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ジュリアン・アサンジのアメリカへの身柄引き渡し公聴会:裁判はやればいい、だけではすまない。文字通りの「視覚化」が必要。


<記事原文 寺島先生推薦>

Julian Assange extradition hearing: Why justice must not only be done, but be ‘seen’ to be done – literally


RT 論説面
2020年9月7日
ニール・クラーク


Neil Clark is a journalist, writer, broadcaster and blogger. His award winning blog can be found at www.neilclark66.blogspot.com. He tweets on politics and world affairs @NeilClark66


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年9月28日




 新たに再開されたアサンジの身柄引き渡し公聴会において、市民団体と政治監視団体あわせて40団体がオンライン上から見守ることを拒否された件は、今回の事案の重要性から強く批判されている。また、人々が不安な気持ちを持つ理由は容易に理解できる。 

 「単に重要だというばかりでなく、根本的に重要なことは、裁判はただやればいいというものではなく、それが人々の目にはっきりと疑いもなく見える形で行われなければならない、という点だ」というのは、ヒューワート主席裁判官の有名な宣言の中にある言葉だ。

 悲しいかな、今日ロンドンで再開されたジュリアン・アサンジの身柄引き渡し公聴会では、まさにその点がそうなっていない。アムネスティ・インターナショナルと国境なき記者団は、公聴会への遠隔アクセスを拒否された40の市民団体や政治監視団体のうちのほんの2例に過ぎない。 

 コロナウイルスの規制で、この時期イギリスには来られず、傍聴席には限られた空間しかない(アサンジの父親はその限られた空間で審理を見ていた)中で、オンライン上から裁判を見守れることはこれまで以上に重要だった。しかし、当局の考えは違うようだ。



 「Bridges4Media」というグループによると、英国司法省からの書簡には、バライツァー地方判事による「法廷の品位の維持」の懸念が引用されていたという。同判事は、2月の公聴会の画像がソーシャルメディアに掲載されたことを懸念していた。 

 法廷報道の規則は厳格であり、その規則に抵触して司法妨害の罪に問われた面々にはご愁傷様としか言い様がない。しかし、この事案の政治的な影響が桁外れであることを考えると、監視団体がオンラインで公聴会の様子を見ることができないのは疑問であることは確かだ。実際、この事案の重要性を考えると、誰もが見ることができるように、公聴会の様子をテレビの生中継で流すべきだという意見を議論の俎上に載せることは可能だろう。


ALSO ON RT.COM 

London court resumes Assange hearing amid worldwide protests against his extradition to US 

 人権保護団体アムネスティは、人権問題の事例においては通常外部からオンライン上で裁判を見守ることが許可されているが、今回の件では許可されていない。アサンジの支持者たちの言い分は、これもアサンジの裁判が特別扱いされている一例であり、しかもどの団体に対しても同じだ、という点だ。

 公正な社会の基本原則である「推定無罪」という点からも論じてみよう。 アサンジはレイプで告発されたが、起訴はされなかった(最終的には不起訴になった)。しかし、そのことは「体制側と同じ穴の狢(むじな)」である有象無象のコメンターたちが、アサンジを「レイプ魔」と中傷するのを止められなかった。皮肉なことに、アサンジを公に非難したコメンターの多くは、おそらく自分たちを「リベラル」だと思っているのだろう。しかし、今回彼らは、法的に確立された事実だとして、よりにもよって、ある大真面目な申し立てをしていた。アサンジは「起訴されなかったから無罪」なのではなくて、「告発されたから有罪」だと言うのだ。公正を信じる者であれば、誰がそんなことを支持するだろう。

ALSO ON RT.COM 

John Pilger: The Stalinist trial of Julian Assange 

(翻訳版はこちら )

 ロンドンでの月曜日の公聴会の前に、アサンジは6月にアメリカ政府が発令した新たな起訴状で再逮捕された。その起訴状には、コンピューターのハッキングを企て、国防情報の入手と公開を含む18の新しい罪状が含まれている。アサンジの勅選弁護人は、この最新の起訴は予告なしに「ぎりぎりの時間」に行われたと訴えたが、DJバライツァー地方判事はその異議申し立てを却下した。新たな告発に備えるための弁護側の更なる延期要請も却下された。バライツァー判事は以前にその提案をアサンジの弁護団に申し出たことがあったが、それは弁護団によって拒否された、とのことだ。 

 アサンジはすでに16ヶ月、重警備のベルマーシュ刑務所に収監されている。次のことを考えてほしい。ジュリアンと同じ時期にベルマーシュ刑務所にいたのは、スデッシュ・アマンという男だった。アマンは2018年11月、テロ情報を含む文書を所持し、テロリストの出版物を広めた罪で懲役3年半の判決を受けていた。アンマンはナイフ攻撃を実行することに執念を燃やしていたようだ。アサンジが刑務所内部でぐったりしている間に、「イスラム国(IS)」を支持するアマンは2020年1月23日にベルマーシュから釈放された。 そうして何が起こったか?完全に予想通り、自由を与えられた数日後に、アマンはストリータム・ハイストリート(ロンドン)で刺殺事件を起こした。彼は警察に射殺される前に2人を刺して負傷させた(1人は重体)。

 どちらが一般市民により大きな脅威を与えたのか。アマンかアサンジか?明らかにアマンの方だ。しかし、アマンは釈放され、アサンジの苦難は続いている。祈りに近いかもしれないが、みんなで期待したいのは正義が果たされることだ。そして同じくらい重要なのは、正義が果たされるところをこの目で見られることだ。

 

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「コロナ民警、出動!」。君は、国家の回し者になり、ご近所さんがコロナの取り決めを破るのを告発する気はあるかい?

 <記事原文 寺島先生推薦>

Covid Stasi: Will you become an agent of the state and report breaches of the Covid rules by your neighbours?



RT 論説面 2020年9月15日


クリス・スウィーニー

Chris Sweeney is an author and columnist who has written for newspapers such as The Times, Daily Express, The Sun and Daily Record, along with several international-selling magazines. Follow him on Twitter @Writes_Sweeney

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 
2020年10月3日



 英国が物議をよぶ新しいコロナ関連の政策の導入を打ちだした。それによると、国家が市民に要求しているのは、何かおかしな行為を見かけたら鐘を鳴らして国家に知らせろ、ということだ。しかし、こんな政策はまったく有害でしかない。


 政府が英国市民に奨励しているのは、近隣住民であれ誰であれ、密告することだ。こんな耳障りの悪い要求を出したのはプライムミニスター(首相)ならぬクライムミニスター(犯罪大臣)のキット・モルトハウス議員だ。彼が、改変されたコロナ関連の制限措置に対する違反者を見つけたがっているのだ。

 新しい取り決めでは、屋外においても、屋内においても、6人より多い人が集まる集会を禁止している。この取り決めに反したものには3200ポンド以下の罰金が課される。

 市民が取り決めを破ったものたちを警察に通報すべきなのだろうか?モルトハウス議員は 「もちろんそうすべきだと考えている」と答え、さらに「近隣住民による告発を受ける体制は出来ている。その際は、非常時の101ではなく非常時でないときに使用する999に電話してくれて結構だ」。

 

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NHS admissions for cancer, heart attacks, other deadly illnesses fall by thousands amid Covid-19 outbreak in UK – report

 この計画により、すでに国中で警察権力が強化されている中、警察の仕事がさらに増えることになりそうだ・・・一般市民が情報提供者の役割を果たすということになれば。しかし、英全国警察署長委員会(NPCC)委員長のマーティン・ ヒューウィット氏はそのことについて心配はしていないようだ。同氏はこう認めている。「我々全てが責任感をもてるかどうかにかかっている」

 地域では友情の高まりが形成された。この3月に都市封鎖が襲った時のことだ。病弱な人たちや一人暮らしをしている人たちに対して、善意から支援の手が差し出された。しかし、今回のように密告を奨励するような政策を取れば、せっかく形成されたよい雰囲気が台無しになってしまうだろう。こんな政策を取れば、「カーテンのすきまから隣人を見張る」ものたちが連携を取り合い、隣人に探りを入れたり、隣人が何をするつもりなのかを監視しようとするだろう。

  これまでの都市封鎖がどれだけ人々を分断させるかについては、私たちはすでに目にしてきているのだから。

  先週(9月第二週)の調査結果によると、コロナ対策の取り決めを守っている人たちの68%は、その取り決めを守ろうとしない人たちに対して、怒りや嫌悪感をもち、そんな人たちを「悪人」だと見なしているとのことだ。

 ロンドンのタワーハムレッツ区における活動家マーク・ベインズ氏は、こう語っている。「隣人が庭に人を8人集めたことを通報するよう市民に頼むなんて本当にバカげている。こんなことをしても資源の無駄遣いだし、地域の結び付きを壊すことにしかならないだろう」

 このような抑圧的な政策が導入されると、こんなふうに思う市民も出てくるだろう。「私、ご近所さんのこと見張ってないといけないのかしら?それが私の果たすべき市民としての義務なのかしら?」と。

ALSO ON RT.COM


Moral(istic) majority: Nearly 60 % of mask wearers think non-maskers are ‘bad people’ - Britain, what’s wrong with you?

 先日、エジンバラ大学は「良き市民のためのガイドライン」というものを発表した。そのガイドラインには「コロナに関わる軽犯罪を報告する記入用紙」がついている。

 しかし自分と同じ市民を密告することを可能にするような制度を打ち立てることが、この問題に対処する最善策では決してない。こんな制度を始めてしまったら、私たちはどこに向かってしまうのだろうか?市民として正しい方向に進めるのだろうか?

 近所のお宅に何人の人が入ってきたかを記録するなんて考えられないことだ。こんなものは工作員の仕事だ。ただの好奇心だけで片付けられる問題ではない。そして誤解を恐れずに言うと、英国人の中には他人を屈服させる権利が手に入り、身を震わせて喜ぶ人も確かに存在するのだ。

  自分の家の前に車を駐車されて大迷惑だとののしり、「身の丈を知らない」隣人が不格好な衛星放送のアンテナをこれ見よがしに設置していることに怒り狂う狭量なやつらは、ペンと紙を取り出して隣人の行為の詳細や時間や日付などを書き留めることができる、こんな機会が訪れるのを待ちきれないでいる。


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Coronavirus measures more divisive for UK than Brexit – poll

 最終的には、車のナンバープレートにいたずら書きをするようになるだろう。その目的は、警察に犯人を知らせるためだけだ。いやいや、そんなことでは終わらない。動画を撮影して警察にメールで送りつけることも出てくるだろう。そんな人たちは再度警察に通報するだろう。そして再び警察に通報の電話がかかってくるだろう。かわいそうな隣人たちが、自分たちの事を密告したのが誰かを突き止めた時には。

 近所や同僚の中で、こんな悲惨な状況になることを喜んで待っている人が誰なのか、私たちはすぐに見当がつく。

  窓からレンガが投げ込まれたり、家に落書きを書かれたりすることは想像に難くない。「ちくったらひどい目にあうぞ!」というお経が無限に繰り返される悪名高い牢獄に入れられているようなものだ。

 すでに英国はBLM(黒人の命も大事だ)抗議運動や、マスク着用反対の抗議活動や、難民受け入れをどうするかの議論で、てんやわんやだ。こんなときにこんな政策を導入するなど、ガソリンタンクにマッチを投げ込むようなものだ。むちゃくちゃな言いがかりがまかり通ることにもなる。

 過去の遺恨が掘り起こされることにもなるだろう。たとえば、以前お隣さんが庭にたてた壁の大きさについてもめたことなど。

 こんなことが起こるかも知れない。隣人に対する仕返しに必死になり、鷹のような目で隣人の恐ろしい行為を監視して「その瞬間」を待つ。「ほらほら、7人目が来たよ。38号室の庭に人が入ってくる様子をさっきから4時間、ずっと撮影してるんだから。さあ、携帯を私に渡して」。こんなことがあったなんてとうてい思えないが、38号室をノックした警官たちによると、どうやら実際にあったことのようだ。情報提供者がそう言っているのだから。

 こんな政策は完全に有害だ。心配されるのは、他人に優越感を持っている人たちがこんな政策を歓迎するかもしれないということだ。こうしたことは我々が思っている以上に多いのだ。

 忍び足で自宅に近づき、裏口から家族を家の中に招き入れ、暗闇で車のライトを照らして「今なら大丈夫」というサインを送る。こんな未来が待っているかも。

 英国は映画『裏切りのサーカス』を地で行く事になるかもしれない。近所に住んでいるタクシー運転手が「カルロス・ザ・ジャッカル(訳注 ベネズエラのテロリスト)」として生まれ変わり、アパートの下の階に住んでいる温和な女教員がニキータ(訳注 カナダのTVドラマの登場する工作員)の顔に見えてくる!?

 皆が常識を持って行動することに期待しよう。スパイが情報を交換しあう場所やスパイ行為やスパイ技術・・・そんなことは全部、映画の世界にとどめないと。そして、そんなスパイ世界への足がかりを私たちの住む街に作らないでほしい。

 

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みなさんよ、持つべきものは敬意だぜ!アメリカはよ、標準英語教育を捨てて、黒人言語を良しとしたんだ!

< 記事原文 寺島先生推薦>Y’all show some respeck now! America gives up on teaching ‘standard English’ in favour of ‘Black language’ instead


RT 論説面 2020年9月3日


マイケル・レクテンウォルド

Michael Rectenwald

is an author of ten books, including the most recent, Beyond Woke. He was Professor of Liberal Arts at NYU from 2008 through 2019. Follow him on Twitter @TheAntiPCProf

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 
2020年9月25日


 学者たちが、英語は「言語による反黒人人種差別」だと批判したことを受け、米国の主導的な言語研究協会は「黒人の学生たちが、正式な英語を気にしないでもいいようにしろ」という要求を承認した。もちろん「正式な英語を使うこと」についても、だ。

 大学における作文とコミュニケーション協議会(CCCC)は公式見解を発表し、大学の教室において「教員たちは学術用語や標準英語の使用をやめ」、「黒人英語」を教えるよう要求した。

 この声明には、「今回はただの表明じゃないぜ。黒人英語正当化の要求だ」というタイトルがつけられている。この声明は米国の英語学の教授たちが提起した長い文章であり、同じ文の繰り返しも多く、いくぶん冗長な文章である。そして、この声明が要請しているのは、高等教育における言語の使用と教育に関するものであり、その中には「標準英語」の排除や「教員や研究者や学者たちは黒人英語に敬意を払うべきだ」という内容も含まれている。

 この声明は、その草案起草者たちの言葉によれば、BLM(黒人の命も大事だ)抗議活動や暴動、さらには新型コロナウイルスの流行(彼らは、その流行は不均等な形で黒人たちに悪影響を及ぼしたとしている)を受けて出されたものだ。その声明では、言語使用の多様性に関してすでにCCCCが発表した25以上の表明や議決をあげているが、この声明の草案起草者たちの主張は、これらの表明や議決だけでは以下のことを推進していくには全く不十分であるとしている。それは、「黒人の言語に対する気づきを高め、意識や言語(いずれか一方か両方)に関する自立心を涵養し、白人優勢主義を払拭し、言語による反黒人的な人種差別を除去すること!」の推進である。

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US pop star Akon’s $6bn plan to build a real-life Wakanda in Senegal is an insult to black people’s intelligence


 この表明が単なる一握りの「黒人言語学者」による「要求」ではないのかと邪推する人が出ないように、 8月3日CCCCは公式にこの議決を承認した。 つまり、英語教育については、米国で重鎮的な位置を占めるこの協会が、「黒人学生はもう“標準英語”について、さらには標準英語を使用することについても悩まなくてもよくなる」ということを認めたことになる。

「黒人英語」(例えば“ain’t” や“put some respeck on”など)を申し訳程度にちりばめてはいるが、この声明自体は学術用語で書かれていて、専門用語や上から目線の言い方が必要以上に多用されている。これこそ学術論文が不人気な理由なのに。

 さらにこの声明は、「全ての学生が、黒人英語の研究家や専門家から学ぶ機会が保証されるべき」という要求を行っているが、そうなると明らかに「黒人英語」が使用できるのを黒人だけに制限することにつながる。黒人以外の人たちが「黒人英語」を使用することが、「文化の盗用」と見なされ、禁じられることになるからだ。そうなると明らかに、「黒人英語」が歴史上初めて、以下のような言語となってしまう。すなわち、ある人がその言語を覚えたいと思っても使えるようになること許されず、その言語を現在話している集団から、他の集団の人が話すことを望まれなくなる言語になるということだ。その人の肌の色が適切な色でない限りは。 

 学者たちだけが既得特権を持つと思われても仕方がないだろう。その特権とは、学者たちだけが「学術用語」を学び使いこなせるようになるという特権だ。その学者たちの教え子たちはそんな力をつけようとすることさえ許されず、推奨されないというのに。学者たちはそんな教え子たちを「単一の言語しか知らない言語学者か!」や「文化の枠にとらわれている!」などと叱責しないのだろうか? なぜ彼らの教え子たちがジョン・ミルトンのような白人作家の作品を理解することを遮られないといけないのか?そして トゥパック・シャクールのような黒人作家の作品の学習に制限されないといけないのか?こうなってしまうと、学者たちの黒人の教え子たちが、どこまで能力をつけられるかの先が知れてくる。 

ALSO ON RT.COM

The ‘Adele does Jamaica’ storm shows that the debate around cultural appropriation is, in any language, a mess

 
 実際、「黒人言語学は標準英語や標準英語以外の多様な英語使用を排除して教授され、また奨励されるべきだ」という前提は、文化や言語の均一主義を生み出してしまう。その均一主義を言い換えれば、「黒人は皆同じような話し方をすべきだ」や、「黒人は“白人”英語に触れてはいけない」ということになる。そうなれば学生たちが、英語のすべての文体を理解し使いこなすことなどとうてい不可能なことになってしまう。

  こんな要求は、意図的な人種隔離を生み、表現の貧困化にしかならない。そう、まさにハーレム・ルネッサンス派の作家ラルフ・エリソンが嘆いていたことと同じだ。エリソンは、アーヴィング・ハウが「エリソンのような黒人作家は“抗議活動小説”だけ書いていれば良い」と言ったことに対してこう批判していた。「ジム・クロ-南部よりひどい囲い込みだ!」



 

 

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米国の20代~30代のほぼ11%がホロコーストはユダヤ人が起こしたものだと思っている!


<記事原文 寺島先生推薦>

Almost 11% of US millennials & Gen Z think the Jews caused the Holocaust, disturbing new survey shows



RT USニュース

2020年9月16日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年9月30日

 
 米国での新しい調査は、予想外の結果をもたらした。若い世代の有権者の11%に近い人たちは、ユダヤ人がホロコーストを起こしたと考えていることが分かった。つまりナチスの大量虐殺について知らない人が驚くほど多くいるということだ。

  米国のミレニアル世代(1980年前後から2005年頃にかけて生まれた世代)とZ世代(1990年中盤に生まれた世代)を対象に、50州で行ったホロコーストについてどのくらい知っているかの調査が、「ユダヤ人の対独物的請求会議」により実施された。

 この調査では、全米でおよそ1000人から聞き取り調査を行った。対象者は無作為に選ばれ、さらに各州の18歳から39歳までの若者200人からも聞き取りを行った。

  回答者のうち63%程度が、600万人のユダヤ人が殺されたことを知らなかった。回答者の36%が「殺されたユダヤ人は200万人以下だった」と考えていた。

 回答者のおよそ48%が、第2次大戦当時の強制収容所やユダヤ人居住地の名前をひとつも挙げることが出来なかった。

「この結果に驚いただけではなく、悲しい気分になった。この結果を受けて、私たちはもっと活動を深めていかなければいけないと感じた。ホロコーストから生き残った方々が、まだ私たちとともにこの世界に生存しておられる。その人たちの声を届けなければ」。ユダヤ人の対独物的請求会議会長ギディオン・テーラー氏は、この結果を受けてこう語った。


ALSO ON RT.COM

Sick craze that has Gen Z pretending they’re Holocaust victims in heaven is sure proof that Tiktok users have lost the plot



 
 研究者たちは、ホロコーストについての知識度を三つの基準に分けて考えた。①ホロコーストという言葉を聞いたことがある②少なくとも一つの強制収容所や絶滅収容所の名前をあげることができる③ユダヤ人が600万人殺されたことを知っているの3基準だ。

 その結果はこの会議の幹部を驚かせるものだった。たとえばニューヨークの回答者のほぼ19%が、ホロコーストを起こしたのはユダヤ人だったと考えていることがわかった。他にもルイジアナ州やテネシー州やモンタナ州では16%、アリゾナ州やコネチカット州やジョージア州やネバダ州やニューメキシコ州では15%という結果だった。

 そして、再び同じようなことが起こりうると思っている人が59%いる、ということもわかった。

 この調査結果に対するネット上の反応をみると、「悲しい」という意見が少し、それ以外は米国の教育体制を非難する声が多かった。

 



 



 

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Covid-19:グレート・リセット(世界の初期化・再設定)再考――恐ろしい脅威と従順に対する報酬・・・今こそ抵抗するとき


テーマ:グローバル経済、インテリジェンス、メディア偽情報、警察国家と公民権、科学と医学、国連<記事原文>

Covid-19: The Great Reset – Revisited. Scary Threats, Rewards for Obedience…It is Now the Time to Resist


ピーター・ケーニッヒ グローバルリサーチ、2020年9月17日

<記事翻訳 寺島美紀子>
2020年9月30日


 「Covid-19:世界の再設定」は、WEF(世界経済フォーラム)の創設者兼会長 クラウス・シュワブと、WEFのシンクタンクのひとつであるグローバル・リスク・ネットワークの上級職 ティエリー・マレレが執筆した本のタイトルである。本稿の分析の基礎になっているのは、スティーブン・ギネスによる2020年9月4日の書評である(これを参照)。

 
スティーブン・ギネス(イギリス)によるこの重要な書評が明らかにしているのは、1973年に三極委員会から聞かされた「相互依存」「協調」「協力」という古い言葉の繰り返しであることだ。当時と今もなんら変わらぬ目標は、「持続可能な開発」、別名テクノクラシー(技術官僚政治)であり、世界史上最大の資源の奪取につながるだろう。―― 『テクノクラシー・ニュース・エディター』


 その本は「飴と鞭」の筋書きを提示する。恐ろしい脅威と従順に対する報酬である。シュワブとマレレは「世界を再設定」したあと、「新しい楽園」としての「勇気のいる新世界(ブレイブ・ニュー・ワールド)」を提供する。

 「世界の再設定」の背後に隠れている権力者たちは、二つの目に見えない武器を巧みに使う。
 i)おそらく人工ウイルス。現在はCovid-19と呼ばれているが、企業のプロパガンダが「それは致命的で恐ろしい」とわれわれに信じ込ませている。恐怖が準兵器となる。
 ii)5G(および、そののち6G、これもすでに準備中)。強力な、これまでに経験したことのない磁場。これについてはWEF(世界経済フォーラム)の本でも、公式メディアでもいっさい話題にのぼっていない。しかし、すでに全世界に広がっており、カバーするのは地球表面のすべての平方センチメートルで、数十万個の低空衛星から電磁波が照射される。

 この電磁兵器は、恐らく致命的かつ長期的な損傷を与える可能性があり、この長期的損傷については既に数百人もの科学者が研究してきた。しかし彼らの研究は公式に発表されたことはなく、埋もれたままになっている。われわれ民衆は、浅瀬で干上がった蚊のように無知のまま放置されている。5G兵器について以下のYouTubeビデオをご覧ください。8分。

 

 この『世界の再設定』という本に満ちているのは、今後かならず起きるか起きるかも知れないという事象の予測や、脅威たとえば世界は再び元通りになることはないとか、またわれわれが「世界の再設定」の始まりにいて、今後もっと悪いことがやって来る、あるいは大転換がやって来る、というようなことである。IMF(国際通貨基金)もこれから何が起きるかを叫んでいる。

 著者の二人はNWO(新世界秩序)を疑うひとたちに恐怖をまき散らしている。世界が決して二度とふたたび元通りの慣れ親しんだ生活様式には戻れないとあなたが誰かに言うとすれば、その情報の背後にある意図は、そもそも「未来を予測する」ことではなく、恐怖を植え付けることである。恐怖におののくひとは弱い。恐怖はわれわれの体と心からエネルギーを抜き取り、われわれの免疫システムの能力を低下させ、われわれが病気になる可能性を高める。

 シュワブとマレレは、多くのものが永遠に変わると言うだけでなく、「パンデミックの最悪のものはまだ来ていない」とさえ言う。なんという恐怖!

 確かに、氷山の一角以外にはほとんど何も見えていない。とはいえ、彼ら二人はほぼ一定の満足感をもって、何百万もの仕事が息をのむような速さで失われ、骨抜きにされ続け、そして数百万の中小企業が永遠に失われ、ほんの少数のグローバル化したコングロマリット(複合企業体)しか生き残らないだろうと認めている。このようにシュワブとマレレがわれわれの上に覆い被さる大災害を認め、恐怖にさらに追い打ちをかける。

 読者諸氏は考え始めるだろう。私、私の家族、私のビジネス、私の仕事、私の子どもたち、彼らの教育に何が起こるかと。「いったい何が起こるか」という、終わりなき問いがおきる。それは絶望、懸念、不安を呼び起こし、あらゆる種類の病気につながる。病気は病気を生む。全く酷い。

 より多くのエネルギーがわれわれの体と心から奪い取られ、騙されやすさがわれわれの脳に植え付けられる。あなたは何かに帰属したくなる。仕事と生計を失った人たちのように、あなたも捨てられるのではないかという恐怖に襲われる。あなたも、社会的距離ゆえの孤立に耐えられなくなり、マスクを着用しなければコロナに罹るという恐怖から、マスクを着用したくなる。メディアの恐怖宣伝があなたを恐怖に陥れる。そしていったんマスクを着用すると、それを手放せなくなる。それがあなたの健康のためになるのか健康を害することになるのかなど、気にならなくなる。頭に浮かぶのは、マスクを着けている皆と同じに見られたいという思いだけだ。マスク着用は、最終的には仮面舞踏会に入場することを認める儀式のようなものだ。なぜなら、マスクを着用していないひとがハンセン病患者や犯罪者のように見られたり、冷笑されたりするのを目にしているからだ。

 あなたは規則を守りたい。しかし、静かに秘かな希望をもって、不確実な未来を見据える。より良い世界の希望、あなたが知っている普通の世界に復帰するという希望である。地平線には、希望がまだ光っている、薄れながら沈む夕日のように。そして、あなたはその地平線に向かって走りたいと思っている。しかし地平線はいつもあなたから遠ざかっていく。なぜなら地平線とはつねにそういうものなのだから。

 不服従のために、マスク着用信者たちから隔離され分離されることは、心に突き刺さる棘である。そこに人参がぶら下げられる。もしあなたが規則に従うなら、ワクチンを受ける資格がでてくるというわけだ。現在、無数の異なる研究所や国によって開発されている約20または30(おそらくそれ以上)のどれかひとつのワクチンを。ロシア製か、アメリカ製か、中国製か、キューバ製か、フランス製、それともアフリカ製であろうが、それがどこ製なのか追跡することはもむずかしい。まして、それらを信頼することは、もっとむずかしい。

 一部のワクチンはDNAを永久に遺伝子変換するように設計されている。つまり、ワクチンが永続的な損傷を残した場合、その損傷は実際に持続し、決して治癒することはない。あるいは、改変されたゲノムとして子どもや次の世代に伝染することもある。しかし、あなたは気にもとめない。あなたは、この憂鬱、この健康に対する拷問状態から抜け出したいからだ。あなたは行く。ワクチンを打ってくれー!

 そして、彼らは言う。ワクチンを受けさえすれば、以前に慣れ親しんできた生活に戻れる可能性があると。つまり、いくつかのものが再び「正常」になるということだ。しかし、WEF(世界経済フォーラム)のあの著者二人は、この世のご主人様の僕(しもべ)なので、主としてあなたに言うのは、「『新しい生活様式(ニューノーマル)』に慣れる方がよいぞ」ということだ。彼らはあなたに決して告げない、「新しい生活様式」が必然的に何を引き起こすのかを。しかし彼らは言う、主権国家の集まりで構成される現在の世界秩序は間違っている、だからこそ新世界秩序(「すべてはひとつの政府の支配下にある」という秩序)が必要なのだと。しかし彼らが言わないのは、それがどのように、また誰によってなされるのかということだ。また、破滅的な大変動を生き延びた後のわれわれ民衆の新しい役割が、いったいどういうものになるのかについても彼らはいっさい口にしない。それは新しい奴隷制になるかもしれないのに。

 しかし、決して遅すぎることはない。というのは、われわれには意志と連帯の力があるからだ。この大変動を即座に止めるために再び行動するならば、今こそ抵抗する時だ。われわれは荒廃した経済と生活を再建することができる。人類を救うためにわれわれに共通する要求に従って行動するならば、そして、寛大で美しい母なる地球に害を及ぼさないという原則で行動するならば、再建は可能だ。


 「世界を再設定せよ」「新しい生活様式になれろ」という命令に従ってはいけない。「新しい楽園」という甘言に誘惑されるのではなく、それに抵抗し、自らの手と心で復興の手綱を握らねばならないのだ。そして人類の共通の利益を追求するのだ。

 シュワブとマレレの目にさえ見える問題が数々ある。蔓延し増え続ける貧困、横行する不平等、人種差別、不正義、先進国と後進国の分断、そして最後に、急増しすぎて既に大きくなりすぎた世界人口。もちろん、われわれの文明にはもっともっともっと多くの問題がある。

 あの二人の著者が言及するのを避けているのは、拝金主義である。故意に引き起こされた紛争と戦争(それも銃と爆弾によるのと同じく細菌兵器による戦争もある)、再生不能な天然資源の無制限の搾取、それらを民営化するための公共資産の凍結、グローバルサウス(南の発展途上国)の新植民地化という記念碑的な不正。こうした拝金主義と貪欲さは、一般の民衆には見えないところに棲む、悪魔のようなエリートによって推進されており、彼らはわれわれが新しい「世界の再設定」を採用し、それに屈することを望んでいるのだ。

 この『世界の再設定』という著書が触れていないのは、現在および将来の世界人口を養うに十分な食糧があることについてである。すでに数年前、FAO(国連の食糧農業機関)は、現在の技術で少なくとも120億人を食べさせるのに十分な食糧があると述べている。もちろん、食糧は適切に分配されておらず、投機と価格上昇のために出し惜しみされ、人びとに食べさせる相応量を貧困国から奪っている。

 何十万人もの人びとが食用作物の投機のせいで飢死している。そしてそれが投機家たちの率直な見解である。彼らは一流の証券取引所や、シカゴ商取引所のような農産物取引所の投機家たちなのだ。後者は、もともとは「シカゴ・バター・アンド・エッグ・ボード」すなわちシカゴ農産物取引所(1898年に設立)だった。グローバルノース(北の発達した国々)には至る所に、このような投機をおこなう数十の交換局がある。

 しかしながら、現在および将来の世界の人口に十分な食糧があるというFAO(国連の食糧農業機関)の主張は、健康的な食糧生産の技術と農業効率向上の大きな可能性があるということを公の場で皆に説明さえしていない。

 たとえば、今日のロシアの食糧生産はほぼ完全に有機栽培であり、GMO(遺伝子組み換え作物)は憲法で禁止されているが、食糧は豊富である。ロシアは世界最大の小麦輸出国(それも有機栽培小麦の)になっていることを誰も知らない。

 新自由主義の拝金主義による環境破壊や、さらなる消費と成長を永遠に追求するという異常な金権崇拝ぶりを考えれば、「世界の再設定」すなわちIMFが提唱する「大変革」は確かに正当化されるかもしれない。しかし、それは世界を支配しているWEF(世界経済フォーラム)とIMF(国際通貨基金)が言っているようなやり方によってではない。彼らが従っているのは、まさに破壊の背後に存在する力だ。すなわち、国際企業銀行、国際軍産複合体、シリコンバレー、AIによる5G駆動(そしてすぐに6G)、さらに広く見ればあらゆるモノの電網化技術(IoT)で、世界を破壊することなのだ。

 再設定が必要だとすれば、それは民衆のおこなうものでなければならない。われわれ民衆だけが采配を振るい、再設定の条件を設定するというものだ。誰も置き去りにせず、「余分だ」とされているような人びとを排除しない再設定だ。彼らの言い分は、「余分な」人びとの排除によって、豊かで強力な者だけが、地球という惑星に存在する資源を使ってより長く生きる資格があるというわけだ。なぜなら、それこそが「世界を支配するエリート」の目標だからなのだ。

 彼らの強力な手段は、細菌戦争、ウイルスのような目に見えない敵、つまりコロナだ。そして、まさにそのウイルスに対するワクチンだ。そもそもそれを彼らは全世界の民衆に強制しているのだ。

 実に巧みではないか。最初にコロナウイルスで殺し、次に生存者に救いを提供し、同時にその救出手段(ワクチン)によって殺す。それは多くの主権国家をひとつの政府へと合体させて儲けることだが、その途上では「分断して支配する」のだ。

 プランデミック(プランされたパンデミック)の信者を、非信者から分断せよ。

 マスク着用者とマスク抗議者を分断せよ。「社会的距離」が答えであると信じている人と、社会的距離が病気を加速し、最終的には死に至る過程を加速していることを知っている人を分断せよ。

 彼らがつくりだす分断は、敵意の雰囲気、友人だったはずの人びとの対立だ。


 「世界の再設定」の二人の首謀者、クラウス・シュワブ(写真)とティエリー・マレレは、著書の中では、この言いにくい主題にはいっさい触れず、代わりに、好機と危険について話す。彼らが主張するのは、このCovid-19のパンデミックが「世界の再設定」を正しくおこなうための千載一遇の好機を提供するということだ。このCovid-19のパンデミックは、明らかに計画的なものだったので「プランデミック」と呼ぼう。彼らはそれを「千載一遇の機会」と命名している。

 彼らは「パンデミック後の世界」について語る。人類の未来の万能薬として。もしわれわれがひとつの世界政府に向けて国々が協力・共同し、「ユニークな千載一遇の好機」を利用するならば、すべての病気、貧困、不平等、不正を撲滅できると言う。しかし、二人の著者たちは方法を説明しない。彼らは決して、失われる国家主権については語らない。つまりグローバル化した世界とグローバルに統治された世界を受け入れることによって失われる文化的主権、国民国家を放棄し、代わりに「ひとつの世界権力(ワン・ワールド・パワー)」に服従することについて彼らは決して語ることはない。

 いやしかし、それが新しく登場する世界のすべてではない。未来の万能薬として、「第4の産業化という真珠」すなわち人工知能(AI)が有終の美を飾ることになる。これは5Gの電磁界によって実現され、あらゆるモノの電網化(IoT)を可能にする。シュワブとマレレはそれに対する反対者がいることには決して触れない。5Gを阻止することはまだ可能だ。しかし彼らにとっては、人類を監視し統制するために、5Gが存在し更に発展することが必要不可欠だ。だからこそ、すべてをデジタル化する。身分証明書とお金を含めてすべてを。

 彼らの言い分は非常に単純だ。必要なのはもはや現金ではなく、単に電子的なデジタルマネーだ。それはもはや持ち主の手に負えない。お金の本当の稼ぎ手の制御をはるかに超えるからだ。「世界政府」は、上から課された規範に服従することに反抗する市民に圧力をかける。彼らは電子マネーにアクセスし、金を抜き取って、使用もできるからである。彼らは言う。われわれの規範に従って行動しないなら、食べ物、避難所、健康サービスを買う金はない。お前たちを餓死させてやる。もう旅行もするな。もう集会にも参加するな。

 こうして徐々にあなたは自分の独房に押し込められる。すべてを電子制御することによる独裁的で横暴な世界を実現することが、第4 世代の産業化の本質である。これが、WEF(世界経済フォーラム)の「世界の再設定」によって高度に促進される。
 下の画像:ティエリーマレレット(出典:London Speaker Bureau)


 WHO(世界保健機関)の指令によって世界でおこなわれた都市封鎖は、一度に193の国連加盟国すべてでおこなわれた。しかし、これは果たして偶然だろうか。この都市封鎖は、もはや既に壊滅的であり、今後数年間、われわれの経済、仕事、ビジネス、生活、社会、社会的結束を破壊し続ける。何もかも、われわれが「日常」と呼んでいたものは消え去り、永遠に消え去った。それがシュワブとマレレが何度も繰り返し言ったことである。今や恐怖を広めながら、彼らはわれわれに命令している「お前たちは新しい生活様式に順応したほうがいい。破壊的な『世界の再設定』で引き起こされた破壊のさまなど振り返ってみてはいけない」。彼らは言う「いま希望はない。その代わり、将来を信頼せよ、新しい『世界の再設定』を信頼せよ。それは過去の灰燼のなかから立ちあがり、生き残った人類に、長い目で見れば、より良い生活を与える。邪魔者のいなくなった地球上で」。そのようにWEF(世界経済フォーラム)は物語るのだ。

 二人の「賢者」は容赦なく隅々まで地球を叩きのめす。世界が正常に戻ることは決してないと。二人は、「世界の再設定」を用いさえすれば、Covid-19は再スタートを切るまたとない好機を与えてくれるのだ、とわれわれに信じさせるふりをする。それは真実を歪めている。なぜなら、現実は正反対だからだ。というのは、悪魔のようなエリートであり、ディープ・ステイトである彼らが、Covid-19をつくりだしたからである。社会的分断・隔離状態にわれわれを閉じ込めるためにだ。そうして、誰からも丸見えなのに、人類の成果を彼らは邪魔されずに破壊できるようにする。目に見えないコロナウイルスからわれわれを護るという口実の下で。実際には、彼らは「世界の再設定」の準備をしているのである。

 しかし、著者二人が認識している本当の危険性がある。それは、民族主義的な強い感情が根強く存続する可能性があるということだ。彼らはそれを「壊れた日常感覚」と呼ぶ。民族主義的思考は、世界各国をより「内向き」で愛国的なものにするかもしれない。それは「民族主義者」の集団となり、この新世界政府の分裂または廃止を求める。WEF(世界経済フォーラム)の著者二人は、この民族主義的な傾向を理解している。彼らは国家主権を維持したり国家主権に回帰したりすることを危険なものとみなす。彼らは予測しているからだ。それが結局は継続的な紛争と革命に帰着することを。それは、彼らの言い分では、「世界共通の利益」に向けて構築するのではなく反乱なのだ。しかし、われわれ民衆はよく知っている。われわれは抵抗できるということを。

 かくしてシュワブとマレレは、「国連の行動戦略2030」すなわち「持続可能な開発目標(SDG)」に言及せざるをえない。SDGは「国連の行動戦略2030」のもっともらしい屁理屈・口実でありバックボーンである。これらは、「世界の再設定」なしでは達成できない。なぜなら、同じ構想をもつ国家間での協調と協力を必要とするからだ。グローバル化した「ひとつの世界秩序(ワン・ワールド・オーダー)」という構想である。

 「行動戦略2030」は「行動戦略21(環境と開発に関するリオ宣言)」と密接に関連している。リオ宣言は1992年6月3~14日、ブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(UNCED)で、178を超える政府により採択された。地球温暖化あるいは地球気候変動の行動戦略は、そこから生まれている。

 しかし、これはトリックだ:主に開発途上国の国々は、素晴らしい人間的正義とされる17のSDGs(持続可能な開発目標)達成を追求する会員なのであるが、IMF(国際通貨基金)、WB(世界銀行)、および他の同様のグローバル化された機関から、金、援助資金、融資、助成金を受け取り、SDGsの目標を達成するために働く。しかし、「世界の再設定」に従い服従するという条件の下である。

 それにもかかわらず、われわれは知っている。平等、正義、バランスのとれた世界というこれら17個の高貴な目標は幻想であり、2015年に終了した8番目の「ミレニアム開発目標」と同じ幻想であることを(第8番目の目標を見よ。そこには、「開発のため」に「世界的協力の開発」を遵守すると書かれている)。この8番目の目標のうちのいずれかが、どこかの国で達成されたことはほとんどない(これに、1990年から2015年までの進捗状況を測定するための21個の目標と60個の指標が加えられた)。現在、それらは新しい17個のSDGs(持続可能な開発目標)、すなわち「国連の行動戦略2030」に置き換えられているが、これらも同様に達成されないだろう。SDGsは、グローバルノース(北の発達した国々)によるグローバルサウス(南の発展途上国)のさらなる奴隷化のための道具なのである。

 この欠点だらけの国連計画の、唯一の取り柄は、世界が同質の人びとを有する均一な場所ではないということだ。それこそ、シュワブとマレレが無意識ながら正しくも、抵抗を予測している所以だ。母なる地球は多様で多彩であり、地球上の人びとはさまざまな形状、言語、文化をもっている。世界は広大で普遍的で異質な人類で構成されており、本質的に、少数のひとたちの命令には従わない。そんなことは不可能なのである。

 紛れもなく、これは二つ以上の権力への分裂につながる可能性がある。すなわち世界支配主義者と、民族主義者あるいは愛国者だ。というのは、世界支配主義者は国家の自己確認(アイデンティティ)を保持したい人びとを、冷淡にもこのように(民族主義者だとか愛国者だとか)呼ぶからだ。国家主権とは、政治的レベルに止まるのではなく、金融主権と人びとの個人的・集団的主権をも包含する主権のことである。「民族主義者」と「愛国者」にとって、民族主義的傾向は真の民主主義につながる可能性がある。おそらくわれわれが今まで知らなかった民主主義が、自律的で主権的な世界再設定から立ち現れるかもしれない。少数の世界支配主義者のエリートによって人類に強制された「世界の再設定」よりはるかに魅力的な選択肢である。

 二つ(またはそれ以上)の立場への分断は、紛争や戦争、流血につながる可能性がある。そのようにシュワブとマレレは警告している。しかし、同盟関係にある主権国家集団は、紛争や戦争に終わらない。それとは反対だ。彼らは協力し繁栄する。無限の創造と発展だ。相互に尊重しあいつつ。

 確かに、民衆の側から世界を再設定する方法は、前代未聞の信じられないほどの同盟関係を生み出すかもしれない。友人たちが「世界の再設定」のためにコロナに突き動かされて分断されたとすれば、今度は逆に、いままで敵だったものたちが友人や友好同盟国になる可能性がある。自主独立の、自律的な、主権を有する国家と人びとを存続させるという目標に従って。

 この種の団結は、「独立した自由な国の同盟(コンフェデラチオ・ヘルベティカ)」、すなわち今日のスイス連邦の創設の心臓部だった。われわれは、防衛と相互尊重のもとに団結するが、日常生活では主権を守る。1291年にハプスブルク家の専制政権下にある三つの州の三人の代表者はこのように話し合い、スイス連邦は729年前に誕生した。
 希望と光が勝利するだろう。われわれ民衆は力をもっているのだから。

Peter Koenig is an economist and geopolitical analyst. He is also a water resources and environmental specialist. He worked for over 30 years with the World Bank and the World Health Organization around the world in the fields of environment and water. He lectures at universities in the US, Europe and South America. He writes regularly for online journals such as Global Research; ICH; New Eastern Outlook (NEO) and more. He is the author of Implosion – An Economic Thriller about War, Environmental Destruction and Corporate Greed – fiction based on facts and on 30 years of World Bank experience around the globe. He is also a co-author of The World Order and Revolution! – Essays from the Resistance. He is a Research Associate of the Centre for Research on Globalization.
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コロナウイルス検査の陽性患者の90%はほぼウイルスを運ばず、感染力もない、となるとこのウイルスの本当の影響力を理解するのが難しくなってくる。

<記事原文 寺島先生推薦>

Up to 90% who test positive for Covid barely carry any virus & aren't contagious, making it hard to grasp true scale of virus

RT 論説面

2020年9月3日

ピーター・アンドリューズ

By Peter Andrews, Irish science journalist and writer based in London. He has a background in the life sciences, and graduated from the University of Glasgow with a degree in genetics

 
 米国の各地で行われている新型コロナ症例を診断する標準的な検査は、極端に精密な検査であることが明らかになった。この検査を受けた多くの人が「陽性」であると診断されているが、彼らは無症状でウイルスの感染源にはならないといことだ。


編集者より:この記事と見出しについては、記者により修正が加えられている。初出の記事は誤解を招きやすい記事であり、言外の情報が不足していたからだ。ロシア・トゥディは新型コロナウイルスの検査や流行感染と闘うため広く採用されている公的な医療措置 を支持している。

  米国のウイルス学者のトップたちが驚いているのは、米国のコロナ検査が精密ではないという指摘だ。その指摘によると、この検査では「陽性か陰性か」の二者択一の結果しかわからないので、検査をする目的が達成できない、という指摘だ。つまり一人一人の感染力が分かるわけではないということだ。

 米国の3つの州(ニューヨーク州、ネバダ州、マサチューセッツ州)の数値をみると、ある人の中で見つかるウイルスの量を考慮すれば、陽性と診断された人の90%は本当なら陰性と診断すべきであることがわかる。というのは、そのような人たちが運んでいるウイルスは本当に少量で、感染力がなく、他人に危険を与えることもなく、隔離される必要もないからだ。

 つまり、日々大手メディアが発表している「陽性患者」のうち、本当に新型コロナウイルスで苦しんでいて、治療が必要で、他の人たちから隔離されないといけない人の数はごくわずかだ、ということだ。

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White House rejects ‘corrupt’ WHO concerns over Covid-19 vaccine development



問題なのは精密さ、だ

 さて、どうしてこんなことが起こってしまったのだろうか? その答えはコロナウイルスの検査に使われるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査の精密さと関係がある。このPCR検査の結果が検査会社の方向性により変わる可能性があることが分かってきた。ほとんどの検査会社はPCRサイクル(訳注 PCRサイクルとは、特定のDNA断片を増幅させる操作のこと)の上限が40回という非常に高い精密度を持つ検査を採用している。つまりDNAの信号を増幅させるために、検査者からとったDNAの数を一気に40倍増やす、ということだ。

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Just wait for a vaccine? First confirmed REINFECTION means there may be no way to eradicate Covid

 しかし、このように信じられないくらい精密な検査を使用するということは、死滅したウイルスのほんの少しのかけらさえ検知するということだ。さらに、以前の感染症のウイルスの残りかすさえ検知してしまい、陽性という診断が出てしまう。カリフォルニア大学のウイルス学者ジュリエット・モリソン教授によると、PCRサイクルの上限が35回であっても多すぎて、ましてや40回などとんでもないことだそうだ。同教授はさらに、「40回のPCRサイクルで出た陽性という結果を人々が信じていることに驚いている」と述べている。しかし明らかに、米国のコロナ対策団は40回のPCRサイクルで出た陽性結果を信じているようだ。 

 感染蔓延が引き起こす「問題」の規模は、実際は私たちが信じるよう仕向けられているよりも、実際はずっと小さい。すべての政治家やメディアが社会封鎖措置や隔離措置や大規模なPCR検査を正当化するために持ち出しているものと比べたら、ほんのちっぽけな規模でしかない。  この問題の規模が予想以上に小さいことにびっくりする人もいるかもしれない。しかし、コロナウイルスの「症例者数」についての統計ならなんでも軽視する玄人から見れば、驚くことなど何もない。実際のところは、こんな数値に信頼を置く理由など何もなかったのだ。例をあげると、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、陰性か陽性かを決定する方法が検査会社によってどう違うかを認識していなかったことを認めざるを得なくなっている。FDAは与えられた数値がどうあれ、ただその数値を了承するだけの機関だ。

 しかし、ジャーナリストであるのなら、以下のことを問いただす正しい質問をすべきだったはずなのだ。それには、ほんの少しの常識があれば十分だったはずだ。その質問とは、「ウイルス専門家たちが先入観や自分の型を投げ捨てて、すぐ近くにある事実に基づいて行動を起こすにはどうすればいいか?」だ。

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We might have to wait forever for science to show the Covid threat is over, so let’s use our common sense & get back to normal


目的に合ってない?

 こうなってくると、米国で行われているコロナの検査は目的に合致していないのでないかという可能性が考えられる。専門家たちは全ての決定を、症例数や症例数から派生した数値をもとに行っているようだ。しかしあきらかに、専門家たちは、症例数と入院者数・死亡者数との関連を見ようとはしていない。この入院者数と死亡者数はここ数ヶ月無視されている。それなのに、専門家対は警鐘を鳴らし続ける。金切り声をあげながら、「もっと検査を増やせ」、と。どうにかして私たちを「新しい日常」に導くように。

 このウイルスはこんなにも致死性が高いのだから、検査を受けて自分がウイルスを保持しているかどうか調べる必要があるという声もある。同様に、社会封鎖措置に疑問を投げかける多くの声も上がり続けている。「コロナを恐れぬ馬鹿者たち」やマスク着用に反対しているものたち。私は彼らの怒れる支持者だ。何かがおかしくなってしまった。いや、おかしいだけではない。めちゃくちゃだ。世界の中心的な科学者たちの権力が、たったひとつの特定の微生物について、魔女狩りの将軍の熱意とつながってしまった。人を殺す力などまずないウイルスなのに。最新の数値によると、英国ではコロナは死因の8番目だ。ウェールズではトップ10にも入っていない。

 今この病気の発生地である武漢では、人々はプール遊びを満喫している。PCR検査や感染経路の追跡などはほとんど気にしていないようだ。ウイルスのことさえ、もう気にしていないようだ。中国政府によると、極度の社会封鎖措置が功を奏し、今コロナ患者は誰もいないそうだ。そんなことは生物学上ありえないのだが。おそらく、中国は検査を辞めて、良い生活をおくることにしただけだろう。こんな発想の転換が、米国や欧州ですぐ見られるようになるとは、まず考えられない。

 

 

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マスク着用反対者たちを、心理学を悪用して「反社会的人間」と病人扱い

<記事原文 寺島先生推薦>Lockdown supporters are using psychology pseudoscience to label anti-maskers as irrational, stupid sociopaths


RT 論説面

2020年9月3日


フランク・フレディ

an author and social commentator. He is an emeritus professor of sociology at the University of Kent in Canterbury. Author of How Fear Works: The Culture of Fear in the 21st Century. Follow him on Twitter @Furedibyte

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月25日

 


 なぜ新型コロナに関する決まりに従わない人達が、「性格障害者」とか「道徳心に欠ける人物」などと非難されるのだろうか?それは、彼らを非難するものたちが、このような専門用語を使うことで、自分たちの主張が科学的であるという見せかけをつくるのに都合が良いからである。しかし、実際は戯言に過ぎない。

 今日、心理学は、政治的な意見の異なる者を屈服させるための武器としてよく使われている。だから私は、マスクの着用や、社会的距離の保持という決まりに従おうとしない人たちは「社会病質的な病気をもつ傾向がある」という研究結果を読んでも驚きはしない。彼らが病人扱いされているとしても。

 この研究を行ったブラジルの研究者によると、反社会的性格をもつ人々、例をあげると、他人に対する思いやりが欠けていて他人の痛みに気づけなかったり、人をだましたり、わざと危険なことを行うような傾向を強く持つ人がマスク着用を拒んでいるとのことだ。

  かつてはこのような「反社会的な性格を持つ人たち」は、「悪意がある人」や「邪悪な人」と呼ばれる人たちと関連づけられていた。今日、「反社会的人間」などという心理学の専門用語が使われるのは、自分が好意を持っていない人たちを病人扱いする時だ。どうしてこんなことになっているのだろうか?それは、心理学は科学としての権威があり、心理学を使えばものの見方に対して正当性が保てるからだ。そして、ある人が反社会的人間であるという診断が、単なる個人の意見ではなく、科学的な事実であるとして受け入れられるのだ。

 さらに心理学という科学が「反社会的人間」というレッテルを貼るのは、マスク着用や、新型コロナウイルスに関する決まりや取り締まりに反対しているものたちに対してだけではない。近年、ブレグジット(訳注 英国がEUから離脱すべきだという考え)などの特定の政治問題を支持する人たちの動機や振る舞いに疑問を投げかけるのに、科学の権威が使われるようになっている。

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Toxic MASK-ulinity? Now simply looking at women while wearing a face covering is sexist and aggressive

 タイム誌によると、「ブレグジットに投票せざるを得なくなるのは心理学で説明できる!」という。その主張によると、心理学者たちは国民投票の結果に「これっぽっちも驚いてはいない」し、その結果は「主として人間の心理の不合理な働き方のせいである」から、だそうだ。

 心理学がブレグジットに投票する人々の心理を説明できるということになると、この考えを支持するものたちは、「EU離脱に投票した人はみな不合理で馬鹿者だ」という主張を支持してもいいことになる。こうして、ブレグジットを支持する有権者の大多数は、本当に強い情熱をもって民主的に物事を考えようとしているのに、彼らは心理学上混乱状態にあることにされてしまうのだ。

 マスク着用は不快だと思っている人たちや、ブレグジットに投票したり、常日頃「大衆迎合主義者」というレッテルを貼られるような言動を示している人達は、批判の対象になるだけではなく、心理学上道徳心が欠けている人間だという診断が下される。心理学的に診断が下されると、ほぼ同時にモラルがない人間だと酷評される。そのことについては、政治評論家のイワン・クラステフ氏がこう記述している。

「大衆迎合主義政党が台頭していることに対して、心理学的解釈や、時には精神分析的な解釈まで持ち出されることが多い。評論家たちは意識していようが無意識であろうが、大衆迎合主義を以下のような専門用語で分析しようという傾向がある。その専門用語とは、「抑圧されたものの再帰」「トラウマ」「いらだち」、それと「現状への不安」などだ

 ブレグジットなどの特定の政治問題を支持する人々の動機や振る舞いを心理学的に説明しようとすると避けられなくなるのは、彼らがなぜそれを支持するようなったかには関係なく、彼らが理性的に考えることが出来なかっただけだという主張に固まってしまうことだ。

 「ブレグジットは経済の問題としてではなく、非理性的な外国人嫌いという感情のせいで高まった」などと言ってしまうと、大衆迎合主義者たちの考え方を支配しているのは幼稚な衝動にすぎないという思い込みを与えてしまう。多くの評論家たちは、ブレグジットに投票するのは彼らの理性ではなく怒りだと言い、そうした投票行動に嫌悪感を示した。

ALSO ON RT.COM

Wuhan pool party shows China is over the Covid-19 lockdowns; the rest of the world, not so much

 安易に心理学をニセ科学の論争の道具に使ってしまうことは、自分の職業のことを真剣に考えている心理学者の研究の邪魔をすることにさえなる。『ブレグジットについての心理学』の著者であるマイケル・スミス氏は、ブレグジットに全く共感はしていないのだが、こんなことを心配している。それは、「EU残留派の評論家たちは、ブレグジットの考えをもつ人々を、精神病者と結びつけて考えている。そんな人たちこそ、気が狂っている。なぜなら、理性的な考えをもとにEU離脱に投票している人がその話を聞いてどう思うかをおもんばかれないからだ」。

 その通りだ。それは単なる想像力の欠如だけではなく、自分とは違う文化的な価値観を持つ者に対する強い不安や憎しみなどの激しい感情だ。そんな彼らこそ、政治的な反対意見をやり込めるために、心理学を悪用するのだ。

 マスク着用を拒んだり、ブレグジットに投票したり、その政党の意見や活動に賛同して大衆迎合主義と呼ばれる政党に投票する人を批判することは全く問題ではない。しかし、そのような考えを持つ人たちを「道徳心に欠ける人たち」や「精神的な病人」として単純に一括りしてしまうのは、その人たちの考え方が間違っているという情報だけではなくて、その人たちは病人だという情報を流してしまうことになる。この観点からすると、彼らが「反社会的人間」であるかどうかは、彼らが政治にどんな理想を持つかでなく、混乱した非理性的な精神状態で定義されることになる。

 だからこのような見方を真剣に議論することには意味がほとんどなくなる。こんな評論家たちこそ、病院で精神病患者として治療を受ける必要がある。彼らを責任ある一市民とは言えないだろう。

 心理学という科学が他人の考え方を攻撃する武器に変えられるのは悲しい。その人の考え方のせいで病人扱いされ、人権を侵害されるのは良くない。そんなことは民主主義にとっても良くないことだし、科学の権威をおとしめるという意味でも良くない。そして真剣に心理学に取り組む人たちにとっても良くないことだ。





 



 
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警官が妊婦に手錠を!彼女は社会封鎖措置に反対するメッセージをSNSに載せただけなのに。この動画を見て、オーストラリア人は恥じるべきだし、驚くべきだ。


<記事原文 寺島先生推薦>

Australia should be ashamed & appalled by this video of police handcuffing a pregnant woman for posting an anti-lockdown message



RT 論説面

2020年9月2日



ガイ・バーチャル

Guy Birchall, British journalist covering current affairs, politics and free speech issues. Recently published in The Sun and Spiked Online. Follow him on Twitter @guybirchall



<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年9月25日




 世間は、今は2020年かもしれないが、オーストラリアのビクトリア州はジョージ・オーウェルの1984年の世界にちがいない。というのは、新型コロナウイルスに関する取り決めを守らない人たちは一網打尽に捕まえられ、抗議活動を組織したことを理由に警察に強制連行されるからだ。この動画を見てオーストラリアで進行しているこの狂気を止められなかったら、一体何が止められると言うのか?

 ビクトリア州警察は、コロナ期間中の新しい遊びを見つけたようだ。まず、ビクトリア州のアンドリュース知事が、全州民を自宅軟禁状態にし、他の人と同じ空気を吸えないようにしてしまったことがある。その動きで、本当の犯罪がいつの間にか後景に退いてしまった。

 法律で人々が家から出ないようにされているときに、人の家に泥棒に入る意味はほとんどない。さらに町に人がいないということは、泥棒する意味はほぼない。だから本当の悪事は、今はお休み中だ。こんなときに、マスクの着用が必須になっているせいで、皆が郵便局に強盗にでも押しかけるような格好をしているのは軽い皮肉であり、それが「セラビ-(c’est la vie!)」ならぬ「セラヌボビ-(c’est la nouveau vie)(新生活)」になった。


 田舎の警官にとって幸運なことに、キム・ジョン・ダン(訳注 知事ダン・アンドリュースのあだ名)が、シュタージ(訳注 東独の秘密警察)でさえ赤面するくらいの権力を警官たちに与えたので、警官たちは警棒をぶらぶらしているだけではいられなくなった。市民は家でじっとしているのに。知事が警官たちに与えた権力の中には、逮捕状なしで市民の家に踏み込む権力や、顔に布をきちんと巻いていないという理由で市民をひっつかまえる権力や、トイレットペーパーを何個まで買えるか制限する権力も入っている。さらには、自分たちの敬愛する指導者の意向に背くような内容をネット上に投稿した人をパクる権力も持てるようになっている。そして今週、警官たちはその権力を行使することを決めたのだが、その相手はなんと妊婦だった。




  イングソック党(訳注 ジョージ・オーウェルの『1984年』に登場する政党の名前)の政見放送と見まがうかのような動画では、マスクを着用し武装した警官が、臨月間近の妊婦に対して、彼女の自宅で、彼女の夫や子どもの眼前で、手錠を掛ける様子が映されている。彼女はもちろん異議を唱えているが、抵抗しているわけではない。それでも警官たちは彼女を押さえ込んでいる。

ALSO ON RT.COM

Melbourne cops may now enter homes without warrant, after 11 people die of Covid – Australia, this is madness, not democracy

  この可哀想な女性の名は28歳のゾーイ・ビューラーさん。彼女はパジャマ姿で、警官にその日、超音波検査を受ける予定であることを伝えたが、警官は気にも止めずゾーイさんに被逮捕者の権利(訳注:ミランダ警告)について説明し続け、ゾーイさんを「扇動罪」で逮捕すると告げた。それはゾーイさんがフェースブックに社会封鎖措置の抗議活動に関する投稿を行ったためだ、と。

 ではいったい彼女はどんな攻撃的な文章を投稿したのだろうか?こんなに激しい攻撃を警察から受けるくらいの激しい投稿内容だったのだろうか?どんな反逆的な投稿だったのだろうか?実のところ、彼女の投稿はこれだけだったのだ。「バララットにお住まいの皆さん、自由と人権を守るための闘いに参加しましょう!」

 市民の皆さん、そうです。この信用ならないゾーイ・ビューラー、いいですか、名前は「ゾーイ・ビューラー」です!彼女が今週、ビクトリア州で3番目に大きな市で、反ロックダウンデモに人々を引き込もうとしているのです!とんでもない扇動です!

 動画を見ると、ゾーイさんは、自分がこの先どうなるかだけではなく、お腹の赤ちゃんのことをすごく心配しているのが手に取るように分かる。その彼女が、警官に投稿を削除するといっているのに、警官たちは動こうともしなかった。ゾーイさんがすすり泣いている中、警官たちが誰の持ちものか(本人のものであれ、夫のものであれ、妹のものであれ)に関係なく電子端末を押収すると伝え、実際明らかにゾーイさんの持ち物ではない端末を押収した。一瞬も食ってかかる態度は見せず、懸命に釈明しているのに、偉そうな態度の警官が彼女に伝えたのは、彼女を警察署に連行することと、警察に行けば、弁護士を呼ぶ権利がある、の2点だった。フェィスブックに投稿したたった一つの記事のせいでこんなことになるなんて。ゾーイさんが呼びかけたデモ集会はまだ開催されてもいないというのに。フェィスブックに投稿したたった一つの記事のせいでこんなことになるなんて。ゾーイさんが呼びかけたデモ集会はまだ開催されてもいないというのに。

ALSO ON RT.COM

Land Drone Under: Cops in Melbourne are using drones to spy on citizens to make sure they don’t break lockdown rules

 この動画は、頑強な警官が2人の子どもを抱きかかえていたゾーイさんの夫から携帯電話を取り上げたところで終わっている。彼がその携帯電話で撮影していたのは、革長靴を履いて家宅侵入する警官の姿だった。 

 この動画を見て背筋に寒いものが走らない人は、東ベルリンで自分の実の兄弟が西側の音楽を聞いていたことを当局に告げ口するような人か、新型コロナウイルスに関する取り決めに身をゆだねすぎて、感覚が完全に麻痺している人しかいないだろう。ゾーイさんが捕まったのは、オーストラリア・ニュージーランド版シュタージが、フェイスブックの投稿をくまなく探し、ダン書記長のばかげた制限について間違った思考や異議を見つけ出したか、熱狂的なロックダウン措置支持者がこのかわいそうな女性を密告したからだろう。いずれにせよ、これこそビクトリア州が警察国家であるという大きな証拠だ。自由を享受し愛するものは皆、そんな警察国家のことは大嫌いだし、恐れている。


 ビューラーさん一人が、追い剥ぎのような格好をする義務にとらわれず外出したいという、とかく論議を呼ぶ願望を持ったことで逮捕された訳ではない。(実は、彼女はそういう状況を求めていたのに皮肉なものだ)。今週彼女以外に2人の男性が逮捕されている。彼らはメルボルン市の中心街で自由を求める集会を実行しようとしていたからだ。ガーディアン紙によると、2人は抗議活動を「組織し、広めた」罪で起訴されている。ただこのガーディアン紙こそが、「ダン・アンドリュース知事は権力を笠に着た暴君だ」と考えるものたちを密告するのに躍起になっているのだが。

ALSO ON RT.COM

Australia’s answer to Mao wants to extend his state of emergency for another YEAR. This should frighten anyone who values liberty


 ダン書記長が厳しいロックダウン措置を中国ではなくて、ビクトリア州民に導入して以来、警官たちは空にドローンを飛ばして市民が犬の散歩に行くときに決められた気配りや注意を怠っていないかを監視したり、マスク着用を拒んだ女性を無理矢理地面に押し倒す動画が出回ったりしていた。そして今回は、妊婦の腕に鉄の鎖をかけたのだ。しかも彼女自身の子どもの目の前で。こんなことがあったのだから、知事は警察国家のような政治をやめると思う人もいるかもしれないが、なんのなんの。知事はこの状況をさらにもう一年続けたいようだ。

 こんなことになった全ての原因であるあの病気は、2500万人の国でたった663人の命しか奪っていない。そして、ビクトリア州の著名な医師たちが調べた数値によると、「亡くなった人のほとんどが病弱な80歳以上の人であり、その多くは併存疾患をもっていた。ビクトリア州では、新型コロナウイルスによる死者の73%以上が老人ホームに住んでいる人々だった。元気な体をもつ人たちや60歳以下の人たちにとっては、致死率はとても低い病気だ」、とのことだ。もちろん、お年寄りの命は大事だが、すでに弱っている人の命を救うために、州全てを封鎖するのはあきらかに狂気の沙汰だ。 

 オーストラリアの偉大なジャーナリストである故クライブ・ジェームズ氏はこんな名言を残している。「オーストラリア人の問題は、オーストラリア人の多くが囚人の末裔であることではなく、その多くが囚人の看守の末裔であることだ」。ダン・アンドリュース知事に祖先の性格の痕跡が残っているかどうかは私には分からない。ただ、彼が、彼なりに考えたオーストラリアの窮地を、囚人流刑地としての昔の姿にがむしゃらに戻すことで、救おうとしているのを見ると、1788年に最初の植民船団がボタニー湾に現れたとき、知事の祖先が、囚人と看守のどちらの側に座っていたかは、明白なようだ。



 

 

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Qアノンは人々の健全な変革への衝動をねじ曲げるインチキ集団だ


<記事原文 寺島先生推薦>

Caitlin Johnstone: QAnon is a fake, decoy imitation of a healthy revolutionary impulse

RT 論説面
2020年8月20日

By Caitlin Johnstone, an independent journalist based in Melbourne, Australia. Her website is here and you can follow her on Twitter @caitoz

 トランプの支持者の多くは、まるで宗教のようにQアノンの陰謀論に従っている。そして、この陰謀論の中には、「沼の水を干上がらせ」、現状を打破する秘訣のすべてがあると主張している。しかしこのQアノンという組織は、ただの恥知らずのまやかしで、こんなものについていっても本当の変革など決して起こらないだろう。


<訳注> Qアノンについては下記のブログ「百々峰だより」で詳しい説明があります。「沼の水を干上がらせる」というのはどういう意味かについても、そこに説明があるので、そちらを参照していただければ幸いです。
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-384.html


 米国大統領トランプは、これまであの有害なQアノンの陽動作戦について好意を持っていることをはっきりとは言及せず、またQアノンに対する質問に答えることは避けてきた。しかし今日、初めてQアノンに好意を持っていることを認め、Qアノンへの支持を表明した。そして記者にこう答えた「私はこの運動について詳しくは知らないが、私に好意を持ってくれていることは知っている。それは嬉しいことだ」と。さらに、「彼らはただ自国を愛していて、ポートランドやシカゴやニューヨーク市で起こっていることを見たくないようだ」と続けた。

 トランプは、Qアノンの裏で広まっている説についての質問を受けた。それは、トランプが子どもを小児性愛者に売るような悪魔の組織ディープ・ステートに対して、密かに闘いをすすめている、というものだ。その説をトランプは認めたが、こう言い直した。彼が主導している闘いの相手は「急進左派の考え」である、と。

「もし私が世界の問題を解決する手助けができるのなら喜んでそうする。身を捧げて、だ」。トランプは質問に対してこう答えた。「<i>さらに、われわれは急進的な左派の考え方から世界を守ろうとしている。その左派の考えはこの国を滅ぼすだろう。もしこの国がなくなれば、世界も同じことになるだろう」と。



 もちろんトランプは、子どもを小児性愛者に売りとばす邪鬼のような連中と闘っている、とは言わなかった。 なぜならトランプはそんなことは何一つしていない。トランプはディープ・ステートと闘っているわけではない。毒のある言葉を撒き散らしている割には、トランプは極めて都合のいい共和党の大統領であり続けている。トランプは政策においても身のこなしにおいてもこれまでの大統領と変わらず堕落していて、見ていて気分が悪くなる大統領だ。さらにトランプは選挙で選ばれてはいない支配者たち(ディープ・ステートという名で知られている)に逆らうようなことは何一つしてこなかった。トランプはポートランドなどで起こっている抗議活動には激しい攻撃を加え、ベネズエラボリビアなど世界各地の社会主義を攻撃しているのだから、トランプがディープ・ステートに闘いを挑んでいることを認めなかったのは賢明な判断だと言える。



 トランプはQアノンの陰謀論をはっきりとは認めないという不誠実な態度をとったのだが、そのことがネット上のQアノン支持者たちの興奮や情熱を弱めることにはならなかった。

 私がQアノンを折に触れて叩くのは政府や富裕層に従順なメディアを叩くのと同じ理由だ。どちらも大衆が、現状を握っている権力者たちを支持するようになることを画策しているからだ。 何もしなければ大衆はそんなことを支持しないからだ。Qアノンが見せているのはワクワクするような運動だ。そう、小市民がついに立ち上がり、強きものによってつけられた鎖を投げ捨てるという運動だ。その強きものというのは、私たちをずっと搾取し抑圧してきた連中だ。それなのにQアノンがやっていることと言えば、不満を持つ民衆に冷静になるよう諭し、「俺たちの計画を信じ」、民衆が米国政府のトップを信頼するよう仕向けているだけだ。

 そしてこのことこそがまさにQアノンが特に有害な組織であるという理由なのだ。Qアノンが人々に間違った情報を信じさせて人々を困惑させたり、疎外感を感じさせたりすることだけが問題ではない。 Qアノンは、健全な革命を起こしたいという人々の衝動がどんなものかを模倣している、そのインチキこそが問題なのだ。Qアノンは人々に、もともと人々がある程度本能的に気づいていた重要な真実を伝える。その事実とは、例えば大手メディアは信頼できないものだとか、選挙で選ばれた公式米国政府が本当の主導権を握っていないとか、私たちに必要なのは目を覚ますことだ、といった情報だ。このような情報を耳にすれば、本質的で真実で健全な革命を起こそうという衝動が生まれるものだ。そのとき、Qアノンは民衆の気持ちをねじ曲げ、米国大統領を支持し共和党のたくらみを支持するよう仕向ける。

 私がトランプのやっていることが完全な悪事であると主張するたびに、(悪事の例をあげればジュリアン・アサンジの英国からの引き渡しを画策したことや、イラン軍の主要人物を暗殺したこと)、本当に毎度毎度、Qアノンの推進者たちから「落ち着け」や「俺たちの計画を信じろ」なとど言われる。トランプのそんな行為はディープ・ステートに対する巧妙な戦略だからだ、というのが彼らの言い分だ。トランプの進める共和党の政策をこれまでずっと流し続けてきた、あの邪悪なFOXニュースに対しての広汎な異議を見れば、なぜそのようなたくらみがQアノンに群がるものたちにとって良いことであり、都合の良いことなのかがよく分かるだろう。

 権力者と闘おうという健全な衝動が、支配者層の最も邪悪な面を支持するようねじ曲げられる。こんな風に健全な衝動がねじ曲げられ崩れていくのを見るは、いつものことだ。政治の世界ではよくあるこだ。人種差別や偏見に対する健全な闘いはねじ曲げられ、戦争を推進し、抑圧的で人民を搾取する社会を目指す民主党支持に回される。民主党は人民を守る素振りを見せているが、民衆を破壊することしか考えていない。 困っている人々を守り、巨悪と闘おうという健全な衝動はねじ曲げられ、政権交代のための「人道主義」という介入主義者を支持するように導かれてしまう。



 人々が自分たちの持つ健全な衝動によって、つい騙されてしまうことは、ある意味で良いことでもある。というのもこれは、私たちは基本的に健全な感覚を持つ善人だということだからだ。つまりどこに進めば正しいかが感覚として分かっているということだ。 もし私たちが本能的に邪悪で賢くない存在だとしたら、連中の喧伝には引っかからないだろう。連中の喧伝は、巨悪と闘い、子どもたちを守り、真実を述べるよう伝えているからこそ、連中の喧伝に引っかかってしまうのだ。さもなければ、連中が私たちを引っ掛けようとする手口は、私たちがもつ躊躇の気持ちや憎しみや欲望や人を攻撃したいという気持ちを利用することになるだろう。しかし人間というものは基本的には善であり、だからこそ喧伝家たちはその良心を利用して私たちを騙そうとするのだ。

 しかし善良な意思と善良な意図だけでは足りないのだ、悲しいことだが。知性だけでは私たちが喧伝に騙されることは止められない。かなり知性のある人でも喧伝家たちの繰り出すもの、例えばロシアゲートやQアノンなど、に陥ってしまっている人も少なからずいる。いま世界で本当に何が起こっているかはっきりと見極めたいのなら、何が真実なのかを絶え間なく身を尽くして追求し続けないといけない。そう、自分の魂にすっと落ちる、そんな真実を追求し続けることだ。

 ほとんどの人たちは、真実をつかむこのような努力をしていない。ほとんどの人たちにとって真実は優先順位の一番ではない。自分たちは真実が優先順位の一番だと考えていると思っているだろうが、そんなことはない。よく調べてみると、ほとんどの人たちがやっているのは、どうすれば自分たちがもともと持っている考えを守ることができるかを探すことだ。真実を客観的に捉えるよりも、その方が優先される。民主党に特別な嫌悪感を持っている人なら、その人々は自分の固定観念に縛られQアノンの陽動作戦に流されるだろう。トランプに対して特別な嫌悪感を持つ人なら、トランプはロシア政府に操られているというロシアゲートの話を信じるように流されるだろう。影響を受けやすいだろう。このような自分の中の偏った考えのせいである方向に誘導されてしまうことは他にもいろいろある。

 真実を見つけようと真摯に取り組むこと。偏った世界観や考え方にとらわれないで、客観的な真実の火を掴むことに妥協しないこと。そうするしか、偽情報や喧伝で溢れているこの世界で正しい舵をとることが出来る術はない。真摯な態度で何よりも真実を優先すること。そしてこの世の中で実際に起こっていることは何なのかを最善を尽くして見出そうとすること。そうすればきっと、まやかしに騙されることはなくなるだろう。
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米国の大学で人種隔離が復活し、黒人専用の寮が登場した。マーティン・ルーサー・キングは肝をつぶすだろう

<記事原文 寺島先生推薦>
Racial segregation at US universities is back, with the advent of black-only dormitories. Martin Luther King would be appalled

RT 論説面
2020年8月25日
フランク・フレディ

フランク・フレディは作家、社会評論家。カンタベリーのケント大学の社会学の名誉教授。 「恐怖のしくみ:21世紀の恐怖の文化」の著者。 Twitterは@Furedibyte



 学生が翌週に大学に戻ると、多くの学生は、同じ肌の色の人とだけ、生活し食事をする準備をすることが必要となるだろう。人種隔離廃止の国という理想に、一体何が起こったというのだ?

 人種隔離は本当に悪い考えだ。それで、アイデンティティ・ポリティクス/アイデンティティ政治(訳注 主に社会的不公正の犠牲となっているジェンダー、人種、民族、性的指向、障害などの特定のアイデンティティに基づく集団の利益を代弁して行う政治活動(Weblio))の支持者が、黒人専用の寮がアメリカの大学構内に設立されるべきだ、と要求していることは驚くことではない。

 ニューヨーク大学(NYU)学生新聞のワシントン・スクエア・ニュースの最近の報道によると、同大学は「『黒人の居住助力者といっしょの黒人学生』専用の居住コミュニティの実現を支援する」意向だ。同大学は「『黒人の居住助力者がいる自分を黒人と認知している学生』専用の居住コミュニティの実現を支援する」意向だ。同大学は、2021年の秋までに、そのような隔離された居住フロアの実現を目指している。
と、

 ニューヨーク大学(NYU)における人種による隔離の制度化は、他のキャンパスで行われている同様の制度の進展に倣っている。多くの大学では、寮の人種隔離は、婉曲的に「親近住宅」と呼ばれる。親近住宅の支持者は、これらの寮が少数派の学生にとって「快適」で「安全な」環境を作り出す、と主張している。親近住宅の支持者は、白人学生の存在が少数派の学生をしばしば不快にさせている、と主張する。隔離された住居を求める請願書の中で、黒いスミレ(Black Violets)と呼ばれる組織は、「教室や寮で、あまりにも頻繁に、黒人学生が人種差別について無知な学生を教育しないといけない場面に遭遇させられている」と述べている。

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Ibram X. Kendi’s ‘anti-racist’ constitutional amendment would lead to racial discrimination on a massive scaleIbram

 ニューヨーク大学(NYU)における、人種隔離の原則の勝利は、この不和を生じさせる前途を示す直近の例にすぎない。全米学術協会は、2019年4月の報告の中で、全米学術協会が言う「新たな隔離」がアメリカの大学で広がっている、と結論付けた。全米学術協会によると、80以上の高等教育機関が人種により隔離された寮の推進に加わっている。

 人種により隔離された大学生活を求める要求が、2015年以降高まっている。大学の管理者たちは、この状況をますます喜んで受け入れているようだ。もちろん、彼らが隔離をその名称のまま呼ぶことはめったにない。彼らが「親近住宅」という用語を使用しない場合には、「テーマ住宅(訳者注:特定のテーマをもつ住宅)」という用語や「安全空間」という空言を用いる。

 ロサンゼルスのカリフォルニア州立大学は、カリフォルニア州立大学が黒人学生に隔離住居を提供した、という批評家の主張に異議を唱えた。カリフォルニア州立大学は、住居隔離計画を「黒人のための新しい生活学習共同体」と説明した。カリフォルニア州立大学の住宅サービスページでの説明によると、「教授陣や仲間たちとつながる機会を提供することによって、大学で生活する黒人コミュニティの学生、または黒人コミュニティの懸念事項に関心のある学生に対して、居住経験を高める」第一歩だ、と書かれている。この大学が「黒人のための新しい生活学習共同体」を説明するために、どのような婉曲表現を選択しても、その目的が通常の大学生活体験や文化を高めることでないのは明白だ。

 人種による隔離の事態は寮を超えて広がっている。残念なことに、大学当局は食事施設の自主的な隔離さえも容認する傾向にある。たとえば、ノースウェスタン大学長のモートン・シャピロは、食堂で食事をしている黒人学生が、白人学生に加わって欲しくないのは理解できると主張した。「我々はだれでも、安全な空間を享受するに値する存在である」、そして「黒人の学生は安心して昼食を楽しむあらゆる権利がある」と彼は書いた。人種により隔離された安全空間に対するシャピロの言い訳は、誰もが他の類の人々によって不快にされることなく、安全空間に接近できるべきだ、という提案に基づいている。しかし、その理念が、どうしたらこのような人種による隔離になるのだろうか?

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 隔離された安全空間を求める主張は、自分が誰であるかを知り、それを受け入れることが根本的に重要だとする運動の論理的結論となる。アイデンティティ・ポリティクス/アイデンティティ政治の支持者たちは、彼らの反対者を外国人排斥主義または人種差別主義者として非難することがよくある。しかし、実際には、アイデンティティ・ポリティクス/アイデンティティ政治は本来不和を生じさせるものであり、保守派の白人の隔離主義者と同じくらいの寛容さなのだ。


 安全空間を求める主張が、争いの焦点となっている。自分の幸福は、自分と同じ類の人と生活することに依存している、と主張しているのだ。安全空間の理想が不和を生じさせる可能性があることは、2015年後期と2016年の初めに明らかになった。その当時、多くの米国の大学で、アフリカ系アメリカ人学生が、隔離された安全空間を大学構内に求める要求を掲げた。例えば、オーバーリン大学では、学生が「オーバーリン大学構内の全ての空間は、アフリカ系アメリカ人学生のための安全空間と指定されるべきだ」と要求した。

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 安全空間を求める運動と人種による隔離との合致は、ペン・アメリカ(訳者注:言論の自由を掲げるNPO団体)によって全面的に支持されている。 ペン・アメリカは、4年前の報告書「すべての人のための大学:アメリカの大学における多様性、包含、そして言論の自由」において、ペン・アメリカは、自己隔離の慣行を「自発的安全空間」と言い換えて、大学に「自発的安全空間」の設置を呼びかけた。ペン・アメリカによれば、これらの空間は「ある特定のグループと付き合いたいと願う学生が自発的に入るべきものだ」。自発的隔離は非自発的隔離よりもましだが、公的生活における行動にもたらすその影響は、破滅的だ。

 もし、「自由な表現」を擁護するために設立されたペン・アメリカのような組織が、「自発的」隔離を支持するならば、米国において、人種的、そして文化的隔離の制度化を妨げる障害がほとんどないことになる、というのは驚くにあたらない。

 隔離された安全空間を求める主張は、人々のアイデンティティを確立するうえで、それが根本的に重要だとする運動の論理的結論となる。アイデンティティ・ポリティクス/アイデンティティ政治の支持者たちは、彼らの反対者を外国人排斥主義または人種差別主義者として非難することがよくある。しかし、実際には、アイデンティティ・ポリティクス/アイデンティティ政治は本来不和を生じさせるものであり、保守派の白人の隔離主義者と同じくらいの寛容さなのだ。

 アイデンティティの涵養は、人々の精神的分離を助長し、学生の一部は自分と同一のアイデンティティを持っていると見なす人とだけ空間を共有することを要求するまでに至っている。それは民主主義社会にとって本当に悪い知らせである。

 マーティン・ルーサー・キングが、教育システムと米国社会における隔離撲滅のための彼の長いキャンペーンの中で、1956年、ニューヨークの演説で指摘したように、「人種による隔離は常に悪であり、非理性的な感情主義という薄い衣を羽織った、道を踏み誤った反動主義者だけが、隔離を擁護することを求めるだろう。しかし、隔離は理性的には説明できないものであり、道徳的に正当化できないものである。」‼

 歴史を通して、自分自身を進歩的であると見なした人々は、あらゆる形態の人種的、または文化的隔離の熱烈な反対者であった。今日、いわゆる進歩主義者が「自発的隔離」、または「親近住居」を支持していることは、隔離廃止論者や公民権支持者を何世紀にもわたって励ましてきた理想から、彼らがどれだけ遠く離れているかを示している。

 アイデンティティの政治問題化を進めたいという不和を生む衝動は、過去の権威主義的なものと同じくらい危険である。

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ジョン・ピルジャー:ジュリアン・アサンジに対するスターリニスト的裁判


<記事原文 寺島先生推薦>
John Pilger: The Stalinist trial of Julian Assange
RT 論説面

2020年9月7日

ジョン・ピルジャー

John Pilger
Journalist, film-maker and author, John Pilger is one of two to win British journalism’s highest award twice. For his documentary films, he has won an Emmy and a British Academy Award, a BAFTA. Among numerous other awards, he has won a Royal Television Society Best Documentary Award. His epic 1979 Cambodia Year Zero is ranked by the British Film Institute as one of the ten most important documentaries of the 20th century
.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年9月25日



 ジュリアン・アサンジの長い壮絶な試練を報じたジョン・ピルジャーは、ウィキリークス編集者である彼の身柄引き渡し公聴会が最終段階に入った9月7日、ロンドンの中央刑事裁判所の建物の前で以下の演説を行った。

 10年以上前にジュリアン・アサンジに初めて会ったとき、私は彼になぜウィキリークスを始めたのかと尋ねました。彼はこう答えました:「透明性と説明責任は、道徳的問題であり、それは公共生活とジャーナリズムの本質でなければならないものだ

 私は、出版人や編集者が道徳をこんな風に唱えるのをこれまで耳にしたことは皆無でした。アサンジが強く思っているのは、ジャーナリストは人々の代理人ではあっても権力の代理人ではない、ということです。つまり、私たち国民は、国民の名で行動していると言い張る人々の最も暗い秘密を知る権利を持っているだ、と彼は言っているのです。

 もし権力者が嘘をつくなら、私たちは真相を知る権利があります。もし彼らが非公式にはこう言い、公の場ではそれと全く反対のことを言うなら、私たちは真相を知る権利があります。ブッシュやブレアがイラクでやったように、彼らが私たちに対して陰謀を企て、民主主義者のふりをするなら、私たちは真相を知る権利があります。

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London court resumes Assange hearing amid worldwide protests against his extradition to US

 こういった目的を持った道徳性こそが権力者たちの結託を脅かすのです。彼らの願望は世界の多く地域を戦争に突入させ、トランプのファシストアメリカの中にジュリアンを生き埋めにすることです。

 2008年の米国国防総省の極秘報告書には、米国がこの新たな道徳的脅威に対抗する方法が詳細に記述されていました。ジュリアン・アサンジに対して個人的な中傷キャンペーンを秘密裏に指示すれば、それは「彼を表舞台に引きずり出し、[そして]刑事訴追へと」つなげることになるだろう、というのです。

 目的はウィキリークスとその創設者を黙らせ、犯罪人に仕立て上げることでした。どのページにも、たった一人の人間に対して、そして言論の自由、思想の自由、さらには民主主義の原則そのものに対する戦争が到来することがはっきり記述されていました。

 帝国の突撃隊とは、自称ジャーナリストたちのことなのでしょう。いわゆる主流派の大物たちのこと。特に意見の分かれる所に狙いを定め、そこを巡回して回る「リベラル派の人々」のことです。

 そして、それが今回起こったことなのです。私は50年以上も記者をしてきましたが、このような中傷キャンペーンは見たことがありませんでした。「記者クラブ」への入会を拒否した男がその人格暗殺を仕組まれました。彼の信念は、ジャーナリズムは人々に奉仕するものであって、人々の上に立つ人間たちに奉仕するものではない、ということです。

 アサンジは彼を迫害する者たちの面目を潰しました。彼は、スクープの上にスクープを次々と重ねました。彼はメディアが推進する戦争の不正を暴き、アメリカの戦争の殺人性、独裁者たちの腐敗、グアンタナモ刑務所の数々の邪悪な振る舞い、を暴露しました。

 彼は西側にいる私たちに鏡を見ることを強要したのです。彼は、メディアの世界で真実の公式の語り手とされている人たちが(帝国の)協力者であることを暴露したのです。彼らのことは、「ビシー」(訳注:第二次世界大戦時、ペタンによる対独協力政府が置かれたフランス・オーベルニュ・ローヌ・アルプス地方北西部の温泉都市)ジャーナリストと呼びたい。アサンジが自分の命が危ないと警告しても、この詐欺師たちはだれ一人信じなかった。スウェーデンでの「セックススキャンダル」は仕組まれたものであり、アメリカという地獄のような場所が彼の辿る究極的な運命になっていると警告しても彼らはだれ一人信じなかった。そして彼の言っていることが正しかったのです。何度も正しかったのです。

 今週行われるロンドンでの身柄引き渡し公聴会はジュリアン・アサンジを葬ろうとする英米の最後の作戦行動です。適正な法手続きはありません。あるのは復讐の手順です。アメリカの起訴は明らかに不正なものであり、まやかしであることは隠しようもありません。これまでの流れを見ると、公聴会は冷戦時代のスターリン主義者たちの動きを彷彿とさせるものです。

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‘It’s David v Goliath’: Assange’s partner launches CrowdJustice appeal to help stop WikiLeaks founder’s extradition to US

 今日、「マグナ・カルタ」を私たちに与えてくれた国イギリスは、悪意のある外国権力に司法を操作することを許し、自国の主権を放棄したこと、そして、ジュリアンに悪質な心理的拷問を加えていることで以前のイギリスではなくなっています。ジュリアンに加えられている心理的拷問は、国連の専門家であるニルス・メルツァーが指摘したように、ナチスがその犠牲者たちの反抗心を打ち砕くのに最も効果的であるとして、洗練された拷問の一形態です。

 ベルマーシュ刑務所のアサンジを訪ねるたびに、この拷問の影響を目の当たりにしてきました。私が最後に彼と会った時、彼の体重は10キロ以上も落ちていました。腕の筋肉は完全になくなっていました。信じられないことですが、彼のしゃれたユーモアのセンスは昔通りでした。

 アサンジの祖国のオーストラリア政府は、国民的英雄として称賛されるべき自国民に対して密かに陰謀的な企てを図ってきたために、ただひたすら卑怯な態度を示すばかりです。何の見返りもなしに、ジョージ・W・ブッシュがオーストラリアの首相を「副保安官」に任命したわけではありません。

 今後3週間でジュリアン・アサンジに何が起こっても、欧米の報道の自由は、破壊されないにしても、衰退すると言われています。しかし、どの報道機関ですか?ガーディアン紙ですか?BBC、ニューヨーク・タイムズ、ジェフ・ベゾスのワシントン・ポスト紙ですか?

 ここに掲げたメディアのジャーナリストたちは自由に息ができます。ジュリアンと表向き歩調を合わせ、彼の画期的な仕事を利用し、金を稼ぎ、彼を裏切ったガーディアン紙のユダたちは何も恐れることはありません。彼らは権力に必要とされているから安全なのです

 報道の自由の行方は、今では誇り高き少数者にかかっています。つまり、主流メディアの枠外にいる人たち、インターネット上の反体制派で、「記者クラブ」には属しておらず、金持ちでもなければピューリッツァー賞を貰ったわけでもないのに、健全で、体制に反抗的で、道徳的なジャーナリズムを生み出している人々、つまりジュリアン・アサンジのような人たちです。

 他方、私たちの責任は真のジャーナリストの側に立つことです。彼の掛け値のない勇気は、自由が可能であると信じる私たちすべてにとって啓示となるはずです。彼に敬礼!

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ドイツ政府はアサンジにも救いの手を!――あるドイツ国会議員の訴え

<記事原文 寺島先生推薦>
If Berlin can bring Russia’s Navalny to Charite hospital, why can’t it help Assange? German MP asks


RT ワールドニュース
2020年9月7日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月24日




 ひとりのドイツの国会議員が、「重病」状態にあるウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジに医療支援を提供するようドイツ政府に求めている。ドイツ政府は、ロシア反体制派のアレクセイ・ナバルニーの件では努力を惜しまなかったではないか、というのが彼女の言い分だ。

 ドイツ政府は、アメリカが音頭を取る「ジャーナリスト、報道の自由、そして民主主義に対する」攻撃への加担を止めるべきだと、ドイツ連邦議会の左派議員団の副団長であるハイケ・ヘンゼル氏は、イングランド・ウェールズ中央刑事裁判所の建物の前で、集まったアサンジ支持者への演説の中で述べた。

 ファッションデザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドやジャーナリスト、ドキュメンタリー映画監督ジョン・ピルジャーを含む何十人もの人々が、ウィキリークスの創始者であるアサンジを支持し、月曜日アメリカへの送還について再審問を行う前に彼を釈放せよとの要求のためにこの裁判所に集まってきた。アメリカに送還されれば、彼は最大175年の刑を言い渡される可能性がある。



 ヘンゼル議員はその演説で、彼女と同僚の議員は「この裁判で示された諸条件には二の句が継げませんでした。また、これは口が裂けても『公正』と呼べる代物ではありません」と述べた。ヘンゼル議員はイギリス政府にこの法的手続きを「終わりにするよう」呼びかけた。さらに、「今起こっていることには耳を疑ってしまいます・・・この法廷でのことですよ」と語った。

ヘンゼル議員は自国のドイツ政府にも疑問を持っていた。アレクセイ・ナワリヌイ氏の事件では、ドイツ政府が何のためらいもなく、自らを正義と人権の擁護者と見立てていたからだ。

私は自国のドイツ政府に尋ねる:ドイツ政府がロシアの[反体制派]アレクセイ・ナワリヌイ氏をベルリンのシャリテ病院に連れてくることができるならば、なぜ重病のジュリアン・アサンジ氏にも同じ申し入れをしないのか?

 政治家の汚職に反対するブロガーから反体制活動家に転身し、熱烈なクレムリン批判者となったナワリヌイ氏は、シベリア上空を飛ぶ飛行機の中で気分が悪くなった。彼はすぐにシベリアの都市オムスクにある病院に運ばれた。そこで医師が彼の状態を安定させ、医療行為を施す中で彼は昏睡状態になった。

 二日後ナワリヌイ氏は、民間のジェット機でドイツに運ばれた。彼の家族と支援者たちがオムスクの医師たちに圧力をかけ、彼の移送を認めさせたからだ。ドイツで彼は、ドイツ連邦軍(Bundeswehr)の集中治療用救急車で、ベルリンの有名なシャリテ病院に搬送された。正式に「首相(アンゲラ・メルケル)の賓客」となった。

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John Pilger: The Stalinist trial of Julian Assange

 しかし、ベルリンはこれまでのところ、ウィキリークスの創始者の運命へは、ナワリヌイ氏の場合よりはるかに低い関心しか示していない。彼は過去16ヶ月間、厳重に警備されたベルマーシュ刑務所で過ごし、1日最大限23時間独房に監禁され、面会も許されていないのだ。49歳のアサンジ氏は、健康状態の悪化を繰り返し訴え、拷問についての国連報道官ニルス・メルツァー氏が「長期にわたる心理的拷問」と呼んでいるものに科せられている。

 ヘンゼル氏はアサンジ氏の「ドイツ国内あるいは欧州連合内での政治亡命」を認めるようドイツ 政府に要求している。しかし、現状では、ウィキリークスの創始者アサンジ氏は、月曜日に米国の要請で開かれる身柄引き渡しの再審問を受けることになっている。

 ジャーナリストであるアサンジ氏に課せられた罪状には、共謀罪、支援のハッカーを雇ったという漠然とした告発、米国スパイ法違反、元米陸軍の内部告発者チェルシー・マニングを支援しようとしたとされる「コンピュータ侵入共謀」罪などが含まれている。

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国連は「Covid第二波の都市封鎖」を準備しているのか?――世界的な抑圧的措置そして忍従と服従、マスクを武器にして世界中に恐怖を振りまく、邪悪で巨大な行動戦略

<記事原文>
 Is the UN Preparing for the “Second Covid Lockdown”? Oppressive Measures Worldwide, Obedience and Acceptance…Globalized fearmongering. It fits an agenda, a huge sinister agenda

By Peter Koenig、Global Research, September 08, 2020

<記事翻訳 寺島美紀子・隆吉>


 WHOが推進するジュネーブ国連医療ディレクター(UNMD)グループは、ジュネーブの国連職員に対して、2メートルの距離を尊重できないときにオフィスでマスクを着用するなど、より厳しい措置を国連職員に警告し、6月のように自宅での就労を増やすよう、「合意声明」を発表したばかりだ。自宅で仕事をすることは、同僚を互いに分離し、Zoomで接続することを意味するが、人間の接触はない。それがゲームの名前だ。


 ジュネーブ国連医療ディレクター(UNMD)はジュネーブ州の新しい規制を参照しているが、これはCovid-19「症例」が着実に増加しているというスイスの主張に基づいている。7月の初めから、新しい「症例」は1日100人を超え、7月末には200人を超え、8月中旬には250人を超えた。検査陽性は着実に増加し、多くの場合、1日あたり10%近く増加したと言われている。いま驚くべきことに、彼らが言うのは、「症例」の40%は20歳から40歳の人びとに関係している、ということだ。しかし、誰がそれを確認しているのか。統計を多様化することがWHOの義務なのか。すべての人に対するワクチン接種や、また別の完全な都市封鎖をさらに正当化することを目論んで。


 
 われわれは今では知っている。マスク、「症例あるいは感染」、検疫・隔離、都市封鎖、ワクチン接種、その他の抑圧的な措置はどれも、Covid措置とは何の関係もないことを。それらはみな、新世界秩序(NWO)が、人びとを「調教」して完璧なまでの服従を手に入れ、かつ、目に見えない超大国すなわちディープステイト(闇国家)によって支配するための、手段と道具なのである。WHOはこの悪質な計画において主要な役割を果たしている。というのは、悲しいことに、世界の健康に関する限り、ほとんどの人びとや政府がWHOは権威ある存在だとみなしているからだ。

 ちなみに、WHO本部事務局と国連事務局が置かれているジュネーブ州は、Covidでスイス「最悪」の州であり、すべての「感染」の約三分の一を数えている。そのようにスイス当局は言っている。スイス保健省の報道官は「もしジュネーブがスイスでなかったら、ジュネーブからスイスの他の地域に行く人はみな隔離されねばならないだろう」と述べた。


 
 なんて怖いことだ。

 恐怖を大袈裟にとりたてて悪事をはたらくというレベルが進行していること――公共の場所や店舗や閉鎖された地域で顔マスクの義務づけを正当化することがそうだ。小売店主や小売企業の強い抗議があることなど気にかけることはない。彼らは急速に顧客を失っているからだ。もはや人びとはマスクをかけて買い物などしたくない。また、人びとはマスクなど役に立たないと思っている。だから、人びとはオンラインショッピングに移行しているのだが、その多くは海外にある。したがって、国内の小売損失は少なくとも30%と見積もられる。

 すでに街頭でもみなマスクをした仮面舞踏会を強制するという話がある。同様に、新しい重点は「社会的距離」に置かれている。人びとは訓練され、すべての場所でお互いに離れていろとつねに思いださせられることになる。歩いている人びととの仮面舞踏会だ――ロックステップ(閉じこめる)、すなわち、2メートル離れて立たせることだ。

 もし火星人が人類を見たなら、人類がこのように気骨もなく自尊心もなく、最先端の科学者たちですら人類史上最悪のデマと考えられているものの命令に従う、そんな人類を見たなら、火星人は「人類は狂ってしまった、もう人類を忘却のかなたにロックステップして(閉じこめて)しまおう。もうどうでもいい、この素敵で青いけれども狂った惑星からさっさと抜け出そう」と考えるだろう。

 そして人間はみなゾンビ(魂の抜けた人間)になってしまう。当局が、すべての良識に違反したら罰金をかけるぞと脅して、マスク着用や社旗的距離というような命令に従えと命じているからである。しかし、ゾンビはあらゆる良識を奪われてしまっているので塊になって抵抗する。このような抑圧や更なる制限などは、少なくとも2020年10月1日まで実施されるだろう。

 というのはつまり、2020年/2021年のインフルエンザシーズンの始まりは、Covid-19と御都合よく混同されることになるだろうし、さらに次の都市封鎖を正当化することになる。そして忘れてはならないのは、ワクチンの集団接種がCovidとインフルエンザの両方のためになされるということだ。隔離、生活破壊――これは経済を急落させ、より多くの貧困、より多くの悲惨、より多くの剥奪、より多くの飢饉、より多くの死を招く。Covidによる死ではなく、社会経済的な死である。それはまさに優生学の狂信者たちが夢見ているものであり、世界人口の大量削減である。

 WHOはその悪役一味の要の存在なので、都市封鎖とワクチン集団接種という、このステップを推奨するのである。目に見えない怪物たちからそうしろと言われれば、もちろんのことだ。国連はそれに同調する。とはいえ、Covidの数字をジュネーブで増大させたのは国連なので、彼らは最初に国連職員に、次に一般人に(それも世界規模で)ワクチン接種の準備を整えるのかもしれない。10月から11月に新しい都市封鎖をするために。思い通り何でもできないことはないのである。

 われわれは長期戦に向かっている。そのように国連の論文が示唆している。各国の当局(ママ)もそうである。スイスだけでなく、世界中がそうなのだ。オーストラリアのビクトリア省メルボルンにおける横暴で抑圧的な措置を見よ。同様に、ニュージーランドでも、南アフリカでもそうであり、またタイではすべての国境を閉鎖した。ドイツは新たな都市封鎖の準備をしているが(国民の強い抵抗に耐えきれずに)当局は反対のこと(都市封鎖はしないと)を言っている。フランスも同様だ。

 そして米国は、お粗末な状況の国家であり、人種的不安、目覚めの抗議、黒人の命は大事だというブラック・ライブズ・マター(BLM)運動、反警察暴動と戦っている。そのすべてを組織化して資金を出しているのは、ソロス財団、ロックフェラー財団、フォード財団、ゲイツ財団、寡頭政治的な「慈善」人道的な財団らである。大手メディアですら、もはや米国の都市の混乱を覆い隠しつづけることはできない。

 この物語のすべて、すなわち予測、予断、脅威、矛盾、都市の無政府状態は、意図的につくりあげられ(捏造され)ている。人びとを混乱させないようにするためではない。人びとを抑圧し意気消沈させるために、である。絶望はもっとも効果的な武器である。絶望は兵器化された物語である。

 「ジュネーブ国連医療ディレクターネットワーク(UUMD)の合意声明」は次のように言うことから始まっている。「最近、新たな症例が激増している」――新たな症例が何を引き起こすかを全く説明することなく、である。

 新たな感染とは? 新たに検査で陽性になったが症状はないということか? 病気の人のことか? 入院中の人のことか? 死んだ人のことか? 実際、致死率はいっさい上がっていない。誰もこれらの「新たな症例」または「新たな感染」で死亡してはいない。しかし、誰もこの重要な事実について報告しない。

 症例や感染という言葉は全く劇的に聞こえる。しかし、誰もあえて、いわゆる惨めすぎて見ていられない腐敗した当局に、そのような重要な質問をしない。誰もこれらの「増加した数字」が本当に何を意味するのか説明を求めないのだろうか。検査数の増加に応じて、感染が増加するのではないのか。検査はどのようにおこなわれるのか。悪名高く物議を醸しているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査の、実施、分析、統計への報告結果を尋ねたことがある人はいったいいるのか。

 ウェブサイト「ウイルス学の裏側」は、マーティン・ハディッチ教授のコメントを報告し、ProMed-mailに次のように書いている。

 
私の知識では、「感染」として定義されるのは、感染因子の証明、および体内においてこの病原体が増殖したという証明、(または、この病原体と結ばれている可能性のある関連の炎症反応)である。

 したがって、私の質問はこうである。「無症候性」の看護師からの標本とされるものはいったいどこから取られたのか。PCRは、われわれが知っているように、核酸を検出するだけである。したがって、病原菌の増殖が証明できず、局所的または全身的な炎症反応がない場合、「汚染」は(MERS-CoVの不活性化された部分や、たとえ完全なウイルス粒子に起因するものであったにせよ)どのように除外されたのか。

 これは意味論的な質問であるだけではなく、報告された「症例」数に影響を与えるはずのものでもある。


 「新たな症例」の急増は、新たな検査の急増と一致しているのではないか。

 誰が検査をおこなうのか。

 検査を制御したり検査を監視する独立した機関はあるのか。また誰が検査の対象者であり、いつどのような頻度の検査が実行されているのかに関しても、制御したり監視したりする独立した機関はあるのか。そして、その結果は報告されているのか。例えば、複数回検査を受けた人は、複数回報告されているのか。

 ジュネーブ国連医療ディレクターネットワーク(UNMD)の合意声明は、グローバル化した恐怖を大がかりにとりたてて悪事をはたらくことへの支持に過ぎない。それはあの行動戦略、巨大で邪悪な行動戦略にぴったり当てはまる。強制的なマスクの着用は、暗黒のディープステート(闇国家)によって課される最も嫌らしい措置である。彼らはNWO(新世界秩序)という構想・陰謀にわれわれを押し込めようとしている目に見えない征服者たちなのである。彼らはそれを知っている。彼らはそれを愛する。彼らは精神病質者たちである。そして、マスク着用は危険であり、健康と幸福にとって危険である。

 ヨーロッパのほとんどのところでは、新学年が始まったばかりである。多くの場での生徒・学生は、教室で「社会的距離」を尊重することができないところでは、マスクを着用することを余儀なくされている。多くの生徒・学生がヨーロッパ全域で、そしておそらく他の大陸でもインタビューを受けているが、彼らの反応はほぼ同じ意見だ。マスクは不快だ。集中力は約2時間もすれば限界に達し、われわれは夕方には疲れ果て、しばしば頭痛がする。それも無理はない。酸素の代わりに自分の吐き出した二酸化炭素を吸い込むなど、全く健康的ではないからである。

 強制的なマスク着用は、「大変革」または「世界再編成(グレートリセット)」における重要な行動戦略であり、IMF(国際通貨基金)とWEF(世界経済フォーラム)の両方が2021年1月にスイスのダボスで正式に「展開」すると予測されているものである。これは、儀式による再教育という行動戦略である。マスクを着用することは、行動の受け入れに関する儀式であり、服従への入門儀式・入会儀式である。マスクを早く簡単に受け入れれば受け入れるほど、より速やかにあなたは受け入れられる――社会に受け入れられる。ほとんどの人は受け入れられたいと思っている。それが彼らを快適にする。これを受け入れることがどんなに不快で嘘・偽りに基づいていたとしても。

 このビデオの最初の4分を見る.(The Truth Behind The Mask

 そのとき受け入れに抵抗し、受け入れなど気にしない少数の人がいる。彼らは激しく抵抗する。専制政治のシステムが確認するのは、彼らが社会的に差別され、「社会」から除外されるべき社会的不虞者だということである。彼らはまるで怪物であるかのように見られ、病気の拡散者として差別され除外される。それは古くからの「分断して征服せよ」である。何年ものあいだ、あなたの友人は突然あなたの敵になる。家族、グループ、クラブ、社会全体が分断され、お互いを軽蔑しあうようにされる。「儀式の列」に沿った分断である。

 驚くべきことだ。たかがマスクのために、「分断して征服せよ」という戦略がいかにはたらくのかというのを見るとは。ワクチン接種のために「分断して征服せよ」という戦略がどうはたらくのかを見るまで待っていると、また別の儀式が準備されているのである。これまでだって、われわれは次の5~10年間に何がわれわれを待っていたのか気づいていなかったのだから。行動戦略ID2020と行動戦略2030を考えて見よ。これらは持続可能な開発目標という国連の偽装の下で既に進行しているのだ。

 とはいえ、われわれはまだ万事休すというわけではない。とはいえ、われわれは迅速かつ決定的かつ一貫して行動しなければならない――連帯して。連帯を再発明しようではないか。

 

 

<訳注> 上記のID2020についてケーニッヒは、別の論考で次のように書いている。

 

 <これらのさまざまな構成要素をもつ更に大きな戦略や概念図を実行かつ監視するために、ほとんど誰も聞いたことのない「行動戦略ID2020」がある。だが、じつに驚くべきことに、これもまたゲイツ財団が創設したものだ。この「陰謀団(カバール)」とも言うべき組織の着想・考えのひとつは、世界中のすべての市民に電子化IDを持たせ、個人の言動をどこでも監視できるようにすることだ。これは、「行動戦略ID2020」の課題のひとつであり、バングラデッシュで最初に実験される(現在進行中だ)。

 この着想・考えは、時期が来れば(すなわちプログラムの準備ができ次第)ワクチン接種プログラムを使用して、おそらく強制的に、ワクチンと一緒に、ナノチップ(極微小物質)も注射するというものである。

 これは、本人の知らないうちに実行され、その後、個人データ (医療記録、犯罪記録、銀行口座など)が遠隔操作でアップロードされる可能性がある。実際、ゲイツ財団はGAVIと共同で、ワクチン接種と電子化IDの両方に使える、タトゥー(刺青)様のチップをすでに開発している。

 これらの多目的プログラムを実装・監視・制御するには、強力な電磁波が必要だ。

 そういうわけで、いまだにその副作用についてまったく研究されておらず検証もされていない5Gが、未知のものでありながら必要なのである。

 うろうろしている時間的余裕はない。なぜなら、このプログラムの完了目標は2030年であるからだ。国連が宣言した「持続可能な開発目標(SDGs、“2030年までに達成すべき17の目標”)」と全く同じ目標設定なのだ。>

[以上、ケーニッヒ「コロナウイルス、その余波。 迫り来る大恐慌…」から]

http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-401.html

 

 なお、上記の末尾に言及されているSDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月に国連総会で採択された「われわれの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と題する宣言文書で示されたもので、2030年に向けた具体的行動指針には、“2030年までに達成すべき17の目標”と“169のターゲット”がある。

 ケーニッヒが本論考の末尾で言及している「行動戦略2030」というのは、この「国連の行動計画2030」を指すと思われるが、もうひとつの「行動戦略2030」がある。

 それは、世界中を混乱させているコロナ騒ぎを利用して、資本主義を世界的に再編成しようとする計画である。いわゆる「ショックドクトリン」である。

 西側経済界の首脳たちが集まるWEF(世界経済フォーラム) の創設者クラウス・シュワブは、2020年6月に、「2030年までに資本主義の大きなリセットが必要だ」としている。これが、もうひとつの「行動戦略2030」である。

 つまり彼らは世界秩序を「リセット」し、強大な私的権力が世界を直接統治する社会をつくろうともくろんでいるわけだ。リーマンショック後10年を経て金融システムの情況はさらに悪化、2030年までドル体制は持たないと思われているからだ。

 

Peter Koenig(ピーター・ケーニッヒ)

 An economist and geopolitical analyst.

 He is also a water resources and environmental specialist. He worked for over 30 years with the World Bank and the World Health Organization around the world in the fields of environment and water.

 He lectures at universities in the US, Europe and South America. He writes regularly for Global Research; ICH; New Eastern Outlook (NEO); RT; Countercurrents, Sputnik; PressTV; The 21st Century; Greanville Post; Defend Democracy Press; The Saker Blog, the and other internet sites.

 He is the author of Implosion – An Economic Thriller about War, Environmental Destruction and Corporate Greed – fiction based on facts and on 30 years of World Bank experience around the globe.  He is also a co-author of The World Order and Revolution! – Essays from the Resistance. He is a Research Associate of the Centre for Research on Globalization.

 

 

 

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新型コロナウイルスの検査は「死んだ」ウイルスの細胞を検知し、「間違った陽性」患者を出し、流行蔓延を「誇張」している可能性がある

<記事原文 寺島先生推薦>
Covid-19 tests may be detecting DEAD virus cells, giving ‘false positives’ and EXAGGERATING pandemic – research
キューバシ 2020年9月5日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月20日




 新しい研究結果によると、コロナウイルスの検査は何週間も前に死んだウイルスの細胞の痕跡を検知し、誤った陽性診断を出し、流行蔓延の規模を実際よりも拡大している可能性がある、とのことだ。

 この研究は、オックスフォード大学のEBM(証拠に基づく医療)センターと、ザ・ウエスト・オブ・イングランド大学の専門家たちにより行われたものだ。この研究によると、「間違った陽性診断」が行われている危険性があるとのことだ。そしてその理由は、新型コロナの検査方法にあるとしている。

 科学者たちが突き止めたのは、新型コロナにかかった人に感染力があるのはほんの1週間ほどなのに、感染を検知するのに使われたある検査では、完治して何週間も経つ患者に陽性診断を出したという事実だった。

Also on rt.com On the road to herd immunity? Nearly 3 million people in England have coronavirus antibodies

 この研究チームは広く採用されているポリメラーゼ連鎖反応検査(PCR検査)についての25本の論文を調査した。PCR検査とは、体内にウイルスを保持しているかを調べる検査だ。その検査では、新型コロナウイルスの感染が疑われる人から標本を取る。そして検査の過程で標本中のDNA(すなわち遺伝物質)の量を増やすことにより検査を可能にする。

 この研究の結果分かったことは、PCR検査は、効力を失い感染を引き起こす能力をすでに失ったコロナウイルス遺伝物質の数を増やしてしまう可能性があるということだ。

 この論文の共同著者の一人であるカール・ヘネガン教授によると、英国中で検査をすることは、このような誤った診断をする危険を増やすことになり、さらに、これによって新型コロナウイルスの症例数は増えているのに死者数の変移は落ち着いている理由が明らかになる可能性があるとのことだ。

 「証拠は増えています。‘新しく発見された‘軽い症状の患者数や、隔離されたり退院した後に再検査して陽性になった患者数の多くは、感染力があるのではなく、単に体内の免疫系により適切に排除された無害のウイルスの欠片が検知されているだけなのです」。同教授はスペクター誌にこのように記述している。

 ヘネガン教授はまた、「感染力を持たない人々や地域全体を隔離する危険」を回避するための「国際的な取り組み」が必要であると述べている。

Also on rt.com Respected British medical journal The Lancet publishes study showing Russia’s ‘Sputnik V’ Covid-19 vaccine to be 100% effective

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ドイツの公営放送後援のゲーム「コロナの世界」。「コロナを疑うものたち」や「マスク着用に反対するものたち」を殴ったり、窒息死させたり。

<記事原文 寺島先生推薦>
Corona World’ game backed by German public TV dehumanizes lockdown resisters & kids – but sure, what could go wrong?

RT 論説面
2020年9月3日

ヘレン・ブイニスキー

Helen Buyniski

is an American journalist and political commentator at RT. Follow her on Twitter @velocirapture23


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月20日



 新しいオンラインゲームでは、プレーヤーが「コロナを恐れぬ馬鹿者」を踏みつけて遊ぶらしい。その馬鹿者とは、都市封鎖やマスクの着用の義務化に反対しているものたちだ。こうした規律に従わない人たちを罪人視することが、社会で受け入れられるようになってきている。歴史から学ばない人たちは、また我々に同じ間違いを繰り返させようとしているのだ。

 小さい子どもたちを「歩く感染源」と見なして悪者扱いし、やっつけて得点をもらう?新鮮な空気を吸いたくて外に出ている近所の人に肉体的攻撃を加えるってこと?今の社会の病んでいる部分が、オンラインゲームでも描かれているということだ。しかもこのゲームにはドイツの公共放送のお金が使われている。

 この「コロナ世界」というゲームは、ドイツ国民の税金で資金がまかなわれている「ファンク」というゲームソフト会社が最近出したゲームで、プレイヤーは看護士になって食料品店に買い物に行くという役目をする。そこで繰り広げられる世界には、コロナをまき散らす悪い奴が溢れている。たとえば、「高い感染力がある」という想定の小さな子どもたち(このコロナウイルスはほとんど子どもにはかからないという研究結果は全く考慮していないようだ)、そしてジョギングをしている人、さらに自分勝手にウイルスをまき散らしているパリピ(あまり考えずその日その日を楽しく暮らす人たち)だ。子どもたちも、ジョギングをする人たちも、パリピたちも、それぞれ健康なままで人生を楽しもうとしているだけなのに。(どうしてそんな恐ろしい役割をしなければならないのか!)

ALSO ON RT.COM

Lockdown supporters are using psychology pseudoscience to label anti-maskers as irrational, stupid sociopaths

 このゲームは音質が少し悪く、むかし流行っていたが今も通用しているスーパーマリオなどのゲームを思い起こさせる。そして、プレーヤーは自分たちと同じ市民を殺すことにより点数を稼ぐ。殺し方は、跳んで市民を踏みつけるというやり方だ。 (子どもたちやパリピを避けるだけでは点数にならない)。 プレーヤーはすべての人を殺す必要はない。当然のことだが。政府に言われたまま家の窓から身を乗り出して拍手している市民たち (その市民たちは、素通りしてもよい。 (その市民たちは、ドイツ語で “ありがとう、メルケル” と書かれた落書きに拍手している)。

 ファンク社はドイツの公共放送であるZDFやARDが2016年に立ち上げたもので、とても大切な世代である14歳から29歳までの年齢層に対して「情報を与え、正しい方向に導き、娯楽を提供する」ことを目的としている。このファンク社に対して、こんなゲームを取り除くよう批判の声は上がっていないし、ドイツの大手メディアはこんなゲームがあることすら報じていない。しかしもし、以下のようなゲームが作られたらネットが炎上することは予想に難くないだろう。そのゲームとは、主人公が走り回って、マスクを着けた看護士たちや警官たちや中央アジアからの移民たちをふみ倒すようなゲームだ。そしてそんなゲームにドイツ国民の税金の1ユーロでも使われていたとしたら、なおさらだ。

 オンラインの通信社であるボヘミアン・ブローサー・バレット(BBB)社がこの病んだ娯楽ゲームの責任者なのだが、同社はこのゲームをただの風刺だと評している。しかし、このBBB社が製作している他のコロナ関連の作品を探せば、このゲーム同様、まったくおもしろくもない動画を見つけることができる。その動画の題名は「コロナは世界を救う」だ。その動画はこのウイルスを賞賛している。というのも、このウイルスのおかげで、年寄りや病人はいなくなるし、さらには米国人もいなくなるから地球環境を救うことになる、というのだ。また別の動画では、試みとして舞台を中世に設定し、「反ワクチン」ならぬ、恐ろしい「反バクサー」集団というものを登場させている。こんな動画は冗談を通り越している。本当にそうだ。見る方の立場から言えば。

 実際BBB社は怒りの矛先のほとんどを「国家のお達し」に従わないものたちに向けているようだ。このような輩(やから)は、人々の生き方の「自由」(この場合、“自由”ということばは最も蔑んだ口調で発せられる)に価値を置く非国民であると言って、そういう非国民を二次元の風刺漫画の世界に追いやっている。同社はむきになって、世界の情報に通じていてものの分かった人達が、政府の絞り出すお粗末な説明に納得しないことに腹を立てているようだ。政府の説明は、ますます抑圧的になってゆく現実が、民主的な楽園だと聞かされながらその中で暮らしている人々の日常となぜ一致しないのかということの釈明なのだ。

ALSO ON RT.COM

If you can’t compete, cheat: Twitter’s shadow-banning of RT & other state-linked media proves the US narrative doesn’t measure up

 「コロナの世界」というゲームが、大手メディアがコロナウイルス対策に従おうとしないものたちの人権侵害をおおっぴらに了承した最初の例ではない。「コロナを疑うものたち」や「マスク着用に反対するものたち」を殴ったり、窒息死させたりすることを祝福することに始まり、「ウイルスを否定するものたち」の死に歓喜の声をあげたり、都市封鎖に抵抗するものたちを「コロナを恐れぬ馬鹿者」と軽蔑したり・・・。私たちが言われているのは、新型コロナに対する措置を拒絶するものたちは精神病者である、あるいはただのお馬鹿さんだということだ。とにかく私たちはやつらよりもましなんだ、と。(この“私たち”には政府の決まりに従うものだけが含まれている) 。

 しかし、ドイツ国民には歴史上学んだ大切なことがある。そう、ある特定の集団の全ての人の人権を侵害することは、想像できないくらいの残忍な結果を生む可能性があるということだ。ドイツ国民は、子供の頃から第二次大戦のそうした歴史を頭にたたき込まれている。言い換えると、ドイツ国民は常に、自国民が「悪者」だった過去があることを念頭に置いている、ということだ。

 今、メイク・アップならぬ「マスク・アップ」が義務となっている。マスク着用に効果があることはまだ科学が証明していないのに、だ。そしていま行われているコロナ検査は、医療の専門家でさえその有効性を認めていない。頭に入れておくべきことは、世間の目を気にさせて、人々に合理的な考えをしにくくさせようとしているものたちのことだ。彼らが人々に大きな悪影響を与えた上で、残虐な行為をさせるのだ。
 このままではすぐにでも、私たちは、私たちと同じ市民に残虐行為を加えはじめるだろう。その市民とは、カフカの『変身』の世界のような不条理な決まりがどんどん増やされていく中で、その決まりに従おうとしないものたちにすぎないのに。



 今月初旬、ドイツ社会民主党の政治家であるアジズ・ボズクルト氏は「コロナを恐れぬ馬鹿者」を国外追放することを要求した。こういうことがこの先どんどん起こってくるだろう。





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国連しぶしぶ認める:ゲイツ財団が資金提供しているワクチンがアフリカでポリオの大流行を引き起こしている

<記事原文 寺島先生推薦>
UN Forced to Admit Gates-funded Vaccine Is Causing Polio Outbreak in Africa

By 21st Century Wire
Global Research 2020年9月4日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月20日




 これはこの10年間で最大の公衆衛生スキャンダルの一つであるはずだが、ほとんど注目されていない。それは主にその関係者や組織の知名度が高いからだ。

   国連が認めざるを得なかったのは、主要な国際的なワクチン計画が、実際には、それが根絶されるはずだったまさにその病気の致命的な大発生を引き起こしていることであった。

 世界保健機関 (WHO) のような国際機関は、定期的なワクチンによる「ポリオ根絶」 を自慢している。しかし実際はその反対のケースがあるようで、ワクチンがアフリカに住む何十人もの若者が死亡する原因となっている。

 保健当局は現在、「野生型」ポリオの根絶計画が裏目に出ていることを認めている。それは、多数の子どもたちがワクチン由来の致死的な病原菌株によって麻痺状態に陥り、悪性のポリオが蔓延する原因となっているからだ。

 この最近の大手製薬会社によって引き起こされた世界的流行は、チャドスーダンのアフリカ諸国で始まり、原因はワクチン由来のポリオウイルス2型であると特定された。

 当局は現在、この新たな危険な菌株がすぐに 「大陸を飛び越え」 、世界中でさらに致命的な大流行を引き起こすのではないかと危惧している。

 驚くべきことに、この大規模な製薬会社の大失敗は新しいものではない。30年間で約160億ドルを費やしてポリオを根絶した後、国際的な医療機関はパキスタン、アフガニスタン、そしてイランに 「偶然」 ポリオを再導入した。中央アジア地域が薬剤ワクチンによって引き起こされたポリオの強毒性株の被害を受けたためだ。また、エチオピア政府は2019年、ワクチンによるポリオ発生後に、2型経口ポリオワクチン (mOPV 2) 57,000本の破棄を命じた。

 同じ事件がインドでも起きた。

 経口ポリオワクチンは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援と資金提供を受けている連合事業体である世界ポリオ撲滅イニシャティブ (GPEI) によって推進されていることに留意することが重要だ。

 特に欧米諸国の政府や国際的な製薬大手各社が、ゲイツ社が資金提供した、世界の人々を対象とした新たな実験的コロナウイルス・ワクチンの発売を急いでいることを考えると、これらすべてに懸念が生じるはずだ。

READ MORE UN Says New Polio Outbreak in Sudan Caused by Oral Vaccine

 現在、最初の実験的新型コロナウイルス感染症COVID-19ワクチンが、ゲイツ財団の資金提供を受けた別の組織GAVIアライアンス(世界ワクチン予防接種連合)を通じて、アフリカの人々を対象に試験されている。大規模な臨床試験が南アフリカで行われ、南アフリカ共和国ヨハネスブルグのウィットウォータースランド大学によって運営されている。この大学もゲイツ財団の資金提供を受けている。

 アフリカからのこの最新の暴露は、ジャーナリストと衛生推進者に、大きな話題となった新型コロナ「奇跡」ワクチンの有効性と安全性についてより厳しい質問をするよう促すはずである。


AP通信の報道...
【ロンドン (AP) 】 世界保健機関 (WHO) によると、スーダンで新たに発生したポリオの感染は、ワクチンが引き金となって現在も続いているチャドでの流行と関連があるという。これは、国連健康機関がアフリカ大陸には野生のポリオ・ウイルスはないと宣言して1週間後のことだった。

 WHOは今週発表した声明の中で、スーダンの2人の子どもたち (1人は南ダルフール州、もう1人はエチオピアとエリトリアの国境に近いゲダリフ州) が3月と4月にポリオ(小児麻痺)にかかったと述べた。2人とも最近、ポリオの予防接種を受けていた。WHOによると、初期の大流行の調査の結果、この症例は昨年最初に検出されたチャドで進行中のワクチン由来の大流行に関連していて、現在チャドとカメルーンで拡大していることが判明している。

 「スーダンでは循環的な人の移動があり、(それが原因で)チャドからの感染が止まらない状態にあります」と国連機関は述べ、チャドからスーダンへウイルスが大量に流入していることは遺伝子配列が裏付けていると付け加えた。

 WHOは、スーダンでも11人のワクチン由来のポリオ症例が新たに確認されており、このウイルスは環境試料からも確認されていると述べている。典型的には、確認されたすべてのポリオ患者について、報告されていない症例がより多く存在する。感染力の強いこの病気は、汚染された水の中で急速に広がることがあり、5歳未満の小児に最も多くみられる。

 まれに、経口ワクチンに含まれる生ポリオ・ウイルスが突然変異して、新たな流行を引き起こすことがある。

 先週、WHOとそのパートナーは、アフリカ大陸には野生ポリオ・ウイルスが存在しないと宣言し、それを「信じられないほど感動的な日」と呼んだ。

 WHOは月曜日、中央アフリカとアフリカの角地域での大規模な人口移動に言及し、ワクチン由来のポリオがさらに拡大するリスクは 「高い」 と警告した。

 現在、アンゴラ、コンゴ、ナイジェリア、ザンビアなど十数カ国が、ウイルスが原因のポリオの発生と闘っている。

 コロナウイルスが大流行する中、ポリオ撲滅に必要な大規模な予防接種キャンペーンの多くがアフリカやその他の地域で中断され、何百万人もの子どもたちが感染の危険にさらされている。

 WHOとそのパートナーは4月、不本意ながらも、ポリオの大規模な予防接種キャンペーンの一時中止を勧告した。この動きがポリオの復活につながる可能性があることを認めながらも、だ。5月、彼らは、ポリオに対する子どもへのワクチン接種のための46のキャンペーンが、コロナウイルスの世界的流行のために、主にアフリカの38カ国で中断していると報告した。

 キャンペーンのいくつかは最近再開されたが、医療従事者はこの麻痺性疾患(=ポリオ)を根絶するために、90%以上の子どもに予防接種を行う必要がある。

 保健当局は当初、2000年までにポリオを撲滅することを目指していたが、その期限は何度も延期され、守られなかった。アフガニスタンおよびパキスタンでは、野生ポリオは風土病のままである。両国ともワクチン由来のポリオの発生を封じ込めようと奮闘している。




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コロナウイルス、その余波。 迫り来る大恐慌…

<記事原文>
Coronavirus – The Aftermath. A Coming Mega-Depression…

グローバルリサーチ、2020年4月9日
ピーター・ケーニッヒ

<記事翻訳>寺島美紀子・隆吉


 次に来るのは何か。それが、多くの人たちの心にある疑問だ。世界は二度と再び元どおりにはならないだろう。これは良いことかもしれないし、あまり良くないことかもしれない。それは、われわれがこの悲惨な「PANDEMIC(世界的大流行)」をどのように見るかによって決まる。
 この「パンデミック」は、すべての厳正な説明からすると「パンデミック」という言葉に値しない。さらに、この「パンデミック」は当初うっかりSARS-2-CoVあるいは2019nCoVと命名されたが、あとになってWHOによってCOVID-19と改名されることになった。
 SARS-2-CoV「SARSの2番手にあたるコロナウイルス」の意
 2019nCoV 「2019年に発生したn(novel新型の)コロナウイルス」の意
 COVID-19 「コロナウイルス、19年発生」の意
 WHO事務局長のテドロス博士は3月11日、これを「パンデミック」と呼んだ。ところが驚くべきことに、この名称を使うという決定は、すでに2020年1月20日~24日にダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)によって採択されていたのだ。しかもこれは、WHOによって中国以外でのCOVID19症例の総数がたった150と記録されたときのことだった。

 ところがこの日、つまり中国以外に症例数がたった150件だった1月30日に、WHO事務局長は、中国本土以外での疾患の発生を「PHEIC(国際的な懸念である公衆衛生緊急事態)」だと命名していた。だからこれは、WEFによるPANDEMICという命名に全く正当性がない最初の兆候であり、COVID-19疾患の「アウトブレイク(集団発生)」の背景には別の行動戦略があるということだ。


 3月26日、マサチューセッツ内科外科学会が発行する、非常に高い評価を得ている『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』の査読付き論文の中で、NIAID(国立アレルギー感染症研究所、米国国立衛生研究所NIHを構成する27の研究所およびセンターのひとつ)の所長であるアンソニー・ファウチ博士は、COVID-19を季節性インフルエンザが通常よりも少し強くなったものに過ぎないとしていた。


無症候または軽微な症候の症例数が、報告された症例数の数倍であると仮定すると、致死率は1%よりかなり低いと考えられる。このことが示唆しているのは、COVID-19の全体的な臨床結果は、結局のところ、季節性インフルエンザの少し重いもの(約0.1%の致死率がある)または「世界大流行したインフルエンザ」(1957年と1968年に発生のもの)と極めて近いものに過ぎないということだ。すなわち、SARSまたはMERSほど深刻な疾患ではないのだ。SARSまたはMERSはそれぞれ9~10%および36%の症例死亡率を示しているからだ。(nejm.org

 この論文は、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌に掲載され、高い科学的評価を受けたものであったにもかかわらず、ファウチ博士は、公の場では、正反対のことを言うことになってしまった。主流メディアからインタビューを受けたときに彼は次のように述べたからだ。以下を参照されたい。


米国第一人者の防疫官によれば、新型コロナウイルスは季節性インフルエンザの10倍の「致死性がある」

 一方で、世界中から集まった他の一流の科学者や微生物学者、医師たちは、コロナウイルスのせいで世界中が深刻な封鎖状態に陥っていることに疑問を呈している。これらの厳しい措置は、比較的、致死率の低い流行性疫病を食い止めるために必要なものではない、と彼らは口をそろえて言う。

 イタリアでさえも、より慎重に真の統計的規範に従って計数処理をおこなった場合、致死率はおそらく1%以下であろう。3月23日、イタリアの市民保護部長アンジェロ・ボレリ氏がイタリア最大の新聞『ラ・レプブリカ(La Repubbulica)』に語ったところによると、公式に報告されたすべての症例1件につき、無症状で医師の診察も必要なかったので報告されていない感染例が少なくとも10件あることが確かめられた、という。もしこれが本当なら、実際の死亡率は10%ではなく、たちまち1%になる。

 世界がいま経験していることは、巧妙に練られた世界規模の戒厳令の宣言と実施にみえる。それは、社会・経済的に悲惨な結果をもたらし、病気そのものよりもはるかに悪質だ。誰も何も動かないので、経済はほとんど行き詰まってしまっている。

 こうした悲惨さは、その背後には何があるのか、そして次に何が起こるのか、という論点を巧みに遠ざけることになる。


まず、「あまり良くないシナリオ」を見てみよう。


 カタールのドーハにある衛星テレビ局「アルジャジーラ」は4月2日、世界のコロナウイルス感染者は100万人を超え、5万人が死亡したと報告している。政治に特化した米国のニュースメディア「ポリティコ」は4月2日、コロナ封鎖が始まって二週間しか経っていないのに、米国の労働者の約1000万人が職を失っていると述べた。

「わずか二週間で1000万人近い米国人が職を失ったことは、米国経済でこれまで見られなかったことであり、突然の驚異的な打撃となった。2007年から2009年までの一八か月にわたる大不況ピーク時に1500万人の雇用が失われたが、今後の数週間で失業数はそれを上回る可能性がある」

 3月31日、連邦準備制度FEDは警戒すべき予測をおこなった。コロナウイルスが蔓延し続けているため、次の四半期の失業率は32%、失業者数は4700万人となる。とくに中小企業の倒産は、一~二か月で制御不能に陥る可能性がある。これは失業にさらなるドミノ効果をもたらすだろう、と。

 ゴールドマンサックス(2020年3月20日)は、「経済活動における前例のない悲惨な停滞を予測した。第2四半期GDPは24%縮小する」というのだ。
 ゴールドマンサックス(GS)のエコノミストたちは、歴史的に急激で急速な景気後退を予測している。「第2四半期のGDPは、第1四半期で6%の減少ののち、驚異的な24%を記録するだろう」「第3四半期にはさらにGDPが5%減少する」と言っている。

 「住宅ローンの貸し手は米国の住宅ローンのデフォルト(返済不能)が1500万件となる事態に備えている」とブルームバーグ・ニュース(4月2日付)は述べ、「住宅ローンのデフォルトは、2008年を超える可能性がある」と付け加えた。住宅ローンの貸し手は史上最大の支払滞納に備えているという。

 こうしたことのすべてはすでに起こっている。これらの数字は米国のみを対象としており、欧州や世界の他の地域についてはまだ考慮されていない。欧州でのこのような住宅ローンの債務不履行の数字はまだ入手できていないが、同様に厳しいものになるものと予想される。

 アジアを見ると、中国、アフリカ、ラテンアメリカ以外では、大規模な「非公式経済」部門を抱えている。「非公式経済」部門は、管理が困難であり、しかも国家がたとえもっているとしても薄っぺらな、どんな社会的セーフティーネットからも間違いなく抜け落ちていく部門だ。
(非公式経済とは、公式経済部門と違って、 課税されず、いかなる政府機関の関与も受けず、国民総生産統計にも表れない経済部門のことである。 非公式経済部門に関連する言葉として、ブラックマーケット・陰の経済・地下経済・System Dなどがある。 関連イディオムには、机下・簿外・現金労働などがある)

 信頼できる統計はない。しかし、「推測による見積もり」はできる。たとえばペルーでは、好調な時期でも「非公式経済」部門が経済の三分の一を占めたこともあると言われている。まして今のような困難な時期には、おそらく50%かそれ以上になる可能性もある。

 このような大恐慌は、最近の歴史では決して存在しなかったものだが、倒産した中小企業(航空会社、観光産業などを含む)などの多くが、すでに存在する巨大独占企業(グーグル、アマゾン、アリババなど)によって買収され続けるかもしれない。巨大な合併が起こるかもしれない。それはわれわれが知る文明の時代における、底辺から頂点への最後の資本移動となるかもしれない。


5Gと人工知能

 一方、G5および間もなく登場する6Gの本格的展開は、人工知能(AI)を駆動して、これら巨大独占企業の進展、その生産、流通、そして究極的には世界中の人びとの消費をさらに強引に押し進めることが目的なのかもしれない。

 通信会社はすでに世界を電磁界(EMF)で氾濫させている。が、あまりに毒性が強すぎて多くの人が悪影響を受けるだろう。計画では、その強度を数万個の衛星によって増大させ、2030年までに地球を1センチメートルごとにカバーすることになっている。しかし、私がこれから言うことをよく聞いてほしい。5Gの健康への影響は公式には研究されていない。米国でも欧州でも中国でも、そういう研究は存在しない。その悪影響は、人間の生命、ひいては母なる地球全体の生命に甚大な被害を及ぼす可能性がある。

 多くの科学者がそれについて書き、生命に壊滅的な影響を与える可能性があることを各国政府に警告し、5Gの開始を中止するか、真剣な研究がおこなわれるまでは5Gの一時停止を求めるという請願書を出している。EUの5Gアピールを参照。(「科学者は5Gの潜在的で深刻な健康への影響を警告」)
 保健と健康被害の防止を担当する組織は、国連機関である世界保健機関(WHO)である。そう、COVID-19をPAEIC(世界的な衛生危機)であると2020年の1月30日に宣言したのと同じ、あの組織である。ところが驚くべきことに、PANDEMICという命名は、既に2020年1月21~24日のダボスでのWEF会議でおこなわれていた。その時点では中国以外の確定症例は150件以下だった。


 この時点で、WHOは5G関連の問題については奇妙にも沈黙を守っている。なぜなのか。COVID-19の重症度が、少なくともいくつかのケースでは5Gに関係しているのではないかとする、著名な科学者たちからの声があったにもかかわらず、これについてWHOは沈黙を守った。しかし、5Gはすでに北イタリア、ローマ、ナポリでは本格展開がなされている。そしてニューヨーク市でも。

余談:矛盾する報告
 WHOによると、COVID-19は季節性インフルエンザ(すなわち一種の肺炎)に似ている。
 この点に関して、ニューヨーク州のキャメロン・カイルサイデル博士の評価はWHOによって定義されたCOVID-19の通常パターンと一致していない。
 カイルサイデル博士は、ニューヨーク州ブルックリンに拠点を置く救急医療医で、マイモニデス医療センターに所属している。カイルサイデル博士によると、COVID-19は「酸素欠乏性疾患」であって、肺炎とは異なる、という。すべての場所で、普通の人工呼吸器では解決できない呼吸障害が報告されているからだ。むしろ人工呼吸器によって悪化ししている。根本的な原因は何か。
https://www.youtube.com/watch?v=jjKLVH3z82o&feature=youtu.be&app=desktopを参照)



世界中の人びとがすでに直面している経済的災難に話を戻そう。

 経済的災難は「非公式経済」部門の人びとにとっては、さらに悪い。彼らは安定した雇用を持たず、日々の労働、あるいは時間労働に依存している。彼らはその日暮らしの生活で貯金がない。彼らが生き延びるかどうかは、このような散発的な仕事と、最低賃金をはるかに下回る収入にかかっている。

 彼らは、定まった家もなく、家賃を払うお金もないため、食糧不足や病気に苦しみ、餓死したり絶望に陥ったりする。

 非行や犯罪も指数関数的に増加するかもしれない。腹を空かせている人には失うものは何もない。スーパーマーケットやドラッグストアを襲撃することがあるかもしれない。また、ラテン米国の大都市の街頭では、遺体がいくつも発見されたとも報告されている。

 彼らは、飢餓、病気、孤独感、自殺など、経済封鎖に関連したあらゆる理由で亡くなるのかもしれない。だとすれば、彼らの死亡はCOVID-19によるものなのだろうか。こうした結果、ウイルスで死亡したとされる人びとの推定値が急激に上昇することになり、それが恐怖とパニックをさらに高める原因となっている。

 それがWHOの目的なのかも知れない。みんなを怖がらせることだ。恐怖やパニックに陥っている人は、簡単に操ることができるからだ。

 人びとは目に見えない敵から警察に護ってもらうことを求めるだろう。COVID-19ウイルスの大きさは700~900億分の1メートル、つまり1ナノメートル(1 nm = 0.000000001 m)である。怖い。人はそれを目では見ることができないからだ。しかし、口で伝えることができる。それもまた目には見えない。むしろ恐怖のほうがもっと致死的となる可能性もある。COVID-19の場合、致死性は比較的低い。致死率は、感染と死亡率の測定方法によって大きく異なっている(上記の第2段落および第3段落を参照されたい)。だから、ウイルスそのものよりも恐怖感の方が重要かもしれない。

 この「最後の審判の日」(いわゆる「アルマゲドン」)というシナリオはフィクションではなく、現実であり、それはすでに起こっている。
 われわれが見ているのは氷山の一角かもしれない。
 われわれ見ているのはきっと西側経済の完全な崩壊であり、それは人びとにとっては、ますます大きくなる惨状だ。
 これらの人びとに何が起きるのだろうか。住宅ローンや家賃を支払うことができなくなれば、仕事も収入もないまま多くの人びとは家を失うことになるのか。


「人口削減」計画

 1974年、ニクソン政権下でキッシンジャー国務長官は、国家安全保障会議(NSC)の主導のもとで、主に第三世界の国々を対象とする「過疎化対策」の輪郭を描くことを委任された。その結果、「NSC研究メモ200」と題する文書が起草された。

 「人口削減の行動戦略」は、依然として米国の外交政策の不可欠な部分である。また、いくつかの企業慈善団体や財団からも承認がえられた。それだけでなく、この点に関しては、ビル&メリンダ・ゲイツ財団とロックフェラー財団が、極度の貧困と人口削減とのあいだの関連にすでに取り組んできている。

 ということは、「人口削減計画」は現在進行中のパンデミック運動の一部であり、パンデミックの後には強制的なワクチン接種プログラムが続く可能性がある。

 ビル・ゲイツは2010年のTEDショーで、世界的なワクチン接種や医療などによって、人口の10%から15%(すなわち約10億人)を削減する計画について語った。

 ウィリアム・エングダールは、自分のサイト(Geopolitics-Geoeconomics)で次のように書いている。
 ゲイツは、招待者のみが参加するカリフォルニア州ロングビーチで開催されたTED2010の年次総会で「ゼロへの革新」と題した講演をおこなった。
 2050年までに世界の人為的なCO2排出量をゼロにするという科学的には誠にバカげた提案とともに、講演開始から約4分半後にゲイツは次のように宣言した。
 「まず人口です。現在、世界には68億人の人口があります。これは将来的に約90億人に達する見込です。もし新しいワクチン・医療・生殖健康サービスで本当にわれわれが大いに力を発揮するなら、おそらく世界人口を10~15%ほど削減できます
(参照。ビル・ゲイツ「ゼロへの革新。カリフォルニア州ロングビーチで開催されたTED2010の年次総会での講演、2010年2月18日)


 リンクをクリックして、ビル・ゲイツのTEDショー・ビデオを表示(3分55秒~4分30秒)。
(TEDショーは、TED Conferences LLCという米国のメディア組織が、「広める価値のあるアイデア」をスローガンに、オンラインで有名人の講演を無料で配信している)


ワクチン接種

 ゲイツ財団は過去20年間、アフリカで集中的に子どものワクチン接種プログラムを実施してきた。

 2014年から2015年にかけて、ケニアはWHOとUNICEFがスポンサーとなる大規模な破傷風ワクチン接種プログラムを実施した。同国政府は、破傷風トキソイドのワクチンを接種したが、そのワクチンには、少女と女性を永久に不妊症にするβ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(BhCG)がしみ込ませてあった。それを14歳から49歳までの約50万人のもの少女と女性に接種した。

 GAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)と呼ばれる組織は、官民共同事業体であり、その官公部分はWHOとUNICEFであり、民間の共同事業体は大手製薬会社の集合体である。そのGAVIが、ケニアのような貧しい国々に無料のワクチンを配布しているのだ。

 ワクチンに不妊薬まで埋め込むことが可能であれば、健康やDNAに悪影響を与えるような、他のいかなる微粒子やタンパク質なども、容易にワクチン接種カクテルに混入させることができよう。
 (次のケニアの2事例を参照されたい。「政府が提供したワクチン接種後に数千人が不妊」および「『大量発生した不妊』:ケニア人医師たちは国連の破傷風ワクチンに不妊薬を発見」


「イベント201」 パンデミック模擬演習(シミュレーション)



 もう一つの重要な要因がある。それはすべてCOVID-19発生に関連していると思われる。なぜならじつに奇妙なことに、COVID-19は2020年の1月に爆発的に広まりを見せたからだ。
 COVID-19は、ニューヨーク市で2019年10月18日に開催された「イベント201」のわずか数週間後に中国で発生した(ただし武漢市での発生は2019年12月31日だった)。
 その「イベント201」のスポンサーは、ビル・ゲイツ、ロックフェラー財団によって設立されたジョンズ・ホプキンス大学保健研究所、および毎年1月にスイスのダボスで開催される世界経済フォーラム(WEF)である。
(「イベント201」の201は、2020年1月、すなわち「20年1月」の意)

 「イベント201」の行動戦略の一つは、パンデミックの模擬演習(シミュレーション)だったが、じつに面白いことに、そのときの名称は2019nCoVだった。すなわち現在のコロナウイルス・パンデミックのことである。
 シミュレーションの結果は、18か月間で6500万人の死亡、少なくとも30%の株式市場の暴落、大規模な倒産、大規模な失業、要するに、最近の歴史で世界が経験したことのない経済崩壊だった。それがシミュレーションだった。これがわれわれの向かうべき方向だと言いたかったのか。


「行動戦略ID2020」

 これらのさまざまな構成要素をもつ更に大きな戦略や概念図を実行かつ監視するために、ほとんど誰も聞いたことのない「行動戦略ID2020」がある。だが、じつに驚くべきことに、これもまたゲイツ財団が創設したものだ。この「陰謀団(カバール)」とも言うべき組織の着想・考えのひとつは、世界中のすべての市民に電子化IDを持たせ、個人の言動をどこでも監視できるようにすることだ。これは、「行動戦略ID2020」の課題のひとつであり、バングラデッシュで最初に実験される(現在進行中だ)。

 この着想・考えは、時期が来れば(すなわちプログラムの準備ができ次第)ワクチン接種プログラムを使用して、おそらく強制的に、ワクチンと一緒に、ナノチップ(極微小物質)も注射するというものである。
 これは、本人の知らないうちに実行され、その後、個人データ (医療記録、犯罪記録、銀行口座など)が遠隔操作でアップロードされる可能性がある。実際、ゲイツ財団はGAVIと共同で、ワクチン接種と電子化IDの両方に使える、タトゥー(刺青)様のチップをすでに開発している。

次の参考文献も参照されたい。

「コロナウイルス–それを治療するためにワクチンは必要ない」
  ピーター・ケーニッヒ 、2020年4月1日
*「コロナウイルスは単なる健康被害どころではない。人間と社会の破壊だ
  ピーター・ケーニッヒ 、2020年3月30日
*「COVID-19 –治療法をもとめる闘い:西側巨大製薬会社という搾取構造
  ピーター・ケーニッヒ 、2020年3月24日
*「コロナウイルスCOVID-19パンデミック:本当の危険は「行動戦略ID2020」だ
  ピーター・ケーニッヒ 、2020年3月12日

 これらの多目的プログラムを実装・監視・制御するには、強力な電磁波が必要だ。
 そういうわけで、未だまったく研究されておらず検証もされていない5Gが、未知のものでありながら必要なのである。うろうろしている時間的余裕はない。なぜなら、このプログラムの完了目標は2030年であるからだ。国連が宣言した「持続可能な開発目標(SDGs、“2030年までに達成すべき17の目標”)」と全く同じ目標設定なのだ。
[持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年9月に国連総会で採択された「われわれの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と題する宣言文書で示されたもので、2030年に向けた具体的行動指針には、“2030年までに達成すべき17の目標”と“169のターゲット”がある。訳註]



 上図でご覧のとおり、「行動戦略2020」は、基本的に法の支配を推進するSDG「持続可能な開発目標」の中の、とくに16番目「16 平和と公正をすべての人に」と密接に関連している。

 2016年にニューヨーク市で開催された国連の特別サミットの期間中に、ゲイツ財団やUNOFP(国連パートナーシップ事務所)からアイデアを受けて、SDG16.9(「持続可能な開発目標」第16章第9項)が作成された。これは「行動戦略ID2020」の目的に見事ぴったりと合致する。
 SDG16.9は次のように記載されているからだ。
「2030年までに出生登録を含む法的身分証明書をすべての人に提供する。世界共同体のために電子身分証明書(デジタルID)を活用する。世界の人口の約五分の一(18億人)は法的身分証明書を持たず、医療、学校、避難所へのアクセスを奪われている」

 これはわれわれが真剣に考えて見なければならない「悪いシナリオ」だ。

参照:コロナウイルス:治療にワクチンは不要

    http://www.ungcjn.org/sdgs/goals/goal16.html

では、次に「良いシナリオ」を見てみよう。これは、われわれ民衆が善をおこなう力を持っているというシナリオだ。

 第一に、これまで私が説明したどんなタイプの複合的な計画も、時間がたてば具現化されたり実施されることは不可能だ。ダイナミクス(生命の活動力)の方が勝るからだ。世界は生きている。生きているものはすべて線形性(モデリングは線形)によって方向づけられることはなく、ダイナミクスの法則に従う。

 第二に、われわれは人類と母なる地球を脅かすこの邪悪な作戦を逆転させる力を持っている。それは目覚めの問題だ。 そうすれば、多くの人は光を見るようになるだろう。ひとつは、おそらく次のような理由による。すなわち、「この邪悪な作戦の不条理さ、この世界的封鎖、この限度を知らぬ貪欲という狂気、少数の人びとによる権力と金に対する貪欲」にたいする嫌悪だ。母なる地球は、社会の上層階級がおこなってきたこうした虐待に、反吐が出るほどうんざりしている。母なる地球は0.01%(の上層階級)よりも強い。われわれ民衆は母なる地球と手をつなぐことができ地球の味方をすれば、安全でいられるのだ。

 人びとは、この「偽(にせ)の伝染病」の背後にひそむ「完全なる破壊」に気づき始める。WHOの非常に疑わしい指導者によって宣言されたパンデミック、恐怖を煽るパンデミックによる「完全な破壊という考え」に気づき始めるのだ。コロナウイルスを「ウイルスF」(恐怖を煽るウイルス)と呼ぶのもいいかもしれない。FはFear「恐怖」の頭文字だ。人びとは恐怖で死ぬこともあるからだ。
 WHOが調子を合わせて一緒に踊っているのは、ビル・ゲイツ、ロックフェラー財団、大手製薬会社、そして舞台裏にひそんでいて目に見えないWEF(世界経済フォーラム)の政治家や銀行家たちだ。そして、こうした者たちすべてのもっともらしい理屈は、「目に見えないコロナウイルスから世界を救う」ということ。実際はパンデミックではないパンデミックから世界を救うのだ、と。

 この新自由主義の腐敗したシステムが崩壊するにつれて、多くの犠牲者が出てくるだろう。悲しいことに、多くは生き残れないかもしれない。多くの悲惨さ、孤独感、そして苦しみがあろう。
 われわれは、社会として連帯して行動し、われわれにできることをやるべきだ。被害者を助け、被害を軽減するために。
 われわれは、手と腕と魂が届く限りまで、すべての前向きな精神と行動で、貢献すべきなのだ。そうすれば、連帯の意志力は巨大であり、ほとんど無限である。

 すでにWB(世界銀行)とIMF(国際通貨基金)は、大規模で低コストの融資や、最貧国への一部無償援助を約束している。WBの当初の数字は120億米ドルであり、IMFはコロナの損害を軽減する貸付枠を500億米ドルとしていた。そして今、両者は分担金を引き上げた。
 IMFの場合、今では1兆ドルまでと言っている。IMF理事国の一部は、4兆ドルという特別の「SDR(特別引出権)基金」の設置を求めている。これは、グローバル化において支配層が、自分たちの手で世界を操るという支配権を失いたくないと考えていることを示している。

 すでに60か国以上がIMFに「援助」(原文のママ)を申請している。しかし、IMFに「援助」を申請しているこれらの政府は、自国と自国民の魂を奴隷化するという犯罪を犯しつつあり、かつてないほどの大胆さでエリート経済と金融の専制政治に向かっている。
 というのは、こうしたIMF等の融資は条件付きであり、以前は「構造調整」と呼ばれていたものと同様だからである。つまり、社会サービスとインフラの民営化、国内に残っているものすべての民営化である。その国の天然資源である石油、ガス、鉱物、その他すべてを、外国企業が食い物にできるよう特権を売り渡す(「コンセッション」する)ことだ。それこそ西側が地球の完全支配を推し進めるために切望しているものだ。
(構造調整:IMFとWBが経済危機を経験した国に提供するローンで構成されている。ブレトンウッズのこの2つの機関は、借入国が新しいローンを取得するために特定の政策を実施することを要求する。これらの政策は通常、民営化の増加、貿易と外国投資の自由化、政府の赤字の均衡化に集中していた。)

 だが、今回の経済的ホロコーストを契機として、自国経済を再構築し金融と自国通貨の主権を取り戻す方策がある。そう考えているすべての国と人びとへの私のアドバイスは、IMF・WB・すべての地域開発銀行・さらにはさまざまな国連の資金メカニズムから距離を置け、そんなものに手を出すな、ということだ。

 可能な限り自立した自給自足を目指すのだ。地産地消という単純な原則を適用するのだ。そのためには、地元のお金と地元の公共銀行によるのだ。それらは地域経済の発展のために働いてくれる。経済発展のために地元のお金と借金を使おうではないか。よそ者が地元の債務返済を要求することはできない。それは、皆さんがご自身の条件で内部的に管理できる制度なのだから。

 中国などの国々はこの原則を適用している。これが主権国家として略奪的な資金調達から免れる方策だ。そうすれば、社会的・政治的・経済的統合の考え方に基づくALBA(米州ボリバル同盟:ラテンアメリカとカリブ諸国の連合)のように、志を同じくする国々と連帯協定を結ぶことができる。


結論

 われわれ人間には巨大な精神的な力があり、それを総動員すればプロパガンダの流れを阻止することができる。世界のご主人様たちが人間の心の強さを知っているからこそ、われわれはこの種の凶暴なプロパガンダにさらされているのだ。そして、われわれの巨大な精神力を作動させないようにするには、恐怖を通してしかない。これが今、世界で起きている「パンデミック」騒ぎなのだ。

 この残酷で抑圧的な戒厳令の状況が長引けば長引くほど(そうだ、多くの国々では、欧州でさえ、戒厳令という情勢になっている)、主権者自身の内面の力と自我の信念は人間の心の中によみがえり、恐怖に取って代わり、悪の勢力に立ち向かう力となる。正義と人間の平等、人間の尊厳を護るために立ち上がる。そして究極的には連帯と愛に立ち向かうだろう。

 愛こそが、この悪魔のような計画を克服するものだ。

 それが希望と愛のシナリオだ。限りなき希望は屈することなく創造することなのだから、決して絶望にはならない。そして、われわれが力による争いを避け、限りなく希望し創造し続ける限り、われわれは必ずや暗闇から抜け出して光の世界を見ることになろう。それは平和的創造のよどみない流れなのだから。


Peter Koenig(ピーター・ケーニッヒ)は経済学者かつ地政学アナリスト。水資源と環境問題の専門家でもある。30年以上にわたって世界銀行や世界保健機関で勤務し、パレスチナを含む世界中の環境や水の分野で働いてきた。米国、欧州、南米の大学で講義している。また、Global Research; ICH; RT; Sputnik; PressTV; The 21st Century; Greanville Post; Defend Democracy Press, TeleSUR; The Saker Blog, the New Eastern Outlook (NEO)その他のインターネットサイトの定期的な寄稿者。著書に『Implosion– An Economic Thriller about War, Environmental Destruction and Corporate Greed』があるが、これは事実に基づき、かつ世界中の世界銀行での30年間の経験に基づいたフィクション。また『The World Order and Revolution! – Essays from the Resistance』の共著者。

Centre for Research on Globalizationのリサーチアソシエイトでもある。

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COVID-19 ――治療法をもとめる闘い:西側巨大製薬会社による暴利

<記事原文>

COVID-19 – The Fight for a Cure: One Gigantic Western Pharma Rip-Off


グローバルリサーチ、2020年3月24日
ピーター・ケーニッヒ

<記事翻訳>寺島美紀子・隆吉


 数日前、世界保健機関(WHO)の事務局長であるテドロス博士は、数週間前にすでに述べたことを繰り返し、世界には、COVID-19、別名2019nCOV、またはSARS-CoV-2と呼ばれる新しいコロナウイルスのワクチンを開発している製薬研究室が約20か所ある、と述べた。
 一般人にとってCOVID-19は、同じく中国で2002~2003年に発生したSARSウイルス(重症急性呼吸器症候群)より少し感染力が強い変異株にすぎない。実験室でつくられた突然変異だということは確実だ。アメリカの厳重警備の細菌兵器研究施設でつくられたものだ。つまり、SARSもCOVID-19もともに、他の多くの細菌兵器と同様、アメリカでつくられたものなのだ。


 そして今や、ワクチンをめぐる混沌とした西側スタイルの競争が始まった。互いに先を競う民間企業の競争だ。


 誰が最初にワクチンを開発するのか。数兆ドル規模になる可能性のあるビジネスだから、特許や独占を確立することは熾烈な競争である。西側の新自由主義的資本主義は、見る角度によっては、最悪でも最良でもある。

 人間の健康よりも利益を得るための、この混沌とした熱病を表現する言葉はない。それは健康とは何の関係もなく、病気や苦しみ、場合によっては死にゆく人びとを癒すこととも何ら関係がない。すべてはお金の問題だ。製薬大手とそれに関連する研究施設や民間企業は、数兆とは言わないまでも数千億ドルを生み出す。さらに、もしWHOが宣言した「パンデミック」(原文のママ)が、軍隊や警察の監視によって強化された強制的なワクチン接種キャンペーンを引き起こすならば、なおさらのことである。

 COVID-19を時系列の中で見てみよう。WHO統計によれば、2020年3月23日現在(グリニッジ標準時18:33)、世界で報告された症例は37万2572例である。1万6313人が死亡。10万1373人が回復。死亡率は4.37%だった。しかし、これらの数字は慎重に考慮されなければならない。多くの国、とくに発展途上国では、検査の正確さが問題となる。検査キットは入手できないことが多く、信頼性も低い。そのため、インフルエンザの症状が出て医師の診察を受けた人は、宣伝の誇大効果に役立つため、誤ってCOVID-19の被害者だと診断される可能性がある。

 アメリカでは計算ミスや誤った報告がおこなわれることさえある。アメリカ疾病対策予防センター(CDC)のCEOであるロバート・レッドフィールド氏は議会で、CDCは今ではもはや定期的な検査をおこなっておらず、極端な場合にのみ州レベルでおこなっているだけだと証言した。(3月20日のロサンゼルスタイムズ記事「LA郡はコロナウイルスの封じ込めをあきらめ、一部の患者の検査をスキップするよう医師に指示する」を参照)

 比較検討のための情報として、アメリカCDCは、アメリカだけで2019~2020年のインフルエンザ流行シーズンに約3800万人から5400万人が一般的なインフルエンザにかかり、2万3000人から5万9000人が死亡する可能性があると推定していた。これらの死亡者の大部分は70歳以上の高齢者であり、その多くは健康でない状態か、もうすでに呼吸器疾患を有しているか、あるいはその両方の状態である。この健康状態は、COVID-19とほぼ同じ死亡パターンである。
 これらに共通の、一般的なインフルエンザの数値を世界規模で直線的に拡大するならば、一般的なインフルエンザによる死亡者数は数十万人に達する。とくに激しかった2017~2018年のアメリカのインフルエンザ流行シーズンには、アメリカだけで推定6万人が一般的なインフルエンザで死亡した。
 このようなインフルエンザの大流行をみれば、読者は、WHOがCOVID-19を「パンデミック」と宣言したことが正当化されるかどうか、それともその背後に、ひょっとしたら何か別の行動戦略があったのか、自ら判断することができるだろう。

 最終的にCOVID-19に適用される可能性のあるワクチンは、次のコロナウイルスの大流行にはもはや有効ではない可能性が高い。CDCのレッドフィールド氏も、今回適用のワクチンが次の大流行にはもはや有効でないという事態がおそらく起きることになるだろうと述べている。あとに出てくるウイルスが変異することは間違いないからだ。COVID-19は一般的なインフルエンザウイルスによく似ている。実際、毎年再発する一般的なインフルエンザウイルスには、10%から15%(場合によってはそれ以上)の割合のコロナウイルスが含まれている。

 年に一度接種するインフルエンザ・ワクチンの有効性は平均で50%未満であり、それに付随するあらゆる潜在的で有害な副作用は言うまでもない。COVID-19は一般的なインフルエンザによく似ている。したがって、コロナウイルス・ワクチンも、潜在的な患者を将来の感染から保護することにおいては、同様に弱く、かつ副作用をもつ可能性がある。

 西側諸国では、競争のかわりに協力がおこなわれることはありえない。すべて利益主導なのだ。さまざまな大手製薬会社のさまざまなワクチンが市場に出回っているが、どのワクチンが患者の状態に最適なのか、どれが最も適しているのかを患者に伝えるのは誰なのか。これは完全に混乱していて一種の詐欺だ。

 ほんとうの問題は、ワクチンなら何でもいいのか、それともある特定のワクチンが必要なのか、ということだ。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。ワクチンの製造は、「利益という動機」、および「新世界秩序(NWO、ニュー・ワールド・オーダー)の重要な政治的議題」、この二つのために推進されている。この二つは、私たちが知ろうが知るまいが、あるいは知っていると思っていただけかも知れないが、いずれにしても、人びとの生活を変えるために計画されたものだ。

 ワクチンは治療はしない。ワクチンは、ウイルスが他の場合と同じように激しく攻撃するのを防ぐだけだ。年齢・身体的および健康状態に応じて、まったく効かない場合もある。他方、世界的な統計によると、COVID-19に感染した40歳から50歳までの人は、通常、症状が全くないか、あってもごくわずかで、心配することは何もない。

 だから、もし症状が現れたら、家にいて、安静にして、伝統的な昔からの薬を使って、一般的なインフルエンザに使われているのと同じことをするだけで、ウイルスを除去するのに十分かもしれない。これで一~二週間以内に病気が治る可能性がある。これによって、その人はこのコロナウイルスに対して自然に「ワクチン接種を受けた」ことになる。
 しかし、65歳以上または70歳以上の高齢者はリスクが高く、特別な注意が必要である。高齢者の場合は、集団から隔離し、二週間の隔離期間中(潜伏期間)は隔離する一方、社会の他の部分は可能な限り通常の生活を続ける。それによって、社会への莫大なコストを削減することができる。

 中国は、COVID-19のパンデミックをワクチンなしで制圧した。「常識」と「比較的安価な医薬品」を使用してである。中国が、ワクチンもなしでCOVID-19を制圧することに効果をあげ、有効であった通常の薬とは何なのか。

 1973年にロバート・F・ケネディ・ジュニアによって設立されたアメリカのNGOである「子どもの健康を守る」(CDF児童防衛基金)は、その報告書のなかで、フランスのウイルス学の第一人者と保健担当官とのあいだで繰り広げられているフランスの権力闘争を描いている。それは、買収された各国政府やWHOなどの国際機関が資金提供している製薬企業と、有名な科学者たちのあいだの世界的な闘いの典型である。読んでみるとあまりにもショッキングなものだ。(CDFの報告書の全文を参照)

 伝染病に関する世界トップ5の科学者の一人であるフランスのディディエ・ラウール教授は、集団隔離というアプローチは非効率的で時代遅れであり、むしろ疑わしい症例の大規模な検査と治療のほうがはるかに良い結果をもたらす、と主張した。

 ラウール博士は、マラリアとの闘いにも使用され、SARSなどの既存のコロナウイルスに対して有効性を示した、簡便かつ安価でよく知られた薬剤であるヒドロキシクロロキン(クロロキンまたはプラキニル)の使用を初めから提案していた。2020年2月中旬までに、同氏の所属する研究所と中国での臨床試験により、この薬剤がウイルス量を減少させ、劇的な改善をもたらすことが確認された。中国の科学者らは100人以上の患者を対象とした最初の試験を発表し、中国国家衛生委員会がCovid-19の治療に関する新ガイドラインでクロロキンを推奨すると発表した。

 さらに、中国とキューバは、インターフェロン・アルファ2Bを使って、両国が協力して治療に取り組んでいる。これは、約39年前にキューバで開発されたが、アメリカがキューバへの禁輸措置を取ったため世界にほとんど知られていない高効率の抗ウイルス薬だ。このインターフェロン・アルファ2Bはまた、COVID-19との闘いにおいて非常に効果的であることが証明されており、現在、中国の合弁企業で生産されている。


 中国の研究者はキューバの科学者と協力してワクチンの開発もおこなっており、近いうちに試験が開始される可能性がある。西側諸国が営利目的に特化しているのとは対照的に、中国製キューバ・ワクチンは低コストで全世界に提供されるだろう。

 他の単純だが効果的な治療法としては、ビタミンCビタミンD3の大量摂取、より一般的には、ビタミンA、B、C、D、Eなど、感染症と闘うために不可欠な微量栄養素の摂取がある。

 古代中国、古代ローマ、古代エジプトで何千年も使われてきたもう一つの治療薬は、コロイド状銀粒子だ。これは液体として経口投与されるか、注射されるか、皮膚に塗布される形態をとる。コロイド状銀粒子は、細菌やウイルスと闘う免疫系を高め、がん、HIV/AIDS、帯状疱疹、ヘルペス、眼疾患、前立腺炎、COVID-19の治療に使用されてきた。

他のものと組み合わせて使用される、さらに別の簡単で安価な治療法は、メントールが主成分の「メンソレータム」である。一般的なインフルエンザや風邪の症状によく使われる。鼻の上や周りをこすると消毒剤として働き、細菌が気道(呼吸経路)に侵入するのを防ぐ。

 北イタリアとニューオーリンズでは、非常に多くの患者が集中治療室(ICU)に入院し、酸素90%という強度の人工呼吸器を24時間年中無休で装着しなければならないが、反応しないままで呼吸不全に陥ったものもいたと報告されている。報告されている死亡率は約40%だ。この状態は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)と呼ばれ、肺が液体で満たされている状態のことだ。このARDS症状の説明が当てはまる場合、先述のラウール教授と他の医療関係者らはCOVID-19患者に対し、治癒するまで「座って眠る」ことを推奨している。これは肺から液体を排出するのに役立つ。この方法は、1918年のスペイン風邪の流行時に初めて報告されて以来、うまく機能することが知られている。

参考:コロナウイルスCOVID-19の大流行:本当の危険は「行動戦略ID2020」

 ご想像のとおり、インターネットでこれらの代替的な治療法を検索すると、当然のことながら、グーグルや製薬会社を含む大手企業支配によって支配されているインターネットは、それら代替的な治療法を使用しないようアドバイスしている。彼らは、これらの製品や方法が効果的であることが証明されていないこと、そして最悪の場合、それらが有害である可能性があると教えてくれるだろう。だが信じてはいけない。これらの製品や方法はどれも有害ではない。その中には、何千年ものあいだ、自然療法として使用されてきたものもある。中国がこれらの比較的単純で安価な薬を使ってCOVID-19との闘いに成功したということを覚えておかれよ。

 しかし残念なことに、これらの実用的で簡単で安価な治療法を知っている医師はほとんどいない。それらは安全で、ほとんどが成功する。メディアは、大手製薬会社やそれに迎合的な政府機関からの圧力を受けて、こうした貴重な情報を検閲するよう求められている。このように容易に入手できる救済手段を公の知識にすることの怠慢や失敗こそが、人びとを殺しているのだ。

 では、本題の、その背後にあるものの話に入ろう。並外れた巨大メディアのプロパガンダ宣伝の背後にあるものだ。西側世界全体の社会経済システムを破壊し、途方もない悲惨さ、飢饉、そして死を引き起こしているものだ。1928年~1929年の大恐慌やその後の数年間よりもはるかに深刻な苦しみを伴う悲惨な状態だ。

 ウイルスがどこで発生したのかについて、もし誰かが今まで疑問を持っていたなら、真実はこっそりと漏らされてしまっていたのだ。国務長官のマイク・ポンペオの口が滑ったかあるいは故意だったのか、ポンペオは、3月21日、COVID-19についてアメリカ国民に向けてこう語った。「これは報復ではありません、私たちはここでライブ実地演習をしているのです・・・」。つまり(3月21日現在の状況を)軍事演習あるいは戦争作戦だと言っているのである。

 ポンペオの横に立っていたトランプ大統領は、「そういうことは事前に知らせてくれるべきだっただろう」と小声で言った。それが何を意味するにせよ、だ。トランプ大統領が知らなかったなんて信じられない。しかし、これらはアメリカ政治の気まぐれな動きであり、新型コロナウイルスの発生のような死にかかわる重篤な問題でさえそうだ、ということだ。ここにある短いビデオを見てほしい。これも参照。



 このような「この実地(軍事)演習」は、想像を絶するような世界的な影響力をもち、私たちの生活を完全に変えてしまうかもしれない。経済戦争なのだ。この地球上のほとんどすべての国は、今やある種の閉塞状態にあり、まだ決定されていない期間、ある種の隔離状態にある。企業は閉鎖され、店舗やレストランは営業不能になり、建設現場は停止され、人びとは可能なら自宅で働き、街頭に出ることは禁止される。多くの国では、警察や軍隊の監視下にあり、十分な説明ができなければ、殴打されたり手錠をかけられたりする。

 マクロン大統領にそそのかされたフランス警察は、とくに野放しの残虐さで知られ、「黄色いベスト運動」と闘っていた。すでに彼ら警察は、同胞市民にそれと同じ軽蔑を行動で示している。というのは彼ら警察は、街頭に出て、特別な許可も得ずに、食料品の買い出し買い漁りさえ、おこなっている。

 国境は封鎖され、航空機は離陸を許されず、観光業は基本的に日一日と世界中で立ち往生している。若干の例外はあるものの、ドイツとフランスは珍しく例外的な国であり、自国民のために帰国便を手配している。さもなければ、フライトの出発は不確実で予約が混雑しているため、立ち往生している観光客はすぐに家路につくことがほとんど不可能だからだ。

社会経済的コストは天文学的なものだ。数千兆ドル、つまり100京(10の18乗)ドル。ゼロがたくさん並ぶ数字には目がくらむ。この災難は部分的にしか数値で評価することができず、世界の封鎖が続く今では、評価できない社会的コストを伴う。株式市場は約30%急落――先物投機家と巨大投資業や巨大金融業にとっては典型的な大当たりであり、小規模投資家にとっては数兆ドルの損失だ。

 何億とまでは言わないまでも、何百万という中小企業が倒産し、失業が世界中で蔓延し、とくに発展途上国の貧困層の中でも最も貧しい人びとは、失業しているか、収入がないか、生きるための必要最小限のものも買えないか、のいずれかである。中には飢饉で死ぬ者もいれば、自殺する者もいるし、犯罪に手を染める者もいる。これは千倍、あるいはもっと悪いギリシアだ。

 それから、強制隔離からの道徳的および社会的崩壊があり、明確な終わりは見えない。これは恐怖と不安、欲求不満と怒りを引き起こす。多くの人にとって、それは独房監禁のようなもので、そのすべてが健康に悪影響を及ぼし、免疫防御システムを低下させる。裏で糸を引く(状況をコントロールする)人物が欲しがるものだ。

 では、この「ライブ軍事演習」は誰の役に立つのだろうか。第一に、中国は将来有望な経済大国であるので、その中国の背骨をへし折ることを目論むものだと考えられる。確かに、中国経済は甚大な被害を受けており、COVID-19が発生してピークに達した今年の、最初の二か月間は、全生産量の約60%から70%が停止した。これは中国のGDPの大幅な落ち込みを意味し、2020年の1月と2月は40%にも及んだ可能性がある。

 しかし、中国は現在、コロナウイルスを完全に制圧している。また中国は、さすが中国だけあって、経済は急速に回復しており、2019年12月の状態にすぐに戻る可能性がある。事実、COVID-19の大きな影響にもかかわらず、まもなく中国経済は、帝国を自称するアメリカの経済を追い抜くかもしれない。中国の通貨である人民元は、金と強い経済力にしっかり支えされており、過去100年間その役割を果たしてきたアメリカドルに代わって、世界最高の基軸通貨になる見通しだ。そうなれば、アメリカの覇権は絶望的だ。

 いや、それ以上だ。この中国への攻撃は、実際のところ絶好調のアメリカにしっぺ返しをすることになろう。中国は西側諸国にとってほぼすべてのモノのサプライチェーンである。企業収益を増やすために、アメリカや他の西側諸国は、ほとんどすべてのモノを低コストの労働力である中国にアウトソーシングしている。これは、ハイテク電子機器だけでなく、医薬品や医療機器にも及んでいる。医薬品や医療機器の約80%と医薬品の原料は中国産だ。抗生物質では、その割合は約90%にも達する。中国の生産の多くがほぼ二か月間停止しており、納期の遅れは非常に大きい。

 この計画は数年前から、無名の一族つまり「暗黒の闇国家(ディープ・ダークステート)」によって決定され、その手下たちによって設計されてきた。彼らは、何らかの形で寛大に報われることを期待している。あるいは、こう言ってもよかろう。罰や拷問を受けないことも報酬の一形態だ、と。

ワクチンの全員接種

 第一に、世界規模のワクチン接種へ向けた大きな推進力がある。なぜなら、ワクチン接種はその後に続くすべてのものの基礎となるからである。すなわち、地球上のすべての人に全員対象の強制的な電子的識別をもうけることである。そして、ワクチン接種プログラムを強制するのに最も適したものは何か。もちろんそれは、人びとが日々恐怖を募らせているパンデミックである。恐怖が鍵となる。期限の定められていない強制隔離、COVID-19が拡大する前線、悪いニュースなどの、絶え間ない一滴一滴の洗脳によって、恐怖は増加する。毎日、感染者と死者の数が増加するペースが加速し、恐怖と不安を増大させる。

 人びとが文字どおり助けを求めて叫ぶ時が来るだろう。警察と軍事国家がウイルスから自分たちを護ってくれることを望み、人びとはワクチンを受けたいと願う。人びとは自分の体内に注入されることになる混合物が何なのか、長期的な影響が何なのかを気にすることも尋ねることもなくなる。例えば、ワクチンの混合物は、女性と男性の生殖能力を低下させたり、次世代に受け継がれて長期的な神経学的欠陥を引き起こしたりする可能性がある。しかし恐怖心のある人は、ワクチン接種を受けて安心して眠りたいだけだ。ワクチンと一緒にナノチップ(極微小物質)が注入され、医療記録から銀行口座に至るまで、すべての個人データを格納し、電子的に遠隔操作できるようにされることなど気にしないし、知りたいとも思わない。

 言うまでもなく、私たちの通貨システムは完全に電子化され、もはや現金はなくなるように計画されている。あるいはWHO事務局長が最近、警告したように、文字どおりではないにしろ、「現金は感染症にとって危険だ。紙幣と貨幣は致命的なウイルスを運ぶ可能性がある」というわけである。したがってこれは、通貨システムの完全なデジタル化への道を開く。これは実際、ここ数年でスカンジナビア諸国を中心にすでに試されており、デパート全体が現金の受け取りを拒否している。WHO事務局長の勧告を受け、ドイツでは一部の店舗やレストランが現金の受け取りを拒否している。

 世界全員のワクチン接種と電子化IDは連携しており、まず幾つかの発展途上国で試験がおこなわれる。バングラデシュもそのひとつだ。ワクチン接種プログラムは、NOW(ニュー・ワールドオーダー「新世界秩序」)、つまりOWO(ワン・ワールド・オーダー「一つの世界秩序」)が望んでいる大変革のための地ならしだ。ワクチン接種は製薬業に莫大な利益をもたらすが、そのうえに更なる目的があるのだ。それが、これなのだ。

 ほとんど知られていない機関である「行動戦略 ID2020」が、これらすべての背後にあって、さまざまなプログラムの実施を監視し、指示し、調整している。そして最終的に想定されているのは「フルスペクトラム・ドミナンス(全領域全側面の支配)」だ。詳細については、「行動戦略ID2020」の危険性に関する最近の記事も参照されたい。
https://www.globalresearch.ca/coronavirus-causes-effects-real-danger-agenda-id2020/5706153

 この精巧で複雑なネットワークの背後には、ビル・ゲイツ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団という有名な名前が何度も登場する。ビル・ゲイツ氏は何十年ものあいだ、アフリカのワクチン接種プログラムに資金を提供してきた。ビル・ゲイツ氏とロックフェラー家は、「地球の人口を大幅に減らすのが究極の目標のひとつである」ことを公然と表明している。

行動戦略ID2020の概略

 「行動戦略ID2020」は、国連機関や市民社会を含む官民連携の同盟団体である。これは、全員強制のワクチン接種を、電子化IDへの踏み台として利用するID電子化計画を遂行する。このプログラムでは、既存の出生登録とワクチン接種を活用して、新生児の体内に埋め込まれて持続的に生体認証ができるデジタル身分証明を提供する。
 GAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)という団体は、ウェブサイト上で、自分たちのことを「全員へのワクチン接種」に力を入れている官民提携の世界的な保健組織であると自認している。GAVIはWHOの支援を受けており、その主要なパートナーとスポンサーは言うまでもなく製薬業界である。
 2019年9月にニューヨークで開催された「グッドIDチャレンジへの決起」と題された2019年のサミットで、ID2020アライアンスは、上記の計画を2020年に開始することを決定した。
 そして2020年1月にダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)で、その決定が正式に承認された。その結果、その電子化IDプログラムはバングラデシュ政府のもとで実験されることになっている。
 「GAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)」「学界と人道援助のパートナー」(自称)は、この計画を実行するための先駆的な団体の一部である。
 WHOが「パンデミック」の始まりを宣言したちょうどそのときに、「ID2020」というプログラムが、公けにされたのは偶然だろうか。あるいは、ID2020という複数の破壊的なプログラムを「展開」するために、パンデミックが必要だったのか。


ワクチンの研究と生産は、どのように機能すると考えられているか

 ワクチンの開発とワクチン実施キャンペーンという、この精巧で複雑な事業はどのように機能するのだろうか。基本的に政府の責任であるほとんどの公的活動は、民営化され、外部委託されているため、複雑で、ときに混乱し、非効率的になる。西側諸国の場合、アメリカは単独で主導権を握るつもりらしい。ヨーロッパの製薬研究所にも責任を割り当てるだろう。

 アメリカ国立衛生研究所(NIH)は、国の保健研究とプログラム実施の全体的な責任を負っている。NIHの所長はアンソニー・ファウチ。同研究所は1955年に設立され、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)がワクチン接種プログラムを担当している。NIHに登録されている27機関(20の研究所と7つのセンター)のうちの一つであるこのNIADの使命は、感染症・免疫疾患・アレルギー疾患の、理解・治療・予防のための基礎および応用研究をおこなうことだ。NIADは、このワクチン接種プログラムを「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」に外部委託している。

 CEPIは、2017年1月にダボスで、世界経済フォーラム(WEF)によって設立された。他方、WEFは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(BMGF)とロンドンを拠点とする「ウェルカム・トラスト」によって設立された。後者は1936年に創立されている。WEFは、現在ではいくつかのヨーロッパ諸国と欧州連合(EU)がメンバーとなっている。ゲイツ財団は、CEPIへ当初4億6000万ドルの資金注入をおこなった。CEPIはまたノルウェーとインドからも資金を受けているだけでなく、製薬業界からも巨額の資金援助を受けている。

 CEPIのウェブサイトによると、CEPIはCOVID-19のワクチン開発を支援し、成功の可能性を高めるためにワクチン候補の数を増やし、これらの候補ワクチンの臨床試験に資金を提供するために、20億ドルの献金を要請している。CEPIの目標は、少なくとも三つのワクチン候補を用意し、「感染発症がなくてもワクチンの全員強制使用」または「感染症発生時における使用」の認可を規制当局に求めるものだ。

 「世界中の政府は、コロナウイルスのワクチン開発にさらに数十億ユーロを投資する必要があり、新興の有望なワクチン候補を推進する必要があります。これは非常にリスクの高いビジネスであり、すべてが独立・並行しておこなわれており、他の専門研究と協力しながらおこなわれているわけではありません。しかし、順調に進んでいます」と、CEPIのワクチン研究開発ディレクター、メラニー・サビル女史は述べた。

 CEPIはすでに、COVID-19ワクチンの研究と開発に取り組むために、いくつかの事前に選ばれた国際的な製薬会社を選択している。その中にはワシントン州シアトルのバイオテクノロジー「モデナ」も含まれているが、マイクロソフト本社から遠くないところにある。他には、やはりビル・ゲイツ氏が創設した会社であるバイオテクノロジー研究所のイノビオ、オーストラリアのクイーンズランド大学、ドイツのバイオNテックとキュアバックがある。

 当初からモデナ、キュアバック、バイオNテックは、迅速なワクチン製造に最も適していると考えられていた。というのは、2020年3月17日に発表された『健康と科学(ヘルス&サイエンス)』誌の報告によれば、「これら三社はいずれもmRNA(メッセンジャーRNA)治療を専門としている。これらのmRNA分子は、さまざまな病気と闘うために、自分自身の免疫応答を生成するように体に指示するのに用いられる。この種のワクチンは、従来のワクチンよりも迅速に開発・生産できる可能性がある」からだ。

 GAVI「ワクチンと予防接種のための世界同盟」という団体もまた、ビル&メリンダ・ゲイツ財団によって設立されている。これは、「全員のワクチン接種」を目的とした、グローバル・ヘルス・パートナーシップであり、官民提携の組織である。GAVIはWHOの資金援助を受けており、その主要なパートナーとスポンサーは言うまでもなく製薬業界である。GAVIはすでに、COVID-19ワクチン接種プログラムの支援に数十億ドルが必要だと発表している。イギリス政府は2020年6月に、COVID-19ワクチン接種プログラムを支援するための、GAVI献金者会議を主催し、73億米ドルの資金調達を予定している。

 組織が重複したり、活動や責任が明確でないこの迷路のような状況から、資金の流れは誰もついていけないような綱渡りになりそうだ。説明責任は大幅に失われる。



 結果については、願わくばひとつのワクチンあるいは複数のワクチンだ。一般人や潜在的な患者にとって、どのような生物学的物質のカクテルが自分の体に注入されるかは、運不運の問題になる。いずれにせよ、長期的な結果は予測できない。ビル・ゲイツ氏は、これまで15年から20年のあいだ、彼独自の特別な行動戦略を追求してきた。彼が今それを放棄することはなさそうだ。むしろ、COVID-19とそれに続くワクチン接種プログラムは、彼がその戦略を強化することを可能にするだろう。

 結論として、これが、製薬業界による巨額の利益と公的な搾取の提案であることは十分に明らかである。この数十億ドル規模の詐欺をさらに悪いものにしているのは、これが、西側諸国の政府や国際機関、とりわけWHO、ユニセフ、世界銀行の支援を受けつつ、公式のお墨付きを手にしていることだ。

 これは、0.1%のエリートが、社会資本と労働者から搾り取った資産を下から上に移動させる最後の機会なのかもしれない。なぜなら、世界はこれから、0.1%のお気に入りと、5G/6G技術によって管理され、電磁場(EMF)を利用した完全な制御の時代に入るからである。0.1%と5G/6G技術により、残りの人間は単なる遠隔操作ロボットになってしまうかもしれない。

 世界が2020年代の終わりまで持続するかもしれないと信じるのは、今や夢物語だ。「行動戦略 ID2020」が、まさに2020年の初めに、その邪悪なプログラムを活性化し始めたことは偶然の一致とは思えないからだ。しかし彼らにとっては残念だろうが、私たちには遠い彼方にひとつの夢がある。それは、次々と変異しつつ再発するコロナウイルスにたいして、これと闘う治療法を、中国とキューバが先導できるか可能性があるからだ。今のところ中国とキューバは、COVID-19を制御するための現在の闘いにおいて成功してきた。それは中国伝来の薬と新しい薬の双方を活用したものだった。

 その途上には幾つもの過酷な方策が待ち受けているだろうから、私たちはそれが失敗しないことをただ祈るだけなのかもしれない。しかし、もうひとつの希望は、私たち人民には充分な時間と充分な数の力(いわゆる「臨界質量」)があるということだ。私たちが内なるなる声や魂に気づき、それに目覚め、お互いの連帯を取り戻しさえすれば、それが、この悪魔的怪物と闘う力を私たちに与えてくれるからだ。

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億万長者の支援をうけたヒューマンライツウォッチが、コロナが猛威を振るうなか、左翼政権にたいする破壊的制裁を求めて米国でロビー活動

<記事原文>
Billionaire-Backed Human Rights Watch Lobbies for Lethal US Sanctions on Leftist Govts as Covid Rages

ベン・ノートン 2020年4月17日
コンソーシアムニュース26巻、109号–2020年4月19日
<記事翻訳> 寺島美紀子・隆吉

『グレイゾーン』のベン・ノートンが、米帝国の手先としてはたらく「人権団体」HRWを徹底検証する。

写真:ヒューマンライツウォッチ事務局長のケネス・ロス。

 ヒューマンライツウォッチ(HRW)は、米国を代表するいわゆる人権団体であるが、中南米のいくつもの左翼政権に対して制裁を加え、その息の根を止めるよう米国政府にさかんにロビー活動をおこなってきた。たとえば同団体は、そうした左翼政権を不安定化させる攻撃的な政権転覆工作を加速させているとして、ドナルド・トランプ政権を称賛さえしている。

 またHRWのようなNGOはまた、標的を定めた制裁は軍事行動よりも好ましい代替手段であると表現している。しかし国際的な法律専門家のあいだでは、このような措置は何千人もの民間人の死につながる経済戦争の一形態であると広く認識されており、実際、無数の人びとの生活を破壊し、国々の経済全体に破壊をもたらしてきた。

 コロナウイルスの世界的流行が世界中に広がる中、民主的に選出されたニカラグアの左翼政権に対してトランプ政権が課した新たな制裁措置は、HRW活動家たちの大成果となった。この経済戦争の激化を歓迎した人びとの中には、HRWオーストラリア開発支援局長のステファニー・マクレナンもいた。マクレナンは、新たな制裁措置は「素晴らしいニュースだ」と語った。


 一方的な経済制裁は、政権転覆の標的となっている国々の経済を麻痺させ、彼らを米国支配の金融システムから排除し、米国寄りの政権を樹立できるようにすることを目的としている。それは、市民全体を集団的に罰することによって基本的人権を剥奪する行為である。米国政府は、国連や他の国際機関の承認もなしに、こうした高圧的な措置を日常的に実施している。
 米国が世界で一方的に仕掛けたこのような経済戦争に対して、HRWは異議申立をするどころか、米国がニカラグアへの攻撃をエスカレートさせたことを自分の功績だと讃えている。人口わずか600万人の小国が、壊滅的なCOVID-19の発生と闘い、骨の折れる「平和と和解」プロセスに取り組んでいるまさにそのときにである。

 2018年、トランプ政権はニカラグアの流血クーデターを支持した。ニカラグアでは右翼過激派が、国の治安部隊と左翼のサンディニスタ活動家たちを射殺・拷問・殺害し、建物を焼き払い、人びとを焼き殺した。政府を不安定化することを期待してのことである。しかし、このクーデターが失敗に終わったとき、 米国政府によって資金提供されたこの反政府勢力は、政権転覆という武器の次の手段として経済戦争(と経済的制裁)に舵を切った。
 ニカラグアの「人権」団体と自称しつつ右翼の反政府勢力と緊密に連携する組織が、このクーデター計画に大きな役割を果たした。彼らがでっち上げた突飛な統計を、企業メディアやHRWのような国際NGOが飽きもせず繰り返したからである。
 米国の経済制裁をHRWが断固として支持していることは、中南米の独立国家とくに社会主義国家に対して米国が圧力をかける手先として、同組織をいかに利用してきたかを明確に示している。HRWのようなNGOはどれも、経済戦争の代理戦争を自ら買って出て、ニカラグアのような国々が、米国の支援する不安定化キャンペーンによって悪化させられてきた社会的分裂を、再建したり癒したりすることを妨げている。

 同様の戦略はベネズエラでも見られる。ベネズエラは米国のクーデター計画の標的となっているもうひとつの中南米左翼国家である。カラカスの社会主義政府を悪者扱いすることに十数年を費やしてきたHRWは、現在カラカスに対してさらなる痛みをもたらす経済制裁を課すよう要求している。すでにこの国は、非人道的かつ国際法に反する一方的な米国の封鎖下にあり、少なくとも4万人、恐らく10万人もの民間人が死亡している。
 多くの学者や独立系の人権専門家たちは、ベネズエラに対する露骨な二重基準(ダブルスタンダード)についてHRWを長いあいだ批判してきた。2008年、米国の支援を受けたベネズエラ反政府勢力による妨害と暴力を隠蔽するため、HRWは大部の報告書を発表した。報告書では、右翼活動家たちの根拠のない主張を事実であるかのように無批判に繰り返し、その一方で彼ら右翼活動家たちの暴力を組織的に隠蔽していた。この疑わしい報告書に対して、100人以上の研究者が「学問の最低限の基準・公平さ・正確さ・信頼性を満たしていない」としてHRWを非難する公開書簡を発表した。

 HRW事務局長のケネス・ロスは、ニカラグアとベネズエラに対してさらなる経済制裁を求めることに先陣を切った。「米国の経済戦争をエスカレートさせろ」という彼の呼びかけは、HRW米州局長であるホセ・ミゲル・ビバンコによって声高に増幅された。
 ビバンコは中南米の右翼反政府勢力と緊密な同盟関係にあり、人権問題を装って彼らの最も強硬な立場を推進することで悪名高い人物だ。彼は、左翼諸国とのいかなる交渉の試みも断固として阻止しようとした。たとえばトランプ政権は、ニカラグア、ベネズエラ、キューバを「暴政のトロイカ」と呼んで経済制裁を加えた。ビバンコは経済制裁こそ「彼らが理解できる唯一の言語だ」と主張した。
 ビバンコは大量の文書を書き散らして、「中南米にわずかに残る社会主義政権に経済のハンマーを振り下ろせ」と米国議会にロビー活動をおこなってきた。彼の行動はHRWの使命であり本質である。それは、米国国務省が十分に民主的でないと見なしたすべての政権を不安定化させることであり、抑圧された人びとを懸念しているという隠れ蓑をまとっておこなわれてきた。


工作資金の出所。億万長者の冷血な戦士

 設立当初からHRWは国際的なNGOと米国政府のあいだの回転ドアとして機能してきた。米国の戦争や軍事介入に反対することを繰り返し拒否して、米国の同盟国に対しては明確なダブルスタンダードを示した。その一方で、米国による政権転覆の標的にされた独立諸国の犯罪や悪事とおぼしき事実に、執拗にまで執着してきた。
 HRWは冷戦の最中、ヘルシンキウォッチとして設立された。ヘルシンキウォッチは反ソビエトのロビー団体であり、米国政府と密接な関係をもち、フォード財団から資金援助を受けていた。そしてCIAの抜け道として長年奉仕してきた。

 ケネス・ロス事務局長は27年間HRWを指揮してきたが、これは彼が「独裁者」と嘲笑する指導者の大半よりもはるかに長い期間だ。ニューヨーク州南部地区連邦検事局の連邦検察官としてキャリアをスタートさせたロス事務局長は、一度もワシントンの外交政策から大きく逸脱したことはなかった。
 ロスは、2019年11月にボリビアで起きた極右軍事クーデター(モラレス大統領を排除した)を支持し、その後の軍事政権による先住民抗議者たちの大虐殺を軽視した。さかのぼって2011年、HRW事務局長は「保護責任ドクトリン」を賛美する論説を書いていた。そのドクトリンの主張は、米国と同盟国は、民間人を脅かしているとされる政権を破壊するために軍隊を派遣して転覆すべしというものである。たとえば、彼は、帝国主義的侵略をかばうために見え透いた煙幕を張って、リビアへのNATOの軍事介入を正当化した。その軍事介入で、それまで繁栄していた国リビアを破綻国家に変え、露天奴隷市場の本拠地にしてしまった。
(保護する責任:自国民の保護という国家の基本的な義務を果たす能力のない、あるいは果たす意志のない国家に対し、国際社会全体が当該国家の保護を受けるはずの人びとについて「保護する責任」を負うという新しい概念である。ジェノサイド・戦争犯罪・民族浄化・犯罪という4つの主要な懸念に対処するために、2005年の世界サミットで国連のすべての加盟国によって承認された。)

 今年1月、トランプ政権がイランの最高司令官カセム・スレイマーニを超法規的に処刑したことを、ロスは正当化すべく貢献した。これは、この地域を壊滅的な紛争に陥らせようとする恥知らずな戦争行為であった。また彼はここ数か月、中国政府に対する長年の憤懣を抑えきれず、中国政府をナチスドイツになぞらえたり、中国人を「殺人ロボット」だとほのめかした偽ビデオを拡散したりした。
 その間ずっと、ロスの組織HRWは自らを高潔で完全に公平な人権擁護団体だと宣伝してきた。そんな悪質な世界規模のブランド確立作戦が可能になったのは、反共産主義の億万長者ジョージ・ソロスからの1億ドルの助成金のおかげである。ソロスは、政権転覆産業の中心的な資金提供者であり、熱心な冷戦時代の戦士でもある。米国や西側と緊密に協力し、一連の「カラー革命」を通じて東欧の社会主義志向の政府を転覆させ、経済を民営化し、新たに資本主義国家となった国を欧州連合やNATOに統合するのを支援した。

 ワシントンポスト紙のデイビッド・イグナチオ記者は1991年に、ソロスを「かつてはCIAが私的におこなっていたことを今では公の場でおこなっている」「あからさまな工作員」の中心人物だと命名した。「ソロスはいわゆる『民主化』運動グループへ資金提供と心情的支援をおこない、反政府戦闘員を訓練し、共産主義政権の転覆のために働いている」と。
 ソロスは右翼にとってはちょっとしたボギーマンとなっていて、ばかげた陰謀論や反ユダヤ主義的な暴言で標的にされているものの、そのオリガルヒ(財閥)は西側諸国の中道左派勢力からは幅広く庇護をあたえられ、新自由主義的な政権転覆活動に資金提供をしてきている。
 HRWの共同設立者のひとりであるアリア・ネイアは、団体の設立後、ソロスのオープンソサエティ財団の会長になった。もうひとりの共同設立者であるロバート・L・バーンスタインは、ネイアがその財団の設立に協力したことを最も高く評価し、その回顧録の中で次のように書いた。「アリア・ネイアがHRWの発展のために果たした役割はいくら誇張しても足りないだろう」と。



 HRWの億万長者スポンサーであるソロスは、ロス事務局長と同様、中国に対して強硬な立場をとっている。そして中国が新自由主義的政策をとっているにもかかわらず民主主義への「致命的な危険」と呼び、中国政府を弱体化・不安定化させ、共産党を政権の座から追い出そうとする団体に資金を注ぎ込んでいる。



ウォールストリートお得意の権利団体、それがHRW

 ソロスのような億万長者(オリガルヒ)の惜しみない支援のおかげで、HRWの活動家たちは、ニューヨーク市のエンパイアステートビルにあるHRWの豪華なオフィススペースで仲間のエリートと親しく交わっている。この豪華な本部から三つのフロア全体を見下ろしながら、HRWの活動家たちは、彼らが「独裁的」だと見なす諸外国政権への圧力を強める方策を練っている。
 エンパイアステートビルは2013年に、この賃借人を讃えるため、「ヒューマンライツウォッチに敬意を表する鮮やかな青」にビル壁面をライトアップした。実はその4年前、ビルの経営陣が中華人民共和国の建国60周年を記念する決定をしたとき、HRWの関係者はそれを非難して経営陣に怒りの公開書簡を送っていたのであった。



 HRWの新自由主義的な政治的志向は、人権について非常に限定的な理解しかもっていない億万長者スポンサーのイデオロギーをそのまま反映している。だからその人権団体の認識からは、植民地化された人びとが占領者に武力で抵抗する権利や、労働者が組織化したり組合を結成したりする権利が抜け落ちている。
 HRWは北半球の白人住民に対する懸念しかもちあわせていないので、米国の警察によって残忍に殺害された米国黒人については当然ながら沈黙する。東欧でNATOが支援した「カラー革命」への参加者に対する弾圧に比べれば、米国黒人への弾圧など無いに等しい、とまで言っている。
 社会主義諸政権とその構成員である労働者中心の選挙民を、HRWはさかんに貶め弱体化させている一方、企業国家の米国と緊密に協力してきた。実際、HRWは2018年3月にウォール街でナスダック証券取引所開設40周年を祝う鐘を鳴らした。
 「ヒューマンライツウォッチは、人権と法の支配が守られるところでこそ、ビジネスが繁栄することを知っています」と、HRWグローバルイニシアチブ局長のミンキー・ワーデンはツイートした。人権も法の支配も守られていない米国において、なにひとつ皮肉をまじえることもなしに、である。



 HRWの小切手に署名する億万長者はソロスだけではない。サウジアラビアのオリガルヒもいる。サウジのオリガルヒが従業員たちを虐待した事件をHRWは文書で記録したにもかかわらず、その後、HRWはその口止め料として多額の現金をそのオリガルヒから受け取った。そのことで今は非難を浴びている。そのうえ、ケネス・ロスはサウジのこの億万長者からの献金47万ドルを個人的に管理していた。献金を個人管理するなどというこの非常に疑わしい決定の責任をしぶしぶ認めたのは、虐待と口止め料という事実が公式に暴露されてからのことであった。

 HRWがリベラルな組織とつながりあるとか、また不法占領されたパレスチナ地域におけるイスラエルの残虐行為を批判したとかを理由に、ときには保守派がHRWを攻撃することもあったが、HRWは米国議会で最も軍国主義的な上院議員のひとりに敬意を表している。
 2018年、上院議員ジョン・マケインが死去すると、HRWは、米国侵略戦争の熱烈な支持者であるこの共和党の政治家を「哀れみ深い人物」だともてはやした。マケインの遺産とは、彼の言う「人権擁護」の行為に他ならないとすら言ったのである。
 またHRWは、国際法の下では明らかに違法である米国によるイラク侵略に反対することも拒否した。(イラク戦争が始まった後になってようやく、そのNGOは反対の声を上げた。もはや反対しても安全であり目に見える影響を与えないことが保証された時になって、であった)
 同様にHRWは、米国が支援したサウジアラビアによるイエメン戦争に対して、その終結を求める声明を繰り返し拒否してきた。米国が支援したサウジ軍によるイエメンでの残虐行為を文書で記録してきたにもかかわらず。

 米国による政権転覆戦争に関して声高に反対することから身を引いたHRWであったが、HRWが人権侵害国だと主張する国々には経済制裁を課すよう、米国や他の西側諸国政府にさかんに働きかけている。
 HRWは、自分たちがロビー活動の対象としている制裁は、もっぱら政府関係者や組織を「標的にした」ものであり民間人を傷つけるものではないと主張している。この主張を覆す最高の証拠は、ベネズエラとイランの住民にとっての現実である。これらの国々は米国の制裁によって国際金融システムから締め出され、コロナ禍の中ではとくに食料・医薬品・医療機器を輸入するのに必要な資産を奪われ、多くの人びと、とくに貧しい人びとの生活や命は地獄に落とされたようなものになっている。
 HRWは珍しくイランに関して、米国の制裁がもたらす破壊的な影響を認めた報告書を提出したことが一度だけあった。しかし、それも制裁の廃止を求めたのではなかった。制裁に原則的に反対したのではなく、その実施方法を批判しただけで、すでに存在する措置について「明確化」するよう求めただけである。
 HRWは、ワシントンの「公式の敵」に対してさらに積極的な制裁をするようロビー活動をおこなっているが、米国が支援する抑圧的な右翼政権に対しては、同じような懸念の一片ほども示さない。HRWはこれらの国々の人権侵害については散発的に報告しているものの、とうてい一貫したものではない。



 写真:HRW米州局長ホセ・ミゲル・ビバンコがともに写真に収まるのは、米州機構(OAS)事務総長ルイス・アルマグロ。彼もまた政権転覆のロビイストである。


「ニカラグアに制裁を」:トランプにロビー活動

 トランプ政権は、民主的に選出されたニカラグアのサンディニスタ政権の転覆に専念しており、2018年の暴力的なクーデター計画を支持し、この小さな国を「国家安全保障への脅威」と呼び、連続数回にわたる制裁を要求した。これはニカラグア経済を麻痺させ、貧困層や労働者階級にどうにもならないほど酷い悪影響を与えた。
 米国政府は2020年3月5日、ニカラグアに新たな制裁措置を加えた。今回は同国の警察を標的にしたものであった。
 多くのHRWの活動家がこれに応じて、公にトランプ政権を称賛した。かつて米国政府に勤務していたことのあるHRW職員のひとりは、ニカラグアの右派メディアの特集頁に制裁を称賛する論評を掲載した。
 かつて『グレイゾーン』はこれについて報じたことがある。HRWがどうやって米国政府と米州機構と手をたずさえ、ニカラグアのクーデターに参加した凶悪犯罪者たちを釈放するよう、いかに精力的にロビー活動をおこなったか、を詳しく説明していたのである。実はワシントンが資金提供をした右翼反政府勢力のリストを使って、HRWはその犯罪者たちを「政治犯」であると偽ったのである。その結果、サンディニスタ政権は国際的な圧力キャンペーンに譲歩して彼らを恩赦することに同意したのだが、釈放されたひとりの男は妊娠中のガールフレンドを刺殺し、冷血にも殺害してしまった。
 HRWはこのスキャンダルについて何もコメントしておらず、その行動を後悔している様子も見せていない。その代わりに、この「人権」団体は、選挙で民主的に選ばれたニカラグア政府に対して、より積極的な国際的制裁行動を求める呼びかけを増幅させた。

 3月17日、 致命的なコロナウイルスのパンデミックの真っ最中に、HRW米州局に所属するミーガン・モンテレオーネは、ニカラグア警察に対する新たな制裁措置に関して、トランプ政権を称賛する記事を発表した。
 モンテレオーネはHRWのウェブサイトに掲載されている公式略歴の中で次のように記している。「HRWに入社する前は、米国司法省で国際問題専門官を務めていた」。つまりこれは、ワシントンとこのいわゆる非政府組織とのあいだに回転ドアが実際に存在していることの一例である。



 モンテレオーネの論説は、ニカラグアの右翼反政府勢力の代弁者(拡声器)である『コンフィデンシャル』のウェブサイトに掲載された。このサイトは米国政府から多大な資金提供を受け、ワシントンと密接に協力している。
 『コンフィデンシャル』は依怙贔屓をカモフラージュすることさえしない。攻撃的で党派的であり、ニカラグアの選挙で民主的に選ばれた政府を毎日のように「不当な政権」とか「独裁政権」と言い続けている。

 『コンフィデンシャル』はカルロス・フェルナンド・チャモロが所有しているウェブサイトである。チャモロはニカラグアで最も権力をもつチャモロ一族のオリガルヒで、右派の野党党首を次々と輩出してきた。彼はニカラグアのビオレータ・チャモロ前大統領の息子であり、10年に及ぶ米国のテロ戦争と経済封鎖の後に政権を握った保守派である。
 『コンフィデンシャル』は2018年のニカラグアでの暴力的なクーデター未遂を強く支持し、米国が支援するクーデター謀議者らが、政府の治安部隊や左翼活動家たちおよびサンディニスタ政権の支持者とその家族を殺害しテロ行為をおこなう際の、事実上の応援部隊として機能した。
 HRWは、この2018年のクーデター未遂で、米国が支援する暴力的な反政府勢力を全面的に支持した。人権擁護団体であるはずのこの団体は、この暴力行為について、逆にニカラグア政府のほうを全面的に非難し、ワシントンが応援したことによってクーデター策謀者たちが犯した凶悪犯罪を隠蔽し、そうした暴力行為をなかったことにしてしまった。
 モンテレオーネは『コンフィデンシャル』紙上では、HRWがむき出しの偏見を行使したことをそのまま引き受けて、その記事は一度も反政府勢力の暴力の波には言及せず、「米国の新たな制裁は、正義を待っている犠牲者に希望を与える」とまで言明した。

 実際、HRWはトランプ政権の新たな制裁措置を自らの大手柄だと吹聴した。モンテレオーネは、「2019年、ヒューマンライツウォッチは、指名された三人の政府高官のうち二人に制裁を勧告した」と書いた。
 モンテレオーネは、その論説で米国政府(彼女の前の雇用主)まで引用し、米国財務省の高度に政治的な告発を「紛れもない」事実として扱った。
 「新たな制裁措置は、責任者たちの責任を問うだけでなく、現在進行中の虐待を抑制するのにも役立つ前向きな一歩である」と、そのHRW米州局所員は書いている。
 彼女は、より多くの国に制裁を課すよう呼びかけることで、ニカラグアの反政府勢力の代弁者『コンフィデンシャル』紙上で彼女の論説の結論を次のように締めくくった。「米州各国政府と欧州各国政府がこのメッセージを補強し、オルテガ政権に圧力をかけ続けることが重要である。そうすれば過去および現在進行中の虐待の責任を負う政府高官たちに標的を絞った制裁を採択することにつながるだろう」
 『コンフィデンシャル』はモンテレオーネの記事をスペイン語に翻訳し、ニカラグア警察を誹謗中傷する政治風刺漫画と一緒に掲載した。彼女の論説はまた、右翼的なHRW米州局長ホセ・ミゲル・ビバンコによってツイッター上で宣伝された。かくしてビバンコは、中南米の保守的な反政府勢力と密接に協力し、彼らの行動戦略を国際舞台で推進している。

 2020年3月19日、何千人もの米国人がCovid-19の世界的流行病で死亡しているのに、米国連邦政府は自国民を助けるために実質的に何もしていなかったときであったが、そのときにHRW事務局長ケネス・ロスは、ニカラグアに対する新たな制裁で、トランプ政権は「わずかなりとも人権を守るための説明責任を果たした」と称賛した。(これは、ケネス・ロスが世界保健機関WHOを「中国に対して過度に甘い」と非難したわずか一週間後のことだった。コロナを制圧した中国を批判し、コロナで手抜きをしているトランプを称賛したわけである。)



 HRW米州局員ミーガン・モンテレオーネが、HRWでの経歴として記載しているただひとつの記事は『Infobae』に掲載された「反サンディニスタ長編物語」である。『Infobae』はアルゼンチンに拠点を置く右翼オリガルヒ所有の頑強な右翼ウェブサイトである。ニカラグアの野党メディア同様、『Infobae』もその記事の中でニカラグアの民主的に選ばれた政府を「レジーム(独裁政権)」だと表現している。
 モンテレオーネのニカラグア左翼政権への執拗なまでの憎悪は、彼女のツイッターアカウントを見ても明らかであり、彼女のツイートのほとんどすべてが反ニカラグアの投稿である。どうやら中南米はおろか、世界の他の国々も、人権を侵害している国は全くないらしい。
 HRWの同僚たちもモンテレオーネと同様に、トランプ政権がニカラグアに課した新たな制裁措置を称賛した。その中には、HRWメディア局次長のエマ・デイリーとHRW欧州メディア局次長のヤン・クーイが含まれている。


制裁はニカラグアの民間人を殺す

 ヒューマンライツウォッチがニカラグアに対して制裁を強く要求したのは、これが初めてではなかった。実際、この「人権」団体は、ニカラグアという小さな国の右翼反政府勢力のために活発にロビー活動をおこなってきた。
 HRW米州局長のホセ・ミゲル・ビバンコは、ニカラグアのサンディニスタ政権を弱体化させることへの執念とともに、この地域の左翼諸国に対して露骨な偏見を示してきた。
 2019年6月、ビバンコは米国連邦議会で証言し、「ニカラグア政権の高官に対する、資産凍結を含む、標的を絞った制裁を発動する」よう、立法機関にロビー活動をおこなった。



 議会証言に関する公式プレスリリースの中で、HRWは同日、次のように明言した。「米国議会は、ニカラグア政権の高官に対して渡航禁止や資産凍結などの標的を絞った制裁を課すよう、トランプ政権に圧力をかけるべきである」
 HRWは、ニカラグアの右翼反政府勢力がクーデターを企てた際におこなった極端な暴力については一切言及せず、代わりに死傷者のすべてを政府のせいにした。

 このいわゆる人権団体はまた、トランプ政権が以前におこなったニカラグアへの制裁を称賛し、プレスリリースで「HRWは、米国財務省が2018年の7月と12月、人権侵害と汚職に関与した5人のニカラグア人に制裁を課した際に、グローバル・マグニツキー法が成功裡に適用された」と述べ、支持を表明した。
(2009年、ロシアの税理士セルゲイ・マグニツキーは、ロシア税務当局が関与する2億3千万ドルの詐欺を調査したが、逆に詐欺を犯した当人として非難され、拘留後、モスクワの刑務所で死亡した。この法律の主な目的は、マグニツキーの死に責任があると考えられていたロシア当局者に、米国への入国と銀行システムの使用を禁止することであった。2012年12月、オバマ大統領が署名。
 2016年以降、世界的に適用される法として、米国政府が人権侵害者と見なす者を制裁し、資産を凍結し、米国への入国を禁止することを認めている。訳註)

 HRWはさらに一歩進んで、米国議会の議員らに、米国が支持するニカラグア反政府指導者たちと会合をもつように促し、次のように述べた。「HRWはまた米国議会に勧告した。ニカラグアからワシントンにやって来る人権擁護活動家・活動家・ジャーナリスト・反政府勢力と定期的に会合をもち、ニカラグアの状況を正しく理解してバランスを保ってほしい」
 議会証言のわずか一週間後、HRWとビバンコは、「ニカラグアの弾圧:抗議者や反政府勢力に対する拷問・虐待・起訴」と題する報告書の中で、ニカラグアへの制裁を課すことをトランプ政権に求める声を再燃させた。この報告書はクーデター未遂を完全に隠蔽し、右翼反政府勢力の怪しげな噂話と流言を無批判に繰り返したものであった。
 同報告書に付随する新たなプレスリリースで、HRWは米国政府だけでなく欧州や中南米の他の政府からも制裁措置を求めて、その声を拡大した。
 「米国政府および欧州各国政府はニカラグアの政府高官に標的を絞った制裁を課すべきだ」とHRWは書いた。
 この「人権」団体は、「渡航禁止や資産凍結など標的を絞った制裁を受けるべきニカラグア政府高官のリスト」を提供した。リストの中には、ダニエル・オルテガ大統領や多数の警察・治安当局者の名前があった。これらのニカラグア政府高官のほとんどは、過去も、また引き続き現在も、米国政府から制裁措置を受けている。
 英語とスペイン語の両方で、ビバンコはさらなる経済戦争を求めるこの要求を拡散した。



ビバンコ:「ニカラグア政権と交渉はできない」

 HRWの米州局長であるホセ・ミゲル・ビバンコは、中南米の右翼の中で最大利益を追求する立場のいくつかを自分にも適用している。彼はニカラグア政府との交渉に公然と反対し、可能な唯一の行動は経済戦争であると主張した。
 英語では、ビバンコの言葉は一見慎重で筋が通っているように見える。しかしスペイン語では、手袋を外していよいよ決闘だとばかり、右翼中南米活動家におなじみの過激で大げさなレトリックを披露している。ビバンコは定期的に、民主的に選出されたニカラグア政府をスペイン語で「不当な政権」とか「独裁政権」などと呼んでいる。
 「オルテガ(大統領)とムリーリョ(副大統領)の血まみれの独裁政権と交渉することはできない」とビバンコは2019年3月にツイートした。「交渉ではなく制裁を倍加しなければならない」



 数日後、企業メディアの一枚岩『ユニビジョン』(米国におけるスペイン語テレビ局)とのソフトボールインタビューで、ビバンコは「ダニエル・オルテガが理解できる唯一の言葉は、制裁と国際的圧力だけだ」と主張した。(彼はこの強硬姿勢をこれまでも何度も繰り返してきた)



 ビバンコの上司(ニューヨーク市にいるケネス・ロス事務局長)と同様、ビバンコはときおり米国とその同盟国に対して申し訳程度の批判をしてみせる。しかし、米国の包囲下にある左翼諸政権に照準を定めているときとは明らかに不釣り合いな手緩いものである。HRW米州局長ビバンコのツイッターフィードの調査をしたところ、彼はブラジル、コロンビア、ホンジュラス、ボリビアについてはほとんど発言していないことがわかった。この四か国は、どれも恐ろしい人権侵害を日常的にやっている独裁的な右翼政権であるにもかかわらずである。しかし、ビバンコは毎日のようにベネズエラ、ニカラグア、キューバ、さらにはメキシコの左翼指導者たちに対してヒステリックな攻撃をしかけている。
 ビバンコは何度も何度も何十回もニカラグアとベネズエラに対する制裁を求め、一方で既存の米国政府の制裁を英語とスペイン語の両方で称賛している。





 ビバンコはニカラグアの右派メディアの強硬な論説記事を頻繁にシェアしている。彼はさらに米国政府が支援する「シビック・アライアンス」のようなニカラグア反政府勢力からのプレスリリースを増幅し、彼らの制裁要求をツイートしているので、HRWがこうした極右政治勢力にお墨付きを与えることになっている。



ベネズエラへのさらなる制裁

 HRWが経済戦争のためにロビー活動をおこなってきた国はニカラグアだけではない。ベネズエラとその左翼政権に対して極端な偏見を抱いてきた長い歴史がある。
 HRW事務局長であるケネス・ロスは、ニコラス・マドゥロ大統領をしばしば「独裁的」と非難している。同様にHRW米州局長ホセ・ミゲル・ビバンコは、ベネズエラとその政府高官に対する制裁措置の拡大を恒常的に求めている。



 2018年9月、トランプ政権が、すでに息の根を止めるような対ベネズエラ制裁をさらに拡大すると、ビバンコは歓声を上げ、「マドゥロ政権に対する本日の制裁は、この政権が政治的に孤立しており、正当性が欠如していることを露呈している」と書いた。

 2019年6月、米国の経済制裁によって少なくとも4万人のベネズエラの民間人がすでに死亡しているとの有力エコノミストによる報告書が発表された。にもかかわらず、その二か月後、ビバンコは怒りをあらわにした。ニカラグアに対しておこなったのと同じネオコン的なレトリックを繰り返し、HRW米州局長ビバンコは欧州の各国政府にもトランプに従うよう呼びかけたのである。
 「マドゥロが理解していると思われる言語は、標的を絞った制裁だけだ。欧州諸国がそれを課す時がきた」とビバンコはツイートした。



 これ以前にもトランプ政権はベネズエラを激しく攻撃し、厳しい制裁を課した。
 ビバンコは、この2017年7月の経済的攻撃を歓迎し、ベネズエラの民主的に選ばれたニコラス・マドゥロ大統領を「独裁者」と揶揄した。



 ビバンコは、ノーム・チョムスキーのような著名な左翼知識人を攻撃するためにベネズエラを利用したこともある。強硬なネオコンの立場をとって、ビバンコはツイートした。
 「イデオロギーのせいで、チョムスキーとその友人たちは、ベネズエラについて無意味なことを言っている」と。
 「ベネズエラには民主主義はない」とビバンコは宣言した。「ベネズエラの問題は『偏向』ではない。政権が反対意見を弾圧しているのだ」
 また、この自称「人権の第一人者」は強力な制裁を断固として支持し、「米国とカナダによる制裁は、貧困層に害は与えない。特定の政府高官を標的にしているだけだからだ」と言明した。
 この明らかに虚偽の主張は、信頼できる国際人権専門家たちによって反証されている。ベネズエラ政府に対する国際的な制裁は、政府が金融システムから締め出され、また米国による二次的な制裁を受けることを恐れている企業とは取引できないことから、ベネズエラが医薬品や医療機器を輸入することができなくなっている、と国際人権専門家たちは警告している。



 しかし、ビバンコのベネズエラ政府破壊への渇望はあまりにも過激なので、この制裁に従わない国連の人権専門家たちを猛攻撃している。

 2017年7月、トランプ政権がベネズエラを窒息させる制裁を加えた際、その措置があまりにも酷かったので、国連の「一方的な強制措置の悪影響に関する特別報告者」であるイドリス・ジャザリーからの反発を招いた。
 ジャザリーは制裁に関する国連の専門家として公式声明を発表し、「制裁はベネズエラの人びとの状況を悪化させることになり、すでに深刻なインフレとな食料・医薬品の大きな不足に苦しんでいる」と述べた。
 これらの制裁は「とりわけ民間人に壊滅的な影響を与える可能性がある」とジャザリーは警告した。
 これに対しHRW米州局長ビバンコは怒りをあらわにし、暴言を吐いて国連特別報告者を攻撃し、米国の制裁措置を擁護した。
 「くだらない」とビバンコはツイートした。彼は国連の専門家が「標的を定めた制裁と一般的な制裁を区別もできない」と主張した。
 ベネズエラの民間人へのこのような配慮は「マドゥロを助けることになる」と、この右翼HRW職員は宣言した



 その過程で、ビバンコはあからさまなダブルスタンダードを露呈した。
 2017年、ベネズエラ政府は右派の野党党首レオポルド・ロペスを逮捕した。なぜならロペスは、選挙で民主的に選ばれたチャベス政府に対する暴力の嵐、および米国の支援を受けた数多くのクーデター計画を、直接指揮していたからだ。
 しかし、ビバンコはベネズエラの司法長官タレク・ウィリアム・サーブを「ただの官僚だ」と評して、このロペス逮捕を厳しく非難した。
 HRW米州局長ビバンコによれば、ベネズエラという主権をもつ政府には、自国領土内でクーデターを起こした者を取り締まる権利はないが、米国政府と欧州諸国にはあらゆる形態の経済戦争でベネズエラを攻撃する権利があるというわけである。



エクアドルの現モレノ大統領を賛美し、左翼のコレア前大統領を悪魔化

 ホセ・ミゲル・ビバンコの偽善ぶりは、2019年7月に米国が支援する抑圧的なエクアドルの指導者レニン・モレノと友好的な会談をおこなったときにも明らかになった。
 「本日、レニン大統領にお会いできて光栄です」とビバンコは語り、米国が支援するこの指導者を高く評価した。



 左翼的な前大統領ラファエル・コレアは、モレノの仇敵であり、いつでも悪用できるお気に入りのボギーマンである。そのコレア前大統領が創設した進歩的な「市民革命党」のメンバーを、モレノ政権は組織的に検挙・逮捕・粛正・追放した。にもかかわらず、モレノ政権に対しHRWとビバンコは、ほとんど何ひとつ批判しなかった。
 モレノ政権は、諸地域の市長たちや「市民革命党」の幹部を含む、民主的に選出された数多くの政治家を投獄し、彼の政治的反対派を粛正した。その間ずっと、米国政府はモレノに強力な支援をあたえつづけ、モレノはそれを享受してきた。
 こうして米国政府は、在英エクアドル大使館内に亡命していたジャーナリストのジュリアン・アサンジに与えられていた亡命保護をようやく終わらせることができ、イギリス当局に引き渡すことに成功した。しかし、これは国内法および国際法に違反している。
 モレノ政権の治安部隊はまた、昨年10月に推し進めようとした新自由主義的な経済改革に抗議する数千人のエクアドル人を殺害・負傷・拘束した。
 ビバンコは、エクアドルのあからさまに抑圧的なこのモレノ政権を批判するどころか称賛した。また同時にビバンコは、民主的に選出されたエクアドルのコレア前大統領を「独裁者」だとまで言っているが、コレア前大統領がどのように民主的規範に違反したかについては何の説明もない。
 ニカラグアやベネズエラと同様に、ビバンコはエクアドルの右翼に対しても最も極端な立場を取ってきた。「レニンとコレアは水と油のようなものだ」とビバンコは断言した。「一方のコレアは独裁者であり、もう一方のレニンは民主主義者だ。一方は救世主的なナルシストであり、もう一方は民衆に耳を傾けるリーダーだ」



 地球上の他のどのようないわゆる人権団体にとっても、このようなあからさまなダブルスタンダードは、人権団体の信頼性に致命的な危機をもたらすであろう。
 しかし、選挙で民主的に選ばれた政府に対するクーデターを支援する億万長者から支援を受け、政権転覆のためのロビー団体と化しているHRWにとって、偽善は常にワシントンに迎合していることから必然的にうまれてくるものである。
関連記事

尋常ならざる医師、アンソニー・ファウチ

<記事原文>The Remarkable Doctor A. Fauci
F. William Engdahl 15.04.2020


ジャーナル・ネオ
2020年4月25日
ウイリアム・エングダール

<記事翻訳 寺島美紀子・隆吉>


 どのような緊急検疫措置をとるべきかについて、米国や世界中で政治的・社会的に劇的な決定がなされている。多くの場合、世界的経済閉鎖など過激で厳しい措置が、COVID-19の将来の感染率予測によって正当化されている。
 ワシントンでコロナウイルスに対処する現在の戦略の中心人物がいるとすれば、それは米国立衛生研究所(NIH)を構成する27の研究所のひとつ、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ博士である。
 ファウチの役割について語る際に、大手メディアが都合よく省略しているのは、彼がエイズパニックの始まった1984年に初めてNIAIDに加わって以来の、彼のひどく物議を醸した矛盾に満ちた長い経歴である。そして、その当時の彼の役割は、今日の彼の異常で物議を醸す特異な言動に貴重な光を当てている。

 アンソニー・ファウチはホワイトハウスのコロナウイルス対策委員会の主要メンバーであるが、CNN、MSNBC、ニューヨークタイムズ紙などの米国の大手メディアによって、Covid-19発生に関連するすべてについて、偉大な専門家であるとして宣伝されている。
 重度コロナ患者の治療薬として有効だとニューヨークタイムズ紙が報じた抗マラリア感染症薬クロロキンをトランプ大統領も強く推したが、ファウチは「裏付けに乏しい」として却下した。7年前には同じ薬を支持していたにもかかわらず。
 ファウチはゲイツ財団がワシントン州に設立した医学研究所から、以下のように公然と、新型コロナウイルスの死者数予測を提供されていた。というのも、ゲイツ財団は世界保健機関(WHO)を事実上所有しており、また大手ワクチンメーカーの主要な株式も所有している。かくしてファウチは、最大20万人の米国人がCovid-19で死ぬ可能性があると主張した。
 そのうえ、ファウチは、「Covid-19 はおそらく季節性インフルエンザの約 10 倍の致死率」であると述べた。これは今年30万人~60万人がコロナウイルスで死ぬことを意味する。しかしこう述べる以前には、ファウチは評価の高い医学誌『New England Journal of Medicine』3月号で「Covid-19は季節性インフルエンザと同程度の低い致死率(感染者の0.1%)である」と述べていた。(March 26, 2020 N Engl J Med 2020; 382: pp.1268-1269)
 米国経済の多くの閉鎖をいつまで続けるべきかとの質問を受けたとき、ファウチは、「Covid-19の新たな陽性事例がゼロになったときにのみ」であると答えた。しかし、欠陥のある検査が前提となれば、それは全く不可能である。彼はまた、動物実験をしていない新しいワクチンの、ヒトへの直接投与を支持している。これには、過激とも言える「mRNA遺伝子改変ワクチン」が含まれる。
〔ウイルスをワクチンとして接種することは危険性が高く、実際は不可能である。こうした中、その異常な遺伝情報をmRNA(リボ核酸の配列)に転写させ、蛋白質が発現する過程で免疫ができるという仕組みをベースにしたのが、この手のワクチンだとされる。〕

 ファウチは、前例のないCovid-19パンデミックに関する米国の国策に対して、大統領を含む誰よりも大きな影響力をもっている。多くのメディアは、彼を非の打ちどころのない科学者、世界最高の科学者のひとりとして畏敬の念をもって扱っている。しかし、アンソニー・ファウチの経歴を詳しく見てみると、全く異なる様相を呈していて、実に憂慮すべきものである。


米国「エイズの皇帝」ファウチ

 アンソニー・ファウチは、ワシントンの米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のトップポストを36年間も握り続けてきた。現在79歳で定年をかなり過ぎているが、NIAIDの年間50億ドルの予算の中から、どの製薬会社や大学の研究者がこの貴重な政府資金を得られるかを決める権限を一手に握っている。

 1984年に話を戻すと、ファウチはレーガン時代にNIAIDのトップに就任した。その年、ファウチの下で働いていたエイズ研究者のロバート・ガロは記者会見を開き、エイズウイルスを「発見した」と発表した。彼はそれを「HIV(ヒト免疫不全ウイルス)」だと言った。衝撃的な発表は世界中を駆けめぐったが、それは予めエビデンスについて査読を受けるという科学的手続きを完全に無視したものだった。必要とされる電子顕微鏡分析もなかった。
 これは「記者会見による科学」の初めての事例であった、と批判的な科学者であるピーター・H・デュースバーグ教授は述べた。デュースバーグは受賞歴のあるバークレー大学の研究者で、1970年にレトロウイルスの研究を通じて最初のがん遺伝子を単離し、これらのウイルスの遺伝子構造を解読した人物である。
〔レトロウイルスは、逆転写によりRNAゲノム(遺伝情報の総体)の二本鎖DNAコピーを作製し、それを宿主細胞のゲノムに挿入する。逆転写はウイルスが殻内に保持する逆転写酵素RTを用いておこなわれる〕

 しかしガロとファウチにとっては、そんな批判など重要ではなかった。というのも、新しいウイルスであるHIVを研究するために、数百万ドルの研究資金がNIAIDに流れ込んでいたからである。ファウチとガロは、エイズは接触伝染性が高いので、とくに男性同性愛者のあいだでの性感染によって起こると主張した。
 特筆すべきは、ガロがHIVエイズウイルスを発見したと主張するより以前に、NIAID自体がポッパー剤や亜硝酸塩の役割についての研究をおこなっていたことである。これらの薬剤は、免疫抑制作用があるため初期エイズ患者たちの死の要因になっていることが証明されていたものであった。しかし、その研究はエイズの新しい「治療法」発見のために妨げになるとして即座に中止された。
 メディアには「エイズは公衆衛生上の、世紀の脅威である」と伝えられた。ガロは、HIV血液検査で特許を取得し、数百万ドルをかせぎつづけたが、このHIV血液検査はあまりにも頻繁に疑陽性を示したばかりでなく、直接的なHIVウイルス検査ではなく活性抗体の検査であったことも問題であった。抗体があるということは単に過去に感染したことを示唆するだけであって必ずしも現在エイズを発症しているわけではないので、免疫学的にはこうした血液検査は妥当ではないとされていたからである。
 このように問題の多かった1980年代に、NIAIDのエイズ研究の責任者だったにもかかわらず、ファウチはいまだにそのポストを維持している。


ファウチがすすめた虚偽の検査?

 HIV/AIDSに関しては「検査」が議論の争点であり核心である。恐怖に煽られて、世界がHIV検査を渇望しているなか、ガロとファウチは、欠陥の多い抗体検査を強力に推進した。2006年、ガロは「HIV検査は1984年に開発された時点から精度がきわめて高く、時間の経過とともにはるかに正確になってきた」と主張した。1984年には高精度だったが、時間の経過とともに、より正確になったとは、いったいどういうことなのか。ガロは批判に応えて、「ウイルスの存在自体を調べるPCR検査で、小児HIVの状態を正確に判断できる」と付け加えた。

 ガロのこの主張は、ファウチと米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)だけでなく米疾病管理センター(CDC)も支持してきた主張である。
 この主張に対して、ロベルト・A・ジラルド医学博士とエッチェネ・デ・ハーベン医学博士は鋭い反論をして、次のように指摘した(ちなみにハーベン博士は、レトロウィルスの最初の電子顕微鏡写真を作成した科学者であり、HIVはレトロウィルスの一種である)。
 「酵素免疫測定法エライザすなわちウェスタンブロット法、遺伝子検査であるPCR検査すなわちウイルス負荷テストは、ひとがエイズに罹っているかどうかを判断するために使用される二大主要検査であるが、これらは検査としては有効でない」「これらの検査では、HIVウイルス自体を検出しないばかりか、HIVウイルスの小片すら検出しないからだ」
 更に二人はこう付け加えた。
 「疑陽性の症例の中には、HIVに感染していなくても抗体検査で陽性反応が出る70種類以上の症状が記録されている」「疑陽性の症例の中には、インフルエンザ、ふつうの感冒、ハンセン病、妊娠などが挙げられる」
 このように少なからぬ問題が指摘されているにもかかわらず、現在、SARS-CoV-2(Covid-19発生当初の名称)の陽性判定にも、このHIV検査と同じ検査方法が用いられている
〔・酵素免疫測定法エライザ:目的とする物質とだけ結合する「優れた特異的結合能」と「ごく微量の物質でも結合できる強い親和性」をもつ抗体を結合試薬として利用した測定法。
・ウエスタンブロット法:電気泳動によって分離したタンパク質を膜に転写し、任意のタンパク質に対する抗体でそのタンパク質の存在を検出する手法。
・PCR法:遺伝子はそのままでは目で見ることはできないので、人工的に増やしたい部分だけを増やし特別な装置を使えば目で検出することが可能になった。遺伝子増幅技術の代表的なもの。
・レトロウイルスの例としては、ヒト免疫不全ウイルスやヒトT細胞白血病ウイルスなどがある。〕

 ジラルドとデ・ハーベンの両医学博士は次のように結論づけた。
 「25年にわたって精力的な研究をしたにもかかわらずHIVウイルスが単離も精製もされていないという事実は、古典的なウイルス学の観点からすると、エイズが人から人への接触によって直接感染するウイルス病であるとする流布された考え方そのものに問題がある。なぜならそれは明らかに存在しない病原菌に基づいているからである」

 ジラルドとデ・ハーベンの両医学博士は、「HIVウイルスの存在が疑われるというのは、タンパク質、逆転写酵素(RT)、培養液上清のなかに見られるRNAゲノム断片、こうしたものを観察することができたときであって、精製ウイルス粒子を直接に分析できたからではない」と断言した。
 米疾病管理センター(CDC)は、米国のエイズ発症を診断するにはHIV抗体検査が陽性であることを必要条件としているが、アフリカでは1985年以来、世界保健機関(WHO)はHIV抗体検査やその他の臨床検査をまったく要求してこなかった。体重減少、慢性的な下痢、長引く発熱、長引く咳などをエイズ患者の症状としただけであったが、これらは慢性的な貧困、栄養失調、公衆衛生の欠如などに見られる一般的な症状であって、HIV特有の症状ではない。

 しかし、この詐欺こそ35年以上にわたってアンソニー・ファウチの経歴を形作ってきたものである。このインチキな研究のために、NIAIDの責任者としてのファウチは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やクリントン財団から数百万ドルを獲得してきたし、さらに米国の納税者から数百億ドルを受け取ってきたのである。
 実に不審に思われるのは、ジラルドとデ・ハーベンの両医学博士によって発表された2006年の「(ファウチらの主張する)HIV検査ではHIV感染症は診断できない」という論文が、コロナウイルスの武漢での発生直前の2019年、ジャーナル編集部によって突然、削除されたことである。
ジラルド医学博士とデ・ハーベン医学博士による2006年の論文
「HIV検査ではHIV感染症は診断できない――論文 <ハーパーマガジン誌2006年3月号に載せられたセリア・ファーバーの記事の誤り>(ガロその他、2006)における数々の誤謬に対する、私たちの回答」
http://www.robertogiraldo.com/eng/papers/Farber_Reply_April_2006.html
〔セリア・ファーバーは米有名雑誌でさまざまなトピックをカバーしたジャーナリスト兼作家。とくにHIV/AIDSに関する論考では注目を浴び、デュースバーグのようなHIVウイルスだけがエイズを発症させるわけではないとする議論を調査し論じた。なかでも『ハーパーマガジン』誌に載った彼女の記事「制御不能:エイズと医学の腐敗」が注目の的となった。しかし、ファウチの下で働いていたNIAIDのガロその他が、その論考の批判の先鋒に立った。〕

 ウイルス学の確立された規範を知っていたにもかかわらず、ファウチはNIAIDの責任者として、バローズウェルカム社の抗ウイルス治療薬AZTを、HIV陽性と診断されたが何の症状もなかった患者の「予防薬」として推奨したのである。
 バローズウェルカム社は、AZTに有利になるよう歪められた研究結果を、NIAIDに提供した。胎児へのこのような重大なリスクがあるにもかかわらず、ファウチは、妊婦へのAZT投与を支持した。妊娠を示す指標のひとつは、すべての女性で抗原(生体内に入って抗体をつくる細胞毒素)レベルが高くなることである。これは自然免疫システムが胎児を保護するために感染症と戦うからであって、ウイルスに感染したことの証明にはならない。にもかかわらず、妊婦へのAZT投与を支持したのである。
 そのうえ、AZTまたは医薬品名「レトロビル」は白血病の治療に失敗した薬剤でもあり、非常に毒性の強い薬であることが証明されている。にもかかわらず、それが1987年にエイズ検査用として、記録的な5日間という短期日の審査期間で、ファウチと米国政府によって承認されてしまった。
 30年以上も資金援助を受け、数十億ドルを投じた研究にもかかわらず、現在でもまだHIV/AIDSに有効なワクチンは存在していない。つまり、AZTを生産する製薬会社をもうけさせただけだったのである。


ファウチとギリアド社

 米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の責任者としてのアンソニー・ファウチの役割を研究してきた人びとによると、彼の研究の中心はいわゆる科学的還元主義にあった。「彼の理論は19世紀型の単一細菌理論である。1980年代初期に一部の同性愛の男性の免疫系を崩壊させた複雑な要因を全く無視したものだ」と批判されている。
 さまざまな致死性薬物や亜硝酸塩のような他の毒素がエイズ発症に何らかの役割を果たしている可能性がある、という証拠があったにもかかわらず、彼はそれにたいする調査研究を拒否してきた。
 このようなエイズ発症の他の要因を排除してきた結果、彼は1984年以来、行き詰った治験に数百億ドルの税金を無駄遣いしてきた。しかし、彼の最も極悪非道な行為のひとつは、ギリアド・サイエンシズとの共同研究であった。
〔・科学的還元主義:複雑な相互作用と対象物を減らして研究しやすくする考え。科学的削減主義とも言う。
・ギリアド・サイエンシズ:米カリフォルニア州フォスターシティに本社を置く、世界第二位の大手バイオ製薬会社。治療薬の発見・開発・商品化をおこなっている。1987年の創業以来、HIV、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザといった感染症治療のための抗ウイルス剤開発を事業の中心としている。〕

 エイズの疑陽性検査をバローズウェルカム社に開発させ、エイズ発症という重篤症状のあるHIV陽性患者にいざ抗ウイルス治療薬AZTを販売しようとして、ファウチは米食品医薬品局(FDA)からの特別迅速承認を手に入れた。しかしファウチはそれにさえ満足しないで(聖書にある「ギリアドの香油」にでもするつもりなのか)ギリアド社と協力することを決定した。その結果、PrEPテスト(前処理テスト)と呼ばれるようになったものが誕生した。
〔ギリアデに乳香があるではないか。/その所に医者がいるではないか。/それにどうしてわが民の娘は癒やされることがないのか。(エレミヤ書 8:22)ギリアデの香油は医学的に使用される希少な香水で、ギリアデの生産地名にちなんで名付けられた。
 『There Is a Balm in Gilead』は黒人霊歌。その1節は、ギリアデには香油がある/傷ついた者を無傷にするための/ギリアドには香油がある/罪の病に苦しむ魂を癒すための/私はときどき挫けて落胆し、/自分のなす事には意味がないように感じてしまう…〕

 2007年になるとファウチは、HIV「陰性」者を対象としたAZT薬の臨床試験に資金提供を始めた。開発された化学療法薬を飲めば「陽性」になるのを「防ぐ」ことができるという理論に基づき、健康な人に毒性のあるHIV薬を投与してエイズにならないことを「保証」するというわけである。頭が狂っているように聞こえるかもしれないが、実際それがおこなわれたのである。
 ギリアド社は2007年から2012年のあいだに、HIV陰性者を対象とした臨床試験の最終段階(第三相臨床試験)のために、NIAIDに「トルバダ」という薬を供給した。四回の臨床試験がそれぞれ、少なくとも2000人、最大5000人の被験者を対象としておこなわれた。このプロジェクトは「曝露前予防」または「PrEP(前処理)」と呼ばれていた。健康な被験者に化学療法薬「トルバダ」の一定投与量が与えられた。それは彼ら健康な被験者が将来 HIV陽性になることを防ぐことができるというテーゼに基づいたものである。
 米疾病対策予防センター(CDC)は2014年5月の勧告で、いわゆる「リスクグループ」の陰性者には「トルバダ」を処方するようにと医師たちに促した。非常に収益性の高い薬のための、政府による公式認可であった。
(「トルバダ」のブランド名で販売されているエムトリシタビン/テノフォビルは、HIV/AIDSの治療と予防に使用される薬剤とされている)

 米食品医薬品局(FDA)は、「トルバダ」の四回の臨床試験のうち二回が失敗して中止になったことに目をつむった。二回の臨床試験の失敗を無視したうえに、ファウチのNIAIDとギリアド社によるデータ改竄の甲斐あってようやく、FDAは「PrEP(前処理)」用の危険な「トルバダ」を承認した。
 現在、ギリアド社は「トルバダ」の副作用を以下のように列挙している。腎不全を含む腎臓の問題、B型肝炎の悪化、血液中の乳酸過多(乳酸アシドーシス、これは死に至る可能性がある)、重度の肝臓の問題、骨の問題である。
 しかしギリアド社は当時、こう述べていた。「トルバダを毎日飲んで、安全な性行為をしていれば、性行為で HIVに感染するリスクを減らすことができる」

 HIV感染の「リスクを減らす」ためにとして、健康な人にトルバダを売り込んだファウチとギリアド社の詐欺行為は、医療過誤として扱われるべきであり、場合によっては、人びとの健康に対する明らかな犯罪的不正行為とされるべきものである。これがまさに、現在のホワイトハウスのコロナウイルスの第一人者であるA・ファウチが体現しているものなのである。


ファウチとCOVID-19

 2019年10月、ファウチと彼の米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は、HIVと鎌状赤血球疾患のための「遺伝子に基づく」治療法を開発するために、ゲイツ財団から1億ドルを獲得した。そのことは、中国武漢で新型コロナウイルスが初めて発見される時まで、ファウチがHIVに関する35年間の詐欺行為を延々と続けていたことを意味する。
 ファウチはゲイツ財団の陰謀にも加わっている。ファウチは2012年に、ゲイツ財団がWHOの中に創設した「世界ワクチン行動計画2011-2020」のリーダーシップ評議員五人のうちのひとりに任命されているからだ。
〔・鎌状赤血球症は遺伝性の貧血病で、赤血球の形状が鎌状になり酸素運搬機能が低下して起こる貧血症。 鎌状赤血球貧血症ともいう。ほとんどが黒人に発症し主にアフリカ、地中海沿岸、中近東、インド北部で見られる。
・以下の五人がリーダーシップ評議員:WHO事務局長マーガレット・チャン、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長アンソニー・ファウチ、UNICEF事務局長アンソニー・レイク、マラリア同盟アフリカ指導者連の国際顧問員会議長および事務総長ジョイ・フマフィ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の世界保健部門議長タチ・ヤマダ〕

 これはトランプ政権のコロナウイルス「教皇」としての、今日の彼の役割と大いに関連がある。彼のNIAIDや世界中の他の研究所は、SARS-CoV-2検査をした患者のサンプルを、厳密に電子顕微鏡を用いて分離・精製して、Covid-19陽性であると判定したのだろうか。それとも、ファウチとエイズ閥がHIV検査のために捏造したのと同じ程度の、欠陥に満ちた不完全なウイルス証明なのだろうか。

 また、NIAIDはギリアド社と協力して、COVID-19と診断された成人の入院患者に対する治療薬として、ギリアド社の薬剤である「レムデシビル」の第二相臨床試験を実施している。


偶然の一致か?

 もう一つここで確認しておくべきことは、OVID-19に関する米国大統領特別委員会の主要な科学顧問たち全員が、何十年ものあいだ、インチキで破壊的なHIV/AIDS研究と誤った理論の流布に加担してきたという事実である。

 その一員に、アンソニー・ファウチ(米国立アレルギー感染症研究所NIAID)に加えて、デボラ・L・バークス医学博士がいる。彼女はオバマが任命した米国の世界エイズ・コーディネーターであり、1983年から1986年のあいだNIAIDのアンソニー・ファウチの下で働いていた。

 もうひとりの一員ロバート・レッドフィールドは、米疾病管理予防センター(CDC)の現所長であるが、最近のコロナウイルス検査スキャンダルの中心人物である。彼はロバート・ガロとともに、メリーランド大学に拠点を置くヒトウイルス研究所(IHV)を1996年に共同設立したが、ガロの評判も良くない。
 というのは、レッドフィールドとロバート・ガロは、米国立衛生研究所(NIH)の1980年初期の薬害エイズ事件当時、ファウチとは同僚だったからである。
 また、ガロは2006年、ハーパーマガジン誌上のセリア・ファーバーの記事に対して共著で反論を書いたが、先述のジラルドとデ・ハーベンによる論文「HIV検査ではHIV感染症は診断できない」で、完膚なきまでに反駁され、信用失墜してしまっている。
 そのうえ、ロバート・レッドフィールドとデボラ・L・バークスの二人は、HIVワクチンとされるものについて、これまで多数の科学論文を共同執筆してきたが、どれも全く人目すら引かない有り様だった。

 このように、ファウチ、バークス、レッドフィールドの三博士は全て、HIV/AIDS詐欺や医療過誤に近親相姦的に加担してきたが、今日もまた、米国の公衆衛生だけでなく世界経済全体の将来をも左右している。とても良好な状況とは言えない。

 なぜなら、HIV/AIDS詐欺についての彼らの研究が示しているのと同じく、コロナウイルス検査も、コロナウイルスが致死的なウイルスであることを全く証明していないからである。だとすれば、それはおそらく医療史上最大の犯罪的詐欺といえるであろう。

ツイッター社は、ロシア・トゥデイやスプートニクには但し書きをつけるが、BBCやNPRやVOAなどにはつけない。国営メディアや政府高官たちへの電撃攻撃のはずなのに。

<記事原文 寺島先生推薦>
Twitter labels RT & Sputnik but NOT BBC, NPR & VOA as it launches blitz on state media staff & govt officials
RT ワールドニュース

2020年8月6日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月14日




 ツイッター社は、特定の国営メディアに宣戦布告した。上級スタッフのアカウントには但し書きをつけ、彼らのツイートが広められたり、推奨されたりしないようにすると発表したのだ。BBCと米国の国営メディアはこの中に入っていない。

 同社はそのツイッター上で、国連安全保障理事会に加盟している国の政府高官のアカウントや、国営メディアの編集長や上級スタッフのアカウントには但し書きをつけると発表した。

 8月6日(木)の同社のブログで、同社は国家とつながりのあるメディア・アカウントからのツイートをホーム画面、通知欄、検索に表示することはなくなるだろう、と警告した。



 おそらく驚くべきことではないが、ツイッター社は米国と友好国のためにかなりの抜け穴を残し、「例えば英国のBBCや米国のNPRのような独立した編集方針を持つ国営のメディア機関に、但し書きは付けられないだろう」と説明している。



 「わが社としては、これは重要なステップであると考えており、これによって、地政学的な問題をテーマにした国外のアカウントを人々が目にするとき、それがどの国とつながっているのかがわかり、誰を代表とした議論なのかについて、よりきちんとした情報が与えられることになる」との説明を、ツイッター社は投稿した。さらに、それは政府高官の個人的なアカウントに但し書きを付けるものではなく、但し書きをつけるのは各政府機関につながったアカウントのみだ、としている。




 アメリカのメディアについて驚くほど曖昧な理解しか持っていないことを曝け出すかのように、ツイッター社は「独立したメディアとは異なり、国営メディアはある政治的な政策を進展させる手段として報道を頻繁に利用する」と説明している。
RT


おそらく差別訴訟をかわすためなのだが、 同社が今回の措置をするにあたっては、「ツイッター社のTrust & Safety協議会にあるデジタルと人権諮問グループのメンバーを含む多くの専門家グループ」に諮問していることを附言した。

 この専門家グループには、「名誉毀損防止同盟」、「デンジャラス・スピーチ・プロジェクト」、そして「フェミニスト・フリークエンシー」のような悪名高い検閲好きな団体が含まれている。

ALSO ON RT.COM

We want to delete more!’ Facebook must choose freedom of speech over censorship, if it still pretends to be ‘a platform’

 新しい但し書きをクリックすると、この方針を説明するページが表示され「将来的にはこれをもっと拡大し、表示される国も追加されるだろう」と書かれている。このページにおいて新しい但し書きは「選挙に関する但し書き」と呼ばれ、今回の同社の方針は、ロシアのソーシャルメディア操作のおかげで2016年、ドナルド・トランプは大統領選に勝ったと取り沙汰されていることへの対応であると述べている。そんな言説には何の根拠もないのだが。11月の選挙まで100日を切った今、ソーシャルメディアの世界では、承認されていない見解を検閲しようと必死だ。特に狙われているのが非アメリカ的な活動にリンクする可能性のある見解だ。

 ツイッター社の広報担当者は、ロイターに検閲対象となる団体の完全なリストを提供することを拒否したが、RT、スプートニク、新華社のニュースについては名前を挙げた。Facebookは最近、同様の方針を採用した。ただし、米国と米国に友好的な国営メディア機関に対しては完全に二重基準を適用している。
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ベラルーシの反体制運動はかつてロシアやウクライナで起こったことと同じ。新自由主義と国家主義が混乱を呼びこみ社会主義の声はかき消される

<記事原文 寺島先生推薦>Minsk protests similar to Moscow & Kiev before them; neoliberas & nationalists calling the shots, socialist voices muffled

RT ロシアニュース
2020年8月16日

カーチャ・カズベク
Katya Kazbek is a Russian writer and translator based in NYC. She is the editor-in-chief of Supamodu.com. Follow her on Twitter @kazbek




 「自由」の名のもとに盲目的にベラルーシの反政府運動を支持しているリベラル派や左派の人々は、ある重要なことを見落としている。それは人々の生活水準についてだ。この「革命」が国外への移民を増やし経済不況に繋がっているとしても、彼らは支持をし続けるのだろうか?

 ルカチェンコに対する抗議活動がベラルーシで巻き起こっているのを見ると、私がすぐに思い起こしたのは2010年代初期にロシアで起こった反プーチン抗議活動だ。その抗議活動には私も参加した。当時の抗議活動と本当によく似ている。選挙の異議申し立て。嫌気がさしている民衆。たくさんの花。警官による暴力。連帯の陳列。もちろん風景は異なる。ベラルーシの首都ミンスクはコロナウイルスの流行が世界中で起こっていた夏のことであったし、モスクワは厳しい冬のことだった。しかし抗議活動が起こる過程についてはあのモスクワでの抗議活動以来私の理解は深まっている。だからこそ私が、いま起こっている抗議活動に参加することはありえないのだ。その抗議活動には新自由主義や西側諸国の影響があることを考えるとそんなことはできないのだ。

 ここ10年で明らかになったことは、ソ連後の世界では不平等や権威主義に反対することがほぼ不可能になったということだ。その闘争が反共産主義や反左派の立場を取らない限りは。たとえ権威を持つもの自身がかなり激しい反共産主義者であっても、だ。社会における反社会主義の感傷がとても強いので、共産主義にとって真逆の二大勢力(資本主義と国家主義)が忍び寄ってきて、抗議活動者の中に浸透している。

 抗議活動があった当時のロシアでは、人々が熱心に自由化というワゴン車に飛び込んでいるのを見かけた。そして人々は熱心にプーチンに反対しようとする外国の政府に与していた。その動きに対して、国家主義者たちの情熱が内部から醸成してきた。それからマルクス主義をはき違えた統合失調症の患者たちが現れ始めたのだ。彼らの主張は、「我々はスターリンよりもヒトラーに支配されていた方がよかったのだ」などといったくだらない主張だった。


ALSO ON RT.COM



Belarus’ Lukashenko says he is being targeted by ‘color revolution’, seeks to join forces with Putin

 それと同時に、富裕層が手ぐすねを引いて待っていたのは、生活に不満をもっているが、共産主義らしきものには強い反感を持っている民衆の出現だった。富裕層はそんな民衆を監視する解決法として資本主義的国家主義や自由市場や恒久の新自由主義を提供した。このやり口は1991年のソ連崩壊の際に広まったやり方と全く同じだ。私の理解では、これと同じ約束が後にプーチンに政権を握らせることになったのだ。もちろんソ連後の世界でこのことを理解している人は多くないのだが。

  ウクライナのマイダン広場でクーデターが起こったととき、民衆に「このクーデターは歴史における正しい選択だ」と説得する必要はなかった。「反プーチン運動であれば正しいことに違いない」という時代の空気があった。マイダンでのクーデターやウクライナの国家主義者たちを悪く言う論議はほとんど展開されなかった。特に、右派のもくろみの外ではそうだった。今でもこの事件を深く調査しようとすることは退けられるという風潮がある。そして左派たちは(リベラル派だけでなく社会主義者や無政府主義者もそうだが)マイダンやクリミアやドンバスについてはウクライナの意見に激しく同意している。ソ連後の世界において「汎バルカン主義」を強めるという考え方が流行していて、ウクライナの国家行政に関心を持つことが、「よいリベラル主義を買うのに良い市場だ」という趣になっている。ロシア国内で同じような政策が否定されているときでさえも。

 今私が目にしているのは、ベラルーシの抗議活動に反射的に諸手を挙げて支持を表明している人たちだ。その抗議活動がもつ問題点を慎重に見極めたり考えたりせずに、だ。さらに、ベラルーシの国家主義を漠然と支持している人たちも、だ。歴史上の「正しい判断」は、再び正確に提示されている。しかし悲しい事に、この抗議活動の負の面を議論しようとする人はほんとうにわずかしかいない。主流派の主張に異を唱えるような勇気ある人もほとんどいない。ルカシェンコと歩調を合わせてきた人たちは暴力的な警察を支持している。右派の中の左派の人たちでも、だ。しかし、マルクス主義には懐疑的であるのに、ルカシェンコが退陣することを望んでいる人たちもいる。彼らは、ウクライナのマイダンでのクーデターのような変革は求めていない。

  しかしそのような人々はベラルーシの過去の旗である「紅白旗」を振り回している主流派のせいで黙らされている。マイダンのクーデターのやり方を受け入れたくない人たちも、概してウクライナの国家主義には強固な支持を表明している。抗議活動に異論を唱えている人たちがおこなう批判(具体的には、ベラルーシの紅白旗の起源について国家主義者たちが主張する議論に対する批判やポーランドやリトアニアの国家主義者に対する批判、この抗議活動に与えている恒久的な影響への批判など)は、ロシアによる喧伝行為だと目され軽視されている。


ALSO ON RT.COM

‘You’re being used as cannon fodder’: Lukashenko urges people to STAY HOME, blames protests on foreign meddling

 慎重にことを見極めようとするものは、大声で退却するよう求められる。「あなたは労働者階級に反対しているのか?」、と。もちろん反対はしていない。しかし、労働者階級が国家主義やカラー革命の道具にうまく使われていることに私が反対しているとしたらどうだろう? ベラルーシが民営化のせいでばらばらに引き裂かれ、貧困状態に落とし込まれ、市民たちが欧州になだれ込み、低賃金の仕事を探す労働移民になることに私が反対しているとしたらどうだろう?こんなことは実際ウクライナで起こったのだから。

  しかし自分が自由への約束手形をもらうことよりも労働者階級のことについて考えている人などいるのだろうか?自由よりも平等のことを考えている人はいるのだろうか? 抗議活動を支持している人たちから真剣な話を聞きたがらない人たちがしばしば口にするのは、自分たちがソ連に偏っていないかどうか調べられたり、階級の連帯についてどう思っているかを調べられることに嫌悪感を持っているということだ。これらの問題は今とても重要な問題であるのに、だ。ルカシェンコはソ連や共産主義と同一視されている。紅白旗はナチスに反抗するために使われている。(この旗はベラルーシがナチスに占領されていた際使われていた旗だ)。現行の紅緑旗はソ連起源だと見なされて嫌悪感をもたれているからだ。

 ソ連後の世界においては、自分が左派だとみられることがかっこいいと思われるようになった。特にネット上ではそうだ。それでも、実際にそうしている大多数の主流派は自分たちがリベラルであるという紋章が欲しいだけで、そこからより深く考えることは望んでいない。弁証法が効力を発揮しすぎて、マルクスやレーニンを読むことは古くさいことだと思われ、自由を語ることは唯物史観よりも人々の気をひく。さらに不幸なことに、ソ連の歴史や文化を西側諸国の色めがねをつけずに再検証しようとすると、はげしく拒絶される。それでも気づかずにおれないことは、当該地域の富裕層や外交政府によって運営されているリベラル派のメディアはものごとをきちんと調べて報道するようできていないということだ。西側の帝国主義に反対していると自称しているメディアであっても、だ。こんな状況だからこそ、労働者を支持することはずっと難しくなる。インターネットやメディアはリベラルや西側や国家主義に偏っている。だから我々には労働者の声が届かない。紅白旗の議論の喧噪にかき消されてしまうのだ。今大事なことは、警戒心を持ち続けることと、リベラルや西側や国家主義に偏った連中にベラルーシの労働者たちの活動を取り込ませないようにすることだ。

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 ベラルーシの地で起こっていることはまやかしではない。ベラルーシの独裁も本当のことだ。そのことに関して疑念はない。しかし新自由主義的傾向や国家主義的傾向は、政権が行う悪事と同じくらい労働者の連帯にとっては脅威となるように思える。私はベラルーシで展開している出来事を、他から見れば信じられないくらいじっくりと注視している。それは私が以前同じことを見てきたからだ。ロシアでは当事者として、ウクライナでは少し離れたところから。だからこそ私はもう一度最悪の事態が繰り返されるのを見るのが嫌なのだ。新自由主義が実権をにぎり、共産主義がこき下ろされ、国家主義が自己満足的な美徳と見なされる事態をみたくないのだ。

  このような状況の中、すでに右派たちに議論を牛耳られ、私はその影でこっそりとがんばっているのだが、そんな私がソ連後の世界の人々にこうなってほしいと望んでいることは以下の二点だけだ。一つは社会主義を恐れることをやめて欲しいということだ。もう一つは資本主義や国家主義や全体主義を恐れる気持ちを持ち始めて欲しいということだ。

 

 

 

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誰が安倍晋三と代わっても日本のゆっくりとした堕落も米国への従属もずっと続くだろう。

<記事原文 寺島先生推薦>Whoever replaces Shinzo Abe, Japan’s slow rot & subservience to US will likely continue

RT 論説面
アンドレ・ヴルチェク

アンドレ・ヴルチェク氏は哲学者であり作家であり映画製作者であり調査報道者。かれのウェブサイトはこちら。ツイッターはこちら

2020年8月31日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年9月10日




 
 安倍晋三の日本を、ピカピカした新しい作りもので判断してはいけない。その作りものとは、東京と大阪を、それから首都東京と名古屋の産業中心地とをつなぐというリニアモーターカーのことだ。

 日本で最も長期にわたり首相を務めた安倍晋三が辞任することになった。そのことについて、日本国民は驚いているようだ。しかし国民が驚愕しているのは、ただその手続きが突然であったからで (健康状態が良くなかったり病気であっても、日本の指導者が急に役職を辞することは普通ない)、この先政治や経済や社会に大きな変化が起こることを恐れているからではない。日本は安定した国であり、ここ何十年間も日本の国力の低下は徐々に、非常にゆっくりと進んでいる。

 日本では誰も革命や体制の崩壊などが起こることを期待していない。日本は地球上で最も安定しており、この先何が起こるか最も予見できる国だ。日本は不動の西側同盟国であり、独自の外交政策を持つことはなく、世界をどう見るかについての独自の意見もほとんど持たない国だ。何十年か前、日本は反抗していた。そう、資本主義や西側の支配に対して。しかし小泉政権や安部政権は反抗する勢力をつぶした。そのやり口は優しく、日本を心地よい毛布でくるむというやり口だった。つまり、大多数の日本人に対して変わり映えしない社会ではあるが、それでも居心地のよい社会を保証するというやり口だった。

 安倍晋三は日本のことを分かっている。日本は安倍晋三の国であり、安倍晋三は日本の申し子だ。さらに安倍晋三は世界秩序を理解しており、米国とのやりとりの仕方も理解している。安倍晋三の方がトランプよりも経済界の味方だ。安倍は西側諸国が軽蔑する以上に北朝鮮を軽蔑している。安部は中国に対して「礼儀正しく」はあるが、完全に敵意を燃やしている。

 中国は安倍にとって大きな「心理的な問題」であり続けている。その理由は、過去日本は米国との協同の「おかげ」で、少なくとも生活の質という意味においては、かつて世界で第2位の経済大国となり、日本の生活水準はほとんどの西側諸国よりもずっと高かったからだ。

 そんな中で中国の経済力が日本の経済力を追い越していった。それからまもなくして、中華人民共和国に旅行に行った日本人たちが帰国すると「びっくりした話」をし始めるようになった。その話とは、中国の都市や地方が開花しつつある、という話だった。中国の電車が突然新幹線より速く走り出した。中国の博物館や劇場が日本のものより豪華になっていた。さらには、公共空間や社会的事業が資本主義が進む日本では貧弱なものになっていった。中国における貧困は急速になくなっている。一方日本では貧困はゆっくりと進んでいる。

 「こんなはずじゃなかった!」と日本人は叫んでいた。反中感情が噴出したのに、安倍晋三はむしろその感情を止めようとはしなかった。



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 このような状況下において、地球上でもっとも力強い二つの資本主義国(トランプ下の米国と安倍下の日本)は、自国の体制を再建したり、国民にお金をまわすことはしないで、想像できないくらいの力と悪意をもって中国に対峙している。

 しかし安倍政権の下で、日本はもう一つの古くからの好敵手である韓国にも遅れをとりはじめた。そして日本の最大の敵国であり、第2次大戦後、国の破壊に日本が手を貸した国である北朝鮮も、まだ健在だ。打ち負かされず、強いままで。

 日本の再建に取り組むべきだったのに、安倍晋三がはじめたことは、日本の過去の歴史に対する声に検閲を加えることだった。そして、すでに安倍晋三に従属していたメディアも同じことをしていた。

 私のよき友であるデイビッド・マクニール氏は、アイルランド出身で東京の名門である上智大学の教授である。マクニール氏はまた、日本の国営放送であるNHKで勤務していた経歴がある。そんな彼が以前私にこんな説明をしてくれた。

 「日本のメディアには自己検閲というものがたくさんある。そして政府は報道の「基準」を出している。いわゆる『オレンジブック(訳注 政府がNHKに対して出している報道指南書)』がその一例だ。その指南書には、「感染しやすい」問題や歴史問題をどう扱うかについて書かれている。記者や翻訳者に対する指示もある。例えば、「南京大虐殺」といった言葉は外国の専門家からの引用以外では使用禁止だ。靖国神社に関しても、「賛否両論がある」という言葉は使用禁止だ。第2次世界大戦時の「従軍慰安婦」についても書くことはできない」。

 よく知られている事実だが、日本のマスコミは、ロシアや中国やイランに関する世界の大きな出来事についてはっきりとした立場をとらない。そう、BBCやCNNといった西側の出版社や放送網が「方向性」を示すまでは。私はかつて日本の大手新聞につとめていたが、「微妙な」国際記事を取材するときは、外務省から報道する許可を求めなければならなかった。

 大阪を拠点としている土木技師の竹本平氏は以下のようなことを書いている。

 「率直な感想を言うと、安倍首相は大変な努力をして日本を米国に売ろうとしてきたんだと思っています。そう、米国のオバマ政権やトランプ政権に。解決すべき問題はたくさん残っています。具体的には、1960年に結んだ日米安保条約が招いた日本国内にたくさんある米国の軍事基地の問題や、日本や米国が北朝鮮に対してと同じくらいの敵愾心を中国に対しても持とうしている問題まで。国際舞台において、安倍首相がすすめてきたのは、西側諸国、特に米国の手に従属されることだったんだと思います」


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*

 さて、しばらく東京の話はおいておこう。今日の日本を理解するためには、中心部や都市部や郊外に行ってみないといけない。そうすれば安倍政権下でどれだけ日本が堕落したかがわかるだろう。三重県の鈴鹿市や四日市市など地方都市には、朽ち果てた車が置かれている水田や竹林が点在する。多くの家が破損している。バス路線は廃止になった。大通り沿いに並ぶのは健康によくないファーストフードの店々だ。米国の落ちぶれた田舎と変わらない。こどもが遊ぶ公園の多くも、維持できなくなったり、なくなったりしている。

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 かつての栄光に満ちあふれた文化的な生活も今は落ちぶれている。それは新型コロナウイルスの流行の前から始まっていた。かつては国の誇りだった巨大な文化の中心地も、今は空っぽで、建物の間には背の高い雑草が茂っている。

 東京や名古屋や大阪などの主要都市には、野宿者のための青いテントが張られている。日本の未来に楽観的な見方をすることは難しい。

 福祉関係の仕事をしている名古屋在住の青木美紀子さんは、安倍晋三に対して複雑な感情を持っている。

「首相が辞任するというニュースにみんなびっくりしました。そんなことが起こるなんて思っていなかったからです。みんな安倍さんに慣れてしまったからだと思います。安倍首相は重要な内政についてよくやってくれたと思います。2011年の大震災からの回復に始まり、東京オリンピックの準備にいたるまで。しかし、日本の社会情勢は以前より良くはなっていません。実際、私には悪化したと思えます。お年寄りや低収入の人々に対する公的福祉や、貧困状態にある家庭への援助については、そう思います。新しい首相になっても特に何も変わらないと思います。結局、新首相も同じ政党から出るのですから!何も変わるわけがありません」

  オーストラリアを代表する歴史家であり長崎大学名誉教授であるジェフリー・ガン氏は、日本が極東地域において攻撃的な役割を高めようとしていることを懸念している。

 「全ての状況が変わってしまったのは、安倍首相が尖閣諸島(釣魚群島)を国有化してからです。これまでお互いが納得していた現状が変わってしまったのは、日本が「懸案の諸島についての領土問題は存在しない」と宣言しているからです。こうして日本政府が中国政府を怒らせてしまったのです。中国はこれまでお互いが納得していた現状を日本が変えてしまったことに憤慨しているのです」

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*

  次が誰になるかよりももっと大事なのは次に何が起こるか、だ。

 悲しいかな、日本では政治が本質的に変わることは期待もできないし希望も持てない。野党は細かく分かれていて、びっくりするような政変が起きることは考えにくい。日本共産党は党員は多いが、選挙なるといつも弱い。

 日本は衰退を続けるだろう。しかしその衰退の速度は極めてゆっくりなものになるだろう。その速度は、「優美」と言っていいかもしれない。生活水準はまだまだとても高い。年配の世代は豪華な邸宅や収入を享受し続けるだろう。しかし若年層は財布の紐を締めざるを得なくなってきている。生涯雇用の時代は終わった。何百万人もの大卒生たちには、保障のない臨時雇用という未来しかないだろう

 中国や南北朝鮮との対立関係や、ロシアとのある程度の対立関係は、この先数年も続くだろう。いや、少なくとも米国がこれらの国々との対立をけしかけ続ける限りは。

 菅義偉は71歳で、「安倍さんの宰相」と表現されることが多いのだが、自由民主党の総裁選に「出馬」すると目されている。菅がもし勝ったとしても大きな変化は起こらないだろう。違うのは、菅はコロナに対してはあまり心配していないことくらいだ。菅が勝てば、日本は国境を厳しく封鎖していたが、それが緩まるかもしれない。そして外国からの観光客や仕事で来日する人は今までより歓迎されるかもしれない。欧州のいくつかの国々が行っているような厳しい封鎖ではなくなるかもしれない。そう考えれば少しは変化はあるといえる。

 会話の途中で、デイビッド・マクニール氏は、安倍政権をズバッとこう総括してくれた。

 「安倍晋三は、恐らく後世においては安定した政治運営をした人物だと評されるだろう。彼自身の目標は急進的な保守主義を推進することであったのだろうが。彼が毛嫌いしていた憲法を改正することを成し遂げられなかったので、安倍晋三は自分の7年半の執政は失敗に終わったと思っているだろう」

 では菅義偉は?デイビッドは躊躇することなくこう答えた。

「その事については、私はニューヨーク・タイムズに寄稿した中野晃一氏と同意見だ。彼はこう書いた。‘菅義偉は安倍政権の政策を安倍晋三抜きで継承するだろう。サッチャー後のジョン・メジャーのように’」

 自分のことを言わせてもらうと、我が家の一つである日本から締め出されてまるまる6ヶ月になる。これは悲劇だ。

 首相の座は次々と入れ替わる。他国の駐留軍もいつかは撤退するだろう。朽ち果てた自動車の残骸はいつか瓦解するだろう。しかし日本の深遠さは日本の美とともにいつまでも消えることはないだろう。そしてイライラして日本の悪口を言っている親日家たちも、日本を見捨てることはない。
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米国や他の国々は都市閉鎖の経済的しっぺ返しを受け、スウェーデンの対Covid戦略は財政的な面では成果があったようだ


<記事原文 寺島先生推薦>
As US & other countries suffer punishing economic cost of lockdown, Sweden’s Covid strategy seems to be paying off financially

RT 論説面

2020年7月30日

Damian Wilson is a UK journalist, ex-Fleet Street editor, financial industry consultant and political communications special advisor in the UK and EU.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月10日



 スウェーデンはコロナウイルスの取り扱いでは異例の国であり、都市閉鎖をせず、学校や企業活動をそのままにしたことで世界中の嘲笑を浴びた...。が、そのやり方のお陰で、スウェーデンでは経済的打撃は少なくて済んだ。他の国は、と言えば、身動きもできない状態になっている。

 コロナウイルス・パンデミックの経済面での壊滅的な影響が収っていない。そして、Covid-19との果敢な闘いに挑んでいる多くの国々は、生命と経済の両面で重い代償を払っている。反面、スウェーデン(物議を醸す独自の道を切り開いた異例の国)は他のどんな国よりも早く立ち直っているように見える。

 そして、そんな事態になるとは誰も分かっていなかった。

 四半期としては史上最悪になるが、米国は2020年の第2四半期に国内総生産が9.5%も急落した。これは、第1四半期の2倍にあたる。さらに、Covid-19が原因の死者が15万人以上出ている。その対応に苦慮しているのが現状であり、状況は終末的な様相を呈している。

 対照的という点では一歩も譲らないのが、今回の危機に対処する米国のやり方である。スウェーデンはこの問題に対処するのに徒手空拳だったかもしれないが、米国の状況は混乱の極みだ。都市閉鎖。都市閉鎖解除。各方面から寄せられるばらばらの助言。科学者たちからなる顧問団と対立する大統領、そして一番恐ろしいのは、終わりが見えないこと、または今後事態が好転する兆候すらないことだ。

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WORST DROP EVER for US economy as GDP crashes 33% due to Covid pandemic lockdowns WORST DROP EVER for US economy as GDP crashes 33% due to Covid pandemic lockdowns

 一方、ドイツはGDPが10.1%減となり、第1四半期よりも9ポイント下降し、50年間で最悪の四半期を記録した。明日(7月31日)はフランスとイタリアが過去3ヶ月間の数字を発表するので、さらに悪いニュースが予想される。

 しかし、スェーデンでは事態は異なった方向を取った。

 スウェーデンの政府直属の疫学者アンダース・テグネルがコロナウイルスに対処するために彼が立案した戦略を発表した時、世界は彼がおかしくなったと思った。

 彼の大規模計画とは何だったのか?何もするな!だ。

 常識をルールとした。そして、スウェーデン人は以前よりは定期的に手を洗い、お互いに敬意を払った距離を保つことはしたが、全国レベルでの都市閉鎖は実施しなかった。学校や店は閉じることはせず、人々は会社に行き、生活は可能な限り普段通りだった。

 自宅で仕事をすることを選んだ人たちは、この国の信頼性の高い高速インターネットの恩恵を受けた。また、学校に行かず家にいれば当然起こることになる子供たちの喧嘩の裁定もする必要がなかったので、実際仕事は何の邪魔もなくできたし、生産的な一日を過ごすことができた。

 批判はあった。そしてそれは少なからずあった。しかし、スウェーデン人は、その成果を今手にしている。(抜本的でない)表面をなぞるだけの戦略と考えられていた施策の効果が全面開花し始めているのだ。つまり、スウェーデン実業界への被害は、誰もが予想していたほど悪くはないらしい。

ALSO ON RT.COM

So now Sweden and the UK each think they were WRONG about their Covid-19 approaches. They can’t BOTH be right…

 通信大手のエリクソンや家電メーカーのエレクトロラックスのような企業は、多くの労働者が病気の時だけ家にいるという通常の勤務体制で営業を続け、生産性を維持した。
 
 それは国民の精神的健康にとてつもなく良い影響を与えただけでなく、他のほとんどの国が経験しているような、盲目的なパニックや孤立へ真っ逆さまに落ち込むのではなく、常識を軸にした取り組みがもたらした数々の利点を示すことになった。

 都市閉鎖などという厳格な措置をせず、スウェーデン人は普段通りのことをしただけだった。学校に行き、仕事をし、買い物をし、楽しいことをやった。それは、経済のエンジンを動かし続けるには十分だった。他の多くの国々は一時停止ボタンを押してしまった。そしてこのスェーデンのやり方は、経済の完全なメルトダウンを避けるのに十分であったようだ。

 スウェーデンは経済的な代償を払ってきたが、GDPの5%の落ち込みは米国やドイツの半分に過ぎず、不況の泥沼から抜け出すための坂道は他の国々よりも険しくなく、はるかに管理しやすい。

 スウェーデンではすべてがバラ色というわけではない。スウェーデンはCovid-19の影響を受けていないわけではなく、これまでのところ、フィンランド、デンマーク、ノルウェーの隣国よりもかなり多い死者数を記録している。

 スウェーデンのステファン・ローベン首相は先月、コロナウイルスの大感染について自国の措置がどうだったのかを調査すると発表した。そして、それは間違いなくいくつかの厳しい問いを発することになるだろう。しかし、煎じ詰めれば問いは1つだ:1,000万人の経済的幸福は5,700人の同じスウェーデン人のと引き換えにする価値はあったのか?だ。

 スウェーデンのパンデミック戦略の立役者であるテグネル氏は、もしまた同じ機会が与えられれば、おそらく、その時は他の誰もがやっていることとスウェーデン方式の中間のコースを選択するだろうと認めている。

 だから、上記の大きな問いかけに対しては「その価値はなかった」という答になるようだ。

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責任をとらないなんて、詐欺だ!:大手製薬会社は、新型コロナウイルスのワクチンによる副作用の責任を負わない



<記事原文 寺島先生推薦>
Bubble indemnity: Big Pharma firms will NOT be held accountable for side effects of Covid vaccine


RT 論説面
2020年7月31日

ピーター・アンドリュース
ピーター・アンドリュースは、ロンドンを拠点とするアイルランド人の科学ジャーナリストであり作家。生命科学研究の経歴をもち、グラスゴー大学で遺伝学の学位を取得。

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 
2020年9月5日

 
 製薬大手のアストラゼネカ社の上級幹部は、アストラゼネカ社の新型コロナウイルス・ワクチンによって引き起こされるかもしれない副作用に対する訴訟には対応しないことを確認した。つまり、副作用を受けた人々は法的手段に頼ることができないということになる。

 アストラゼネカ社は、新型コロナウイルス・ワクチンの臨床実験をすでに実施した、世界で25ある製薬会社のうちの1社であり、数億人への注射を準備している会社だ。今は英国最大の製薬会社である同社にとって最も活気ある時期であり、注文だけでも7000万ポンド相当が見込まれている。さらに、ここ6か月だけでも、126億ドルの大きな利益が報告されている。

 しかし、貸借対照表が健全であるにもかかわらず、アストラゼネカ社は、「希望あふれる商品である」正式なワクチンの候補である暫定ワクチンがもつ潜在的な副作用について責任を負いたくはないようである。言い換えれば、会社はワクチンの注射を受けたせいで負の影響が出た人々の訴訟から完全に保護または免責されるということだ。その人たちがどれほど重篤であるか、またその負の影響が長期間にわたるかは、関係がないということだ。

 アストラゼネカ社の弁護士は、副作用に関するその条項を、新型コロナウイルスのワクチン供給に合意した国との契約に盛り込むよう要求している。同社は、そのような免責の保証がなければワクチンを製造する動機がなくなる、と言っている。そして、ほとんどの国がこの要求に譲歩したようだ。

国益のために行われる?

 アストラゼネカ社の上級幹部であるルード・ドバー氏はロイター通信に対し、次のように述べている。

 「我々が締結している契約では、副作用の免責を求めている。ほとんどの国では、国益のために、そのリスクを請け負うことが受け入れられている」。彼らの言う「国益」とは「政府の利益」のことである。起こりつつあることが、ワクチン接種を受けた国の当の人々にとって良いことかどうかは、非常に穏やかに言っても、未解決なままだ。

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Vaccine nationalism: Rich nations spend BILLIONS to grab first anti-coronavirus doses while poor countries are left behind (again)


 ドバー氏は、同社のワクチンを注文した国の名前を挙げることを拒否したが、多くの主要な西側民主主義国家がリストに含まれている可能性がある。英国政府はワクチンの消費景気に沸いており、さまざまな大手製薬会社から2億5000万回分のワクチンを購入している。一方、米国での動きは英国での動きをはるかに超えている。米国では、「公衆衛生上の緊急事態」の場合には、どの製薬会社もワクチンの副作用の訴訟については免責される、という特別な法的枠組みがある。PREP法として知られるこの法律は、米国の製薬業界からの大規模なロビー活動の産物であり、消費者団体からの激しい反対にもかかわらず導入された。ワクチンメーカーが意図的にあなた方を殺したり、怪我をさせたりしない限り–つまり故意の不正行為でない限り-あなた方はワクチンメーカーを訴えることはできない。

 今週、EUの高官がロイターに語ったように、EUは価格、支払いスケジュール、そして何よりも副作用が起こった場合の責任を誰がとるかについて、ワクチンメーカーと争っている。誰も責任を負いたがっていないのは、驚くことではない。人々に実験段階のワクチンを注入する。病気の免疫力をつけるために、だ。その病気はほとんどの人々にとって無害なのに、だ。そんなワクチンで生じる副作用に対して責任を負えと?私はそんな責任を負いたがる人がいないことに驚かない。大手製薬会社の幹部は、そのような落とし穴におちいるために7桁の給与を稼いでいるわけではない。

 ドバー氏はまた、次のように付け加えた。「今は特別な状況だから、会社として我々はワクチン作らないという危険をおかすことはできない。たとえ4年以内にワクチンが副作用を示したとしても、だ」。なるほど、分かった。では誰が責任を負うのだろうか? WHOだろうか?いやいや。政治家?笑わせないでくれ。誰も責任をとらない?それが答えだ。

誰が支払うのだろうか?
 
 主要なワクチン接種計画では、摂取した人がワクチンによって害を受けたり、悪くすると死ぬことさえあることが十分予想されているので、副作用を受けた人々に補償を支払うために特別な公的資金を設立している国もある。WHOは、ワクチン接種のせいで生じた被害の請求に対するこのような納税者負担の損害賠償モデルを支援している。

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Feline unwell: Pet cat becomes FIRST UK animal to test positive for Covid-19

 米国には、英国、ドイツ、スウェーデン、イタリアを含む多くのヨーロッパ諸国と同様に、そのような基金がある。ワクチンの接種を心配している場合は、自国で同じようなシステムがないか調べてみてはどうだろう。ただし、確かなことが1つある。それは、新型コロナウイルスに関して、民間資本はワクチンを接種したために生じる副作用という長期的な負の影響について何ら関りをもちたがっていないことである。
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コロナで死ぬ子どもよりもロックダウンと学校閉鎖で死ぬ子どもの方が多いかも。 国連職員のトップが新しい研究を引用して警告


<記事原文 寺島先生推薦>
Lockdowns and school closures may be killing MORE children than Covid-19, warn leading UN officials citing new study

RT ワールドニュース 2020年7月29日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月8日



 学校の再開を提唱している人々は、新しい同志たちが見つかってびっくりしたかもしれない。その同志とは国連の幹部役員であり、さらに世界保健機関(WHO)の幹部役員だ。彼らは、新しい研究結果を引用して、子どもたちは感染蔓延自体よりも社会封鎖措置による弊害のほうに苦しんでいる、という可能性を医学誌の記事で示した。

 「子どもたちには、コロナウイルスによる疾病そのものよりも流行蔓延を抑える措置によって引き起こされた弊害の悪影響のほうが大きい」。ユニセフ(国際児童基金)の事務局長ヘンリエッタ・H・フォア氏は7月27日こう述べ、現在の危機に対するさらなる資金援助を求めた。ユニセフの栄養部門の部長であるビクター・アグアヨ氏はさらに、「学校を封鎖したことで、子どもたちは基本的な医療が受けられなくなり、さらには栄養を提供する取り組みも機能しなくなった」ことが現在引き起こされている弊害の原因になっている、と述べた。フォア氏は世界保健機関の事務局長テドロス・アダノム・ゲブレイェソス氏や国連食糧農業機関(FAO)事務局長の屈冬玉氏、国連世界食糧計画事務局長のデイビッド・M・ビーズリー氏と連名で、ランセット誌に行動要請記事を出した。その記事の中で四氏は「身体的距離をとること、学校を閉鎖すること、貿易に制限をかけること、国規模で社会封鎖措置をとること」といった新型コロナウイルスへの対応策は世界中の子どもたちの栄養失調の原因になっている、と訴えている。そして、これらの措置のために、急性の栄養失調になる子どもが例年よりも670万人増加する可能性があり、それに加えて国連は、流行蔓延のためではなく「衰弱」のせいで4700万人の子どもが悪影響をうける、と予想している。さらに毎月例年より10000人以上死者が増加、この先12ヶ月でいうと12万8000人以上の規模で死者が増加する可能性がある、と前述の四氏は訴えている。



 これらの数値の予想はいくつかの科学機関の研究者たちの論文に基づいている。具体的にはワシントンの国際食糧政策研究所(IFPRI) やジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院などが今週ランセット誌に発表した論文だ。
118カ国以上の中所得国や低所得国の状況を分析した後、これらの研究者たちが警告しているのは、新型コロナウイルスへの対応策のために生じた混乱状況のため、何百万もの家族が危険にさらされている可能性があるということだ。南アジアやサハラ砂漠以南のアフリカでは、5人に4人が生命の危機にさらされており、5歳以下の子どもたちがもっとも危険な状態にある、とのことだ。

 さらに、社会封鎖措置など感染蔓延を緩和する措置は「子どもたちの生涯にわたって、教育面について悪影響を及ぼし、慢性的な疾病にかかる危険にさらし、なによりも人材育成する機会を喪失してしまう」ことを引き起こす可能性がある、これまで各世代間で連続して培われてきた子どもたちの成長と発達に悪い影響が出るだけではなく、とのことだ。

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Starvation & desire for vaccine could trigger new migration wave in post-Covid world, Red Cross chief warns

 さらに、これらの研究が予想している数値は、「控えめな数値である。というのは、今の危機的状況がいつまで続くのか分からないので、食料や医療や社会による保護に最終的にどれほど影響を与えるかはまだ不明だからだ」、と論文は警告している。社会封鎖措置が続けられることは貧しい国々にとっては生死に関わる問題となっているが、裕福な国家においてもこの課題は影響が少ないというわけではなく、政策上の厳しい争点となっている。

 たとえば、米国においては共和党のドナルド・トランプ政権は学校の再開を推し進めており、新型コロナウイルスは季節的なインフルエンザとくらべて危険度がきわめて低いと語っている。さらに、学校を閉鎖することにより、子どもたちの発達においても、心理面においても、肉体に与える影響においても、状況はより悪化するという論文が出ていることを指摘している。一方民主党は教職員組合の主張を支持している。その主張とは、学校を再開すると教職員が危険にさらされるという主張だ。


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「イラク侵略後の世界では、米国が中国について語る話を信じるのは狂気の沙汰だ」ケイトリン・ジョンストン

<記事原文寺島先生推薦>
Caitlin Johnstone: In post-Iraq invasion world, it’s absolutely insane to blindly believe the US narrative on China


RT 論説面


ケイトリン・ジョンストン
メルボルンを本拠地とする独立ジャーナリスト。彼女のウェブサイトはこちら。ツイッターはこちら


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月5日


私のソーシャルメディアからのお知らせがここ数日間チカチ光り続けている。それは毒のある中国に対する醜聞を煽るものたちが動画を共有しようとしてくるからだ。その動画はウイグル族のイスラム教徒が、電車に乗せられて収容所に送り込まれるところを映していることを非難する動画だ。
 
 その動画は実は古い動画で去年出回っていたものだ。しかし2020年になって魔法仕掛けのように再び登場し、みなを驚かせる新着動画のように出回っている。西側の反中国主義者たちは公的に発作的混乱状態に足を踏み入れ始めたようだ。この動きはまさに米国が南シナ海での緊張を高めている中で、ここ数年でもっとも危険で挑発的な軍事演習を実施した時期と重なる。

キューバは感染蔓延の最終段階に入った

<記事原文 寺島先生推薦>Cuba in the Last Stretch of the Pandemic

Socialist Project 2020年7月12日

フェルナルド・ラブズバーグ

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

 2020年9月5日

はじめに
 以下の記事はフェルナンド・ラブズバーグ氏による記事である。元記事はサルバドリアン・デジタルのディリーニュースサイトコントラパントに6月24日に掲載された。本記事は「バレット欄」の担当者がスペイン語から翻訳し、少し注釈も付け加えたものである。

 考慮しておいて欲しいのは、ラブズバーグ氏の記事が初めて公表されてからすでに2週間たっており、その間にも重大な変化が起こっているということである。

記事の要点
・このウイルスに対するキューバの努力は目を見張るような結果を出している。7月7日、新型コロナウイルスによる死者が11日連続で一人も出なかった。7月7日時点で、キューバでのウイルス感染例はたったの2399例で、うち感染した2242名はすでに快復している。死者数はたったの86名だ。
・強調されるべきことは、北米や西欧の裕福な国々で見られたような医療従事者の死亡は、キューバでは一件もなかったことだ。医師だけではなく床掃除の仕事をしている人を含めても、だ。
・キューバは警戒を緩めてはいない。キューバの最終目標はウイルスを国中から根こそぎにすることだ。ラブズバーグ氏が記事で書いているウイルスに対する積極的な取り組みは、今も続いている。以前との違いは、今ウイルスは後退しているが、ウイルスに対する対策はより効果的になっているというところだ。しかしながら、ウイルスはハバナ州ではしつこく残っている。首都ハバナは特にそうだ。同地方にはキューバの感染例のうち57%が存在し、コロナウイルスによる死者の半分は首都ハバナから出ている。
・社会や経済をもとにもどすために、注意深い取り組みが進められている。そのために客観的な指標が、3段階にわけて導入されている。州や地域では、この段階に応じて感染流行に対応するよう取り組まれている。6月18日、15ある州のうち13州が、第1段階に入ったことが公式に発表された。マタンサス州も数日後そうなるだろう。7月3日には、ハバナ州が第1段階に入った。そして、マタンサス州を除く残りすべての州が第2段階に入った。
・州間の交通の行き来はまだ止められているが、都市間の公的交通機関は再開されている。広大な面積を持つハバナ市においては、郊外の交通機関を再開することは経済活動や社会生活において重要なことであり、現段階では乗り越えるべき難しい課題がある。交通機関の許容量には限りがあり、混雑をさけるため特別な配慮が不可欠であり、バス社内やバス停において社会的距離を保つことやマスクを着用することが強制されている。何よりも大切なのは、人々に責任ある行動をとってもらうよう説得することである。
・キューバは外国からの観光客を迎え入れはじめている。これはラブズバーグ氏の説明による。
・キューバによる世界での医療活動は、感染蔓延時において非常に力強く行われた。その医療活動は世界から広く注目を集め、また敬意をもって迎えられた。キューバのヘンリー・リーバ救護隊をノーベル平和賞に推薦しようという動きが世界的に進行中だ。誓願書に署名した人々の中には、ノーベル平和賞受賞者であるアドルフォ・ペレス・エスキベル氏も含まれている。他にも元エクアドル大統領のラファエル・コレア氏。俳優のダニー・グローヴァー氏やマーク・ラファロ氏。作家のアリス・やウオーカー氏。ノーム・チョムスキー氏とナンシー・モレホン氏。映画制作者のオリバー・ストーン氏やペトラ・コスタ氏。さらにはキューバのシンガーソングライターであるシルビオ・ロドリゲス氏がいる。現時点で、「キューバの活動についてのカナダのネットワーク募金団体」は、4万5千ドルの募金を集めており、キューバが世界に派遣している流行蔓延と闘う救護隊を支援している。



キューバは感染蔓延の最終段階に入った

フェルナンド・ラブズバーグ

 キューバはコロナウイルスの隔離政策をあとほんの数日で終わらせる。ハバナ州は例外だ。ハバナ州以外のすべての州では感染例が出ておらず新しい通常生活に向かって動き始めた。首都ハバナではもうあと2、3週間待たないといけない。まだ一日平均1~10の新しい感染があり、新型コロナウイルスに苦しんでいる人が約100人いるからだ。

 キューバ政府がとった対策は大成功を収めている。この島国では、ウイルスに感染した例がたったの2319件で、そのうち2130人が快復、死者は85人という結果でコロナ危機を乗り切っている。[編集部より ほぼ100名は今でも治療中である] 。キューバ政府の医療体制は、多数の犠牲者が出ることを見越して準備をしていたのだが、実際は最悪の危機的状況においても必要となる病院施設の稼働率は60%で済んだ。

 現時点で地方や州間の交通機関は再開しているがハバナ州は例外だ。ホテルもキューバに休暇に来る人々のため、営業を再開している。海外からの観光客も7月1日からの受け入れ再開が計画されている。しかし観光客が訪問できるのは本島に近接した、空港がある島[珊瑚礁の島であるケイズ諸島]だけである。このリゾート地を訪れるすべての観光客は新型コロナウイルスの検査を受けることになっているし、同地で働く従業員も同じだ。観光客やホテルの従業員たちは、ケイズ諸島を離れたり地元の人と接触をもったりすることは許されないことになっている。

キューバの対策

 隔離政策を基本とするキューバの流行蔓延に対する対応は徐々に進められた。最初は国境封鎖措置や休校措置をとることが遅れていることを批判するキューバ国民もいた。しかし全面的な封鎖措置が実施されたのちは、外国への渡航は完全に止められた。キューバに上陸した旅客機は、キューバに救急医療救援を要請した国が送った旅客機だけだった。このような旅客機には、救援先から戻ってきたキューバの医療チームが搭乗していた。それ以外の通常航空に関しては、政府が期限を決めて、その期限の後にはだれも国外渡航できないようにした。他国に在住していてキューバに帰国していた7000人程度の人々と5000人程度の外国人は、キューバに残りキューバで流行蔓延をのりきることを決めた。

 政府は全ての州間や郊外の交通機関を停止した。すべての乗り物は医療従事者やその他の必要最低限の人員の輸送にだけ使用された。警察は街を監視し、マスクの着用を強制したり、人が集まっていたら解散させたり、店の外で人々が列を作っている時に人と人との間で必要な距離をとらせたりした。この食べ物を買うための列にどう対処するかが、健康上の大きな懸念の一つだった。[編集部より 基本的な食品が深刻に足らなくなるのはキューバでよくあることだ。食料が届いたときに店の前で長い列ができることも]。

 普段は化学兵器や生物兵器に対応するよう準備している軍の部隊は、タンクローリーにポンプを取り付け、街中に塩素をまいた。ウイルスが拡がるのを防ぐために、何千もの兵士が感染の進んでいる地域から人が出ていかないよう人の流れを阻止していた。感染者がほとんどいない地域から来ている人々だけが、感染地域に入ることが許された。[編集部より 感染状況に応じて、地域レベルでの隔離措置はしばしば行われた。感染がおさまるのにあわせて、その措置は緩和された]

 税金、電気料金、水道料金、ガス料金、電話料金、インターネット使用料金の支払いは先延ばしされた。企業の9割を所有しているキューバ政府が、流行蔓延のために先延ばしされたそのような料金を負担した。福祉事業従事者たちが食料を買って一人暮らしのお年寄りに届けたので、お年寄りたちは街に買い物に出なくてよくなった。レストランは、持ち帰りの食事を販売した。

 公的な医療関係者が、ウイルス保有者を認知したときは、感染源の可能性のある人々や、感染者が感染後接触した人々を調査した。その過程で特定された人々はすべて感染の疑いありとされた。特別な治療をうけるために隔離場所に隔離された人もいた。また、自宅で14日間隔離され、近所の人々から見守ってもらうような措置を取られた人もいた。医師たちは毎日往診した。どんなに小さな症状であっても病院に移送し、ウイルス検査を受けさせた。いまでも毎日2000件程度の検査が行われている。このような体制のおかげで、多数の無症状の人たち(そのような人たちが流行蔓延において一番危険だといわれている)を検知することが可能となった。同時に、キューバ中の家を回る検査が実施された。医師や看護士、医学や看護学を学ぶ学生や口腔専門医たちが各家庭を訪問し、症状が出ている家族がいないか調べて回った。まさに今朝方も、ある学生が私の家に立ち寄ってこう質問した。「みなさんお元気ですか?風邪や熱が出ている人はいませんか?」厚生大臣ホセ・アンへル・ポルタル博士は、この方策についてこう説明している。「ウイルスが出るのを待っている訳ではありません。ウイルスを追い出し、探し出すための方策です」

 情報はキューバでは一番不足しているものの一つだったが、今回はかつてないほど民衆に情報が知れ渡るようになった。それは、毎朝9時に公衆衛生疫学長フランシスコ・ドゥラン博士が国営テレビで報告を行い、前日の統計結果を知らせたからだ。キューバ国民たちはそのおかげで、病状を観察されている人が何人いるのか、検査は何度行われたのか、深刻で致命的な病状にある病人は何人いるか、ここ24時間で何人が亡くなったかを知ることができている。

キューバ国民のDNAには危機管理が備わっている

 キューバは小国で人口も少なく資源も不足しているが、感染蔓延への対策では、世界でもっとも成功した国の一つだ。

 キューバが成功した秘訣のひとつは、キューバは米国の攻撃に対抗してきた60年の歴史があることだ。キューバ国民は危機の中で生活することに慣れているのだ。国民の4分の3が米国の経済封鎖の影響に苦しめられてきた。キューバには食料提供手帳を配布するという仕組みがある。その仕組みのおかげで物品を平等に配分することができる。キューバの民間防衛体制を使えば数時間で何十万人もの人を動員することができる。


 キューバでは統治者と国民は、いざというときこそ、より効果的により素早く機能する。それは危機を乗り越えるために、政治中枢でものごとを決定し、国中の資源や人材の動員が必要となるようなときだ。そんなときには、国中が戦時体制を取る。命令に疑問を挟むものはいない。市民の自己統制が活性化され、不審者は慎重に観察される。コロナ危機の間は、付加的な措置が取られた。たとえば、ウイルスを保有していると診断された人と接触した人々の追跡、必要な際は街や近隣地の隔離、感染者が数名いる特別な居住地区での強制的な治療、さらにはブロック単位での健康状態の包括的な警戒などだ。
何よりもキューバには信頼できる医療体系がある。
 
 すべての市民に例外なく行き渡る医療体系だ。1100万人の住民に対して85000人の看護士と95000人の医師がいる。スペインとくらべて一人当たりの医療従事者の数は3倍だ。全てあわせるとキューバの医療体系は50万人以上の医療従事者で支えられている。その中には医療技術者や口腔専門医も含まれている(というのも口腔治療も無料だからだ)。私企業が薬品産業を運営することは禁じられているし、地域の病院や総合病院や個人病院、医療に関する人材や資源もすべて国の所有物となっている。

熟練した医師たち

 キューバの医師は感染蔓延に対応する豊富な経験を持っている。キューバに駐在しているキューバ国際医療派遣団は、様々な国であらゆる種類の疾病に取り組んできた。彼らの医療業務の例をあげると、アフリカでのエボラ熱に対して派遣された業務、ブラジルで8000人の医師が活動した業務、世界保健機関(WHO)と協同した業務などがある。そしてWHOとはキューバは今でも親密な協働関係を維持している。

 キューバで最初の感染者が見つかる数週間前から、キューバの専門医たちはすでにWHOによるコロナウイルスとどう闘うかの研修を受けていた。1月には、最初のキューバの医師たちが中国に入り状況を研究した。2500人程度の団員からなる20団以上のキューバの医療団が他国からの支援要請に応じてきた。今も彼らはアフリカやラテンアメリカやカリブ海諸国やイタリアやアンドラで活動中だ。

 キューバが果たすべき使命を遂行することは特に困難を極めた。というのも、流行蔓延期間にトランプ政権は、キューバと交易しようとする国々に対する圧力を増していたからだ。米国は寄贈された医療用品や医療器具がキューバに届くことさえ遮ろうとしていた。たとえば、米国はコロンビアの航空会社アビアンカ航空に金銭的な制裁を加えると警告した。そのため、同社は中国からハバナに届けられた医療器具やマスクの輸送契約を解除せざるを得なくなった。その医療用品は中国の企業家から寄贈されたものだった。さらに米国政府は、企業がキューバに人工呼吸器を売れなくするよう介入してきている。

 米国政府は、各国が医療の提供を求めてキューバを訪問することを思いとどまらせようとあれこれと画策している。米国政府はキューバを訪問しようという国々に制裁を課すことを認める法律を準備している。米国政府は、これはキューバ経済に対する対抗策だということを理解している。というのも医療関係の売り上げがキューバの外貨収入の75%を占めているからだ。米国からの圧力にも負けず、キューバの医療団はいま60カ国以上で活動しており、その数はさらに増え続けるだろう。たとえば、アラブ首長国連邦はキューバに恒久的な医療援助を要請したばかりだ。




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「ありがとう、でも大丈夫です」。サウス・ダコタ州はトランプの失業救済措置を辞退。対コロナウイルス政策をゆるめに設定したのが功を奏し、素早く快復に転じたからだ。

<記事原文 寺島先生推薦>
‘Thanks, but we are good’: South Dakota rejects Trump’s unemployment help, credits lax coronavirus restrictions for swift recovery

RT USニュース 2020年8月15日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月10日


 サウス・ダコタ州知事のクリスティ・ノーム氏は合衆国政府による失業者のための金銭的な支援を受け取らないという決定を行った。というのも、同州の経済は急速に快復しているからだ。それは同州が完全な社会封鎖措置を取ってこなかったからだ。
「このような柔軟的な措置を取っていただいた努力に、私たち州政府は深く感謝しています。しかしサウス・ダコタ州は幸運にもそのような支援を受け取る必要がないのです」。共和党員であるノーム氏は8月14日、このような表明を行った。



 コロナウイルスのせいで行われている社会封鎖措置にいまだに揺らいでいる他の多くの州とは違い、「サウス・ダコタ州はこのコロナウイルスの嵐を比較的上手く乗り切り、労働市場はほぼ完全に快復することができている」とノーム氏は述べた。ノーム氏の見解によると、そういうことが出来た理由は、サウス・ダコタ州は商業活動にコロナウイルスを抑えるための厳しい制裁をかけなかったためだそうだ。

「サウス・ダコタ州の経済はずっと封鎖せずにきた、だから雇用の喪失は80%まで快復できている」

 経済の急速な快復を(ただ、それは、人口密度が低いサウス・ダコタ州だからできたことかもしれないが)誇らしげに語った後、ノーム氏はこう続けた。「サウス・ダコタ州は失業支援金を受け取らなかった唯一の州です。それは我が州は失業保険を受けている人の割合は合衆国で一番低いからです」。



 コロナウイルスの流行蔓延により大きく損失を受け、いまだに閉鎖をやめられていない企業をサウス・ダコタ州は歓迎するとノーム氏は言っている。

多くの企業はサウス・ダコタ州に移転することを考えているようです。それは感染蔓延中に我が州がとった政策のためです。サウス・ダコタ州は、いつでも企業を歓迎します。我が州は社長の皆さんや会社の従業員の皆さんの願いに対応できます」。

 ツイッター上の共和党支持者たちはノーム氏を絶賛している。というのも、ノーム氏は米国大統領ドナルド・トランプ氏の支持者であることを公表しているし、感染蔓延に対するノーム氏の手法を見れば、コロナウイルスへの最も効果的な対処法は特別な対策をとらない方法がもっとも効果的だという証拠になると支持者たちは考えているからだ。

 「私はこの知事が大好きです。そして知事は私たちの大統領を支持しています」。性的暴行を受けたことでビル・クリントン氏をもっともあからさまに告訴しているワニータ・ブロードリック氏はこうツイートした。

 トーク番組「ザ・ビュー」の司会者の一人メーガン・マケイン氏も同意しこう語った。「ノーム氏は“ウイニング・ラン”をする資格がある、それは彼女が責任を持ってサウス・ダコタ州を解放し続けたからだ。大手メディアからは殺人者呼ばわりされていたのに」。





 しかし知事のやり方に冷や水をかけようとしているものたちもいる。彼らの主張は、田舎の人口密度が低いサウス・ダコタ州だからうまくいっただけで、都市部やもっと人口密度が高い地方ではノーム氏のやり方は上手くいかなかった可能性がある、というものだ。

 「クリスティ・ノーム知事は最善を尽くし、そのやり方も正しかった。ただ、どの州でも同じ経済政策でうまくいくという圧力をかけたメデイアは無責任だ」。ある解説者はこうツイートした。



 給料損失補助 (“LWA”)政策は、トランプ大統領が8月8日に議会を通さずに発令したもので、週400ドルの支給が予想されている。そのうち300ドルが連邦政府から支給され、残り100ドルが各州で補填されることになる。

ALSO ON RT.COM

More than a third of Americans would not want a Covid-19 vaccine if offered – poll


 この政策は、最近失効した週600ドル支給する連邦感染蔓延失業補償(“FPUC”)に変わるものとして設計されたものである。

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医師がいつも正しいわけではない。が、Twitter、Facebook、そしてGoogleは骨の髄まで邪悪だ。コロナウイルスについての異論を自分たちのサイトに載せることすら許さない。


<記事原文 寺島先生推薦>
Doctors are not always right. But Twitter, Facebook & Google are pure evil for not even allowing alternative voices on Covid

RT 論説面 2020年8月1日

Mitchell Feierstein
Mitchell Feierstein is the CEO of Glacier Environmental Fund and author of ‘Planet Ponzi: How the World Got into This Mess, What Happens Next, and How to Protect Yourself.’ He spends his time between London and Manhattan. Join Mitch on Twitter, Instagram, and Facebook – @Planetponzi


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月10日



 ハイドロキシクロロキン(HCQ)はコビド-19治療のひとつの選択肢になるのか、あるいは禁止すべきなのか?それに対する答は絶対に出てこないかもしれない。何故なら、Google、Twitter、そしてFacebookが、このウイルスに対していろいろな医師がいろいろな治療法を施しているが、それに関する科学と情報を検閲しているからだ。

 今週初め、「ビッグテック」巨大企業(=Google、 Twitter、Facebookなど)は、「アメリカの前線に立つ医師たち」を特集したブライトバード(訳注:アメリカのオンラインニュースサイト)のウイルスのように素早く拡散したある映像を削除した。この医師たちはHCQをコビド19の予防薬としても治療薬としても有効だと喧伝している。Facebook、Twitter、YouTubeによると、それは「コビドについての間違った情報」を広めていた、とのことだ。この映像は私のFacebookページから削除されていた。何人の医師が、これはコビド19に関する誤情報だと判断したのだろう?だれでも自分が望む、資格を持った医師の「限定的適正意見」(訳注:監査用語。全体に重大な影響は与えないが、一部正しくない部分がある、という監査意見)に耳を傾ける権利がある。

ALSO ON RT.COM

Twitter YANKS doctor’s fierce defense of HCQ as Covid-19 ‘cure’ after Trump’s retweet, as skeptics question her credentials

 何人かの医師や数件の研究に依れば、HCQは予防に役立つか、あるいは感染の影響と持続時間が最小限に抑えられる可能性があるとされている。Lancet誌は、結局は撤回せざるを得なかったひとつの詐欺的研究を発表している。HCQ(65年間市場に出回っている薬剤)は危険であり、Covid-19には何の効果もない、という内容のものだ。今週、HCQの使用に疑問を投げかける2つの新しい研究が発表されたが、それは時期尚早と言うしかない。さらに多くの試行や試験が必要であることは明らかだからだ。また、資格もないソーシャルメディアの発行人が恣意的にニュースを検閲することなどその能力を超えた行為だ。科学的コンセンサスは常に変化し、進化するものであり、科学においては、すべての権威ある視点が重要である。

 内科医と外科医は、意見が異なることが多い。常に正しい意見など、どこにもない。自由な社会では、どんな理論にも異を唱えることは許される必要がある。科学はそのようにして機能するのだ。例えば、15年前、私は体を折り曲げられたような信じられないほどの痛みで、何日ものたうち回っていた。私の行きつけの医者は私を最寄りのロンドンの病院に送り込んだ。癌専門医は私を癌と診断し、もし私が(手術同意書に)サインしてすぐに手術を受けなければ、私は死ぬだろうと言った。私は、とりあえずこの病院への入院手続きをとり、その前に英国外の他の数人の医師との電話での相談予約を取っておいた。どの医師も私の状態を安定させるためにはすぐに治療が必要である、という点では全員同じ意見だった。そのために、私はその病院にそのまま入院(私は乗り気ではなかったが)し、さらに検査を続けることにした。検査の後、電話相談予約をしてあった医師たちは手術は必要ないとの意見だった。1週間の治療で安定し、別の病院に移ったところ、その病院の医師から「あの癌専門医の診断は100%間違っていましたね。彼の言うことなんか聞かず手術をさせなかったのは運が良かった」と言われた。私の病状は癌ではなく、彼の言う「救命手術」を必要とするようなものではなかった。



ファーガソン・モデル

 3月、コビド19のパンデミックが世界を襲ったとき、「科学者」たちは、毎日、毎日、筋の通らないことばかり言っていた。不運なことに、各国政府はビル・ゲイツが出資し、ニール・ファーガソンが運営するロンドンのインペリアル・カレッジのコビド19モデルを採用することにしたのだ。このモデルはニューヨーク・タイムズ紙のようなメディアによって広く引用され、もし政府が「何もしなければ」米国だけで220万人のコビド19による死者が出るだろうと予測した。

 ファーガソンのインペリアル・カレッジの報告書は、家族のだれかにコビド19の症状が出た場合、家族全体を14日間隔離しておくべきだと結論づけた。ファーガソンのモデルは100%間違っていたが、権力に飢えた政治家が、近年の歴史の中で最も専制的で違法な監禁を行うことを可能にした。これらの政策はまた、「コビド危機」が原因で治療を受けられなかった他の病気が原因の患者を無数に死亡させることになり、精神疾患の増加、史上最悪の経済不況、銀行家と億万長者を救済するだけの「支援」プログラム、という結果をもたらした。またしても中産階級への強烈な締め上げになった訳だ。

 ファーガソン・モデルはコビド19だけでなく、鳥インフルエンザや豚インフルエンザでも間違っていた。品質保証期限も過ぎ、13年前のプログラムを使ったファーガソン・モデルは、8月のミシシッピ沼よりも多くのバグを持っていたことが判明している。

 ニール・ファーガソンが2005年に鳥インフルエンザで最大2億人が死亡する(実際の死亡者は300人未満)と予測していたのが大間違いだったのに、なぜイギリス政府はニール・ファーガソンの偽科学に基づいて行動したのか?2009年には、ファーガソン・チームの助言に基づいて、イギリス政府は豚インフルエンザで6万5千人が死亡する(イギリスでの実際の死亡者は457人)と予測した。ファーガソンの残した実績は目も当てられないが、偽ニュースを垂れ流すメディアは、このゴミのようなファーガソン・モデルを有効化し、強引に恐怖とパニックを吹き込み、大衆を震え上がらせた




 各国政府は、ファーガソンの予測を利用して、社会を好きなように封鎖するために、とんでもない権力を手に入れたようだ。このような強権的な権力を取り去るのは、不可能ではないにしても、容易ではないだろう。各国政府は世界的な金融リセットの準備をしているのだろうか?

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As US & other countries suffer punishing economic cost of lockdown, Sweden’s Covid strategy seems to be paying off financially

 一方、スウェーデンは何もしなかったが、今日、スウェーデンの新たなコビド19の症例ほぼゼロだ。国直属の疫学者アンダース・テグネルは火曜日にストックホルムの記者団に語った、「感染者のカーブは下降しており、重症者のカーブはゼロに近づき始めている」と。



 愚鈍で虚偽を振りまくファウチ氏は首にすべきか?
 
 北大西洋を越えたアメリカで、アメリカのトップ疫学者であるアンソニー・ファウチ博士は、コビド19パンデミックに対するアメリカの対応を導く上で鍵となる人物だった。しかし、ファウチ氏の言っていることは常に正しいのだろうか?とんでもない!にもかかわらず、彼はTwitter、Google、そしてFacebookで検閲されたことはない。ファウチ氏の言葉のどこかに傲慢さと尊大さはないだろうか?おそらく、ある。特にハリウッドが彼をスターにしてからは。あのブラッド・ピットがSNL(アメリカNBCの『サタデー・ナイト・ライブ』)で彼を演じたのだ。

 2020年2月29日のインタビューで、ファウチ氏は次のように聞かれ、そして答えた:

 「現在、土曜日の午前です。みんなショッピングセンターや映画、そして多分ジムにも行きたがっています。私たちの習慣を変えるべきですか?変えるとしたらどのように変えるべきですか?」

 そして、それに対するファウチ氏の答え:

「いいえ。今のところ、日常的にやっていることは何も変える必要はありません。今のところ、リスクは低いです。でも事情が変化することはあり得ます。」

ALSO ON RT.COM

Do as I say, not as I do’? Twitter goes berserk after mask advocate Fauci forgoes his own Covid-19 guidances

 しかしごく最近になって、ファウチ氏は、過去の出来事に遡り、ある言い分をひねり出してみせた。「自分がマスクをしなかった」と1月に嘘をついたのはただ「マスクが不足していたから」だと。さて、ファウチ氏の現在の主張は、こうだ。彼が嘘をついたのは、緊急時に医療従事者のためにマスクの供給を確保する必要があったからだ、と。

 今日、ファウチ氏は、マスク、さらには保護眼鏡も全員着用する必要があると彼が言えば、それも信じてほしいと思っているのだ。

 ソーシャルメディアのエリートたちが何を考えていようと(テクノロジー専制についての詳細はこちら)、そして(こちら)、彼らにはコビド-19パンデミックと最前線で戦っている、ライセンスを持った医師たちの意見を検閲する権利は全くない。

 2016年にヒラリー・クリントン氏が大敗した後、GoogleやFacebookの社員や役員は、2020年の選挙で2016年と同じ過ちを犯さないと明言している。私が数年前から言っているように、ビッグテックはどんなことをしてでも、トランプ氏が2020年の大統領選挙で負けることを確実なものにしようするだろう。今や、Twitter、Facebook、Google/YouTube、Amazonがすべてチーム・バイデンの一員であることは明らかだ。

 シリコンバレーのエリートたちは、保守的な声を検閲し、削除しており、それは人命も犠牲にしている。今週の議会証言で、ジム・ジョーダン下院議員は、Googleが2016年の大統領選でヒラリー・クリントンに手を貸したと証言している。それだけでもビック・テックを二度と、絶対に信用することができないことは明白だ。

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奇怪な科学―Covid-19は心臓障害を引き起こす!? 衝撃的研究は基礎的な演算ミスだった!

<記事原文 寺島先生推薦>
Weird science: Covid-19 does NOT cause heart damage, as blockbuster study had basic calculation errors


RT 論説面

2020年8月28日
Peter Andrews

Peter Andrews, Irish science journalist and writer based in London. He has a background in the life sciences, and graduated from the University of Glasgow with a degree in genetics.


 Covid-19が長期的な心臓障害を引き起こすと報告した科学的研究が、広く流布している。その著者らは、ウイルスによる危険のひどい計算間違いをした後になって、大幅に修正した論文を発表し直すことを余儀なくされたが、実害はすでに広がってしまっている。

 科学界は、最近とみに権力を振るっている。新型コロナウイルスの出現で、多くの専門職の科学者や学者は絶大な影響力をもつ地位にのし上がり、Covid関連すべてに関する政府の顧問や委員会委員として行動している。しかし結局はそれで終わりだった。だからこそ、いま非常に重要なのは、彼らが、合理的で公平な研究をおこない、すべての発見をつねに疑問をもって分析し、何事においても思い込みを避けることである。

奇怪な科学

 しかし悲しいかな、その肝心なことはなされなかった。つまり、合理的で公平な研究をおこない、すべての発見をつねに疑問をもって分析し、何事においても思い込みを避けることはなされなかったのだ。アレックス・ベレンソン氏などの、適切なツイッターを追いかけない限り、このことについて他では読むことは不可能だ。ベレンソン氏は根気よく、その研究はCovid-19にたいする偽物の粗悪な「科学」――括弧付きの科学としか言えない代物――だとしている。しかし、科学論文の発表慣行に関してかなり大きなスキャンダルになるに違いないことが、いま心臓病学の分野で進行中である。それは必ずや大規模な再調査となるべき事件だ。

 ちょうど一か月以上前、「コロナウイルス病2019(COVID-19)から最近回復した患者における心血管磁気共鳴画像の結果」と題する論文がドイツの『JAMA心臓病学』誌に掲載された。この論文が基づいているのは、Covid-19から回復した100人が、MRI検査を受け心臓障害に関連する症状が見つかった、というものである。

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Attendees and staff at Republican National Convention test positive for Covid-19

 この論文はすぐに大きな注目を集め、学会のなかで大いに広まった。学術論文の注目度あるい影響度を評価する指標Altmetricで、その点数は何十万にも達した。
 この指標は、発表された研究がオンライン上で、参照されたり共有されたり議論されたりして、どれだけの注目を集めたかを示すものである。
 その指標が何十万にも達したのは間違いなく、論文の爆弾発言のような結論のせいであった。Covid-19にかかって回復した人々の、かなりの割合で、長期的な心臓病の心配があるとすれば、それは知っておくべきことだからだ。

間違いつづき

 その論文の結論にかかわる唯一かつ最大の問題は、その結論を導き出すにあたって利用されたほぼすべてのデータが間違っていたということである。多くのメディアが猛スピードで、Covid-19の患者はみな最終的に心臓発作で亡くなるかのように報道を始めたので、数学的素養のある人たち――国立心臓肺研究所の心臓病学教授ダレル・フランシスなど――が、ツイッター上で、その研究結果に明らかな計算ミスと不整合を指摘し始めた。

 論文の著者らは中央値を平均値と混同しているように見えたし、グラフのなかにデータが示す点はどこにも存在しなかった。要するに、この論文はデータの補正ミスにまみれていたが、それを読んだ(または最後の数文だけにざっと目を通した)最初の数十万人がそのミスに気づかなかったのだ。

Also On RT:


Covid-19’s an adult disease: Children at ‘tiny’ risk of acute coronavirus, UK academics claim


 しかしフランシス教授は、訂正後に再発表された論文に、それでもまだ満足できず、教授は自分のツイッターでまたもや痛烈な攻撃を仕掛けた。教授は統計に関する素人以上の知識をもっているので、疑いの余地のない言葉でこう明確に述べている。「論文の著者らは、異常なほどの譲歩を認めた後でさえ、依然として数字をでっち上げている」と。
 
 フランシス教授が断言しているのはこうだ。修正された数字は、Covid-19から回復した人々がMRI検査で心臓病の徴候を示してはいるが、ウイルスに感染していない似たような病歴の人々で、かつウイルスに感染していないひともまた、同じ心臓病の徴候を示しているということだ。つまり、Covid-19は、その研究で対象とした人々に見られる心臓障害とは全く関係がなかった、ということなのだ。

 一方、その研究の著者らは面目まるつぶれになって良しとはしなかった。自分たちの貧しい数理的取り扱いをツイッター暴露されたことにたいして(英国以外の人々がこれがどういうことなのか分からないかもしれないが)彼らは激しくかみついて、次のように言った。「論文を非難するのであればツイッターを使うのではなく、論文が載った研究誌の編集者への手紙で批判すべきだ」「そのほうがはるかに適切なやりかただろう」
 
 その研究の著者らは、その学術的水準に達しない論文を修正するのに1ヶ月を要しなかった。だが、その時点ですでに実害が起こっていた。つい先日、何人かの人が私に「Covidは心臓障害を引き起こすんだってね」と教えてくれたからだ。だから明らかに、その研究の影響は広がっていた。しかし、「Covidは心臓障害を引き起こす」という嘘が今後、同じような速度で広範囲に広まるかどうか、まだ分からない。
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「アメリカよ、目を覚ませ!」コンピューターウイルス対策ソフトウェアの巨匠ジョン・マカフィーが米国メディアの反キューバ喧伝を一蹴

<記事原文 寺島先生推薦>
Wake up, America’: John McAfee hits out at anti-Cuba propaganda in US media

RT USニュース 2019年 6月30日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年8月30日



 コンピュータープログラミングの巨匠ジョン・マカフィー氏がキューバで食料品の買い物に出かけた際、米国民に伝えたいことができたようだ。そう、米国でメディアが流すニュースをただ受け止めるだけの米国民にメディアがキューバという国をどう描いているかを伝えたくなったようだ。


 米国の大手メディアによるニュースの中では、1953年以来ずっとキューバのことについて良いことはなにも伝えられないできた。このようなキューバの悪い面だけをただただ流し続けてきたメディアに嫌気がさした73歳のビジネスマンのマカフィー氏は、以下のツイッターでいくつかのこれまで流されてきた不正確な事実を指摘した。先週の土曜日に食料品を買い出しにでかけた際に見かけたことについてだった。
 
 「米国政府の宣伝によるウォール・ストリート・ジャーナル誌からの情報のせいで、我々はキューバの人たちは飢えていて、ネズミを食料にし、食料を求めて今にも暴動が起きそうだと聞かされてきた」。マカフィー氏は先週の土曜日の夜、こう呟いた。「私は今日あちこちに買い物に出かけたが、食料品を売っている屋台はどこも食べ物で溢れていた。アメリカ国民よ、目を覚ませ!」



 コンピューターウイルスに対抗するソフトウェアの発明者であるマカフィー氏は、ツイートとともに数枚の画像を添付した。その画像にはたくさんの食料品店の棚が新鮮な果物や野菜でいっぱいの様子がうつっていた。 

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 マカフィー氏は現在バハマ在住だが、それはアメリカ合衆国内歳入庁から税金逃れをしていると追求されていることから逃れるためだと言われている。今年(2019年)初旬、仮想通貨の伝道者である同氏は米国の大統領選に「亡命中の身で」出馬することを表明している。
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スウェーデンの実施した世界で最も緩いCOVID-19対策が、2020年の経済危機を乗り切る上で有効だったとの証拠が増えている

<記事原文 寺島先生推薦>
Sweden had one of the most relaxed COVID-19 lockdowns in the world. There's growing evidence that it helped it weather 2020's economic storm better than anywhere else.

Shalini Nagarajan
Jul. 21, 2020, 03:48 PM

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年8月30日
ANDERS WIKLUND/Getty

・コロナウイルスが大流行する中、スウエーデンはその拡散を管理する異例のアプローチで国際的な注目を集めてきた。
・欧州の多くの国とは異なり、スウエーデンは厳格な都市閉鎖措置を取らなかった。その措置の成果が今上がっている。少なくとも、経済的な面では。
・7月21日(火)に発表されたCapital Economicsの報告書によると、スウエーデン経済は欧州で最も被害が少なかった。「どの国もひどい状態だが、その中ではベスト」との表現を使っている。
・スウエーデンは、パンデミックの経済的影響から無傷というわけではなかったが、今年の第1四半期で成長した唯一の主要経済国であった、と報告書は述べている。


・Visit Business Insider's homepage for more stories.

 コロナウイルスが大流行する中、スウエーデンはその拡散を管理する異例のアプローチで国際的な注目を集めてきた。

 北欧諸国は厳格な封鎖措置を取らず、代わりに、病気の場合は家にいるように市民に呼びかけ、公共の場では社会的距離を置くよう要請した。バー、レストラン、そして種々の店舗は、国内で感染がピークに達しても営業していた。


 個人責任で対応するのが当然と洗脳されそれに従う態度に頼った緩やかな対コロナウイルス戦略には、賛否両論があった。そして、この国が公衆衛生についてこういった接近法をとったことが有効だったかどうかの決定はまだ下されていないが、経済的な面では、緩い規制を取ったことはよかったようだという証拠が増えてきている。

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 7月21日(火)に発表された調査会社Capital Economicsの報告書によると、スウェーデン経済は欧州で最も被害が少なかった。「どの国もひどい状態だが、その中ではベスト」との表現を使っている。

 スウェーデンは、パンデミックの経済的影響を免れなかったが、今年の第1四半期で成長した唯一の主要経済国であった、と報告書は述べている。

 「スウェーデン経済はCOVID-19騒動をうまく乗り切っており、政府のほどほどの都市封鎖のおかげもあって、今年のGDPはたった1.5%しか下落しないという我々の予測は、全体の合意をはるかに上回る数値となっている」と経済学者のアンドリュー・ケニンガム、デイビッド・オクスレイ、そしてメラニー・デボノが書いている。




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 北欧経済は全体として、それ以外の国々と比べれば、COVID-19の嵐をまず無難に乗り切ったようで、「受けた傷も少なかった」と報告書には書かれている。

 「断固とした政策を打ち出したことと構造的要因の組み合わせにより、北欧経済におけるCOVID-19の被害は限定的なものになるだろう――特にユーロ圏との比較ではそうだ。それにもかかわらず、政策立案者たちは満足しているわけではなく、より厳しい政策は今後何年も続くことになる」というのが報告書に寄稿した上記3人の経済学者たちの意見だ。

 しかし、COVID-19の影響は持続し、北欧経済全体の活動は今年末まで、COVID-19以前のレベルを下回る可能性が高いとCapital Economicsは述べている。

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 Capital Economics は、デンマークとノルウェーの経済産出量(生産される財・サービスの合計値)が今年は約3%減少する一方で、スウェーデンはさらに縮小すると予測した。

 以下はCapital Economicsの報告による北欧諸国の経済の概況である。

・スウェーデン: 「欧州はどの国もひどいがその中でベスト」
・ノルウェー:「回復傾向にあるが勢いがなく成長とまでは行っていない」
・デンマーク:「封鎖措置を早目に切り上げたおかげで不況を制限できた」


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アル・カポネが生きていたら誇りに思うだろう。シカゴは腐敗し、犯罪が蔓延する米国の殺人首都であり、暗黒の未来を予見させる

<記事原文 寺島先生推薦>Al Capone would be proud – Chicago is the corrupt, crime-infested murder capital of the US, a glimpse of a dystopian future
RT 論説面
2020年7月27日

ミッチェル・ファイアーシュタイン
ミッチェル・ファイアーシュタインはグレイシャー環境株ファンド(訳注 環境改善の役割を担っている企業の株式だけに投資するファンド)の最高経営責任者(CEO)であり、「Planet Ponzi:How the world Got into This Mess, What Happens next, How to Protect Yourself.」の著者。拠点はロンドンやマンハッタン。 Twitter、Instagram、Facebookは@Planetponzi

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月5日


 その「風の街」は、記録的なレベルの銃撃と殺人に苦しんでいる。そして、その指導者は、すべての民主党員と同様に、暴徒に頭を下げ、警察への予算を打ち切ることを求めている。それは狂気の沙汰だ。しかし、それはすべてトランプを倒すことを目的としている。

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Appeasing the crowds? Chicago pulls down embattled Columbus statue days after mayor agrees to let feds in

      
 アメリカではどのようなことでも起こりうるが、特にアメリカ大統領選挙の年にはそうだ。アメリカの民主党の指導部は、よく組織されており「あらゆることに抵抗する」陰謀に資金を提供してきた。それは、アメリカ人を恐れさせ、11月の選挙結果に影響を与えるように意図されてのことだ。彼らは、国中で隣人への恐怖をしみ込ませることを目的としている。そして、政府機関や法執行機関への信頼を不安定化させ、低下させ、連邦政府を全力で打倒しようとしている。

 この陰謀の柱には、政治家、地方弁護士、教員組合、教授たちと同様に、司法府、米国諜報機関、FBI内の民主党活動家が含まれている。これらの活動家は、法の支配を尊重するのではなく、暴徒や暴徒の支配による、権力に酔いしれた命令に従ってきた。

 暴徒は、最近の歴史の中で最も重大な国家犯罪の波が押し寄せている時に、警察への予算を打ち切るように求めている。狂気じみたことは、イリノイ州、ニューヨーク、シアトル、オレゴン州、ミズーリ州などの民主党活動家が、暴徒の要求に屈して、警察の予算削減や犯罪者を起訴しないという要求に屈する計画を持っていることである。彼らは犯罪の波の中で法執行を削減している。正気の沙汰ではないが、それは目的を持った狂気だ。警察のない国は無秩序におちいる。無秩序は恐怖を生み出す。恐怖は変化への投票につながる。変化への投票はトランプ以外の誰かへの投票となる。

 暴徒とは誰だろうか? そのメンバーは、アンティファ[訳注 アンチ・ファシストの略称で、人種差別や性差別などに反対する団体]や「黒人の命も大切だ(BLM)」運動の急進的メンバーで、暴力的な無政府主義グループに属しており、マルクス主義の教義に基づく強いイデオロギー的な背景を持っている。これらの急進派は、「暴力はアメリカを変えるために必要な方法である」と述べている。これらのグループは、資産を破壊し、店舗や歴史的象徴、連邦政府の建物を略奪してきた。民主党員はだれも暴徒を非難しておらず、暴徒の好きなようにさせている。
   
 最近のインタビューで、「黒人の命も大切だ(BLM)」の指導者であるホーク・ニューサムは「暴力によって一体何を達成したいのか」と問われ、こう答えた。「そのような質問をするのは興味深いことだ。なぜならこの国は暴力に基づいて作られてきたからだ」。ニューサムは続けてこう述べている。「もし、この国が私たちに私たちが望むものを与えないならば、私たちはこのシステムを焼きつくし、それを取り換えるであろう。そして、私は比喩的に話しているとも言えるし、またはまさに文字通りに話しているとも言える」。別のインタビューで、「黒人の命も大切だ(BLM)」の共同創設者であるパトリス・カラーズは、彼女の経歴を示した。「たちはマルクス主義者として訓練されており、イデオロギー理論に精通しており、私たちがやろうとしていることは、運動を構築することだ」。それでも、ナイキ、アップル、アマゾンのような企業が暴徒の足元に数百万ドルを投じているとき、私たちは皆立ち上がってその理由を尋ねる必要がある。
   

 暴徒が支配し、気ままに振舞うことを許している多くの州に共通することは何であろうか? それらは、何年も前から民主党の重鎮に率いられていて、経済的に後退していることだ。

 例として、イリノイ州を見てみよう。イリノイ州は、暴力的危機の真っただ中にある破産した州だ。イリノイ州のシカゴはアメリカで3番目に大きい都市であり、そのけた外れの殺人率によりシャイラクとして知られるようになった。[訳注:ChiraqというスラングはChicagoとIraqとの造語。シカゴで殺害された年間死亡者数が、イラクやアフガニスタンに派兵された米兵の同年の死亡者数を上回ったことから名付けられた。] シカゴは今でも、その犯罪や過去から続く汚職のある都市として、アメリカで最もよく知られている都市のひとつである。
          
 1920年代、シカゴは、犯罪組織「シカゴ・アウトフィット」の活動の拠点だった。シカゴは、アメリカ史上、最も悪名高いギャングであるビッグ・アル スカー・フェイス カポネによって運営されていた。「聖バレンタインデーの大虐殺」として知られるようになった虐殺では、シカゴの路上で白昼に、カポネはライバルの7人のギャングをトンプソン・サブマシンガンで殺害した。メディアはカポネを「民衆の敵NO1」と呼んだ。
     
 今日、シカゴの民主党の市長は、シカゴの最初の女性市長で、同性愛者であることを公言しているロリー・ライトフットである。ライトフットは、2019年5月に就任し、今年1月以来、すべてを制御下に置いていると主張しているにもかかわらず、彼女の管理下で、2,170人以上が市内で銃撃されている。6月の射殺事件は、2019年の同月と比較して75%増加した。

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 現実に、ライトフットは、歴史上もっとも血まみれの7月4日の週末を統括していたが、その時に17人が殺害された。殺害された17名の中には、ギャングによって射殺された7歳のナタリア・ウォレスが含まれていた。この美しい少女は、祖母の前庭で遊んでいて、頭部を撃たれた。シカゴのような無法都市では、毎週末、数十人の黒人の命が失われ続けている。怒りや憤りはどこに行ってしまったのか? これらの無意味な殺人を終わらせ、子供たちを守る計画はどこにあるのだ?また、これは政治的なご都合主義とはちがうのか?
    
 ライトフットは以前、シカゴの住民に対して、リトル・イタリーやグラント・パークにあるクリストファー・コロンブス像を撤去することはないと約束していた。しかし金曜日、「コロンブス像を撤去し、シカゴ警察から資金を引き揚げる」ことを求める暴徒に屈服した。 3時に、ライトフットは、仲間にコロンバス像を撤去させたのだ。そして、暴徒たちが彼女の家の前に集まり、彼女の「辞任」を求めてシュプレヒコールをあげていた時には、ライトフットは家から逃げ出していた。
    
 シカゴの首席検察官であるキム・フォックス地方検察官の政策は、犯罪との闘いに役立っているだろうか? いいや、正反対だ。 フォックス地方検察官は現在、俳優のジャシー・スモレットがでっちあげ、仲間にやらせた偽の憎悪犯罪に対する起訴を即座に却下した際の彼女の役割について、自身が調査を受けている。
    
 イリノイ州はリーダーシップを高くかかげているだろうか?全くそうではない。これらの指導者たちは民主党の政治機構の一部だ。これらの「指導者」は、どのような犠牲を払っても権力や影響力をしっかりと維持したがっている。知事は民主党の寡頭政治家の一人であるJ.B.プリツカーで、その純資産は約40億ドルだ。J.B. プリツカーの妹は、民主党の重鎮ペニー・プリツカーで、その純資産は約25億ドルだ。かつてはバラク・オバマの最高補佐官の1人であった。
    

 ビッグ・アル・カポネが生きていたら、シカゴを誇りに思うであろう。結局のところ、今日のシャイラクは、スカーフェイスのモデルに倣っている。物事は変われば変わるほど、ますます同じでありつづける[訳註:本質は変わらない]。カポネから100年経った今も、シカゴは腐敗し犯罪が蔓延しているアメリカの殺人首都だ。シカゴが、同族主義的な、そして選挙後のアメリカの社会モデルにならないことを望んだほうが良さそうだ。
     


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アメリカは今、ぞっとするような危機にさしかかっている。このあと待ち受けるのは人種間の争いや内戦か?


<記事原文 寺島先生推薦> This is a critical point in US history. We’ve entered a dangerous, chilling period that could lead to a race or civil war

RT 論説面 2020年7月28日

ミッチ・ファイエルシュタイン
ミッチ・ファイエルシュタイン氏はグレイシア環境基金の取締役社長であり『詐欺の惑星~なぜ世界はこんなに混迷してしまったのか、次に起こることは何か、自分の身をどう守れば良いのか?』の著者。同氏の生活拠点はロンドンとマンハッタンである。ツイッターやインスタ、フェースブックはこちら @Planetponzi
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2020年9月2日


 米国の民主主義は危機的状況にある。ロシアゲート、ストーミー・ダニエル(訳注 トランプと性的関係を持ったと主張した女性)、政治的陰謀にもとづく弾劾、選挙で選ばれた正当な大統領を排除しようという止むことのないクーデター。
すべては、何ものも民主党がトランプを追い出すことを止められないという印だ。

 民主党と民主党の活動に同調する陰謀団は、ドナルド・トランプを追い出すためならどんなこともするだろう。この陰謀団が、ニセ情報を流すメディアに支えられて、仲間たちと手を取り合って暗躍している。そのメディアが流している情報というのは、各地で広まっている暴動や人種間の闘争や略奪や放火は「平和的な抗議活動」の範囲内である、という情報だ。2020年の米国大統領選挙は、ゆがんだ形で伝わっているトランプと、バイデンの裏にいる目に見えない操縦者とのどちらかを選ばないといけない、という究極の選択を強いられる。

 アメリカ合衆国国家情報長官のジョン・ラドクリフにより開示された文書と先週明らかになった文書を読めば、その陰謀団がどんなことをしているかのわかりやすい例が見える。これらの文書によると、2016年に米国の法執行機関の頂点にいる連邦捜査局が、大統領選における不法なスパイ行為を「防衛事案」ということばで説明したため、トランプとロシアが共謀しているという大げさで根拠のない言説をまき散らす手助けになったのだ。オバマやバイデンはこのことに一枚かんでいたのだろうか?これこそ、選挙で選ばれた正当な第45代合衆国大統領ドナルド・トランプに対して計画的なクーデターを企てようとする動きだ。

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 米国が理解する必要があることは、知性もあり政治思想も持っている「ミューラー(訳注 ロバート・ミューラー、米国の元連邦捜査局長官)の検事団」気取りの狂信者たちが 、大統領であるのは違法であるとトランプを追い立てたことだ。そのような「検事団」の1人であり、2016年の大統領選においてヒラリー・クリントンの支持者であることを公的に認めていたアンドリュー・ワイズマンは、 無実であるという証拠をもみ消し、政治的に偏りのある態度や敵意をもって行動し、マイケル・フリン将軍やロジャー・ストーンやポール・マナフォートをおもに刑事手続きの罪で起訴した。ワイズマンのこのような行為には違法であるものも含まれていた。それなのに、ジョー・バイデンとハンター・バイデンの親子が、ウクライナや中国で起こした利益相反疑惑については、決して適切に捜査されることはなく、彼らは「何をしても刑務所に入らなくて済む」チケットを持っているかのようだ。まさに、「二枚じかけ」だ。この掟は汝には適用されるが、我には適用されぬ。こんな正義の平等などあるのだろうか?合衆国司法長官ジェネラル・バーやダーハム氏よ。あなたがたはどこにいらっしゃるのですか?

 落ちはこうだ。ワイズマンは、静かで不法なクーデターを辞める気はないだろう。ワイズマンは 『物語、オレの3000万ドル超のカネで死に馬のロシアを棒で叩いて走らせる、ロシアよ走れ、走れ』という著書を11月の大統領選に向けて出版予定だ。エコーチェンバー効果(訳注 狭い場所で同じ情報を流し続けると大きな宣伝効果が出ること)により西海岸から東海岸までみながこの本を気に入るだろう。偽ニュースを流すメディアもきっと。

 ロシアゲートのせいで4000万ドル近い税金が費やされた。本当の罪人は、FBIであり、CIAであり、アメリカ合衆国司法省であり、米国務省であり、外国情報活動監視裁判所でさえそうだ。これらの機関が民主的に選ばれた政府を転覆させる筋書きにおいて効果的な役割を果たしたのであり、こんな機関などとても信頼できるものではない。これが、米国の八百長のような二重構造の法体制のもうひとつの例だ。そうだ・FBIや合衆国司法省など信頼できるわけがない。

 共和党員であれば、罪に問われる。民主党員であれば何をしてもお咎めなしだ。例えば「すべて女性の活動を信じるMe too運動」も、バイデンがケチをつければ後回しになる。明らかに、ある女性の意見がきちんと受け止められるのは、その女性が反共和党の主張をしているときだけだ。

 私たちが理解すべきなのは、今私たちは歴史上とても大事な局面にいるということだ。合衆国はぞっとするような危険な時代を迎えている。一瞬で人種間の抗争や内戦が起こってしまうかもしれない局面にいるのだ。どんな犠牲を払っても、どんな手段を使ってでも、トランプを排除しようと企んでいる反乱軍や政治団体の動きのせいで、民主党が政権を握る都市の多くでは、愚衆政治に陥り、暴力が生み出されている。これは民衆の命に関わることだ。本当にすべての命が大事にされているのだろうか?


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トランプがやりたがっていることはすべて民主党が選挙に勝つための狙い目にされているし、これからもされるだろう。議論を呼んだ学校再開に向けての騒動を見て欲しい。世界中で、ある生徒が学校の先生に新型コロナをうつしたという文書はひとつも報告されていない。しかし、そんなことはどうでもいいのだ。「トランプが学校を再開させたがっているのだから、それは悪い考えに違いない」ということだ。米国の「科学党」は喜んで新型コロナの事実を曲げて伝えるだろう。それが選挙に勝つ手助けになるとしたら。

 なぜ教員たちは学校を閉鎖したがっているのだろうか?その答えは、2016年の大統領選で、教員の71%は反トランプ派に投票したからだ。さらに大学教授のうち共和党支持者はほんの10%しかいない。なぜ、学校やスポーツの大会や他の大きな集いがすべて取りやめになっているのに、アンティファやBLMが率いる反トランプ暴動や略奪や放火は例外的に取りやめにならないのか?米国中の教職員組合における民主党活動家たちは心配や憎悪や恐怖を増進させている。そうなると有権者は変革を求めるようになるだろう。たとえ、それがステージ4の認知症を持つと思われている候補者への投票につながるとしても、だ。この取り違えは、ほんとうに恐ろしいことだ。

 トランプは、陰謀団と偽ニュースを流すメディアの本当の姿を晒してくれたのだ。民主党地獄が拡がり、分断を産むことになっている。今米国に必要なのは連帯することなのに、だ。未来のことを100%完全に正しく予想することなど誰にもできない。しかし、今回の大統領選で勝者が誰もいないという事態は十分に予想されることだ。この先世界が今よりも安全で皆にとって幸福な場所になることはないだろう。我々が本当の変革を実現しない限りは。そしてその変革というのは、認知症のバイデンがバーニー・サンダースや民主党の真の指導者や「部隊長」アレクサンドリア・オカシオーコルテスからの受け売りで取り込んだマルクス主義という潮流では起こせない変革だ。
    


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