と敵対関係を確実に強調した。これは、米国政府によってロシアが中国よりも大きな脅威とみなされているという印象を与える可能性がある。その印象とは裏腹に、ウクライナでの激烈な言い回しと戦争にもかかわらず、米国自身の計画立案者による戦略的見通しは、中国を長期的な主な敵であると認識している、ということである。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も、米国ジャーナリストのタッカー・カールソン氏との最近のインタビューで、米国政府内では、中国がロシアよりも大きな脅威とみなされていることを認めた。プーチン大統領は「西側諸国は強いロシアよりも強い中国を恐れている」と語った。

米国は中国との戦争を計画中

連合空軍は2024年2月12日、アジア太平洋地域における兵力構造の大規模な見直しと拡大を発表した。司令官らは、「最大級紛争」に向けた新たな軍備増強の動機となる脅威と理由として、特に中国を挙げた。米空軍の文官の最上位であるフランク・ケンドール氏が2022年にその役職に任命されたとき、彼は米議会で自分の3つの優先事項は「中国、中国、そして中国」であると語った。

何人かの米軍上級司令官は、米国は今後5年間に中国と戦争状態に陥る可能性があると公に警告している。そして彼らは台湾を発火点として挙げている。

この戦争計画は、空軍、海軍、陸上兵器を含むアジア太平洋における全体的な米軍の増強を説明するものである。米国政府はオーストラリア、日本、韓国、フィリピン、グアム、そして最も挑発的には中国領土の台湾で軍事基地とミサイル配置を拡大してきた。

2024年1月16日、台湾のニュースメディアは、台湾領土が台湾海峡と中国本土に面した東海岸に2つの新しいミサイル基地を建設していると報じた。この新たな建設計画は、米国の対艦ミサイルのさらなる到着が予想されることから始まった。報告書はまた、さらに5つの基地が計画中であることも示した。

これらの展開は、今後数年間における中国との軍事対決に向けた米国による長期計画を示している。

米国の敵対行為の主要走狗としての台湾

2024年1月13日の台湾総選挙を受けて、ジョー・バイデン米国大統領は、米国は台湾領土の「独立」を支持しないと述べた。

したがって、バイデン大統領は米国政府が「一つの中国政策(OCP)」を遵守していることを公に肯定したことになる。

しかし、台湾と中国に対するバイデン大統領の公的立場は、米国のもう一つの「戦略的曖昧さ」政策の一環として理解する方がよいだろう。公式には、米国政府は中国を台湾に関する唯一の主権国として承認している、と主張している。しかし実際には、米国の行動は別の危険な目的を示している。

2023年11月にサンフランシスコで開催されたAPEC(アジア・太平洋経済協力)首脳会議で中国の習近平国家主席がバイデン大統領と会談した際、米国側は「一つの中国政策」に基づく義務を改めて強調した。その首脳会談で、習主席は米国に対し台湾への武器供与をやめるよう求めた。同首席は台湾が「最も危険な」問題だとし、統一に向けて問題が外交的に解決されなければ中国は武力行使するだろう、と警告した。バイデン大統領とその前任の共和党ドナルド・トランプ大統領の下で、米国は台湾への武器供給を拡大してきた。

米国は挑発的な立場を取り、台湾への武装をやめるべきだという習主席の忠告を無視することを選択したようだ。

報告されているミサイル基地の拡大と台湾への米国ミサイル供給は、米国政府が中国の有する台湾に対する主権を損なうことで中国と敵対する方針を示している。

2024年2月8日、米国の特殊部隊が台湾と中国本土に近い金門諸島に常駐していると米国と台湾の報道機関が初めて報じた。この展開は米国による「一つの中国政策」への重大な違反である。APEC首脳会議中にバイデン大統領が習国家首席に直接示したとされる公約からすれば、そう取られても仕方がない。

さらに、台湾における米軍の目的には侵略的な意味合いがある。報道によると、米軍人たちは紛争に備えた台湾軍部隊の訓練と中国本土軍の監視に従事しているという。

留意すべき点は、台湾におけるこうした米国の軍事展開は、1月26日にタイで行われた米国のジェイク・サリバン国家安全保障担当補佐官と中国の上級外交官王毅氏との高官レベルの会談のあとにおこなわれた事実である。同月初めにも、中国と米国の当局者は2年振りの「高官レベルの協議」を国防総省でもったところだ。この一連の会談は、両側の緊張緩和と相互交流の改善に向けた米国側の取り組みとして西側報道機関では報じられた。

繰り返しになるが、こうした接触は関係改善に向けた真の努力というよりも、米国の「戦略的曖昧さ」政策をよりよく表しているといえる。より正確には、その政策は「戦略的二枚舌」と呼ぶべきだろう。

ワシントンは、台湾に関するアメリカの真意や、より広範な戦略的対立の問題について、どうやら中国を惑わそうとしているようだ。バイデン政権は、「一つの中国政策」の堅持を表明し、衝突を避けるために軍と軍とのコミュニケーションを改善するよう求めることはあるかもしれない。

しかし実際には、米国は台湾へのさらなるミサイル供給を進めている。この前例のない米国の攻撃能力の増強は、アジア太平洋の他の地域でも再現されている。

1月に頼清徳氏が台湾総統に選出されたことにより、米国政府は今後4年間、台北での「親米」の声を際立たせることになる。頼総統は以前にも台湾の中国からの独立を主張していた。実際、選挙期間中、頼氏は台湾は「すでに独立している」ためそのような宣言をする必要はないと述べた。中国政府は繰り返し、台湾と中国本土の完全な統一に対する願望と主権を宣言してきた。しかし、習主席は、台湾が正式に独立を発表した場合、中国は領土に対する法的な主権支配を主張するために軍事力を行使する権利を留保する、と警告した。

台湾は、「大国間の競争相手」の中国と対峙する米国の戦略において有用な駒である。

米国政府は台湾の独立支持派の政治家に暗黙の支持を与えることで、分離主義者の感情を煽っている。台湾に米国の武器や軍人を供給することは、米国が中国本土との紛争が勃発した場合に台湾を守ってくれる軍事後援者であるという台湾側の考えを助長することにもなる。

重要なことは、次期台湾総統が民進党(DPP)の第3期政権であることである。民進党は蔡英文総統の下で2016年に初めて政権を握った。彼女は2020年に再選された。頼清徳副大統領が5月に大統領に就任すると、同副大統領が蔡英文総統の路線を引き継ぐことになる。民進党(DPP)は、現バイデン政権と前任者のドナルド・トランプ政権下で米国政府の全面的な支援を受けて、過去8年間にわたり独立推進勢力を煽ってきた。この政治的混乱は、頼清徳氏の大統領任期の今後4年間続く可能性が高い。

ここ8年間で台湾の兵器庫にミサイルが増強されたことも重要である2016年以前は、この島の軍事能力は限られていた。しかし民進党のもと、米国からの補給を受けて、台湾軍は弾道ミサイル能力、特に対艦ミサイルの能力を向上させた。これらの兵器の目標射程は最大500キロの短射程だが、中国南部沿岸部に届く可能性がある。

注視する必要があるのは、米国の長距離ミサイルの供給である。そのミサイルが、中国との紛争におけるより大きな米国の戦略的野心を示すことになるからだ。米国が支援する台湾の軍事化は、台湾における分離主義政治の扇動と相関関係があり、それがひいては中国政府との緊張を煽る。

2月13日、米国上院は、ウクライナに対する600億ドル、イスラエルに対する140億ドル、アジア太平洋に対する80億ドルを含む、外国同盟国に対する950億ドルの軍事援助予算案を承認した。その80億ドルのうち50億ドル近くを台湾に割り当てることになる。アジア太平洋資金は、この地域における米国のミサイル増強を補強することになる。

このことは米国の中国に対する敵対的意図を示すもう一つの指標である。一見、外交的関与と軍間の新たな通信交換を強めるものだが、実際はその逆だ。「一つの中国政策」に関する言説のリトマス試験紙は、中国に対する軍事攻撃能力に基づく事実である。

事実は、台湾が中国を敵に回し、挑発する手先として磨かれていることを証明している。

ウクライナ・ロシア戦争との類似点

米国がロシアに対する挑発としてウクライナを冷笑的に利用したこととの鮮やかな類似点がある。ウクライナはロシアと文化的に深いつながりがあり、領土支配をめぐる紛争の長い歴史がある。過去10年間、米国はウクライナへの軍事支援を強化し、ロシアとの敵対を煽ってきた。緊張は2022年2月に高まり、その高まる挑発を止めるためにロシアがウクライナへの軍事侵攻を命令した。2年間にわたる戦争が続き、現在も続いている。この戦争は第二次世界大戦後、ヨーロッパで最大の戦争である。推定50万人のウクライナ軍兵士が殺害された。この紛争はヨーロッパ経済に壊滅的な影響を与えた。それは核保有国間の破滅的な全面戦争に危険なほど近づける。

中国の崔天凯元駐米大使は最近、中国は台湾で軍事的な罠に陥ることはない、と述べた。経験豊富なこの外交官は、米国が扇動したウクライナとロシアの展開についてほのめかした。台湾への米国の武器供給増加問題に関して、崔氏は「誰かが代理戦争を準備しているかもしれないが、我が国はその罠には陥りません。中国人が中国人を殺害するような状況は見たくないですから」と述べた。

そのような願望は賞賛に値する。しかし、そのような見方は幸運にかけるしかないものだ。中国当局は台湾を巡る戦争を望んでおらず、戦争を避けるために全力を尽くすかもしれない。台湾との平和的統一に対する中国政府の願望が本物であることは疑いない。

それでも残念なことに、米国は邪悪な力を弄して台湾を引き金にしようとしている。米国政府は攻撃的な軍事能力を強化し、扇動的な独立推進政治を煽っている。中国政府はその敵対的な取り組みを制御していない。台湾がロシアにとってのウクライナのようなもの、つまり米国による代理戦争の場となる時が来るかもしれない。

その場合、厳しい予測がなされる。それは、中国は台湾に対する支配を主張するために、遅かれ早かれ軍事行動を起こすことになる、というものだ。米国の無謀で救いようのない挑発を考えると、戦争は避けられないように見える。誰がホワイトハウスに座るかに関係なく、米国政府の好戦的な態度は変わらない。今年11月の米国大統領選挙によって戦略的方向性が変わることはない。中国が対応を放置すればするほど、米国が提供する台湾の攻撃能力が増大し、軍事衝突の危険性はさらに大きくなるだろう。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、2024年2月14日のインタビューで、2年続いているウクライナ戦争についての大きな後悔は、ロシアが米国主導の挑発に対して介入するためにもっと早く行動しなかったことだ、と述べた。プーチン大統領は、旧ウクライナ東部のロシア系住民を守り、ロシアの国家安全保障に対するNATOの増大する脅威を先手を打って回避するため、2022年2月24日にロシアのウクライナへの軍事介入を命令した。

筆者は10 年前、CIA 支援の軍事政変で2014年2月に政権を握ったウクライナのNATO 支援政権下での邪悪な展開に関する記事を書いた。この記事では、差し迫った米国主導の代理戦争を先制するために、プーチン大統領は2014年半ばにウクライナに軍隊を派遣すべきだった、と主張した。その後のウクライナでの出来事、恐ろしい規模の死と破壊、そしてプーチン大統領自身そのことを後悔していると最近認めたことは、筆者の2014年の予測が正しかったことを示唆しているだろう。

台湾の問題に関しては、ロシアが断固たる行動をとるのに出遅れたのと同じ過ちを中国が繰り返すという危険性が現実としてある。中国の習近平国家主席も先手を打つ断固とした行動をとらないことで、プーチン大統領がウクライナに対して抱いた同じ後悔を台湾に関して共有する可能性がある。

謝辞:
偉大なジャーナリスト、故ジョン・ピルジャー氏は2016年に受賞歴のあるドキュメンタリー映画「来るべき対中国戦争」を執筆、製作した。この記事を、世界を彩った最も優れたジャーナリストの一人であるジョン・ピルジャー(1939-2023)氏の追悼に捧げる。
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SMO(特別軍事作戦)開始から2年。西側は完全にまひ状態

<記事原文 寺島先生推薦>
Two Years After the Start of the SMO, the West is Totally Paralyzed
筆者:ぺぺ・エスコバル(Pepe Escobar)
出典:ストラテジック・カルチャー(Strategic Culture) 2024年2月24日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月27日


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ちょうど2年前の土曜日、2022年2月24日、ウラジーミル・プーチンはウクライナにおける特別軍事作戦(SMO)の開始を発表し、その目的を説明した。それは、その3日前の2月21日、つまりキエフでのマイダン2014からちょうど8年後、プーチンが共和国を宣言したドネツクとルガンスクを公式に承認したときに起こったことからの必然的な流れだった。

このわずか3日間という短い期間に、ロシア軍が軍事介入し、3週間にわたって前線全域で続いていた大規模な爆撃と砲撃を終わらせるだろうと誰もが期待していた。ロシアの諜報機関は、NATOに支援されたキエフ軍がロシア語圏のドンバスの民族浄化を実行する準備ができているという決定的な証拠を持っていた。

2022年2月24日は、21世紀の地政学をいくつかの複雑な方法で永遠に変えた日だった。とりわけ、ウクライナを戦場とする「カオスと嘘と略奪の米帝国」と、それに簡単になびくNATOの家臣たち、そしてロシアとの間で、ロシア人が言うところの「軍事技術的」な、凶悪で全面的な対決が始まったのである。その戦場がウクライナだった。

プーチンが、この運命の3日間の前にも、そしてその最中にも、自らの決断が西側諸国の怒りを爆発させ、制裁の津波を巻き起こすことを計算に入れていたことは疑いようがない。

そう、そこが問題なのだ。国家主権の問題なのだ。真の主権国家は、永続的な脅威の下では生きていけない。プーチンはロシアが死ぬまで制裁を受けることを望んでいた可能性さえある(斜字は筆者)。結局のところ、外国からの深刻な邪魔がなければ、ロシアは天然資源に富むので、容易に生産できるものは輸入し、(天然資源から得られる)利益で生活したいという誘惑は非常に大きい。

例外主義者たちはいつも、ロシアは「核兵器を持つガソリンスタンド」だとほくそ笑んでいる。それは馬鹿げている。ロシアでは、石油とガスはGDPのおよそ15%、政府予算の30%、輸出の45%を占めている。石油とガスはロシア経済に力を与えるものであり、足を引っ張るものではない。プーチンはロシアの自己満足を揺さぶることで、自国で必要なガスはすべて自国で生産することを可能にし、比類のない核兵器と極超音速兵器を完備した。どうだ!


ウクライナが「今ほど国家としての体裁を失ったことはない」

グザヴィエ・モローはロシア在住24年のフランス人政治戦略分析家。名門サン=シール陸軍士官学校を卒業し、ソルボンヌ大学で学位を取得した。現在、フランス語版RTで2つの番組の司会をしている。

最新刊『Ukraine:Pourquoi La Russie a Gagné(ウクライナ:ロシアはなぜ勝ったのか?』は、NATO属国圏で、総合的な軍事経験がゼロに等しい即席の「専門家」たちによってでっち上げられた幼稚な空想ではなく、戦争の現実を伝えるヨーロッパの読者にとって不可欠な指南書である。

モローは、公平で現実主義的な分析家なら誰もが当初から気づいていたこと、つまり、終盤戦の条件となるロシアの決定的な軍事的優位をはっきりと示している。問題は、この終盤戦―モスクワが打ち出したウクライナの「非軍事化」と「非ナチ化」―がどのように達成されるかである。

すでに明らかなことは、ウクライナとNATOの「非軍事化」は、F-16のような新しい驚異的な兵器では変えることができない大成功を収めているということだ。

モローは、マイダンから10年近く経ったウクライナがいかに国家でないかを完璧に理解している。ウクライナは、あらゆるものが分離している、人口がごちゃ混ぜになった領土なのだ。しかも、独立以来ずっと「気味の悪い」破綻国家である。モローは、ステパン・バンデラの賛美者とレディー・ガガのファンのイデオロギーに同時に言及するような体制の下にあるウクライナの腐敗の奇妙さを、読者を非常に愉快な気持ちにさせる数ページを通じて説明している。

もちろん、オリガルヒに支配されたヨーロッパの主流報道機関は、上記のどれも報道していない。


プーチンの鄧小平化に気をつけろ

本書は、「ウクライナで米国とEU当局を待ち受けている戦略的破局に大きな責任を負っている」狂ったポーランドの支配者層について、極めて有益な分析を提供している。ポーランド人は、実際、プーチンに対するカラー革命が功を奏してロシアが内部から崩壊するだろうと信じていた。しかし(アフガニスタンでムジャヒディンを使ってソ連の弱体化に成功して)ハイになっていたブレジンスキーのようなわけにはゆかない。

モローは、2022年という年が、いかにNATO属国諸国、特に歴史的に嫌露主義者であるアングロ・サクソンが、ロシアは「貧弱な力しかない国」だから降参するだろうと自己確信していた年だったかを示している。プーチンが中国経済における鄧小平のようにロシア経済を強化したことを、これら優秀な人間たちは誰も理解していなかったのは明らかだ。モローが言うように、NATO諸国のこの「自己陶酔」はクレムリンに劇的な効果をもたらすことになった。

ロシア経済に対する電撃作戦が大失敗であったのと同様に、欧州経済を破壊することが米帝国にとって大規模な戦術であり、歴史的勝利であったことは、耳が聞こえず、口がきけず、目が見えない人にとってさえ、今や明らかである。

上記のような流れの中で、今週リオで開催されたG20外相会議を迎えた。この会議は決して画期的なものではなかった。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、G20の西側諸国があらゆる手段を使って議題を「ウクライナ化」しようとしたが、成功はゼロに等しかった、と明言した。BRICSやグローバル・サウス国々は、数を力に反撃に出たのだ。

ラブロフ外相は記者会見で、西側諸国がロシアに対して集団で仕掛ける戦争の見通しについて、これ以上ないほど厳しく述べた。 以下はその要点である:

・西側諸国は、ウクライナに関する真剣な対話を一切望んでいない。

・米国からは、戦略的安定に関するロシア連邦との接触を開始するという真剣な提案はなかった。ロシアが敵国と宣言されている今、信頼を回復することはできない。

・G20の傍らで、ブリンケン米国務長官や英国外相との接触はなかった。

・ロシア連邦は、西側の新たな制裁措置に対して、ロシア経済の自給自足的発展に関わる実際的な行動で対応するだろう。

・欧州がロシア連邦との関係を回復しようとしても、もしそれが気まぐれに依存するならば、そのような接触は必要ない。

一言で言えば、外交的には「あなた方は無関係であり、私たちは気にしない」ということだ。

これは、G20中のラブロフの介入を補完するものであり、多極化に向けた明確で殊勝な道筋を再び明確にした。以下はその要点である:

・明確な中心と周縁を持たない公正な多極的世界秩序の形成は、ここ数年、より一層強まっている。アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国は、世界経済の重要な一部となりつつある。アジアやアフリカ、ラテンアメリカの国々が、世界経済の重要な部分を占めるようになってきている。

・多くの西欧経済、特にヨーロッパ経済は、このような背景のもとで、実際には停滞している。これらの統計は、IMF、世界銀行、OECDといった欧米の監督機関によるものである。

・これらの機関は過去の遺物となりつつある。欧米の支配はすでに、時代の要請に応える形ではその影響力に陰りが出ている。いっぽう、現在人類が抱えている問題は、協調的な努力と、グローバル・サウス諸国とグローバル・サウスの利益への十分な配慮によってのみ解決できるものであることは、今日完全に明白である。

・IMFや世界銀行、EBRD(欧州復興開発銀行)、EIB(欧州投資銀行)といった機関は、ウクライナの軍事的資金やその他の資金を優先している。西側諸国は2500億ドル以上の資金をその下支えのために割り当て、世界の他の地域で資金不足を引き起こしている。ウクライナへの資金が大半を占め、アフリカやその他のグローバル・サウス諸国は配給制に追いやられている。

・地政学的な敵対国への恨みを晴らすために、一方的な制裁や国有資産や私有財産の差し押さえから、封鎖、禁輸、国籍による経済事業者への差別まで、非合法的な行為を用いて自国の信用を失墜させた国は、金融の安定を保証する国とは言えない。

・間違いなく、世界経済の管理体制を民主化するためには、共通理解と相互利益に焦点を当てた新しい制度が必要である。今日、BRICS、SCO、ASEAN、アフリカ連合、LAS(アラブ連盟)、CELAC(ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体)、EAEU(ユーラシア経済連合)など、さまざまな同盟関係を強化するための積極的な動きが見られる。

・今年はロシアがBRICSの議長国を務め、新たに数カ国がBRICSに加盟した。我が国は、BRICSの可能性とG20との結びつきを強化するために全力を尽くすつもりだ。

・国連安全保障理事会理事国15カ国のうち6カ国が西側諸国を代表していることを考慮すれば、私たちは、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々の加盟を通じてのみ、この理事会の拡大を支持する。

これが、SMO開始から2年後の、地政学的な現状だ。
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プーチンは、タッカー・カールソンの好戦的な反中国喧伝を暴いた

<記事原文 寺島先生推薦>
Putin debunks Tucker Carlson’s warmongering anti-China propaganda, mocks his CIA ties
筆者:ベン・ノートン(Ben Norton)
出典:地政学的経済 (Geopolitical Economy)  2024年2月10日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年2月27日


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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、トランプの盟友タッカー・カールソンがモスクワでのインタビューで吐き出した「幽霊的」反中国喧伝を非難し、この元フォックス・ニュースの司会者がCIAに応募した過去を冷やかした。

米国のテレビ司会者タッカー・カールソンは、今年2月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にインタビューするため、モスクワを訪れ、政治的な大騒動を引き起こした。

これは報道機関で議論を巻き起こした。これは党派心で動く米国の政治ではよくあることだが、この議論は、「木を見て森を見ず」と言わざるをえない。

ヒラリー・クリントンのようなリベラル派の戦争タカ派は、タッカー・カールソンを裏切り者で、プーチンにとっての「役に立つ愚者」呼ばわりした。

民主党は、ロシアに対する強迫観念的な憎悪に目がくらみ、地政学的に何が起きているのか全く理解できていない。



実のところは、カールソンなどの共和党内のドナルド・トランプ信奉者たちは、長年ロシアと中国のあいだに楔(くさび)を打ち込み、中国との戦争を狂信的に推進しようとしてきた。

トランプの主席顧問であったスティーブ・バノンは、この極右の指導者であるトランプの2016年の大統領選において、2018年にこう公言していた。「我が国は中国と戦争中です」と。

バノンが求めたのは、「西側諸国が団結して、全体主義中国の台頭に立ち向かう」ことである。そしてバノンはロシアを「西側」の一部だと考えている。

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この戦略は、フランスの極右指導者であるマリー・ヌ・ルペンも使ったことがある。ルペンは、2022年にロシアとの関係を改善したいとの考えを示し、その理由はロシアが中国と同盟を結ぶことを防ぐためだ、としていた。

トランプ主義の共和党員と、それと同類のヨーロッパの極右勢力は、ロシアを、白人で、ヨーロッパ人で、キリスト教徒で、資本主義者で、中国に対する潜在的な同盟国と見なしており、中国を、いわゆる「ユダヤ・キリスト教西洋文明」に対する、非白人で、アジア的で、無神論的で、共産主義の脅威として悪魔化している。

カールソンは、この対中国戦争挑発作戦で重要な役割を演じてきた。

フォックス・ニュースのゴールデンタイムの番組で、カールソンは「ロシアはアメリカの主要な敵ではありません。まともな人は誰もそうは思いません。私たちの主な敵は中国です。米国はロシアと関係を持ち、中国に対抗するべきだからです」と述べた。


カールソンが「反戦主義者である」という言説は全くの間違いだ。カールソンがウクライナでの対ロシア代理戦争に反対しているただひとつの理由は、すべての資源を中国との戦いに集中させたいからだ。

カールソンは、フォックス局での自分の番組でこう主張していた。「我が国にとっての最大の脅威はウラジーミル・プーチンではありません。それはまったくバカげた考えです。最大の脅威は、間違いなく中国です」と。

この極右テレビ司会者が懸念しているのは、中露同盟が地球上の米国覇権を終わらせることだ。この覇権こそ、トランプ派が守りたがっているものだ。

カールソンはこう嘆いていた。「ロシアが中国と軍事協力すれば、米国の世界覇権や世界に対して持っている権力は即座に終わるでしょう。ロシアと中国が連合することになれば、全く新しい世界になり、米国は大いに弱体化することになるでしょう。それがよくないことだと、ほとんどの米国民は同意するはずです」と。


2023年にフォックス・ニュースを解雇されて以来、カールソンは、米国は中国に対抗してロシアと同盟を組むべきだという、戦争挑発的な言説を相変わらず推進し続けている。

ところが、2月のインタビューで、このロシアの指導者(プーチン)は、カールソンが共和党とトランプのために行動する政治工作員であり、共和党とトランプが、ロシア政府と、その最も重要な同盟国との間の分裂を助長することを望んでいることをはっきりと見抜いていた。

プーチンは、カールソンの冷静さを欠く反中国言説に反発し、彼はこれを単なる「亡霊が話すような話」と呼んだ。

このロシア大統領は、中国は平和協力を望んでいると強調し、「中国の外交政策哲学は攻撃的ではありません」と述べた。

以下は、2月6日のやり取りの書き起こしだ。

タッカー・カールソン:問題は、次に何が起こるかということです。貴国は、ある植民地大国を別の植民地大国と交換するおつもりでしょうが、後者は、感傷的で寛容な国であるとはとてもいえません。私が言っているのは、例えばBRICSのことです。BRICSは、中国や中国経済に完全に支配される危険にさらされています。それはBRICS諸国の主権にとって良いことなのでしょうか? あなたはそれについて心配していますか?

ウラジーミル・プーチン:そんな亡霊がするような話を耳にしたことがあります。そうです、亡霊がするような話です。我が国と中国は隣国です。近親者を選べないのと同じように、隣国も選べません。我が国は中国と1000キロの国境を共有しています。これが1番の理由です。

二つ目の理由は、我が国と中国には何世紀にもわたる共存の歴史があります。両国はその状態に慣れています。

三つめの理由は、中国の外交政策哲学は侵略的ではありません。中国は、常に妥協点を探すことを考えています。それは見てのとおりだ、と思っています。

もう一つの理由は、以下のとおりです。私たちはいつも同じ亡霊のような話を聞かされてきました。いま、あなたは遠回しにおっしゃられましたが、それでも同じ亡霊のような話です。

中国との協力関係は増え続けています。中国と欧州の協力関係進展の速度は早まっています。それは、中国とロシアの協力関係の進展よりも早く、大きいものです。

ヨーロッパの人々に聞いてみてください。中国を恐れているのでしょうか? そうかもしれません。わかりません。しかし、欧州の人々はいまだに中国市場と何としても繋がろうとしています。経済問題に直面している今は、とくにそうです。

中国企業も欧州市場を開拓しています。

中国企業の米国での存在感は小さいですか? そうでしょうね。

政治的な決定により、中国との協力が制限されようとしているからです。

タッカーさん、あなたが中国との協力を制限しているのは、あなた自身の不利益になります。あなたは自分で自分を傷つけているのです。


プーチンがはっきり語ったように、共和党は中国をロシアから孤立させ、BRICSを分断することに失敗している。

皮肉なことに、ロシアゲート陰謀をめぐる民主党の冷静さを欠く行為が、ウクライナでの戦争と相まって、親トランプ派がこの戦略を実現するのを妨げたのだ。

(米国政府がロシアを中国から分断し損ねたことで、米国はインドの極右政権との同盟に重点を置き、インド政府と中国政府の間の紛争を誘発しようとしてきた。トランプもジョー・バイデンも、インドを口説こうとしている。)

カールソンの好戦的な反中国言説は、フォックス・ニュースを見ている典型的な保守層にだけ食いつかせるものではなかった。解雇された後も、カールソンは独立系放送局の司会者として、この漫画的な喧伝を拡散し続けている。

プーチン大統領にインタビューするわずか4日前の2月2日、カールソンは中国が「米国の侵略を煽っている」と主張する動画を公開した。その意味するところは、対中戦争は正当化できる、というのも中国共産党が「侵略」を支援しているのだから、というものだった。

2023年11月、カールソンはトランプとのインタビューを公開し、その中で2人とも中国政府を恐れていた。

「なぜ中国はわが国の半球で帝国主義を遂行することが許されるのでしょうか?」カールソンは尋ねた。

トランプはこう答えた。「そうです。キューバをはるかに凌ぐ脅威です。中国は、南米の至る所に顔を出しています」と。元アメリカ大統領のトランプは、一片の証拠も示さず、「中国はキューバに軍事施設を建設しています」と主張した。

カールソンはトランプの個人的な友人であり、この元大統領と共和党内のトランプ派の喧伝家として活動している。

しかし、彼らの関係は友情よりも深いものだ。実際、トランプは、カールソンが副大統領に立候補することを検討している、と公言している。

これは、トランプが今年の大統領選挙で勝利する可能性が非常に高いことを考えると、特に重要だ。ほとんどの世論調査は、重要な激戦州を含め、バイデンに勝っていることを示している。

トランプは大統領選に際し、極めて攻撃的な反中国政策の実施を公約に掲げている。ワシントン・ポスト紙は、トランプの顧問の発言として、「トランプは中国との大規模な新たな貿易戦争の準備をしている」と報じ、中国製品の米国への輸入に60%の関税を課そうとしている、と報じた。

フォックス・ニュースにこのことについて尋ねられたとき、トランプは関税を60%以上にするとし、「おそらくそれ以上になるでしょう」と述べた。

歴史的に見ても、この規模の経済戦争はしばしば軍事衝突につながる。つまり、トランプのタカ派的な反中国政策は、戦争に発展する可能性がある、ということだ。

カールソンは、トランプの親密な同盟者であることに加えて、カールソンはフォックス退社後に始めた、多くの人が見聞きする自身のSNS報道機関を利用して、共和党の大統領候補ヴィヴェック・ラマスワミの宣伝をおこなった。両者は共に中国を悪者扱いし、台湾をめぐる戦争の恐怖を煽った。

ラマスワミは、トランプ派とカールソン流の外交政策綱領で選挙運動を行ない、中国を孤立させるために、アメリカはロシアと同盟すべきだ、と主張している。

皮肉なことに、トランプやバノン、ラマスワミ、カールソンが提唱したこの戦略は、以前、ヘンリー・キッシンジャーによっても推進されていた。

1970年代のリチャード・ニクソン政権時代、キッシンジャーは「三角外交」を使って中国をソ連に対抗させた。当時の米国政府と中国政府とのあいだの同盟は、ソ連の不安定化をよび、最終的にはソ連崩壊につながる重要な要因となった。

2018年、キッシンジャーは、この三角外交への回帰を呼びかけたが、そのときは逆の方向だった。デイリー・ビースト紙は、「ヘンリー・キッシンジャーは、ドナルド・トランプ大統領に、米国は、台頭する中国を封じ込めるために、ロシアと協力すべきだと提案した」と報じた。


プーチンは、CIAへ応募したタッカー・カールソンを冷やかした

ドナルド・トランプと彼の極右勢力の台頭により、タッカー・カールソンは自分自身をいわゆるポピュリストとして再度売り出そうとした。

しかし、カールソンは、常に報道分野における名門家系だった。彼のミドルネームはスワンソンで、義母は同名の食品会社の相続人だった。

有力で、裕福で、政治的にコネのある一族の末裔であるカールソンは、ネオコンのタカ派として報道関係者としての経歴を始め、悪名高いネオコンの聖書である、ウィークリー・スタンダード誌に、筋金入りの戦争支持記事を大量に書いていた。

カールソンはすぐに出世し、2000年代にはCNNとMSNBCの番組の司会をつとめ、後にフォックス・ニュースに移った。

トランプ時代、カールソンは自らを超保守主義者として売り込み、ネオコンを非難し、「ポピュリスト」で得点を稼ごうとしていると語った。しかし、ジョージ・W・ブッシュ政権時代、カールソンは正真正銘のネオコンだった。

カールソンは、粗野で、新植民地主義的で、人種差別的な論点から、米国による違法なイラク侵略を熱心に支持した。

デイリー・ビースト紙は次のように書いている(強調は筆者)。

タッカー・カールソンは、ラジオ番組「ババ・ザ・ラブ・スポンジ」での過去の発言で、イラク人を「識字率が半分しかない原始的な猿」と表現した。このフォックス・ニュースの司会者は、イラク国民は「人間らしく振る舞わない」と主張し、2006年5月の人気ラジオ番組でのイラク戦争に関する討論で、イラク国民やイラク国民の文化に「全く同情しません」と述べた。カールソンは、「トイレットペーパーやフォークを使わない文化」であると述べ、イラク国民は「自分たちを統治できない」ので、米国に「黙って従うべきです」と付け加えた。2009年9月の放送で、カールソンは、アフガニスタンは決して「文明国にはならない。なぜなら、人々は文明化されていないからです」と宣言した。


実際、カールソンは熱心なレーガン主義者で冷戦戦士だったので、大学時代にCIAに応募したほどだ。

ジャーナリストのアラン・マクラウドは、1980年代に、カールソンがニカラグアに赴き、革命的なサンディニスタ政府に対するテロ戦争で、CIAの極右暗殺部隊、コントラを支援した経緯を明らかにした。

タッカーの父、リチャード・「ディック」・カールソンは、CIAや他の諜報機関と密接な関係にある米国政府の喧伝機関、ボイス・オブ・アメリカのディレクターだった。

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ロシアの諜報機関は、カールソンのCIAとのつながりをはっきりと知っていた。そこで、2月にプーチンにインタビューした際、プーチンは悪名高い米国の諜報機関に応募した経歴があることに触れ、カールソンをからかった。プーチンが強調したのは、この機関が、多くの軍事政変を組織し、無数の外国の内政に干渉してきた、という点だった

以下は、そのやり取りの書き起こしだ。

タッカー・カールソン:誰の支持を得て?

ウラジーミル・プーチン:もちろん、CIAの支援を受けてです。あなたが昔参加したかった組織だと聞いていますよ。
CIAがあなたを採用しなかったことを神に感謝すべきです。もちろんCIAが重要な組織であることは分かっていますが。
私は、ソビエト連邦の諜報機関である第一総局に勤務していたのですから。
CIAは常に我が国の敵でした。それが仕事だから仕方ありませんが。



タッカー・カールソンのラテンアメリカに対する新植民地主義的見解

現在カールソンはネオコンを批判しているが、中南米に関するカールソンの外交政策は、明らかにネオコン的で、新植民地主義的だ。

カールソンは、つねづね中南米を米国の「裏庭」扱いしており、中国が「我が国の半球」を「乗っ取り」、植民地化さえしようとしていると頻繁に文句を言っている。

2022年、まだフォックス・ニュースにいた頃、カールソンはブラジルを訪れ、親米・反中国を貫く極右指導者ジャイル・ボルソナロのプロパガンダ・ドキュメンタリーを制作した。

事実上、カールソンはブラジルの選挙に干渉し、左派のルラ・ダ・シルバ(2022年の選挙で勝利)の政権復帰を阻止しようとしていた。

カールソンがボルソナロのために制作したプロモーション動画で、彼が持ち出したのは200年前に生まれた、明らかに植民地主義にもとづいた考え方であるモンロー主義だった。その目的は、中国がラテンアメリカ諸国と、中国とラテンアメリカ諸国との合意に基づく二国間関係を構築することへの恐怖を煽ることにあり、さらにこの地域における米国による侵略的介入主義を正当化することにあった。

このフォックス・ニュースの司会者はこう宣言した(強調は筆者)。

1823年、ジェームズ・モンロー大統領は、過去200年間、アメリカの外交政策の中心となっている政策を発表しました。モンロー主義と呼ばれるこの教義は、西半球の国々を大国が支配することは許されないという、非常に単純な命題を掲げています。それは、米国の利益に対する直接的な脅威となるでしょう。そして200年もの間、私たちはそれを許さなかったのです。



バイデン政権下では、モンロー主義はもはや施行されていません。

政治思想的な懸念に縛られ、些細な政治的不満にとらわれ、そして何よりも、東欧での遠い戦争(つまり、ウクライナでのロシアに対する戦争)に気を取られて、バイデン政権はその責任を放棄したのです。

そして、米国が残した空白に、新たな超大国が入り込もうとしています。

我々は、中国の台頭と、中国政府が米国に取って代わり、我が国の半球で支配的な大国としてどのように振る舞っているかを自分の目で確かめるためにブラジルに来ました。


米国政府内の超党派帝国主義

この反中国、親植民地主義の非難は、カールソンが実際、米帝国主義の熱烈な擁護者であることをはっきりと思い起こさせるものだった。

カールソンは原則的に戦争に反対しているわけではない。米帝国の対中戦争に全注意を集中させたいがために、ロシアに対する米国代理戦争を批判しているだけだ。

カールソンは、ロシアとの戦争を望まない多くの善意の人々を取り込み、中国との戦争を望むように洗脳している。

ところが、ロシアゲート陰謀をめぐり冷静さを失った米リベラル派には、この現実が見えなくなっている。

もちろん、米国政府内では、中国に対する超党派の反発がある。しかし、民主党は今、「短期的な脅威」としてロシアに固執し、中国については「長期的な脅威」と考えている。

トランプとカールソンに率いられた共和党は、ロシアとの違いを脇に置いて、米帝国のあらゆる資源を、中国共産党を封じ込め、弱体化させ、究極的には打倒することに捧げたがっている。

米国を支配する両政党は、徹底した帝国主義者だ。両政党の戦いは米国が帝国であるべきかどうかをめぐってではない。むしろ、その議論は、米帝国を維持するための最良の戦略は何か、がテーマになっている。

カールソンとトランプは、ネオコンやリベラル介入主義のタカ派と政治的に多くの共通点がある。しかし、二人はこの勢力を「ポピュリスト」だと批判することもある。

彼ら全員を結びつけているのは、米帝国を強化し、この惑星上の米国による一極覇権を維持したい、という願望だ。

これこそまさに、タッカー・カールソンが、フォックス・ニュースの番組で、「ロシアが中国と手を組むことがあれば、米国の世界覇権と米国が有する権力は即座に終わるだろう」と恐怖の面持ちで警告した理由だ。
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アレクセイ・ナワリヌイの死との奇妙なタイミングの一致

<記事原文 寺島先生推薦>
Alexei Navalny’s Death and Curious Well-Timed Coincidences
彼らは、ウクライナでの戦争に敗れ、ガザでのジェノサイドで世界中から非難され、崩壊しつつある帝国を支配している
筆者:エドワード・カーチン(Edward Curtin)
出典:Global Research 2024年2月24日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月27日


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作為による宣伝と不作為による宣伝があり、前者はしばしば後者を隠す役割を果たす。タイミングが重要である。

米国のバイデン大統領、英国、NATO、イスラエルの同盟国、そして企業メディアという彼らの代弁者が、大規模なプロパガンダの勝利を必要としていることは明らかだ。彼らはウクライナでの戦争に負け、ガザでの大量虐殺で世界中から非難され、崩壊しつつある帝国を支配している。

バイデンとネタニヤフの政治生命は深刻な危険にさらされている。そのため、彼らは自分たちの負けを隠すことを目的とした全面的な防戦プロパガンダ活動を展開したところだ。論理的思考力(ロジック)を使って、行動を起こすべき瞬間(タイミング)を見抜くことができる人には、そのことがはっきりとわかるはずだ。

プロパガンダと技術について、偉大なフランスの学者ジャック・エリュルは何年も前に、プロパガンダは

「魔法の杖をちょっと触れさえすればいいというものではありません。ゆっくりと休むことなく吹き込むことが基礎です。プロパガンダが人々の確信と遵守を生み出すのは、途切れない反復を通して効果を発揮する、だれにも知覚できない影響を通じてなのです」。

しかし、いったんこの土台が時間をかけて築かれる―休むことのない反ロシア・プーチン・ヒステリーと休むことのないイスラエルのシオニズム政策への支持がそうだが―と現在のように長期的な物語が危機に瀕した緊急事態では、強力な弥縫(びほう)策が講じられることがある。

西側の支援を受けたロシアの反体制派アレクセイ・ナワリヌイのロシアの刑務所での死が2024年2月16日金曜日に発表されると、それはすぐに反ロシア宣言の連続が起きた。その目的は、ロシアとその大統領ウラジーミル・プーチンの悪魔化を継続するだけでなく、他のことにも役立った。

そのたった一撃により、プーチンがタッカー・カールソンを通じて世界に伝えたばかりのウクライナ、ロシア、米国とNATOに関する冷静な歴史の教訓は我々の記憶の穴から消し去られた。その一方で、バイデンは何の証拠もなく、ナワリヌイの死の責任は「プーチンとその凶悪犯」とプーチンの「残虐行為」にあると宣言した。これはもちろん、ナワリヌイ、スクリパル父娘(それ以降英国政府はその所在を明かしていない)、アレクサンダー・リトビネンコなどの以前の毒殺のためにロシアに対して行われた証拠なしの冤罪の再現である。

関連記事:米国/NATOが「悪魔的死の願望」に支配され、全世界が脅かされている

その直後、ナワリヌイの死が発表された翌日の2月17日の土曜日に、ゼレンスキーは、偶然にもミュンヘン安全保障会議に出席していて、しかもナワリヌイの当時の未亡人と同席で、プーチンがナワリヌイを殺したことは「明白」であると述べた。彼がいつも演じている操り人形の仕事をしたのだ。一方、バイデンは、ウクライナのロシアとの絶望的な戦争のためのより多くの資金を要求した。この戦争は、ロシア国境への積極的な軍事進出と、親ロシア派指導者を追放した2015年のウクライナのクーデターによって最初から米国によって引き起こされた米国とNATOの戦争で、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻の舞台となった。プーチンが、カールソンがかつてCIAに参加しようとしたことを理解していると皮肉っぽく言及しながら、彼にこれらの明白な事実を伝えたことは、今では西側の歴史の中にいるほとんどの人々にとって、それ以上のことがあったとしても、主流メディアの見出しの陰に隠れてしまっている。

ロシアがウクライナの防衛を強行し、長い間争われていたアヴデーエフカ市を占領している間に、すべてが起こった。日を追うごとに、バイデンのウクライナ戦争戦略は、窮地に立たされた絶望的な政治家の戦略であり、プーチンがアメリカの無頼派の政治家(バイデン)とNATOヨーロッパの手先たちを完全に出し抜いたことは明らかである。主流メディアはそうではなく、我々がさらに数十億ドルと武器を送り、英国の友人の助けを借りて戦争をさらにロシアの領土に持ち込み、核衝突の危険を冒せば、希望はすぐそこにあると提案することを好む。現状は、西側大衆の心のためのプロパガンダ戦争の真っただ中に私たちはいる。

世界の他の多くの人々は笑うしかない主流メディアの見出しを通して、ロシアが世界の平和と安定に対する大きな脅威であると欺かれてきた。以前のロシアゲートの嘘のように、ナワリヌイの死と同時に進行中のこの嘘は、重要な進行中の問題に示し合わせたように吐かれて国民の注意をそこから逸らしている。

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明日(2月25日)と水曜日(2月28日)、ジュリアン・アサンジは英国の裁判所で米国への引き渡しを阻止するための最終上訴を行う。バイデンは、主流メディアができなかった仕事をしたとして、このジャーナリストを起訴したいと考えている。その仕事とは米国の冷酷な殺人マシーンに関する事実を暴露することだ。しかし、ナワリヌイについての騒動は、無実で勇敢なアサンジの拷問と投獄に関する絶対的な偽善を二次的で「取るに足らない」ものにしてしまった。意図したとおり、アサンジをめぐる報道は今や、主流メディアがロシアに夢中になっている見出しが途切れることなく流れる中で後回しになっている。バイデン政権と闇政府(ディープステート)の重要な宣伝機関であるニューヨーク・タイムズ紙は、「プーチン大統領の脅威の重大性が欧州に明らかになりつつある」とし、「ナワリヌイの未亡人は野党指導者の仕事を続けると約束した」と報じた。これは典型的なタイムズの暴言だ。昨日の雑誌記事の見出し「マリリン・ロビンソン(作家でバラク・オバマの友人)はバイデンを神の贈り物と考えている」と同じだ。

パレスチナ人が同意するとは思わないが、米国の支援を受けたイスラエルによるパレスチナ人の虐殺―ガザだけでこれまでに29,000人以上のパレスチナ人が殺害されている―イスラエル国防軍のラファ侵攻も、ナワリヌイとロシアに関する虚偽報道によって、後回しにされたり、どこにも書かれなくなっている。

3月中旬に行われるロシアの選挙については言及しない。なぜなら、私たちは皆、律儀に、そしてタイムリーに、悪の殺人者プーチンは独裁者で、無知で、冷酷で―あなた自身の形容詞を付け加えてください―、そして間違いなく11月の公正な米国大統領選挙を不正操作しようとしていると言われるからだ。2016年の大統領選挙における誰かさんのためと同じように。

デイヴィッド・サンガーとジュリアン・バーンズによる2月17日付のNYタイムズ紙の記事、「米国はロシアが宇宙空間に核兵器を設置するかもしれないと恐れている」についても私は言及しない。

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ロシアが我々を捕まえに来ることは誰もが知っている。彼らがつねにそうしていたように。彼らはおそらくJFKを殺した、そうだろう?

メリーゴーランドに描かれた子馬のように、このプロパガンダの噴出がインターネットを一周するのを追うのは簡単だ。立ち止まって考える時間はない。子馬は揺れ動き、めまいを起こさせる。

政治アナリストのギルバート・ドクトロウが、トルコの放送局TRTワールドがナワリヌイとのインタビューの掲載を拒否したことについて、鋭い論評を寄せている。ドクトロウは、英国諜報機関がナワリヌイを殺したと主張している。TRTによれば、何らかの理由でこの件に触れてはならないのだという。

覚えておこう: ロシアがやってくる

ドクトロウが正しいかどうかは別として、プーチンがナワリヌイを殺すと考えるのは、よほど頭の悪い人間だけだろう。そうすることでプーチンが得るものは何もなく、失うものは何もない。

しかし、主流メディアとその政府の上層部は、ほとんどの人が非常に頭が悪いと考えており、そのため、作為と不作為を通じて、明らかなプロパガンダで電撃を与えようとしている。この話は以前にも聞いたことがある。
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ロックフェラーはいかにして現代医学を創立し、自然療法を殺したのか

<記事原文 寺島先生推薦>
How Rockefeller Founded Modern Medicine and Killed Natural Cures
筆者:クリス・カンサン(Chris Kanthan)
出典:グローバル・リサーチ 2023年3月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月26日


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この記事の初出は2015年10月

最近では、植物の治癒特性などの全体観的治療法による治療について話す人は、変人扱いされる。しかし、すべて似たり寄ったりだが、現代の医療体系の背後には多くの政治と資金が存在する。

そのすべての始まりはジョン D. ロックフェラー(1839–1937)だ。 彼は、石油王であり悪徳資本家であり、米国初の億万長者であり、生まれついての富の独占者だった。

20世紀初頭までに、彼は自身の石油会社スタンダード・オイル社を通じて米国の全製油所の90%を支配した。なおこの会社はのちに、シェブロン社、エクソン社、モービル社などに分裂した。

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時を同じくした1900 年頃、科学者たちは「石油化学」と呼ばれる、石油からあらゆる種類の化学物質を作り出す能力を発見した。たとえば、ベークライトと呼ばれる最初のプラスチックは1907年に石油から作られた。科学者たちはさまざまなビタミンも発見し、多くの医薬品が石油から作れるのではないかと推測した。

この発見は、ロックフェラーにとって素晴らしい機会となった。石油や化学、医療産業を同時に独占できる可能性が生まれたからだ。

石油化学製品の最も優れた点は、すべてが特許を取得できるため、販売すれば高い利益が得られることだった。

しかし、医療業界に対するロックフェラーの計画には問題が1つあった。当時の米国では天然薬や漢方薬が非常に人気があったことだ。米国の医師と医科大学のほぼ半数は、ヨーロッパとアメリカ先住民の知識を活用して全体観的治療法を実践していた。

独占企業であるロックフェラーは、最大の競争相手を排除する方法を見つけなければならなかった。そこで彼は、「問題-反応-解決」という古典的な戦略を採用した。つまり、問題を作り出して人々を怖がらせてから、(事前に計画された)解決策を提供するという手口だ。(テロの恐怖を煽ったあとで「愛国者法」を制定したのと同じ手口)。

彼は友人のアンドリュー・カーネギー(鉄鋼産業の独占で儲けたもう一人の金権政治家)のところへ行き、カーネギーはある計画を立てた。著名なカーネギー財団から、エイブラハム・フレクスナーという男性が全国を周り、医科大学や病院の状況を報告するよう委託された。

この報告がフレクスナー報告につながり、私たちが知っているような現代医学が誕生した。

言うまでもなく、この報告書では医療機関の再編と一元化の必要性が言及されていた。そしてこの報告に基づいて、全医科大学の半数以上がすぐに閉鎖された。

全体観的治療法と自然療法は嘲笑され、悪者扱いされた。投獄された医師さえいた。

この移行を支援し、他の医師や科学者の考えを変えるために、ロックフェラーは大学や病院に1億ドル以上を寄付し、「一般教育委員会(GEB)」と呼ばれる慈善団体を設立した。これは古典的なアメとムチの手口だ。

非常に短期間のうちに、医科大学はすべて簡素化され、均質化された。学生は全員同じことを学び、医学とは特許薬を使用することだけになった。

科学者たちは植物が病気をどのように治すかを研究するために巨額の助成金を受け取ったが、その目標は、まず植物内のどの化学物質が効果的かを特定し、次に特許を取得できる類似の化学物質(ただし同一ではない)を研究室で再現することだった。

「ひとつの病気にひとつの薬(A pill for an ill)」をあてがうことが、現代医学の信条になった。

コーク兄弟(米国の富裕一族)は悪者だと思われただろうか?

つまり、100年後の今、私たちは栄養やハーブ、あるいは全体観的治療法の利点について何も知らない医師を大量に生み出しているのだ。私たちの社会全体が、企業の利益のために奴隷にされているのだ。

米国はGDPの15%を医療に費やしているが、これはまさに「シックケア(病気治療)」と呼ぶべきものだ。治療ではなく症状のみに焦点を当てているため、同じ病気が何度もくり返される。がんや糖尿病、自閉症、喘息、さらにはインフルエンザさえも治療法はない。

なぜ本当の治療法が存在するのにこうなっているのだろうか?その理由は、このような体系を設立したのは医師ではなく、財閥や金権政治家たちだからだ。

そうそう、がんに関して言えば、米国がん協会が1913年に設立されたのは、他ならぬロックフェラーによってだった。

乳がんに対する啓発を高めるこの月に、人々が化学療法や放射線、手術について洗脳されているのを見るのは悲しいことだ。その件については、あらためてブログの別の投稿で触れることにする...この記事は、ジョン D. ロックフェラーが米国民をどう見ていたかについて要約したものだ…
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この記事の元の情報源はWorld Affairs
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ラファでの大虐殺はイスラエルの野蛮さをむき出しにした

<記事原文 寺島先生推薦>
Rafah Massacre Exposes Israel’s Brutality
筆者:ルーカス・ライロズ (Lucas Leiroz)
出典:Strategic Culture 2024年2月18日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月26日


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© Photo: Public domain


ラファでの最近の攻撃は、西側の世論にイスラエルのやり方を示し、シオニスト国家をさらに国際的に孤立させている。

イスラエルによるガザ地区への攻撃は、ますます暴力的で理不尽なものになっている。ここ数日、シオニスト国家(イスラエル)は、エジプト・シナイとの国境に近いガザ地区南部の都市ラファに対して、一連の残忍な攻撃を開始した。この地域は、紛争が始まって以来、ガザ北部の自宅から避難してきた何千人ものパレスチナ人の避難所となっている。ラファを爆撃することで、テルアビブ(イスラエル政府)はガザのどこにもパレスチナ人の安全はないことをはっきりさせた。

2月11日、イスラエルはラファに対する軍事作戦を開始し、パレスチナ人数十人が死亡、数百人が負傷した。その後も同様の爆撃は続き、さらに多くの犠牲者を出した。さらに、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はラファへの地上侵攻を公言し、現地住民にその結果に対する恐怖を与えた。

今回の事態がとくに複雑なのは、以前、イスラエル当局は、パレスチナ人が北部地域を離れてラファに避難できるよう、ガザの内部移住を奨励する声明を何度か出していたからだ。それまでは、ラファはガザでも数少ない普通の生活が可能な都市と考えられていた。しかし今のイスラエルには、この街に暴力をふるわないという気持ちはもはやないようだ。

その結果、近年の歴史上、最も深刻な人権侵害の事例が生まれた。200万人近いガザ人が、行き来する自由もなく、イスラエルの爆撃の人質となってラファにいるのだ。パレスチナ市民が北部に移動しても、都市は完全に消滅していて、生活の基盤もない。南部に留まれば、イスラエル軍の大砲や航空機による残酷な爆撃を受け続けることになる。同時に、水、食料、エネルギーの封鎖は続いており、この地域での生活はほとんど不可能だ。

ラファでの攻撃は、停戦合意への試みが失敗に終わった直後に起こった。ハマス側は、テルアビブ側が提案した協定の改訂版を提示し、3段階の停戦計画を打ち出したが、イスラエル側はこれを激しく拒否した。当時、専門家の意見では、シオニスト国家(イスラエル)が提案した協定はハマスに極めて有利なものであったため、イスラエルは紛争において弱い立場にあるというのが大勢を占めていた。ハマスがそれにもかかわらずイスラエル側の提案に見直しを求め、さらなる譲歩を要求したという事実は、この交渉で屈辱を味わったネタニヤフ政権にとって「レッドライン」だったようだ。その報復として、イスラエルは停戦交渉を中止しただけでなく、攻撃を拡大し、ラファまで手を伸ばすことにした。

その意味で、ラファに対する作戦は強さを誇示するためのものだった可能性がある。イスラエルは、パレスチナに対する最初の数カ月の攻勢で失敗した後、軍事的イメージを向上させたいのだ。囚人の解放とハマスの排除という目標に失敗したシオニスト国家は、この地域の敵に対する抑止力を取り戻そうとしている。民間人に対する過剰な暴力でパレスチナの抵抗勢力を威嚇し、テルアビブへ大きな要求はさせず、ハマスに停戦合意を受け入れさせようとしているのだ。

しかし、民間人地域に対するこうした攻撃の結果は、世論の面ではイスラエルに壊滅的な打撃を与えかねない。ガザ侵攻が始まって以来、ユダヤ国家はすでに部分的な国際的孤立という状況に直面している。以前は、少なくともテルアビブには、パレスチナ人が戦争の影響から逃れるためにラファに移住できるという主張があった。ラファがイスラエル国防軍の作戦の主な標的となった今、その可能性すらなくなっている。

シオニスト政権に対する国際的な圧力が高まるのは必至だ。ラファの状況を画像で隠すことは不可能だ。子どもたちが死んでいる写真や動画がインターネット上に出回り、欧米諸国の一般市民の怒りを買っている。これは、シオニスト政権への支援を停止または削減するよう、欧米諸国で抗議や国内圧力を呼び起こすことにつながる。

欧米当局からネタニヤフ首相に注意を促す声が上がっているのは偶然ではない。英国では、攻撃が拡大する危険性を考慮し、テルアビブに対しラファでの行動を「再考」するよう求めた。こういった発言が偽善的なのははっきりしている。その西側諸国がシオニストの侵略を軍事的に支持し、イスラエルの拡張主義的で人種差別的なプロジェクトに協力しているのだから。しかし、それでも、西側諸国がこのようなイスラエルの行為を支持し続けることによって、自国のイメージが損なわれることを恐れていることを示すものであり、重要な発言である。

結局のところ、テルアビブはあまりに理不尽な行動をとっているため、もはやその軍事行動の本性をごまかすことはできない。明らかに、その目的は 「ハマスの排除」ではない。そして明らかに、民間人の死は単なる「付随的なもの」ではない。パレスチナ人民に対する集団的抹殺という真の意図があり、「対ハマス作戦」は単なる口実にすぎない。ラファでの民間人殺害は、このことを明らかにした。このように、イスラエルを支援し続ける国はすべて、真のジェノサイドの共犯者になる。
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ロシアの「積極的な消耗」作戦が要塞アブデーフカに亀裂を生じさせた

<記事原文 寺島先生推薦>
Russia’s “Aggressive Attrition” Cracks Fortress Avdeevka
筆者:ブライアン・バーレティック(Brian Berletic)
出典:Internationalist 360° 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月25日


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地政学専門家のアレクサンダー・メルクーリス氏が造語した「積極的消耗」とは、戦略的・政治的混乱を意図的かつ積極的に作り出し、敵対勢力に大量の人員、装備、弾薬を、十分に準備された作戦地域に投入させる戦略のことである。

ロシアは、2022年2月に開始された特別軍事作戦(SMO)の過程で、ウクライナとの戦闘においてこの戦略をうまく採用してきた。

この戦略は、ウクライナの軍事能力を低下させる長期的な作戦の一部であり、SMOが掲げる目標の「非軍事化」要素を達成するものである。

ロシアはまた、軍事航空における優位性を活用し、250kgから1,500kgまでの滑空爆弾の品揃えを増やしており、ウクライナの移動式防空システムの残骸の外側の射程距離で、接触線に沿ってその爆弾を発射している。

滑空弾の中でも大型のものは、砲弾やロケット弾、ミサイルをはるかに凌ぐ破壊力を持ち、掩蔽壕(えんぺいごうを貫通し、防御として使用されているコンクリート製の大きな建物でさえも破壊することができる。

滑空爆弾から身を守るため、ウクライナは機動性の低い長距離防空システム(パトリオットやNASAMS、IRIS-T)を危険なほど接触線の近くに移動させようとしている。これでは、接触線に沿った無作為でまれな「待ち伏せ」は可能だが、接触線に対する実際の防空を行うには不十分である。

こうなっている理由は、ウクライナが長距離防空システムの決定的な不足に直面しているからだ。過去2年間、ロシアの軍事産業は大きく成長し、長距離巡航ミサイルや神風ドローンによるウクライナ全土の標的への着実な攻撃を可能にし、ウクライナの防空迎撃ミサイルの供給を疲弊させてきた。この長距離攻撃作戦は、ウクライナの防空システムそのものも標的とし、破壊してきた。

西側諸国の軍事産業基盤は、迎撃ミサイルとそれを発射するシステムの両方を十分に交換することができないため、ウクライナの領空防衛能力全般が著しく低下している。これはまた、滑空爆弾から防衛するための長距離防空システムが、接触線全体にわたってあまりにも少ないことを意味する。

4次元戦略

西側の分析家たちは、現在進行中の紛争を、「今そしてここ」という3次元に限定して研究してきた。彼らは戦場での成果を領土獲得によってのみ分類している。領土の移動が比較的少ないため、西側の分析家たちは紛争を「膠着状態」と結論付けている。また、ロシアの大規模な攻撃作戦がないことだけを根拠に、ロシアには膠着状態を打破するだけの攻撃力がないと結論づけている。

しかし、アブデーフカにおけるロシアの成功は、この主張と矛盾しており、攻撃的な消耗が他の接触線に影響を与えていることを示している。

戦場内外で可能なさまざまな成果があり、その多くは領土の得失をはるかに超えて、現在進行中の紛争の結果を最終的に形作ることができる。

ガーディアン紙が最近認めたように、ロシアの軍事産業基盤は、すでに西側諸国をはるかに凌駕しており、生産される武器や弾薬の量も、実戦投入される能力の種類も増え続けている。戦場では、過去2年間、ロシアはウクライナの軍事力を危機的な規模にまで忍耐強く、計画的に消耗させてきた。

特に2023年のウクライナの反転攻勢が決定的な敗北を喫した後では、ロシアが長距離砲や装甲・対戦車兵器で守られた、同様に十分に準備された地雷原にロシアから攻勢をかけることは戦略的に賢明でないことは明らかだ。今はこれらの能力を温存することで、後の攻勢作戦に使えることになる。

ロシアの戦略は、一定期間にわたる複数の異なる段階から構成されている。また、アブデーフカのような特定の場所での接触線に沿って、積極的な消耗を利用した小規模な作戦を展開し、ウクライナ軍全般に対する積極的な消耗の悪循環の蓄積に寄与している。ウクライナの戦闘能力の局地的な崩壊は、ウクライナの軍事力の全体的な低下に大きく寄与している。

必然的に、この過程は「不釣り合いに大きなウクライナの犠牲者や領土損失、難民の流入をもたらすだろう。ウクライナを不利な和平に導く可能性さえある」と、ランド研究所が2019年に発表した論文「ロシアの拡張:有利な立場からの競争」で警告している。これは、米国政府がウクライナに軍事援助を提供し、ロシアとの大規模な紛争を引き起こす危険性についてのことである。

米国とその同盟諸国がウクライナでロシアとの代理戦争に陥っている混乱がこれだとすれば、中国との戦争を引き起こそうとしている米国の外交政策立案者たちを待ち受けているのは、はるかに大規模な同様の混乱である。残念なことに、米国の外交関係者は米国の優位性を追求するあまり、それがそもそもいかに実現不可能なことであるかを理解していない。


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ドイツ国会議員、対露政策がヒトラーの二の舞にならないよう警告

<記事原文 寺島先生推薦>
German MP warns against ending up like Hitler
マティアス・モースドルフ議員、ドイツ政府はウクライナ政府に武器を送るのではなく、ロシア政府と話し合うべきだ、と主張
出典:RT 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月25日


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ドイツのマティアス・モースドルフ国会議員© Global Look Press / Marco Rauch

ドイツ連邦議会外務委員会のマティアス・モースドルフ氏は木曜日(2月22日)の議会で、軍事力のみを頼りにロシアと関係を持とうとする国々は必ず敗北を喫するだろう、と警告した。

同議員が懸念を表明したのは、ドイツ国会がドイツ政府にキウクライナ政府へのさらなる武器の送付を求める決議案を承認しようとしていた中でのことだった。モースドルフ議員はナチスについて言及し、「絶対にはっきりさせなければならないことがひとつあります。それは、10年にわたる(ウクライナ)戦争は、ロシアに干渉する者は1812年のナポレオンのような結末を迎えるか、あるいはさらに悪いことに1945年のような結末を迎えることを我々に教えている、という点です」と述べ、ナチス・ドイツがソ連と連合軍の手により敗北したことに触れた。

右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の議員である同議員は、ウクライナ政府へのタウルス・ミサイル配備に対する「厚かましい要求」が続いていることを踏まえ、同職の国会議員らにこうした歴史的事実に注目してもらいたい、と述べた。

ウクライナは昨年5月、最大射程500キロ(310マイル)で掩体壕(えんたいごう)防御を貫通できるミサイルの正式な要請を提出した。ロシアとの紛争が続く中、ウクライナに対する軍事供与国の第2位として浮上したドイツだが、この特別な要求に応えることには消極的だった。

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関連記事:West ‘only making things worse’ for Ukraine – Russian ambassador

報道によると、オラフ・ショルツ首相下のドイツ政府は、ロシア国境内で兵器を使用する可能性により、ドイツがウクライナ紛争に近づく可能性があることを懸念していた、という。この特定のミサイルの種類に特化した提案は、以前国会が拒否した。

木曜日(2月22日)、保守党「ユニオン」野党連合が提出した新たな提案は480対182で否決された。それでも国会議員らは政府連立3党が提出した別の決議案を採択したが、その決議案の内容は、タウラス・ミサイルの名前は出ていないが、ドイツ政府に対し長距離兵器をウクライナに配備することを求めるものたった。AP通信によると、この武器が届けば、ロシア軍の「はるか後方にある戦略的に重要な目標」への攻撃が可能になるはずだ、とこの決議案には記載されている、という。

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関連記事:Putin wants to end Ukraine conflict – Tucker Carlson

この決議案には法的拘束力はなく、382人の議員が支持したが、284人の議員が反対し、2人が棄権した。

モースドルフ議員は、現在進行中の紛争における他の西側諸国の政策について発言し、政治的または外交的手段を通じて問題を解決する努力が「不足している」と主張した。さらにショルツ首相に対し「(ロシアのウラジーミル・)プーチン大統領に会って話をする」よう呼び掛けた。同議員はまた、ロシアがミュンヘン安全保障会議に招待されていない事実を批判した。

ロシア政府は、現地の状況が整い次第、和平交渉の用意があると繰り返し述べてきた。2022年秋、一連の住民投票を経て、ドネツクとルガンスクの2つの共和国と他の2つのウクライナ領土が正式にロシアに加盟した。

ウクライナ政府は何度もロシア政府との交渉を排除してきた。ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は昨秋、現クレムリン指導部とのいかなる会談も禁止する法令に署名した。同大統領はまた、独自の和平案を提案し、交渉が始まる前に、ロシア軍が1991年のウクライナ国境内の全領土から撤退することを要求した。クレムリンはウクライナ側の「平和解決策」をばかげているとして拒否した。
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「皆殺しすべきだ」 – ガザの子どもたちに関する米国議員の衝撃的な発言

<記事原文 寺島先生推薦>
‘We should kill them all’ – US Congressman’s Shocking Comment on Gaza Children
ガザで犠牲になった子どもたちの写真に反応して、アンディ・オグレス米下院議員が「皆殺しすべきだ」と発言したことは、広範な怒りを引き起こした。
筆者:Middle East Monitor
出典:グローバル・リサーチ(Global Research) 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月25日


アンディ・オグレス共和党下院議員は、議会で停戦を求めた活動家らに対して、ガザ地区のパレスチナ人の子どもたちは、「全員皆殺しすべきだと思う」と語った。



専門家らは、この衝撃的な対応は、ガザにおけるパレスチナ人に対する大量虐殺という犯罪に対する米国の責任の範囲を明確に示している、と述べた。

ソーシャルメディア活動家のサイラ・ラオ氏は、X上で次のように反応した。

アンドリュー・オグルス現職国会議員は、秘密の本音を声に出してこう言った。「我が国は全員殺すべきだと思う」と。「我々(米国)にはパレスチナ人全員を殺害(大量虐殺)する責任がある」とも。つまり、議会+バイデン+内閣全体がすべて戦争犯罪者になっているのだ。


テネシー州選出のこの共和党議員に対して、公私両面から多くの懸念の声があがっているのは、成績証明書ではすべての科目で落第したことが示されているにもかかわらず、同議員が「高等教育の学位を取得している」と述べているからだ。新聞各紙も同議員の選挙運動のための謎の資金源について疑問を抱いている。というのも、同議員が資金源についての理にかなった説明もなしに32万ドルを受け取っているからである。

物議を醸しているこの議員は以前、パレスチナ国籍保持者の米国入国を禁止する法案を提案している。
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RTニュース2024年2月22日(モスクワ標準時間午前9時)

<記事原文 寺島先生推薦>
RT News - February 22 2024 (09:00 MSK)
出典:RT 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月24日



 ロシア軍が絶え間ない砲火を浴びながら進軍するドネツク共和国の最高戦略地点。
 飢餓が拡大する一方で、食糧供給は縮小し、国連は破壊されたガザ北部への援助物資の輸送を停止した。
 イスラエル政府関係者は、イスラエル国防軍によるガザ侵攻を称賛している。
 インドでは、数千人の農民が首都に向かってデモ行進を行い、抗議デモは暴力的なものに発展した。食料価格保証の政府提案を拒否。
 人権団体は、ジュリアン・アサンジの英国から米国への身柄引き渡しは2国間の条約に違反すると主張。
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キエフとオデッサは我が国のものだ – メドベージェフ元露大統領

<記事原文 寺島先生推薦>
Kiev and Odessa are ours – Medvedev
ロシア政府は遅かれ早かれウクライナの首都を占領しなければならないと元大統領は主張
出典:RT 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月24日


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ロシアのジャーナリストと語るドミトリー・メドベージェフ氏© テレグラム/ドミトリー・メドベージェフ


ドミトリー・メドベージェフ元大統領は、ロシアはキエフと沿岸都市オデッサを占領するまでウクライナとの戦いを続けなければならないと主張した。現在ロシア国家安全保障会議の副議長を務める同元大統領によると、両都市は「ロシアのルーツ」を持っているが、米国主導のロシアの敵によって運営されており、ロシア存続の脅威となっているという。

この発言はメドベージェフ氏がロシアの報道機関と行なったインタビューからの抜粋で、木曜日(2月22日)に同氏がソーシャルメディアで共有したものだ。

「我が国はどこでやめるべきなのでしょうか?私には分かりません」と同氏は述べ、多くの「重要な仕事」がこの先に待ち構えている、とも付け加えた。

「キエフ(占領)でやめるべきでしょうか?おそらく。当然最終目標はキエフになります。今でないとしても、この先きっとそうなります。理由は2つ。ひとつは、キエフがロシアの都市であること。もう一つは、キエフがロシア連邦の存在に対する脅威の起点となっていることです」と同氏は語った。

メドベージェフ氏は別の動画でウクライナ南部のオデッサ港について触れ、「帰国」するよう促している。

「私たちロシア連邦の市民が、オデッサの帰還を首を長くしてずっと待ってきた理由は、オデッサの歴史と、そこにどのような人々が住んでおり、どのような言語を話しているのかというものです。オデッサは私たちロシアの都市です」と同氏はその動画で主張した。

2014年5月、42人の親ロシア支持者が焼き殺されたオデッサという都市は、大多数の市民がロシア語を話す都市であるが、キエフでの抗議活動を支援する暴徒に抑えられた。なおこのキエフでの抗議活動は、のちに民主的に選出されたウクライナ政府を打倒することになった。

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メドベージェフ氏は、ロシアの存在に対する脅威の根源を「米国率いる反露国際連合諸国」であると特定し、これらの勢力がウクライナ政府を支配している、と主張した。
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中国、イスラエル占領に対してパレスチナ側に「武力闘争」の権利があることを支持

<記事原文 寺島先生推薦>
China Backs Palestinians’ Right to ‘Armed Struggle’ Against Israeli Occupation
筆者:The Cradle(西アジアの地政学を報道するオンライン通信誌)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月24日


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イスラエルによるパレスチナ自治区の不法占拠に終止符を打つため、50カ国以上がハーグでの公聴会に参加している。


「植民地主義、占領、侵略、外国勢力に対する支配に対する武力闘争を含め、民族が解放、自決の権利のために行なう闘争は、テロ行為とみなされるべきではない」。-張軍中国国連大使


国際司法裁判所(ICJ)で4日目に行われた、イスラエルによるパレスチナ自治区の不法占拠をめぐる裁判の公聴会で、中国はパレスチナ人がイスラエルに対して「武力闘争」を行う権利への支持を表明し、これは「テロリズム」ではないと強調した。

中国外務省の法律顧問である馬新民(Ma Xinmin)は、2月22日にこの世界法廷(ICJ)で、「自決権を追求するため、(パレスチナ人は)外国の抑圧に抵抗し、パレスチナ国家の樹立を完成させるために武力行使の権利を有する」と述べた。

国際司法裁判所において中国は、占領に対する武力抵抗は国際法に明記されており、テロではないと指摘。

主流メディアでは報道されることはあっても滅多に取り上げられない視点だ。 pic.twitter.com/wudMcxbFxb

— Saul Staniforth (@SaulStaniforth) February 22, 2024




新民は、武力抵抗によって「植民地支配から解放されたさまざまな民族」の例を挙げながら、イスラエルの占領に対する抵抗行為は「テロリズムではない」正当な武力闘争であり、「不可侵の権利」であると主張した。

「他の数多くの決議が、植民地支配や外国の占領下にある人々が自決権を実現するための武力闘争を含む、あらゆる利用可能な手段による戦いの正当性を認めている」と中国の高官である馬新民は述べた。

「中国の習近平国家主席は、中国が包括的な停戦と、交渉による2国家解決に基づくパレスチナ問題の早期解決を求めることを何度も強調してきた」と彼は付言した。

馬新民の後に登壇したイランのレザ・ナジャフィ外務副大臣(法務・国際問題担当)は、イスラエルがパレスチナ人の自決権を歴史的に侵害していることを強調した。

「イスラエル政権の樹立は、シオニスト運動に沿った、ユダヤ人多数派植民地を作るために、先住民であるパレスチナの人々を強制移住させるという暴力的な過程によって行われた」とナジャフィは語った。

彼はまた、テルアビブによる現在進行中の一連の侵害行為として、パレスチナ占領地における長期にわたる占領と人口構成の操作、エルサレムの性格と地位の変更、天然資源に対するパレスチナ人の永続的な主権に対する差別的措置と権利の侵害を挙げた。

「入植地の拡大、隔離された道路や障壁、検問所は、パレスチナ人社会を孤立させるアパルトヘイトの形態を作り出している」とナジャフィは述べ、その後に国連安全保障理事会(UNSC)の「不作為や不十分な行動」に言及した。これが「パレスチナ人の占領を長引かせている主な原因」の一つであると語り、国連の最高機関が「特定の常任理事国」によって引き起こされた「膠着状態(拒否権)のために麻痺している」ことを強調した。

「過去約8年間にイスラエル政権が犯した残虐行為や犯罪はすべて、このような不作為の結果である」と述べて、イラン高官であるナジャフィは話を締めくくった。

次に、ICJのイラク代表ヘイデル・シーヤ・アル・バラクが壇上に上がり、ICJに対し、イスラエルに対する過去の裁判所命令を尊重するよう求めた。例えば、南アフリカの裁判の後に出された、「パレスチナ人に対する組織的な殺戮機能を止めよ」という条項などである。

「私たちは、裁判所が正義への取り組みをさらに強化し、大量虐殺作戦を終わらせ、パレスチナ人に対する嫌がらせ、封鎖、飢餓政策を防ぐという決意を確認する追加の判断を下すことを願っています」と彼は述べた。

バラクは、世界法廷(ICJ)に対し、「パレスチナ人男性、女性、子供、年長者の生活を守り、すべての人権が達成される尊厳ある安全な生活を享受できるようにする」決定を下すよう呼びかけ、発言を締めくくった。


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「ノルド・ストリーム3」作戦とロシアによるアブデーフカ制圧

<記事原文 寺島先生推薦>
Nord Stream Three” and the Russian capture of Avdeevka
出典:ギルバート・ドクトロー氏の個人ブログ 2024年2月20日
筆者:ギルバート・ドクトロー(gilbert doctorow)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月24日


ここ数週間ずっと私が文句を言っていたのは、ロシア国営放送ヴェスティ局のニュース番組が、決まりきった内容しか流してこなかったことだ。初めに概説もなしに前線の戦況映像を流し、それからウクライナによる砲撃のもとで惨めな生活を送らされているドンバスの人々について取り上げる。世界のニュースはおおむねすべて無視した放送内容だった。

しかし今晩、ゴールデン・タイムの8時の放送は、これまでとは全く異なる内容だった。はじめに流されたのは、現代で最も大胆な軍事作戦のひとつを成し遂げたばかりの人々へのインタビューだった。その作戦とは、いわゆる「ノルド・ストリーム3」だ。この件にいては、あとで触れよう。この軍事作戦こそ、ウクライナが突然ここ数週間で、アブデーフカ(ドネツク州)を失った理由の説明のたすけになろう。それからこのニュース番組は、この日の午前中に、セルゲイ・ショイグ国防大臣がウラジーミル・プーチン大統領に対しておこなった報告の動画から長い抜粋を流した。この動画には、多くの話題が載せられており、世界各国の諜報機関により詳しく調査されるべき内容だった。当然のことながら、なぜCIAのみがこのことを知っているかに対して疑念を持った。この機会を通して、私が見聞きしたことを皆さんと共有したい。この件に関する情報を私は急いで集めたので、以下に示す記載の中の数字がすべて完全に正しいとは言い難いが、速度と正確さとのせめぎ合いのなかで、今夜、私はあえて情報を伝える速度の方に重きを置く。

*****

以前私が書いたロシアによるアブデーフカ制圧に関する記事の中で、私が繰り返し強調したのは、砲弾の量において、ロシア側が優位である、ということだった。そして、そのことについては、西側報道機関による報道で見聞きすることになるだろう、とも書いた。 しかし、もう一つ今回の勝利についての重要な側面がある。それは、人並み外れた勇敢さと機知だ。

西側報道機関を耳にしている人ならば誰でも、ウクライナ兵たちの人並みはずれた勇敢さについては、繰り返し耳にしてきたことだろう。その推測は確かに正しい。しかし全く皆さんが耳にしたことがないのは、ロシア兵や軍人たちが信じられないくらい勇敢であることだ。非常に戦意も高く、何のために戦っているかもしっかりとわかっていて、どんな犠牲を払ってでも、自国の利益を守る覚悟ができている兵たちだ。この週末におこった「ノルド・ストリーム3」という冒険は、そのことを完全に示した。さらに、この冒険は、頭脳戦がしっかりと機能して、肉体戦を補完していることをも示すものだった。

この冒険とは、アブデーフカ郊外の陣地から敵陣の真下を通って市街地へと続く、直径1.2~1.5メートル、長さ3キロメートルのパイプを、ロシア軍の旅団全員が通過したことを指している。彼らは、この通路を人知れず、疑われることなく管理し、パイプ・トンネルから出たときには、近くにいたウクライナ軍を圧倒し、19の建物を占領し、そこから戦い続けた。パイプを導管とすることからこの作戦は「ノルド・ストリーム3」と呼ばれているが、その原理は純粋な「トロイの木馬」戦術だった。

ヴェスティ局のインタビューに答えた兵士が主張したように、この作戦は素晴らしい映画になる素質がある。モスフィルム社の製作者の何人かが、この話を取り上げるに違いない。

*****

プーチン大統領への報告の中で、ショイグ国防大臣は、「アブデーフカの降伏は秩序だった戦略的撤退であった」というウクライナ側の主張は真っ赤な嘘である、と述べた。これはロシア語でいうбегство(逃走)、つまり、ウクライナ軍が装甲兵員輸送車やその他の軍事装備はもちろんのこと、手持ちの武器も置き去りにした無秩序な逃走だった。多くの負傷者も置き去りにした。ショイグ国防大臣は、ウクライナ軍は2月17日と18日の2日間で、アブデーフカで2300人を失った、と推定している。

アブデーフカ自体については、ウクライナ側は、鉄筋コンクリートや防衛線を多用し、ウクライナで最も強固な防衛拠点のひとつとなるよう、9年の歳月をかけて建設と再建を繰り返してきた、と同国防大臣は述べた。

ショイグ国防大臣はさらに、春から夏にかけてのウクライナによる反攻作戦に関する最新の情報機関の結論について語った。いまになってはっきりとした事実は、反攻作戦はすべて米国が計画し、指揮したものであり、米国はNATOの教官を使ってウクライナ人にNATOの軍事教義と技術を植え付けた。その結果、ウクライナは13万人の兵士の死傷者を出す大惨事となった。この体験は、米国とNATOの同盟諸国に衝撃を与えた。軍事教義や技術、ハードウェアのすべてがロシア軍に圧倒され、破壊されたのだ!

ショイグ国防大臣はまた、ドニエプル川東岸(左岸)のクリンキ地区(ヘルソン州)に橋頭堡を築こうとウクライナが繰り返した努力の惨憺たる結果についても報告した。この作戦が絶望的であったため、同じ上陸部隊が何度も繰り返し送り込まれたが、ロシア軍に補給を断たれ、壊滅的な打撃を受けたと説明した。この地域一帯は現在、完全にロシア連邦の支配下にある。

プーチン大統領は、ロシアが地球周回軌道上に核兵器を設置する計画を進めているとの疑惑について、米国政府から上がっている最近の喧伝に話題を移した。プーチン大統領は、これを否定し、こんな話は想像でしかない、と述べた。「我が国はそのような兵器もそのような計画も持っていません」と。プーチン大統領は、このような警鐘を鳴らすのは、米国国会議員を脅して、要求されているウクライナへの新たな予算を可決させるためだ、と考えている。一方、米国政府は、ロシアが開発・配備を進めている、真に脅威的な最先端戦略兵器システムについては何も言わない。具体的には、水中核武装ドローン「ポセイドン」や「サルマット」や「ブレヴェストニク」といったICBM(大陸間弾道ミサイル)など、西側諸国には同等のものがなく、既存の防衛設備や計画されている防衛設備をすべて克服でき、ロシアの真の抑止力を構成する武器についてである。

最後に、プーチン大統領は、最近の自身の発言を繰り返し、ロシアは原則的な問題として、いつでも戦略的軍備制限協議に参加する用意があるが、その協議はすべての要因を考慮しなければならないものだ、と述べた。現在受け入れられない要因は、米国が公然と戦場でロシアに戦略的敗北を負わせようとしていることだ。プーチン大統領が警戒しているのは、米国とその同盟諸国による、同大統領が言うところの終わりの見えない試みだ。その試みの目的は、すべての交渉で自分たちに有利な一方的な解決策を押し付けようとすることにある。
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ロシア、アブデーフカで最大1000人のウクライナ人捕虜を捕獲 – NYT

<記事原文 寺島先生推薦>
Russia captured up to 1,000 Ukrainian POWs in Avdeevka – NYT
同紙は、キエフ軍による撤退の「混沌とした」状況がこの高い数字に寄与した、と主張
出典:RT 2024年2月21日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月24日


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2024年2月17日、ドネツク州のアブデーフカ近くに要塞を建設するウクライナ軍人。© AFP / Anatolii STEPANOV/AFP

ニューヨーク・タイムズ紙は、ウクライナと西側の匿名の情報筋の話として、ウクライナ側の先週末のアブデーフカからの混乱した撤退中に、ロシア軍が最大1000人のウクライナ軍を捕らえた可能性がある、と報じた。同紙は、ドンバスにある旧ウクライナ軍の拠点であるアブデーフカからの撤退はウクライナ側にとって「壊滅的な損失」であり、「既に低下していた士気へのさらなる打撃となる可能性がある」と述べた。

金曜日(2月16日)、ウクライナ軍最高司令官に新たに任命されたアレクサンドル・シルスキー将軍は、ウクライナ軍がドネツク郊外から10キロ以内に位置する戦略上重要なこの町から撤退したことを明らかにした。翌日、ロシア国防省はアブデーフカの占領を確認し、その過程でキエフ軍に多大な死傷者が出たと主張した。

ニューヨーク・タイムズ紙は火曜日(2月20日)に、匿名のウクライナ軍人2人の話として、捕虜と行方不明兵士の数は850人から1000人の間であると報じた。同紙は、匿名の西側当局者はこの範囲が正確であると認めた、と主張した。

米国当局者らはアブデーフカの喪失がウクライナにとって戦略的に重要であるとは考えていないとみているが、ニューヨーク・タイムズ紙は「数百人の兵士、特に戦場経験のある兵士が捕虜になったこと」は深刻な問題を引き起こす可能性がある、と報じた。同紙は、ウクライナ軍は何ヶ月も人員不足に悩まされており、ウクライナ側の夏の反転攻勢が失敗したことで既に兵員確保が困難になっている、と指摘した。

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関連記事:Optimism on Ukraine conflict was ‘premature’ or ‘delusional’ – NYT

匿名のウクライナ兵士らは、捕虜の数が明らかに多い原因は計画の甘さにある、と非難した。キエフ軍もまた、先週のモスクワ軍の進軍のあまりの速さに驚いており、ウクライナの精鋭部隊による進軍を遅らせようとする試みも効果がなかったとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。

記事によると、異なる無線機器を使用しているウクライナ軍部隊間の通信不良が要因となった可能性があるという。

土曜日(2月17日)、この地域で活動するウクライナ軍の司令官アレクサンドル・タルナフスキー将軍は、撤退は計画どおりに進んだ、と主張した。しかし、同将軍は「ウクライナ軍人の中には捕虜になった人もいる」ことは認めたが、その数は明らかにしなかった。同将軍のドミトリー・リホヴィ報道官は、数百人のウクライナ人捕虜に関する報道を否定し、誤報であるとした。

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火曜日(2月20日)のロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談で、セルゲイ・ショイグ国防大臣は、アブデーフカはロシア軍の損失を最小限に抑えたなかで占領した、と述べた。同大臣は、ウクライナ軍が退却中に相当数の負傷兵のほか、軍の装備品や装備品を残していった、と主張した。
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南アフリカがハーグの国際司法裁判所にイスラエルを訴えたのは、自国のアパルトヘイトの亡霊がまだ生きているからだ

<記事原文 寺島先生推薦>
The ghosts of apartheid triggered South Africa’s case against Israel in The Hague
この行為に関する南アフリカ国内の反応は、多くの議論や問題があるにもかかわらず、驚くほど足並みがそろったものだった。
筆者:クベンドラン・チェティ(Kubendran Chetty)
出典:RT 2024年2月20日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月23日


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2024年1月11日、ハーグで、南アフリカが提訴したイスラエルに対するジェノサイド裁判の審理を前に、国際司法裁判所(ICJ)に出席するロナルド・ラモラ法務大臣とブシムジ・マドンセラ駐オランダ南アフリカ大使。 © Remko de Waal / ANP / AFPBB News

ジェノサイドの疑いでイスラエルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴するという南アフリカの決定は、アパルトヘイトとの歴史的な戦いとの類似性が指摘されるなど、南アフリカ国内で圧倒的な称賛を受けている。

この裁判は、ネルソン・マンデラ元大統領が大統領を務めて以来、おそらく他のどの国際問題よりも、世界的な世論という点で、同国にとって有益なものであると広く評価されている。

国際司法裁判所の判決

今年初めのICJの中間判決では、17人の裁判官からなる審議会が、南アフリカ政府が要求した7つの緊急措置を可決した。

イスラエルがジェノサイドを行わないよう要求することに加え、裁判官団はイスラエルに対し、ジェノサイド行為を行なった兵士や、パレスチナ人のジェノサイドを公に呼びかけた国家公務員に対する措置をとるよう命じた。 判決はまた、イスラエルはそのような行為が行なわれた場合、その証拠を保全しなければならないと述べた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、裁判所の決定を虚偽であり言語道断であると批判し、イスラエルは自国を防衛する基本的権利を行使していると主張した。

ICJの別件では、南アフリカが50以上の国と3つの国際機関とともに、イスラエルによる数十年にわたるパレスチナ地域の占領に関する勧告的意見を求める公聴会に参加した。

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関連記事:Here’s why the ICJ ruling on genocide is a crushing defeat for Israel

「人種差別には反対しなければならない」

国際司法裁判所(ICJ)への南アフリカの申し立てと、世界的な偶像となったネルソン・マンデラ元大統領の人道的努力を比較するのは当然である。しかし、この判決が下される前、南アフリカは誤った理由で世界的な脚光を浴びていた。

アフリカ大陸の経済大国であるどころか、長年の腐敗によって信頼が低下している。特に、家庭や企業への効率的な電力供給に苦労し、港湾を含む重要な国有企業が管理ミスや非効率性に苦しんでいたのだ。

国際司法裁判所(ICJ)の判決は、同国を再び活気づけ、正義と国際法への参画を強化しつつ、抑圧された人々の権利を擁護する上で同国が果たすべき役割はまだ大きいとの信念を育んだようだ。

マンデラ氏は1990年、アパルトヘイト政府から釈放されたわずか数カ月後に、ニューヨークの国連特別委員会でアパルトヘイトに反対する演説を行なった。

「人種差別は、人類が自由に使えるあらゆる手段によって反対されなければならないということを、私たちは侵すことのできない原則とします。人種差別がどこで発生しようとも、それは差別される人々の人権を組織的かつ包括的に否定する結果となる可能性を秘めています。すべての人種差別は本質的に人権への挑戦であり、すべての人間が他のいかなる人間とも等しい価値を持つ人間であるという見解を否定するものであり、民族全体を人間以下のものとして扱うものだからです。」

「だからこそ、アパルトヘイト制度を人道に対する罪と位置づけることは正しく、国際社会がアパルトヘイトを弾圧し、その加害者を罰することを決定するのは適切なことなのです。」

シリル・ラマポーザ大統領が、国際司法裁判所の判決後、イスラエルに対する国際司法裁判所への提訴を祝う前例のないテレビ演説を行なったのは、このマンデラ氏の考え方を原則としたものだった。

「半世紀以上にわたる占領や収奪、抑圧、アパルトヘイトを経て、パレスチナの人々の正義への叫びが、国連の高名な機関(ICJ)によって聞き入れられました。」

同大統領は、国際司法裁判所が、ガザの壊滅的な人道的状況と、紛争によって何百、何千ものガザ人が燃料、食料、医療品、電気を奪われたことを認めた、と述べた。

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南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領© PHILL MAGAKOE / AFP

アラファト議長とマンデラ大統領のクーフィーヤ

1990年2月11日に釈放されるまで、マンデラ氏は政治犯として27年間アパルトヘイト政府に投獄されていた。その16日後、ザンビアのルサカに降り立ったマンデラ氏は、パレスチナ解放機構(PLO)の指導者ヤーセル・アラファト氏を、マンデラ氏の象徴であるクーフィーヤを頭に巻いた姿で抱擁した。

クーフィーヤは長年、パレスチナ国家主義の象徴であり、マンデラ氏はその3ヵ月後、アルジェリア青年全国連合が彼の名誉のために主催した集会に出席した際、自らクーフィーヤを被り、アパルトヘイトとの闘いにおけるアラファト氏とPLOの支援に報いた。

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関連記事:Only global community can end Gaza conflict – Ndileka Mandela

マンデラ氏はパレスチナの人々と特別な絆を感じ、1997年にこう言った: 「私たちは、パレスチナ人の自由なくして私たちの自由が不完全であることを痛いほど承知しています」と。

2004年にアラファト氏が亡くなったとき、マンデラ元大統領はこう言った: 「彼は正しい意味での象徴でした。彼はアラブの人々の解放だけでなく、アラブ人、非アラブ人を問わず、世界中の抑圧されたすべての人々の解放に心を砕いていました。あれほど偉大な声望と思想を持った人物を失うことは、抑圧と闘うすべての人々にとって大きな打撃となります」と。

マンデラ氏は2013年に逝去したが、パレスチナの人々は、ヨルダン川西岸地区の占領地ラマッラーにマンデラ氏の銅像を建立し、彼の支援に報いた。

マンデラは、自身の政党であるアフリカ民族会議(ANC)に寄せられた支持を痛感していた。この支持とは、アフリカ大陸でもっとも歴史の古い解放組織であるこの政党が禁止されていたときに受けたものである。当時、ロシアやキューバ、中国、インドなどの国々や、ザンビアやジンバブエ、モザンビークなどのアフリカ諸国が、アパルトヘイトに対して揺るぎない支持を表明していた。西側諸国は、スウェーデンとノルウェーを除いて、概して南アフリカの解放闘争を支持していなかった。

1990年、マンデラ氏はジョージ・ブッシュ大統領の招きでアメリカを訪れ、ABCニュースのテッド・コッペル氏が司会を務めるタウンホールミーティングという番組で、パレスチナへの支援について質問された。

これに対してマンデラ氏はこう答えた: 「ヤーセル・アラファト氏の闘争を支持したからといって、ANCがイスラエルが国家として法的に存在する権利を疑ったことにはなりません。私たちは、安全な国境内に国家が存在する権利を公然と支持してきました。しかし、もちろん......私たちは、安全な国境という意味を慎重に捉えています。ガザ地区やゴラン高原、ヨルダン川西岸など、イスラエルがアラブ世界から征服した領土を保持する権利があるということではありません。 それには同意できません。それらの領土はアラブの人々に返還されるべきです」と。

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1993年6月29日、カイロで開催された第29回OAU(アフリカ統一機構)会議で、南アフリカのネルソン・マンデラ国民会議議長(右)と会談するPLOヤーセル・アラファト議長(左)。 © Mohamed El-Dakhakhny / AFP © MOHAMED EL-DAKHAKHNY / AFP

口先だけではなく行動せよ

南アフリカの大学の法学部の最終学年の学生であり、活動家であるレセゴ・マシシ氏は、RTの取材に対し、南アフリカには、ガザで起きていることに対して発言する、世界政治の領域における道徳的義務があると語った。

「もし南アフリカがパレスチナで起きている人道的危機について声を上げなければ、国の誠実さについて多くの疑問の声が投げかけられたでしょう」と同氏は述べた。

マシシ氏は、南アフリカの外交政策は今でも、1990年代から2000年代初頭にかけてマンデラ氏が築いた基盤に根ざし、影響を受けていると考えている。

マンデラ氏は常に、地政学的な問題や所属団体を通じて、道徳的に優位に立とうと努めていた。

「パレスチナの問題で、マンデラ氏はそれがアパルトヘイト政権で自国が経験したことと似ており、他の多くの国々が、南アフリカでの抑圧の捉えられ方と同じようにパレスチナの問題を扱っていたことを認識していました」とマシシ氏は語った。

レセゴ・マシシ氏は、2013年にマンデラ氏が他界した後、南アフリカが世界的な脚光を浴びなくなったのは、特に国際関係において強い立場を取る際に方向性を欠いているように見えたからだと考えている、と語った。

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関連記事:Israeli spies threatening my family – South African FM

「国際司法裁判所(ICJ)のような国連の場で、南アフリカがイスラエルに対抗する立場を取ることは、世界の力関係を考えれば、ほとんど不可能と見なされていたことです。この行為は本当に、南アフリカ政府による大胆な行動でした。

市民社会や進歩的な政党から、ガザ地区の紛争で起きていることに反対を表明するだけでなく、行動するよう政府に圧力がかかっていました」とマシシ氏は語った。

この紛争は人権問題であり、世界の北と南の国々によって見方が異なる、と彼は言った。

「この紛争は帝国主義的な傾向を露呈させ、搾取されることに馴染みがなく、歴史的に帝国主義的恩恵を受けてきた国々が、国際社会においていかに矛盾した存在なのかを明らかにしています。

パレスチナの人道的危機を認識していない国々があるのは、それらの国々の見方は、肌の色や経済的資源、そしてそれらの国々の共通の利害に基づいているからです。」

マシシ氏は、この紛争は、世界の平和と安全を推進する上での欧米の矛盾と偽善を露呈した、と述べた。

国際司法裁判所の決定を受け、南アフリカはアフリカ諸国をはじめとする「南半球」の国々から支援を受けたが、国際社会では、特に西側諸国から、ほとんど即座に反撃を受けた。

国際社会からの反撃

米国議会が下院に提出した法案は、南アフリカがハマスや中国政府、ロシア政府、イラン政府と連携していると非難し、米国政府と南アフリカ政府の関係を全面的に見直すよう求めている。

この法案は、ビジネスや援助、地政学、特にロシアとウクライナの紛争に関して南アフリカに影響を与える可能性があり、2月6日に共和党のジョン・ジェームズ下院議員と民主党のジャレッド・モスコウィッツ下院議員によって提案された。

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ジョン・ジェームズ(左)、ジャレッド・モスコウィッツ(右)。 © Wikimedia

この法案は、南アフリカ政府が米国の国家安全保障や外交政策上の利益を損なうような行為に及んだ場合、ジョー・バイデン米大統領に対し、同法を公然と施行するよう求めている。

ラマフォサ大統領府は、この法案が成立すれば、南アフリカとアメリカの関係にとって「非常に不幸なこと」だと述べた。

南アフリカの大統領府は、ICJでの南アフリカの裁判が政治的な動機によるものであったという主張は、判決が南アフリカの勧告の多くを受け入れたことから、成り立たない、と述べた。

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関連記事:BRICS expansion: What’s in it for Africa?

同大統領府は、ロシアとウクライナの紛争について、南アフリカは「常に」平和の側にいると述べた。

反アパルトヘイトの活動家であるフランク・チカネ牧師はRTの取材に対し、国際的な舞台で南アフリカを罰するためにICJ(国際司法裁判所、国連の一機関)を利用する政府があるとすれば、それは驚くべきことだ、と語った。

「こんなことが生じれば、ICJのような国連機関は社会的弱者に対してのみ使われるという伝言を送ることになります。そんな考え方が世界の基盤になることはありえません。」

「『意見が違えば罰する』 や、『貿易をすれば罰する 』というのは、外交政策を管理する最良の方法ではありません。」

南アフリカは1994年に民主化を達成して以来、多くの変化を経験してきたが、一貫していたのは外交政策に対する姿勢だった、とチカネ氏は語った。

「唯一の例外は、南アフリカが国連安全保障理事会でリビアへの介入に賛成票を投じたときです。それが間違いだったことは、現在のリビアの状況を見ればわかります。」

チカネ氏は、南アフリカの国際関係に対する立ち位置は、『米国と英国がアパルトヘイト国家を黙認していた』という自国の経験に基づくものだと考えている。

「私たちは米国で多くの取り組みをおこない、人々を動員し、その結果米国議会はアパルトヘイトの廃止を求める決議を採択したのです」とチカネ氏は締めくくった。

筆者クレンドラン・チェティ氏は、南アフリカに拠点を置く国際関係の専門家。
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「ナワルヌイの死」は英国の仕業だと推測されるいくつかの状況証拠

<記事原文 寺島先生推薦>
Censorship: My Interview on the Death of Navalny…
原題―検閲:ナワルヌイの死に関する私のインタビュー...
出典:Global Research 2024年2月20日
筆者:ギルバート・ドクトロウ博士(Gilbert Doctorow)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月23日


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私は2日前に発表したアレクセイ・ナワルヌイの死についての見解を述べたが、その最後に、数時間前のTRTワールドとの私の生中継インタビューがインターネットに掲載されたら、リンクを提供すると述べた。

しかし、残念なことに、トルコの放送局の編集者がインタビューを受けたジャーナリストを封じたようだ。

その音源はインターネットには届かなかった。これは悲しいことだが、私が放送中に「イギリス人がやったんだ。」と直接非難したことを考えれば、理解できる。NATO加盟国の礼儀は、明らかに痛みを伴う真実の普及より優先されるのだ。しかたあるまい。

余談だが、ナワルヌイの死に対する全体的な世界の視聴者の関心は、過去2日間にテレビネットワークがyoutube.comに投稿した多くの放送への訪問者数に示されているように、私には非常に低いように思えた。

関連記事:アレクセイ・ナワルヌイの死と奇妙なタイミングの一致

私が記事を公開したとき、私はナワルヌイの死についての分析の一部を控え、読者がビデオで発見できるポイントを残した。それでは、その点を以下に掲載する。

*

これらの発言は、まず第一に、なぜ英国が反ロシア、反プーチンの感情を爆発させるためにナワルヌイの殺害を手配することに興味を持ったのかという疑問に関係している。

私がインタビュアーに言ったように、英国はロシアに対してあまり秘密ではない戦争を積極的に行なっている。例えば、海上無人機を提供して露軍の黒海艦隊のいくつかの船を損傷させたり、沈没させたりしている。また、特別軍事作戦の開始以来、クリミア橋へのいくつかの攻撃を奨励し、支援してきた。それは、ロシア本土に対するテロ行為と呼ばれるものを助長している。

今朝のRIANovostiのニュース概要は、数週間前にロシアのIL-76輸送機のベルゴロド州(RF)上での撃墜は、防空を担当するキエフ軍部隊の同意なしにキエフ政権の英国人顧問によって命令され、指示されたという主張を紹介している。飛行機がアメリカ製のパトリオット・ミサイルに撃墜されたことを覚えておいてほしい。パトリオット・ミサイルは非常に高価で、キエフには非常に限られた供給しかない。通常、パトリオットはウクライナの軍や政治のトップの承認を得てから発射される。だが、その飛行機には65人のウクライナ人捕虜が乗っていて、ロシア人捕虜と交換されようとしていた。そのときはあり得ないと思われていた悲劇が待ち受けているにも関わらず捕虜交換は進められたという事実。ジェット機の撃墜はウクライナ側とは何の関係もなく、その事実をロシア側に納得させたと想定しないかぎり無理なのだ。ということは、やったのはイギリス人なのだ!

戦争の初期を振り返ってみると、第5週にロシアとウクライナの交渉官がイスタンブールで始めた平和条約が、英国のボリス・ジョンソン首相のキエフ訪問中に妨害されたことはよく知られている。彼はゼレンスキーに西側の支援を受けて戦い続けるように促し、それゆえ、英国はそれ以来の戦闘で50万人のウクライナ人男性の死に責任がある。

私がここで主張したいのは、英国がウクライナ戦争に深く関与して、ロシアに損害を与え、信用を失墜させるために彼らができる限りのことをしているということだ。しかし、何人かの読者が書いているように、イギリス軍はなぜナワルヌイが拘禁されていた北部の辺境の流刑地であるロシアまで到達し、彼の殺害を実行することができたのだろうか。答えは非常に簡単だ。彼らは代理の者にそれを実行させたのだ。

ロシアの奥深くで行われている火災、爆発、その他の破壊行為に関する時折のニュースからわかるように、ウクライナの諜報機関は、ロシア連邦内で秘密裏に働いている多くの工作員を持っている。彼らは全員ロシア語を母国語とし、わずかのコックニー訛りもなく、どこにでも旅行できる。彼らは英国の戦友と手を取り合って働いている。流刑地の近くに行けば、ナワルヌイの死を引き起こしたと言われている塞栓症を誘発する化学物質を密輸するのはたやすい。そして、お金のためなら、喜んで毒物を投与する囚人は何人もいただろう。

だから、独外相アナレナ・バーボック風に言えば、あの英国首相リシ・スナクは取り去ってしまえ!、なのだ。

私は記事の中で、ナワリヌイの殺害がロシアの大統領選挙の前の月に行われたという驚くべきタイミングを指摘した。ちょうど6年前にイギリスのソールズベリーでスクリパリ中毒事件が起こり、ウラジーミル・プーチンに損害を与えたことが世界的なニュースになった。しかし、ナワルヌイの死/殺人が偶然の医療事故ではなく、慎重に計画された偽旗作戦であったことを示す他の状況証拠もあり、帝国、軍隊、艦隊を失った英国は、まだ世界クラスのままである。

彼の死がミュンヘン安全保障会議の開会の前日であったことに注目しよう。この会議には、ロシアを独裁的で略奪国家として非難し、ウクライナへのさらなる資金と武器輸送を適切に行うよう米国議会に圧力をかける目的で、西側諸国の多くの指導者が集まっていた。ゼレンスキーが演壇に立ち、ナワルヌイを殺したとされるウラジーミル・プーチンを非難していた。そして、アレクセイ・ナワルヌイの未亡人となった妻が、ミュンヘン会議で記者団にプーチンへの復讐を誓った。彼女が事前にミュンヘンに招待されていたのは、計画者たちが来るべき死を事前に知っていたかのようで、とても興味深いことだ。

我々の主流メディアのペテン師が、ロシアに対する最新の偽旗作戦で世界のニュースを支配しようとしても、それはすべて無駄になるだろう。昨日テレビカメラの前にロシアのショイグ国防相がウラジーミル・プーチンに報告したドネツク市のすぐ外にある重要な都市アヴディフカでのロシア軍の完全勝利は、この戦争がどちらに向かっているかを明確に示している。

ナワルヌイは死んだ、犬は吠えている、隊列は進んでいく。
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マスク氏、ウクライナでの紛争が「嘘の戦争」であるという主張に同意

<記事原文 寺島先生推薦>
Musk agrees Ukraine conflict is ‘war of lies’
このテック業界の大物は、ウクライナが「実際は負けているのに、勝っている」と人々は思わせられている、という起業家のディビッド・サックス氏の主張に明らかに同意
出典:RT 2024年2月18日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月22日


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SpaceX社とX (前身はTwitterという名で知られていた)社、テスラ社のイーロン・マスク最高責任者 © Omar Marques/Getty Images

X社とテスラ社のイーロン・マスク最高責任者は、米国人投資家であるディビッド・サックス氏の主張に同意したようである。サックス氏の考えは、ウクライナでの紛争はウクライナ側の大敗北に終わると思われるが、西側はこの真実に覆いを被せるような言説を撒き散らしている、というものだ。

日曜日(2月18日)、サックス氏はX(旧Twitter)上へ、「嘘の戦争」という題名の投稿をおこない、ウクライナでの紛争は、「どう始まって、いまどうなっていて、どう終わるのか」について、嘘と欺瞞に基づいている、と主張した。

この起業家の主張は、西側諸国の市民は、「ウクライナが実際は負けているのに、勝っている」と伝えられ、さらに、「実際は西側が十分な弾薬を生産できない」ことにあるのに、ウクライナ側の最大の問題は、米国からの資金援助が不足している、と騙されている、というものだ。

サックス氏によると、このような欺瞞はこれで済まないという。「私たちが聞かされているのは、和平をおこなう好機はまったくない、という話です。でも実際は、交渉による和平の機会は何度もあったのに、それが拒まれてきたのです」と同氏は述べた。さらに、西側諸国の指導者たちは、ウクライナが長く戦えば戦うほど、戦後良い条件が得られるという嘘の主張をしている、本当はその逆なのに、とも付け加えた。

このような歪んだ情報のせいで戦争が長期化され、ウクライナはより多くの市民を動員しようとして、結局はこれらの市民が「激戦」の餌食にされてしまい、市民からの不満の声が高まり、ウクライナ政府の崩壊に繋がる、とこの起業家は予見した。

「最終的にこの戦争に負けてしまったとき、ウクライナの国じゅうが、ウクライナ側が自ら作った火葬場の上に横たわるくすぶる廃墟にされてしまうことになるでしょう。そのとき、嘘つきたちはこういうでしょう。『我々はできることはやってきたつもりだ』と」

そうなったときでさえも、ウクライナの件で嘘をついてきた人々は、その不幸の責任を、「ウクライナを背後から攻撃してきた」親ロシア派の「第5列」に押し付けるだろう、とサックス氏は結語した。

この長い記事に反応したマスク氏は、この主張に同意したようで、この記事の内容は、「正確です」とした。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によると、ロシア側とウクライナ側は、2022年春の時点で、この紛争を終わらせるもう少しのところまで話が進んでおり、その主要な条件のひとつは、ウクライナが中立を維持することにあった、という。しかし、クレムリンによると、この話し合いは当時のボリス・ジョンソン英国首相により方向性が変えられたという。同元英国首相は、ウクライナ側に戦争を続けるよう説得した、との話だ。プーチン大統領は、 ウクライナとの話し合いのドアは開けられたままだ、と述べている。

関連記事:Musk decries US government censorship

ウクライナ側の反転攻勢の失敗を受け、先月プーチン大統領がさらに警告したのは、ウクライナが同じ政体を取り続けるのであれば、ウクライナの国家としての地位は「大きな打撃」をうけるだろう、というものだった。
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ドンバスの主要都市アブデーフカが解放される ― モスクワ

<記事原文 寺島先生推薦>
Key Donbass city of Avdeevka liberated – Moscow
ウクライナ軍が敗走する中、ロシア兵が最後の抵抗勢力を掃討している。
出典:RT 2024年2月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月21日


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© Kostiantyn Liberov / Getty Images


ロシア国防省は土曜日(2月17日)、ロシア軍がアブデーフカ市を「完全に占領した」と発表した。同省によると、ウクライナ軍約1500人が、武器や装備を残して退却する際に死亡したという。

この占領により、前線はドネツク市からさらに遠ざかり、ウクライナ軍の砲撃から市民を守ることができる。約20km離れたアブデーフカは、2014年以来、要塞化され、このような攻撃の中継地点として使用されていた。

「ロシア軍の継続的な砲撃の下で、ウクライナ武装勢力の散らばった個々の隊列だけが街から脱出することができた」、そして、街が解放されるまでの24時間でキエフは1,500人の兵士を失ったと同省は述べた。逃走した兵士たちは武器や装備を残して逃走した、と同省は付け加えた。

国防省は、「武装勢力を完全に排除するための措置がとられている」とし、ロシア軍は近々、市郊外のコークス工場に立てこもるウクライナ軍を阻止するために動くだろうと付け加えた。

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関連記事:ゼレンスキーがアブデーフカ撤退を説明

ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領は、新司令官を任命した後、欧米で訓練された精鋭部隊をアブデーフカに急派したが、同市の保持に失敗し、土曜日(2月17日)に撤退命令が出されたことを認めた。堡塁(ほうるい)がロシアの「中央」部隊にほぼ完全に包囲されているため、ゼレンスキー大統領はこの命令を「絶対に当然のことだ」と述べた。

ロシア軍は、アブデーフカの占領後、「ドネツク人民共和国をウクライナの民族主義者からさらに解放する」ために攻勢を続ける、と同省の声明は結んでいる。

ウラジーミル・プーチン大統領は、アブデーフカでの戦闘に参加したすべてのロシア軍部隊を賞賛し、その解放は大きな成功であり、重要な勝利であると、土曜日の夜、ロシアの「中央」部隊の司令官であるアンドレイ・モルドヴィチェフ大佐に電報で伝えた。

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関連記事:バイデン氏、アブデーフカ陥落の原因を共和党になすりつける

「アブデーフカでの戦闘に参加した、あなた方が率いるすべての部隊に感謝の意を表します」とロシアの指導者は書き、戦闘で特に功績を残したいくつかの編隊や部隊を列挙した。

アブデーフカでのウクライナ軍の敗北は、数週間前からワシントンの当局者や西側のジャーナリストによって予測されていた。今週初め、ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障会議報道官は、アブデーフカの敗戦を西側の援助が枯渇したせいだと非難した。

この国防総省の高官は、金曜日(2月16日)に行われた記者団への説明で、アブデーフカの状況は「前線に沿った他の多くの場所」でもすぐに繰り返される可能性があり、アメリカの議員たちがキエフへの600億ドルの新たな軍事援助予算案を承認できなければ、「ウクライナの防衛はおそらく崩壊するだろう」と記者団に語った。
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これぞソビエト連邦:なぜゼレンスキーはウクライナ軍の新しい指導者としてロシア人の将軍を選んだのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
A very Soviet union: Why has Zelensky picked a Russian general as the new leader of Ukraine’s army?
ウクライナ軍の新しい最高司令官はロシアで生まれ育ち、家族は今もロシアに住んでいる
筆者:クリスティーナ・シゾバ(Christina Sizova)
出典:RT 2024年2月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月21日


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© RT/ RT


数カ月前から予想されていたウクライナ軍指導部の交代がついに実現した。ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領とヴァレリー・ザルジニー前ウクライナ国軍最高司令官の間で長くくすぶっていた個人的な対立の結果、後任にはアレクサンドル・シルスキー氏が就任した。

シルスキー氏は長い実績を持つ経験豊富な軍司令官だが、その背景が物議を醸している。シルスキー将軍はロシアで生まれ、愛国者の家系に生まれた。

愛国者とは、ロシアの愛国者のことだ。

シルスキー氏がその経歴をつうじて下した軍事的決断でさえ、「虐殺者」や「200将軍」(200は兵士の死体の軍用コード)という呼び名を持つこの将軍が本当に最適な人物なのかどうか、多くの疑念を抱かせる。しかし、専門家が指摘するように、シルスキー氏はウクライナ大統領の政治的ライバルではないため、ゼレンスキー大統領にとっては好都合な選択肢である。

ウクライナ軍指導部にロシア人が就任

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関連記事:Birth of a myth: By replacing his top general, Zelensky has laid a trap for himself

前線でのウクライナ軍の失敗により、ゼレンスキー大統領とザルジニー前司令官の間の緊張は激化した。大統領と最高司令官は昨年の夏の反転攻勢の失敗についてお互いを非難した。当初は意見の不一致についての噂しかなかったが、後に状況が公になった。

1月末まで、ウクライナの報道機関はザルジニー前司令官の差し迫った解任について盛んに議論していた。そのような計画は当局によって公式に否定されたが、マスコミはゼレンスキー大統領の最高司令官解任の意図についての話題を止めなかった。西側報道機関もこの件を取り上げた。

ゼレンスキー大統領自身は、2月5日にRAIイタリアとのインタビューでウクライナ最高司令官を交代させる計画を認めただけだった。同大統領はこの決定について発言し、戦況の明らかな「停滞」のため「再設定」が必要だった、と述べた。

3日後、最初にウクライナ軍と政治指導部の間の対立を引き起こしたすべての課題を「継承」する新しい最高司令官の身元が明らかになった。ゼレンスキー大統領は、これまで地上軍を指揮していたアレクサンダー・シルスキー大将をAFUの新たな最高司令官に任命した。

シルスキー将軍は物議を醸す人物であり、彼の経歴は一般のウクライナ国民の間で多くの議論を引き起こした。

1965年7月26日に、モスクワの東、140マイル以内に位置するウラジーミル地方のノビンキ村で生まれた彼の軍人としての経歴もロシアで始まり、1982年にモスクワ高等連合軍司令部学校に入学した。

1986年、シルスキー氏はウクライナ・ソビエト社会主義共和国に派遣された。そこで彼は、第1連合軍第25師団、第426連隊の電動ライフル小隊の指揮官を務めた。ソ連崩壊後、シルスキー氏はウクライナ国民となった。

兵士であった彼が大佐に昇進するまでに数十年かかった。1993年、彼はウクライナ国家警備隊第6師団の電動ライフル大隊の指揮官を務めた。2年後、彼は連隊長に就任した。2000年から2002年にかけては、キエフ地域のベラヤ・ツェルコフ市に駐屯するAFUの第72独立機械化師団の参謀長および第一副司令官を務めた。その後、この部隊は旅団となり、シルスキー氏は少将として旅団を率いた。

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2023年11月30日、ハリコフ州クピャンスクの国防軍本部にて、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領とアレクサンドル・シルスキー氏。 © Wikipedia

並行して、シルスキー氏は軍事訓練を続けた。1996年に、彼はウクライナ国防アカデミーを優秀な成績で卒業し、そこで作戦計画と戦術計画を学んだ。9年後、彼はウクライナ国防大学を卒業し、そこで戦略的軍事管理を学んだ。その後、AFU(ウクライナ軍)統合作戦軍第一副司令官に任命された。2011年から2012年にかけては、ウクライナ軍参謀本部軍事協力・平和維持活動主局の第一副局長を務めた。1年後、彼はAFUの中央指令センターの第一副長官に就任した。

同氏は第一副長官としてNATOとの協力を監督し、ウクライナ軍をNATO基準に合わせる交渉においてウクライナを代表した。彼はヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領時代にこれらの活動に従事していた。

ロシアの愛国者の家族

シルスキー氏の家族は 現在もロシアに住んでいる。父親は退役し、母親は合唱団で歌い、ガーデニングを楽しんでおり、兄は警備員として働いている。

82歳の母親、リュドミラ・シルスキーさんはソーシャルメディアに参加しており、ロシアの政治家、故ウラジーミル・ジリノフスキー氏のウクライナに関する言葉や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の無事を願うもの、ウクライナの現行法をからかうコメントなどの投稿に「いいね」をすることが多い。

リュドミラ・シルスキーさんはロシアの若者に対し、紛争地帯で祖国の利益を守るよう助言した。「ロシアを守ってください」と彼女はテレグラム上のラプリー(RT傘下の動画共有サイト)に投稿した動画で語った。

彼女はまた、第二次世界大戦中にソ連軍として戦い、1941年にレニングラード近郊で亡くなったシルスキー氏の祖父に追悼の意を表し、毎年戦勝記念日の祝賀会で開催される不滅連隊の行進に参加している。

シルスキー氏の父親はジャーナリストらからの質問に抑制的な態度で答えた。息子の任命についてどう感じたか尋ねられた彼はこう答えた。「私もあなた方と同じ思いを持ちました。それ以上のことはありません」と。

また、息子がウクライナ軍で働くことになった経緯については知らない、とも述べた。シルスキー氏の父は、ラプティ上に投稿された動画で「私は関与していない」と述べた。

ニュースサイトのレドフカによると、ウクライナの新軍司令官(シルスキー氏)は家族の愛国心とロシアへの支持を理由に家族と縁を切った、という。ただし、この情報は検証されていない。たとえば、ニュースサイトのマッシュは、シルスキー氏の両親の隣人女性が、将軍は今でもビデオチャットで母親や父親と定期的に話し合っていると語る動画を公開した。さらに、同氏自身もウクライナ軍に不満を持っている、とのことだ。この隣人によると、シルスキー氏が両親を最後に訪問したとき(日付は不明)、軍司令部にいるウクライナ人は「彼らは狡猾で陰険だから」我慢できないと母親に語った、という。



総司令官の兄(弟)オレグさんはタス通信に対し、何年も同司令官と連絡を取っていないと語った。「私は彼と連絡を取っていないし、彼がどこにいるのかさえ知りません。 <...> 私は彼について何も知りません。昔、ずっと昔に、彼はそこ(ウクライナ)に行きました。彼は生涯ずっとそこで暮らしていて、そこで兵役を始めて、今もそうし続けているし、そこに家族もいます」と彼は語った。

メディア報道によると、シルスキー氏の妻と子どもたちの状況もかなり「劇的」だという。 2021年に録画された人気の動画では、現在オーストラリアに住んでいるシルスキー氏の義理の息子アントンさんが義父の私生活について語った。そのアントン・シルスキーさんによれば、義父は家族のもとを去ったという。 2014年、ドンバスで紛争が始まった後、シルスキー氏の家族は当時(ウクライナから)離脱していた地域(ドンバス)での戦闘を思いとどまらせようとしたが、指揮官は「それが政治だ、そういうものだ」とだけ言った。その直後、家族はシルスキー氏との関係を断ち切った。

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アントン・シルスキーさんによると、同将軍がNATOと協力していた時期、義父は通訳の女性と不倫関係になり、家族の元を去ったという。現在、新軍司令官の経歴は秘密を保たれている。アントン・シルスキーさんによると、 義父は以前のすべての知り合いとの連絡を断ち切っている、という。オンライン上の情報には、シルスキー氏の新しいウクライナ人の妻と2人の子どもについてのみ記載されている。ただし、同氏にはイワン・シルスキーさんという、自分はロシア人だと思っている息子がいる。

「私は新しい義父とオーストラリアに行き、今は前の義父とは連絡をとっていません。私の弟は、その人と血が繋がっている実の息子ですが、彼も話はしていません」とアントン・シルスキーさんは述べた。

シルスキー氏の義理の息子によると、シルスキーさんは出世のことばかり気にする人物で、お金が好きだという。「あの人は3つの大学の学位を持っていますが、どの大学も成績優秀で卒業しました。報道機関はあの人は最善の軍司令官だ、と言っています。でも実際のところは、あの人は出世のことばかり考える人です。頭は切れるし、賄賂ももらいません。だからこそ大臣にはなれなかったのです。なれる素質は十分あったのですが」とアントンさんは語った。

アントンさんによると、義父は自分の理想の人物だったが、それが変わっていったのは、シルスキー氏がAFUで出世するために、自分のロシア人としての出自を裏切るようになってからだ、という。しかしアントンさんによると、シルスキー氏は「間違いなくロシア人です」とのことだ。

「私は軍人の家系出身です。だからこそシルスキーのような将軍のことを思うと胸が痛みます。ドンバスで何が起こっているのかをはっきりと分かった上で、こんな(馬鹿げた)ことばかりして、AFUを送り込んでドンバスで戦わそうというのですから。でも、こんな将軍たちが気にしているのは、自分の出世のことだけなのです。彼らの言うとおり、おカネには匂いが残りません。私はあの人のことを理想の人物像だと思っていました。とても賢くて善良な軍人だと思っていました。これらすべてのことが始まった時、私たちは話し合いをしようとしました。あの人は洗脳されたわけではありません。でもあの人はただこう言ったのです。「これが政治なんだ。仕方ない」と。くそったれです。そんなふうにしか考えられない悪党だったんです」とアントン・シルスキーさんは語った。

「200将軍」

シルスキー氏の家庭状況に問題があることに加えて、この司令官が軍で下してきた決断についても、懸念の声があがり、この人物がこの役職の最善の人物なのかも疑問視されている。

軍内部では、シルスキー氏はいくつかのあだ名を付けられていた。「将軍200(200というのは軍内で兵士の死体を指す隠語だ)」や「屠殺者」、「人食人種」だ。こんなあだ名を付けられたのは、シルスキー氏が戦場で戦果をあげるためなら人々を喜んで犠牲にしてきた経歴があるからだ。例えば、同氏はロシア軍に対して、大規模な歩兵による攻撃を命じたが、そのせいでAFUは大きな損失を出すことになってしまった。

2022年7月、シルスキー氏はハルキウ地方の作戦を取り仕切っていた。9月、同氏はその地域での反攻の責任者になった。のちに、同氏はアルチェモフスク(バフムート)でのAFUの司令官に命じられ、そこで「屠殺者」というあだ名がついた。ポリティコ紙の報道のとおり、ウクライナ軍をアルチェモフスクでの「肉弾」に引き入れてしまった責任は、シルスキー氏にあった。

2023年の反転攻勢のあいだ、シルスキー氏はクピャンスク市近郊においてAFUの防衛力を高めようと主張したが、そこはロシア軍が大きく前進している地域だった。シルスキー氏の考えでは、AFUにとっては、南部より北東部が重要である、というものだったが、最終的にウクライナ軍は、東と南に軍を分散させることになった。

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2023年8月24日にウクライナのキエフで行われたウクライナ独立記念日の公式祝賀会で、ヴァレリー・ザルジニー元ウクライナ軍最高司令官と握手するウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領。 ©Alexey Furman/ゲッティイメージズ

さらにシルスキー氏は、デバルツェボでの戦闘にも関わっている。ここでの戦いは、ドンバスで軍事衝突が起こった際に始まったものだ。2015年、AFUの隊員はいわゆる「デバルツェボの大釜」において包囲され、そこで多くのウクライナ兵が亡くなった。この作戦を受けて、シルスキーはボグダン・フメリニツキー勲章第3級を授与された。

軍司令官に任命されたあとの最初の発言において、シルスキー氏は、ウクライナ軍人の命と健康が「今までもそうでしたし、これからもずっと、ウクライナ軍の最優先事項です」と語った。

「ですので、戦闘任務と(必要な戦闘力のための)部隊や副部隊の補充、それと兵たちの訓練の強化という3つを上手く均衡を保つことが、かつてないほど重要になっています」とシルスキー新司令官は述べた。

さらに付け加えて、AFUの計画には「新しい使命」があり、その中には「軍当局にとっての明確かつ詳細な計画の立案」が含まれており、外国から供給された武器を考慮に入れて、「戦闘部隊が必要としているすべての武器を迅速かつ合理的に分配し届ける」ようにしたい、と述べた。ウクライナの政治指導者が求めているのは、戦場での勝利であり、シルスキー氏に圧力をかけてまでも、新たな戦略を開発し、前線での停滞を挽回したいと考えている、とCNNが報じた。

ゼレンスキー大統領のライバルではない

ゼレンスキー大統領がシルスキー氏を選んだのは、シルスキー氏が自分の政治的なライバルになるとは思っていないからだ、とウラジーミル・オレイニク氏がRTに語った。同氏は、「もう一つのウクライナ」という政治団体の一員であり、元ウクライナ最高議会副議長である。オレイニク氏によると、ゼレンスキー大統領とザルジニー元最高司令官のものの見方には決定的な違いがあるため、同意には至らないだろう、とのことだ。

「ゼレンスキー大統領は兵士の命を助けようという気持ちはありませんでした。大統領はただ領地を支配したかっただけでした。というのも、そうならなければ彼ら(ウクライナを支援する西側友好諸国-RTによる補足)がくれるお金が減るからです。軍人として、ザルジニー元最高司令官は、前線の戦況を好転させようとしていました。そしてある場合においては、損失を減らすための撤退も必要でした。というのも、ウクライナ側が兵を失えば、全てを失うことになるからです。この諍いにおいては明らかに、ザルジニー元最高司令官の方に理があるというのは人々の見方です。そうすると、ザルジニー元最高司令官は、この先の大統領選において(ゼレンスキー大統領にとっての)ライバルになってしまいます」とオレイニク氏は述べた。

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2023年12月、オンライン・ニュース・サイトの「ストラナ・ウア」が、「レーティング・ソシオロジカル・グループ」による世論調査の結果を報じた。それによると、ザルジニー元最高司令官の支持率は82%で、ゼレンスキー大統領は72% (ザルジニー元最高司令官を「完全に支持する」ウクライナ国民が63%、「ほぼ支持する」が19%、いっぽうゼレンスキー大統領については、それぞれ、39%と33%だった)。

オレイニク氏の指摘どおり、権力を維持するためには、ザルジニー元最高司令官がますます財閥からの支持を集めている状況であるからこそ特に、ゼレンスキー大統領は、軍最高司令官には「より安全な」候補者を選んだのだ。その選択がシルスキー氏になったのは、彼ならゼレンスキーの大統領職を脅かす存在になることはないからだ。

「いま、ゼレンスキー大統領の最大の目的は、米国大統領選まで、いまの状態を保つことにあります。ウクライナで、アフガニスタンと同じような状況が起きてしまえば、(米国のジョー)・バイデン大統領には選挙で勝てる勝算はまったくありません。シルスキー氏が新軍最高司令官に任命されたのと同氏が閣僚の前で話しをしたのが同日だったのは、偶然ではありません。その中で、シルスキー氏は、入隊受付所の営業時間を延長し、24時間体制にすることを提案した。私たちは、人々が日中に(路上で捕まり、軍隊に)徴兵されるのを見てきました。こういう提案はすべて、米国の考え方とゼレンスキー大統領の計画に合致しています。つまり、ウクライナの人々は国のために死んでいるのではなく、バイデン大統領とゼレンスキー大統領のために死んでいるのです。社会もまた、(シルスキー新司令官が)『死神将軍』であることに気づいています。ウクライナでの議論は続いています。ウクライナ国民は死に瀕しているのです」とオレイニク氏は付け加えた。

クリスティーナ・シゾバ、モスクワを拠点に、政治、社会学、国際関係を担当する記者
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ロシア民族主義の扇動者から西側リベラル派の寵児へ:アレクセイ・ナワリヌイとは何者だったのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
From Russian nationalist agitator to darling of Western liberals: Who was Alexey Navalny?
この野党活動家は20年にわたる経歴の中で多くの側面を見せてきた
出典:RT 2024年2月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月21日


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アレクセイ・ナワリヌイ氏© Sputnik / Ilya Pitalev


アレクセイ・ナワリヌイ氏は金曜日(2月16日)、ロシアの「過激派活動」に関する法律に基づき19年の刑で服役中だった北極圏北の刑務所で倒れ、死亡した。47歳だった。西側諸国では、クレムリンを批判するこの人物はロシアの「野党指導者」としてもてはやされた。ウクライナでは、彼はロシア民族主義者として非難された。ロシア国内で彼が遺したものは複雑だ。

1976年生まれのナワリヌイ氏は1998年に法科大学院を卒業し、2001年に金融の学位を取得した。生涯を通じて彼は法律や投資、そして実践活動にちょこちょこ手を出し続けたが、政治の世界に戻ることはやめなかった。

「私は常に政治に夢中だった」と彼は2009年にコメルサント・マネー紙に語った。

国家主義者としての側面

2000年から2007年にかけて、ナワリヌイ氏はリベラルなヤブロコ党の党員だったが、その後「ナロード」と呼ばれる民族国粋主義運動を共同で立ち上げた。彼はこの組織の悪名高いユーチューブ動画に2本出演し、1本は「ハエとゴキブリ」と戦うために銃の権利を主張(南部コーカサスのイスラム反乱軍の画像が添付されていた)したもので、もう1本はイスラム地域からの移民を虫歯に例えたものだった。

2008年8月、苦境に立たされた南オセチアのために、ロシアがグルジアに介入したことにナワリヌイ氏は賛意を示した。ナワリヌイ氏はその後、民族国粋主義を擁護する人々とともに毎年3回開催される「ロシア行進」集会に参加した。活動家のエフゲニア・アルバッツシルは後に、クレムリンに対抗して民族国粋主義を活用する方法として、ナワリヌイ氏に集会への参加を促したと語った。2010年、アルバッツ氏はエール大学ワールド・フェロー・プログラムを通じて、ナワリヌイ氏の半年間の米国滞在の費用を共同出資した。

反汚職ブロガーとしての側面

その時点でナワリヌイ氏はすでに金融の専門知識を活かして「少数株主連合」と呼ばれる投資活動家団体を立ち上げ、ロスネフチ、ガスプロム、ルクオイルなどの大手企業を揺るがそうとしていた。ナワリヌイ氏の傘下のNGOネットワークである反汚職財団(FBK)は、2011年9月に登録された。ナワリヌイ氏は引き続きモスクワ政府、地方知事、企業の詐欺、汚職、汚職を告発し、その過程において名誉毀損で訴えられることも多かった。

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関連記事:Kremlin comments on Navalny’s death

「野党指導者」としての側面

2011年2月まで、ナワリヌイ氏は政治にも手を染めていた。彼は与党の統一ロシア党を「ペテン師と泥棒」の集まりと攻撃し、12月には統一ロシア党が国政選挙を盗んだと主張した。その後、反政府デモで何度も演説したことから、西側報道機関は彼を「ロシアの野党指導者」と呼んだ。

ナワリヌイ氏の政治的経歴の頂点は2013年7月のモスクワ市長選挙だった。しかし、得票率27.24%を獲得したもののセルゲイ・ソビャーニン氏に敗れた。また、2018年の大統領選挙への出馬は、犯罪歴のためにできなかった。

キロブレス社およびイヴ・ロシェ社事件

ナワリヌイ氏の最初の前科は、国営林業会社キロブレス社からの横領だった。2013年に懲役5年の判決を受けたが、後に執行猶予に変更された。欧州人権裁判所(ECHR)は2016年、彼の行為は「合法的な事業活動と区別できない」とした。

裁判では、ナワリヌイ氏は容疑を政治的動機によるものだと糾弾し、「100家族」がロシアから略奪しているとされる「うんざりするような封建制度」に対して激怒した。

ナワリヌイ氏と兄のオレグ(郵便局員)氏は2012年、フランスの化粧品大手イヴ・ロシェ社のロシア支社から詐取したとして、横領のさらなる罪に直面した。兄弟は2014年12月に有罪判決を受けたが、アレクセイ氏は再び執行猶予のみを受けた。

2019年、ロシア政府はナワリヌイ氏のFBKを「外国の工作員組織」との烙印を押し、その活動を厳しく制限した。

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2020年の「毒物事件」と逮捕劇

2020年8月、ナワリヌイ氏はトムスクからモスクワに向かう機内で体調を崩し、治療のためにドイツに搬送された。西側の医師は、彼が「ノビチョク」神経ガスで標的にされたと主張したが、ロシア当局はこれを「挑発」であるとして否定した。ロシアに帰国後、ナワリヌイ氏は保護観察期間違反で逮捕され、収容所に送られた。

さらに詐欺罪と法廷侮辱罪が追加され、2022年に9年の刑期が追加された。2023年8月、ナワリヌイ氏は、過激派活動を煽動し、資金を提供し、実行した罪と、ナチス思想を「復帰」させた罪で、さらに19年の禁固刑を言い渡された。FBKは政府の命令で閉鎖された。

2023年12月、ナワリヌイ氏はシベリア北部のヤマロ・ネネツ州の流刑地に移送された。金曜日(2月16日)の彼の死因はまだ調査中である。
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セルゲイ・カラガノフ:ロシアがヨーロッパを永久に放棄し、アジアに完全に目を向けなければならない理由がここにある

<記事原文 寺島先生推薦>
Sergey Karaganov: Here’s why Russia must permanently abandon Europe and turn fully to Asia
ヨーロッパは終わった。そしてロシアの地理的・文化的優位性の数々は、沈みゆく船(ヨーロッパ)と共に沈む必要がないことを意味している
筆者;セルゲイ・カラガノフ (Sergey Karaganov)
ロシア外交防衛政策評議会名誉議長、モスクワ高等経済学院(HSE)国際経済・外交学部指導教授
出典;RT 2024年 2月 10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年 2月19日


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ファイル写真. タイガを散歩中、全地形対応車を運転するロシアのプーチン大統領。スプートニク/アレクセイ・ドルジーニン

2000年代末、私たちは若い同僚たちと一緒に、ロシアの「東方への軸足」の利点と必要性を議論し始めた(同じ頃、現ロシア国防相のセルゲイ・ショイグとその同僚たちも同じ方向で動いていた)。

このチャレンジの概念と発展の焦点は、シベリア全体とウラル全体にわたる、単一つの歴史的地域、経済的地域、そして単一の人間が住む地域に当てられた。しかし、ふたを開けてみると、アジアとその市場への焦点は、行政上おもに太平洋沿岸の極東を経過することになり、そしてその後、それに北極が追加された。

2010年代に始まった転換は成功したが、部分的なものだった。その理由は、極東地域が人口が多く、工業化が進み、資源が豊富な東シベリアや西シベリアから人為的に切り離されていたためであった。また、極東は市場から遠いという「大陸の呪い」にも苦しみ続けた。

今、新たな地政学的状況は、当初の考えへの回帰を緊急に必要としている。当初の考えとは、もちろんウラル地域を含むシベリア全域の主要な開発を通じたロシア全域の東方への転換である。言い換えれば、ロシア全土の「シベリア化」である。西ヨーロッパは長年にわたって閉鎖され、二度と第一級の相棒となることはないだろう。

ウクライナで西側諸国が引き起こし、けしかけられた戦争によって、人類発展の中心が移りつつある南と東への動きから私たちは目をそらされてはいけない。この新しい、しかし長い間予見されていた状況は、私たちに「故郷」に戻ることを求めている。300年以上にわたるヨーロッパの旅は、多くのものを与えてくれたが、はるか昔(実際には100年前に)、その有用性を使い果たした。

(「故郷に帰る」という言葉は、ハバロフスク出身の著名な哲学者・歴史家であるL.E.ブリヤッハー教授が、前回の東方転換への旅で何年も一緒に仕事をしている間に私に教えてくれたものである)。

ピョートル大帝*が始めたこの旅がなければ、ロシアは多くの業績を残すことはできなかっただろう。その最たるものが世界最高の文学であり、ロシアの文化、宗教、道徳を西欧文化と融合させた結果である。ドストエフスキー、トルストイ、プーシキン、ゴーゴリ、それからブローク、パステルナーク、ソルジェニーツィンなど、私たちの近代的アイデンティティを形成してきた心の巨人たちは、"ヨーロッパからの注入"がなければ、ほとんど生まれなかっただろう。
*ピョートル1世は、モスクワ・ロシアのツァーリ(在位:1682年 ~1725年)、初代ロシア皇帝。大北方戦争(スウェーデンからバルト海海域世界の覇権を奪取してバルト海交易ルートを確保)での勝利により、ピョートル大帝と称される。

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この3世紀の間、私たちは国家と民族の東方のルーツを半ば忘れていた。モンゴル人は略奪もしたが、発展も促した。モンゴルとの対立と協力の中で、我々はモンゴルの国家形態の多くの要素から学び、強力な中央集権国家と大陸的思考を築くことができた。チンギス・ハーンの帝国から、私たちは文化的、国家的、宗教的な開放性も受け継いだようだ。モンゴル人は自分たちの文化や信仰を押し付けなかった。実際、彼らは宗教的に解放されていた。だからこそ、ロシアを維持するために、聖公アレクサンドル・ネフスキー*は彼らと同盟を結んだのだ。
*13世紀中頃、スウェーデンの攻撃・ドイツ騎士団の侵攻からロシアを守ったノヴゴロド公。キプチャク=ハン国には服従の姿勢を採り、ロシア国家を存続させた。ロシアの国民的英雄の一人。

大ロシアは、16世紀以降、私たちの民族が「太陽に会うために」「石の裏側(ウラル山脈)」に集団移住しなければ、誕生することはなかっただろうし、おそらく、西と南からの競争相手や敵に包囲されたロシア平原で生き延びることもなかっただろう。神の意志の介入を別にすれば、コサック進撃の速さは説明がつかない。コサックは60年で大洋に到達した。

シベリアの開発によって、古代ロシア王国は大ロシアになった。帝国と宣言される前から、シベリアの資源―最初は「柔らかい金」、次に銀、金、その他の鉱物―によって、強力な軍隊と海軍を創設し、装備することができた。北シルクロードのキャラバンは、毛皮と引き換えに中国製品をロシア国内外に運び、重要な役割を果たした。シベリアでは、競争と交易に明け暮れていたロシア人が、中央アジアの人々、当時は「ブハラ人」*と呼ばれていた人々と緊密に協力するようになった。
*シベリアのブハラ人は、シベリアの民族学的および社会文化的なグループ。彼らはシベリア・タタール人のトボル・イルティシュ族とトム族の重要な部分を占めていた。伝説によれば、彼らの祖先はブハラ・ハン国の出身であるとされているが、遺伝学者は彼らが西コーカサス出身であることがわかった。彼らは商人であり、1580 年代にロシアによるシベリア征服が始まった後の17 世紀[2]にこの地域に定住し始めた。しかし、一部の人々は 15 世紀から 16 世紀にこの地域に定住していた。 

シベリアは、文化的、民族的な開放性、さらに意志の強さ、ロシアの自由、そして計り知れない勇気といった、ロシア人の性格の最良の部分を強化した。シベリアは何十もの民族集団によって統治され、先住民たちは混じり合った。そしてもちろん、集団主義、つまり相互扶助なしには、世界や風雨に打ち勝ち、生き残ることは不可能だった。ロシア系ロシア人、ロシア系タタール人、ロシア系ブリヤート人、ロシア系ヤクート人、ロシア系チェチェン人など、数え上げればきりがない。著名なチュメンのジャーナリストで作家のオメルチュクは、シベリアを「ロシア人の性格の醸造所」と呼んでいる。

ヴィッテ*、ストリイピン**、そしてその仲間たちという最高のエリートたちと、シベリア鉄道をきわめて短期間で建設した民衆が成し遂げた偉業は、前例のないものだ。彼らは、「太陽に向かって」という古いスローガンの下でも、「大海原に向かって」という具体的で壮大な目標を反映した新しいスローガンの下でも前進した。そして今、新たなスローガンが生まれるべきだ。「大ユーラシアへの前進」である。
*ロシア帝政末期の資本家、政治家。ロシアの工業化に大きな役割を果たす。日露戦争後のポーツマス会談で活躍し、帰国後初代首相となって立憲政の実現などの改革に当たった。
**ピョートル・アルカージエヴィチ・ストルイピンは、帝政ロシアの政治家。ロシア皇帝ニコライ2世の下で、大臣会議議長を務めた。ニコライ2世の治世においてセルゲイ・ヴィッテと並んで有能な政治家であり、革命派に対する容赦ない弾圧と、一方で農業分野を中心に地方自治の近代化、司法・中央行政機構に渡る広範な改革を実行した。


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私たちは彼らの働きと犠牲に感謝すべきであり、自分の意志ではなくシベリアに行った人々の働きにも感謝すべきである。収容所の囚人も受刑者も、国の発展に、十分には評価されていないが、多大な貢献をした。

ソビエトの北極探検という崇高な事業があり、ソビエト連邦のあらゆる民族の代表が手を取り合って働き、友人を作り、家庭を築いたシベリアの偉大なコムソモール建設現場があった。シベリアの石油、穀物、毛皮のコート、モンゴル、ブリヤート*、トゥヴァ**の馬、そしてもちろん、シベリアの連隊は、大祖国戦争(第二次世界大戦)でモスクワを救った勝利に決定的な役割を果たした。
*ブリヤート共和国は、ロシア連邦を構成する共和国の一つ。バイカル湖の南東部に位置する。
**トゥヴァ共和国は、アジアの中央部に位置し、ロシア連邦を構成する共和国の1つ。トゥヴァ自治ソビエト社会主義共和国は1991年11月に独立を宣言した。


その後、シベリアの石油とガスが登場した。

しかしもちろん、全ロシアの国庫に対するシベリアの主な貢献は、勇敢で、粘り強くて、強くて、進取の気性に富んだ人々である。彼らはロシア精神の体現者なのだ。中央部(再統一地域を含む)からシベリアへのロシア人の定住を促進するだけでなく、アジアに近い感覚を持ち、経験と展望を持つシベリア人に国を率いてもらう必要がある。

シベリアを発展させた同胞の世代が、アジアの未来の市場を可能にし、ロシアをユーラシアの大国へと変貌させたのだ。当時、彼らはそれに気づいていなかったが。

西側が引き起こした対立に加え、エリート層によって刺激された社会崩壊の過程、そして西ヨーロッパの長期的な発展の鈍化は、ロシアの未来が東側、南側にあることを明確に示している。世界の中心はこの地域に移動しつつあるのだ。

そして、独自の文化と開放性を持つロシアは、この変革の重要な一部となり、その指導国のひとつとなるよう求められている。まさに、運命、神、そして何世代にもわたる祖先の行いがそうなるよう定めたもの、すなわち北ユーラシアになるのだ。それは、独裁から解放されて、北ユーラシアの平衡を保つものであり、軍事戦略の要であり、以前は抑圧されていた文化、国、文明のルネッサンスの保証人である。

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我々は新しい世界の誕生を目撃している。多くの点で、我々はその助産婦となり、500年にわたるヨーロッパと西洋の覇権の基盤である軍事的優位性を打ち砕いた。

いまや我々は、傾きつつある西側の最後の反撃(そう願うが)を撃退している。彼らはウクライナの野原で戦略的敗北を喫し、歴史を覆そうとやっきになっている。私たちはこの戦いに勝たなければならない、脅しをかけてでも、必要ならば最も残忍な手段を用いてでも。これは、我が国ロシアの勝利のためだけでなく、世界が第三次世界大戦に陥るのを防ぐためにも必要なことなのだ。

しかし、繰り返すが、西側諸国との闘争によって、最も重要な創造的課題から目をそらしてはならない。その中には、ロシアの東部全体の新たな発展と台頭が含まれる。地政学的経済の発展だけでなく、今後数十年にわたる避けられない気候変動も、一方ではその必要性を決定づけることになる。他方、新たなシベリア転回を提案し、ロシア全体で積極的に実施することの可能性と利点を証明することになるだろう。これにより、精神的、人間的、そして経済的発展の中心を東部に移すことになるのだ。

シベリアの鉱物資源、豊かな土地、森林、豊富できれいな淡水は、近代的な技術と何よりもシベリアの人々によって、ユーラシア大陸の発展の主要な基盤のひとつとなることが求められている。そして私たちの仕事は、シベリアを私たちの手中におさめ、国民、国、そして全人類の利益のために発展させることである。これまでのところ、私たちは主に加工度の低い資源を供給してきた。課題は、国家の規制的役割の下、全ロシア的な全行程の生産コンビナートを構築することである。シベリアの機械製造業を近代的な基盤の上に再構築し、国防企業の需要の流れを利用する必要がある。

省庁、立法機関、大企業の本社など、ロシアの行政中枢はすべて同じ方向に進むべきであり、愛国的で、いい意味で野心的な若者たちがそれに続くべきである。もしピョートルがいま生きていたら、間違いなくシベリアに新たな首都を築き、アジアへの窓口を大きく広げていただろう。モスクワ、サンクトペテルブルクと並んで、ロシアはシベリアの第3の首都を切実に必要としている。今後数十年で展開される軍事戦略上の状況が、それを要求しているのだ。

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ウラル山脈地方とウラル山脈以東の住民の多くが、偉大な探検家だった彼らの祖先の燃えるような精神を受け継ぎ、シベリアの優先的な開発などを通じてロシアの復興と繁栄を願っていることは知っている。

残念なことに、彼らの多くは、その野心と技術を生かす見込みや機会がないと判断し、発展した中央地方に流出したり、東部の小さな町や村でひっそりと「燃え尽き」たりしている。

この巨大な人的資本を利用して、シベリアの内陸部と、大規模な行政センターや、ロシアの他の地域との間の不必要な橋を壊し、地理的にも文明的にも偉大な歴史の軸を再統一することが、私たちの力となり、関心事である。すべての同胞の自己認識と思考の転換、国全体の利益のための輝かしいシベリアの過去、現在、未来とつなげることは、必ずやシベリア人自身の心に響くだろう。繰り返すが、ウラル、シベリア、極東だけでなく、ロシア全体のためのシベリア戦略が必要なのだ。

ノヴォシビルスク*の科学者たちは例外的な存在だが、その戦略は、既存の経済計算よりも、アジア・ロシア探検の壮大で息をのむような歴史を、ロシアのアイデンティティの中心へと精神的・文化的に回帰させることから始めるべきなのだ。
*ノヴォシビルスクは、ロシア連邦・シベリアの中心的都市。別名「シベリアの首都」。ノヴォシビルスク州の州都でオビ川に沿う。人口は2017年には160万人を突破するなど近年は人口増加が続き、人口規模は国内第3位で、シベリアでは最大である。

ロマンと勝利と冒険に満ちたシベリアの歴史は、わが国のすべての愛国者の一部であるべきだ。アメリカ西部の征服は、誰もが知っているように、私たちの祖先がしたような一連の功績とは似ても似つかない。同時に言っておかなければならないのは、私たちの祖先は大量虐殺に頼らず、原住民と結婚している。そして私たち大衆は、知識人でさえ、この歴史についてほとんど無知なのだ。

アレクサンドル・ネフスキーが1240年代後半に中央アジアと南シベリアを1年半かけてモンゴル帝国の首都カラコルムまで遠征したのは、バチエフより高いレベルの統治をしたことで賞金をもらうためだった。マルコ・ポーロの物語で知られ、やがて中国を統一する皇帝となるフビライ・ハーンもその時そこにいた。彼らはほぼ間違いなく会っている。新しい世界秩序の基礎となったシベリア探検と、今や事実上の同盟国となったロシアと中国の関係の物語を始めるべきは、おそらくアレクサンドル・ネフスキーの遠征だろう。

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関連記事:フョードル・ルキアノフ:EU市民は生活水準を心配する一方で、エリートたちはウクライナに執着している。

シベリア南部と北海航路を結び、中国へ、そして北海航路を経由して東南アジアへとつながる新たな子午線ルートを建設すべきだ。ウラル山脈とシベリアの西部地域には、インドや南アジア諸国、中東への効果的なアクセスを提供すべきである。心強いことに、遅ればせながら、シベリア地方を含むロシアとイランを経由してインド洋を結ぶ鉄道の建設がようやく始まった。

水資源豊富なシベリアを開発するには、水不足だが労働力の豊富な中央アジア諸国を巻き込む必要がある。

労働力不足は、勤勉で規律正しい北朝鮮人の大量誘致によって一部補われるはずだ。我々はようやく、北朝鮮に対する愚かな西側への追従路線から抜け出し、友好関係を回復しつつある。インドとパキスタンが、少なくとも季節労働者の提供に関心を持っていることは知っている。

私たち国立研究大学高等経済学院は、ロシア科学アカデミーシベリア支部経済学・産業生産組織研究所や、科学アカデミーシベリア支部・極東支部の他の研究所、そしてトムスク、バルナウル、ハバロフスク、クラスノヤルスクの各大学とともに、「東方への回帰-2:ロシアのシベリア化に向けて」プロジェクトを証明するためのプロジェクトを開始している。

また、学校における東洋学、東洋の言語、民族、文化に関する知識の発展のための国家プログラムも必要である。文化的にも宗教的にも開かれたロシアは、ヨーロッパ人とは異なり、独自の他に負けない大きな利点を持っている。それは、私たちの先祖が、奴隷にしたり破壊したりすることなく、現地の民族や文化を吸収しながら東方へ移動した伝統を受け継いだからだ。

孫子、孔子、カウティリヤ(あるいはヴィシュヌグプタ)、ラビンドラナート・タゴール、フェルドウィーシ、ダレイオス王、タメルラーヌ、アル・ホズレミ(代数学の創始者)、アブ・アリ・イブン・シーナ(アヴィセンナ:医学の創始者)、あるいはファティマ・アル・フィフリ(世界初の大学の創始者)は、教養あるロシア人にとっては、アレクサンダー大王、ガリレオ、ダンテ、マキャベリ、ゲーテと同じくらい身近な存在であるはずだ。正統派キリスト教だけでなく、イスラム教や仏教の本質も理解する必要がある。これらの宗教や精神運動はすべて、私たちの精神的記憶の中にすでに存在している。私たちはそれらを保存し、発展させるだけでいいのだ。

加えて、今後数十年の間に避けられない気候変動によって、シベリアは快適な居住地を拡大するだろう。自然そのものが、私たちをロシアの新たなシベリア東方転換へと誘っているのだ。もう一度言うが、ロシアの東方転換のプログラムを作成し、実行することによって、我々は我々の力と偉大さの源に戻るだけでなく、我々自身と将来の世代のために新たな地平を切り開き、生まれ変わったロシアの夢を創造し、実行しているのである。

この記事はルースカヤ・ガゼータ(Rossiyskaya Gazeta)新聞によって最初に発表され、RTチームによって翻訳・編集されました。
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ウクライナにさらに多くの資金を送るのは「狂気の沙汰」であり「残虐行為」 – タッカー・カールソン氏

<記事原文 寺島先生推薦>
Giving Kiev more money ‘insane’ and ‘cruel’ – Tucker Carlson
西側からの援助を継続しても、ウクライナ国民のさらなる死を産むだけで、ロシアには勝てない、とこのジャーナリストは予測
出典:RT 2024年2月13日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月19日


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2024年2月11日、米国上院で対外安全保障支援法案が審議される中、抗議するウクライナ支持者ら。© Roberto Schmidt / Getty Images


「ウクライナに600億ドルの追加援助を送ることに同意する米国上院議員らは、ウクライナ国民の虐殺の継続に手を貸すということになる。というのも、西側諸国の援助があってもウクライナはロシアに勝てないからだ」と米国ジャーナリストのタッカー・カールソン氏は月曜日(2月12日)に述べた。

上院は、イスラエルや台湾、ウクライナのための950億ドル規模の予算案について、早ければ水曜日(2月14日)にも採決にかけられる可能性があることを明らかにした。仮に可決されたとしても、ウクライナ当局への資金提供に対する共和党の反対が上院よりも強い下院では、法案の可決は難航する、と地元報道機関は予想している。

米国政府の対ウクライナ政策を、近視眼的で自己破壊的なものであると、長年、批判してきたカールソン氏は、提案されたこの予算案を非難し、これまで注意を払ってきた人ならば誰でもウクライナ政府がここ数ヶ月置かれている厳しい状況を分かっている、と主張した。

「ウクライナには産業力がありません。それはNATOや米国も同じことです。さらには人口も少ないです。ロシアの方がウクライナより、人口は1億人以上多いのです。つまり、ウクライナ軍に西側諸国がこれ以上の支援し続けることは、ウクライナ国民の死をさらに増やし、西側の経済をさらに悪化させることにしかならないのです」と同氏は主張した。

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関連記事:West’s ‘image, authority and unity’ at stake – Ukraine’s security chief

さらなる資金提供を推進することは、「狂気の沙汰」であり、「残虐行為」であり、道義的に弁護できない行為である、とカールソン氏は付け加えた。

この法案は、2024年以降の支出項目をも縛るものであり、11月の米国大統領選挙の勝者が誰になるかに関わらず、ウクライナへの軍事支援を継続させるものだ。

米国共和党J.D.ヴァンス上院議員は、この予算案の有効期間が次期政権まで拘束する狙いは、万一ドナルド・トランプ候補が大統領に選ばれたとしても、同候補の足元を台無しすることにある、と考えている。同上院議員がカールソン氏に語った内容によると、この予算案が成立すれば、トランプ大統領のさらなる弾劾を正当化するために使われる可能性がある、とのことだった。

ヴァンス上院議員もカールソン氏によるウクライナの戦況の見通しに同意し、民主党の上院議員にも 個人的にはこのような見通しに同意している人々もいる、と述べた。「このような人々が言っていることは、ウクライナ国民の最後の血が一滴も無くなるまで、ロシアと戦いたい、ということになるのです」と同上院議員は語った。

関連記事:Ukraine aid bill is a Trump impeachment ‘time bomb’ – US senator

「彼らを実際問い正してみれば、こんな方法がウクライナの国益にはならないことを認識すると思います。こんな予算案で利益を得るのは、軍の契約業者と米国にとって最も差し迫った課題はロシアに勝つことだ、考えている人たちだけです」と同上院議員は付け加え、彼自身はそのような人々には属さないことを強調した。
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タッカー・カールソン、プーチン大統領とのインタビューを振り返り、何が自身の考え方を「劇的に変化」させたのかを明らかに

<記事原文 寺島先生推薦>
Tucker Carlson reviews Putin interview and reveals what ‘radicalized’ him
この米国人ジャーナリストが、今度はドバイでの世界政府サミットで質問の嵐を浴びせられる対象となった
出典:RT  2024年2月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月18日


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2024年2月12日にドバイで開催された世界政府サミット中の座団討論会で講演する米国のテレビ司会者のタッカー・カールソン氏© RYAN LIM / AFP


モスクワでのロシアのウラジーミル・プーチン大統領との2時間のインタビュー後、米国ジャーナリストのタッカー・カールソン氏がドバイでの世界政府サミットで、そのインタビューについて語った。

テレビ司会者のエマド・エルディン・アディーブ氏との1時間にわたるインタビューで、カールソン氏は、なぜプーチン大統領との会話が特定の話題に触れなかったのか、米国政治支配層がそれにどのように反応したのか、そしてなぜ米国政府がモスクワを理解できなかったのかなどについて語った。

外交官としてのプーチン大統領

カールソン氏は、プーチン大統領との面談後にオフレコで会話をしたと主張したが、内容については明らかにしなかった。

カールソン氏が明言したのは、プーチン大統領がウクライナ紛争の終結と世界の新たな勢力均衡の両方について西側諸国と交渉する用意があるようだ、という点だった。同氏によると、外交とは妥協の産物であり、「おそらく一極時代の米国を除く」ほぼだれもがこのことを理解している、とのことだ。しかしカールソン氏は、プーチン大統領は紛争の終結を望んでいるが、紛争が長引けば長引くほどプーチン大統領の態度は硬化するだろう、と付け加えた。

NATOとロシア

カールソン氏のインタビューで明らかになった主な事実の一つは、ロシアがNATOへの加盟を求めていたことだった。当時の米国大統領ビル・クリントンは好意的に見えたが、側近らがこの考えに反対したため、最終的には実現には至らなかった、という。

ドバイでのカールソン氏の発言によると、NATOの目的はソ連を西ヨーロッパから締め出すことだったため、「もしロシアが同盟への参加を求めてきたら、それは問題が解決したことになり、建設的な行動に移ることができただろうに。でも我が国はそれを拒んだのです」とのことだった。

「サウナに1時間入って、それが何を意味するか考えてみましょう」とカールソン氏は付け加えた。

西側の政治家の問題

カールソン氏は、西側の政治家たちは「達成可能な」目標を設定していないと主張した。

「米国政府関係者がクリミアをウクライナに返還すればいいだけだと言っているのを個人的に聞きました。核戦争が起こらない限り、そんなことは起こりません。そう考えるのは、まさに正気の沙汰ではありません」とカールソン氏は述べた。

こんな考えを持ち出すこと自体、「自分が子どもであり、その分野をまったく理解しておらず、何が可能なのかについての本当の感覚を持っていないことを示しています」とこのジャーナリストは結論づけた。

1938年のミュンヘン会議が全ての始まり

カールソン氏によれば、米国や西側諸国全般における最大の問題のひとつは、英国とフランスがナチス・ドイツにチェコスロバキアの一部を与えることで「宥和」しようとした1938年のミュンヘン会議にすべてを還元しようとする傾向だ、という。

「米国の政策立案者が繰り出せる戦略の種類はほとんどありません。正直たった1つしか存在しません。それが1930年代後半の2年間に取られた戦略で、その戦略が歴史認識と人間性の基盤とされているのです。本当に正気の沙汰とは思えません」とカールソン氏は語った。

モスクワ市がカールソン氏をどう「過激にさせた」か

カールソン氏が指摘したのは、齢54の彼が育った米国には、良好で安全で、美しい都市がたくさんあったが、「そんな都市はいまの我が国にはありません」という話だった。

カールソン氏は、米国の諸都市よりも、モスクワ市の方が、「きれいで、安全で、素敵」なことを目にして、「考え方が劇的に変わ」り、さらにドバイやアブダビについても同じように感じた、とも述べた。いっぽう米国に関しては、ニューヨーク市の地下鉄は危険で汚く、安全でないため乗れない、とも言った。

「どちらを選ぶかは自ずと答えがでるでしょう。実際、犯罪にあわなくてすむのですから」とカールソン氏は述べた。

批判に対する反撃

プーチン大統領との間である特定の主題について話をしなかった点について問われたカールソン氏は、自分がインタビューをしたかった理由は、ロシアの指導者が世界をどう見ているかについて興味があったからなので、プーチン大統領の話を遮りたくはなかったからだ、とした。

米国が嫌っている他国の指導者たちにインタビューをする記者のほとんどは、自分のことを話す傾向があるが、自分は、自分の妻と子どもたちに認めてもらうことだけ考えていて、「あの人はいいひと」などと思われる気はなかった、とカールソン氏は説明した。

ヒラリー・クリントン元米国大統領候補が、カールソン氏を「役に立つバカ」だと発言したことについて問われたカールソン氏は、そのことを笑い飛ばした。

「子どもじみてますね。そんな人の言うことなど耳を貸しません。リビアはうまくいっていますか?」とカールソン氏は述べた。
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タッカー・カールソン氏は「危険だ」-プーチン大統領

<記事原文 寺島先生推薦>
Tucker Carlson ‘is dangerous’ – Putin
この米国人ジャーナリストはインタビューで予想外の戦術を選択した、とロシア大統領が語った
出典:RT 2024年2月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2日18日


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© クレムリン.ru


ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は水曜日(2月14日)、「X」上の番組の司会者タッカー・カールソン氏により、先週のインタビュー中に不意を突かれた事を認めた。

最終インタビューは2時間に及び、何億人もの人々が視聴した。そのインタビュー以前には、カールソン氏はプーチン大統領と話をすること自体で批判されたが、インタビュー後は、ロシア大統領に特定のことを質問しなかったことで批判された。

プーチン大統領は、モスクワで開催された未来技術フォーラムの傍らでジャーナリストのパベル・ザルビン氏に対し、「あなた方のカールソン氏は――あなた方と同じ職業をしているので、私はあなたのカールソンだと言いますが――危険な人物だと思います」と語った。

「彼は攻撃的で、鋭い質問をしてくるだろうと思っていました。私はそのような質問に対する準備ができていただけでなく、そのような質問が来ることを望んでもいました。そうすれば、私も鋭い答えができたからです。しかし、カールソン氏は別の戦略で来たのです」とプーチン大統領は説明した。

カールソン氏は結局、プーチン大統領による歴史に関する長い脱線を辛抱強く聴くことに徹していたため、「準備してきたことを実行する機会を私に与えてくれませんでした。率直に言って、私はこのインタビューで完全な満足感を得ることができませんでした」とプーチン大統領は語った。

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関連記事:Tucker Carlson reviews Putin interview and reveals what ‘radicalized’ him

プーチン大統領は、西側諸国のインタビューに対する反応について発言し、現地の指導者たちが自身が発言しなければならなかった内容に耳を傾けてくれたのは良いことだったが、西側諸国がプーチン大統領の言葉をねじ曲げる必要があると感じたのは残念だ、と述べた。

カールソン氏が西側諸国で報復を受ける可能性があるかとの質問に対し、ロシア大統領はウィキリークス発行者のジュリアン・アサンジ氏が「今も英国の刑務所に座っている」点を指摘した。

アサンジ氏に関しては、米国は国家機密を暴露したとして非難しようとしてきたが、カールソン氏に同じような罪を負わせるのは難しいが、「今日の米国ではあらゆることが可能です」とプーチン大統領は語った。この種の迫害は確かにカールソン本人にとっては悪いことだが、世界にとっては良いことだ、というのも、米国の支配層が体現する「自由民主主義独裁」の真の姿を暴露することになるからだ、とプーチン大統領は述べた。


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ザルジニー最高司令官の解任はウクライナ国内の政治的対立の解決にはならない

<記事原文 寺島先生推薦>
Zaluzhny’s Removal Does Not Resolve Political Standoff in Ukraine
著者:ルーカス・レイロス(Lucas Leiroz)
出典:ストラテジック・カルチャー 2024年2月13日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月17日


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最高司令官は交代したが、ゼレンスキー大統領とザルジニー前最高司令官との間の摩擦はさらに激化する可能性がある。

ヴァレリー・ザルジニー将軍が最近ウクライナ軍最高司令官の職から解任されたことで、同将軍とウラジミール・ゼレンスキー大統領との対立が解消されると期待されていた。しかし、状況はまだ平穏には程遠いようだ。ザルジニー前最高司令官は退任後も強力な指導者であり、近い将来にゼレンスキー氏の地位を脅かす可能性がある。

2月8日、アレクサンドル・シルスキー氏がザルジニー将軍の後任としてウクライナ軍の最高司令官に就任した。この動きにより、長きに渡り待ち望まれていたザルジニー前最高司令官の解任が確定した。一見すると「平和的な動き」に見える。ゼレンスキー大統領とザルジニー前最高司令官は一緒に撮った写真をソーシャル・メディア上に公開し、前司令官はその功績が評価されて栄誉を受けた。

ウクライナのルステム・ウメロフ国防大臣は、ザルジニー前最高司令官の働きに感謝し、次のように述べた。「ヴァレリー・ザルジニー将軍には、ロシアとの大戦中にウクライナ軍を率いるという最も困難な任務の一つが課せられていました(…)しかし、戦争は同じままでは進みません。戦争は変化し、要求も変化します。 2022年、2023年、2024年の戦いは3つの異なる現実です。2024年には新たな変化が起こり、私たちはそれに備える必要があります。新しい方策、新しい戦略が必要です (…) 本日、ウクライナ軍の指導部を交代する必要性について決定が下されました。ヴァレリー・フェドロヴィッチ(ザルジニー将軍のミドルネーム)の功績と勝利に心から感謝しています。」

ただし、いくつかの疑問にはなにも答えていない。ザルジニー前最高司令官の解任は報道機関でたびたび取り上げられ、ウクライナ政府内部に内紛があるのではとの懸念を浮上させていた。その理由は正確にはザルジニー将軍の地位にあるのではなく、政権に繋がる公人としての彼の立場にあった。将軍とウクライナ大統領との間の意見の相違は、新しいもののようには聞こえない。ザルジニー将軍はここ数カ月間、ゼレンスキー大統領に批判的な人物として目立ってきた。同将軍が西側諸国からウクライナ大統領に代わる選択肢として見られることを望んでおり、政治的に自分自身を宣伝する意図があると考えている専門家たちもいる。

2023年初め以降、西側諸国がゼレンスキー大統領の排除を望んでいることを示す証拠が増えていることから、こう見る向きは極めて合理的であると思われる。ウクライナ大統領は、紛争の最初の数カ月間のような「偉大な指導者」とはもはや見なされなくなっている。現在、西側世論の間ではゼレンスキー大統領は弱くて腐敗した政治家とみなされており、そのことがNATOからの継続的な軍事支援を正当化することを困難にしている。この問題を解決するには、西側諸国でより賞賛と共感を呼ぶ人物に置き換えるのも選択肢の一つだ。たとえ戒厳令下であっても、ゼレンスキー大統領に選挙を実施するよう西側からの圧力があったのは偶然ではない。目的は、別の政治家が就任できるようにすることとみられる。

最近、国防総省の内部情報が漏洩し、その中でビクトリア・ヌーランド国務次官と軍将校の間でまさにゼレンスキー大統領の後任を主題とした内容のやりとりがあったことを忘れてはいけない。当時ヌーランド国務次官は、ゼレンスキー大統領が「政治的好感度を急速に消耗しつつある」ため、2024年に選挙をおこなうことで更迭する必要があるとまで述べた。ヌーランド国務次官はマイダン計画を背後で画策していた重要人物であり、ウクライナを最も熱烈に支援している一人であるため、ウクライナ政権内の内紛へ介入することは十分想定内のことだ。同様に、ゼレンスキー大統領とザルジニー将軍との摩擦が頂点に達していた時期にヌーランド国務次官が最近ウクライナを訪問したことは額面通りに受け止めるべきではない。

実際、ウクライナではここ何ヶ月もの間、数人の関係者による「競争」が起こっており、西側陣営への覚えをよくし、ゼレンスキー大統領の後任になろうとする動きが見られる。その競争に最も興味を示しているのは、国会議員や軍人、諜報員らだ。ザルジニー将軍やキリル・ブダノフ国防省情報総局長、シルスキー新軍最高司令官、その他数人のウクライナ将校らは、西側諸国からの支持と同情を得ようと公的活動を強化している。ザルジニー将軍は、最高司令官としての前職を利用して強固な支持基盤を形成する方法を知っていたため、この競争で最も強力な人物の一人だった。

その証拠は、ゼレンスキー大統領との対立中に、ザルジニー将軍がウクライナのネオナチから公に支援を受けていたという事実である。「右派セクター」の司令官の一人は、ゼレンスキー大統領との論争のさなかに、ザルジニー将軍を支持していることを示す写真さえ公開した。諜報活動の専門家らによると、それ以上に、ザルジニー将軍はネオナチを戦場から救い出し、最終的にはウクライナ正規軍と対峙するための一種の「私兵」として使っていた、という。

ネオナチ民兵隊がウクライナでマイダン軍事政権の「ボディーガード」として機能していることを覚えておく必要がある。政治思想的に反ロシア憎悪に傾倒しているこれらの組織は、正規軍よりも2014年のクーデターの目的に対してはるかに忠実であり、だからこそ、ネオナチ民兵隊が長年強化され、マイダン計画を監督に当たってきたのだ。実際には、これらのネオナチ民兵隊は、ナチスドイツにおけるSS(親衛隊)と同じような機能を担っている。

したがって、もし西側諸国がウクライナの国内の衝突において、ザルジニー将軍を支持することを決めたなら、それは西側諸国がファシスト民兵組織の支援を受ける、ということになる。いっぽうでゼレンスキー大統領は、訓練を受けていない高齢者や十代の若者たちの軍隊で妥協しなければならなくなるだろう。実際のところ、ウクライナ大統領はかつてないほど弱体化しているように見える。

ザルジニー最高司令官の解任によってもこの流れは変わらなかった。国内の危機は解決されていない。単に緊張が緩和されただけ、と言っていい。ザルジニー将軍はその職を去ることに穏やかに同意したが、逆に自分の利益のためだけに「舞台裏で」行動するのに十分な権限と自由を手に入れた。つまりザルジニー将軍は崩壊寸前の軍隊から逃れられ、ネオナチの支援を受けることが可能になったということだ。これまで同将軍は、ネオナチ勢力を戦争の前線に送らないよう配慮してきた。ザルジニー将軍は自由の身となり、政界に参入してより高い地位を求めようとしている。

ゼレンスキー大統領は「粛清」を実行しようとしたが、同大統領が達成したのは潜在的な敵を強化することだけだった。
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タッカーは主流メディアという恐竜を退治した

<記事原文 寺島先生推薦>
Tucker Slayed the Mainstream Media Dragon
筆者:ロン・ポール(Ron PAUL)
出典:Strategic Culture 2024年2月13日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月17日


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先週のタッカー・カールソンとロシアのプーチン大統領とのインタビューについては、多くのことが書かれ、語られてきた。この記事を書いている時点で、ツイッターの動画だけでも2億回近く再生されており、歴史上最も視聴されたニュースイベントとなりそうだ。

ロシアとウクライナの軍事衝突は、主要メディアが継続的に報道しているように2022年に始まったのではなく、実際には8年前に米国が支援したウクライナでのクーデターによって始まったのだということを、物語の裏側を知らなかった何百万人もの視聴者が知らされた。アメリカのメディアがこのことを報じないのは、アメリカ人に介入主義的な外交政策に疑問を抱かせたくないからだ。「カラー革命」であれ、制裁であれ、爆弾であれ、アメリカ政府が他国の問題に干渉することは、外交政策の受け手である国々に、現実的で致命的な結果をもたらすことを、アメリカ人には知られたくないのだ。

しかし、私にとって、タッカー・カールソンとプーチンのインタビューで最も興味深かったのは、アメリカの主要メディアの反応だった。インタビューの中でプーチン自身が言ったように、「プロパガンダの世界では、米国に勝つのは非常に難しい」。インタビュー前後のアメリカの主流メディアの報道を何気なく見ただけでも、彼がいかに正しいことを言っているかがわかるだろう。インタビューの数日前から数週間前にかけて、米メディアはタッカー・カールソンがロシア大統領にインタビューすることが、いかにとんでもないことかという記事で埋め尽くされた。プーチンが「偽情報」を広める危険性があると、彼らはみな言っていた。

プーチンが自国を有利にするようなことを言うかもしれない。だからプーチンにインタビューしてはならない、と彼らは言っていた。その論理では、なぜジャーナリズムが必要なのか?ジャーナリストのインタビューに応じる人たちは皆-確かに世界の指導者たちは皆-バラ色の絵を描こうとする。自由社会におけるジャーナリストの仕事は、報道を行い、人々に判断を委ねることであるべきだ。しかし、いつの間にかそれは失われてしまった。最近の主流メディアがわれわれに言うのは、①「何を考えるのか?」、そして②「それに異論は唱えるな、さもないと干されるぞ!」の2つだ。

米国の主要メディアが本当に心配していたのは、「もう一方の言い分」が一般大衆に真実味を帯び始めることだった。だから彼らはこの伝達者(カールソン)を攻撃したのだ。

タッカーのインタビューに関するCNNの報道は、米国の主要メディア全体の反応をほぼ要約している。「タッカー・カールソンはプーチンにインタビューするためにロシアにいる。彼はすでにクレムリンの言いなりになっている」。

かつては「ジャーナリズム」と呼ばれていたもの、つまり善悪を問わず、人や出来事についてインタビューや報道を行うだけで、人はインタビューや報道の対象の「言いなり」になっているのだろうか?

ジャーナリスト仲間のジュリアン・アサンジが何年も強制収容所に閉じ込められているのも無理はない。自由な社会では、権力者を不利な立場に追い込んででも、良いことも悪いことも醜いことも報道するのがジャーナリストだとアサンジはあえて見なすことにしたのだ。

結局のところ、タッカー・カールソンとウラジミール・プーチンのインタビューが大成功を収めたことは、アメリカ国民が主流メディアの宣伝マンや嘘つきにうんざりしていることがはっきり示されたということなのだ。彼らは政府のシナリオではなく、真実を求めている。それが、このインタビューに関する本当に良いニュースだ。
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2023欧州各地で激しさを増す農民による抗議活動が、ブリュッセルにまで突入

<記事原文 寺島先生推薦>
Farmers Roll Into Brussels as Protests flare up Scross Europe
出典:ストラテジック・カルチャー 2024年2月5日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月17日


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フランス、ドイツ、ポーランド、オランダで抗議行動が勢いを増すなか、ヨーロッパの農業関係者の不満が今週、頂点に達した。各国のデモに加え、農民たちは水曜日(2月5日)にブリュッセルに入り、欧州議会前で行動を起こしている。

主要幹線を止めるという道路封鎖を主とした作戦を講じて、農民たちは自分たちの労働環境と収入の劣化を世間に訴えかけている。農民組合の主張は、生産を増やすと同時により厳格な環境問題への対策をとることが求められていることで、自分たちの仕事がほぼできなくなってしまっている、というものだ。

フランス国内のあちこちの農民たちが抗議活動の規模を膨らませたのは、一人の農民が火曜日(2月4日)に亡くなり、その娘が重傷を負った事件を受けてのことだ。抗議活動の一環として農民たちが打ち立てていた道路封鎖に、車両が突っ込んだことにより起きた事件だ。農民たちが強調して要求しているのは、環境に対する規制の問題や(ウクライナなど外国から輸入される作物を国内産のものよりも緩い規制で認めるという)行政による認可、さらにはディーゼル燃料の価格の高騰について、だ。

抗議活動はフランス南部オクシタニア地方から1月18日木曜日に始まり、それ以来全国規模にひろがった。「抗議活動は水曜日(2月5日)に激しくなります」と農民労働活動を主導している全国農業経営者組合連盟(FNSEA)のアルノー・ルソー代表は主張した。

水曜日(2月5日)の早朝、少なくとも200台のトラクターがボルドー環状道路に乗り込んだ。この道路は、パリとスペインを繋ぐ幹線道路だ。そして、通行を阻害した。フランス北部、オードフランス地域圏当局によると、「英仏海峡を繋ぐ様々な経路が妨害されている」とのことであり、特に英仏海峡トンネルとイングランド行きの港が妨害されている、という。

ベルギーでも同様に、収入の減少や複雑な法律、行政の負担に関する懸念が高まっている。ワロン地域農業連盟 (FWA)の発表によると、抗議活動は1月29日の月曜日から始められた、という。「私たちは道路を封鎖するのではなく、道路上にバリケードを張ること(で人々にこの問題の重要性を知らしめること)について話しているのです」と同連盟は断言した。

ベルギーのフランス語圏では、低所得や複雑な法律、過剰な役所仕事などが主な懸念事項となっている。この部門は、この問題が農地で働く人々だけでなく、全住民に影響を及ぼすことを一般の人々に理解してもらいたいと考えている。そのために、公共の混乱を限定的なものにするため、一部の交通が通行できる「透過性障壁」を設ける予定だ。

農民によって戦い方は異なる

欧州圏内の農民たちは、同じ不満を持っていることで団結しているが、農業分野における課題は国によって異なる。フランスやベルギー以外の国々では、それぞれの国において特に不満を持って取り上げられているのは、環境対策や補助金の問題について、である。

ドイツで先週おこなわれた農民による抗議活動は、燃料に対する補助金の削減に反対するものだった。ポーランドやルーマニア、ハンガリーでここ何ヶ月ものあいだ怒りが吹き上がっているのは、EUが取っている措置について、である。具体的には、ウクライナから輸入される穀物が、黒海経由ではなく、ウクライナ国内から直接運ばれることが許される、という措置だ。この措置により、国内市場には安価な穀物があふれ、地元の生産者を切り崩している。

一方、オランダでは、窒素を中心に懸念が広がっている。窒素の排出量を削減しようとする政府の取り組みにより、多くの農業生産者が存続することが疑問視されているのだ。 この問題に関しては、ベルギーのフランダース地方でも同様の怒りを巻き起こしており、国レベルでの気候変動目標に合意するための連続した期限は、農民からの頑強な抵抗のために延期されている。

この記事の初出はbrusselstimes.com
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ロシアがウクライナ紛争で負けることは、「全くありえない」– マスク氏

<記事原文 寺島先生推薦>
‘No way in hell’ Russia will lose Ukraine conflict – Musk
米国による資金援助はウクライナ国民にとって「良くない」とテスラ社とスペースX社のCEOが発言
出典:RT 2024年2月13日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月16日


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テスラ社とスペースX社のイーロン・マスクCEO © AFP / Leon Neal © © AFP / Leon Neal


テスラ社とスペースX社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、ロシアがウクライナとの紛争で敗北を喫するなど「ありえない」と述べた。

世界で最も裕福な人物の一人であるマスク氏は月曜日(2月12日)、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「X(旧Twitter)」の一部であるXスペース上でウクライナ政府に対する米国による追加援助を提供することを目的とした上院法案についての議論のさなかで、この内容を投稿した。

同氏の主張には、ロン・ジョンソン共和党議員、J.D.ヴァンス氏、マイク・リー氏、元ヴィヴェク・ラマスワミ共和党大統領候補、起業家のデービッド・サックス氏など、ウクライナへのさらなる資金提供に反対する他の多くの人々も賛同した。

「この支出はウクライナを助けるものではありません。戦争を長引かせることはウクライナにとって何の役にも立ちません」とテスラ社とスペースX社の代表である同氏は語った、とブルームバーグ紙は報じた。

同氏は米国民に対し、ウクライナへの600億ドル(約9兆円)とイスラエルと台湾への資金提供を含む950億ドル(約14兆円)の緊急支出案について自分が選んだ議員と連絡を取るよう促した。

この法案は火曜日(2月13日)に上院を通過したが、下院では共和党の間でキエフへの追加資金への反対がはるかに強いため、苦戦することが予想されている。共和党は、米国とメキシコの国境の警備のための支出の増加を要求している。

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マスク氏はロシアとウクライナの紛争の平和的解決を訴えており、2年間の戦闘中に何度も米国のキエフへの軍事支援を批判してきた。同氏は、このような発言をもとに、彼をロシアのウラジーミル・プーチン大統領の代弁者であると非難するのは「ばかげている」と述べた。

彼の会社は、「おそらく何よりもロシアを弱体化させるために多くのことをしてきた」とこの起業家は主張し、自社のスペースX社がスターリンク・インターネット・サービスをウクライナに提供していたことについて触れた。

マスク氏は、ウクライナ側とロシア側の双方で死者が出るのを止めることを心から望んでいる、と語った。

同氏はまた、「ロシアの政権交代を望んでいる」一部の西側政治家らに対し、「プーチン大統領にとって変わることのできる人物は誰なのか、さらには、そのような人物が平和主義者である可能性が高いのか否かを考えるべきです。おそらくそうはならないいでしょう」と述べた。さらに、そんな人物はおそらく「プーチン大統領よりもさらに筋金入りの強硬派である人物」だろう、とも付け加えた。

ロシアの指導者プーチン大統領は先週、米国の独立系ジャーナリスト、タッカー・カールソン氏とのインタビューでマスク氏について語り、この起業家を「賢い人物である」としていた。

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プーチン大統領は「イーロン・マスク氏を止めることはできないと思います。マスク氏は自分が適切だと思うとおりに行動するでしょう」と述べた。ただし、マスク氏の活動は「適切な手順にのっとり、一定の規則に従う」という条件を満たすべきだ、とも付け加えた。
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「この戦争は2023年で終わらせるべきだった」とこの億万長者は発言
出典:RT 2024年2月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月16日


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2023年12月16日にローマで開催されたイタリアの右翼政党「イタリアの兄弟」の若手過激派が主催したアトレジュの政治集会で話すX(元Twitter)CEOのイーロン・マスク氏。© アンドレアス・ソラーロ/AFP

テスラ社とスペースX社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、ジョー・バイデン米国大統領がキエフへの追加資金の承認をしなかったとして議会を批判したことを受けて、同大統領を激しく非難した。同億万長者は、ウクライナとロシア間の紛争はすでに終わっているはずだと語った。

マスク氏は金曜日(2月9日)のX(旧ツイッター)への投稿で、その日の早い時間にドイツのオラフ・ショルツ首相と会談した際のバイデン大統領の発言に言及した。同大統領は、米国議会がウクライナ支援を継続しないことは「言語道断」であり「犯罪的な責任放棄」とほぼ同じ、と語っていた。

米国は、米国南部国境の安全確保のための追加資金を要求する共和党内の反対のため、キエフへの新たな資金提供の承認に数か月間苦労してきた。バイデン大統領は最近、1180億ドル(約17兆円)の法案を支持したが、そのうち600億ドル(約9兆円)がウクライナ向けに充てられたものだった。これに対して、多くの共和党議員は国境危機への対処が不十分であると主張して反対している。

ウクライナへの支援についての議会に対するバイデン大統領の批判に対し、マスク氏は「いまこそ肉弾戦を止める時です」と述べ、この戦いの中止は「1年前に行なわれるべきでした」と付け加えた。

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今週初め、米国に拠点を置くこの億万長者は、「説明責任も最終目標もないまま、ウクライナに多額の資金を送金する」のは「正気の沙汰ではありません」とも主張した。

ロシアが常々主張してきたのは、ロシア側はウクライナ当局との和平交渉に前向きであるが、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領が現ロシア当局指導部とのいかなる交渉も禁止している点だ。同大統領がその禁止令に2022年に署名したが、それは、旧ウクライナの4地域が住民投票の結果、圧倒的多数でロシアへの加盟を支持したことを受けてのことだった。

ロシア政府によると、ロシアとウクライナは2022年春に紛争の解決に近づき、その際、ウクライナの中立が議題の重要な要点になった、という。しかし、ロシア高官たちによると、このような方向性が、ボリス・ジョンソン英国首相(当時)により覆された、という。具体的には、ジョンソン前首相が、ウクライナ側に戦闘を続けるよう勧告したとのことだ。ただし、この件に関して、同元首相はその主張を否定している。

1月、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、西側諸国と紛争解決に向けたいかなる協議も行なうべきだと述べたが、同外相の主張によると、西側諸国はそうしたことに関心を示していない、とのことだ。
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タッカー・カールソン、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にインタビューするという「反逆罪」を犯した…そして世界はそれを愛した!

<記事原文 寺島先生推薦>
Tucker Carlson Committed ‘Treason’ to Interview Russian President Vladimir Putin… and the World Loved It!
出典:ストラテジック・カルチャー 2024年2月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月15日


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カールソンのインタビューの強力な効果は、これまで欧米の報道機関によって、残念ながらひどい誤った情報を伝えられてきた米国や欧米のより広い聴衆に、重要な視点をもたらすことに成功したことである。

欧米の報道機関や政治家たちが米国人ジャーナリストのタッカー・カールソン氏に浴びせた罵詈雑言の数々は、聞くに堪えないものだった。

カールソン氏はロシアのプーチン大統領とのインタビューのためにモスクワを訪れた。このインタビューは、数十の質問を含む完全ノーカットのやりとりで構成され、2時間以上続いた。この模様はカールソン氏のウェブサイトやその他のソーシャル・メディア・プラットフォームで放映された。

インタビューまでの数時間、この元Foxニュースの司会者は、米国と欧州の政界や報道機関の権威から叩かれた。彼らの反応は意地悪で冷静さを欠くものだった。カールソン氏は 「裏切り者」であり、「役に立つバカ」だと非難された。米国に帰国したカールソン氏を逮捕したり、欧州連合(EU)への渡航を禁止すべきだという声も上がった。

このインタビューが発表された後、欧米の報道機関や政治家たちは、この出来事をまるでなかったかのように無視する傾向があったことも、示唆に富む反応だった。

しかし、皮肉なことに、このインタビューを封じ込めようとする協調的な努力にもかかわらず、このインタビューは世界中で熱心に視聴され、その再生回数は爆発的な伸びを見せた。放映後数時間で、このインタビューは推定1億人に視聴された。今後数週間にわたり、さらに何百万人もの視聴者を集め続けるだろう。

面白い余談だが、その視聴者数は、プーチン大統領との対談をめぐってカールソン氏を中傷していた西側報道機関のそれをはるかに凌駕している。それでもまだ、これら末端の報道機関(視聴率が低下しているため、もはや 「主流」とは呼べない)は、おこがましくも多数の人が見るべきもの、見るべきでないものを判断しようとしている。それは、CNNやBBC、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアンなどだ。米国の作家、ジェラルド・セレンテ氏がいみじくも名付けたとおり、これらの報道機関は皆、「売女メディア」なのだ。

結論はいくつかある。ひとつは、西側諸国とその報道機関による、意思伝達や見解、物語の陰湿な悪意ある支配、あるいは少なくとも支配の試みである。

異なる当事者や視点と関わることは報道従事者の義務であるはずだ。カールソン氏はそれをプーチン大統領と行なったが、その結果、西側体制はカールソン氏に批難の嵐を浴びせ、人々がそのインタビューを見て自分の考えを決める機会さえないうちに、その信用を失墜させようと精力的に動いた。これは、西側諸国が堅持しているふりをする言論の自由と独立した報道の欠如を如実に物語っている。

結論の第二は、プーチン大統領の発言に対する世界的な関心の高さは、西側諸国政府やメディアが独占してきた視点とは異なる視点を聞くことに一般市民が鋭い判断力を持っていることを示している、という点だ。特にウクライナ戦争に関してはそうだ。

カールソン氏のインタビューが、事前にそれを否定するような冷やかしがあったにもかかわらず、これほど多くの関心を集めたという事実は、西側の公的報道機関とその尊大さへの庶民の軽蔑がいかに大きいかをはっきりと示している。

もうひとつの教訓は、ウクライナ紛争の真実について、西側の体制側が必死になってそれを国民に分からせまいとしていることである:歴史的背景、戦争の原因、キエフ政権の本性とネオナチの構成、西側の覇権主義的野心を世界に示そうとする米国とその手下である欧州諸国の大きな地政学的意図などなど、だ。

これらの複雑な問題はすべて、歴史的事実に基づく深く長い議論を必要とする。西側の報道機関や政治家たちは、思いあがったうぬぼれだけはあるくせに、そのような情報を提供することができない。 彼らは公共の利益ではなく、権力と喧伝に奉仕しているのだ。

米国政府とその欧州の従属国、そして彼らの従順な報道機関は、「ウクライナ紛争はロシアの侵略のせいである」という安易なインチキ話を歪曲して伝えてきた。プーチン大統領は独裁者であり、「新しいヒトラー」であると中傷されている(なんと恥知らずでばかげたことだろう!)。もちろん、このような作り話は、米国資本主義を動かしている西側の軍国主義にとっては好都合だ。また、ロシア恐怖症で政治思想的に盲目になっている西側の政治家にとっては、いい儲け口になっている。それなのに西側報道機関は、ロシアの「ねじ曲がった主張」をあえて過小評価する。

プーチン大統領はカールソン氏とのインタビューで、ウクライナの国粋主義という概念がいかにロシアを不安定化させるために欧米列強によって冷笑的にでっち上げられたかについて、理路整然とした歴史的説明を詳細に行なった。

西側諸国が2022年2月に「ロシアの侵攻」によって始まったと主張する戦争は、実は、少なくとも2014年にCIAが支援したキエフでのクーデターによって始まったものだ。

西側の政治家や報道機関は、このような背景やロシア国境へのNATOの拡大の裏切りを完全に否定している。そのような報道機関が、現在の紛争についてどんな有益な視点を提供しようというのだろうか? 現実との認知的不協和には驚かされる。

米国を含む世界中の多くの人々は、プーチン大統領の見解に同意するか、あるいはさらに考えさせられることになるだろう。ウクライナ紛争の正しい歴史的背景を聞けば、米国とそのNATO同盟国が仕掛けた代理戦争の実態を理解する人が増えるだろう。それは、ウクライナの民主主義(そんなものは存在しない)を守るという表向きの目的ではなく、ロシアを戦略的に敗北させようというのだ。 第二次世界大戦後の冷戦に端を発し、1991年に冷戦が終結したとされるこの33年間、この大きな帝国主義的意図は、暗黙のうちにではあるが、数十年にわたって存在してきた。

西側諸国とその報道機関は、好きなだけロシアの見方を非難することができるが、歴史的真実というものが存在する。ジョン・ミアシャイマー氏のような情報通の米国人学者、ジャック・マトロック氏のような外交官、ジェフリー・サックス氏のような専門家を含め、世界中のほとんどの人々は、ウクライナの紛争が、西側の宣伝報道機関が喧伝しようとするよりもはるかに大きな次元にあることを知っている。

真実味というものがある。たいていの人は、たとえ誤報に惑わされてきた人であっても、事実と合理的な分析に合致した歴史の記述を高く評価するものだ。

西側の政治家や報道機関は、ウクライナ紛争の原因について、そしてより一般的には西側とロシアの関係について、組織的に嘘をつき、歪めてきたため、そのような啓発的な説明をすることはできない。

プーチン大統領は今週のタッカー・カールソン氏とのインタビューで、この記録を正すことに大いに貢献した。ロシアの指導者がそうするのは決して初めてではなかった。西側報道機関の喧伝の枠外でウクライナ紛争を追っている人々にとっては、プーチン大統領の発言内容はよく知られたものだっただろう。

カールソン氏のインタビューの強力な効果は、これまで欧米の報道機関によって、残念ながらひどく誤った情報を伝えられてきた米国や欧米のより広い聴衆に、重要な視点をもたらすことに成功したことである。

すでに米国や欧州の市民の間では、ウクライナでの無益な戦争や、キエフの腐敗した政権を支えるための執拗な公的資金の投入を警戒し、批判する声が高まっている。

ウクライナで血なまぐさい紛争が起きている理由だけでなく、西側諸国に蔓延している腐敗、すなわち政府から独立した報道機関、言論の自由、民主主義の推進という幻想に光を当てる視点を模索する勇気と誠実さを持ったカールソン氏は、絶大な称賛に値する。

米国とそのヨーロッパの属国が、帝国主義的犯罪を際限なく繰り返す、ならず者国家に過ぎないことに、人々は遅かれ早かれ、気づくだろう。欧米の企業報道機関は、ウクライナだけでなく、シリア、ガザ、イエメン、イラクなど、帝国主義的犯罪の隠蔽に重要な役割を果たしている。西側の専制政治に覆いをかぶせるような行為は、即座に封じられなければならない。だからこそ、カールソン氏のインタビューに対して猛烈な反応が起きているのだ。

だが、もう遅い。真実は明らかになった。この軛(くびき)を解かれた真実は、政治的にも歴史的にも避けられない結果をもたらすだろう。

ウクライナに限って言えば、米国主導のNATOによる代理戦争はもはや通用しない。一部の特権階級が牛耳っている西側政権は、この戦争を煽り、秘密主義的な帝国主義の利益を追求するために公金を浪費し、盗んできた責任を問われなければならない。
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アサンジ、米国で拷問と自殺に直面-国連特別報告者

<記事原文 寺島先生推薦>
Assange faces torture and suicide in US – UN
ウィキリークス創設者(アサンジ)、英国からの身柄引き渡しが承認されれば最高175年の禁固刑に
出典:RT 2024年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月12日


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ジュリアン・アサンジは2019年4月11日、英国ロンドンのウェストミンスター治安判事裁判所に到着した際、警察車両からメディアに身振り手振りで応じた。© Getty Images/Jack Taylor/Getty Images


国連の拷問に関する特別報告者は、英国当局に対し、ジュリアン・アサンジがスパイ容疑で米国に引き渡される可能性を止めるよう求めた。国連の専門家であるアリス・ジル・エドワーズは火曜日(2月6日)、ウィキリークス創設者の精神状態が不安定であるため、英国が米国に引き渡すことは人権法に違反する可能性があると警告した。

今月、アサンジの身柄引き渡しに異議を唱えた上告(判決)を前に、エドワーズは、アサンジの「不安定な精神衛生状態」は、彼を米国に移送することが彼の健康を危険にさらす可能性があることを意味すると警告している。

「ジュリアン・アサンジは長年のうつ病の再発に苦しんでいる」と、エドワーズは火曜日(2月6日)に国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のウェブサイトに掲載された声明の中で述べた。「彼は自殺する危険性があると診断されている」。

現在52歳のアサンジは、2010年に米陸軍情報工作員チェルシー・マニングからの一連の漏洩情報を公開した。それは史上最大の機密文書公開と呼ばれ、国際的に注目を浴びるようになった。彼は一連のスパイ容疑で有罪判決を受けた場合、最高175年の懲役刑に問われる。

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エドワーズはさらに、アサンジはまた 「長期にわたる危険な独房監禁」 にさらされ、身柄引き渡しが認められれば、米国の法廷で 「不相応な判決」 を受ける可能性があると付言した。

彼女はまた、ロンドンに対し、「拷問やその他の残虐、非人道的または品位を傷つける取り扱いや刑罰への差し戻しの絶対的かつ不可逆的な禁止の完全な遵守」を求めた。

アサンジの引き渡しの可能性に関する最終決定は、2月20日と21日にロンドンの高等裁判所で下される予定である。彼は、ウィキリークスを介して機密文書を漏洩したとされる役割について、戦争犯罪の疑いを暴露したものを含め、米国で合計18件の刑事責任を問われている。

アサンジは、米軍の不正行為を暴いたことで迫害されている反体制の英雄として支持者から賞賛されている。そして彼の訴追はジャーナリズムと言論の自由に対する攻撃となるだろう。

「この4年半、ジュリアンとその家族(幼い2人の息子を含む)は多大な犠牲を強いられました」と、アサンジが獄中で結婚した妻ステラは昨年述べている。「この無実のジャーナリストと発行人に対する迫害は終わらせなければなりません」。

アサンジは2019年から英国で拘束されており、現在はロンドンのベルマーシュ刑務所に収容されている。拘束される前、彼は南米の国(エクアドル)から政治亡命を認められた後、イギリスの首都にあるエクアドル大使館で約7年間を過ごした。
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タッカー・カールソン氏がウラジーミル・プーチン大統領とのインタビューをストリーミング配信:ライブ最新情報

<記事原文 寺島先生推薦>
Tucker Carlson streams interview with Vladimir Putin: LIVE UPDATES
米国の保守派ジャーナリストがロシア指導者と話すためにモスクワを訪問
出典:RT  2024年2月8日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日


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米国の保守系ジャーナリスト、タッカー・カールソン氏は火曜日(2月6日)、クレムリンでロシアのウラジーミル・プーチン大統領と行なったインタビューを公開した。その模様は以下で視聴可能。



西側報道機関はロシアの立場を軽視しながらウクライナ当局の立場を宣伝することで「読者や視聴者に嘘をついている」とカールソン氏は主張した。「おかしな話です。米国民には、自分たちが巻き込まれた戦争についてできる限りのことを知る権利があります」と 同氏は火曜日(2月6日)にX上で公開した動画で述べた。

カールソン氏は、米国がウクライナの最大の軍事支援者であるからこそ、ウクライナ紛争に関しては「人々に知らせる義務」があるため、プーチン大統領と話し合いたいと付け加えた。

カールソン氏のモスクワ訪問のニュースは西側報道機関からの批判を引き起こし、一部の政治家はこの元FOXニュース司会者に制裁を与えるよう求めた。しかし、EU理事会関係者はロシアのタス通信に対し、カールソン氏に対する制裁は今のところ予定されていない、と語った。

(このライブ配信は現在は終了している)
2024 年 2 月 9 日
06:09 GMT(グリニッジ標準時間)


ゼレンスキー大統領は平和の綱領に基づいて大統領に選出されたが、就任後は「ネオナチや民族主義者」と同盟を結んだ、とプーチン大統領は言う。同大統領はこれには 2 つの理由があると考えている。

1つ目は、このような人々は「攻撃的で、…どんなことでもしてくれることが期待できる」ということであり、2つ目は、「米国主導の西側諸国はこれらの勢力を支援しており、ロシアと敵対する人々を常に支援するだろうから」ということである。ゼレンスキー大統領にとってそれは「有益で安全」だったが、明らかにウクライナの有権者との約束を裏切るものだった。

05:57 GMT

キエフが当時のボリス・ジョンソン英国首相の意見に耳を傾け、2022年の和平交渉で合意されたロシアとの休戦協定草案への署名を拒否したことは「ばかげており、非常に悲しいことだ」とプーチン大統領は考えている。戦争は続いているが、ジョンソン氏自身はすでに政権を離れている、とプーチン大統領は指摘した。

そもそもなぜジョンソン首相が介入するのかと問われ、プーチン大統領は「私自身も理解できない」と述べた。

「(西側諸国の)誰もがロシアが戦場で敗北する可能性があると幻想を抱いていた。傲慢さのせい、純粋な心のせいだが、偉大な心のせいではない。」

05:48 GMT

ロシアは、ポーランドやラトビアなどのNATO諸国が攻撃された場合にのみロシアは軍事行動にでるだろうとプーチン大統領は言う。それと正反対のことを西側諸国が主張するのは「単なる脅し文句」だとした。

ロシアがウクライナに対して核兵器を使用したり、何らかの紛争激化を引き起こしたりするのではないかという憶測は、「ロシアとの対立で米国の納税者や欧州の納税者から追加の金を巻き上げるための、街頭の人々にとっての単なる恐怖物語だ」とプーチン大統領は主張する。

05:44 GMT

インタビューから得られたその他の重要な点は以下のとおり。

米国とは異なり、ロシアは中国の台頭を恐れていない、とプーチン大統領は述べ、BRICSが「中国経済に完全に支配される」危険があるというカールソン氏の示唆には「悪い子どもをさらうというブギーマンのような実体のない話」であると応じた。

「我々は中国と隣国であり、近親者を選ぶことができないのと同じように、隣人も選ぶことはできない」とプーチン大統領は述べ、ロシアは中国と共存する術を学んだとも付け加えた。同大統領はさらに、中国の外交政策は侵略ではなく妥協点を見つけることを目的としていると述べた。

04:53 GMT

ロシアのドミトリー・メドベージェフ元大統領はテレグラムで、カールソン氏は「ビクつくことも、ひるむこともなかった」と書いた。

さらに、プーチン大統領は「なぜウクライナがこれまで存在しなかったのか、いまも存在しないのか、そしてこれからも存在しないのかを西側諸国に綿密かつ包括的に説明した」と付け加えた。

メドベージェフ氏は現在、ロシア安全保障理事会の副議長を務めており、軍事生産を監督している。

04:28 GMT

ワシントン・ポスト紙のロシア特派員フランチェスカ・エベル氏は、ロシア大統領がカールソン氏との会談に同意した理由の一つは「選挙の年に共和党のより多くのMAGA層(メーク・アメリカ・グレイト・アゲインを訴える層)に訴えるため」だったと書いた。

このインタビューは「ドナルド・トランプ氏の再選の可能性を高め、共和党に米国のウクライナへの軍事援助を阻止し続けるよう説得する可能性がある」とエベル氏は主張した。

03:50 GMT

ロシアの報道機関によると、プーチン大統領はカールソン氏にボグダン・フメリニツキーがロシア皇帝に宛てた手紙のコピーを渡したという。フメリニツキーは17世紀のコサックの首領で、ポーランドに対する反乱を率い、後にモスクワに保護を求めた人物だ。

プーチン大統領は、ロシアとウクライナの何世紀にもわたる共有の歴史について語る際、フメリニツキーの手紙について言及した。

03:30 GMT

米国の保守系トーク番組の司会者で映画監督のマット・ウォルシュ氏は、バイデン氏の最新の記者会見に対するプーチン氏の回答を比較した。

「今夜プーチン大統領がロシア千年の歴史を掘り下げた知的で学術的な回答をしている間、バイデン大統領はエジプト大統領がなぜか実際にはメキシコ大統領であることについて支離滅裂な話をしていた」とウォルシュ氏はXに投稿した。

バイデン氏は木曜日(2月6日)、ホワイトハウスで記者団と話した際、メキシコとエジプトの指導者らを当惑させていた。

03:16 GMT

カールソン氏によると、プーチン大統領は彼に「文書」が詰まった分厚い書類の束を渡したという。
「夜の読み物のネタを手に入れました」とこのジャーナリストはその書類の内容については触れなかった。

02:45 GMT

このインタビューはカールソン氏のXアカウントで3500万回、YouTubeで36万3800回の再生回数を記録した。カールソン氏の個人ウェブサイトでも放送された。

2024 年 2 月 9 日
01:50 GMT

カールソン氏はインタビュー後に撮影した動画で、ロシアがクリミアをウクライナに引き渡すと米国が期待するのは正気の沙汰ではないと述べた。

「そこにはロシア人が住んでいる。彼らは(2014年に)国民投票を行い、ロシアを選択したのだから。好むか好まないかは別として、クリミアに事が及んだ場合、プーチン大統領は核戦争に突入するだろうと考えるのが論理的だ」とこのジャーナリストは語った。

カールソン氏は「プーチン大統領がクリミアを放棄することが和平の条件だと本気で考える人は、頭がおかしい人だ」と述べた。

00:49 GMT

昨年ロシアでスパイ容疑で拘束された米国人ジャーナリスト、エヴァン・ゲルシコビッチ氏を善意のしるしとして釈放する用意があるかとの質問に対し、プーチン大統領は、自国は西側諸国と協力する用意があったが、この方針は報われなかったと回想した。しかし、プーチン大統領はゲルシュコビッチ氏の釈放を排除しておらず、これには西側諜報機関の柔軟性が必要になると付け加えた。

00:42 GMT

人間の脳にニューロチップを埋め込むなど技術進歩を推し進めている億万長者のイーロン・マスク氏の動きを「止めることはできない」とプーチン大統領は述べ、技術に関する何らかの合意や規制が合意されるべきだと付け加えた。

大統領は、人工知能と遺伝子学の最近の成果を20世紀の核兵器の開発に例え、世界中の国々が危険を感じ始めたとき、新技術を規制する協定を結び始めたことを指摘した。

00:34 GMT

BRICS経済フォーラムは速い速度で発展しているとプーチン大統領は信じている。同大統領は、1990年代初頭以降、現在この組織の一員となっている新興国は進歩を遂げ、現在では世界のGDPへの貢献という点でG7の役割を小さくしている、と付け加えた。

大統領によると、この発展はウクライナ紛争とは独立したものであり、一般的な世界経済の傾向を反映しており、止めることはできないという。

00:26 GMT

プーチン大統領は、ロシアと中国の貿易収支は均衡していると指摘し、それはハイテク製品、科学主導製品、そしてエネルギー製品の両方に支えられていると付け加えた。

00:21 GMT

プーチン大統領は、米国はドルを外交政策の手段として利用することで「明らかな戦略的間違い」を犯していると考えている。大統領によると、ワシントンが紙幣を増刷すると世界的にインフレが進行するという。

00:14 GMT

バルト海を通じてロシアとドイツを結ぶノルド・ストリーム・ガス・パイプラインを爆破したのは誰かとカールソン氏に尋ねられたプーチン大統領は、明らかに西側諸国を指して「あなた方だ」と答えた。米国やNATOの関与を示す何らかの証拠を持っているかと問われると、ロシア指導者は明言を避け、そのような場合にはまずそのような攻撃から利益を得る人たち、そして攻撃を実行する能力を持っていたのか誰かを探すべきだ、と指摘した。

00:06 GMT

プーチン大統領によれば、ロシアとウクライナは紛争初期に信じられないほど敵対関係の終結に近づいていたという。しかし、大統領によると、2022年春にモスクワがウクライナの首都近郊から軍隊を撤退させると、キエフは一切の外交を放棄し、最後までモスクワと戦うよう求めてきた西側の圧力に屈したという。これに加えて、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領はロシアとのあらゆる交渉を禁止する法令に署名し、これ以上の関与は非常に困難になったとプーチン大統領は回想した。

米国がウクライナ紛争を止めたいなら、キエフへの武器送付を停止すべきだとプーチン大統領は言う。このロシアの指導者によると、もしこれが実現すれば、敵対行為は数週間以内に終わるだろうとのことだ。

2024 年 2 月 8 日
23:59 GMT


ソ連崩壊後、ウクライナは国家としてのアイデンティティを模索し続けたが、第二次世界大戦中にナチスに協力した「偽りの英雄」を奨励する以外に良い選択肢は見つからなかった、とプーチン大統領は言う。

23:58 GMT

プーチン大統領は、ドンバスでの敵対行為を阻止しようとした、今では失われている2014年と2015年のミンスク合意について言及し、もしドンバスの住民がウクライナに戻ることを納得し、そしてキエフが、社会福祉の公約を果たすことに同意していれば、この地域の危機は解決できたと心から信じていたと述べた。しかし、キエフの政策立案者らは武力で蜂起を鎮圧しようと思った、と彼は付け加えた。

2024 年 2 月 8 日
23:49 GMT


プーチン大統領は、ウクライナに対する西側の方策を巨大な政治的間違いだとの烙印を押した。同大統領は、ウクライナをNATOに受け入れるという2008年のNATOの約束と、西側諸国が支援した2014年のキエフでのクーデターについて話していることを明らかにした。クーデターに反対する人々を迫害するというウクライナ新政府の施策は、クリミアにとって脅威となり、ロシア政府はクリミアを保護下に置かざるを得なくなった、とプーチン大統領は付け加えた。

23:39 GMT

ロシアは当初、2000年代にウクライナがEUとの関係を強化しようとするのを容認する意向を持っていたが、EUとの連合協定に署名したいというキエフの意向が大きな問題を引き起こしたとプーチン大統領は言う。これが合意されれば、ウクライナの国境がEUに開かれることになり、キエフはモスクワと自由貿易協定を結んでいたため、ヨーロッパの製品がロシアに流入することになっただろう。

当時のウクライナのヴィクトル・ヤヌコビッチ大統領がEUとのそのような協定の(裏に隠された)知恵に疑問を抱き始めたとき、状況は西側諸国の支援を受けて大規模な抗議活動とクーデターに発展した、とプーチン大統領は付け加えた。

23:34 GMT

NATOは領土を東に拡大しないと約束したが、すぐにこの約束を破り、東ヨーロッパ全体とバルト三国を加盟させたとプーチン大統領は言う。米国主導の軍事ブロックであるNATOは現在、ウクライナを引きずり込むつもりさえある、と彼は付け加えた。

23:31 GMT

ロシアは極超音速兵器の開発において米国や他国を上回ることができており、この分野での能力を引き続き強化するつもりだとプーチン大統領は語った。

23:25 GMT

米国とその「衛星諸国」は、反政府勢力に政治的、情報的、財政的、軍事的支援を提供することで、1990年代に北コーカサスにおける分離主義とテロリズムを支援したとプーチン大統領は主張する。大統領によると、この問題について米国側と対峙したところ、米国側は告発を拒否したという。

しかしその後、米国はロシアの「野党」に協力していたことをモスクワに認め、米国はその政策は正しいと考えていたと付け加え、その後、ロシアはこの問題に関するいかなる対話も実を結ぶ可能性は低いと理解したとプーチン大統領は述べた。

23:17 GMT

プーチン大統領は、ビル・クリントン元米国大統領にロシアがNATOに加盟できるかどうか尋ねたが、クリントン元大統領はそれは不可能だと答えたと回想している。しかし、もし彼が当時「イエス」と言っていたなら、モスクワと軍事同盟との間に和解の時期が到来しただろうとプーチン大統領は示唆する。

23:14 GMT

ロシアはソ連の崩壊を受け入れたし、政治思想の違いがすべて解消されれば西側諸国と協力できると期待していた、とプーチン大統領は言う。

23:08 GMT

ウクライナは故ソ連指導者ヨシフ・スターリンの意志によって作られた「人工国家」である、とロシアのウラジーミル・プーチン大統領はカールソン氏に語った。ウクライナはハンガリーを含む近隣諸国から多くの領土を譲り受けているが、これらの国々には歴史的な土地の返還について話す権利がある、と語った。

しかし、ロシア指導者(プーチン)は、ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相とこの問題について話し合ったことはないと否定している。

22:18 GMT

EUのトップ外交官ジョゼップ・ボレル氏の報道官ピーター・スタノ氏は記者団に対し、プーチン大統領との会見を巡りカールソン氏をブラックリストに載せる「議論はない」と語った。

「加盟国または友好諸国から誰かが制裁リストに加えられるよう提案されるかどうかを先回りしたり推測したりするのは我々の責任ではない」とスタノ氏は述べた。

ニューズウィーク紙は先に、欧州議会の現職および元議員数人がカールソン氏のEU域内入りを禁止されるべきだと述べた、と伝えていた。

2024 年 2 月 8 日
21:53 GMT


カールソン氏はこれまでにハンガリーのヴィクトル・オルバン首相やエルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領など数人の国家元首と面談した。

2021年と2023年のオルバン首相との対談は、一部の米メディアからハンガリー首相の「PR」だと批判された。カールソン氏は、主流報道機関は反対意見に敵対的だと述べた。

21:40 GMT

国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、プーチン大統領との会見で米国民のウクライナ支持に対する見方が変わることはないと述べた。

カービー氏は記者の質問に答えて、「アメリカ国民が一度のインタビューで動揺するとは思えない」と語った。「覚えておいてください、あなたはウラジーミル・プーチン大統領の話を聞いているのですから、彼の発言を額面通りに受け取るべきではありません。」

21:31 GMT

カールソン氏は、ジョー・バイデン米国大統領と欧州および中東における米国の外交政策を声高に批判している。彼はキエフに対する米国の軍事援助に定期的に疑問を呈しており、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領を批判している。

「ウクライナ大統領はストリップクラブのマネージャーのような格好でホワイトハウスに到着し、金銭を要求し始めた。驚くべきことに、誰も彼を追い出さなかった」とカールソン氏は2022年のFOXニュースの番組で語った。

21:21 GMT

ニュースウェブサイト「フェマフォー」によると、カールソン氏は木曜日(2月6日)、モスクワでNSAの内部告発者エドワード・スノーデン氏と会談した。スノーデン氏は2013年からロシアに住んでおり、2022年にロシア国民となった。

カールソン氏はまた、ジョー・バイデン大統領を性的暴行で告発した元上院補佐官タラ・リード氏とのインタビューも録音したと伝えられている。バイデン氏は彼女の申し立てを否定した。リード氏は身の安全を理由に、2023年にロシアに移住した。

21:19 GMT

プーチン大統領が外国報道機関との一対一のインタビューに応じることはめったにない。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシア指導者は「完全に一方的な」意見を持ち、「うわべだけの公平性」さえ守ろうとしない西側メディアと「話す気はない」と説明した。

21:08 GMT

このアメリカ人ジャーナリストは、予告なしにモスクワを訪問した際にインタビューを記録した。地元メディアによると、ロシアの首都への旅行中、彼は国際博覧会とボリショイ劇場でのバレエ公演を見学した。
カールソン氏はファストフードレストランや大型小売店でも目撃された。同氏は木曜(2月6日)早朝にモスクワを出発したと伝えられている。

20:29 GMT


タッカー・カールソン氏は、ウラジーミル・プーチン大統領のインタビューは木曜(2月6日)ロシア東部標準時間午後6時(グリニッジ標準時午後11時)に公開される予定だと述べた。このジャーナリストは会話の最初の写真を自身のインスタグラムに投稿した。


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アンサール・アッラー(フーシ派)のムハンマド・アリ・アル・フーシ氏:「私たちは平和を愛する者です」

<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ>
Mohammed Ali al-Houthi of Ansar Allah: “We Are Peace Lovers.”
筆者:アーメッド・アブドゥルカリム(Ahmed Abdulkareem)
出典:Internationalist 360° 2024年2月3日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日



モハメド・アリ・アル・フーシ氏、戦況の激化やイエメン封鎖などの見通しについて語る

 昨年10月7日に本格的に始まり、数万人のパレスチナ人の死亡をもたらしたイスラエルのガザに対する戦争と包囲を受けて、アンサール・アッラー派率いるイエメン軍はイスラエルに対する軍事作戦を宣言した。その目的は、イスラエル当局にガザに対する破壊的な戦争を中止させることである。

 サウジアラビアとアラブ首長国連邦が主導し、米国の支援を受けてイエメン国民に対しておこなわれた10年にわたる戦争によりもたらされた飢餓、ジェノサイド、民間人の強制退去を経験してきたアンサール・アッラーは、イスラエルに対するおそらく最も重要な抵抗運動を指導してきた。ガザ地区での血なまぐさい作戦に対して、同派は紅海とアラビア海でイスラエルが所有、あるいはイスラエル船籍、あるいはイスラエルが運航する船舶を標的にするという大胆かつ前例のない措置を講じた。

 西側諸国ではフーシ派という俗称で知られるアンサール・アッラーは、この行動はガザの悲惨な人道的状況への対応であると宣言し、イスラエルの侵略が止まり次第、イスラエルと関係のある船舶を標的とすることをやめると約束した。この発言は、アンサール・アッラーの指導者たちが作戦開始以来繰り返してきたもので、アンサール・アッラーの著名な構成員であり、イエメンのサヌア政府の重要な意思決定者であるイエメンのフーシ最高革命委員会のモハメド・アリ・アル=フーシ氏が当ミント・プレス・ニュース社に明言した。

アンサール・アッラーの対イスラエル作戦に対抗して、西側諸国、特に米国は、紅海とアデン湾での国際航行の自由を守るという口実のもと、軍艦の大艦隊を配置させた。西側報道機関の多くは、アンサール・アッラーは海賊かイランの支援を受けた民兵組織に過ぎないと軽視していた。西側の人々は、アンサール・アッラーの指導者の視点を検閲がかけられていない状態で聞く機会がほとんどない。このため、ミント・プレス・ニュースのアハメド・アブドゥルカリーム特派員は、アンサール・アッラーのモハメド・アリ・アル・フーシ副司令官と対談し、イエメン、ガザ、中東における最近の事象について対談した。

ミント・プレス・ニュース(以下M): 米国の拠点であるヨルダン国内のタワー22を標的とした攻撃で3人の米国兵が殺害され、30人以上の兵士が負傷したことについて、アンサール・アッラーはどのような立場をとっているのでしょうか?またその事件の前に起こった、米国が溺死だと主張する米海軍特殊部隊2名の溺死事件はいかがでしょうか?彼らの死に関するアンサール・アッラーの公式見解は何ですか?


モハメド・アリ・アル・フーシ氏:この攻撃は、米国がおこなった敵対的行動に対する自然な反応であると我々は考えています。これは間違った政策を取っている米国に対するアラブ世界からの大きな不満を表すものです。具体的には、ガザ地区でのジェノサイドの実行、イエメンへの侵攻などです。そのせいで、米国兵士や米国の国益を危険に陥れているのです。

米国民が理解しないといけないことは、他を攻撃するものには必ず報復が来る、ということです。アラブのことわざにあるように、「(アラーの神の)ドアをノックする者は誰でも答えを見つけるだろう」です。

質問の後半で言及された2人の兵士についてですが、この事件は米国で起きたものです。私たちは米国の発表を信用しません。しかし、もし米国側の説明が真実なら、おそらく米国側が隠蔽したがっている重大な犯罪があるということでしょう。米国はもっと悪いことを隠すために兵士たちの事件のことを暴露したのです。きちんとした組織である軍隊が同僚の行方を知らないというのは不合理です。この事件には曖昧なところがあります。米国が何を隠しているかを明らかにするには調査が必要です。

M:あなた方は、イエメンで8年以上続いた戦争の影響で苦しんでいますが、それにもかかわらず、あなたがたはガザと連帯して軍事的・政治的に先進的な立場をとってきました。なぜこのような立場をとるのですか?また、「あなたがたの立場はガザとは無関係である」と主張する米国および英国政府の声明に対してどう思いますか?

モハメド・アリ・アル・フーシ氏:第一に、私たちの立場は宗教的かつ人道的なものです。その私たちが途方もない不正義を目の当たりにしているのです。私たちは、ガザの人々に対しておこなわれた虐殺の規模と深刻さを知っています。私たちは、米・サウジアラビア・アラブ首長国連邦連合によるテロに苦しんできました。この連合国が、戦争を開始し、私たちを今も封鎖し続けています。だからこそ私たちは、自分たちが置かれた状況ゆえに、同じ犯罪が繰り返されることを望んでいないのです。私たちは、毎週金曜日に数百万人規模で街頭デモを行うわが国民の要求に応えます。私たちはまた、アラブやイスラム諸国の大衆、そしてパレスチナの同胞を守るよう私たちに求めるすべての自由な人々にも応えます。

国際司法裁判所によってジェノサイドとまで認定されたガザの悲惨な人道的状況を目の当たりにして、何もしないわけにはいきません。ですので、私たちの動きの方向性は以下のようになっています。つまり、被抑圧者に立ちはだかる傲慢な者たちと対決することです。被抑圧者は、イスラエルと米国のせいで、悲惨な状況に置かれ、恐ろしい人間的苦痛に耐えています。この二国は、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への支援を停止することさえしています。今すべきことは、この組織への支援を増やし、パレスチナの人々にパンの供給を続けることのはずなのに、です。

M:西側報道機関は、あなた方による紅海の封鎖が紅海を航行するすべての船舶の航行の自由を脅かしていると伝えています。それは正確なのでしょうか? もしそうでないなら、どの国が問題なくバブ・アル・マンダブ海峡の利用を許されているのか、また、アンサール・アラーはどの船舶が通過でき、どの船舶が阻止されるかをどのように決定しているのかを教えていただきたいです。

モハメド・アリ・アル・フーシ氏:紅海を封鎖しているわけではありませんし、欧米報道機関で宣伝されているような、我々が紅海の国際航行を標的にし、国際貿易を危険にさらしているというのは事実ではありません。紅海の航行は、イスラエルとつながっている船舶を除くすべての船舶にとって安全です。最近まで、私たちが作戦を発表して以来、4874隻の船舶が安全に通過しました。毎日約70隻の船舶がバブ・アル・マンダブ(海峡)を無傷で通過しています。

我々は常に、標的となる船舶は、占領された港に向かう船舶、イスラエル人が所有する船舶、ウンム・アル・ラシャシュ港(エイラート港)に入港する船舶など、「イスラエル」と関係のある船舶のみであることを明言してきました。イエメン軍は、「イスラエル」と関係のないすべての船舶には危害を加えないことを繰り返し明言しています。これは、イエメン軍の海軍作戦に関するすべての発表された声明の中で、軍の公式報道官が繰り返し明言していることです。

私たちは、バブ・アル・マンダブ海峡が閉鎖されることも、紅海が閉鎖されることも望んでいません。このことは、私たちがイスラエル船やパレスチナ占領地へ向かう船を標的にすることに限定していることからも明らかです。もしバブ・アル・マンダブ海峡の閉鎖を望むのであれば、他の手段があったでしょうし、ミサイルを発射するよりも簡単な手段もあったでしょう。

実際、欧米の報道機関で宣伝されているのは、米国の欺瞞の結果です。米国は、この出来事に関する誤った言説を広め、それが国際的な報道機関で支配的になるように躍起になっています。ガザでのジェノサイドを止めず、包囲を解こうとしない悪魔のような国、それが米国であり、英国であるにもかかわらず、です。米・英は紅海を軍事化し、イエメンに対する戦争の激化と侵略を続けています。

イスラエルに向かう船がどのように識別されるかについては、イエメン国防省からの正確な情報に基づいています。イスラエルにつながる船であれば、紅海とバブ・アル・マンダブ海峡を通過してはならないと警告されます。警告を拒否した場合(警告を発表し、明確にし、停船して戻るように合図を送った後)、その船は標的にされます。私たちが信頼している軍のデータによれば、イスラエルの港に向かっていない船が標的にされたことはありません。そして、米国も英国も、我々がこう言っていることが間違っていると証明できていません。

M:バブ・アル・マンダブ海峡、紅海全般、アラビア海、アデン湾を通過する際に、船舶が危険を回避するための通信手段はありますか?

モハメド・アリ・アル・フーシ氏:海軍はこのことを明言しており、(公的な)声明の中で、通信が可能な16番チャンネルがあることを常に繰り返し伝えています。海運会社には(私たちは直接各社に伝えていますが)、簡単な解決策があることを伝えています。「我々はイスラエルとは関係がない」とさえ書くだけで、安全に通過できるのです。また、デジタル・セレクティブ・コーリング(Digital Selective Calling)の使用も奨励しています。[デジタル・セレクティブ・コーリングは、遭難信号を送信するために海上通信で使用されている技術です。 海上無線のデジタル「呼び出しボタン」のような機能です]。

M: 欧米諸国は、紅海での活動は国際航海の安全と治安維持のためだと言っています。 これに対してどう思われますか?

モハメド・アリ・アル・フーシ氏:イスラエル船を守るために「繁栄同盟」と呼ぶ同盟を結んで国際航行を危険にさらしているのは米国であり、この同盟のより適切な名称は「破壊同盟、紅海の軍事化、紛争の拡大」というものでしょう。

米国による警告、度重なる報道機関を使ったテロ、船舶へのメッセージや呼びかけは、わが国への軍事攻撃に加えて、世界の航行と貿易に害を及ぼす行為です。

ホワイトハウスは、バブ・アル・マンダブ海峡を通過するのは危険だという嘘話を流し、世界を欺こうとしています。イスラエルとは何のつながりもない国際的な船会社に、紅海を通らないよう圧力をかけています。この行為は、イエメン側に対する不満を煽り、犯罪者(ベンヤミン)ネタニヤフに奉仕するために行われています。我々は米国側に、このような行為を止め、侵略を止め、ガザの人々に対する包囲を解くという最善の解決策に目を向けるよう求めます。イエメン軍は、米英軍の我が国に対する侵略と攻撃に呼応する以外、米英軍の艦船を標的にしたことはありません。それに先立ち、革命の指導者[アンサール・アラーの指導者アブドゥル=マリク・アル=フーシ]は、イエメンに関与しないよう警告していました。

M:アンサール・アッラーに対する米英軍の空爆の本質は何なのでしょうか。 本当に被害をもたらしているのでしょうか?実際に何を標的にしているのでしょうか?これらの攻撃でイエメンの民間人が死亡したことはありますか?

モハメド・アリ・アル・フーシ氏:第一に、米英のイエメンに対する侵略は何も新しいことではありません。この2カ国は2015年以来、イエメン共和国に対する侵略を実行してきました。それと同じ行動です。私たちは米国が戦争を激化させることを恐れていません。もし両国が陸路での侵攻を決断すれば、ベトナム、アフガニスタン、イラクで直面したものよりもさらに厳しい試練に直面することになるでしょう。

イエメンの人々は自由を愛し、戦士であり、武装しています。軍隊は十分に準備されており、イエメン人はこの地域で、米国に戦略的敗北を与えることのできる多くの選択肢を持っています。

米英軍の空襲は、サヌア、サーダ、ホデイダ、ハジャ、ダマルなどの人口密集都市を標的にしました。それ以前には、紅海で我々の巡視艇を標的にし、多くの海軍兵士が殉教しました。米・英による攻撃は何の効果もなく、その影響力について言われていたことは根拠のない幻想であり、失敗でした。全能のアラーのおかげです。

米国と英国は、海上での攻撃や空爆を通じて、パレスチナでのジェノサイドの継続や、我が敵国イスラエルによる市民殺害という犯罪を止めることなく擁護しています。

一方、イエメン共和国における私たちの立場は、人道を擁護するものです。私たちの作戦は、ジェノサイドを阻止し、殺戮を止めるために実施されます。私たちの選択は人道の選択であり、私たちが犠牲を払う正しい選択です。米国は、我が指導者(アンサール・アッラーの指導者アブドゥル=マリク・アル=フーシ)の警告を真剣に受け止めなければなりません。

M:米国と英国の政界では、イエメンに対する戦争を激化させ、場合によっては地上侵攻を行うという話も出ています。これに対するアンサール・アッラーの反応と、米英が戦況を激化した場合のアンサール・アッラーの軍事作戦拡大計画について教えてください。

モハメド・アリ・アル・フーシ氏:地上戦はイエメンの人々が望んでいることです。というのも、9年以上にわたって自分たちを苦しめてきた者たちと対峙することになり、復讐の機会となるからです。革命の指導者[アンサール・アッラーの指導者、アブドゥル=マリク・アル=フーシ]が言ったように、「米国側に知って欲しい事実は、もし米国がイエメンに兵士を送れば、米国はアフガニスタンで直面したもの、ベトナムで苦しんだものよりも過酷なものに直面するだろう、ということだ。われわれには敵に立ち向かい、揺るぎない強さがある。われわれの国民は、大規模な侵略に直面して9年間耐えてきた」のです。

M:バイデン政権がアンサール・アッラーをテロ組織として分類したことについて、あなたはどのように考えていますか? この決定はあなた方にとって何かしらの影響がありますか?

モハメド・アリ・アル・フーシ氏:私たちがガザを支援しているという理由で私たちをテロリストに指定することは、名誉であり誇りです。また、政治的であり、不道徳であり、何の正当性もないことです。米国の動きは私たちには影響しません。私たちは米国の領土に入ることはありません。また、海外に会社や銀行口座を持っているわけでもありません。米国は、この指定が私たちの人道的、倫理的な展開や決定に影響を与えないことは承知の上です。解決策は、ガザへの侵略を止め、食料や医薬品の持ち込みを許可することにあるのですから。

M:欧米諸国はアンサール・アッラーのことをフーシ派と呼んでいます。「フーシ」と「アンサール・アッラー」の根本的な違いは何だとお考えですか?

モハメド・アリ・アル・フーシ氏:私たちの指導者が定義するアンサール・アッラーは、一部の人々が宣伝するような組織、政党、団体ではありません。枠にはめられたり、構造化されたりする組織ではないのです。殉教者の指導者であるサイイド・フセイン・バドレディン・アル=フーシ[アンサール・アッラーの創設者]が組織の結成に着手したときでさえ、彼は、多くの組織や団体、政党が行おこなうような、国際的に知られた手続き(登録所や会員証の付与など)に従って部隊を結成したわけではありません。そうではなく、さまざまな政治的志向、所属、社会的区分の大衆が、この取り組みに含まれる立場の枠組みの中で動くという取り組みを提示したのです。つまり、私たちは広範な大衆運動だと言えます。

私たちの組織の名称であるアンサール・アッラーはコーランから取られたもので、全知全能の神アッラーより与えられた使命を、聖コーランに書かれた方法に則った実用的な対応をあらわす言葉です。私たちはアラーのために支えなければならない国の問題を背負って、アンサール・アラーになろうと常に努力しています。

「フーシ」という名称は、私たち自身をあらわす名称ではありません。私たちはフーシと呼ばれることを拒否しています。それは私たちの名前ではありません。この名称は、敵が私たちにつけたもので、その目的は、私たちの取り組みに賛同するイエメン社会に属する大衆に濡れ衣を着せることにあります。現実には、こうした試みは失敗しています。我が国の国民は、この呼称やその他の否定的な喧伝の影響を受けていません。私たちの指導者は直近の演説のひとつで、このことに言及していました。

M:西側諸国はアンサール・アッラーをイランの手先と非難しています。西側報道機関は最近、米国が中国に対し、アンサール・アッラーの紅海封鎖を止めるようイランに圧力をかけるよう要請した、と報じました。 この問題の真相と、アンサール・アッラーとイランの関係はどうなのでしょうか?

モハメド・アリ・アル=フーシ:先週木曜日(1月25日)の演説で、[アンサール・アッラーの指導者アブドゥル=マリク・アル=フーシは]米英の攻撃は失敗であり、[われわれには]何の影響もなく、われわれの軍事力を制限することはない、と明言しました。 私たちの指導者は、「米国がパレスチナ支援活動を停止するよう我々を説得するために中国に援助を要請しようとしているのは、この先失敗する兆候の一つである」と考えています。

また指導者は、「中国は米国に従わないことが自分たちの利益になるとわかっているので、米国のために自分たちを巻き込むことはしないだろう。中国は米国による敵対政策を承知している。台湾問題を通して、米国が画策している陰謀の大きさをよく知っている」とも指摘しました。

告発者は自分が言ったことを証明しなければなりませんが、私たちは米国の主張が幻想である、とはっきり言います。私たちの決断は私たち自身の手に委ねられており、米国とイスラエルはそのことを知っています。両国がイランを非難するのは、彼らの勝手です。イランは主権国家です。私たちは敵の言葉にわざわざ反応することを好みません。私たちは正しい立場を取っているのですから、敵の言葉など気にしません。

M:アンサール・アッラーとサウジアラビア主導の連合との間で停戦が成立し、現在、オマーンの仲介を通じて交渉が行なわれています。イエメンに平和を取り戻そうという動きは、あなた方による紅海での活動を停止させる圧力として利用されたのですか? 和平への道筋とイエメンでの戦争の当事者間の合意を妨害しているのは誰ですか?

モハメド・アリ・アル=フーシ:まず確認しておきたいのは、この動きは、停戦ではなく、戦闘の緩和である、という点です。イエメン共和国の恒久的な平和を達成し、包囲網を解除するために政治的な活動が継続されることを望んでいます。

2つ目にお伝えしたいことは、私たちは米国から、間接的な伝言や脅迫を受けていることです。具体的には、内部戦闘戦線の開設や戦線の移動、和平の妨害、援助の停止などの行為です。そしてそのような行為をおこなっている理由は、イエメン国民がパレスチナの人々を壊滅させることを許していないからです。

私たちは平和を愛する者です。イエメン共和国を建設したいのです。その地での平和を望んでいます。だから、紅海での私たちの活動は、パレスチナの兄弟のための平和の探求という枠組みの中にあるものなのです。

しかし、9年間もイエメンの和平を妨げてきたのは誰なのでしょう? それを妨害しようと脅したのは米国ではなかったのでしょうか? それは、私がさきほど述べさせてもらったとおりです。

私たちは(イエメンの)包括的な解決策についての視座を提示し、それを報道機関に発表し、国連に届けました。

最近、(すべての当事者が)合意した内容について(発表された)論文に対して、妨害を加えようとする勢力が存在しましたが、それが米国でした。米国当局はこれまでの交渉でもそうしてきたのと同じように、今もまさに和平を妨害しています。

彼ら(米国)はパレスチナで和平を口にしながら、拒否権を行使して戦争の終結を妨げています。イエメンでは、平和について語りながら、同時にイエメン共和国の人々に対して(軍事)作戦を開始しています。

M:アンサール・アッラーと米国との間に直接交渉の経路はあるのでしょうか? この地域での戦況の激化を抑えるために、今後どのような交渉が行なわれるのでしょうか?

モハメド・アリ・アル=フーシ:私たちはまだ米国と直接交渉していません。直接交渉を求められたことはありますが、私たちは拒否してきました。それは、私たちは米国を犯罪と虐殺を継続するためにあらゆることを行なうテロリストの犯罪者とみなしているからです。もし米国が私たちとの対話を望むのであれば、オマーンにいる私たちの兄弟と、そこにいる私たちの交渉団を通じてでなければなりません。これが対話の唯一の方法です。

M:アンサール・アッラーは、封鎖の理由はガザの人々と連帯し、支援するためだと何度も述べています。 アンサール・アッラーがイスラエルの利益に対する封鎖や攻撃を停止するために、イスラエルは何をしなければならないのでしょうか?

モハメド・アリ・アル=フーシ:--私たちがこれまで紅海での作戦行動に訴えたことがないことをきっとご存知のことと思います。主に米国の支援を受けた大規模な戦争にさらされていた時にさえ、です。それでもいま、このような攻撃を行なっているのは、ガザでのジェノサイドを止めるためです。医薬品や食料がガザに入り、侵略が止まり次第、私たちの軍事行動は直ちに停止します。この崇高な人道的目標が達成されるまで、武装した空・海・陸軍は、イスラエル、米国、英国の艦船を標的にし続けるでしょう。この方程式の解法は簡単です。食糧と医薬品をガザの人々に届けさせれば、侵略は停止します。

M:米英両国は、紅海で行なっていることは自衛であり、国際航行を守るためだと繰り返し述べています。 これらの声明についてどう思われますか?

モハメド・アリ・アル=フーシ:真実は、米国当局と英国当局が、自分たちの土地から何千マイルも離れた人々を爆撃しているというところにあります。国連加盟国である独立国に対して、正当性も合法性も法的根拠もない侵略を行なっているのです。イスラエルという(我々の)敵を守るためだけに、イエメンへの侵略を行なっているのです。米・英が防衛態勢を取っていないことは、確かであり、はっきりと目に見える事実です。自分たちの船がフロリダ沖やロンドン沖で攻撃されたとしても、米・英は同じ主張をしていたでしょう。

加えて、米・英の侵略行為にはなんの道理も人道的正当性もありません。イスラエルがパレスチナでさらなるジェノサイドを行ない、市民を殺し続けることができるように、犯罪者を擁護するためにやってきたのですから。

米英両国の政権は、紅海、アデン湾、アラビア海における国際航行の安全など気にかけていないことを、米英両国民は知るべきです。米・英当局が気にかけているのはネタニヤフ首相のことだけであり、自国民の利益や兵士の命を犠牲にしてでも、ガザの人々に対するジェノサイドを続けるよう促しているのですから。

私たちが米・英に言いたいことは以下のとおりです: あなた方はこの地域に火をつけに来た者たちであり、各国船舶の航行を脅かすために動いている者たちであり、紅海やアラビア海、アデン湾に危険やテロを持ち込んでいる者たちです。このような行為をやめ、元の場所に戻りなさい。紅海は米国のものでも英国のものでもありません。米国の政策が敵対的であることは明らかです。東シナ海で野心を抱き、紅海でも野心を抱き、北極圏でもロシアと競合している国なのですから。

アーメッド・アブドゥルカリム(Ahmed Abdulkareem)氏。サヌアを拠点とするイエメン人ジャーナリスト。 ミント・プレス・ニュースやイエメンの地元報道機関でイエメンの戦争を取材している。
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タッカー・カールソン氏にはロシアの保護は必要ない – クレムリン

<記事原文 寺島先生推薦>
Tucker Carlson doesn’t need Russian protection – Kremlin
ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は、この米国人ジャーナリストは自分の身の回りのことは完璧にこなせると発言。
出典:RT 2024年2月8日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日


米国ジャーナリストのタッカー・カールソン氏© AFP / Joe Raedle

ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は木曜日(2月8日)、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とのインタビューを録音した後で・米国ジャーナリストのタッカー・カールソン氏がロシア政府から保護を受けることは必要ない、と述べた。

カールソン氏が今週初めにプーチン大統領との会談のためモスクワを訪問したことは西側報道機関からの批判を引き起こしており、一部の政治家はこの元FOXニュース司会者に制裁を科すよう求めている。

「カールソン氏は我が国からの保護が必要でしょうか?私はそうは思いません。カールソン氏は自力で何とかできる力をお持ちだと思います」とペスコフ報道官は記者団に語った。

「米国からは完全に非常識な声も上がっていますが、理性のある声もあがっています」と同大統領報道官は付け加えた。

カールソン氏のプーチン大統領とのインタビューは、米国だけでなくロシアでも「途方もない興味」を引き起こしたとペスコフ氏は認め、この関心は「常軌を逸している場合もあります」と付け加えた。

しかし、同報道官はインタビューの重要性を認め、「この件は何日も読まれ、議論されることになるでしょう」という予想を示した。

ペスコフ報道官は、プーチン大統領とのあらゆる会見について、「特に外国の代表との会見は非常に重要な催しです。世界中のできるだけ多くの人々がロシアの国家指導者の考え方や視点を知ることが我が国にとって重要ですので」と付け加えた。


関連記事:EU rules out Tucker Carlson sanctions – TASS

カールソン氏は以前、ロシアの指導者と話したい理由を説明し、西側報道機関が視聴者に「嘘をついており」、ウクライナ紛争の報道が偏っている、と非難した。「おかしな話です。米国民には、自分たちが巻き込まれた戦争について、できる限りのことを知る権利があります」というのが同氏の主張だった。

いっぽう、ヒラリー・クリントン元米国務長官は、カールソン氏を「ウクライナに関するウラジーミル・プーチン大統領の一連の嘘をオウム返しにする」、「便利な愚か者」であると決め付けた。 CNNは、この元FOXニュース司会者がプーチン大統領にインタビューすることで「ロシアの権威主義者の命令に従った」と非難した。

ロナルド・レーガン政権の構成員であったビル・クリストル氏は、カールソン氏を「裏切り者」とまで呼び、モスクワ訪問の全容が明らかになるまでカールソン氏の再入国を禁止するよう米当局に求めていた。

ニューズ・ウィーク紙は数人の現職および元EU議員の話として、EUはカールソン氏のロシア訪問を理由に同氏のEU域内への入国を禁止する可能性がある、と報じたが、その主張は後にEU当局によって誤りであることが暴かれた。欧州委員会のピーター・スタノ外交・安全保障政策担当報道官は、「現在、モスクワにいる当該米国人についてEU関連機関での議論は行なわれていません」と述べた。

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カールソン氏とプーチン氏のインタビューは木曜(2月8日)ロシア東部標準時間午後6時に放送される予定だ。ペスコフ報道官によると、金曜日(2月9日)の朝にはクレムリンのウェブサイトでも公開される予定だという。
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ネオナチが最前線で虐殺されないように守っていたウクライナ最高司令官 – 元CIA分析官

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine’s top general sparing neo-Nazis from frontline slaughter ex-CIA analyst
ヴァレリー・ザルジニー最高司令官、はウラジーミル・ゼレンスキー大統領との対立で急進的国家主義者の味方を見つけるかもしれない、とラリー・ジョンソン元CIA分析官は語る
出典:RT 2024年2月6日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日


ヴァレリー・ザルジニー将軍を描いた落書き。© Andriy Andriyenko / SOPA Images / LightRocket (Getty Images)

ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は、最高司令官であるヴァレリー・ザルジニー将軍を解任しようとしていると報じられているが、ザルジニー将軍が武装したネオナチの支援を受けていることを考えれば、国の最高軍事司令官よりもゼレンスキー大統領の方が先に職を失うことになるかもしれない、とラリー・ジョンソン元CIA分析官は主張している。

ゼレンスキー大統領がザルジニー将軍を解任しようとして失敗したとの報道が広まる中、ウクライナや外国の報道機関は2人の緊迫した会談の様子を伝え、将軍は自発的な辞任要求を拒否し、大統領は軍上層部からの圧力で解任をためらった、と報じた。 ゼレンスキー大統領はそれ以来、軍司令部の大改革が間近に迫っていると報道陣に語っている。

日曜日(2月4日)、ブラジルを拠点にYouTubeチャンネル『Dialogue Works』のホストを務めるニマ・アルコーシド氏との対談で、ジョンソン氏は「何十万人ものウクライナ人が死んだり傷ついたりしていなかったのであれば」、この続き物のメロドラマは愉快なものになっただろうに、と主張した。


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「銃を持った奴が勝つのが通常ですか、最後に確認したところ、ザルジニー将軍はゼレンスキー大統領よりも多くの銃を持っていました」とジョンソン氏は語った。

さらに同氏は、2人を比較して、この将軍を「偉大な人物」と見るべきではない、と述べた。

「私はザルジニー将軍をある種の軍事的天才や本当に善良な人物として紹介したくはありません」とこの専門家は述べた。ジョンソン氏は、同将軍は「ネオナチ思想を信奉するちょっとしたクズ野郎」だと主張した。

「ザルジニー将軍は、最もネオナチ思想に動かされた軍隊、つまりアゾフ部隊とクラーケン部隊を、殺されることになる前線に投入しないように細心の注意を払ってきました。その理由はこの勢力を維持したいからです。これらの部隊の代わりに、将軍は大砲の餌食となる一般の兵士たちを送り込んでいます。」

ザルジニー将軍がウクライナ極右の過激な国家主義思想を共有しているかどうかを、同将軍の公式声明から判断するのは難しいが、同将軍はこれらの組織でかなりの支持を得ている、と考えられている。


ウクライナ軍指導者で民族主義右派セクター組織の著名な構成員であるアンドレイ・ステンピツキー氏が金曜日(2月2日)にソーシャルメディアに投稿した写真には、ザルジニー将軍に名誉身分証明書を与え、同将軍がシュテンピツキー旅団の最初の団員であることを証明する写真が掲載されていた。画像の背景には、ウクライナ民族主義指導者でナチスの協力者であるステパン・バンデラの肖像画があった。

ゼレンスキー大統領は東部の反政府勢力やロシアとの和解を綱領に掲げて2019年に大統領に選出されたが、極右による暴力の脅威を受けて大統領府はその公約を実現しようとする初期の試みから撤退した。
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ヌーランド米国務次官、ゼレンスキー大統領に最高司令官を解任しないよう指示– タイムズ紙

<記事原文 寺島先生推薦>
Nuland told Zelensky not to fire top general – The Times
この悪名高いネオコンがワレリー・ザルジニーの職を救おうとしたとの報道
出典:RT 2024年2月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日


2024年1月31日、キエフの聖ミカエル大聖堂の外にいるビクトリア・ヌーランド国務次官© Sergei SUPINSKY / AFP

米国のビクトリア・ヌーランド国務次官は、ワレリー・ザルジニー将軍解任というウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領の計画に不満を持ち、両者の意見の相違を「滑らかにする」と申し出た、と金曜日(2月9日)のタイムズ紙が報じた。

ゼレンスキー大統領は木曜日(2月8日)、ウクライナのザルジニー軍最高司令官を解任した。ザルジニー最高司令官の解任が近いという噂を伝える声が大きくなり始めた1月末、ヌーランド国務次官はキエフを訪れていた。

ブリジット・ブリンク駐キエフ米国大使、ルステム・ウメロフウクライナ国防大臣との会談で、同国務次官は大統領と軍最高指導者との間の溝を埋める手助けをすると申し出た、とされる。

タイムズ紙はこの会談に詳しい情報筋の話として、ヌーランド国務次官が「ザルジニー軍最高司令官の退任を残念に思っており」、「誤解を解く」と申し出た、と報じた。

この報道によると、ウメロフ国防大臣はヌーランド国務次官に対し、ザルジニー最高司令官がゼレンスキー大統領の公式声明や直接命令に「懐疑的な反応を示し」、いっぽうゼレンスキー大統領は、国防省の背後で武器供与について西側諸国と直接交渉することまでし始めた、と語った。

ゼレンスキー大統領は、ザルジニー最高司令官が2024年の軍事作戦について何の計画も提示しないことに不満を抱いていた、とウメロフ国防大臣はヌーランド国務次官に語ったと言われている。


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ウィーンでの軍事安全保障・軍備管理協議に出席していたロシアのコンスタンチン・ガブリロフ首席代表は、タイムズ紙の報道が出るずっと前に、ザルジニー最高司令官に関する件がヌーランド国務次官訪問の理由であると特定していた。

「ヌーランド国務次官がキエフ入りしたのには正当な理由がありました。それは、何とか事態を整理してゼレンスキー大統領とザルジニー最高司令官の間の対立を解決し、実際に何が起こっているのか、そしてすべてがどのように終わるのかを知ることでした」とガブリロフ首席代表は2月1日、ロシア24テレビチャンネルで語った。同代表はまた、二人の間の状況が「行き過ぎている」ため、和解は「ありそうもない」と予想していた。

公式には、米国はザルジニー氏の後任を支持も反対もしていない。ヌーランド国務次官の訪問から数日以内に、ジェイク・サリバン国家安全保障問題担当補佐官は米国の報道機関に対し、「我が国はその特定の決定に巻き込まれるつもりはない」と語った。

現在、アントニー・ブリンケン米国務長官の次官を務めるヌーランド国務次官は、以前は国務省で欧州・ユーラシア問題を担当していた。2013年12月に同国務次官はウクライナを訪れ、キエフの中央広場で武装デモ参加者にペストリーを配った。その後、選挙で選ばれたウクライナ政府を打倒し、クリミアとドンバスを巡るロシアとの紛争を引き起こした2014年2月のクーデターの数日前に、同国務次官が「その手助けをする」方法について話し合っている様子が録音されていた。
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ウクライナの新しい最高司令官の両親はロシア在住

<記事原文 寺島先生推薦>
Parents of Ukraine’s new top general live in Russia
アレクサンダー・シレスキーの家族はいまだにロシアのウラジーミル地方在住
出典:RT 2024年2月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日



2022年9月14日、ウクライナのハリコフでのウクライナ大統領ウラジミール・ゼレンスキーとウクライナ地上軍司令官アレクサンドル・シルスキー © Getty Images / Metin AktaÅ / Anadolu Agency / Getty Images

複数のロシア報道機関が、ウクライナの新総司令官アレクサンドル・シルスキーの両親と弟がロシアに住んでいると報じた。

木曜日(2月8日)、ウラジミール・ゼレンスキー大統領は、最高司令官ワレリー・ザルジニー最高司令官の後任にシルスキー新司令官を選出したと発表した。この人事がおこなわれたのは、ウクライナ軍の反転攻勢が失敗し、戦場の状況が悪化して数ヶ月たったあとでおこなわれたものだ。

シルスキー大佐は、ロシアとウクライナがソ連の一部であった時代にロシア西部ウラジーミル地方で生まれた。タス通信が明らかにしたところによると、同大佐の兄弟オレグさんは今もその州都ウラジーミル市内に住んでいるという。

オレグさんは記者団に対し、もう何年も近親者であるシルスキー大佐と話をしていないと語った。「私は彼と連絡を取っていません。彼がどこにいるのかさえ分かりません」とオレグさんはタス通信に語った。「私は彼について何も知りません。彼が(ウクライナに)引っ越してから長い時間が経ちましたので」


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ソーシャルメディア・アカウントによると、シルスキーの両親は、第二次世界大戦におけるロシアの勝利の祝賀会に定期的に出席しており、ネット上ではモスクワ寄りの投稿に「いいね!」を押している。シルスキーの母親が「いいね!」を押したとされる投稿には、ウラジーミル・プーチン大統領の健康を願うメッセージが含まれている。

アレクサンドル・シルスキー新最高司令官はモスクワの陸軍士官学校を卒業し、1991年の独立宣言時にはウクライナで軍務に就いていた。同氏は2010年代のドンバス戦争で活躍した。ゼレンスキー大統領によれば、シルスキー新最高司令官は2022年のロシアに対するキエフ防衛と、同年後半のハリコフ攻防戦で大きな役割を果たしたという。

シルスキー新最高司令官はザルジニー前最高司令官に比べ、比較的控えめな態度を保っている。ザルジニー前最高司令官は内外の報道陣としばしば話をし、紛争についていくつかの随筆を書いていた。
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カリフォルニア州、異性間の結婚を禁止する最初の州に

<記事原文 寺島先生推薦>
California Becomes First State To Ban Heterosexual Marriage
出典:BabylonBee 2024年1月30日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月10日


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 カリフォルニア州サクラメント市―画期的な法律によって、カリフォルニア州は異性間の結婚を禁止する全米初の州となった。

 男女が聖なる婚姻で結ばれることを事実上違法とするこの歴史的な法律は、婚姻を男女以外の者同士の結びつきと定義する。

 ギャビン・ニューサム知事は、禁止令を祝う声明の中で、「今日は永遠に記憶される日になるでしょう。抑圧的な正常さの最後の名残が消え、私たちは皆、サタンが意図したとおりにゲイになれるのです」。
訳注:知事は「異性間以外の恋愛志向をもつ人々は悪魔に誑かされている」という考えを揶揄してこう発言した。

 この法律は、まだカリフォルニアに住んでいるすべての人たちによって祝福をもって迎えられました。つまり、カリフォルニア州の人々はみな、ゲイであったということだろう。

 批評家たちは、この新しい禁止令はあからさまな差別であると非難した。ニューサム知事はすぐにこの批判を否定した。「まったく違います。 異性愛は、白人の植民地支配者たちが、同性愛者としての自然な状態から人々を強制的に追い出すために考え出したものです。我が国の名門大学に進学した人なら、誰でもそのことを知っているはずです」と。

 この記事が出された時点で、カリフォルニア州議員たちは、新たな法律の成立を目指していると報じられていた。それは子どもたちを異性愛者の親から引き離し、50歳のドラァグ・クイーン*のもとで生活させるという法律だ。
*自らの性的指向要求を満たすために女装している人々のこと。

 現在、保守派の政治評論家ベン・シャピーロ氏が出したラップ曲が、オンライン上を席巻しているが、実はこの曲にはあともう2連、削除された歌詞があることをご存知だったろうか?


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ロシア当局、カールソン氏がプーチン大統領に取材したことを明言

<記事原文 寺島先生推薦>
Kremlin confirms Carlson has interviewed Putin
映像は放送準備中であると、ドミトリー・ペスコフ報道官は記者団に語った
出典:RT 2024年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月9日


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FILE PHOTO. © Getty Images / Hans Neleman

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は火曜日(2月6日)に米国人ジャーナリストのタッカー・カールソン氏と会談し、取材に応じたと、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は水曜日(2月7日)の毎日おこなわれている報道機関向け記者会見で語った。その数時間前、カールソン氏は、その映像をまもなく公開することを発表していた。

 ペスコフ報道官は、いつ人々がこのインタビューを見ることができるようになるかについては明言を避け、その内容についても言及しなかった。同報道官の指摘によると、このウクライナ紛争に対して、米国市民であるカールソン氏は親露でも親ウクライナでもない立場であり、その点が、このインタビューで焦点を当てられているところだ、とのことだった。

 同報道官の指摘によると、カールソン氏の立場は、西側報道機関において支配的な立場とは対照的であり、それが、ロシア当局が同氏の要求を認めた理由だ、とのことだった。ただしペスコフ報道官は、カールソン氏の主張の誤りも指摘した。それは、同氏が「西側報道機関は、ロシアの指導者とのインタビューを求めていない」とした点だ。

 西側の主流報道機関は、ウクライナについて「一見中立に見える見解さえ」主張できず、「すべてが一方的な立場をとっている」とペスコフ報道官は説明した。同報道官によると、ロシア側は西側報道機関と意思疎通する気は「全くない」し、西側報道機関から何か良い話が生みだされることについては懐疑的である、とのことだ。

 先日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「事情に詳しい関係者」からの話として、カールソン氏は木曜日(2月8日)にその動画を発表する可能性が高い、と報じた。

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 カールソン氏は、プーチン氏との会談を自身の動画配信プラットフォーム上で編集なしかつ無料で公開することを公約していた。同氏は、「米国民にとってロシア大統領の発言を聞くことは、重要である。というのも、米国民にとって、ウクライナの行き詰まりにより生じる利害問題は非常に高いからだ」としていた。

 同報道官は、他の欧米報道機関が、ロシア側の立場を人々に知らせる適切な仕事をしておらず、いったいなぜ米国とその同盟諸国が、ウクライナ支援に納税者の金を使っているのかについて、国民を誤解させている、と主張した。X(旧ツイッター)の所有者であるイーロン・マスク氏は、そのインタビューがプラットフォーム上で抑制されないことをカールソン氏に約束した、とペスコフ報道官は付け加えた。

 批評家たちは、カールソン氏はロシアの考えに同情的だと主張している。親ウクライナ派の元米下院議員アダム・キンジンガー氏は、Xの投稿で、カールソン氏に「裏切り者」の烙印を押し、カールソン氏がプーチン氏に雇われているかどうかを問う模擬世論調査を開始した。

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 カールソン氏が自身の計画を明言する前でさえ、ネオコンの作家ビル・クリストル氏は、「我が国の代表者が、何が起きているのかを理解できるまで」カールソン氏の帰国を阻止するよう当局に促していた。

 西側諸国の政府は彼を「何としても検閲しようとするだろう」と予測したが、その理由は「西側諸国政府は自分たちで管理できない情報が流れることを恐れている」ためだ、とした。
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マスク氏、タッカー・カールソン氏への逮捕要求に反応

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Musk responds to calls for Tucker Carlson’s arrest
ウラジーミル・プーチン大統領を取材したジャーナリストを拘留するよう要求する者は誰でも逮捕されるべきだ、とこの億万長者は主張
出典:RT 2024年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月9日


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クラクフ(ポーランド)におけるイーロン・マスク氏。 © オマール・マルケス / Getty Images

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にインタビューする計画をめぐって米国人ジャーナリストのタッカー・カールソン氏の逮捕を求める人は誰でも拘留されるべきである、と億万長者のイーロン・マスク氏は提案した。

 カールソン氏は先週末モスクワに到着したが、自身の訪ロの意図は、ウクライナ紛争やロシア当局と西側諸国間の緊張がより高まっていることに関するロシアの立場を、米国民に示すためだ、とした。フォックス・ニュースの元司会者である同氏は、主流報道機関が政治的な理由で全体像を提供できていないと非難し、計画されているプーチン大統領との間のインタビュー動画のX(旧ツイッター)上での配信をマスク氏が抑制しないと約束してくれた、と述べた。

 カールソン氏がロシアを訪問したことにより、同氏が帰国後、米国でどのような処遇を受けるかについての憶測が飛び交っている。マレーシアを拠点とする保守派ブロガー、イアン・マイルズ・チョン氏は、カールソン氏が「次のジュリアン・アサンジ氏になるかもしれない」と示唆し、「政治家と既成報道機関の陰謀家たち」がカールソン氏の逮捕を求めていると指摘した。

 「逮捕を呼びかける者を逮捕せよ!」マスク氏はX上の投稿でこの状況に応えた。

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 ウィキリークスの創始者アサンジ氏は、現在、英国内の刑務所に収監されており、米国からの身柄引き渡し要求と戦っている。米国政府は、内部告発者チェルシー・マニング氏がイラクとアフガニスタンでの米国軍事作戦に関する機密資料を入手した方法に関連した罪でアサンジ氏を起訴した。

 アサンジ氏の支持者たちは、2012年以来、アサンジ氏が完全な自由を手にできていないのは、米国とその同盟諸国が、汚い秘密を暴露したかどでアサンジ氏を迫害しているからだ、と主張している。アサンジ氏が2019年に投獄されたのは、エクアドルがアサンジ氏の政治的な亡命を取り消したことを受けてのことだった。それまでエクアドルは、アサンジ氏がロンドンのエクアドル大使館に滞在することを許可していたが、その措置の取り消しにより、英国警察に逮捕され、その後、投獄されたのだ。

 米国の著名人の中には、カールソン氏がプーチン大統領に同情を抱いており、同大統領にインタビューすることで「ロシアの喧伝」を広めようとしていると非難する者もいる。カールソン氏のモスクワ訪問の狙いがはっきりする前でさえ、ネオコンの作家ビル・クリストル氏は、米国政府に、「我が国の代表者が、何が起きているのかを理解できるまで」、カールソン氏の帰国を阻止するよう促していた。

 カールソン氏は、ロシアの指導者を好きではないと主張しているが、いま何が大事かを考えると、ウクライナ紛争やロシア側と米国側の間の緊張に関するプーチン大統領の見解を米国民が聞くことが重要だ、と述べた。同氏はまた、米国政府がプーチン大統領へのインタビューを阻止しようとしていると非難したが、ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は、そのようなカールソン氏の主張を「ばかげている」と一蹴した。
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元ウクライナ大統領、ゼレンスキー氏に最高司令官の処遇から「手を引くよう」要請

<記事原文 寺島先生推薦>
‘Back off’ from top general – ex-Ukrainian president to Zelensky
ピョートル・ポロシェンコ元大統領は、ウクライナ当局の「組み直し」は一番上から始めるべきだ、と発言
出典:RT 2024年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月9日


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ピョートル・ポロシェンコ元ウクライナ大統領。© スプートニク/ストリンガー


 ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領はワレリー・ザルジニー将軍に手を出さないでおくべきだとピョートル・ポロシェンコ前大統領が水曜日(2月7日)の議会での激しい演説で述べた。

 ゼレンスキー大統領は先週末、イタリアの報道機関に対し、ウクライナのザルジニー軍最高司令官を解任し、キエフ政権の最高段階の「組み直し」を実施することを検討していると語った。

 ゼレンスキー大統領が「組み直し」を望むなら、まず自分自身から始めてザルジニー司令官は「そのままにして」おくべきだとポロシェンコ氏は最高議会で述べた。同氏が更に要求したのは、同氏が「ヴィクトル・ヤヌコービッチ大統領時代の残党勢力」であると主張する人々を粛清することだった。ヤヌコービッチ政権は、2014年2月に米国支援のクーデターで打倒された政権だ。

 ポロシェンコ前大統領は同年6月に大統領に就任したが、そのときに、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国に対する「懲罰遠征」が拡大された。この2つの地域はクーデター後にウクライナから離脱し、最終的にロシアへの加盟を投票で決めている。

 ポロシェンコ前大統領は2019年の選挙ではドンバス和平を掲げて選挙活動を行なったゼレンスキー現大統領に地滑り的に大敗した。しかし就任後、ゼレンスキー大統領は、完全に方向転換し、ロシアとの対決に向けてNATOの支援を求め始めた。

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関連記事:Zelensky to fire his top general’s deputies – MP

 ウクライナの最高司令官が前線の状況について大統領と意見が対立しており、ゼレンスキー大統領とザルジニー司令官氏の間の緊張はここ数カ月にわたって高まり、状況は日に日に悪化している。ザルジニー司令官の解任が近いという最新の噂では、ザルジニー司令官の功績が「報われて」ウクライナ大使として英国に派遣されるとされ、後任候補としてキリーロ・ブダノフ軍事情報長官とオレクサンドル・シルスキー地上軍司令官の名前が挙がっている。

 ポロシェンコ前大統領はゼレンスキー大統領の人選を批判しながらも、正統なウクライナ正教会(UOC)(同前大統領は「モスクワのもの」と呼んでいる)の禁止を求めた。これは自身が大統領在任中に設立されたウクライナ正教会(OCU)を支援する動きである。

ポロシェンコ前大統領は2014年から2015年にかけてドンバスの反政府勢力から石炭を購入した疑いで、依然として大反逆罪の告発に直面している。同前大統領は、この訴訟は政治的動機に基づくものであり、事実ではないと主張している。同前大統領は現在、定数450の国会で27議席を持つ小規模野党「欧州連帯」の党首を務めている。

 昨年10月に新たな選挙が実施される予定だったが、ロシアとの紛争を理由にゼレンスキー大統領が2022年2月に導入した戒厳令の下で延期されたため、ウクライナ議会は厳密にはその委任期間を過ぎている。
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ガザやイエメン、そしてウクライナは、米国主導の「ルールに基づく世界秩序」に対する死の警鐘だ

<記事原文 寺島先生推薦>
Gaza, Yemen & Ukraine Sound Death Knell for U.S.-Led ‘Rules-Based Global Order’
出典:Strategic Culture  2024年1月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月9日


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世界はもう戻れないところまで来ている。欧米列強のペテンは見事に露呈し、もはやだれも擁護できなくなっている。

西側諸国が過去に持っていたと推測される道徳的権威や優越性がどのようなものであったにせよ、現在ではそのすべてがズタズタになっている。取り返しのつかないほどに、だ。

アメリカとその西側の同盟国の偽善と二枚舌は、長い年月、実際には何世紀にもわたって認識されてきた。それは目新しいことではない。しかし、これまでと違うのは、その偽りの装いが世界にとって如実に明らかになっていることだ。世界の人々の意識は、それにともなって、侮蔑的な見方になっている。

また、欧米の指導者たちには、自分たちの茶番が見透かされており、自分たちの没落は眼前に迫っている、という自覚が否応もなくある。

今週、英国政府の閣僚たちは、消滅しつつある自分たちの権威に対する国民の支持を集める方法として、世界的な脅威について必死に警告を発した。その結果は笑止千万なことにしかなっていない。

今週は他に、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、世界的な混乱の中で国民統合を嘆願する奇妙な全国演説を行なった。マクロン大統領の声は、どうか自分に敬意を払ってほしいと懇願しているかのような情けないものだった。

皮肉なことに、これらの政治的ペテン師が引用する脅威と混乱は、主に西側の無法行為の結果であり、それはガザでのジェノサイドを事実上支持し、ロシアを挑発するためにウクライナのネオナチ政権に容赦なく資金を提供していることからもはっきりしている。何十年もの間、欧米列強はジェノサイドや違法な戦争、そして世界的な破壊行為をしてもその罰から逃れてきた。今の違いは、さまざまな危機が凝集して彼らの悪意と策謀が顕わになってしまったことだ。

ガザでの虐殺は100日を超え、死者は3万人に近づいている。アメリカの国際政治学者であるリチャード・フォークが嘆くように、これほど誰の目にもはっきり見える形で進行したジェノサイドは歴史上ない。しかも、アメリカとヨーロッパの同盟国は、イスラエル政権による衝撃的な犯罪に完全に加担している。

病院はイスラエル軍に砲撃され、衛生兵やジャーナリストは殺害され、飢えた人々は時折やってくる食糧援助トラックに駆け寄る。ユニセフはこれを「子どもたちに対する戦争」と呼んでいる。ガザでは80万人もの人々が飢餓に直面していると報道されているが、傲慢な欧米列強はこの(イスラエルによる)せん滅行為を止めようともせず、非難すらしない。

ジョー・バイデン米大統領やアントニー・ブリンケン国務長官のような西側の政治指導者の自己満足と独善には吐き気がする。米国と欧州連合は、イスラエル政権を何の制約もなしに権限を与え、武器を供給している。

実際、南アフリカが先週、ハーグの国連国際司法裁判所でイスラエルに対するジェノサイドの告発を行なったとき、米英をはじめとするヨーロッパの大国が、その加担をめぐって事実上、被告の席に座ったことは世界的に明らかだった。

ワシントンやロンドン、そしてブリュッセルは、パレスチナの過激派組織ハマスが人間の盾や病院を基地として使用しているというイスラエルの忌まわしい嘘のプロパガンダを使い回す皮肉な言い訳を口実にして、ガザでの停戦を明確に(イスラエルに)要求することはしなかった。

しかし、アラブ地域で最も貧しい国であるイエメンが、ガザ停戦を実行させるためのテコとして紅海航路を封鎖するという道理にかなった行動をとったが、欧米列強はそれを理由に、今度はイエメンを突然空爆した。イエメンの人々は、1948年のジェノサイド条約に基づき、パレスチナ人・ジェノサイドを防ぐために連帯して行動する権利を行使しているのだ。

このため、西側諸国はガザでのイスラエルの犯罪に武器を供与し、容認し、正当化するだけでなく、パレスチナ人を支援するために行動を起こしたイエメンなどの他の国に対して、イエメンを攻撃することで自らの犯罪行為を倍加させている。

紅海の海運危機は、イエメンが主張しているように、ガザに停戦を呼びかければ簡単に回避できる。では、なぜ西側諸国は応じないのか?結論から言えば、彼らはガザでのジェノサイドを止める気がないのだ。イスラエル政権は、地政学的に重要な中東において、アメリカと西側の帝国主義の砦である。1948年のイスラエル発足以来、米英の新植民地主義的詭弁のもとで何十年にもわたって行なわれてきたように、イスラエルは事実上、殺人を犯しても逃げ切ることを実質的に命じられているのだ。

はっきりさせておこう。スコット・リッターが説明しているように、アメリカとその番犬イギリスはイエメンに攻撃を仕掛ける法的権利を持っていない。これらの西側諸国が犯しているのは、3300万人の人口の半分以上が食糧援助に頼っている国に対する犯罪的な侵略行為である。イエメンの困窮は、2015年から2022年にかけて、アメリカやイギリス、そしてフランスが、彼らのお抱えであるサウジアラビアとアラブ首長国連邦とともに、アンサール・アラー(フーシ派)政権を追放するために行なった空爆の直接的な結果である。

米国とその西側の新帝国主義的パートナーの堕落は目に見えている。彼らが主張する道徳的権威は破綻している。これらの大国は無法ならず者国家にすぎず、その威勢のいい「ルールに基づく世界秩序」は、世界の他の地域を略奪するための一方的な蛮行と盗賊行為のための厚かましい隠れ蓑なのだ。

米国のトップ外交官であるブリンケンは今週、毎年恒例の西側エリート・サミットのためにダボスにいた。そのサミットは、いまや見せかけだけのパロディと化している。ブリンケンは、ガザについて、そしてその苦しみがいかに「彼の心を痛める」ものであるかを説いていた。この非人間的なナルシストの話を聞くことは、道徳的な良識と一般的な知性に対する冒涜だ。

彼の英国の交渉相手であるデイビッド・キャメロン卿(原文のママ)もスイスのアルペン・リゾートで国際法と安全保障について議論していた。キャメロンは、ロシアのプーチン大統領をアドルフ・ヒトラー、ロシアをナチス・ドイツになぞらえて、現在の世界情勢は1930年を彷彿とさせると主張した。キャメロンは歴史をひっくり返した。正しい比較対象は欧米列強とナチス・ファシズムだ。

アメリカやイギリス、そしてその他のヨーロッパ諸国は、イエメンを空爆しながらガザでのジェノサイドを煽り、ロマン・シュケビッチやステパン・バンデラのような第二次世界大戦の第三帝国協力者を公然と崇拝するウクライナのネオナチ政権を後押ししている。

ダボス会議の山頂での催しに出席したウクライナの傀儡大統領ウラジーミル・ゼレンスキーは、いつものように、さらに数十億ドルの資金援助と軍事援助を懇願した。アメリカ主導の対ロシア代理戦争は、50万人のウクライナ兵士の死と、2000億ドルにものぼる西側の税金の無駄遣いを引き起こした。ウクライナの年金受給者や、女性、そして障害者は、西側が支援するキエフ政権が助長した虐殺に加わるために、今や通りから引きずり出されている。

ガザやイエメン、そしてウクライナにおける大規模犯罪は、西側の「ルールに基づく秩序」 と切っても切り離せない。同じ根の大義から発する客観的な教訓なのだ。すなわち、米国を頂点とする西欧帝国主義体制である。

世界はもう戻れないところまで来ている。欧米列強の欺瞞は見事に露呈し、もはやだれもそれを擁護できない。欧米の帝国主義的建前は、その本質的な腐敗によって崩壊しつつある。今は危ういときだが、厳然たる真実は、世界を覇権主義と西欧エリート主義権力の体系的暴力から解き放つことができるときでもあるということだ。
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タッカー・カールソン氏、プーチン大統領との面談計画を明らかに

<記事原文 寺島先生推薦>
Tucker Carlson reveals Putin interview plans
米国民がウクライナについて無知なのは、報道機関が嘘をついていたからだ、とX上の番組の司会者カールソンは語った
出典:RT 2024年2月6日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月8日


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© X (Twitter) / @TuckerCarlson


 ウクライナ紛争は世界中の軍事的・経済的な力の均衡を再形成したが、米国の報道機関はウラジミール・ゼレンスキーに媚び、ロシア側との対話を拒否しているため、ほとんどの米国民は何も分かっていない、と元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏が火曜日(2月6日)に語った。

 2023年6月にX(旧Twitter)上に自身の番組を立ち上げたカールソン氏は、モスクワからの短い動画を投稿し、今後おこなわれる予定のロシアのウラジーミル・プーチン大統領とのインタビューの背景となる理由を説明した。

 カールソン氏の主張によると、ほとんどの西側報道機関は「視聴者をだまして」おり、その方法は主に報じるべきことを意図的に報じない、というものだとのことだ。2022年に戦争が始まって以来、プーチン大統領と対話しようとする努力は持たれておらず、米国の報道機関はゼレンスキー大統領へのインタビューを装った「おべっか激励報道」を何度も実施したと同氏は付け加えた。




 「そんなものは報道とは呼べません。政府からの宣伝を垂れ流しているだけです。最も醜い種類の行為です。人を殺すための宣伝行為です」とカールソン氏は語った。

 カールソン氏によると、「誰も真実を話していないため」、英語圏の人々のほとんどは「歴史を変えるような展開」に気づいていないという。

 「おかしなことです。米国民には、自分たちが巻き込まれた戦争についてできる限りのことを知る権利があります」と同氏は付け加え、言論の自由は米国民の天賦の権利であり、誰がホワイトハウスに座ろうとも奪うことはできない、と述べた。カールソン氏は、2021年にプーチン大統領にインタビューしようとした際、米国政府が同氏のメール本文を諜報していたことを視聴者に思い出させた。

 同氏は、X上にあげられている、検閲も受けず、視聴料金も発生しないであろうインタビュー全文を読み、「奴隷ではなく自由な国民として」自分で判断するよう、米国民に促した。

 カールソン氏が初めてモスクワにいることが確認されたのは、土曜日(2月3日)のことだったが、自身の計画については口を閉ざしている。一部の著名な体制評論家らが主張した、米国への帰国禁止や投獄を求める冷静さを失した呼びかけについて問われると、同氏は「狂っている」とはねつけた。

 ロシア当局はプーチン大統領にカールソン氏との会見をさせる計画について肯定も否定もしておらず、記者団に対し、そのような約束はいずれ発表されるだろうと述べた。

 カールソン氏は米国で最も視聴率の高い夜のケーブル番組の司会者だったが、昨年4月、説明もなくフォックス社から解雇された。その後、X上で最も人気のある取材者の1人として戻ってきたが、このプラットフォーム(情報交流環境)は、マスク氏が2022年に買収するまでは、検閲を常時おこなうプラットフォームだった。
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フーシ派は「正しいことをしているから」罰を受けているのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
Are the Houthis Being Punished for 'Doing the Right Thing'?
筆者:マイク・ホイットニー(Mike Whitney)
出典:The Uns Review  2024年1月23日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月8日


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「ジェノサイドを止めようとしない者は人間性を失っている」モハメド・アル・ブカイティ、フーシ派報道官


中東での出来事は制御不能になっている。先週、米国はイエメン本土のフーシ派拠点を7回攻撃し、フーシ派は紅海で商船と米軍艦に対して5回攻撃を開始した。同時に、イランはシリア、イラク、パキスタンの拠点に複数の攻撃を開始し、イスラエルはレバノンとダマスカスの両方の標的を攻撃した。火に油を注ぐ形で、イスラエル国防軍はガザに住むパレスチナ人に対する容赦ない攻撃を続け、新たに多数の死傷者を出している。つまり、中東全域で軍事活動が急激に活発化し、着実に増加しているのだ。これは、私たちがここ数週間見てきた低強度の紛争が、より暴力的で広範囲にわたる予測不可能なものに爆発しようとしていることを示唆している。多くの専門家は、私たちは本格的な地域戦争の瀬戸際にあると信じているが、最近の展開を考慮すると、それは避けられないかもしれない。以下はワシントン・ポストの記事からの抜粋だ。

バイデン政権は、10日間にわたる空爆でフーシ派による海上通商攻撃を阻止できなかったことを受け、イエメンのフーシ派を標的とした継続的な軍事作戦計画を策定している。

当局者らは、この作戦がイラク、アフガニスタン、シリアで過去米国が仕掛けた戦争のように何年にもわたって続くとは予想していないと述べた。同時に彼らは、イエメンの軍事能力がいつ適切に低下するのか、終了日を特定したり、推定したりすることはできないことを認めている…。

これまでのところ、攻撃による被害は米国よりも欧州に大きい。また、フーシ派の作戦により、世界の海運地図は形を変え始めている。一部の企業は、アフリカ南部沖合の喜望峰周辺に船舶の航路を変更することを選択し、BP社やシェル社などの大手石油会社は紅海を通る輸送を停止した。

「何が起こるかを正確に予測することは不可能ですし、この先どんな作戦が取られるのかを予測することももちろん不可能です。このような高度な能力を持つテロ組織が、国際的な要衝を通る海運を実質的に停止させたり、支配したりすることは許されないという原則は、我々が非常に強く感じていることです」と一人目の米当局者は述べた。

米当局者らがさらに懸念しているのは、フーシ派に攻撃をおこなえば、出口戦略がほとんどなく、主要同盟国からの支援も限られたまま、米国を紛争に追い込んでしまうという状況だ。注目すべきことに、米国の最も強力な友好湾岸諸国は、米国の作戦への支持を差し控えている。湾岸地域における米国の重要な同盟国であるカタールの首相は、西側諸国の攻撃では暴力は止まらず、地域の不安定化を招く可能性があると警告した。フーシ派が戦い続けると誓う中、米国は継続的な作戦の準備をしている(ワシントン・ポストより)


ワシントン・ポストの記事には新しい情報はほとんどないが、いくつかの重要な点を明確にするのに役立つ。

①米国は現在、国連安全保障理事会、米国議会、米国民によって承認されていない別の「持続的な軍事作戦」(戦争)に巻き込まれているということ。わが国の国内政治が、国が戦争をするかどうかを大統領だけで決定できるところまで悪化しているのは明らかだ。そして、驚くことではないが、こうした戦争は常に、億万長者の支配者層の利益の促進に繋がっている。これらの億万長者らは、選挙で選ばれた政府の影から政策を操っている。実のところ、戦争を起こす原動力はすべてこれらの億万長者が持っているのだ。

②空爆だけではフーシ派の軍事能力は「低下」しないため、「作戦は何年も続くだろう」。 (だから、アフガニスタンと同様に、この先さらに20年間を擁するとの覚悟が必要)。

③政権がフーシ派との直接対話を避けてきた本当の理由は、「テロ組織が......重要な国際的海路を通る海運を支配することは、単純に容認できない」からだ。これは、米国政府が対等とみなさない相手との交渉を拒否していることを暗黙のうちに認めている現れだ。したがって、フーシ側にとって利用可能な唯一の選択肢は、「攻撃をした後に質問する」ことなのである。

④興味深いことに、ワシントン・ポスト紙は「フーシ派は、出口戦略が乏しく、主要同盟国からの支援も限定的な紛争に米国を突き落とした」と認めている。記者が付け加えるべきだったのは、現在の戦略のすべてがいわゆるパウエル・ドクトリン*に違反しているということだ。 達成可能な明確な目標もなく、危険性と費用も十分に分析されておらず、他の非暴力的な選択肢がすべて出尽くしたわけでもなく、もっともらしい出口戦略もなく、米国民に支持されている行動でもない、米国が広範な国際的支持を得ているわけでもなく、重要な国家安全保障上の利益が脅かされているわけでもない。バイデンの外交政策団は、パウエル・ドクトリンの主要な教訓をすべて無視したのだ。その結果、計画も最終目標も戦略目標もなく、イエメンに戦争を仕掛けるというこの計画は、おそらくここ最近で最も衝動的で思慮の浅い作戦となった。
*<span style="font-size:x-small;">パウエル国務長官がベトナム戦争の経験から説いた武力行使の原則。軍事力の行使は、死活的な国益が脅かされた際の最後の手段であると規定。実行する場合は、目的を明確化し、圧倒的に優位な戦力を投入すべきだとする。(英辞郎)

この計画がうまくいくという保証も全くない。実際、この攻撃により、壮大な反撃が加えられ、もっとずっと大きな危機を招くと考えられる要素がいくらでもある。オンライン・ニュースサイトのレスポンシブル・ステートクラフト(RS)の記事からの以下の抜粋をお読みいただきたい。

ここでの真の脅威は、米国の空爆の継続による戦争の激化であると言えよう。実際にその空爆で人々が亡くなっているのだから。当RSがこのサイトで何度も報じているように、フーシ派は戦闘を強化し、彼らの挑発に対する西側の反応によってさらに勇気づけられている。 ......多くの現実主義者の声は、報復的暴力の負の連鎖に再び陥ることの愚かさを批判している。そうなれば真の軍事的危機に繋がる可能性が生じるからだ。複数の米国軍人が殺害されたことを受けての攻撃だとしても、だ。

米国に拠点を置く政策研究所ディフェンス・プライオリティの上級研究員であるベン・フリードマンは以下のように述べている:「攻撃はうまくいかない。 フーシの能力を十分に低下させることはできないし、海運への攻撃を止めることもできない。明らかに無謀なことをなぜするのか? ちょっと頭を冷やせばわかることだが、効果のない空爆をしなければならないという法などどこにもない。 私たちには、無意味な暴力を用いないという選択肢が常にあるのだ」。 アメリカはイエメンを再び攻撃したが、フーシの攻撃は続いている。(RSの記事)



サウジアラビアによる8年間にわたる執拗な空爆がフーシ派を強化することにしかならなかったという事実があっても、同じことを繰り返そうという米政権の熱意は衰えていない。バイデンは、同じ政策が異なる結果を生むと確信している。しかし、それは「狂気」の定義ではないだろうか? そして、これまで指示されてきた方法が実際に機能した証拠がどこにあるのだろうか: アフガニスタン? イラク? シリア? リビア? ウクライナ? これらは、バイデンに正しい道を歩んでいると確信させる「軍事的勝利」の輝かしい例なのだろうか?

しかし、たとえバイデンのチームが首尾一貫した軍事戦略を持っていたとしても、現在の方策には根本的な問題がある。米国は、ジェノサイド条約を実施しようとしている人々とともに行動すべきであり、敵として扱うべきでない。フーシ派は、ガザにおけるイスラエルの略奪に対して建設的かつ(今のところ)非殺傷的な方策をとっている。この方策は、ジェノサイドの犯罪の防止及び処罰に関する条約第1条に合致している。同条約には次のように明記されている:

締約国は、ジェノサイドが、平時であるか戦時であるかを問わず、国際法上の犯罪であり、その防止と処罰を約束することを確認する。


紅海を通過するイスラエル関連の商業船をフーシ派が封鎖しているのも、「保護する責任」(R2P)の信条に沿ったものである。R2Pは「史上最大の首脳の集まりであった2005年の国連世界サミットにおいて全会一致で採択された」もので、ちなみにこの文書には米国の代表も署名している。以下はその条項からの短い抜粋である:

個々の国家は、自国の住民をジェノサイド、戦争犯罪、民族浄化および人道に対する罪から守る責任を有する。国際社会はまた、国際連合を通じて、憲章第6章および第8章に従い、適切な外交的、人道的その他の平和的手段を用いて、ジェノサイド、戦争犯罪、民族浄化および人道に対する罪から住民の保護を助ける責任を有する。

柱1
すべての国家には、ジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪、民族浄化という4つの集団残虐犯罪から国民を守る責任がある。


柱2
より広範な国際社会は、個々の国家がその責任を果たすことを奨励し、支援する責任がある。

柱3
ある国家が自国民の保護を明らかに怠っている場合、国際社会は、国連憲章に従い、適時かつ断固とした態度で、適切な集団行動をとる用意がなければならない。



R2Pとは何か?「保護する責任のための世界センター」編より

フーシ派がイスラエル行きの船舶を一方的に封鎖することについて、国連安保理の承認を得ていないのは事実だが、それは以前の停戦決議を阻止したように、米国がそのような措置をすべて阻止しているからである。しかし、国際社会が米国の妨害によって基本的な人道規範を実施できないからといって、人々や国家がその義務を免れるわけではない。国連の承認があればそれに越したことはないが、絶対に必要というわけではない。より高い優先順位は、罪のない人々の命を救うことである。フーシ派のモハメッド・アル・ブカイティ報道官が最近ツイッターで発表した声明の要約はこうだ:

虐げられた人々を支援するために行動を起こすことは...道徳性があるかどうかの真の試験紙であり...ジェノサイドという犯罪を止めるために行動を起こさない者は...人間性を失っているということです。

道徳...価値観は...人種や宗教によって変わるものではありません。私たちは、パレスチナ人が受けているような不当な扱いを他の集団が受けていても、宗教や人種に関係なく、支援するために行動を起こします。

イエメン国民は......すべての国と国民の尊厳、安全、安全を保証する公正な平和を達成するために尽力します。
モハメッド・アル・ブカイティ。@M_N_Albukhaiti


フーシ派が普遍的に認められている正義と人道の原則に従って行動していると考えるのは、私たちの考えが甘いのだろうか?フーシ派が理性的で、封鎖とガザでの猛攻撃を同時に終わらせる協定を交渉できる相手だと考えるのは間違っているだろうか?もしそうなら、バイデンはなぜ彼らの港や都市を砲撃する代わりに、外交的手段で対応しないのだろうか?

そして、念のために言っておく:政権とその盟友である報道機関は、フーシ派による商業船への「無差別」攻撃のために紅海の交通量が歴史的な低水準にあるとほのめかし続けている。しかし、それは事実ではない。月曜日(1月22日)、イランのホセイン・アミール=アブドラヒアン外相は(国連を訪問した際に)、紅海の交通量は、イスラエルに関連する船舶の航行が妨げられているという事実を除けば、比較的正常であるという証拠書類を提出した。つまり、西側報道機関は、戦争への突入を加速させるために、米国民に意図的に誤認させているのだ。以下はプレスTV(イラン国営放送)の記事である:

イラン外相は、米・英がイエメンに対する攻撃をおこなった当時、約230隻の商船と石油タンカーが紅海を航行していたことが衛星画像からわかった、と指摘した。

「つまり、占領しているイスラエル政権が運営する港に向かう船だけが阻止されるというイエメン側の指摘を彼ら(米・英)がよく理解していた、ということです」とアミール=アブドラヒアン外相は述べた。さらに、イランはイエメンへの攻撃に対して米国側に厳重に警告した、と同イラン外相は述べた。 (プレスTVより)


イラン外相の発言は、X上で発表されたフーシ派の公式声明でも強調されている:

イエメン海軍は、封鎖とガザ侵攻の停止まで紅海での活動を継続するという立場を堅持しています。その結果、紅海における海上活動や航行は、イスラエルに所属する船舶やイスラエルの港に向かう船舶を除くすべての船舶に対して安全におこなわれています。イスラエルと関係のない船舶については、以下のチャンネル(無線および電子メール)を通じて、航行中ずっとイエメン当局との不断の連絡を維持することが極めて重要です。イエメン軍は、ジェノサイドを防止し、その責任者を処罰することを目的とする国際的な法的原則を厳守して作戦を遂行することに全力を尽くすことを改めて表明します。さらに、紅海およびより広範な地域における、妨げのない交通の流れを促進し、海上安全保障を維持するという立場を強調します。イエメン海軍 の「自国の船舶が標的にされないよう、自国の船舶を特定するために必要なこと」をお読みください。(フーシ派報道官より)


フーシ派が商業船舶を無差別に攻撃しているという考えは、「嗅覚検査」に合格しない。もっとありそうなのは、イスラエルの敵を悪者扱いするために、そんなふうな話に変えられた、という筋書きだ。

最後に、フーシ派が道徳的に優位に立っただけでなく、米国とイスラエルが無謀で偽善的な行動をとり、自国の利益を損なっていると主張するティム・アンダーソンの短い動画の中身を勝手に書き起こさせてもらった。時間を費やして見る価値があると思う:

米国は、フーシ派を外国テロ組織に指定したが、その理由は、イスラエルのジェノサイドを止めようとしているからだという。アンサール・アラー(別名フーシ派)による封鎖の目的は、国連ジェノサイド条約第1条を守ることである。イエメンは国連ジェノサイド条約の加盟国であることから、フーシ派は、イスラエルがジェノサイドを犯している間、イスラエルへの武器やその他の物資の輸送を阻止する義務がある、とフーシ派は主張している。米国が「テロリスト」呼ばわりしているのは、ジェノサイドをおこなっているほうではなく、ジェノサイドを止めようとしているほうだ。 ...

アンサー・アラーをテロリストに指定することは、米国が現在キューバとベネズエラに対する2つの一方的な経済封鎖を実施していることからも、非常に皮肉なことである。 ...そして、アンサー・アラーによるイスラエル封鎖でまだ誰も死んでいないのとは異なり、米国による封鎖は何千人もの人々を殺している......アンサー・アラーはジェノサイドを阻止するために封鎖を利用しているが、米国の封鎖は対象国を飢えさせ、集団で罰することを目的としており、ジェノサイドの一形態であるとみなされうるものだ。

アンサー・アラーが罰を受けているのはテロ行為が理由ではない。イスラエルの封鎖がうまくいっているから罰せられているのだ。イスラエルは99%の商品を海上輸入している。イスラエルのエイラート港はフーシ派によって封鎖され、85%の活動低下が見られる。 海運会社は上昇した物価とますます希少化している輸入品の費用を消費者に転嫁しようとしている。 ...この戦争はイスラエルにとっては経済不況を招くものになっている。11月に実施された調査によると、イスラエルでは3社に1社の企業の操業率が20%以下に落ちこんでおり、半数以上の企業が売上が50%に減じている。労働省によれば、イスラエル人労働者の18%が戦争に招集され、イスラエルの労働力に大きな穴が空いた、という。100万人以上のイスラエル人が国外に流出し、観光業は崩壊し、企業投資は落ち込み、イスラエル財務省は第4四半期のイスラエルのGDPは15%減少すると予測していて、さらに、この戦争はイスラエルに総額580億ドル(約8兆6000万円)の損害をもたらすという。 ...

国務省の記録によれば、何十年もの間、米国の支配者層は紅海の支配権を失うことを懸念していた。そして2015年、米国はサウジアラビアがアンサール・アラーに対しておこなったジェノサイド戦争に対して武器を与え、資金を提供し、支援した。この戦争はイエメンの人口の3分の2を飢餓の淵に追いやり、人類史上最悪のコレラの大流行を引き起こした。しかし、それでもアンサール・アラーを倒すことはできなかった。そして今、ほんの数年前まで米国の支援による大虐殺に直面していたイエメンの人々が、ガザにおける米国の支援による大虐殺に対して、最も破壊的な行動を起こしている。これはもちろん、米国にとって屈辱的なことだ。

米国がネルソン・マンデラとその支持者を「テロリスト」と見なしたのは、それほど昔のことではない。その後、マンデラらは南アフリカのアパルトヘイトを打ち破った。その意味で、今回、フーシ派勢をテロリストに指定したことは、この非常に長い傾向の継続にすぎない。テロリズムとは高度に政治化された用語である。もちろん、アパルトヘイト国家とその支持者は、アパルトヘイト国家を終わらせようとする試みをテロとみなすだろう。しかし、パレスチナや中東では、本当のテロリストは、病院や学校、近隣全体を絨毯爆撃している者たちである。すなわち、イスラエルと米国だ。



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アメリカのイラン攻撃が避けられれば、我々にとっては大きな幸運だが。

<記事原文 寺島先生推薦>
We will be very lucky to escape a US attack on Iran
出典:ブログ Paul Craig Roberts
原典は、GEOFOR (Center for Geopolitical Forecasts)の記事 2024年2月1日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月7日


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 GEOFOR 編集局は、ポール・クレイグ・ロバーツ氏に聞き取り取材をおこなった。同氏は、政治・経済協会(USA)の会長であり、経済学博士であり、レーガン政権における米国財務次官をつとめた。当編集局は、イスラエルとパレスチナのあいだの戦争や、米国とイランとのあいだで戦争が起こる可能性に対する見通しや、さらには、BRICSのこれからや米国の立憲主義の危機などについての見解を聞いた。
  
編集局: お書きになられた記事でロシア・中国・イランの相互防衛協定締結の必要性を指摘されておられました。このような同盟を結ぶ利点はどこにあるとお考えですか? 直接的であれ、イスラエルの助けを借りてであれ、米国がイランを攻撃することを回避できる可能性はあるのでしょうか? 現在の状況において、この三カ国同盟の締結はどれほど実現する可能性があるのでしょうか? 特に中国政府は、何十年もこのような同盟に加わることには後ろ向きでしたので。

PCR氏: イスラエルとハマスのあいだの戦争は既に拡大し、イスラエル対ハマス・ヒズボラ、米・英対フーシ派の構図になっています。いま、ヨルダン国内の米軍基地が攻撃されたことで、米国がイランやイラン当局者への攻撃をおこなう可能性が出てきました。米国がイランへの攻撃を回避すれば、私たちにとっては大きな幸運になるでしょう。イスラエルは、米国の対中東政策において尋常ではない影響力を持っていますが、長年米国政府に対してイランを攻撃するよう圧力をかけてきました。このような攻撃は、米国議会の大多数からの支持を受け、イスラエルの同盟者であるネオコン勢力が熱烈に求めています。例えば、ビクトリア・ヌーランド国務次官補です。彼女は米国政府内で強力な権力を有しています。米国がイランを攻撃しても、ロシアと中国が何もせずに、大規模戦争が始まらないで済むのは奇跡的だといえるでしょう。

 結論から言わせてもらうと、積極的な行動が必須であり、そうしないと米国によるイラン攻撃は避けられず、世界大戦に発展する可能性が高くなると思います。ロシア・中国・イランが相互防衛協定締結を発表すれば、米国によるイラン攻撃は防げます。米・イスラエル・NATOにはこの三大強国と戦争ができる力はありません。このような同盟がなければ、イスラエルとイスラエルの同盟者であるネオコン勢力は決断力を持って、イスラエルの国境を拡大しようとするでしょう。その手段は、ヒズボラやフーシ派に対するイランの経済的及び軍事的支援を排除することになります。そうなれば、イランへの攻撃は避けられなくなります。それが、米軍を除く米国政府内の全ての人が求めていることであります。ただし、その決定権は軍にあるのですが。

編集局:ロシアとイランのあいだの二国間包括協定についてはどう見ておられますか?この協定には明らかに防衛面も含まれているはずです。この協定が、私たちが話している方向性に向かう一歩になるとは考えられないのでしょうか?中国がこの協定に加わることはありえるでしょうか?

PCR氏:いまあげてくださった疑問というのは、ロシアとイランのあいだの協定がこのような状況の解決にとって十分かどうか、ということですよね。私の耳には、この協定についての情報はほとんど流れてきていません。この件を、RTやスプートニクなどのロシアの英語版通信社が報じているのを見たことがありません。代替報道機関の報道でさえ、見たことがないのです。この協定は締結されたのでしょうか?防衛面の協定も含まれているのでしょうか?それともただの憶測でしょうか?この協定は締結され、きちんと形が整う前に発表されたようなので、米国がイランの攻撃を思いとどまる材料にはなっていないようです。この協定は十分な注目を受けていませんので、米国に「イランを攻撃することは愚かで無謀な政策だ」と思わせるものにはなっていません。米国内でこの協定やこの協定が持つ意味に関する外交政策についての議論は起こっていません。

 別の言い方をすれば、これもプーチン大統領の控えめな対応を示すものだと言え、この協定では何の警告にもなっていないということです。今回は、ミンスク合意の実現で8年も待ちぼうけさせられたようなわけにはいきません。プーチン大統領には、ゆっくりとした対応を取っている時間は残されていないのです。私に言わせてもらえば、いま即座に必要とされることは、プーチン大統領・習国家主席・イランの指導者が共同の記者会見をもって、相互防衛協定締結が発効し、3国のうちどこか1国が攻撃を受ければ、それは3国全てに攻撃を受けたことと見なす、という発表を大きく報じることです。このような積極的な行動をとることで、米・イスラエルが戦争を拡大しようとする動きを阻止できるでしょう。

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 中国政府は行動よりも口先だけの対応を好んでいることについて、お聞きになられましたね。米国政府が台湾問題をかき混ぜている様を見れば、習国家主席は米国政府が1979年に表明した「ひとつの中国」政策を放棄していることを実感したはずでしょう。それは、米国政府がゴルバチョフにおこなった約束を反故にしたのとまったく同じです。その約束とは、「NATOは1インチも東に拡大しない」というものでした。米国政府のネオコン勢力の外交政策は米国の覇権のためのものです。この政策を打破し、このような政策の継続があまりに馬鹿げていると思わせる一つ確かな方法は、ロシア・中国・イラン相互防衛協定の締結を世界に向けて大きく発信することです。プーチン大統領がいつも口にしている多極化世界は、このような協定なしには実現不可能なのです。

編集局: その多極化世界実現に向けて、ちかごろ、大規模な同盟関係の締結がますます頻繁になっています。そういう意味において、お伺いせずにいられないことは、BRICSの将来をどうみておられるかについて、です。特に今年から、BRICSは大きく発展しているなかでのことです。多くの記事が、2024年に新たな加盟諸国が生まれる知らせを聞く可能性があると報じています。ハビエル・ミレイ大統領就任後のアルゼンチンがBRICSに加入しない決定をくだしたことがBRICSにどれだけの打撃を与えたとお考えですか?BRICSはG20に対抗できるような組織になるのでしょうか?

PCR氏:アルゼンチンの決定はBRICSに何の影響も与えていません。これはアルゼンチンのことを言っているわけではないですが、ロシアは、世界のほとんどの国が腐敗しており、米国政府が各国政府当局者らにBRICSに加入しないよう金を渡している事実を理解すべきです。

 BRICSというロシアが主導する組織は、米国政府の支配下での経済政策及び外交政策から諸国が脱するためのものです。EUの国々は米国政府の支配でがんじがらめになっています。南アメリカやアフリカの国々は、各国の政治家たちが腐敗しているせいで、金のために米国政府に自国を売りわたし、それを利用して罰を受けたり、失脚せずに済まそうとしています。真の問題は、いつまで米国政府が世界の大多数の国々を買いとることが続けられるか、にあります。

 米国政府が各国政府を買い叩いている状況こそ、BRICSが終わらせるべきだとされる状況なのです。その手段として、国際貿易のための代替的な金融の枠組みを創造することがあげられます。それは他国を搾取しない枠組みです。BRICSの成功は、いかにロシアと中国が積極的に動き、米国政府がさらなる戦争をはじめることを阻止するかにかかっています。二大強国が、米国政府の手中に主導権を残したままにすることは、まったく意味がありません。

編集局: 伝統的なことなのですが、私たちはいまの米国の動きを無視できません。というのも明らかに、テキサスで生じた事象*のために、大統領選に関わる論争が激しさを増しているからです。このような事象のせいで、今後どんな展開が待っている、とお考えですか?
*米国連邦最高裁判所は1月22日、連邦国境警備職員に対し、テキサス州が米国・メキシコ国境に設置したカミソリ有刺鉄線の撤去を認める判断を下した。テキサス州は2023年10月、連邦の国境警備職員がリオグランデ川沿いに同州が設置した鉄線を切断した際、国土安全保障省が州の資産をお損壊し、州の国境保全措置を妨害したとして連邦政府を訴えていた。

PCR氏:ジョー・バイデン「大統領」は、不正選挙のおかげで大統領職に就けた人物ですが、アメリカ合衆国に対して大きな裏切り行為を犯してきました。米国に対する大きな裏切り行為をおこなったとして、逮捕され、起訴されてしかるべきです。

 合衆国憲法によると、バイデンは米国の国境を守らなければならないことになっています。彼が常にやっていることはその逆で、国境を守ることを阻害し、何百万人もの不法侵入者のために国境を広く開放しています。最新の記録によると、不法侵入者の数は2200万人に達しています。

 合衆国憲法第6条第4項には、連邦政府は不法侵入から各州を守らなければならない、とあります。この条項をバイデン政権は完全に拒否し、逆に不法移民者を支援・幇助し、不法移民者らはテキサス州などの州に入り込んでいます。リンカーンが標的にしたのは南部の州だけでしたが、バイデンは全ての州に対して果たすべき責任を放棄しています。バイデン政権の国境開放政策により、デンバー市のように民主党支持者の多い都市でさえ、不法移民問題に対する支援を切に求めています。連邦政府がこれらの不法移民者を支援し幇助しているからです。

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 連邦政府が米国国境を守らない事に対する対応として、テキサス州のグレッグ・アボット州知事は、テキサス州境を守るための一手を打ちました。他の25州が同知事を支援し、自州の州兵をテキサスに送ることを申し出ている州もあります。民主党はテキサス州を「反乱である」と非難し、テキサス州の州兵を連邦のものとし、テキサス州を連邦の支配下におくことを認める裁判をおこすでしょう。

 別のことばではっきりと言わせてもらえば、裏切り者のバイデン政権は、強硬かつ完全に外国からの侵入者と同盟を結び、米国市民を苦しめている、ということなのです。こんなあからさまな大きな裏切り行為をおこなっているということは、米国市民の真の敵は米国政府であることの完全な証左といえます。

 しかし米国市民を助けてくれる人はいません。政府に責任を問うような報道機関は存在しないのですから。偽情報を吐き出す偽工場のような報道機関のもとで苦しめられているのです。報道機関は支配者層のたくらみに奉仕するためだけの公式説明しか支持していないのですから。

 いま米国でおこっていることは、民主党とウォーク思想に毒された知識階級が、立憲共和国を専制国家に塗り替えようとしていることです。そんな専制国家では、市民は声をあげることはできません。そうなれば、ネオコンたちが米国覇権のために繰り出す無謀な政策がやりたい放題になります。

 このネオコンたちによる覇権を求める政策がますます攻勢を強め、ロシア・中国・イランの「介入」を排除しようとする動きが強まっていくことが予想され、そうなれば核兵器による「最終戦争」に突入することになります。米国政府による侵略を止めようとするものが出てこないかぎり、このような状況は進行し続けるでしょう。
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ガザへの戦争で、ジェノサイド・カルト集団としてのシオニズムの本性を露わにしたイスラエル

<記事原文 寺島先生推薦>
How Israel’s War on Gaza Exposed Zionism as a Genocidal Cult
筆者:ジョセフ・マサド(Joseph Massad)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2024年1月11日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月7日


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2024年1月11日、オランダ・ハーグで、国際司法裁判所での南アフリカによるイスラエルへのジェノサイド提訴に関する審理に反対するデモで、イスラエルの旗を振るデモ参加者(Robin Utrecht/AFP)

問題はもはや、イスラエル政府が人種差別的で大量虐殺的かどうかではなく、パレスチナ人に対する犯罪を支持する多数のイスラエル系ユダヤ人もまた、この表現に当てはまるかどうかである。


2022年12月にベンヤミン・ネタニヤフ率いるイスラエルの現内閣が誕生して以来、西側の主流派やイスラエルの政治的野党の間でさえ、この内閣がユダヤ人至上主義的で人種差別的な政権であるという意見の一致はあった。

イスラエルのユダヤ人選挙民の大多数の好みを明確に表現したこの政府を、イスラエル史上「最も極端」「最も原理主義的」「最も人種差別的」と評するのが一般的になった。また、イスラエル「初のファシスト」政権と言われることもあった。

現政権が誕生する2年前、歴史的に親イスラエル派であった西側の人権団体が、イスラエルを建国以来の人種差別的な「アパルトヘイト」国家であると断定していた事実はさておき、である。パレスチナ人とその支持者たちもまた、少なくとも1960年代から、イスラエルを表現するのにこのレッテルを使ってきた。

国際的な非難の対象となったのは、パレスチナ人に対する現在進行中のジェノサイド戦争を開始し、これまでに10万人以上のパレスチナ人を殺傷し、200万人以上を強制移住させた政府である。

しかし、この全く同じ人種差別的な政府とそのジェノサイド戦争は、米国とそのヨーロッパの同盟国が支援し、武器を与え、資金を提供している。これらの国々は、初めの頃は、自分たちも(イスラエルを)批判していたことも忘れ、臆面もなくイスラエルの犯罪行為の数々を正当化している。ユダヤ人入植地はアパルトヘイト体制だとの批判からイスラエルを弁護していた以前に完全に舞い戻ってしまったのだ。

しかし、議論の焦点はだんだん、イスラエル政府が人種差別主義者、ファシスト、またはジェノサイドを行なっているかどうかではなく、イスラエルのユダヤ人の多数がこれらの特徴を持つのではないか、そして現政府はこういったイスラエルのユダヤ的政治文化が表面化したものに過ぎないのではないか、に移っている。


「もはや少数派ではない」

ミドル・イースト・アイ紙編集長のデビッド・ハーストが最近言っていることだが、イスラエルのユダヤ人(兵士や歌手、芸術家、そして政治家を含む)の間でジェノサイド的人種差別を表明している人々は「もはや少数派ではありません。彼らはイスラエルの主流派です。パレスチナ人について語るとき、彼らはジェノサイド支持者、人種差別主義者、ファシストになります――臆面もなくそうしているのです。彼らは鼻高々に人種差別を思い、冗談を言い、それを隠そうともしません」。

シオニスト運動はその発足以来、パレスチナの先住民であるパレスチナの民族浄化を常に目指してきた。


イスラエル・デモクラシー研究所とテルアビブ大学が行った世論調査によると、イスラエルによるガザへの大規模な空爆が始まってから1カ月以上が経過した時点で、イスラエル系ユダヤ人の57.5%が「イスラエル国防軍(IDF)のガザでの火力は少なすぎる」と答え、36.6%が「IDFは適切な火力を使っている」と答え、「IDFの火力は多すぎる」と答えたのはわずか1.8%だった。

イスラエルのジャーナリストであるギデオン・レヴィ(Gideon Levy)は、多数のイスラエル・ユダヤ人がジェノサイド賛成意見を持っていることやパレスチナ人を民族浄化することを支持する見解に戸惑ったようだ。「それがイスラエルの真の姿であり、10月7日のハマスの攻撃がジェノサイド正当化を表面化させたのか、または10月7日の攻撃が本当に状況を変えたのか、どちらが真実かわかりません」と彼は言った。

しかし、シオニスト運動がその発足以来、人種差別主義を公言してきたことや、パレスチナからパレスチナ原住民を民族浄化しようとしてきたという周知の事実を考えれば、レヴィの反応は驚くべきものである。

イスラエルのマスコミは、イスラエルが計画しているガザのパレスチナ人の民族浄化と、エジプト領シナイへの追放の可能性を、「ガザの人々に希望と平和な未来を与えるのに、地球上で最も適した場所のひとつ」と表現し、素晴らしいものであるとする、一見「合理的」な記事を掲載している。

しかし、それだったらイスラエルのユダヤ人入植者たちは、彼らの権利と特権が保護されているアメリカやヨーロッパ、特にドイツに自発的に移住したらいいのだ。この提案はおそらく可能だし、また同様な合理性もある。実際、この3カ国は「(イスラエル・ユダヤ人に)希望と平和な未来を与えるのに、地球上で最も適した場所」である。

特にイスラエル政府高官や知識人たちは、自分たちの住んでいる場所は、「悪い」または「厳しい」、さらには「ジャングル」と言っているからなおさらだ。ヨーロッパやアメリカは非常に安全性の高い地域であり、(パレスチナよりは)断然いい。結局、ヨーロッパは「庭園」だが、「残りの世界は大半がジャングル」と、欧州連合の外交政策担当者であるホセップ・ボレルを昨年有名にした発言にもあるとおりだ。

EUのドイツ人議長ウルズラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)は、「ユダヤ文化はヨーロッパの文化」であり、「ヨーロッパは自身のユダヤ的性格を重視しなければならない。「ユダヤ的生活がヨーロッパで再び繁栄するように」と強調している。

このようなイスラエル・ユダヤ人の自発的な動きによって、そのうちの100万人以上がすでにヨーロッパとアメリカのパスポートを持っているので、パレスチナ人(そしてより広くは中東の人々)は、1880年代以来、特に1948年以降、シオニストの植民地化が地域の人々に負わせた暴力と戦争を免れることになるだろう。

おそらく、最近報道されたように、イスラエルとその西側スポンサーが追放されたパレスチナ人を受け入れるよう「コンゴ」やカナダとこそこそ交渉するよりも、国連とアラブ諸国が西側諸国にイスラエル系ユダヤ人を受け入れるよう渾身の力を振り絞って働きかけたほうがいい。


暴力的なカルト

最近の世論調査や分析により、イスラエルのユダヤ人市民の圧倒的多数がパレスチナ人に対して憎しみやジェノサイド的な態度を持っていることが明らかになった。パレスチナ人のヨーロッパやアメリカへの移住は、そういう圧倒的多数のユダヤ人市民に幸福や安心をもたらすことになるだろう。

さらに、イスラエルが自身をそれに重ねる西洋文明と価値を守るためにパレスチナ人抹殺を正当化する人々は、西洋文明をその中心(植民地の国境線や反植民地化の抵抗が存在しない場所)から守る方がずっといいことに気づくだろう。

これに関連して、反ユダヤ主義との闘いとユダヤ人の生活の育成に関する欧州委員会のコーディネーターであるドイツ人のカタリーナ・フォン・シュナーバイン(Katharina von Schnurbein)は最近、「ヨーロッパはユダヤ的遺産なしにはヨーロッパではないでしょう」と断言した。「ユダヤ的遺産はヨーロッパのDNAの一部です。そして、ヨーロッパの機関として、私たちECはユダヤ的遺産を守り、保護し、大切にしたいと思っています。これは、反ユダヤ主義と闘い、ユダヤ人の生活を育成するためのEU戦略の究極の目標であるユダヤ人の生活を育成するための重要な面です」と同氏は付言した。

こんなきっぱりとした発言を聞けば、①1930年代や1940年代とは違って、今度はヨーロッパの扉がユダヤ人のために開かれるかもしれない、あるいは、②ナチスから逃れてきたユダヤ人難民の入国を拒否し、1939年には難民を満載した船をヨーロッパに送り返し、その多くがヒトラーの死の収容所で命を落とすことになった、そんな仕打ちをしたアメリカが、今度はイスラエルのユダヤ人を、より良い隣人として両手を広げて迎え入れるのではないか、と期待する向きもあるかもしれない。

イスラエルの精神科医の多くは、10月7日以来増加している仕事量の多さと、精神保健システムが崩壊寸前であることを理由に、すでに英国の緑豊かな牧草地へと出国している。

1948年以来、パレスチナ人に対する計り知れない虐殺や戦争に対する支持がイスラエルの社会全体および政府のあらゆる層で広まっていることは、驚くべきことではない。暴力的なカルトのメンバーと同様に、彼らの自己救済は、脱プログラムだ。これは間違いなく長くて複雑なプロセスになる。多くのイスラエルのユダヤ人にとっては、数十年にわたる洗脳を解く必要がある。

おそらく、イスラエルを離れた精神科医たちも、イスラエルのユダヤ人を安全なヨーロッパの環境で脱プログラムし、民族浄化と大量虐殺戦争への執着を取り除く手助けをしてくれるだろう。


平和な未来

一方、南アフリカが国際司法裁判所(ICJ)に提訴したイスラエルによる大量虐殺を非難する裁判は、ホワイトハウスや西ヨーロッパ各国政府に警鐘を鳴らしている。これは、ICJがイスラエルの犯罪を告発した最新のケースに過ぎない。

1年前、国連総会は、イスラエルによるパレスチナ自治区の占領に関するICJの勧告的意見の要請を賛成87票、反対26票で承認した。反対派のほとんどは、今日、ガザでのイスラエルのジェノサイド戦争を支持している国と同じである。

ICJは来月、この件に関する公聴会を開くことになっている。また、南アフリカが最近起こした裁判については、ICJが1月11日に緊急審理を行う。



ICJは、第二次世界大戦以降、入植者植民地主義の文脈で同様の要請に直面してきた。特に1966年7月、国際司法裁判所は、リベリアとエチオピアが1962年に提出した、南アフリカの入植植民地ナミビアに関する請願を、両国に請願を提出する法的資格がないという理由で却下した。両国はかつて国際連盟に加盟しており、国際連盟は第一次世界大戦後、ナミビアの強制統治国として南アフリカを選んだ。

リベリアとエチオピアの1962年の請願は、ナミビアの法的地位を国際司法裁判所に裁定するよう求めたものだった。裁判長であるパーシー・スペンダー卿(Sir Percy Spencer)は、オーストラリアの入植地出身であり、7対7の賛否同票に対して南アフリカに有利になる決定票を投じた。この決定により、南西アフリカ人民機構(Swapo)が南アフリカのアパルトヘイト支配者に対する武装闘争を開始した。同年、総会は南アフリカの委任統治を取り消したが、何の効果もなかった。

1969年、国連安全保障理事会は、1966年の総会の南アフリカ委任統治撤回を最終的に支持した。南アフリカが国連に反抗し、撤回を拒否したため、1970年7月、この問題は国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見に委ねられた。

1971年のICJ(国際司法裁判所)の決定により、反植民地主義のSwapoとナミビア人の自決権が国際的に認められた。


1966年とは異なり、1971年6月21日に出された国際司法裁判所(ICJ)の見解は、国連の立場を完全に正当化するものであり、ナミビアの合法的な統治権は国連にあり、南アフリカは撤退しなければならないというものであった。

1966年の親植民地的なICJ判決とは対照的に、1971年の判決は、白人至上主義政権がまだ持っていた正統性の最後の痕跡を取り除いた。南アフリカがこの決定を遵守したわけではない。南アフリカを保護する西側NATO諸国は、「和平プロセス」を装った遅延戦術を臆面もなく支援し続け、白人至上主義国家への制裁を求める国連決議に拒否権を行使した。

それにもかかわらず、1971年の国際司法裁判所(ICJ)の判決は、スワポ(Swapo)の国際的な承認とナミビア人の自決権を認めることにつながった。ナミビアが最終的に1990年に独立を達成するためは解放戦争が必要だった。

つまり、イスラエルの戦争をジェノサイドとして非難するICJの決定は、残酷で血に飢えた入植者に対するパレスチナ人の闘いにとって良い前兆となるだろう。

それはすぐに解放と非植民地化をもたらすものではないが、イスラエルのユダヤ人至上主義体制解体のプロセスをかなり加速させ、パレスチナ人とイスラエルのユダヤ人をシオニズムのジェノサイド・カルトから救うことになるだろう。

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ジョセフ・マサドはニューヨークのコロンビア大学で現代アラブ政治と知的歴史の教授を務める。著書、学術論文、ジャーナリズム記事多数。著書に『Colonial Effects: The Making of National Identity in Jordan』、『Desiring Arabs』、『The Persistence of the Palestinian Question』など: パレスチナ問題の持続性:シオニズムとパレスチナ人に関するエッセイ』、最近では『リベラリズムにおけるイスラーム』などがある。著書や論文は12カ国語に翻訳されている。
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パレスチナが革命を呼び起こす

<記事原文 寺島先生推薦>
Palestine Awakens the Revolution
筆者:ナイラ・バートン(Nylah Burton)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2024年1月21日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月4日


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2023年1月13日、パレスチナ人への支持を表明し、停戦とガザでの大量虐殺の終結を求めるため、40万人以上のパレスチナ支持デモ隊がワシントンでデモ行進を行った。(写真:エマン・モハメド)

パレスチナにおけるイスラエルのジェノサイドを目撃したことで、人々は永遠に変わった。その結果、多くの人々がシオニズム反対の気持ちを固めるだけでなく、欧米全体の役割を拒否するようになった。


1961年にパトリス・ルムンバが暗殺されたとき、ラングストン・ヒューズはこう書いた。 「彼らはルムンバを埋葬した/印のない墓に埋葬した/しかし彼に印は必要ない・・・私の心が彼の墓だ/そこに印がある」 。

イスラエルが10月7日にガザでの虐殺を開始して以来、私はパレスチナの2万5千人以上の人々にとって、自分の心が墓場となるのを感じてきた。私は、世界中の人々とともに、歴史上最も多くの文書や記録が整ったジェノサイドの目撃者となってしまった。私は自分の携帯電話で、国民全体が消滅させられようとしているのを目撃したのだ。


この100日間のジェノサイドは、私の体全体の細胞を入れ替え、私を別人にしてしまった。この残虐行為を目の当たりにする前の私と今の私は違う。私の魂は、この革命(大転回)を中心に転回するようになったのだ。私はひとりではない。世界は変わった。私も変わった。

多くの人々にとって、この変化は、真実を暴くと殺されかねない場に身を置くパレスチナのジャーナリストたちの活動によってもたらされたものだ。

「パレスチナ各地にいる勇気あるパレスチナ人の若者たちが撮影し、出版した数々の英雄的な報告は、イスラエルの植民地入植計画に内在する陰惨な暴力と人種差別を見るための優れたレンズを私たちに提供してくれている」と、シカゴ在住のマナル・ファルハンは言う。彼の家族は1948年の第一次ナクバでパレスチナのアル・マルハの家を追われた。

しかし、こうした深い認識と高まる怒りは、イスラエル入植者の植民地主義だけでなく、欧米のプロジェクト全体に向けられている。


パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区中部に位置する都市ラマッラー在住の翻訳者であり、「Decolonize Palestine(パレスチナを脱植民地化せよ)」の共同設立者であるラワン・マスリは、この記念碑的な世界的変化に気づいたと言う。「この100日間は、イスラエルによるジェノサイドの残虐性を、多くの人々に、そしてすでにこれまで以上に私たちと連帯している人々に初めて暴露したと思います。これはイスラエルだけでなく、欧米の植民地覇権にとっても終わりの始まりだと思います。相当多くの人たちは、それを避けられない現実として受け入れていましたが、今では手に触れられるほど具体的に目撃しています。そんなものを現実にしてはいけないのです」と彼女は言う。


パレスチナの解放は私の解放

パキスタン系アメリカ人の作家兼ジャーナリストで、パレスチナ支援活動に携わってきたイマン・スルタンは、100日以上にわたるジェノサイドを目の当たりにしたことで、「パレスチナ人の人間性を認識することで、自分たちの人間性に気づくという覚醒につながった」と語る。

「また、資本家たちの日常の流れや華やかな場(選挙であれ、政治家たちを中心としたカルト集団であれ、有名人であれ)は事実上廃れてきていると思います」とスルタンは続ける。「そして、権力者たちは、殺人を実行するだけでなく、自分たちの殺人を正当化するようになりました」。

この拒絶感は、私たちの生活のさまざまな分野にまで及んでいる。イスラエルに経済的、政治的に圧力をかけ、占領を終わらせることを目的としたBDS(ボイコット、株の処分、制裁)は、かつて見たこともないような支持を受けている。スターバックスがパレスチナを支援しているとしてスターバックス労働組合を訴え、イスラエルのマクドナルドがイスラエル占領軍の兵士に無料で食事を与えながら虐殺を続けている映像が流れた後、ほとんどの親パレスチナ派のアメリカ人はこの2つのファーストフードチェーンでの食事をしなくなった。些細なことに思えるかもしれないが、消費主義を文化全体の柱とするアメリカ人に、その文化の最大の柱である、この2つのファーストフードの消費を止めさせることは、想像を絶することだっただろう。つまり、人々はもはや後戻りはできなくなっているのだ。

また、BDSは一覧表だけにとどまらない。人々は購入する企業を調べ、地元産や中古品を購入し、食品廃棄を制限し、パレスチナ人が経営する企業やHUDA Beautyのようなパレスチナのために生活を賭している企業をはっきりと支援している。マスリによれば、パレスチナでは数え切れないほどの人々が、もう欧米の映画やテレビは見たくないと口に出しているという。

「私がよく耳にするのは、偽善に耐えられないという言葉です」とマスリは説明する。「彼らがやり切れないのは、①(ガザの人々を)爆撃したり、飢餓状態に置くなど、これは問題だと思うことを見なければならないこと、②私たちがそういった事態に対して目隠しされたまま、通常どおりの生活が進行しているのを見なければならない、この2つです」。

パレスチナを支持する人々が増えるにつれて、ケフィーヤなどの抵抗の象徴を身に着けるだけで、仕事を失ったり、暴力や脅迫を受けたり、攻撃を受けたり、停職されたりといった悪影響を受けることが増えている。さらに、活動家として投獄される危険もあり、同盟者にとってこの闘いの危険性はますますのっぴきならないものになっている。

「多くの政府は、ガザでの即時かつ恒久的な停戦を求める民衆の最近の抗議をほとんど無視したり、パレスチナ人の人権を支持して発言すること自体を犯罪とし、処罰したりしてきたが、これは、人間の尊厳を重んじ、保護すると主張するこれらの国々が茶番であることを明確に伝えている。」とファルハンは続け、彼女自身も窓の外にパレスチナ国旗を掲げただけで不動産会社M.Fishmanから立ち退きを迫られていると付け加えた。「人々はこのことの意味を理解している;パレスチナが自由になるまでは、自分たちは本当の意味で自由ではないということ。つまり自分が望むように学び、話し、自分が望むように消費し、自分が望むように集まり、自分が望むような服を着ることができなければならない」。

「パレスチナからスーダン、コンゴ、ハイチ、ティグレ州まで、私たち全員が自由になるまで、私たちの誰も自由ではない!!!」 と書かれた抗議のサイン。アカウント@axmedamiinmaxによってtwitter/xで共有された。


団結した世界VS欧米

世界の最高裁判所とされるハーグの国際司法裁判所において、南アフリカがイスラエルを提訴したことは、この欧米の植民地覇権主義に真っ向から挑戦するものであった。ネスリーヌ・マリクがガーディアン紙に寄稿したように、この裁判は、イスラエルによる75年にわたる血なまぐさい占領と現在の大量虐殺を非難するだけでなく、西側諸国が道徳、論理、ニュアンスの保護者であるという悪質な嘘に挑戦している。「ICJの事例は、多極化した世界において、いかに西側の論理が薄れ、その説得力が衰えているかを示している」とマリクは書いている。

パレスチナの側に立っている国々のほとんどが、西側世界に属さないことが指摘されている。ドイツが1904年から1908年にかけて20世紀最初の大量虐殺を行ったナミビアは、イスラエルを支持するドイツを非難した。イエメンのアンサール・アラー(通称「フーシ派」)は、イスラエルへの海運を妨害する勇気ある行動をとり、報復として首都が米英に空爆された際には、引き下がることなく攻撃者にも妨害を拡大した。この呼びかけに参加する強力な西側諸国がないことに絶望するのではなく、私や私の同志たちは、これをグローバル・サウスの革命だと考えている。彼らは私たちを打ち負かすことはできない。なぜなら、私たちの仲間は地理的にグローバル・サウスにいるだけでなく、西側諸国にもいるからだ。奴隷にされた者、避難民、先住民、難民の子どもたちであり、私たちの拒否の声はとても大きく、世界は私たちの声を聞いている。私たちの悲鳴を彼らにとって耐え難いものにしなければならない。

パレスチナでのジェノサイドは、現在進行中の他のジェノサイドについても認識を高めるきっかけとなった。コンゴ民主共和国では、欧米の干渉とコバルト鉱業によって600万人が殺されている。スーダンでは、アラブ首長国連邦の資金提供によるジェノサイドによって、ダルフールのマサリット人に対する急速支援部隊(RSF)/ジャンジャウィードによるジェノサイドや、スーダン武装勢力(SAF)によるスーダン全土での非アラブ人に対する超法規的殺害など、半年で9000人が殺されている。

「暴力にさらされ、攻撃される立場にあること、そしてパレスチナの大義が世界的な解放を呼びかけた。当然、人々は 「他に誰がいるんだ?」と尋ねました」と、アラブ人ではないスーダンの女性活動家で、自身と家族の安全のために匿名を希望するAは言う。

多くの人々がこのような残虐行為について認識を新たにしている今、世界的な連帯というロマンチックな物語を描くのは簡単だろう。しかし、私たちはまだそこに到達していない。そして不誠実な動きがあればそんな話には簡単には乗れない。

「人々は彼らの解放の考えに疑問を投げかけています。それが真の同盟関係の拡大という試練に耐えられるかどうかです」 とAは言う。「スーダンの場合、10月7日よりもずっと前から、教育、擁護、支援のための情報資材を作成していた地元の活動家がたくさんいました。エチオピアの北部にあるティグレ州のように、離散した人々の間で話を共有する人がほとんどいない他の運動では、真の同盟関係と、別の運動に付随するスローガンとの間の断絶があったのです」 。

暴動や、かつて経験したことのないような反乱、経済が機能しなくなるような市民的不服従行為を呼びかける人々がいる。そうしなければ、私たちはパレスチナ人を失望させ、私たち自身を失望させることになるだろう。

スルタンは、私たちが前例のない時代に生きているとはいえ、まだ長い道のりがあることに同意する。「第一世界と第三世界の間の激変はまだ埋まっていないと思う。それはまだ起こっていない。でも、これは始まりと呼べるでしょう」と彼女は言う。

アフリカ諸国であるコンゴ民主共和国とスーダンは、私たちの運動において、他の国々が受けているような認知度と世界的連帯を得るのに苦労している。「自由コンゴ」や「自由スーダン」という言葉は、私たちの抗議活動の際に付け加えられるが、これらの国に焦点を当てた抗議活動への参加者は少ない。パレスチナが道徳のリトマス試験紙であり続ける一方で、同じように抑圧されている非アラブ系アフリカ人の証言や真実を受け入れようとしない人もいるようだ。このようにわざと知らんぷりすることは、もはや許されるものではない。パレスチナから目を背け、「問題は単純ではない」と一蹴することが許されたのは何年前のことだろうか。

自己満足の時代は終わり、私たちはすべての兄弟姉妹を心に抱き、私たちの戦いの中心に据えておかなければならない。アフリカ人への抑圧が常に世界的な認識と連帯を得るのに苦労してきた世界では、言うは易く行なうは難し、かもしれないが、それはやらなければならない。そして、私たちはさらに前進しなければならない。暴動や、かつて見たこともないような反乱、経済が機能しなくなるような市民的不服従の行為を呼びかける人々がいる。そうしなければ、私たちはパレスチナ人を失望させ、私たち自身を失望させることになるだろう。


悲しみは深いが、解放は手の届くところにある

これは人間としての大きな試練であり、これに失敗すれば、私たちは存在しなくなる。これは誇張でも精神的な比喩でもない。植民地主義と資本主義が、人類がこの地球上で生きる能力を破壊する双子の悪であることは、科学的事実なのだ。ガザでのジェノサイドだけでも、イスラエル軍は3カ月間で、世界で最も気候変動に脆弱な2つの国と同量の排出物を排出した。コンゴからの資源剥奪や、イスラエルに資金を提供しイエメンに戦争を仕掛ける同じ企業や国(アメリカやイギリスなど)は、世界最大の汚染者であり、お金を手にするだけのためにこの地球上で人間が生きるチャンスを奪っている。私たちは、パレスチナだけでなく全世界を陥れている鎖を捨てなければならない。

私たちには時限タイマーがあり、それは終わりに近づいている。もし私たちが、この占領を終わらせ、世界中の私たちの兄弟姉妹を解放することなく、歴史上最も多くの文書や記録が整ったジェノサイドを結果を伴うことなしに許すなら、私たちはすべてを失うことになるだろう。

マスリは、連帯の声によって、自由は手に入れられるものだと感じたという。しかし、それを勝ち取るのは難しいことであり、イスラエルや他の西側諸国が、帝国の死に対して、私たちが決して癒すことのできない恐ろしい暴力行為を犯すであろうことも知っている。

「イエメン、ナミビア、南アフリカなどは希望を与えてくれますが、私たちの前にはまだ長く血なまぐさい道が続いています」と彼女は言う。

しかし、筆舌に尽くしがたい苦しみの中に平安を私は感じる。なぜならば、解放が間近に迫っていることを知っているからだ。永続的な平和をもたらすことで、失われたすべての人々の血の復讐を果たすことになることを私は知っているからだ。生まれて初めて、私にはそれが見える。地平線上や遠い未来ではなく、今ここに。子どもたちのためだけでなく、私のためにも。解放はここにあり、私たちは手を伸ばすだけでいい。これほど近くまで来たことはない。

私の心が墓であることをやめることはぜったいにないだろう。私は自分が目にしたものからは決して癒えることはないだろう。私は永遠に泣きつづけるだろう。それでも、私はこれほど絶望的な気持ちになったこともなく、同時にこれほど希望に満ちたこともない。初めて、私は信念を持ったのだ。
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ガザにより、ヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈された

<記事原文 寺島先生推薦>
Thanks to Gaza, European Philosophy Has Been Exposed as Ethically Bankrupt
ハイデッガーのナチズムからハバーマスのシオニズムまでの哲学は、「他者」の苦しみを重要視しない
筆者:ハミド・ダバシ (Hamid Dabashi)
出典:GR 2024年1月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月4日


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イラン、シリア、レバノン、トルコが、ロシアと中国に全面的に支援され、武装し、外交的に保護され、テルアビブを3カ月間、昼夜を問わず、爆撃し、何万人ものイスラエル人を殺害し、数え切れないほどの負傷者を出し、何百万人もの家を失わせ、現在のガザのように、その都市を人が住めない瓦礫の山と化す意志とやる気があったとしたらどうだろう。

ちょっと想像してみてほしい:イランとその同盟国が、テルアビブの人通りの多い場所、病院、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)、学校、大学、図書館、あるいは実際に人通りの多い場所を意図的に標的にし、民間人の犠牲者を最大にする。イランとその同盟国は、イスラエルのネタニヤフ首相と彼の戦争内閣を探していただけだと世界に言うような状況を想像してみてほしい。

アメリカやイギリス、EU、カナダ、オーストラリア、そしてドイツは、この架空のシナリオの猛攻撃を受けたら、24時間以内に何をするだろうか?

現実に戻って、10月7日以来(そしてその数十年前から)、イスラエルの同盟国である西側諸国は、イスラエルがパレスチナの人々に行なったことを目の当たりにしてきただけでなく、軍事装備、爆弾、軍需品、外交報道をイスラエルに提供し、アメリカのメディアはパレスチナ人虐殺とジェノサイドを思想的に正当化してきたという事実を考えてみよう。

前述のような架空のシナリオは、既存の世界秩序では一日たりとも許されないだろう。アメリカやヨーロッパ、オーストラリア、そしてカナダの軍事的暴挙がイスラエルを全面的に支援している今、パレスチナ人とまったく同じように、無力な私たち世界の人々も芥子粒みたいな存在だ。これは単なる政治的現実ではなく、「西洋」を自称するものの道徳的想像力や哲学的宇宙にも当てはまる。

ヨーロッパの道徳的想像力の圏外にいる私たちは、彼らの哲学の世界には存在しない。アラブ人やイラン人、イスラム教徒、あるいはアジア、アフリカ、ラテンアメリカの人々。ヨーロッパの哲学者たちにとって、私たちは、征服し黙らせなければならない形而上学的な脅威としてしか、存在論的な現実を持たないのだ。

イマヌエル・カントやゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルに始まり、エマニュエル・レヴィナスやスラヴォイ・ジゼックに至るまで、西洋哲学者らから見れば、私たちは東洋哲学者が解読する使命を負った奇異な存在であり、物であり、知ることのできる対象である。そのため、イスラエルやアメリカ、ヨーロッパの同盟国によって私たちが何万人殺されても、ヨーロッパの哲学者たちの心は少しも動じないのだ。

関連記事:イスラエル-パレスチナ戦争:イスラエルの復讐対象はすべてのパレスチナ人。


聴衆としての欧州部族

もしそれを疑うなら、ヨーロッパを代表する哲学者ユルゲン・ハバーマスと彼の同僚数人を見たらいい。彼らはあきれるほどの卑劣な野蛮さで、イスラエルがパレスチナ人を虐殺していることを支持している。問題は、現在94歳のハバーマスを人間としてどう考えるかではなくなった。問題は、社会科学者、哲学者、批判的思想家としての彼をどう考えるかだ。彼の思想内容は世界にとって重要性を持っているのだろうか、いや重要性を持つことなどあったのか?

世界は、もう一人のドイツの主要な哲学者マルティン・ハイデッガーについても、ナチズムとの有害な関係に照らして同様の疑問を投げかけている。私の意見では、ハバーマスの暴力的なシオニズムと、彼の哲学全体がもたらすと思われる重大な結末について私たちは今、同様の質問をしなければならない。

もしハバーマスがパレスチナ人のような人々に対する道徳的想像力の余地を微塵も持っていないのであれば、彼の哲学が目指すものは、他の人類、つまり彼の直近の聴衆としての欧州部族を超えたものに何らかの関わりを持つと考える理由はあるのか?

イランの著名な社会学者アセフ・バヤトは、ハバーマスへの公開書簡の中で、ガザの状況に関して彼は「自己矛盾を起こしている」と述べた。失礼ながら、私はそうは思わない。パレスチナ人の命を軽視するハバーマスの姿勢は、シオニズムと完全に一致していると思う。イスラエル国防相ヨアヴ・ギャラントが公言しているような、ヨーロッパ人以外は完全な人間ではない、あるいは「ヒト的動物」であるという世界観と完全に一致しているのだ。

パレスチナ人をこんな風に完全に無視してしまうのは、ドイツとヨーロッパの哲学的想像力に深く根ざしている。一般的な認識として、ホロコーストの罪悪感から、ドイツ人はイスラエルへの強固な支持を築き上げてきたと言われている。

しかし世界の他の国々から見れば、南アフリカが国際司法裁判所に提出した堂々たる文書が証明しているように、ドイツがナチス時代に行なったことと、シオニスト時代に現在行なっていることの間には完全な一貫性がある。

ハバーマスの立場は、シオニストによるパレスチナ人の虐殺に加担するというドイツの国家政策に沿ったものだと私は信じている。それはまた、アラブ人とイスラム教徒に対する人種差別的、イスラム嫌悪的、外国人嫌悪的な憎悪と、イスラエルの入植者植民地の大量虐殺を全面支持する「ドイツ左翼」なる集団とも軌を一にしている。

ドイツが今日抱えている問題はホロコーストの罪悪感ではなく、ジェノサイドへの郷愁だと私たちが考えても許してもらうしかない。ドイツは過去の100年間(この100日間のことだけではない)にわたってイスラエルがパレスチナ人を虐殺してきたことを、自分の代わりにやってくれているという思いにふけってきたのだから。


道徳的堕落

ヨーロッパの哲学者の世界観に対して一貫して指摘されるヨーロッパ中心主義という非難は、単に彼らの思考における認識論的欠陥に基づくものではない。それは道徳的堕落の一貫した兆候である。私は過去に何度も、ヨーロッパの哲学的思考とその最も著名な代表者の根底にある矯正不能な人種差別を指摘してきた。

この道徳的堕落は、単なる政治的失策やイデオロギーの盲点ではない。彼らの哲学的想像力に深く刻み込まれている。それは矯正不能なまでに部族的だ。

ここでは、私たちは栄光のあるマルティニークの詩人、エメ・セザールの有名な言葉を振り返らなければならない。

「そう、ヒトラーとヒトラー主義の歩みを臨床的に、詳細に研究することは価値があるだろう。そして、20世紀の非常に優れた、非常に人間主義的で、非常にキリスト教的なブルジョワに次のような事実を明らかにすることは価値があるだろう。

ヒトラーは、①自分も気づかないうちに、その内部に存在しており、②自分の心の中の悪魔であり、③ヒトラーを非難すると、自分に一貫性がなくなり、④根本的に、ヒトラーを許せないのは、その犯罪自体のためでも、人間に対する犯罪のためでも、人間をそんな風に屈辱的に扱ったためでもない、それは白人に対する犯罪であり、白人を屈辱したのであり、それまでは(アラブ人、インド人、アフリカ人)のためだけに用意されていたものをヒトラーはヨーロッパ植民地主義的手続きに適用した。


パレスチナは今日、この文章で引用されている植民地時代の暴虐の延長だ。ハバーマスは自身がパレスチナ人の虐殺を支持していることが、彼の先祖がナミビア共和国で行なったヘレロ・ナマクア虐殺と完全に一致していることがわからないようだ。土中に頭を突っ込めば事実が消えてなくなると思いこむといわれる七面鳥さながらに、ドイツの哲学者たちは自らのヨーロッパの妄想の中に頭を突っ込み、世界が彼らの真の姿を見ていないと思い込んでいる。

私見では、ハバーマスは驚くようなことも矛盾することも何も言っていない。まったく逆で、彼は自分の矯正不能な部族主義的哲学からは一歩も外に出たことはない。自分の哲学には普遍性があると言っているのは誤りだ。

世界は今、そのような誤った普遍性意識から脱却しつつある。コンゴ民主共和国のVYムディンベ、アルゼンチンのウォルター・ミニョーロやエンリケ・デュッセル、日本の柄谷行人のような哲学者は、ハバーマスやその一派が主張した普遍性よりもはるかに正当な主張をしている。

私に言わせれば、パレスチナに関するハバーマスの道徳的破綻は、ヨーロッパ哲学とそれ以外の国々との植民地的関係における転換点を示している。世界はヨーロッパ民族哲学の誤った眠りから目覚めたのである。今日、私たちがこの解放を得たのは、パレスチナ人のような民族の世界的な苦難のおかげである。彼らの長期にわたる歴史的な英雄崇拝主義と犠牲によって、「西欧文明」の基盤にあるむき出しの蛮行がついに解体されたのだ。

*
ハミド・ダバシはニューヨーク市のコロンビア大学でイラン研究および比較文学のハゴップ・ケヴォーキアン教授を務め、比較文学、ワールドシネマ、ポストコロニアル理論を教える。近著に『The Future of Two Illusions: The Future of Two Illusions: Islam after the West』(2022年)、『The Last Muslim Intellectual: The Life and Legacy of Jalal Al-e Ahmad』(2021年)、『Reversing the Colonial Gaze: 2020年)、『皇帝は裸である: On the Inevitable Demise of the Nation-State』(2020年)など。著書やエッセイは多くの言語に翻訳されている。
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キエフ政権が自国民捕虜を殺すことは日常茶飯事だ。NATOが支援するならず者国家なのだから。

<記事原文 寺島先生推薦>
Kiev Regime Killing Its POWs Is Normal for This NATO-Backed Gangster State
出典:Strategic Culture 2024年1月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月3日


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ウクライナとその資金提供者であるNATOは、人の命を軽く見ており、そんな国々は、自由や勝利に値しない。

 キエフ政権は非情にも、合衆国とNATOのためのロシアに対する代理戦争工作を理由に、戦費をたかり、金をせしめる為の戦争により、ウクライナ国民の命を奪ってきた。ウクライナ当局の腐敗した陰謀団にとっては、どんな犯罪行為も裏切り行為も軽すぎるということはない。

 ウクライナ軍が自国の65人の戦争捕虜を乗せたロシアの輸送機を撃ち落としたとしても、別に驚くべきことではない。このナチ政権なら、こんな野蛮な犯罪行為を犯して当然だ。

 水曜日(1月24日)の現地時間午前11時15分、イリューシンIL-76軍事輸送機が、 ウクライナを出て、ロシアのベルゴロド地方に向かう上空で撃墜された。乗員74名全員が亡くなった。その中には65名のウクライナ戦争捕虜と9名のロシア軍人が乗っていた。戦争捕虜らは、その日の午後におこなわれることになっていた、捕虜交換の一環として、ベルゴロド市に向かっていた。報道によると、この悲劇のあと、後ろを飛んでいた80人の捕虜を乗せた次発機は上空でUターンしたという。

 明らかにこの飛行は、ウクライナとロシアのあいだでしっかりと話し合われた取り決めのなかでおこなわれたものだった。これまでもすでに同様の捕虜交換は何十回もおこなわれてきた。その手順は、あまり目立たない形であっただろうが、両国によりきちんと理解され、調整されていただろう。今回の事件は、ウクライナ側がその手順を悪質に逸脱したものであることが伺える。

 ロシアのレーダーは、撃墜されたIL-76を標的にした2発の地対空ミサイルの発射を検出した。これらのミサイルは、明らかにウクライナのハルキウ地方のリプスティ村から発射されたものだった。発射から標的までの距離は100キロに及んだ。そのことから明らかにわかることは、そのような飛距離を持つと思われるミサイルは、米国が供給したパトリオットかドイツのアイリスーTミサイルしかない、ということだ。そのことは、すでにロシア議会でも取り上げられている。

 さらに、フランス国営放送報道によると、今回の撃墜はパトリオットの弾頭によるものだった、という。

 したがって、この犯罪を犯したのはウクライナ当局であることは間違いない。しかも計画的および意図的に自国の戦争捕虜を殺害しようという意図のもとでおこなわれたようだ。

 しかしながら、NATOが支援するウクライナ政権は、これまで何度かみせてきたとおりの悪質な性質を示し、この事件を有耶無耶にしようとした。そしてその点については、西側報道機関が手を貸し、すぐさま撃墜を伝えたロシアの報告に疑念を挟んだ。BBCはロシアが偽情報工作に加担している、とさえ示唆し、ロシア側は「厚かましい嘘をついてきた長い歴史」をもち、捕虜が搭乗していたかどうかさえ疑わしいことを示唆していた。

 国連安保理において、フランスの臨時議長は、ロシアからの緊急会議開催の申し出を却下し、会議の開催を24時間以上先延ばしにした

 これはあきらかに、キエフ政権とそれを操るNATOに、こんな野蛮な行為に対する説得力のある作り話をでっち上げるための息継ぎの時間を確保するためのものだった。

 当初ウクライナ側が主張しようとしていたのは、 IL-76機を標的にしたのは、同機がベルゴロドに弾薬を輸送していたとされていたからであり、標的にするのは正当な行為であると見なせる、というものだった。しかし、このような説明は急いでに取り下げられた。というのも、ロシア軍がこの貨物専用機に、同意された捕虜交換による捕虜も同乗させることをウクライナ側に対して完全に伝えていたことが明らかになったからだ。水曜日(1月24日)の夜の時点で、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は躍起になって「ウクライナ国民の命をもてあそんでいる」として、ロシアを非難しようとしていた。このような下品な行為をおこなったのは、自身の政権であることが明々白々になったときにさえ、だ。

 この残虐行為をおこなった不愉快な理由が何なのかは、はっきりとしていない。偽旗作戦による挑発行為を使って、ロシアを非難することが目的だったのか? そうは考えにくい。というのも、キエフ政権内の愚者らでさえ、ロシア側はそのミサイルがどこから発射されたかを簡単に検出し証明できることを分かっていたはずだからだ。

 いずれにせよ、明らかな点がひとつある。それは、ウクライナの腐敗政権が、自国民の命のことを全く気にかけていない、という事実だ。この悪質な軍事政権がご主人様であるNATOのための戦争を長引かせるために犯してきた残虐行為を全て明らかに数え上げることは不可能だ。

 つい先週のことだが、ウクライナのドミトル・クレーバ外相は、自国民はNATOに対する大砲の餌食である、と恥ずかしげもなく公言した。西側の特権階級がスイスのダボスで開いた会議のなかで、クレーバ外相が語ったのは、NATOがウクライナに武器を送り続け、その武器でウクライナが戦争を続けるのは望ましいことだ、とのことだった。つまり、ウクライナ国民が死に続けてもいい、ということだ。

 ゼレンスキーは、軍事支援としてさらに何十億ドルもの資金を乞うために常に世界各国を訪問しているが、その金は自分や彼の妻や彼の取り巻き連中の懐に入れるためのものである。ゼレンスキー政権は、さらに50万人のウクライナ国民を従軍させようとしている。そのことが暗に示しているのは、NATOの挑発により2022年2月に始まったロシアに対する代理戦争により、すでにこれまでに50万人のウクライナ国民が亡くなっている、ということだ。

 親ナチ政権は、西側からの武器供給を集め、この戦争騒ぎを長引かせるため、自国民に対して数え切れない残虐行為を犯してきた。

 2022年4月のブチャでの大虐殺はロシアの手によるものだとして非難されているが、ロシア軍がブチャから撤退した数日後に、処刑されて間もない何百もの死体が路上で発見された。その後同じ月に、クラマトルスクの鉄道の駅にミサイルが打ち込まれ、50人以上が亡くなった。鑑識の結果、そのミサイルはウクライナ軍のものであることが分かった。

 それ以外にも多くの偽旗作戦が繰り出されてきた。例えば、ザポリージャ原発への容赦ない攻撃、カホフカダムの爆破、コンスタンチノフカ市やフロザ市などへの空爆などだ。

 ウクライナ政権は躍起になって、ご主人様である帝国主義諸国のためのこの戦争騒ぎを維持しようとしている。大きく自慢されていた昨年の反撃攻勢は惨敗に終わり、ロシアの優秀な射撃能力に対する「激戦」の結果、12万のウクライナ軍部隊が壊滅された。それでもキエフの操り人形は、和平交渉にこれっぽっちも応じようとしていない。

 ウクライナの多くの戦争捕虜は、生きたまま捕えられ、非情な上官から課された恐ろしい「自殺的使命」から逃れられたことで安堵した、と表明している。いまウクライナ国民は、路上でゼレンスキーの手下らにしょっぴかれ、ほぼ間違いなく死が待っている前線に送り込まれることを恐れて縮こまっている。

 米国が主導するウクライナでの代理戦争は、取り返しのつかない惨敗だ。これはNATOとその従属国であるナチ政権にとって壊滅的な敗北だ。しかし腐敗したキエフ政権は、大規模な贈賄と銭儲けができる状況を続けたがっている。まさに戦争中毒者だ。

 ロシアが関わってきた捕虜交換により、何千人もの捕虜たちが家族のもとに帰ることができた。このような善意により得られたことは計り知れず、感謝されて当然の行為だ。

 さらにこの交換により、ゼレンスキーやNATOのための代理戦争を致命的に弱体化することに繋がることも間違いない。というのも、捕虜たちが群れをなして国に戻って、家族や地域の人々に、自国のならずもの政権がどれだけ下劣で非常なのかを伝えることになるだろうからだ。

 この政権ほど、自国の戦争捕虜を殺す政権はないだろう。結局は、死人に口なし、だ。この政権は、何百万ものウクライナ国民の命を無駄にし、自国を外国に支配される状況に陥れたことに対して償う気配は全く見せていない。この政権にとっては、自国民の戦争捕虜や数名のロシア人が乗っている輸送機を撃墜させることなど、なんてことではないのだ。

 だからこそ、ウクライナとその資金提供者であるNATOは敗北する運命にあるのだ。人の命を軽く見る勢力は、自由や勝利に値しない。
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今年2024年は辰年:シルクロードやBRICKSロード、そして中国ロードが発展する

<記事原文 寺島先生推薦>
Year of the Dragon: Silk Roads, BRICS Roads, Sino-Roads
筆者:ぺぺ・エスコバル(Pepe Escobar)
出典:ストラテジック・カルチャー(Strategic Culture) 2024年1月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月2日


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中国、ロシア、イランは、より平等で公正な体制に向けた戦いを次の段階へと進めるだろう、とペペ・エスコバルは書いている。

 白熱する2024年を迎えるにあたり、4つの大きな潮流が相互接続されたユーラシア大陸の進展を決定づけるだろう。

 1. 金融・貿易の統合が当たり前になる。ロシアとイランはすでに金融上のやり取り伝達体系を統合し、SWIFT(国際銀行間通信協会)を迂回してリヤルとルーブルで取引している。 ロシアと中国はすでにルーブルと人民元で決済し、中国の巨大な工業能力とロシアの巨大な資源とを結びつけている。

 2.ソ連後の同地域の経済統合は、ユーラシア大陸に偏っていたが、今後はユーラシア経済連合(EAEU)を経由するのではなく、上海協力機構(SCO)と連動した流れが主流となる。

 3.ハートランドに親欧米派が大きく進出することはなくなるだろう。中央アジアの「親米スタン諸国」は、SCOを通じて組織される単一のユーラシア経済に徐々に統合されていくだろう。

 4.覇権国たる米国とその衛星国(欧州と日本/韓国/豪州)が、BRICSの3強国(ロシア、中国、イラン)に代表されるユーラシア統合と、北朝鮮、そしてBRICS10に組み込まれたアラブ世界と対峙することで、衝突はさらに先鋭化するだろう。

 ロシアの最前線では、他の追随を許さない政治学者であるロシアのセルゲイ・カラガノフがこんな頭ごなしの言い方をした:「我が国の根源がヨーロッパにあることを否定すべきではありません。確かに今まで、ヨーロッパは我が国に多くのものを与えてくれました。しかし、ロシアは前進しなければなりません。ただし進む方向は西側ではなく、東と南です。そこに人類の未来があるからです」と。

 東と南にある国は、龍の国だ。今年は辰年なのだから。


毛沢東と鄧小平がつけた道筋

 2023年に中国人が鉄道で移動した回数は36億8000万回で、これは過去最高記録である。

 中国は、2030年までにAIの世界最先端国になる道を急速に歩んでいる。例えば、テック業界大手の百度(バイドゥ)社は最近、ChatGPTに対抗する「文心一言(Ernie Bot)を販売し始めた。中国のAIは医療や教育、娯楽業界で急速に拡大している。

 効率が鍵だ。中国の科学者たちはACCELチップを開発した。ACCELチップのディープ・ラーニング能力は1秒間に4.6兆回の演算をおこなえるが、それと比べてこれまでのNVIDIAのA100は1秒間に0.312兆回の演算しかこなせなかった。

 中国では毎年、米国よりも100万人以上多いSTEM(科学・技術・工学・数学)分野の学生が卒業している。これはAI分野にとどまらない。アジア諸国は科学や数学の競技会で常に上位20%に入る。

 オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は地政学に関してはお粗末な研究しかできていないかもしれない。しかし少なくとも、同研究所は44の重要技術分野で地球のどんな国々が先頭を走っているかについて示す公共事業をおこなっている。

 それによると、中国は37分野で先頭であるとされている。いっぽう米国は7分野だ。両国以外の国はどの分野においても先頭とはされていない。中国が1位とされている分野は、防衛、宇宙、ロボット工学、エネルギー、環境、生物工学、先端材料、量子技術、そしてもちろんAIである。

 中国はいかにしてここまで来たのか? いまこそ、モーリス・メスナーが1996年に出版した『鄧小平の時代:中国社会主義の運命への探求、1978-1994年』を読み返すと、非常に勉強になる。

 まずは、毛沢東政権のもとで、何が起こったのかを把握しておく必要がある。

 「1952年から1970年代半ばまで、中国の純農業生産高は年平均2.5%の割合で増加した。なお、日本の工業化が最も激しく進んだ時期(1868年から1912年まで)における工業生産高の伸び率は1.7%だった」

 産業分野においても、全ての分野で生産高は向上した。具体的には、鉄鋼生産や石炭、セメント、木材、電力、原油、化学肥料の分野だ。「1970年代半ばまでに、中国はジェット機や大型トラクター、鉄道機関車、近代的な外航船舶も大量に生産するようになった。中華人民共和国はまた、大陸間弾道ミサイルを備えた重要な核保有国となった。1964年には初の原爆実験に成功し、1967年には初の水爆が製造され、1970年には人工衛星が軌道に打ち上げられた」

 毛沢東のおかげだ。彼は中国を「世界で最も遅れた農業国のひとつから、1970年代半ばまでに第6位の工業大国へと変貌させた」。ほとんどの主要な社会的・人口統計的指標において、中国は南アジアのインドやパキスタンだけでなく、「一人当たりGNPが中国の5倍である『中所得』諸国」と比べても上位に立っていた。

 これらすべての躍進が鄧小平政権に引き継がれた。「1950年代から1960年代にかけての、集団化された農民によって建設されたダム、灌漑施設、河川堤防などの大規模な灌漑・治水事業がなければ、鄧小平時代の個人農家における高収量は実現しなかっただろう」。

 もちろん歪みはあった。鄧小平による推進が、官僚特権階級が主導する事実上の資本主義経済を生み出したのだから。「すべての資本主義経済の歴史がそうであったように、国家権力は中国の労働市場の確立に大きく関与した。実際、中国では、非常に抑圧的な国家機構が、労働の商品化において特に直接的かつ強制的な役割を果たした。この過程は、歴史的に前例のない速さと規模で進行した」

 鄧小平の経済的大躍進が、社会的にどのような災厄をもたらしたかについては、いまだに議論が尽きない。


悪徳政治のもとでの帝国

 習近平時代が困難な状況に対して毅然として立ち向かい、さらには解決しようとしているなかで、さらに状況を困難にしている要因に、中国と覇権国家米国とのあいだの悪名高い「構造的矛盾」が常に干渉してくる点があげられる。

 米国の政争において、中国に轟々と非難を浴びせかけることほど、正しい一手はなく、2024年には制御不能になるに違いない 。この11月の大統領選で民主党が大失敗し、共和党大統領になるとすれば、大統領がトランプになろうがなるまいが、ロシアではなく中国を最大の脅威とする冷戦3.0あるいは4.0が勃発することは疑いない。

 そして台湾の大統領選も間もなくだ。独立派候補が勝利すれば、緊張関係は飛躍的に高まるだろう。それに加えて、ホワイトハウスの住民が熱狂的な嫌中論者になればどうなるかを想像してみてほしい。

 中国が軍事的に弱かったときでさえ、米帝国は朝鮮半島でもベトナムでも中国を打ち負かすことはできなかった。いまなら、米国が南シナ海の戦場で中国を打ち負かす可能性はゼロ以下だ。

 米国をとりまく状況は最悪だ。

 覇権国アメリカのハードパワー(軍事力)とソフトパワー(経済力他)は、ウクライナにおけるNATOの屈辱的な敗北と、ガザでの虐殺への加担によって、暗黒の虚無に投げ込まれた。

 同時に、BRICS10を率いるロシアと中国の戦略的友好関係が、グローバル・サウスにかなり現実的な選択肢を提供し始めたことで、米帝国の世界での経済力は非常に大きな打撃を受けようとしている。

 中国の学者たちとの交流は、私にとって貴重なものなのだが、彼らがいつも思い起こさせてくれるのは、歴史の舞台とは一貫して、貴族階級及びあるいは金権政治家が互いに戦いあう遊び場であったという事実だ。いま西側連合は、金権政治のなかで最も有害な部類にあたる悪徳政治の方向に「導かれて」いる。

 中国がいみじくも、「十字軍国家」と名付けた西側諸国は、いまや経済的にも社会的にも軍事的にも疲弊しきっている。さらに悪いことに、ほぼ完全に脱工業化している。少なくとも、十字軍の中で脳が機能している人々は、中国からの「切り離し」が大きな災いをもたらすことを理解している。

 中国との戦争に向けた西側諸国の傲慢で無分別な衝動を排除することはできない。中国側は、西側が再び永遠の戦争を始める口実を与えないように、細心の注意を払って自制している。

 その代わりに、中国は米帝国がよく使う戦術を逆に繰り出している。米帝国とその属国(日本、韓国)に対して、希土類の輸入で制裁を加えているのがその一例だ。さらに効果的なのは、BRICS10カ国、オペック・プラス加盟国、EAEU加盟国、そしてほとんどのSCO加盟国の全面的な支援を得て、米ドルを回避し、ユーロを弱体化させようとするロシアと中国の協調的な動きである。


台湾という難題

 中国が繰り出す絶妙な一手を一言で言えば、戦力をまったく駆使せず「規則に基づく国際秩序」を終わらせるというものだ。

 台湾は戦火が交わされないままの大きな戦場であり続けるだろう。大雑把に言って、台湾の人々の大多数は中国との統一を望んでいないし、かといって米国がけしかける戦争に乗ろう、とも思っていない。

 一番欲しいのは現状維持だ。中国も別に焦っていない。鄧小平の計画では、2049年までのいつかで台湾が戻ればいい、と考えていた。

 いっぽう震えるほど焦っているのは米帝国だ。またぞろ「分断して統治せよ」の手法を駆使して、混乱を深め、止めようのない中国の台頭を弱体化させようとしている。

 大規模かつ繊細な文書の読み取りをとおして、中国政府は、台湾のあらゆる動きをつぶさに追跡している。 中国側は、台湾側が平和的な環境で繁栄するためには、交渉する内容が存在するうちに交渉する必要があることを知っている。

 頭脳明晰な台湾人なら誰でも--そして台湾には科学に詳しい一流の頭脳の持ち主がたくさんいる--、米国が自分たちのために戦って死んでくれるとは期待できないことを知っている。まず第一に、米帝国が中国と通常戦争をする勇気がないことを知っているからだ。負けるのがわかっているからだ。しかも(米帝国がいかなる手段を行使しても)惨敗することを知っているからだ。核戦争も起こらないだろう。

 中国の学者たちが私たちに好んで思い出させてくれる事実は、19世紀に清朝(1644-1912)のもとで中国王朝が完全に分断されたとき、「中満支配層は自分たちはこうであるという思い込みを放棄することができず、強硬な必要な措置をとることができなかった」ことだ。

 いまは例外主義者国家たる米帝国が、自分たちの神話的な自己の姿に対する思い込みを保とうとして、宙返りを繰り返しているのだ: ナルキッソスは自分で作った池の中で溺れ死んだ。

 辰年の今年は、主権が支配する年になると言っても言い過ぎではないだろう。米帝国はハイブリッド戦争を仕掛けようと躍起になっており、自国を他国に売りさばいて私腹を肥やした清朝時代の買弁のような、帝国に喜んで追随する商売人支配者層はグローバル・サウスを絶えず妨げる障害となるだろう。しかし、少なくとも、より平等で公正な体制に向けた戦いを次の段階に進めるための、気骨、資源、組織、視座、そして普遍的な歴史観を備えた3つの極が存在する:それは、中国、ロシア、イランだ。
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