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書評『嘘の国アメリカで真実を求めて』 ― 「911」という期日を誰がなぜ選んだのか


<記事原文>
Review: Seeking Truth in a Country of Lies

レイ・マクギニスRay McGinnis

グローバルリサーチ、2021年2月12日
<記事翻訳>寺島美紀子・隆吉
2021年3月29日


 エド・カーティン『嘘の国で真実を求めて』は、エッセイ選集である。各エッセイは、著者カーティンの心をかきたてるもの、彼の心、そして明晰さへの道を明らかにしている。各章ごとに、彼は自国の状況と彼にとって最も重要なものについて情熱的に熟考している。説得力のある読み物である。


 
 『嘘の国で真実を求めて』の冒頭で引用されている「暗い時間の中にいると、目はだんだん見え始める」は、セオドア・レトキの詩「暗い時間の中で」から来ている。
 ここで詩人は、方向感覚の喪失と位置感覚の混乱というアイデンティティの状態を説明する。レトキは、これは明快さ、洞察力、知恵を達成するために不可欠であると主張する。暗い時間の中で、人は物事の断片化され破壊された状態を発見する。
 この適切な引用で、エド・カーティンは、アメリカの物事の断片化され破壊された状態と、より明確に見始めるのに必要な市民の仕事に進むよう、彼の読者に警告し始める。

 マサチューセッツ教養大学(Massachusetts College of Liberal Arts)の元教授であるカーティンが取り上げるテーマは、彼独自のものではない。しかし、それらのテーマは彼自身の明確に独自の特徴でマークされている。彼の斬新な貢献の一つの側面は、カーティンが政治分析の標準的な枠組みを超えていることである。

 三つのテーマが、若い頃からカーティスの関心の中に浸透している。真実、死、自由である。彼は、詩人ケネス・レックスロスが1959年にジャーナリストのローレンス・リプトンに語ったインタビューからの、抜粋を引用している。

「すべての社会は、搾取階級の利益のために組織されており、もしこのことを知ったら、人は働かなくなり、社会は崩壊してしまうので、少なくとも都市革命以来、社会は詐欺システムによってイデオロギー的に支配されることが常に必要だった」
 ケネス・レックスロスは、アメリカの詩人、翻家、批評家。サンフランシスコ・ルネサンスの中心人物と見なされ、ビート運動の基礎を築いた。彼は自分をビート詩人とは考えていなかったが、タイム誌で「ビートの父」と呼ばれた。彼はまた、中国文学を多読した。

 レックスロスは、この詐欺システムを「社会的な嘘」と呼んだ。そして『嘘の国で真実を求めて』の中でカーティンは、詐欺の根源と、そのより最近の顕在化を説明する仕事を引き受けている。
 また、欺瞞の時代における社会が抱える重荷にもかかわらず、美、芸術、愛、気まぐれなどが、優雅さの証として持続する品格であることも指摘している。

 エッセイ「アメリカの『人形の家』の内側:嘘の巨大なタペストリー」で、カーティンは、1969年にジョン・F・ケネディ大統領暗殺に関わった人物の名前を挙げて裁判を起こしたニューオーリンズの地方検事、ジム・ギャリソンを引用している。

https://www.globalresearch.ca/united-states-america-vast-tapestry-lies-illusions/5702611
 ギャリソンは、JFKの暗殺がCIAとアレン・ダレスの仕業であることを示そうとした。しかし、ギャリソンは、CIAと関係のあるメディアのスポークスマンたちによって、いつも決まって狂人として扱われた。
 アメリカ市民はプロパガンダが混入されたテレビニュースを受動的に消費しているだけだ、というのがギャリソンの結論だった。そのようなプロパガンダは、アメリカ人が「何が本当に起こっているのかを理解する」ことを妨げるために作られたものである……。ギャリソンは、アメリカ人は「人形の家に住んでいる」と警告した。
 『人形の家』イプセンの戯曲。3幕。1879年作。弁護士の夫から人形のように愛されていただけであったノラ。じつは夫が無意識的にノラを人間扱いしていないことを知ったノラが、一個の人間として生きるために夫と子供を捨てて家を出る。女性解放の問題を提起した近代社会劇の代表作。

 ジム・ギャリソンが1969年の裁判から学んだ厳しい教訓を基に、エド・カーティンは「アメリカが徐々に改造されて、できあがった人形の家の中では、私たちの基本的な仮定の多くは完全に幻想である」と観察している。
 カーティンの著書は、JFK暗殺から約57年後の2020年11月22日に発売された。

 カーティンは、次のように指摘している。
 「オバマ大統領は2009年のホンジュラスでのクーデター(2005年の民主的な選挙で選ばれたマヌエル・ゼラヤ大統領を軍部が罷免しコスタリカに移送した事件)を支持したが、その結果、米国の訓練を受けた殺人者の手で非常に多くの死がもたらさられることになった」。
 そして今度は、トランプ信奉者たちが、こう文句を言っているのだと。「こういった『非白人』のやつらすべてが、米国が作りだした地獄から逃れるために米国に逃げ込んできているのだ……」と。

 2009年以降になって、「半球防衛研究センター」(Center for Hemispheric Defense Studies)の米軍幹部が、民主的に選出されたマヌエル・ゼラヤ大統領を追放するためにホンジュラス軍のメンバーを訓練したことが明らかになった。
 Center for Hemispheric Defense Studies:元は「School of the Americas」と呼ばれていて、中南米から軍幹部を招き、民衆や活動家を拷問その他で鎮圧する技術を教えて母国に返す仕事をしていた。あまりに評判が悪くなり、名称を変更した。

 2009年とその後の数年間、ホンジュラスは世界で最も高い殺人率を誇っていた。これはホンジュラス軍とつながっている我ら米国の死刑執行部隊によって引き起こされたのだ。
 とはいえ、このクーデターは、オバマ大統領とトランプ大統領の両方にとってはほとんど重要ではなかった。ホンジュラスの人々が殺人という代償を払ってきているあいだにも、両国の借金と貧困は増えるばかりだったのだから。

 カーティンが先に述べた殺人の数々は、彼の本が2020年後半に出版されたあとも、依然として続いている。ベネズエラの人々にとっては、共和党か民主党のいずれがアメリカ大統領であるかなど、ほとんど重要ではない。
 ドナルド・トランプの下では、2020年5月にベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を誘拐しようとする失敗例があった。そして、ジョー・バイデンは大統領就任初日に、米国がベネズエラの野党指導者フアン・グアイドーをベネズエラ大統領としてを宣言する行政命令に署名した。
 これは、マドゥロが2018年の圧倒的な人気を博した大統領投票で67%以上の票を獲得したことに反している。選挙結果で2番目の候補者は21%を獲得したアンリ・ファルコンであり、フアン・グアイドーは2018年には候補者ですらなかった。
 ベネズエラが2020年の米国大統領選挙の結果に抗議し、ミット・ロムニー(2012年に出馬したが2020年には出馬しなかった)を大統領として認めた場合を想像してみるだけでよかろう。

 バイデンが大統領になっても(トランプとのトーンの変化は多少あるが)多くのアメリカの外交政策は変わらない。
 ジミー・カーター元大統領は、ウゴ・チャベスが再選された2012年のベネズエラの選挙について次のように述べている。「私たち(アトランタのカーターセンター財団)が監視してきた92の選挙のうち、ベネズエラの選挙プロセスは世界で最も優れていると言えるだろう」と。
 しかし、この話はメディアのシナリオとは一致しない。だから、それはオーウェルの言う「記憶口(自分にとって不都合な、または嫌な情報を放り込んで消し去ってしまう、または、なかったことにしてしまう架空の穴)」に落ちていくのだ。

  カーティンは指摘している。平均的なアメリカ人は、自分たちが住んでいる「人形の家」を建てたわけではないが、彼らはその建築に加担しているのだと。いわゆる安心感のために何十年もの捏造された現実を受け入れてきたのは、平均的なアメリカ人なのだ。幻想的な物語を受け入れることの結果として、人々は本当の意味で自由ではないということになる。もっともらしい嘘に対処するために、ニュースの消費者は間抜けなふりをするのだ。
 そして、カーティンは、ほとんどのアメリカ人が「親切でありたい(ラテン語でnescireは、無知であること、知らないこと)、そして好かれたいと思っている」と指摘している。アメリカ人が嘘の人々になって、食べさせられた嘘を繰り返しつづけるので、社会の中で暗黙の欲望が生じる。そして、その嘘の繰り返しが暴力とスケープゴート(責任転嫁)を煽るのだ。
 人形の家には、アメリカ人(やニュースを無批判に消費する他国の多くの市民)が暮らしているが、その人形の家は、彼らが世界と交わした契約によって強化されている。それは、彼らの社会的地位、経済的地位、職業的地位を向上させるためであり、家族の調和を維持するためである。そのような心の平穏と満足感を得るためには、万が一、扱いが難しいと感じる真実に遭遇しても、人形の家からは遠く離れないようにする必要があるのだ。

 カーティンは、中央情報局CIAが1967年4月1日のメモで「陰謀論」という用語を使い始めたことを指摘している。
 これは、1963年11月22日に殺害されたJFK大統領の死は、「犯人だとして逮捕されたリー・ハーヴェイ・オズワルドとは別の人たちによる暗殺だ」とする説を否定するためのものだった。
 さらにカーティンが指摘しているのは、「9・11」という用語が、2001年9月12日に、後にニューヨークタイムズ紙の編集長(2003年7月から2011年9月まで)となるビル・ケラーによって最初に使われた、という事実だ。アメリカで緊急電話番号をダイヤルすることと同義の用語を使うことで、この用語は「不安、憂鬱、パニック、混乱」という感情と融合した。

READ MORE: The United States of America’s Doll House: A Vast Tapestry of Lies and Illusions

 次のことに注目するのは有意義だ。

 2001年9月11日の同時多発テロ事件の時、
 サウジアラビアの緊急電話番号は999だった。
 イエメンの番号は191と194。
 アラブ首長国連邦の緊急番号は112、998、999。
 リビアの緊急番号は1515。
 クウェートの番号は112。
 イラクの番号は104、115、122。
 シリアの緊急時の番号は110、112、113。
 レバノンでは112、140、175、999。
 エジプトの緊急時の番号は122、123、180。
 ヨーロッパ大陸では2001年9月11日の緊急電話番号は112だった。
 イランの緊急番号は110、112、115、125。

 つまり不思議なことに、911は、米国、カナダ、南米、メキシコでのみ緊急時にダイヤルする番号だったのだ。
 (ただしメキシコには065、066、068もある)
 要するに、911は、アラブ人がペンタゴンと世界貿易センターを攻撃するために陰謀をめぐらしたのだと言われている国々の緊急番号ではない。

 この事実をふまえると、次のような不思議な疑問がわいていくる。
 将来ありうるシナリオとして(それが起こるかもしれないとしたら)ならず者のアメリカのテロリストたちがイランのテヘランの高層ビルに飛行機を突入させるかもしれない。しかしそうだとしても、そのようなテロリストたちは、その残虐行為の日を、イラン人が緊急時にダイヤルしたいくつかの電話番号の一つの日付の短縮形と結びつけるだろうか?つまり、その攻撃の日を1月10日、12日、15日などに設定するだろうか。

 カーティンは「なぜ私はもう9・11のことを話さないのか」というエッセイの中でこう述べている。
 「9月11日を9・11と呼ぶ」ことでビル・ケラーが確実にしたのは、「終わりなき国家的緊急事態は終わりなき対テロ戦争と深く結びつき、この終わりなき対テロ戦争こそ、ヒトラーのようなテロリストたちが再びグランドゼロやホロコーストを生み出す可能性のある核兵器で私たちを抹殺するのを防ぐこと、それが目的の戦争だ」というプロパガンダだったのだ。
 この用語は、終わりなき社会の恐怖と不安を呼び起こすという、すべての正しいボタンを押す用語である。それは魔術のような用語であり、最高のプロパガンダである。

 カーティンは、「9・11」という用語の繰り返しが高度なマインドコントロールに組み込まれているのではないかと疑っている。だから彼はその攻撃に関連してこの用語を使わず、代わりに、「2001年9月11日の攻撃」という言い回しを使う。
 カーティンが勧めているのは、私たちがどのような語彙を使ってその攻撃に言及するにせよ、聞き手に混乱・絶望・パニックを潜在的に呼び起こすその公式の短縮表記が延々と何度も繰り返されることによる魅惑的な衝撃から、私たちを解き放つことができる語彙を私たちが見つけることだという。

 ポストモダン社会が進化するにつれ、プロパガンダをつくりだす仕事はより複雑になっている。したがって、社会の複雑さゆえに、大衆は、自分たちの現実をわかりやすく理解するための既製の枠組みを求めるようになるのだ。
 カーティンが明示しているのは、「人々は『真実』へと導いてもらうために神話・作り話を与えてほしがってはいるが、『いわゆる真実』とはプロパガンダによる全体的な神話・作り話の中であらかじめ考えられたものだ」ということだ。
 ポストモダン:現代という時代を、近代が終わった「後」の時代として特徴づけようとする言葉。各人がそれぞれの趣味を生き、人々に共通する大きな価値観が消失してしまった現代的状況を指す。

 それにもかかわらず、プロパガンダはまったくと言っていいほど効率的なので、ほとんどの人は自分の自由意志でそういう結論に達したと推論できるほどなのである。
 ほとんどの人は、何が信頼できるかを判断するために、与えられたテーマの要点について適切な範囲の情報を提供されたにちがいないと思ってしまう。
 しかし、同じニュースの消費者であっても、彼らが受け入れるように誘導されてきた物語のなかには、方針から外れた視点を省いた入念に選び抜いたニュースが含まれている、などとは、想像を絶すると考えるだろう。
 確かに、知る価値がある反対意見の声は、夕方6時のニュースでは聴取できないのだろうか?



 カーティンは、リサ・ピーズが『見捨てておくには大きすぎる嘘:ロバート・F・ケネディ暗殺の本当の歴史』という彼女の本の中で書いていることと同じ意見である。

 ピーズは書いている。「CIAが1960年代にアメリカを乗っ取った方法は、私たちの時代の物語であり、これを認識している人はあまりにも少ない。だが存在すら認められない問題を解決することはできない」
 カーティンは、リサ・ピーズと同意見であるという自分の判断を裏付けるために、本のさまざまな章で数多くの例を挙げている。
 その中には、「ダラスからのメッセージ、JFKと言葉にならないこと」という章がある。その章で彼は、『ジョン・F・ケネディはなぜ死んだのか。言葉にならないこととの闘い』の著者ジェームズ・W・ダグラスを、大統領暗殺の化けの皮を一枚一枚剥がしていく人物として要約している。ダグラスによれば、あれは、戦争屋から平和屋へと変わっていった大統領を、裏でCIAが支援して暗殺した事件だったというわけだ。
 

 「『永遠の門で』我々は何のために働いていたか」と題された別の章では、カーティンは激しい出世競争について書いている。彼は、マンハッタンのゼネラルモーターズのオフィスで事務員として働いていた夏の仕事を思い出す。「餌」は給料だったので、彼の青春はその夏、退屈な仕事に閉じこもって過ごした。
 カーティンの記述を読みながら、私は、ホテルの警備員の夜勤、プライベートゴルフクラブの清掃員、ブリティッシュ・コロンビア州森林省の自動車修理工場での仕事など、いくつかの仕事を思い浮かべた。修理工場では、政府のトラックの側面に林業車両の識別番号を貼る作業にひと夏を費やした。

 

 カーティンは、ヴィンセント・ファン・ゴッホの生涯を描いた映画『永遠の門-ゴッホの見た未来』についても言及しているが、この映画は、働くこと、生きていることが何を意味するのか、新しい可能性を提示している。
 ゴッホにとって「絵を描くという行為」こそが「天才の天啓」だったのである。貧しい画家にとって重要なのは絵画の完成ではなく、絵画に没頭することだったのである。それが人生の鍵だったのである。
 このエッセイの中で、カーティンは読者に「生きるとは何か」を考え、「なぜ私たちは働くのか」と問いかけるよう呼びかけている。
 彼は私たちに語る。「ヴィンセントにとっての答えは簡単だった。現実である。しかし、現実は私たちに与えられたものではなく、「簡単」とは程遠いものである。私たちにはそれを煙幕や決まり文句を突き抜ける行為が求められている」
 カーティンが突き抜けねばならなかった煙幕の一つは、彼が海兵隊員として教えられたスローガン「我がライフルは我が命」だった。カーティンはこのスローガンを見抜いて、人間であるということは、命を愛し、平和の実現に尽力することを意味する、と認識したのである。

 もう一つのエッセイ「ウィンストン・スミスの性的情熱」では、カーティンは、すべてのものが売買される社会の商品化について詳しく述べている。カーティンが「身体の商品化」について語るとき、彼は我々がその身体の一部であることを思い起こさせてくれる。「舌は鐘、その(言語の)意味を告げる鐘である」と。私たちのスピーチを助けるのは、最終的には舌なのであり、そうして「プロパガンダリストが否定しようとする真実を伝える」のだと。
 ウィンストン・スミスは、ジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』の主人公。

 カーティンは著書の中で、偽りの風景の中で真実を探すのに役立つ道を指し示す提案をしている。その一つが詩である。彼は、チリ、アイルランド、ロシアの市民は自国の詩人を知っており、彼らの作品を「心の中で」引用することができると指摘している。
 しかし、アメリカでは詩人や詩は無視されている。新しい世代は、フェイスブックやツイッター、インスタグラムをチェックするのに忙しすぎる。
 しかし、カーティンは「詩は真実の探求である」と主張している。それは内側と外側を結婚させる。詩が提供できるものの最高のものは、社会が「価値の問題や真実と嘘という究極の関心事に取り組む」手助けをするということである。彼はこれら内側のものを「本来は無関係である外側の、映画と自撮りカメラの文化」と結びつけている。


 真実と嘘に加えて、カーティンはアメリカの文化的過去の風景に点在する無数の奇妙さを指摘している。
 60年代半ばのロックンロールバンドの多くは、既成概念に対する反文化・反戦の抗議運動の一部として見られていた。アレックス・コンスタンティンの『ロックに対する隠密戦争』といった本があるが、これはCIAとFBIによる秘密作戦を記録したものである。
 この作戦は反体制的破壊分子をみなされたロックスターの信用を失墜させ、彼らの生活を破綻させる秘密工作だった。
 たとえば、ジミ・ヘンドリックス、ジョン・レノンその他の人たちには、広範な情報ファイルが蓄積されていた。
 コンスタンティンは、1976年4月26日の「チャーチ委員会」で証言された諜報活動覚書の、リークされたものから次のように引用している。

 FBIは特定のレコーディング・アーティストたちについて、捜査官たちに手紙を書いた。
 「彼らを卑劣で堕落したものとして見せろ。彼らの生活習慣や生活環境に注意を喚起し、可能な限り彼らの恥ずかし行為を探れ。女とセックスをさせ、結婚を破棄させろ。メンバーを大麻容疑で逮捕させろ……。彼らの堕落を示す記事を新聞に載せろ。麻薬やフリーセックスを使っておとり捜査をしろ。誤情報を使って混乱させ、混乱させろ……。標的となるグループを敵対関係に陥れ、死に至らしめろ」

 しかし他方で、諜報機関の別の部門は、反体制的なレコーディング・アーティストを同時に育成していたのだろうか?
 『嘘の国で真実を求めて』の中で、カーティンは、バッファロー・スプリングフィールドがビーチ・ボーイズと一緒に、1967年11月25日にニューヨーク州オレンジ郡のウェストポイントにあるアメリカ合州国陸軍士官学校でコンサートをおこなったことを指摘している。カーティンは、このコンサートは「『反体制派』のロック・グループにしては非常に奇妙な会場である」と指摘している。


 67年春のトップ10ヒット曲「For What It's Worth(そんな価値があるのか)」は、ラジオのリスナーに考えるように呼びかけたのだ。それが「正確には明確」ではないが、何が「生じているのか」、「立ち止まって」何が「起きているのか」を「見ろ」と。
 バッファロー・スプリングフィールドのメンバーは、「戦線が引かれている」最中の、士官学校での演奏をどう感じたのだろうか?
 ウエストポイントの士官候補生たちが、「一線を外せば、男がやってきて、連れ去られてしまう」と警告する歌詞を聞くのは、なんと奇妙な事だろうか。


 デイビッド・マクゴーワン著『キャニオンの中の奇妙なシーン』を引用して、カーティンは、「パパ」・ジョン・フィリップス(フォークグループ「ママス&パパス」のメンバー)がメリーランド州アナポリスの米海軍兵学校に通っていたこと、そして彼の父親が海兵隊の大尉だったことを指摘している。そのうえ、「ジョンの妻は国防総省で働き、父親はベトナムで諜報活動をしていた」



 
ドアーズのジム・モリソンは、フィリップスの隣人であり友人でもあるが、ベトナム戦争を加速させたトンキン湾事件でアメリカ海軍の艦艇司令官を務めたジョージ・モリソン米海軍提督の息子だった。


 またフランク・ザッパの父親はたまたま化学兵器の専門家だった。
  (フランク・ザッパは生涯を通じて、アメリカ政府・キリスト教右派・検閲・音楽産業などの批判をとおして、アメリカという国家の問題点をきびしく指摘し続けたミュージシャンである。)

 カーティンは、デビッド・クロスビーやスティーブン・スティルスのような他のミュージシャンも軍人の家系出身であることを指摘している。そして、これらの若いミュージシャンの多くは、すべてローレルキャニオンに集中していた。


 「彼らは徴兵年齢にあったが、彼らの誰も徴兵されなかった。音楽を演奏し、LSDをやり、フォーク・ロック・ムーブメントを生み出したからだ……」
 「クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング」:4人グループだったが、後にニール・ヤングが抜けた
 「ローレルキャニオン」:ロサンゼルスのハリウッド・ヒルズ・ウェスト地区の山岳地帯。ハリウッド・ヒルズとは、セントラルLAの高級住宅街のこと。

 これらのミュージシャンたちは、彼らに嫌がらせをしていた諜報工作員たちと同様に、諜報機関の活動の一部だったのだろうか?
 あるいは、デイビッド・マクゴーワンが尋ねるように、「1960年代の若者文化全体は、現状に対する草の根の挑戦としてではなく、芽生えつつある反戦運動の信用を失墜させ周辺化させたり、管理されやすく道を外れやすい偽の反対派を作り出したりするための、皮肉な運動として作られたのではないだろうか?」

 各章ごとに、エド・カーティンは私たちを人形の家のさまざまな部屋に連れて行き、点と点を結びつける手助けをしてくれる。彼の物語と考察は、「フェイクニュース」の時代に必読の書である。

 『嘘の国で真実を求めて』の読者は、真実を求める旅で、あまり長距離でない道を歩むよう勧められるだろう。この道は、私たちの平静心を要求し、沈黙を歓迎するからだ。それは長距離を歩くのではなく、自分はいったい何ができるかを、めいめいが問いかけなければならない旅なのだ。私たちの恐ろしい腐敗した美しい世界が、より人間的で公正で平和的であることを望むように変化させる手助けをするために。

 カーティンは、私たちに、この本を淡々と読み終えてほしいと思っていない。むしろ彼は、彼の本の各章が私たちを奮い立たせることを望んでいる。この恒久的な戦争と寡頭制の時代に、平和と正義を切望する世界で、抵抗する方法を見つけるために。

Ray McGinnis is author of Writing the Sacred. His forthcoming book is Unanswered Questions: What the September Eleventh Families Asked and the 9//11 Commission Ignored.


 
ジョン・F・ケネディはなぜ死んだのか 語り得ないものとの闘い
Tankobon Hardcover – December 12, 2014
ジェイムズ W ダグラス (著)、寺地五一 ・, 寺地正子 (翻訳)

 オリバー・ストーン(映画『JFK』監督)
「なぜケネディの死が重要なのでしょうか?
ケネディの死は私たちの歴史のなかで重要な転機をもたらしています。彼を死に至らしめた者たちは一人の人間を標的にしただけではなく、一つのビジョン、平和のビジョンを標的にしたのです。
ケネディが米国のために、そして世界のために命を絶たれたことによる影響を測ることは不可能ですが、その影響はいまも続いています。米国と地球の未来は、ダグラス氏が“語り得ないもの"と呼ぶ闇の勢力によって大きく支配されています。これらの勢力の仮面をはがし、歴史についての真実と対峙することによってこそ初めて、私たちは民主主義が約束するものを取り戻し、ケネディの平和のビジョンを自分たちのものにすることができるのです。
でも、私の言葉をそのまま受け取らないでください。この類まれな本を読んで、あなた自身の結論を出してください」

オノ・ヨーコ
「夜を徹して読んで、涙が止まりませんでした。
一睡もしませんでした。いますぐ立ち上がって、世界を変える力を与えてくれる本だと思います」

ロバート・ケネディ・ジュニア
「すべてのアメリカ人にこの本を読んでもらいたい」

全米で話題をさらったJFK暗殺の深部に迫る決定版。
本書は1990年代に公開された最新の情報をもとにして、ケネディ暗殺の真相に迫っている。調査委員会で暗殺単独犯とされた元海兵隊員オズワルドは本当に実行犯だったのか? それとも彼はCIAの巧妙な偽装工作によって仕立て上げられた身代わりだったのか? 未遂に終わったシカゴでのケネディ暗殺計画とは? オズワルドが逮捕された直後にダラスから飛行機で脱出したオズワルドそっくりの男は誰だったのか? 著者が描く暗殺のドラマは極めてスリリングである。
しかし、本書が単なるケネディ暗殺の謎解きでないことは、以下の章立てをみればわかる。
第1章 冷戦戦士の転向
第2章 ケネディ、カストロ、CIA
第3章 JFKとベトナム
第4章 暗殺の標的に
第5章 サイゴンとシカゴ
第6章 ワシントンとダラス

南太平洋、ワシントン、サイゴン、ハバナ、ダラスと舞台を移し、本書は平和を追求しようとするジョン・F・ケネディと彼の平和政策を阻もうとする権力のすさまじい闘いを描いている。兄同様に暗殺されたロバート・ケネディの次男ロバート・ケネディ・ジュニアは、自らの命を犠牲にして平和を目指したケネディ大統領を描くこの本を高く評価して、すべてのアメリカ人に読んでもらいたいと語っている。

「1963年11月22日ダラスで起こったこと」の秘密の全貌を明らかにし、さらに秘密の起源を探ることは、現代アメリカの政治・社会を深層で突き動かしているものの正体を知ることになる――。

Edward Curtin's Posts:

*The Real Reason Robert F. Kennedy, Jr. Is Being Censored


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2021年のダボス会議の演説でプーチンと習近平が示したのはもうひとつの未来像だった


<記事原文 寺島先生推薦>Davos 2021 speeches by Putin, Xi point to a different future


ジェームス・オーニール(James O’Neill)著
ジャーナルネオ
2021年2月6日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月28日


 ダボス会議は毎年の定例会をこの度開催したが、今回はコロナウイルス感染防止のため、初めてオンライン上での開催となった。米国の代表はジョン・ケリーだ。彼はオバマ政権時に役職に就いていて呼び戻された多くの民主党議員のうちの一人だ。ロシアの代表はウラジーミル・プーチン大統領だった。そして中国の代表は、習近平国家主席だったが、それは2017年以来のことだった。西側メディアは概して、この両者の演説について報じることはなかったが、この両者の演説で言わんとするところは、重要なものであり、もっと詳しく報じられるべき内容だった。

 プーチン大統領は、あらかじめ2019年に出版された著書をクラウス・シュワブから受け取っていた。彼は、このダボス会議の主要運営者の一人であり、プーチン大統領の個人的な友人でもある。この著書のタイトルは『第四次産業革命』、著者はクラウス・シュワブだ。プーチンはこの著書の内容のひとつを、演説の主題に採用していた。

 この著書の主題は、2020年のコロナウイルス事件に明らかに薄らいでしまってはいるが、それでもまだいくつかの重要な議論の種を提供するものであり、プーチン大統領も演説の骨組みとして使用したのだ。プーチン大統領が言及したのは、COVID-19 は、世界経済においてもともと存在していた構造的な問題を加速させたという事実だった。そして、特にプーチン大統領が言及したのは、準経済的問題が問題を累積化させていることだった。その準経済的問題が、各国の経済成長を不安定している理由であるとプーチン大統領は語り、経済成長が安定しないために、世界的な問題を悪化させているとも語った。世界経済において格差が拡大していることについて、プーチン大統領が厳しく非難したのは、収入や利益を支配している1パーセントの富裕層である。このような状況が、世界中の問題を悪化させていると語った。

 プーチンはあまり言及しなかったが、このような状況については、これらの問題が世間からさあ認識されることはありそうにないことなのだ。その原因の小さくない理由のひとつに、大手メディアがこの問題の要因を作り出しているのが誰なのかを報じないことがある。というのも、大手メディアの所有者がまさにこの1パーセントの富裕層だからだ。外国の政府を悪く言うプロパガンダ攻撃が激しくなっている。プーチン大統領は直接口にはしなかったが、ロシアが西側メディアからデタラメな情報を流される被害者になってきたことは明白だ。

 プーチン大統領は、いま行われていることがもっと熾烈さをますように思われると指摘した。具体的には、ある勢力からの企みに抵抗している国々に対する圧力が激しくなるということだ。プーチン大統領は名指しにはしなかったが、その勢力とは米国であることを仄めかしていた。米国は、不当な貿易障壁や制裁、そして金融面・技術面・情報技術分野におけるその他の制限措置を駆使し、思いどおりにならない国々を支配しようとしている。

 こんなルールのない、あったとしても支配者層が自分たちの思うがままにことを回せるルールしかないこんなゲームを続けていても、一方的な軍事行動が起こる可能性がますます増えるという結末を迎えるだけだろう。

 プーチン大統領が優先事項として提示したのは4点であり、世界各国がこれらに従えば破壊的な結末が起こることを回避できる、と語った。まずプーチン大統領が訴えたのは、全ての人々に快適な暮らしを提供することだ。 しかしこの課題の実現は極めて難しいので、プーチン大統領はこのような状況を打破するための具体的な取り組みについては明言しなかった。

 2つ目の課題は、全ての人に職を与えることだった。そうなれば、持続可能な成長と収入が確保される。そしてプーチン大統領が、そのために不可欠な条件として取り上げたのは、全ての年代層を対象に学習機会を提供することだった。

 3つ目の課題は、人々に自分たちは質の良い医療を受けることができるという安心感を持たせるということだった

 4つ目の課題は、家庭の収入状況に関係なく、子どもたちが適切な教育を受けられるようにしなければならない、という点だった。

  これら4点は、徹底的に網羅的な必要な要求という訳ではないが、文明生活にとっての基盤とは何か?という議論を呼び起こす問題提起となっている。すでにこれら4点を実現できている国々も多い。例をあげればスカンジナビア諸国やニュージーランドなどだ。しかし、いわゆる先進国と呼ばれている地域の中にも、明確な貧富の格差がある国々もあり、現状を突破することは、すぐにはできない。

 この悲しい現実が、プーチン大統領の演説の最後の言葉に込められていた。彼はこう言った。「国家間の競争や敵意がなくなったことはないし、今もなくなっていない。そして、これから先もなくなることはないだろう。しかし、なくそうと努力することは、敵意があってもそれが戦争を引き起こすことにはならないと確信できる。」

 一方、習近平国家主席が自身の演説で語ったのは、今世界が直面している4つの課題についてだった。1つ目は、世界が今取り組むべきことは、マクロ経済政策の調整を「ステップアップ」させることで、世界経済を、強力で、持続可能で、バランスがとれていて、包括的に成長させるということだった。

 習近平国家主席が提示した2つ目の課題は、世界に今必要な事は、「イデオロギー的な偏見を排除し、平和のうちに共存でき、お互いの利益のためになり、ウィン・ウィンの協力関係 (この”ウィン・ウィン“という言葉は彼が演説で使ったことばそのままだ)を共に追いかけることだ」とのことだった。

 社会体制の違い自体が脅威の原因になるわけではない。習近平国家主席は、世界にその脅威をもたらしたのは「傲慢さと、偏見と、憎しみだ」と言う。習近平国家主席は、かなり率直に、或る企みがその脅威の主要な原因になっていると語った。その企みとは、「ある国家の歴史や、文化や、社会体制を、別のものに無理矢理置き換えさせようとする」ものだと述べた。

 この最後の言葉こそ、西側の指導者たちが読むべきであり、取り込むべき内容だったのだ。西側の中でも、特にオーストラリアだ。オーストラリアは中国の成長を自らの存在を脅かす外部からの脅威と捉えている。このような脅威を裏付けするような証拠は何もないのに。しかし、西側メディアは、この脅威の分析を繰り返し報じ続けているのだ。

 3つ目に習近平国家主席が語ったのは、発展国と発展途上国の間の格差を是正する取り組みについてだった。そして、発展途上国が発展することは、世界全体の繁栄と安定を確実にすることになるだろう、と語った。

 4つ目の課題は、世界的な課題に協力して取り組む必要があるということだった。どんな世界的な課題も、一国の努力だけでは解決できない。さらに意図的に分断や、供給網の切断や、制裁を科しても、孤立を生むことにしかならず、お互いが疎遠になった関係では、世界は分断と対立に向かうだけだと言う。

  そして、西側諸国に直接呼びかけたと思われる事項は、西側諸国が法律の解釈をねじ曲げ、資本の独占を享受していることに対してだった。習近平国家主席が述べたのは、「私たちは国際法や国際間の取り決めを遵守し続けるべきであり、自国の覇権を追い求めるべきではない」ということだ。さらに習近平国家主席が語ったのは、各国政府は国際社会においては「一国や数カ国によって決められた取り決めではなく、我々すべてに適用される規則や常識」に基づいて行動すべきだ、ということだ。

 最後の言葉だけでも、西側勢力に警鐘をならすのに十分だ。というのも、西側諸国は、ずっと「国際間の秩序に基づく規則」を口実に独占権を主張してきたからだ。西側諸国が言っている「国際間の規則や秩序」とは、自分たちの規則であり、自分たちの秩序なのだ。習近平国家主席は、そんな時代は終わり、国際間の法律というのは、文字通り国際間の法律であるべきだ、ということを明確に伝えたのだ。これまで70年以上もの間、「国際間の法律」を口実に、ごく少数の富裕層の富を守るために起こった終りのない戦争や、ごく少数のものたちのための果てしない富の蓄積が続けられてきたのだから。

 西側諸国がプーチン大統領や、習近平国家主席の演説に耳を傾けるとは思えないし、ましてやその演説を聴いて、自分たちの振る舞いを変えることなどはしないだろう。しかし世界は変化している。古い西側勢力がこの変化に気づき、自分たちの行いを変えようとするのが早ければ早いほど、プーチン大統領や習近平国家主席が明確に打ち出した目標を達成できる日が近づくだろう。両者の演説が西側諸国でほとんど報じられなかったことは、良くない兆候である。しかし、ユーラシア地域の様々な国々による多くの同意事項が積み重なれば、古い世界は急速になくなっていく。そのことが認識されるのが早ければ早いほど、世界は安全な場所になるだろう。

 

 


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バンク・オブ・アメリカの見立てでは、中国経済の規模は2035年には今の2倍になり、米国を凌ぐ可能性がある。

<記事原文 寺島先生推薦>

China’s economy could double in size by 2035, eclipsing US along the way – Bank of America

RT 経済欄
2021年2月28日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月26日



 Covid後の回復という点から見れば、中国は世界で最も速く経済成長を遂げた国のひとつであり、2035年までには経済成長を倍増させる可能性もある。こう分析したのは、バンク・オブ・アメリカのグローバル・リサーチ部アジア経済部長であるヘレン・キアオ氏だ。

 キアオ氏がビジネス通信社CNBCに語ったところによると、それは中国が採った再建策が功を奏した結果だとのことだ。中国が経済成長を倍増させるには、この先15年間、年平均4.7%の経済成長が必要となる。「中国ならば、それを達成できると見ています」とキアオ氏は語った。

 キアオ氏の見立てによれば、国内総生産が2倍になるだけでなく、中国は2027年か2028年には、米国を凌ぎ、世界一の経済大国になる、とのことだ。

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China partners with SWIFT to boost global use of yuan & cut reliance on US dollar

 公式記録によれば、中国は昨年2.3%の経済成長を遂げた。国際通貨基金(IMF)の報告では、中国の今年の経済成長は8.1%になるとしている。一方、直近の政府調査によれば、米国経済は2020年に3.5%減少している。IMFの予想では、米国経済の今年の成長率は5.1%だと見ている。

 今月初旬の発表の中で、キアオ氏は中国経済の成長にとって気になる要素も上げている。 それは高齢者の増加や、債務対GDP比率や、中国が国家による投資により成長しているという点だ。これらの要素が、2035年までに経済成長を倍増するという目標の妨げになる可能性がある。しかし、これらの要素は中国経済の全体として成長のスピードを抑えることにはなっても、阻止することにはならないだろうと、キアオ氏は語っている。

テキサスの寒波による危機が改めて示した、米国政府は自国民を守れないし、守る気もないという事実


<記事原文 寺島先生推薦>

The Texas crisis has again shown how America is both unable and unprepared to protect its own people


RT 論説欄

2021年2月19日

トム・ファウディ(Tom Fowdy)著



Tom Fowdy is a British writer and analyst of politics and international relations with a primary focus on East Asia.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月26日



 米国の貧弱なインフラが、今週再び脚光を浴びることになった。テキサス州で大規模な停電が起こったのだ。これは、米国政府が国民の福祉にお金を回さないで、爆弾の購入にお金を回していることから来る当然の帰結だ。

 想定外の大寒波が襲来したテキサス州は、前代未聞の危機に直面している。氷点下の寒波に襲われ、テキサス州の多くの地域で電気や水の供給が数日間止まってしまった。そして食料輸送網も厳しい状況に置かれた。最近の記事によれば24名の犠牲者が出ている。

食料品列や、店内の空っぽの棚の映像は、社会主義国家であるという理由で米国が制裁を科し、長年嘲笑の対象にしてきた国々の様子とよく似ている。しかし、テキサス州は氷を溶かそうと苦労しているが、凍っているのは町並みだけではないのだ。米国政府からの反応も凍っているのだ。連邦政府や議会はどんな対策をしているというのか?何もしていない。



 ほぼ50万人の命を奪うと言われているCovid-19パンデミック下の米国には、自国領内の災害に適切に対応できる力をほぼなくしてしまっているようだ。軍隊や兵器を世界中に配置している米国のこのような失態はとんでもないことだ。しかしこの二つの要因はまったく偶然の一致ではない。このような米国の国家運営のまずさは、何も新しいものではない。これは実際、米国の政策や社会体制の根本的な一面なのだ。米国の政策や、社会体制は、まるで信心深く、自由市場を公共の福祉よりも優先するのだ。そして軍や爆弾に対する関心は、一般市民に対する関心よりも勝るのだ。

 つまり最終的には、米国のインフラ基盤は限られたものであり、貧弱な状態におかれることになるのだ。だから今回テキサス州でみられたような問題に直面した際に、米国政府がその問題に対処しようとする意思や能力が不足しているという事実は、驚くべきことではないのだ。

 「大きな政府は良くない」というのが、米国の多くの政治家たちの決まり文句になってきた。米国においては、政府が経済や社会福祉のすべての分野に介入することは、しばしば問題であると見なされている。というのも、そのような介入の出費をまかなうには税金を高くする必要があるからだ。それが、効率的ではないという感覚を生み出し、「個人の自由」を阻害すると思われてきたからだ。

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Texas freeze exposes cold, dark heart of America in which EVERYTHING is now political

 もうひとつほとんど宗教的に信じられていることは、自由市場経済は美徳であるという信念だ。そして、自由市場経済は、国家よりもうまく人々の要求を自然に解決してくれる要因となるという信念だ。そしてこんな信念を信奉している人々こそが、公共インフラにおける政府が主導する開発には団結して激しく反対してきたのだ。そしてそれは特に、「社会化医療」として軽んじられている医療分野においてのことであった。だから例えば、オバマケアのような健康保険計画ひとつだけでも、大きな議論を生んできたのだ。

 その結果、米国内に存在するインフラはたいてい「利益を生む」ために運営されているのだ。お金にならないといけないという縛りが社会全体の利益よりも優先され、不均衡を生むことになっている。利益を生むことが、可能な限り多くの人々に最大限奉仕することよりも大事だと思われているのだ。

 病院がその良い例だ。病院の数は余るほどありそうなのだが、実際の所はほとんどが私立病院であり効果的な医療を受ける費用は天文学的数字になる。同様に、米国の高速鉄道網が貧弱なままである理由は、政府が鉄道関連業に支出しようとすることも、政治的な制約を受けるからだ。輸送業における 「利益を得るため」という哲学のせいで、自動車業界や航空業界が優先されているからだ。

  つまり、米国政府は公共福祉を行っており、計画も持っているのだが、運用上においては、それらは不完全で、穴だらけの状態であることが多いのだ。もちろん、お金持ちは別だが。

 このような状況こそテキサス州の危機が起こった理由だ。テキサス州が通常温暖である地域であり、こんな激しい天候に見舞われることが予想できなかったという事実はあるが、指摘すべきことは、米国のエネルギー基盤も民営化されているという事実だ。つまりは、「利潤追求」のための企業により運営されているのだ。企業というのは、お金儲けを優先させるものであり、高い品質のインフラ整備を行うことには否定的である。そして、そのようなインフラ整備は必要最小限に抑えられ、利潤を得ることが最優先されるのだ。こうして、悪天候に一度見舞われただけでも、社会全体が壊滅状態になってしまうのだ。

 さて、この現状に対して政府はどう対応しただろうか。何もしていない。しかしこんなことは初めてのことではない。こんなことはずっと米国で起こってきたことなのだ。国民の公共の福祉に利するようなシステムにはなっていないのだ。2005年にニューオーリンズで起こったハリケーン・カトリーナ災害の際も、まったく同じようなものだったのだ。

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Dear US media, we don't need Russia to attack our power grid, we're perfectly capable of tanking it ourselves...just look at Texas

 それでもまだ、米国政府は大規模にインフラ整備を行うことに前向きではない。ニューディール政策が採られていた時代ははるか遠くになってしまった。しかし、これは間違いのない事実であり、どちらの政権でも変わらないことなのだが、例年米国の軍事費は1兆ドルを超過している。米国国防授権法は、米国政府にとって犯さざるべき存在なのだ。では医療やインフラ面はどうなのだろう?医療やインフラは政府にとっては聞きたくない言葉なのだ。政治の世界には項目による優先順位は確実に存在する。医療やインフラは、優先事項ではないのだ。

 この現状が、米国と中国との厳しい対比を鮮明にしているのだ。中国は、国家が常時積極的にインフラに資金を投入している。その理由は、インフラに投資すれば、公共の福祉が向上し、経済発展につながるからだ。その結果、40年前は発展途上国であり、貧困に苦しんでいた中国であったのに、今は交通輸送網や公共インフラの状況は米国を凌駕している。

 ジョー・バイデンはこの状況を認識しているようで、中国のインフラ面に関する支出について、こんなことを語っている。「中国は我々のおかげで食べていけているのだ」。この言葉から分かることは、バイデン新政権は、米国が中国に遅れをとっていることを認めており、米国がインフラ整備にかけるお金を増やしたいと思っている、ということだ。

 問題は、「どうやって増やすか?」だ。言うは易く、行うは難し。テキサス州での出来事とCovid-19危機、両者が明らかにしたのは、政治体制が制限を受けている中で、公共インフラにお金を回すことがどれだけ難しいかということだ。そのような困難とは無縁の、社会主義国家と張り合うような国にしようとすることは、規制や、私企業の利益追求という観点から見ても、ほとんど不可能だろう。

 給付金についての熱い議論に
加わっている人たちが直面するのは、資金面についての議論の有害さと困難さだ。結局、銃弾や、爆弾や、私的利益のことでないと、米国政府は関心を示さないのだ。だからこそ、米国政府は、自国民を養い、自国民を保護できない現状を繰り返しているのだ。それを改めてテキサス州が見せてくれた。





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「陰謀論」とは何か - 体制の主張に異を唱える者は「陰謀論者」と呼ばれる

<記事原文>

“Conspiracy Theory” – What Is It?

ピーター・ケーニッヒ

グローバルリサーチ、2020年08月06日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月25日

 

 「陰謀論」を広めたことで非難され、それゆえに「陰謀論者」であると非難されることは、真の陰謀論者が真実を求める者に対して使う、並外れた賢い戦術である。

 それは、多くの場合、90%以上の人に効果がある。「陰謀論」は「フェイクニュース」と一緒くたにされている。それはまた、マスメディアやソーシャルメディア(Google, Youtube, Facebook……)を支配している人たちによる検閲にもつながる。彼らは「フェイクニュース」から人々を守るという口実の下に、インターネットから真実を根絶しようとしているからである。

 誰かを陰謀論にリンクさせることは、言葉を武器化することである。それは、「陰謀論者」(CT:Conspiracy Theorist)と覚しきひとを黙らせることにある。すると、そのひとは言葉を失うことになる。

 告発者が何ひとつ証拠をもたずに、「フェイクニュース」と「陰謀論」という根拠のない言葉だけを使っているにもかかわらず、それに対する即時の反論は起きない。それは自動的に被告発者を「気が狂っている」とか、もっと悪いことに「嘘つき」と決めつけてしまう。「やつらは、気が狂っている、何を言っているのかわからない、情緒不安定な人で、噂を追いかけ噂に基づいて不真実を広めている。だから、非常な危険人物である」と。

 いくつかの事例では、支配体制にとって非常な「危険人物」となってしまった人々が、少なくとも一時的にでも精神科病院に監禁されるということが起きている。そしてそれは、他のひとたちに「真実」を吐かせるための説得の手段なのである。

 そのサブリミナル効果(無意識下への刷り込み効果)は、「うわさ」や「陰謀論」は嘘なのだ、というものである。そして嘘はより広い大衆とともに舞い上がって増殖する。

 大衆は公式的な「真実」だけを与えられることになっている。そして、その「真実」なるものは大手メディアや選挙で選ばれた為政者から垂れ流される。しかしそれよりも、もっと多いのは、選挙で選ばれていない私的権力者から垂れ流される「真実」だ。

サブリミナル効果:人間には知覚できない短さの信号を繰り返し見せると無意識下にメッセージが刷り込まれるという効果

 選挙で選ばれていない権力者とは、欧州委員会(EUで何が起こるかについてほとんどの決定権を握っている委員会)から、世界経済フォーラム(WEF。単なるNGOであるが、世界の経済・政治政策に対して、国連をはるかに凌ぐ権力を誇る)まで、また言うまでもなくワシントンに拠点を置く「シンクタンク」などまで、その範囲は多岐にわたる。

 MSMが「真実」を一番知っている。なぜなら、彼らはフェイクニュースや操作された「リアルニュース」を馬の口(馬の口:当の本人のこと。馬の歯を見れば本当の年齢が分かるところから来ている)から直接、手に入れているからだ。つまり、役人や自称権威者たちからだ。

 「陰謀論」あるいは「陰謀論者」(CT)という用語とそのさまざまな変形が、アメリカの諜報機関によって使われていたことをご存じだろうか? 第二次世界大戦の直後、冷戦反対派を黙らせるために、彼ら諜報機関が陰謀論という巧妙な用語を発明したのだ。これは、冷戦がフェイク(偽物)であり、西側世界のための単なる恐怖プロパガンダだと分かっている人々すべてを黙らせるためのものだったのだ。

 兵器化された用語「陰謀論」(CT)が対象にしているのは、真実を求める人々である。政府とその代弁人であるプロパガンダ・メディアが発する、誰もが日常的に聞かされる見え透いた嘘に対抗する真実を。Covid-19は、「陰謀論」(CT)の悪辣な例である。

 「偽のコロナ・パンデミック」あるいは「コロナ・デマ」といった表現は、ほとんどの人々の頭の中では、「不埒な陰謀論」として認識されている。ともあれ、このパンデミックは、国連加盟193か国の国家経済(一部の例外を除いて)を同時に閉鎖するために使用されているからである。

 人類史上、全世界で同時にパンデミックが起きたことは一度もない。何かがおかしい。こんなことが偶然の一致のはずはない。こんなことが多くの国で同時に実施されるためには、各国政府は、アメとムチ作戦でやられたに違いなかった。そのムチがかなり不吉なものになりそうだったので、さらに各国政府には「アメ」(つまり腐敗)が必要になった……そう、どんな腐敗であったとしても。

 にもかかわらず、スウェーデンやベラルーシのような半例外的な国もあった。そのような国々は独自路線を歩んだ。完全なロックダウンはしなかったので、世界の他の国々と比較しても、かなりうまくいっていた。特に、その経済はほとんど無傷のままだった。

 ロックダウンに従わなかった方が良かったというこの物語は、「陰謀論」ということになる。しかし、気にする必要はない。世界中でおこなわれた全面的なロックダウンは、人類が知っている中で最悪の社会経済的災害であり、そこからの回復はないかもしれないことが証明されている。何億人もの失業者が出て、生活が破壊された。これは「フェイクニュース」なのか、はたまた陰謀論なのか?

 確かに、本当の「フェイクニュース」は、主流のプロパガンダ・メディア、つまり恐怖心を煽る人々から発信されている。それが「フェイクニュース」すなわち「陰謀論」なのである。

 恐怖心を煽る人々つまり主流のプロパガンダ・メディアは、感染症は日に日に増え、死亡率は確実に上昇している、と信じさせようとしている人たちだ。そして、マスクをつけないで「社会的距離」を尊重しなければ、絶対的に命の危険にさらされる、と信じさせようとしている人たちだ。

 マスクの強制は、第一級の「フェイクニュース」である。独立系の医師や健康科学者によれば、マスクは役に立たない。(ニューサウスウェールズ大学LAタイムズのレポートも参照)。

 独立が大切だ。なぜなら、政府に雇用されている人、大学・病院に雇用されている人、そうでなければ雇用状態にある人はすべて、公式の物語に従わないと、仕事を失う危険性があるからである。

 医師、ウイルス学者、生物学者は、通常、自分の科学を知っているが、自分の収入を恐れているので、発言はしないし「ロックステップ話(訳注: 2010年にすでに、支配者層が今回のような感染症危機について協議していた話)」にも従わない。なかには敢えて話をする人もいるが、それでも公の場で発言はしない。

 全能の権力者を恐れない人たちのほとんどは敢えて人前に出てこう言う。例えば、一般的なマスクは価値がないだけでなく有害でさえあるかもしれない、なぜならマスクが与える誤った安心感のせいで、自分のCO2を吸ってしまうことになるからだと。

 多くのひとがまた言及しているのは、細菌よりもはるかに小さい顕微鏡でも見えない平均5~300ナノメートル(nm)のウイルスが、簡単にマスクの生地をすり抜けるということである。ナノメートルとは、1メートルの10億分の1に相当する長さの単位である。一般的なマスクが、そのようなウイルスの出入りを止められるか想像してご覧なさい。一般的なマスクは、細菌などの微生物からは守ってくれるかもしれないが、ではウイルスはどうか? しかし、ウイルスは目に見えないし、私たちにはそれ以上はわからないので、私たちは「権威」を信じる。

 パスカル・サクレ博士によると、
「空気は、息を吐くと、加熱され、加湿され、CO2で満たされる。それは、病原菌(細菌、真菌、ウイルス)のための完璧な培地になる。

  研究によると、マスクの多孔性(微細な穴)によって、吐いた空気中の細菌がマスクの外面に蓄積されることがわかっている。私たちは自分のCO2を再吸入するだけでなく、マスクを常に触っている(これは避けられない仕草だ)ことで、細菌をどこにでも撒き散らしているのだ」

  WHO事務局長であるテドロス博士は、「効果的なマスク」の入手は困難かもしれないと述べている。これは警告だったのか? 我々には決して「効果的なワクチン」などないかもしれないの
で、準備をおさおさ怠らない方がいいということを言いたかったのか?

 テドロスは、「彼ら」(少なくとも20の製薬会社)がワクチン開発に無我夢中に取り組んでいて、すぐにでも市場に出すべく競争をしている最中だと断言している。

 テドロスによると
「現在、いくつかのワクチンが第Ⅲ相臨床試験中であり、我々は皆、人々を感染から予防するのに役立つ効果的なワクチンを多く手に入れたいと願っている。

 しかし、現時点では銀の弾丸という特効薬(オカミ男を銀の弾丸で殺せるという言い伝えから)はない。そして、今後も決して手に入らないかもしれない」

 この発言は、人々にさらなる恐怖を植え付け、次のロックダウンに備えさせ、コロナが長期的に居続けるのだと、人々に心の準備をさせ、人々にずっと恐怖感を抱き続けさせるだけなのだろうか?そうやって、権力者からの「命令」すなわち「弾圧」に備えさせようというのか?

 それとも、この発言は、将来の取り締まりや悲惨なロックダウンに備えて、人々をより柔軟に操れるようにするための、単なる大衆扇動なのだろうか? そういった「公式」発表は、いったいフェイクニュースや陰謀ニュースの範疇に入らないのだろうか? ご自身で判断されたい。

 ウイルスは何十年も前から、さまざまな変形や突然変異を重ねて存在している。例えば、すべての一般的なインフルエンザには、7%から20%のコロナウイルスが含まれている。

 アンソニー・ファウチ博士(国立衛生研究所NIHの下部組織、国立アレルギー感染病研究所NIAID所長)は、実際に『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)』誌の「Navigating the Uncharted(未開の地を航行する)」と題する査読付きの論文で、次のように述べている。

「症例致死率は1%未満の可能性がある。これは、Covid-19の全体的な臨床的影響が、最終的には重度の季節性インフルエンザ (これは約 0.1% の症例致死率を持つ)、または(1957年と1968年に流行したものに酷似した)パンデミック・インフルエンザのような病気に近いかもしれないことを示唆している。SARSやMERSのような病気ではない。それらはそれぞれ9~10%と36%の症例致死率であった」

 もしあなたと私が、上記のように、ファウチを引き合いに出したとすると、私たちは陰謀論者(CT)である。とはいえ、ファウチ博士は、ウイルス学の権威としての「公式」な立場で、実際にCNNや他の主流のニュースチャンネルに出た際は、NEJMで述べたこととは真逆のことを宣伝している。

 WHOによると、「[COVID-19の]最も一般的に報告された症状には、発熱、乾いた咳、息切れが含まれ、ほとんどの患者(80%)の症状は軽症だった」という


 矛盾した見出しを調べてみよう。

    
WHOは、感染者は一般的に軽症を経験し、2週間で回復すると述べている。

   
ファウチはコロナウイルスが20万人のアメリカ人を殺すと警告している。

米国トップの感染症専門家が、その数字は「当面の数値」にすぎないから、すぐに変わってもっと大きくなるかも知れないと注意喚起している。

   
米国トップの防疫官が言う、コロナウイルスは季節性インフルエンザの「10倍の致死率」があると。

 ファウチ博士が宣伝しているのは、恐怖を煽る物語であり、それは体制があなたに、国家的権威の口から聞かせ信じさせたいと思っていること、つまりアメリカではコロナ死が最大50万人に上るかもしれないということ、なのである。

 そのような声明を聞いて、あなたは監禁されて家に閉じこめられ、他の人と接触を絶たれたり、経済のロックダウンを科されることは命を救うためだとして完全に正当化されることになる。そして結果的に、あなた個人の社会的かつ精神的な破壊が保証される、というわけである。

 そして今、アメリカの病院その他の医療サービスは、その数字(死者50万人以上)に到達すべく競争している。

 この競争に含まれているのは、偽造されたデータである。コロナと何の関係もない死亡がコロナに起因するとされ、病院は患者をコロナ患者として認めると金が支給され(1万9000ドル)、人工呼吸器を患者に付けると金が支給される(3万9000ドル)。人工呼吸器を付けられると最大80%の患者が死ぬことをよく知っていながらである。これこそ真の陰謀である。医療サービスにより助けられ、治療されるはずの人々に対する真の陰謀である。助けてほしい、治療してほしいという患者の信頼を、彼らは苦々しく裏切っているのだ。

 この情報はかつてはここで完全に利用可能だったが、病院の「金の支給」の部分は、編集され削除されている。さらに悪いことに、スコット・イエンセン博士(医学博士でミネソタ州の上院議員)の多くのインターネット上のエントリや発言は、現在、「ファクトチェック」と表示され、否定されたり検閲されたりしている。

 スコット・イエンセン上院議員のインタビューをご覧いただきたい。(4分55秒)



経済と社会への影響

 失われた何百万もの仕事、破産、破壊された生活のことなど気に留めてはいけない。
 飢饉や絶望が原因で、また権威が押し付けたコロナ・ヒステリーのために治療されなかった他の病気(例えば、癌、心不全、糖尿病、その他)が原因で世界中で引き起こされた死は、COVID-19による世界的な死亡者数(これは操作された推定値に基づいている)をはるかに超えているのである。

 あなたは、権力者から発せられた命令に従うために、権力者を批判したり質問することさえ許されない。もしそんなことをすれば、「フェイクニュース」を広めたことで非難されるか、陰謀論者(CT)とレッテルを貼られる。それが一般的になっているのだ。

 しかし、だとすれば、嘘、ソーシャル・エンジニアリング(社会工作)、強制的なロックダウン、括弧付きの「当局」(すなわち選挙で選ばれてもいない権力者)による監禁をどのように分類するのだろうか?
ソーシャル・エンジニアリング:政府やある政治団体が、大衆の社会的な態度や行動に影響を及ぼそうとすること。対立する独裁的な政府や政治団体の運動を批判するときの言葉として使われることが多い。

 それらはフェイクニュースか、陰謀か、それともその両方に分類したほうがいいのだろうか?

Covid-19の治療。ワクチンは必要ない

 ウイルスと闘うために、ワクチンは間違いなく必要ない。

 中国は、ワクチンなしでコロナを制御下に置いたが、大部分は一般的で安価な既存の薬を使用することによってであった。たとえば、マラリアと闘うために使用されるヒドロキシクロロキン(60年前の薬)のような薬や、またキューバが開発したインターフェロンα-2bや、薬効の可能性がある他の薬やその組み合わせである。

 また、アンドレアス・カルクダー博士の二酸化塩素溶液(CDS)は、適切に配分されていれば、コロナウイルスだけでなく、他の無数の病気の治療にも非常に効果的である。これらのシンプルで効果的な治療法は、保健当局や大手製薬会社が使用を阻止しているのだ。

 医師でさえも、それらを患者に使用したり適用したりすることを罰則で禁じられている。これは、GAVIワクチンアライアンス(ワクチンと予防接種のためのグローバルアライアンス)が主導し、WHOとビル&メリンダ・ゲイツ財団が支援する、強力な製薬ロビー活動の結果の一部である。しかし、それはまた、私たちの政府が、とてつもなく腐敗している公共および民間の医療部門からの指示を遵守していることに起因する部分もあるのだ。

アメリカの医師たちがコロナの誤報に対処



 これらの利権団体は、その命令にWHOが従順に従って、数兆ドルとは言わないまでも、10億ドル規模のワクチン・ビジネスを推進することにしか興味がない。そのワクチンたるや、ほとんど治験されておらず、非常に物議を醸したままのものである。

 実際、治験されたワクチンの多くは、特にシアトルに拠点を置く製薬会社「モデルナ社」(ゲイツ財団の資金提供を受けている)のもので、重篤な副作用を起こしている。ビル・ゲイツによると、このワクチンは2020年秋には大規模な適用が可能になるという。実際、効果を得るためには、1回だけではなく、少なくとも2回の注射が必要になるかもしれないという。これをご覧あれ。

 ビル・ゲイツは、世界は人口過多になっていると述べている。2010年に南カリフォルニアでおこなわれたTEDトークで、彼は次のように述べている。
 「もし我々が本当に良い仕事をしてワクチン接種をすれば、世界人口を10%から15%減らすことができるかもしれません……」 (これを参照)。



ワクチン

 親、教師、医者は、子どもや大人にコロナ・ワクチン接種を勧める前に、あるいはもっと悪くは、強制する前に、二度、あるいは三度、考えるべきである。ゲイツ財団がおこなったWHO承認のワクチン接種キャンペーン(インドなどでのポリオ)や若い女性の不妊手術(ケニアでの修正破傷風ワクチン)を参照されたい。

 2010年のH1N1(豚インフルエンザ)ワクチンによる子どもの脳損傷の証拠も参照
 カナダでは多くの人々がH1N1(豚インフルエンザ)のアレパンリックス筋注ワクチンの接種を受けて病気になった
 そのワクチンがアミナ・アブという少女を死に至らしめ、グラクソ・スミスクラインGSK社に対する10年に及ぶ訴訟に発展した。

  新しい病原体について多くの人が恐怖の最中に陥れられたなか、ワクチンは市場に急送され、5歳の少女は、ワクチンを接種された何百万人ものカナダ人の中のひとりとなった。

 5日後、アミナの兄は、家族の東端トロントの家のバスルームで彼女が意識なく横たわっているのを発見した。彼女は死んでいた。

 

「ファクトチェック」に大賛成のGoogleが、これらの悲惨なワクチンへの参照文献への検索を削除していることに注目すべきである。

 WHOがワクチンを支持しているので、世界の各国政府は受け入れているだけである。ディープステートの上層部が、「これらのルールを命令している」のである。WHOは一種の使いっぱしりなのである。というのは、WHO予算の約三分の二は、製薬業界、ゲイツ財団、通信会社などの利権団体からの予算外の資産提供によって賄われているからだ。

 もし、国が後押ししている嘘を暴露するとなれば、自動的にあなたは陰謀論やフェイクニュースを広めているとみなされてしまうのだ。

 コロナの症例、感染症、病気、死亡率に関するデータ操作が横行している。
 どの国も、競争するため「競い合っている」ように見える。感染数が多ければ多いほどいいのだ。そうすれば、富裕層のエリートを代表する(括弧付きの)「当局」が、抑圧、監視、社会的統制のベルトを締め上げることを許しかつ正当化して、アメリカのように警察権力の軍隊化につなげることができるのだから。

抵抗

 先週末の2020年8月1日、ベルリンでは130万人(主催者による)が街頭に出て、政府の抑圧的で反憲法的なコロナ政策に反対するデモをおこなった。これまでベルリンでこれほど印象的なデモは見たことがない。

 メディアは彼ら130万人を右翼として中傷した。AFD党(ネオナチ)支持者だと中傷して、運動の信頼性を低下させた。しかし、何の役にも立たなかった。

 無数のビデオは、市民が子どもも祖父母も家族総出で、ベルリンのこの平和的な抗議に参加したことを明確に示している。

 そして、それはなくなることはない。彼らは正義を要求している。ドイツは、ヨーロッパが目覚めるための道を導くかもしれない。
 

ビデオ



全体主義政府へ向かうのか?

 もしトランプ大統領がツイッターですでに示唆しているように、いわゆる政府継続性(COG)や作戦継続性(COOP)を発動してアメリカで戒厳令を敷くことに成功した場合、ヨーロッパがそれに追随しようとする危険性がある。

 もし自由と自決を求めるドイツ人の気概と抗議行動と推進力が勝利して、ヨーロッパの他の地域に広がるならば、私たちは助かるかもしれない。

結びのことば

 侮辱的な陰謀論やフェイクニュースの拡散による中傷・名誉毀損は、プランデミックのコロナの大失敗と災害に止まらず、「フェイクニュース」を武器として使うこの「新しい」波は、なにもコロナから始まったものではない。ずっと以前から存在するものだ。

 体制側が、体制側にとって「不都合な」人々、すなわち実際に何が起こっているのかを一般の人々に知らせようとしている人々を、バッシングするのに都合が良い時には、陰謀論やフェイクニュースという用語は簡単にすぐに手の届くところにある使い回しやすい言葉だ。

 反ロシア、反中国、反イラン、反シリア、反ベネズエラ、反キューバ、反北朝鮮……などの西側主流メディアの大宣伝に直面して、よく研究・分析された真実を提示する人は誰でも、結果的に陰謀論者(CT)というレッテルを貼られる可能性がある。

 あるいは、誰かがあえて9・11の公式見解に疑問を呈するならば、あるいはNATOの有用性に疑問を呈するならば。

 また、NATOの有用性に疑問をもち、代わりにNATOの真の目的である、ロシアと中国をはじめとする東方を着実に、そしてこれまで以上に厳しく脅かしている侵略性と戦争性を提示した場合も、陰謀論者(CT)のレッテルを貼られてしまう。

 私たちは、最小必要量の大衆を必要としているのだ。何が起こっているのか、どんな計画がCovid-19の背後にあるのか、コロナやブラック・ライブズ・マター(BLM)やウオーク(目覚め)運動やアンティファの抗議活動のあいだの点と点を接続することを意識するようになるためには。

ANTIFA(アンティファ)は反ファシスト(アンチ・ファシスト)を意味するドイツ語や英語の短縮形。①1932年から1933年にかけてヴァイマル共和政下のドイツに存在した組織の「反ファシスト行動」、②1960~70年代のドイツに始まり、アメリカなど他国へも広がった。ネオナチ、ネオ・ファシズム、白人至上主義、人種差別主義、そしてこれらを包括した概念となったオルタナ右翼などに反対する。

 私たちは、これらの抗議運動のほとんどが、企業財団、フォード、ロックフェラー、ゲイツ、オープンソサエティ財団等々によって資金提供されたり、共同スポンサーとなっていることを認識しなければならない。彼らは、彼らが我が方についている(我らの味方だ)、自由のため人種差別に反対して戦っている、と私たちに信じさせたがっている、非常に裕福な超資本家たちなのである。

 私たちは、WEF(世界経済フォーラム)の「グレート・グローバル・リセット」の呼びかけに警戒しなければならない。それはニュー・グリーン(資本家)ディールにつながっている。低所得者層から億万長者層への資産の新たなシフトなのである。今や緑の陰に隠れた、億万長者層への資産の新たなシフトなのである。

 私たちが、大局を見極めるようになれば、私たちはコロナを理解し、私たちは安全である。

 私たちは、私たちの憲法と人権を理解し、それらのために立ち上がるためのすべての要素をもっているのだから。

 ***
 マイケル・ムーア監督の最新作『人類の惑星』を以下でご覧あれ。(ビデオは削除されている)



関連記事

「もうこれ以上生きたくない!」と娘が母親に。ドイツ政府が絞め殺しているのは、自国民の未来だ。



<記事原文 寺島先生推薦>

“I Don’t Want to Live Any More”, Said the Child to Her Mother. The German Government Strangles The Future of Its Own People

ルドルフ・ヘンゼル博士(Dr. Rudolf Hänsel)

グローバル・リサーチ

2021年2月1日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月26日



 昨年1年間ずっと、あらゆる種類の政治家たちが、国民に対して恐怖を煽ってきたのだが、その目的は世界の罪深き支配者層のためであった。そしてそのせいで私たちは自動的に服従させられることも身につけさせられた。この煽られた恐怖と、自動的な服従が、両親や、祖父母や、仲間の市民たちから、思いやりを奪ってしまったのだろうか?

 そして子どもたちや青年たちが、(おそらく、それはドイツ国内だけの話ではないが)、腐敗した政府やメディアによる不当で意味のない大規模な隔離政策に、誰よりも最も苦しんでいるという事実をどう受け止めればいいのだろうか?「私はもう生きたくない」という子どもの声を聞いても、この国ではなぜ抗議や暴動がおきないのだろうか?

 この恐ろしい事件のクライマックスとは?

 ドイツ政府のトップが、決して来ないロックダウン解除の日まで、その両親を待たせることに決めたことである。


  私たちが考えるべきなのは、青年たちを、それ故、将来の私たちの未来を絞め殺しているという現状だ。我々は、今はただちょい役の「悪魔のお得意様」の役だが、いつかは悪魔の手下になるとでもいうのか?現状に関心をもたないようにされて、「そんなことはダメだ!」と言わないように、口を閉ざして現状を受け入れているだけの市民たちのことを、私たちはどう考えたらいいのか。

 教育学者であり、臨床心理学者でもある私は、この状況に関して自分の意見を表明するよう求められていると感じてきた。しかし、多くの若い精神科医たちや、心理療法士たちや、保険医たちや、「ホワイト・リング(White Ring)」のような被害者支援団体組織が、ずっと警鐘を鳴らし続けてきたので、私は待っていたのだ。しかし、大衆雑誌であるWELT誌の1月31日の記事で、若い人たちが大切な命を自ら捨てたがっているという内容を読んだとき、 (「私はもう生きたくない」と娘が母親に言った事件)で、

私はもう黙っては居られなくなった。



 読者の大多数はきっとすでに、大規模な隔離措置の結果引き起こされている、厳しい精神的打撃や、精神異常による行動障害や、自殺未遂などの記事を読んでいると思われるので、ここではこのような状況を生んでいるいくつかの要因を再度挙げるにとどめておく。  

・ソーシャル・ディスタンスをとること
・学校でさえ、不健康で見てくれも悪いマスクを着   用すること
・学校での授業が不足していること
・文化的行事や体育的行事が中止になっていること
・コンピューターゲームやすべてのドラッグと同様に、フェイスブックの画面上でのやりとりでは癒やされない孤独が、終わりなく続いていること
 そして、
・家庭内暴力(性的嫌がらせや性的暴行を含む)が増えていること

 自分の子どもたちを保護し、我々すべてにとっての未来を守るために、子ども時代に植え付けられた恐怖感や、有無を言わさず受け入れさせられる精神的服従を乗り越えることは、我々人類にとって本当にできないことなのだろうか?

Dr. Rudolf Hänsel is an educationalist and qualified psychologist.


 

関連記事

NGOの役割は新植民地主義を広めることだ



<記事原文 寺島先生推薦>

Role of NGOs in Promoting Neo-Colonialism



サイエド・エティサーム(Syed Ehtisham)著

グローバル・リサーチ 2021年2月16日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月19日



 文字通り、NGOは何千もある。よく知られているのは、オックスファム、グリーンピース、アムネスティ・インターナショナルだ。

 NGO設立は基本的には最近のことだ。ただ「YMCA世界同盟」は1855年に設立され、「赤十字国際委員会」は、1863年に発足した。(1)

 ある推定によれば、資格のある国際NGOは今、4万程度あるそうだ。 (多くの国々には関連した取り組みや支所がある) – 1世紀前には400以下しかなかったのだが。(2)

 政治学者はしばしばNGOのことを「圧力団体」や「ロビー団体」と呼んでいる 。国際関係分野においては、学者たちはNGOのことを「非国家主体(Non-state Actor)」 」(この名称は多国籍企業にも使用されているものだ)と呼んでいる。近年NGOは、新しい環境協定の促進に成功し、女性の権利の強化に大いに貢献し、重要な軍縮協定や軍縮措置を勝ち取ってきた。環境問題に関するNGOの活動のおかげで、1987年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択された。

 複数のNGOの共同による「地雷禁止国際キャンペーン」は、1997年の「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」締結の原動力となった。「国際刑事裁判所設立にむけたNGO連合」は1998年の「国際刑事裁判所ローマ規程」採択など、NGOが各国政府に圧力をかけ、秘密条約であった「投資に関する多国間協定」を1998年に取りやめさせる際に、欠くことのできない重要な役割を果たした。

 1990年代の後半には、「国連安全保障理事会に関するNGO審議会」が、国連で最も強力な組織である安全保障理事会と対話できる組織として立ち上げられた。一方、「ジュブリー2000キャンペーン」は貧しい国々の負債についての考え方や政策を変えた。同時に、ますます影響力を高めている世界規模でのNGOのキャンペーンは、「世界貿易機関」や「国際通貨基金」や「世界銀行」による経済政策をもっと公正なものにするよう要求してきた。(3)

 しかし一方で、各国政府はNGOに資金提供し、自国の利益を増やすようNGOを利用している。そのやり方はしばしば違法であり、ある国に動乱を呼び起こす原因を作ったり、正当な政府を転覆させたりすることもある。 (詳しくは後述する)。

 NGOは構造的には、非民主主義であり、説明責任がない組織だ。NGOの役員は選挙で選ばれているわけではない。書類上は、役員たちは正当な手続きを経て、取締役などの役職に就いているようだが、実のところその役員たちはウォール街の企業や、銀行や、国際金融機関の重役たちだ。

資金について

 1990年代に、国連難民高等弁務官事務所が警戒感を示したのは、各国政府が人道支援のための資金を多国間の組織ではなく、自国のNGOにどんどん投入しているという事実だった。(4)

 NGOは、私企業と変わらず、商品やサービスを売っている。 「アメリカ退職者協会 (以降(AARP) 」 が、その傾向の極端な例だ。1996年に同協会は、補完的医療保険で総収入38億ドル、9件の投資信託で137億ドルの資産を得ている。(5)

外交面での役割

 NGOが国連に声が届けられるという権利は、国連憲章の第71条で規定されており、後に続いた他の決定でも補完されている。2000年までには、国連の諮問機関としての資格を得ているNGOが約2500ある。(5)

 1992年のリオの「地球サミット」には、1400の NGOが直接参加していた。1995年の9月に北京で行われた世界女性会議には2600のNGOが政府間交渉に参加していた。(6)

 マレーシアに拠点

を置く「第三世界ネットワーク(Third World Network)」は、幅広い政策課題に取り組むNGOのいい例だろう。フィリピンに拠点を置く「借金からの自由連合(Freedom from Debt Coalition )」やドイツのNGOである「環境と開発におけるネットワーク(Network on Environment and Development,)」や、「アジア地域交流における新たな取り組み(the Asian Regional Exchange for New Initiatives、ARENA)」や、「アメリカ原住民の女性のための大陸間ネットワーク(the Continental Network of Indigenous Women of the Americas)や、「アフリカの負債と開発のネットワーク(AFRODAD, the African Debt and Development Network)」などだ。

 インドでは、「消費と信頼の会(the Consumer and Trust Society)」と「環境と科学センター(the Center for Science and Environment)」という二つのNGOが最も名が知れている。(7)

 オサマ・ビン・ラディンの殺害が国際法規上正当であるかどうかの疑問があるNGOから挙げられていたこともあったが、それは重要なことではない。それよりも、ラディンの居場所を見つける際には、あるNGOの協力があったという事実を見るべきだ。(8)

この段落の詳しい内容についてはhttps://www.hrw.org/news/2011/05/04/killing-osama-bin-ladenhttps://www.tapatalk.com/groups/theerant/sofrep-osama-bin-laden-s-real-mystery-hunters-t64764.html

を参照


アラブの春やそれ以外のカラー革命

 2012年12月に、エジプトの検事や警察がいくつかの団体の事務所を強制捜索した。それらの団体は「民主主義擁護派」と自称していたNGOだった。その中の4つのNGOは米国政府の息のかかった組織だった。43人いた関係者(うち16人が米国市民)が告訴されたが、その理由は彼らが政府に登録されていなかったことだけではなく、「4月6日運動(訳注:エジプトのアラブの春運動で主要な役割を担った団体)」に違法な資金援助を行っていたからだった。

 米国はカイロに代表団として高官を派遣し、米国市民を裁判にかけるのであれば、エジプト政府に対して行っていた軍に対する13億ドルの補助金と、経済援助として与えていた2億5千万ドルの補助金を削減すると脅した。その米国市民の中に、オバマ政権の運輸長官をしていたサム・ラフードの息子がいた。エジプト政府は、サムを含めて7名に出国禁止措置を科していた。その7名以外はすべて、事件の初日にエジプトを出国した。その人たちは裁判所に出頭させられることさえなかった。

 彼らに対する出国禁止措置もすぐに解除され、米国軍機が彼らを本国に連れ帰った。出国禁止措置が解除された翌日、1機の軍機が残った7名の米国市民を連れ帰った。米国政府はエジプトの裁判所に保釈金として500万ドルの賄賂を送った。(8)

 国際機関は米国や、米国の代理機関を非難するのではなく、エジプト軍が外国の干渉に対して被害妄想をもっていることを非難した。そしてその軍の動きは、政治体制や民主主義体制を再建することが遅れていることから目をそらさせるためだと断じた。そして西側のニュースメディアは沈黙を保っていた。(9)

 43人の容疑者は米国に拠点を置く以下の組織で活動していた。

①フリーダム・ハウス(Freedom House)
②全米民主国際研究所(the National Democratic Institute ,NDI)
③共和党国際研究所(the International Republican Institute,IRI)
④国際ジャーナリズムセンター(the International Center for Journalists,ICFJ)
⑤コンラート・アデナウアー財団(the Konrad Adenauer Stiftung)

 このうち活動資金の大部分について、政府からの直接または間接的な支援を受けていない団体はICFJだけだ。(10)

 マデレーン・オルブライト元民主党米国内務大臣は、NDIの議長をつとめている。そしてIRIの議長は、元共和党大統領候補のジョン・マケイン上院議員だ。

 NDIや、IRIや、国際民間企業センター(the Center for International Private Enterprise)は米国商工会議所や、アメリカ労働総同盟・産業別組合会議連帯センター(the Solidarity Center of the AFL-CIO)の代理機関でありこれら4団体が全米民主主義基金(NED)の中核を占める組織だ。

 NEDは米国政府から年間予算の90%を受け取っている。「フリーダム・ハウス」はNEDから定期的に資金を受け取っている。「コンラート・アデナウアー財団」は、「ドイツキリスト教民主同盟」と関係があり、ドイツ政府から資金の90%を受け取っている。(11)

 つまり5団体のどのひとつもNGOとは呼べない組織だということだ。

 「フリーダム・ハウス」は、自由市場や米国の外交政策に利する行動をすることを好むようだ。2011年にこんな声明を出している。「ベネズエラ国民はイラク国民と同程度の政治的権利を持っている」!!!(12)

 米国で教育を受けたボリビアの大富豪ゴンサロ・サンチェス・デ・ロサーダ元大統領は民営化のとりくみを密かに進めようとした。ボリビア国民はそれに抗議した。ゴンサロ元大統領は権力から追われた。すると「フリーダム・ハウス」は、ボリビアに対する評価を「自由な国」から「一部自由な国」に変えた。

 同国の半数以上を占める先住民族の権利を認めた最初の政府でありながら、ボリビアに対する評価は、「一部自由」のままであり、ボツワナよりも自由度が低い国とされているのだ。ボツワナは1965年に行われた最初の選挙以来ずっと一党独裁(ボツワナ民主党;BDP)状態にあるというのに。(13)

 1996年のファイナンシャル・タイムズ紙の記事は、「フリーダム・ハウス」は、イランにおける「内密行動」のための資金を米国務省から受け取るのに選ばれたいくつかの組織のうちのひとつであることを明らかにした。そして、訓練や資金が、イランの政権転覆を目指すグループに提供された。(14)

 5団体のうちもっともひどい組織は、IRIとNDIである。この2団体はNEDから補助金を受け取っており、その名目は「海外で以下の4点の事業を育成するため」である。その4点とは

(1) 政党
(2) 選挙制度と選挙組織
(3)自由貿易を支持する労働組合
(4) 自由市場や企業組織

だ。


 昨年の3月6日、「米国市民連盟(American Civil Society Organizations)」は、ワシントンのNED事務所前で抗議行進を行った。その要求は、「民主主義を攻撃することは、場所を問わず許さない!NEDは解散せよ!」であった。労働組合員や労働運動家たちは、長年抗議し、キャンペーンを行い、AFL-CIOの「連帯センター」がNEDとのつながりを断ち切ることを求めた。

回転ドア

NEDの議長は、ディック・ゲッパートだ。彼は元民主党議員で、今は会社コンサルタントやロビー関連業を行っている自社の代表取締役をつとめている。このNEDの代表取締役のメンバーには、ジョン・A・ボーンもいて、彼は元一流の国際銀行家で、ムーディーズ・インベスターズ・サービス社の元頭取および代表取締役で、現在はカリフォルニア州公共事業委員会の理事であり、石油化学関連のインターネット上の為替業務を行う会社の重役である。

 さらには、ケネス・デュバースタインは、レーガン政権下での大統領首席補佐官代理で、今は企業のためにロビー活動を行う自社の議長と代表取締役である。他にもマーティン・フロスト(元国会議員で1999年のシティ・グループ救助法という名でも知られている「グラム・リーチ・ブライリー法」の起草に加わった)や、ウィリアム・ガルストン(元レオ・シュトラウスの弟子。現米国海軍退役軍人)もいる。

 理事会には、超保守的なシンクタンク「米国新世紀プロジェクト(Project for a New American Century)」の創設メンバーである以下の4名がいる。

(1)フランシス・フクヤマ(『歴史の終わり』の著者)
(2)ウィル・マーシャル(「新民主党(the New Democrats)」の創始者。新民主党とは、民主党の政策を右派よりに転換することを目的とした組織である)
(3) ヴィンセント・ウェーバー元下院議員(「下院の銀行スキャンダル」がもとで1992年に政界から去った。現在は企業のロビー活動会社の業務執行役員をつとめている)。
(4)ザルメイ・ハリルザド。ジョージ・ブッシュ・ジュニア政権下で、イラク、アフガニスタン、国連の米国大使を務めた。現在、自身の国際企業顧問会社の社長兼代表取締役。その会社は、主にエネルギー、建設、教育、インフラストラクチャー部門について顧客に助言を与えている。現在、中東、特にイラクとアフガニスタンで事業を行いたいと考えている。(16)

 NEDは1983年に設立された。当時、米国政府は、多くの批判にさらされていた。具体的には、中南米における秘密裡の軍事行動や、軍事訓練や、準軍組織や暗殺集団への資金提供について批判されていた。NEDが設立されたのは、世界各国で米国政府が気に入らない政権の反対勢力に資金を提供するために、公式で正当な手段が必要だったからだ。そうすることで、CIAが秘密裡に資金を投入していたという汚点を消そうとしていたのだ。以下は、1991年のワシントン・ポスト紙の記事だ。「CIAは海外で悪事はしていない: スパイがいないクーデターという新しい世界(Innocence Abroad: The New World of Spyless Coups)」という記事の中で、アレン・ウェインスタイン(NEDの設立書の起草を支援した人物)は、こう宣言していた。「我々(NED)が今やっていることは、20年前はCIAが密かに行っていたようなことだ」(17)。

  1996年に、ヘリテージ財団はこれまでどおり議会からの資金を得るために、ある記事を発表していた。「NEDは国際間の“理念の戦争”においては、重要な武器となる。NEDは、戦略的に重要な地域で、親米の安定した民主主義の発展を進めることにより、米国の利益を前進させる働きを担っている。米国には、外交上有効なこのような組織を手放す余裕はない。冷戦は終わったが、“理念の戦争”は世界中で進行中だ」(18)。

 キューバや中国に対して行っているような、各国の政権を弱体化させようというキャンペーンに加えて、NEDが何度も加担してきたのは、世界中の左寄りで反米である民主的な政権に対して、選挙や政権交代に介入することだ。このようなことは、資金を投入したり、訓練を行ったり、戦略的な助言を与えることで可能となる。その相手は、現政権に反対する一派や、政党や、記者たちや、メディアだ。ケイトー研究所のバーバラ・コンリーはこう書いている。「NGOへの寄付金を通して、米国の納税者たちは、特定の利益団体に税金を払っていることになっている。その利益団体は、その金を使って、正式に選ばれた友好国の政府を攻撃し、外国の選挙を妨害し、民主主義運動の破壊を進めている」と(19)。

 1986年から1988年まで、民主国家であるコスタリカにおいて、NEDはノーベル平和賞受賞者であるオスカー・アリアス大統領に反対する勢力に資金を提供してきた。その理由は、アリアス大統領がレーガン政権の暴力的な中米政策を大っぴらに批判していたからだった。1980年代、NEDはフランスの「民主主義擁護」のために活動していた。それは、フランスでは国民から選ばれた社会主義的なフランソワ・ミッテラン政権下で共産主義の傾向が強まることに対応するためだった。1990年に、NEDはニカラグアの右派団体に資金を投入し、支援を行っていた。ダニエル・オルテガとサンディニスタ民族解放戦線は、選挙により政権から追われることになった。ウィリアム・ロビンソン教授はその選挙を、「外国から大規模な妨害を受けたために、国内の政治体制が完全にゆがめられ、選挙により国民が自由に選べる権利が傷つけられてしまった」と描写した(20)。

 1990年代後半にNEDは、ジャン=ベルトラン・アリスティドの選挙を妨害するために、米国が支援するハイチの右派勢力資金提供や支援を行ったのだ。アリスティドは、進歩的な元大統領であり、ハイチで初めて民主的な選挙の結果選ばれた指導者である。2004年のクーデターのため、アリスティドが2度目に排除されたとき、NEDは、アリスティド退陣に加担した主要組織に資金を提供し、戦略的な助言を与えていたという事実が明らかになった。

 NEDがベネズエラのウゴ・チャベス大統領に対する2002年のクーデターに関与していたことについては、調査もよくされており、記事にもなっている。しかしクーデター直後、当時IRIのジョージ・フォルソム理事長は、このクーデターに関するNEDが果たした企てについて語っている。それは、フォルソム理事長がマスコミ向けに、チャベス退陣を祝福するコメントを出した時だ。「NEDが果たした役割は、ベネズエラの政党とすべての市民団体を結びつけたことだった。このことがベネズエラの新しい民主的な未来の促進を支援したのだ」と(21)。

 IRIも2009年のホンジュラスのクーデターに一枚かんでいた。IRIの主張によれば、IRIは民主的な選挙の結果選ばれたマヌエル・セラヤ大統領を退陣させる運動を支援していた。その理由は、セラヤ大統領が「米州ボリバル同盟」への支持を表明していたからだ。 (米州ボリバル同盟とは、反自由貿易同盟であり、ホンジュラスや、ベネズエラや、ボリビアや、キューバが加盟している)。さらに、セラヤ大統領は電気通信業の民営化に反対していたからだ。「半球問題評議会(the Council on Hemispheric Affairs)」によると、米国の通信社AT&T社は、IRIと、IRI議長のジョン・マケイン上院議員両者に多額の資金提供を行い、電気通信業の民営化に反対しているラテン・アメリカ諸国を標的にしようとしていた(22)。

 NEDが支援する多数の活動家たちは、「アラブの春」運動で中心的な役割を果たしてきた。そして米国が支持する候補者が、新しく打ち立てられた暫定政権の指導的役割を持つようになった。その一番わかりやすい例は、リビアのアブドッラヒーム・アル=キーブ暫定政府首相だ。同首相は米国とリビアの二国の国籍を持ち、石油協会の元議長だ。この協会は英国のBPグローバル社や、シェル石油や、トタル社や、ジャパン石油開発株式会社から資金援助を受けている。同首相は、リビアの石油と天然ガス経営の仕事を支持者に手渡し、さらにガーディアン紙によれば、「西側の支援者たちを喜ばせるため」、内閣に入ると目されていたイスラム教徒たちに政権を明け渡したとのことだ。   

 2011年に最年少でノーベル平和賞を受賞したイエメン出身のタワックル・カルマンも、NEDにより作られた組織「鎖に縛られていない女性記者の会」のリーダーだった(23)。

 2009年に、16名のエジプト青年活動家たちが、ワシントンの「フリーダム・ハウス新世代の会(Freedom House New Generation Fellowship )」の2ヶ月の研修を受けた。活動家たちは弁護士の訓練を受け、米国政府の役員たちや、国会議員や、メディアの記者たちや、シンクタンクたちと面会した。すでに2008年には、「4月6日運動」の構成員たちが、ニューヨークで開催された青年運動協会(Association of Youth Movements, AYM)の第1回のサミットに参加していた。そこで活動家たちは他の運動に関わっている人々と関係を結び、新しいソーシャルメディアの使い方についてのワークショップに参加し、コンピューターのSIMカードを定期的に変えることで、国家によるネット監視を免れる方法など、革新的な技術を学んだ。AYMを資金援助しているのは、ペプシ社や、YouTubeや MTVだった。フェイスブックや、ツイッターを使用した活動の訓練に焦点が当てられていた2008年のサミットに参加していた有名人の中には、国務省のジェイムズ・グラスマンや、「フリーダム・ハウス」のシェリフ・マンサワーや、シャーリク・ザハー国家安全保障問題担当大統領補佐官や、NEDのラリー・ダイアモンドがいた(24)。

 それなのに2009年9月に、米国当局はエリオット・マジソン (米国市民で社会福祉業の正社員)を逮捕した。理由は、ピッツバーグで行われたG20に対する抗議活動のために、警察の動きの情報をツイッターで広めたためだった。曖昧な規定の連邦法騒乱罪違反を理由に、マジソンは逮捕された。その罪状は「通信手段の犯罪目的での使用」であり、「犯罪用具の所持」であり、「逮捕にすぐに応じなかった罪」であった(25)。

 2009年6月、国務省がツイッター社に要請したのは、予定していたアップグレードの日時を遅らせることだった。米国の息のかかったイランの抗議運動者たちの通信が遮られないようにするためだった。この要請を受けて、ツイッター社は、アップグレードの日時を遅らせた理由を、ブログポストでこう記していた。「ツイッターはイラクにおいて重要な通信手段としての役割を担っているからだ」と(26)。

 2008年に流出したカイロの米国大使館発の電報には、こんな題目がついていた。<「4月6日運動」活動家の米国訪問とエジプトの政権交代について>。その電報が明らかにしたのは、米国は「4月6日運動」の活動家とAYMサミットへの参加について話をしていたという事実だ。

 この対話でわかることは、2008年12月以降、米国のある組織が「4月6日運動」に関係していた青年組織に資金を提供していたことについて、その活動の目的がエジプトの政権交代にあったということを、米国政府とカイロの米国大使館は完全に認識していたということだ。
 2011年4月に、ニューヨーク・タイムズ紙は「米国の団体がアラブの暴動育成に手を貸していた」という記事を掲載した。 その記事の中で以下の様なことがはっきりと記載されている。「多くの団体や個人が、同地域で起こった反乱や改革に直接関わっていた。エジプトの“4月6日青年運動”も、“バーレーン人権センター”も、イエメンの青年指導者アンサー・キャディのような草の根運動家も、IRIや、NDIや、「フリーダム・ハウス」から資金提供や訓練を受けていた」と(27)。

 NEDの2009年の年間予算報告書によると、141万9426ドルの補助金が、その年エジプトの市民団体に与えられていたことがわかった。エジプトで「2011年1月・2月革命」が起こった前年である2010年には、補助金が249万7457ドルに跳ね上がっている。この総額の約半分の114万6903ドルが「国際民間企業センター」に割り当てられていた。例えば、「企業市民権の向上」や魅力ある市民社会組織の促進というワークショップ開催などの活動費用である。それらは「自由貿易にむけた法改正を提案できる能力を強化して、会員を代表して、民主化プロセスに参画するため」であった。「フリーダム・ハウス」も「地域の活動家やブロガーとの協力関係の強化のため」、8万9000ドルを受け取っていた(28)。

 同記事によれば、多くの青年団体や若者向けの関連事業に、総額37万954ドルの資金が提供されていた、とのことだ。そしてその資金は、青年活動家たちによる新しいメディアやSNSなどを駆使した広報活動や、訓練や、継続的な支援金として利用されていた、とのことだ(29)。

 革命後、NDIとIRIは大規模にエジプトでの活動の手を広げた。具体的には、両団体は5つの新しい事務所を開き、多数のスタッフを雇った。もとIRI職員のエジプト系米国人である27歳のダウラット・エイサによれば、「IRIはスタッフの個人の銀行通帳を使って密かに米国政府から資金を受け取り、IRIの会計担当の話では、局長が自分の個人のクレジットカードでお金を引き出していた」そうだ。報道によれば、サム・ラフードはスタッフに命じていたのは、米国向けにスキャンして送るために、組織の関連書類をすべて集めることだった。

 NDIや、IRIや、「フリーダム・ハウス」がエジプトの青年たちを訓練し、資金を提供していたのは明白だ。一方、米国政府と米国のエジプト大使は、この青年たちの運動の目的が、ムバラクを権力から追い出すことだということに完全に気付いていた。中国やキューバが、同様に米国の反政府組織に資金提供をしていたとしたら、それに加担していた者たちは、今エジプトで裁判に掛けられている43名よりもずっと厳しい刑を受けるだろう。それでも、これらの容疑者たちの真実は、「NGOの活動家である」というお粗末な仮面の裏側に隠されたままだ。

ウクライナの件:

 ウクライナの内戦は米国やEUの戦略の結果起こったのだ。その狙いは、両者になびきやすい政権にすることにより、ウクライナを欧州共同市場 とNATOに引き込み、お得意様国家にしようということだ。EUとウクライナ政府間の交渉の進み具合はゆっくりだった。その交渉が結果的に挫折したのは、EUからは面倒な要求がきていたのに、ロシアからは負債猶予や補助金などより好意的な条件が出されていたからだ。ウクライナをEUに加盟させる交渉に失敗し、憲法で規定された選挙が行われるのを待ちたくなかったので、NATOは、大金が資金提供しやすいNGOや、言いなりの指導者たちや、武装民兵を使って、選挙で選ばれた政府を失脚させた。この激しい暴動は成功し、米国の任命を受けた、民間人と軍人から成る臨時政府が権力を握った(30)。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、偽善の代表例だ

 NGOという言葉を使うことで、NGOが行っているのは無垢な慈善活動であるという幻想を抱かせようとしている。

 「ヒューマンライツ・ウォッチ(以降HRW)」は「人権を守り擁護することに精力的に取り組む世界で指導的な役割を果たしている独立組織のひとつ」だと自称している。しかしHRWは米国政府と密接な関係にあり、その独立性には疑問が持たれている。トム・マリンノースキーHRWワシントン支部長は、ビル・クリントン大統領の特別補佐官をつとめており、オルブライト国務長官の演説起草者でもあった。2013年に、マリンノースキーはHRWをやめ、 ジョン・ケリー国務長官の下で民主主義・人権・労働担当国務次官補に指名された。(31)

 HRWのスーザン・マニロウ副議長は、HRWのサイトの自身の経歴欄にこう書いている。「ビル・クリントンの長年の友人」であり、クリントン所属の民主党に「深く関わり」、民主党全国委員会の「数十のイベントを主催したことがある」、と。

 マリノフスキー  は2009年に、CIAが容疑者を強制輸送することに関して、「限られた状況下」においては、「合法的な役割」があると主張していた。それは、CIAが世界中で行ってきた テロ行為の容疑者を誘拐し、輸送した違法行為のことに関しての発言だった。(33)

 チャベス元大統領宛の2012年の書簡で、HRWはベネズエラが国連人権理事会に立候補していることについて批判し、ベネズエラは「許容できる段階を大きく下回っている」と主張し、同国が「人権に関して信頼のできる発言者としての資格があること」に疑問を呈していた。しかしHRWは、米国が同じ国連人権理事会に入る際には全く批判の声をあげなかった。米国は秘密裡に世界規模で暗殺計画を企て、容疑者の不法移送を続け、グアンタナモ湾収容キャンプでの不当な拘束行為をおこなっているというのに。(34)

 2013年2月、HRW はシリア内戦においてシリア政府がミサイルを使用したことを「不法だ」と断じた。しかしHRWは、米国が定めた国際法の明らかな違反に関しては沈黙を守っていた 。その国際法は米国が定めたものだ。それなのに8月に米国がシリアで行ったミサイル攻撃やイエメンや、アフガニスタンや、パキスタンで、女性や子どもたちを殺害したドローン攻撃については、何も抗議しなかったのだ。(35)

Syed Ehtisham is a retired surgeon who has worked in various HR and Socialist groups in the USA. He has published two books ,:”A Medical Doctor Examines Life on Three Continents,” and ,”God, Government and Globalization”, and is working on a third, “An Analysis of the Sources and Derivation of Religions”.

Notes:

1.     www.ifrc.org/en/who- we-r/history/

2.     Wiki.answers.com/Q/ How_many_international_ngos_ are_there_word_wide?#slide=2

3.     En.wikipedia.org/ wiki/Montreal_Protocol; enwikipedia.org/wiki/Ottawa_ Treaty

4.     www.global policy.org/component/content/ article/177/31605.html


5.     waysandmeans.house. gov/uploadedfiles/aarp_charts. pdf

6.     www.un.org/ womenwatch/daw/beijing

7.     Bhagwati , Jagdish N, “In Defense pf Globalization,” (New York: Oxford University Press, 2007). p 37

8.     Sofrep.com/31520/ osama-bin-ladens-real-mystery- hunters/

9.     www.cnn.com/2012/02/ 05/world/africa/egypt-ngos/ index.html

10. Ibid

11. Ibid

12. Ibid

13. www.globalpolicy.org/ ngos/introduction/51688-qngoq- the-guise-of-innocence.html

14. Ibid

15. www.thirdworldtraveler. com/NED/AFL_cut_Ties_NED.html

16. www. pressreleasetemplates.net/ preview/Board_Of_Directors_ Press_Release

17. Colorrevolutionsandgeopl olitics.blogspot.com/2011/05/ from-archives-innocence- abroad-new.html

18. www.newleftproject.org/ index.php/site/article_ comments/ngo_the_guise_of_ innocence

19. www.zoominfo.com/p/ Barbara-Conry/44047770

20. www.global research.ca/ngo-the-guise-of- innocence/30191

21. en.wikipedia.org/wiki/ 2002_Venezuelan_coup_d%27etat_ attempt

22. www.chavezcode.com/2009/ 07/role-of-international- republican.html

23. www.ned.org/for- reporters/ned-congratulates- tawakkul-karman-on-nobel- peace-prize

24. www.sott.net/article/ 223894-Googles-Revolution- Factory-Alliance-of-Youth- Movements-Colr-Revolutions-2-0

25. En.wikipedia.org/wiki/ 2009_G-20_Pittsburgh_summit

26. Ac360.blogs.cnn.com/ 2009/06/16/state-department- to-twitter-keep-iranian- tweets-coming/

27. www.nytimes.com/2011/04/ 15/world/15aid.html? pagewanted=all&_r=0

28. www.ned.org/ publications/annual-reports/ 2009-annual-report

29. Ibid

30. www.swp-berlin.org/ fileadmin/contents/products/ fachpublikationen/KS_Stewart_ final-Ukraine_NGOs.pdf

31. Angryarab.blogspot.com/ 2014/05/human-rights-watch_13. html

32. Cognitiveliberty.net/ 2014/the-hypocrisy-of-human- rights-watch

33. www.alternet.org/world/ nobel-peace-laureates-human- rights-watch-close-your- revolving-door-us-government

34. www.alternet.org/world/ nobel-peace-laureates-human- rights-watch

35. www.nbcnews.com/news/ other/white-house-admits- killing-civilians-drone- strikes-denies-breaking-law- f8C11435816.

 

 

 

関連記事

米国は他の国々が危機に対処できないと非難したがるが、テキサス州の混乱は自国の面倒を見ることができないことを示している

<記事原文 寺島先生推薦>

The US loves to accuse other nations of being unable to cope in a crisis, but the chaos in Texas shows it can’t look after its own



Eva Bartlett

エヴァ・バートレット‎

‎エヴァ・バートレットはカナダの独立ジャーナリストで、活動家。彼女は中東、特にシリアとパレスチナ(4年近く住んでいた)の紛争地域を報道するため現地で何年も過ごしてきた。
ツイッター ‎‎ ‎‎@EvaKBartlett‎‎で彼女をフォロー‎

RT 論説欄
‎2021年2月23日 19:05‎
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月20日


テキサス州ヒューストンで前例のない冬の嵐の後、住民が水を受け取るために並ぶ©‎‎ロイター

 米国は何十年もの間、他の国々を、国民の世話ができないと非難してきました。しかし、自国で災害が発生すると、アメリカは対処ができておらず、テキサス州の冬の嵐の出来事は、ごく最近の一例に過ぎません。

 ‎テキサス州を荒廃させ、先週、北東に移動した嵐は、再びアメリカのインフラの大きな欠陥を明らかにし、被災地で不必要な苦難を生み、さらには死者を出しました。そして、その週に停電が起こり‎‎、400万人以上‎‎が電力を奪われました。‎

‎ パイプが凍って破裂し、浄水場が閉鎖され、家庭用水道水が出なくなりました。一部の‎‎病院‎‎でさえ、何日も水がありませんでした。人々が暖房を失い、食べ物を‎‎求めて長い列をつくって並んでいました。大寒波は、いくつかの州で‎‎70人以上の犠牲者‎‎を出し、その中には、一酸化炭素中毒、住宅火災、交通事故、そして凍えて死んだ人々がいました。‎

ALSO ON RT.COM

Market fundamentalism should never apply to utilities, as Texans are learning the hard way

 テキサス州農業委員は、食糧不足と‎‎「これまでに見たことのないような食糧サプライチェーンの問題」を‎‎警告しました‎‎。‎

‎ 嵐による最悪の事態が続く中、数日前の時点で、1,400万人以上の人々が、未だきれいな飲料水が供給‎‎されず‎‎、何十万人ものテキサス人‎‎が、停電したままでした‎‎。‎

 確かに、それは通常、テキサス州では、このような極端な寒さを経験したことがない、予期せぬ冬の嵐でしたが、テキサス州の電力網と国の緊急対応が良ければ、おそらく死ななくてもいい死者がいたはずです。

‎ テキサス州電気信頼性評議会(ERCOT)の当局者でさえ、テキサス州の電力網は‎‎「必要な措置をとることがあともう少し遅れてしまっていたら」、停電は‎‎「数ヶ月間続く可能性があった」ことを‎‎認めました‎‎。‎

同様の停電が発生したときに、ベネズエラ政府は、「無能」だったのか?‎

 同様に、2019年3月、ベネズエラ全土で停電によって電灯が消えました。ベネズエラ政府は、電力網に対するサイバー攻撃、電磁波攻撃、物理的攻撃を組み合わせた米国による攻撃であると非難しました。‎

 確かに、その後の2回目の停電は実際に物理的な破壊活動であり、主要なグリ・ダム水力発電所が攻撃され‎‎、3つの変圧器で火災を‎‎引き起こされたことが原因でした。‎

 私は最初の停電が起こって3日目にベネズエラに着きましたが、西側当局者やメディアは、停電をマドゥロ政府の無能のせいにし‎‎非難‎‎していました。そして西側の制裁下で死んでいく同じベネズエラ人に懸念を抱いている振りをしていました。

 メディアはどこも、混乱状態と食糧不足の場面を描いていました。しかし、当時‎私が書いたように、どこへ行っても‎‎スーパーマーケットには物が供給‎‎され、ラテンアメリカ最大の「スラム街」として知られるペタレでは‎‎、「中央広場から丘の中腹のバリオまで、どこへ行っても野菜、果物、鶏肉、基礎食品を見ることができました(7月5日)」。‎

 私は全く‎‎混乱状態を見ませんでした‎‎。それどころか、人々は我慢強くATMを待ち、コミュニティはお互いに‎‎助け合っていました‎‎。

‎ ベネズエラ人は落ち着いて‎‎湧水を集めました‎‎(先週、テキサス人は公園の蛇口から水を‎‎集めていました‎‎)が、西側のメディアはこれをねつ造して、排水を集めていると‎誤報して‎‎いました。‎ ‎

 私は問題の地域に行き、住民‎‎がきれいな水を集め‎‎、入浴しているのを見ました。そしてそれが不潔であるとメディアが宣伝するので、侮辱されたように感じました。

 別の地域では、‎‎政府が‎‎給水車を満杯にして、最初に病院への給水を優先し、次に市内各地で給水するのを‎見ました‎。‎

 ベネズエラの政府支援の食品箱配達プログラム(CLAP)は機能し続け、600万人に達する最も貧しい家族に届けられました。スーパーマーケットの価格で買う余裕のない人々には、途方もなく安価な食べ物を提供していました。

 しかし、メディアはこれを報道しませんでした。彼らはベネズエラを、混乱状態の、失敗した国家として描こうと決めていたのです。

 ユニビジョンのニュース・キャスターは、ゴミ収集車から‎‎「食いあさっている」とされる男性を撮影することさえしました。実際に現場がベネズエラの大統領宮殿に‎‎「近く」、‎‎そして大統領宮殿から‎‎「数分」‎‎であると言っていました。ところが実際は、彼は裕福な東部カラカス地区から約7キロ離れたところにいたのです。私‎‎はそれを撮影するためにその地区に行ってみたら、それが‎‎決定的にミラフローレス宮殿[大統領宮殿]に近くなく、ジャーナリストが嘘をついていることがわかりました。

 私が知っている西側のメディアや専門家は、ベネズエラ‎‎に課せられた致命的で不道徳な制裁‎‎について報道しませんでした。その制裁が、彼らが気づかう振りをしているベネズエラ人の生活の質を決定している主要因であるのにです。2017-2018年には、制裁は40,000人の死者を引き起こしたと‎‎推定されました‎。

ALSO ON RT.COM

‘I’ll die of dehydration before I drink Dasani’: Americans mock Coca-Cola for sending unpopular bottled water to Texas amid crisis
 
アメリカの幹線道路と比較したシリアの幹線道路の状況

 


 シリアは今、10年間にわたりアメリカと戦争をしています。アメリカはテロリストを公然と‎‎支援‎‎し、シリア国民を傷つけ、復興事業を標的として残忍な制裁を課しています。しかし、アメリカの多くの幹線道路とは対照的に、シリアの主要幹線道路はよく整備され、でこぼこがないのを知って驚くかもしれません。

 2014年初頭にシリアに行って以来、私は、国が円滑な道路‎‎(テロリストによって日常的に攻撃されていても)を維持し、‎‎地域がテロリストが一掃された後、すぐに破壊された電塔‎‎や電線‎‎を修繕し、ゴミ収集事業を維持し(繰り返し‎‎ゴミ危機‎‎がある隣国レバノンは、うらやましいかもしれないが)、無料の医療や高等教育と同様に、補助金による大規模なパンの配給を続けているのに‎‎驚きました‎‎

 実際、数日前に南部の都市ダラアで降雪により一部の道路を封鎖されたとき、シリアの兵士はトラクターで支援のパン袋‎‎を届けていました‎‎。

 シリアが、米国とその同盟国によってますます‎‎残忍な制裁‎‎を受けているのに、これが事実です。‎

 一方、米国土木学会(ASCE)による2017インフラ成績評価報告は、米国のインフラにD +*を‎付けました‎。2019年のビジネスインサイダー‎‎の記事‎‎によると、ASCEは、米国‎‎が国の道路、橋、ダム、その他のインフラを修正するために、2025年までに約4.5兆ドルを費やす必要があると見積もっています。‎

*訳注:4 年に1度公表される米国土木学会「インフラの成績表」2017 年 3 月)が3月9日に公表された。全体評価は、前回(2013 年 3 月公表)と同様に「D+」である。この成績表は、主要インフラを「A」「B」「C」「D」「F」の 5 段階 で評価(A が最も良く、Fは失格相当)したものであり、前回同様に「D+」ということは、米国のインフラの老朽化は引き続き厳しい状況にあり、前回からあまり改善が見られていないことを意味する。   (「トランプ政権下で注目される米国交通インフラの状況」より)

 2007年、ミネアポリス[訳注:ミネソタ州南東部の工業都市]の橋が崩壊し、13人が死亡しました。‎‎「橋の上で渋滞していたラッシュアワー時に通行する車は、真っ逆さまに落ちていきました。「数十台の車両がミシシッピ川に落ちた」と‎‎橋の崩壊に関する‎‎記事‎‎で書かれていました。

‎ アメリカの貧しいインフラ成績評価表を知ると、悲しいことに、さらに多くの崩壊が起こる可能性が非常に高いのです。‎‎「橋が崩壊するアメリカ」‎‎を検索すると、何人の‎‎致命的な崩壊‎‎があったか、そして何人が‎‎危険にさらされている‎‎のか驚くでしょう。

米国の以前の災害と、放置されたインフラ‎

 2005年8月のハリケーン・カトリーナの災害により、100万人以上が避難し、1,000人以上が死亡しました。‎

‎ それ以来、「‎‎政府当局者は、予告された大惨事に備える義務を怠った」と多くの批判がなされています。‎‎堤防の建設に欠陥があり、2つの主要な排水管が基礎工事で不備がありました。「‎‎関係政府機関のいずれも、堤防決壊に対応する計画を持っていなかった」‎‎など‎‎、危機への対処について批判されてきました(国土安全保障省は、堤防決壊の恐れがあることに気づいていたにもかかわらず)。

ALSO ON RT.COM

Biden declares ‘major disaster’ in Texas as state continues to battle power outages amid extreme cold

 2014年に移り、ミシガン州フリントは、危険なほど高レベルの大腸菌と鉛が水を汚染し、5年間の‎‎水危機‎‎にさらされました。そこでは10万人の住民に飲めない水を供給し、‎‎最大12,000人の子供たちを‎‎神経毒にさらしました。批評家や住民は、なぜ鉛が除去された水が供給されるまでにそんなに時間がかかったのか、問題が本当に解決されるまで信用できないと疑問を呈しています。

‎ 米国が軍事費や戦争の代わりに、人とインフラを優先していれば、大きな悲劇にはならなかった災害は他にもあります。米国の戦争や制裁の標的となった国々が、米国よりも市民の幸福を懸念して危機を(間違いなくうまく)管理しているのですから、アメリカはそれらの国々を陥れるようなプロパンダ・ゲームをやめて、実際に国民を助けるための措置を講じる時なのです。‎

 

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ロックダウンしなかったスウェーデンの方が、完全なロックダウンを行った英国よりも、死者数が急落するのが早かった


<記事原文 寺島先生推薦>
'No Lockdown'-Sweden Sees COVID Deaths Plummet Quicker Than 'Fully-Locked-Down' UK


ポール・ヨセフ・ワトソン(Paul Joseph Watson)著
ニュースサイト:ゼロ・ヘッジ(Zero Hedge)
2021年2月19日
初出は Summit News,

 英国のメディアが、ロックダウン措置のおかげでCOVID-19の死者数や症例数が急落したと論じている一方で、スウェーデンの方が、死者数の急落がより大きかったスウェーデンは、比較的緩やかな対策措置を取っていなかったのに、だ。



 今朝、英国の放送局であるスカイ・ニュースはこう宣言していた。「ロックダウンが功を奏した!イングランドのCOVID-19感染率は急落している」と。

 「最も大きく、最も権威のある或るコロナウイルス調査の結果によれば、イングランドにおける感染は急落していることが分かった。この結果は、ロックダウンがウイルスを抑え込むのに効果があったということを実証するものだ」と同ニュースは伝えた。

 このニュースによれば、ワクチンが死者数や症例者数を減らしたとは言えない、というのも死者数や症例者数の急落は、全ての年齢層で見られるからである、とのことだ。

 しかし、エリ・ディビッド博士が強調しているように、スウェーデンにおけるCOVIDによる死者数の急落は、イングランドよりもずっと早くから起こっていることから、厳しいロックダウン措置は必要なかったのではないか?と言える。



 「英国でのロックダウンが厳しすぎて、スウェーデンでのCovid流行まで押さえ込んでしまったようだ
」とは、ディビッドのジョークだ。

 1月初旬から、全国規模での完全なロックダウンを講じた英国とはちがい、スウェーデンは英国の後には続かず、自主的にソーシャル・ディスタンスを取ることを奨励していた。

 昨年10月に我々が強調していた様に、スウェーデンの保健行政機関は他の欧州諸国のように国民にコロナウイルス感染防止のためのロックダウン措置を講じるというやり方には従わなかった。その理由は、そういう措置のせいで、他国では、孤独に追いられ、孤立感に苛まれる国民が多く生みだされていたからだという主張だった。

 これまでのこういう経過にも関わらず、スウェーデンの保健行政機関は、現在スウェーデンにおいて初めて完全なロックダウン措置を取ることを検討している。その理由は、先週以来症例者数が増加しているからだ、とのことだ。

 「この提案により、スウェーデン政府は商店街や、事務や、レストランを閉鎖することになるだろう。さらには、テーマパークや、動物園や、博物館に新しい制限措置を課すことにもなるだろう。また、集会や公的な行事に関する新しい規制が掛けられるだろう」 とブルームバーグ紙は報じている。


訳注 この後スウェーデンは、飲食店の閉店時間を午後8時半にしたり、スーパーなどには家族や友人を連れずに一人で入店することを奨励するなど、これまでにない制限措置を課している。
これに対して、3月6日にストックホルムで大規模な反対デモも起こっている。

参考記事
Sweden clamps down on restaurant hours, advises solo shopping in bid to curb ‘worrying’ Covid-19 situation


Why Sweden had an anti-lockdown protest without having a lockdown



関連記事

日本は、自国民と東京オリンピック(2020)に参加する選手たちを福島の放射能に曝そうとしている



<記事原文 寺島先生推薦>

Japan Plans to Expose Its People and 2020 Tokyo Olympians to Fukushima Radiation

グローバル・リサーチ

2017年7月17日

ダール・ジャマイル(Dahr Jamail)著

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月23日

 米国70ヶ所の原子力発電所でプロジェクトを管理・調整した元原子力産業の上級副社長アーニー・ガンダーセンは、日本政府の福島原発事故への対応に愕然としている。

 「福島原発事故の避難者に対する日本政府の非人間性には驚かされます」とガンダーセンはTruthout(訳注:カリフォルニア州サクラメントに本部を置く独立系オンライン・ニュースサイト)に語った。ガンダーセンは、原子炉運転員の免許を持ち、原子力工学の分野で45年の経験を持ち、福島第一原発事故に関する日本でのベストセラー書籍の著者でもある。

 彼の説明によれば、日本政府と原子力業界は、福島原発事故で避難した人々のほぼ全員を、2020年の東京オリンピックまでに「帰還」させようとしているとのことだ。

 今年3月、日本政府は、これまで福島県からの避難者に支給されていた補助金を取り消すことを発表した。これにより、多くの避難者は経済的な必要性からやむなく汚染された自分たちの県(福島)に戻ることになるだろう。

 そして、そのことは日本政府だけに止まらない。国際オリンピック委員会も、時間外労働までして、状態を正常化させようとしている。福島の現状は正常とはほど遠いところにあるにもかかわらず、だ。国際オリンピック委員会は、2020年東京オリンピックで、野球やソフトボールの試合は福島でやろうとしている。

 原発を推進する日本政府は、福島原発事故は「終わった」と言わんがために、このような動きに出ている、とガンダーセンは考えている。これに対する彼の指摘:
「事故は『終わって』いないし、(彼らの)『故郷』は、もう人間が住めるところではありません。」

 現在の状況についての彼の分析は単純だ。

「大手銀行や大規模な電力会社やエネルギー会社は、人々の健康よりも利益を優先しているのです」とガンダーセンは言葉を続けた。「幸運なことに、私の幼い2人の孫はアメリカに住んでいます。もしこの孫の両親が福島県に住んでいたら、私は彼らに『そこを出ろ。二度とそこに戻ってはいけない』と言うでしょう。」

 2011年、東日本大震災で発生した津波が原子力発電所を襲ったことで始まった福島第一原子力発電所の事故による放射能に関する報告が続いている。

  福島県に住んでいた人の、さらに7人が甲状腺がんと診断されたと、日本政府が6月に発表した。これで、震災発生時に福島県に住んでいた人の甲状腺がん患者数は、少なくとも152人となった



Arnie Gundersen
 日本政府は、これらの事例と福島原発事故との相関関係を否定し続けているが、甲状腺がんは、福島第一原発のような原発事故の際に放出される放射性ヨウ素によって引き起こされることは以前から知られている。震災後に発表された世界保健機関(WHO)の報告書では、メルトダウンの影響でがんが発生する可能性があると記載されており、2015年に学術誌「Epidemiology」に掲載された研究では、福島の放射線を浴びた子どもは甲状腺がんの発症例が高いと示唆されている。

 2011年の震災では、原発周辺の310平方マイルが居住不能となり、16万人の住民が避難した。今年4月、当局は一部の住民を自宅に戻し始めたが、2016年の政府調査によると、原発近隣に位置する町の避難者の半数以上が、避難命令が解除されても自宅には戻らないとの回答を既にしている。

 処理を担当する東京電力は今年2月、(3つのうち)ひとつの原子炉内の核燃料デブリの位置を特定することに難航していると発表した。また、この原発内の放射線量は、ロボットも誤作動を起こすほどの高い数値を示している。

 福島周辺の(複数の)町に住む子どもたちの間では、がん患者が続出している。

 そして、(事故の)危険性が減っている兆候は何もない。それどころか、状況は真逆だ。今年初め、福島原発の放射線量が事故発生以来最高レベルに達した。

 東京電力によると、原子炉の1つで毎時530シーベルトの空間線量が記録されたとのことだ。これまでの最大値は2012年の毎時73シーベルトだ。たった1シーベルトでも、放射線障害や吐き気を引き起こす。5シーベルトで1ヶ月以内に半数の人が死亡し、10シーベルトになると数週間以内に死亡すると言われている。

 勝田忠広博士(明治大学准教授)は、原子力規制委員会の原子炉安全性審査委員会および核燃料安全性審査委員会の正式メンバーである。Truthoutは彼に、まだ進行中の福島原発事故に対する日本政府の対応について、最も懸念していることは何かと尋ねた。

「個人的に最も危険だと思うのは、日本政府が国民の命よりも国の威信と電力会社の保護を選んだという事実です」と、『世界原子力産業状況報告書』の福島版を執筆した勝田は語る。

 ガンダーセンは、日本でオリンピックを開催することはまったく意味がないと考えている。

 「2020年のオリンピックを日本で開催することは、現在の日本政府が、進行中のこれらの原子炉のメルトダウンを人々の視野から消し去ろうとすることなのです。私は、2016年、東京の街頭の一角で、高濃度に放射能汚染された塵を発見しています」とガンダーセンは語った。

 Truthoutがインタビューをしたガンダーセンや他の原子力専門家たちの意見によれば、(日本の現状の)危機的な状態はそんなものではない。

福島と周辺の複数の県は放射能に「汚染」されている。

 「日本政府は、十分な資力も投入せず、(3基の原発の)メルトダウンで放出された放射能を抑え込む努力を一切してこなかったのです」とガンダーセンは語った。

 ガンダーセンは、2012年の初来日の際に、福島の汚染除去には2500億ドル以上かかると公言し、東京電力はその試算を嘲笑した。しかし、2017年の今になって、東京電力は(彼と)同じ結論に達した。そして、2011年と2012年日本政府が何もしなかった結果、太平洋並びに福島県とそれに接する周辺県の美しい山脈が放射能汚染状態になった。

 安倍晋三政権が、放射能を抑え込むために福島で取った戦術のひとつが地下「氷壁」だった。

 「『氷壁』が設計段階にあるとき、これは失敗する運命にあり、信じられないほど高価な迂回策だと私ははっきり言いました。破壊された原子炉の地下に水が入らないようにして、放射能が地下水を通って海に流れ出さないようにする技術はあるのです。しかし日本政府はそれを未だにやってみようともしません」とガンダーセンは語っている。

 ガンダーセンの意見とは:破壊された3つの原子炉を石棺で覆い、100年待ってその3つの原子炉を解体すること。それは日本ができることだし、すべきことだ。そうすれば、日本の労働者の放射性物質による被ばくは最小限に抑えられ、環境への継続的な放射性物質の放出も最小限に抑えることができる。

 ガンダーセンはまた、放射性物質を含んだ水が渓流から太平洋に流出し続けることも同様に重大であると指摘している。したがって、今すぐにでも山脈の徹底的な除染を始めるべきだが、これは成功する可能性がほとんどない途轍もない事業となる。


 アーニー・ガンダーセンは、他の役割に加えて、妻のマギーが設立したバーモント州の非営利組織(NPO)「Fairewinds Energy Education(フェアウインズ・エナジー・エデュケーション)」の主任技師を務めている。マギー・ガンダーセンは、このNPOを設立して以来、このNPOにパラリーガル(訳注:弁護士業務の補佐)的、そして専門家としての立場からの証言を縷々してきた。マギー・ガンダーセンは、夫と同様、原子力産業の内部をずっと見てきている:マギー・ガンダーセンは、原子力関連企業であるCombustion Engineering社で再装填炉心設計の技術補佐を務めたほか、ニューヨーク州北部の原子炉建設予定地のPRも担当していた。

 Truthoutが彼女に、安倍政権の福島に対する対応をどう感じるか、と尋ねたときの彼女の答え:

「人間の健康は、企業の利益や政治家や権力者の目標のために取引されるべき商品ではありません。それなのに日本で起きているのはそんなことです。日本政府は正確な健康データの公開を拒んだり、放射能による症状を診断するとその医師から病院での特権を奪うと脅したりします。」

 さらにマギー・ガンダーセンは、「福島第一原発のメルトダウンによる精神的ストレスが原因で病気になった」という政府の説明に従わず、放射線病と診断したために診療所を失った医師に彼女の夫のアーニー・ガンダーセンが会ったことがある、と語った。

  M.V.ラマナは、カナダのブリティッシュコロンビア大学リュー研究所「軍縮・グローバル・人間の安全保障」部門のサイモンズチェア(訳注:部門責任者)を務めており、『2016年世界原子力産業状況報告書』の寄稿者でもある。ガンダーセン夫妻と同様に、安倍政権の福島原発事故への誤った対応には批判的である。

 ラマナはTruthoutの取材に応じ、「国民の福祉を軽視し、明確かつ広範な反対意見にもかかわらず原子力産業を支援してきた安倍政権に、これ以上の期待はできません。原発の再稼働と同様に、オリンピック開催決定の理由の一つは、原子力産業(今回の場合は東京電力)の責任を軽減することにあるようです。また、安倍政権にとっては、日本のイメージを向上させるための手段でもあります。日本がオリンピックの開催地としてふさわしい、あるいはもっと一般的に、いいところだというイメージを作りたいのです」。と語った。
 
 勝田も同じ意見だ。

 勝田は「安倍首相には、福島の事故問題に関する知識も関心も全くないのです。安倍政権は、原子力政策を推進した責任を明確に謝罪していません」と述べている。

 それどころか、勝田に依れば、安倍政権は避難命令を解除し、「事故の記憶を消し去」らんとしている。

フクシマ避難者たちの「強制」帰還

 福島第一原発のメルトダウン直後、16万人が原発周辺地域から避難した。安倍政権は避難者への住宅補助を行ってきたが、今回の発表により、その補助は打ち切られることになった。多くの「自主避難者」は、放射能への不安が残る中で帰還を強制的に考えさせられることになる。

 補助金の打ち切りについて、ラマナは「非常に残念なことです。福島から避難してきた人たちは、すでに多くの苦難をくぐり抜けてきているのに、その人たちの窮状に対して、政府、そしておそらく東京電力はこれ以上の責任を負わないと言われるのは、非常に冷酷なことだと思います」と述べている。

 ラマナの説明:「このような無慈悲な行動をとることは、放射線量が帰宅可能な『安全なレベル』になったと日本政府が主張していることになります。」政府のこの主張は、現在の放射線量が事故前よりもさらに高くなっているという事実を無視しており、また、被災地での放射線量が全域できちんと測定できない不確定要素も無視している。

 勝田は同様の懸念を表明した:

 「解除された避難区域は、線量がまだ高いため完全には復旧しておらず、森林の除染は除外されています。その上、除染廃棄物が自宅周辺に保管されているケースが大半で、多くの家族は帰還せず、地域社会は崩壊してしまったのです。」

 さらに勝田は、避難者一人当たりの支援金は1,000ドルであり、たとえ今後10年間のこの支援金を支払ったとしても、人命を守るためには「決して高くはない」と述べた。

 元原子力産業PR担当者として、マギー・ガンダーセンは安倍政権戦略について興味ある立ち位置を取った。

  彼女は原子力産業で働いていたとき、産業界の科学者や技術者から原子炉に関する誤った情報を「丁寧に教えられた」という。「隠された真実」を知っていたら、その仕事はしなかっただろうと彼女は語っている。彼女も夫のアーニーも、原子力は「原子力の平和利用」であると教えられていた。彼女は戦争を支持せず、原子兵器や劣化ウランの使用は恐ろしい犯罪であると考えているが、今の状況を知っていれば、原子力のために働いたり、原子力を推進したりすることはなかっただろうと説明している。

 「アーニーと私は、東京電力と日本政府が、チェルノブイリやスリーマイル島(これに関しては*ディープウォーター・ホライズンも同様)で使われたのと同じ手口を使っていることにすぐに気づきました」とマギー・ガンダーセンは説明する。「政府は即座に、放出された放射能の量を最小限に抑えるのです。ディープウォーター・ホライズンの場合は(流出した)石油の量ですが。」

*ディープウォーター・ホライズン・・・2010年メキシコ湾原油流出事故。海底油田掘削作業中だった、BP社の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」で、技術的不手際から掘削中の海底油田から逆流してきた天然ガスが引火爆発。海底へ伸びる5500 mの掘削パイプが折れて大量の原油がメキシコ湾へ流出した。

 さらに、これらのケースでは、主要な報道機関が危機の直後に、何の証拠もないにもかかわらず、「何も恐れることはない」と忠実に報道していたことも彼女は付け加えた。政府の目的は恐怖と混乱を最小限に抑えることであり、ほとんどのメディアは政府の主張をそのまま伝えた。今回の福島原発事故への対応も同じパターンである。

 「安倍政権は、福島原発のメルトダウンと現在進行中の放射能の深刻さを覆い隠しているのでしょうか?その通りです。日本で起きていることは、犠牲者として認知されている人にとっても犠牲者として認知されていない人にとっても人権侵害であり、環境正義に反する行為です」とマギー・ガンダーセンは語っている。

2020年オリンピックは「*ホットパーティクル」にまみれての開催

*ホットパーティクル・・・アルファ崩壊に伴いアルファ粒子を放出し、一粒あたり 0.07[pCi]以上の放射能を持つ不溶性の微粒子を言う。主としてプルトニウムの微粒子を指す。(ウィキペディア)

 
 勝田は、福島からの避難者が、自分たちの窮状がオリンピックの影に隠れてしまうことを「非常に心配している」と言っている。日本政府はオリンピックを利用して、日本が「安全な国」であり、福島原発事故は「解決済み」であることを世界にアピールしていると彼は考えている。

 「日本国民は福島の事故について記憶が本当に無くなってきている・・・オリンピックについてのニュースの量が増えるにつれてそうです」と彼は語っている。

 ア-ニ-・ガンダーセンは、いくつかのオリンピック会場(サッカー、野球、そしておそらくサーフィン)を他ならぬ福島県に置くことはまったくナンセンスだと考えている。

 「放射能を帯びた『ホットパーティクル』は、福島県および隣接するいくつかの県のいたるところに存在しています。これらの『ホットパーティクル』は、そこに住む市民や訪れるアスリートに長期的な健康リスクをもたらすものです」とア-ニ-・ガンダーセンは語った

 ラマナも、福島に近い場所で開催されるイベントは、「競技者や観客への放射線量を増やすことになるかもしれない」と本気で考えている。

フクシマ災害は「100年以上続くだろう」

 マギー・ガンダーセンによれば、原子力規制委員会が福島から教訓を学んでいると口を酸っぱくして主張していることを指摘してはいるが、同委員会(つまり日本政府、そして企業)がほんとうにそうしたと彼女にはとうてい思えない、とのことだ。

 「エネルギー生産はお金が全てです。今回のメルトダウンの後、日本の多くの銀行は、この災害が収束するまで原子炉を持ちこたえさせることに投資しました。これらの銀行と、原子力を利用する機会を後押しする政府は、古い原子炉を起動させることに既得権を持っています。」

  勝田は、福島の将来に暗い見通しを持っている。彼の言によれば、東電や安倍政権の現在の手段では問題を解決できないことが分かっている避難者の多くは、今から帰還を諦めている、とのことだ。

 「除染や廃炉の作業が進んでも、問題は解決しません。除染廃棄物、廃炉廃棄物の処理方法もまだ決まっていないのですから」と勝田は語った。

 ラマナは、福島原発事故は、原子力発電に内在する危険性を再認識させるものであるべきだと考えている。また、原子力技術を管理する企業が人間の福利厚生よりも利益を優先させた場合、その危険性はさらに悪化すると考えている。

 アーニー・ガンダーセンの言葉はもっと強烈だ。

 彼の説明:「福島第一原発の事故は100年以上続きます。原発事故がまた起こることは避けられません。チェルノブイリと福島第一は、原子力が一夜にして社会の構造を破壊してしまう技術であることを世界中の人々に教えたはずなのです。」

 同氏によると、1、2、3号機の原子炉格納容器の残骸は、再び激しい地震が発生した場合、損傷を受ける可能性が高く、福島原発で7.0以上の地震が発生した場合には、さらなる深刻な放射能の放出を引き起こす可能性がある。

 

 メルトダウンの直後、マギー・ガンダーセンとアーニー・ガンダーセンは、日本はひとつの「転機」に立っていると語った。つまり、日本は、再生可能エネルギーで世界をリードしながら、持続可能なエネルギー経済によって人々と汚染のない農村環境を守ることを選択し、この震災に対応することができるだろう、と。

 だが、事態がそんな風に進行しなかったことは明らかだ。

「世界は日本を技術的に優れた国と見ていますが、日本は新しい世界経済を創造するために前進するのではなく、エネルギー生産の古い疲弊した20世紀の考え方を続けています。ドイツ、ニカラグア、デンマークなど、他の国での太陽光や風力発電の大きな成功と進歩を見てください。強い経済を生み出し、多くの雇用を生み出し、環境を保護しながら、エネルギーの自給を実現したらいいのです」とマギー・ガンダーセンは語った。

 アーニー・ガンダーセンは、日本の市民科学者に放射性物質の追加サンプルを採取する方法を教えるために、科学者仲間と一緒に、クラウドソ-シングの企画で、今年の後半に日本を訪れる計画を立てている。フェアウインズ・エナジー・エデュケーションでは、この計画を実現するための資金調達を行っている。

 この間、日本では原発の危険を示す劇的な例がたくさん起こっている。

 6月、茨城県の原子力研究施設で起きた事故で被ばくした5人の作業員の尿から放射性物質が検出された。その事故では、作業員の1人の肺から大量のプルトニウムが検出された

  最近の日本の世論調査では、日本国民は原子力の安全規制に対する信頼を失っており、原子力発電を完全に廃止することに賛成する人が過半数を占めている。

  一方、米国では、ドナルド・トランプ大統領が、原子力を国のエネルギー政策の最優先課題とし、米国の原子力エネルギー産業の包括的な調査を発表した。トランプ大統領のエネルギー長官であるリック・ペリー氏は、次のように述べた

 「我々は、原子力を再びクールなものにしたい。」

Dahr Jamail, a Truthout staff reporter, is the author of The Will to Resist: Soldiers Who Refuse to Fight in Iraq and Afghanistan (Haymarket Books, 2009), and Beyond the Green Zone: Dispatches From an Unembedded Journalist in Occupied Iraq (Haymarket Books, 2007). Jamail reported from Iraq for more than a year, as well as from Lebanon, Syria, Jordan and Turkey over the last 10 years, and has won the Martha Gellhorn Award for Investigative Journalism, among other awards.

His third bookThe Mass Destruction of Iraq: Why It Is Happening, and Who Is Responsible, co-written with William Rivers Pitt, is available now on Amazon.

Dahr Jamail is the author of the book, The End of Ice, forthcoming from The New Press. He lives and works in Washington State.

Copyright, Truthout. Reprinted with permission.

 

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やっぱり米国内でカラー革命があったんだ!!大統領選を「防備した」手口を実行者たちが自慢しているのだから。


<記事原文 寺島先生推薦>

There WAS a color revolution in the US after all – and its architects now BOAST of how they ‘fortified’ the 2020 election

ネボーサ・マリック(Nebojsa Malic)著



Nebojsa Malic

is a Serbian-American journalist, blogger and translator, who wrote a regular column for Antiwar.com from 2000 to 2015, and is now senior writer at RT. Follow him on Telegram @TheNebulator and on Twitter @NebojsaMalic


Russia Today 論説面 2021年2月5日



 2020年の米国大統領選挙は「不正操作」されたのではない。それどころか、「防備された」のだ。そしてそれは「我々の民主主義」を悪人オレンジマン(訳注:トランプの蔑称)から守るために連合した活動家たちによる陰謀の結果行われたのだ。今タイム誌上でその活動家たちが、自慢げに、そして親しみを持って、すべての打ち明け話をしてくれている。



 「事件の裏で展開された陰謀があったのだ」。こう書いたのはモリー・ボールだ。ちなみに彼女は、下院議長ナンシー・ペロシの伝記を書いた人物だ。彼女が今週(2月第1週)のタイム誌に登場し、今回の選挙不正に関してこう記している。「選挙を守るための大規模で、超党派の取り組みだった。そこには、大きな隠された試みがあった」と。

 ボールの記事は、11月4日や、1月6日に民主党支持者たちの中で暴動が起きなかった多くの理由を明らかにしている。彼女によれば、それはこの「陰謀」が支持者たちを止めていたからだそうだ。つまり、その記事には、重要な州における選挙の規則の変更や、郵便投票制度の立ち上げを推進していた裏に誰がいたかや、選挙結果についての「情報」宣伝を誰が組織したのかや、誰が選挙を承認するための「正しい決定」を行うよう選挙管理委員を脅していたのか、についてまで記述しているのだ。

 皆が(私も含めて)昨年夏におこった暴動は、「カラー革命」ではないかと注目していたが、記事によればそれは、間違った情報のようだ。タイム誌によれば、暴動の裏で実際に起こっていたのは、民主党支持者の活動家たちや労働組合が、2020年の大統領選挙の結果が彼らの願い通りになるように、「トランプを再選させない共和党員の会」や、「商工会議所」や、企業や、巨大IT産業たちと手を組んだことだったようだ。彼らによれば、この行為は民主主義の勝利であり、人民の意思だとのことだ。たしかに、自分の世界で自分が悪人だなんて思っている人は誰もいないのだから。



 「彼らの活動は今回の選挙のすべての面に手を加えている」とボールは書いている。具体的には、各州に「選挙システムに関する法律を変え」ることや、「投票者抑圧(ボーター・サプレッション)*の訴訟」をかわすことや、「我々の“子飼いの”投票所の係員たちを」採用することや、ソーシャル・メディア企業に「偽情報を取り締まるため、さらに厳しい規制」を行うよう圧力をかけることなどである。
  *(訳注:ライバルの候補者の支持者を投票させないように妨害すること)


 それから投票日の後は、「要所をきっちりと監視して、トランプが選挙結果をひっくり返すことのないよう確認」したそうだ。そんな事態が起こることを、すでに警戒していたのだろうか?きっとそうだろう。



 では、一体誰が「我々の民主主義」の影の救世主だったのだろう?一人は、労働組合組織家であるアメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)のマイケル・ポドホルツァーだ。この組織は民主党の伝統的な票田だ。もう一人は、第1次バラク・オバマ政権の大統領上級副顧問だったイアン・バッスンだ。バッスンの「民主主義を守る会」の名簿に載っているのは、「超党派の法の支配者たち」のメンバーであり、その中には、オバマ政権時の多数の法律家たちが名を連ねている。具体的には、大統領候補であったジョン・マケインの選挙運動員や、廃版になったネオコン系の雑誌「ウイークリー・スタンダード」誌の元編集者や、南部貧困法律センター(SPLC)出身の人がいる。また、この団体の助言者の中には、「トランプの再出馬を許さない会」の会員であり、もとCIAのスパイだったエヴァン・マクマリンがいる。

 このことを念頭においてバッスンの以下の引用を読んで欲しい。「正当な選挙結果を出すことを妨害しようというすべての企みは打ち砕かれた(強調は筆者)」が、「国家にとって何より大切なことは、これが偶然起こったと思わないことだ。システムが魔法のようにうまくいったからではない。民主主義は勝手に成り立つものではないのだ」。おお、怖い言葉だ。

 この取組で指導的役割を果たしているのは、ノーム・エイセンだ。彼もオバマ政権の上級顧問だった。親トランプ派の「レボルバー・ニュース」は、エイセンが「カラー革命」を仕掛けようとしていることに対して、9月の時点で警鐘を鳴らしていた。しかし実は、9月にこの動きに気づいていた人がいたとしても、手遅れだったのだ。



 その時までに、組織されてまだ2年の、この企みの一躍を担っている「全米在宅投票協会」は、すでに全州の州務長官に「投票に関する技術的な」助言を行っていた。具体的には、「選挙に関してどの業者を採用し、投票箱の設置方法」などだ。さらには、各州に「通信機器」まで提供していた。その通信機器は、彼らの企みを広めるために必要なものだったのだ。

 なんと選挙の丸一年前の2019年11月に、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグが「市民の権利のための闘いの指導的役割を果たしている9名」を夕食に招いた。その中には、オバマ政権で市民権のための司法次官補をつとめたヴォニタ・グプタがいた。この夕食会も、影の連合の取り組みの
一環であった。その目的は、ソーシャル・メディア上での「厳格な規則や強制」を実現することだった。 「なぜ、トランプはSNS上から排除されたのか?」や「なぜニューヨーク・タイムズが報じた、バイデン大統領の息子のハンター・バイデンが落としたノートパソコン事件が、選挙前に抑え込まれたのか?」という疑問を持つ人たちには、この夕食会が答えになるだろう。

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Ex-spies (and proven liars) 'deeply suspicious' of Russian involvement, based on ZERO EVIDENCE, so hush up about Hunter Biden

 皮肉にも、巨大IT産業に圧力をかける運動の一環として、すでに民主党は世間に過剰反応をひきおこしていた。その矛先は彼らが強く標的と見なしている「ロシア」がインターネット上で広めた情報だった。その情報が2016年の大統領選に「影響」した、というものだ。それなのに、ボールが記事で書いているのは、この企みに加担している2つの組織(訳注;The Voting Rights LabとIntoAction)が、「狙いが定まったネット上の情報や画像を作り、それをEメールや、携帯メールや、ツイッターや、フェイスブックや、インスタグラムや、ティックトックで広め、すべての投票は数えられるべきだという世論を形成した」という事実だ。ポドホルツァーによる広報活動はアナット・シェンカー・オサリオの監修のもと行われた。彼女は、「世界の進歩的な組織とともにとりくんだ認知科学や言語学の知識を利用した」のだ。なお、彼女の経歴はジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ財団の2018年の研究者紹介の欄からの抜粋だ。

 ボールははっきりと書いてはいないが、“郵便投票は安全だ”ということや、“投票日に当選者が分からなくても大丈夫だ”というツイッターや、フェイスブックが行った「先入観の醸成」も、これらの活動に関わった人々の作戦だったのだ。



 共和党員の選挙監視係がデトロイトで投票所から追い出された事件のことを覚えておられるだろうか?当時の報道によると、追い出された理由は投票所が密になりすぎていたからだということだったが、タイム誌の記事によると、それは民主党の活動家たちが「何十人もの補助部隊」を動員して、共和党員の選挙監視係に対する「対抗勢力」となったおかげで、 「人権擁護団体デトロイト・ウィル・ブリーズの人種差別を正そうとする活動家たちが、民主党を支持する女性性団体「民主党のための女性たち(Fems for Dems)」の郊外居住の女性たちや、地元で選出された役員たちとともに、選挙監視活動を行うことができた」ということだそうだ。

 この活動家たちこそ、「デトロイトの選挙集計方法にけちをつけようとするものたちは人種差別主義者である」というレッテルを貼る作戦を思いついた人たちだ。

 ドナルド・トランプ大統領が、共和党が優勢であるミシガン州の州議会議員たちに選挙結果に異議を唱えるよう要請したことについて、エイセンは「選挙期間中でもっとも恐ろしい瞬間だった」と語り、「民主主義擁護者たち」が素早く対応に当たった、とのことだ。

 具体的には、エイセンの弁護士たちは、トランプが呼び出した二名の州議員たちのあら探しをし、活動家達は2名を空港で追いかけ回し、「トランプの再出馬を許さない共和党の会」は共和党員に電話をかけ、バッスンの手のものは刑事責任が発生する可能性があるという論説を書いてミシガン州の検事総長を脅した。そしてミシガン州の検察庁は、その論説を再ツィートした。その2名の州議員は、ワシントンDCのトランプ・ホテルのところでデモ行進さえ受けた。このような工作が結果的には功を奏し、ミシガン州の共和党は選挙結果を承認することに同意した。そしてミシガン州以外で論議が起こっていた州も後に続いた。



 おそらく、最も興味深い部分は、最後まで隠されたままだろう。ボールによると、彼女はアメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)のポドホルツァー代表からメールをもらったそうだ。それは1月6日の朝のことだ。そう、民主党が「暴動」と呼んでいるトランプ支持者たちによる米国国会議事堂占拠事件があった数時間前のことだ。そのメールには、「左派の活動家」が「対抗勢力を必死で食い止め」、 「安全を確保し、大混乱の責めを追求されることがないよう確認すべきだ」とある。

 どうやってポドホルツァーは、「大混乱」があることが事前に分かっていたのだろうか?国会議事堂で「大騒ぎ」が起こる数時間前だというのに。そして、民主党の主張によればトランプが「引き起こした」ホワイトハウスの外で正午におこった暴動の数時間前だったというのに。謎だ。

 謎ではないのは、ボールが書いていた「陰謀」の結果だ。現状は、事実上の一党独裁状態だ。民主党は、政府のすべての段階において、絶大な権力を保持しており、異議を唱える者は処刑し、反対するものたちの権利を奪おうとしている。

ALSO ON RT.COM

Our democracy is under threat… by too much democracy, say lawmakers calling for removal of ‘conspiracy theorist’ rep


 タイム誌の記事で明らかになったばかりの裏工作についてまだ何も情報がなかった先月、私は肉体的闘争ではない「第5世代」の内戦についての記事を書いた。その記事の中で私は、「心や精神の闘いであり、メディアや政界や経済界で繰り広げられる一連の心理戦だ」と論じた。私の主張は、「今回の内戦は、米国共和党を“我々の民主主義”という団体に変えてしまうことに成功した。この団体のもとで、共和党の形態は変わっていないが、中身は根本的に変わってしまった」ということだった。

 ボールの記事の中の「ヒーロー」の一人、「トランプの再出馬を許さない共和党員の会」のジェフ・ティマーの言葉が記事の中で引用されている。 「我々が信念をもって、下を向かないという条件のもとでしか、“我々の民主主義”は持続できない」と。そして、マンガのキャラクターの ワイリー・コヨーテを例に挙げている。

 これは面白いたとえだ。というのも、コヨーテはこのマンガの中では悪役だからだ。果たすべき役割を免状してもらっているのは、主要キャラクターのロードランナーという名の鳥だ。しかし、そんなことには気付かないかもしれないし、気付いてしまうことが罪になる時代がもうすぐ来るだろう。それが、「我々の民主主義」の世界だ。

 
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クリス・ヘッジス著「他者排除文化が、リベラリズムの墓場だ」

<記事原文 寺島先生推薦>

Chris Hedges: Cancel culture, where liberalism goes to die



RT論説面

2021年2月15日

クリス・ヘッジス著

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月15日


By Chris Hedges, a Pulitzer Prize–winning journalist who was a foreign correspondent for fifteen years for The New York Times, where he served as the Middle East Bureau Chief and Balkan Bureau Chief for the paper. He previously worked overseas for The Dallas Morning News, The Christian Science Monitor, and NPR. He is the host of the Emmy Award-nominated RT America show On Contact.

 支配者層とそのしもべたちは、自分たちの道徳的卓越性を誇示するために、政治的に正しいとされる言説に従わない人々を排除し、沈黙させている。連中は、いわば現在のジャコバン派(訳注 フランス革命後のフランスで恐怖政治を行った一派)だ。

 この記事の元記事はScheerPostで発表されたものである。

 1956年に、ウィル・キャンベル牧師がミシシッピ大学での信仰生活部部長という自分の地位から追い出されることになったのは、キャンベル牧師が融和をよびかけていたからだった。キャンベル牧師は、1957年のリトル・ロック中央高校事件時には、黒人と白人の融和政策に反対する暴徒の中を、黒人の子どもたちによりそって入校させた人物だ。キャンベル牧師は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの「南部キリスト教指導者会議」を設立した団体への加入を進められた唯一の白人だった。キャンベル牧師は、「ナッシュビル座り込み運動」の取りまとめや、「フリーダム・ライド」の組織作りを支援していた。 

訳注 ナッシュビル座り込み運動や、フリーダム・ライドは、差別に反対する黒人たちによる1960年代初旬の抗議活動

 さらにキャンベル牧師は、人種的分離主義者たちから殺害警告を多数受けていたにもかかわらず、クー・クラックス・クラン(KKK 訳注:白人至上主義過激派団体)の地方支部の非公式の牧師をつとめていたのだ。彼はクランの人種差別主義や、テロや暴力行為に対しては激しく非難し、公式にこれらと戦い、地元のミシシッピ州での黒人による公民権運動のもとでの抗議デモ行進に参加していた。それでもキャンベル牧師は生涯を通じ、人種差別主義者たちを「排除する」ことを断固として拒否していた。彼は人種差別主義者たちを「非人間」として悪魔化することを拒否していた。彼の考えによれば、「もちろん人種差別はよくないことなのだが、人種差別主義は資本主義体制ほど悪質ではない。資本主義というのは、経済を低迷させ不安定にさせるものなのだから。そしてこの資本主義体制が、白人を暴力的で人種差別的な暴徒に追いやっているのだ」とのことだった。

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Cancel mob inadvertently makes Gina Carano a BIGGER STAR, landing her gig producing & starring in upcoming Daily Wire film

 「公民権運動当時は、戦略を練るとき、誰かがよくこういっていたものだ。“ウィル・キャンベルに電話しろ。ウィルに確認してみよう”と」。これは、ジョン・ルイス牧師がキャンベルの回顧録である『トンボの兄弟』の新版の前書きに書いた言葉だ。この『トンボの兄弟』は私がセミナー研究生時代に読んだ中でもっとも重要な著書の一つだった。「ウイルが知っていたのは、南部の悲劇の歴史の被害者になったのは、私たちの同志だけではなく敵たちもそうだった、という事実だ。ローザ・パークスや、フレッド・シャトルワース(訳注:両名とも黒人活動家)だけではなく、ジョージ・ウォレス(訳注:人種差別主義者者であることを公表していた元アラバマ州知事)やブル・コナー(訳注:公民権運動を徹底的に取り締まった元アラバマ州警察署長)も被害者だったということだ。ウィルは、この悲劇により学生非暴力調整委員会だけではなく、クー・クラックス・クランも生み出されたことをしっかり理解していたのだ。この前提があったからこそ、人種差別意識をなくし、平等という概念を広めるには、勇気や、愛や、信念を追求し、すべての人々を精神的に自由な世界に導くべきだ、とウィルは考えていたのだ」

 ジミー・カーター元大統領はキャンベル牧師をこう評している。「南部の白人と黒人の間を隔てる壁を壊した人物であった」と。「ブラック・パンサー(訳注:1966年に立ち上げられた黒人解放闘争政治組織)」の組織者であるフレッド・ハンプトンが、シカゴでキャンベル牧師と同じようなことをしていて、FBIに暗殺されたのだ。(そのFBIは今、CIAとともに、リベラル派の支配者層による、トランプやトランプ支持者に対する戦いに加担している)。

 キャンベル牧師は、自分の住んでいた町が、7月4日の独立記念日の行進に、クランに山車を出すことを禁じたことに対して、反対はしなかった。ただし、それはガス会社や電力会社も山車を出すことを禁じられていたからだ。無実の人々や弱い人々を苦しめていたのは白人人種差別主義者たちだけではない。人命よりも利益を優先する企業組織もそうなのだ。

 「ガス代や電気代が払えず、暖房を切って、死んでしまう人々もいる。特にお年寄りの中には」とキャンベル牧師は語っている。「このようなこともテロ行為のひとつだ」

 キャンベル牧師は、KKKについてこんなことを言っていた。「KKKが行う行為は、目に見えることであるし、対処もできる。もし、KKKが法律を犯せば彼らに処罰を与えることもできる。しかし、もっと社会に大きく影響を与えている、本当の人種差別主義というのは、かつてそうだったし今もそうなのだが、対処法が困難であり、社会に与える影響も大きいのだ」

 キャンベル牧師が私たちに思い出させてくれるのは、国会議事堂を占拠したトランプ支持者たちを悪者扱いするのはとんでもない間違いだ、ということだ。さらに、不法な人種差別を解消するには、経済を正常化するしかないということも、だ。さらにキャンベル牧師が私たちに呼びかけているのは、自分たちと考え方が違っていたり、言っていることが違っているために、この警察国家化した社会から嘲笑の対象となっている人々に対話の手を伸ばすことだ。彼らは、私たちと同様に、経済的に疎外されているからだ。キャンベル牧師が理解していたのは、富の不均衡や、社会的地位の喪失や、未来への希望の喪失という状況の中、長期にわたり社会から除外されていたことも重なって、本来あるべき連帯が損なわれ、クランや「プラウド・ボーイズ」などの白人至上主義である過激団体を生み出す土壌になっているという事実だ。


ALSO ON RT.COM

I didn’t vote for Biden, but want him to succeed in righting the train wreck of US democracy. The carnage has to stop here and now


 傷の本質を知ろうとしない限り、その傷を治療することはできない。

 ワシントン・ポスト紙は、1月6日に起こった国会議事堂占拠事件に参加したことで起訴された125名について調査し、以下の事実を報じている。「国会議事堂占拠事件で起訴されている人々のうち60%は何らかの金銭トラブルを抱えていた。具体的には、破産や、立ち退きや担保権執行の宣告、ひどい借金、20年以上に及ぶ税金の未払いなどだ」

 「これらの人々の破産率は18%だった。これは、通常の米国民の二倍にあたる」とワシントン・ポスト紙は報じている。「彼らの4分の1は、金銭を借りていた債権者から訴えられていた。そして、裁判所への提出書類によれば、彼らのうち5人に1人が一時的に家を失ったことがあったという事実がわかった」

 「公文書によると、国会議事堂占拠事件に参加したとされた、或るカリフォルニア在住の男性は、事件の一週間前に破産申告を行っていたことが分かった」と同紙は報じている。「国会議事堂に侵入したことで起訴されたテキサス在住の男性は、事件の1ヶ月前に自分が経営する会社が2千ドル近い租税先取特権を科されていた。この事件に加わり起訴された数名の若者は金銭的に非常に厳しい家庭出身だった」

 私たちは彼らの生活の厳しさについてしっかりと認識しておかないといけない。人種差別主義や、ヘイトや、暴力に対する渇望は否定しなければいけないのは当然のことだが。把握しておくべきことは、私たちが決して信頼してはいけない敵は、政治的に正しくない人たちではないし、人種差別主義者たちでさえない。真の敵は、企業であり、堕落した政治体制であり、法体制なのだ。こういったものたちが、血も涙もなしに、母なる地球だけではなく、その市民たちを犠牲にしているのだ。やつらが利益を得る代償として。

 キャンベル牧師と同様に、私の家族の多くは都市の労働者階級出身だ。その労働者の多くは長老派教会牧師であった私の父に偏見を抱いていた。父は常に教会から糾弾を受けていた。(訳注:ヘッジスの父は、早くからベトナム戦争に反対し、またゲイに関しても柔軟な考え方を持っていた。そのことは、当時の世間や教会からはよく思われていなかった)。そんな中でも、運と奨学金の力を借りて、私は上流階級のための学校に入学した。そんなことをした人は私の親戚にはいなかった。生来知性の高かった祖父も、高校の最終学年で中退せざるを得なくなった。というのは、祖父の姉の夫が亡くなったからだ。祖父は、姉と姉の子どもたちを養うために農場で働かなければならなかった。米国の貧乏人が、好機を二度もらえることはごくまれだ。一度の好機さえもらえない人も多い。祖父はその一度目の好機を失ったのだ。

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Chris Hedges: Papering over the rot

 
 私の親戚たちの出身地は、粉ひき工場や工場が閉鎖され壊滅的な状況に置かれているメーン州の町々だ。いい仕事などほとんどない。自分たちは、裏切られ、騙されたのだという正当な怒りがくすぶっている。私の親戚たちは、米国の大多数の労働者階級の人々と同様、静かな絶望感の中で人生を送っている。この怒りが、否定的で破壊的な形で噴出するのはよくあることだ。だからといって、「この人たちはどうしようもない人たちだ」と否定してしまう権利は、私にはない。

 理解するということは、許すということではない。しかし、支配者層と、「ジャーナリスト」という仮面をかぶった彼らのしもべたちが、嬉々としてこんな人たちをまるで存在しないかのように報道から除外しているのだ。まるで「非人間」のように扱い続けているのだ。そう、ヒラリー・クリントンが「deplorables (役立たず)」と呼んだように。そして、決して報じようとしないのは、社会の汚い不条理についてだ。その不条理のせいで、この人たちは弱く、不安なままにされているのに、だ。だからこそ、過激派組織がさらに過激な行動を示し、それに伴い、国家による抑圧や検閲が強められることになっているのだ。

 他者排除文化(訳注:英語でcancel culture。他者のちょっとしたあらを探しだし、その他者を排除しようとする文化のこと)は、自称「適切な言論審査員」たちによる魔女狩りだ。この文化がリベラル派たちの“boutique activism”(見せびらかすためだけの活動) と化しているのだ。しかし、リベラル派たちに欠けているのは、権力の中枢にいるものたちに挑みかかろうという勇気と、効果的に組織的運動を進める術だ。そして権力の中枢にいるのは、軍産複合体であり、軍隊規模の力をもつ警察であり、刑務所制度であり、ウォール街であり、シリコン・バレーであり、人類史上最大の規模で我々を調べ、監視し、写真におさめ、追跡する諜報機関の工作員たちであり、化石燃料企業であり、財閥勢力に握られている政治と経済体制なのだ。

 これらの勢力との戦いを避けて、うっかり失言をしてしまった人たちや、リベラル派の支配者層が認めていない言葉づかいで話したり振る舞ったりできない人たちを、敵に回す方がずっと楽だ。このような「テスト」が常軌を逸し、自滅状態にまでなっているのだ。その一例が、ニューヨーク・タイムズの150人のスタッフが、或る記者の失言に関して、経営陣に再調査を要求した事件だ。経営陣は、すでにベテラン記者であるドン・マクニール記者から意見を聞き、彼に対する処罰も決定していたのだが、スタッフたちは、聞き取りが不十分であり、処罰の仕方も正しい判断ではないと抗議したのだ。マクニール記者は、人種問題についての討論の際、人種差別的用語を繰り返し使用した責任を追求されていたのだ。結局経営陣は、しぶしぶ彼を解雇せざるをえなくなった。 

 他者排除文化において、標的になるのは急進的な考えを持つ人たちになることが多い。例えば、「ヴァンクーバー・レイプ被害者救援会と被害女性のためのシェルター」を経営している女性解放論者たちがそうだ。この女性解放論者たちは、性同一性障害をもつ人たちの入居を許可していない。というのは、このシェルターで暮らしている少女や女性たちは、男性の体によって肉体的な侮辱を受け、心の痛みを受けてきたからだ。このような女性解放論者たちを批判する人たちの中に、このシェルターで1日10~12時間過ごし、被害を受けた少女や女性たちの世話をしたことがある人は誰もいない。多くの被害女性たちは子どもの時に、性被害を受けているのだ。それなのに、同施設を攻撃し、同施設への資金援助をやめさせるために、壁面に落書きをする人々がいるのだ。他者排除文化とは「無知の人々に武器を持たせているようなものだ」とは、カナダの女性解放論者であるリー・レイクマンの言葉だ。

 他者排除文化の発祥は、資本主義支配層や、彼らの突撃隊であるFBIなどの工作員たちによる赤狩りだった。彼らはしばしば暴力を伴って、革命的な運動や労働組合運動を破壊していた。「反共産主義」の名の下に、何万という人々が社会から排除された。潤沢な金銭により支援されているイスラエル・ロビーは、他者排除文化の達人だ。アパルトヘイト制を敷いているイスラエル国家に対する批判を封じ込め、反ユダヤ運動である「ボイコット、投資撤収、制裁運動 (BDS運動)」を指示する人々を黙らせている。他者排除文化は、ジュリアン・アサンジの処刑と、ウィキ・リークスに対する検閲と、シリコンバレーによるアルゴリズム(訳注:検索語によりどのようなサイトを上位に配置するかの操作のこと)を促している。このアルゴリズムにより、読者をある種のサイトから排除することができる。私のサイトも排除の対象だ。そう、帝国や企業に批判するサイトは排除されるのだ。 

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 最終的には、このいじめ行為にはSNSが利用される。このSNSが国家の安全保障と監視機関としての機能を果たすことになる。SNSを支持する人たちの主張とは異なるが、SNSは礼節ある行為を広める役割は果たしていない。そうではなく、SNSがやっているのは、反対意見を持つ者たちや、知識人たちや、独立メディアの記者たちを冷酷に黙らせることだ。人々の言論を統制することができるのであれば、人々の思想も統制できるようになる。

 この他者排除文化が、企業メディア所有のプラットフォームに包含されている。グレン・グリーンウォルドによれば、このプラットフォームこそ「もっとも影響力のある三大企業メディアがタッグを組んで、“ジャーナリズム”の名にかけて、精力を注いでいる場所」なのだ。そのメディアとは
①CNNの「メディア監視役」のブライアン・ステラーとオリバー・ダーシー
②NBCの「偽情報検知隊」の ベン・コリンズとブランディ・ザドロズニー
③ニューヨーク・タイムズの科学技術部担当記者のマイク・アイザック、ケヴィン・ルース、シーラ・フレンケルだ。
 そして、彼らは血眼になってネット上を点検し、彼らが常軌を逸していると考える不適切な言論や行動基準、彼らを脅かしている内容がないかを探し回っているのだ。そして見つかった場合には、「厳しい措置(掲載の禁止、検閲、投稿内容の規制、放課後居残りの罰など)を課そうとしている」とのことだ。

 企業資本家たちはこれらの道徳純正テストが私たちにとったら自滅的な行為になることを理解している。企業資本家たちはこの他者排除文化を正当化することにより、(そして、この理由こそ、私がドナルド・トランプをツイッターなどのSNS上でアカウント停止させていることに反対している理由なのだ)、この文化を利用して企業資本家たちの権力構造や、帝国主義者たちの罪を攻撃する人々を黙らそうとしているのだ。完璧な道徳を追求しようというキャンペーンが、リベラルの支配者層と白人労働者階級の間の分断を広げているのだ。そしてこの分断こそ、資本家支配者層の権力を維持するために非常に重要なことなのだ。他者排除文化は、魅力的で人を引きつけるような文化戦争のネタにされているのだ。他者排除文化は、反政府派を親政府派に変える。何よりも重要なことは、他者排除文化は組織だったもっとひどい権力乱用への注意をそらしているということだ。うぬぼれていて、自分だけが正しいと思い込んだこの聖戦こそが、リベラル派を憎むべき存在にしてしまっているのだ。

 ピューリッツァー賞受賞歴のある風刺漫画家ダグ・マレットは、「クズ」という漫画を連載していたが、その漫画で、キャンベル牧師をモデルにしたウィル・B・ダン牧師という人物を描いている。そのマレットが、講演のためにキャンベル牧師をハーバード大学に招いた。そして、当時私もそこで勤務していた。キャンベル牧師の話に対する聴衆の反応は、とまどいとはっきりとした敵意の混じったような反応だった。それが逆に私には心地よかった。だから講演後、会場からすぐに人がいなくなったので、その夜は私とマレットとキャンベル牧師の3人で、ウイスキーやボローニャ・サンドを手に、夜遅くまで語り合った。マレットはキャンベル牧師同様、聖像崇拝否定論者であり、辛辣であり、愉快な人物だった。マレットの風刺漫画は、聖金曜日にキリストが十字架の代わりに電気いすを運んでいる漫画や、ジェリー・ファルエル牧師がエデンの園で蛇になっている漫画などを描いて、激怒した読者たちから抗議の叫びを引き起こしたこともある。

  キャンベル牧師の回顧録『トンボの兄弟』は、文章が美しいだけではない。(キャンベル牧師は、ウォーカー・パーシーの親友だった。パーシーの小説も、私はむさぼり読んだ)。この回顧録は、謙虚さと叡智であふれている。そしてこの二つこそが、独りよがりのSNSのウサギの穴で過ごす時間を減らすべきリベラル派たちがなくしてしまったものなのだ。キャンベル牧師は米国を、「殺人と、虐待と、警告と、脅迫と、威嚇が常態化しているところであり、米国に逆らうものは誰でも、国内でも国外でも潰そうとする、クランスマン的国家だ」と評している。キャンベル牧師は、以下の二者の間には道徳的な違いがあると見なすことを拒絶していた。その二者とは、多くのリベラル派たちが守ろうとしている米帝国と、権利を奪われ怒っている白人たちだ。そしてこの白人達というのは、クランなどの人種差別主義者たちの集団であり、その数年後には現在のトランプ支持者たちになる人々のことだ。労働者たちを搾取し、民主主義を妨害し、国家による抑圧を強めようと画策し、とんでもない量の富をため込み、終わることのない戦争を推し進めてきた帝国の政策立案者たちと支配者層の資本家たち、連中こそが、本当の敵であることをキャンベル牧師は知っていた。  


North Carolina university bans WHITES-ONLY anti-racism sessions for...racial discrimination

 キャンベル牧師は、CBS制作の「クー・クラックス・クラン。見えざる帝国」というドキュメンタリー映画を見たときのことを回顧している。その番組の視聴後に、キャンベル牧師は、一緒に見ていた視聴者たちに一言伝えるよう言われていた。その映画は、ミシシッピ州の3人の公民権運動活動家殺害事件や、アルバマ州でのジャッジ・アーロン去勢事件や、16番通りバプティスト教会爆破事件での4人の少女の死亡事件などをとりあげていた。その映画の中で、右を向こうとしていたクランの隊員に、指導係が「左向け左だ!」と叫んでいる場面が映し出された。そのとき、視聴者たちが「歓声や、ヤジや、口笛や、バカ笑い」で沸き上がった。キャンベル牧師は、このときのことをこう記している。「胸くそが悪くなった」と。

 この映画を見ていたのは、「全米学生協会」により招集された学生たちであり、60年代の急進的左派団体であった「新左翼」や、「民主的社会を求める学生」の代表者たちや、「ポート・ハーロン」のメンバーだった。彼らは全米の大学で抗議活動を率いていた若い白人の男女たちであり、大学の建物に火をつけたり、警察を「ブタ野郎」呼ばわりする風習を定着させた学生たちだった。彼らの多くは、裕福な家庭出身だった。

 「彼らは裕福な一流の大学を卒業したばかりの学生たちだった」とキャンベル牧師はそのときの視聴者たちについて書いている。「彼らは意地悪で、力強かった。しかし私が感じたのは、彼らの魂に本気さはないということだった。というのは、彼らが本気だったとしたら、なぜ右左がわからないかわいそうな無知な農民のことを笑えるというのか? 本当に彼らが本気だったとしたら、その場面を見れば涙を流したはずだ。なぜこの人はこうなってしまったのだろう、と。そして、本当に彼らが本気だったとしたら、あんな映画に浸りきって、その場で座ったままではいられなかったはずだ。そしてあの映画を作ったのは彼らを啓蒙し、彼らを楽しませてきた、支配者層中の支配者であるCBSだ」

 映画終了後に、コメントを求められたキャンベル牧師は、こう語った。「私の名前はウィル・キャンベルです。私はバプティスト派の牧師です。私はミシシッピ州出身です。そして私は親クランスマン派です。というのは、私は親人類派だからです」

 会場は大混乱状態になった。キャンベル牧師は、「ファシストのブタめ」や「ミシシッピの田舎者」などと罵声をあびせられた。学生の多くは退出した。

 「私が言ったのは4語だけだった。“親クランスマン派で、ミシシッピ州出身で、バプティスト派の牧師”という4語だけだった。この4語と私の「白人である容貌」が一緒になって、学生たちはすべてをKKKと結びつけてしまったのだ。彼らにとってのKKKは、敵意丸出しで、いらいらさせる、怒っている、暴力的で、非合理的な団体なのだ」とキャンベル牧師は書いている。「そして私が学生たちに説明できなかったことは、“親クランスマン派”と“親クラン派”は同じではないということだった。前者は人間についてのことで、後者は考え方についてのことなのだ」

 「社会における或る勢力がクランの暴力行為を生み出したのだが、その同じ勢力がワッツや、ロチェスターや、ハーレムや、クリーブランドや、ヒューストンや、ナッシュビルや、アトランタや、ディトンで起こった黒人による暴動事件も生み出しているのだ。両者は同じ土壌からうまれたものなのだから。社会からの隔離、剥奪、経済状況、拒絶、働く母親たち、貧しい学校、ひどい食生活、すべて同じ土壌なのだ」とキャンベル牧師は記述している。

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 そしてこれらの社会における勢力が、警官によるジョージ・フロイドさん殺害事件後に、全米中で起こったBLM抗議活動を生み出し、さらには怒れる群衆による国会議事堂占拠事件を引き起こしたのだ。

 キャンベル牧師は、リベラル派の人たちに、リベラル派から去るよう言わなかったのと同じ理由で、自分が知っているクランの構成員に団体を去るようには決して言わなかった。キャンベル牧師はリベラル派をこう評している。「リベラル派の人たちが所属しているのは、尊敬すべきであり、見栄えのいい組織や団体である。しかし、私がわかりつつあったのは、これらの組織はすべて本質的には、クランよりもずっと人種差別主義者であるということだ」

 キャンベル牧師が示していたこの愛こそ、マーティン・ルーサー・キング博士が抱いていた思いの中核をなすものだった。この愛こそが、キングにゆるがない非暴力主義をとらせたのだ。この愛の導きにより、キングは、ベトナム戦争に反対し、米国政府をこう非難していたのだ。「今日の世界で最も暴力を駆使している国だ」と。そしてこの愛のせいで、キングはメンフィスで暗殺されたのだ。キングは、メンフィスで経済的正義をもとめて立ち上がっていた清掃作業員のストライキを支持していた。

 以下は、キャンベル牧師が生涯座右の銘としていた言葉だ。「誰かを愛するつもりであれば、すべての人を愛さなければならない」。キングと同様に、キャンベル牧師は、許すことが、人を贖罪し人を変える力になると信じていたのだ。

 支配者層とそのしもべたちは、自分たちの道徳的卓越性を誇示するために、政治的に正しいとされる言説に従わない人々を排除し、沈黙させている。連中は、いわば現在のジャコバン派だ。連中は聖人ぶった怒りに陶酔している。そんなことができるのは、彼らがあらかじめもっている特権があるからだ。その聖人ぶった仮面のおかげで、連中が持つ企業資本家たちの力や、不道徳さが見えなくなっているのだ。連中は、社会や経済の不条理とは闘わない。連中は、デジタル媒体を扱うシリコン・バレーからの熱烈な支援を受けて攻撃を加えるのだ。その矛先は、抑圧された体制により破壊され、粉々にされた人々や、丁寧で適切な言語表現を身につけられずに育った人々に向けられている。彼らは、私企業や警察国家の勢力拡大にうまく利用される愚者たちなのだ。他者排除文化に従っても、再建などできない。その道は専制政治へと続いている。

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「デモクラシー・ナウ」は、米帝国主義によるシリアの侵略を擁護

<記事原文 寺島先生推薦>

“Democracy Now” Runs Interference for Imperialism in Syria

ダニー・ヘイフォン著

グローバル・リサーチ

2017年5月15日

(初出は、アメリカン・ヘラルド・トリビューン 2017年5月12日)

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月15日



 米国における或る不可思議な特徴のひとつに、「独立メディア」を装って、戦争を推進する狂気じみた左派が存在しているという事実がある。オバマ政権が、いわゆるリベラル派が共和党と「契約」を結ぶことはいいことだという潮流を作り出して以来、市民生活において反戦運動が存在しなくなってしまっている。それなのに、非営利メディアはこの状況を打破する手助けをしていない。「独立メディア」機関として最も名が知られている、デモクラシー・ナウが、戦争を推進する活動を行っている左派の完璧な代表になっている。デモクラシー・ナウは、最近シリア情勢について報じたが、これは米帝国による戦争への同意を鼓舞するものである。今は共和党政権下であり、上院や下院でも共和党が優勢である中なのに、だ。

 2017年5月3日、デモクラシー・ナウは、アナンド・ゴパルへのインタビューを放映した。ゴパルは、2012年から2014年まで、「新米国研究機構」の会員だった。「独立メディア」を自称しているデモクラシー・ナウが、ゴパルのような人物と関係を持つということは、デモクラシー・ナウが取り上げる戦争と平和の問題についての情報源の確かさに疑義をいただいてしまうことになる。というのも、「新米国研究機構」が公平な情報源であるとはまったく言えない組織だからだ。ほとんどの米国や西側諸国の政策立案組織がそうであるように、この組織は、戦争に直接投資している団体から支援を受けている。このような団体には、①フォード財団②オープン・ソサエティ財団③ウォール街のシティグループやJPモルガン・チェース銀行などの関連企業から支援を受けた共同事業体、がある。

 ゴパルは、戦争で暴利をむさぼる団体や独占資本など、戦争で真っ先に恩恵を受ける組織で政治的訓練を受けたのだ。ゴパルはアフガニスタンで数年過ごし、タリバンに従軍した経験もあり、今はシリアのテロリストたちを代弁する記者活動に専念している。これらの努力のおかげで、ゴパルはピューリッツァー賞を受賞し、NGO業界で数多くの仕事を果たしてきた。メディアサイト「ムーン・オブ・アラバマ」の最近の報道によると、ゴパルはSNS上で物議を醸す投稿をしていた。それは、ISISの組織加入方法の文書を自身のツイッターでつぶやいたからだ。ゴパルはエイミー・グッドマンやネルミーン・シェィクとのインタビューの中で、米帝国主義の代理人に対する忠誠心を明らかにしたのだ。その米帝国の代理人は、現在シリアや中東全域で大惨事をもたらしているというのに。

 ゴパルの主張によれば、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領が、シリアの苦難のすべての原因になっている、とのことだ。ゴバルが引用したのは、ISISの戦闘員たちとの「対話」であった。ゴバルによると、その戦闘員たちは、バッシャール・アル=アサドによる残忍な行為のせいでテロリズムに傾倒した、とのことだった。さらにゴバルは、シリアとロシアが、テロリズムと戦えていないだけではなく、米国もシリアの政権交代に関する計画を持てていないことを批判した。そして、YPG(クルド人民防衛隊)だけが、ISISと闘っている唯一の組織だとしていた。もちろん、ゴパルの推測はどれひとつも、具体的な証拠に基づくものではなく、裏付けなどはない。

 一方で、あちこちから逆の証拠が出てきている。「アサド大統領の残忍性」言説は、独立メディアの記者たちによりこれまで数え切れないくらい否定されてきた。中でも、シリア政府が化学兵器を使ったとされる点に関しては、特にそうだった。シーモア・ハッシュ記者は、2013年にシリアのグータ攻撃の際使われた化学兵器を追跡し、それらがトルコやサウジアラビアの反乱軍の占領地区や反乱軍の物流ラインからきたものであることを突き止めた。2017年にも化学兵器による攻撃が起こったのだが、その3年前に、すでに国連は、米露の調停のもとで、シリア政府が化学兵器を全廃したことを確認している。ゴパルや彼の政策立案機関のスタッフが、シリアの化学兵器使用問題に関わっている人たちと同様に嘘の情報を垂れ流しているとしたら、彼らをシリア全般のことについての情報源として信頼できると言えるだろうか?

The Truth About Syria: A Manufactured War Against An Independent Country

 より重要なのは、なぜデモクラシー・ナウは、ゴパルを番組に呼んだかという問題だ。なぜデモクラシー・ナウが、ゴバルが「シリアやロシアは大量殺人国家であり、米国は平和を追求している」などと言って、米帝国の肩をもつようなことを許すのだろうか? 2011年以来何度も報じられてきたことだが、米国がシリアに絡もうとする理由は、常にシリア政府を転覆するためだったのだ。米国国防情報局の文書には、米国がシリア内のISISを好意的に支援しており、2003年から始まった米国によるイラク占領期間に、米国はISISの勢力が拡大するような状況を作り出してきた、とはっきり書かれている。さらに、公式記録に残っている内容なのだが、米国と同盟国は、アサド政権を退陣させるという明白な意図を持って、シリアの「もともとの」革命軍に資金を与え、武装させたのだ。これらの外部からのイスラム聖戦士たちの数は何万人にものぼり、近くはトルコ、遠くはヨーロッパ本土から集まってきている。彼らはすべて「民主主義」の名の下に、殺人の罪を犯した罪人だ。

 ゴパルやデモクラシー・ナウは、シリア政府が国民から大きな支持を集めている多くの証拠については言及しない。代理者による侵略のさなかの2012年に、シリア政府は憲法を改正した。そのことはシリア国民のほぼ90%近い支持を得た。2014年に、バシャール・アル=アサドは、得票率88.7%を集め、大統領に再選された。このような結果から、シリア国民から最も支持を受けているのは、シリア政府であることがわかる。それなのに、ゴパルやデモクラシー・ナウといったメディアは、シリアを侵略しているテロリスト勢力による残虐行為については報じないままだ。そして、帝国主義諸国からそれらのテロリスト勢力が支援を受けていることについても、だ。

 デモクラシー・ナウが、帝国主義者たちを擁護している理由は、彼らから資金提供を受けているからだ。それは、どのNPO法人やNGO法人についても同じことなのだが。ゴパルが 「新米国研究機構」の申し子であるのと同様に、デモクラシー・ナウは、「パシフィカ協会」の後援を受けて生まれたのだ。クリティカル・ソシオロジー誌の分析によれば、パシフィカ協会は、1996年から1998年の間に、フォード財団や、カーネギー財団などから14万8千ドル以上の支援をうけ、デモクラシー・ナウを立ち上げたとのことだ。ラナン協会はデモクラシー・ナウに補助金としてさらに37万5千ドルを寄付していた。(同協会についての2008年以降のアメリカ合衆国内国歳入庁990フォームによる)。ラナン協会を設立した大御所資本家であるパトリック・ラナンは、70年代後半から80年代前半にかけてITTコーポレーション社の取締役をつとめていた。ITTコーポレーション社は、CIAの支援のもと行われたファシストによるクーデターの手先だった。そのクーデターにより、民主的に選出されたチリの社会主義者サルバドール・アジェンデ大統領は退陣させられた。

 フォード財団のような、いわゆる世界規模で展開するNGOは、非常に裕福な個人や企業から多額の寄付を受け、世界中で帝国主義者たちの目的を果たす手先となっていた長い歴史を持つ。これらの財団が、米帝国主義のために「ソフトパワー」を駆使する。その主要な目的は標的とされた国家に「文明社会」という基盤を提供することで、政権転覆の土台作りをすることだ。ラテン・アメリカの国々では、こういう現状がずっと続いている。これまで何度も目撃されてきたのは、「全米民主主義基金」やフォード財団といった協会が、ベネズエラや、エクアドルや、ボリビアの左派政権を破壊しようとする右派の反対運動を支援していることだ。

 だからデモクラシー・ナウが、シリアで帝国主義者たちが流している言説に正当性を持たせようとしているのは、別に驚くようなことではないのだ。デモクラシー・ナウが、「独立」メディアであるというのは、名前だけだ。デモクラシー・ナウのスタッフは、資金源である組織に恩を売らないといけない。そして、そのような組織は、帝国主義者たちが
は人道主義者である、とでっちあげることに大きな役割を果たしているのだ。だから、デモクラシー・ナウは、企業メディアが伝えていない米国内のニュースを報じることはあるが、世界規模で何が起こっているかについては、嘘情報の発信源である危険性があるのだ。エイミー・グッドマンのシリア情勢関連記事は偽りであり、これでは間違った世界観が世間で醸成されてしまう。

 米国を拠点にしている真の独立メディアの記者たちは存在する。しかし、彼らには金銭面や政治面での支援がほとんどないのだ。米帝国主義に対する総合的な闘いという視点で、報道やメディアは捉えられなければならない。独立メディアが力を得るのは、人々が、元気で力強く活動している時だ。人々の活動が弱くなれば、独立メディアの報道も力を失う。代替メディアが企業団体の裏に隠れているかぎり、米国で企業メディアが支配的な地位を保ち続けられる。彼らにとって今は勝負の時なのだ。だからこそ帝国主義の「ハードパワー」装置も「ソフトパワー」装置も駆使した操作レバーを使って、勝負をかける必要があるのだ。デモクラシー・ナウを使って、言説を広めようというのも、その手口のひとつだ。


Danny Haiphong is an activist and radical journalist in the Boston Area.

 

 

 

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「クルツ首相は辞任すべきだ」 オーストリアの何千人もの反ロックダウンデモ隊がウィーン を行進する中、政府に激しく抗議 (VIDEO)

<記事原文 寺島先生推薦>

Kurz must go’: Austrians lash out at govt as thousands of anti-lockdown demonstrators march through Vienna (VIDEO) — RT World News

Russia Today World News 2021年3月7日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月13日


 政府によるコロナウイルスの規制が続いていることに対する怒りが高まる中、何千人もの抗議者がオーストリアの首都に殺到した。報道によると、集会は乱闘と数人の逮捕につながった。

 オーストリアのクローネ紙は土曜日の集会に約15,000人が参加したと伝えた。デモ隊は「クルツ首相は辞任すべきだ」と書かれたプラカードを掲げ、セバスチャン・クルツ首相の辞任を求めるスローガンを唱えた。

 RTの関連動画ニュースサイト「ラパルティ」の映像には、オーストリア国旗を振りながらウィーン中心部の通りに流れ込む抗議者たちが映っている。デモ参加者の一部は公園に集まり、集会を呼び掛けたオーストリアの右翼自由党の指導者たちの演説を聞いた。

 聴衆に向かって話したハーバート・キクル元内相は、政府を「狂気の淵で踊っている」ことを非難し、COVID-19への規制は「とても奇妙で狂っていて、どんなハリウッドの映画監督でも映画なんかにはできないだろう」と述べた。

  オーストリアは先月から封鎖を解除し、学校、商店、博物館を再開したが、レストランやカフェは閉鎖されたままだ。抗議者たちはまた、子どもたちが直接授業を受けるためにはCOVID-19の検査を受けなければならないことに怒りを表明した。

 クローネ紙によると、集会のリーダーの1人が拘束された。他にも数人が、デモの最後に解散を拒否し、治安法やコロナ規則に違反したために逮捕された。映像には、マスクをせずに地面に押さえつけられた男性を、暴動鎮圧用の装備をした警官が取り囲んでいる姿が映っている。

 また、デモ参加者と左翼反対派の間での個別の争いがあったとの報告もあった。 

 政府は、COVID-19感染が減少すれば、レストランやカフェが三月末に再開される可能性があると示唆している。ここ数週間、オーストリアでは規制に対する抗議が相次いでいる。先月、推定1万人がウィーンで同様のデモに参加した。

 オーストリアではパンデミックの開始以来, 472,871人の感染者と864人のコロナウイルス関連の死亡が記録されている。同国ではここ数週間、新たな感染例が増加しており、保健当局は、より感染力が強いと考えられている英国型変異ウイルスが広がっていると警告している。

 

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世界規模での農業改革:インド・モディ政権「農耕改革」の背後にあるWEF(世界経済フォーラム)の目論み


<記事原文 寺島先生推薦>

The Reshaping of Global Agriculture: The WEF Agenda Behind India’s Modi Government’s “Farm Reform”


F・ウィリアム・エングダール

2021年2月16日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月13日

 2021年9月、国連は食料システム・サミットを開催する。その目的は、マルサス主義的な国連アジェンダ2030「持続可能な農業」で掲げられた諸目標の文脈に沿って、世界の農業と食料生産を改革することにある。インドのナレンダ・モディ政府が最近制定した大規模な変化を伴う農業法案は、この世界的改革と同じ流れの中にあり、いい点はひとつもない。

 モディ政権のインドでは、昨年9月に3つの新しい農業法案が急遽議会を通過して以来、農民たちは大規模な抗議行動を行っている。このモディ改革は、世界経済フォーラム(WEF)とそれが打ち出した「農業のための新しいビジョン」が組織的に入念に取り組んだことが動因となっている。これはクラウス・シュワブの「グレート・リセット」の流れの中にあり、国連アジェンダ2030の企業版ということになる。

モディ・ショック療法


 2020年9月には、正式な投票ではなく、慌ただしい発声投票で、そして報道によれば、インドの農民組合や関連組織との事前協議もなく、ナレンダ・モディ首相の政府は、インドの農業を根本から規制緩和する3つの新しい法律を可決した。それが発火点となって、何ヶ月にも及ぶ全国的な農民の抗議と全国的なストライキとなった。インド全土に広まったこの抗議運動は3つの法案の撤回を要求している。

 事実上、この3つ法律は、大企業による土地購入を可能にし、商品の備蓄に関する諸規制を撤廃することで、政府が農民に支払う費用を抑制するための法律である。また、大規模な多国籍企業は、農家の農産物が通常保証価格で売られている地方市場や地域の州市場を通さず、企業が農家と直接取引を行うことができるようになる。こういったことの結果はただ、インドの基盤の弱い食物(供給)連鎖の中で、推定数千万人の末端の、つまり小規模農家や小規模中間業者を破滅させることになるだけだ。

 モディ政権が成立させたこの法律は、IMFと世界銀行が、1990年代初頭から要求してきたことの具体化だ。つまり、インドの農業と農耕をロックフェラー財団が数十年前アメリカで開拓した企業型アグリビジネスモデルに変えようとするものだ。歴代インド政府は、インド最大の人口を占める農民層をわざわざ攻撃するようなことはこれまで一度もしなかった。農民たちの多くは今後の筋書きをはっきり持っているわけではないし、(外部からの)支援もほとんどない。モディの主張は、現在のシステムを変えることで、インドの農家は2022年までに所得を「倍増」できるというもので、それは何の証明もない怪しげな主張である。企業は初めてインド国内の農地を購入することが許され、それによって大企業、食品加工会社、輸出業者は農業部門に投資できるようになる。それに対して小規模農家は手の打ちようがない。この急進的な動きの背後にいるのは誰か?ここで私たちの視野に入ってくるのが、WEFとゲイツ財団がやろうとしている急激な農業のグローバル化だ。

WEFと企業優先主義者たち


 (モディ政権が成立させた)3つの法律は、世界経済フォーラム(WEF)とその一部門である「農業のための新しいビジョン(NVA)」がこの数年間率先してやってきたことの直接の結果である。WEFとNVAは12年以上にわたり、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアで企業型モデルを推進してきた。インドは、1960年代、ロックフェラー財団の「緑の革命」が失敗に終わって以来、企業による農業の乗っ取りに対する抵抗が激しい国だ。WEFのグレート・リセット――というよりは「持続可能な農業」のための国連アジェンダ2030として知られる――のためには、インドの伝統的な農耕と食料(供給)システムは破壊される必要がある。インドの零細家族型農家は、大規模なアグリビジネス・コングロマリット企業への身売りを余儀なくされ、零細農家のための地域レベルまたは州レベルの保護施策も当然撤廃ということになる。「持続可能」とは言いながら、それは小規模農家のためではなく、巨大なアグリビジネスグループにとって「持続可能」ということだ。

 この目論みを推進するために、WEF は「NVA インド・ビジネス・カウンセル」と呼ばれる企業と政府の利害関係者による強力なグループを設立した。WEF のホームページには、「NVA インド・ビジネス・カウンセルは、インドにおける持続可能な農業成長を推進するための民間セクターの協力と投資を推進する非公式のハイレベルなリーダーシップ・グループとしての役割を果たしています」と書かれている。「持続可能な」という言い方で彼らが何を言っているかは、その会員名簿を見れば分かる。

 2017年のWEF傘下NVAインド・ビジネス・カウンセルの構成メンバーは次の通り。

①農業用農薬の世界最大の供給元であり、現在はモンサント社のGMO種子を扱うバイエル・クロップサイエンス、
②米国穀物会社のカーギル・インド、
③GMO種子・農薬メーカーのダウ・アグロサイエンス、
④GMO・農薬メーカーのデュポン、
⑤穀物カルテル大手のルイ・ドレフュス・カンパニー、
⑥ウォルマート・インド、
⑦インド・マハヒンドラ&マヒンドラ(世界最大のトラクター製造企業)、
⑧ネスレ・インド、
⑨ペプシコ・インド、
⑩ラボバンク・インターナショナル、
⑪インド銀行
⑫世界最大の再保険会社スイス・リー・サービス、
⑬化学メーカーのインディア・プライベート・リミテッド、
⑭そしてインド第二の富豪であり、モディのBJP党の主要な出資者でもあるゴータム・アダニのアダニ・グループ

 インドの農民組織はひとつもこのリストには載っていないことに注目してほしい。

 モディの一番の支援者であるゴータム・アダニがWEF NVAインド・ビジネス・カウンセルに参加しているほか、ムケシュ・アンバーニはクラウス・シュワブの世界経済フォーラムの理事会にも参加している。アンバーニはインド最大のコングロマリットであるリライアンス・インダストリーズの会長兼社長であり、約740億ドルの資産を持つアジアで2番目の富豪である。アンバーニは、リライアンス社が巨額の利益を得ることになることから、この過激な農業改革を強力に支持している。

 12月にパンジャブ州の農民は、モディ首相の胸像を燃やした。同時にリライアンス・インダストリーズのムケシュ・アンバーニ会長、アダニ・グループのゴータム・アダニ会長の胸像も燃やした。それはこの二人がモディ新法の背後にいることを非難してのことだった

 これらの巨大企業のことを少しでも知っている人にとっては、インドの推定6億5千万人の農民の利益や福祉が優先されていないことは明らかである。注目すべきは、現在アメリカ在住インド人であるIMFのチーフエコノミスト、ギータ・ゴピナートがこの法律を支持し、最近制定されたこのインドの農業法が農家の所得を増加させる「可能性」を持っていると述べていることだ。

 11月26日、農民を支援する約2億5千万人の全国ゼネストが始まった。1,400万人以上のトラック運転手を代表する運輸労組が農民組合の支援に乗り出した。これはBJPモディ政権にたいしてはこれまでで最大の挑戦である。政府が引き下がろうとしないという状況があるので、闘いは厳しいものになるだろう。

 「アジェンダ 2030」――クラウス・シュワブが好む言い方を使えば、世界の食料・農業産業を変革するための「グレート・リセット」――を成功させるためには、世界最大の人口を持つインドを、グローバル・アグリビジネス企業の管理する網の中に引き入れることが最優先事項である。モディの規制緩和のタイミングは、明らかに、国連2021年食料システム・サミットが念頭にある。

AGRAと国連食料システム・サミット


(アグリビジネスの)この目論みがインドの農民に語られるのは、来る9月の国連食料システムサミットにおいてだ。2019年に国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、国連2030年の持続可能な開発目標と整合性のある「食料システムアプローチ」の利益を最大化することを目的に、2021年に国連が食糧食料サミットを開催すると発表した。同氏は、2021年の食料システム・サミットの特使にルワンダのアグネス・カリバタを指名した。サミットの基調声明では、GPS、ビッグデータとロボット工学、さらにはGMOなどの「精密農業」を解決策として前面に押し出している。

 戦争で荒廃したルワンダで農相を務めたカリバタは、アフリカにおける緑の革命のための同盟(AGRA)の会長でもある。AGRAは、ゲイツ財団とロックフェラー財団によって、遺伝子組み換え特許を取得した種子と関連する化学農薬をアフリカの農業に導入するために設立された。ゲイツがAGRAの責任者に据えたキーパーソンであるロバート・ホルシュは、モンサント社の幹部として25年間働いていた。

 ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、WEFの「献金パートナー」でもある。

 15年近く、ゲイツやロックフェラーなどの大口寄付者から約10億ドルの資金援助を受けてきたAGRAは、農民たちの暮らしを引き上げることなどしてきていない。農民たちは政府の強制力で、営利目的の企業から種子を買わされている。こういった企業はモンサントや他の遺伝子組み換え企業と結びついていることが多い。肥料についても同様だ。

 その結果は借金であり、破産してしまうことも多い。農家はそれらの企業から買った種子の再利用は禁じられ、再利用できた伝統的な種子は放棄しなければならなくなっている。AGRAが重視している「市場志向」とは、カーギルをはじめとする穀物カルテルの巨大企業が支配する世界的な輸出市場のことである。1990年代には、ワシントンとアグリビジネスからの圧力の下で、世界銀行はアフリカをはじめとする発展途上国の政府に農業補助金の廃止を要求した。それも、アメリカやEUの農業は多額の補助金を受けている間のことである。補助金を受けたお陰で値段の安いEUやOECDの輸入品は、地元の農家を倒産に追い込む。それが狙いなのだ。

  AGRAに関する2020年の報告書「False Promises(うその約束)」の結論は、「鍵となる主要生産物の収量増加率はAGRA以前も、AGRA設立後の期間も全く同じように低かった」となっている。飢餓を半減させるどころか、AGRAが立ち上げられて以来、焦点となっている13カ国の状況は悪化している。飢餓に陥る人々の数は、AGRA設立後の期間に30%増加した・・・AGRA重点13カ国の1億3千万人に影響を与えている。」 ゲイツが主導するAGRAは、アフリカの食料生産をこれまで以上にグローバル化し、資金投入をケチることを目的とするグローバルな多国籍企業の意思への依存度を高めた。農民たちは借金に追いやられ、遺伝子組み換えトウモロコシや大豆のような特定の「換金作物」を輸出用に栽培するよう迫られる。

 ゲイツ財団「農業発展戦略2008-2011」にその戦略の概要が描かれている:

 「剰余作物を生産する力のある小規模農家は、市場志向の農業システムを作り出すことができる。・・・貧困からの脱出のため・・・成功の見通しとしては、市場志向の農家が儲かる農業をすること・・・そのためには、ある程度の土地の流動性と、直接農業生産のために雇用する人間の総数を今より少なくすることが必要になるだろう。」 (太字強調は筆者)

 2008年、ラジーヴ・シャーはゲイツ財団の農業開発担当ディレクターに就任し、ロックフェラー財団と共にAGRAの設立を主導した。現在のシャーは、ロックフェラー財団会長であり、AGRAにおいてはゲイツの共同運営者となっている。同財団は、1970年代に特許を取得した遺伝子組み換え(GMO)種子の作成に資金提供、世界銀行と共同で*CGIAR種子銀行に資金提供、1960年代に失敗したインドの緑の革命にも資金を提供していた。ラジーヴ・シャーはまたWEFの課題提供者の役職にも就いている。世界は小さい。

*CGIAR
国際農業研究協議グループ(CGIAR (Consultative Group on International Agricultural Research)とは、開発途上国の農林水産業の生産性向上、技術発展、貧困削減、環境保全を目的に1971年に設立された国際組織。

 
 AGRAの会長が2021年9月に開催される国連食料システム・サミット(「食料システム」という言い方に注意)を指揮するという事実は、国連、ゲイツ財団とロックフェラー財団、世界経済フォーラム(WEF)、そしてそれらがグローバル巨大企業と隔たりなくつながっていることを暴きだしている。

 14億の人口(恐らく半数は農民)を持つインドは、グローバルなアグリビジネスがその食料生産を支配することができていない最後の砦だ。

 OECDでは数十年前からアグリビジネス産業によるグローバル化が進んでおり、食の質と栄養の悪化がそれを裏付けている。中国は門戸を開き、こめ*シンジェンタ社を買収し、世界で遺伝子組み換え作物を積極的に押し進める役割を果たしている。また、中国は(農薬)グリホサートを世界で一番多く生産する国になっている。
*Syngenta
シンジェンタは、スイスに本拠地を置く多国籍企業。農薬や種子を主力商品とするアグリビジネスを展開している。農薬業界で世界最大手。種苗業界では、モンサント、デュポンに次ぐ世界第3位。2012年度の売上は約142.02億ドルであり、世界90ヵ国以上に27000人を越える従業員を抱えている。2016年に中国のケムチャイナにより買収された(ウィキペディア)


 最近起きたアフリカ豚熱の発生源とされるスミスフィールド農場のような工業型豚肉農場の存在で、中国国内の小規模農家は消滅の道を辿っている。

 国連2021年食糧システム・サミットにおけるゲイツ・ロックフェラーAGRAの中心的役割、世界の「食料システム」リセットにおけるWEFの大きな役割、そしてここ数ヶ月間のモディ政権への圧力は、アフリカで行われたのと同じように、企業の目論みをインドでも実行しようとするものであり、それは偶然なんかでは全くない。それは、世界を壊滅的な凶作とそれ以上の災厄に向かわせるものである。

*

F. William Engdahl is strategic risk consultant and lecturer, he holds a degree in politics from Princeton University and is a best-selling author on oil and geopolitics, exclusively for the online magazine “New Eastern Outlook” where this article was originally published. 

He is a Research Associate of the Centre for Research on Globalization.

Featured image is from New Eastern Outlook

 

関連記事

軍人の家族の半数以上はCOVIDワクチンをうちたがっていない。– 法的には雇用者はワクチンの臨床試験の強制接種をさせることはできない

<記事原文>Over Half of Military Families Do Not Want COVID Vaccines – Employers Cannot Legally Mandate Experimental Shots

ブライアン・シルハビー著

グローバル・リサーチ 2021年2月21日

<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ 2021年3月15日

  

 サイトの「ワクチン・リアクション」の報告によれば、最近の調査結果では、米軍の軍人の家族の53%がCOVIDmRNAの試用ワクチンの接種を望んでいないことが分かった。

(以下はその記事からの引用)

 米軍の支援NPOであるブルー・スター・ファミリーが12月に行った調査の結果によると、米国軍人の家族の53%がCOVID-19試用ワクチンの接種を望んでいないことがわかった。この試用ワクチンは緊急使用許可(以降EUA)措置のもとで流通され、米国食品医薬品局(以降FDA)により許可されている。

 さらに、この調査によれば「ワクチン接種を望んでいない」と回答した軍人家族の53%のうちのほぼ4分の3の回答者は、ワクチン開発過程や開発に掛けた時間について不信感を抱いていることがわかった。

(引用終わり)

 「ワクチン・リアクション」によれば、海外駐留軍人についても、大多数の人々がCOVIDワクチン接種を拒んでいるようだ。

(再度記事からの引用)

 米国防総省によれば、海外駐留軍人や国内の特別警備業務に当たっている軍人たちは、COVID-19ワクチンを接種することを望んでいないとのことだ。

 32万人程度の軍人や文官達がすでにワクチンを接種しており、76万9千本という大量のワクチンが、国防総省(以降DoD)内に未使用のまま置かれているという。

 国防総省の公式発表によれば、COVID-19のワクチンが、FDAによりEUA(緊急使用許可)と分類されていて、まだ完全に承認されていないので、DoDは軍人にワクチン接種を強制できない、とのことだ。

 空軍のポール・フリードリッヒ准将によれば、米国の核兵器についての責任者たちでさえ、ワクチン接種を拒んでいるという。

(引用終わり)


 法的には雇用主は、被雇用者に試用段階の医療品を強制することはできない

 軍は軍人に対して、試用段階であり、FDAから承認を受けていない医薬品の注射を受けさせることは、法的に認められないことを把握しているが、米国の私企業の中には、そのような注射を被雇用者に受けさせようとしているところもある。

 先月、当サイトではウィスコンシン州の或る老人ホームで、mRNACOVID試用ワクチンの接種を拒んだ被雇用者を解雇しようとしている事案について報じた。その記事はこちら。 Wisconsin Nursing Home Believed to be First in U.S. to Fire Staff for Refusing Experimental COVID Injections

 Townhall.comというサイトが、その後日談を掲載している。それによると、その老人ホームは、強制接種させようとしたことに対して反発を受けており、現在1人の被雇用者が、弁護士を立てているところだそうだ。そしてその弁護士は、同老人ホームに停止通告書(訳注:知的財産権の侵害行為を行っている者に対して,侵害行為を直ちにやめ,そして永久に行わないことを求める書簡のこと)を送付したとのことだ。

(以下はTownhall.comの記事からの引用)

 「雇用者は、強制的にCOVID-19ワクチンを接種しないといけない。さもなくば被雇用者は解雇」というウイルソン州ロック郡所有の老人ホームの措置は、「不法なものであり、執行不能な契約だった」と、同老人ホームの雇用者のために提出されたこの停止通告書にはある。

「ワクチン接種命令により、貴施設はすべての被雇用者にCOVID-19ワクチンのひとつを強制的に接種させようとしています」。これは、ニューヨークに拠点を置くシリ・グリムスタッド法律事務所のエリザベス・ブレーム弁護士が、ジェーンズビル市の高度介護医療老人施設の従業員であるアンバー・デジーンズのために書いた停止通告書の内容だ。

「ウィスコンスン・スポットライト」が入手したその停止通告書は、2月16日に、ロック・ヘイブン・一時老人介護施設のサラ・ベラン所長とロック郡のジョシュ・スミス知事に送付されたものだ。その停止通告書が両者に伝えているのは、ワクチン強制接種措置は、法律上認められた注射をうけるかどうかの決定権を被雇用者から奪うことになる、という内容だった。

 「貴社は、被雇用者個人の医療措置に関する決定権を明確に無視している」とブレーム弁護士は記している。「この停止通告書をもって、私たちは貴社にCOVID-19ワクチンの強制接種要請を取り下げることを要求します。この要求にただちに従わない場合は、この法的な要求に応じなかったとして、貴社に対して法的措置をとります。適切な行動をお取りください」。

 この停止通告書は、雇用主が被雇用者にCOVID-19ワクチンを強制的に接種させることができない理由を提示している。

 12月にFDAは、2社(ファイザー社とモデルナ社)のワクチンの緊急使用を承認した。両社のワクチンは、COVID-19を95%防ぐ効果があると言われている。しかし、これらのワクチンは多くの点において試用段階であり、無許可のワクチンである。これらのワクチンはまだ完全にFDAに承認されたわけではないのだ。長期にわたる健康面への影響や、ワクチンの効果については、まだ分かっていないことが多い。というのも、このワクチンは、通常医薬品が承認されるまでにかかる期間と比べたら、電撃のような速さで開発されたものだったからだ。

 この停止通告書が指摘している通り、ワクチンの緊急使用を認めた同じ法律には、市民には「医薬品の投与を受容するか拒絶するかを決める権利がある」とある。

 その通知書によれば、法的な禁止措置は、FDAと アメリカ疾病予防管理センター(以降CDC)にも適応されるとのことだ。予防接種慣行に関する諮問委員会のマンディー・コーエン委員長は、こう公言している。緊急使用許可(EUA)段階においては、「ワクチンの強制接種は許されていない」と。

「両社のCOVID-19ワクチンの接種者と介護者に関する注意書き」の1頁にはこうある。「COVID-19ワクチンを接種するかどうかの決定権はあなたにあります」。そのことが通知書にも書かれていた. (情報源はこちら)

(引用終わり)

 
 CDCやFDAの提起により、連邦法や連邦の指針がこのような強制措置は違法であるというのであれば、なぜ雇用の条件としてこのような強制接種を課そうとする雇用主がいるのだろうか?

 これらの雇用主が依拠しているのは雇用機会均等委員会(以降EEOC)が出した見解である。この見解によれば、被雇用者がCOVID接種を拒否すれば、雇用主には、被雇用者を職場から追い出す権利があるとしている。以下はAs Townhall.com
の記事だ。


(記事からの引用)

「しかしEEOCの指針によれば、COVID-19の接種を拒んだ被雇用者は職場から追い出される可能性があるとなっている」。

「さらにEEOCの指針が強調しているのは、「差別禁止法」は雇用者がCDCなどの連邦や州や地方の医療行政機関から出された医療的な指示を守ることを禁じていないという点だ。これは、ナショナル・ロー・レビュー誌の報道による。

 例外はある。被雇用者は公民権や、その人がもつ障害や、宗教的理由の下では守られる。そして雇用主は、ワクチン強制接種を理由に被雇用者を解雇する場合は、最新の注意を払わなければならない。

 「雇用主が、被雇用者を、雇用機会均等委員会(EEOC)の見解に基づいて職場から追い出すことはできるが、雇用主は被雇用者をそのために解雇したり、被雇用者に害を与えるような行為は避けるべきだ。その前に、その被雇用者がリモートで働くことが可能か、国や、州や、地方の他の雇用関連法や規則によって権利が守られているかについて良く見極めるべきだ」とナショナル・ロー・レビュー誌の記事は助言している。

 ウィスコンスン州選出の国会議員はある法案を提出している。その法案は今問題になっている、ロック・ヘイブン老人ホームのようなワクチンの強制接種措置を禁じる法案だ。

(引用終わり)

 
 メリル・ナス医学博士という人物がいる。彼女は、湾岸戦争時に軍内部で起こった大規模な障害を全国規模であきらかにしている活動で、指導的役割を果たしている。その障害というのは、湾岸戦争当時、FDAが承認していない炭疽病ワクチンを強制接種したために起こったものだ。ナス博士は、このワクチン強制接種問題を今週末、彼女のブログで取り上げている。

(ここからブログからの引用)

 現在米国で使用されているCovidの2社のワクチンは、試用段階であり、承認されていない製品です。そんなものを強制接種させることはできません。

 「ニュルンベルク綱領 」やその後制定された法律により、市民には実験参加者になるかどうかの決定権が保障されています。試用により、今までの考え方を変えるような可能性があるかもしれませんが、試用段階にある製品は、あくまで試用段階の製品にすぎません。

 これらのワクチンは、FDAにより承認されたものではありません。だからこそ、これらのワクチンはまだ試用段階にすぎないのです。従ってこれらのワクチンの接種を強制することはできません。

 これらのワクチンは非常事態下での限られたデータに基づいて「許可」されたものです。ジョンソン&ジョンソン社のワクチンも、今週、同じような許可(認可ではない)を受けることになるでしょう。

 ジョンソン&ジョンソン社のワクチンも許可されれば、試用製品となるでしょう。これらのワクチンは、FDAから緊急使用許可(EUAs)措置を受け、3社のワクチンの臨床実験がそれぞれ進行することになります。

 まだ連邦政府や州が、学童や医療従事者などに強制的にこれらのワクチンを打たせるという事態には至っていません。その理由は、政府が、強制接種を課したり、すべての市民を実験台にすることが法的に認められていないことを認識しているからです。もしそんなことをして、裁判に訴えられたとしたら、ほぼ確実に敗訴するでしょう。

 しかし、連邦政府がやったことは卑怯なやりかたでした。私企業の影に隠れていたのです。政府の雇用機会均等委員会(以降EEOC)がこんな声明を出していました。それは、実質的には私企業によるCOVIDワクチンの強制設置を誘発する内容でした。EEOCは、私企業がそのような強制を課すことは問題ないという声明だったのです。

 私や他の多くの人々が考えているのは、雇用主による強制は、もし訴訟になれば不法だという判決が出るだろうということです。TVプロデューサーのデル・ビグトリーや彼が主催する団体ICAN(インフォームド・コンセント・アクション・ネットワーク)は、そのようなワクチンの強制措置事例と闘う被雇用者たちを支援しています。

 私は、軍が許可したEUA段階の炭疽病ワクチンは、強制接種できるのかについての訴訟を起こしていました。そのような訴訟は私が起こした以外にはありませんでした。2005年にワシントンDCの第1地方連邦裁判所で、エメット・G・サリヴァン裁判官による判決が出されました(被告はラムズベルト元国防長官)。彼の判決は、「連邦法のもとではEUA段階のワクチンは強制できない」というものでした。

 軍はCOVIDワクチンに対してとても敏感になっているということを聞いています。ワクチン接種を選んだ兵士達は、インフォームド・コンセントに署名しているそうです。そして、多くの兵士達がワクチン接種を拒絶しているそうです。

 市民たちは、これらのワクチンについて、知られていることや未知のことについての情報を完全に与えられているのでしょうか?その上で同意書に署名をしているのでしょうか? (情報源はここ)

 (引用終わり)


 この試用接種が始まってから数週間ずっと、当サイト「ヘルス・インパクト・ニュース」が伝えてきた通り、何千もの人々がワクチン接種のために障害を受けたり、亡くなったりしていることが報じられている。

 接種の結果、深刻な障害を負って生きていかなければならなくなった人たちも、これらの障害に対応する支援を見つけられていないのだ。それでもファイザー社やモデルナ社を訴えることはできない。というのも、EUAは両社からその責任を免除しているからだ。さらに医師たちはまったくCOVIDmRNAワクチンによって引き起こされた障害の治療をする準備はできていない(そしておそらく、多く医師はそれを望んでいない)。被害者は、自力で、そして自費で、解決したり、支援を求めたりするしかない。


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日本がヒトラーやムッソリーニと同盟したのは、米国の侵略のせいだった。


<記事原文 寺島先生推薦>

History: US Encroachment Encouraged Japan To Support Hitler and Mussolini


シェーン・クイン著

グローバル・リサーチ 

2019年8月21日

 
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2021年3月10日

 

 1940年9月下旬、来栖三郎ら日本政府の代表者たちが空路ベルリンに到着し、当時の欧州覇者であったアドルフ・ヒトラーからの表敬を受けた。横浜出身で、経験豊富な外務官であった来栖は、第三帝国が強固に見えた当時のナチスの自信のほどに気付かずにはいられなかった。

 来栖が新しく建てられた総統官邸に足を踏み入れたのは、1940年9月27日のことだった。そこで来栖はナチスとベニート・ムッソリーニ下のイタリアとの間で重要な軍事同盟に署名した。この同盟は、日独伊三国同盟と呼ばれた。ほとんど忘れられているこの同盟が締結されたのは、ソビエト連邦とアメリカ合衆国に対抗するためだった。そして、そのことをアメリカ政府もロシア政府もはっきりと認識していた。

 しかし、日本には怒りをもつ正当な理由があった。特に、当時世界最強国であった米国に対しては、だ。米国の産業や軍事力は、はっきりとアジア領域に侵略しはじめていた。そこは、日本が自国領にしたいという野望を持っていた地域だった。

 問題の核心はこうだった。日本は歴史上、どこの国からも侵略されたことがないという自負を持った国だった。そして日本は当時、結果はどうあれ、他国から干渉されずに、自国の運命を自国で決めたいと熱望していた。日本では急速に産業化が進み、資源の少ない国として、必要となる鉱物資源の入手先を必死に拡大しようとし始めていたのだ。

 米国政府は、西半球を支配しただけでは満足できずに、日本を支配化に置き、太平洋における米国政府の深い欲望を満たそうという望みをもっていた。この動きは、1930年代、日本政府に対する強硬な外交政策の後ろに隠された米国の執拗な目的だったのだ。米国史が専門の高木八尺教授が、以下の様な疑問を持ったのも、もっともだ。「アメリカは、アメリカ大陸にはモンロー主義を、アジアには門戸開放政策をとっていたはずなのに・・・」

 日本がナチス先導で形成された日独伊三国同盟に加入することに関して、1940年代初期の米国の外交政策がとった戦略は、このことを、米国民の日本政府に対する敵対心を高揚させるためのプロパガンダとして使用する、ということだった。米国の歴史家、ポール・W・シュローダーは、このことを理解しており、以下の様な文章を残している。

 「日独伊三国同盟は、米国の外交政策によって改めて問題化されたのだ。というのも、米国民に対して、日本との戦争を起こす空気を醸成するのに有効であると考えられていたからだ」

 日本は主要な敵国に囲まれ、分断され孤立させられていたため、日本の指導者たちは窮地を脱する方法を探そうとして、当時欧州で難攻不落であるように見えていた魅力的なナチスという相手を見つけ出したのだ。その後ろにはムッソリーニ政権のファシストも見えていた。日本が日独伊三国同盟に踏み出したのは、よこしまな狙いを持っていたというよりも、捨て鉢な対応を採らざるを得ない状況と地政学的な理由があったったためなのだ。

 日本が日独伊三国同盟に署名する数時間前、米国政府は日本政府に対してくず鉄の完全な禁輸政策を課した。これは日本にとっては本当にやっかいな問題だった。というのも、日本は、材質面においても、金銭面においてもくず鉄に依存していたからだ。

 さらに、米国政府と従属的な関係を結ぶことは、日本の軍部の強硬派だけではなく、大多数の穏健愛国派にとっても耐えがたいことであった。両派とも日本が、「米国にとって御しやすく、覚えの高い、下請け企業的」存在になることは望んでいなかった。実は、戦後は、そのような状況になってしまうのだが。

 米国の平和主義論者であるA.J.ムステは、この先起こるであろう、敵国間での世界規模の衝突をこう見ていた。「生存と支配を賭けた二勢力間の衝突になるだろう」と。ムステによると、その一方の勢力は英、米、そして「自由な」仏であり、この三国が「地球上の資源の70%を支配」し、「もう一方は、独、伊、ハンガリー、日本であり、世界の資源の15%を支配する」とのことだった。つまり、1940年代に、枢軸国が世界の大半を支配していたという言説は長年の神話に過ぎなかったのだ。

 1940年1月に、米国政府は、1911年に締結した日米通商航海条約を破棄した。このことが、日本が仏領インドシナや、蘭領インディーズ(インドネシア)や、フィリピンなどを占領する作戦に焦点をあてるきっかけとなった。これらの地域はすべて日本政府が領有したいと考えていた西側諸国の植民地だった。日米通商航海条約の破棄が致命的要因となり、多くの日本の穏健派たちが、枢軸国から支援を求める必要性を認識することになった。

 ヒトラーは日本を仲間に引き入れることで非常に安心感を覚えていたようだ。ただし、ヒトラーは日本の実力を過大評価していた。1941年の下旬に日本政府が真珠湾攻撃を決定したことは、いわばじりじりと窮地に追い込まれた野生動物の反応だったのだ。日本にとっての喫緊の課題は、真珠湾攻撃の数ヶ月前に、ルーズベルト政権が全米の日本資産の凍結を行ったことだった。それには英国政府やオランダ亡命政府も後に続いた。 これにより日本の石油輸入は一気に90%減少し、対外貿易も75%減少した。

 広範囲で第2次世界大戦を戦った経験のあるカナダの歴史家、ドナルド・J.ゴッドスピードは、こう記している。

 「ルーズベルトの対応は本当に過激だった。経済戦争を宣戦布告したともとれるものだった。その月(1941年の7月)の終わりから、日本は自国に保存していた石油を使わざるをえなくなっていた。それは8ヶ月分しかなかったのだ。従って、日本の内閣がその状況を打破する他の選択肢を考えようとしていたのは驚くことではない。戦争を起こすことも含めて、だ」

 その12ヶ月前の、1940年の7月、米国政府は日本政府に対して航空燃料の禁輸を突きつけていた。この航空燃料は、日本は米国以外のどこからも手に入れることのできないものだった。そして、日独伊三国同盟締結の直前に、日本は資源不足を解消しようと、仏領北インドシナに侵攻した。北インドシナは、日本領内から約1000マイル離れたところにあった。

  日本政府の北インドシナ攻撃の理由が、不安に基づくものであることは理解できることであった。米国の歴史家であり活動家でもあるノーム・チョムスキーは、北インドシナに対する日本の姿勢について、こんな記述をしている。

 「真珠湾攻撃の目的は基本的には2つあった。一つは、蒋介石政権への物資供給を止めることであり、もう一つは蘭領東インドの石油を獲得する足がかりを得ることだった」

 中国の反共産主義者であった蒋介石は、愛国心を装った欲望のもとに、西側から支援を受け続けていた。中国の北東部にある鉱物産地を抱える満州などにおいて、中国人の愛国心が高揚することは、日帝にとっては脅威だった。

 日本の戦略の大部分は、蒋介石を支援しようというこうした西側勢力の考えに反発しただけのものであり、日本政府の対応にはほとんど特異なところはなかったと言える。

チョムスキーはこう概観している。

 「19世紀の半ば、日本は西側の軍事力の脅威のために開国した。そしてその後、近代化に向けて目を見張るような成功を収めてきた。それから、日本は東アジアの国々から搾取することで、他の帝国主義諸国の仲間入りをした。日本は台湾と朝鮮と満州南部を占領した。要するに、1920年代の終わり頃に、日本は近代政治用語でいうところの「民主主義国家」になり、大国として果たすべき役割を果たせる国になることを画策していたのだ」

 日本政府が大国として果たすべき役割を果たせる国になろうとしていたことは、西側により妨害され続けていた。1922年の2月、日本は米・英に屈し、ワシントン海軍軍縮条約を批准した。さらに8年後の世界大恐慌直後のロンドン海軍軍縮条約で日本は軍縮を強化するよう追い込まれた。

 米英の支配者層は、日本が自国領海内で支配権を握ることを許さなかった。一方で、米英政府は、自国については自国領内の完全支配を主張していた。

 日本に対する西側からの非常に厳しい締め付けが、1930年代前半から日帝軍内に極右勢力が台頭するひとつの要因になった。日本政府において、ファシスト勢力が権力を握る一方、(意志が弱いと見られていた)日本の文官層は、脅され、暗殺され、解任されることで、その発言力を失い始めた。

 日本政府の政治家たちが何よりも責められたのは、上記の海軍軍縮条約を批准してしまったことだった。

 日本の政治学者である丸山真男は、1932年時点の状況をこう記している。日本において、「過激なファシズムに向けて蓄積されていたエネルギーが一気に爆発した」。その動きは、1933年の2月に国際連合を脱退する決定を行い、日本が領土拡大に向かっていたことによりさらに高まっていった。

  1930年代を通して、西側の経済政策は日本のそれよりもずっとよくない結果を残していた。1932年の夏に、カナダの首都オタワで行われたオタワ会議には、イギリス連邦諸国のかなりの数の政治家が出席した。西側に基盤を置くよく知られているNGO団体、太平洋問題調査会(以降IPR)の報告によれば、4週間にわたる長い議論の主な結論は、「日本のリベラリズムに打撃を与える」ことだった。

 IPRの調査結果によれば、日本が直面しているのは、「鉄や、鋼鉄や、石油や、多数の重要な産業鉱物の深刻な不足」であり、さらに「錫やゴムの供給の大部分が不足している。太平洋地域の産地からだけではなく、世界中の産地からの供給が不足している。そして歴史上の事実として、それらの地域の大部分は大英帝国とオランダが領有している」とのことだった。そして、その領有地域は、その後どんどん米国に移っていった。

 オタワ会議で決められたのは、経済封鎖体制だった。そして、効果的にイギリス連邦諸国との貿易から日本を閉め出すことだった。米国政府も同様の閉鎖的な独立経済政策をとり、日本政府は利益を得ることができなくなった。

 日本は満州地方において、これらの独自経済網の真似をしようとしていた。満州地方は日本にとって当時欠かせない地方だった。日本政府は、1931年の9月の中ごろに満州を攻撃し、翌年傀儡国を作り、その地方を満州国という呼び名に変えた。今や満州国となった満州地方は、西側から支援をうけていた蒋介石のような中国の愛国者たちにとって大きな脅威であった。蒋介石は満州を中国領にしたいと思っていたのだ。さらに、満州地方は、北のソ連の動きを探査するレーダーとしての役割も果たせると考えられていた。

 1930年代が進むにつれ、米国は世界大恐慌からうまく回復しようとしていた。いっぽう日本の回復はそれほどうまくは行っていなかった。

  一例をあげると、日本政府は対インド貿易の拡大を常に目指していたが、1933年に西側がインドに圧力を加えたせいで、その努力が打ち切られてしまった。具体的には、日本からインドへの綿製品の輸入には法外な関税が賭けられることになったのだ。これらの関税は、日本の貿易商にとって決定的な負担となった。インドにおける日本製品市場は1930年代の前半までは安定して成長していたからだ。それまでは、日本にとってインドは、英国に侵略された「すばらしい宝物の国」であったのだ。

 日本の商工会は、資源豊富な島国のフィリピンに進出しようとしていた。その選択肢が少しうまくいきかけていたのだが、日本は、1935年10月、日本からフィリピンへの絹織物の入荷を2年間停止する協定を結ばされた。いっぽう、米国のフィリピンへの輸入品は、無関税のままだった。

 日本経済の発展が専門の米国の研究者ウイリアム・W. ロックウッドは、対比貿易における米国の優位についてこう記している。

 「米国の閉鎖的な経済政策が大きな要因となり、米国製品は優位な地位を確保できた。日本の企業家たちが米国と同じような立場で競争を行うことができたのであれば、貿易における日本の収益の割合が急速に増加したことは疑いのないことである」

 しかし、そうなることは許されなかった。幾度となく、日本の目的は西側発の金融政策により阻害された。さらに、日本製品に対する米国の関税率は100%を超えていた。

 日本の織物製造業は、差別的な政策により、特に厳しい打撃を受けたが、織物製造業は日本の総製造業収益のほぼ50%、総輸出品の約66%を占めていた。さらに、日本の織物製造業には、日本の工場労働者のほぼ50%が従事していた。

 日本は確かに発展国だった。しかしそれは、アジアの中では、という意味でしかなかった。日本は西側のライバル国からはかなり遅れをとっていたのだ。1927年から1932年までの間で、日本の一人あたりのエネルギー消費量はドイツの7分の1だった。日本の銑鉄の生産量は、ルクセンブルクの総生産量の半分以下に過ぎなかった。鋼鉄でさえ、ルクセンブルクの生産量は日本よりもすこし多かったのだ。

 また、西側は、支配下におさめているマラヤや、インドシナや、フィリピンにおいて、関税障壁を設定することで順調に利益を上げていた。日本政府がこのような状況を受け入れられる訳がなかった。
 
 1930年代の中盤になるころには、日本は米国との貿易が著しく減少したことにより、さらに苦境に陥っていた。その主な理由は、米国で大恐慌に対応する関税法が成立したからだ。近隣国である中国との貿易を続けようという日本の努力も、同様に著しく後退させられた。それは、西側の企業が中国の主要都市である北京や南京に入り込んでいたからだ。

 日本政府にかかる圧力は増していた。その結果、1937年の夏に、日本が中国を標的にして領土拡大を始めたことは、全く驚くことではなかったのだ。中国というのは、石炭や、石油や、天然ガスなどが豊富な国だったからだ。それらが、日本が必要としていたものだったからだ。

 さらに日本は、中国とソビエト連邦がより密接な関係を結んだことで、警告を受けることになった。その裏付けとなったのが、1937年8月21日に南京で結ばれた中ソ不可侵条約である。この条約は日本に対抗して締結されたものであり、締結後の数ヶ月後、ヨシフ・スターリンは中国に2億5千万ドルを援助金として与え、その補助金の使い道を「主にソ連製の武器の購入にあてる」よう要請していた。その結果、ソ連製の900機以上戦闘機、82台の戦車、大量のマシンガンやライフルや爆弾などが購入され、さらには1500人以上のソ連軍の助言者と、2000人程度の空軍の軍人が訪中した。

 日本が「東アジアがボリシェヴィキ化してしまう」ことを懸念したとしても全くおかしくはない。ますます募る外憂に直面し、日本の野望は抑えきれなくなった。1938年12月22日、日本の近衛文麿首相は、こう語っている。

 「中国が認識すべきことは、日本が支配している中国の内部地域においては、居住や貿易の自由が認められていることです。日本が目指しているのは、日中両国民が経済的利益をえることです」

 定説とは矛盾するが、日本政府が中国に対して長年期待していたのは、中国を丸呑みしたり、中国の大部分を手中にいれることではなかったのだ。

  チョムスキーは、日本が中国に対してどんな意図を持っていたのかについてこう説明している。

 「日本は中国に対して、合併したり補償金を得たりすることは考えていなかった。それとは別のやり方で新しい秩序を打ち立てようとしていたのだ。それは、中国と日本を西側帝国主義から守ることだったのだ。西側による不平等条約や治外法権と対抗することだったのだ。その目的は、日本を裕福にすることではなく、日中が協力することだった(もちろん、日本が主導権を握った形で、ではあるが)。日本は中国に資本や技術支援を提供すると同時に、原料の支給を戦略的手段として使う西側諸国への依存からの脱出を求めていたのだ」

 日本政府の要望の一つであった西側諸国への原料依存からの脱却が、日本が領土拡大をするという夢の基盤だったのだ。結局その夢は、最悪の悪夢に終わってしまったのだが。

 
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2015年にフリント市の水道で起こった鉛汚染は、子どもの脳に損害を与えたのだろうか?


<記事原文 寺島先生推薦>
Did Flint’s Water Crisis Damage Kids’ Brains?


 
ザ・ニュー・パブリック
エミリー・アトキン著

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月10日

 「デトロイト・フリー・プレス」紙のコラムニスト、ロッシェル・リリー記者は、鉛汚染の被害を受けたミシガン州フリント市の子どもたちについて驚くべき記事を載せた。記事の内容は、同市の子どもたちの読み取りにおける成績は、2014年から始まった水汚染問題以来、どんどん低下しているということだった。州政府の報告によると、2014年からから2017年の間に、同市の3年生の読み取り能力は41.8%から10.7% にまで低下している。「これはフリント市の水汚染危機の際、鉛に汚染された水道水によって、生活に影響を及ぼされた子どもたちの読み取り能力が、4分の3近く低下したということになる」と、リリー記者は記している。

 成績が低下したことには、これ以外の要因もある。2015年にテストが難しくなったことだ。その結果、ミシガン州内の3年生の読み取り能力は、70%から44%に低下した。しかしフリント市の成績の低下は、ミシガン州の平均よりもずっと低かった。ミシガン州のブライアン・ウィストン教育長がリリー記者に語ったところによると、この結果は「受け入れがたい」ものであり、このような学力低下を招いた原因のひとつに「ストレス」がある、とのことだった。しかし、リリー記者はこの教育長の説明には納得しなかった。「受け入れがたいことは他にもある。それは、ミシガン州が3年前に或る取組を実行しなかったことだ。その取組とは、被害を受けた子どもたちの発達状況をしっかり見届け、発達状況を継続して評価し続けるという取組だ」とリリー記者は書いている。

 リリー記者の怒りに同意する人々は他にもいた。

 サイト「ザ・センター・フォー・アメリカン・プログレス」は、フリント市の水汚染問題は、「子どもたちの読み取り能力の危機を招くことになった 」とした。さらにオンラインメディアのハフ・ポストのアラナ・バギアノス記者は、「子どもたちに大きな悪影響を及ぼした」とツイートした。 この懸念は以下のような事実により裏打ちされている。すなわち、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によれば、鉛汚染を受けた子どもたちは、「学習障害や問題行動を示す可能性があり、危険なレベルの発作や昏睡状態や死さえ引き起こす場合もある」とのことだ。



 もちろん、すべての人がフリント市の水汚染問題が、子どもたちの読み取り能力の低下に大いに関係しているということに納得しているわけではなかった。「マザー・ジョーンズ」誌のコラムニストのケビン・ドラム記者はこう書いている。「鉛の摂取量が少量増えたからといって、こんな 大きな影響が出るとは考えにくい」。さらに彼は「鉛により症状が出るのは、主に1歳から5歳までの子どもたちだ。今回問題になっているのは、8歳児だ。体内に取り込まれる鉛の量が少し増えた程度では、このような大規模で、しかも即時的な悪影響が出るとは考えにくい」と。さらにドラム記者がつけ加えたのは、鉛が読み取り能力低下の原因だったとしたら、「読み取り能力は、鉛が除去された2016年より後には向上していたはず 。でもそうならなかった。成績は下がり続けた。そして、ミシガン州全土でも同じように成績は下がり続けている」

  

 しかし、ドラム記者の分析は間違った認識に基づいている。それは、鉛汚染がどのように作用したかについてと、フリント市の水道の汚染の現状についての2点だ。鉛はまだフリント市の水道から「除去された」わけではないのだ。 2018年2月13日のミシガン州の検査結果によると、フリント市内の9校の小学校のうち5校が、少なくともひとつの検査において、今年(2018年)ミシガン州で定められている閾値を超える値を出していることが分かった。 ある小学校においては、93件の検査項目のうち14件において 15ppb(10億分率)以上の鉛含有率が確認された。そして100ppbを超えている箇所が2箇所確認された。AP通信社の先月(2018年1月)の記事によると、  2017年の下旬においても、フリント市内の4つの学校や複数の介護施設で、水道水中に高い濃度の鉛が検出されていた。

「2016年に鉛が除去されたていたとしても、子どもたちの脳に与える鉛の影響は、消えることはなかっただろう」と話すのは、小児科医で、マウントサイナイ医科大学グローバル・ヘルス部の部長フィリップ・ランドリガン医学博士だ。ランドリガン博士は、鉛に関する世界的な権威であり、鉛がこどもの脳にどんな影響を及ぼすのかについて研究した最初の研究者のひとりである。「極少量の汚染でも、鉛は子どものIQを低下させ、集中力の持続時間を短くし、子どもの行動に悪影響を与えることが分かっています」 とランドリガン博士は語っている。「追跡調査の結果分かっていることは、子どもの頃に鉛の汚染を受けた場合、後に失読症になりやすく、問題行動を起こし、法律に反するような行為を行なう傾向が強いということです。このことについては、疑念を挟む余地はありません」

 「鉛は8歳児の読み取り能力に悪影響を及ぼさない」というドラム記者の主張は、精査された研究を受けたものではない。今8歳の子どもたちは、水質汚染が始まった2014年には4歳か5歳だった。まさにドラム記者が指摘していた年齢だったということだ。そして、その点に関しては、ドラム記者は正しかった。ランドリガン博士によれば、鉛汚染により最も激しい被害を受けるのは、1歳から5歳までの子どもだそうだ。というのもその年代の子どもたちの脳や身体は急速に発育するからだ。しかし、「子どもたちへの影響が6歳になればピタッと止まるわけではありません」とランドリガン博士は語っている。「鉛の被害が20代全般まで続く可能性も実際はあります」。さらに、鉛汚染の影響は慢性化する傾向がある、というのは汚染された顔料や水が影響を与えるのは長期間になるからだ、とのことだ。ランドリガン博士によると、体内に鉛を所持している8歳児は、その鉛をずっと血液内に留めておくことは有り得ることだ、とのことだ。

 ただし、だからといって、フリント市の水汚染が子どもたちの読み取り能力の低下の原因になった、とはまったく言えないのだ。「学童の読み取りテストの点数を下げる理由には何百万もの要因がある、ということは承知しています。ほんとうにすべてです。学校の質や、子どもたちの家庭の質など、本当にすべてが要因になります」とランドリガン博士は語っている。「私は、鉛が子どもたちにひどい悪影響を与えることを深く信じていますが、それでも、鉛が子どもたちの成績低下につながったと言い切ることにはしっくりきません」と。鉛が成績低下の真犯人であることを証明するためには、フリント市と、フリント市と環境がよく似た(具体的には、学校や、地勢や、読み取りテストが似ている)、鉛汚染がなかった他の地域とを比較する複数年の研究が必要となる。

 フリント市の保護者は、自分たちが心配するのは当然のことであるという事実を知るべきである。さらには、鉛汚染に苦しんでいる子どもをもつ全米の親たちもそうだ。CDCの報告によると、「子どもがいる家庭で少なくとも400万家庭は、鉛汚染を受けている。さらには1歳から5歳の子どもたちのうち約50万人の血液中の鉛濃度が、1デシリットルにつき5ミリグラムとなっている。 この数値は、CDCが公的医療機関に、なんらかの対応措置をとるよう推奨している数値だ」と。厳密にいえば、子どもにとって安全な血液中の鉛濃度などは存在しない。2016年12月のロイター通信社の調査によれば、全米の「ほぼ3000地域において、汚染されたミシガン州のフリント市よりも高い濃度での鉛汚染状態にある」とのことだ。

 ドラム記者の記事によると「鉛の危険性を人々に警告することは大事なことだが、パニック状態を誘発するのは良いことではない。子どもというものは周りの環境によく気がつくものだ。フリント市の水汚染のせいで子どもたちの頭が悪くなっている、という話を子どもたちが聞けば、子どもたちのテストの成績は下がるだろう」とのことだ。そのようなことが起こる証拠は、ドラム記者は提示せず、「常識的に考えて」としている。しかしランドリガン博士はこう語っている。「私は太鼓判をおして言えることは、鉛は子どもたちの脳に悪影響を及ぼすということです。そして、フリント市の何千人もの子どもたちは鉛汚染にさらされました。この現実を知れば、人々の関心が広がり、行動を呼び起こすことになるでしょう。おそらく、多くの親たちが自分の子どもたちに検査を受けさせるようになるでしょう。そして血液中で鉛が検出されれば、慢性的な被害を防ぐよう行動を取れるようになります」

 鉛汚染は防ぐことのできる問題だ。社会が防ごうと行動を起こせば、政府も解決に向けてもっと取り組みを深めることになるだろう。2016年の大統領選挙後、ランドリガン博士は、ワシントン市で開催された米国鉛サミットに参加した。その場で、博士や他の小児科医たちが提案したのは、米国における鉛汚染をなくすための5カ年計画だった。 その計画によると、汚染にさらされている州や市において、飲料水や顔料に含まれる鉛を除去する方法を考える対策委員会を立ち上げる、とのことだった。さらには、鉛削減作業に従事する若者たちの育成のための就業プログラムの立ち上げも含まれていた。「この計画は綿密に練られた計画でした。この計画には、すべての関係組織が関わっていました。CDCや、EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)や、すべての組織が、です」と同博士は語っている。「しかし、それ以来この計画に関して何の動きも見えないのです」

 政府が動こうとしないのは、適切な研究を行う科学が不足しているからではない。政府にその意思がないからだ。米国人が、鉛汚染が原因となる長期にわたる被害を証明する研究を何年でも待つと言うならば、鉛汚染の解決についても長期間待つことになるだろう。


Emily Atkin is a contributing editor to The New Republic and the author of the climate newsletter Heated.

 

 

 

 

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インドで巻き起こる農民の抗議活動 「農作物の抜本的改革」案の代償は計り知れないものとなる

<記事原文 寺島先生推薦>Farmers’ Protest in India: Price of Failure Will be Immense. “The Plan to Radically Restructure Agrifood”
コリン・トッドハンター著

グローバル・リサーチ
2021年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月5日


 今世界で起こっているのは、ひと握りの巨大企業が、どんな食物を育てるのか、どんな風に育てるのか、どんな農薬を使うのか、誰が売るかを決めてしまっているのが現状だ。この流れの中には、化学物質が添加されている加工度の高い食品も含まれており、その食品が、最終的には業界をほぼ独占している巨大スーパーマーケット・チェーンやファースト・フード店に並べられることになる。これらのスーパーマーケットやファースト・フード店は企業型農業に依存している。

 巨大店舗の棚に並べられている食品の商標は様々あるように見えるが、これらの商標を所有しているのはひと握りの食品会社であり、それに伴い原料の生産は比較的狭い範囲の物に限られている。同時に、選択肢がたくさんあるように見せられていることには、貧しい国々が食品安全保障の犠牲を強いられているから成り立っているのだ。これらの貧しい国々は、農業の生産構造を作り替え、農作物を輸出するために、以下の組織に特別待遇を図るように強いられているのだ。つまり、世界銀行や、IMF(国際通貨基金)や、WTO(世界貿易機関)や、世界規模で展開しているアグリビジネス(農業関連産業)への優遇である。

 メキシコでは、超国家規模の食料販売業者や加工業者が、食料の流通網を押さえ込み、各地域で流通していた食品を追いやり、安価な加工食品を流通させることになっている。そして政府もその動きを直接支援している。自由貿易・投資協定の締結が、この流れに決定的な役割を果たし、さらに、市民の健康が壊滅的な打撃を受けることにもつながった。

  メキシコ合衆国保健省は,2012年に食の安全と栄養に関する報告を出している。それによると、1988年から2012年の間に、20歳から49歳までの女性で太りすぎである人の割合が25%から35%に上昇し、同年代で肥満状態にある女性の割合は、9%から37%に上昇したとのことだ。5歳から11歳までのメキシコの子どもの約29%は太りすぎであり、11歳から19歳までの青年層では35%にのぼることがわかった。いっぽう、学童の10人に1人が貧血の症状を示していた。

 国連の「食への権利」で以前、特別報告者をつとめていたオリビエ・デ・シュッターは、以下のように結論づけている。すなわち、「通商政策によって、長期間、棚で保存できる加工食品や精製食品への依存が顕著になり、フルーツや野菜などの新鮮で腐りやすい食べ物の消費は避けられるようになる」と。さらにシュッターはこう付け加えている。「メキシコで起こっている太りすぎや肥満は避けることができたかも知れない」と。

 NPO法人「グレイン」の2015年の報告によると、北米自由貿易協定(NAFTA)によって、食品加工業への直接投資が行われるようになり、メキシコ国内に世界規模で展開するアグリビジネスやメキシコ国内に全国規模で展開する食品会社を出現させただけではなく、メキシコの小売業界の構造を変えてしまったと言う。(具体的には、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの展開によってである)。

 NAFTAは、外国企業が企業の49%以上の株式を所有することを禁じる法律を撤廃させた。さらには、国内企業の生産割り当て最低ラインを確保する法律を禁じ、外国の投資家が初期投資で利益や運用益を得る権利を拡大した。1999年の時点で、米国企業はメキシコの食料加工業に53億ドルを投資していた。これは12年間で25倍伸びた計算になる。

 米国の食品会社は、メキシコでティエンダ(街角にある店)と呼ばれる零細商店の食品流通網を手中におさめ始めた。このため、栄養価に乏しい食品の普及がすすんだ。それはこれらの企業が、そのような食品の小さな町や共同体に住む貧困層の人たちへの販売を促進したからだ。2012年の時点で、これらの企業による販売網は、ティエンダを押しのけ、メキシコの食品のおもな販売元となった。

 メキシコでは、食の主権が失われたことで、メキシコの人々の健康状態は壊滅的に悪化し、多くの小規模農家たちが生活手段を失ってしまった。それを後押ししているのが、米国からの余剰商品の流入だ。(これらの余剰商品は、米国政府からの補助金によって実際の生産コストよりも安く生産されている)。

 NAFTは、メキシコの何百万人もの農家や、酪農家や、零細小売業で働く人たちを破産に追い込んでいる。そのため、何百万人もが移住労働者として流出した。

インドにとっての警告

 インドの農民たちは、メキシコで起こったことを警告とすべきだろう。インドの農民たちは、新しい3つの農業法案に対する抗議活動を続けている。その法案とは以下の3点を実現させようというものだ。
①契約農業という形態で、農作物を完全に企業の傘下におくこと。
②政府による農民たちへの支援体制を大幅に削減すること。
③輸入食品への依存(後に米国との貿易協定により強化されることになる)を高め、大規模な(オンラインによる)販売を強化すること。

 インドの地方市場や零細小売業者の行く末を知りたいのであれば、米国財務大臣のスティーブン・ムニューシンの2019年の発言を聞けば十分だろう。スティーブンによれば、アマゾン社が、「米国内の小売業を破壊してしまった」とのことだ。

 そしてインドの農家たちの行く末を知りたいのであれば、1990年代の状況を思い出せば十分だろう。当時、IMFや世界銀行は、1200億ドルの融資を行う見返りに、インド政府に農業に対する何億ドルもの支援金をやめるよう助言していたのだ。

 インドは、政府所有の種子供給システムを解体し、補助金を減らし、農業協同組合を停止させ、外貨獲得のための輸出用商品作物の栽培には報奨金を出すよう助言を受けた。その対策の一部には、土地に関する法律の改定も含まれており、それによって農地が売られ、企業用農業用地にまとめられることが可能になった。

 この計画は外国企業が農業分野を取り込むためのものであり、先述した政策にもとづいて、効果的に独立農民たちを弱体化させ、追い出すことになった。

 今日までこの潮流は、ゆっくりと進行してきた。しかし、最近の法改正は、何千万人もの農民たちに致命傷を負わせることになる可能性がある。これこそが、アマゾン社や、ウォルマート社や、フェイスブック社や、カーギル社や、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社や、ルイス・ドレフュス社や、バンジ社など世界規模で展開している農業技術・種子・農業化学関連企業がずっと欲してきたものを与えることになるのだ。またこの法改正により、インド最大の資産家であるムケッシュ・アンバニや、インド6番目の資産家であるゴータム・アダニに対して、小売業・アグリビジネス・物流における利益を提供することにもなるのだ。

 現在進行中の抗議活動中ずっと、農家たちは催涙ガスを発射され、中傷され、打ちのめされている。ジャーナリストのサツヤ・サガは、こう書いている。「政府の助言者たちが恐れているのは、自分たちが抗議活動を起こしている農民たちに強く対応することができていないように見えてしまうことだ。そうなれば、外国の農作物の投資者からよく思われず、その投資者から農業分野へ大金が流れ込むことが止まってしまう。その大金は経済全体にも使われるからだ」と。

 そのお金は本当に「大金」なのだ。フェイスブック社は昨年、ムケッシュ・アンバニ 所有のジオ・プラットフォームズ社(電子商取引会社)に550億ドルを投資している。グーグル社も、45億ドルを投資している。現時点で、アマゾン社とインドのフリップカート社(ウォルマート社がその81%の株式を所有している)の二社で、あわせてインドの電子商取引誌上の60%以上を支配している。これらの国際的な投資家たちは、現在の農業法改正が廃案になれば、大きな損失を被るだろう。インド政府も同じだ。

 インドが新自由主義経済に門戸を開いた1990年代から、インドはますます外国資本の流入への依存体制が強まっている。政策は、外国からの投資を引きつけ、保持し、「市場の信頼」を維持できるかどうかで決定されてきた。つまり、国際資本の要求を引き受けることによって、政策が決定されてきたということだ。このようにして、「外国からの直接投資」が、モディ政権の究極の目標となっているのだ。

 だからこそインド政府が、抗議活動を行っている農民たちに「強く」出ているように見せかける必要があるのは当然のことなのだ。というのも、国際市場で食品を買うために、外国からの資金を引きつけ、外貨準備金を保持することがいまだかつてなく必要とされているからだ。そのような状況は、インド政府が、農作物の価格を安定させるための緩衝在庫制度をやめ、食に関する政策の責任を私企業に任せるようになってしまうと起こってしまうことなのだ。

 インド国内における農作物を抜本的に改革しようという計画は、農業分野を「近代化する」という偽りの名目で世間に流布されている。そして、この計画を実行するのは、自称「資産創出家」である、ザッカーバーグや、ベゾスや、アンバニだ。確かに彼らは富を作り出した経験は豊富だ。でも、それは自分の資産のためだ。

 任意団体であるオックスファムの最近の記事「不平等なウイルス」によると、ムケッシュ・アンバニは、2020年3月から10月までの間に資産を倍増させた、とのことだ。インドでのコロナウイルス関連のロックダウン措置により、億万長者たちは資産を約35%増やしたのに、2020年4月だけで、1時間ごとに17万人が職を失ったのだ。

 さらにオックスファムの報告によると、ロックダウン措置に先立つ2017年に生み出された富の73%が、1%の富裕層に分配された、とのことだ。いっぽう人口の半数を占める、6億7千万人の極貧層は、たった1%しか富を増やしていない、とのことだ。

 さらに、インドの億万長者たちの資産は、ここ10年でほぼ10倍になっており、彼らの総資産額は2018年から2019年の会計年度のインドの総予算よりも高額だ。

 これらの「資産創出家」たちが、誰のための資産を生み出そうとしているかは明らかだ。「ピープルズ・レビュー」というサイトで、タンモイ・イブラヒムはインドの億万長者富裕層に関する記事を書いている。その記事で、イブラヒムは、アンバニとアダニの2人に深く焦点を当てている。インドにおける縁故資本主義の概略を述べることで、その記事が明らかにしたのは、モディ政権の「資産創出家」たちが完全な自由裁量を与えられ、国庫金や、国民や、環境を略奪することができているいっぽう、本当に富を創出する人々(それはとりわけ農民たちだ)が、生きるための闘いを強いられている、という現状である。

 現在の闘争を政府対農民という構図で見るべきではない。メキシコで起こったことと同じことがインドで起こるとしたら、その影響は農民だけではなく国中で見られるようになる。具体的には人々の健康状態は悪化し、生計手段は失われることになるのだ。

 よく見てほしいのは、インドにおける肥満率がここ20年で3倍になっている事実や、インドが急速に糖尿病大国や心疾患大国となっている事実である。国内家庭健康調査(NFHS-4)によると、2005年から2015年の間に、肥満の人の数は2倍になっており、5歳から9歳までの子ども世代でさえ5人に1人が発育不良状態にあることがわかった。

 しかしこんな状況は、これから先、降りかかる被害の一部に過ぎないだろう。そして、その被害は、農業分野を大金持ちたちに手渡してしまうことから起こるのだ。つまり、億万長者の資本家であるムケッシュ・アンバニゴータム・アダニや(彼らは外国資本に従属し、自国民から搾取して富を得ようという売国奴だ)、ジェフ・ベゾス(世界一裕福な人物)や、マーク・ザッカーバーグ(世界第4位の資産家)や、カーギル一族 (所有資産は14億ドル)や、ウォルマート一族(米国一裕福な一族)に売り渡すのである。

 これらの人々が、インドの農作物分野の富を吸い取ろうとしているのだ。いっぽうで何百万人もいる零細農家たちや、家族経営の小売業者たちの生活はずたずたにされ、さらにはインドの人々の健康状態も冒されているのだ。

 

 

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医療専門家集団からCOVID-19対策への国際的警告。ロックダウン «前例のないほど世界的な科学的詐欺 »

<記事原文 寺島先生推薦>

International Alert Message about COVID-19. United Health Professionals

The lockdown « a global scientific fraud of unprecedented proportions »


国際医療専門家集団(United Health Professionals)

グローバルリサーチ、2021年2月18日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月5日


 私たちは、読者の注意を喚起するために、医療専門家、医師、科学者によるこの重要な国際的声明を掲載します。この声明は世界30カ国の政府に送られました。

 以下の記事は、この声明の完全版です。

 元の文書へのリンクはこちら:緊急 : COVID-19 対策への国際的な警告メッセージ

 手紙が送られた政府のリストについては、ここを参照してください。

 声明には、著名な学者や医療専門家からの引用が含まれています

 関連記事 ユナイティッド・ヘルス・プロフェショナルズ(医療専門家連合)文書(GRにアップロードされたpdf版)はこちら

声明の重要な要点
 
 (外出せずに)«家にいて、命を守れ»は、全くの嘘でした。

 違法で、非科学的および非衛生的な以下の措置をやめよう。つまり、ロックダウン、健康な人へのフェイスマスク着用の強制、1-2メートルの社会的な距離の保持です。

 ロックダウンは多くの人々の命を奪っただけでなく、心身の健康、経済、教育、そしてその他の生活面も破壊しました。

 ウイルス[コロナウイルス]の研究経過を見ればわかるとおり、社会的措置[ロックダウン、マスク着用、レストランの閉鎖、夜間外出禁止]によってウイルスは影響を受けません。

 それは人権侵害だとよくわかっていながら、国家が人権を侵害するとき、私たちの歩む道は危険な道だといえるでしょう。

 製薬会社とのつながりや、利益相反関係を持っている専門家や助言者を排除しよう。

 予防接種キャンペーンを止め、にせ健康パスポートの詐欺(さぎ)を拒否しよう。それは実際には政治的・もうけ主義の計画です。

 

 
 私たちは国際的医療専門家集団です。医療専門家集団(ユナイテッド・ヘルス・プロフェッショナルズ)は、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、アジア、オセアニアのいろいろな国から1,500人以上のメンバー(医学教授、集中治療医、感染症専門家を含む)で構成され、2020年8月26日に世界中の政府や市民にCOVIDの流行対策に関する警告メッセージを提出しています。

 まず、豚インフルエンザH1N1流行の対処に関して、欧州評議会が2010年に出した議会報告書の結論から始めましょう。
 

欧州評議会は、H1N1インフルエンザ大流行の対処方法について懸念を持っている。
 それは、世界保 健機関(W HO)だけでなく、欧州連合や各国家レベルの、有能な保健当局によってなされた対処の仕方についての懸念だ。特に、ヨーロッパ全土の公衆衛生サービスの優先順位の歪み、多額の公金の無駄遣い、そして健康上のリスクに対する不当な脅しや、恐怖につながる決定に、懸念を抱いている。...そして、パンデミックに関する意思決定プロセスの透明性に重大な不備があることがわかった。
 それは、製薬業界が主要な意思決定に影響を及ぼす可能性があるという懸念を生み出した。規制のない秘密のロビー活動は危険であり、民主的原則や良き統治を台無しにしかねない。



 かつての、豚インフルエンザH1N1の流行で犯された同じ過ちが、今日、COVIDの流行で繰り返されていることを知っておきましょう。あなた方は、ウイルスの本当の危険性や、取られた措置や、(感染者や死者の)数字や、検査と治療に関して、21世紀最大の健康詐欺(さぎ)の犠牲者です。これは、H1N1流行時とか、イラク戦争の間に行われたのと同じ手口で行われました。医療の専門家だけでなく、科学者や医療集団も、早くも2020年3月に他の人々に警告し始めました。

 世界の国々は、何も考えずに、他を模倣し、盲目的に従っただけです。(スウェーデン、ベラルーシ、タンザニアのようなまれなケースを除いてですが。)

 この流行は、人類に有害な経済的、政治的、イデオロギー的なねらいと任務を達成するために、それを利用する犯罪者たちによって増幅され、ドラマ化されました。それを私たちはあなた方に証明します。この世界的な詐欺を、以下の9件の行動を取ることによってすぐに止める必要があります。 それは:健康、経済、教育、生態環境や人権の面で、あなたの国民とあなたの国に深刻な危険を与えるからです。

1-すべての制限を解除せよ


 違法で、非科学的、および非健康的な以下の措置を止めよう。すなわち、ロックダウン[都市封鎖]、健康な人にフェイスマスク着用の強制、1、2メートルの社会的な距離です。これらの狂った愚かな措置は、2020年に発明されたばかりで、医学的にも公衆衛生的にも一般学説に反するものです。それらは、いかなる科学的証拠にも基づいていません。

 これらは、我々が感染拡大に対処する方法ではありません。

« 世界は、コロナウイルスのロックダウンで狂ってしまいました。ロックダウンは、ウイルス・パンデミックの対処に関して、わかっていることを公然と無視しています。»  (アンダース・テグネル博士、スウェーデンの主任疫学者、2020年6月24日)

« 感染死亡率はインフルエンザとほぼ同じようですが、以前のインフルエンザ・パンデミックの時には、これらの極端な対策を導入したことがありません。そして、私たちはこれから何年も、それらの措置の下で暮らすことはできません »  (ピーター・ゲッチェ教授、2020年12月1日)。

« マスク着用の決定と同様、ロックダウンの決定は...科学的なデータに基づいていません。» (ディディエ・ラウルト教授、2020年6月24日)。

« ウイルス[コロナウイルス]流行の自然変化は、社会的措置[ロックダウン、フェイスマスク、レストランの閉鎖、夜間外出禁止など]によって影響を受けません。...ロックダウンは、陽性者の減少を引き起こしませんでした。...非常に厳格な衛生規則を守っていたレストランの閉鎖についても、...もちろん、パンデミックを防ぐ方法ではありません。...社会的措置は、流行(エピデミック)に全く影響を与えることはありません。...ロックダウンは何も変化させていません。... (2020年12月3日、フィリップ・パロラ教授)。

« 悲惨な2メートルの社会的距離ルールの効果を証明する科学的根拠はありません。低レベルの 研究が、私たち全員に大きな影響を及ぼす政策を正当化するために使われています » (教授カール・ヘネガントム・ジェファーソン、2020年6月19日)。

« グロテスクで、馬鹿げていて、非常に危険な措置は、...世界経済に恐ろしい影響を与え、自己破壊と集団自殺をもたらした。...» (スチャリート・バクディ教授、2020年。3月、彼は当時、ドイツのアンゲラ・メルケル首相にも手紙を送った)。

              

 さらに、これらの非道な措置は、世界人権宣言に違反しています。世界人権宣言、第3、5、9、12、13、17、18、20、26、27、28、30条、およびユニセフ児童の権利に関する条約、第28、29、32、37条です。

« 国家がそれは人権侵害だとよくわかっていながら、人権を侵害するとき、私たちの歩む道は危険な道だといえるでしょう。パンデミックは基本的人権の侵害につながっています。
 これが正当化されるかどうか、わずかな倫理的分析さえありませんでした。そして」今もありません。» (ピーター・ゲッチェ教授、2020年12月4日)。



 病気でない人にマスクを着用させることは、一般的学説に反するだけでなく、健康や生態学的にも有害であり、一種の虐待です。

– «マスク着用という専制政治には全く根拠がない>> (教授クリスチャン・ペロンヌ教授。2020年 9月22日)。

– « 夜間外出禁止は、...ドイツ占領中に、民兵やゲシュタポが家に入ったときに使われました。そして今は、テーブルに6人以上集まっているかどうか確認するため警察が入ってきます! この狂気はいったい何なのか?!» (クリスチャン・ペロンヌ教授、2020年10月15日)。

– « パリでは毎年冬に、ICU(集中治療室)のベッドは全く飽和状態です。だから、私たちは患者を移送します。...これが毎冬の通常の状況です。 » (ブルーノ・メガルバネ教授、麻酔
科医、集中治療医、2020年9月27日)

« 第1波でも第2波でも、...ICUは、どこも飽和状態ではなかった。ICUが飽和状態だったというのは虚偽報道です!» (ミカエル・ペイロミュレ教授、2021年1月18日)
 
2-経済、学校、大学、航空輸送、病院機能を再開せよ。

3-製薬会社とのつながりや、利益相反がある専門家やアドバイザーを排除せよ。

 
 H1N1[豚インフルエンザ]流行の対処に関して、欧州評議会の2010年議事録報告書にもこう書かれています。

« 議会は、国際レベル、欧州レベル、国家レベルの衛生当局に、特にWHOの公衆衛生当局に対して要請する。...利益相反の対象となる全ての人が重要な意思決定プロセスから除外されることを保証することを。»

 これらの完全におかしな措置を推進した各国の専門家は、無知であるか、または製薬業界によって腐敗させられている追随者です。

4-国際的かつ独立した調査が必要とされ、この詐欺の責任者が裁かされることが求められる


 2020年10月1日、ドイツ人弁護士ライナー・フルナミッヒは、国際的な弁護士ネットワークが、この史上最大の不法行為事件に異議を唱えると発表した。

« コロナ対策は、世界の人々の健康と経済に、極めて壊滅的な損害を引き起こし続けています。WHOは法的に、国際刑法第7条に定める人道に対する事実上の犯罪を犯した者と見なされなければならない。»

 彼はまた、これは「コロナ・スキャンダル」と呼ばれなければならないと述べ、その責任者は刑事訴追され、民事損害賠償のために訴えられなければならないと述べました。調査は、とりわけブルース・アイルワード(WHO)とニール・ファーガソン(ICL)に焦点を当てる必要があります。

 -2021年1月10日、The Sun[英国の日刊タブロイド紙]によって報道された手紙は、弁護士、国会議員、人権活動家、元米空軍将軍によって書かれ、カナダ、ドイツ、オーストラリアの治安当局と共にFBIとMI-5に宛てられています。そこで筆者らは述べています。

« 我々は、次のことを要求するために、この手紙を書いています。連邦当局が捜査を開始し、COVID-19危機の主要な政策決定について科学的議論を促進することを要求します。我々の研究の過程で、犯罪にあたる可能性のあるいくつかの問題を特定しました。そして、国民の利益を守るために必要なこの捜査が、これらのパンデミック政策を推進する人々によって適切に行われることを、我々は信じています。»

 その手紙によると、«実施した国々を貧困にするために...このような措置は意図的に広められた»ということです。

 スウェーデン、タンザニア、ベラルーシのような数少ない国々は、ロックダウンを拒否し、盲目的に他に従っていません。ロックダウン支持者の推論を適用したなら、これらの国々は、多くの死者が出たり、病院システムが飽和状態になっていたはずです。さて、この3カ国でそんなことが起こったでしょうか?

 答えはもちろん、ノーです。さらに、2020年9月15日、BMJ[ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル]は次の記事を掲載しました。

«ベラルーシが、ヨーロッパで最も低いCOVID-19による死亡率の国の一つであるのはどうしてか? »

 これらの3カ国はロックダウンが詐欺であることの生きた証拠です。しかし、この現実は世論を目覚めさせ、人々は嘘をつかれたことを見破るかもしれないので、悪徳新聞業界は、スウェーデンとベラルーシについて頭から反対の立場を取るような新聞記事や、フェイクニュースを広めています。

 有名な国際的スローガン:
(外出せずに)« 家にいて、命を救え » は全くの嘘でした。

 それどころか、ロックダウンは多くの人々を殺しただけでなく、心身の健康、経済、教育、その他の生活をも破壊しました。例えば、米国のロックダウンはまた、家族から遠く離れていた何千人ものアルツハイマー病患者を殺しました。イギリスでは、ロックダウンで21,000人が死亡しました。

  ロックダウンの影響は «全く有害であった。ロックダウンは命を救うと言われていたのに、そんなことはなかった。ロックダウンは大量破壊兵器であり、健康面、...社会生活面、...経済面への影響が見られる。...それが本当の第二波である。 » (教授ジャン=フランソワ・トゥセイン、9月24、2020)。
感染した人々を投獄することは、ナチスでさえ犯さなかった人道に対する罪です!

-« この国は大きな間違いを犯しています。...私たちは何を提案しようとしているのか? 外にはウイルスがいっぱいなので、誰もが生活のすべてを閉じ込めて、家にいることですか?! あなた方は、みんな狂っている。あなた方は、すべて変人だ! ...私たちは、地球に火をつけているのだ。» (ディディエ・ラウルト教授、2020年10月27日)。

– «それは大きなせん妄状態です。大手製薬会社や政治家によって利用されているだけなのです。...それは、政治的、経済的理由のために生みだされた恐怖です。» (教授クリスチャン・ペロンヌ、2020年8月31日)。

– « それは巨大な利益を上げるための世界的な詐欺にすぎません。 銀行を救済し、その間、流行の名の下に中産階級を没落させ、...安全対策という名の自由の破壊行為です。» (博士ニコール・デレピン, 2020年12月18日)
 
– « 私たちは、これが詐欺であることの医学的証拠を持っています » (ヘイコ・シェーニング博士、7月 2020年)。

– « 2つの質問について考えてみよう。...(1)コロナウイルスは人工的なものなのか? ...(2)彼らは自分の目的や利益のために、このウイルス性疾患やこの社会的精神不安を利用しようとしたのか?(アレクサンドル・ルカシェンコ、ベラルーシ大統領)–

« メディアや政治家によって煽られる全く根拠のない集団ヒステリーがあります。とんでもない。これは、疑うべくもない公衆への最大のでっち上げです。...それは、たちの悪い季節性インフルエンザに過ぎないということが知らされるべきです。これはエボラ出血熱ではありません。SARSでもありません。» (ロジャー・ホドキンソン博士、2020年11月13日)。

5-もはや盲目的にWHOの勧告に従ってはいけない。そしてWHOの全面的改善を要求する

 2016年に行われた調査(「ロビイストの手中にあるWHO」)は、WHOの啓発用のレントゲン写真[自己解析]を示しました。...WHOは、複数の利益相反の対象となる弱体化した構造です。この調査は、民間の利益がWHOの公衆衛生をどのように支配しているかを示しています。別の調査(「Trust WHO」)はまた、これらの深刻な矛盾を明らかにしました。

6-疫病に対処するためには、一般に認められた措置を使おう

 手洗い、咳やくしゃみを肘で押さえること、患者と(特別な状況下にある)医療従事者だけがマスクを着用すること、病人の隔離などが、一般に認められた推奨事項とされています。感染の重症度は、症例死亡率(CFR)によって評価されます。しかし、今回の流行の後者(死亡率)は非常に低く(0.03-0.05%)、したがって、非科学的な措置は不適切であるだけでなく、このような措置を講じる正当な理由はありません。

7-メディアに責任を認識させよう

 例えば、メディアはコロナウイルスについて話すのをやめなければなりません。

8- 検査への要請を取りやめよう

 義務的な検査を推し進める人々は、政府をだまし、経済的ねらいだけを追求しています。このコロナウイルス(良性ウイルスであり、CFR(症例死亡率)が低い)では何もそれを正当化していません。インフルエンザは毎年10億人が感染し、SARS-CoV-2をはるかに上回るほど多く、このコロナウイルスよりも速く広がり、より多くの集団が危険にさらされているのに、旅行時に必要となる検査はありません。ディディエ・ラウルト教授が、コロナウイルスが重篤な病気であるという主張を、「せん妄」と呼び、さらに2020年8月19日に「インフルエンザよりひどくない」と述べています。

– « この新しいコロナウイルスの感染死亡率は、季節性インフルエンザと同じ範囲にある可能性が高いです。 » (ジョン・イオアニディス教授、 2020年4月17日)。

– « COVID-19によって、死亡または重篤な病気になるリスクは非常に低いので、大多数の人々を安心させよう。 » (ジョン・イオアニディス教授, 2020年4月22日)。

– « あなたはわかりますか? 今日、我々は経済を破壊しているのに、最終的にはインフルエンザで経験した数字と同じなのです!» (クリスチャン・ペロンヌ教授、2020年10月25日)。

9-予防接種キャンペーンを停止し、実際には政治的・営利計画である偽健康パスポートの詐欺を拒否しよう


– « 私たちは、それ[ワクチン]を全く必要としません。...これはすべて純粋に利益本位のねらいがあるのです。 » (教授クリスチャン・ペロンヌ、2020年6月16日)。
 
– « それは、製薬会社の古いマーケティング原則です。彼らは自分の製品をうまく販売したい場合、消費者は恐れ抱き、ワクチンを救いとして見せなければなりません。だから、彼らは消費者が、問題のワクチンを急いで手に入れようとするように、せん妄状態をつくり出します。 » (ピーター・シェーンホーファー教授)。

– « 医師として、私は政府の決定より先んじて行動することを躊躇しません。我々は、これらのワク チンを拒否するだけでなく(COVID-19に対して)、我々はまた、ワクチン生産の紛れもなく営利主義の方法と、下劣で皮肉な行為を拒否し、非難しなければなりません。 » (ピエール・ケイブ博士、2020年8月7日)。

– COVIDワクチンは«まったく必要ではない。 » (スチャリート・バクディ教授、2020年12月2日)。

– « 私は医学の歴史の中で、何百万人、何十億人に接種するワクチンをこんなにも拙速に開発するのを見たことがありません。このウイルスは、健康上の問題を抱えた人以外の人を殺すことはありません。そして、その健康上の問題について、私たちは特定
しているし、治療もできるのです。私はたった2ヶ月でワクチンができるのなんて見たことがない! ...ワクチンを作るのには、何年もかかるものなのです!» (クリスチャン・ペロンヌ教授、2020年12月2日)。
 
– « 私たちはあまりにも急ぎすぎています。今が緊急事態だとしたら、 ...もし、今のCOVID-19の致死率が50%ならば、私は、ワクチンによるリスクを引き受けますよ。...しかし、このウイルスの死亡率は0.05%なのです。そうであれば、ワクチンによるリスクなんか引き受けるわけがないじゃないですか! 私はこの背後で何十億ドルものお金が動いていることを知っています。気をつけよう。これは非常に危険なのです!»(クリスチャン・ペロンヌ教授、2020年12月2日)。

« 0.05%の死亡率のウイルスで、全人類のためのワクチンは、普通必要ありませんか? »という質問に対して、クリスチャン・ペロンヌ教授は、«その答えは明らかです! »と答えました。

-2020年11月30日、クリスチャン・ペロンヌ教授は、ワクチンの危険性について遺伝子工学に基づいた警告の手紙を書きました。
«これらの遺伝子治療を促進する人々は、偽ってそれを「ワクチン」と呼んでいるが、彼らは魔術師の弟子である。...世界の市民をモルモットにするつもりなのだ»。

 -2020年10月19日、ランセット誌に呼応して、科学者たちは懸念を表明し、警告しました。

« 我々が懸念していることは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対して免疫性を与えるために、Ad5[アデノウイルス5型]ベクターを使用することが、ワクチンを接種する男性の間でHIV-1を獲得するリスクをも高めることです。

-もしCOVID-19ワクチンを受け入れるなら、それは次のようになります:

« (ワクチンを打つということは)間違いです。というのは、予測不可能な副作用がある危険を引き受けることになるからです。その副作用は、例えばガンなどです。私たちは全く魔術師の弟子役を演じています。人間はモルモットとして仕えてはならない。子供たちをモルモットとして仕えさせてはならない。それは絶対に非倫理的です。ワクチンによる死亡があってはならない。» (リュック・モンタニエ教授、ウイルス学者、ノーベル医学賞、2020年12月17日)。

  スイスでは、700人の医師と医療専門家のグループが、2021年1月15日に予防接種キャンペーンを中止するよう呼びかけた。

« 私はそれ [COVIDワクチン] が、全く危険だと思います。そして、あなた方がこれらの方針に沿って行動する場合は、あなた方は破滅に向かっていることになります。» (スチャリート・バクディ教授、2020年12月2日)。

 2020年12月30日、「リアクション19(6万人近いメンバーを持つ弁護士によって設立されたフランスの協会)」は、報道発表で、ファイザー/バイオンテク社とモデルナ社の「ワクチン」に関して告訴したことを発表しました。

 最近、欧州議会の複数の議員が人々に警戒心をもたれています。それは、議員が製薬研究所との契約について協議することを禁じられていることに関することです。(訳注:欧州議会とワクチン製造業者の癒着が疑われた事件のことを指している)。この不透明さは、彼らが妥協して隠したいものがあることを証明しています。ミシェル・リヴァシ欧州議会議員は告訴(5)を申し立てました。思い出されるのは、2009年、ファイザー社は23億ドルの罰金を科されました。それは、米国の裁判所が医薬品グループに科した最大の罰金となりました(6)。それは詐欺的な商取引として有罪判決を受けました。

 2010年、アストラゼネカ社は薬物の不正使用を勧めたことで、5億2000万ユーロの罰金を科せられました。2011年、メルク社は、薬の不正取引と、心血管薬の安全性に関する虚偽陳述問題を解決するために、6億2,836万ドルの罰金を支払いました。

 2013年、ジョンソン・アンド・ジョンソン社に対し、16億2000万ユーロの罰金が科されました。それは、三つの薬剤処方問題に起因する刑事・民事責任を解決するためです。その中には、食品医薬品局(FDA)が安全性や有効性を承認していない薬剤の使用促進や、医師や国内最大の長期介護薬剤の販売業者へのリベート問題が含まれていました。

 あなた方は、犯罪者の政治・経済的な(イデオロギー的でもある)計画が、COVIDに対して行っているこの世界的な詐欺を止めなければなりません。それはイラク戦争が、2001年9月11日攻撃に対するでっち上げの報復であったことを思い出させます。

 

 これらの犯罪者は、世界の国々を操作し、彼らのねらいを達成するために、できるだけ長く流行を続けたいと思っています。COVIDの流行は、去年のある期間に宣言解除されるべきでした。実際、医学では、流行の始まりと終わりが宣言される流行の閾値は、住民10万人当たり150~200例の間です。タンザニア大統領は、これを理解した数少ない大統領の一人です。彼は、2020年6月8日にCOVIDの流行が彼の国で終わったと宣言しました。

« 流行は終わった! » (ヨラム・ラス教授、2020年7月2日) . (7)

 この流行で、危険は、コロナウイルスではなく、それを道具として利用する人々で、それが戦うべき本当のウイルスです。

 ウイルスは、起こっていること(貧困、失業、自殺、死亡、経済不況、失業など)に対して全く無実であり、本当の犯人は、警告にもかかわらず、これらの措置を利用し、世界を動かした人々と、これらの措置を実施し続ける政府です。

« 世界銀行は、コロナの世界的流行が、極貧に暮らす人々を約1億人増加させたと推定したばかりです。これはCOVID-19のせいではありません。これは、我々が導入した過酷な対策のためです。 » (ピーター・ゴッチェ教授、 2020年12月1日)。

 ウイルスそのものの危険度と、取られた措置の重大さ(さらに全くでたらめな理論であること)との間の不一致と不適切さは非常に明白であり、必然的に他の目的が背後にあるという結論につながります。それを見ないのは、本当に盲目か単純であるに違いありません。

 医学や科学とは関係のないこれらの措置により、政府はウイルスの危険性と戦うのではなく、国民の基本的権利と戦い、健康、経済、教育、生態環境、文化、その他の生活面を破壊しています。

 « 私たちは最初からせん妄のような状態を生きてきました。...私たちは狂った世界に住んでいます。...この病気と戦うために取られた方法は、別の世紀の方法です。...それは中世のレベルでさえありません!» (ディディエ・ラウルト教授、2020年12月7日)。

 2020年12月28日、カナダのランディ・ヒリアー議員は、ハッシュタグと共にTwitterにこのメッセージを書きました。「#私たちは、嘘の世界を生きている、#ロックダウンはもう結構だ」。

« Covidの嘘と欺瞞は終わりました。どうやって、なぜ多くの人が自分を欺くことを許したのかを、明らかにするのには何年もかかるでしょう。»

 大多数の国が同じことをしているからといって、それが良いことであるとか、正しいことであるとは限りません。このような措置をとっている国の数が、各国がこれらの措置を適用するのが正しいかどうかを知るための基準ではありません。それどころか、多くの歴史的な例は、大多数がしばしば間違っていることを示しています。イラク戦争(フランスのような珍しい国は従わなかったし、正しかった)、H1N1(ポーランドのような珍しい国は従わなかったし、正しかった)、第二次世界大戦などのように。   

 この手紙が陰謀論であると片付けてしまうことは、論拠を持たない人々や、大量操作の技術を持っている人の対応だといえます。というのも、この手紙で報告されたすべてのことは、理論ではなく、真実であり、ノーベル医学賞受賞者を含む著名な専門家によって行われた声明で構成されているのですから。

 この手紙は、あなた方の政府が警告されたことの証拠として保管されます。この手紙を読めば、あなた方が21世紀最大の医療詐欺の犠牲者であることがわかったはずですので、すべてをすぐに正常に戻す必要があり、この世界的な人質対策は停止する必要があります。

 私たちの手紙を過小評価したり、無視したりする間違いをしないでください。政府がこの間違いを犯した場合に起こることの2つの例を次に示します。

 まず一つ目の例は、デング熱ワクチンの危険性について複数の専門家から警告があったにもかかわらず、フィリピン政府が2016年に世間が周知のスキャンダルで終わった予防接種キャンペーンを開始することを決定したことです。ペルシダ・アコスタ検察官の事務所によると、このワクチンの結果、500人の子供が死亡し、数千人が病気にかかっています。

 検察官によると、責任は、「危険なワクチン」を販売した研究所と「大規模で無差別な」ワクチン接種キャンペーンを行った政府の両者にあり、全くひどい状況であったとされています。しかし、このワクチンは全世界の勝利であると期待されていました。2015年、サノフィ社は革命的なデング熱ワクチンのマーケティングを誇大宣伝で強化していました。このワクチンは、世界初のワクチンであり、20年間の研究と15億ユーロの投資の産物だったのです。

 しかし、最初から、科学界で問題が提起されていました。医師アントニオ・ダンスは、最初の臨床試験の決定的な結果について警告しようとしていました。米国では、この病気の世界的に有名な専門家であるスコット・ハルステッド教授は、予防接種プログラムの中断を促すために、ビデオを送り、上院で上映しました。同国の元保健大臣は、このスキャンダルで起訴されています。«これらの子供たちを殺したのは、利益誘導があったからです»、と検察官ペルシダ・アコスタが言いました。
 
 2つ目の例は、ヨーロッパ評議会の保健委員会委員長であるヴォルフガング・ウォダーグ博士からの警告にもかかわらず、いくつかの国によって購入されたH1N1ワクチンのスキャンダルです。製薬企業は、世界中の政府に警鐘を鳴らすべき、公衆衛生基準を担当する科学者や公的機関に影響を及ぼしています。

 彼らは、非効率的なワクチン戦略のために厳しい医療資源を浪費し、何百万人もの健康な人々を、十分に試験されていないワクチンによる未知の副作用リスクにさらしました。彼の警告が完全に正しかったことがわかりました。後にワクチンが、ヨーロッパだけで1,500人のナルコレプシー[睡眠発作]の犠牲者(子供が80%)を出し、2013年11月24日、スウェーデンのゲーラン・ヘグルンド社会大臣が豚インフルエンザワクチンの犠牲者に公に謝罪する用意があると言ったからです。

 私たちは、あなた方にこの手紙で全ての詳細を話すことができません。だから、以下の文書を注意深く参照する必要があります。ここで語られたこと全てが、そこで詳細に述べられ、主張されているからです。そして、あなた方が知らないことも発見して、それによってあなた方はショックを受けるでしょう。

 脚注と参照については、ここをクリックしてください。

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Sources :                                                                                                                                                              
1 : https://www.lci.fr/replay/video-le-brunch-de-l-info-du-dimanche-27-septembre-2020-2165685.html                                                                                                                    
2 : https://www.dailymotion.com/video/x7yr0oz                                                                                                                                              3 : https://www.thesun.co.uk/news/13718024/china-trick-world-into-lockdown-open-letterr/?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=sharebarweb                                                                                                                                        
4 : https://www.illustre.ch/magazine/manquons-recul-face-aux-potentiels-effets-indesirables-vaccins                                                                                                                  

5 : https://twitter.com/j_bardella/status/1351932253576818690                                                                
  https://twitter.com/dupontaignan/status/1350095404474327047                                                                              https://twitter.com/DocteurGonzo4/status/1351778258753355777                                                                                                                                                                         

6 : https://www.france24.com/fr/20090903-le-laboratoire-pfizer-ecope-dune-amende-23%C2%A0milliards-dollars-                                                    
https://www.lemonde.fr/economie/article/2009/09/02/une-amende-de-2-3-milliards-de-dollars-pour-pfizer_1235011_3234.html                                                                        

https://www.lemonde.fr/economie/article/2010/04/28/astrazeneca-ecope-d-une-amende-de-520-millions-d-euros-aux-etats-unis_1343983_3234.html                                                                                                                     

https://lexpansion.lexpress.fr/actualite-economique/merck-debourse-pres-d-un-milliard-de-dollars-pour-solder-le-scandale-vioxx_1054000.html                                                                                                                      
 https://www.lequotidiendumedecin.fr/actus-medicales/medicament/amende-record-de-162-milliard-deuros-pour-le-laboratoire-americain-johnson-johnson                                                                                                                                                                                                                                            
7 : https://www.facebook.com/261835320624052/videos/1240827799610762/

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なぜロシアは西側を発狂させるのか?ーヨーロッパのロシアから、ユーラシアのロシアへ

<記事原文 寺島先生推薦>

Why Russia Is Driving the West Crazy

ペペ・エスコバー(Pepe Escobar)
グローバル・リサーチ
2021年2月11日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月10日


 この記事の元記事は、アジア・タイムズで掲載されたものだ。

 後の歴史家はこの日を、普段は冷静沈着なロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、ついに堪忍袋の緒を切らした日だと記述するかもしれない。

 「ロシアは欧州連合が一方的で不当な制裁を課そうとするすることに慣れきってしまっているが、ここまで来たら、ロシアとしては、欧州連合は信頼のできるパートナーではない、と言わざるをえなくなっています」

 ジョセップ・ボレル
欧州連合外務・安全保障政策上級代表は、モスクワを公式訪問中に、ラブロフ外相からきつい一撃をお見舞された。

 普段は完全な紳士であるラブロフ外相は、さらにこう付け加えた。「間もなく開催される欧州連合(EU)の戦略会議の議題の中心が、欧州連合にとっての利益とは何なのかについてとなり、この会談がロシアと欧州連合の結び付きをより建設的なものに変える内容になることを私は願っています」

 ラブロフ外相が言及していたのは、来月開催される欧州理事会における各国元首の話し合いのことだった。その場で、元首たちはロシアについて話し合うことになるだろう。ラブロフ外相は「信頼できないパートナーたち」が責任ある大人の振る舞いを見せるなどという幻想は夢にも抱いていないだろう。


 ラブロフ外相がボレル代表との面会の冒頭で語った内容には、さらに深く興味を引かれる内容があったのだ。「私たちが直面している主要な問題は、ロシアと欧州連合の間は正常さを逸している、ということです。私たちロシアと欧州連合はユーラシアにおける二大勢力です。この二つの勢力の関係が良くない関係にあることは、誰の得にもならないのです」

 ユーラシアにおける二大勢力。(斜字体は筆者による)。このことばは今は、置いておこう。後でまた触れる。

 現状では、EUは「良くない関係」をさらに悪化させざるをえなくなっているようである。ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、EUのワクチン・確保ゲームで記録的な大失態を犯してしまった。同委員長がボレル代表をモスクワに派遣した一番の理由は、欧州の複数の企業にスプートニクⅤワクチンを生産する権利を授与してくれるようロシア政府に依頼するためだった。スプートニクⅤの生産は間もなくEUによって承認されることになるだろう。

 それでもまだ、EUの役人たちはヒステリーに取り憑かれるほうを好むようで、NATOのスパイであり、有罪判決を受けているアレクセイ・ナワリヌイ(ロシアのグアイドと呼んでいい人物だ)の奇妙な行動を擁護している。

 さて、大西洋の向こう側では、「戦略的防衛」という名目で、米国戦略軍提督チャールズ・リチャード司令官は、うっかり口を滑らした。「我々とロシアや中国との間に地域紛争が起これば、即刻、核兵器が使われる戦争になってしまうことは十分ありえることだ。なぜなら中露が核兵器を使わなければ敗北し、政権や国家の運営が危機的状況になるからだ。」

 つまり、来たるべき、そして最終戦争の原因は、ロシアや中国の「破壊的な」行いのせいにされることにあらかじめ設定されている、ということだ。さらに中露がともに「敗れる」ことも前提になっている。それで、両国がカッとなって核戦争にうってでる、というシナリオだ。 そうなると、米国防総省はただの被害者だということか。結局、ミスター・米国戦略軍氏が言いたかったのは、我々は「冷戦からまだ抜け出せていないんだ」ということなのだろう。

 アメリカ戦略軍(STRATCOM)の政策立案者が、超一流の軍事分析家アンドレ・マルチアノフの書いた記事を読むことはまずないだろう。マルチアノフは長年、(核兵器ではなく)超音速機開発の最前線で何が起こっているのか、そしてその超音速機が戦争の形を変えてきたことについて詳しく取材してきた人物だ。

 技術的な分析を詳細に述べたあと、マルチアノフが明らかにしたのは以下のことだ。

 米国は現時点でよい選択肢は持てない。全く、だ。少しマシな選択肢は、ロシアと話し合いを持つことだ。
 しかしその際、地政学的な野望など持ってはいけないし、ロシアに中国との同盟関係を「破棄させる」ことができるという甘い夢を持ってもいけない。ロシアにそんなことを申し出ることができるような条件は、米国には何もないのだ。
 そうではなく、ロシアと米国は、最終的に、お互いの地政学的「覇権」について平和的に折り合いをつけ、もうひとつの椅子を中国に差し出し、中露米という三大国で覇権を分かち合い、今後の世界支配しようとの方法を話し合う、という方法ならとれるかもしれない。このやり方しか、米国が新しい世界秩序の中で影響力を持ち続けられる方法はない。

キプチャックハン国(金帳汗国 Golden Horde)の爪痕


 EUがロシアとの「良くない関係」を見直すチャンスを逃しているのと同じく、米国のディープ・ステート(裏国家、闇の政府)も、マルチアノフの話に耳を貸そうとするようすは全く見えない

 これから先も以下のような状況は避けられないだろう。ロシアに対する制裁は永遠に続く。NATO軍のロシア国境付近への拡張も永遠に続く。ロシアの周りの国々をロシアの敵国に変換することも。米国政府が、ロシアの内政問題に関与してくることも永遠に続く。そのため、ロシア国内に第5列の勢力(内部の撹乱者)を配置する。完全な規模での情報戦争も永遠に続く。

 ラブロフ外相がますますハッキリさせているのは、ロシア政府はそれ以上のことは何も期待していないことだ。しかし、その証拠は日に日に積み重ねられていくだろう。

 ノルドストリーム2は完成するだろう。制裁を受けようが、受けまいが。そしてドイツとEUには、必要以上の天然ガスが供給されるだろう。有罪判決を受けた詐欺師ナワリヌイ(彼に対するロシア国内の「人気度」はたった1%だ)は、牢獄につながれたままだろう。EU中の市民たちはスプートニクⅤのワクチンを接種するだろう。中露の戦略的同盟関係は、これから先も強化され続けるだろう。

        「ノルドストリーム2」:バルト海底を経由してロシア・ドイツ間をつなぐ天然ガスのパイプライン)

 なぜ私たちがロシア嫌いという醜い境地に追いやられてしまったかの理由を理解させてくれる指南書がある。その著書のタイトルは『ロシアの保守性』だ。これはノルウェー南東大学の客員教授であり、ロシア国立研究大学経済高等学院の教員でもあるグレン・ディーセンが、新しい政治的哲学に基づいて書いた非常に面白い本である。ディーセンは、私にとって他ならぬ、モスクワ在住の相談相手の1人でもある。

 ディーセンは大事なことを焦点化して書き始めている。それは、地理と地形と歴史だ。ロシアには広大な大地があるが、その割には海運に乏しい。ディーセンによると、ロシアでは地理的に、以下の三点が育まれてきた、とのことだ。それは、①専制政治を特徴とする保守的な政体。②野望的であるが複雑でもある国粋主義。③ギリシャ正教による支配の受容の三点だ。これらは一言でいえば、「徹底した政教分離」に対してはある種の抵抗感を保持していた、ということを示唆しているのかもしれない。

 常に念頭に置いておくべきことは、ロシアには国境を隔てる自然物が存在しないということだ。であるので、ロシアは、スウェーデンや、ポーランドや、リトアニアや、モンゴル帝国のキプチャック汗国や、クリミアのタタール人や、ナポレオンから侵略され、占領された過去を持つのだ。そして言うまでもなくナチスによる激しい侵攻も体験している。

READ MORE: Back in the (Great) Game: The Revenge of Eurasian Land Powers

 このような状況を表す言葉はあるだろうか?全てを表す言葉がロシア語にはある。それが、「безопасность(ベズ・オパースノスチ=ベゾパースノチ、[国家の]保安」だ。この言葉の意味は偶然にも否定を表す言葉だ。безは「~がない」という意味であり、опасностьは「危険」という意味だ。

 ロシアが、複雑で独特な形で形成されたという歴史は、深刻な問題を生み出してきた。ロシアはビザンツ帝国と親密な関係にあった。しかし、ロシアが、「自分たちは、コンスタンチノープルから帝国の権利を授かったのだ」と主張すれば、ロシアはビザンツ帝国を征服しなければならないことになってしまう。また、自分たちは、キプチャック汗国の後継者であり、キプチャック汗国の役割や遺産を引き継いでいると主張すれば、ロシアはアジアにおける勢力しか維持できない事になってしまう。

 ロシアが近代化するにあたり問題になったことは、モンゴル人による侵略は、地理的な分裂を引き起こしただけではなく、政体においても、モンゴルの影響が残ってしまっていたことだった。「モンゴルの遺産を引き継ぐことで、ロシア帝国は、専制政治を行うことが必要条件になり、さらに領土は広いが、地域の結び付きが乏しいという課題を抱えたユーラシアの帝国になったのだ」

        「キプチャック汗国」:モンゴル帝国の四ハン国の一。「欽察汗国」「金帳汗国」とも書く。1243年、チンギス=ハンの孫バトゥ(抜都)がキルギス草原にロシアのキプチャク草原を加えて建国。都はボルガ河畔のサライ。14世紀前半に最も繁栄したが、のちチムール帝国の創始者チムール(帖木児)に圧迫されて衰退し、1502年に滅んだ。)

「東と西の巨大なせめぎあい」


 ロシアというのは、ユーラシアの東側的要素と西側的要素とのせめぎあいが全ての国だといえる。ディーセンは、ニコライ・べルジャーエフのことを思い起こさせてくれている。ベルジャーエフは、二十世紀の代表的な保守派のひとりであり、すでに1947年の時点で、こんなことばを残している。
 「ロシア人の精神の不安定さや複雑さは、ロシアには世界史におけるふたつの潮流、西側的要素と東側的要素があるからかもしれない。このふたつの要素がせめぎあい影響しあって、ロシアは世界の中で独特な社会を形成しているのだ。そう、西側的要素と東側的要素がせめぎあう国なのだ」

 シベリア鉄道が建設されたのは、ロシア帝国内の内部の結び付きを強化し、帝国がアジア地域にも勢力を伸ばすための大変革だった。「ロシアの農地開拓が東に拡張されることにより、ロシアは、それまでユーラシアを支配し結び付けていた古い道をどんどん取りかえていったのだ」

 感嘆を覚えるのは、ロシア経済の発展が、マッキンダーのハートランド理論に落とし込まれるさまを見ることだ。ハートランド理論とは、世界支配のためには、巨大なユーラシア大陸を支配下に置く必要があるという理論だ。マッキンダーが恐れていたのは、ロシアの鉄道網が、海運国家である英国の権力構造全体の弊害になることであった。

 ディーセンがさらに明らかにしたのは、1917年のロシア革命後に亡命した人々の間で1920年代に起こったユーラシアニズムという潮流が、実はロシア保守主義の進化したものである、という事実だ。

 ユーラシアニズムは、いくつかの理由のせいで、政治的な潮流としてひとつにまとまったことは一度もなかった。ユーラシアニズムの核は、ロシアは単なる東欧国家のひとつではないと捉えることだ。13世紀のモンゴルによる侵略と、16世紀のタタール王国による侵略を経て、ロシアの歴史と地理をヨーロッパのものとしてだけでとらえることはできなくなった。これから先の時代は、よりバランスの取れた見方が必要となるだろう。そう、ロシアのアジア的要素も加味すべきなのだ。

 ドストエフスキーは賢明にも、誰よりも先んじそれを行っている。1881年のことだ。

 「ロシア人はヨーロッパ人であると同時にアジア人である。ここ二世紀、我々が政策上おかしてきた誤りは、ヨーロッパの人々に、我々こそ真のヨーロッパ人であると考えさせようとしてきたことだ。我々はヨーロッパ人たちにへつらいすぎてきた。ヨーロッパ内部の問題に口を挟みすぎてきた。我々はヨーロッパ人の前ではまるで奴隷のように振舞ってきた。そしてその結果得られたものは、ヨーロッパ人からの憎しみと蔑みだけだった。さあ、そんな礼儀知らずのヨーロッパから顔を背けよう。我々の未来はアジアにある」

 賛否両論はあるが、レフ・グミリョフ(ソ連の歴史家、民俗学者、人類学者)はユーラシアニズム論者の若い世代の中のスーパースターだ。
      ユーラシアニズム:ロシア新ナショナリズム、地政学的観点からヨーロッパ人でもアジア人でもないロシア人に思い描かせる強いロシア「ユーラシア連合」構想。

 グミリョフの主張によれば、ロシアは、スラブ民族、モンゴル民族、トルコ民族という三つの民族が自然に衝突する中でつくりだされた、とのことだ。
 1989年に出版された『古代ルーシとユーラシア・ステップ』で、グミリョフはソ連崩壊後のロシアに計り知れないインパクトを与えた。
 実は私自身もソ連崩壊直後のロシアを直接知っている。1992年の冬、シベリア鉄道に乗ってモスクワに行ったのだ。そこで、出迎えてくれたロシアの友人たちから話を聞いたことがある。

 ディーセンがそう捉えているのだが、グミリョフが提供してくれているのは第三の方法だった。それはヨーロッパ主義でもなく、ユートピア的国際人道主義でもない。レフ・グミリョフという名を冠した大学が、カザフスタンに建設されている。プーチンはグミリョフを評してこう言っている。「現代の偉大なユーラシア人だ」と。

 ディーセンはジョージ・ケナンのことさえも想起させてくれている。ケナンは1994年にロシアの保守派の結末をこう捉えていた。「この国は、悲劇的な傷を負い、精神的にも打ちのめされた」と。2005年に、プーチンはもっと厳しい評価をしている。

 「ソ連崩壊は二十世紀最大の地政学的な惨事だった。ロシアの人々にとっては本当に悲劇だった。昔からの理想が破壊されてしまった。多くの組織が解体され、ただ急いで再建された。節度のない情報が垂れ流され、オリガルヒ(新興財閥)集団が自社の利益だけのために動いていた。大衆の貧困は当たり前のことと受け止められるようになり始めた。これら全てのことが、最も厳しい経済不況や、不安定な金融や、社会の進歩の麻痺につながっていた」


「権威的民主主義」の導入

 さて、ここからは、1990年代以降の非常に重要なヨーロッパ問題について語ろう。

 1990年代には、大西洋主義者たちの先導により、ロシアの外交政策は「拡大されたヨーロッパ」という概念に基づいて行われるようになった。その考えは、ゴルバチョフの「欧州共通の家構想」がもとになっている。
      「大西洋主義または汎大西洋主義」: 西欧と北米各国の政治・経済・軍事における協調政策。その目的は、参加国の安全保障および共通の価値観を守ること
        「欧州共通の家構想」: 軍事同盟・経済同盟によって対立が続いていた東西ヨーロッパの分断状況を克服し、ヨーロッパに統一された一つの共同体をつくるべきであるとしたもの


 そして、冷戦後のヨーロッパでは、NATOが終わることのない拡張を始め、EUが生まれ、そして拡大していった。リベラル派が見せたこのような曲芸は欧州全てを巻き込んでいたが、ロシアは締め出されていた。

 ディーセンはこの全過程を上手に一文で要約してくれている。
 「新しいリベラルなヨーロッパは、海運国家である英米による支配の代表者である。マッキンダーの目的は、独露関係を全く成り立たせないことであり、この二国が共通の利益のもとで繋がることを阻止することだった」

 だからこそ、その後プーチンが「灰色の枢機卿(政権を裏で動かす人)」や「新ヒトラー」と揶揄されるようになったのは何の不思議もないことなのだ。プーチンはロシアが単なるヨーロッパの見習い学生になることをキッパリ拒絶したのだ。そしてもちろんヨーロッパの(新)自由主義による覇権に対しても、だ。

 それでもプーチンは依然として善良な振る舞いを保ってきた。2005年に、プーチンはこう強調している。「何よりも、ロシアが、過去もそうだったし、今もそうだし、これからもそうなのだが、ヨーロッパの大国のひとつであることは当然のことだ」と。プーチンの望みは、権力政治とリベラル的な考え方を切り離すことだった。リベラル派による覇権という基盤を拒絶することによって。

 プーチンが言っていたのは、民主主義にはひとつしか型がないわけではない、ということだった。後に概念化されたのだが、これが「権威的民主主義」だ。民主主義は権威なしには成り立たないという概念だ。この考えに立てば、ヨーロッパ諸国の「監視」の元で民主主義を普及させる必要はなくなるのだ。

 ディーセンの厳しい見立てによれば、ソ連が「真の意味で、左派としてのユーラシアニズムを大事にする国であったとすれば、その遺産は今の保守的ユーラシアニズムに移行できたかもしれない」とのことだ。ディーセンは、時に「ロシアのキッシンジャー」とも評されるセルゲイ・カラガノフの見解を記述している。
 カラガノフによれば、「ソ連は脱植民地主義の中心であり、西側から、軍事力を使っても世界を意のままに動かす力を奪うことにより、アジアの国々の発展に手を貸してきたのだ。そしてそのような軍事力を背景とした世界支配を、西側は16世紀から1940年代まで続けていたのだ」

 このことは、グローバル・サウスの国々(ラテンアメリカ、アフリカ、東南アジアの国々)に広く知れ渡っている。


ヨーロッパは、ユーラシアのただの西の外れになる

 さて、冷戦が終わり、「拡大されたヨーロッパ」構想もうまくいかなかったため、「拡大されたユーラシア」を打ち立てるためにロシア政府がアジア基軸戦略に移行するという流れは、歴史上避けられない潮流だったといえる。

 この論法に非の打ちどころはない。 ユーラシアの二大経済の中心地と言えば、ヨーロッパと東アジアだ。ロシア政府はこの二地域を経済的に結びつけ、超大陸経済網を実現しようと望んでいる。この構想が、拡大されたユーラシアという概念で中国の一帯一路構想と繋がる。しかしロシアにとっては、別の次元でもうひとつの利点が得られる。ディーセンはそのことをこう記述している。「従来の権力の中枢から離れて、地域作りという新しい中心課題が生まれるのだ」と。

 ディーセンが強調しているのは、保守的な観点からすれば、「拡大されたユーラシアの政治的な経済があれば、ロシアはこれまでの西側に対する執着心から解き放たれ、ロシアの近代化への道は、ロシアそのものから樹立できることになる」ということだ。

 そうなれば、次のような発展に繋がる。①戦略産業②幹線の接続③金融商品④ロシアのヨーロッパ側とシベリアや太平洋側を結び付けるインフラ整備計画だ。これらは全て産業化された保守的な政治経済という新しい概念の元に進められることになる。

 中露の戦略的協調関係はまた期せずして上記の地政学的分野のうちの3点①戦略産業・基盤技術②幹線の接続③金融商品で活性化されよう。

 このような状況は再びある議論を呼び起こすことになる。至高の定言命法の問題だ。すなわち、ハートランド理論と海運立国理論、どちらをとるかという議論だ。

        「定言命法」:カント倫理学における根本的な原理であり、無条件に「~せよ」と命じる絶対的命法である。定言的命令とも言う。
      「ハートランド理論」:ユーラシア大陸の心臓部を支配する国が世界を制覇できる、というマッキンダーが唱えた理論。ユーラシア大陸の心臓部を支配する国は、そこがいかなる海軍の攻撃も受け得ない「聖域」なので、そこを押さえることができれば世界を制することができる、というもの。以下の地図を参照。
        「海運立国理論」:アルフレッド・マハンの海上権力理論。軍事活動の分野だけでなく、平和時の通商・海運活動をも含めた広義のシーパワー理論。




 過去のユーラシアの三大勢力といえば、スキタイ族と、フン族と、モンゴル民族だ。これらの勢力が脆く長続きしなかったのは、勢力範囲が、ユーラシアの海回りの国境まで届かず、海回りを支配下におさめることが出来なかったからだ。

        「スキタイ族」は、イラン系遊牧騎馬民族および遊牧国家。ユーラシアでは紀元前9世紀~紀元後4世紀、中央アジアのソグディアナでは紀元後12世紀まで活動していた。
        「フン族」は、4世紀から6世紀にかけて中央アジア、コーカサス、東ヨーロッパに住んでいた遊牧民。
      「モンゴル民族」は、7世紀から歴史上に登場し、13-14世紀にモンゴル帝国を築いた民族。現在はモンゴル国と中華人民共和国の内モンゴル自治区、ロシア連邦構成国のブリヤート、カルムイクなどにその多くが住んでいる。


 そして、ユーラシアにおける四番目の巨大勢力が帝政ロシアであり、その後継者のソビエト連邦だった。ソ連崩壊の重要な要因は、繰り返しになるが、ユーラシアの海回りの国境まで勢力が届かず、海回りを支配下におさめることが出来なかったからだ。

 米国はそれを阻止するため、マッキンダー(ハートランド理論)やマハン(海運立国理論)やスパイクマン(地理の知識が最重要)の主張を組みあわせた戦略を採用したのだ。米国のこの戦略は、スパイクマン・ケナンの封じ込め作戦という名でさえ知られるようになった。これらの作戦は、ユーラシア大陸、つまり、西欧、東欧、東アジア、中東の全ての海周りにおける「前方展開」作戦である。

        「ニコラス・スパイクマン」:弟子にはまず第一に地理の知識を叩き込ませたという。地理の知識なしに地政学を理解するのは不可能だからである。
        「ジョージ・ケナン」:アメリカの外交官、政治学者、歴史家。1940年代から1950年代末にかけての外交政策立案者で、ソ連封じ込めを柱とするアメリカの冷戦政策を計画したことで知られる。
        「前方展開」:第二次大戦後の冷戦期に米国が採用した軍事戦略。欧州や東アジア・太平洋地域の友好国に駐留軍を配置し、敵対関係にあった旧ソ連による侵攻や威圧を抑止するというもの。


 今となっては、周知の事実だが、米国の海外戦略(それが、米国が第一次世界大戦と第二次世界大戦、両方にに参戦した理由だったのだが)は、ユーラシア大陸を席巻する覇権の誕生を阻止することだったのだ。そうだ、どんな手段を使っても、ということだ。

 覇者としての米国については、「偉大なるチェス盤」という威名をもつズビグネフ・フレジンスキー博士が、1997年に、欠くべからざる帝国的傲慢さをもって、大雑把に次のように概念化した。「隷属者同士の癒着を防いで安全保障上の依存関係を維持してやり、属国を手なずけ保護してやり、野蛮人が集まらないようにすることだ」。古き良き「分断して統治せよ」作戦を、「システムの優越性」を介して適用したものだ。

 しかし、このシステムこそが、いま崩壊しようとしているのだ。世界覇権を目指すお馴染みの連中にとっては大きな絶望を呼ぶことになった。ディーセンによれば、「過去においては、ロシアがアジア重視のスタンスをとることは、ロシア経済に弊害を生むことになり、ヨーロッパの大国としてのロシアの地位を消してしまうと考えられていた」とのことだ。しかし「地政学的な経済の中心地が東アジアや中国に移行している現状では、全く新しいゲームが始まろうとしている」と。

 四六時中、米国は中露を悪魔化し、米国の手下であるEU各国が、ロシアとの関係を「良くない関係」にすればするほど、ロシアはますます中国との連携を強めることにしかならない。そうなると、たった二世紀しか世界覇権を手にしていない西側は重大な岐路に立たされ、その覇権は、アンドレ・グンダー・フランクが結論づけていたとおり、終末を迎えることになるだろう。
      アンドレ・グンダー・フランクは、ドイツ生まれの経済歴史家、社会学者であり、1960年代に提唱された従属理論の生みの親の一人と認識されている。
        従属理論は、低開発国が貧困から抜け出せないのは、先進国に従属しているからであり、後進国が貧困から抜け出すには、先進国(中枢国)との関係を断ち切って保護貿易をおこなうしかないとしたもの。その例が、日本の江戸・明治時代だという。これがフランクの考え。

 ディーセンは、あまりに楽観的すぎる見方かもしれなが、こんなことを期待している。「ユーラシアの台頭という潮流の中で、ロシアと西側との関係も完全に変化するだろう。西側がロシアと敵対しようとするのは、ロシアには他に行くところがないから我々西側が差し出す「協調」を必ず受け入れる、という考えからくるものだ。しかし東方の台頭は、ロシアの協調関係を結ぶ選択肢を多様なものにし、ロシア政府と西側の関係を根本的に変えることになるだろう」と。

 少し気の早い話になるかもしれないが、独露関係について一言述べておこう。ロシアが、拡大されたユーラシア政策をとれば、ロシアはドイツに対して「ロシアと組んでハートランドを形成する」か、「ロシアの提携先を中国に任せてしまう」かの二者択一を提示できることになる。もしドイツが後者を選べば、歴史においては世界の脇役的役割しか果たせなくなるだろうが。もちろん、可能性としては針の穴を通すような確率しかないが、ドイツ-ロシア-中国が三国同盟を結ぶという方法もある。いつの時代もハッと驚かさせるようなことは起こってきたのだから、その可能性もゼロではないだろう。

 現時点で、ディーセンはこう確信している。「ユーラシアの陸の力(地上兵力)が、最終的にはヨーロッパとユーラシア内部の他の国々を組み込むことになる。政治的な忠誠心も、経済利益が東方に移動するにつれ徐々に変わっていくだろう。そうなれば、拡大されたユーラシア的観点から見れば、ヨーロッパは次第に、ただの西の外れにしかならなくなっていく」と。

 ロシアと「良くない関係」にある、西の外れの行商人たちにとっては、実に考えさせられる話ではないか。

 <訳注> 翻訳にあたっては次の論考も参考になりました。

* タタールのくびき
https://www.y-history.net/appendix/wh0602-056.html

  Pepe Escobar, born in Brazil, is a correspondent and editor-at-large at Asia Times and columnist for Consortium News and Strategic Culture in Moscow.
  Since the mid-1980s he’s lived and worked as a foreign correspondent in London, Paris, Milan, Los Angeles, Singapore, Bangkok. He has extensively covered Pakistan, Afghanistan and Central Asia to China, Iran, Iraq and the wider Middle East.
  Pepe is the author of Globalistan – How the Globalized World is Dissolving into Liquid War; Red Zone Blues: A Snapshot of Baghdad during the Surge. He was contributing editor to The Empire and The Crescent and Tutto in Vendita in Italy. His last two books are Empire of Chaos and 2030.
  Pepe is also associated with the Paris-based European Academy of Geopolitics. When not on the road he lives between Paris and Bangkok.

「デジタル・バスティーユ牢獄」における「プライバシー富裕層」対「プライバシー貧困層」_世界経済フォーラム(WEF)の舵取りで「プライバシーは死滅」



<記事原文 寺島先生推薦>

Privacy Poor” vs. “Privacy Rich” in a “Digital Bastille”. The “Death of Privacy” under the Helm of the World Economic Forum (WEF)


By Prof. Bill Willers

January 26,2021

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月10日



 「プライバシーをめぐる市民の懸念は・・・ 思考の調整が必要になる」。「2016世界経済フォーラム(WEF)」において、クラウス・シュワブは世界の未来を決定づける役割をWEF(スイスに本部を置き、政治力と巨額の富で有名な「エリートたち」のNGO)の使命とした。毎年、スイスの小さな山間の町ダボスにメンバーが集まるのが恒例になっているこのグループには、頼まれもしない力を振りかざすことから「ダボスの群れ」という言い方が冷笑的に使われることも多い。世界の人々は、一日たりとも怠ることなく、目を見開き、WEFの語る「プロジェクトと構想の数々」の社会変革が民衆の監視から遠く離れたところで進行しており、実現しつつあることを見逃すべきではない。

 2017年のフォーラムで行われたセッションでは、グローバル社会はプライバシーが「贅沢品」となり、「プライバシー富裕層」と「プライバシー貧困層」に完全に分断されるような環境に向かっているのではないか、という問題がテーマとなった。しかしその後、それはまだ実際意味のある問題なのだろうか、という疑問の声が上がった。デジタル時代に育った人たちは、昔の人たちほどプライバシーを気にしていないように見える。その基本的な行動において、人類はデジタル世界が提供するより大きな利便性とプライバシーを交換しようとする意志を示しており、それはプライバシーをどれほど切実に望んでも、辿り着く先は、結局その消滅(一部の人にとってはゾッとすることだが)ということになるのかもしれない。

 司会者によって提案されたこのセッションの鍵となる問題は、十分に検討されることはなく、実際は慎重に回避されたようだった:プライバシーが完全に消滅し、もはや熟慮の対象にもならなくなる時、厳密に言って何が失われることになるのか?この問題に対してはっきりとした解答を避けたのは、その場にいた人たちが、プライバシーの消滅という避けられない結果が分かっていたからである。そのようなシナリオでは、政府権力は必ず絶対的なものとなり、政府の行き過ぎた行為は、たとえどんなに理不尽なものであっても、それに対する「デジタル市民」の抗議は、すぐに発見され、無力化されてしまうだろうからである。ダボス会議の討論参加者たちがこの事実を公然と認めるということは、自分たち自身の存在基盤を正当化できなくなるのだ。

The Davos Reset 2021 Agenda of the World Economic Forum. A New Phase of Economic and Social Destruction?

 政府には、さまざまな利権がある。とりわけ自分たちの権力の保護と拡張がそれだ。これは市民の利害と必然的に相反する。プライバシーの最後の炎が消されたデジタルの世界では、「各世代が周期的に必要な革命を起こす能力を持つ社会」というトーマス・ジェファーソンのビジョンなどはお笑いぐさになってしまうだろう。不満を言っても無駄だ。政府による市民に対する権力侵害行為を押しとどめるもの何もなくなれば、「民主主義」や「人民による、人民のための政府」というのは、文字通り中身の空っぽな嘘ということになる。根っこから腐ったメディアがのべつ幕なしに繰り返すから、(それらの言葉は)首の皮一枚で生き残っているのだろう。そんな光景はすでに嫌と言うほど見てきた。

 *トマス・ペインや*ベンジャミン・フランクリンのような人物は リセットされたデジタル環境の中では手も足も出なくなるだろう。異質な気配が少しでもあれば、アルゴリズムによってそれは即座に察知される。反対意見を抑制するために、当局は、まず工作員を派遣して、「認知的浸透」によって異端者を再教育するかもしれない。「認知的浸透」とはハーバード大学の法曹界の怪物キャス・サンスタインとエイドリアン・バーミュールが提案したものだ。[傍注:サンスタインは最近、世界保健機関(WHO)から指名されて大衆の中の「ワクチンへの躊躇」を克服するプログラムを開発することになった]そして、非暴力的な認知的浸透が十分機能しない場合、当局は順応できない人に対して他のどんな対処の仕方をするのだろうか?

*トマス・ペイン(1737-1809):イギリス出身のアメリカ合衆国の哲学者、政治思想家、政治理論家、革命思想家。政治的パンフレット『コモン・センス』の筆者

*ベンジャミン・フランクリン(1706-1790):アメリカ合衆国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者。アメリカ合衆国建国の父の一人として讃えられる。


 1968年西側では最も偉大な歴史家の二人が『歴史の教訓』という小さな研究書を発刊した。この中で二人は次のような結論を出している:

 「富の集中は自然で必然であり、暴力的または平和的な部分的再分配によって定期的に緩和される。この見解において、すべての経済の歴史は、社会組織のゆっくりとした鼓動であり、富の集中と強制的な再分配の規模の大きな収縮期と拡張期の繰り返しということになる。」

 しかし、この二人の慧眼はもはや意味をなさないことになる。なぜなら、デジタル世界は、そこで言われているのは、「すべてを変える」ということだし、それは歴史的なパターンも変えるからだ。かつては、腐敗した権力に反抗する魂が、独裁主義者たちに気づかれることなく反乱を起こすことが可能だった。しかし、デジタル世界は、ひとつの巨大な傾聴装置と化しており、その性能は常に磨き上げられ、(対象とする)範囲を広げている。より安全な社会を求め自国を離れようとしても、そんなことは今では無意味だ。もはや安全な「逃げ場」などどこにもないからだ。

 「モバイル・デバイス」は家に置いて、田舎を散歩し、他の不平分子とひそひそ話で戦略を練ることはいつでも可能だと思うかもしれない。しかし、目に見えない壁は(私たちの生息空間を)どんどん狭めており、現在計画されている電子通貨システムが、クレジットカードとチップを介して生活必需品を手に入れる唯一の手段となれば(政府は物理的な貨幣の生産を完全にやめるだけでよい)、それで一件落着。電子的にカードを無効化し、口座を凍結するだけで、潜在的な反体制派は、即、お手上げ状態になってしまう。このような状態下――WEFの戦略家たちの操作で現在そうなりつつある状態下――において、私たちは一人残らず、目に見えない、嵐が来てもびくともしない電子バスティーユ牢獄に閉じ込められていることに気づくことになるだろう。

 

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COVID後、ダボス会議の議題は「グレート・リセット」に移行


<記事原文 寺島先生推薦>

ウィリアム・エングダール著

グローバルリサーチ、2021年1月27日

After COVID, Davos Moves to The “Great Reset”

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月1日



 アメリカのバイデン大統領が就任したことで、ワシントンはパリ協定の地球温暖化アジェンダに再び加わった。中国が2060年までに厳しいCO2排出基準を満たすことを大声で公約している中、今、世界経済フォーラム(以降WEF)では、WEFのトップであるクラウス・シュワブ氏が「グレート・リセット」と呼ぶ、私たちの生き方を変えるアジェンダが発表されようとしている。

 勘違いしないでほしい。これは、ロックフェラーやロスチャイルドのような古い富豪一族が何十年にもわたって計画してきたアジェンダに合致している。ブレジンスキーは、主権国家の終焉と呼んだ。デビッド・ロックフェラーは、「一つの世界政府」と呼んだ。ジョージ・H・W・ブッシュは、1990年に「新世界秩序」と呼んでいた。今、私たちは、もし私たちが許せば彼らが何を課そうとしているのかを、よりはっきり見ることができる。

 世界経済フォーラムのグレート・リセットは、21世紀型の新しい世界支配を展開するためのものだ。

 「私たちの地球は一つしかなく、気候変動が次の地球規模の災害となり、人類にとってさらに劇的な結果をもたらす可能性があることを、私たちは知っている。WEFの創設者であるシュワブは、2021年1月のアジェンダについて、「残された短い時間内に経済を脱炭素化し、私たちの考え方や行動をもう一度自然と調和させなければならない」と宣言している。

 実は、これらの関係者がかつてこれと全く同様のことをおこなっているのだ。それは、第二次世界大戦の前夜の1939年のことだった。

戦争と平和研究

 当時、ロックフェラー財団はニューヨーク外交関係評議会(以降CFR)の外部にある極秘戦略グループに資金を提供していた。このグループは「戦争と平和研究」という名で知られ、ジョンズ・ホプキンス大学の地理学者アイザヤ・ボウマンが長を務めていた。ドイツのパンツァー戦車がポーランドに乗り込む前から、彼らは戦後の世界を計画していたのである。

 ドルをベースとした米国主導の国連の創設とブレトンウッズの通貨秩序の策定は、彼らの計画の一部であった。アメリカが正式に参戦した 1941 年、CFRは米国務省にメモを送った。

  「もし、戦争の目的が英米帝国主義だけに関係しているように見えるようなものであれば、世界の他の国々の人々に訴えることにはならないだろう。他の人々の利益が強調されるべきである。その方がより良い宣伝効果があるだろう。」

 この成功したプロジェクトは、1941年にヘンリー・ルースが「アメリカの世紀」と呼んだものの枠組みとなっており、ごく最近まで続いていた。

 今、ロックフェラー財団とロスチャイルド一族を含む同じ一族が、リン・デ・ロスチャイルドの「バチカンとの包括的資本主義協議会」に参加しており、次世代を自分たちの世界支配下に置くよう画策している。この動きがグレート・リセットと呼ばれているものだ。グレート・リセットの実現には、世界政府が必要であり、イエズス会のフランシスコ法王もその方針を支持している。PRマンのクラウス・シュワブは、ロックフェラーのインサイダー、ヘンリー・キッシンジャーの自称弟子で、キッシンジャーはシュワブの50年前のハーバード大学時代の仲間だ。

「ビルドバックベター(よりよい復興)」

 2020年5月、武漢での最初の発生時には考えられない規模で、コロナウイルスが世界的なロックダウン・パニックを引き起こしたとき、チャールズ皇太子は、世界経済フォーラムの創設者クラウス・シュワブとともに、彼らが嬉々として「グレート・リセット」と名付けたアジェンダを発表した。世界の政財界のリーダーたちは、「グレート・リセット」や「第四次産業革命」、バイデン政権が好む「よりよい復興」などの言葉を使うようになってきている。これらの言葉はすべて、「世界規模で劇的な変化を起こす」という概念とつながっている。米国のグリーン・ニューディールとEUの欧州グリーンディールも、すべてその一部である。

 グレート・リセットのアジェンダについて最も衝撃的な事実は、現在の世界経済モデルの欠陥に責任を持つ、まさにその超大金持ちの独裁者一族によって進められていることだ。私たちではなく、彼らが、グリホサートラウンドアップや有毒な農薬を使って、有機栽培の畑や自然を荒廃させてきたのに、だ。彼らは、彼らが私たちに押し付ける交通モデルによって、私たちの都市の大気の質を台無しにしてきた。彼らはグローバリゼーションという名の「自由市場モデル」を生み出し、米国とEU先進国の産業基盤を台無しにした。彼らは、「二酸化炭素の壊滅的な排出」を私たちのせいにしてきた。さらに、グレタと友人たちの「次世代を救うため」というお題目のために、私たちは罪を受け入れ、罰せられるように条件付けされてきた。

 そして今度は、ダボス会議が提唱する世界経済の「大リセット」だ。COVID-19パンデミックの後に何が起こるのか?

第四次産業革命
 
 持続可能な世界を作ろうとする権力者たちの魅惑的なレトリックの背後には、むきだしの優生学的思考や、かつてない規模の人口削減過計画が潜んでいる。人間はもはや人間とは呼ばれず、"トランスヒューマン (疑似人間)"と呼ばれるようになるようだ。

 2016年、WEFのシュワブ代表は『第4次産業革命の未来の形成』という本を書いた。その中で彼は、5Gスマートフォン、モノのインターネット(訳注:様々な実体物が電子化され、インターネットのようにつながっている状態)、人工知能といった第4次産業革命でやってくる技術的変化について説明している。それはあらゆるものを結びつけようという変化だそうだ。そのような変化が、牛乳を買い足したり、ストーブの火を消したりといった私たちにとってごく平凡な意思決定をする際にも使われるという。それと同時に、データはグーグルやフェイスブックのような民間企業に集約され、私たちの呼吸のすべてまでもが監視されるようになるそうだ。

 シュワブは、グーグル、ファーウェイ、フェイスブック、その他数え切れないほどの企業がすでに展開している新世代のテクノロジーによって、政府が「これまでプライベートだった私たちの心の空間に侵入し、私たちの思考を読み取り、私たちの行動に影響を与える」ことが可能になると説明している。"ウェアラブル(装着可能な)・コンピュータからバーチャルリアリティ・ヘッドセットまで、今は外付けとして使われているデバイスが、ほぼ確実に私たちの体や脳に埋め込まれるようになるだろう」とシュワブは付け加えている。

 シュワブは、「第四次産業革命がもたらすものは、私たちの物理的、デジタル的、生物学的なアイデンティティーの融合である」と付け加えている。これらの融合技術の中には、「体の皮膚の壁をのり超えることができる、常時起動可能な埋め込み型マイクロチップがある」とシュワブ氏は説明している。これらの「移植可能なデバイスは、“内蔵の”スマートフォンを介して通常は口頭で表現される思考を伝達するのにも役立つだろう」し、「脳波などの信号を読み取ることによって、“表現されていない思考や気分を"伝達するのに役立つ可能性もある」とのことだ。いやいや、シュワブさん。私はあなたのことをよく知らないが、国家やグーグルに自分の脳波を読ませることなんて望んでないですよ。

私たちの食べ物をコントロールする

 多くの人が混乱しているのは、多くのフロントグループ、NGO、プログラムが同じ目標に向かっていることだ。それが国連のアジェンダ2030だ。このアジェンダは、持続可能という名のもとに、社会のすべてのメンバーを大規模に支配下に置くことである。グローバル化された工業農業やアグリビジネスは、ロックフェラー財団によって1950年代に始められ、今に至っているプロジェクトなのだが、同じ面々が今提唱しているのが「持続可能な」農業だ。そこには、従来の食品を、遺伝子組み換えの偽物食品や、実験室で作られた合成肉などに変えようという意図がある。さらに、新しい食糧源としてミミズや雑草なども考えられているようだ。

 WEFのシュワブは、EATフォーラムと呼ばれるものと提携しており、その提携を "食のダボス会議 "と表現し、"政治的アジェンダを設定する "ことを計画している。EATは、英国のウエルカム・トラスト(グラクソ・スミスクラインからの資金で設立)とドイツのポツダム気候影響研究所からの支援を受けて、2016年にスウェーデンで設立された。実験室で生産された合成遺伝子編集食肉製作の支援者の中には、かのビル・ゲイツもいる。ビル・ゲイツはモデルナ社などの遺伝子編集ワクチン製作にも支援している。EATはインポッシブル・フーズなどのバイオテクノロジー企業と協力している。インポッシブル・フーズには当初、グーグル社、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツが共同出資していた。最近の実験結果では、同社の模造肉には、最も近い競合他社の模造肉の11倍の規模で有毒なグリホサートが含まれていることが判明した。

 2017年にEATは、バイエル社(Bayer AG)の支援のもと、FReSH(持続可能な世界と健康のための食糧政策の再構築)を立ち上げた。このバイエル社は、世界で最も毒性の強い農薬や、遺伝子組み換え作物を生産している企業の1つであり、現在モンサント社を所有している。後援企業はほかに、遺伝子組み換え・農薬の巨大企業であるシンジェンタ社(中国資本の企業である)、カーギル社、ユニリーバ社、デュポン社、さらにはグーグル社がある。これは、グレート・リセット下で計画されている食品業界の未来の姿を現している。伝統的な家族経営の農家などはどうでもいい、ということなのだろう。

 2020年の『グレート・リセット』という本の中で、シュワブは、バイオテクノロジーと遺伝子組み換え食品は、COVIDが悪化させてきた世界的な食糧不足問題の中心的な柱になるべきだと主張している。彼は、遺伝子組み換えと、特に物議を醸している遺伝子編集を推進している。彼は、「世界的に食糧安全保障が達成される唯一の条件は、遺伝子組み換え食品に関する規制が現実に即して変更されることだ。すなわち、遺伝子編集は収穫の改善に関して、正しく、効果的で、安全な方法だという認識が必要である、ということだ」と書いている。シュワブ社のプロジェクトパートナーであるゲイツも同様の主張をしている。

 EATは「惑星の健康食」と呼ばれるものを開発したが、WEFはこれを「未来の持続可能な食生活の解決策」と称している。しかし、ブリュッセル大学の食品科学・バイオテクノロジー教授であるフェデリック・レロイ氏によると、「この食事療法は、世界の人口の肉類と乳製品の摂取量を、場合によっては90%も削減し、それを研究用に作られた食品、穀物、油に置き換えることを目的としている」とのことだ。

 グレート・リセットに関わる他のすべてのものと同様に、私たちは何を食べるかについて本当の選択肢を与えられないことになるだろう。EATが指摘しているのは、「法律や、財政措置や、補助金や罰則、貿易の再構成、その他の経済的・構造的措置を含む強硬な政策介入」が、私たちに課されることになるということだ。私たちは皆、同じ合成飼料を食べさせられるか、飢え死にさせられるかの選択を余儀なくされるだろう。

 今「COVID-19によるロックダウンと経済崩壊の対策である」という名目で準備されていることは、ほんのヒントに過ぎず、2021年はこの反人間的なアジェンダにとって決定的な年になるだろう。AI、ロボット、その他のデジタル技術の導入により、権力者たちは何億もの職場を処分することが可能になるだろう。彼らのプロパガンダに反して、新しい仕事を創設することだけでは十分ではないだろう。私たちはますます「不必要な存在」と化していくだろう。

 彼ら自身の記述を読むまでは、こんなことはあまりにも非現実的に思える。世界で最も影響力のある企業と億万長者の陰謀集団が、キッシンジャーの教え子であるクラウス・シュワブと一緒にWEFの理事会の席に座っている。そこには、国連総長や、IMFの専務理事もいる。ブラックロック、ブラックストーン、欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド、カーライル・グループのデビッド・ルーベンスタイン、中国で最も裕福な億万長者であるジャック・マーなど世界最大の金融巨人のCEOたちもいる。この事実は、彼らの絹のような美辞麗句とは裏腹に、このグレート・リセットは、本質的には、我々にとって本当に利益をもたらすことを目指してはいないということを十分に証明しているのだ。このディストピア的なアジェンダは、オーウェルの小説『1984年』の強化版だ。COVID-19は、その前奏曲に過ぎない。

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