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米国の殺人警官は「イスラエルがパレスチナ人たちに自信を持って使用する技」を習得していた。ロジャー・ウォーターズがRTに語った

<記事原文 寺島先生推薦>US killer cops mastered ‘fascist Israel’s technique proudly used on Palestinians’ – Roger Waters to RT

RT ワールド・ニュース

2020年6月24日

 英国のバンド、ピンク・フロイドの創立者の一人であるロジャー・ウォーターズ氏は、イスラエルがパレスチナ人に対して行う攻撃と米国の警官が米国民に対して行う攻撃に奇妙な類似性があることを見出している。

 伝説的な歌手ロジャー氏はRTに「今こそ」世界は両国に批判の声を上げるべきだと語った。


 「ついに反撃ののろしはあがった」。6月23日、ウォーターズ氏はRTの「ゴーイング・アンダーグラウンド」というコーナーでこう語った。これは、5月にミネアポリスで起こった警官によるジョージ・フロイドさん殺害事件以降米国全土で繰り広げられている抗議活動や暴動について語っていた時の言だ。「やるなら今しかない」



 フロイドさんを殺害する時に使われた膝をつかせて窒息死させる攻撃方法は、ウォーターズ氏によると「IDF(イスラエル国防軍)がパレスチナの占領地域で自信を持って採用している攻撃方法」だそうだ。

 イスラエルの国家警察局の報道官は最近同国の警察が容疑者にそのような攻撃措置を取ることを否定し、イスラエルの対テロリスト部隊が米国の警官たちにそのような攻撃方法を合同研修の場で伝授したことはないと付け加えた。
しかし、米国の警察は定期的に警官をイスラエルに派遣し研修を受けさせており、そのような研修は米国本土でも実施されている。フロイドさんを殺害した警官が所属していたミネアポリス警察署 も2017年にシカゴで行われたイスラエルの警官との合同研修に100人の警官を派遣していた。

「米国の通りは占拠された」ウォーターズ氏はこう宣言し、「ファシスト国家イスラエル」は米国の警官たちを軍隊に変える手助けをしている、と厳しく非難した。

ALSO ON RT.COM

It’s Israel’s CHOICE whether to annex West Bank, Pompeo proclaims

 ウォーターズ氏は長年、イスラエルの国策について批判し続けている。米国での抗議運動を称賛するとともに、彼が国際社会に呼びかけたのは、来週予定されている西岸被占領地区のユダヤ人入植地の併合[訳注:パレスチナ自治区内のユダヤ人の入植地をイスラエルが併合しようとしていること]を非難することだった。

 「パレスチナの人々はイスラエルの人たちや我々と同じ人権を持たないといけない」、ウォーターズ氏はRTに述べ、さらにこう続けた。「パレスチナ全土をパレスチナの人々から奪うのは自己決定権や法の下での人権を保証することにはならない」
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私はコロナウイルスで死亡診断書に署名しました。被害者数の統計が信用できない理由は死亡診断書にあります

〈記事原文 寺島先生推薦〉
I’ve signed death certificates during Covid-19. Here’s why you can’t trust any of the statistics on the number of victims

RT 論説面

2020年5月28日

マルコム・ケンドリック氏。イギリスの国民保健サービス(National Health Service)で救急救命医として働いている医師兼作家。著書 Doctoring Data – How to Sort Out Medical Advice from Medical Nonsense

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年7月29日
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 私は国民保健サービス(NHS)の医師として、人々が亡くなってコロナウイルス検査を受けることなくコロナウイルスの犠牲者として名簿に記載されるのを見てきました。しかし、正確なデータがない限り、コロナウイルスで死亡したのか、ロックダウンが原因で死亡したのかが分かりません。

 たいていの人は、死亡診断書に書かれている死亡原因が、しばしば教育を受けているとはいえ医師の推測に過ぎないことを知って驚かれると思います。ほとんどの人は、高齢になると亡くなります。80歳を過ぎれば特にそうです。そのとき検死が行われることはほとんどありません。それは、つまり、医師ならば患者の生前最後の2週間ほどの症状について考えをめぐらすということです。そして既存の病状を探すために記録を見ることになります。

 これまでにかかった脳卒中、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、狭心症、認知症などです。それから、親戚や介護者に話しかけ彼らが見たものを発見しようとします。患者の呼吸が苦しそうでなかったか、様態が徐々に悪化して食べたり飲んだりできていなかったか。

 もし私が患者の生前最後の2週間にその患者を診ていたとしたら、私なら何が最も死因として可能性が高いかと考えるでしょうか。もちろん、他の要因もあります。彼らが転倒し足を骨折し手術を受けなかったか?その場合には、手術が原因だったかどうかを確認するために検死が行われる可能性は高くなります。

ALSO ON RT.COM

I've just opened a box of expired PPE with a new date stuck on it. As an NHS doctor, I never used to believe in conspiracies

 しかし、ほとんどの場合、地域社会では死亡診断書は厳正でもなく科学的でないのも確かです。これまでも決してそうではなかったですし、今後も決してそうではないでしょう。病院では、検査やスキャンなどが多いため、幾らかはやや正確であることは本当です。

 その後、コロナウイルスが登場し、多くのルールは、それらはつまらないルールもありましたが、消えてしまいました。ある時には、他に誰もいなければ親族が死亡診断書に記入できるとさえ言われました。これが実際に起こったかどうかは定かではありませんが。

 私たちは今何を期待されているでしょうか? もし高齢者が介護施設や自宅で死亡した場合、彼らはコロナウイルスが原因で死亡したのでしょうか?まあ率直に言って、誰に分かるでしょうか。彼らがコロナウイルス検査を受けていなかった場合には特にそうです。その検査は数週間にわたり許可されませんでした。入院患者のみが検査の対象とされていました。他の誰も検査を受けることができませんでした。

 どのような助言が与えられたでしょうか?助言は、国中で、場所によって、そして日によって変わりました。今介護施設にいる全ての人はコロナウイルスによる死亡と診断されていたでしょうか? それは確かに英国のいくつかの地域で与えられた助言でした。

READ MORE:

‘A slow and botched response’: My eight weeks on the Covid-19 frontline have taught me how the NHS made this crisis worse

 私の職場では、物事はより自由なままでした。私は、合意することはほとんどありませんでしたが、同僚と議論をしました。私は2,3の死亡診断書にコロナウイルスと書きましたが、他の2,3の書類には記入しませんでした。その人が亡くなった様子に基づいて記入しました。

 他の医師たちは3月上旬以降に死亡した人にはどの人にもコロナウイルスと診断したことを知っています。私は行わなかったですが。このようなデータから作られた統計から何が生まれるでしょうか?そしてこのようにコロナウイルスを死因としてきた事実は重要なのでしょうか?

 2つの主な理由で非常に大切です。第一に、コロナウイルスによる死者数を大幅に過大評価した場合、ロックダウンによって引き起こされる害をかなり過小評価することになるからです。この問題は、イギリス医師会雑誌(The BMJ)に掲載された最近の記事で見られました。それによると「イングランドとウェールズの地域社会で見られた過剰な死者数の3分の1だけがコロナウイルスによって説明される」とのことです。

 ケンブリッジ大学統計研究のウィントンセンター所長であるデビッド・シュピーゲルハルター氏は、コロナウイルスは地域社会で起こった高い死亡数について何ら説明していないと述べました。

 5月12日にサイエンス・メディア・センターが主催した記者会見で、シュピーゲルハルター氏は、ここ5週間、介護施設やその他地域の施設は、ベッドの需要が高くなると予想される病院から患者たちが退院させられたため、通常予見されるより3万人死者数が増加するという「仰天する負担」に対処しなければならなかったと説明しました。

ALSO ON RT.COM

UK government’s callous disregard for care home residents – old, sick people acutely vulnerable to Covid-19 – has been a disgrace

 これらの3万人のうち、1万人だけが死亡証明書でコロナウイルスと特定されました。シュピーゲルハルター氏は、これらの「過剰な死」の一部は診断不足の結果であるかもしれないこと、自宅や介護施設で説明されてない残りの死者数が膨大で異常であること、振り返って見るとき、病院外でのコロナウイルスでない残りの死者数の増加について、本当に真剣な注意が払われるべきものだと述べています。そして、もし病院にたどり着くことができていれば、死亡した人の多くが、もっと長く生きられたかもしれないと述べています。

 シュピーゲルハルター氏がここで述べていることは、コロナウイルスによる死というよりもむしろロックダウンで死亡している人が多いということです。なぜなら彼らはコロナウイルス以外の症状を治療するためには通院していないからです。ロックダウン以降、救急救命科の患者が50%以上減少していることがわかります。胸の痛みを伴う入院は50%以上減少しました。これらの人々は自宅で亡くなったのでしょうか?

 私自身の見立てでも、確かに高齢者の患者を病院に受け入れることはかなり困難であったろうと思います。私は最近、コロナウイルスではない、敗血症であることが判明した1人の高齢の男性を診察しました。もし彼が介護施設で亡くなっていたら、彼はほぼきっと「コロナウイルスによる死亡」と診断されていたでしょう。

READ MORE:

‘Unmitigated disaster’: Fury as UK suffers highest rate of excess deaths per million in the world during Covid-19 crisis

 結論は、もし私たちが死者について正確に診断していない場合、何人がコロナウイルスで亡くなったのか、何人がロックダウンで死亡したのかを決して知ることができないということです。ロックダウンを支持し、政府にそう助言する人々は、コロナウイルスがいかに致命的であったかを指摘し、彼らがしたことは正しかったと言います。そうであったとしても、ロックダウン自体も同様に致命的だったのです。コロナウイルス対策というただ一つの状況に対処するために、他の全てのものからケアを排除したのです。加減の悪い人、病人、脆弱な人々を病院から遠ざけたのです。

 正確な統計が極めて重要であるもう1つの理由は、将来にむけての計画のためです。世界がより緊密になるにつれて、ほとんど避けられないと思われる次のパンデミックに備えるために、私たちは今回何が起こったかを正確に知る必要があります。ロックダウンの利点は何であるのか、その害悪は何であるのか?死をもたらすウイルスが次に襲来したとき、私たちは何をすべきなのか?

 もしコロナウイルスが3万人を殺し、ロックダウンが他の3万人を殺したのであれば、ロックダウンは完全な全くの時間の浪費でした。そして二度とあってはならないものです。たいへん懸念されることは、これは政府が聞きたくないメッセージであるということであり、彼らはそれを聞かないように可能な限りの手立てを行うということです。

 今年私たちが見たすべての過剰な死は、コロナウイルスによるものであったと判定されるでしょう。もし、実際に誰がコロナウイルスで亡くなったのか、だれがそうでなかったのかについて誰もその実態を知らないのであれば、逃げ道ははるかに簡単になります。コロナウイルスによる死者に関するデータは本当に重要なのです。


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影の政府がトランプを嫌っているのは、帝国に対して醜い表情を見せるからだ。

<記事原文 寺島先生推薦>The establishment only dislikes Trump because he puts an ugly face on the empire



RT 論説面
2020年6月4日

ケイトリン・ジョンストーン


ケイトリン・ジョンストーン氏はオーストラリアのメルボルンに本拠地を置くフリージャーナリスト。彼女のサイトはこちら。Twitterアカウントはこちら

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年7月31日



 全米国大統領バラク・オバマは、ジョージ・フロイド殺害に関する感動的な演説をしてリベラルから賞賛を得たが、一方トランプが手にしたのは憎しみだけだった。二人とも事態を収拾するために何もしていないのに、だ。ただトランプは醜い表情で演説をしただけだ。

 バラク・オバマは、全米で起こっている「黒人の生命も大事だ」抗議活動についてどうでもいい演説をした。その演説は耳あたりのいいことばや中身のない内容でいっぱいだった。まさにそれは、大統領として8年間かけて、期待を持たせるような空虚な語りを駆使して進歩的な運動を押しとどめる一方で、前職のブッシュと変わらない殺人行為は前に進めた彼らしい演説の中身だった。

 前大統領のオバマは、二期在職中、自分が米国で1番力を持っている人物ではないかのように「チェンジ」を起こすことが必要だと語っていた。その彼が、全米の警官を賞賛してこう言った。「大多数の警官は市民たちを守り市民たちのためにつくしている」と。そして警官たちに、空虚な連帯感を示し続けることで抗議活動者たちをなだめるよう励ました。

 「私が見たいのは警官たちが警察が果たすべき役割を再構築しようという目標を共有している姿だ」。6月3日、オバマはこう語った。「自分の使命は我が国の国民たちに尽くすことだということを誓った警官たちがいる。そして、その任務はとても
大変な任務だ。警官の皆さんはここ数週間で起こっている悲劇に対して、抗議活動をしているたくさんの人たちと同様に激しい怒りを感じていることを私は知っている。だからこそ、私たちは大多数の警官の皆さんに感謝している。皆さんが我々を守り我々のために尽くしてくれている。私が心を打たれているのは「私もあの抗議活動をしている人たちとともに一緒に行進させて欲しい。寄り添っていっしょにこの問題の解決に取りくませて欲しい」と思っている警察官たちの存在だ。彼らは自制心をもって奉仕的精神や使命感や話を聞こうという態度を見せてくれている。警官の皆さんこそが、今対話の輪の中に入るべき存在なのだ。そしてチェンジを実現するには全ての人が参画することが必要となってくるのだ。」

 

 ジョージ・W・ブッシュも抗議活動について言及した。いわゆる「思いやりのある保守主義」という精神を持って。だがその精神こそが百万人ものイラク国民を殺害したのだ。だからこそ、リベラルたちは彼のコメントに対してツイッターで熱く反応しているのだ。ブッシュは感情を込めてこう言った。「共感しよう。ともに参画しよう。大胆な行動に出よう。正義に根ざした平和を築こう」。米国の見せかけ上の二大勢力の両方の側にいる陰の支配者たちのことばを伝えるものたちは、二人の元大統領と彼らの調和が取れた癒やされるようなことばに対して賞賛の嵐をマスコミに浴びせかけ続けている。確かに、二人が使うことばはかなり素敵だ。二人は状況を全く変えはしないだろうが、でも、2人の話は耳当たりがいい。


 そして、この2人の姿こそが米国大統領が果たすべき本当の役割なのだ。警察の残虐性を終わらせ、アメリカ市民のためになるような改革をしたりしないこと。そして、世界を少しでも暴力的や殺人的でない場所に変えてしまわないこと。大統領の役割は美辞麗句を並べたて、民衆を心地よい宣伝文句のまやかしで無意識にさせ、その隙に実際に世界を回している反社会的金持ち連中がこっそりと民衆から略奪できるようにすることだ。

 大統領の役割はツイッターで荒々しいことばを使い「悪党ども」を攻撃して、ツイッター社から検閲を受けることではない。大統領の役割は戒厳令を出すと脅して国家の意思に反することをすることではない。大統領の役割は軍を使って抗議活動者たちを残忍に扱い、放火された教会の前で聖書を上下さかさまに持ってポーズをとることではない。ジョージ・フロイドの弟に電話をかけて、彼に対してじゃけんで興味なさげに軽蔑的な扱いをすることではない。流行蔓延に対する初期対応を間違え、警官による殺害事件に怒っている世論に対する対応を間違え、悲しみを和らげたり共感を示すようなことばをかけて、国民の意見を聞く態度や国民を思いやっているという態度を示さないことではない。大統領の役割は独立記念日の花火なのに、首都がまるで燃えているかのような写真が出回るような雰囲気を作ってしまうことではない。そう、まさにこのことこそが、陰の支配者たちの特定の人々がトランプ大統領を毛嫌いしているたった一つの理由なのだ。

 現職の大統領よりも力を持つ陰の支配者たちの邪悪な企みをいくつもいくつも私が指摘すると、必ずトランプの支持者が私に尋ねる質問はこうだ。「なるほど、ではトランプが陰の支配者たちのいうことを聞いているのだったら、なぜ大手メディアや政治家たちはトランプのことをあんな風に激しく攻撃するのかい?え?」

 

 今からその理由を述べよう。一見、民主党と民主党と歩調を合わせるメディアがトランプを思いもつかないような辛辣なことばで金切り声を上げて批判しているように見える。しかし、それはトランプが内政面や外交面において、陰の支配者に有効な方法で楯突いているからではない。トランプは陰の支配者たちの毒のような企みに対して何の意味のある抵抗も示していない。トランプ大統領が陰の支配者たちのことばを伝える人たちからこんなに辛辣に批判されている理由は、トランプは前任者たちと違い、帝国に対して醜い表情を見せるからだ。

 

 金持ちの帝国の利益を前進させることに命をかけている人々はトランプのことを役立たずな経営者であると見ており、トランプが無粋で不器用に大統領の仕事をするために帝国がやっている邪悪な行為に対して人々から目が向けられることを恐れているのだ。たとえば、米国警察はトランプが大統領になって以降残虐で人種差別的になったわけではない。ただトランプが事態に上手く対処し、上手なことば使いができないので、国民が目を覚ましたり反乱を起こしたりしているだけだ。

 陰の支配者のことばを伝える者たちは、世論を目立たないようにたくみに操る方法が分かっている。さらに彼らは帝国の無能な下僕が、宣伝文句によって催眠状態になっている民衆に平手打ちを簡単にくらわしてしまうことも理解している。彼らがトランプを毛嫌いする理由は、新米ママが近所の騒音を嫌うのと同じだ。赤ちゃんを起こされるのがいやなのだ。彼らがトランプを嫌っているのは、トランプが悪いことをするからではない。トランプが人々を眠りから覚ますようなやり方で悪いことをするからだ。

 これこそが、トランプ在職の4年間、政治家やメディアがあんなにもおかしく見えた理由だ。トランプが忠実な帝国の下僕ではなかったからではない。(実際は、彼は下僕だ)。ロシアの回し者だったからではない。(実際はそうではない)。出来損ないの突飛な大統領だからではない。(実際は彼はそうではない)。本当の理由は、殺人的な帝国による気分が悪くなるような邪悪な行為が大衆の目にさらされてしまうからだ。それ以上でもそれ以下でもない。

 

 

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ケイトリン・ジョンストーン。人々を騙すのが米国の情報機関の仕事だ。ニューヨーク・タイムズが出したアフガニスタンでの報奨金についての記事はCIAがニュースだと装って垂れ流した情報だ


<記事原文 寺島先生推薦>
Caitlin Johnstone: It is the US intelligence’s job to lie to you.
NYT’s Afghan bounty story is CIA press release disguised as news



RT 論説面

ケイトリン・ジョンストーン


ケイトリン・ジョンストーン氏はオーストラリアのメルボルンに本拠地を置くフリージャーナリスト。彼女のサイトはこちら。Twitterアカウントはこちら




 「米国の工作員からの情報によると」という終わり方をする見出し記事を目にすれば、それまでに読んだ部分については、「フムフム。これはこの話は嘘だと言っているのだな」と考え直した方がいい。

 「ロシアが秘密裡にアフガニスタンの武装組織に米国兵士を殺害するための報奨金を申し出ていた。米国の工作員からの情報だ。」という見出しのニューヨーク・タイムズの記事が世間を賑わせた。 ニューヨーク・タイムズに匿名の情報源が伝えたところによると、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)が秘密裡にタリバン関連の武装組織にアフガニスタンの合同軍を殺害すれば報奨金を出すよう申し出ていたそうだ。そしてその標的には米軍も含まれていて、トランプ政権はこの事実を何ヶ月も前から知っていたそうだ。

 はっきり言って、これは報道機関による誤報だ。大手メディアが証拠もなしにこのような匿名の情報源からの記事を出す時は、CIAがニュースだと装って流した記事をただ垂れ流しているだけに過ぎない。そんな記事が伝えるのは、読者に情報工作員と呼ばれるものたちが、公平で責任のある情報と見せかけて、我々に何を信じようとさせているかということだ。こんなやり方は、大手メディアのニュースでは日常茶飯事にみられるものであるが、 だからといって道義に反するものではないと言っていいわけが無い。

ALSO ON RT.COM

There they go again: NYT serves up spy fantasy about Russian ‘bounties’ on US troops in Afghanistan

 イラクへの侵略戦争後の世界において、米国や米国の同盟国の情報工作員からの敵対国家に対する匿名の証拠のない非難に対応できる唯一の手段は、反論材料を山のように大量に積み重ね、彼らの言い分が嘘であることを証明する方法しかない。米国はこんな嘘を重ねてきた記録をたくさん所持しているので、ほかの対応方法は合理的な方法ではない。さらに、米国の情報工作員は常にこのような嘘を成り立たせるための基礎的な役割を果たしている。

 大手メディアに統制された虚構の外からの声が叫び続けているのはこれらの情報が、「根拠もない、信頼できない、たとえ情報が真実だとしても報じ方が全く公平ではないもの」であるという事実だ。

 「昔からあるいつもの話だ。いわゆる情報工作員がありえない話をでっち上げてメディアに情報を流し、メディアはそれを匿名の関係者からのタレコミだと伝える」。ジャーナリストのステファニア・マウリチ氏はこうツイートした。

ALSO ON RT.COM

America to end ‘era of endless wars’ & stop being policeman, Trump gives same old election promises he broke


 「だから逆に、私たちは、まさにその米国情報機関が報奨金を払って無実の囚人たちをキューバのグアンタナモ収容所に連れてこさせたことや、アフガニスタンでの拷問について嘘をついたことや、イラクの大量破壊兵器やベトナムのトンキン湾事件などを戦争の口実にでっち上げたことなどをさもありなんと思えるのだ。これだけの事をやってきたのに、証拠はあったのだろうか?」作家で分析家でもあるジェフリー・キー氏はこうツイートした

 「ロシアがアフガニスタン駐留の米軍に対抗するためタリバンを支援するなど全くありえない話だ。一方、米国がシリアでロシアと対抗するためにイスラム教の聖戦主義者たちの反乱軍を支援するのは全く問題はないのだろうか?聖戦主義者たちは、タリバンは英雄であると公言しているのに」。こうツイートしたのは、作家で分析家でもあるマックス・アブラムズ氏だ。

 一方、トランプ政権を批判している民主党のマックレジスタンスという団体は、この根拠のないでっち上げ記事を本当にあった恐ろしい事件としてとらえており、レイチェル・マドー氏はこの記事をプーチン大統領がアフガニスタン駐在の米国兵士の「クビ」を取るために報奨金を持ちかけているとまで言っている。このような言い方は興味深い。というのは、米国兵士のクビに報奨金を出すという行為を有り得ることだと考えるのは、この手口が他国を植民地にするという野望のために実際米国政府がやってきた恐ろしい手口の1つだからだ。そのような米国の手口は今回のようにニューヨーク・タイムズがでっち上げたことではなく、歴史上本当に起こったこととして認知されていることだ。

 多くの人々が指摘しているように、ロシアがアフガニスタン駐留の米軍に反攻しようという過激派組織に資金を提供するのは正当な行為であることは理にかなっている。そのような援助は米国と米国の同盟国がシリアでロシアとロシアの同盟国に対して行ったことや、サイクロン作戦という名でアフガニスタンでソ連に対して行ったことと全く同じ行為だからだ。さらに、 本来米軍はアフガニスタンと何の関係もないし、米軍が米国外で起こしている暴力行為は、米軍の勢力拡張論者たちが国外に軍を駐留させるという間違いのせいで起こっているのだ。米軍には簡単に防御できる自国の国境を守る以外に果たすべき役割はない。そして政府が、地球上を自国の軍隊基地でとり囲もうとする前提こそ間違っているのだ。


ALSO ON RT.COM
Unsophisticated’ disinformation: Moscow rebuffs NYT story alleging Russia offered Taliban money to kill US troops in Afghanistan

 しかしそんな議論をする必要はない。なぜなら、今議論の対象にしないといけないことは、今回のような報奨金事象が本当にあった事なのかどうかについて、だからだ。そしてこの事象が実際にあったことだとは到底思えない。米国の情報機関の仕事はまさに人々に嘘をつくことだ。ニューヨーク・タイムズは、機を捉えては新しい戦争を始めるため情報を拡散することをこれまで何度も繰り返してきた。そう、許してはならないあのイラク侵攻もそうだった。嘘で固められた情報のせいで、何百万人もが命を奪われた。こんな主張をきちんと取り上げてもらうには山のような反証材料を積み上げないといけない。そんなことは我々には本当に到底無理な事だ。

 もう一度反芻しよう。「人々に嘘をつくのが米国の情報機関の仕事だ」。さらにもう一度反芻しよう。「人々に嘘をつくのが米国の情報機関の仕事だ。CIAがメディアに流す情報を軽蔑以外の他のものとして受け取らないようにしよう」。

マスクをつける前にまずはこの記事を読んで下さい


<記事原文>寺島先生推薦READ THIS FIRST BEFORE EVER WEARING A MASK (Warning Update)

State of the nation 2020年6月20日

Posted on June 20, 2020 by State of the Nation
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医療関係者でない人や危険度が高い場所にいるとき以外は、マスクをしない方が良い。



“みなさん、重い病気になる前に、マスクを脱ごう“
コロナウイルス指南より

 ほとんどのマスクはかなり健康に良くなく、病気を引き起こす原因にさえなる。理由は以下の通り!

化学物質の排出
 新型コロナウイルスの症状が出ている人々には、新鮮な空気が普段よりずっと必要となる。コロナウイルス症候群は、さまざまな呼吸系と関連する病気であるため、何よりも彼らに必要となるのはプラーナ(気息)で満たされた空気だ。コロナウイルスの感染を防ぎたいと思っている人たちについても同じことだ。

 しかし、化学合成マスクを着用している人は、マスクの原料のほとんどを占める石油由来の合成物を排出する化学合成物を通して呼吸をすることになる。つまり、マスクをしている人は噴霧状の有害化合物を吸い込んでいることになる。

 コロナウイルスの最重症患者は、すでにさまざまな呼吸系の病気をもっているか、化学物質に敏感であるか、その両方の場合も多い。であるので、彼らがマスクをつけることは取れる対策の中で最悪の対策となる。同じことは比較的健康であるが、E.I. Syndrome(環境病症候群)やMCS(多種化学物質過敏症)を保持している人々にもあてはまる。

 箱から出したばかりの新製品のマスクは様々な毒のある化学物質を排出する悪名高いものだ。最高品質とされるマスクでさえ、その多くは有害なVOCs(揮発性有機化合物)を排出する。というのも、もっとも優れたろ過構造を確保するためには、化学物質の網状組織が必要となるからだ。新品のマスクの場合、口や鼻にぴったりと着用することにより、このような化学物質が気化して口や鼻から気管に直接入り込むことになる。

 であるので、新型コロナウイルスの重症患者たちはマスク着用という間違った対策から免れるべきである。化学物質で顔を覆うということは、呼吸器官の状態を悪化させ、主治医がその患者に人工呼吸器をつけさせざるを得なくしてしまう可能性がある。新型コロナウイルス患者に人工呼吸器をつけることは厳しく避けるべきなのに、だ。

指南からの警告:嗅覚神経は血液脳関門が不足しており、その血液脳関門は細胞8個分の厚さがあることで知られている。嗅覚神経の周りには4~6個の細胞しかないので、他の部分と比べて、気化された化学物質が脳内に入り込みやすい部分となっている。そのため、新型コロナウイルスの患者が毒性のあるマスクをつけて、何週間もあるいは何ヶ月も呼吸すれば、脳組織に有害な毒を注入することが避けられなくなる。その人の年齢や健康状態や敏感さにもよるが、このような状況になれば神経症の症状がでてくる可能性もある。

酸素と二酸化炭素
 一度呼吸をするたびに、病人も自分が吐き出したばかりの二酸化炭素を吸い込んでいる。

 新鮮できれいな酸素でいっぱいの空気を吸い込むのではなく、マスクをしていると酸素の吸入を減らし、代わりに呼吸の過程で生産される廃棄物(つまり二酸化炭素)を吸い込んでしまうことになる。

 このようにして微量ではあるが吸入する酸素の量が減ることにより、呼吸器系の疾病の治療に最も役立つもの、酸素分子(O2)が奪われている。
さらに、血液中の二酸化炭素の量が少し増えるだけでも、頭痛やめまいや倦怠感だけではなく不安や心配も増える。



 同じ問題の別の面をあげると、長時間マスクを着用すると低酸素症という名で知られている酸素不足を引き起こす。

 以下の論文を参照: Physician Warns About Prolonged Mask Wearing and Hypoxia

 特にこれらの理由のために、健康な人たちも病気の人たちも疫病から逃れるかのようにマスクの着用は避けた方がいい。そうしないと、コロナウイルスという疫病にかかるという末路を迎えるかもしれない。

不潔で不衛生
 短時間マスクをつけた後でさえも、マスクは汚れる。屋内や屋外のどちらかまたは両方が汚れていればいるほど、マスクはすぐに汚れる。

 マスクは大気中から微粒子や化学汚染物質を集めてしまうだけではなく、一日中これらの物質を蓄積することで、生きていくのに必要である呼吸という行為を妨げる。

 であるので、汚染された環境でマスクを長時間着用すればするほど、マスクは汚れ汚染される。家や車庫にある外気処理フィルターを見てみれば長時間つけ続けたマスクがどうなるか一目瞭然だ。マスクがどうなるかは、外気処理フィルターでおこっていることの小型版だと考えれば良い。

 さらに、止まらない咳やくしゃみ、唾や痰や粘液をはき出すことも考えてみよう。マスクの着用をすすめると必然的に起こってくることは、患者に人工呼吸器をつけないといけなくなるという最悪の結果を招くということだ。まさに、このことがあんなにもたくさんの入院患者が人工呼吸器をつけている理由になっている。マスク着用や人工呼吸器をつけること以外にも、不適切な治療計画はあり、その中にはコロナウイルス症候群に対して強く使用が禁じられている調合剤を出している場合もある。

大事な論点: 新型コロナウイルスの患者に人工呼吸器をつけることは、肺に有害であり死に至る場合もよくある。このことは少なくない医師や看護師たちが証言していることだ。さらに、イタリアの医療学校の5名の教授が以下の科学論文で人工呼吸器の危険性を正しく指摘している。: Covid-19 Does Not Lead to a “Typical” Acute Respiratory Distress Syndrome


免疫系を打撃
 以下は フロリダ州ゲインズヒル市のニュースサイト、アラチュア・クロニカルが出した記事からの引用だ。: Face masks can damage the immune system.

 ストレスは、あなたの免疫を弱める可能性がある。フェースガードやマスクは人工呼吸器のはたらきを阻害しストレスを発生させる可能性がある。コルチゾール(副腎皮質ホルモン)はストレスと密接に関連するホルモンである。このホルモンは、体内のストレス反応で重要な役割を果たし、しばしばストレスの程度を計るのに使われる。

 コルチゾールは、人体機能で決定的な役割を果たす。;コルチゾールは、 副腎から分泌される。新型コロナウイルスの恐怖にもとづくストレスのせいで人体のコルチゾールの分泌量が血液中で長時間多い状態が続くと、 深刻で急激な健康問題につながる恐れがある。

 血液中のコルチゾールの分泌量が多く、しかも長い時間続いた場合(たとえば慢性のストレスが原因となる場合)、以下のような悪い症状が見られることが分かっている

・認知機能の不能
・甲状腺の機能低下
・高血糖など血糖値の不安定化
・骨密度の低下
・ 筋肉組織の劣化
・高血圧
・免疫力の低下と体内で起こる炎症反応、傷の治癒の遅延、その他の健康上の問題
・ 腹部の脂肪の増加,それは体内の他の箇所での脂肪の増加よりも健康上の問題を引き起こす大きな原因となる。腹部の脂肪の増加に伴う健康問題には、心臓発作や脳卒中、メタボリック症候群(内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさった状態)、「悪玉」コレステロール(LDL)の増加、「善玉」コレステロールの減少がある。これらは他の健康問題につながっていく可能性がある。

不快感と落胆
 きつくて、ちくちくして、化学合成物で出来ているマスクをつけたことがある人なら誰でも、知っていることだが、マスクをつけるとあまりに不快な気持ちになり、着けてもすぐに外したくなる。(綿100%のマスクならずっと快適だが、そんなマスクは感染をとめるのには役にたたない)。そして、マスクを着けていないといけないと感じる時間が長くなればなるほど、何をしても気が滅入ってくるようになる。

 このような不快な体験は先述したような肉体面での悪影響をもたらすだけにとどまらず、精神的にも落ち込んだ気持ちにさせられる。
 
 一日の中でマスクを着ける時間が長いほど気持ちがめいってくることを証明するような事例はたくさんある。同様に、何日も何週間もマスクを着用し続ければ続けるほど、生活に悲壮感が漂う。

 この事実を示すもっとも良い例は、店舗で働いている人たちだろう。彼らは、仕事中ずっとマスクをしていなければならない。もちろん、そんなことは愉快なことではない。さらに、彼ら店舗で働いている人たちは、以前ほどかいがいしいサービスはしてくれなくなっている。これまでの礼儀正しさや明るさはなくなり、沈んでいたり、悲しげであったり、いらいらしていたり、おこったりしていたり、それらすべての感情で、顧客と対応している。

国民内でおこる分断炎症反応という問題
 国中で採用されてきたマスクを着けるという作法をやめようとする者は誰でもまるで非国民であるかのように扱われてきた。常識に従えば、常にマスクを着けることは、免疫反応を低下させることは明らかであり、新型コロナウイルス症候群に関しては、ずっとその心配が当てはまることが分かるのに、だ。

 コロナウイルス対策に中心となって取り組んでいる医療界の権威や政府の医療関係者たちに必要なことは、米国の個人や共同体の健康状態にこれ以上被害がもたらされる前に、急いで国としての新しい政策を打ち立てることだ。

 ここ何十年も、新型コロナウイルスとよく似た病気の流行や感染蔓延を幾度となく経験してきたのに、なぜこのような不適切な対策が進められるのか全く理由がわからない。このように流行した病気の多くは、新型コロナウイルスと同じ呼吸器系の病気だ。なのに、なぜ新型コロナウイルスについてだけ、こんなに恐怖を煽られ続けているのだろうか。
マスク着用などというまったく間違った助言をした責任者たちは、(意識的なのか無意識なのかはわからないが)毒のような「コロナウイルス文化」を作り出した。いっぽう、マスクを着用している人たちは、マスクを着用していない人たちを危険な非国民だとみなし、マスクを着用している人たちの健康を脅かすと思っている。

 こうして、マスクを着用することは急激に国民の信条を深く操作する分断のための道具になってしまった。こんな状況では、今、そしてこれ以降、病気で苦しむ人たちを治療するのは非常に難しくなるだろう。

 家族や友人は、新型コロナウイルスの病状が進む過程において離ればなれにされる必要はない。さらに、今年は大統領選挙の年であることもあり、社会の感情は高まる一方だ。こんな状況では、コロナウイルスの集団発生がキノコ雲のようにあちこちでおこってしまうだろう。結局のところ、ストレスは免疫を弱めてしまうのだから(ストレスをきちんと処理しない限りは)。

特記事項: 政府や医療関係者があちこちで強く主張している「マスクを着用せよ」というかけ声は、基本的には恐怖に煽られた感情から来るものであって、科学や実際に起こっていることに基づいたものではない。この恐怖に基づいたかけ声のせいで、無数の人々は、無言の圧力をかけられている。多くの人が、間違った「でかけるときはマスク着用を忘れずに!」というかけ声の被害者になっていることに気づいていないだけではなく、自分の視界の中にマスクをしていない人がいないか探す人まで出てきた。自警団にでもなったかのように、おしつけがましく、法に背く者たちを捕まえようとする人までいる。この理由のため、またそれ以外の理由もあるが、国中の大手メディアや政府はマスク着用の指導は慎重に進めるべきである。

結論
 たしかに、医療従事者は病院での使用に耐えうるバリエールN95マスクのような高品質のマスクが必要だろう。ところで、ファウチ博士でさえ「医療従事者以外はマスクを着用しないよう」言っている。
 
 同様に、新型コロナウイルスの患者と同居し、その人の世話をしないといけない人も、病気になった家族や恋人や友人の世話をするときは、健康的で毒のないマスクを着用すべきだ。しかし、それも必要な時だけ着用すれば良い。 大切なのは、マスクを着用しなくても良くなったらすぐに外すことだ。

 もちろん、状況によってどうすべきなのかは変わる。たとえばニューヨークの混雑した地下鉄内と、静かな郊外の街を歩くときで、何に注意すべきかは違ってくる。であるので、都市に住む人々は交通の行き来が多い地区や人混みを歩くときには、それなりの準備をすべきであろう。

 一方、米国の郊外に住んでいる人々は基本的にはマスクをしなくても大丈夫だ。同じことは、田舎で暮らしている人たちにも言える。公園や海辺についていえば、健康によい日光に当たり、気持ちの良い風に当たるときは、人々はマスクのことなど気にせず過ごせば良い。

 この記事の結論は、皆さんに常識をもって行動して欲しいということだ。コロナウイルスに対する対策を指南するこの記事を読んでマスクを着けるべきか、着けるべきでないかを判断して欲しい。ただ、一番大事な助言は以下の通りだ。「マスクを着けるということについて、自分の体が「おかしい」と判断しているのに、まわりからの厳しい視線に屈してマスクを着けるというのはおかしな話だ」。

みなさん、どうぞご無事でいて下さい。神のご加護をお祈りします
どうかお大事に!

コロナウイルス指南より
2020年5月9日

警告 続報: 夏という季節は、とくにマスクを着用するのに危険な季節だ。実際のところ、世界中のいくつかの国々の政府は、マスクを着用することで熱性疲労や熱中症やその両方が起こる危険性を公式に発表している。特に米国南部や南西部など暖かい気候のところでは、不必要にマスクを着用しないよう気をつける必要がある。子どもにとってマスクをつけることは直接死につながる可能性がある。同様にお年寄りの方々もマスクを着けるよう脅されることに対しては慎重になるべきだ。特に慢性で深刻な呼吸器系の病気をお持ちの方々は。このような気をつけるべき疾病を持っている人々で、とくに子どもやお年寄りの人々は暑い季節には、他の年代の人たちと比べて熱性疲労に弱い。以下の記事を参照: WARNING! Medical experts in Japan say wearing a risk of heatstroke

こちらもご覧下さい

You had better listen to this expert before you wear a mask (Video)

こちらもお読み下さい

Here’s How Everyone Can Avoid Getting The Coronavirus

Here’s why the beach is the best place to be during the 2020 pandemic.

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http://thehealthcoach1.com/?p=759



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民主党は真の改革にむけた運動を吸収し亡きものにするために存在する

<記事原文 寺島先生推薦>
The Democratic Party Exists to co-opt and kill authentic change movement

RT 論説面

ケイトリン・ジョンストーン


ケイトリン・ジョンストーン氏はオーストラリアのメルボルンに本拠地を置くフリージャーナリスト。彼女のサイトはこちら。Twitterアカウントはこちら




 米国の民主党はジョージ・フロイドさんの殺害事件の悲しみを乗り越えて団結している。彼らは、膝をついて黒人の生命も大切だ(BLM)抵抗運動に連帯の意思を表した。しかし幕がおりたら、演技は終わり本当の変革は何も起こらない。

エスドラゴン:さあ、行こう。

ウラディミール:ああ、そうしよう。

〔二人は動かない〕



 サミュエル・ベケットによる戯曲『ゴドーを待ちながら』はこのようにして幕を迎える。2人の主要人物のうちの一人が立ち去ることを提案し、もう一人が同意する。そのあとのト書きでは、二人は幕が下りるまで動きを止めたまままだ。

 これが、民主党が果たすべき役割のすべてなのだ。一般の人達に利益を与えるような本当の変革を求める運動を支持する米国人たちと熱い気持ちで連帯の意志を表明するくせに、実際はそんな変革を起こそうとはしない。俳優たちはセリフを読むだけで動かないままだ。

 バラク・オバマの大統領が任期中にやったことが、まさにこれだったのだ。人々は彼の「希望」や「チェンジ」という公約を信じて彼に投票した。それから八年間。彼に期待した人達が変革を求めた時、彼はいつもこう答えていた。「分かりました。集まってその事について話し合いましょう」。共感の意を示し、感動的な演説をして、実際は何も起こらなかった。役者たちは動きを止めたままだ。ゴドーは決して来なかった。


さらによむ

In brave new America, leaders kneel and looters are saluted. What will the Democrats conjure up next?


 民主党の指導者たちは今8分間膝をついてジョージ・フロイドさんに共感の意を表すのに、嘘っぽい演技を見せることに躍起になっている。
ケンテというアフリカの伝統的な衣装を身にまとって。米国の街まちでは、全国の警官の行為が正しいかの総点検を求めて抗議活動が繰り広げられている。民主党はこの活動に対して子供だましのような反応しかしていない。小道具に黒人の伝統的な衣装を使ったり、当たり障りのない改善策に予算を付け、、我々がやってきたことを意味の無いものにし、ただ警察事業への予算を増やしただけだ。

 今のところ、民主党が政権を握っているいわゆる青色の州や民主党員が市長である都市で、市民たちが抗議している警察による残虐行為が頻発している。民主党は警察による残虐行為をトランプ大統領の政権運営のせいにしようとしているが、しかし実際のところ、起こっていることを見てみると、もし米国の国政や地方政権がすべて青色(民主党)になったとしたら、警察がより凶暴になり軍隊のような脅威になるという問題は増えるだろう。

 今回の抗議行動がどこに向かうかは、私には分からない。抗議者たちが今彼らが求めているような変革を得られるかどうかも私には分からない。 あるいは、この抗議活動がただちに止まってしまうのかどうかも私にはわからない。 私がわかることは、もしこの抗議活動が突然止まったとしたら、その原因は民主党と民主党と歩調を合わせている勢力のためだということだ。


 血に飢えた国会議員、トム・コットンが地下室にいる小動物(民主党大統領候補バイデンのこと)を虐めるのを小休止してニューヨーク・タイムズの論説面で、爆弾記事を書いた。その記事の内容は、米国民に対して、なぜ今回の抗議活動を抑えるのに軍を派遣することを彼が望んでいるかを説明するものだった。実はこの記事を思いついたのはニューヨーク・タイムズの論説面担当の記者たちであり、彼らの方からコットン氏に話をもちかけたのであって、逆ではない。「軍を派遣しろ」という挑発的な見出しを思いついたのも、ニューヨーク・タイムズの記者たちだった。



 当然の事ながら、ニューヨーク・タイムズは世論の激しい反発を呼び、年配の記者が退社する事態となった。しかし、この抗議活動がもし終わるとすれば、それはドナルド・トランプやトム・コットンのような共和党の血の気の多い連中が軍を使って抗議行動の鎮圧に成功したということではないだろう。そうではなくて、巧妙に他人の行動を操るリベラルな者たちが、抗議活動の勢いを吸収し抑制することによって、終わることになるだろう。

 彼らのことを注視しておこう。民主党と民主党と手を組んでいるメディアや企業が耳あたりのいい言葉や調子のいい話や中身のない法律の実現などをもちかけ大衆を騙すのを注視しておこう。彼らは、民衆にとって本当に必要な変革など、これまで一度も実現したことがないのだ。彼らがそのような詐欺に成功するかどうかはまだ今のところは分からないが、すでに彼らはそうしようと取り掛かっている。このようなことこそが民主党が果たすべき役割の全てなのだ。脅威的な力を使うよりも、偽りの公約や空虚なことばで民衆を支配する方がよっぽどたやすい。そのことを巧妙に他人の行動を操る者たちは分かっている。そう、これこそが民主党が果たすべき役割のなのだ。

 民主党と共和党の間に違いがあるのは本当だ。それはボクシングで喩えると、ジャブとストレートの違いだ。ジャブは敵をコーナーに追い詰め次にストレートをお見舞いする準備としてしばしば使われる。しかしジャブもストレートも同じボクサーから繰り出されるものであり、最終的には顔面にパンチをお見舞いしノックアウトするための戦法だ。

  民主党がそのジャブを実際とは違うものとして見せ掛けようとしていることを許すな。大量の中身のない行動や言葉の魔法を使って、民主党が皆さんにすり寄ってくるのを許すな。民主党にやりたいようにやらせてしまったら、民主党は皆さんの顔面に一晩中ジャブを打ち続け、結局はノックアウトを喰らう。倒れたリングから天井の照明を見上げる。これまで何回もあったことだ。

 そして皆さんはこう思う。「いったい今まで起こったことは何だったんだろう?そしてゴドーはいつ来るのだろうか?」
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コロナウイルス:なぜみんな間違っていたのか。このウイルスは「新しいウイルス」ではない。「免疫がないというおとぎ話」


「さらに間違っていたのは、“人々がこのウイルスに対してすでに何らかの免疫を持っていることはないだろう”と主張することだ」このウイルスに対する免疫反応は誰が考えているより強力だ

<記事原文 寺島先生推薦>
Coronavirus: Why Everyone Was Wrong. It is Not a “New Virus”. “The Fairy Tale of No Immunity”
"It was even more wrong to claim that the population would not already have some immunity against this virus." The immune response to the virus is stronger than everyone thought


グローバルリサーチ 2020年7月2日
ベダ・M・スタッドラー
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年7月28日




 この記事の元記事は、スイスの雑誌「今週の世界」6月10日号に掲載された。論者のベダ・M・スタッドラー氏は、ベルン大学免疫学研究所の元所長であり、生物学者で名誉教授でもある。スタッドラー氏はスイス医療界の重鎮。彼はまた人を挑発するような言い方を好んでする。だからといって、読者は、氏が指摘する重要なポイントを見落とすことはないであろう。この記事は、スイスについての記事であり、他の地域が同じ状況であるとは言えない。私は、それぞれの地域が、それぞれの地域に応じた措置をとるべきだと考えている。そして、抽象的なモデルではなく、真の数値をみつめることを主張している。さらに、読者にはこの記事を最後まで読んで欲しい。というのも、スタッドラー氏は、新型コロナウイルスの検査について非常に重要な論点を指摘しているからだ。

情報サイト「Medium」のBack to Reasonへ
2020年6月2日
投稿されたもの



 これは告発するための記事ではない。(現状を)情け容赦なくしっかり吟味するための記事だ。(まず)私は自分自身を平手打ちした方がいいようだ。というのも、私はずっと長い時間冷静さを欠いたままコロナウイルスを見つめてきたからだ。同時に私は、Covid-19についての議論を今までウイルス学者や疫学者たちに任せっきりにしてきた免疫学の同僚たちに少しイライラしているところがある。そろそろ、このウイルスについての主流ではあるが、その考え方が完全にまちがっている、公表されたいろいろな言説を批判するときだと私は感じている

 まず一つ目。このウイルスが新型であると考えるのは間違っている。

 二つ目。人々がこのウイルスに対する免疫をあらかじめもっていないと考えるのはもっと間違っている。

 三つ目。症状が全く出ないCovid-19に感染している可能性があるなどと言い張ること、もっと言わせてもらえば、何の症状もなしにこの病気を他者に感染させるなどという言い方は、コロナウイルスではないが、「コロナ馬鹿(愚の骨頂)」としか言いようがないものだった。

まあ、しかし、ひとつひとつ見てゆくことにしよう。

1. 新型ウイルス?

 2019年の終わりに新型であると考えられたコロナウイルスが中国で検出された。このコロナウイルスの遺伝子配列(すなわちこのウイルスの青写真)が特定され、2002年に特定されたサーズ(重症急性呼吸器症候群)とよく似た名前であるSars-CoV-2という名前がつけられた。そのとき、我々はこう自問すべきだったのだ。「じゃあ、今回のウイルスは、ヒトを病気にするような他のコロナウイルスとどのくらい近い関係なのか?」と。しかし、我々はそうはしないで、中華料理のメニューにあるどの動物からウイルスが広まったのかの議論を始めてしまった。その間多くの人々が信じてしまったのは、中国の対処があまりに愚かでこのウイルスを自国で広めてしまったのだという言説だ。今は、このウイルスに対するワクチンの開発についての話でもちきりだが、突然、我々の目に入ってきた研究は、今回のいわゆる新型ウイルスはSars-1(重症急性呼吸器症候群)と非常に近いウイルスであることを示すいくつかの研究だ。さらに、毎冬私たちを風邪という名前で苦しめるほかのベータコロナウイルスとも似ているとのことだ。ヒトを病気にするような様々なコロナウイルスの遺伝子配列対応を純粋に調べることはそっちのけにして、(科学者たちは)ウイルスの様々な部分を調べてウイルスの特定化に取り組んでいる。それは、人体の免疫細胞がウイルスを特定化するのと同じことをしているということになる。このことは、ウイルスの遺伝的関係の話ではない。我々人間の人体の免疫系が、今回のウイルスをどう検知しているかについての話だ。つまり、他のコロナウイルスのどの部分を使えば、今回のウイルスのワクチンに利用できるのかということだ。

 そう、新型コロナウイルスはまったく新型ではないのだ。ただの季節的に流行する風邪のウイルスでしかなく、夏になれば変異し消えてしまうものだ。それはすべての風邪ウイルスと同じだ。そう、世界中どこでも見られるあの風邪ウイルスだ。インフルエンザウイルスについて言えば、インフルエンザウイルスはさらに激しく変異するので、新しいインフルエンザの菌株がみつかっても、だれも「新型だ」などとは言わない。多くの獣医は、新型という表現を嫌っている。というのは、獣医たちはネコや犬や豚や牛たちに何年も同じコロナウイルスのワクチンを打ってきているからだ。

2. 免疫についてのおとぎ話
 世界保健機関(WHO)からすべてのフェィスブック上のウイルス学者まで、みんな今回のウイルスが特別危険だと主張している。その理由:①今回のコロナウイルスに対する免疫はない、②このウイルスは新型。

 トランプ政権で最も重要な顧問であるアンソニー・ファウチでさえ、当初公の場に現れるたびに、免疫がないのでこのウイルスは危険であると表明していた。

 私は、米国のベセスダのアメリカ国立衛生研究所の疫学セミナーでいつもトニー(アンソニー・ファウチのこと)の隣の席に座っていた。当時、我々はお互い関連し合った分野の研究に取り組んでいたからだ。当初、私はトニーの言っていることに疑問は感じなかった。というのも、トニーは私が信頼を置く同僚だったからだ。

 私が正気に戻ったのは、商品化された最初の(新型コロナウイルスの)抗体検査にSars-1(重症急性呼吸器症候群)を検出するための古い抗体検査も入れ込んでいたことが分かったときだ。

 この種の検査に信憑性がでるのはヒトの血液内に抗体があり、ウイルスに対抗する活動を通してその抗体が発生した場合だ。科学者たちは、動物のラマから抗体を抽出することさえしていたが、それはSars-1や新型コロナウイルスやさらにはマーズウイルス(中東呼吸器症候群) を検出するためのものだ。さらに知られるようになったことは、新型コロナウイルスは、すでにSars-1が以前猛威を振るった中国では、あまり深刻な被害を出さなかったことだ。この事実に鑑み、緊急に考え直すべきことは、我々の免疫系はSars-1と新型コロナウイルスを少なくとも部分的には同じウイルスとして特定化しているということであり、いずれか一方のウイルスに接触したことがあれば、もう一方のウイルスから身を守れるということだ。

 その時点で、私が実感できたのは、世界の全てがただただこのウイルスには免疫がないと言い張っているが、実際のところはそんな言説を証明する検査を誰も受けていないという事実だ。こんなものは、科学ではない。「みんながそう言っているから」という直感にもとづく思い込みだ。今日まで、免疫状態とはどんな状態かを隈無く説明できる抗体検査などたった一度も行われていない。具体的には、誰かが免疫状態になった場合、①いつからその人に免疫ができたのか?②この中和抗体は何を標的にしているのか?③他のコロナウイルス上に、免疫を作るのに結びつくような構造がどれだけあるか?などだ。

 4月中旬に、シャリテー(ベルリン医科大学)のアンドレアス・ティール氏のチームがある論文を発表した。その論文には30名の研究者が名を連ね、その中にはウイルス学者のクリスチャン・ドロステン氏も含まれていた。その論文によれば、新型コロナウイルスに接触したことのないベルリン市民のうち34 %が、新型コロナウイルスに対するTー細胞免疫反応を示したとのことだ。 (T-細胞免疫反応は、体内の各組織で起こる免疫とは別の免疫反応である。詳しくは後述)。つまり、我々のT―細胞(つまり白血球のこと)が新型コロナウイルスと普通の風邪ウイルスが同じ構造であると感知しているということだ。そのため、人体は両方のケースに対応できるということだ。

 スタンフォード大学のジョン・P・A・ヨアニディス氏の研究によると、(ベルリンのアインシュタイン協会によると、同大学は世界で論文が引用された研究者の数ランキングで世界の大学トップ10に入っている)新型コロナウイルスに対する免疫は、抗体という形で見積もった場合、以前考えられていたよりずっと高い反応があるとのことである。ヨアニディス氏が、時代の流れに逆らいたいだけの陰謀論者でないことははっきりしている。それなのに、同氏には、いま批判が浴びせられている。その理由は、同氏が採用した抗体検査は厳密な正確さという点で難がある、だ。そんな言い方をすることで、批判している人たちは、自分たちはそんな検査はまだやっていないことを認めてしまっている。さらに、ジョン・P・A・ヨアニディス氏は、比較で言えば、科学界のヘビー級。ドイツのウイルス学者は、すべて束ねても、せいぜいライト級だ。

3. 予測者たちの見誤り

 感染学者が信じてしまっていた別の神話は、人々の中に免疫はまったくない、だった。感染学者たちは、コロナウイルスが夏になれば消えていく季節的な風邪ウイルスであるということも認めたくなかったのだ。それを認めてしまうと彼らが予測していた感染者数の変異曲線が変わってしまうからだ。どの地域でも、最初に研究者たちが立てた最悪の場合の予想図のようにはならなかった。それでもまだ第二波が来るという予想にしがみついている者もいる。第二波がくると予想している人たちには、そう思っていてもらおう。まだ起こってもいないことを、こんなに前のめりに考える科学研究を私はかつてみたことがない。さらに私が理解できないことは、なぜ疫学者たちがあんなにも死者数に関心をもっていたのかだ。死者数より大事なのは何人の命が救えるか、だろう。

4.「常識」免疫学

 免疫学者として、私は生物学的な手続きを信頼している。それはまさに人体の研究であり、試験や検査を行うことによって適応できる免疫系を研究する手続きだ。2月の末、スイスの政治討論番組の収録後、車で家に帰る途中に、私はダニエル・コッホ氏(元スイス連邦保健局感染病部局局長)にこう話した。「私が思うに、人々は新型コロナウイルスに対する総合的な免疫をもっている」と。コッホ氏は、私の考えには同意しなかった。

 そうは言っても、彼が子どもは感染拡大の動因ではないと語った時、私は彼のその言葉を弁護した。コッホ氏は、子どもはこのウイルスに対する受容体を保持していないのではないか、という疑いを持っていた。そんな疑いはもちろんナンセンスだ。それでも、私たちは彼の見立てが正しいと認めざるをえなかった。 しかし科学者たちは、後になって、こぞって彼を攻撃し、持論を証明する研究を出せと言い出した。それはちょっと皮肉な展開だった。(つまり)ある危険ゾーンにいる集団が死にかけていることを証明する研究を要求する人は一人もいなかったからだ。最初は中国から、後に世界中から同じような傾向のデータ、つまり、10歳以下の子どもはほとんどこの病気にかからないというデータが届いた。その時点で、全ての科学者が子どもには確実に免疫があるという議論をしておくべきだったのだ。他の病気の場合、ある集団には感染しないということであれば、その集団はその病気に関して免疫があると結論づけるだろう。同様に、これは悲しい事だが、人々が老人ホームで死にそうになっているときに、同じ施設で健康上の同じ危険要因を所持しているのに全く無事である人がいるのであれば、そんな無事な人たちには免疫があると考えていいと普通は結論づけるだろう。

 しかし、こんな常識が多くの人たちの頭からずり落ちているのだ。この人たちを「否定論者」と呼ぼう。深い意味はない。この種の新型否定論者たちに考えてもらいたいのは検査の結果陽性とみなされた(いいかえればウイルスが喉に存在するという結果が出た)人々の大多数は病気になっていなかったという事実だ。「静かなるウイルス運搬者たち」ということばが、手品のように帽子から飛び出してきた。そして、症状なしで病気になる場合もあるという言説も流された。それってすごいことになるだろう!もしこれ以降、この主張が医療界で普通のことであると認められたのなら健康保険会社は本当に苦労するだろうし、学校の先生たちも、生徒に「何かの病気にかかったので学校を休みました」と言われて悩むだろう。一日中症状がなくても、これは病気だと生徒たちは言い張ればいいのだから。

 続いての冗談話は、症状が出ていない病人たちが他の人にウイルスをうつす可能性があるという主張に同意しているウイルス学者がいるということだ。その「健康」な病人たちは、喉にたくさんウイルスがあるので、普通に二人で会話しても「健康」な病人がもう一人の健康な人にウイルスをうつす可能性が十分あるという主張だ。ここで、すこし何が起こっているか整理してみよう。もし、ウイルスが喉やその他の箇所で成長しているとしたら、それは人体細胞がウイルスに冒されているということになる。
 
 人体細胞が冒されたならば、免疫系が即座に人体に警告を発し、感染が発生する。感染の五つの主要な症状のうちの一つが、痛みだ。Covid-19に感染した人々が、最初に感じた喉の痛みを覚えておらず、数日前に症状があったと思わないと主張する場合があることは理解できることだ。しかし、医師やウイルス学者たちが、この事実をねじ曲げて「健康」な病人がいるという話を作り出すことで、パニックを引き起こし、社会封鎖措置をより厳しくすることにつなげるのは、ただの冗談ではすまされない。少なくともWHOは無症状の感染という考えを否定しており、そのことはWHOのサイトにも記されている。

 ここで、簡潔で大まかなまとめをしておこう。特に、感染否定者たちのためにだ。人体はどのようにして細菌に攻撃され、人体はどのようにその攻撃に対応するかについてのまとめだ:病原体のウイルスが私たちの周囲に存在し、全ての人間(免疫があろうがなかろうが)が、ウイルスに攻撃されたとしよう。もし、免疫があるのなら、ウイルスとの闘いが開始される。最初に私たちはウイルスが細胞内に入ることを抗体の助けをかりて遮ろうとする。この反応はふつう体内の一部で起こり、すべてのウイルスが排除されるわけではなく、ある細胞に到達するウイルスも出てくる。この時点でもまだ、症状が出るとは限らないし、病気になっているわけでもない。
 というのも、この時点では、免疫系の二つ目の守備係が反応を始めるからだ。それが先述したT-細胞、すなわち白血球だ。白血球はウイルスが数を増やそうとして隠れている以外の場所からその場所を見極めることが出来る。T-細胞は、最後のウイルスが死滅するまで、人体内をくまなく探し、ウイルスを培養している細胞を見つける。

 であるので、免疫のある人に、コロナウイルスのPCR検査をした場合、検出されるのはウイルスではなく、つぶされたウイルスの小さな部分だ。免疫がある人で、検査の結果陽性となった人はつぶされたウイルスで残っている小さな部分が検出されたということだ。正しい!たとえ感染ウイルスずっと前に死滅していたとしても、コロナウイルス検査で再陽性になることもある。というのは、PCR検査という方法は、ウイルス細胞の小さなかけらでさえも検出するくらい精密なのだ。これと全く同じことが起こったのは、世界中のニュースになり、WHOもとりあげた韓国ですでに完治した200人が二度目の感染を発症したという事件だ。この事件のせいで、このウイルスに対する免疫がないのではという主張が広まった。実際の話は、しばらくしてからやっと、おことわりの記事が報じられたのだが、感染した韓国人たちは完全に健康で、少しの時間でウイルスを撃退したのだ。この話のツボは、ウイルスのほんの小さなかけらでさえ検出して陽性であると認定してしまうくらいこのPCR検査が精密なことだ。つまり毎日報道されている感染者数が多いのは、ウイルスのかけらのせいだということがありえるのだ。

 PCR検査は、当初ウイルスがいる可能性のある場所さえ完璧に検知できるくらい精密なものであるとされていた。しかしこの検査は、ウイルスがまだ生きている(つまり感染力がある)かどうかを検知できないのだ。不幸なのは、この検査結果とウイルスの量(つまり、ある人が呼吸で吐き出すウイルスの量)とを同じだと考えている感染学者がいることだ。幸運なのは、そんな学者たちの面倒を見てくれるデイケアセンターが開いているということだ。ドイツのウイルス学者たちはこのPCR検査の欠点を見落としているので、他の国がどんな政策を取っているかを見ようとしていない。他国の感染者数が急激に減っているとしても、だ。

5. コロナウイルスの免疫に関する問題点

 コロナウイルスの免疫について、実際のところどんな問題があるのだろうか?まず、疫学者たちは、このウイルスの免疫のつきかたについて、はっとしているはずだ。というのは、このウイルスの潜伏期間は2日~14日間とかなり長い(22日~27日間という報告もある)という主張がある一方で、大多数の患者がウイルスをまき散らすのは5日間だけだという主張もあるからだ。両方の主張を一つずつ考えると、こんな結論に至るはずだ。すなわち(大まかに言って)このウイルスに対する免疫の基本は、普通のウイルスから予想される免疫のつきかたと比べて、変わった免疫のつき方をするということである。そう、潜伏期間は長いのに、免疫はすぐにつくという特徴だ。

 さらに、このウイルスの免疫は重い病気を持つ患者たちにとっては大きな問題となる。私たちの抗体の強さ(すなわち私たちがウイルスから人体を守る正確さ)は、年をとればとるほど衰えてくる。さらに、体調が悪かったり、食習慣がよくなかったり栄養失調である人たちは、免疫系が弱く、そのため、このウイルスはその国の医療の問題だけではなく、その国の社会問題を明らかにすることになっている。

 感染した人が十分な抗体を持っていない場合、いいかえれば、免疫反応が弱い人の場合、ウイルスはゆっくりと体中に拡がっていく。その人は、十分な抗体をもっていないため、人体におけるもう一つ残された免疫反応が発動する。そう、T-細胞が体中のウイルスにおかされた細胞を攻撃し始めるのだ。この反応が過剰な免疫反応を引き起こし、たいてい大量虐殺につながる。この反応は、急性輸注反応症候群と呼ばれる。この反応はごくまれに幼児に起こるのだが、そのとき川崎病と呼ばれる病気に似た反応を示す。幼児にごくまれに起こるこの反応が、これまた我が国でパニックをあおるのに利用された。興味深いのは、この症状がでた幼児もすぐに良くなるということだ。感染した幼児たちは、健康な血液をもつ輸血者から抗体をもらう。その輸血者とは、すなわちコロナウイルス風邪を完治した人のことだ。つまり、人々の中に存在する隠された(たぶん実在しない)免疫が、幼児を治癒するのに使われているということだ。

さて、これからどうする?

 あのウイルスはもう去った。おそらく、また冬になったら戻ってくるだろう。でもそれは第二波ではない。ただの風邪だ。今マスクを着用して出歩いている若くて健康な人たちはそのときはヘルメットをかぶった方がいいだろう。なぜなら頭に何かが落ちてくる可能性の方が、Covid-19で深刻な病気になる可能性よりよっぽど高いからだ。

 (スイスが封鎖を緩めた後の)14日間で感染者数が大きく増加したのなら、少なくとも、私たちがとってきた措置のうちの一つに意味があったと分かるだろう。もしそうならなかったら、ジョン・P・A・ヨアニディス氏の最新の論文を読むことをおすすめする。その論文の中で同氏は2020年5月1日の数値に基づいて世界の状況を描いている。65歳以下の人たちのコロナウイルスによる致死率はたったの0.6~2.6 %だ。流行蔓延を乗り越えるため私たちが取る必要がある措置は、65歳以上で健康上の危険をもつ人を保護することに専念することだ。ジョン・P・A・ヨアニディス氏のような最重鎮の専門家がそういっているのだから、封鎖措置の二回目は行う必要はない。

 通常生活に戻る過程で、我々市民は、恐怖を煽ってきた人たちに謝らせることが必要だろう。呼吸器の使用数を減らすために80歳以上のコロナウイルス患者の命の救済を後回しにしようとした医師たち。さらに、実際はそんなひどい状況でもないのに、警告をあおるようなイタリアの病院の動画を見せ続けたメディア。検査結果が何を示しているかさえ理解していないのに「検査だ、検査だ、検査だ」と叫び続けたすべての政治家たち。近くに感染もしていない陽性患者がいると警告する全く役に立たないスマホアプリを求める連邦政府。

 冬になれば、インフルエンザやそれ以外の風邪がまたやってきたときは、またキスの回数を少し減らして、ウイルスが存在しないときでも手洗いをする習慣にもどればいいだけだ。そしてそれでも病気になった人たちは、マスクをすればいい。それが今回の蔓延で学んだことの証になるだろう。それでもまだ、健康上の危険をもつ人たちを守る方法がわからないのであれば、そんな健康上の危険を持つ人にも効果のあるワクチンが出来るのを期待して待てばいいだろう。

The original article was published in the Swiss magazine Weltwoche (World Week) on June 10th. The author, Dr. Beda M Stadler is the former director of the Institute for Immunology at the University of Bern, a biologist and professor emeritus.
Our thanks to Back to Reason, Medium, for having brought this important article to our attention




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現在の世界的危機で「露-中-米」協力体制というウォレス/ルーズベルトが考えた壮大な計画が復活することになるかもしれない。#「エルベの誓い」



<記事原文 寺島先生推薦>
Might the Current Global Crisis Revive the Wallace/FDR Grand Design for Russia-China-USA Cooperation? #MeetingOnTheElbe

us-russia-org

2020年4月26日





By Matthew Ehret 

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年7月26日

 4月14日、プーチン大統領は、2020年1月15日の呼びかけを改めて繰り返した。つまり、国連安全保障理事会の5つの核保有国が主導し、国連憲章の原則に導かれた新たな体制を構築する、という内容だ。クレムリンはこう述べた:
「この会議は明確なビジョンを持つ会議として[ロシア]大統領によって始められたものであり、当然のことながら、現在危機管理のために広く使用されているテレビ会議形式では、このような明確なビジョンを持つ会話をするために必要な雰囲気を醸成することはできません。安全保障理事国5カ国の首脳会談となればなおさらです。」

 プ-チンは以前こういう意図を持った会議を次の様な言い方で述べていた:
「国連創設国は手本を示すべきです。人類の保全と持続可能な発展のために特別な責任を負うのは核保有5カ国です。これら5カ国はまず、世界大戦の前提条件を取り除くことから始め、現代の国際関係の政治的、経済的、軍事的側面を十分に考慮した、地球の安定を確保するための最新のアプローチを開発すべきです。」

 プーチンは声明のわずか2日前、トランプ大統領と3日間で3回目の電話会談を行い、コロナウイルス蔓延の防止策や原油価格、両国が国家的な優先課題として強く掲げている宇宙探査や月面採掘などの協力体制について話し合った。

 ロシアは近年、中国の「一帯一路」(BRI)構想の枠組みへの参入に本腰を入れてきた。両国のこの動きは、2015年以降ユーラシア経済連合が①BRIと統合されてきたこと、②伝統的には東西に延びていたBRI構想が高緯度圏へ拡張され、新たな、期待をそそる「北極シルクロード」と統合されること、などを契機としている。こういったことを背景として、国連創設国の残り三カ国(アメリカ、イギリス、フランス)はそれぞれ、ロシアと中国が今後10年間月面開発で協力するために結んだ協定に、この三カ国も宇宙分野での共通目標を見つけることが多くなっている。こういった方向性は、何十年も前には見られなかったもので、月面の採掘、小惑星防衛、探査などがその内容となっている。

 ①宇宙圏を前提とした多極新システム②COVID-19と戦うための健康シルクロード③北極シルクロードでの協力を創り出すなどの息を呑むような推進力を基礎にして、今は、非常に重要でありながらも見落とされがちな歴史を見直す良い機会であると私は考えている。こういった見直しを行うと、プーチン大統領が現在求めている列国の様々な考えを連携させるという方向性は、フランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領(以下FDR)と彼の忠実な協力者だったヘンリー・A・ウォレス副大統領が主導的役割を果たした時期、つまり1941年から1944年の間に確立されたものであることがわかる。それに驚く必要はない。ヘンリー・A・ウォレス副大統領は「米―露-中」世界秩序という壮大な計画を考えていた。これは大西洋憲章に掲げられた原則を基礎にしたものであり、その内容はウォレスが1942年に行った演説「庶民の世紀」で明確に述べられているからだ。

 多極世界秩序へ向けたウォレス/ルーズベルトの闘い

 ルーズベルト政権下の副大統領として執務する傍ら、ウォレスは1944年に出版した『太平洋で私たちがすべきこと』という本の中で次のように書いている:
「アメリカにとっても、中国にとっても、ロシアにとっても、中国とロシア、中国とアメリカ、ロシアとアメリカの間に平和で友好的な関係が存在することは極めて重要である。中国とロシアはアジア大陸でお互いに補完し合い、さらに両国は共に太平洋でアメリカを補完し、補強するのである。」

 1944年の別の論文『民族は二つ―友好関係は一つ』(サーベイ・グラフィック誌)の中で、ウォレスは、ベーリング海峡を横断する交通機関の接続によるインフラ整備を中心とした米露の北極周辺の関係の運命について次の様に述べている:

 「すべての国の中で、ロシアには①急速に増加する人口、②天然資源、③専門技術があっという間に広まること、という鬼に金棒の取り合わせがある。シベリアと中国には他には例を見ないような豊かな未開拓地がある。1942年の春、モロトフ(ロシアの外務大臣)がワシントンにいた時、私は彼に、カナダ、アラスカ、シベリアを経由してシカゴとモスクワを結ぶ高速道路と航空路の複合路線(いつか実現したらいいと私は思っている)について話しをした。モロトフは、「この仕事は一国ではできない」との意見を述べた後、「あなたと私が生きている間にこの仕事を達成させよう」と言った。このようなアメリカの西部開拓者精神とロシアの東部開拓者精神を結びつける具体的な絆があれば、将来の平和に大きな意味を持つだろう。」

 ウォレスは、欧米人には稀な、長期的な思考とアジアの精神に対する気配りを見せて、次の様に書いている:
「アジアは動き出した。アジアがヨーロッパに不信を抱いているのは、その『優越感』のためだ。我々はアジアに我々を信頼する理由を与えなければならない。特にロシアと中国に対しては、両国の庶民の未来に信頼を寄せていることを示さなければならない。私たちは、中国とロシアの両方に力を貸すことができ、力を貸すことで、私たち自身と私たちの子供たちにも力を貸すことになるのだ。今日のロシアと中国との関係を計画する際には、40年後の世界情勢を考えなければならない。」

で、どこで間違ったのか?

 世界史のこの章については多くのことが言えるが、要するに、複雑な政治的クーデターが起きたのである。このクーデターにより、ウォレスは1944年にハリー・S・トルーマンに副大統領指名を奪われ、1945年4月12日にルーズベルトが不慮の死を遂げたことで、このトルーマンがホワイトハウスに居を構えることになった。

 トルーマンの対露好戦的な態度が、ロシアは12億ドル出資して世界銀行へ加入するという1944年の合意内容が撤回される原因となり、チャーチルの「鉄のカーテン」演説は、「相互確証破壊(MAD)」という二極分化した力学を生み、「核の恐怖に支配された戦後」という容易には崩れない体制が定着することになった。トルーマンは、1947年春、「トルーマン・ドクトリン」を出し抜けに宣言した。この宣言は新冷戦下におけるロシアの拡大に対抗するアメリカの種々の絡み合いをもたらす対外政策であり、ロンドンが仕組んだギリシャとトルコの紛争にアメリカが巻き込まれたことに始まるものだ。トルーマンと歩調を合わせるようにチャーチルはミズーリ州フルトンでこう言ったのである:

 「戦争を確実に防止することも、世界組織の継続的な発展も、私が「英語圏の人々の友愛的な絆」と呼んでいるものなしには得られない。これは、英連邦帝国とアメリカ合衆国との間の特別な関係を意味する。」

 「トルーマン・ドクトリン」や「英米の特別な関係」は、ジョージ・ワシントンやジョン・クインシー・アダムスが提唱し、FDRやウォレスが採用した「対外的な絡み合い」を避けるための「原理共同体」政策が180°方向転換したことを示していた。

ウォレスの反撃

 1946年に米ロ友好を呼びかける演説をしたことで商務長官を解任される前に、ウォレスは、新たな「アメリカのファシズム」の出現を警告した。その「新たなアメリカのファシズム」の出現は後にアイゼンハワーが1961年の軍産複合体演説で明確にすることになる。ウォレスは次のように述べた:
「戦後のファシズムは、逃れようもなく、アングロサクソン帝国主義へと、そして最終的にはロシアとの戦争に向けて着実に前に押し進められるであろう。すでにアメリカのファシストたちは、この「ロシアとの戦争」について話したり書いたりしており、ファシストたちは、特定の人種、信条、階級に対して内的な憎悪と不寛容を見せる口実として、この「ロシアとの戦争」を利用している。」

 1946 年のソビエト・アジア・ミッションでウォレスは次のように述べた:
「わが国の若者たちが戦場で流した血がまだ乾いていないのに、これらの平和の敵どもは第三次世界大戦の基礎を築こうとしている。彼らの邪悪な企みを成功させてはならない。我々はルーズベルトの政策に従い、平和時においても、戦時中においても、ロシアとの友情を育むことで、彼らの毒を解毒しなければならない。」

 ヘンリー・ウォレスは敵が望んだように姿を消すことなく、1948年の大統領選で第三党の候補者となり、愛国者や芸術家の支持を得た。その中でも特筆すべき人物は偉大なアフリカ系アメリカ人活動家/歌手のポール・ロブソンだ。彼が起こした行動を発端にしてマルチン・ル-サー・キング牧師の公民権運動が花開いたのである。ウォレスの大統領選時のいくつかの演説は、今日の世代を教育し、鼓舞することができる心を揺さぶる行動への呼びかけである。第二次世界大戦中は世界的なファシズム運動を止めるために英雄的に多くのことをしたばかりのアメリカ人が、戦後、アメリカ国内で新たなファシズムの出現を止めることに失敗し、チャンスがあったのにウォレスに投票しなかったことを思い起こさせられるのは悲劇的としか言いようがない。

最後の機会?

 ジョン・F・ケネディは在任中の3年間にFDRとウォレスの精神を復活させようとしたが、彼は早々と暗殺され(続いて彼の弟ロバート・ケネディ、マルチン・ルーサー・キング、そしてマルコムXも暗殺された)、アメリカが真の立憲国となる目覚めは再度妨害された。

 今日、ウォレスとFDRの下で実施されたニューディールを凝縮した精神によって推進されている偉大なインフラ計画が、①驚くべきBRI構想、②急速にその全体像が見えてきている北極シルクロード、③健康シルクロード、そして④宇宙シルクロードの中で活性化してきた。このようにして、ロシアと中国は、自分たちが過去半世紀にわたって世界が知っていたアメリカよりもさらにアメリカ的な存在になってしまったという皮肉な役割に気付くことになったのである。

 そこで、現在の危機を私たちに与えられた絶好の機会と捉え、多極同盟と手を携えながら、ウォレス/FDR の壮大な計画をもう一度現実のものにすることを提案する。アメリカがもつ「もっと優れた立憲主義を!」という伝統は、アメリカがこういう方向に進むことをかつてないほど要求している。そして、新シルクロードに代表される「ウィン-ウィン協力」の精神は、飢饉、戦争、帝国という相互に関連した苦しみを世界から永遠に終わらせる鍵を握っているのだ。
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サーロー節子氏 ノーベル平和賞授賞式演説


<記事原文寺島先生推薦>サーロー節子氏ノーベル平和賞授賞式演説

<記事翻訳寺島メソッド翻訳グループ>
2020年7月28日

 閣下

 誇り高きノルウェー・ノーベル委員会のみなさん
私とともに活動してくれる活動家のみなさん、今この場所におられる方々、そして世界中におられる方々。

 みなさん

 このような賞をベアトリスさんとともに受けられたことは本当に名誉あることです。これも、ICAN運動をともに尽力してくれたすべての愛すべき同志のおかげです。みなさん一人一人が、私に胸が震えるほどの希望をくれました。その希望とは、核兵器の時代を終わらせることができる、終わらせることになるという希望です。

 私は、ヒバクシャの一員としてここで話しています。そう、私たちヒバクシャは、奇跡とも呼べる幸運を得て、ヒロシマとナガサキの原爆の惨劇を生き抜いてきました。ここ70年以上ものあいだ、私たちは核兵器の完全な放棄を目指して活動してきました。
 
 私たちは、あの恐ろしい武器の製造や実験により被害を被った人たちとも協同しています。ながらくその名を忘れられていた地域の人々、たとえばムルロアやエッカーやセミパラチンスクやマラリンガやビキニの皆さん。皆さんの大地や海は放射能で汚されてしまい、皆さんの体は実験材料として使用され、皆さんの文化は永遠に破壊されてしまいました。

 私たちは、被害者になることを拒否してきました。私たちは、一瞬の炎で焼き消されることや、放射能で少しずつ世界が害されていくのをただ待つことを拒否してきました。私たちは、恐怖の中でいわゆる巨大な力が世界を「核兵器の夕暮れ」に変え、さらには無謀にも世界を「核兵器の真夜中近くまで」連れて行くことを、黙って指をくわえて待つことを拒否してきました。そうではなくて、私たちは立ち上がりました。私たちは、自分たちが生き抜いた証言をみんなに伝えてきました。そして、私たちはこう言ってきました。「人類と核兵器は共存できない」と。

 今日、この会場にいらっしゃるみなさんに感じて欲しいのは、広島と長崎で亡くなった全ての人の存在です。私がみなさんに感じて欲しいのは、25万人の魂の叫びです。彼らは、私たちの頭上や私たちの近くにおられます。一人一人に名前がありました。一人一人が誰かに愛されていました。彼らの死を無駄にしないことを彼らと約束しましょう。

 あれは、私がほんの13歳だった時でした。そのとき、私の愛すべき街広島に、米国が初めての原子爆弾を落としたのです。今でもあの朝のことは鮮明に覚えています。8時15分、窓から目がくらむような白い閃光が見えました。続けて、自分が空中に浮いているような感覚を持ったのを覚えています。

 静寂と暗闇の中で、私が意識を取り戻したとき、自分の体が倒壊した建物の下敷きになっていることが分かりました。そのうち、私の級友たちの消え入るような声が聞こえてきました。「お母さん、助けて。神様、助けて」

 そのとき突然、私はだれかの手が私の左肩に触れるのを感じました。そして、ある男性が私にこう言っているのが聞こえてきたのです。「あきらめるな!進め!いま助けてやるから。むこうの隙間から光が見えるだろう?全速力でその隙間に向かって進んでいくんだ」。私が這い出ると、倒壊した建物は火に包まれました。その建物にいた私の級友のほとんどが、生きたまま焼き殺されました。私の周りの全ての人が、想像もできないようなうめき声をあげていました。

 お化けのような姿をした人たちが、脚を引きずって歩いていました。身の毛もよだつような傷を負った人たち、血を流し、焼けただれ、黒焦げになり、ふくれあがった人たち。手に自分の眼球を抱えている人たちもいました。お腹が裂けて内臓が飛び出ている人たちもいました。人間が焼けるにおいがあたり一面にただよっていました。

 たった一つの爆弾が、このように、私の愛する街を完全に破壊してしまったのです。広島の住民のほとんどが一般市民でした。その一般市民たちが焼かれ、蒸発させられ、炭にされてしまいました。その中には、私の家族や私の351人の級友たちもいました。

 それから何週間、何ヶ月、何年たっても何千もの人々が亡くなり続けました。突然でしかも不思議な死に方で。そう、それが後から来る放射能の恐怖です。今日でも、放射能は生き残った人たちを殺し続けています。

 私が広島のことを思い出すたび、当時4歳だった甥の英治の姿が私の心に浮かびます。彼の小さな体は、誰のものともわからない溶けた肉の塊になってしまいました。英治は消え入るような声で水を求めていました。死によって苦しみから解放されるまでずっと。

 私にとっては、英治が世界の全ての無垢な子どもたちの代表に思えるのです。その子どもたちは、今この瞬間にも、核兵器によって脅威を与えられています。

 毎日毎秒、核兵器は、私たちが愛する全ての人と、私たちが大切に思っているすべてのものを危機に陥れています。もう、こんな狂気には耐えられません。


 私たちの怒り。生き抜くための厳しい闘い。そして灰燼から立ち上がって復興に取り組んできたこと。私たちヒバクシャは、世界の人々に黙示録的な兵器のことについて警告を発しなければいけない、という使命感を持ってきました。何度も何度も、私たちは被爆の証言を世界の人々に伝えてきました。

 しかし、それでもまだ、広島と長崎への原爆投下を、非道な行為であり戦争犯罪だととらえることを拒否している人たちがいます。彼らは、原爆は「良い爆弾」であり、そのおかげで「正当な戦争」を終わらせることができた、という宣伝を受け入れているのです。

 この神話こそが、核兵器製造競争という悪夢を生んだのです。その競争は今日までずっと続いています。

 核保有9カ国は、いまだに世界中のすべての都市を焼き尽くし、地球上の全ての生命を破壊し、未来の住民たちがこの美しい世界で住めなくなるかもしれないという怖さで、私たちを脅し続けています。

 核兵器を持っていることが、その国の力の偉大さを示すわけでは全くありません。逆にその国がいかに深く堕落しているかを表していることにしかなりません。

 核兵器は必要悪などではありません。完全な悪です。

 今年の7月7日、私は歓喜に溢れる声をあげました。その日、世界の大多数の国々が、核兵器禁止条約の採択に賛成票を投じたのです。

 人類が持つ最も邪悪な一面を見てしまった私が、この日は人類が持つ最も素晴らしい一面を目にすることができたのです。

 私たちヒバクシャは、この72年間ずっと核兵器禁止を待ち続けていたのです。

 この契機を核兵器の終わりの始まりにしましょう。

 すべての責任ある指導者のみなさんは、この条約に同意してください。

 この条約を拒否した者はすべて、後に厳しい歴史の審判を受けるでしょう。

 もはや、彼らが持ち出すあいまいな理屈では、核戦争が起こったときに引き起こされる大虐殺をごまかせないところまで来ています。

 もはや、「抑止力」ということばが、「(廃絶ではなく)軍縮を前提とした抑止力」という意味だけになることはありません。

 もはや、私たちはキノコ雲の恐怖の下で生きることはありません。

 核兵器保有国の政治家の皆さん、
そして、いわゆる「核の傘」の元にある保有国の同盟国の政治家の皆さんに、私はこう伝えたい。
 「私たちの証言を聞いて欲しい。私たちの警告に耳を傾けて欲しい。そして、あなた方が選択する行為が、重要な意味を持つことを分かって欲しい。あなた方はみなそれぞれ、人類を絶望の恐怖に陥れる体系の中に組み込まれているのです。悪の陳腐さに警告を発しましょう」

 世界中の全ての国家の大統領や首相のみなさんに、心から願います。「この条約に賛同してください。核兵器の使用によって世界が滅亡するかもしれない脅威を、永遠に取り除いてください」

 煙が立ちこめる建物の下敷きになった13歳の私は、前進を続けました。光に向かって進み続けました。そして生き抜くことができました。今、私たちに見える光は核兵器禁止条約です。

 ここにいらっしゃる皆さんと、私の話を聞いて下さっている世界中の皆さんに、もう一度あのことばを繰り返します。廃墟となった広島で私に呼びかけられたあのことばを。
「あきらめるな!進み続けろ!
光が見えるだろう?光に向かって這っていけ!」

https://hibakushaglobal.net/2017/12/11/ican-oslo3

 今夜、オスロ市街を、たいまつに灯火をつけて私たちは行進します。核兵器の恐怖という暗黒の夜から抜け出すために、ともに進んでいきましょう。

 どんな障害にぶつかっても活動を続け、前進を続け、他の人々にも光を分け与えていきましょう。

 これこそ私たちの熱い思いであり、私たちが参画することこそ、大切な世界が持続するために必要なのです。




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議会への提言、経済権力の集中について

<記事原文寺島先生推薦>
Message to Congress on the Concentration of Economic Power
Franklin D. Roosevelt April 29, 1938


ニューディール政策 フランクリン・D・ルーズベルトの演説

フランクリン・D・ルーズベルト

1938年4月29日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年7月23日


 アメリカ合州国議会のみなさん:
海外での不幸な出来事がいくつも続いたことで、私たちは民主的国民の自由というものについて、ふたつの基本的真実をふたたび学ぶことになりました。

 ひとつめの真実は、仮に私的権力が民主主義国家そのものを超えるまでに成長するのを国民が許してしまうならば、民主主義の自由は安泰ではないということです。それは本質的にはファシズムです。それは、一個人、ある特定の集団、あるいは他の支配的な私的権力に、政府が所有されてしまうということなのです。

 ふたつめの真実は、経済制度が雇用を提供せず、最低限の生活水準を維持することができるように商品を生産し供給しないならば、民主主義の自由は安泰ではないということです。

 このふたつの教訓が私の胸を強く突きます。
今日、私たちのあいだには、私的権力の集中が歴史上前例がないほど高まっています。この私的権力が集中することによって、民間企業の経済効果は著しく損なわれています。その経済効果こそ、労働と資本のための雇用を提供するものとなり、また国民全体の所得と収益のより公平な分配を保証するものなのですから。

1.強まる経済権力の集中

 内国歳入局(現在のIRS国税庁)の統計は、以下にあるように1935年の驚くべき数字を明らかにしています。

 企業資産の所有状況:全国各地から報告されるすべての企業のうちの 1 パーセントのさらに10分の1が、全企業の総資産の52パーセントを所有していた
問題の核心は、報告されるすべての企業のうち5パーセント未満が、すべての企業の総資産の87パーセントを所有していたことです。

 企業の収入と利益の状況:国のあらゆる地域から報告されるすべての企業のうち 1 パーセントのさらにその10分の1が、すべての企業の総純利益の50パーセントを獲得していた問題の核心は、報告されるすべての製造企業のうち4パーセント未満が、すべての製造企業の総純利益の84パーセントを獲得していたことです。

 現代を統計的かつ通時的にみると、不況時に企業の集中が一気に加速することが明らかになっています。そのとき大きい企業は、経済的逆境によって弱体化した小さな競争相手を食い物にして、さらに大きく成長する絶好のチャンスを得るというわけです。

 このように、企業群がひとにぎりの巨大企業に集中してしまうことからくる危険性は、減ることも無くなることもないでしょう。それどころか、その大企業の有価証券が広く公的に流通することによってその危険性が増します。時にはさらに促進されます。有価証券の保有者数を見るだけでは、個々人の保有高の規模や、経営における実際の発言能力については、ほとんど手掛かりが得られません。しかし実際、企業の有価証券がごくひとにぎりの少数者に集中していることと、企業資産の集中は、まさに同時進行なのです。

 1929年は、株式所有者の配当にとって大成功の年でした。

 その年、国民の1パーセントのさらにその10分の3が、個人から報告のあった配当金の78 パーセントを受け取っていました。これは大雑把に言えば、300人のうちのたった1人だけが株主配当 1ドルのうちの 78セントを受け取り、他の 299人で残りの 22セントを分け合ったことになります。

 こういった富の集中の影響は、国民所得の分配に反映されています。

 国家資源委員会による最近の調査では、1935~36年における国民所得の分配状況を次のように示しています:アメリカ全世帯の 47 パーセントと一人暮らしの独身者は、年収が 1000 ドル未満だった。そのうえ、この梯子の上部を見ると、アメリカ全世帯の 1 パーセント未満弱が、金額にして、この底辺層 47 パーセントの全収入と同じ収入を得ていた。

 さらに決定的なことは、内国歳入局は 1936 年の不動産税の申告について次のように報告しています。

 相続によって譲渡された財産の 33 パーセントは、すべての報告された不動産件数のわずか 4 パーセントに集中していた。(そして、それより規模の小さな不動産、すなわち法的に報告義務のないものをすべて含めたばあい、集中度合いはもっとすさまじいものとなる)
「政治的民主主義」と「政府からの規制をほとんど受けない利益追求型の自由主義的民間企業」とが互いに奉仕し保護しあう生活様式がある、と私たちは信じます。それが人間の自由を最大限に保証するのです。少数者のためではありません。すべての人の自由を保証するのです。

 よく言われてきたことですが、「最も自由な政府であっても(たとえそれが存在したとして、ではありますが)、その政府の制定する法律が、財産の急速な蓄積を少数者の手中に集中させ、民衆の大多数が無一文になって他者に依存せざるを得なくなる状況を生み出すものであれば、そのような体制は長くは受け入れられることはない」

 今日、多くのアメリカ人が不安な問いかけをしています。「我々の自由が危機に瀕しているという大きな叫びが聞こえてくるが、それを証拠づける事実があるのか」と。

 この問いかけに対して、今日のアメリカ中の平均的なひとたちが出している返答は、ウオール街大暴落のあった 1929 年の場合よりもはるかに正しい。その根拠は、1929 年からの 9 年間に私たちが多くの良識ある考え方をしてきた、という非常に明快な理由によるものです。

 今日のアメリカ中の平均的なひとたちの返答はこうです。

 「我々の自由が危機に瀕しているとすれば、それは私的経済権力の集中が原因だ。というのも、彼ら私的経済権力は我々が選んだ民主的政府を乗っ取ってしまおうと必死になっているからだ」

 民衆の自由が危機に瀕するなどということは、私たちの民主的政府自体から出てくることはありません。そのように民衆に盲信させようとしているのは、私的権力の所有者たちです(決して全てではありませんが)。

2.産業界に対する金融統制

 ここまで私が引用したこれらの統計でさえ、アメリカ産業界全体にわたる支配・統制の、現実的な集中度を表しているわけではありません。

 徹底的な金融統制は、巨大企業による個々の企業の経営方針にたいして徹底的な支配・統制をつくりだしています。投資経路に連動する勢力範囲をとおしてとか、「持ち株会社」や戦略的な「少数株主持ち分(被支配株主持ち分)」といった金融的手段(策略)を使って、それをおこなうのです。しかし、その個々の企業は独立体であるかのように装うのです。

 持ち株会社とは、他の株式会社を支配する目的で、その会社の株式を保有する会社を指す。ホールディングカンパニーとも呼ぶ。他の株式会社の株式を多数保有することによって、その会社の事業活動の指針を決めることを事業としている会社。

 少数株主持ち分(被支配株主持ち分)とは、連結子会社の資本のうち連結親会社の持ち分に属しない部分、およびそれを表す勘定科目の一つ。通常、連結親会社は他の企業の議決権を過半数所有することで支配権を獲得する。しかし、現行の会計基準では、所有する議決権を過半数に届かない(または議決権を所有し
ていない)場合であっても、特定の要件に該当すれば支配の獲得が認められる(支配力基準)

 そういった金融統制と経営統制という統合的な締めつけは、アメリカ産業界の巨大で戦略的な分野に重くのしかかっています。残念ながら、小規模企業はアメリカの中でますます依存的な立場に追いやられています。皆さんも私もそれは認めざるを得ません。

 民間企業は自由企業でなくなり、集中化された私的企業の群れになりつつあります。実態が隠されているので見かけはアメリカ型の自由企業体制ですが、一皮むけば、実際はヨーロッパ型のカルテル体制になってきています。
 
 産業が効率的に成長することや、大量生産がもたらすさまざまな利点を私たちはみな必要としています。手動織機や手動炉に戻ったほうがいいなどと提案する人はだれもいません。特定の製品を生産する一連の過程では、複数の巨大な生産工場が必要になる場合があります。現代の効率化はこれを求めているかもしれませんが、現代の効率的な大量生産は一元的な中央統制によっては促進されません。というのは、工場はそれぞれが個別の単位として稼働しながら効率的な大量生産をおこなう能力をもっているからです。一元的な中央統制はその工場間の競争を破壊してしまうからです。産業を効率化することは、中央統制的な産業帝国を築くことではないのです。

 そして、残念なことに、中央統制な産業帝国を築くことは、銀行家による産業界の統制へと促進されつつあります。私たちはそれに反対します。

 そのような統制は一般の投資家に安全を提供しません。投資判断には、経営に対する公正無私な他者評価が必要です。投資判断が狂ったり歪んでしまうのは、経営者が経営判断だけでなく投資判断までおこなおうとするからです。経営者は企業を経営するという投資家とは矛盾する義務があります。他方、企業経営を評価し判断するのは投資家の仕事なのです。

 企業による一連の金融統制は、アメリカの実業界から多くの伝統的な力強さ・独立性・適応性・大胆さを奪いとってしまい、それらの利点を補う方策を持っていません。企業による勝手な金融操作は、金融界が約束した安定性を与えてきませんでした。

 企業は新しい活力と柔軟性を必要としています。新しい活力と柔軟性は、多様な取り組み、独立した判断、多くの独立した実業家の脈打つエネルギーから生まれるものです。

 国民の一人ひとりは、自分自身の判断で、自分自身のわずかな蓄えを、ギャンブルのような株式投資にではなく、新しい企業投資に向けるように奨励されなければなりません。個人が相手だから競争しようするのであって、巨人が投資競争の相手であれば誰も投資しないでしょう。

3.競争がなくなると雇用にはどのような影響が

 人間一人あたり、または機械一台あたりの生産量において、わが国アメリカは地球上で最も効率的な工業国です。

 しかし、労働と資本を相互に完全活用するということに関して言えば、私たちは最も効率の悪い部類に入っています。
…………
 現在の困難さの主要原因のひとつは、多くの産業分野での価格競争の消滅にあります。とりわけ経済権力の集中が最も明白であり、基礎的な製造分野において、それが顕著です。

 その分野においては、硬直した価格と流動する給与が一般的になっているからです。

4.競争は搾取を意味しない

 もちろん、競争は他のすべての利点と同様に、行き過ぎになりうることがあります。競争は、明らかに社会的かつ経済的に悪い結果をもたらす分野に及ぶべきではありません。児童労働の搾取、労働賃金の騙し取り、労働時間の延長は、必要でなく、公正でもなく、また競争の適切な手段ではありません。私は一貫して、「賃金と労働時間に関する連邦法案」において、それらを競争分野から除外して、労働者に最低限の品位ある生活を保障するように要請しています。

 もちろん、自由企業は理性的に競争できるシステムを活用する必要があります。自分たちのつくった商品に対する市場動向を測る際に、実業家は農民と同じように、政府や自分たちの団体から可能な限りの情報を与えられるべきです。そのことによって実業家は衝動的にでなく知識をもって行動できるのです。現在の過剰生産という深刻な問題は、情報を広めることで回避できますし、またそうすべきです。現在の市場では吸収できないほどの過剰な商品生産を止めることによって、あるいはまた明らかな需要を危険なほどに超える大量在庫が蓄積されないようにすることによって。

 もちろん、競争価格の水準を上げるよう促す必要があります。たとえば農産物価格がそうです。農産物価格は、農業経営が可能となるようなもっと釣り合いのとれたものにし、農家が債務負担に耐えうるように価格構成を上げなければなりません。農産物の競争価格の多くは現在あまりにも低すぎます。

 自然の回復を待つにはあまりに悪化しすぎて慢性的に病んでいる産業に対しては、時には特別な手立てをとる必要があります。特に国民全体に関わったり、それに準ずる性格をもつ産業に対してはそうです。

 しかし、概して産業と金融の分野においては、私たちは競争を復活させ強化しなければなりません。もし私たちが自由な民間企業の伝統的体制を維持し機能させたいのであれば。

 私的な利益追求を正当化しようとすれば、私的な危険性は当然のことです。実業家であることの負担と危険を取りたくない実業家のために、アメリカを何の危険も冒さずに安全な国にすることなど私たちにはできません。

5.私たちの前にある選択

 3分の1の国民に仕事や収入や機会を与えることを拒んでいる民間企業をどうしたら管理・統制することができるか。これを調査することは、利益を追求する民間企業体制を切実に守りたいと願う人びとの側にとっては久しく懸案になっている課題です。

 人はだれしも、とりわけ民主的国民であればなおさらのこと、仕事もなく、あるいは明らかに痛ましくも生産する力すらない生活水準に甘んじていることはできないでしょう。人はだれしも、とりわけ個人の自由という伝統をもつ国民であればだれしも、庶民のための機会がじわりじわりと侵食されていき少数者の支配下にあるという無力感の抑圧に耐えられなくなります。それが経済生活全体に影を落とすことになるのです。

 優れた洞察力をもつあるビジネス誌は社説でこう指摘しています。「産業界における大企業への一極集中が、政府に究極的集権主義を強要している」と。

 国全体の経済生活を統制するような少数者の権力は、大多数の人びとに広く分散されるべきか、あるいは民衆や民主的に選ばれた責任ある政府に移譲されるべきなのです。価格が管理・統制されるならば、そして国家の経済が競争によってではなく計画で運営されるならば、そのような権力は、たとえ政府であっても与えられるべきではありませんし、ましてや、どのような私的集団やカルテルにも与えられるべきではありません。その企業家たちが、自分たちはどんなに慈悲深いと公言していていたとしても。

 政府の内外を問わず、競争の規制をますます拡大させることを奨励する人びとは、大きな責任を負っています。そのような人びとは、競争の規制・統制に積極的に取り組むのか、またはその流れを変えようとする真摯な試みに対して消極的な抵抗をするのかのいずれかであり、彼らは意識的にしろ意識的でないにしろ、一部のひとや集団に権力を集中した企業経営や金融支配のために働いているからです。したがって、意識的にしろ意識的でないにしろ、彼らはビジネスや金融、またはそれに代わる手段によって、政府そのものを支配しようと働いているのです。なぜなら民衆の力が政府のなかにますます集中し、そのような政府が私的権力の集中に抗しているからです。

 一部の企業や集団による経済や金融の独占を禁止すること、すなわち企業に対する自由競争の強制は、実業界が全く望んでいない規制なのです。

6.ニューディール政策における経済権力の集中を解消するプログラム

 私が議論してきた課題に対する伝統的な対応は、独占禁止法(反トラスト法)を通しておこなわれてきました。私たちは独占禁止法を放棄することを提案しているのではありません。それどころか、現行法の不十分さを認識しなければなりません。私たちは独占禁止法等を強化して、国民がそれらの法律が提供している保護を奪われたりしないようにいたします。それらを適切に強化するには徹底的な調査が必要であり、現在あるかもしれない違反行為を発見するだけでなく、業界どころか政府にも有害で無計画な起訴を回避する必要があります。このように、既存の独占禁止法を適切かつ公正に強化するために、私は司法省に補充歳出20万ドルの予算をつけます。
 
 とはいえそれでも、既存の独占禁止法では不十分です。その最も重要な理由は、独占禁止関連の諸法が対処するべき新しい金融経済状況に対して無力なためです。

 「シャーマン法(1890年)」は約40年前に可決されました。「クレイトン法(1914年)」および「連邦取引委員会法(同年)」は 20 年以上前に可決されました。私たちはそれらの法の下でかなりの経験をしてきました。その間、私たちは大規模産業の実態を観察する機会をもち、当時は知らなかった競争制度について多くのことを知ることができました。
(19世紀後半、アメリカにおいて独占資本の形成が進むと、自由競争で発展した大企業を放任したことが、
むしろ逆に自由競争を阻害するという事態を招いた。そこで幾つかの「反トラスト法」を制定したが、その中心になるのが、1890 年のシャーマン法、1914 年のクレイトン法、同年の連邦取引委員会法の三つの法律だった。連邦取引委員会法は、反トラスト法の執行機関として、司法省に加えて、連邦取引委員会を
設立すると同時に、不公正な競争方法を禁ずる規定を盛り込んでいる。)

 私たちは企業の多くの分野で効果的な競争から生じた企業の統合を目撃してきました。このいわゆる競争制度は、少数の大企業が市場を支配している産業界では、独立した企業が多数ある産業とは異なった働きをすることを学んできました。

 現実的なビジネス規制の制度は、意識的に背徳行為をおこなうものにたいして、それを超えた存在にならねばならないことも学びました。地域社会は経済効果に関心をもっていますが、地域社会は、道徳的な悪と同様に、経済的な悪からも保護されなければなりません。私たちは人の目をくらます経済勢力に対して現実的な制御方法を見つけなければなりません。やみくもに自分勝手な人間も同じですが。

 政府は人の目をくらます自分勝手な人間には対処することができますし対処すべきです。しかし、それは私たちの問題の比較的小さい部分であり、容易に解決できます。もっと大きく、もっと重要で、もっと困難な私たちの課題は、自分では非利己的で善良な市民なつもりであっても、現代の経済的に相互依存している地域社会において自らの行動がもたらす社会的および経済的結果を理解できない人びとへの対応なのです。彼らは私たちのいくつかの最も重要な社会的・経済的課題の重要性を把握できていません。なぜなら、彼らは自分自身の個人的な経験に照らしてのみ考え、他者や他の産業の経験をもって先を見通して考えられないからなのです。したがって、彼らはこれらの問題を国全体の問題として見ることができていません。

 私が述べてきた状況に対応するために、アメリカの産業における経済権力の集中について、そしてその集中が競争の衰退に及ぼす影響について、徹底的な調査・研究が必要です。現存する価格体系や産業の価格政策を検討する必要があります。それは一般的な通商基準・雇用・長期的利益・消費に及ぼす、価格体系や価格政策の影響を判断するためです。調査・研究は、伝統的な独占禁止法の分野に限定されるべきではありません。税、特許、その他の政府施策が及ぼす影響も、無視できないからです。
……
 誠実な人であればだれでもこれらの提案を誤解することはないでしょう。これらの提案は昔からのアメリカの伝統に由来しています。少数者による経済権力の集中支配と、その結果から生じる労働と資本の失業は、現代の「私企業」民主主義にとっては避けられない課題です。あまりにも安定性に欠けているからといって私たちの生活様式への信頼を失ってはなりません。というのも、私たちが今やろうとしていることは、この生活様式をもっと効率的に機能させる方法を見つけようとしているだけなのですから。

 このプログラムは、主に自分自身のビジネスで利益をあげることに興味をもつ全ての独立した企業家の率直な常識に訴えかけるべきものです。規制すべきなのは、それ以外の企業家たちなのです。

 このプログラムは、経済効果に適切な配慮を欠くような、悪意ある「トラスト破壊」活動を開始することを意図したものではありません。利益を求める民間企業を保護するためのプログラムです。民間企業に十分に自由を保障することによって、すべての資源すなわち労働と資本を有効活用して利益をあげることができるようにするものです。
 
 このプログラムは、ビジネスにおける企業集中の進展に歯止めをかけ、ビジネスを民主的な競争秩序のあるものに戻すことを基本的な目的とするプログラムです。

 このプログラムは、利益を求める自由な民間企業体制がこの時代に失敗したというのではなく、それがまだ試されてこなかったということを基本テーマとするプログラムなのです。

 アメリカにおける独占企業は自由企業体制の上に寄生しているにもかかわらず、その自由企業体制を麻痺させており、その重圧下で苦しんでいる民衆ももちろんですが、自由企業を経営している人びとにとっても致命的となっています。こうしたことを理解するならば、こういった独占企業による人為的な統制を取り除こうとする政府の行動は、国中の産業界によって歓迎されることになるでしょう。

 というのは怠惰な工場と怠惰な労働者は、誰にも利益をもたらさないからです。

<解説 寺島隆吉>
 ルーズベルト大統領(任期 4 期、1933 年 3 月 4 日 – 1945 年 4 月 12 日)は、「ニューディール政策」と呼ばれる、政府による経済介入・積極的な経済政策をおこないました。

 テネシー渓谷開発公社、民間植林治水隊、公共工事局、公共事業促進局、社会保障局、連邦住宅局などを設立し、大規模公共事業による失業者対策をおこなったことで有名です。そのほか。団体交渉権保障などによる労働者の地位向上・社会保障の充実などの政策もおこないました。

 いま現在(2020 年 7 月 22 日)、上記の大統領演説を読み直してみると、まるで社会主義者の演説を読んでいるかのような錯覚に襲われます。しかし彼の頭の中にあったのはソ連型の計画経済でもなく金融街と巨大独占企業がアメリカを一極支配するファシズム型経済でもありませんでした。

 彼の念頭にあったのは徹底的に民主主義を貫く資本主義経済であったように思われます。この演説がルーズベルトの定義するファシズムとしても有名であるのは、宜(むべ)なるかなと思わされます。選挙で選ばれてもいない私的集団が国家を支配する、これがルーズベルト言うファシズムなのです。

 そのことを念頭において、この演説を読むと、彼の言っていることが、より深く理解できるのではないでしょうか。しかし、彼の政策はあくまで民衆の側に立つものでしたから、ウォール街から毛嫌いされ、彼に対する暗殺やクーデターが企画されたのも無理もないと思います。

 この点に関して『櫻井ジャーナル』には次のような興味ある事実が記述されています。

< しかし、少なくとも 1930 年代のはじめ、アメリカ、フランス、イギリスの支配グループ内にファシストがいたことは間違いない。例えばイギリスの場合、ウィンストン・チャーチルはアドルフ・ヒトラーに好感を持っていたと言われ、イギリス国王エドワード 8 世(後のウィンザー公爵)はナチと密接な関係にあった。

 アメリカの場合、JP モルガンをはじめとする金融界がヒトラーを支援していた。1932 年の大統領選挙でハーバート・フーバー大統領が再選されていたなら、ナチスとアメリカ金融界の蜜月は続き、アメリカもファシズム化していた可能性が高い。強者総取りの経済を推進すれば、庶民の反発を力で抑え込むしかないからだ。

 このシナリオを狂わせたのがフランクリン・ルーズベルトの大統領就任だった。金融界にとってルーズベルトの掲げる政策が脅威だったようで、ルーズベルトは就任式の前に銃撃され、1933 年になると JP モルガンを中心とする勢力がファシズム体制の樹立を目指すクーデターを計画している。

 この反ルーズベルト・クーデターの計画はスメドリー・バトラー少将の議会での証言で明らかにされて失敗に終わるのだが、大戦の末期、ドイツが降伏する前の月にルーズベルトが急死すると親ファシスト派は復活し、ナチス残党の逃亡を助け、保護し、雇い入れている。日本で民主化が止まり、「右旋回」が起こった背景はここにある。>
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201212070000/(2012.12.07)

 上記の説明にあるように、当時のアメリカ軍部で最も人気のあったバトラー将軍が、金融街から反ルーズベルト・クーデター計画への参加を呼びかけられたのですが、彼は断固としてこれを拒否し、アメリカ議会で、その計画を暴露するという勇気ある決断をしました。

 この計画を受け入れていれば、彼はたぶんルーズベルト亡き後の次期大統領になっていたかもしれません。この計画の詳しい顛末については、『肉声でつづる民衆のアメリカ史』第 12 章 4 節 443-448 頁「スメードレー・バトラー『戦争はペテンだ』」)に詳述されています。

 また単行本としては、吉田健正『戦争はペテンだ――バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定』(七つ森書館 2005) があります。時間があるときにでも覗いてみていただければ、有り難いと思います。
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アメリカ人がその職を失っている時に、アメリカ上院議会はイスラエルに10年間で最低380億ドルを与えるように一段と加速

<記事原文 寺島先生推薦>
As Americans lose their jobs, Senate gears up to give Israel A MINIMUM of $38 billion over 10 years

RT USニュース 2020年5月23日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年7月25日



 コロナウイルスのパンデミックの影響により米国経済が後退している時、上院外交委員会はイスラエルに年間最低38億ドルの軍事援助を与えることに合意した。その贈り物は満場一致ですぐに可決されると予想される。

 現在、米国の失業率は14.7%で、記録を始めて最悪の数値である。 1月下旬にコロナウイルスが米国沿岸に到着して以来、3900万人近くのアメリカ人が仕事を失い、米国議会予算局は火曜日に、米国経済は来年末まで現在の収縮から回復しないだろうと警告した。さらに、これまでの連邦政府の財政救済策により、国債は過去最高の25兆ドルを超えた。

 もしあなたたちがマルコ・ルビオ上院議員に考えを問い質しても、何ら問題はないであろう。そのフロリダ共和党議員と上院外交委員会の彼の同僚議員は木曜日に、国内における経済の大混乱にもかかわらず、イスラエルに今後10年間で最低380億ドルの軍事援助を保証する法案に、異議をとなえることもなく賛同した。

ALSO ON RT.COM

Washington State conned out of a likely ‘hundreds of millions of dollars’ by Nigerian scammers

 全会一致で可決されたこの法案は、今や上院議会での採決に向かう。

 この法案は、タカ派の共和党員の一人であるルビオ上院議員によって作成されたものだが、2016年にオバマ元大統領によってなされた約束を法文化するためのものである。オバマ前大統領とイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相によって合意された協定では、ユダヤ人国家は、年間38億ドルを上限として追加の資金を求めないことになっていた。実際、議会が2018年に前回のルビオ議員の法案に投票したとき、その数字は上限として設定されていた。 2018年の法案は、翌年、最終的にもう一つの中東安全保障関連法案にまとめられ、民主党が多数を占める下院で廃案となった。

 今回、ルビオ上院議員が再度法案を上程した際、支出の上限が削除された。木曜日に外交委員会を通過した案では、米国は今後10年間、毎年少なくとも33億ドルの直接的軍事支援と5億ドルのミサイル防衛計画資金を与えると変更された。

ALSO ON RT.COM

US billionaire wealth skyrockets to over $3 TRILLION during pandemic

 木曜日にルビオ上院議員は、この法案は「我が国とイスラエルとの戦略的安全保障同盟を強化し、その安全性と安定性に関して前例のないほど増大する脅威に直面して揺れ動く民主主義体制を強化する」と誇らしげに語った。しかしその法案は派手に宣伝されることなく秘密に近い状態で可決された。

 外交委員会は、委員長のジム・リッシュ上院議員(アイダホ州共和党)が通常の実況配信を行い、他の15の法案と一括してこれを採決した。リッシュ上院議員やルビオ上院議員の同僚である民主党議員は、これをごく内々に取り扱うことに懸念を表明したが、法案の可決に反対する人はいなかった。これは、アメリカ史上最大の軍事支援法案である。

 この投票はアメリカのメディアでは取り上げられておらず、少数の反イスラエル活動家だけが言及していた。上院本会議での採決がより広く報道されていたなら、おそらく批判を引き起こすであろう。コロナウイルスが米国経済に打撃を与える前でさえ、アメリカ国民の間のイスラエルへの支持は低下していた。昨年末に行われたギャラップ世論調査によると、中東紛争ではアメリカ人の59%がイスラエルに賛同し、前年の64%から減少した。


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パンデミック時におけるキューバへの細菌戦争


<記事原文 寺島先生推薦>
Bacteriological War against Cuba in Time of Pandemic


Cubasi 2020年6月10日
<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ



 1964年6月1日、フィデル・カストロ司令官は、米国政府によるキューバ人に対する細菌兵器について、その使用を公式に非難した。米国はこれを否定し、それらの主張をいつものように無視し、根拠のないものとする従来の方法を始めた。

 フィデルが強い光を当てたのは、北米のどの政権の際にも行われた半世紀以上にわたる細菌攻撃の始まりが何であったかだ。その攻撃は、キューバ人民や経済、そして革命指導者、他の高位指導者を標的として行われ、その結果、多くのキューバ人の生命と巨大な富や資源が失われた。

 キューバに対する一連の細菌戦争(その細菌戦争は、歴史上最も長いものだ)の重要な側面が、1975年の中央情報局(CIA)による違法行為についての連邦上院委員会調査結果やその他の文書が公開された際明らかになった。これらの文書は、その細菌戦での疑念の物質の洗浄・隠滅について1964年にフィデルが開始した申し立てに歴史的な根拠を与えるものとなった。

 1975年の米国の文書公開によって初めて分かったことであるが、フィデルの告発に先立つ2年前に、キューバの指導者であるフィデル自身がCIAの標的となり始めた。その手段は、フィデルが着用する予定だったダイビングスーツを結核菌と真菌腫で汚染するというものであった。その真菌腫とは、感染者の体組織を徐々に分解し激しい苦痛の中で死に至らしめるものであった。

 致命的なバクテリアで汚染されたタバコをフィデルに送ったり、痕跡を残さないように特別に製造されたシアン化物の錠剤で彼を毒殺しようとする試みもあった。

 プラヤ・ジロンでの敗北後、これは何年も後に公開されたことだが、ワシントンはいわゆるマングース作戦で「生物兵器または化学兵器による作物破壊、および1962年11月の次期議会選挙前に政治体制を変える」ために、キューバ島に直接侵入する状況をつくり復讐する計画を立てた。

 この計画を続行するために、実際に全ての作物は汚染され、全ての家畜および家禽はCIAの研究所で準備された害虫や病気におかされた。

 1970年代と1980年代には、キューバ国民は主に出血性結膜炎、赤痢、デング熱02型の影響を受け、1980年代には子供を含めて158人の死者を出した。これは、北米生物テロによるキューバ国民への最悪の被害となった。
.
 ソ連と社会主義陣営の消滅後、米国の特別軍務機関とキューバの親アメリカ系右派は、キューバの被りつつある困難な経済状況の中で飢餓と絶望を悪化させる好機が来たと考え、作物、動物を汚染する努力を続け、サンティアゴ・デ・クーバでのデング出血熱の大発生が他の行動とともに計画された。

 我々の国は、人類のほとんどと同様に、最近の数世紀で最も危険なパンデミックと見なされているCovid-19に直面しているが、そのような状況下で米国は、我々が、スイスの医薬品を確保したり、人工呼吸器の供給を受けたりすることを妨げることを目的とした行動をとっている。このようなものは、深刻な病気の患者の生存には必要不可欠なものであるのに。

 このように、ホワイトハウスは、現在の衛生状況を予期しない味方として、キューバ人に死と苦痛を間接的に引き起こし、権力の及ぶ範囲であらゆる手立てを使い、キューバが人命を救うための基本的な資源を手に入れることを妨げ、様々な方法や形態でキューバに対する戦争を続行している。

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ベネズエラ情勢:アメリカの警備会社「シルバー・コープ」の契約書全文公表。フアン・グアイドの名前も。

<記事原文 寺島先生推薦>Venezuela: Full Silvercorp Contract Unveiled, Guaido Involved


teleSUR
2020年5月8日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年7月10日



 ワシントン・ポスト紙は、極右反政府メンバーがベネズエラに対して行った傭兵活動の詳細を記した契約書の全文を公表した。


 ワシントン・ポスト紙によると、この文書はベネズエラの野党関係者から、添付ファイルのうちの一つを公表しないという条件で提供されたという。それにもかかわらず、この文書はフアン・グアイドとその支持者がどれだけ資金提供したかを明らかにしている。

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'I Would Use an Army to Raid Venezuela' Trump Acknowledges


 teleSURがまとめたこの契約書の主要部分は以下の通り:

-契約のキャンセル料は、前金150万ドルを請負業者(シルバー・コーププ)に支払うこと。払い戻しはできない。この支払は、契約書署名後5日以内に行わないといけない。
-作戦初期の45日間は少なくとも5000万ドルの費用が見積もられる。これには作戦費用として、協力団とシルバー・コープの人件費、車両、輸送費、燃料費が含まれる。

-この作戦の495日分の合計見積もり費用は 2億1290万ドル。プロジェクト完了後も占領軍は引き続きベネズエラに進駐することになるため。

-作戦完了後の請負業者(シルバー・コープ)への毎月の支払いは最低1086万ドル、平均1482万ドル、そして最大では1645万6000ドルとなる。

-シルバー・コープ顧問団の協力団への支援内容:マドゥーロ大統領の拘束/逮捕/抹殺作戦の計画と遂行への支援。現政権転覆と大統領として承認されたフアン・グアイドを大統領に就任させることへの支援。

-合意された期間内の事業は継続されること。シルバー・コープによる作戦計画が実行される以前に、ニコラス・マドゥロ大統領が辞任したり、他の団体や政府によって解任されたり、他の個人に政権が引き継がれる、などの事情如何には関わらない。

-シルバー・コープは、テロ活動が終了した後も、テロ対策、麻薬取引対策、ベネズエラ資産の回収などについての助言を継続する。

-補償、請求、そして支払いについて

-この作戦への個人投資家からのつなぎ融資申し込みがあればシルバー・コープはそれを引き受ける。

-(この作戦への)投資家はベネズエラ新政府の出入り業者として優遇されることを保証される。

-シルバー・コープは、フルローン(頭金なしのローン)でこの事業を始めることを求めなかった。グアイドは、年利55%で遂行されるこの作戦完了後、月ごとにローンの返済(利子を含む)を始めることになっている。

-政権交代が完了すると、新政府はつなぎ融資の残債を1年で返済することになる。

-全額前払いの場合は、利息の日割り計算は行わず、利息はローン総額に適用される。

-利息はローン総額に付加される。例えば、投資家から契約者に与えられた融資額が4,000万ドルで、管理側が1年でそれを返済し、金利が55%の場合、利子は2,600万ドルとなる。つまり管理側はシルバー・コープに6600万ドルを支払う必要がある。

-シルバー・コープへ 1000万ドルの債券をグアイドが支払うこと。今回の作戦の首尾によりその額は変わる。

-契約書に署名してから5日以内に150万ドルの初期前払金を支払うこと。

-この作戦に同意した投資家は、シルバー・コープのサービスを継続するために、最初に2639万5810ドルを納入し、毎月1086万ドルを支払う必要がある。

-作戦成功後占領軍は、政府の安定への脅威や反対派によるテロリズムに対抗するために新政権の指示の下で行動する国家資産部隊となり、GIC(ベネズエラに関する国際連絡チーム)、FAES(ベネズエラ警察の暗殺部隊)、DGCIM(軍事防諜総局)と連携することになるだろう。

-シルバー・コープの、この新国家資産部隊への業務内容としては、作戦遂行目的への助言、採用、選定、評価、身体訓練、医療、通信、破壊活動、潜入捜査、監視、目標認識などがある。

-インフラ、通信回線、そして事業対象を不能にすること、妨害すること。

-占領軍によってある集団が敵対的な特定軍事力(旧政府軍、治安部隊、通常および臨時の海軍、空軍、陸軍)として宣告された場合、これらの集団および/または個人は無力化されなければならない。この対象には、敵対的な武器、弾薬、装備品も含まれる。

-マドゥーロ大統領側近、主要同盟者、そしていかなる武力支援もニコラス・マドゥロ大統領を支持する違法勢力と宣言する。ディオスダド・カベロとその側近、主要同盟者も同様の扱いとする。

-前政権の指揮統制の非軍事的要員に対処するための権限の付与。

-巻き添え被害が大きい地域での以下の標的への攻撃を承認する権限:前政権の軍事指導者、前政権の指揮統制下にある非軍事的要員、テロリスト、テロに関連するグループ/下部組織/建物、無人の航空機。

-あらゆるタイプの通常兵器への権限の付与
-シルバー・コープに敵対的行動を取ったり、試みたりする個人を抹消するために致死的武力を行使する権限の付与

-任務を妨害する合理的な疑いがある場合に、占領軍が民間人を停止、拘留、捜索する権限の付与
-ベネズエラの治安部隊と同等の特権、例外条項、免責を全てグアイドがシルバー・コープに与える権限の付与

-シルバー・コープの職員は身分証明書なしでも、グループまたは個人であっても、ベネズエラを出入国できる権限の付与

-さらにこの契約が規定しているのは、特定の事件において、あるものがあるものに対して裁判を起こす権利を放棄するよう求めることが可能だということだ。

-北米から参加するすべての人への保険、作戦期間中の占領軍メンバーへの医療費の支払い、および作戦完了後発生する可能性のある傷害の回復の保証

-活動中に任務を解かれた占領軍メンバーの直近親族に対して45万ドルの支払いを保証

-シルバー・コープ社は、契約の履行中に第三者である個人やグループが行った暴力行為や破壊行為については、一切責任を負わない。
-シルバー・コープがベネズエラまたは米国での民事、連邦、州での訴訟に直面した場合、ベネズエラ新政府は弁護費用の全額を負担しなければならない。シルバー・コープが無罪判決を受けた場合には、ベネズエラ新政府は財政的責任を負わなければならない。
-シルバー・コープは軍の最高司令部を指定し、憲法に違反して共和国を解体させる権限を持つ。

-この作戦の指揮系統:総司令官:フアン・グアイド大統領、プロジェクトの総監督:セルヒオ・ベルガラ、最高戦略責任者: セルジオ・ベルガラ、戦略参謀、フアン・ホセ・レンドン、現場指揮官:未定

契約書全文はこちら



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白人の米国は「善良な黒人たち」の方を好む。モーガン・フリーマンやコリン・キャパニック、そしてトランプについて


<記事原文 寺島先生推薦>White America Prefers “Good Blacks”: On Morgan Freeman, Colin Kaepernick, and Trump

ブラック・アジェンダ・リポート 

2017年9月17日

ポール・ストリート

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年7月10日
 

「好戦的で残忍な白人大統領と彼の仲間の白人主義者のアメフトファンたちは、選手に“善良な黒人”でいることを望んでいる。つまり、言われるままに自分自身を傷つけて義務的に多数派である白人や直属の白人の主人たちに仕えるような黒人だ」

 「NFL(ナショナルフットボールリーグ)の(白人の)所有者の1人が、我々の旗を軽視するような行為をしたものに対して、こう言うのを見たくはないか?「あの(黒人の)くそ野郎を今すぐフィールドからつまみ出せ。クビだ。クビだ!(歓声)」、2017年9月22日、ドナルド・トランプ大統領はアラバマで白人の支援者に向けてこう言った。

 白人米国社会の大部分では、米国の黒人を「善良」か「悪者」かで決定的に区別している。その「善良」か「悪者」かの区別は黒人の振るまいで決まる。このことには長い歴史がある。

 たとえば1960年代、モハメド・アリは「善良な黒人」だった。当時の彼はカシアス・クレイという名のただの陽気で冗談好きなオリンピックの金メダリストにしか見えなかった。ほとんどの白人たちはクレイの良さを認めた。それは「悪い黒人」であるソニー・リストンを破ってヘビー級のチャンピオンになったときだ。リストンは街の悪党として多くの白人たちをやっつけていた。

 しかし「クレイ」が改名して「アリ」になり、誇り高い黒人主義者となり、白人の米国帝国主義者たちによるベトナムの褐色肌の農民たちの殺害を援助することになる徴兵を拒否したとき、アリは「悪い黒人」になった。 米国の白人たちは、フロイド・ペーターソンやジョー・フレージャーのような好戦的でない黒人の闘士を、偉大な黒人主義者であるモハメド・アリよりも好むのだ。

 クレバランド・ブラウンズ(アメフトのチーム)のラニングバックのポジションをつとめた偉大な黒人であるジム・ブラウンは、「善い黒人」だった。しかし、それは、彼がアメフトのフィールドで政治的なことに関しては口を閉ざし、新しい記録を更新している間だけのことだった。ブラウンが白人の米国から評判を落としたのは、彼がアメフトをやめて1年後のことだった。ブラウンは、モハメド・アリ・サミットの開催をよびかけたのだ。その会議のために、国内の有数の黒人運動選手たちがクレバランドに集まり、アリが徴兵を拒否したことを支持した。白人からの批判を受けながらも会に参加した勇気あるスポーツ選手の中には、バスケットボールのボストン・セルティックス所属の偉大なビル・ラッセルや後にNBA(米国バスケットボール協会)のスーパースターとなる ルイス・アルシンンダーもいた。アルシンダーは後に、名をカリーム・アブドゥル=ジャバーと改名した。

 ジム・ブラウンが、白人の米国からの評判を落としたのは、モハメド・アリ・サミットの開催を呼びかけ、アリが徴兵を拒否したことを支持した後のことだ。
 
 何百万人もの米国の白人たちは1968年のメキシコ・オリンピックの200メートル走で米国の短距離走者であるトミー・スミスとジョン・カルロスが金メダルと銅メダルを取るのを目にして歓声を上げた。しかし、スミスとカルロスがメダルの表彰台で、ブラック・パワー・サルートのポーズ(公民権運動で行われた黒人差別に抗議するポーズ)をとって拳を突き上げたとき、そのことは白人の米国では大きな醜聞になった。

 もちろんこのようなことはスポーツの世界だけで起こっていることではない。偉大な黒人俳優であり歌手でもあるポール・ロブスンは、第2次世界大戦中、ブロードウエイの「オセロ」の演技で白人の聴衆から喝采を浴びた。白人たちは、ロブスンがラトガース球場での全米大学フットボール選手権に参加した時と同じように、彼に歓声を送ったのだ。しかし、ロブスンは、戦後、反人種差別者であり、左寄りの政治観をもっていることを明らかにした際、拒絶されブラックリストに入れられた。

 聞き分けの良い白人の下僕であった黒人のブッカー・T・ワシントンは、1901年にセオドア・ルーズベルトに招かれホワイトハウスで会食した。しかし、米国の大統領の中で、白人の好敵手であり批判家であった、かの偉大なW・E・B・デュボイスに会食の招待を申し出た人はかつていない。デュボイスは、NAACP(全米黒人地位向上協会)の創設者であり、白人至上主義に抗して黒人は武力に訴えた活動をすべきだと主張していた。

 
ベルフォンテは、白人の米国にとってはただの素敵な存在に過ぎなかった。それは、彼が「バナナ・ボート・ソング(デイ・オー)」のようなカリブ海民謡調の歌を歌うハンサムでお気楽な人物だとしか見られていなかったあいだのことだ。彼に対する白人人種たちからの株が落ちたのは、1960年代に黒人の平等を求める闘争に対して説得力のある発言をし、金銭的な支持も行うなど、彼の左派的な世界観が明らかにされたからだ。


 ロブスンは、戦後、反人種差別者であり、左寄りの政治観をもっていることを明らかにした際、拒絶されブラックリストに入れられた。

 白人の南部で広く批判されていた間も、マーチン・ルーサー・キング牧師は、1960年代初頭は、多くの白人米国人からは善良でリベラルでキリスト教徒であり温厚な「善い黒人」だと見なされていた。それは、比較の対象となる完全に「悪い黒人」が当時存在したからだ。優れたそして怒れる黒人ナショナリストであるマルコムXのことだ。しかし、穏健派でリベラルな考え方を持つ白人たちからのキングに対する評価が落ちたのは、キングが自らの急進的な立場を明らかにし、ジム・クロー法の廃止の訴えをしていた南部から彼自身が「相関する3つの悪」と呼んだ①人種差別主義②貧富や階級間の不平等③帝国主義的な軍国主義と対決すべく、北部の都市地域や全米に運動拠点を移したときだ。

 人種差別や抑圧された階級や帝国主義的な戦争に対する闘争に身を捧げた黒人女性は、何千万人もの白人たちに愛されるテレビやラジオの司会者になることは全くあり得なかった。そんなことができたのは、白人の小間使いだったオプラ・ウィンフリーくらいのものだ。ウィンフリーは白人のエゴにすり寄り、大量消費主義的な考えを受け入れ、その利点を利用しさらに白人新世代の「自己愛」という文化に乗っかることによって運を手に入れたのだ。

 彼女以外で、喜んで白人権力に義務的に貢献することによって、個人的な大「成功」を成し遂げた黒人女性には以下の3名がいる。一人目は、コンドリーザ・ライスだ。彼女は、完全な帝国主義者であったジョージ・W・ブッシュの国家安全保障問題担当大統領補佐官をつとめた。二人目は、オマロサ・マニゴールト-ニューマンだ。彼女は、白人主義者であることを公表しているドナルド・トランプが司会をつとめていたテレビ番組『アプレンティス』の中心的なアシスタントを務めていた。三人目は、ドナ・ブラジルだ。人種差別主義者である白人のクリントン一族や他の右派の企業寄りの民主党議員たちに長らく手下として仕えた。

 クラレンス・トーマス、コリン・パウエル、エリック・ホルダー、そしてバラク・オバマが、白人や帝国主義的権力に従順に従うことにより地位を向上させた輝ける黒人男性の例だろう。

 レバランド・ジェシー・ジャクソン・シニアでさえも、ここで言及するに値する人物だ。1990年代の中旬に、彼は南部出身の人種差別主義者であるビル・クリントンの票集めに協力していた。そのクリントンといえば、若い精神障害者である黒人の死刑囚リッキー・レイ・ドクターを冷血にも死刑に追いやった人物だ。クリントン大統領は、人種差別主義者である白人のニュート・ギングリッチやトム・ディレイといった共和党員と共謀して何百万人もの黒人の女性や子どもたちを生活保護の対象から追い出し、人種差別的な投獄を大量に増やし、さらには無慈悲な「三振法(三度目の罪を犯したら終身刑になるという法律)」という法律で人種差別的な警察国家への道を進めた大統領だ。ジャクソンは、こっそりとそんなクリントンのために活動していたのだ。ジャクソン(エレイン・ブラウンが2003年の優れた著書『小さなB(黒人)の怒り』の中で描いている通りだが)は、黒人の監獄を訪問し、黒人の囚人たちに、米国が人種差別でがんじがらめにされているのは、囚人たちが責任を持って期待されるような行動をとっていないからだという講演を行っている。
クラレンス・トーマス、コリン・パウエル、エリック・ホルダー、そしてバラク・オバマが、白人や帝国主義権力に従順に従うことにより地位を向上させた輝ける黒人男性の例だろう。

 聞き分けのいい「善い黒人」というのは、自分の居場所をわきまえていて、革新的に政治を変えようとすることは避け、白人たちが罪の意識を持たず日々を気持ちよく過ごせるようにする黒人だといういやな刷り込みはハリウッド映画で行われている。例をいくつかあげると、①『グリーンマイル』(マイケル・クラーク・ダンカンが、トム・ハンクス演じる白人の監視員の肉体と精神を奇跡的に治癒した巨漢の黒人死刑囚ジョン・コーフィ役を演じた)②(ケアスティン・ウエスト・サバリに言わせれば)「人種差別的なファンタジー映画」である『ドライビング Miss デイジー』(モルガン・フリーマンが忠実な黒人の運転手役を演じ、ジム・クロー法時代の南部を舞台に、彼の雇い主である白人女性となれなれしくも友人になり、彼女の自尊心を満足させるストーリーだ。③『アンフィニッシュライフ』(フリーマンがロバート・レッドフォード演じた苦虫をかみつぶしたような白人牧場主の補佐役として仕える独り者の黒人役を演じた)④『シャーシャンクの空に』(フリーマンが、ティム・ロビンス演じる白人の銀行員の刑務所仲間であり脱獄共犯者であり彼の精神的な支えとなった黒人役を演じた); ⑤『ミリオンダラー・ベイビー』 (善良な老人であるモルガン・フリーマンが、ヒラリー・スワンク演じる白人女性ボクサーのトレーナー役を演じた)⑥さらに(『ドライビング Miss デイジー』と同じ白人監督が撮った映画) 『Mr. Church』 (エディ・マーフィーが、ガンで死ぬ直前の独身の白人女性に雇われ、彼女の娘を養い、最終的には彼の残りの人生すべてをそのナルシストの娘の事実上の父親として過ごした映画)。解説者である黒人のケアスティン・ウエスト・サバリは、昨年ルート誌で『Mr. Church』について適切な批評を以下のように記している。

 「白人のハリウッドは、白人米国人の小世界を映しているものでないと全く成り立たない。それは黒人たちが、自分の気持ちをごまかして、飼い主に言われるままかいがいしく働く馬のように、「はい、だんなさま;いいえ、奥様」と聞き分けよく振る舞う世界だ。黒人が生活を変えてしまうような敵対する存在ではだめだ。この国においては、画面上で崇拝という形で表現されるそのような忠実な黒人たちは特別な好感をもたれるのだ。これは、リベラルな白人が黒人たちを彼らの世界から救い出しているという幻想だ。実際は白人たちがその黒人たちにより仕えられ救われているのに、だ。さらに、「黒人たちは永遠に従者的な階級に置かれ、社会に参加できるのは条件つきだ」という権力関係を強化する大量のイメージを常に流し続けている。その規則の第1条は、「可能な限り黒人たちを人から怖がられない存在として描くこと」。この規則が白人の映画制作者たちの心からしばしば出現する規則なのだ。つまり、黒人たちは自分たち白人を保護してくれる目立たない存在であり、黒人たちを平等になりたいと思ったり願ったりしていないという状況下に置くのだ」

「モルガン・フリーマンは、あの人種差別主義者である“ゴールド・ウオーター・ガール”のヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに敗北したのは「ロシアの介入」のせいだとクリントンの民主党と一緒になって非難している」

 上記の映画目録で、何回もモルガン・フリーマンの名が繰り返されたことに気づいて欲しい。『ワイルド・チェィンジ』(1989)において、フリーマンはニュージャージー高校の黒人校長ジョー・クラーク役を演じ、白人から賞賛を浴びた。それは、クラークがスラムに住む黒人生徒たちを野球のバットでむち打つこと(クラークによると、それは“奴らが分かる唯一のことば、すなわち暴力”)で、責任ある人間に矯正させたからだ。こういうやり方が、黒人が成功するために忠実に白人の主人に仕えるという定番のコインの裏側にあたるものだ。つまり、社会でのきちんとした振る舞いを少ししか身につけていなかったり、間違った振る舞いを身につけてしまっている自分と同じ人種である黒人たちをたたきのめすというやり方だ。これこそが、囚人の数を増やすのに取り組んでいたクリントンを援護射撃していたころ、レバランド・ジャクソンが黒人の囚人たちに対して唱えたお経の中身だ。

 今フリーマンは白人権力者にこびをうるという危険な賭けをしている。不合理な集団である白人の「リベラル」やネオコンや新マッカーシズムたちで構成される「ロシア調査委員会」が作成した動画に出演したのだ。このばかげた動画の中で、フリーマンは「ゴールドウオーター・ガール」であった人種差別者ヒラリー・クリントンが、「ロシアの干渉」のせいでドナルド・トランプに敗北したことを糾弾するクリントン民主党と歩調を合わせている。敗北の原因を、ヒラリーの気がめいるような性格であったり、人種主義的な考え方であったり、社会経済を重視する考え方であったり、帝国主義の保守的な考え方のせいにはしないで。

 バラク・オバマと彼を操る者たちは、白人の米国の「善い黒人」と「悪い黒人」の区別をしっかり理解していた。彼らは自信をもって、オバマを「ジェシー・レバランド・ジャクソンとは違う黒人」として売り出した。オバマは白人至上主義の決まりに則って行動していた。彼は無情にも、彼が師事した昔から「悪い黒人」だった牧師、怒れる反人種主義者で、反帝国主義者であった聖職者のジェレマイア・ライト師を捨て去り、それを踏み台にして権力への階段を登ったのだ。大統領として、オバマは注意深く、敏感な白人の人種差別主義者のボタンを押さないよう気をつけていた。オバマは自分が黒人であるというアイデンティティを上手く使ったことで、そのボタンがすでに押され、白人の人種差別主義者たちを刺激していることを知っていた。オバマ大統領は、黒人に特化した問題については注意深く距離を取り、人種については常におぼろげな表現を使っていた。そうすることで、白人のウオール街の権力者たちの権力と富をまもり、世界中に展開する白人による帝国主義的な侵略を、サブサハラ地域にまで拡大して前進させることになった。

「彼は無情にも、彼が師事した昔から「悪い黒人」だった牧師、怒れる反人種主義者で、反帝国主義者であった聖職者のジェレマイア・ライト師を捨て去り、それを踏み台にして権力への階段を登ったのだ」

 在職中オバマがやってきたことは、黒人有産階級の同盟であり、白人を喜ばせるような同盟である新・全米都市同盟が貧しい黒人たちや労働者階級の黒人たち(「黒人のおじちゃん」とその仲間たち)に、「どうすればもっと人から尊敬される人間になれるか、どうすればもっと白人のようになれるか」について説教をする癖をつけたことだ。オバマは、米国黒人たちに、責任感をもち、適切な文化を身につけ、白人たちをほっとさせるような身のこなし方で物事を考えたり、行動したりする必要性を説いた。そうすることによって、人種問題に目をつぶった米国資本主義体制から与えられるであろう偉大な「チャンス」を手にすることが出来ると。その資本主義体制は、候補者だったオバマが選挙のために著した2006年の大いに保守的な著書である『大いなる希望を抱いて』(この著書のタイトルは下品にもオバマが見捨てたレバランド・ライトのことばから借用したものだ)の中で描かれているものだ。オバマは、その資本主義体制を「人類史上最善の幸福」の源であると表現している。

 スポーツの話に戻ろう。自らが人種差別主義者であると公言しているドナルド・トランプ米国大統領がナショナル・フットボール・リーグ(NFL)について最近発言したのだが、そのことばの中にある白人たちの激しい醜さに目を向けて欲しい。先週アラバマ州において、トランプは、人種差別主義者である白人の支持者たちの心に語りかけていた。そのとき、トランプは、米国国歌が演奏されている間に膝をつくことで、米国が殺人的であり人種差別的である警察国家になっていることに抗議した黒人のプロアメフト選手たちに怒りをぶちまけた。さらに、トランプはNFLが死に至るような選手同士の衝突を防ぐ取り組みをしていることに対しても、ののしりの声を上げた。アメフトというスポーツは、CTE(慢性外傷性脳症)や他の脳の病気を引き起こすという圧倒的な証拠があるにも関わらず、だ。

「NFLのオーナーの一人が、こう口にするのを見たくはないか?そう、誰かが我々の国旗を侮辱したときに、「あのくそやろうを今すぐフィールドからつまみ出せ。クビだ。クビだ。(歓声)。」そうしようと思っているオーナーは、きっと何人かいるさ。そのオーナーの一人はこういうだろう。「あいつは俺たちの国旗を侮辱した。クビだ」。そんなオーナーは、この国で一番の人気者になれるだろう」

「NFLの面白さが下がっている。大幅に、だ。その理由は、もし強く攻撃しすぎたら、15ヤードのペナルティになるからだ。そんな奴はゲームから放り出せ。そんなルールがゲームをつまらなくしているんだ。ほら、あいつらがやりたいことはこうさ。攻撃することさ。攻撃したがっているんだ。そんなルールが、ゲームを面白くなくしているんだ!」

「でも、もっとゲームをつまらなくしているのは何かわかるか?みなさんがテレビをつけたとき、我々の偉大な国歌の演奏中なのに、膝をついているやつらが映っていたとしたら。そんな姿を目にしたら、そんなことをしているのがたった一人の選手だったとしても、球場を後にしよう。ささっと身支度をして出て行こう。さっさと出て行こう。こんなゲームは二度とごめんだ、二度とだ」

「俺たちのような白人が求めているのは、黒人の善い運動選手たちが文句も言わず、お互い血を流し合って死ぬまで闘う姿だ」

  このトランプの演説は、本当にとんでもないちっぽけな人種差別主義者の怒りにまかせた演説だ。いったい何を言っているのか?以下は、トランプがいわゆるSNS上で2日前につぶやいたアメフトについてのコメントを私が分析したものだ。

 「黒人男性の数は米国民の6%くらいになるが、NFLの登録選手は70%だ。巨大プランテーション農場のボスであり人種差別主義者であることを公言している白人主義者のドナルド・トランプが望んでいるのは、黒人たちがSTFU(=Shut The Fuck Up、黙ること)し、アメフトリーグが、選手たちが脳に損傷を受けざるを得なくなることに対する心配をしなくなることだ。その脳の損傷が起こる原因は、国技的なスポーツである神聖なアメフト競技において何度も繰り返される超高速での衝突のせいであると考えることが自明でありまた自然だ。NFLのファンは不均衡に白人ナショナリストが多く、裕福な者も多く、白人も多い(球場のファンの85%以上は白人だ)が、そんなファンたちやトランプ主義(ファシスト予備軍)の支持者たちも、トランプと一緒になって口角泡を飛ばしている。基本的に彼らが求めているのは善い黒人の運動選手たちが、文句も言わずにお互い死に至るまで血を流し合って競技する姿だ。「俺たちを楽しませてくれたらいい。あとは黙っておれ。それがおまえたちの役目だ。さあ、ボールを出せ!おー、あの攻撃を見たか?すごい。もう一度あいつをもっと激しく攻撃しろ。もっと激しく、だ。さあ、担架がきた。さあ、あのくそ野郎(このことばは、トランプが殺人的で人種差別的国家である米国に抗議するため膝をついた黒人の選手たちを呼ぶときに実際に使ったことばだ)をフィールドからつまみ出して、新しい奴を出せ。さあ」。基本的に、奴らが望んでいるのは、人種差別的な闘犬であり、闘鶏ショーだ。どれだけトランプは、アラバマでのアメフト暴言の際の「あのくそ野郎」ということばの前に「黒人の」ということばを入れ込みたかっただろう!もしそのことばを入れ込んでいたなら、トランプが得た歓声はもっと大きなものになっていただろう」

 戦闘的で無慈悲な白人大統領と彼の仲間である白人主義者のアメフトファンたちは、選手たちが「善い黒人」であることを望んでいるのだ。それは、従順に自分自身を傷つけることにより、多数派である白人たちと自分たちの直属の上司である白人たちに忠実に従うような黒人のことだ。

 優れた技術をもつクオーターバックのアルコリン・キャパニックは白人種族主義者であるNFLのオーナーたちにより、“ブラック”リスト入りさせられたが、彼も、「善良」であり白人たちを楽しませる黒人から「悪い黒人」へのラインに踏み込んだ多数の有名な黒人の中の一人だ。それは、キャパニックが人種差別主義に対して謙虚な形で公に意思を表明したからだ。具体的には、全米で起こっている白人警官による黒人殺害事件に対する抗議だった。

 個人的には、私はオレンジ色を帯びた野獣(トランプのこと)やNFLの人種差別主義的な白人ファンたちに、くそったれだと言いたい。奴らにユニフォームを着させて、お互い闘わせて球場の駐車場で白人種族主義者たちの脳みそを飛び出させてやろう。この格式ある白人たちの闘技場の群衆たちを巨大な再教育キャンプに連れて行こう。そのキャンプでは、フランツ・ファノンや、W.E.B・デュボイスやマーチン・ルーサー・キングやマルコムXらのボスターが貼ってあり、彼らが、白人たちが風力原動機や太陽光パネルを日の出から日没まで作り続けているのを監視している。白人たちのきわめてくだらない退屈なSUVと薄型テレビを闘技場の駐車場と奴らの豪邸から押収して溶かしてしまって水と風と太陽光発電として再利用しよう。

 白人たちを守り、生きるために必要な生態系のために白人たちを指導する仕事は、大規模な「元囚人の社会復帰のための就職先提供事業」として、何百万人もの米国黒人たちにしてもらえばいい。そう、その黒人たちは、新しいジム・クロー法によって課された終身刑という重罪を取り消してもらってその仕事をやればいいのだ。

 これが、私が本当に起こったらいいのにと思っていることだ。

Paul Street’s latest book is They Rule: The 1% v. Democracy (2014). This essay appeared previously, under a different title, on Counterpunch

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密室で謀議する巨大ウイルス:ワクチン製造会社には、さらなるコロナ流行の拡大が必要だ

<記事原文 寺島先生推薦>

The Giant Virus in the Room: Corporate Vaccine Makers Need More Pandemics to Grow

Cubasi 2020年5月25日

ダディ・シェリー(Dady Chery)

Dady CheryはWe Have Dared to Be Free:Haiti's Struggle Against Occupation(2015)の著者。彼女はハイチ生まれ。2010年のハイチ地震の前は、理系の仕事に従事していたが、地震で人生の大転換を迎え、それ以降はハイチの文化と歴史、声なき人びとの声を届ける仕事をしている。シェリーが2010年に登場するまでは、ハイチに関する英語情報・ジャーナリズム・ストーリーは、ほとんど植民地主義的欧米人ジャーナリストによって支配されていた。

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年7月6日





 疫病の数やワクチンに関連した疾病の数が増えるにつれ、製薬会社が受ける恩恵はますます大きくなり、製薬会社の成長速度もさらに速くなる。

 製造されることになっているCOVID-19ワクチンで製薬会社が大儲けの準備を目論んでいるなかで重要なことは、とりわけワクチンが今や賢い投資先だと考える人たちや、よく分からないまま退職後の蓄えをそのようなワクチンに投資してしまうかもしれない人たちにとって重要なことは、「製薬会社こそ事業を拡大して自分たちのためだけにお金を儲けようとしているウイルスなのだ」という事実を思い起こすことだ。そんな製薬会社が事業を拡大する「やり口」というのは、疫病のさらなる蔓延に向けてワクチンをさらに増産することなのだ。次の流行は自然に起きるかもしれないし、人為的な小さなひと突きで起きるかもしれない。

影でたくらんでいる連中が示す予定表

 一般の人びとは最近、絶え間なく繰り返されるニュース報道に脅迫され、いわば疲弊状態だ。想定されているワクチンが臨床試験の第Ⅰ相または第Ⅱ相に入るというニュースだとか、ワクチンは(と言っても、充分に多様なワクチンが迅速かつ失敗なしに開発できればという前提ではあるのだが)私たちをマスクや社会的距離から解放するだろう見通しだ。これは逆に言えば、ワクチンなしには永久に解放されないぞという脅迫でもある。
 
 保守系の頭脳集団であるアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所の「予定表」によると、(じつは、その予定表作成に当たった人の中には、アメリカ食品医薬品局FDA長官を辞めてしまっている悪名高い二人の人物、スコット・ゴッドリーブやマーク・マクレランもいるのだが)、社会的距離をやめることができるのは、病気の危険性を軽減する手段(そのなかにはワクチンも含まれる)が普及したときだ。そこでいよいよワクチンの出番だ。もし、顔をマスクで覆うのをやめ、新しく知り合った人と握手し、友人や初めて会った人とダンスを踊ったり、誰かに投げキッスを送ったり、もっと密接に交流したいと願うのであれば、 ワクチンを受けたという証明書が必要になるのだ。

*スコット・ゴッドリーブ:トランプ政権2017~19年4月までFDA長官。在任中は新薬承認の簡素化を提唱し、記録的な数の治療法や薬品を承認した。しかし従来の麻薬性鎮痛薬の10倍という効果を持つ強力な新薬を承認した際には、公共保健より業界の利益を優先させたとして批判を受けた。

スコット・ゴットリーブFDA長官



*マーク・マクレラン:クリントン政権1993-2001年では経済政策財務次官補、子ブッシュ政権では大統領経済諮問委員会の委員、2002-4年にFDA長官、2004-6年にメディケア&メディケイドの長官、2004年に避妊薬禁止をめぐって現在も訴訟が進行中。2007年にはレーガン・ウダル財団の会長に就任。これはFDAとの官民提携財団。昨年だけでも2度も来日して講演をしている。

 しかし、こんな命令を発する権限を持っている人たちは、現在もまだ政府の内部にいるわけではない。彼らは天下りで民間の研究所に身を移し、今や民間人でありながら、そこからいろいろな命令を発しているのである。

 健康への世界的脅威はコロナウイルスではない
 市や州や国の公的医療部門は、ワクチンを求めてはいない。にもかかわらず今や公的医療機関はワクチンを強要されている。まるで非営利機関であるはずのCEPI(感染症流行対策イノベーション連合)に乗っ取られてしまったかのようだ。

 というのは、CEPIは、「もっと安全な世界のための新しいワクチンを」というジョージ・オーウェル風の目標を掲げているからだ。となると、こう質問したくなる。「もっと安全って、誰にとっての?」と。

 CEPIという団体は、「ダボス会議2017」という国際会議の隙間時間の、たった1時間の議論においてつくりだされたものだ。(原文は2016年となっていたが2017年が正しい、訳注)
この議論に参加していたのは以下のとおり。
①ビル・ゲイツ
②ウエルカム・トラスト財団の理事長、ジェレミー・ファラー
③6大ワクチン製造業者(グラクソ・スミスクライン社、メルク社、ジョンソン&ジョンソン社、サノフィ社、武田製薬、ファイザー社)の最高責任者たち
④ノルウェー首相
⑤その他おそらく15名の個人
(ウエルカム・トラストはアメリカ出身の製薬長者サー・ヘンリー・ウェルカムの財産を管理するため、1936年に設立された世界で二番目に裕福な医療支援団体、訳註)

Jeremy Farrar, co-author of the concept of CEPI, and board member

 ドイツやインドや日本の代表者もその会議に参加することになっていたが、その年、アンゲラ・メルケル首相は招待を断り、インドのナレンドラ・モディ首相も同席していなかった。日本の首相も同席していなかった。

 このCEPIというカバル(陰謀団)で選出された元首たちは、明らかにビル・ゲイツや巨大製薬会社の下僕となっている。
(カバル:もともとユダヤ教のカバラを語源とする言葉、訳注)

 この政治的陰謀団の究極目標というのは、ただ単にワクチンを製造して大儲けしようということだけではない。それだけではなく、ワクチン製造の規制撤廃を世界的におこなうことであり、世界の公的医療を支配することによって世界全体を支配することなのである。
 
 国連の専門機関であるWHO(世界保健機関)は、その基金の75%を巨大製薬会社やビル&メリンダ・ゲイツ財団から受け取っている。そのためWHOは、CEPIのこのような「世界支配をもくろむ」という筋書きの中においては、CEPIの単なる手足と成り下がってしまっている。つまり発展途上国にワクチンを接種させることを、欧米諸国のおこなう「援助」と結びつける役割を果たす。
(* 英国とアフリカに拠点を置くNGOによると、この援助はアフリカを略奪する「援助」のことである。欧米諸国はアフリカに毎年約300億ドルを開発援助として提供しているが、その6倍以上の金額が大陸を離れ、援助提供国に送られている。https://www.africaw.com/how-western-foreign-aid-destroys-africa、訳注)
 
 WHO事務局長のテドロス・アダノムが、ゲイツ基金の気前の良さを享受し始めたのはエチオピアの保健大臣時代のことであった。そのお金で彼はゲイツ基金の企みと一蓮托生となったのだ。他方、WHOの副事務局長ブルース・アイルワード(たぶん彼がWHOの実質的権力を握っている人物)も、かつてゲイツが支援していたポリオ根絶運動に取り組んでいたことがある。
 
 だからと言って間違ってはいけない。CEPIの目論みは、世界医療の分野においてWTO(世界貿易機関)と同じ地位に自分を置くことなのだから。世界貿易においてWTOが占めているのと同じ地位だ。

CEPIの狙いは、軍事的作戦であり、世界規模の作戦だ
 
 CEPI(感染症流行対策イノベーション連合)はすでに7億5000万ドル以上のお金を集めている。それだけのお金があれば圧倒的な影響力を持つことができる。CEPIは、さまざまな国の軍隊と深い関係を結んでいる。

 たとえば、CEPI事務局長のリチャード・ハチェットは、次のような役職を歴任してきた。

 2005年から2006年まではホワイトハウス国土安全保障会議の細菌戦防御政策の責任者
 2005年から2011年まではアメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の放射能対策研究および緊急事態準備部の副部長
 2011年から2016年まではアメリカ生物医学先端研究開発局(BARDA)の軍医および副所長
 BARDAはアメリカ保健福祉省(HHS)内の「(感染症)事前準備・対応担当次官補局(ASPR)」の一部門である。CEPIから資金提供を受けた幾つかのワクチン計画は、BARDAやDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)や米軍エイズ研究プログラムからも支援を受けている。


Richard J. Hatchett, CEO of CEPI from 2017

 2020年1月、CEPIは、COVID-19のワクチンを開発する三つの共同事業体に資金提供すると発表した。しかしこれらの共同事業体との連携は、この発表の前から既にいくつかおこなわれていた。たとえばかなり前のことになるが、2018年の4月にCEPIはイノビオという会社に5600万ドルを提供し、新型コロナウイルスの旧型MERSコロナウイルスのワクチン候補を数種類も入手して、第Ⅱ相臨床試験に入っていた。イノビオ社の主な協力会社は、北京アドワクチン生物技術社である。
 
 2019年1月、CEPIは 1060万ドルをひとつの共同事業体に提供したが、その事業体には、クイーンズランド大学および、オーストラリアや米国やアジア各国の官民提携機関も含まれており、ワクチン設計に必要な「分子クランプ(留め具)*」と呼ばれる新しい方法の開発を目的としていた。
 
 2019年12月には、CEPIは840万ドルをインペリアル・カレッジ・ロンドン大学に寄付し、同大学はRNAワクチン*の動物実験をおこない、同時に第Ⅱ相の臨床試験にまで作業を進めた。インペリアル・カレッジ・ロンドン大学の研究者たちは、新型コロナウイルス・ワクチンの動物実験をなんと2020年の2月にはすでに始めていたと大いに自慢している。しかし、新型コロナウイルスのゲノム結合があきらかになったのは、2020年の1月10日だったはずだ!!
 
 この文脈の中でもう一つ興味深いのは、インペリアル・カレッジ・ロンドン大学が、「社会的距離」という政策を強力に推し進め、国民の恐怖心を煽りたてたニール・ファーガソンの本拠地だということだ。彼は「社会的距離」を国民に強制している期間中に、超美人で既婚者でもある女性を自宅に引き入れたことが暴露され、世間の顰蹙(ひんしゅく)を買った。


 (彼は、イギリスの緊急事態科学諮問グループSAGE委員会の政府アドバイザーを務めていたが、この女性を少なくとも二度は自宅に引き入れたという不祥事により、5月5日に政府アドバイザーとしての地位を辞任している、訳注)

FDA(アメリカ食品医薬品局)がワクチンを異例の迅速承認

 FDAがワクチンを承認する手続きは、CEPIの参加企業にたいしては順調に進められた。当然のことながら、そのCEPI参加企業がワクチンの臨床試験をおこなう最初の企業になったからだ。今までもFDAは、CEPI子飼い企業の計画に「迅速承認」というお墨付きを与えてきていた。そして、前の段階の臨床試験がまだ終わってもいないうちから、次の段階に進むことを許可している。

 生命工学の会社であるモデルナ社を例に取ってみよう。同社はCEPIから不透明な基金を受け取っており、BARDAから約4億8300万ドル、さらにはDARPAからも同様に基金を受け取っている。医療に従事した経験がないにもかかわらず医学者になりたがっているビル・ゲイツや、さまざまな軍人畑の人たちに、同社が売り込んでいるのは、同社のワクチン製造のやり方、「基本的骨格」が、さらに別の多くのワクチンを作ることにも応用できるという点だ。しかし、この方法も危険を伴う可能性がある。というのも、その方法には細胞の中に「ウイルス伝令RNA」を組み込む過程が含まれており、このことだけでも副作用を引き起こす恐れがあるからである。
 
 この「ウイルス伝令RNA」は、その後、ワクチンを接種された人の細胞の表面に新型コロナウイルスの突起状蛋白質を、ある不特定期間つくりだす動きをすると考えられている。この種のワクチンは、まだ動物実験さえも実施されていなかったのに、モデルナ社は、3月中旬に健康な45人のボランティアの被験者に第Ⅰ相の臨床試験を始めることを許可された。
 
 さらにおかしいことには、6週間後、同社は600人がボランティアの被験者となる臨床試験の第Ⅱ相に進むことを申請したのだ。そして、その申請は承認された。とくに臨床試験の第Ⅰ相の追跡調査は何か月もかけておこなわれるべきものなのだが、それすら終わっていなかったにもかかわらず。
 
 このようにワクチン製造の予定を早めたり、製造規模の拡大を次から次へと提案する中で、同社の株価は急上昇した。

 イノビオ社も同様の軌跡をたどった。同社の予想される新型コロナウイルスのワクチン臨床試験の第Ⅰ相は、4月3日に開始された。同社は、被験者にミリグラム単位でDNAを注射し、そのDNAを特許で保護された装置で弱毒化させたうえで、被験者の細胞の中にそのDNAを注入する。突起状蛋白質の情報を運んでいるDNAがどのようにして細胞核に到達するのかはまだよく分かっていない。もしそのDNAが細胞のどこかにとどまっているとしたら、その細胞はそのDNAが本来存在する場所ではないのでウイルスと見なされ、免疫をつくるどころか全く逆の反応を引き起こす可能性がある。そのDNAが細胞核まで到達したら細胞のさまざまな箇所に侵入し、がんを引きおこしかねないからだ。

大手メディアが方向性を決める

 大手メディアは、科学の知識がないのにそれを補う努力をしようともせず、大衆をあっと言わせるような報道ばかりを繰り返し再生産して自己満足している。そして時には、ワクチン製造会社あるいはその資金提供者たちが書いたとはっきりわかるような記事を発表している。
 
 そのような記事はまた、査読をうけた論文全文をきちんと読んだものではなく、論文冒頭につけられた論文要旨の短いコメントであったり、『サイエンス』誌や『ネイチャー』誌などといった有名医学誌の編集後記の、単なる受け売りにすぎない。
 
 このように、自分の記事を一流の科学誌と関係づけることで、大手メディアはうわべの信頼性を得るだけではなく、その結果、大衆科学誌によって自動的に拡散されることにもなる。
 
 そのような記事はどれも、たいがい、想定されているワクチンが効き目が確かだとか、そのワクチンは必ずや大量生産されるはずだといった明るい見通しに焦点がしぼられている。だが実際のところは、COVID-19の元祖コロナウイルス、すなわちSARSコロナウイルスが発生して既に18年もたっているというのに、そのSARSコロナウイルスにうまく対応するワクチンすらまだ開発されてはいないのだ。また、いわゆる新しいワクチンへの取り組みの多くは、SARSコロナウイルスやMERSコロナウイルス用に作られたが失敗に終わったものの焼き直しにすぎない。

免疫について本当に分かっていること

 報道機関が伝えていない、あるいは自信を持って伝えることが出来ていないことは、哺乳類の免疫体系が、まだよく分かっていないということだ。もしメディアに関わっている人たちのほとんどが生物学の入門授業を受けたことがあったのであれば、突然新しいウイルスの流行が蔓延したからと言って、その臨床試験のために、いきなり大規模な人体実験が組織されるというニュースには、大きな疑問を抱くのではないだろうか。

 以下は、2014年12月に『自然免疫学』誌に発表された学術報告からの引用だ。

 「呼吸器系のウイルスに対して現在認可され一般的に受け入れられているワクチンは、インフルエンザ・ワクチンだけであるが、それでさえも最適のものではない。ワクチンが不足している一因は、呼吸器系のウイルス感染を防御する免疫反応について、分かっていることが限られているからだ。多くのばあい、感染防御に関する基本的な相互関係ですらまだ正確には明らかにされておらず、ワクチンが標的とするはずの最も適切な抗原が何なのかについても、まだ不明のままだ。動物をモデルにしたものはたいてい人間の治療に対しては不十分だ。とりわけ、深刻な伝染病・感染症で最もリスクが高い人びと(つまり幼児や高齢者)についての研究が最も困難である。加えて、ワクチンはしばしば、子どもや高齢者の免疫体系に対して効果が少ない」

 以下の引用は、2020年5月13日の『ネイチャー』誌581号の316頁に公表された、ある査読論文についての注釈からだ。

 「この発見は、TASLが、TRIFやMAVSやSTINGといった蛋白質とともに、アダプター蛋白質という閉鎖的グループの一員であることを明らかにしたものだ。これらの四つの蛋白質はともに、核酸を感知することによって引き起こされたⅠ型インターフェロン(ウイルス抑制因子)の反応を制御する。TASLが、TLR7やTLR8やTLR9の信号伝達をつなぐ未知のアダプターであるという発見によって、今ようやくアダプター蛋白質の全体像が見えてきたという状況だ」
 
 私なりの翻訳はこうだ:「今週になって初めて、ヒトの初期免疫反応における四人の主要な役者が発見された! それは新しく特徴が特定されたTASLと呼ばれる蛋白質で、この蛋白質は、感染した細胞が、細胞内に存在すべきではないウイルスの存在を感知したとき活性化するものだ。この発見のおかげで、今日まで科学者を悩ませきた免疫反応の重要な部分が明らかになった。

感染との初期の闘い:コロンバイン高校を襲った銃乱射事件の恐怖を例えとして

 ウイルス感染をわかりやすく表現しようとすれば、コロンバイン高校を襲った銃乱射事件の恐怖を例に取るのがよさそうだ。殺人的なファシスト集団が学校を乗っ取ったあの事件だ。わかりやすくするために、このグループは特定されやすく認識されやすい制服を着用し入れ墨を入れているとしよう。当該高校が侵入を察知し、自動的に警察に連絡が入る。
 
 肺の中の細胞は、高校が警察に連絡を入れたように、Toll受容体(TLR)と呼ばれる蛋白質に信号を送る。これらの蛋白質が警報を鳴らすのは、細胞核外の細胞分画内で本来なら存在すべきでないDNAやウイルスのRNAなどの遺伝物質を感知したときだ。つまり、病原体の存在を認識したときだ。細胞内では、これらの細胞分画は、エンドソームやエンドリゾソームと呼ばれている。

 高校の例に戻ると、侵入に対して最初に対応するのは、地元の警察官だろう。肺の中でいうと、肺には肺独自の免疫細胞があり、この免疫細胞の反応がインターフェロン反応あるいは抗ウイルス反応と呼ばれている。もしこの反応がうまくいけば(健康な人にとっては、たいてい上手くいくのだが)、それ以上何もする必要はない。終わりだ。

 しかし、もし殺人集団のうちの何名かが警官をかいくぐり、同じ地区にある他の学校に侵入するとしよう。警察は、おそらく狙撃兵やマシンガンや催涙ガス手榴弾をもつ特殊部隊、あるいは爆弾ロボットを所持する警察部隊を呼ぶだろう。もともと体内に備わっている、言い換えれば肺にもともと存在する免疫体系が、これら全ての部隊に当てはまる。その免疫体系には、先ほどの引用で述べたアダプター蛋白質にSOSの信号を送ることも含まれており、そのひとつひとつのアダプター蛋白質が、攻撃がエスカレートする際は対応を次の段階へ進めることを許可する。

 このばあい、爆弾ロボットに当てはまるのが炎症反応なのだが、それはウイルスに対してだけではなく肺の大部分を破壊する。少数の破壊者と多数の学生がいる学校で爆弾ロボットを使うのは、言うまでもなく、取れる対策をすべてやりきった後のことだ。しかし、もしその破壊者たちが警官と特殊部隊の連絡方法を断ち切ったとしたら、どうすればいいのだろうか?

 同様に、COVID-19の実行者、すなわち新型コロナウイルスを含むコロナウイルスは連絡経路を絶つことができる。そういった事態は、初めての感染で、しかも特に激しい感染の際に起こる。とりわけ、老人への感染や肥満とか呼吸器系の問題、あるいは心臓や血管の病気をもつ人たちへの感染だ。私がいま説明したのは、免疫の専門用語を最小限に抑えた言い方で言うと「生得的(innate)免疫反応の初期段階」となる。この文脈で言えば、生得的(innate)」というのは、「該当する内臓」すなわち「肺の生得的免疫反応」のことになる。

ワクチンが答えとはならない

 私たちが知っている全ての血清抗体は、適応免疫系と呼ばれる後期の反応の一部として作られる。その抗体が作られるのは、ウイルスに攻撃されているあいだに連絡経路をしっかりと機能させ続けることができた人の体内においてだ。その結果うまれた反撃は、広範囲にわたるだけではなく、侵入してきたウイルスを無効化するよう特定化されたものだ。さらに、人体は、その反撃の記録を保持する。これは、破壊者と破壊者の入れ墨を詳しく記述しているFBIの記録と同じようなものと言っていいだろう。そのおかげで、FBIは、数か月後あるいは数年後に再び同じ破壊者が現れたとき、即時に認識できるかもしれないのだ。
 
 問題が一つだけある。それは、破壊者たちは制服や入れ墨を変えることが出来るということだ。すべてのワクチンは基本的にこういった後から出てくる反応に対処するようになっている。これは、ウイルスによる攻撃にたいして抵抗する準備を、個々のワクチンにさせるためである。しかしワクチンというのは、どれだけ予想される対処法や準備が洗練されていたとしても、ほとんど全てのばあい侵入してきた病原体の一つの特徴しか認識できないように製造されている。いわば、破壊者を認識する情報が、入れ墨だけで他にはないようなものだ。新型コロナウイルスのばあい、突起状蛋白質やその一部が、ワクチンによる攻撃の的となる。ところが、その突起状蛋白質が、ウイルスの中で最も変わりやすい部分であることもよくあることなのだ。

ワクチン受けても「過反応」が出たら、お終い!

 ワクチン臨床試験のためといって、大規模な人体実験がおこなわれている。可能なかぎり全てのものが人間に注入される。ボランティアの被験者は、仕組まれた宣伝に煽られて、今やワクチン製造業者や軍隊よりもCOVID-19のほうを恐れているからだ。
そのように体内に注射されるものの中には、以下のようなものが含まれるだろう。

 不活化された新型コロナウイルス、
 変異されたり弱毒化された型の新型コロナウイルス(これは鼻から注入される)、
 新型コロナウイルスの突起状蛋白質、
 突起状蛋白質の細片(大きかったり小さかったり色々ある)、
 突起状蛋白質を製造する無害のバクテリア、
 突起状蛋白質を製造するよう再設計された無害のウイルス、
 表面に突起状蛋白質が見えている粒子、
 突起状蛋白質の遺伝信号を指定する環形DNA、
 突起状蛋白質やその一部の遺伝信号を指定する線状DNA、
 突起状蛋白質の遺伝信号を指定するmRNA、変形mRNA、さらには別の蛋白質だけでなく突起状蛋白質の遺伝信号を指定するRNA、このRNAは、更なるRNAや突起状蛋白質をつくりだす。

 このように挙げていくと、ほんとうに切りがない。

 今までのところ企業は、ワクチン製造のために使用する突起状蛋白質がどの型なのかを正確に公表することすら、してきていない。実際、医療実験をおこなうこと以外は、何ひとつ公表していない企業は幾つもある。

 新型コロナウイルスSARS-CoV-2(現在はCOVID-19と呼ばれている)にたいするワクチンを接種すると、そこから先に進めない結果が出てくる可能性がある。つまり、病気の「抗体依存性感染増強ADE」、すなわち過反応が起こるかもしれないということだ。わかりやすく言い換えれば、そのワクチンが接種されると、次回のコロナウイルスに遭遇したとき、健康だった人が生命に関わるような炎症反応を引き起こす可能性があるということだ。

 今のところADE(過反応)を確認していると報告しているのはたった1社、中華ワクチン生命工学社だけだ。これは、米国の相手企業と提携して、新型コロナウイルスを不活化させたワクチンをつくろうとしている中国企業だ。

 ADE症候群は、ウイルスに抗するワクチンを接種した後に出る反応として、今ではよく知られた症例だ。有名な例を挙げると、1960年代後半、不活化RSウイルス(呼吸器系発疹ウイルス:RSV)でつくったワクチンを子どもに実験投与したところ、子どもをウイルスから守れなかっただけではなく、死者が二人も出た。さらにウイルスに感染した80%の子どもが、入院が必要な呼吸器系の重い病気を発症した。

 ADE(過反応)はネズミや他の動物においても見られてきた。これは、SARS-CoVを不活化してつくり出されたワクチンを投与して、コロナウイルスに免疫がついたと思われる動物だった。SARS-CoVが、新型コロナウイルスSARS-CoV2(すなわちCOVID-19)に一番近いウイルスだということを思い出して欲しい。だとすると、今後、予想されるコロナウイルスの流行に対しては、ワクチンを打って免疫がついたと思われる人と比べて、ワクチンを打っていなかったりウイルスに接触したことのない人の方が、病気に対してうまく対処する可能性が高いということだ。

ヒドロキシ・クロロキンの出番だ

 TASLと呼ばれる新しいアダプター蛋白質は、今週になって初めてその姿がわかってきた。TASLが、サルート・キャリアー15A4(SLC15A4)と呼ばれる別の蛋白質と結合することが発見されたのだ。この蛋白質は、全身性エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)その他の自己免疫疾患の発症に不可欠なものであるということは以前からずっと知られていたのだが、それが今ようやく、なぜこの蛋白質がこの疾患の発症に必要なのかの理由が分かってきた。それは、おそらくTASLとSLC15A4 との相互作用が炎症反応へとつながる通路であるからなのだろう。前節で触れた爆弾ロボットの話を覚えておられるだろうか?これが、その爆弾ロボットの働きに当たる。

 ヒドロキシ・クロロキン(HC)が偶然にも全身性エリテマトーデスという病気に長年のあいだ使われてきた理由は、HCが炎症反応を抑える働きがあると知られていたからだが、詳しいことは分かっていなかった。SLC15A4という蛋白質もまた、エンドソームという「細胞分画」の酸度を維持するのに重要だ。そのエンドソームの酸度をある程度まで抑える効果があるのがヒドロキシ・クロロキン(HC)であるということは、先にも述べたように、よく知られていた事実だったが、TASLの発見によって初めて、やっと今そのメカニズムが見えてきた。
(訳注:エンドソームについては、先にコロンバイン高校の事件を例えにしながら下記のように述べられていた。「肺の中の細胞は、高校が警察に連絡を入れたように、Toll受容体(TLR)と呼ばれる蛋白質に信号を送る。これらの蛋白質が警報を鳴らすのは、細胞核外の細胞分画内で本来なら存在すべきでないDNAやウイルスのRNAなどの遺伝物質を感知したときだ。つまり、病原体の存在を認識したときだ。細胞内では、これらの細胞分画は、エンドソームやエンドリゾソームと呼ばれている。」) 

 抗生物質アジスロマイシンも、エンドソームの酸度を抑える働きがあると報告されていた。つまりヒドロキシ・クロロキン(HC)がもつ効果と同じものなのだ。ということは、ウイルスがエンドソーム内に侵入して成長する際、細胞分画のなかの酸度が十分高くないということになる。するとウイルスは、分画内に閉じ込められて完全に破壊される。だから、ヒドロキシ・クロロキン(HC)は、廉価であり長年のあいだ使われてきた薬品なのだが、コロナウイルスに感染したとき、二つの決定的でかなり総合的な効果をもたらす。一つは、ウイルスを攻撃することであり、もう一つは、免疫反応が危険に至るような過反応になることを抑えることだ。

 サルート・キャリアー15A4(SLC15A4)という蛋白質が、全身性エリテマトーデスという疾患を引き起こすことに関連があるにもかかわらず、驚かされることは、この新しい論文を書いた著者が、新しいアダプター蛋白質TASLを含む蛋白質系に関してヒドロキシ・クロロキン(HC)の治療効果を臨床試験にかけていないことだ。しかし、この臨床試験をやってその結果を発表したいと希望する人は、『ネイチャー』誌で自由に発表出来ることになっている。だから将来、このジグゾーパズルのピースが埋まるのは確実だ。しかし物事には何でも時機というものがある。そして製薬会社がそんなにまで急いでいることは驚くべきことでも何でもない。つまり、すべての人が恐怖状態に陥っているこの好機を決して逃すまいとしているということなのだ。

今後の証言として残しておくために

 これまでワクチンの実験台にされている人種で一番多かったのは、褐色人種や黒人の子どもたちだった。たとえば、インドやバングラディッシュやベトナムやメキシコやハイチの子どもたちだった。しかし、現在おこなわれている実験の規模はそうとう大きく、したがって西側諸国の市民たちも実験台として狙われるに違いない。

 この点に関して、すべての人を恐怖状態に陥れておくことは確かに役に立つ。ワクチンの最大の市場は、かつては米軍であったが、それとて変わる可能性がある。加えて、一般民衆は怯えさせ病気状態にしておけば、はるかに扱い易い存在になるだろう。そのうえ、気候変動は、ひとびとの住処を奪ったり飢餓に陥しいれたりして、ストレス誘発条件をますます悪化させることになる。感染者数やワクチン関連の病気の数が多くなればなるほど、さらに製薬会社の儲けが増え、それにつれて製薬会社のさらなる急成長につながるだろう。

 私がこの記事を書いたのは、記録としてきっちりと残しておくためだ。この業界に関与したり投資したりしている人に、あとになって「何がおこなわれているか知らなかった」と言わせないためだ。他方、それ以外の人たちには、この暗黒の未来を変革する可能性はまだ残されてはいるものの、チャンスに後ろ髪はない。事態を座視・傍観している時間は限られているということを、肝に銘ずるべきであろう。


<訳注> アメリカFDA(食品医薬品局)は、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンを新型コロナウイルス感染症の治療薬として緊急使用許可を出していたが、6月15日、この許可を取り消して、まったく効果が実証されていない(それどころか深刻な副作用が懸念されている)レムデシビルに緊急許可を出した。たぶん巨大製薬会社からの圧力の結果であろう。それにたいする反撃として、この論文が書かれたのであろうが、キューバで開発され安価かつ中国で大きな効果を上げたインターフェロンα2Bについて全く言及していないのが残念である。また日本政府も国産のアビガンを投げ捨ててレムデシビルの早期承認に踏み切った。まさにアメリカのプードル犬である。

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香港はもはやイギリスではない。そんな事実もなかった。イギリスが抱えていた無意味で偽善的な植民地主義的懐古趣味はそろそろ全部手放した方がいい

<記事原文 寺島先生推薦>
Hong Kong is no longer British, never really was, and it’s time to let go of all our hypocritical, nostalgic colonial nonsense

RT Op-ed
2020年6月5日

Damian Wilson
is a UK journalist, ex-Fleet Street editor, financial industry consultant and political communications special advisor in the UK and EU.

<記事翻訳 寺島翻訳グループ>

2020年7月3日




イギリスが300万人の「香港人」に居住権を提供したことは、もはやイギリスのものではないものへの罪悪感に駆られたお節介である。不思議なことに、こんな外交的な二枚舌を使っていることに対して国際的な反発は何もない。

 99年の租借期間が満了となった後、中国に譲った植民地香港を一度は放置していたが、英国は300万人の香港市民に完璧な市民権とも言えないような在住権を提供することで事態を悪化させようとしている。

 この人たちは、イギリスの(海外在住)国民として「ブービー賞」が与えられた香港の中国人だ。「ブービー賞」と言っても...まあ、実際に景品は何もない。この在住権には具体的な利益がない。

 しかし、イギリスのボリス・ジョンソン首相は、これ見よがしな気前よさで、今が母国を去るには良い時期であるという選択をするかもしれない香港市民に、12ヶ月間ビザなしでイギリスに住む機会を提供した。その後は完全な市民権の付与へと話は続くのだろうが、そんな約束はまったくしていないことに注意したほうがいい。



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UK would 'have no choice' but to offer path to citizenship to almost 3mn Hong Kongers, PM Johnson said

 これは、新聞の日曜版の裏ページによくある「ウエストゴムのズボン、3組で29.99ポンド!」の広告と同じくらいにしか魅力的に見えない。
また、「香港人」(我々宗主国の国民は、大英帝国から遠く離れたその地域の住民をこう呼んでいた)ということばが持つ何か得体の知れない郷愁に誘われて、さらに突っ込んで彼らに即座に完全な市民権を与えたい、と思う者もいる。

 冷静になって考えてみよう。我々がやっていることは勤勉で、起業家精神に富んだ香港の人たちに生涯かけて作り上げた故郷を脱け出し、パンデミック後の英国で新しいスタートを切ったらどうか、と言っていることになるのだ。その英国は、経済は現在ぼろぼろ、失業率はとてつもなく高い。(英国人が好きな)お天気のことは、最悪なのでどうか聞かないでください。

 まあ、1997年、ユニオンジャックがクリス・パッテン総督によって折り畳まれ、香港島が中国に返還された時に今回のような措置をとればよかったのだ。

 しかし、そんなことは一切しなかった。やったことはと言えば、協定を尊重し、香港市の住民を家畜のように引き渡し、立ち去ったことだ。チャールズ皇太子とパッテン総督は、引き渡し式典に参加して、自分たちは正しいことをしたと確信した後、ロイヤルヨットのブリタニア号で香港を後にした。それで終わりだった。

 イギリスが適切な措置と信じていた「一国二制度」の取り決めを中国が軽視することは、最初から明らかだった。そして、本当に、それは適切な措置なのだろうか?この種の協定が一体全体世界のどこで通用すると言うのか?

 中国は当初、香港が金融センターや起業家の温床として機能することを喜んでいたが、事態が手に負えなくなり、改革に手をつけざるを得なくなった。そうなれば、当然、当局は取り締まることになる。それも厳しく。結局のところ、香港のことは自国のことであり、自国民のことなのだから。


ALSO ON RT.COM

Threat to Hong Kong’s stability ‘comes from foreign forces,’ Beijing says

 今、北京がより権威主義的なシステムを導入(つまり、13億人の国民と700万人の国民を同じシステムの下に置く)しようとしているため、英国は香港を放置することに新たな罪悪感を感じ、ビザの提供で償いをすることにしたが、同時に中国政府には「一国二制度」モデルから離れることは受け入れられないというメッセージを送ることになる。

 中国の困惑は100%理解できる。彼らは1997年7月1日以来、「香港人」が彼らのものであり、一点の曇りもなく!中国の支配下にあることを明確にしてきた。それでも何も言われなかったのだから。今回のイギリスの措置こそ「一国二制度」ならぬ「一つの支配国に二つのシステム」と呼ぶにふさわしい。

 そして、他国の地域問題に干渉しようとしているイギリスに、世界の他のどの国が非難の嵐を起こしているのだろうか?これはそもそも外交官を激怒させ、高尚な意見を述べたり、遠回しに脅しをかけるべき問題ではないのか?

 もし相手がロシアだったらと想像してみてほしい!ハ、それは面白いことになるだろう!2019年にウクライナ東部の人々にロシア市民権を提供することを巡って、アメリカがロシアに対して非難の嵐を起こした経緯をしっかり見てほしい。

 「ロシアは、この非常に挑発的な行動を通じて、ウクライナの主権と領土の保全に対する攻撃を強化している」というのが、当時の米国務省の声明の見方だった。

 ワシントンが、2020年、香港に関して同じようなことを言うとだれが想像できるだろうか?「英国は、この非常に挑発的な行動を通じて、中国の主権と領土の保全に対する攻撃を強化している」などと国務省が声明で言うことはまずない

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Irony is dead’: Pompeo accuses China of trying to ‘deny Hong Kongers a voice’ as cops in US plow into protesters

 香港は長年にわたり、活気溢れる人々に牽引された新しいビジネスや起業家のための場所としての評判を維持してきた。市場は広大で活気にあふれ、人々の動きは素早く、刺激的な場所となっている。

 そして、英国はどうだろう。まあ、英国にはそういった特性は何もない。

 率直に言って、もし新たなスタートを切ろうとしているのであれば、「香港人」はすでに大きなコミュニティとなって存在する「香港ディアスポラ(海外移住地)」のあるオーストラリアやカナダに向かった方が、イギリスの提案を受け入れるよりはるかにいいだろう。イギリスの提案というのはここイギリスで自分たちの自由にできる規制の少ない「都市」を持てるかもしれない、というものだ。その都市は、ある自由思想家の提案だと、イギリスの相当北部にあるどこかの場所、別の自由思想家の提案だと、どこか南部の海岸地帯になりそうだ。

 これは、一種気が狂った人間の思考法だ。イギリス政府は、遠く離れた場所で発生している状況に対して、何が起こっているのかを正確に把握もせず、後先も考えない反応をしているだけだ。

 しかし、今回のことはサウンドバイト(印象操作)が目的だ。そういう意味では、大きく腕を振り回し、仲間意識と永遠の友情を約束する演技をしてくれれば完璧。実際、これぞショ-マンと言える男のための演技だ。その男の名はボリス・ジョンソン。

 英国の多くの人はすでにこの茶番劇に気づいているだろうが、今のところはまだ英国議会議員選出の手段を持たない香港在住の人たちも、すぐに見抜くだろう。英語にはこの状況やボリス・ジョンソンの様子にぴったり当てはまる言い回しがある。特に好事家のボリスにぴったりくる言い回しが。「あの人、しゃべるばっかりで、何もしてくれないの」



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イスラエル軍によって定期的に訓練される米国警察:アムネスティ報告

<記事原文 寺島先生推薦>

US Police Regularly Trained By Israeli Military: Amnesty Report

テレスール 英語版
2020年5月30日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年6月30日


数千人のアメリカの警察官が米国のイスラエル当局から訓練を受けていると同時に、数百人もの米国警察官が訓練を受けるためにイスラエルを訪れている。

 白人警察官の手による黒人のジョージ・フロイドの暴力的な死のあと、アメリカのいくつかの都市が不安定な紛争地域になっている。その中で、米国警察官が、長年にわたり人権侵害を行ってきたことが明らかになっているイスラエル陸軍士官と共にイスラエルで訓練を行ってきたという記事を、アムネスティ・インターナショナルが日曜日に再掲した。


関連記事:
ジョージ・フロイドの殺害をめぐって広範な抗議が続く

 同人権団体は、「ボルチモア、フロリダ州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、カリフォルニア州、アリゾナ州、コネチカット州、ニューヨーク州、マサチューセッツ州、ノースカロライナ州、ジョージア州、国会議事堂警察とワシントン州の何百人もの警察官が訓練のためにイスラエルに行き、何千人もの警察官がアメリカでイスラエル当局から訓練を受けた」と報告した。

 「これらの旅費の多くは税金で賄われており、私費で賄われているものもある。2002年以降、名誉毀損防止同盟(米国最大のユダヤ人団体)、米国ユダヤ人委員会の交換プロジェクト協会、およびユダヤ人国家安全保障局は警察署長、副所長、警部がイスラエルや占領下のパレスチナ自治区で訓練するための費用を支払った」と同人権団体は報告している。

 これらの訓練を批判している人たち(その中には複数の人権団体も含まれている)は、パレスチナ人、黒人ユダヤ人、アフリカ難民に対するこれまでのイスラエルによる人権侵害と国家暴力について指摘している。

 国連人道問題調整局によると、2018年のイスラエル人入植者によるパレスチナ人への暴力やガザ地区でのパレスチナ人の死傷者数は、前年度に比べて約70%増加した。

 2018年に帰還大行進のデモが始まってからの1年間で、イスラエル軍によって190人以上のパレスチナ人が殺害され、28,000人が負傷した。

 アメリカでは、多くの黒人とヒスパニック系の地域住民は、他の地域と比べて不均衡な数の過剰な暴力と警察による銃殺の増加を経験している。

たとえばジョージア州では、警察の銃による射殺についての調査によると、2010年以降、少なくとも185人が警察によって射殺され、その半数が非武装または背後で撃たれたことが明らかになった。

アムネスティ・インターナショナルやその他の人権組織、そして国務省でさえ、イスラエル警察が虐待や拷問を用いた超法規的処刑やその他の無法な殺害、政府の監視を通じての表現と結社の自由の抑圧、平和的な抗議者に対する過度の武力行使を行っていると伝えている。

 「(米国の)警察部門は、緊張緩和の技術について訓練するパートナ ーを見つけ、非暴力的な抗議活動・意見表明を行う人々に対して適切に対応する方法を見つけるべきである。イスラエルはそのようなパートナーではない」とアムネスティは結論付けている。





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