アフリカにおける社会主義指導者の新時代
<記事原文 寺島先生推薦>
A New Era of Socialist Leadership in Africa
筆者:ドガン・デュアル(Dogan Duyar)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年8月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年9月29日

若い科学的社会主義の軍事指導者たちが2023年7月27日から28日にかけてサンクトペテルブルクで開催されたロシア・アフリカサミットで、注目の的となった。
ブメディアンや、サンカラ、ンクルマ、ケイタ、トゥーレ、そしてブルギバなどの名前は、反革命から60年後、「完全に独立した」祖国の守護者として、自国のアフリカ民族を再び統一している。
アフリカでは、「安全保障と生産の革命」が必要とされ、それには西側との関係を切り離す必要がある。軍事クーデターは、帝国主義から離脱できない「社会民主主義」政党を打倒した。独立戦争は、科学的社会主義の指導のもとで進行している。
アフリカ各国の国家元首は、その演説で、ソビエト社会主義共和国連邦(USSR)が脱植民地化の闘いと新しく形成された国家の発展へ支援をしてくれたことを称賛した。彼らは社会主義の中華人民共和国との協力を強調した。また、新しい国際秩序の一環であるBRICSの一員として参加したいとの希望を表明した。
安全保障と生産の革命における社会主義者の指導
アフリカ諸国の「安全、国家の統合、生産の革命」への必要性は、新帝国主義的な西洋によって妨げられている。解決策は西洋との関係を断絶することだ。
アフリカの社会民主主義や、ポピュリスト、そして社会主義政府すら西洋から離れることができないため、科学的社会主義者が国家民主革命の指導を取っている。
マリや、ブルキナファソ、およびニジェールなどで崩壊した政党
ニジェール、ブルキナファソ、マリ、アルジェリアで倒された政党は、「中道右派」でも「リベラル」でも「親フランス」でもない。ニジェールで打倒された政党の名前は「ニジェール民主社会主義党」(PNDS-Tarayya)である。党の綱領は民主主義革命であった。マハマドゥ・イシューフ前大統領が2011年3月に掲げた8項目の選挙公約は以下のとおり:
1. 公共投資を通じて経済の活性化と社会的発展の促進。
2. "3N"構想(Nigeriens Nourish Nigeriensニジェール人がニジェール人を養う)を通じた食品安全保障の確保。
3. 都市、農村、自然水力工事の改修および建設を通じて、全ての人に飲料水を供給できること。農村部における飲料水の供給率は約45%。言い換えれば、2人に1人が飲料水を供給されていない状況。
4. 道路、農村道路、電力、鉄道への投資を通じて、生活基盤施設と燃料の改善。
5. 社会指標(教育と健康)を大幅に向上させる。この2300万人の国では、識字率は約30%。
6. 若者に雇用の機会を創出する。ニジェールはアフリカで最も若い人口を持つ国。人口の70%以上が30歳未満。この99%がイスラム教徒である国は、1人の女性あたりの出生率が7.6。
7. 強固で信頼性のある持続可能な民主的機関の構築。
8. 国内全域で個人と財産の安全を確保する。
残念ながら、この民主主義の改革計画は大西洋系政府の影響を受けて紙上でしか存在せず、状況は大西洋式支配と政府の転覆という断絶が必要だった。
マリとブルキナ・ファソにおける左派同盟
ロシュ・カボレの政党は、2022年1月24日にブルキナファソで転覆された政党で、「進歩のための人民運動」(MPP)と呼ばれていた。転覆当時、この政党はヨーロッパの「社会主義インターナショナル」の影響を受け、ブルキナファソの有名な指導者トーマス・サンカラの継承者であると主張し、連立政権を組むために「目覚めのための連合-サンカリアン党」(UNIR/PS)と連携していた。
2020年8月18日にマリで打倒された頭文字IBKで知られるイブラヒム・エブベキル・キータは、「マリの民主主義のための同盟-正義と連帯のためのアフリカ党(Adéma-PASJ)」に由来する。いくつかの分裂を経て2001年に「マリのための統一」(RPM)と改名されたこの追放された政党は、自らを「左翼、社会主義」と表現した。
アルジェリアで2019年2月22日に倒されたのは、国家創設党の国民解放戦線(FLN)の政府だった。それを倒したのはFLNの「新ブメディアン」と呼ばれる集団で、彼らは陸軍・国民連合の一部だった。
アルジェリアにおける国民解放戦線(FLN)の内紛
さて、FLNは、1954年(この年に最初の武力闘争を開始した)に始まる歴史的な出発点に戻ろうとしている。2019年12月、選挙運動中、アブデル・マジド・テブン大統領は彼の「54の約束」宣言でFLN創設を強調した。2020年、政府は自分たちの計画を「どこまでやれたのか?」とまとめた。それはフアリ・ブメディエンの指導下での1965年から1978年までの時期を指し示している。この期間には国家主権への道で重要な進展が達成されたのだ。
アフリカで革命の火山が噴火した
アフリカの政治史は60年周期で進展する。
1900年から1960年までの期間は革命の時代だった。
1960年から2020年までの期間は反革命の時期だった。
20世紀初頭に植民地主義に対抗したアフリカ大陸は、今では60年間の新植民地主義的な秩序に対して反乱を起こしている。
アフリカ諸国で「第二次独立戦争」が行なわれている。
フランス軍は追い出されている。マクロンとその一党は今やアフリカで望まれない存在だ。
独立と帝国主義、植民地主義からの独立の象徴とされた「時代遅れ」と言われていた創設者たちが、現在、歴史の舞台に再び現れている:アルジェリアのフアリ・ブメディアン、ブルキナファソのトーマス・サンカラ、ガーナのクワメ・ンクルマ、マリのモディボ・ケイタ、ギニアのアフメド・セク・トゥーレ、チュニジアのハビーブ・ブルギバ。
植民地支配者が忘れさせたかった科学的社会主義の創設者たちは、再びそれぞれの国の希望となっている。
A New Era of Socialist Leadership in Africa
筆者:ドガン・デュアル(Dogan Duyar)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年8月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年9月29日

「帝国主義と植民地主義からの独立の象徴」とされ、「時代遅れ」と言われた国の創設者たちが、今、歴史の舞台に再び登場している。アルジェリアのフアリ・ブメディアンや、ブルキナファソのトーマス・サンカラ、ガーナのクワメ・ンクルマ、マリのモディボ・ケイタ、ギニアのアフメド・セク・トゥーレ、そしてチュニジアのハビーブ・ブルギバなどだ。
若い科学的社会主義の軍事指導者たちが2023年7月27日から28日にかけてサンクトペテルブルクで開催されたロシア・アフリカサミットで、注目の的となった。
ブメディアンや、サンカラ、ンクルマ、ケイタ、トゥーレ、そしてブルギバなどの名前は、反革命から60年後、「完全に独立した」祖国の守護者として、自国のアフリカ民族を再び統一している。
アフリカでは、「安全保障と生産の革命」が必要とされ、それには西側との関係を切り離す必要がある。軍事クーデターは、帝国主義から離脱できない「社会民主主義」政党を打倒した。独立戦争は、科学的社会主義の指導のもとで進行している。
アフリカ各国の国家元首は、その演説で、ソビエト社会主義共和国連邦(USSR)が脱植民地化の闘いと新しく形成された国家の発展へ支援をしてくれたことを称賛した。彼らは社会主義の中華人民共和国との協力を強調した。また、新しい国際秩序の一環であるBRICSの一員として参加したいとの希望を表明した。
安全保障と生産の革命における社会主義者の指導
アフリカ諸国の「安全、国家の統合、生産の革命」への必要性は、新帝国主義的な西洋によって妨げられている。解決策は西洋との関係を断絶することだ。
アフリカの社会民主主義や、ポピュリスト、そして社会主義政府すら西洋から離れることができないため、科学的社会主義者が国家民主革命の指導を取っている。
マリや、ブルキナファソ、およびニジェールなどで崩壊した政党
ニジェール、ブルキナファソ、マリ、アルジェリアで倒された政党は、「中道右派」でも「リベラル」でも「親フランス」でもない。ニジェールで打倒された政党の名前は「ニジェール民主社会主義党」(PNDS-Tarayya)である。党の綱領は民主主義革命であった。マハマドゥ・イシューフ前大統領が2011年3月に掲げた8項目の選挙公約は以下のとおり:
1. 公共投資を通じて経済の活性化と社会的発展の促進。
2. "3N"構想(Nigeriens Nourish Nigeriensニジェール人がニジェール人を養う)を通じた食品安全保障の確保。
3. 都市、農村、自然水力工事の改修および建設を通じて、全ての人に飲料水を供給できること。農村部における飲料水の供給率は約45%。言い換えれば、2人に1人が飲料水を供給されていない状況。
4. 道路、農村道路、電力、鉄道への投資を通じて、生活基盤施設と燃料の改善。
5. 社会指標(教育と健康)を大幅に向上させる。この2300万人の国では、識字率は約30%。
6. 若者に雇用の機会を創出する。ニジェールはアフリカで最も若い人口を持つ国。人口の70%以上が30歳未満。この99%がイスラム教徒である国は、1人の女性あたりの出生率が7.6。
7. 強固で信頼性のある持続可能な民主的機関の構築。
8. 国内全域で個人と財産の安全を確保する。
残念ながら、この民主主義の改革計画は大西洋系政府の影響を受けて紙上でしか存在せず、状況は大西洋式支配と政府の転覆という断絶が必要だった。
マリとブルキナ・ファソにおける左派同盟
ロシュ・カボレの政党は、2022年1月24日にブルキナファソで転覆された政党で、「進歩のための人民運動」(MPP)と呼ばれていた。転覆当時、この政党はヨーロッパの「社会主義インターナショナル」の影響を受け、ブルキナファソの有名な指導者トーマス・サンカラの継承者であると主張し、連立政権を組むために「目覚めのための連合-サンカリアン党」(UNIR/PS)と連携していた。
2020年8月18日にマリで打倒された頭文字IBKで知られるイブラヒム・エブベキル・キータは、「マリの民主主義のための同盟-正義と連帯のためのアフリカ党(Adéma-PASJ)」に由来する。いくつかの分裂を経て2001年に「マリのための統一」(RPM)と改名されたこの追放された政党は、自らを「左翼、社会主義」と表現した。
アルジェリアで2019年2月22日に倒されたのは、国家創設党の国民解放戦線(FLN)の政府だった。それを倒したのはFLNの「新ブメディアン」と呼ばれる集団で、彼らは陸軍・国民連合の一部だった。
アルジェリアにおける国民解放戦線(FLN)の内紛
さて、FLNは、1954年(この年に最初の武力闘争を開始した)に始まる歴史的な出発点に戻ろうとしている。2019年12月、選挙運動中、アブデル・マジド・テブン大統領は彼の「54の約束」宣言でFLN創設を強調した。2020年、政府は自分たちの計画を「どこまでやれたのか?」とまとめた。それはフアリ・ブメディエンの指導下での1965年から1978年までの時期を指し示している。この期間には国家主権への道で重要な進展が達成されたのだ。
アフリカで革命の火山が噴火した
アフリカの政治史は60年周期で進展する。
1900年から1960年までの期間は革命の時代だった。
1960年から2020年までの期間は反革命の時期だった。
20世紀初頭に植民地主義に対抗したアフリカ大陸は、今では60年間の新植民地主義的な秩序に対して反乱を起こしている。
アフリカ諸国で「第二次独立戦争」が行なわれている。
フランス軍は追い出されている。マクロンとその一党は今やアフリカで望まれない存在だ。
独立と帝国主義、植民地主義からの独立の象徴とされた「時代遅れ」と言われていた創設者たちが、現在、歴史の舞台に再び現れている:アルジェリアのフアリ・ブメディアン、ブルキナファソのトーマス・サンカラ、ガーナのクワメ・ンクルマ、マリのモディボ・ケイタ、ギニアのアフメド・セク・トゥーレ、チュニジアのハビーブ・ブルギバ。
植民地支配者が忘れさせたかった科学的社会主義の創設者たちは、再びそれぞれの国の希望となっている。
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