アフリカにおける戦争とアメリカ:白人世界至上主義終焉の加速化
<記事原文 寺島先生推薦>
War in Africa and the Americas: Accelerating the End of White World Supremacy
筆者:エイジャム:バラカ (Ajam Baraka)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年8月29日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年9月6日

最近、アメリカはペルーに軍隊を配備し、ペルーでのクーデターを支援した。それに続いて、エクアドルにも軍隊を派遣し、さらにアフリカからケニアとルワンダの軍隊をハイチに送り込む奇妙なAFRICOM(米軍アフリカ司令部)の計画があり、これはハイチのアリエル・アンリ違法政府を支援するものだ。それは黒人の顔をした白人至上主義とも言える。
これは狂気だ、やけくその狂気だ!
最悪の悪夢にとりつかれながらフランスは、自分たちが作り上げたアフリカ帝国から追放されつつある。フランスは絶望的な気持ちでニジェールに踏みとどまった。マリから追放された後、フランスは自国の軍隊をニジェールに再配置せざるを得なかったのだ。軍事政権がニジェールで権力を握り、市民は首都ニアメーの街路にロシアの旗を掲げ、ドローン基地を持つフランスとアメリカを国から追放するよう要求している。それにはアガデズに1億ドル以上の建設費をかけたすべてのドローン基地の母体とでも言うべきものも含まれている。
しかしながら、彼らが平和的に去ることはないことを私たちは知っている。イラクの人々はアメリカに去るよう要求したが、彼らの軍隊はまだそこに残っており、石油と小麦を盗んでいる。ハイチの人々は介入を望んでいないが、白人至上主義の傲慢さと精神病理学は、その指導者たちに世界中の民族の声を無視し、自分たちが一番わかっているもの、すなわち暴力と支配に頼ることを強制している。
西欧列強がなぜように行動するのかは、謎でも何でもない。彼らは今、これからの世界の流れに直面している。それは、自分たちの意志はもう押し付けられないし、世界中の民族と大地がより偉大な栄光のために生み出した価値を横取りできなくなるという流れだ。そして西欧列強が下した結論とは、西洋の覇権を最初に確立した手段に立ち戻らなければ、なのだ。その一番過激な表現は戦争だ。
ヨーロッパの植民地支配者と植民地化された「他者」との関係の中心にある暴力は、1492年にヨーロッパ人たちがヨーロッパからアメリカに流れ込んで以来、変わっていない。ただし、その表面的な形が変わっただけだ。
1945年の第二次帝国主義戦争(すべての戦争を終結させるはずだったと考えられていた戦争、少なくともヨーロッパではそう考えられていた)終結以来、新たな西側帝国主義世界の指導者としてのアメリカは、人権と民主主義への関与を宣言した。しかし、(実際にやったことはと言えば)全大陸で戦争を起こし、政府を転覆させ、反植民地闘士を殺害し拷問し、欧州同盟国による血なまぐさい戦争を積極的に支援したことだ。
植民地を持つことは、西洋の優越性の命脈であり、植民地支配強国はアルジェリアからジンバブエとなった地域にわたって、その命脈を古典的な方法と新しい方法で維持するために戦争を繰り広げた。彼らのやり方は、アルジェリア、ケニア、イスラエル、南アフリカなど、白人入植者が多数を占めていた地域で最も残酷だった。彼らの目標は、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、そしてオーストラリアで「うまくいった」白人入植方法をそのまま繰り返すことだ。そこでは先住民族を征服し、彼らの土地を奪い、しばしば子供たちも奪い、生存者を今日まで植民地の束縛下に置こうとした大量虐殺的手法だ。
しかし、変化の兆しが漂っている。アメリカのイラクとアフガニスタンでの敗北、そしてウクライナでの敗北(まだアメリカ国民には発表されていない)が露呈したことで、グローバル・サウスに属する民族、特にアフリカの民族は、白人植民地主義/資本主義支配の機関から与えられ続けている屈辱を受け入れる気分ではなくなっている。
こういった流れの中で、15か国の西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が、アフリカのエリート層とその西側上司の代理として、軍事クーデターで失脚した大統領モハメド・バズームを権力に復帰させるために、1週間以内にニジェール軍に対して「必要なすべての措置」、場合によっては「武力の行使」も講じると発表したのだが、数年前とは異なる反応があった。過去とは異なり、西側エリート層が新植民地の傀儡を通じて命令を出しも、彼らが黙って言うことを聞く時代ではなくなったのだ。アルジェリアは、西側列強がニジェールを攻撃した場合、見て見ぬふりをしないと述べ、ギニア政府やブルキナファソ、そしてマリの軍指導者も、アメリカとフランスがニジェールを攻撃した場合、たとえそれがECOWASの黒人代表を通じて行われたとしても、戦争を辞さないと脅迫した。
「平和は紛争の不在ではなく、世界を解放し、国際的な紛争、核武装と拡散、不当な戦争、および植民地主義、帝国主義、男性優越主義、白人至上主義を含む抑圧的な国際体制を打ち破ることによって達成された、民衆の闘争と自己防衛の成果だ」。(BAP*統一の原則)
*Black Alliance for Peaceは、戦争、抑圧、帝国主義に対する人々中心の人権プロジェクトであり、その結成の財政スポンサーは「オープン・コレクティブ」。この団体の使命は、「急進的な黒人運動の歴史的な反戦、反帝国主義、平和賛成の立場を取り戻し、再開発すること。(ウィキペディア)
平和の闘いは、アメリカを中心とする西側帝国主義に対する闘いであり、西側帝国主義は依然として人類全体にとって最大の実存的脅威であることを、自らさらけ出し続けている。アメリカは、自身のグローバル(おそらくは惑星レベル?)覇権を維持するための事業計画を指導する「フルスペクトラム・ドミナンス(全領域支配)」と呼ばれる国家安全保障戦略に対する関与を厚かましく宣言しており、この教義は、NATO軍事連合の傘下にある国々からのヨーロッパの支持に支えられている。
西側帝国主義は、物質的および制度的手段を通じて白人の力を維持し、拡大する。そして、グローバルな白人の力とは何を意味するのか? それは、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関、グローバルな銀行組織の支配、NATOおよびアメリカのグローバル軍事機関の他の部門、そしてアメリカドルの覇権を通じた西側の支配だ。BAPは白人の力をこんな風に定義している。
しかし、そこにはとどまらない。
白人の力と白人至上主義の思想は不可分に結びついている。白人至上主義の考え方は、現在ヨーロッパと呼ばれる地域の人々の子孫が、人間の発展の最高の例だと主張し、その文化、社会制度、宗教、そして生活様式が本質的に優れているとする立場を取る。この思想的立場は、国際的資本主義の文化的および思想的な装置によって正当化されており、メディア、エンターテインメント業界、そしてビッグテック(巨大情報技術企業群)などがこれを普通の状態だとしている。
BAPにとって、白人の力と白人至上主義は「人種としての白人の個人的な態度や価値観に単純化されるべきではなく、それは支配の構造として見るべきであり、アメリカとヨーロッパ社会のあらゆる側面に思想的に根付いているため、それが一般的な常識として規範化され、結果として常識一般となってわれわれの目には見えなくなっているのだ」。
バラク・オバマ、カマラ・ハリス、ロイド・オースティン、ドナルド・トランプ、アンダーソン・クーパー、ジョー・バイデン、ポール・カガメ(ルワンダの大統領)、ウィリアム・ルト(ケニアの大統領)そしてアメリカの多くの黒人指導層は白人至上主義者だ。
白人至上主義の正常化と白人の力の受け入れを当然とすることは、黒人哲学者ルイス・ゴードンが主張するように、社会全体の自己欺瞞を必要とする。これは、覇権的な自由主義哲学の伝統で語られる理性と歴史の限界を露呈させるだけではない。植民地支配を通じてヨーロッパ中心主義が普遍化される過程で、白人至上主義と白人の力は歴史と理性を否定することになる。「存在の植民地化」は抽象的な哲学的概念ではない。それは現実であり、だからこそ、私たちが脱植民地化を進める中で変革すべき基本的な対象となる。
だからこそ、私たちは、ハイチ、ニジェール、キューバ、パレスチナ、そしてアメリカのバリオ(スペイン語話者の居住区)や労働者層「低所得者地域」における福祉、人間性、民主主義、そして「人権」に、今日、ヨーロッパ世界が、関心を抱いているという前提を拒否するのだ。ヨーロッパ世界は、フランツ・ファノンが「非存在の領域」と呼んだものを、彼らが植民地化したすべての地域に創り出したのであり、植民地化された人々の人間性を完全に拒絶し、土地と民族を最も無慈悲で野蛮な形で利用したのだ。
ナンセンスだ。
ヨーロッパ人たちは、今日、新たに見出した「人道主義」と「保護責任」という用語を使って、彼らがアフリカ人や他の植民地化した民族を追いやった永続的な「他者」という歴史的カテゴリーを実際変えたと信じるのは、考えが甘すぎると言われても仕方がないだろう。アメリカの入植地植民地の文脈で、最高裁判所長官ロジャー・タニーは、1857年のドレッド・スコット判決で、アフリカ人は、「白人が尊重すべきいかなる権利を持っていなかった」と宣言しているのだ。
そう、私たちは、この地球上の人類史上最も凶悪な帝国の支配階級が語る高尚な宣言に惑わされることはないだろう。
アメリカとヨーロッパの資本主義支配階級は、白人の世界覇権の終焉を回避させるために戦争を継続的に戦うことを決意している。このことは、アメリカのグローバルな指令構造、800以上の軍事基地、恐ろしいほどの軍事予算への両党の支持、NATO、そしてウクライナにおけるアメリカとロシアの代理戦争によって証明されている。また、警察力の軍事化、大量投獄体制、私たちの組織への浸透、妨害、および破壊、Uhuru 3*の起訴、反対派を犯罪化するための「国内テロリスト」の利用回数が増えていることなどで明らかだ。
*ウフル運動は、1972 年に設立されたアメリカを拠点とする社会主義者およびアフリカの国際主義者運動であり、オマリ・イェシテラが議長を務めるアフリカ人民社会党が率いている。(ウィキペディア)この運動の活動員3人が、セントピーターズバーグ市(フロリダ州)で、ロシアの影響を受けた選挙活動をした容疑で連邦機関から訴追された。
抵抗の線が引き直されている
アフリカ大陸と離散しているアフリカ人に再度指導されて、ハイチへの武力攻撃に対する人々の抵抗が実行されるだろう。大陸では、マリとブルキナファソの指導者たちが、ニジェールへの帝国主義的な攻撃をマリとブルキナファソへの攻撃と見なし、同様に対応することを一点の曇りもなく明確にした。
西側が仕掛けている戦争は激化している。今、その一方的な戦争がより効果的な抵抗に取って代わられる新たな時期に移行している。私たちがすべきことははっきりしている:白人の世界覇権が人類全体に対して突きつけている実存的な脅威を終結させる速度を加速させることだ。
War in Africa and the Americas: Accelerating the End of White World Supremacy
筆者:エイジャム:バラカ (Ajam Baraka)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年8月29日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年9月6日

最近、アメリカはペルーに軍隊を配備し、ペルーでのクーデターを支援した。それに続いて、エクアドルにも軍隊を派遣し、さらにアフリカからケニアとルワンダの軍隊をハイチに送り込む奇妙なAFRICOM(米軍アフリカ司令部)の計画があり、これはハイチのアリエル・アンリ違法政府を支援するものだ。それは黒人の顔をした白人至上主義とも言える。
これは狂気だ、やけくその狂気だ!
最悪の悪夢にとりつかれながらフランスは、自分たちが作り上げたアフリカ帝国から追放されつつある。フランスは絶望的な気持ちでニジェールに踏みとどまった。マリから追放された後、フランスは自国の軍隊をニジェールに再配置せざるを得なかったのだ。軍事政権がニジェールで権力を握り、市民は首都ニアメーの街路にロシアの旗を掲げ、ドローン基地を持つフランスとアメリカを国から追放するよう要求している。それにはアガデズに1億ドル以上の建設費をかけたすべてのドローン基地の母体とでも言うべきものも含まれている。
しかしながら、彼らが平和的に去ることはないことを私たちは知っている。イラクの人々はアメリカに去るよう要求したが、彼らの軍隊はまだそこに残っており、石油と小麦を盗んでいる。ハイチの人々は介入を望んでいないが、白人至上主義の傲慢さと精神病理学は、その指導者たちに世界中の民族の声を無視し、自分たちが一番わかっているもの、すなわち暴力と支配に頼ることを強制している。
西欧列強がなぜように行動するのかは、謎でも何でもない。彼らは今、これからの世界の流れに直面している。それは、自分たちの意志はもう押し付けられないし、世界中の民族と大地がより偉大な栄光のために生み出した価値を横取りできなくなるという流れだ。そして西欧列強が下した結論とは、西洋の覇権を最初に確立した手段に立ち戻らなければ、なのだ。その一番過激な表現は戦争だ。
ヨーロッパの植民地支配者と植民地化された「他者」との関係の中心にある暴力は、1492年にヨーロッパ人たちがヨーロッパからアメリカに流れ込んで以来、変わっていない。ただし、その表面的な形が変わっただけだ。
1945年の第二次帝国主義戦争(すべての戦争を終結させるはずだったと考えられていた戦争、少なくともヨーロッパではそう考えられていた)終結以来、新たな西側帝国主義世界の指導者としてのアメリカは、人権と民主主義への関与を宣言した。しかし、(実際にやったことはと言えば)全大陸で戦争を起こし、政府を転覆させ、反植民地闘士を殺害し拷問し、欧州同盟国による血なまぐさい戦争を積極的に支援したことだ。
植民地を持つことは、西洋の優越性の命脈であり、植民地支配強国はアルジェリアからジンバブエとなった地域にわたって、その命脈を古典的な方法と新しい方法で維持するために戦争を繰り広げた。彼らのやり方は、アルジェリア、ケニア、イスラエル、南アフリカなど、白人入植者が多数を占めていた地域で最も残酷だった。彼らの目標は、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、そしてオーストラリアで「うまくいった」白人入植方法をそのまま繰り返すことだ。そこでは先住民族を征服し、彼らの土地を奪い、しばしば子供たちも奪い、生存者を今日まで植民地の束縛下に置こうとした大量虐殺的手法だ。
しかし、変化の兆しが漂っている。アメリカのイラクとアフガニスタンでの敗北、そしてウクライナでの敗北(まだアメリカ国民には発表されていない)が露呈したことで、グローバル・サウスに属する民族、特にアフリカの民族は、白人植民地主義/資本主義支配の機関から与えられ続けている屈辱を受け入れる気分ではなくなっている。
こういった流れの中で、15か国の西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が、アフリカのエリート層とその西側上司の代理として、軍事クーデターで失脚した大統領モハメド・バズームを権力に復帰させるために、1週間以内にニジェール軍に対して「必要なすべての措置」、場合によっては「武力の行使」も講じると発表したのだが、数年前とは異なる反応があった。過去とは異なり、西側エリート層が新植民地の傀儡を通じて命令を出しも、彼らが黙って言うことを聞く時代ではなくなったのだ。アルジェリアは、西側列強がニジェールを攻撃した場合、見て見ぬふりをしないと述べ、ギニア政府やブルキナファソ、そしてマリの軍指導者も、アメリカとフランスがニジェールを攻撃した場合、たとえそれがECOWASの黒人代表を通じて行われたとしても、戦争を辞さないと脅迫した。
「平和は紛争の不在ではなく、世界を解放し、国際的な紛争、核武装と拡散、不当な戦争、および植民地主義、帝国主義、男性優越主義、白人至上主義を含む抑圧的な国際体制を打ち破ることによって達成された、民衆の闘争と自己防衛の成果だ」。(BAP*統一の原則)
*Black Alliance for Peaceは、戦争、抑圧、帝国主義に対する人々中心の人権プロジェクトであり、その結成の財政スポンサーは「オープン・コレクティブ」。この団体の使命は、「急進的な黒人運動の歴史的な反戦、反帝国主義、平和賛成の立場を取り戻し、再開発すること。(ウィキペディア)
平和の闘いは、アメリカを中心とする西側帝国主義に対する闘いであり、西側帝国主義は依然として人類全体にとって最大の実存的脅威であることを、自らさらけ出し続けている。アメリカは、自身のグローバル(おそらくは惑星レベル?)覇権を維持するための事業計画を指導する「フルスペクトラム・ドミナンス(全領域支配)」と呼ばれる国家安全保障戦略に対する関与を厚かましく宣言しており、この教義は、NATO軍事連合の傘下にある国々からのヨーロッパの支持に支えられている。
西側帝国主義は、物質的および制度的手段を通じて白人の力を維持し、拡大する。そして、グローバルな白人の力とは何を意味するのか? それは、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関、グローバルな銀行組織の支配、NATOおよびアメリカのグローバル軍事機関の他の部門、そしてアメリカドルの覇権を通じた西側の支配だ。BAPは白人の力をこんな風に定義している。
しかし、そこにはとどまらない。
白人の力と白人至上主義の思想は不可分に結びついている。白人至上主義の考え方は、現在ヨーロッパと呼ばれる地域の人々の子孫が、人間の発展の最高の例だと主張し、その文化、社会制度、宗教、そして生活様式が本質的に優れているとする立場を取る。この思想的立場は、国際的資本主義の文化的および思想的な装置によって正当化されており、メディア、エンターテインメント業界、そしてビッグテック(巨大情報技術企業群)などがこれを普通の状態だとしている。
BAPにとって、白人の力と白人至上主義は「人種としての白人の個人的な態度や価値観に単純化されるべきではなく、それは支配の構造として見るべきであり、アメリカとヨーロッパ社会のあらゆる側面に思想的に根付いているため、それが一般的な常識として規範化され、結果として常識一般となってわれわれの目には見えなくなっているのだ」。
バラク・オバマ、カマラ・ハリス、ロイド・オースティン、ドナルド・トランプ、アンダーソン・クーパー、ジョー・バイデン、ポール・カガメ(ルワンダの大統領)、ウィリアム・ルト(ケニアの大統領)そしてアメリカの多くの黒人指導層は白人至上主義者だ。
白人至上主義の正常化と白人の力の受け入れを当然とすることは、黒人哲学者ルイス・ゴードンが主張するように、社会全体の自己欺瞞を必要とする。これは、覇権的な自由主義哲学の伝統で語られる理性と歴史の限界を露呈させるだけではない。植民地支配を通じてヨーロッパ中心主義が普遍化される過程で、白人至上主義と白人の力は歴史と理性を否定することになる。「存在の植民地化」は抽象的な哲学的概念ではない。それは現実であり、だからこそ、私たちが脱植民地化を進める中で変革すべき基本的な対象となる。
だからこそ、私たちは、ハイチ、ニジェール、キューバ、パレスチナ、そしてアメリカのバリオ(スペイン語話者の居住区)や労働者層「低所得者地域」における福祉、人間性、民主主義、そして「人権」に、今日、ヨーロッパ世界が、関心を抱いているという前提を拒否するのだ。ヨーロッパ世界は、フランツ・ファノンが「非存在の領域」と呼んだものを、彼らが植民地化したすべての地域に創り出したのであり、植民地化された人々の人間性を完全に拒絶し、土地と民族を最も無慈悲で野蛮な形で利用したのだ。
ナンセンスだ。
ヨーロッパ人たちは、今日、新たに見出した「人道主義」と「保護責任」という用語を使って、彼らがアフリカ人や他の植民地化した民族を追いやった永続的な「他者」という歴史的カテゴリーを実際変えたと信じるのは、考えが甘すぎると言われても仕方がないだろう。アメリカの入植地植民地の文脈で、最高裁判所長官ロジャー・タニーは、1857年のドレッド・スコット判決で、アフリカ人は、「白人が尊重すべきいかなる権利を持っていなかった」と宣言しているのだ。
そう、私たちは、この地球上の人類史上最も凶悪な帝国の支配階級が語る高尚な宣言に惑わされることはないだろう。
アメリカとヨーロッパの資本主義支配階級は、白人の世界覇権の終焉を回避させるために戦争を継続的に戦うことを決意している。このことは、アメリカのグローバルな指令構造、800以上の軍事基地、恐ろしいほどの軍事予算への両党の支持、NATO、そしてウクライナにおけるアメリカとロシアの代理戦争によって証明されている。また、警察力の軍事化、大量投獄体制、私たちの組織への浸透、妨害、および破壊、Uhuru 3*の起訴、反対派を犯罪化するための「国内テロリスト」の利用回数が増えていることなどで明らかだ。
*ウフル運動は、1972 年に設立されたアメリカを拠点とする社会主義者およびアフリカの国際主義者運動であり、オマリ・イェシテラが議長を務めるアフリカ人民社会党が率いている。(ウィキペディア)この運動の活動員3人が、セントピーターズバーグ市(フロリダ州)で、ロシアの影響を受けた選挙活動をした容疑で連邦機関から訴追された。
抵抗の線が引き直されている
アフリカ大陸と離散しているアフリカ人に再度指導されて、ハイチへの武力攻撃に対する人々の抵抗が実行されるだろう。大陸では、マリとブルキナファソの指導者たちが、ニジェールへの帝国主義的な攻撃をマリとブルキナファソへの攻撃と見なし、同様に対応することを一点の曇りもなく明確にした。
西側が仕掛けている戦争は激化している。今、その一方的な戦争がより効果的な抵抗に取って代わられる新たな時期に移行している。私たちがすべきことははっきりしている:白人の世界覇権が人類全体に対して突きつけている実存的な脅威を終結させる速度を加速させることだ。
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