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コロナウイルスの絶望感のために、75,000 人の米国人が薬物過剰摂取や自殺で死亡する危険性があると、国立公衆衛生団体が警告

<記事原文 寺島先生推薦>
75,000 Americans at risk of dying from overdose or suicide due to
coronavirus despair, group warns


マロリーサイモン、CNN

2020年5月8日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月31日


 75,000人ものアメリカ人が、コロナウイルスの世界的流行の結果、薬物やアルコールの乱用と自殺で死亡する可能性があるというのが、国立公衆衛生団体のウェル・ビーイング・トラストによって行われた分析だ。

 同グループは、拡大する失業危機、景気の低迷、孤立とパンデミックの明確な終了日がないことによるストレスにより、地方、州、連邦当局が対策を講じない限り、いわゆる「絶望の死」が大幅に増加する可能性があると警鐘を鳴らしている。

 ウェル・ビーイング・トラストの最高戦略責任者であるベンジャミン・F・ミラー博士はCNNに対し、「連邦、州、地域の包括的リソースを背後に、質の高いメンタルヘルス治療やコミュニティサポートへのアクセスを改善しない限り、薬物乱用や自殺に関して、事態がはるかに悪化するのではないかと心配しています」と語った。

 ミラー氏は、データはあくまでも予測であり、行動が伴えばこの死者数を変えることは可能でしょうと強調した。

 「75,000という数字を変えることはできます・・・まだそれだけの人が亡くなったわけではありません。しかし、今すぐ行動を起こすかどうかは私たちにかかっているのです」とミラー氏は言う。

 ウェル・ビーイング・トラストは、Covid-19が失業、孤立、将来への不安へ与える影響でもたらされるこういった種類の死亡の予想を過去数年間のデータに基づいて、州、郡レベルで示す地図を発表した。


 この地図は2020年から2029年までの推定死亡数を示す。

 同グループは、パンデミックのために職を失った人々が仕事を見つけられるようにするために、地方、州、連邦政府の役人や機関がしっかりとしたアプローチを行うよう呼びかけている。

 同団体によれば、「大不況時の失業は、自殺死亡と薬物過剰摂取による死亡の増加と関連していた」。

 例えば、2008年の不景気の失業にともない、自殺と薬物過剰摂取による死亡が増加した。同団体によると、失業率は2007年の4.6%から2009年10月の10%がピークとなり、2010年初めには3.5%にまで低下した。

 米大統領経済顧問のケビン・ハセット氏は、CNNとのインタビューで、4月の米国の失業率は16%を上回る、との見通しを示した。

 「今の私の予想では16%を超え20%になるでしょう。世界大恐慌以来おそらく最悪の失業率も私たちの視野に入っています。」と、彼は言った。

 コロナウイルスによって新たな雇用機会が生まれる可能性がある。例えば、州は、連絡先の追跡やその他の健康上のニーズを支援する人々を必要としている。そして、それは困窮している人々を再雇用する機会を提供する。

 「サービスは孤立と絶望への強力な対抗手段となります」と同団体は報告書の中で述べている。



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 また、医療や心のケアを変える必要がある。それを必要としている人々が、その治療を受け入れられるようにと、同団体は述べている。これには、医療の選択肢に即応するために科学技術に関するプライバシー基準の緩和も含まれる。

 「このことで、COVID以前のメンタル医療提供について何がうまくいっていなかったのかを検証し、COVID後のメンタル医療への新しい、より統合された取り組みを生み出すための新たな戦略を検討する機会を求められている」とミラー氏は言う。

 「私たちは皆にふさわしい精神衛生システムの構築に取り組む一方で、科学技術を通じた証拠に基づく治療の利用を拡大すべきである。必要なメンタルヘルス要員を十分に確保することはできないので、科学技術そして精神衛生治療を提供できる人材を工夫して使う必要があります」とも、ミラー氏は言っている。


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 過量投与に悩まされてきたバーモント州は今週、2014年以来初めてオピオイド[強力な鎮痛剤]による死亡が減少したと報告した。

 「同州では、2018年から2019年の間にオピオイドの誤用に起因する死亡が58%減少した。」と、バーモント州保健局のマーク・レヴィーン局長は言いました。フェンタニル[鎮痛や麻酔に使われる強力な合成オピオイド]を使用した死亡も減少したが、コカインを使用したオピオイド関連の死亡率は増加し続けているとレヴィーン氏は述べた。

 このような傾向がパンデミック期間中も続くかどうかは、何とも言えない。ミラー氏は、バーモント州がオピオイド戦略を積極的に進めてきた方法を称賛した。しかしミラー氏はまた次のようにも述べた。州はこの問題の範囲が広いことを忘れてはならず、そもそもどのような状況で人々がオピオイドに頼るかについても覚えておく必要がある、と。そして、それらはパンデミックによって増幅されるかもしれない問題だ。

 「私たちは唯一の問題であるかのようにこの国のオピオイド危機に対処してきましたが、実際には精神衛生、依存症、痛みや苦しみに関連したより深刻な問題があります」。とミラーは言う。「精神衛生と依存症に包括的に取り組むための明確な枠組みがなければ、私たちは解決策を求めて、もぐらたたきゲームを続けることになります」。

 将来が見えない不安の中にある現在、ウェル・ビーイング・トラストが言っているのは、苦しんでいる人々のニーズを満たすための方法を新しいやり方で何とか見つけることが地域社会の責務であるということだ。しかし、技術といえども、たとえ友人、宗教団体、そしてメンタルヘルスの専門家によってしっかり使用されたとしても、それだけではこの問題を解決するために十分ではないかもしれないと警告した。

 「仮想コミュニティでは、孤立や孤独の影響を食い止めるには不十分かもしれません。そして最後は将来が見えない不安なのです。この将来が見えない不安からくるストレスは、精神疾患の発生と悪化に深刻な影響を与えます」と、同団体は述べた。

 「これは新規で予想外の結果を示す新しいウイルスである。科学は毎日、新しい側面に光を当て、最初のアイデアや仮説を撤回する。今は前代未聞の時代であり、不確実性は不安につながるかもしれないし、恐怖に道を譲るかもしれない。」

 こんな風に切迫した警告をいろいろ言ってきたが、この起こり得る潮流は阻止できると、ウェル・ビーイング・トラストは予告している。

 「私たちが作成したモデルは、それが以前のやり方を当てにする過去の事例に依拠しています。私たちの地域社会が失業の増加、社会的孤立、個人の不安に直面したとき、人々は苦しみ、それが絶望の死を増加させました。しかし、それは違うかもしれないしれません」と報告書は述べている。

 「現在の危機を調査し、生命の損失の可能性を予測し、地域社会の解決策を創造的に展開することにより、絶望の差し迫った死を防ぐことが可能かもしれません。私たちは、75,000人以上の人々が絶望して死ぬことを座して待っているわけにはいきません」。

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コロナの暴虐行為、そのあとに来るのは「飢餓による死」だ

<記事原文>Corona Tyranny – and Death by Famine



「グローバル・リサーチ」 2020年5月8日
ピーター・ケーニッヒ

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月30日




 2020年末までには、コロナ病で亡くなるよりも多くの人びとが、飢餓・絶望・自殺で亡くなっているだろう。われわれ世界は、ノアの大洪水に匹敵するような聖書的規模の災害という「飢餓パンデミック」に直面している。この本当のパンデミックは「COVID-19パンデミック」をはるかに凌駕するものとなろう。

 飢餓パンデミックは、映画『ハンガー・ゲーム』を思い起こさせるが、その前提には、誰が食事を食べることができ誰が死ぬかを操っている少数の支配者たちにとっても、そっくり同じ状況があるということなのだ。すべては競争による。
(「ハンガー・ゲーム」とは、キャピトルを囲む12の地区から、各地区ごとに男女1人ずつくじ引きで選出された12歳から18歳までの24人が、テレビ中継される中で最後の1人が残るまで殺し合いを強制される、1年に一度のイベントのこと)

 この飢餓パンデミックは、主流メディアでは過小に報道されるか全く報道されないだろうが、実際、それはすでに始まっている。

 西側社会で注目が集まっているのは、民営化された営利追求型の企業が医療システムを不正運用したことによって起きた混乱についてである。米国では、COVID-19の感染症と死亡率について目に余る改竄がおこなわれていることが徐々に明らかになってきている。伝えられるところによると、病院がCOVID-19患者を「認定する」ようにいかに推奨されているのかということだ。COVID-19患者ひとりにつき病院はメディケア(高齢者向け医療保険制度)から1万3000米ドルの「補助金」を受けとることができるからだ。そしてもし患者が人工呼吸器を装着されれば(その場合の平均死亡率は40%から60%)、この「特別交付金」の合計は3万9000米ドルとなる。ミネソタ州のスコット・ジャンセン上院議員は、ローラ・イングラハム氏とのフォックスニュース・インタビューで次のように述べている。

 

(医学博士で上院議員のスコット・ジャンセン、フォックスニュースのインタビューから、ビデオ)

 現実の生活では、貧しい人びとは監禁された状態すなわちロックダウン下では、生活することはできない。多くの人あるいはほとんどの人は、家賃を払えなくなったために粗末な住居でさえすでに失っている。それだけではなく、彼らは家族や自分自身を何としてでも養おうとして、外の世界で見つけられるものなら何でも掻き集めなければならない。彼らは食べ物のために外に出て働かなければならず、もし仕事もなく収入もない場合は、都会のスーパーや田舎の農場を物色することに訴えるようになるかもしれない。生命を維持するための食料は必要不可欠だ。人びとから食べ物を買う機会を奪うことは、全くの殺人行為である。

「世界中で飢餓のために子どもが死ぬというのは、殺人そのものです」と、アフリカの食糧に関する元国連報告者ジーン・ジーグラーは述べている。

 このCOVID-19パンデミックの背後にいる計画立案者たち、すなわち各国政府に対して厳格な完全なるロックダウン政策に従えと指図する命令権をもっている人たちがいったい誰であろうと、彼らは故意にであろうが知らず知らずであろうが「人道に対する罪」という責任を負っているのだ。

 このプロセスは世界規模でおこなわれている。 これは人類史上、前例がない。完全なるロックダウンという暴虐行為に従わなかったか部分的にのみ従った、ほんの僅かな国だけが、社会的福利と経済のかなりの部分を保存している。ロックダウンの目的とは、新世界秩序(NWO、ニューワールドオーダー)の下で世界に権勢を振るい、世界人口を完全支配し、世界人口の大量「削減」を目指すことなのだろうか。

 誰が生き、誰が死ぬのか? 「人口削減」計画の表向きの目的は、世界の貧困を減らすことである。どのようにしてか? 汚染された有毒な予防接種によって、アフリカの女性を不妊にすることによってである。(ゲイツ財団はWHOとユニセフの支援を受けて、ケニアやその他の地域でそのような実績をもっている。ケニアではWHOとユニセフの支援を受けて大規模な破傷風予防接種プログラムを実施した。それについてはここを参照)。しかし、「発展途上国」はすでに極貧で、飢餓に見舞われ、十分な食料や飲料水へのアクセスができなくなっている。水の民営化、非常食の民営化は、まさにこれにつながる犯罪である。これらにアクセスできないのは、支払うことのできないほどの価格のせいなのである。

 もしこれだけでは足りないというなら、ロックフェラーの提唱する「ロックステップ」には、食糧不足を引き起こす別の解決策もある。HAARP(ハープ計画)なら助けることができる、というわけだ。HAARP(高周波活性オーロラ調査プログラム)は完成され兵器化されている。米空軍の文書「AF 2025最終報告書」によると、「気象調節(=改変)」は防御的にも攻撃的にも使用可能であり、干魃や洪水を引き起こすこともできる。この二つは農作物を破壊する威力を有しており、それはすなわち貧しい人たちの暮らしを破壊することになる。
(ロックフェラーの提唱する「ロックステップ」:優生学の世界有数の支持者の一人であるロックフェラー財団が2010年5月に発表した非常に関連性の高いレポート。問題の報告書は「技術と国際開発の未来のためのシナリオ」という当たり障りのないタイトル。未来学者ピーター・シュワルツのグローバル・ビジネス・ネットワークと協力して出版された。このレポートには、シュワルツと会社が開発した様々な未来的なシナリオが含まれている。1つのシナリオは、「LOCK STEP:より厳しいトップダウン政府統制とより独裁的なリーダーシップの世界、限られた革新と成長する市民のプッシュバック」というタイトルがある。エングダール20200410)末尾の[訳注1]も参照

(ロシア軍事誌の分析によると、謎の米軍施設『HAARP』は「敵国全体を機能不全にする」兵器で、電離層を操作することで敵軍のシステムを妨害するほか、国全体を機能不全に陥らせる能力さえ持つ可能性があるという。電離層への干渉は制御不能で、地球規模の災害が起こると警告する科学者もいる)。末尾の[訳注2]も参照

 もしこれだけでも足りないというなら、この『2010年のロックフェラー報告書』では食糧配給も予見しているし、もちろん選択的にではあるが優生学(身体的・精神的に秀でた能力を有する者の遺伝子を保護し、逆にこれらの能力に劣っている者の遺伝子を排除して、優秀な人類を後世に遺そうという思想)についての話もしているのだ。ヘンリー・キッシンジャーが1970年に発した悪名高い言葉を忘れてはならない。「食糧供給を制御する者は、人びとを制御する」。そして以下のように続く。
 「エネルギーを制する者は大陸全体を制することができる」
 「お金を制する者は世界を制することができる
」(これを参照)



 最近のフェイスブックの書き込み(個人保護のため名前と場所は伏せておく)には次のように書かれている。

「…私が住んでいる貧しい国では、3月16日から村全体がロックダウンされています。ここでは、人びとは何も食べるものがありません…わが家の主要な働き手である妻は、レイプされ殴り殺されました。彼女は中国系でした。外に出ることが許されていないにもかかわらず、人びとは飢えているので農場から農場へと何キロも歩いて暴れ回り、すべてを破壊しました。家畜も果物も野菜もすべて失いました。家は燃やされ、車や道具などが盗まれました。私の周りには再建のためにお金を出してくれる人が誰もいなくて、破産してしまいました。私が雇っている労働者たちには給料が払えません。彼らの家族も飢えています。栄養失調と栄養不足がさらに進み、餓死率が高くなったり、他の病気で死んだりすることになります。いったい何人が完全に貧しくなって路上生活となり自殺するのでしょうか?インドで何人の人が亡くなったでしょうか?何千マイルも歩いて帰ろうとしていた人たちが、公共交通機関が遮断された後、避難場所を見つけようとして。これらの数字はウイルスで死亡した人の数よりもはるかに多くなると確信していますし、免疫システムの弱体化のために来年のインフルエンザで死ぬ人の数も増えるでしょう」

 追記にはこうあった….「多分、エリートは人口削減を計画しているにちがいない。絶対そう思える

 これはグローバルサウスのどこかで起こったことだ。しかしこの例は、グローバルサウスの大部分そして一般的には発展途上国を代表するものである。われわれが今のところ見ているのは氷山の一角に過ぎないので、おそらくもっと悪いことがこれから起こるだろう。

 国際労働機関(ILO)の報告によると、世界の失業者はかつて見たこともないような巨大な割合に達しており、世界の労働力のほぼ半数にあたる16億人が失業している可能性があるという。これは、シェルター・食料・薬を支払うための収入がないことを意味し、飢餓と死を意味する。何百万人もの人びとにとってだ。とくにグローバルサウスでは、基本的に社会的なセーフティネットがない。人びとはエリートたちのなすがままだ。



(USニュース COVID-19のために世界の労働力のほぼ半数にあたる16億人が失業の危機:国連労働機関)

 ニューヨークタイムズ紙(NYT)は、米国では何百万人もの失業者がカウントされていないと報じている(2020年5月1日付)。すでに報告されている2700万人以上の失業者にこれらの数百万人を加えると、その数は天文学的なものになる。同じNYT紙は、世紀の変わり目以来、貧困から抜け出した何百万人もの人びとが、さらに何百万人もの人びとといっしょに貧困に陥る可能性が高いと結論づけている。FED(連邦準備銀行)の最新の予測では、2020年末までに失業率が50%に達する可能性があると予測している。



(利益追求が邪魔をして、何百万人もの失業者数がカウントされず各州当局は、失業率「新ガイドライン」と膨大な失業者数をかかえて手さぐり状態。多くの労働者は申請書の提出に不満、失業者集計から除外)

 飢餓で死ぬのはほとんどがグローバルサウスであるが、それだけともいえない。ともあれそれは、何百万人おそらく何億人もの人びとにとっては非業な死である。巨大都市の側溝で死ぬこと、社会からも当局からも忘れられること、物乞いもできないほど弱く、衛生状態が悪いために寄生虫に犯され、生きたまま朽ち果てていくこと。こういったことは、コロナ災害がなくても、多くの大都市圏ですでに起こっていることだ。これらの人びとは、どのような統計にも拾い上げられていない。彼らは人間ではないからだ。あとはつべこべ言うな、と。

 想像してほしい。ロックフェラーの提唱する「ロックステップ」下にあるとすれば、農村部と同様に大都市でのそのような状況では、死者数はさらに高くなる可能性がある。

 現在のロックダウンは、すべてを停止させる。実質的に世界中で。それが長引けば長引くほど、社会的・経済的な影響は大きくなり、取り返しがつかない。

 物品・サービス・食料の生産が停止するだけでなく、製品をある地点から別の地点に運ぶための重要なサプライチェーンが中断される。労働者は働くことができない。安全保障のためだ。自分の身を守るためにだ。目に見えない敵ウイルスがあなたを襲うかもしれない。それはあなたとあなたの愛する人を殺すかもしれない。恐怖・恐怖・恐怖、それが最も効果的なモットーであり、人びとが叫び始めるほどに効果的である。くれ・くれ・くれ・くれ・ワクチンを! これこそビル・ゲイツの顔にニヤリとした嬉しげな笑みをもたらすものだ。彼には数十億ドルが転がりこみ、彼の権力が日の出の勢いになるのを見るからだ。

 ビル・ゲイツは「彼が金で買った」WHOとともに有名になる。彼らは新しいパンデミックから世界を救う。いやそんなものなどもうどうでもいい、単なる副次的影響(副作用)に過ぎないのだから。70億人の人びとがワクチン接種をされ(これこそビル・ゲイツの夢なのだから)、そして誰もその副作用を気にしたり報告したりする時間などない。どんなにその副作用が酷いものでも。ビル&メリンダ・ゲイツ財団(BMGF)はノーベル平和賞を受賞することになるかもしれない。そしてひょっとすると、ビル・ゲイツは死滅しつつある帝国の次期大統領の一人になるかもしれない。それが世界にとって適切な報酬ではないのだろうか?



 一方、むしろ冷血なる国際通貨基金(IMF)は次のような非常に非現実的な予測を維持している。すなわち、2020年には世界経済の「経済収縮」はわずか3%であり、2021年の下半期にはわずかに成長するというものだ。世界経済と人間開発に対するIMFのアプローチは、社会的危機に対するものであって、完全に貨幣経済偏重であり人間への慈悲心を欠いている。だから、コロナの時代にあっては全く不適切なものとなる。IMFや世界銀行(WB)のような機関は、米国財務省の単なる延長線上にある機関で、彼らもまた時代遅れの機関であり経済崩壊に直面しており、その経済崩壊の責任の一端を担っているのである。


「借金の借金(デット・ジュビリー)」
(デット・ジュビリーとは、幅広いセクターまたは国にわたる公的記録からの借金の清算のこと。このようなジュビリーは、2020年のコロナウイルス不況の間に発生した、または予想される債務の解決策として提案された。訳註3も参照)

 彼らがすべきことは、IMF理事の一部が提案したように、おそらくIMFとWBを合わせて最大4兆ドルの特別引出権(SDRs)の増資を呼びかけ、その資金を特別な債務免除基金、グローバルサウス諸国のための「デット・ジュビリー基金」として使用することである。これは助成金として交付される。これによって、これらの国々は自らの足で立ち直り、主権国としての金融・経済政策を回復させ、国家の通貨と公的銀行と政府所有の中央銀行をつかって国内経済を回復させ、食料・保健・教育における雇用と国内自治を創出することができるようになる。
特別引出権:IMFの通貨準備金を引き出せる権利。

 しかし、なぜこれが実現しそうにないのだろうか? そのためには、各国政府は憲法を改正し、各国の新たな経済力に応じて選挙権を再配分する必要に迫られるだろう。なかでも中国ははるかに重要な役割を担って、より重要な責任と意思決定の役割をもつことになろう。もちろん、それは米国が望んでいないことである。しかし、米国がこうした新しい現実に適応しようとしないために、これらIMFやWBなどの機関は時代遅れ・的外れなものとなってしまっている。IMFもWBもどちらも消え去るべきであり消え去るかもしれないというレベルに達するほどである。

 興味深いことに、IMFの経済予測シナリオ三つのうちの二つは、2021年にまた次に起きる新しいパンデミックか、あるいはかつて起きた古いパンデミックの「新しい波」が来ると予測している。IMFはわれわれが知らないことを何か知っているのだろうか?

 国際金融諸機関とグローバル化した民間銀行システムというこの二つの、このような無神経な物言いに加えて、世界食糧計画(WFP)は、COVID-19パンデミックが「聖書にあるあのノアの大洪水のような規模の飢餓」を引き起こすだろうと警告している(2020年4月25日)。緊急の行動と資金がなければ、何億人もの人々が飢餓に直面し、何百万人もの人々が、Covid-19の世界的流行の結果として死ぬ可能性がある。

 ところが実際、世界では毎年約900万人が飢餓で亡くなっている。

 WFPのデビッド・ビーズリー事務局長は、国連安全保障理事会に対して次のように述べた。ウイルスがもたらす健康への脅威に加えて、世界は「数か月以内に複数の飢餓」に直面している。1日に30万人の死者を出す可能性がある。「飢餓のパンデミック」だと。

 WFPのビーズリーはこう付け加えた。コロナウイルス発生前でさえ、世界は「第二次世界大戦以来、最悪の人道的危機に直面していた」。とくに今年は多くの要因があったからだと。彼が引用したのは、シリアとイエメンの戦争、南スーダンの危機、東アフリカ全体のイナゴの大群であり、またコロナウイルスの発生と相まって、飢餓が約40近くの国を脅かしたと述べた。

 月曜日(4月20日)に発表されたWFPの「2020年食糧危機世界報告書」によると、世界中の1億3500万人がすでに飢餓に脅かされているという。ビーズリーによると、コロナウイルスが蔓延すると「2020年末までにさらに1億3000万人が餓死の危機に追い込まれる可能性がある。合計すると2億6500万人になる」という。

(2020年4月20日 2020年食糧危機に関する世界報告)

『食糧危機に関する世界報告2020年版』は世界の重大な飢餓の規模について述べている。報告書は世界中の食糧危機をもたらす原因分析をおこない、COVID-19パンデミックが食糧危機の永続化と悪化の原因であることを検証している。報告書を作成したのは、「食糧危機対策世界ネットワーク」(極端な飢餓の根本的原因にとりくむ国際的な連合)である。

 飢餓パンデミックは、現在進行中の難民危機によってさらに悪化の一途をたどっている。とはいえ難民危機もまた大惨事である。飢餓があり、病気があり、避難所の欠如ゆえに、難民キャンプのほとんどは衛生状態が完全に悪化しているからだ。

 国連人権委員会副委員長の社会学者ジーン・ジーグラー教授(ジュネーブ大学・ソルボンヌ大学パリ校)は最近、ギリシアのレスボス島にあるモリア難民キャンプを訪れた。彼は次のような状況を説明した。2万4000人の難民が、2800人の兵士のために建てられた軍の兵舎に押し込められ、悲惨な状況下で生活している。飲用可能な水の不足、不十分でありかつ有害で口に入れられないような食べ物、詰まってかつ悪臭がする余りにも少ないトイレ……これでは病気は尽きることがなく起きる。COVID-19はただの副産物である、と。

 生活を破壊されて、ヨーロッパと西側社会が引き起こした紛争地帯から逃げてきたこれらの人びとは、まさにその張本人の欧州連合(EU)によって押し戻されている。ほとんどの国が彼らを受け入れて新しい生活のためのチャンスを与えたくないからなのだ。このようなヨーロッパの非道な外国人嫌いの行動は、「すべてのEU諸国が署名した人権」に反しており、「EU内部の規則」にも反している。しかし、こうした事実こそヨーロッパの本当の姿を思い出させてくれるものである。すなわちヨーロッパとは、グローバルサウスの国々を何百年も植民地化し、無慈悲にも搾取をしつづけ、略奪と強姦をしてきたという歴史をもつ国々の集合体である、ということを。

 この忌まわしいほど残虐な特徴は、今日まで恥ずかしげもなく続いており、ヨーロッパのDNAの不可欠な部分となっているように思われる。これらの戦争や紛争は、権力と貪欲のために故意に米国とNATOがおこなったものである。米国の軍産複合体を存続させ利益を得るためであり、かつ全世界の覇権への足がかりとしてである。

 難民はこれらの紛争地域から逃れてきたのだ。彼らの運命と飢餓は、人為的なコロナの危機で餓死する人びとの数に加えられることになろう。極度の飢餓と飢餓にかかわって死ぬ人の数は、2020年の終わりまでには天文学的になるかもしれない。その数字は、医者によって不正に改竄され踊らされたCOVID-19の死者数をはるかに凌駕するものとなり、COVID-19の死者数などちっぽけなものだったと思わせてしまうだろう。

 希望はあるのだろうか? そのとおり、希望はある。われわれが生きている限り。
 世界は目覚めなければならない。

 70億の人びとが監禁されている。目覚めよ! みなさんに何が起こっているのかを認識されよ。すべては虚偽表示の下にいるのだ。人類をコントロールするため、また、みなさんの生活をデジタル化・ロボット化するためだ。

 そうするための何か名案があるだろうか?「あなた自身の安全のために」あなたを監禁するという口実よりももっといい名案が。だからこそ、われわれはこれらの規則に反抗し、目に見えない全権力をもつ「自称」支配者たちに立ち向かおうではないか。彼らがもっているのは、われわれ民衆が彼らに与えた権力だけなのだ。すなわち、彼らがわれわれからその権力を奪ってもよいとわれわれが許す権力だけなのだ。彼らがもっているのは、金と腐敗したメディアだけなのだから。その腐敗したメディアが恐怖を広め、さらに恐怖を広めて、あなたをロックダウンし続けるのだ。

 私の最後の言葉:心のままに生きたまえ。人を愛するために心を開きたまえ。あなたの五感とメディアに洗脳された感覚を超えたまえ。そして、より高い意識に入りたまえ。

 「恐怖」から抜け出し、ロックダウンから抜け出し、立ち上がれ、自分の権利のために、自由のために。なぜなら、自由と解放はお金では買えないし、メディアに踏みにじられることもないからだ。それらは本質的にわれわれの心の中にあるのだ。もしわれわれの十分な数が「愛」に心を開くならば、「全方位的な愛」に、さすればわれわれはこの小さな精神病的なエリートを凌駕することができるはずだ。


 ピーター・ケーニッヒは、経済学者で地政学アナリスト。水資源と環境の専門家でもある。30年以上にわたって世界銀行や世界保健機関に勤務し、環境と水の分野で働いてきました。アメリカ、ヨーロッパ、南米の大学で講義をしている。次のところに定期的に寄稿している。Global Research、ICH、 New Eastern Outlook (NEO)、 RT、 Countercurrents、 Sputnik、 Press TV、The 21st Century, Greanville Post, Defend Democracy Press; The Saker Blogやその他のインターネットサイト。『Implosion-An Economic Thriller about War, Environmental Destruction and Corporate Greed』の著者。その本は、事実に基づき、世界中の世界銀行での30年間の経験に基づいたフィクション。『The World Order and Revolution―Essays from the Resistence』の共著者。グローバル化研究センターCentre for Research on Globalizationの研究員。

[訳注1] ロック・ステップ
ロックフェラー財団が2010年に出した「技術と国際開発の未来のためのシナリオ」(Scenarios for the Future of Technology and International Development)というレポートの中に出てくる近未来の4つのシナリオのうちのひとつ。「ロックステップ (鍵をかける段階):–革新が制限され、市民の反発が高まっている、厳格なトップダウンの政府統制と権威主義的リーダーシップの世界」この10年前のシナリオが、気味が悪いほど現在のコロナウイルスのパンデミックの世界に類似しているので、今回のコロナウイルスのパンデミックはロックフェラー財団の陰謀かもしれないという声もある。
https://news.goo.ne.jp/article/mag2/world/mag2-448676.html

[訳注2] ハープ計画
アメリカ空軍の地球環境を軍事的に利用する研究開発の一つ
https://imidas.jp/katakana/detail/Z-26-1-0387.html


[訳注3] 「デッドジュビリー」
 デットジュビリーとは、国家の債務を中央銀行の資金創出により帳消しにする施策のこと。経済学の観点からは非常識的な施策だが、先進国の債務残高が一向に減らずに増える傾向にある中で、債務問題を解決する手段として議論されている。債務免除の一種であり、徳政令にたとえられることもある。
 方法としては、中央銀行が大量の通貨を発行し、自国の債務である国債を市中から買い集める。国債購入にあてた通貨は中央銀行の負債となるが、中央銀行は自由に通貨を発行できるため、買い集めた国債と負債を同時に放棄すれば、国家の債務を帳消しにできるという考え方である。
 しかし、そのまま実行すれば自国の通貨の信用を損ない、通貨の暴落などの経済的混乱を招くため、各国が歩調を合わせて同時に債務帳消しを行わない限り、現実的ではないとされている。
http://m-words.jp/w/%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%BC.html
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このウイルスのことになると、なぜ政府は我々を信用しないのか?我々に必要なのは政府の権威主義に対するワクチンだ。

<記事原文>Why don’t our governments trust us when it comes to this virus? We need a vaccine against state authoritarianism

RT OP-ed

ノーマン・ルイス

Norman Lewis

is a writer, speaker and consultant on innovation and technology, was most recently a Director at PriceWaterhouseCoopers, where he set up and led their crowdsourced innovation service. Follow him on Twitter @Norm_Lewis


2020年5月13日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月23日




 我々の政治家のリーダーたちは、Covid-19に賢明に対応する際に、私たち市民に対する自信が不足しているが、これは、恐ろしいことであり、また、間違った方向だ。こんなことをしていたら経済は破綻し、我々の未来も危ういものになるだろう。

 一時的にロックダウン緩和に向かう第一段階が世界中で展開し始める中で、何よりも、驚かされることが一つある。それは、政府が、自国民が常識を用い、責任感をもって行動することを信頼していないことだ。

 ブレグジット下の英国でさえ、ボリス・ジョンソン首相は、市民に「警戒を続け」常識をもって行動することを要求した。今週、ロックダウン措置緩和にむけた、おもしろくもない細かすぎる「赤子の歩み」 を提案したときだ。違反者に対する罰金を増やすという警告も、ついていた。

 政府が、英国国民や英国国民が良識を持っていることに対して自信をもてていないことは、英国市民は何ができて何ができないかについて書かれた50ページのガイドラインを見れば明らかだ。このガイドラインには、輝かしいCovid-19の新「警告メーター」がおまけについている。このメーターはまるで人気のチキンレストラン、ナンドスのペリペリの辛さチャートのようだ。一つだけぬかっているのは、大人たちが毎晩何時に床に入るべきかを決めていないことだけだった。

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 しかし、英国だけが、こんな上から目線で侮辱的な対応をしているわけではない。ここ最近の週で、ロックダウン措置を緩和しようとしているすべての国が、同じような一時的なステップを踏んでおり、もし新しい自由が、感染の新しい波を生むことになれば、すぐに元の措置に戻るとおどし、市民たちが安心しないよう警告を発している。

 しかし、例外が一つある。スウェーデンだ。スウェーデン国民たちのやり方で特筆すべきことは、他のどの地域とも対照的なのだが、信頼することが、Covid-19に対する戦略でもっとも大切な内容となっていることだ。

 もちろん、違う国々を比較するには、非常に慎重にならないといけない。世界の死亡者数を表す表が、確実にこの健康危機に対する政策を批判する道具に使われている。さらに、人口密度や年齢層が違う国どうしで比較するのは、全く筋が通らない。国の発展度も違うし、それにともなって健康対策やお年寄りへのケアの基準も変わってくるし、文化も様々だ。さらには、流行の進み具合が、国によって違うという事実もある。無数の但し書きを考慮に入れたこのような観察なしで断じるのは危険だ。

 しかし、「国民への信頼」ということに注目するのは論理的だ。信頼があるのか、ないのか。各国は信頼に対してどのような対応をとっているのか。このことは、政府と統治される側の市民たちとの間の基本的な政治的関係を物語る。

 ロックダウン措置や緊急事態宣言をするのではなく、スウェーデン政府は、市民にソーシャル・ディスタンスを取るよう依頼したが、おおむね自発性を重んじてのことだった。確かに、政府は感染者数のグラフの曲線を平らにするために制限をかけたのは事実だ。50人以上の集会は禁止、バーの営業は禁止、高校や大学では、お互い距離を取った中での学習しか認めなかった。しかし、他の国々とはちがい、厳しい抑制もなく、罰金もなく、警察の高圧的な態度もおこらなかった。

 スウェーデンの人達は自分たちの行いを確かに変えた。脅されてではなく、理性と良識を持って。もちろん、いくつかの間違いもあった。とくに、老人ホームでは。そこが一番弱い場所だ。スウェーデンの人達は、この致命的なミスから逃れることはできなかった。

 しかし、スウェーデンの人達が成し遂げたのは、感染者数のグラフの曲線を平らにし、ウイルスによって重症となるリスクが最も低い、若い人々や健康な人々の免疫力を高めたことだ。さらにもっと重要なことは、以下のような事実だ。それは、スウェーデン公衆衛生局局長、アンダース・テグニル氏によると、ストックホルム市では、今月初めにはもう、集団免疫が達成できたと見なされたことだ。

 集団免疫ということばは、耳あたりの良い言葉ではないかもしれないが、このゴールは、Covid-19と戦う全ての国での無言のゴールになっている。無限のロックダウン措置、特に経済を封鎖することは、ワクチンが開発されるまでの限られた時間しか持ちこたえられないだろう。集団免疫が病気に対して脆弱にならない方法であることを社会に明らかにすることは、この病気と戦う際に、避けられず、また必要な部分である。

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 ロックダウン措置をとれば、集団免疫をつけることを遅らせることになる可能性があった。さらに、経済に与える影響はCovid-19そのものが与える影響よりも悪くなる恐れがある。

 正否を決するのは時間だけだというこの悲劇的なパラドックスの結末はこうだ。スウェーデンのように、合理性と信頼に基づく道か、他のほとんど全ての国が採用している厳しいロックダウンという道か、どちらを選んでも、最終的には、同一地点に辿り着くのかもしれない。それが、集団免疫だ。しかし、辿り着いた際、我々の荒れ果てた経済や社会がどうなってしまっているのかは、致命的な問題だ。

 経済破綻に免疫が着く国などない。スウェーデンでさえ。OECDの予測によると、パンデミックに関わる制限により、発展国で、毎月2%経済が収縮するそうだ。世界規模の不況、いや恐慌が、起こりそうだ。最後まで対策を打たない国は、立ち上がる脚さえなくなっているかもしれない。

 しかし、政治的な失態はどこの国でも等しく悲惨なものになる。有権者のことを信頼せず、厳しいロックダウン措置を追求する政治家階級は、彼ら自身の民主主義を弱体化させてきた。彼らは、個人の自発性と独立心、さらには立ち上がる力(これこそ、今、かつてないくらい必要となってくるもの)をずたずたにした。Covid-19のワクチンはそのうち得られるかもしれない。しかし、国家の権威主義に対するワクチンなどない。

 政府が常識的な行為を実行する自分たちの判断力や能力を信頼していないと人民たちが気づくのが早ければ早いほど、世界中で蔓延する反民主主義の権威主義パンデミックの治療は早くうてるようになるだろう。

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UK コラム 2020年4月20日
イースタン・アプローチ社 アレックス・トムソン
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月23日




 ドイツ語圏の多くの著名な医師や弁護士が、政府の厳しい外出禁止措置の合憲性に疑問を呈している。この外出禁止措置は英語からの借用語でder Shutdownと言われるのが普通だ(ドイツ語にはこれに当たる言葉は皆無)。これらの措置に対する異議がベルリンの街頭で公然と唱えられ始めている。医学と法学分野での反体制派は数十人を数える。しかし、ドイツの医療弁護士であるベアテ・バーナー氏ほど例の「言論の自由」のために高い代償を払わされた人はいない。彼女はドイツ政府が取ったこの措置と政策に公然と異議を唱えたため精神科施設に収容された。

デモの権利なし

 ベアテ・バーナー氏は、ドイツ南部のバーデン=ヴュルテンベルク州で25年のキャリアを持ち、「職業を実践する権利の違法な侵害」の分野で連邦憲法裁判所(ドイツ最高裁判所)において3件の裁判で勝訴している。医療法に関する5冊の本を執筆しており、最近では、医療制度の腐敗に取り組むために2016年の連邦法の分析に取り組んでいる。

 2020年4月3日(金)、バーナー氏は、ドイツ政府のコロナウイルス対策について、「ドイツ国民の基本的権利の多くが過去に例を見ないほど侵害されており、違憲である」と非難するプレスリリースを発表した。この声明で彼女は、Covid-19に感染した場合に深刻な被害を受ける危険性があるのはごく一部の国民であり、彼らは「自分自身の健康は自分で守る」という大人の責任原則に基づく絞り込まれた措置によって、はるかに適切に保護される可能性があると主張している。

 彼女の言葉は続く:
 「特に、つい数日前に急きょ改正された「感染症対策法」では、こういった措置についての正当性は盛り込まれていない。高い死亡率というモデル・シナリオ(専門家たちがそれに対して実際批判的な意見を表明していることを考慮していない)に基づく長期的な外出・面会制限や、感染の危険性を証明できないまま企業や店舗を完全閉鎖させるのは、徹頭徹尾違法である。」

 連邦保健省がこれまでのところ、医療従事者や介護従事者への保護具の供給や、集団感染の実際の感染率を確認するのに十分なランダムテストを実施してこなかったことをバーナー氏は指摘した。さらに彼女はこのプレスリリースで、シャットダウンは「社会、経済、民主主義、そして何よりも人間の健康に壊滅的な結果をもたらすだろう」と予測し、連邦憲法裁判所に問題を提起する用意があると語った。というのは、シャットダウンは①いかなる措置も憲法に沿わなければならないという憲法原則への重大な違反になる、②国民の自由と健康を保障しなければならないという国の義務の放棄になる、からだ。

 バーナー氏はこのプレスリリースに続いて、4月7日に発表された19ページに及ぶ法的分析書『シャットダウンが憲法違反であり、ドイツの1940年代以降の歴史で最大のスキャンダルである理由』を発表した。同書の見出しは以下の通りである:

1. バーデン=ヴュルテンベルク州のコロナウイルス法案:
(根底にあるもの)
・市民に責任と要求が負わされている
・こういう法案を施行する権限が国にはない
・実質的にすべての基本的な権利と自由が抑圧されている
・すべてのコロナウイルス法案を直ちに無効にする必要がある

2. 「感染症予防法」はシャットダウンの法的根拠を形成していない:
・同法の趣旨と目的:届出義務のある病気と病原体の証拠

3. 疫病封じ込め措置:
・実際に病気を患っている人、またはその疑いがある人に限定された措置
・健康な人に部分的に適用される措置
・麻疹判決以降の行政法
・諸機関や企業の全面的な操業停止の違法性
・シャットダウンは、職業実践の憲法上の自由を著しく侵害するものである
4. 同法には、国民の健康は国民に責任があることをはっきりさせる意図がある。
・飛沫によるCovid-19の拡散
・首相の指導に従うこと。
・予防接種は市民すべての権利
・検疫隔離は、健康な人ではなく、症状のある人に対して実施することになっている

5. 地方自治体の「コロナウイルス法案」は、「基本法」に対する言語道断の違反:
・州政府は連邦政府の合法的な法案を無視
・シャットダウンは戦後ドイツ史の中で最大の法的スキャンダル
・州政府と警察による犯罪行為
・デモの禁止は、抵抗権の差し止め
・罰金と拘束は違法

 以上の実質的な内容を含んだ記述の後、バーナー氏は次の3つの短いアピールでこの文書を閉じた:

①現在の専制政治をただちに止めることを首相とすべての政府首脳へアピールする
②「イースターウィークの土曜日」(4月18日)15時からの全国デモを呼びかける
③すべての弁護士と裁判官が行う宣誓は、私たちが結束して「法の支配」を守るということだ

 バーナー氏を窮地に追い込んだのは、②「コロナウイルス被害妄想」(Coronoia)に反対するデモの呼びかけだった。全文はこうなっている:

市民のみなさん、
8,300万人の国民の皆さん!4月18日(土)午後3時にお集まりください。平和的なデモを行いましょう。


「コロノイア2020-(専制政治は)もうごめんです。今日立ち上がるのです!」
議会法第14条第1項に基づき、所轄官庁にデモの意思を事前通知してください。


サイトの削除

 翌日、ハイデルベルク警察は、ドイツ刑法第111条を根拠に、このアピールに対してバーナー氏を訴追する意向を表明した

「集会であろうと、文章を広めようと、公然と違法行為を助長した者は、扇動罪で訴追される。」

バーナー氏に送られた警察の通知書は、「4月15日、刑事容疑者として事情聴取に出頭すること」となっていた:

「私はあなたと個人的に連絡を取ることができませんでしたので、私はこの手紙によってあなたが公に呼びかけている犯罪行為(禁止を無視した4月18日の午後3時に開催予定の全国集会)のために、あなたのウェブサイトは直ちに削除されますことをお知らせします。

 同趣旨の命令文は御社1&1Telekommunikation Se社にも送られています。」


 バーナー氏のサイトは手続き通り4月9日同日には削除されたが、翌日には解除された。

憲法裁判所は申し立てを却下

 一方、事前に告知していた通り、バーナー氏は4月8日、ドイツ連邦16州すべてのコロナウイルス対策の違法性について、36ページに及ぶ緊急申し立て書をドイツ憲法裁判所に提出していた。聖金曜日(4月10日)の終業時刻に、憲法裁判所は、彼女の申立を下級行政法の問題として認められないと判断し、聴聞はしない旨のファックスを送ってきた。

精神科施設への暴力的収容

 4月13日、バーナー氏が彼女の妹に宛てた12分半のボイスメールがインターネット上にアップされた。このボイスメールでバーナー氏は前日夕方に彼女の家に野蛮極まりない警察の立ち入りがあったことを穏やかな口調で語っている。録音された声は、以前に録画されたバーナー氏のビデオの声と一致している(皮肉なことに、ここで彼女は看護負担法について説明している)。このボイスメールで、バーナーが詳しく語っていること:

 「車庫に入ってみると、一台の車が不審そうに私の後を追っていたことに気付きました。10分ほど車の前に立っていた後、何かがおかしいと感じ、車庫から走り出ました。馬鹿だったと思いますが、秘書がヴォス通りに車を取りに行ったきり戻ってこなかったので、家の中には入らなかったのです。・・・通りすがりの車に警察を呼んでもらうように頼みました。5分間警察の応答は全くありませんでした。そして、警察を呼んだのは大きな間違いだったと気づきました。何故なら、現在の私は国家の敵ナンバー・ワンだからです。」

 「警察がやっと到着した時、私は恐怖を感じていると伝えました。警察は手錠を取り出し、強烈な力で私を地面に押し倒しました。手錠を後ろ手にかけられたまま10分ほど車の中に座らされ、角を曲がったところにある精神科クリニックに連れて行かれました。そこには警察官が4人、看護師が3人、医者が1人いました。ただし医者が到着したのは10分後です。」

「座らせてくださいとお願いすると、ベンチに案内されました。そして、警察に保護を要請したのは実は私だったのだから、手錠を外して欲しいと頼みました。しかし、手錠を外すどころか、私は再び床に投げつけられ、頭を1メートル(3フィート)の高さから石の床に激しくぶつけることになりました。それでも誰一人動こうとはしません。その後、警察は私にマスクが必要かどうかを聞きました。もちろん、断りました。」

「動くのを拒否したため、私は無理矢理医師のところまで連れて行かれました。医師は「なぜ恐怖心を持ったのか」を尋ねました。私が誰であるかは、その場にいた人間全員完全に知っているのに、です。弁護士はつけられない、と言われました。」


 彼女はボイスメールの中で、彼女が連れて行かれた精神科施設についてよく知らないと述べている。とは言え、彼女は地元の弁護士であり、過去にその施設の利用者のクライアントをどうしても訪問しなければならないことはあっただろうと思われる。

「その後、私は警備の厳重な、どこかグアンタナモ刑務所と言ってもいいような精神科クリニックで、床に横たわって一晩を過ごすことを余儀なくされました。そこがどこかは分かりませんでした。トイレも流し台もありませんでしたが、水は飲めましたし、ベルを鳴らすこともできました。しかし、私がベルを三回鳴らしても何の応答もありませんでした。」

 さらに10分間、バーナー氏はどのようにして隔離された独房の床から、優秀な看護師のいる適切な家具付きの部屋に「アップグレード」されたかの説明した後、彼女は次の様な見解を述べて彼女の妹へのボイスメールを終了する。

「私はここに拘束されてもう20時間になります。もし人々が結局目を覚ますことがなければ、今回のことはこれまでで最悪の恐怖のレジームになるでしょう・・・私たちは、悪の、悪の、悪の、悪の勢力に支配されています。昨夜、私は殺されるのか、強制的に注射されるのかと思って恐怖で体が石の様に固まってしまいました。消されるかしれないという恐怖を持っています・・・逮捕された時に携帯電話を持っていなかったので、誰とも連絡を取ることができませんでした・・・私は、刑法第111条「犯罪行為の扇動」に違反しているとされているので、4月15日(水)に出頭せよとの召喚状を持っています。私はデモをするように人々に呼びかけました! 言論の自由はドイツで最も基本的な憲法上の権利です。それが3ヶ月の間に犯罪行為になってしまいました。」

 バーナー氏がハイデルベルクのヴォス通りにある大学病院のアルゲマイネ精神医学クリニックにいることが4月14日(火)、ジャーナリストのハーゲン・グレル氏からの電話で確認された。同クリニックは、この事件についての公式声明を発表したと彼に語ったが、彼がバーナー氏と話すことは許可できないと言った。しかし、彼女の携帯電話番号を入手できれば、ハーゲン・グレル氏は直接彼女に電話をかけることができるだろうと示唆した。

 この拘束については、ハイデルベルクの地元メディア地域メディア、全国のニュースソースでも報道されている。バーナー氏の「犯罪行為の扇動」の取り調べは、4月15日(水)午後1時から、レーマー通りにあるK6ハイデルベルク刑事警察署で行われると報じられている

 4月14日(火)、弁護士W.シュミッツ氏はドイツ連邦弁護士会に、同弁護士会はこの事案を取り上げるべきだとの書簡を送った。「精神治療令」では、「バーナー氏が混乱しているように見えた」との「一警察官の認知」とされるものを根拠に彼女を施設に収容することは正当化されないという一点だけとってもこの事案の取り上げは必要だ、との内容だった。彼はさらに言葉を続けた:

「付け加える必要もありませんが、バーナー氏が大変重大な虐待を受けたと主張されていることはドイツ史上過去に例を見ない暗黒の章となるでは、というとても不吉な意味合いを暗示しています。彼女がひどい虐待を受けたと主張されたという事実が、貴弁護士会にこの書簡を送るきっかけになりました。」

「バーナー氏は、全国的なロックダウンを批判する50人以上の有名な専門家のグループに名前を連ねています。その方々の名前のリストは喜んでご提供いたします。」

「政府の施策に批判的な弁護士が、国家の法的装置や精神医学を使って威圧され、職業的にも社会的にも破滅させられる可能がある、もし本当にそうだとしたら、この国は「終了5分前」ということになります。」


 ソ連の古い手法である、内部告発者の精神科施設への監禁については、
①以前、ランカシャーのUKコラムで報告されたもの(過去に最もよく視聴されたビデオで、ソーシャルワーカーのキャロル・ウッズへのインタビュー。最近身柄は解放されたが、私たちの理解では、施設側からの迫害の脅威は今でも続いている)
②ノース・ヨークシャーからの報告(ホーフシュレーアの事例。その範囲はドイツとオーストリアにまで及ぶ)
③ノッティンガムシャーからの報告(メラニー・ショーの事例。現在は別の施設できちんとした介護を受けている)
④コーンウォールからの報告(エマの事例。彼女は小学校で自分の子どもへの明らかな「セクシャル・グルーミング」(訳注:下心を隠して相手を信頼させ、いかがわしい行為をしようとすること_英辞郎)が止まらないと報告した)
などがある。



 続報: 4月15日(水)のhttps://staatsanwaltschaft-heidelberg.justiz-bw.de/pb/,Lde/6221458/?LISTPAGE=1222784に掲載された声明によると、バーナー氏は前夜に精神科施設から釈放されたとのことだ。4月15日の昼下がり、数十人の抗議者がハイデルベルク刑事警察の建物の前に集まった。バーナー氏はその建物の中で「犯罪行為への扇動」の疑いで事情聴取を受けたばかりであった。バーナー氏は、集まった群衆に、どうやら後日さらなる事情聴取がありそうだと話した。

 バーナー氏の声明の最後:
「ベアテ・バーナーは、弁護士の代理を必要としていません。なぜなら、事実上全ての法曹界と司法制度が、この2週間で完全にその機能を失ったからです。その結果、「法の支配」の廃棄と、世界がこれまでに見たこともないようなゾッとするほど恐ろしい不正の体制を、あっという間に構築してしまいました。」

 4月14日に発表されたハイデルベルク検察官の声明は、バーナー氏に関する2回目の報道声明であり、刑事警察と国家安全保障局による彼女の起訴は継続されていると発表し、彼女に対する刑事手続きは「被告人の精神医学的犯行や法執行機関によるその他の強制力の行使」とは何の関係もないと主張している。

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CNNは約68%の米国民が通常の生活に戻るためにはcovid-19のワクチンを求めていると嘘をついた。ロックダウンのおかげで主流メディアが息を吹き返している中で。

<記事原文>CNN lies about 68% of Americans waiting for Covid-19 vaccine to return to normality as lockdown gives MSM new lease on life

RT OP-ed ヘレン・バニスキー

Helen Buyniski

is an American journalist and political commentator at RT. Follow her on Twitter @velocirapture23


2020年5月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月23日


 
 主流メディアは、米国のコロナウイルスのロックダウン中に暴走している。平時であれば無視されるような、歪んだ「事実」を使って。そして、その「事実」を利用して、パンデミックが誘導した視聴者の弱みにつけ込み、何とか持ちこたえる底力を発揮したというわけだ。


 Covid-19ワクチンが登場するまで、米国人の3分の2以上が自宅で隠れていようと決意している。CNNは5月12日見出しで報じたことが正しいのなら。

 「 米国人の68%が通常の生活に戻る前にワクチンが必要であると答えている。」 ギャラップ社の世論調査を持ち出して、この記事は、以下のことをほのめかした。世界中の人々の生活を混乱させたパンデミックにワクチンが投入されるまで、ほとんどの米国人が家にこもって、家で仕事をする(もし、幸運にも仕事がある人ならばだが)ことに満足し、主流メディアを通じて現実の世界を理解している、と。


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 この記事が参照したギャラップ社の実際の結果には、そんなことは出ていなかった。「Covid-19を防ぐワクチンの普及」は、多くの項目の中の一つでしかなく、回答者はパンデミック以前の日常生活にもどる際に、それぞれの項目について「とてもそう思う」「かなりそう思う」「あまりそうは思わない」のどれかを選べるという形式の設問だった。実際、先週取られたアンケートでは、どれくらいの人が、「もしワクチンさえあれば、もとの生活に戻れるか?」を焦点化したものだったのだが、結果は、元の生活を取り戻すために、まだ現実にはない注射を打つ必要があると答えたのはたった12%だった。

 ギャラップ社の調査で重要だったのは、市場に出回るまで一年以上はかかると思われているワクチンよりも、「検査の結果Covid-19の陽性となったどんな人も強制的に隔離すること」(とても重要と答えた人が80%)、「Covid-19の治療に対する医療の改善」(とても重要と答えた人が77%)。「ウイルス関連の死亡を減らす」でさえ73%でワクチンの件を上回っている。それなのに、ワクチンについてのことがCNNの見出しになった。
 

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 その通り。その見出しが選ばれたのはメディアのネットワークに製薬会社から大きな支援を受けていたからというのはありえることだ。民主党の大統領候補だったバーニー・サンダース氏は、予備選挙期間中の演説で、製薬会社から金を受け取っていて、利益相反になるとCNNを批判した。さらに、ワクチンの安全性を訴えているロバート・F・ケネディ氏も、選挙期間中以外の、ニュース社のネットワークの広告費の70%は製薬会社からのものだ、と指摘している。

 しかし、他のコロナウイルス用ワクチン開発の良くない実績(例えば、SARS)から考えると、Covid-19に対するワクチンが、市場に出回るという保証はない。それにも関わらず、CNNが、米国人が来ないかもしれない救世主のような医薬品をもう1年喜んで待っているという構図を描こうとしているのは、パンデミックでパニック状態の人々の新たな弱みにつけこもうという浅はかな魂胆だ。

 誰でも間違いは犯す。当然のことだ。しかしCNNやその同類の主流メディアは、コロナウイルスのパンデミック中、ずっと間違い続けている。そしてその間違いはすべて、ウイルスは恐ろしい殺し屋だという方向に向けられていて、自宅の窓から顔を出し、あえて外の様子を見ようとする人たちを脅している。(もちろん拍手するよう処方された時間は別だが)。CBSは、今回の集団感染で崩壊状態にあると思われているニューヨークの病院の様子を伝えるのに、イタリアのある病院がコロナウイルスの重症患者で溢れている映像を二度も流しているのが見つかった。一度目で見つかって、ソーシャルメディア上で激しく批判をうけたのに。先週のプロジェクト・ヴェリタス(訳注:ビデオやツイッターでニュースを伝える団体)のすっぱ抜きによると、CBSはその教訓から学んでいないようだ。その記事によると、CBSのネットワークがミシガン州の施設でコロナウイルスの検査待ちをする長い患者の列のニュースをでっちあげたというのだ。CBSはすぐに否定したが。多くのメディアがこの国の死者数をまるで世界が終わるかのように予想し続けている。当初の予想が、かなり大げさだったことが明らかになってからだいぶたっているのに。

 今やコロナウイルス流行の中心地である米国で、Covid-19に関わるセンセーショナルな話が多くないわけがない。レンタル自動車会社のU-Haulのトラックが、腐乱死体を積み込んで、ブルックリンの葬儀場で駐車していた話から、ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏が厳しい命令を出し、Covid-19に感染した患者たちを老人ホームに入居させたが、その老人ホームこそ、(これはクオモ氏自身がいったことばだが)「乾いた草に火をつける」ように、そこの住人に感染する場所になるのに、といった話まで、感染の苦しみの話はあちこちにある。Covid-19による死者数は、ジョンズ・ホプキンズ大学調べによると、5月12日時点で8万1千人以上に、のぼっている。しかし、それでも十分ではないようだ。 死者の多くが、ほとんど老人ホームの住人、あるいは、合併症をもつ患者なので、メディアはほかにぞっとするようなショッキングな物語はないかと、あちこち掘り探しているようだ。


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No, Trump did NOT suggest injecting disinfectant to treat Covid-19

 Covid-19によるロックダウンは、メディア界にここ何年も手にしていなかったものを与えている。そう、捕虜のような視聴者だ。メディア界が、そんな視聴者たちをすぐに手放そうとはしない。複数の州が制限を緩めて、家に引きこもった人達が仕事に戻るのを許可している時になっても。ウイルス前は、メディア界は史上最悪に近い低い好感度に甘んじており、2019年の調べでは、わずか41%の人々しか主流メディアを信頼していなかった。しかし、ウイルスによる不安の中で、―米国人の3千3百万人以上が就労しておらず、さらに何百万人の生命が脅かされているー主流メディアが提供する確実さと親しみやすさが、値崩れしていた彼らの株価を支えている。先週のピュー研究所が実施した調査に対して、57%程度の人々がケーブルニュースは、「優れた仕事をしている」や「よくやっている」と答えており、さらに、べらぼうにも68%の人が、ネットワークテレビの取材に好感をもっていることがわかった。ロックダウン前の通常のビジネス時に甘んじていた低い数字から考えて、CNNも新しく手に入った忠実な視聴者を現実の世界に戻そうとするリスクを背負おうとはしないだろう。そう、視聴者たちが、もう一年、ワクチンを待ちながら自宅でとどまっている今なら。恐怖を増幅させるメディアにとって、もっともいい顧客は、カウチに座り込んで、家のすぐそこで暴れ狂うウイルスにおびえているような視聴者たちだろう。

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おっと!FBIがうっかり、9/11のハイジャック犯を支援したサウジアラビアの外交官の名前を明かしてしまった。何年も「国家機密」として明かすことを妨害されてきたのに。

<記事原文>
Oops! FBI accidentally reveals name of Saudi diplomat who helped 9/11 hijackers after years of ‘national security’ stonewalling

RT USニュース
2020年5月13日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月23日



 FBIは、ペンタゴンへの9/11攻撃に関与した2人のアルカイダのハイジャック犯を支援したと考えられているサウジアラビア当局者の名前をうっかり明らかにしてしまった。何年も懸命に秘密を守ろうとしてきたことだったのに。

 この名前は、先週公開された裁判所への提出書類に、意図なしで無修正のまま残されていた。その裁判とは、現在訴訟中の9/11の遺族が、9/11のテロ攻撃に加担した疑いがあると、サウジアラビア政府を相手取って起こした訴訟だ。この「ミス」は、Yahooニュースで、5月12日に報じられた。その時点で司法省は提出された書類を撤回し、どのようにしてこんなミスが起きたのかについては、コメントを控えている。


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Putin warned Bush about impending attack TWO DAYS before 9/11 – ex-CIA analyst

邦訳 http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-285.html

 しかし、その文書(FBIの対テロ対策長官の補佐官であるジル・サンボーンによる公式文書)は、既に公の目にとまっており、その秘密に再び蓋をするという動きもなかった。サウジアラビア外務省の中級役人で、1999年から2000年までワシントンDCの大使館に配属されていた、ムサド・アーメッド・アル・ジャラーという名前が、いまや世間に知られることになった。トランプ・オバマ・ブッシュ、三政権にわたり示唆されてきた「ジャラーの名を公表してしまうと国家機密上大変なことが起こる」という心配は今のところは、現実にはなっていない。遺族会の報道官は激怒したが。

 「これはサウジアラビアの関与を完全に隠そうということを示している。」報道官のブレット・イーグルソンは、5月12日、ジャラーが関与していたということは、「“サウジアラビアの大使→サウジアラビアのイスラム関連省(ロサンゼルスにある)→ハイジャック犯”という命令系統があったということ」を物語っている、とYahoo ニュースに語った。

「これは大がかりな攻撃だった」


 ジャラーは他の2名のサウジアラビア国民に指示を出していたと考えられている。その2名というのは、強行派宗教指導者のファハド・アル・スメリとサウジアラビアのスパイと疑われているオマル・アル・バユミで、ジャラーは二人のためにロサンゼルスのアパートと、銀行口座と、大量の金を手配した。スメリとバユミの名前は、2016年以来明らかにされていたが、9/11委員会が編集した、あの悪評高い「28ページ」が世に出た時、二人に身の回りの面倒を見た上で「タスクを課した」人物の名前は国家レベルの機密のままだった。


 実際、政府はどんな苦労もほとんど惜しまず、ジャラーの名前を伏せてきた。被害者の家族たちが名前を明かして欲しいと何年も法廷で要求してきたにも関わらず。昨年9月に、家族の弁護士たちは、ついに長く秘密にされてきたその名前を見ることを許されたが、家族や市民には明らかにしないという条件付きだった。さらに屈辱を増やすことになったのだが、米国司法長官のウイリアム・バーは、同日、弁護士たちが求めていた全ての資料は、「国家機密である」という申し立てを申請した。つまり、この件には、永遠に「立ち入り禁止」になったということだ。

ALSO ON RT.COM 

 US declassifies key name Saudi-9/11 lawsuit, but WILL NOT release it publicly


 大きな皮肉だが、サンボーンの公式発表は、バーの「国家機密」の申し立てを、本来は後押しするはずのものだった。その申し立てとは、遺族が開示を求めていたジャラーの名や残りの情報が、もし公になれば「国家安全に大きな損害を与える」ことになるというものだった。他に影響を受ける資料には、「インタビュー、電話記録と銀行記録、情報源の報告書、外国政府の情報」が含まれる。バーとアメリカ合衆国国家情報局長官リチャード・グレネルは、ファイルを機密解除すると、情報収集の「情報源と方法」が明らかになり、外国政府がFBIと協力する意欲を低下させると主張した。

 9/11犠牲者の家族は、2016年になってやっと、9/11の攻撃に実質的な支援を提供した疑いでサウジアラビアを訴えることができた。議会が「テロの支援者に対する正義法」に対する当時のバラク・オバマ大統領の拒否権を覆した後のことだった。それまでは、サウジアラビアは国家主権による免責特権によって保護されていた。サウジアラビア王国は攻撃への関与を強く否定している。

 司法省はまた、「9-11調査弁護士委員会」からの法的異議申し立てにも直面している。同委員会は、昨年、連邦検事が、大陪審の手続きを妨害している疑いがあることについて訴えた。複数の遺族やフランクリン・スクエア・マンソン消防署もこの訴訟に加わった。

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どうしてそんなに多くのコロナウイルス患者がイタリアで亡くなったのだろうか? イタリアの高い死者数は、高齢化、加重負担を受けた医療制度、および死亡者の報告方法によるものである

<記事原文 寺島先生推薦>
Why have so many coronavirus patients died in Italy?

テレグラフ 2020年3月23日
サラ・ニューイ
グローバル・ヘルス・セキュリティ特派員


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年5月22日




 イタリアでは、コロナウイルスのパンデミックにより病院は圧迫され、全国的にロックダウンが課され、多大の死者数をもたらしている。専門家たちはまた、死亡者数が中国で報告されている総数を上回っており、死亡率が一見して高いことを懸念している。

 イタリアでコロナウイルス患者と確定された63,927人のうち、これまでに6,077人が死亡した。対照的に、中国にはもっと多くの81,496人が感染したが、死亡者数は3,274人にとどまっている。

 非常に大まかに言えば、これは、イタリアではコロナウイルス患者の約9%が死亡したのに対し、中国では4%にとどまっていることを示している。この計算方法で行うと、ドイツでは、これまで28,865人が感染しそのうち118人が死亡しており、その死亡率はわずか0.4%である。

 では、その相違は何によるものなのだろうか。
イタリア保健大臣の科学顧問であるウォルター・リカルディ教授によると、イタリアの死亡率が高いのは、世界でその高齢者率が2番目に高いという人口構成によるものである。そして病院が死亡を報告するその方法にある。



 「入院中の患者の年齢はかなり高い。イタリアでの入院患者の年齢の中央値は67歳であるに対し、中国では46歳であった」とリカルディ教授は言う。「したがって、もともと患者の年齢分布が高齢に絞られており、そのことが結果的に致死率を高める要因となっている。」

 今週のJAMA(米国医師会誌)の分析によると、イタリアの感染者のほぼ40%と死亡者の87%が70歳以上であった。

 そして、ロンドンのインペリアル・カレッジのモデリングによると、この年齢層の大多数の患者は、重要な病院のケアを必要とする可能性が高く(80歳くらいで8割)、医療システムに多大な負担をかけている。

 そして、リカルディ教授は、医師の死亡の記録方法によって、イタリアの死亡率が高くなっていると付け加えた。

 「わが国で死者をコード化する方法は、コロナウイルスに感染していて病院で亡くなったすべての人々が、コロナウイルスが原因で死亡したと見なされるという意味において、非常に大雑把である。」



 「国立衛生研究所による再評価では、死者のうち、死亡原因が直接コロナウイルスによるものは12%だけであり、死亡した患者の88%には少なくとも以前に1つの病歴があり、多くは2つ、3つの病歴をかかえていた 」とリカルディ教授は述べている。

 これは、Covid-19が患者の死に関与しなかったということではなく、それはむしろイタリアのかなりの割合の患者が、内在する健康問題を抱えているためイタリアの死亡者数が急増していることを示している。専門家はまた、検査における相違があり国同士を単純に比較しないよう警告している。

 ロンドン保健衛生大学のヨーロッパの公衆衛生学教授であるマーティン・マッキー氏は、各国は軽度感染症数がどの程度かを示す確かな資料をまだ持っていないと述べている。

 更に検査をすすめれば、もっとも多くの無症状の感染者が確認され、その死亡率も下がってくるだろう。


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北京は、 Covid-19についての制裁を中国に課すという米国上院法案を「不道徳」だと非難

<記事原文>
Beijing denounces ‘immoral’ US Senate bill threatening China with sanctions over Covid-19

RT ワールドニュース

2020年5月13日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月23日



 中国政府は、米国の法案にくってかかった。その法律は、もし米国のコロナウイルスのパンデミックの調査に中国が協力しなければ、中国に制裁をかけるというものだ。

 「 COVID-19説明責任法」 が、米国の上院議員リンゼー・グラム氏と他の8名の共和党上院議員で共同提案されたのだが、これは「不道徳」で、事実とは異っている、と中国外交部報道官の趙 立堅氏が5月12日語った。

 この法案は、コロナウイルス発生についての米国主導のあらゆる調査に対し、中国が「十分かつ完全な説明をした」ことを60日以内に議会に通知することを大統領に要求するものだ。この規則は、アメリカの同盟国や世界保健機関(WHO)などの国連機関が実施する調査にも適用される。

 この法律はまた、中国が人々の健康にリスクをもたらす可能性のあるすべての「生鮮市場」を閉鎖することを中国に要求している。さらに、半自治地域で進行中の抗議の間に逮捕された香港の活動家の即時釈放を要求している。

 中国がこれらの基準を満たさない場合、法案は大統領に広範囲の制裁を実施することを承認する。旅行禁止、資産凍結、その他の経済的制限が課される可能性がある。趙氏は、提案された法律は、事実や国際協定に基づくものではないと述べた。


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As the US and China fight over Covid-19 and prepare for a new trade war, India swoops in for the last laugh

 「中国にはいくつかの生きた家禽を扱う市場や農民市場や海鮮食市場があり、これらは国際法で禁止されていません」と彼は述べた。

 米国政府は、進行中の世界的な健康危機において中国政府が悪質な役割を果たしたと非難し続けている。中国は、そのような扇動的な非難の根拠を要求し、トランプ政権が、自国のパンデミックへの対応の悪さから注意をそらそうとしているだけだと主張した。
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あれは、でっち上げだった。FBIがフリン将軍には違法行為はなかったと認めた。

<記事原文>

It Was A Frameup–The FBI Admits There Was No Legitimate Case Against General Flynn

2020年5月9日

Paul Craig Robert

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月23日

 タッカー・カールソン氏が、 FOX NEWSの番組「マイケル・フリン氏の訴訟事件を解きほぐす」で解説している。(文末の動画を参照)。


 提出を求められていた、FBIの文書によると、フリン将軍に対する訴訟は、法的な根拠がなく、FBIは自らこの件に関しては証拠がないことを認めた。つまりFBI当局は、フリン氏に罪があるとでっち上げたということだ。このことは、公表された文書から完全に明らかであり、それに伴い、司法省はこの件を取り下げなければならなくなった。

 売女メディアは、フリン氏が、FBIに、偽証したことを認めたことは大々的に報じている。メディアが報じないのは、FBIがフリン氏の件で書いたシナリオを完成させることに、フリン氏が協力しないなら、フリン氏の息子を起訴すると脅していたことだ。 ( https://www.forbes.com/sites/jacobfrenkel/2017/11/27/will-michael-flynn-plead-guilty-and-cooperate-to-protect-his-son/#2f2cd62514fe ). フリン氏の嘘は、強制的につかされた嘘だ。フリン将軍の息子の起訴をでっち上げさせないための代償だった。同じことは、「ジャンク・ボンドの帝王」マイケル・ミルケン氏の事件でも行われた。FBIは、ミルケン氏が罪を自白しない限り、弟を起訴すると脅していた。

 タッカー・カールソン氏が明らかにしたのは、フリン氏に対する訴訟が取り下げになったのは政治的な圧力のせいだ、と間違って報道をしている嘘つきメディアのことだ。この訴訟が取り下げになったのは、この件が嘘だったからだという証拠はハッキリしている。

 問題は、以下のことにある。なぜ、意図的に、無実の人間に罪をでっち上げる堕落したFBIの役人たちが、起訴され、法廷で訴えられないか。FBIには、不正と嘘をつくりあげてきた、長い歴史がある。賢明な人は誰も、誠実な裁判官や陪審員もきっと、今後FBIが手がける告発など一切信用しなくなるだろう。数年前のことになるが、  大スキャンダルが巻き起こったことがあった。FBIが、嘘の証拠をでっちあげ、堕落した検察官がターゲットにした被害者を有罪にする手助けをしたのだ。

 ピーター・ストラック氏が、トランプ大統領の国家安全保障問題の補佐官であったフリン氏に、罪をでっち上げようとしたリーダーであり、FBIの恥ずべき役人だ。この件で、ストラック氏と彼の愛人、FBIの工作員リサ・ページ氏は、公務執行妨害を含む重罪に値する。なぜ奴らは捕まらないのか?  誰が、こんな犯罪者たちを守ろうというのか?


 どうやって、 FBI はこの件から逃れることが許されるというのか?

 

 

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階級分断。新しいデータによると、英国の労働者階級のほぼ3分の2がコロナウイルス危機中、自宅で仕事ができない。

<記事原文>
Class divide: Nearly TWO-THIRDS of British working class unable to do jobs from home amid Covid-19 crisis, new data reveals

RT UKニュース 2020年5月13日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月20日



 新しい調査によると、Covid-19のパンデミックは、 英国の階級分断を明らかにしており、英国の労働者階級の家庭のほぼ3分の2が、仕事を家で出来ないことがわかった。一方、中流階級では、30パーセント以下だ。

 データ分析会社YouGovは、5月12日に英国政府がコロナウイルの流行に対応するために導入されたロックダウン措置が、どう英国の労働者階級に影響を与えているかに焦点をあてた調査結果を公表した。 このデータは、5月8日から11日まで、つまりソーシャル・ディスタンス措置が、緩和される直前に集められたものだ。

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Men with blue-collar jobs are workers most at risk from Covid-19, says new study

 ボリス・ジョンソン政権は、依然として市民たちにできる限り自宅で働くよう指導しているが、YouGovが発表した数字を見れば、英国民のかなりの人々(約40パーセント)が、仕事を自宅に持ち帰れないことが分かった

 YouGovが出したデータで一番驚かされる結果のひとつは、労働者階級の家庭の65パーセントが、家で全く働いていないということだ。一方、中流階級の家庭では29パーセントだ。

 このYouGovが出した数字の前に、英国国家統計局(ONS)が5月初旬にある調査を公表している。ONSの調査によると、調査対象だったイングランドとウェールズの中で最も恵まれていない地域では、10万人につき55.1人の死者が出ている。一方、より裕福な地域ではその値は 25.3 人だ。

 さらに、英国人20人に1人が仕事を失ったという報告もある。これは、英国の労働人口の8パーセントにあたる。

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Poorest in England MORE THAN TWICE as likely to die from Covid-19 as richest, new stats reveal

 5月13日(水)、英国人たちが、電車やバスでぎゅうぎゅう詰めになっている姿が見られた。ロックダウン措置が緩和されたことを受けてのことだ。これにはジョンソン首相のアドバイスもついていて、家で仕事が出来ない人たち(建設作業員や技師など)はそうすることが、もし「安全」というのであれば今の様に仕事場に出かけたら、というものだ。

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ポケットから失敬。シリコンバレーが広告業者を使って、ロックダウン下でのあなたの振る舞いを盗み見るやり方

<記事原文>The snitch in your pocket: How Silicon Valley uses advertising tech to spy on your lockdown behavior
RT US ニュース
2020年5月13日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月20日



 警察はロックダウンの命令に背いた全ての人々を捕まえることはできないが、あなたのスマートフォンならできる。あなたが他人に自分の痕跡を見られたくないと思っていても、あなたの個人情報を他人に流す第三者に情報を渡すアプリはいろいろある。

 米国では、どうやって、いつ、ロックダウン措置を切り上げるかは分かれている。例えば、ジョージア州では、先月からロックダウンを解除しているが、ロサンゼルス市は、8月まで市民を家にいさせるつもりのようだ。行政機関が、5月12日に伝えた。


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‘Summer cancelled’: Los Angeles County to extend stay-at-home order another 3 MONTHS, stoking fears of civil unrest

 これらの措置に対しての不満が大きくなっている。夏がキャンセルされたことに怒ったカリフォルニア市民たちは、暴動を起こすかもしれないと警告してきたが、その警告が現実のものになりそうだ。今月初旬、太陽に恋焦がれる群衆たちがオレンジ郡の封鎖された複数のビーチに繰り出した。武装した警官が、ビーチの閉鎖しようとしたことに対しての行為だった。ミシガン州からマサチューセッツ州にいたるまで、抗議者たちは国中の州議会議院を取り囲み、知事にロックダウンを止めるよう要求している。       

 抗議や論議が巻き起こる中、大手テクノロジー会社は、目を凝らして、米国人たちが、ルールを準拠しているか監視し続けている。メディアもそうだ。

 5月12日、ニューヨーク・タイムズ紙は、閉鎖していない州でも、閉鎖している州でも、米国人たちは、再び自宅から外に出始めていると報じた。この結論を導くのに、同紙は1500万人以上の米国市民の携帯電話のデータを調査した。米国市民たちのスマートフォンから収集したデータを国勢調査として使用し、出歩いている人達がどのくらいいるかを計算した。

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Social distancing’ open to interpretation it seems, as Europe haphazardly emerges from lockdown (VIDEOS)

 この記事は、暗に、米国人たちが、自宅から出ていくことを恥ずかしく思わせようとしている。「専門家たちからの声」を持ち出して、ニューヨーク・タイムズ紙は、人々の移動が増えると「新型コロナウイルス流行の第二波と人々の死」につながる可能性があると伝えた。さらに読者に「ソーシャル・ディスタンスを取ることは、ウイルスの流行を止める最も効果的な方法の一つであることは証明されている」ということを思い出させている。

 もし読者たちが、ニューヨーク・タイムズ紙に自分達の行動を追跡する許可を与えたことを覚えていないとしたら、そんなことはしていないということだ。そうではなくて、あなたのデータは、キュービック社によって提供されたのだ。キュービック社は、「オフラインの調査、測定会社」であり、携帯電話からのデータを集め、それらを広告主に売ることで、1億6200万ドルの資産を貯め込んでいる。

 スマートフォンを使用している人達は、自分達のデータを直接キュービック社に送っている訳でもない。そうではなくて、同社と提携している180程度のモバイルアプリのうちのひとつをインストールすると、そのアプリを通じて、データがキュービック社に送られることを許可することになるのだ。これらのアプリには、マイレイダーNOAA天気レイダーやフォトバケットやタパトークなどいくつかの人気のあるクーポンがもらえるアプリが含まれている。

 2018年のニュースサイトのテクチャーチやガーディアン紙の報道によると、これらのアプリには、大切なデータがキュービック社のような第三者とシェアされることについて「全くないかあってもほとんどない」但し書きしかない。


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Android apps with more than 4.2 BILLION downloads leaked user data through Google’s Firebase – study

 キュービック社のウェブサイトは、シリコンバレーの福音書の倉庫のようだ。「善のためのデータ」という方針を明記し、同社は、こう謳っている。「私たちの洞察力を共有し人間性のあるサービスを創造するために科学的なコミュニティに向けて」位置情報へのアクセスを提供する、と。

 しかし、人間性があるというのは建前で、キュービック社は、お金儲けを最優先する企業だ。例えば、小売業者は、自社の広告を見た、将来顧客になりそうな人々のオフラインでの行為を追跡することにお金を支払う。すべの業種の企業は、どの顧客が自社の生産品を買いそうかを、顧客たちのオフラインの行為から知るためにお金を支払う。

 個人が分析されたり、追跡されたり、「データ点」に落とし込まれ、それが第三者に売られたりしないようにするためには表には出ない「オプトイン条項(企業などが情報を収集・利用する場合本人の事前許可が必要であることを定める)」しかないことを考えると、当然ながらプライバシーに関するいろいろな懸念が浮上する。ニューヨーク・タイムズ紙でさえ、先月この問題について取り上げていた。テクニカルライターのジェニファー・バレンチーノ-デイブリーズ氏は、が、キュービック社のデータを自分も使うことを同紙で論じている。


 バレンチーノ-デイブリーズ氏は、このような懸念を振り払った。彼女自身、このデータは「立ち入ったもの」で、「匿名性の保証」からは程遠いことを認めてはいるものの、この「公共の健康面の危機」においては、プライバシーを守ることは重要ではなくなっていると主張している。

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 しかし、読者の皆さんは彼女の意見には多分同意しないだろう。同様に、もし企業が、キュービック社のような会社が収集したデータを使って、同社が自慢しているように正確に顧客の行動を予想できるとしたら、そのようなデータが、公共の議論がないままで、メディア、さらには、おそらく国の役人の手に渡るべきではない、と思っているだろう。

 それでも、利用者たちがアプリに何を許可するのかををきちんと見ないで画面をスクロールしてしまう限りは、これらの会社はプライバシーを食いものにして多額の儲けを手にし続けるだろう。

 自社のデータ収集力を今回のコロナウイルス騒ぎに振り向けている企業は、キュービック社だけではない。本業が聴衆の声の分析である、ノルウェー起源のウナキャスト社も、ジョージ・オーウェル風に聞こえる「ソーシャル・ディスタンスのスコア表」なるものを立ち上げた。それは、米国の全ての州と郡で、市民たちがどれだけ従順にロックダウンのルールを守っているかをランキングするものだ。

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中国の医師たちはコロナウイルスに対してキューバの抗ウイルス薬を使用している。 ―キューバは免疫疾患の治療のための最も強力な薬の1つを製造している。

<記事原文 寺島先生推薦>
Chinese Doctors Are Using Cuban Antivirals Against Coronavirus
―Cuba produces one of the most potent medicines for the treatment of
immunological diseases.

telesurtv.net 2020年2月6日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月20日



 キューバのバイオテクノロジー産業が生産する抗ウイルス剤である遺伝子組換え型インターフェロン・アルファ2B(IFNrec)は、中国の医師によって2019-nCoVコロナウイルスに感染した患者の治療に使用されている(この時点でCovid-19に世界中で28,000人以上が感染し、564人の患者が死亡)。

 1月25日以来、長春(チャンチュン)市にあるチャンヒーバー・カンパニー(中国・キューバ合資会社)は有名なキューバの抗ウイルス薬を製造しており、これは呼吸器疾患を治療する可能性のために国家衛生健康委員会が選択した30の薬の1つとなっている。

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現在、抗ウイルス薬インターフェロン・アルファ2B(IFNrec)はHIV関連感染症、再発性呼吸器感染症、生殖器疣、B型およびC型肝炎に適用されている。また、さまざまな種類の癌の治療にも有効である。




 チャンヒーバー(ChangHeber)、バイオテック(Biotech)、チャンチュン・ヒーバー・バイオロジカル・テクノロジー(Changchun Heber Biological Technology)の3社は、将来の経済成長が見込まれるバイオテクノロジー分野で中国とキューバの協力の枠組みの中で力を合わせている。

 アジアの国は、コロナウイルスとその結果として生じる肺炎と粘り強く戦っている。有効なワクチンがない中で、中国は最先端の抗ウイルス薬と伝統的な医薬品を組み合わせて患者に適用している。

 中国の医師は、エボラ出血熱に対して使用されるレムデシビル、HIV / AIDS感染症の治療に使用されるリトナビル、および特定の脂質を分解するのに効果的なザベスカを組み合わせて、新しい治療法もテストしている。


こちらの動画もどうぞ
https://www.facebook.com/teleSUREnglish/videos/1171657949644272/

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億万長者による政治?クオモ氏は、パンデミック後の「改革」にむけて、ゲイツ、ブルームバーグに加えてグーグル社の元CEOを指名。

<記事原文>
Government by billionaires? Cuomo names former Google CEO to join Gates & Bloomberg in drafting post-pandemic ‘reforms’


RT USニュース

2020年5月6日

<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ
2020年5月18日


 
 ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ氏は、パンデミック後の健康・教育システム「改革」に関する委員会のリーダーとして、グーグル社の前CEOであるエリック・シュミット氏を指名した。しかし、このことは、利益相反の疑いのある別の億万長者をさらに委員に加えるのかという批判を生んでいる。


 シュミット氏は、ニューヨーク州の既存の医療および教育システムの「再考」を任務とする「ブルーリボン委員会(政治から距離を置いた直接的権限をもたない有識者委員会)」を率いることになると、クオモ知事は5月6日に、彼が毎日行っているコロナウイルス報告会中、発表した。選挙で選ばれたわけではないもう一人の億万長者の手にそのような権力を握らせるという決定は、知事のCovid-19後の計画についてすでに不安を感じている批判的な人たちを怒らせることになった。



 その委員会は、「遠隔医療や遠隔学習やブロードバンド」に優先的に取り組む、と、クオモ知事の報告会中に割り込んで、シュミット氏は語った。グーグル社の元重役であるシュミット氏は、依然として親会社のアルファベット社から顧問として給料を受け取とっており、利益相反にあたるのでは?という問題を提起している。というのも、グーグル社は、Covid-19の感染者との接触をデジタル上で追跡する動作環境の開発において主導的な役割を果たしているからだ。クオモ知事は、同じ報告会で、Covid-19の感染者との接触を追跡する人間によるネットワークの構築について、ニューヨーク州が、前ニューヨーク市長のマイク・ブルームバーグ(彼もまた億万長者だ)と提携すると発表しており、デジタル分野に関しては、グーグル社が参入する可能性がでてきた。同時に、テクノロジーの巨人であるグーグル社は、のどから手が出るくらい健康データをほしがっている。それは、プロジェクトナイチンゲールというヘルスケアシステムへのアクセスや健康関連会社Fitbitの買収などの動きからはっきり分かることだ。そんなグーグル社が、同社に個人情報を記録されることを心配しているニューヨーカーたちとうまくやっていけるとは思えない。



 クオモ知事は5月5日、「ニューノーマル(それまで異常と考えられていた現象が普通のことになること)を再考するための青写真」を作成する責任をビル&メリンダゲイツ財団に負わせたため、批判の嵐をすでに浴びていた。知事は、マイクロソフト社の前CEOビル・ゲイツを「先見の明がある」と称賛し、公立学校の「革命的改革」を彼に求めていた。公教育を支援する団体は、この億万長者を糾弾し、「同氏の以前の教育政策は失敗に終わったのに、またやるのか」と非難し、州のあちこちから不満の声があがるだろうと話した。

 ゲイツ財団は、悪名高い教育プログラム「コモンコア」に約5億ドルの資金を投入した。これは、数学教育の危機的状況を改善しようと始められたプログラムだが、2013年に全米規模で導入されて以来、米国の数学の成績の世界ランキングは導入前よりもさらに低下するという結果を招いてしまった。
 
 政府が資金提供するプログラムに4兆ドルを超える税金が振り向けられた後、2016年、同財団はプログラムの失敗を暗黙のうちに認め、納税者に宛てた手紙の中で、「(コモンコアを)導入できる設備整備のために公教育のシステム上必要となる資源やサポートを低く見積もっていた」と述べていた。

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 クオモ知事自身、過去にニューヨーク州の旧態依然の公立学校制度を一方的に改革しようとした際、煮え湯を飲まされたことがある。2015年、知事は「公教育のためのニューヨーク州連合」から「憲法違反の教育政策への干渉」であると非難された。同連合は、チャータースクール支持者や教育テクノロジー産業と知事の「おともだち関係にあること」を強調していた。

 その教育テクノロジー産業の一つにグーグルがあった。2014年、当時同社の最高経営責任者であったシュミット氏は、「スマートスクール」の債券化について助言する第三者委員の一人に任命され、複数の消費者保護団体から警鐘が鳴らされた。消費者団体が指摘したのは、グーグルアプリやクローンブックのラップトップが、システム全体で採用されることで、同社が直接利益を得ることだった。

 ニューヨーク州知事のクオモ氏が、州の医療システムに対処してきた歴史も、同様に波風がたつものだ。その特徴は、長期にわたる一連の予算削減措置、病院の統合、および解雇だ。慢性的に凝り固まったシステムを「革命的に変革」するという彼の公約は、すでに躓いている。クオモ知事は、5月6日に、コロナウイルスの流行の救援のためニューヨーク州に来た州外の看護師たちは、受け取った給料に対して同州に所得税を支払う必要があると発表した。看護師達が、自分の居住地にある会社から給料を受け取っていたとしても、だ。


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 ブラックストーングループのビル・マロウ氏やマクアンドリューズ&フォーブス社のスティーブン・コーエン氏といった未公開株式投資会社の大物を、ニューヨーク州再開の経済助言チームのメンバーに指名するというクオモ知事の決定も、批判を呼んでいる。というのも、同州の企業家たちは、破産したくないと考えているが、未公開株式投資会社は、企業が破産することで、しばしば利を得ることになるからだ。

















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アルゼンチンの社会運動が食糧主権を提案

<記事原文>

Argentine Social movements, Ciudad Futura and the Frente Patria Grande, proposed a food sovereignty plan that promotes the creation of a public food company to ensure the access to food to vulnerable sections of the society.

INTERNATIONALIST 360°
2020年5月12日




 前右翼政府によって引き起こされ、COVID-19のパンデミックによって悪化した飢餓と貧困の状況に直面し、Ciudad Futura(Future City)とthe Frente Patria Grande(Front for Great Homeland)のようなアルゼンチンの社会運動は、食糧主権計画を提案している。これらの運動は、歴史的に無視されてきた社会階層への食糧アクセスを確保するために、公共食品会社の設立を可能にする法律を推進しようとしている。

 マウリシオ・マクリ前大統領の右翼政権による新自由主義的な経済政策により、アルゼンチンは史上最悪の不況に陥った。国際通貨基金(IMF)の政策に沿って実施された緊縮財政によって引き起こされた社会経済危機により、アルゼンチンの人口の50%以上が深刻な影響を受けた。国の通貨の切り下げ、失業率の上昇、貧困、ホームレスの増加、激烈なインフレ、そして政府の適切な政策の欠如により、アルゼンチンの人口の大部分が基本的な食糧にアクセスできない状況に陥った。

 COVID-19パンデミックの拡がりは、緊急事に政府がきちんと効率的な食糧支援システムを保証するために大きな課題がまだ残っていることを明らかにした。

強制的かつ予防的な社会的隔離措置が行われている間に、必要不可欠な食料品の価値が合理的な正当性もなく高騰した。社会運動は、価格高騰の主な原因は仲介業者にあると主張した。

 これらの運動に関わっている指導者たちの説明によると、経済力の集中と少数の流通業者や生産者が価値連鎖を独占しているため、ほとんどの場合、国家は被害者となり、高い代償を払わなければならないとのことだ。

 この状況に直面した社会運動は、仲介業者の排除も目的とした公的な食品会社の企画案を提案した。

 与党左翼連合Frente de Todos(Front for all)のフェデリコ・ファジオリ全国副代表は、この企画案を支持し、地方議会だけでなく下院でも法案を提出すると述べた。「我々は、国民が食糧を手にする権利を保証し、投機を抑制し、我々の主権を取り戻すために、ナショナル・フード・カンパニーの創設を奨励する法案を国会と地方議会で提出するつもりだ 」とファジオリは述べた。



 Frente de Todos と Frente Patria Grandeに属するフェデリコ・ファジオリは、下院で国立食品会社のための法案を提出する。

 これらの社会的指導者たちは、その第一歩として、地方に分別的な工場創設を推進しなければならない、と述べた。そしてこれらの工場は原則的には中小規模の食品生産者のネットワークと連携して、そこから一括して食品を買い上げる、とのことだ。これにより、仲介業者や価格規制者がいなくなるため、最終的な価格が下がると指摘している。さらに、この制度は地域の生産者を支援し、支援の範囲を確実に拡大することになるだろう。

 Frente Patria Grandeの指導者たちは、社会運動、大衆経済出身の労働者、協同組合、中小生産者、国家、地方そして市の行政府などがパブリック・フード・カンパニーの設計に参加することを明らかにした。

 また、同法の原案では、パブリック・フード・カンパニーの運営に2つの段階が設けられることになっているも告知された。第一段階では、小麦粉、米、豆類、麺類、ハーブ、砂糖、油、シリアル、ドライフルーツ、調味料など、保存が容易な10の必須品目に焦点を絞る。この段階では、食品は自社ブランドで工場から出荷され、施設、学校、公民館向けの卸売りと、直接消費者向けに特別にデザインされた栄養ボックスに入った小売の2つの形態で市場に出回ることになるが、その中には果物や野菜などの他の食品も含まれる。第二段階では、乳製品や肉類などの冷凍食品を取り入れる予定である。

このプロジェクトには、the Frente Patria Grandeの社会活動家フアン・グラボイス氏、Ciudad Futuraからはフアン・モンテベルデ氏、カレン・テップ議員とペドロ・ピトゥ・サリナス議員、フェデリコ・ファジョリ下院議員とイタイ・ハグマン下院議員、ブエノスアイレスのオフェリア・フェルナンデス議員からの支援がある。

 現職のアルベルト・フェルナンデス大統領は就任以来、マクリスモ運動が生み出した社会経済危機を逆転させるための対策を継続的に講じてきた。2019年12月には、同国の飢餓対策として「フードプラン」を開始した。この構想の下、政府は貧困層の市民に200万枚のフードカードを配布し、それで月4000ペソ相当の基本的な食料品を無料で購入することができた。


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プーチン9/11の2日前に差し迫った攻撃があることをブッシュに警告 ―― 元CIAアナリスト

<記事原文>
Putin warned Bush about impending attack TWO DAYS before 9/11 – ex-CIA analyst



2019年9月5日 ロシア・トゥデイ 
ワールドニュース

(写真)2001年9月11日に破壊された世界貿易センタービルの位置を示す追悼照明設備  

 ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、2001年9月11日の攻撃の2日前に、米国のジョージ・W・ブッシュ大統領に電話をして、アフガニスタンからの差し迫ったテロの陰謀について警告をしていたと、元CIAのアナリストは語った。

 ロシアの指導者からの緊急の警告は、『ロシアの罠:どのように私たちはロシアとの影の戦争で核の大惨事に陥るのか』という本の中で述べられていた。この本は、ブッシュ時代の元CIAアナリストであるジョージ・ビービーによって書かれ、今週の初めに発売された。


 「プーチンは攻撃の2日前にブッシュ大統領に電話をして、アフガニスタンで『長く準備されてきた』初期のテロ作戦の兆候にロシア情報部が気づいたと警告した」

 元CIAの元職員が暴露した事実は、2001年9月11日に結局は起きた攻撃について、繰り返し警告されていたというもうひとつの証拠であるように思われる。モスクワからの警告があったことが長年の間、世間に知れ渡っていた一方で、――攻撃のすぐ後に、ロシアの上級の情報部員がそれらについて話をしているがーービービーの本が示唆していたことは、情報部の間での情報交換に限らず、個人的にプーチンによってブッシュが警告を受けたことだ。

ALSO ON RT.COM
Trump ‘thinks he knows’ who was behind 9/11


 ロシアに加えて、米国は英国のスパイからも警告を受け、切迫した攻撃の危険性をCIAとFBIも繰り返して強調していた。ホワイトハウスが実際にそれらの警告に注意をして、市民を守るできる限りのあらゆることをしたのかは、今も謎のままである。

 ホワイトハウス関係者の当時の考え方のヒントのいくつかは、コンドリーザ・ライス国家安全保障補佐官のちに国務長官の回顧録の中にある。『ライス回顧録』“No Higher Honor”の中で、ライスはプーチンからの初期の警告を無視したと告白している。彼は、サウジアラビアの資金援助を受けているパキスタンの過激派が、結局「大災害」を引き起こすだろうと述べていた。ライスが書いていたのは、彼女はその警告を無視したこと、そしてその警告をロシアのパキスタンへの敵意のせいにしたということだ。アフガニスタンでソ連が戦争をしていた時、ムジャヒディンを支援していたので、ロシアはパキスタンに敵意をもっていた。

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Mission accomplished? Number of Sunni terrorists worldwide quadrupled from Sept 11, 2001 – study
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農家が作物をつぶす一方で、フードバンクには長蛇の列が。狂った世の中で我々は生きている。


<記事原文 寺島先生推薦>
As farmers destroy their crops, the queues at food banks get longer. We’re living in an insane world

RT Op-ed
2020年4月17日
リサ・マッケンジー博士



Dr Lisa McKenzie is a working-class academic. She grew up in a coal-mining town in Nottinghamshire and became politicized through the 1984 miners’ strike with her family. At 31, she went to the University of Nottingham and did an undergraduate degree in sociology. Dr McKenzie lectures in sociology at the University of Durham and is the author of ‘Getting By: Estates, Class and Culture in Austerity Britain.’ She’s a political activist, writer and thinker. Follow her on Twitter @redrumlisa.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月12日




 コロナウイルスの封鎖により、フードバンクを利用する飢えた人々の数は4倍になり、迫り来る経済の低迷により事態はさらに悪化するだろう。この状況にどう対処するか、やり方を変える必要がある。

 皆さんもそう思っておられるだろう。この前例のない危機の時代に、これも前例のない事だが、コミュニティも企業も政治家も、声を揃えて、「家にいよう」、「安全でいよう」、「お互い気にかけあおう」、「隣人に優しくしよう」「NHS(国民保健センター)を守ろう」と声をかけあっている。私たちは今までなかった、思いやりや公正さやお互いへの真の共感を見出しつつあるといってもいいかもしれない。


 もっと大切なことは、皆が気づき始めていることだ。社会のある一部の人たちへの支援や気配りがずっと欠けていたことに。コロナウイルスの危機に直面したおかげで、数週間であることを成し遂げてしまったように思える。我々の多くの仲間が何年もかけてデモ行進やキャンペーン活動や議論や闘争することで求め続けてきたこと。そう、より公正な社会だ。皆が大事にされて、誰一人取り残されず、さらには意図的に世間から除外されることのない社会だ。

 そんな時、私はある農民が、売れないという理由で自分が作った農作物をつぶしている動画を見た。 Covid-19によるロックダウンのせいで、フードバンクに頼らざるを得ない貧しい人達の数がどんどん増えている同じ時に。私は、未だに我々が狂った、不合理な世界で生きていることを実感している。お金が1番、そのずっと後ろの2番目に市民、そして労働者階級のコミュニティは一番後ろに回されている世界だ。



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 私は、2014年に、セント・アンズという名のノッティンガムにある15000人規模の強固なコミュニティのことを書いた本を著した。セント・アンズとは、広大な公共居住地で、私はそこで25年間過ごし、家族を育て、友人も家族もいた。セント・アンズは、強固な労働者階級のコミュニティのひとつだ。

 セント・アンズは、19世紀の中頃に労働者貧困層のための街として設立されたのが始まりだが、何世代にも渡って、安全と住居をノッティンガムで(というよりも国中で)もっとも貧しい人達に提供してきた。セント・アンズは、また、主流メディアからは、危険な地域であるとみなされ、麻薬や麻薬取引やシングルマザーやギャングの暴力に溢れた地域だと悪口を言われてきた。

 しかし、イメージとは違い、本当のところ、セント・アンズは、深みや愛や強さや想像力にあふれたコミュニティだ。地元の貧しい人達にとってのホームであるだけではなく、移民の人達にも常に住処を提供してきた。立ち寄っただけの人達もいたが、そのまま最後まで住みつく移民の人達も多かった。私が、自著『やり抜く、不況、階級、そして文化』で、このコミュニティのことを紹介したのは、このコミュニティを愛してきた人. 達のためだけではなく、見下げたり恐れたりしている人達のためでもある。

 今週、私はある緊急の電話をとてもふさぎ込んだ青年労働者から受けた。内容は、突然セント・アンズのフードバンクが閉鎖されたことだった。そのフードバンクは、地元の女性たちが、設立し、経営しているものだ。

 彼女達は、空腹な人であれば誰にでも食料を与える。ジョブセンターからの切符など必要ない。他所の多くのフードバンクなら見せろと言われるが。それに、ここは宗教団体とも関連はない。コミュニティによって、コミュニティのためだけにつくられた場所だ。

 数年前、私は映画監督で活動家、かのケン・ローチ氏にセント・アンズのフードバンクを紹介した。悲哀溢れる彼の映画『僕はダニエル・ブレイク』の考証のためだ。ローチ氏は、この地を訪問しボランティア達やこのフードバンクを利用しているコミュニティの人達と出会った。氏は、このセント・アンズの家族達との出会いを映画にも反映させた。そのことは、カンヌでこの映画が始めて上映された時、世界中にショックを与えた。「本当に英国にあんなレベルの貧困が存在するのか!」と。

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 貧困は、英国の生活において常に存在してきた。私は、そう発言することを恥ずかしいとは思わない。貧困は、貧困者たちに恥を与えている訳ではない。貧困を行き渡らせた国の政府と地方議会が恥ずかしく思うべきなのだ。貧困が存在するのは私たちが選挙で選んだ「公僕たち」が、多くの人達を苦しめることによって、少数のものたちが、利を得るシステムを運用しているからだ。彼ら公僕たちの目には、貧しい人達の苦しみなど映らない。

 Covid-19によるパンデミックは、このことをよりはっきり衆目にさらすことになっている。セント・アンズのフードバンクは一週間で約 50人の食料を提供している。ロックダウン措置のせいで、この数が4倍になり、一週間で200人になって、保存している食料がなくなり、閉鎖の瀬戸際に立たされている。

 彼女たちは、助力を頼めそうなところはすべて頼んだ。地元のノッティンガムの議会やその他の組織など。しかし、お役所仕事、党利党略政治、そして市民からかけ離れたところにいる政治家たちのやってくれたことは旧態依然だった。お金や資源を中央に集めてコントロールし、彼女たちが、資源を求めて飛びついても、手が届かないようなサイクルを作るだけだった。

 セント・アンズの女性達にはそんなエネルギーはなく、他のシステムを探そうとすれば、いちいちチェックボックスに「レ点」をいれなければならないような社会的ネットワークにアクセスする方法もなかった。彼女達は必死になって緊急の支援を必要としていた。それは、フードバンクを利用していた人達も同じだった。

 だから、彼女達は北に150マイル離れた私の新居に電話してきたのだ。藁にも縋るような思いで、前住人で自分のコミュニティについての著書があり、ひょっとして自分が話しかけられる人間を知っているかもしれないと考えてあなたが自分で電話をする場合を想像してみて欲しい。彼女達は、ネット上でフードバンクのための募金活動をすでに立ち上げていた。しかし、同じような私設の募金活動が国のあちこちで何百件も立ち上がっていることに、途方に暮れていた。同じ状態で、空腹を抱えた家族であふれかえり、必死に募金を募っていた。

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 助けを求めるという話になると、持っている人達なら、ウェブサイトを立ち上げて、マーケティングのことも理解して、それにつなげる事もできる。そんな人達は、政党ともつながりがあり、ツイッターのフォロワー数が多く、声が大きく、腕利きの人を知っている。そしてそれが貧しい人々を養うことになるケースであったとしても、最も力を持つ人々は、自分がそうする資格があると感じている。そしてそうするのと同様に、そのような問題について美徳を見せびらかすことは、自己満足に酔いしれることになるのだ。

 私は、そんな例なら何百も知っている。今の状況下だけの話ではない。「社会起業家」というものが存在し、彼らが中流階級の人達に、「貧しい人達を養う方法」や「貧しい人達を助ける」募金活動の立ち上げ方を教えたり助言したりしている。「Year Here」という東ロンドンにある団体は、特権階級の青年たちに文字通り1年をロンドンのイーストエンドで過ごさせる中で、彼ら自身が主に貧しい人を助けるための「社会起業」を立ち上げたる方法を助言している。

 この団体の近くに同じような「ソーシャル・アーク」という団体がある。この団体は、地元の労働者階級の人達によって運営されており、彼らが、労働者階級の青年たちと共に活動することで、青年たち自身が起業家になることを目的としている。

 セント・アンズからの電話を受けて、もちろん、私はやれることは全てやった。知人たち(その多くは労働者階級の人達)に電話をかけ、支援を依頼した。すると、世界中から反応があった。セント・アンズには24時間で7000ポンドの寄付が集まり、当面の間は、閉鎖せずにすむようになった。

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 それは始まった。しかし、これが、セント・アンズの人々のすべての問題を解決するわけではない。問題は、構造的で深い。あの人たちのシステムは、セント・アンズの人達を、家族や子供や母親や隣人として見ているわけではない。サービスを受け取る搾取の対象としてしか見ていない。–顔のない問題の一つとしてしか捉えられず、扱われていない。そして、その問題は、中央で、よりよい教育を受けた、より多くの力を持った、政治家または「社会起業家」としてのキャリアアップに野心をもつ人達が解決するのが一番だと思われている。

 今回の危機で、そんな人達が思いつくバンド・エイドのような救済策は、間違いなく賞賛の的になり、キャリアアップにつながり、良くやったと背中を叩かれるだろう。彼らがそのような策をスタートさせ、自分の正しさに酔っている中で、セント・アンズのフードバンクやソーシャル・アークは、かけらを拾い集めて、自分たちのコミュニティの壊れた生活を元に戻そうと取り組むだろう。

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Covid-19との戦いで東欧諸国は西欧諸国に先んじているが、西側諸国はそれを認めない。冷戦時代の「優等生コンプレックス」のせいで。

<記事原文 寺島先生推薦>
Eastern Europe beats West in Covid-19 fight, but West can’t acknowledge it because of Cold War SUPERIORITY complex

RT-Oped ニール・クラーク 
2020年4月23日
Neil Clark is a journalist, writer, broadcaster and blogger. His award winning blog can be found at www.neilclark66.blogspot.com. He tweets on politics and world affairs @NeilClark66

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月16日



 客観的に見れば、ヨーロッパの東半分にある国々の政府は、西側諸国の多くの政府よりもCovid-19の発生にうまく対処している。それでも、根深い優越心が原因で、「そのとおりだ」と認めている人はほとんどいない。

 ヨーロッパは再び分割されているが、今回は壁によってではない。

4月22日現在の、Covid-19による人口100万人あたりの死亡数を国別に比較せよ

 トップはベルギーで、100万人あたり525.12人。次にスペイン(445.49)、イタリア(407.87)、フランス(310.45)、イギリス(261.37)、オランダ(227.26)、スイス(173.54)、スウェーデン(173.33)、そしてアイルランド(150.41)が続く。気づくことはないか?そう、すべて西欧の国々だ。

 中央ヨーロッパまたは東欧の国々にたどり着くには、かなり下まで画面をスクロールしないといけない。

 ルーマニアでは100万人あたり25.57人。ハンガリー(23.03)、チェコ(18.92)、セルビア(17.9)、クロアチア(11.74)、ポーランド(10.6)、ブルガリア(7.02)、 ベラルーシ(5.8)、ラトビア(4.67)、ウクライナ(3.61)、ロシア(3.16)、アルバニア(2.87)、そしてスロバキア(2.57人、死者数でいうとわずか14人)。



 ヨーロッパにおけるこの新しい分断をどう説明したらいいだろう?地理的要因が大きいことは明らかだ。Covid-19が流行する主な要因は、人の移動であり、特に問題になるのは国際便だ。東欧よりも西欧を訪れる人が多い。より多くの行き来がある。Covid-19はグローバリゼーションによって勢力を増すウイルスであるといって間違いない。西欧諸国は東欧諸国よりもグローバリゼーションが進んでいる。もう一つの理由は、西欧諸国の方が、人口密度が高いことだ。大都市は、ウイルスが好む場所であり、より流行は広まりやすい。

 東欧にはこういった多くの「もともとある」利点があるが、これがすべての理由にはならない。一般的に言えば、東欧諸国の政府は、西側諸国の政府よりも常識的な政策を示してきた。東欧諸国の政府は、ウイルスがウォーキングブーツをはき、リュックサックをしょってやってくるとき、絶対すべきことを実行したのだ。そう、国境閉鎖だ。

 3月12日、チェコ共和国は緊急事態宣言をし、新型コロナウイルスに襲われたイラン、イタリア、中国、英国など15か国からの渡航を禁止した。それから、「ロックダウン」態勢に入った。同日、スロバキアは非居住者の入国を禁止し、海外からの帰国者には強制的な隔離を課した。

 ポーランドは3月15日に国境を閉め、1日後ハンガリーが続いた。ロシアは、極東における中国との国境を1月末時点ですでに閉鎖していた。

 東欧諸国の「跳ね橋を引き上げた決断力」と、西側諸国の「ためらい」を比較してみて。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、3月12日、「このウイルスはパスポートを持っていない」と宣言した。その時点で、私はこう書いた。「公衆衛生よりも、リベラルなイデオロギーや美徳のみせびらかしが、優先されている」

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Liberal ideology & virtue signaling put before people’s HEALTH, as Macron, Merkel defend open borders amid Covid-19 spread

 ウイルスはパスポートを持っていないかもしれないが、中国やイタリアから来た人は、間違いなくパスポートを持っていた、大多数の人達が!3月17日になってやっとのことで、西欧諸国は、隣人の東欧諸国がすでにしていたことをやり始めたようだ。

 「移動を控えれば控えるほど、ウイルスは封じ込められます」と述べたのは、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長だった。えー!本当に!

 少なくとも大陸側の西側諸国では、1週間ほど遅すぎたとしても、国境で何らかの行動を起こした。対照的に、英国は国内市民に「封鎖」を課すいっぽうで、ニューヨーク、イラン、中国を含む世界中からの入国をノーチェックで許可し続けた。

 しかし、東欧諸国が正しかったのは、国境を封鎖し厳格な隔離措置を課したことだけではない。

 一般的に言って、東側は西側よりも対応が早い。政府の流儀のちがいが果たした役割は大きい。

 私は1990年代に数年間ハンガリーに住んでいたが、私が「行政階級」と呼んでいる人達に感銘を受けた。政府のために働く人たち、公務員たち、もっと言えばみなさんおなじみの古き良き共産主義の「官僚」たちのことだ。こういった「行政階級」は、非常に有能だった。彼らは最小限の手間で仕事をやり遂げた。この効率的な行政システムと非常に高いレベルの普通教育と専門教育のおかげで、東欧諸国は、実は、多くの点で西側諸国、とくに英国に比べて優れた行政運営を行っている。英国では、行政の無能さが大きな問題につながっているようだ。政府に「5年計画」という文化があった国が、なかった国よりも上手に計画を立てているというのは別に驚くべきことではない。古いことわざにあるように、「計画なくして、成功なし」だ。

 非常に悪評高い社会主義時代のもう1つの遺産も、東ヨーロッパにおけるCovid-19の影響を最小限に抑える上で大きな役割を果たした可能性がある。RTが3月の初めに報告したように、BCG結核ワクチンがCovid-19に対して効果的であるかもしれないことを示す「注目すべき」証拠が明らかになった。

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‘Striking’ evidence emerges that TB vaccine may be effective against Covid-19 — countries that use it have TEN TIMES fewer cases


 結核ワクチンの集団接種は、1950年代に社会主義圏の国々が熱心に取り組み、共産主義が終わった後も、多くの国で義務化され続けている。例えばロシアでは、現在においても、生後3日~5日の赤ちゃんたちに接種されている。対照的に、米国とイタリアでは、国民全体に行き渡るBCG接種プログラムが行われたことは一度もない。スペインにもそのようなプログラムはないが、隣国のポルトガルでは、現在も行われている。100万にあたりのCovid-19による死者数は、スペインの455.49人に対して、ポルトガルは、74.11人だった。

 BCG接種の有無が、コロナウイルスによる死者数の違いの少なくとも一つの理由になっているもう一つの例は、ドイツにある。以前東ドイツ領だった州におけるCovid-19による死者数は、元西ドイツ領だった地域よりも低い。

 ドイツは、領内に「以前社会主義だった」地域を半分抱えた西欧で唯一の国だ。ドイツの一人当たりの死亡率を下げるのに貢献したのは、その「以前社会主義だった」半分の地域だ。

 Covid-19による死亡率が低いことで、東欧諸国を適切に評価しないのは、スポーツマンシップに乗っ取っていない。

 一例を挙げよう。4月20日の夜、私は、Covid-19による死者が、英国では16,000人いることに対して、ハンガリーは220人にも満たなかったとツイートした。客観的にどう見ても、ハンガリーは英国よりも優れている。






 優越心で固まった一部の西欧人から見れば、東欧諸国の政府は決して善をなさないのだ。東欧諸国の政府がうまく対応したなどと言うものなら、「犬笛ふき(特定の人にしか分からない言葉で話す政治的立場のこと)」とか、「ファシズムや共産主義の支持者」呼ばわりされる。

 西欧諸国における厳格なCovid-19ロックダウン措置は「賢明」であり、警察が監視を強化することは見逃されているのに、東欧諸国における厳格なCovid-19ロックダウン措置は、これらの国が「独裁者」によって支配され、「長期にわたる独裁主義の伝統」があった証拠だとされてしまう。

Also on RT. Com

This is how UK media covers Britain’s Covid-19 response & that is how it covers Russia’s (is this FAIR journalism?)


 今は、冷戦時代の「優等生協会(米国の法律学校卒業生による会)」的目線で東欧を見下すことはやめ、もう少し謙虚さを示すべき時だ。というのも、Covid-19への対処を見れば、「後進国」である東欧諸国の政府のほうが、「先進国」である西欧諸国の政府よりも、国民に良いサービスを提供しているからだ。

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まるで親指の法則だ。助言者は、英国のコロナウイルスのための2m距離を取れという方針を科学もどきだと一蹴

<記事原文 寺島先生推薦>
It’s kind of a rule of thumb’: Adviser reveals UK govt’s 2-meter coronavirus distance instruction based on ‘muddy science’

RT UKニュース

2020年4月25日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月16日



 英国市民たちは、期間が長くなれば、政府に言われた通りにはできなくなるだろう。というのも、ガイドラインは非常にめちゃくちゃで、役人たちがそう思わせようとしているほどには、科学的な根拠もないからだ。政府の助言者の一人はこう語った。

 そのひとつの例は、感染のリスクを減らすため、他の人々から2メートル距離を取れという指導だ。その指導は、「魔法のように、どこかに消えろということか?」とは、ロバート・ディングウォール教授の話だ。

 「2メートルという距離に科学的根拠は何もないです。親指の法則(目分量で大まかなやり方のこと)みたいなものです。「2メートルを決める際、その根拠となる厳密な科学論文みたいなものがあるから、というわけではないのです」。ディングウォール氏はBBCのラジオ4で、こう話した。流行中は、1メートルの距離を取るのが効果的だという実例はあるが、それさえも「屋内の研究室の実験で確かめられたこと」でしかない。


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 ディングウォール氏は、この件も他の多くの件と同じく、「科学もどき」であると、とらえており、「まるで見当違いの方向を指し示していて、何か意味のあることをしているとは思えない」と言っている。彼の懸念は、市民達を政府の助言通りに従わせるのは難しいだろうということだ。もし、その助言についての科学的根拠が疑問視されているのであれば。

 「我々は、以下の3点に被害を与えることなしで(ソーシャルディスタンスという措置)を維持できないだろう。
①社会に対する被害
②経済に対する被害
③市民に与える肉体的かつ精神的な被害」。

 同氏は、こう語った。

「私が思うに、いくつかの真の根拠がない措置を遵守させるということは、かなり難しいことになるだろう」

 このインタビューは、4月25日にオンエアされたが、それは、ダウニング街10番地(英国首相官邸)が、ボリス・ジョンソン首相の主席顧問であるドミニク・カミングス氏のSAGE(緊急事態科学諮問グループ)に関するスキャンダルに取りかかる前のことだった。カミングス氏と、あるデータ研究家(その研究家は、英国のEU離脱を問う国民投票の際、カミング氏とともに、「離脱に投票しよう」キャンペーンに取り組んでいた)が、すでに1月からSAGEの会議に数回出席していたというスキャンダルだ。ガーディアン紙のすっぱ抜きだ。


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‘Nothing is guaranteed in life’: UK health secretary casts doubts on his own coronavirus 100,000 tests pledge

 政治の息のかかった人物が、会員が非公開であり、純粋に科学的見地からの助言を行うものとされている会議に出席したということは、この会が、英国がCovid-19への対処法を決める際にどんな助言を行ったかについて、やっかいな疑念を浮かび上がらせることになった。英国首相官邸によれば、カミング氏と彼の同伴者であるベン・ワーナー氏は、実際SAGEの会議には行ったが、議論に参加はしなかったとのことだった。これは、新聞報道が示唆した内容とは逆の話だ。

 ディングウォール氏は、SAGEに情報を提供する機関であるNERVTAG(新型呼吸器系ウイルス脅威助言者グループ)のメンバーだが、カミング氏のスキャンダルが明らかになる前に、「ラジオ4」に出演していた。彼は、SAGEの メンバーが匿名であることについて疑問を呈し、そのことが、SAGEの科学的専門性の保障を難しくしていると語っていた。

 「SAGEの問題については、色々な声が聞こえてきます。著名な科学者たちは、自分はどの分野においても専門家であると思っているという傾向があることは否めません」。ディングウォール氏は、こう説明した。

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厳しい現実の中、ニューヨーク・ハート島のCovid-19の死者のための「大量の墓」が、フェイクニュースの狂気に火をつける

<記事原文 寺島先生推薦> Covid-19 ‘mass graves’ on New York’s Hart Island spark frenzy of fake news amid grim reality

RT USAニュース 2020年4月10日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 
  2020年5月11日
 
 ニューヨーク市のハート島でのコロナウイルス死傷者のための「大量の墓」の画像のせいで、メディアは一晩中大騒ぎになり、「代わりにトランプ大統領の所有地を掘ればいいじゃないか」という声まで上がった。厳しい現実の中でのニュースだったが、事実ではなかった。

 ドローンから撮影されたハート島の画像には、数名の葬儀屋(中には、真っ白な防護服を着ているものもいた)が、溝に棺桶を積んでいる姿が写っていた。この画像が世界中に広がったのだ。ロンドンからご当地ニューヨークに至るまで、各国のタブロイド紙がこの画像に飛びつき、COVID-19と格闘するニューヨーク市の象徴的な画像だと報じた。




 この画像は、CNNなど人騒がせな他のマスメディアによってすぐに拡散された。




 すぐに、Twitter上の「抵抗勢力」がドナルドトランプ大統領を非難するため、#TrumpBurialPits(トランプが死体を埋める場所を用意しろ)というハッシュタグをあげ、コロナウイルスの死者は、島の近くにあるトランプ氏の会社が所有するゴルフコースに埋めるべきだと主張し始めた。



 先例として彼らがあげたのは、かつてロバート・E・リー将軍が、自分が所有していたプランテーション農場を、アーリントン国立墓地に転用した例だった。その土地は、南北戦争中に軍事病院として使用され、その後、戦死した人々の墓地に姿を変えたのだ。

 ハート島にCovid-19の犠牲者を埋葬することは、非常に悲しいことだと、ネット民たちは主張していた。ハート島には、亡くなった方々の親族がお墓参りに行けないからという理由で。

 問題がひとつだけある。厳密に言えば、この主張は、真実ではない。



 実は、ハート島に埋葬されるニューヨーク市民の多くは、彼らの死を悼む親戚がいない人々なのだ。この島は、1世紀以上にわたって、「無縁墓地」として使用されてきた。貧しい人々やホームレス、そして親族が誰か分からないまま亡くなった人々のための墓地だった。ある推定によれば、ここには、長年にわたり百万人以上の人々が埋葬されてきた。

 ハート島には、長年にわたって様々な施設が設置されてきたのだが、その多くはシビアな施設だった。冷戦中はミサイル基地。それ以前は、刑務所、結核療養所、少年院、精神病院、薬物リハビリテーションセンターなどの施設が設置されてきた。

 複数のニューヨーク市民は、SNS上で、あの画像は「まるでセントラルパークに穴を掘ってそこに遺体を投げ混んでいる」かのように誇張して伝わっていると指摘している。–市民たちは、市議会議員マーク・レバインが先週投稿した評判の良くないツイート(現在は削除されている)について語っていた。このツイートは、アンドリュー・クオモ州知事によって迅速に否定された。しかし、これらの画像は、世界の終わりを告げる証拠ではなかった。



 実際に起こったことは、ハート島に亡くなられた人々を埋めるまでの待ち時間が、これまでの30日から14日に短縮されたことだった。それは、膨大な数のCovid-19の犠牲者で超満員になっていた遺体安置所への圧力を緩和するために行われた。4月10日の時点でニューヨーク市でコロナウイルスでなくなった方は、5,150人いる。

 ニューヨークでのコロナウイルスの感染の現状は非常に厳しく、その状況にその他の情報を付け足す必要はない。ニューヨーク州では160,000件以上の症例と7,400人の死者を出しており、ニューヨーク市だけで87,028人の感染者が出ている。これは、パンデミックが発生した中国で報告された公式記録を上回っている。

 ハート島の墓場についての偽ニュースが、この世の終わりがくるかもという不安を呼んでしまったが、今のところ、ニューヨーク市では、病院の収容能力も集中治療室も人工呼吸器も使い果たしてはいない

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西側先進諸国は、貧しい国よりもCovid-19への対応が劣っている–フランスで最も有名なウイルス学者

<記事原文 寺島先生推薦>Developed West is managing Covid-19 worse than poorer countries France’s most well-known virologist

RT ワールドニュース 2020年4月22日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月13日




 世界のCovid-19の経験からすると、貧しい国よりも裕福な国の方がパンデミックに対して必ずしも準備ができているわけでもなく、しばしばあまりにも行動するのが遅すぎる、とフランスの生物学者ディディエ・ラウト氏は述べた。

 ラウト氏はYouTubeに投稿したビデオで、コロナウイルスによる死亡率が最も高い国の多くは「裕福な国」であると述べた。これは「富とこの種の状況に対応する能力は別物である」ことを示している。

 その違いは、富裕国と貧困国がウイルスへの対処についてどのような選択肢をとったかによるとラウト氏は確信している。

 「豊かな先進国は、Covid-19を肺炎のように一般的な薬で治療することを選択し費用もかからなかった貧しい国々よりも有意な結果が得られていない」と彼は言った。

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 ラウト氏は、自分自身の小規模な研究と中国でのその薬に関するいくつかの肯定的な経験を基にして、コロナウイルスの可能な治療法としてヒドロキシクロロキン抗マラリア薬の使用を推進して、国際的な議論の中心にいる。

 パンデミックに直面したとき、選択肢は、既存の薬で患者の治療を開始するか、新しい薬を見つけるための研究を行うかである。

 「もしもう病気がなくなったときに終了する研究を始めれば、我々は病気とは戦うことはできない」と彼は述べた。

 「我々はその病気を治療することを決めた。そしてこの決定のためにいくつかの非常に暴力的な反応を受けとった」と彼は、他の医者や当局、そしてメディアからの反発に言及しながら語った。

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 ラウト氏は断固として彼のアプローチを擁護しているが、ヒドロキシクロロキンが実際にコロナウイルスに対して機能するという確固たる証拠はまだない。

 最新の研究が米国の病人退役軍人に対して行われた。まだ同等の専門家による検証はされていないが、368人の患者を対象にしたその研究では、ヒドロキシクロロキンで治療されたCovid-19患者の約28%がその感染で死亡したが、通常のケアを受けた患者の11%だけが死亡した。

 ツイッターで、ラウトは米国の調査を「詐欺的」で「偽のニュース」と非難した。ヒドロキシクロロキンで治療された患者はすでに危篤状態にあった、と彼は述べた。

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より良い世界を再構築する? 最初に、私たちはCovid-19が登場する前に西側諸国の経済が完全に崩壊していたことを受け入れる必要がある。

<記事原文 寺島先生推薦>
Rebuild a better world? First we need to accept that the West’s economies were utterly broken before Covid-19 came along



RT OP-ed 2020年4月29日

ノーマン・ルイス
イノベーションとテクノロジーについてのライター、スピーカー、コンサルタントであり、直近ではプライス・ウォーターハウス・クーパースのディレクターを務め、クラウドソーシングによるイノベーションサービスを立ち上げた。 Twitter @Norm_Lewisで彼をフォローしてください

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月12日



 パンデミックによるロックダウンは、歴史上最悪と思われる世界的な不況を引き起こしている。私たちは正常さを求めるためには、過去には戻ることはできない。私たちは勇気を出し、経済を再始動させるために根本的な対策を講じる必要がある。

 絶望的な時には尋常でない対策が必要であり、世界的な不況は絶望的な状況に向かっている。そのことが、回復するよりもっと悪化することになるのが明白な策に向かう前に、私たちが問題について率直で正直な議論をしなければならない理由だ。

 Covid-19危機の経済的影響が計り知れないものになることは間違いない。第2四半期の予測では、政府が国のGDPを四半期ベースで計算し始めて以来、経済活動が大幅に急速に低下する。経済津波がたくさんの巨大な波をともなって目前に迫っている。

 しかし、壊滅的な自然災害という比喩を用いて、パンデミックが世界経済にもたらす被害について述べることは危険である。それは、この深刻な健康危機と、そしてそれと戦うために講じられた措置が、私たちの経済的苦悩の原因であると連想させるからである。実際には、Covid-19がすでに慢性的に病んでいた経済に悪影響を与えただけのことだ。その経済は未診断で治療されないままになっていた。

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 これは繰り返し強調されるべき点である。迫り来る不景気は、Covid-19によるものではない。これは、症状と根本的な原因を混同している。世界的な経済成長、特に先進国の経済成長は、Covid-19の前からすでに悲惨だった。そして、それらは何年も続いていた。今年の経済予測は、だいたいの人がコロナウイルスに気づく前に、すでにかなり落ち込んでいた。

 Covid-19危機は前例のない政府の行動をもたらした。英国では、財務省は現在、HS2鉄道プロジェクトのようなインフラ計画の1.5倍に相当する追加の1500億ポンド(1,860億ドル)を4ヶ月間で借り入れる予定である。それはこれまでの借入金以上のものであり、戦時中のものよりも多くなる。そして、Covid-19以前の正常な状態への復帰が依然として不透明であることを考えると、これはほんの始まりに過ぎないかもしれない。

 これが、最近、1回限りの富裕税の課税について話題になった理由である。それは、誰もが(家計と企業、金持ちや貧乏人も)自分たちの純資産に見合う額を支払うというものだ。これは、資産に課税することよりはるかに、所得に課税するという世界の課税制度をひっくり返すことになるだろう。


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 スカイニュースの経済編集者であるエド・コンウェイは、タイムズ紙で、英国のすべての家計の純資産に対する1回限りの10%の徴収で、1兆ポンド(1.24兆ドル)を超える収益を生み出すと概算している。これで、Covid-19のすべてのコストを完済できる。そして何世代にもわたって国民健康保険を提供し、国の債務を戦時レベルから通常のようなものに減らすであろう。

 これは魅力的に聞こえるかもしれない。そして「Covid-19」不況の名の下にそれを正当化することはあり得ることかもしれない。しかし、それは2つの理由で悲惨なことになるだろう。

 まず、それは政治的なダイナマイトだということだ。すでに課税された収入で得られた資産に課税することは、きわめて不当である。そして、何百万人もの人々が経済的困難に苦しんできた長年の緊縮財政のあとでは、これは社会の分裂を悪化させることであり、分裂を埋めるものではない。私たち全員が一律であるという考えは、共通の目的ではなく、単に不平等と分裂を強調するだけである。歴史上、いかなる政府もまさにこの理由でこれを行わなかった。

 しかし、2番目の理由はさらに重要である。それは、硬直化した経済業績という慢性疾患を告知することを単に延期し、Covid-19の影響を乗り越えるために政府が取るべき厳しい決定を遅らせるだけである。


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 たとえば、富裕税のようなものは、2020年2月にイタリアが生産活動で17か月連続の減少に耐えたという事実をどのように扱うのだろうか。 EUの財政規制がこのようなアプローチを許可したとしても、イタリアの不十分な事業投資とユーロ圏の制約という一貫した経済的難問は解決されないであろう。

 先進国全体の慢性的な債務と低下し続ける生産性は、次の根本的な必要性を示している。その必要性というのは、生産活動をリセットすること、新しいテクノロジーに投資すること、現在は国家の補助金と支援を通じてのみ生き残っている停滞したゾンビ企業には消えてもらうということだ。これには政治的な勇気と、これがもたらす短期的な困難を人々に納得させる必要がある。しかし、生産活動を再活性化することが、将来生活水準を向上させ、公共サービスに資金を提供できる新しい富を生み出す唯一の長期的な方法である。今日、この議論に国民を巻き込んでいる政府は世界にはない。

 もし、一回限りの富裕税が導入され、そしてそれが停滞した経済と企業の存続のために債務を清算するのに使われるのではなく、生産的な投資を開始するために使用されたとしたら、その富裕税の論拠になるかもしれない。しかし、このことは、どの政府もやりたくないことを求めている。それは、私たちが直面している問題やそれに対処するための厳しい決断について有権者に大人の会話に参加させることだ。

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 イギリスの財務大臣であるリシ・スナックの例は、その問題をはっきりと示している。最近、毎日行われるダウニングストリートの記者会見で、彼は財務当局から報告された「厳しい時代」を認めたが、おそらくある程度の慰めを提供するために、英国は「危機のもとでも基本的には健全な経済状態にある」と嘘をついた。そして、経済は「立ち直るだろう」と皆に安心させた。

 読み書きできる高校生なら、ほとんどすべての先進国と同様に、英国の経済は根本的に健全な状態からほど遠いことを知っている。 Covid-19の封鎖は、すでに病んでいる患者に確実に新たな負担をかけている。しかし、富裕税のような緩和策が光をもたらすかもしれないとか、単に停滞していたCovid-19以前の正常性に戻るだろうと自分たちを欺くことは、私たちに向かってきているCovid-19以前の経済的津波を乗り越えるのに必要な私たちの能力を弱めるだけだ。




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「アメリカは軍事予算の半分をミサイル製造ではなく医療制度のために使うべきだった」とRTに語るのは「元経済的ヒットマン」だったジョン・パーキンス氏

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RT ワールドニュース
2020年5月1日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月12日



 Covid-19のパンデミックは、戦争の道具に毎年何十億ドルも費やし、まともな医療システムを生み出すことができない経済システムを変えるためのスローガンであるべきだと、ベストセラー作家のジョン・パーキンス氏はRTに語った。

 パーキンス氏は著書『経済的ヒットマンの告白』で知られており、この著書でアメリカの企業エリートたちがいかにして自分たちを豊かにするために他国を略奪しているかを描いている。
 
 パーキンス氏が「死の経済」と呼ぶ目先の利益を何よりも優先する経済システムは、ラテンアメリカや東アジアの人々と同様に、一般的なアメリカ人にとっても致命的なものかもしれない、と彼はRTスペイン語のインタビューで語った。その証拠を見るためには、米国でのCovid-19流行の死者数を見るだけでいい。

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 「我々の年間軍事予算は6000億ドルから7000億ドルの間にあります しかし、私たちはコロナウイルスと戦うために約3兆ドルを費やしました。もし過去10年間の軍事予算の半分を我が国のより良い医療システムを作るために使っていたら、現状はこんな風ではないでしょう。世界はもっとよくなっているでしょう」と彼は言った。
 
 現在のやり方の大きな欠陥は、企業が長期的な損害を周囲に与えても自分は財政的には痛くもかゆくもないことだ。
 
 「ある意味で、そのことは煎じ詰めれば社会的・環境的コストにお構いなしに、短期的な利益を最大化しようとする『死の経済』の推進力に辿り着く」とパーキンス氏は述べている。

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 この方程式を変えるには、長期的な公益事業への投資を奨励する公共政策の転換が必要になるだろう。残念ながら、米国政府の優先順位は、肥大化した国防予算から判断して、その目標からはかなりかけ離れているとパーキンス氏は考えている。

 「アメリカの裁量予算の中でわが納税者が納める税金54%が軍需産業に行きます。それも基本的には人を殺すためです」と彼は言った。「もし、そのお金が、そのお金の相当部分が、そんなことのためにではなく(人々の生活を改善するために)支出されていたら、と想像してみてください。」

 「現在ミサイルを製造しているレイセオン社とボストンダイナミクス社にお金を払えば、そんな物の製造ではなく海のプラスチックをすべて採掘する工程を作らせることができるでしょう。」


 「コロナウイルスの死者数は、条件付き融資、腐敗した取引、時折組織化されたクーデターなどで弱い政府を自分の意のままにねじ曲げてしまう同じ人間たちがアメリカ国民を傷つけるやり方の多くの具体例の一つに過ぎません」とパーキンス氏は、RTの番組で司会者ラファエル・コレア(元エクアドル大統領)に語った。

 「私たちが他国から搾取することから始めた経済的ヒットマンシステムは・・・今では世界中に広がり、私たち自身を傷つけるために戻ってきました。それは死と恐怖を利用した非常に効果的なシステムです。(外国の)大統領の場合は殺されるという恐怖、アメリカの学生の場合は一生借金を背負わされるという恐怖のどちらにしても、です。」

 気候変動、所得格差、テロリズム、種の絶滅・・・これらはすべて「機能していないグローバルな経済システムの症状である」とパーキンス氏は言う。
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ロックダウンは、最も冒されやすい人や高齢者をCovid-19から保護すると思われていた。しかし、我々は正確には反対のものに行き着こうとしている

<記事原文 寺島先生推薦>
Our lockdown was supposed to protect the most vulnerable, the elderly, from Covid-19 – but we’re achieving precisely the opposite


Qoshe 2020年4月7日

ロブ・ライオンズ

 Covid-19は、高齢者や深刻な基礎疾患を持つ人々にとって特別に危険な病気である。その病気による全死者数の最も恐ろしい数字は、医療サービスが圧迫され、その病気に感染している多くの高齢者に対処できない場所で発生している。端的に言って、世界上で我々が目撃しているロックダウンは、高齢者の命を救うことによって主に正当化されるべきである。

 困ったことに、どこにおいても高齢者は我々が期待するほどには誰かに近くで保護されていないという話が出てきている。これは最初にイタリアで明らかになった。3月中旬の初期でさえ、治療資源があまりにもひっ迫した場合には、ピエモンテ州は80歳以上の集中治療を拒否するガイドラインを導入したという報告があった。

 確かに、率直にいって、高齢者や虚弱者は人工呼吸器を装着したからといって十分に回復しないかもしれない。しかし、単に年齢だけに基づいた政策は、高齢者の生命はそれほど重要ではないと示唆している。先週オランダでは、感染した場合の人工呼吸器のような集中治療について、高齢者が電話で医師からその意向を聞かれることについて論争があった。

 英国では、「蘇生させない」(DNR)指令が拡散しているようだ。現在、公式には「リスペクトフォーム」と呼ばれている。DNRは、患者、その家族、および医師が同意するところで意味がある…


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「Covid-19についてはこれ以上の自宅待機は必要ない」:オーストリアは5月1日から外出は自由、じきに会合も許可される

<記事原文 寺島先生推薦>
No need to extend Covid-19 home quarantine: Austria to let people out from May 1 and allow gatherings soon

RT ワールドニュース
2020年4月20日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月12日



 来月からコロナウイルス対策が段階的に解除されるため、オーストリア人はまもなく制限なく歩けるようになり、10人のグループでは集まることができるようになる。

 自主的隔離措置の緩和は、ルドルフ・アンショバー保健大臣が発表したもので、同大臣は、新型コロナウイルスの感染拡大は依然としてかなり遅く、来月の見通しは "非常に良い "ようだと述べている。彼はまた、オーストリアは "非常によく "この疫病に対処してきたし、すべて国民のおかげで、「それが可能になった」と語った。

 ルドルフ・アンショバー保健大臣は、さらに、5月1日から外出が再び許可されることになったが、公共の場での人と人との間の距離は1メートルという「最低限の距離」を守る必要があると述べた。さらにカール・ネハンメル内相は、近い将来、10人までの公の場での集会が許可されると発表した。しかし、新しい制限はデモには適用されないとも語っている。

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'We’re on the right track': Chancellor Kurz reassures citizens as Austria to reopen schools, churches & restaurants in mid-May


 政府は、新ルールは少なくとも6月末まで維持されるとし、「開放」は再び状況が悪化すればいつでも中止される可能性があると付け加えた。

 一方、オーストリア人はすでにいくつかの休日旅行計画を、国内に限れば、立てることができる。これも、観光大臣エリザベス・ケスティンガーが、アルプス国であるオーストリア中のホテルや動物園そしてプールが、5月29日にオープンすることが許可されると述べたからだ。

 政府は、小さな店や美容院、足専門医院は5月1日から、飲食店や学校は5月15日から再開できるとすでに発表していた。

 オーストリアは今回のパンデミックへの対応において、ヨーロッパで最も優れた結果を示した。オーストリアでは、約880万人の人口の中で15,200人ほどの感染者がいる。保健省によると、2,200人強がまだ病気にかかっているが、新規感染者数は減少を続けており、過去24時間で46人にとどまっている。

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日本は原爆を落としたことで米国を訴えられるだろうか?ミズーリ州がパンデミックのことで中国を訴えたことが、やっかいな疑問を投げかけている。

<記事原文 寺島先生推薦>Can Japan sue for US dropping nukes?’ Missouri decision to sue China over pandemic unleashes flood of awkward questions


RT US ニュース
2020年4月22日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳ニュース>

 ミズーリ州が、中国政府と中国の多くの地方当局を、コロナウイルスによる被害を受けたかどで訴えているとのニュースは、ネット上で失笑を買い、他の多くの歴史上の事件も訴訟の対象になるのではという論議を呼んでいる。

 ミズーリ州司法長官のエリック・シュミット氏は4月21日、中国の共産党と中国の省レベルの当局、その他の多数のより小さな地方当局や研究機関に対して訴訟を起こした。訴訟理由は、「起こる必然もなく防ぐことができた世界的なパンデミックを引き起こしたこと」だった。

さらに読む
Let the blame games begin: Missouri sues China, including WUHAN LAB, over coronavirus outbreak
 
 世界には、同氏の言い分と同じことを訴える政府もいくつかあるし、ネット上にも、危機を悪化させたもっと多くの失敗を消し去るために、都合のいいひとつだけのスケープゴートに執着したがっている意見も多く見られた。一方で、過去からの教訓(あるいはその不足)を思い起こし、当分の間は、武器を棚にしまっておこうという気まぐれなあまのじゃくたちもいる。

 何千人ものネィティブアメリカンに悲劇を与えたり、何万人もの奴隷をアフリカから連れてきたミズーリ州自身の歴史を、同州の検事総長に思い起こさせた者もいた。



 さらに、第二次世界大戦中に米国が広島と長崎に核爆弾を投下したことを、訴訟の対象の一例にあげている者もいる。





 しかし、この場合、サンフランシスコ講和条約のもと、日本は賠償を求める訴訟を起こす権利を放棄している。原爆の5人の生存者が、投下に対して米国政府を訴えて退けられた事はあったのだが。

 訴訟の対象となりそうな、より最近の例でいえば、H1N1(A型インフルエンザ)に焦点を当てたツイートがあった。A型インフルエンザは、2000年に米国で始まり、最終的には世界で50万人以上の死者を出した。





 この件に関して、中国外務省は、訴訟を「馬鹿げている」とコメントし、「法的に見ても事実から見ても根拠」が、不足している、と述べた。さらに、中国政府がコロナウイルスに対してとった措置が、米国の司法権の対象にはならないと付け加えた。

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9/11の真実:ほぼ20年間のロックダウン

<記事原文 9/11 Truth: Under Lockdown for Nearly Two Decades>


Dissident Voice 2020年4月16日
マックス・パリー

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月22日

  現実政治の全体的な目的は、大衆を怖がらせること(つまり、助けてくれる指導者を大声で求めさせること)であって、そのために次々と魑魅魍魎を送り込むことだ。そして、そんな魑魅魍魎はたいてい実在しないものだ。
— HL メンケン、『女性の防衛』、 1918年

(1)世界貿易センター第7ビルの崩壊は爆破によるものだった

 世界的なパンデミックが世界の注目を集めている中、主流メディアが完全に気づいていないのは、世界的にインパクトのあったもうひとつの過去の大惨事についての学術研究の最終報告final report[訳注1]の発表だ。3月25日、アラスカ・フェアバンクス大学の研究者による4年間の調査の結論が発表された。その結論によると、2001年9月11日の世界貿易センター第7ビルの崩壊は火災によるものではないということだ。論文審査のあるこの調査は、「9/11の真実を求める建築家および技師の会」によって資金提供されている。「9/11の真実を求める建築家および技師の会」は、3,000人以上の建築家と技師で構成されている非営利組織であり、参加者は、会の公式目標である「9/11に破壊された世界貿易センターの3つの(2つではない)超高層ビルについて、新たに調査し直すこと」に署名している。研究者たちは、第7ビルの崩壊は、実際には計画された解体の結果であったと推測している。

「私たちの研究の第一の結論は、第7ビルの崩壊は、火事が原因ではなかったということだ。これは、NIST(米国国立標準技術研究所)と民間のエンジニアリング会社が出した結論とは対照的だ。第二の結論は、第7ビルの崩壊は、建物内のすべての柱がほぼ同時に解体したことを主要な原因とする全体で起こった崩壊であったということだ。」


 パンデミックがなかったとしても、企業メディアはこの研究結果を無視していただろう。これまで、9/11の公式説明に矛盾するどんなものにもそうしてきたように。ただし、COVID-19の流行と、9/11との間に類似点があることに多くの人々が気づいていることは、注目に値する。いずれの出来事も、危機が広まった結果、日常生活に大きな変化をもたらした。多くの人々が、市民の自由、報道の自由、市民の監視、その他の問題について多くの権利を適切に表明しているのに、国中で行われているロックダウンが、「新しい通常」として語られている。これは、9/11の後にも起こったことだ。同様に、政府の門番たちが、まちがった二分法を使って、コロナウイルスがどのように始まったかについての公式説明に疑問を呈する勇気ある人々を黙らせようとしている。それは、汚名を着せることによって行われている。その汚名を着せることは、通説を決して信じなかった人たちにとっては、あまりにもお馴染みのものである。その通説というのは、ウサーマ・ビン・ラディンに忠誠を誓い、カッターナイフだけを武器にハイジャックを起こした19人のアラブ人だけが、あの運命の日の世界貿易センターとペンタゴン攻撃に責任を問われるというものだ。

(2)「陰謀論」への誤解

 いわゆる「陰謀論」を信じると、全体像や体系的な問題を見落とすことになるという一般的な誤解がある。この現象の背後にあるのは、システムと権力者が密接につながっているのに、システムをより広く包括的に見ることと、権力者のあくどい動機を見抜くことを分けて考えられないことだ。政治学者マイケル・パレンティは『ケネディ暗殺』という著書のせいで、左翼仲間から怒りを買ったが、「政治を深く理解する」という講演の中で、この矛盾について言及している。「構造的であることと機能的であること」の間には相容れない認識的な違いがある、と。陰謀論を嫌う者たちは、「人間くささを捨て、より広いレンズで見れば見るほど、深い分析ができる」と誤解している。この論理に基づいて、賢者達は、支配者たちの「自分さえ良ければいい」という悪質な意図やよく考え抜かれた作戦に目が行かなくなり、まるで、すべてが、偶然に起こった出来事であり、そこに何の不正もなかったかのように受け取ってしまうのだ。例外がないとは言わないが、信頼性を確保するには、陰謀論から距離をとることが、作法になってしまっているのだ。皮肉なことに、賢者達は、自分たちがしばしば悪口を言われる対象になっているのに。

 これは、主流メディアや学者達にだけでなく、一流の進歩的な人たちにも当てはまる。その進歩的な人たちは、意図を付与したり、隠された企みの存在を認識したりすることに、機械的に無意識に抵抗感を持っている。その結果、支配層の利益を見えなくし、最終的に支配者層が自らの犯罪を覆い隠すことに手を貸している。ケネディ暗殺は例外として、-ケネディ暗殺は、偶然にも ボブ・ディランのチャートで1位になった最近出した新曲のテーマなのだが[訳注2]―9/11ほど、陰謀論が敵視される出来事はない。先述のパレンティを攻撃した同じ人達、つまり、犯人は「殺し屋の単独犯罪」だったというウォーレン委員会結論に異議を唱えたデビッドタル・ボットやその他の人達も、左翼の指導者的存在であるノーム・チョムスキーや故アレクサンダー・コックバーンたちも、 9/11の真実を求める運動に反対していて、今日では、9/11の真実を求めることは誤解され、右翼と同一視されている。このようなことが、強固な保守的政権下で起こったのは、不思議なことだが、疑似左翼たちは、「陰謀論」に対して間違いなく嫌悪感をもっている。 世論調査に信頼がおけるとしたら、 平均的な米国人は、9/11委員会が出した偽りの調査結果の信憑性に関して、エリートの間違った指導者たちの言うことには同意していない。疑似左翼が、一般の人達からいかに、かけ離れているところにいるかの一つの例といっていいだろう。

 もう少し最近の例を挙げると、左翼ジャーナリストのベン・ノートンは、記事の中で、9/11を偽旗行為や「内部犯行」であるとみなすことは、「基本的には右翼が考える陰謀論」であるとしており、真実を求める真の左翼活動家を頭から否定している。ノートンの主張によると、9/11は単なる「ブローバック(外交政策が原因となって予期できない負の結末を生むこと)」、または予期しない結果に過ぎないということだ。つまり、1980年代、米国が対ソ連政策として、アフガニスタンでムジャヒディン[訳注3]を支援する外交政策があり、その結果、アルカイダやタリバンを生み出すことになったのだ、と。ノートンは、さらにこう述べている。「アルカイダが非公式に米国と結んだ同盟関係が、最終的に破綻し」、その報復として9/11が起こったのだと。しかし、これでは、1990年代も、米国がボスニア[訳注4]でジハーディスト[訳注5]たち(そのジハーディストのうちの2名は9/11のハイジャック犯とされている)や、ユーゴスラビア紛争[訳注6]で、セルビアと戦っていたコソボ[訳注7]を支援していたという事実を完全に見落としている。一方で、米国は、1998年にアフリカで起こった2つの米国大使館爆撃事件[訳注8]と 2000年に起こった米海軍駆逐艦コール号爆破[訳注9]の容疑者として、見せかけ上は、ビン・ラディンを追跡していた。

(3)イスラム革命、アルカイダ、イスラム系慈善団体、イスラム国、CIA

 共和党政策委員会(RPC)による1997年の議会文書は、以下のことを明らかにしている。すなわち、米国政府がジハーディストを代理として、アフガニスタンでの軍事行為を続けることで、バルカン半島での外交政策目標を達成しようとしていたことだ。それは当時の米国大統領ビル・クリントンの信用失墜を狙った共和党の党派的な作戦だったのだが、それでも文書を読めば、米国が「いかに、ボスニアを軍事的イスラム基地に変えた」かが、正確に分かる。

「要するに、ボスニアのイスラム教徒への武器の配達を促進するというクリントン政権の政策は、複数の政府や組織の国際ネットワークの事実上の同盟国にボスニアを仕立てあげた。そのネットワークは、ボスニアで自分たちの意図を達成しようとしている。その意図は、ヨーロッパでのイスラム革命の推進である。そのネットワークには、イランだけでなく、ブルネイ、マレーシア、パキスタン、サウジアラビア、スーダン(イランの主要な同盟国)、およびトルコが含まれていた。このネットワークは、建前上は、人道的で文化的な活動を目指している偽善団体だったのだ。一例をあげると、詳細が明らかになったそのような団体の1つに、Third World Relief Agency(TWRA)がある。その団体は、スーダンを拠点とする偽人道主義団体であり、実の姿は、ボスニアへ武器を送るパイプラインの主要な関連団体だった。TWRAはイスラムテロ組織の重鎮たちと関係があったと考えられている。たとえば、オマル・アブドッラフマーン(1993年の世界貿易センター爆破の首謀者として有罪判決を受けた人物)や、ウサーマ・ビン・ラディン(過激派にお金を回していたと思われているサウジアラビア亡命者のお金持ち)など・・。」



 また、ボスニアでは、2002年、地方警察がサウジアラビアを拠点とする慈善団体とされていた国際慈善基金という団体を襲撃するという事件が起こり、その際、その団体は、アルカイダの偽装団体であることが判明した。そこで、「ゴールデンチェーン」と呼ばれる文書が押収され、その文書には、テロ組織の主要な金融スポンサーとして、ウサーマ・ビン・ラディンの兄弟を含む多数のサウジアラビアのビジネス界と政府の人物が記載されていた。 9/11委員会の報告書に記載があるとおり、この同じイスラム系偽慈善団体は、 『セルビアとの紛争時、ボスニアのイスラム教徒を支援していた』。そう、CIAが支援していたのと同時期だ。

 押さえておかないといけないのは、アルカイダと後に続いたイスラム国(ダーイッシュ)やボコ・ハラムといった過激派組織を結びつけていたものは、ワッハーブ派の教義だったということだ。ワッハーブ派とは、イスラム教スンナ派の原理主義者であり、サウジアラビア王国で行われ、18世紀にムハンマド・イブン・アブド・アルワッハーブによって創設された宗派だ。宗派の長であったアルワッハーブは、第一次サウード王国の創始者、ムハンマド・イブン・サウードと同盟関係を結んだ。そして、サウードの子孫が今のサウードの王室になっている。

(4)英国の植民地主義とサウジアラビア王室との癒着

 ワッハーブ派の超原理主義は、当初、中東では受け入れられなかったが、英国の植民地政策によって、復元された。英国の植民地政策は、サウジアラビア王室と連携した。ワッハーブ派の厳格な教義を利用して「分割して統治せよ」のやり方で、オスマン帝国の弱化をねらっていたのだ。1921年の庶民院での演説で、ウィンストン・チャーチルは、サウジアラビアが、「不寛容で、完全武装した、血に飢えている」国だと認めていた。


 この発言にもかかわらず、英国はサウード家支援を中止することはなかった。というのも、サウジアラビアは、西洋の帝国主義の利益と合致していたし、英国はサウジアラビアと今日まで続く癒着があるからだ。しかし、米国とサウジアラビアの関係は、慎重に調査される対象となった。悪名高い、「編集された28ページ」が2002年の12月、世に出された時だ。その内容は、「2001年9月11日のテロ攻撃の前後の諜報活動に関する共同調査」だった。これは、「諜報活動に関する上院・下院合同調査委員会」によって行われた調査であり、2016年になってようやく公開されたものだ。この文書が明らかにした内容は、9/11攻撃に至るまで米国の諜報活動が数多くのミスを犯していたことだけではなく、サウジアラビアが、9/11攻撃に関与していたとずっと疑われ続けていたことだ。サウジアラビアが、米国の同盟国だったため、サウジアラビア国民は、テロ対策の的にはなっていなかった。開示された「編集された28ページ」文書によると、ハイジャック犯のうち、15人はサウジアラビア市民であり、サウジアラビア政府と関係した個人から財政的および後方支援を受けていたようだ。FBI筋によると、すくなくともそのうち2人が、サウジアラビアの諜報機関員だそうで、うち一人は、バンダル・ビン・スルターン王子の妻、ハイファ王女から多額のお金を受け取っており、王子の銀行口座から仲介者から潜伏工作員に渡される俸給を得ていた。

(5)ブッシュとビン・ラディンとのつながり

 サウード家の重要な一員であり、当時駐米サウジアラビア大使だったバンダル王子は、「バンダル・ブッシュ」というあだ名がつけられているほど、ブッシュ一族と長期にわたる親密な関係を持っていた。2003年に両議員の合同調査の最初の報告が発表されたときに、9/11攻撃へのサウジアラビアの関与が述べられていた28ページが、ブッシュ政権の主張により完全に検閲されたのには、明確な意図があった。しかも、ブッシュ一族と湾岸諸国とのつながりは、支配層である王室メンバーとの間だけではなかった。オイルマネーで潤う宗教国家サウジアラビアの他の資産家、つまり、ビン・ラディン家ともつながっていたのだ。マイケル・ムーアの映画「華氏9/11」 は、9/11の本当の陰謀をほとんど見えなくしてしまっているが、以下のことは明らかにしている。ビン・ラディン家の多くの人が、サウジアラビア政府の協力のもと、9/11攻撃の直後に、特別待遇で、秘密裡に空路で、米国からあやしげに脱出したそうだ。

 ブッシュとビン・ラディンのつながりは、はるか昔までさかのぼる。ジョージ・W・ブッシュが、政治家になる1976年よりも前、彼がビジネスを始めた時からだ。彼は、石油採掘会社アーバスト・エナジーを設立したが、その投資家にはテキサスのビジネスマンで、テキサス空軍州兵時代の仲間だったジェームス・R・バスがいた。数奇なことに、バスは、ウサーマ・ビン・ラディンの異母兄弟であるセーラム・ビン・ラディンのアメリカ側の連絡係だった。別の言い方をすれば、ビン・ラディン一家と一家が保有していた建築物が、石油産業におけるブッシュのビジネススタートを金銭面で大きく支え、そのつながりは、1990年代、ハーケン・エナルギー社にも受け継がれた。そのハーケン・エネルギー社は、後にディック・チェイニーのハリバートン社とともに、イラク復興における海外石油契約を勝ち取っている。カーライルグループの未公開株式投資ファンドの共同投資家になるなど、ブッシュ王朝とサウジアラビア王室及びビン・ラディン家との経済的関係は継続していた。そのカーライルグループは、父ブッシュ政権が、経済的利益を得るために利用していた会社だ。実は、9月11日の朝、父ブッシュは、たまたまカーライル社のビジネス会議に出席していた。その会議には、もう1人のビン・ラディンの兄弟、シャフィク・ビン・ラディンが主賓として参加していた。これもまた、何という驚異的な偶然であろうか。ほんの数日後、シャフィク・ビン・ラディンは、バンダル王子が見守る中、サウジアラビアに戻るチャーター便に乗り、雲隠れした。

 ウサーマ・ビン・ラディン自身も、一種の脱出劇を演じている。それは、2001年に米国がアフガニスタンに侵攻したときだ。そのことを最初に報じたのは、ピューリッツァー賞を受賞した伝説的ジャーナリスト、シーモア・ハーシュだ。ハーシュによると、ビン・ラディンと、何千ものアルカイダ及びタリバンの戦闘員が、「悪魔の空輸」と呼ばれる作戦で、密かにパキスタンへ逃亡することを許可されたそうだ。これは、ウイキリークスが発表した2009年のヒラリー・クリントンの国務省の電子メールで裏付けられた。その内容は、トラボラの戦いとビン・ラディンの脱出に関する上院議会からの報告に関するものであった。そのメールでは、ヒラリーの腹心であったシドニー・ブルーメンソールが、物議を醸している「空輸事件」は、パキスタン大統領のパルヴェーズ・ムシャラフから要請され、国防長官のドナルド・ラムズフェルドとディック・チェイニー副大統領の承認を得て行われたことを明らかにしている—この事件を「陰謀」とは呼ばないでくださいね。

「上院議会による報告の主要な情報源は、CIAのアフガニスタン東部武装作戦の司令官であったガリー・べアントセンです。私は彼と連絡を取り、詳細に話を聞きましたが、大事なことは、彼の著書『ジョー・ブレーカー』には書いていないそうで、さらに上院の報告書にものっていないそうです。特に、アルカイダとタリバンの主要な指導者をアフガニスタンのクンドゥズから空輸した事件は、ムシャラフが要請し、チェイニーとラムズフェルドが命じたという話は、書かれていません」。


 この事件は、その数年前に起こった出来事と何か関連があるのだろうか?その出来事とは、タリバンが、ブッシュが知事をしていたテキサス州を訪問し、石油会社ユノカル社と、アフガニスタンからパキスタンへのガスパイプラインの建設について話し合ったことだ。また、これもよく知られていることだが、パキスタン政府とパキスタン軍統合情報局(ISI)が数十年にわたってタリバンを支援しており、1980年代には、タリバンは、アフガニスタンのムジャヒディンに武器を供給するためのCIAの主要な通り道だった。ムジャヒディンには、ビン・ラディンやアルカイダの前身であるアイマン・アッ=ザワーヒリーの軍事組織マクタブ・アル=ヒダマトも参加していた。ドキュメンタリー映画『9/11:真実への報道』[訳注10]で示されていたように、パキスタンとタリバンの関係は、アフガンーソ連戦争から9/11までの間、ほとんど変わっていない。パキスタン軍統合情報局(ISI)のマフムード・アフマド司令官が、世界貿易センターが攻撃される少し前に、 ハイジャック犯の首謀者であるとされたモハメド・アッタ に10万ドルを渡したとして、降格されたと伝えられている。2001年中、9月11日より前にも後にも、アフマド将軍は米国を繰り返し訪れ、国防総省およびブッシュ政権の最高幹部、さらには、CIA長官のジョージ・テネットと面会している。つまり、バンダル王子だけが、9/11の作戦に資金を出していたといって責められるのはおかしな話で、ホワイトハウスとハイジャック犯が、直接結ばれていた可能性があったということになる。

(6)サウジアラビア政府の関与の疑い

 バンダル王子は裁判をうまくかわしてきたが、「28ページ」が公表された1年後、9/11の被害者の遺族が、サウジアラビア政府に対して訴訟を起こし、以下のような新しい事実が明らかになった。それは、9/11攻撃の2年前の1999年に、サウジアラビア大使館が、アメリカに潜入していた2名のスパイのために、フェニックスからワシントンへの航空費を支出していたという事実だ。その2名は、「9/11攻撃の予行演習」をしようと、機内でコックピットを破壊し、航空機内のセキュリティを試そうとたくらんでいた。このことは、サウジアラビア政府が、最初から9/11攻撃の計画に関与していた可能性が高いことを示している。ハイジャック犯に補助金を出し、お人好しのハイジャック要員を用意し、アルカイダを非難することで真実を煙に巻き、ビン・ラディンを悪者扱いしただけではなく、計画のはじめから関わっていた可能性だ。ビン・ラディンが9/11への関与など、あってもせいぜいきわめて細い線だ。結局のところ、ビン・ラディンの関与については、実行計画者と見なされたハリド・シェイク・モハメッドが、183回の水責めの刑を受けて「告白」しただけであり、ビン・ラディン自身は、9/11攻撃へのいかなる関与も否定していた。あの疑わしい本人出演動画が公開されるまでは。[訳注11]

(7)イスラエルの関与の疑い

 ハイジャックのリハーサルに参加したサウジ国民は学生を装っていた。しかし、9/11よりも前に米国内で大規模なスパイ活動をそんな前戦で行っていたのは、スンナ派の独裁国家であるサウジアラビアが唯一の国家ではなかったのだ。2001年の上半期に、米国連邦法執行機関は、イスラエル人の若者が「芸大生」になりすました 130を超えるさまざまな事例を記録している。彼らは、モサドのスパイの一員として、さまざまな政府および軍事施設のセキュリティに積極的に侵入しようとしていた。何人かのイスラエル人は、盗聴でもしているかのようにハイジャック犯の近くに居住していた。このようなイスラエル人による作戦が見つかったことで、モサドが、9/11について多くの知識を持っていた、あるいは、関与していたのではないかという、多くの疑問が投げかけられた。皮肉にも、フォックスニュースが全支局でこのことを報じた、数少ないマスコミの一つであり、4部構成のシリーズ番組も作成したが、再放送されることはなく、最終的にWebサイトからも削除された。

 イスラエルの「芸大生」の謎は、「踊るイスラエル人」という別の疑わしい事件と同じく、他のメディアでは決して注目されなかった。その事件とは、モサドのスパイの小グループが、家具運搬業者になりすまし、9月11日の朝、ニュージャージーで逮捕された事件だ。彼らは、マンハッタンの空を背景に燃え上がるツインタワーの記念写真をとっていた。その5人の集団は、最初の飛行機が衝突する前から水辺にいただけでなく、数千ドルの現金やカッターナイフ、偽造パスポート、アラブ人の衣服を所持していることがわかった。怪しげな行動を通報され、マンハッタンに行く途中、リンカーントンネルで警察に止められた後のことだ。当初、メディアは、彼らがアラブ人であるという誤報を流していたが、FBIのデータベースにから、モサドと関係があることがわかり、5か月間拘留された後、イスラエルに送還された。その間、その偽の運搬業者のオーナーは、さらに詳しい取り調べを受ける前に、エルサレムに逃亡していた。注目すべきは、もし、イスラエルが、米国に対する「偽旗」攻撃に参加していたとしたら、それは初犯ではなかったということだ。1967年の6日間戦争の際、イスラエル空軍と海軍は米軍のリバティ号に対して、いわれのない攻撃を行った。リバティ号は、米海軍のスパイ船で、地中海の国際水域上から、アラブーイスラエル間の紛争を監視していた。このリバティ号が、「偶発的な」攻撃を受け、34名の米国人が亡くなった。これは、エジプトを非難し、米国の介入を誘発するために行われた行為だ。[訳注12]

(8)イスラエルとサウジアラビアと米国が共犯?

 イスラエルがサウジアラビアと共犯者であることが判明したとしても、それは、ありそうもないシナリオではない。仇敵同志であると誤解されているが、両国とも英国が創設した国であり、第一次世界大戦以来、歴史的に秘密の同盟関係にあったことは、公然の秘密だ。現代のサウジアラビア国家の最初の君主であるアブドゥルアズ・イブン・サウード王が、バルフォア宣言に反対したライバルのマッカのシャリーフを破ったときからだ。バルフォア宣言は、英国外務大臣バルフォア卿が執筆し、シオニストの指導者バロン・ロスチャイルドに提示された1917年の書簡に書かれているのだが、その内容は、パレスチナにヨーロッパ在住のユダヤ人を住まわせることで、ユダヤ人の故郷を保証するというものだった。シャリーフがいなくなったので、シオニスト活動家たちは安心して、植民地計画を前進させることができたのだ。イブン・サウードは、建前上は、シオニズムに反対していたが、裏では、彼の顧問であった英国のスパイ、セント・ジョン・フィルビーを仲介者として取引を行っていた。フィルビーは、イブン・サウードに2000万ポンドの補償金を与える代わりに、パレスチナをユダヤ人に譲ることを提案していた。

 イブン・サウードは、妥協したいという希望を1940年にフィルビーを通じてチャイム・ワイズマンに渡した手紙で書いていた。ワイズマンは世界シオニスト機構の代表であり、イスラエルの初代大統領だ。しかし、フィルビー自身は、シオニストに反対していたので、その計画を台無しにしようと、ある別のアラブ人指導者にそのことを伝えた。その指導者は、シオニストには強く反対していた。

 そして、そのことが暴露されてからやっとのことで、サウジアラビアの王、イブン・サウードは、シオニストからの賄賂を断ったことを明かした。シオニストたちは相手が受け取るという見通しがある時しか、賄賂を渡さないだろう。それ以来、サウジアラビアのワッハーイズムとイスラエルのシオニズムは、中東の不安定化の中心となった。実は、中東が歴史的に紛争に明け暮れていたというのは誤解で、西洋のほうがそうだった。その西側諸国が、サラフィズム[訳注13]とシオニズムを育て上げるまでは。

 イスラエルやサウジアラビアが、9/11に関係していたということを論じることは、産業メディアで禁じられていたのは想定内のことだ。というのも、両国とも、米国の地政学上の同盟国であり、両国とも大手メディアに対して、大規模なロビー活動をしているからだ。

(9)9.11は偽旗作戦

 9/11から5ヶ月もしないうちに、ブッシュは、不名誉にも、2002年の一般教書演説で、イランとイラクと北朝鮮を悪の枢軸国と宣告した。実のところは、サウジアラビアとイスラエルと米国のトリオこそ、その言葉で修飾するのが相応しい。その三国こそ、9/11の陰謀に影から関わった三国だ。

 この正しくない言葉のチョイスは、ネオコン代表で、ブッシュの演説のゴーストライターだったデイビッド・フラムが考えたものだ。

 彼は、そのモチーフをフランクリン・ルーズベルト大統領の「この日は汚名とともに記憶される」演説から取った。日本が1941年に真珠湾攻撃をしたときの演説だ。

 ブッシュの一般教書演説は、9/11の1年前に行われたネオコンの秘密結社で示された提案を引き継ぐものだ。それは、「アメリカ防衛再建計画」。アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)のシンクタンクが出した提案であり、そのメンバーには、ディック・チェイニー、ドナルド・ラムズエフェルド、ポール・ウォルフォウイッツ、ジュブ・ブッシュがいる。彼らの提案による戦略の青写真には、米国防衛予算の大幅な拡大が必要とされ、戦争を行い、複数で、同時的で、世界規模での決定的な勝利を得ることが目的とされた。その前提として以下のような不吉な予言を行っていた。

「そのような移行を実現するには、たとえ革命的な変化をもたらすとしても、長い時間がかかってしまうだろう。何かしらの破壊的で触媒的な事件が起こらない限りは。そう、新しい真珠湾攻撃のような事件が」



 アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)のメンバー達はその後、ブッシュ政権で役職を得る流れになっていた。その政権で、彼らの「新しい真珠湾攻撃」が都合よく実現したのだ。さらにいうと、真珠湾攻撃自体が偽旗行為、そうでなくても、米国諜報機関やフランクリン・ルーズベルト大統領も日本が1941年の12月7日に、ハワイのオワフ島の海軍基地を攻撃することを事前に察知していた、という証拠は沢山ある。

 『ルース・チェンジ』[訳注14]というドキュメンタリー映画が指摘していた通り、ルーズベルトが、わざと日本の攻撃が起こることを見逃していたということはありえる。そうすれば、ヨーロッパが主戦場だった第二次世界大戦に参戦することについて、大衆からの支持を得られたからだ。日本の「奇襲」がなかったら、アメリカ国民のほとんどは参戦には反対していた。真珠湾攻撃や未遂に終わったノースウッズ作戦(民間機にテロと見せかける攻撃を行い、それをフィデル・カストロのせいにして、アメリカのキューバ侵攻を正当化しようとした1962年の作戦)の両方について知られていることから考えると、このような偽旗行為が、9/11以前でも、以降でも、実行を躊躇されたと考える根拠はない。

 映画『ルース・チェンジ』では、さらに、9/11と1933年の「ライシュターク事件」との間の歴史的に意義のある分析を行っている。ライシュターク事件とは、ドイツの国会議事堂への放火事件であり、アドルフ・ヒトラーが、首相に就任する1ヶ月前に起こり、犯人は、半盲人であるオランダ人共産主義者マリナス・ファン・デル・ルベだとされた事件だ。この事件が、ナチス政権が勢力を強固なものにし、現行の法律や命令を停止するのに利用されたという推測は否定できないが、今日でも、歴史家の間で、ファン・デル・ルベが、真犯人なのかについては熱い議論がある。ところが、偶然にも2001年にある歴史研究家のグループが、ある証拠を明らかにした。その証拠とは、1933年に謎の死をとげたナチスの突撃隊員が、取調官にこんな告白をしていたということだ。それは、ヒトラーの突撃隊員たちが、国会のリーダーであったカール・エルンストの命を受けて、国会議事堂に火をつけたというものだ。この発表は、放火事件がナチスの手によるものだった偽旗行為だったのではないかと広く考えられていた疑いを裏付けするものになった。

 ほとんどの米国人は気づいていないが、同じようなクーデターが、同年、米国でも起こりそうになった。それは、フランクリン・ルーズベルト大統領を排除し、イタリアのファシスト党やドイツのナチス党をモデルにした、独裁政府をうち立てようとしたもので、右派の銀行家たちの側近者から生まれた策動の1部だった。「ビジネスプロット」という名でも知られているクーデターだ。この陰謀は、ある内部告発者が、英雄的に止めたとき、はじめて明るみになった。ある海兵隊の受勲退役軍人が、反帝国主義の立場をとったのだ。彼の名はスメドデー・バトラー少尉。彼が、クーデターの私兵隊への入隊を要請された後のことた。驚くべきことに、その暴動に1枚噛んでいたある目立ったビジネスマンがいた。それは、他でもない、後のコネチカット州選出の国会議員プレスコット・ブッシュ。そう、ジョージ・H・W・ブッシュの父で、ジョージ・W・ブッシュの祖父だ。当時、プレスコット・ブッシュは、ドイツの事業家たちやナチス党に出資していた有名なフリッツ・ティッセンなどが所有する銀行の取締役であり株主だった。この銀行は、後に、トレーディング・ウィズ・エネミー法により米国政府により差し押さえられた。

 内部告発をしたあとの1935年に、スメドレー・バトラーは、有名な『戦争はいかがわしい商売である 』という著書を著した。このことばほど、いわゆる今日の「テロとの戦い」をうまく言い表していることばは、おそらくないだろう。米国のレイスタック放火事件とも言える9/11は、
①アメリカ国内を警察国家に変える引き金になった
だけではなく
②政治研究者サミュエル・ハンティントンが、『文明の崩壊』において行った予言を現実のもの
にしてしまった。

  ①の憲法違反の警察国家化は、ナチスドイツによる1933年の全権委任法やHeimatschutz(国土保全運動)の米国版とも言える愛国者法や国土安全保障省の創設を産んだ。

 ②の予言とは、海外でイスラム教とキリスト教の間での対決が起こるだろうという予言だ。
 
 宗教と文化が、冷戦後の世界において地政学上の対立の軸になるという予見は、ハンティングやバーナード・ルイスのような右派東洋哲学者たちが考えていた終末論的な見方であり、アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)のネオコン主義者たちが、実行したものだ。今日、進行しているcovid-19の危機は、9/11同様、広範囲の、長期にわたる、政治的、社会的、経済的な影響を与えそうだ。そして、パンデミックについての政府の公式説明を疑うものたちは、猜疑心のかたまりだと責められることはほとんどないだろう。歴史的にみて、9/11の教訓を忘れていないならば。

[訳注1]  クリックすると「9/11の真実を求める建築家および技師の会」のホームページにつながる。英語のホームページだが、このホームページは世界各国語に翻訳されていて、以下に示す日本語版のページもあった。「ビデオをお選びください」のところから日本語字幕の付いた数十本のビデオを視聴することもできる。(2020年5月3日閲覧)
https://www.ae911truth.org/languages/japanese

[訳注2]
(1)ボブ・ディラン、17分の新曲「最も卑劣な殺人」が全米No.1を獲得した最も長い曲に  Japan music network 2020.4.10 (2020.4.30閲覧)
https://www.barks.jp/news/?id=1000181121
(2)You Tube 「最も卑劣な殺人」字幕付き動画(2020.4.30視聴)
https://www.youtube.com/watch?v=HgedlSLT6nA&list=RDHgedlSLT6nA&start_radio=1
[訳注3] ムジャヒディン(出典 ウイッキペディア)
ムジャーヒディーン(アラビア語: مجاهدين‎、mujāhidīn‎)は、アラビア語で「ジハードを遂行する者」を意味するムジャーヒド(アラビア語: مجاهد‎、mujāhidn‎)の複数形。一般的には、イスラム教の大義にのっとったジハードに参加する戦士たちのことを指す。最近[いつ?]はイスラム教による連携した民兵を指すことが多い。
[訳注4] ボスニア・ヘルツェゴビナ(出典 コトバンク 朝日新聞掲載「キーワード」の解説)
旧ユーゴスラビアの共和国の一つで1992年に独立を宣言。その際、イスラム教徒で現在のボシュニャク人、カトリック教徒のクロアチア人、東方正教信者のセルビア人の3勢力の間で紛争が勃発した。95年に和平合意が結ばれるまで続き、死者20万人といわれる。人口約390万人。今も3民族間にしこりが残っており、国家元首は8カ月ごとの輪番制。郵便会社、電話会社もそれぞれの民族向けに三つ存在する。 (2014-06-26 朝日新聞 夕刊 サッカー2)

[訳注5] ジハーディスト(出典 コトバンク 朝日新聞掲載「キーワード」の解説) 
「ジハード」は、「全力を尽くして努力する」という意味のアラビア語。イスラム教の文脈のなかで、神の道のために異教徒と戦う「聖戦」という限定的な意味も持つ。「ジハーディスト」は9・11以降、イスラム過激派のテロ実行者を指す造語として欧米で使われるようになった。 (2011-02-23 朝日新聞 朝刊 2外報)

[訳注6]ユーゴ紛争(出典 コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説)
1991年6月のスロベニア、クロアチア両共和国の独立宣言をきっかけに始まったユーゴスラビア内戦のこと。この内戦は民族紛争の強い様相を現しながら泥沼化した。紛争の過程でボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア(現、北マケドニア共和国)も独立を宣言。1992年4月にはセルビアとモンテネグロがユーゴスラビア連邦共和国(新ユーゴ、2003年から「セルビア・モンテネグロ」となり、2006年にそれぞれ独立国家となる)の創設を宣言して、6共和国と2自治州で構成されていた従来のユーゴスラビア連邦は完全に崩壊した。[柴 宜弘]
[訳注7] コソボ紛争(出典 コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説)
ヨーロッパ南東部、バルカン半島に位置するコソボにおける紛争。コソボは、長らくセルビア共和国内のコソボ自治州となっており、コソボの独立を目ざすアルバニア系住民と、それを認めないセルビア当局の争いが続いてきた。とくに1980~90年代のコソボを巡る紛争は、旧ユーゴスラビア連邦解体のきっかけとなった。コソボでは1968年と81年に自治権拡大を求めるアルバニア人の暴動が起こった。1989年にはセルビア当局による警察支配がしかれる一方、アルバニア人側は独立宣言で対抗したが、ボスニア・ヘルツェゴビナで戦闘が続く間は膠着(こうちゃく)状態であった。しかし、1998年初めに武力衝突が激化し、2000人以上が死亡、30~40万人の避難民が発生し、国際問題となった。1999年3月には北大西洋条約機構(NATO(ナトー))がユーゴ空爆など軍事介入に踏み切った。空爆終了後、国連安保理決議が採択され、以降、コソボは国連の暫定統治機構による暫定統治下におかれた。[千田 善]
元ユーゴスラビア大統領ミロシェヴィッチへの無罪判決は何を語っているか(上)(下)
(出典 百々峰だより 2016年8月29日、9月24日)
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-269.html (上)
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-270.html (下)



[訳注8] アメリカ大使館同時爆破事件(出典 コトバンク ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説 )
1998年8月7日,ケニアの首都ナイロビとタンザニアの首都ダルエスサラームのアメリカ大使館付近で,ほぼ同時刻に爆弾テロが発生した事件。これにより両国合せて約 260人が死亡,5000人以上が負傷した。アメリカ政府はサウジアラビア出身のイスラム原理主義過激派指導者オサマ・ビン・ラディンの組織による犯行と断定し,20日,ラディンの潜伏先であるアフガニスタンの活動拠点6ヵ所と,化学兵器を製造していたとしてスーダンのハルツームにあるラディン所有の薬品工場を巡航ミサイルで攻撃した。これに対しラディンは報復措置をとると発表,スーダン政府も事実誤認による不当な攻撃だとしてアメリカを非難し,国連調査団の派遣を求めた。

[訳注9] 米艦コール襲撃事件 (出典 ウイッキペディア)
米艦コール襲撃事件(べいかんコールしゅうげきじけん)は、2000年10月12日に発生した、国際テロ組織アルカーイダによるアメリカ海軍所属のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「コール」(USS Cole, DDG-67)に対する自爆攻撃である。

[訳注10] Movie full 9/11 Press For Truth 日本語字幕なし(2020年5月3日視聴)
https://www.youtube.com/watch?v=xSFK4jWPRaI
本文には取り上げられていないが、「ZERO: 9/11の虚構」(2007年イタリア映画・日本語字幕あり)というドキュメンタリー映画もある。(2020年5月4日視聴)
https://www.youtube.com/watch?v=6EX_vmufF70&list=PLbr_nj6l1Xt0n3cAfspwQHGcKEeeIb7mh

[訳注11] ビン・ラディンは2001年12月にすでに死んでいたという以下の記事があった。2011年5月2日にパキスタンで米軍によって殺害されたという通説は間違いなのだろうか。
「もう一つの似非ビン・ラディン物語」(マスコミに載らない海外記事 2014年11月 8日)2020年5月5日閲覧
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-8ced.html
「ウソをウソの上塗りで隠そうとするワシントン」(マスコミに載らない海外記事 2015年5月28日)2020年5月5日閲覧
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/maj-1410.html
上記のポール・クレイグ・ロバーツの主張が正しいとするならば、ビン・ラディンのアルジャジーラに寄せられた9.11の下記の犯行声明などは、すべて全くの偽物ということになる。
ビン=ラディン2004年10月声明 ウサマ・ビン=ラディン(2020年5月2日閲覧)
http://chronoflyer.ddo.jp/~trinary/plus/ladin/ja.html#n0

[訳注12]リバティー号事件 寺島メソッド翻訳ニュース「リバティー号事件(1967)再考」
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-131.html

[訳注13] サラフィズム (出典 英和辞典 Weblio)
サラフィー主義(サラフィーしゅぎ、アラビア語: سلفية‎ Salafīyah サラフィーヤ / السلفية As-Salafīyah アッ=サラフィーヤ、英語: Salafism)とは、現状改革の上で初期イスラムの時代(サラフ)を模範とし、それに回帰すべきであるとするイスラム教スンナ派の思想。

[訳注14]『ルース・チェンジ』(2007年米ドキュメンタリー映画 2020年5月4日閲覧)
https://www.nicovideo.jp/watch/sm12075885
その他のドキュメンタリー 『911ボーイングを捜せ』(米ドキュメンタリー映画 2020年5月5日視聴)
https://www.youtube.com/watch?v=ADIRSqeFhDs (1)
https://www.youtube.com/watch?v=y4nwlZdLi7Y (2)
https://www.youtube.com/watch?v=iICZ8hQp-cI (3)
https://www.youtube.com/watch?v=pDiJoUpKUsIa> (4)
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米国情報部が「中国」ウイルスについて本当に知っていたことは何か?トランプ政権とCDC(米国疾病予防センター)は事前に知っていた

<記事原文 寺島先生推薦>
What Did U.S. Intel Really Know About the ‘Chinese’ Virus? The Trump Administration and the CDC Had Advanced Knowledge

グローバルリサーチ 2020年4月22日

Pepe Escobar

<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ
2020年5月10日





 米国超党派作戦である中国に対するハイブリッド戦争2.0は、すでに熱を帯びてきている。24時間365日体制のフルスペクトルの情報戦部隊は、コロナウイルス関連のすべてを中国のせいにしている。さらにアメリカの惨めな準備不足に対してはきちんとした情報に基づいた批判があるのだが、それに対する陽動作戦としても機能している。

 予想通りのヒステリー状態蔓延。そしてこれはほんの始まりに過ぎない。

 訴訟の洪水が目の前に迫っている。例えば、バーマン法律グループ(民主党系)とルーカス-コンプトン(共和党系)が参入したフロリダ州南部地区での訴訟。その要点はこうだ:中国は大量の現金を払わなければならない。その額は1.2兆ドル。中国政府が所有している米国財務省債権の額とたまたま一致しているのはシュールな皮肉だ。それはテキサス州の訴訟が請求する20兆ドルにつながって行く。

 イラクにおける大量破壊兵器捜索のための国連主任査察官だったスコット・リッターが鮮やかに思い起こさせてくれたように、検察側陳述は モンティ・パイソンそのままだ。正確にはこんな感じ。

「彼女がアヒルと同じ重さなら・・・
・・・彼女は木でできている!」
「それゆえに・・・」
「魔女だ!」


 ハイブリッド戦争2.0の用語法において、現在のCIA流の言い方は、「悪の中国が文明化した我々に西側に、恐ろしい新型ウイルスの存在を伝えなかった」となる。もし、もし伝えていれば、我々に準備する時間はあっただろう、と。

 それなのに、中国は虚偽を語り、欺いた――それもマイク・ポンペオが自ら口にした「我偽り、欺き、盗みけり」というCIAのトレードマークとなっている方式によって。そして中国はすべてを隠蔽した。そして真実を検閲した。それ故、中国の望みは我々アメリカ人全員を感染させることだったことになる。今や彼らはアメリカが被った経済的、財政的損害と亡くなったすべての人のためにその代償を支払わなければならない。これは中国の責任だ。

 怒りは伝わるが中身が何もない音にしか聞こえないこんな言い方を耳にすると、どうしても2019年後半に戻って、後にSars-Cov-2とされたものについて、米国情報部が実際に知っていたことに再び焦点を合わせざるを得ない。
「そのような人工的に作られたものは一切存在しない。」
 この点に関しては後にも先にもABCニュースだけが金字塔のような報道をしている。それに依れば、国防総省国防情報局(DIA)の下部組織である国立医療情報センター(NCMI)によって2019年11月に収集された機密情報で、「傍受された通信と衛星画像の詳細な分析」に基づいて、武漢で手に負えなくなっている新しい病原性の伝染病についての警告がすでにあった、とのことだ。

 匿名の情報筋はABCに「分析官たちはそれがただ事では済まない出来事になる可能性があると結論づけた」と語り、さらにこの機密情報は「DIA, ペンタゴン統合参謀本部, そしてホワイトハウスに対しても繰り返しブリーフィング(簡単な状況説明)が行われた」ことも付け加えた。

 国防総省が、ペンタゴン用語を使い、DIAのNCMI長官であるR.シェーン・デイ大佐を介して、お決まりの型に従ってそれを否定せざるを得なかったのも何ら不思議ではない。
 
 「現在の公衆衛生危機の中で透明性を確保する点からも、2019年11月に国立医療情報センター(NCMI)のコロナウイルス関連製品/アセスメントの存在/リリースに関するメディアの報道が正しくないことははっきり申し上げられます。NCMIがそのようなものを人工的に作り上げたことは一切ありません。」

 もしそのような「人工的産物」が存在するならば、国防総省のトップで元レイセオン社のロビイストであるマーク・エスパーは、非常に多くの最新情報を持っていることになるだろう。当然の流れで彼はABCのジョージ・ステファノプロスの質問を受けた。

質問:国防総省は昨年11月に中国のCOVIDに関する情報評価をDIAの国立医療情報センターから受けたのか?

エスパー:ああ、それは記憶にないね、ジョージ・・・、でもこのことを念入りにウォッチしている人間はたくさんいるがね。

質問:この評価は11月に行われたもので、12月初旬に国家安全保障会議にブリーフィングされ、軍事態勢への影響の評価が目的だった。当然、あなたにとって重要なことであり、米国内での拡散の可能性もあるでしょう。ということは、12月に国家安全保障会議へのブリーフィングがあったならば、あなたは知っていたのではないでしょうか?"

エスパー:そうね・・・私はそのことを承知してはいないよ。


 では「そんな人工的産物は全く存在しない」のか?フェイクか?それはトランプを罠にかけるためのディープステート/CIAの合作なのか?それともいつも名前が挙がる容疑者たちが嘘をついているのか?トレードマークとなっているCIA流のやり方で。

 重要な背景をおさらいしておこう。11月12日、内モンゴル出身の夫婦が肺ペストの治療を求めて北京の病院に入院した。

 中国疾病予防センター(CDC)は、中国のツイッター「微博(ウェイボー)」で、これが新たな疫病である可能性は "極めて低い "と世論に伝えた。夫婦は隔離された

 4日後、3人目の肺ペスト患者が確認された。その男性と密接に接触していた28人が隔離された。肺ペストの症状があった者はいなかった。肺ペストには肺炎に似た呼吸不全の症状がある。

 CDC は「感染の危険性について心配する必要はありません」と繰り返し述べていたが、もちろん多くの懐疑論があった。CDC は 11 月 12 日にこれらの肺ペストのケースを公に確認していたかもしれない。しかし、内モンゴルから来た3人が治療を受けていた朝陽病院の医師李積鳳は、3人が最初に北京に運ばれたのは、実際は 11 月 3 日だったことを微信(ウィーチャット)でした。

 後に検閲者によって削除された李積鳳の投稿で大事な点は彼女がこう言っているところだ:「私は大抵の呼吸器疾患の診断と治療には非常に精通しています・・・が、今回、調査は続けましたが、肺炎の原因となった病原体が何であるかを把握することはできなかったのです。珍しい病気だなと思っただけで、患者さんの病歴以外の情報はあまり得られませんでした。」

 仮にそうだとしても、内モンゴルの3例は検出可能な細菌が原因のようだというのが重要な点だ。Covid-19はSars-Cov-2ウイルスが原因であり、細菌ではない。Sars-Covid-2の最初の症例が武漢で検出されたのは12月中旬から下旬のことだ。そして、中国の科学者たちがSars-Cov-2の最初の実際の症例を11月17日まで遡って確実に追跡することができたのはつい先月のことだった。 その11月17日というのは内モンゴルの夫婦、そして3人目の感染が確認された数日後になる。

 どこに目を向けるべきかを正確に知っていた
 
 CIAのスパイ活動や、微博(ウェイボー)や微信(ウィーチャット)でオープンな議論が行われていたことを考えれば、米国情報部(この場合はNCMI)が中国でのこのような動きを知らなかったというのは論外だ。だから、NCMIの「人工的に作り上げた産物」がフェイクではなく、本当に存在しているのであれば、NCMIはすでに11月の時点で、肺ペストのいくつかの漠然とした症例の証拠を見つけていたことにはなる。

 かくして、DIA、国防総省、国家安全保障会議、そしてホワイトハウスへの警告は、そのことについてだった、ということになる。コロナウイルスについての警告であったはずがない。

 どうしても避けて通れない疑問はこれだ:なぜNCMIはまだ11月の段階でウイルス性のパンデミックについてすべて分かっているなどということがあり得るのか?中国の医師たちが新型肺炎の最初の症例をはっきり確認したのは12月26日だというのに。

 これに次の様な興味をそそられる疑問を加えていただきたい。なぜNCMIはそもそも中国のこのインフルエンザ・シーズンにそれほどまでの関心を持ったのか?北京で治療された肺ペストの症例から、武漢での「謎の肺炎発生」の最初の兆候に至るまでのことに。
 
 11月下旬から12月上旬にかけて、武漢の診療所で活動が少しずつ活発になっているという微かにヒントとなるものはあったかもしれない。しかし、当時、中国の医師や中国政府はもちろんのこと、米国の情報機関も、何が実際に起きているのかを知ることはとてもできなかっただろう。

 中国が12月30日に新種の病気としてしか確認しなかったものを「隠蔽」することなど無理な話だ。この新種の病気は規定通りにWHOに通告された。それから、1月3日、アメリカのCDC(疾病予防センター)のトップ、ロバート・レッドフィールドは、中国のCDCのトップに電話をかけた。中国の医師がこのウイルスのゲノム配列を突き止めた。そして1月8日になってやっとこれがSars-Cov-2であると決定した。そして それはCovid-19を誘発するものであることも。

 この一連の出来事は、再び次のような巨大なパンドラの箱を開けることになった。
①非常にタイムリーな「イベント201」; ビル・メリンダ・ゲイツ財団とWHO、そして世界経済フォーラムとブルームバーグ公衆衛生学校を含むボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス大学銀河との間の癒着関係
ID2020――デジタルIDとワクチンのコンボ
③「ダークウインター」―― 米国に対して天然痘のバイオテロがあったという想定の図上演習。その後にイラクの行為と非難された炭疽菌攻撃(2001年)があった。
④米国の上院議員は、米国のCDCのブリーフィングの後に株を投げ売り。1,300人以上のCEOは、2019年に市場全体の崩壊を「予測し」、居心地のいい役職を手放した。
⑤FRB(連邦準備銀行)はすでに2019年9月にはQE4(4回目の量的緩和)の一部としてヘリコプター・マネー(究極の経済政策として市中に供給された大量の貨幣)を注ぎ込んでいた。

 そして、ABCニュースだけではなく、イスラエルも登場した。イスラエルの情報機関は、武漢で壊滅的なパンデミックがありそうだと米国の情報機関が実際11月に警告してきたと言っている(もう一度言うが、アメリカはどうして11月の2週目に、こんなにも早い時期にそれを知ることができたのだろうか?)そして、NATOの同盟国も11月に同様の警告を受けた。

 以下の結論は爆弾ものだ:トランプ政権とCDCは4ヶ月以上の間――11月から3月まで――事前の警告を受けており、Covid-19に襲われた時の適切な準備を整える時間はあった。そして彼らは何もしなかった。「中国は魔女!」との主張は完全に論破されている。

 さらに、イスラエルが暴露したことは、異常としか言えないことの裏付けになっている。つまり、武漢の病院の医師が最初に確認した症例が検出される約1ヶ月前に、米国の情報機関はすでにSars-Cov-2について知っていたのだ。神の介入とはこのことだ。
 
 そんなことが起こるのは、米国の情報機関が武漢での「謎の集団感染」に必然的につながる以前の一連の出来事を確実に知っていた場合だけだ。それだけではない。彼らはどこに目を向けるべきかを正確に知っていた。それは、内モンゴルでも、北京でも、広東省でもない。

 この疑問を完全な形で繰り返すがそれで十分というわけではまったくない:「どうして米国情報部は中国の医師が未知のウイルスを検出する1ヶ月前に感染が広がることを知っていたのだろうか?」
 
 「我偽り、欺き、盗みけり」のマイク・ポンペオが、Covid-19は「演習実演」であったことを、公表を前提に、語った時この顛末は終わりになっていたのかもしれない。さらにABCニュースとイスラエルの報道を勘案すれば、唯一可能な論理的な結論は、ペンタゴンとCIAはパンデミックが避けられないことを前もって知っていたということになる。

 それが決定的な証拠だ。そして今、アメリカ政府は総力を挙げて、中国を積極的、遡及的に非難することで、態勢の強化を図ろうとしている。

Pepe Escobar is an independent geopolitical analyst, writer and journalist. He is a frequent contributor to Global Research.
Featured image is from Morning Star
As the US Blames China for the Coronavirus Pandemic, the Rest of the World Asks China for Help
The original source of this article is Strategic Culture Foundation


関連記事

スタンフォード大学 スコット・アトラス教授 「このウイルス・パニックは高く見積もられた感染致死率のせい」

<記事原文 寺島先生推薦>
Stanford University Dr. Scott Atlas: Virus Panic Induced By Overestimation Of Fatality Rate Of Infected

リアル・クリア・ポリティクス
2020年4月25日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月10日


 

スタンフォード大学メディカルセンターの元神経放射線学部長、スコット・アトラス博士が、マーサ・マッカラムの番組、FOXニュースの「The Story」に出演し、コロナウイルスに関する彼の人気の高いコラム「データは手に入った-パニックをやめて完全な隔離を終わらせよう」について語った。 」

 スコット・W・アトラス医学博士は、スタンフォード大学のフーバー研究所のディビッド&ジョン・トレイテルのシニアフェローだ。彼は、1998年から2012年まで、スタンフォード大学医療センターで神経放射線学の学部長を務めた。

 マーサ・マッカラム(FOX ニュース):さあ、次のゲストはスタンフォード大学のシニアフェローの方です。彼は、多くの注目を集めたコラムを書いてくれました。コラムのタイトルは、「データは手に入った、パニックをやめて完全な隔離を終わらせよう」です。

 ではここで、そのコラムのタイトルをスタンフォード大学医療センターの元神経放射線学部長スコット・アトラス博士に説明していただきましょう。ドクター、ようこそお越し下さいました。さて、なぜパニックをやめて完全な隔離を終わらせるべきなのでしょうか?ご意見をお聞かせ下さい。

スコット・アトラス博士(フーバー研究所のシニアフェロー):ええと、つまり、私たちは、今、1か月前とは違うところにいると思うのです。今は多くの証拠があります。単なる仮説を強調する必要はありません。経験で得られたデータを無視するのではなく、組み合わせることができます。得られたデータを、何十年もかけて解明してきたウイルスや感染についての基礎生物学の知識と組み合わせることができます。さらに何十年もかけて研究してきたこのウイルスのファミリー(科)についての知識とさえ、組み合わせることができるのです。そして、このようなデータを使えば、安全な方法で、国をもとに戻す方法が見つかると思うのです。

マッカラム:それで、この国のほとんどの人には、COVID-19で死ぬ危険はないということですね。説明してください。

アトラス:まさにそうです。その事実が、私たちが学んだ重要な事実の一部です。一番のポイントは、圧倒的多数の人々には死という重大なリスクがないということです。このことは世界中で見られることです。そして実際、パニックを引き起こした原因は、世界保健機関が、いわゆる感染の致死率を過大評価したことでした。しかし、実際には、その数字は、ほんの一部をもとにした内容だったのです。したがって、死亡する人の数を調べ、それを感染した人の数で割ると、致死率は3%から5%になります。これは非常に高い数値です。

 しかし今では、米国を含む世界中のデータから、ウイルスに感染しても症状が出ない人達が多いことがわかりました。実際、感染している人の50%には症状がありません。

 さらに、それ以外の多くの感染者も、医療を必要とするような本当に危険状態にはなく、入院の必要も確かにありません。したがって、出てきた新しいデータを見ると、推定では、死亡率は非常に低く、おそらく0.1%です。つまり、それは悲しいことではありません。正確にはわかりません。しかし、これらが真の推定値に近いと思います。そして、私たちはまた、どんな年齢の人達が亡くなっているのかが分かっています。3分の2、これはニューヨークのデータですが、死者の3分の2が70歳以上です。死者の95パーセントの人が50歳以上です。

 あなたが若くて健康であるなら、あなたが死ぬ可能性は基本的にゼロ、ほぼゼロです。死ぬ危険にさらされている最後の例は、米国ですさまじい流行がおこっているニューヨーク市を見るとわかります。今日のデータから調査した結果、基礎疾患がある方が99.2パーセントくらいだとわかりました。99.2パーセントが、何らかの基礎疾患を抱えていました。

そのことが、本当に深刻な問題なのです

マッカラム:基礎疾患の中で一番多い病気にはどんなものがありますか?

アトラス:年齢を別にすれば、基礎疾患で一番多いのは、肥満と糖尿病です。この二つが上位二位で、次に続くのが高血圧です。これらの基礎疾患のうち、どれがどれほどインパクトがあるかは明らかではありませんが、良いデータはあまりありません。

 次に、腎臓病、うっ血性心不全など他の疾患などについてです。これらは重大な基礎疾患になります。しかし、若くて、これらの疾患以外に健康上の問題がないのであれば、死亡するリスクは基本的にゼロです。基礎疾患があるから入院させるには、低すぎるリスクです。というのも、人々を死なせない、しかも病院を満杯にさせない政策が求められているからです。リスクの高い人々を保護することが、病院が患者で満杯になることを防ぐことになります。

 つまり、このことが本当に非常に重要なのです。ニューヨーク市では、18歳未満のうち、入院しているのは全体の0.6%です。60歳以上になると、全体の3分の2になります。そうなんです、この年代が、非常に重要なターゲットなのです。すべてを隔離するのではなく、この年代の人々を保護する必要があるのです。

マッカラム:最後に、もう一つだけお願いします。この流行が、国中に広まらないとお考えのようですが、あなたは、ニューヨークが流行の中心だと話していらっしゃいます。まだ流行していない地域に流行を広めないためにはどうすべきだとお考えですか?

アトラス:まず、私たちは手洗いや隔離など、感染防止法をわかっているのに、ニューヨーク市はある理由のせいで崩壊してしまいました。その理由とは、アメリカには、1月だけで35万人が入国しましたが、その中で一番多かったのは、中国からニューヨーク市に来た入国者でした。ニューヨーク市と国内の他の地域との間には大きな違いがあり、同様に論じるのは、正しくはありません。

関連記事

米国はこれまでどのように細菌兵器を開発、製造、使用してきたか(2) 原題:細菌兵器の地政学的配備

<記事原文>The Geopolitical Deployment of Biological Weapons
By Larry Romanoff
Global Reaserch, February 10, 2020
https://www.globalresearch.ca/the-geopolitical-deployment-of-biological-weapons/5703005

現在、グローバルリサーチの原文はみつかりません。もとの英文をご覧になりたい方は、以下を参照してください。

https://nationandstate.com/2020/02/16/the-geopolitics-of-biological-weapons-part-2-efficiency-deployment/

<記事翻訳 山田昇司・寺島美紀子>


 
 通常戦と同様に、軍事基地、攻撃兵器および運搬システムを潜在的な敵にできるだけ物理的に近い場所に配置することによって、細菌戦の開始がかなり容易になることは明らかである。これが、米国がおよそ1,000カ所も米軍基地を海外に設置している理由のひとつである。そうして米軍は世界のどこでも30分以内に敵を攻撃できる能力を確保している。同様の戦略が細菌戦にも適用されることは明らかである。ただ、米軍はこれらの研究所の多くを外国では「健康・安全保障インフラ」と婉曲的に定義している。

 これらの外国の細菌施設の多くが「極秘(最高機密)」として分類されていることを知るのは恐ろしいことである。それらが建設されている国の地方自治体でさえ、知識や管理の範囲を超えているからである。また、エボラ出血熱の発生はすべて、アフリカにあるこれらの有名な(極秘の)米国細菌兵器研究所のすぐ近くで発生したことを知ると恐ろしい。

 数年前、米国の科学者が、1918年に約5000万人の死者を出したスペイン風邪ウイルスを再現したときには大きな恐怖が走った。彼らはこれに成功するまでに9年間を費やし、今では大量のこのウイルスがジョージア州アトランタにある高セキュリティの政府研究施設に保管されている。最近では、科学者たちは致死性の高いH5N1鳥インフルエンザウイルスの変異型超株を作り出した。このウイルスは人に直接感染し、少なくとも50%の死亡率があった。パンデミックになれば数億人が死亡する可能性があるので2005年には世界中に恐怖が広がった。

 2013年半、世界で最も著名な科学者50人以上が、ロッテルダムのエラスムス医療センターのロン・フーシェ博士らの研究を厳しく批判した。彼らが人間にとってはるかに危険なH5N1鳥インフルエンザウイルスの変異品種を開発してきたからだ。科学者たちは、この研究はウイルスが人間の間で完全に伝染するように設計されており、明らかに民間と軍事の両方の機能を持っていると批判した。この遺伝子操作されたインフルエンザは世界人口の半数を死亡させることもできる。意図的に死亡させるのだ。米軍はこの研究に4億ドル以上の資金を提供していた。


朝鮮戦争

 朝鮮戦争の間、そして戦後、中国は、米軍が中国と北朝鮮の両方に対して細菌兵器を使用しているというかなりの数の証拠を提出した。25人以上の米兵捕虜が中国の主張を支持し、中国北東部全域と北朝鮮のほぼ全域に、炭疽菌、黄熱病を媒介する蚊やノミなどの昆虫、さらにはコレラ菌を染みこませた宣伝ビラまでばらまかれていたということを、非常に詳細に裏づける証拠を提供した。米政府は直ちに、これらの違法行為を内部告発した兵士たちを反政府的煽動行為の罪で起訴して黙らせるように大きな圧力をかけ、彼らの弁護士たちには罪名を示さずに報復すると脅すことすらした。捕虜となった元兵士たちを黙らせるようとする必死の試みとして、米軍は最後にはCIAに頼んで、最近発見された「メトラゾール」という危険な薬を使った長期治療を彼らに施し、朝鮮での活動の記憶を完全に消し去ろうとした。兵士たちがその過程で精神を破壊されたことは明白だ。

 
 Grobal Researchは2015年9月7日、デイビット・スワンソンによる記事を発表した。この記事は、北朝鮮に腺ペストを氾濫させようとした米国の試みについて、いくつかの詳細な情報を提供した。この記事は次のような文で始まる。「これは約63年前に起きたことだが、米国政府は嘘をつくのを止めていないし、一般的には米国外でしか知られていないので、私はこれをニュースとして扱うつもりだ」と。

 すべての点で正しい。カーティス・ルメイが北朝鮮のほぼすべての家を爆撃して北朝鮮の民間人全員を絶滅させようと真剣に取り組んだだけではなく、米国人が北朝鮮と中国の両方に炭疽菌やコレラ、脳炎、腺ペストを媒介する昆虫や物体を投下したことを示す、議論の余地のない証拠がある。その数は膨大で、今なお新たなものが出てきている。(26)

 それから2012年9月10日のことだが、ロサンゼルス・タイムズ紙は、医師たちが「ハンタ菌の謎を今なお解明しようとしている」という話題を取り上げた記事を掲載した。このウイルスは致死性の高い病原体で1993年に米国で初めて確認されてから20年が経とうとしていた。(101) そのときウイルスは先住民インディアンだけを攻撃したように見えた。感染がユタ、アリゾナ、ニューメキシコ、コロラドの4州に集中していたからだ。彼らは突然、呼吸器系の問題を発症し、数時間以内に死亡することがよく起こった。彼らの大半はある日「気分がすぐれない」と訴え、次の日には死亡した。原因はよくわからず謎めいた病原体のせいではないかと思われた。ところが、「幸運な手掛かり」がテレビ画面から得られた。テレビである医師が「この症状は1950年代に韓国で米軍がウイルスを使用するのを見ていたときに起こった現象と非常に似ている」と語ったからだ。検査の結果、その原因は当時、韓国軍を襲ったハンタ菌の変種がであることが明らかになった。(27)

 そのウイルスは当時も注目を集めていた。というのも、米軍の一部が韓国で偶然それに感染し、大半の兵士が急死したからだ。当時の公開報告から消された2つの事実がある。ひとつは、このウイルスは北朝鮮人と中国人をより多く攻撃したこと、ふたつめは、このハンタ菌はアメリカ人が石井四郎軍医と彼の731部隊からから受け継いだ細菌兵器庫にあったウイルスの1つだったということである。日本はウイルス研究では米国や西側の同盟国よりも何年も先を行っており、1930年代後半までに致死性ハンタ菌を分離していた。多くの証言によると、それは日本人によって中国で使われ、その後、米国人によって中国と北朝鮮に対して使われた。この兵器化された材料の一部は貯蔵庫から漏れ出て、米国と韓国の兵士も自分自身の悪行の報いを受けたということだ。


米国の対キューバ細菌戦争

 よく知られている(米国外で)米国が行った細菌兵器プログラムのひとつは、キューバへの数十年に及ぶ大規模な攻勢である。その期間の長さは注目に値する。米軍とCIAはこの細菌攻撃を非常に頻繁に行ったので、首都ハバナには、この小国に対する長年の細菌戦争の実質的な証拠を提供する博物館があるほどだ。ジェフリ・セント・クレア氏はこれらの出来事のいくつかをある記事(2013年)で次のように述べている。:(28)

 「西半球で最初にアフリカ豚コレラの症例が記録されたのは1971年のキューバだった。50万頭以上の豚が死亡した。キューバは米国がそのウイルスを国内に持ち込んだと非難した。後にCIA工作員は、自分がパナマにいた亡命キューバ人にウイルスを届け、その亡命者がキューバに運んだことを認めた。そのニュースは公開されたが、米国のメディアはそれを無視した。1981年、フィデル・カストロはキューバでのデング熱の発生はCIAの仕業だと非難した。発熱により88人の子供を含む188人が死亡した。1988年、エドゥアルド・アロセナという亡命キューバ人指導者は、1980年にいくつかの細菌をキューバに持ち込んだことを認めた。ジャガイモ、ヤシの木や他の作物を殺す昆虫であるアザミウマが発生したこともあった。アザミウマは1996年12月12日にキューバに初めて現れ、その後は米国政府の散布飛行機が島上空を低空飛行したときに見つかった。米国は国連による事件の調査をもみ消すことができた。」

 これはキューバに対する米国の細菌攻撃のほんの一部である。1979年にワシントンポスト紙は、キューバ農業に対してCIAの細菌戦部門が行ってきた、米国の細菌戦プログラムに関する報告を発表した。その攻撃は少なくとも1962年以降ずっと行われてきた。そして1980年には、米国はロシア系民族を標的とする細菌種を発見したと考え、「ソビエトに対して使用される細菌をキューバに運ぶ」という任務を帯びた船をフロリダからキューバに出した。そして最近では、1996年と1997年に、キューバ政府は米国が非合法の「偵察飛行」中にキューバの作物に病原菌を散布するという細菌戦争を再び行ったとして非難した。また、キューバのミサイル危機のときは、米国がキューバでの使用を想定して大量の化学兵器と生物兵器を軍用機に搭載していたことも明確な報道があった。

 アメリカの細菌戦争への取り組みはキューバだけでなく、中南米では少なくとも他のいくつかの国でも開始され、何種類ものウイルス性病原体、癌、化学物質が関与している。セント・クレア氏は、先述の記事でニカラグアの首都マナグアで発生したデング熱の発生にも言及し「約5万人が重症化し、多くの人が死亡した。細菌攻撃はサンディニスタ政府に対するCIAの戦争中に実行され、感染爆発はアメリカ人がマナグアで行った一連の低空「偵察飛行」の直後に起こった」と書いている。

 米国メディアは情報漏洩がないように腐心しているのだが、それにもかかわらず、米軍がハイチをある種の「年中が解禁日」の生物学実験場としていることはいくつかの情報筋から判断して間違いない。ハイチ住民は想像できるほとんど全ての実験でその対象物にされている。さらに非難されるべきことは「ボート・ピープル」になるという間違いを犯したハイチ人への処遇である。「ボート・ピープル」とはハイチにある米国病理学研究所から逃れて小型ボートで米国に流れ着く難民である。米国政府は彼らのほとんどをモルモットや実験用ネズミの代用とするためにプエルトリコに移送する。彼らはそこで米国議会やメディアの視野から消えてしまうので、複数の報告によれば、強制収容所に入れられて母国ハイチではできないあらゆる「科学的試験」の材料とされる。最近の1980年のある事例では、この収容所にいる何百人ものハイチ人男性は米軍の医師によって未知のホルモンを繰り返し注射され、女性のような乳房を持つようになった。古い記録を見ると、ハイチ人男性が同様の実験をフロリダにある公的立入り禁止の軍事基地でも受けていることがわかる。

 キューバだけでなく、南米諸国の指導者の間でほとんど同時に癌が発生するという奇妙な事例があり、偶然にも、それぞれの場合において、米国が嫌悪し、他のいくつかの手段によって殺害されかかった国家指導者が感染するのである。例えば、ベネズエラの大統領であるフーゴ・チャベス、アルゼンチンの大統領であるクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネ、ブラジルの大統領のディルマ・ルセフ、パラグアイのフェルナンド・ルーゴ、そしてブラジルの元大統領である。これらの癌についてブラジルの元大統領ルラはインタビューでこう語っている。

 「確率の法則を適用しても、ラテン・アメリカの一部の指導者に起こっていることを説明することは非常に困難です。それは少なくとも奇妙です。いや、それどころか明らかに奇妙です。」


第二次大戦のときにあった細菌戦に関する日米の秘密取引

 1932年に日本軍が中国東北部に侵攻したとき、石井四郎軍医(当時は陸軍中将)は悪名高い細菌兵器実験を開始した。実験はハルビン近郊の地区にあった防疫給水部の施設内で行われた。これは後に「731部隊」として知られるようになる。。彼はマスタードガスなどの有毒ガスから始め、その後、航空機を使って腺ペストで汚染された綿やもみ殻を中国中部の各地に散布した。彼の部隊は日本の占領に抵抗している中国人を集め、生きたままの生体解剖を含めて残虐な医療実験を無制限に行った。ニューヨークタイムズは、ある日本人医師がそこでの体験を語った一例を報告している。

 「私は胸から腹まで切開しました。彼はものすごい叫び声をあげて、苦しそうに顔を歪めていました。彼は想像も絶するような大声を立てて、とても恐ろしく叫んでいました。しかし、ついに彼の息は止まった。これが私たち外科医の日課でした。こんな経験は初めてだったので、本当に印象に残っています。(29)

 石井と彼の部下は、最初は炭疽菌、コレラ菌、腸チフス菌、破傷風菌、赤痢菌、梅毒菌、腺ペスト菌などの病原体を患者に感染させ、次に、その患者がまだ生きているうちに解剖・分析し、最後には死体を火葬した。米軍医総監部の推定によると、このようにして58万人の中国人が殺害された。日本で最も優秀な医師たちによる残虐行為であった。(30)

 戦争が終わって、日本の敗戦が明らかになり、中国からの退避が必要となったとき、石井は拘留されていた中国人全員の殺害とその遺体の焼却を命じた。それから人体実験の痕跡をすべて隠すために731施設全体を爆薬で破壊した。当時の在日連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥は、石井と731部隊の全幹部と密約を結び、米軍の研究のために細菌戦や生体解剖に関するすべての記録を米軍に譲渡させ、その見返りに、彼らの行為が存在したことを示す全ての証拠を完全に隠蔽し、彼らが戦争犯罪の訴追を免れることを約束した。(31)

 石井は1万ページを超える「研究成果」を一挙に米軍に渡し、その後、米国は日本の歴史書を書き直した。日本人による中国での大量虐殺が、日本だけでなく世界でも知られていないのはそのためだ。米軍はそうやって歴史を改ざんし、一方で化学・生物兵器や人体実験の方法に関する専門知識と手法をたくさん手に入れた。それは後に、朝鮮やベトナム、さらには中南米、それどころか米国民にも広く適用されることになった。

 1947年5月6日、マッカーサーはワシントンに次のように書き送った。「追加のデータ、石井からのいくつかの証言は、情報が諜報チャンネルで保持されて「戦争犯罪」の証拠として使用されることはないと関係する日本人に知らせることでおそらく得られるであろう」。731部隊ではロシア人に対しても同じことを行っていたので、生物学的犯罪でソ連軍に逮捕され、1949年のハバロフスク戦争犯罪裁判にかけられた日本人もいたが、米国は自分たちの活動を隠蔽するために、日本人生存者の証言とロシアの戦争犯罪裁判のすべてを「共産主義者のプロパガンダ」として却下した。(32)(33)

 米国政府と軍は、石井と彼の部下を起訴から完全に免責しただけでなく、彼ら全員を米国に連れて行き、米国の軍事基地に密かに駐留させ米軍からの給与を与えていた。石井は長年にわたりフォートデトリックにある米軍の細菌兵器学校で何度も客員講師を務め、数十年後にはメリーランド大学で生物学研究の教授および監督者として高収入のポストを与えられた。米軍は、1995年になってようやく、細菌戦争と人体実験に関する研究と引き換えに、これらの日本の医師や医学者に免責特権、秘密の身分、高給の仕事を提供したことを認めた。またこれらの人々は米国政府の「秘密プロジェクト」への協力を求められて、米軍だけでなく、CDC、米国国務省、軍事情報機関、CIA、および米国農業省にも採用された。

終章

 細菌戦争の実験のごく初期から、米国の政治家や軍事指導者、CIAの幹部は癌に罹患させる方法を開発することに興味があることを隠そうとはしなかった。彼らはそれを自分たちが気に入らない他国の国家指導者を殺害する方法のひとつとして考えていたからだ。だからこの方法を全くあり得ないこととして否定することはできない。他の国々の約150人の政治指導者を暗殺したという米国の記録もこの主張の正しさを証明するだろう。

 「細菌兵器の魅力は、非常に効率的な大量殺戮が可能なだけでなく、銃撃戦争と比較してかなり費用対効果が高いことだ。同様に、遺伝子兵器はウイルスに感染した昆虫やバクテリアを使ったり、GM種子に組み入れたりと、さまざまな方法で分散させることができる。これらの兵器は検出および特定が困難であり、治療法やワクチンの開発には何年もかかることが多い。」

 製薬業界の内部告発者として著名なレナード・ホロウィッツ博士は、ある専門家の話を引用して、細菌兵器攻撃は計画されていると述べている。

 「自然発生のように見せるために、精妙な手際のよさでやるわけです。そうすると、相手国は対応が遅れ、意思決定もできない思考停止の状態に追い込まれます。細菌兵器テロの疑いがあっても、それを証明するのは困難です。反証するのも同様に難しい。物理的な武器の移動経路は追跡することができますが、昆虫に由来するウイルスの起源を追跡することはほとんど不可能です。」

 別の著者は、感染性細菌の放出が適切な手順で行われたときは、診断と治療は難しくなるだろうと指摘し、さらにこの種の細菌戦争はその起源を辿ることができず、「神の行為」と見なされる可能性があると述べている。

 最近発生した多くの病気は、細菌兵器が使われた可能性があると考えられている。エイズ、SARS、MERS、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、ハンタウイルス、ライム病、西ナイルウイルス、エボラ出血熱、ポリオ(シリア)、口蹄疫、湾岸戦争症候群、ジカ熱などがそれである。

 西側のマスメディアはこれらすべてを無視し、歴史のこの部分全体を検閲で削除した。その情報はインターネット上でも削り取られ、GoogleとBingで真実を見つけることはもはやできない。繰り返しになるが、言論の自由は誰がマイクを握っているかに完全に依存している。

Notes

(26) https://www.globalresearch.ca/u-s-drops-fleas-with-bubonic-plague-on-north-korea/5474089
(27) https://www.latimes.com/archives/la-xpm-2012-sep-10-la-me-hantavirus-mystery-20120911-story.html
(28) https://www.counterpunch.org/2013/09/03/germ-war-the-us-record-2/
(29) https://www.nytimes.com/1995/03/18/opinion/the-crimes-of-unit-731.html
(30) https://www.cs.amedd.army.mil/borden/Portlet.aspx?ID=66cffe45-c1b8-4453-91e0-9275007fd157
(31)https://ahrp.org/conspiracy-of-denial-complicity-of-u-s-government-in-japans-fabricated-history-decades-of-willful-national-amnesia/
(32) https://medium.com/@jeff_kaye/department-of-justice-official-releases-letter-admitting-u-s-amnesty-of-unit-731-war-criminals-9b7da41d8982
(33)
https://www.latimes.com/archives/la-xpm-1988-12-18-me-1014-story.html
関連記事

米国はこれまでどのように細菌兵器を開発、製造、使用してきたか(1)原題:生物兵器:時宜を得た役立つ事実の概要

<記事原文>
Biological Weapons : A Useful and Timely Factual Overview
By Larry Romanoff
Global Reaserch, February 07, 2020
<記事翻訳 山田昇司 寺島美紀子>
2020年5月7日


 米国政府とその多くの機関、教育・保健機関は、何十年にもわたって細菌戦に関する集中的な研究をおこなってきたが、多くの場合、人種に標的を絞った病原菌に強く焦点を当ててきた。
  
 米国議会への報告の中で、国防総省は、人工的に細菌兵器をつくるプログラムには、致死性のないウイルスを改造して致死性のものにすることや、治療やワクチン接種ができないように細菌兵器の免疫を変更する遺伝子工学が含まれていることを明らかにした。その報告はまた、国防総省が当時、数十の米国の大学を含むおよそ130の細菌兵器研究施設を運営していたこと、また国外には、米国議会や裁判所の管轄外にある施設が多数あることも認めている。

 このことは長いあいだ秘密ではなかった。国防総省の細菌戦委員会による1948年の機密報告書では主な利点は次のように述べられていた。

 「銃や爆弾であれば意図的な攻撃がおこなわれたことをだれも疑わない。しかし...伝染病が混雑した都市全体を襲った場合は、そこで細菌戦が仕掛けられているのかどうかを、況んやだれが細菌戦を仕掛けているのかを知る術は全くない。」うまく行けば、ほんの少量の病原菌で「標的とした対象地域内の人口のかなりの部分が殺されたり、無力化されたりする可能性がある」とも述べている。(1)(2)

 1956年の米陸軍の操作マニュアルには、生物化学戦争は米軍戦略の不可欠な運用部分であり、いかなる方法でも制限されておらず、議会はその使用に関して軍に「先制攻撃」権限を与えていたと明確に述べられている。1959年、議会は、軍が有したこの先制攻撃権限を削除しようしたが、ホワイトハウスによって拒まれた。その後、生物化学兵器への支出は7500万ドルから3億5,000万ドルにまで増加した。これは1960年代初頭においては莫大な金額であった。(3)

 
 
 米国防長官ロバート・マクナマラ(上の画像)は1960年代に150個の極秘細菌兵器プログラムを実行した。細菌兵器の実験が実施され、住民には何も知らせずに実地試験があった。試験は外国で行われることもあったが、大半はアメリカ市民に対して行われた。マクナマラ米国防長官は統合参謀本部に対して、この細菌兵器を敵国に対して「可能な限りすべてに適用する」ことを、総合的な「生化学的兵器の抑止力」に関する一貫した計画において検討することを命じた。その計画にはコストの見積もりや「国際的な政治的影響評価」も含まれていた。(4)(5)

 2000年にはアメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)(6)(7)が「米国防衛の再建」と題した報告書を作成した。そこには国益のためには過激で好戦的な右翼的政策をとるという野望が書き込まれていた。新世紀プロジェクトの報告書は、それ自体を「世界的における米国の覇権を維持し、米国の原則と利益に沿った国際安全保障秩序を形成するための青写真」と呼んだ。報告書の執筆者は彼らの大量虐殺の考え方をあからさまに述べられている:

 特定人種の遺伝子を「標的にする」ことができる細菌戦の高度の形態は、細菌戦を政治的に有用なツールに変えるかもしれない。


細菌兵器研究機関



 メリーランド州フォートデトリックにある米陸軍感染症医学研究所は、細菌戦争に関する研究をおこなう軍の主要施設である。広さは8万㎡である。1980年代半ばまでに、フォートデトリックのこの細菌兵器部門には年間1億ドル近くの資金が投入されていたが、これはたくさんの部門の1つにすぎない。

 日本が中国を侵略していたとき、石井四郎軍医(731部隊)の大成功の1つは、ペストやその他の致死性病原体に感染したノミやマダニを大量生産し、民間人に散布する方法を開発したことだった。米軍はそこから昆虫を武器化する方法を学んだ。そしてライム病に感染したマダニを繁殖させて秘密のプラムアイランド細菌実験所(ニューヨーク州)から拡散した。またこれは、コレラや黄熱病に感染した蚊とノミを繁殖させて中国と北朝鮮に散布した米国のプログラムの源でもあり、米国が自国民に与えた蚊プログラムももちろんそうだ。

 この石井四郎の人体実験研究を基礎にして、米軍は昆虫学戦争施設を造り、最初は、昆虫による細菌兵器でロシアとソ連を攻撃する計画を準備していた。この施設は黄熱病に感染した蚊を1か月に1億個の生産できるように設計され、その生産物は米国の大部分の地域で誰も知らぬ間に散布された。米軍ではよくあることだが、1950年代と1960年代に始まるこれらのプロジェクトには「プロジェクトBig Buzz」や「プロジェクトBig Itch」や「Mayday作戦」のような子供じみた称号が与えられた。(8)(9)(10)しかし、実際は、数十億匹の昆虫を生産して致死性の病原体に感染させ、次にそれらを軍需品に装填して航空機またはミサイルでロシアに散布する計画の実現可能性を知るための予備実験だった。

 1981年3月の米国陸軍の報告で、執筆者の1人は「黄熱病に感染した蚊を都市に攻撃するのにどれだけ多くの(またはどれほど少ない)費用がかかるかを知れば驚くだろう。"死の費用対効果" という便利なチャートもある!」と書いている。1968年にユタ州の米軍実験施設ダグウェイの近くで起こった羊の大量死事件いわゆる、「ダグウェイ羊事件」もまた注目に値する。(11)

 1956年には米軍化学部隊が「Drop Kick作戦」(12)を行った。これは広大な地域に感染した昆虫を散布する様々な方法をテストするために立案された。東海岸のほとんどを含む米国本土のさまざまな地域で実行された。1960年代の「プロジェクトSHAD」では細菌戦に対して米軍艦がどう対応するかが検討された。その後、2000年には「プロジェクトBacchus」があった。これは炭疽菌の生産施設を外国で気づかれないように建設することができるかどうかを判断するための企画だった。もちろん同様の企画は他にもあったが、どれもこれもふざけた命名で、全て感染した昆虫や他の致命的な病原体を民間人へ散布することを検討するために設計されものであった。それらは極秘扱いだった。なぜなら、その企画は国内法に違反しており、国際法および他の国々が米国と誠実に署名した多くの兵器条約にも違反していたからだ。

 米軍にはフォートデトリックの他にも、インディアナ州ビーゴに細菌兵器工場がある。これは病原菌に特化した大規模な生産施設で1ヶ月に27万5000個のボツリヌス菌爆弾や100万個の炭疽菌爆弾が生産できた。ビーゴ工場の発酵タンクには25万ガロン(約100万リットル)は貯蔵されており、報告によれば、これは世界で飛び抜けて大きい細菌大量生産施設であった。

 この工場は最近、大きくなったのではない。ビーゴ工場は第二次世界大戦中にすでにフル操業している炭疽菌工場だった。最初の注文の1つは、1944年のウィンストン・チャーチルから発注された50万個の炭疽菌爆弾だったが、彼はこの注文を「これは第一弾の発注だ」と述べた。ビーゴ工場は、最終的には「抗生物質の製造」のために製薬会社ファイザーに引き渡され、1950年代半ばにパインブラフ兵器工場の新しい最先端の設備に取って代わられた。(13)(14)(15)

 デイリー・ニューズ紙は2005年9月24日、米陸軍が炭疽菌の大量購入を計画していることを詳述した記事を掲載した。この記事は、細菌兵器戦争の禁止、とくに軍事的乱用の防止を目的とする国際NGO「サンシャイン・プロジェクト」の責任者であるエドワード・ハモンド氏が発見した一連の契約書に関するものであり、その文書はユタ州にある米軍ダグウェイ実験施設から漏洩したものだった。その契約書は、炭疽菌の大量生産や他の細菌物質の「相当量」の生産について、様々な企業に入札を求めていた。ある契約書では、入札企業は「1,500リットルの量で(炭疽菌を)成長させる能力と意志を持たなくてはならない」、および不特定の他の細菌剤を「3,000リットル単位で生産できなければならない」と明記していた。(16)(17)

 ある国の軍隊が致死性の病原体を何百万リットルの量で生産しているなら、自国が細菌戦には従事していないと偽るのはもう止めたほうがいい。軍がこれらを「無害な」病原菌だと主張したところで何の慰めにもならない。なぜなら、(1)致死性のそれほど高くない病原菌を生産することができる施設であれば、どこでも容易に致死性のものを生産することができ、(2)「無害な」炭疽菌など存在しないからである。

 「防衛的な」生物戦プログラムと「攻撃的な」細菌兵器プログラムとの間には実質的な違いはない。何百万リットルもの炭疽菌が製造されているときに、それが正当防衛であると主張することは、たとえ愚か者であってもできないだろう。米政府説明責任局でさえ、これらのプログラムに関する1994年の報告書の中で、米軍細菌戦防衛プログラムは「多数の部門、部局、研究班、細菌情報班などを含んでいるが、それらはいかなる意味においても "防衛"とは無関係で、本質的に戦闘的で攻撃的な軍事プログラムであった」と述べている。3,000ℓも入る複数の壺で炭疽菌や他の「病原菌」の生産契約入札をしている人たちがいるにもかかわらず、米国民は「自国は細菌兵器を使ったことがない」と確信させられている。米国では人を騙すプロパガンダに満ちあふれている。公式の軍事医学教科書であってもその例外ではない。

 フォートデトリックのほかにも、米軍が細菌兵器の開発のためだけに建設した実験場や施設があり、その中には、細菌兵器の初期の実験場として造られたミシシッピー州ホーン島実験場や、米軍がそこから地域住民の半数にライム病を流失させたニューヨーク州プラム島細菌研究所がある。

 このプラム島の施設の一部は敵国の食糧供給を破壊する可能性のある致死性の病原体の開発と試験のためだけに設計されていた。米国が北朝鮮で試みた細菌戦で用いたのはこの方法だ。口蹄疫の致命的な菌株もこの研究の成果の1つである。米国人は後にこの成果を英国ポートン・ダウンにいた仲間の変質者と共有し有効活用した。さらに、「野菜破壊酸」と呼ばれるものを含む爆弾の開発・試験・製造も行われた。これは穀類や穀物、ほとんどの栽培作物を破壊することができる爆弾だった。最近の鳥インフルエンザや豚インフルエンザの流行の多くは、プラム島で開発された病原体に起因するものではないかと、私は強く疑っている。

 米軍医総監が発行した『細菌戦の医学的側面』(2007)という教科書には「アーカンソー州パインブラフに大規模な生産機関を設立した」ことが書かれており、そこには「最新の実験室...微生物の大規模発酵・濃縮・貯蔵・兵器化を可能にする方法」を特徴とする新しい施設が備わっている。

 その教科書は、また、1951年までに米国が初めて細菌兵器、対農作物爆弾、「対人」兵器を製造し、これらすべてを「兵器化・備蓄」したことも認めている。さらに、CIAが「秘密工作のためにコブラ毒とサキシトキシンを含む毒素を使って」独自に「兵器を開発した」という記述もある。ただ、情報公開されたときに、残念ながら「それらの開発と配置に関するすべての記録は1972年に破棄された」と述べている。(18)

 また米軍は性病の兵器化も試み、「グアテマラ梅毒プロジェクト」のような茶番劇を引き起こした。そのとき何千人もの人が梅毒に感染して死亡した。米軍の公式発表は、その犯罪性を認めながらも、薬をテストするという慈善目的だったという話に強くこだわっている。命を救ったはずの薬(ペニシリン)を意図的に与えられなかった何千人もの人々に対してどうしてそんなことが言えるのだろうか。(19)

 米軍は、民衆を殺害する細菌を見つけることにだけ必死になっているようではなさそうだ。彼らは国家の食料供給を破壊する方法にも等しく関心を持っている。敵国の食用植物の全体を破壊する方法を試すために、作物や植物を壊滅させる物質を放出したことが他に(少なくとも)数十回はあったと告白している。2012年、日本のメディアは、米軍が、1960年代と1970年代初頭にかけて沖縄と台湾で、作物を殺す特定DNAを持つ細菌兵器を実験したこと、また米国本土内でもこれらの兵器のいくつかを試したことを暴露した。それはベトナムでも使われた。エージェントオレンジは、言われていたような枯葉剤としてでは決してなく、ベトナムの稲作全体を破壊し、土壌を十分に汚染して再び作物が成長できないように開発されたものであった。


Notes

(1) www.nasonline.org/about-nas/history/archives/collections/cbw-1941-1948.html
(2) https://www.baltimoresun.com/news/bs-xpm-2004-08-01-0408010004-story.html
(3)https://usacac.army.mil/sites/default/files/misc/doctrine/CDG/cdg_resources/manuals/fm/fm27_10.pdf
(4)http://archive.vva.org/archive/TheVeteran/2006_03/featureSHAD.htm
(5)https://rielpolitik.com/2016/08/07/cover-up-project-shad-deception-in-open-waters
(6) https://www.loc.gov/item/lcwa00010308
(7)https://www.sourcewatch.org/index.php/Project_for_the_New_American_Century
(8)https://blackthen.com/operation-big-itch-operation-drop-kick-fleas-infected-mosquitoes-dropped-black-towns/
(9) https://military.wikia.org/wiki/Operation_Big_Itch
(10)http://self.gutenberg.org/articles/operation_may_day
(11)https://military.wikia.org/wiki/Dugway_sheep_incident(This article has many useful references)
(12)https://military.wikia.org/wiki/Operation_Drop_Kick
(13)https://www.thenation.com/article/bioterrorism-hits-home/
(14)https://libcom.org/files/Churchill%20and%20Poison%20Gas.pdf
(15)https://forum.axishistory.com/viewtopic.php?t=232989
(16)https://www.newscientist.com/article/dn8044-us-army-plans-to-bulk-buy-anthrax/
(17)https://www.newscientist.com/article/mg18725184-800-us-army-plans-to-bulk-buy-anthrax/
(18) Medical Aspects of Biological Warfare; https://repository.netecweb.org/items/show/325
(19)https://www.cbsnews.com/news/guatemala-syphilis-experiments-in-1940s-called-chillingly-egregious/
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Covid-19のパンデミックは、アメリカの壊れた健康管理体制の巨大な欠陥をあぶりだしている。

<記事原文 寺島先生推薦>

The Covid-19 pandemic exposes deep flaws in America’s broken healthcare system

RT OPーed 20204月26日

マーガレット・フラワーズ

マーガレット・フラワーズはポピュラー・レジスタンスの共同ディレクターであり、国民健康プログラムの医師会のアドバイザーをつとめている。彼女の研究成果はアルジャジーラ、ヘルス・オーバー・プロフィット、ツルース・ディグなどに掲載されている。

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 コロナウイルスの危機は、なぜ今が、利益のためだけに存在するシステムを国民の健康を第一に考えたものに置き換える時か、その理由を明らかにしている。

 Covid-19の症例数と死亡数に関して言えば、米国は他の国と比較しても大きく劣っている。米国は世界人口の5%を占めているが、世界のCovid-19の感染者数の32%と死亡者数の25%を占めている。対照的に、新型コロナウイルスが発生した中国では、人口がアメリカの4倍であるにも関わらず、その感染者数と死亡者数はその10分の1となっている。

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 悲惨なシナリオが米国全体で進行している。特にニューヨーク市では、死者を収容するために多数の冷蔵トラックが持ち込まれ、毎日何百人もの人々が治療を受けずに家で死亡している。遺体安置所はいっぱいで、合同墓地で遺体が保管されている。医療専門家は基本的な個人用保護具(PPE)、人工呼吸器、および透析機器を欠いている。

 そこで医療に従事しているマイク・パパス医師は、彼や他の医療専門家が直面している困難について述べている PPEの不足は、医師や看護師がマスクとガウンを再利用し、それらなしで作業していることを意味している。彼らは自分自身と患者が感染するのを防ぐためにゴミ袋を着ている。パパス博士はインタビューで、スタッフが不足していること、ベッドスペースを確保するために廊下やカフェテリアを空けなければならないこと、さらに人工呼吸器を購入することを病院の管理者が嫌がること、これらのストレスについて話した。

 アメリカの人々が、蔓延するパンデミックと崩壊する経済の双子の危機に頭を寄せ合っている時、トランプ政権が感染拡大の封じ込めに失敗し、財政的支援を提供するために迅速かつ効果的な行動を取らなかったことを非難するのは簡単です。しかし、実際には、危機のルーツはトランプ政権になる前から存在した。米国はどんな大統領の下でもパンデミックにはうまく対応できなかったであろう。

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そのルーツとは愚かなシステムである。

 現在の災害の大部分は、米国の医療制度が必要とするものの対極にある。それは細分化され、差別的であり、企業の利益のために設計されており、公衆の幸福のためのもではない。パンデミックが起こる前でさえ、米国は他の裕福な国と比較して防げる死者の数が最も多く、平均余命は短くなっていた。

  このシステムのほぼすべての面において、他の先進国の2倍の費用がかかるが、それは、健康状態に問題のある加入者を避け、健康に申し分のない加入者を奪い合う何百という民間医療保険会社や、市場が耐えうる限りの料金を課す製薬企業が利益を引き出すように設計されているからである。病院でさえ、心臓外科や整形外科のようなより利益があがる領域のためのスペースを作るために、産科や小児科のような重要な部門を閉鎖している。

米国の破産の3分の2は医療費が原因

  現在、健康保険に加入していない人は3000万人以上存在する。過去5週間で、2600万人以上が初めて失業手当を申請し、500万人が健康保険を失った。無保険者の数は6月までに1300万人以上増加すると予想されている。その上、保険給付を受ける前に数千ドルの自己負担費用を支払う必要があるため、健康保険に加入している何千万人もの人々はその治療を受ける余裕がない。

  健康保険に加入していても、治療を求めても、行くところがない場合もある。過去45年間で、米国の人口が1億人以上増加した一方、病院のベッド数は約60万床減少した。病院は、ドアを開けておくのに十分な収益を上げることができなかったため、地方では病院が閉鎖された。現存する1,844のうち453の地方病院は、閉鎖の瀬戸際にたっている。都市では、貧しい地域社会に100年以上奉仕してきた病院が、高級住宅やそこでの商業施設をつくるために閉鎖されつつある。

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20200506201350745.jpg
Covid-19 hasn’t killed American activism – it’s radicalized it

 Covid-19によって明らかになったもう1つの欠陥は、商品や機器の供給体制である。2月と3月上旬、ウイルスの症状がある患者が病院に来たとき、米国は世界保健機関から検査キットを購入するのではなく独自の検査キットを作成することを選択したため、診断のための検査を受けたものはわずかしかいなかった。防護服の深刻な不足があった。供給元が価格を1,000パーセントも引き上げている
時、各州が基本的なキットを互いに奪い合っている。

 この状況により、全国的な改善された国民皆保険制度の必要性がさらに高まった。米国がすでに国民皆保険制度を持っていたなら、現在経験している問題の多くは存在しなかったであろう。下院の法案で出されている国民皆保険制度の下では、米国内のすべての人が出生から死亡まで、治療が行われる前の支払いを必要としないことが保証されている。

 これはアメリカ人が財政破綻を経験するという本当の恐怖を和らげるであろう。たとえば、3月に、ある看護師はCovid-19の症状の治療と検査を求め、病院に入院しなかったにもかかわらず、医療費によるものである。

人を利益より優先する

 より社会化されたアプローチのためのもっと基本的なやり方がある。それがよりよく機能している。パンデミックの間もうまく機能している世界の健康管理体制を見ると、国民をあまねく保護し、組織だった計画、そして利益よりも健康が優先されるという原則が重要な特徴である。経済制裁に苦しんでいる国でさえ、米国よりも感染の拡大を抑えるためにより良い仕事をしている。

 改善された国民皆保険制度の下では、病院はより収益性の高い部門を優先して高収入を生み出さない部門を閉鎖したりすることはない。すべての病院と医療施設は、運営費や資本金を受け取る。投資会社が病院を買収し、病院を破産させ、立ち往生させていた時代は終わるだろう。

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韓国は、Covid-19との「勝利」の後、観光客を歓迎する準備


 もう1つ重要なことは、連邦政府が医薬品や医療用品をまとめて購入してコストを削減し、各州が必要なものを確保できるようにすることである。そうすれば、入札戦争や価格のつり上げは存在しなくなる。

 米国は、このパンデミックにおいて、covid-19の症例数と死亡数では埒外にあり、専門家は、インフルエンザのシーズンが始まると、次の冬はさらに悪化すると予測している。しかし、米国は長い間、医療に最も多くを費やすことから全く遅れたままであった。そしてその結果として健康上の結果が良くない状況が続いてきた。世界中で、中国、韓国、キューバ、ベネズエラなどのパンデミックをうまく処理した国は、組織だった計画、国民へのあまねく適応、公衆衛生への焦点など、医療システムの機能を共通の特徴としている。

 アメリカが最終的に同様のシステムを採用するかどうかは、それを要求するために人々がどのように行動するかによるが、今ほどその要求をするのにより適切な時はなかったことは確かである。

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米国はこれまでどのように細菌兵器を開発、製造、使用してきたか(3) 原題:遺伝子組み換え種子:兵器として考案されたもの

<記事原文>
Genetically Modified Seeds: Conceived as a Weapon
Larry Romanoff
Global Reaserch, February 11, 2020

<記事翻訳 山田昇司・寺島美紀子>



 遺伝子組み換えの種子と食品は、すべての国にとって大きなリスクをはらんでおり、多くの理由から全面禁止することがおそらく不可欠であろう。この問題をここで議論するにはあまりに大きすぎるが、ある側面には少し注意しておくとよい。遺伝子組み換え種子の起源や考案、開発の経緯、研究者、資金提供者などについて質問した場合、私たちはどう答えるだろうか。その着想はおそらくある大学の生物学や農学部に由来するのではないかとか、食料供給の研究をしている政府の研究所がこの考えを思いついて追求してるのではないか、などと答えるのが自然だろう。あるいは、農業分野の民間企業がより生産性の高い穀物の品種を探していてこの方法を見つけたと思うかもしれない。

 私たちの推測はだいたいそういったものだろうが、どれも間違っている。遺伝子組み換え種子(GM種子)は米国国防省、すなわち米国戦争省によって着想され、宣伝され、研究され、資金提供されたものだ。飢えた人々に食料を与えるためではなく、兵器として、より正確には「兵器配送システム」として考案、開発されたものである。それは人間の生命を維持するためではなく、それを抹殺することを意図したものなのだ。

 GM種子は、伝統的な種子よりも生産性がなく、健康的でもなく、はるかに高価で破壊的である。したがって、いったんそれに依存してしまうと、供給される国はどこも、ほとんど抵抗できないほどの軍事的優位性を供給する国へ与えてしまうことになる。例えば、米国はそれを政治的な武器として使うことができる。自分の気にくわない国への種子の供給を断てば、その国は広範な飢餓と混乱に陥ることになるだろう。またこんな邪悪な使い方もある。遺伝子組み込みの技術を悪用して、さまざまな種子に作物とは無関係のDNAを挿入するのだ。そういった実験をしている研究グループがたくさんある。

 カナダの事例を紹介しよう。北極海に住む魚には血液中に「凍結防止の」遺伝子があり、それゆえ氷点下でも生存できることを政府機関が発見した。(20) そこで科学者たちはこの遺伝子をカナダの小麦作物に挿入し、小麦がダメージを受けることなく凍結温度に耐えられるようにしたのだ。モンサント社はこの遺伝子をトマトに押し込んで、最初の遺伝子組み換えトマトを作った。(21) 一方で、米国の研究所はホタルの遺伝子をタバコに挿入し、暗闇で光るタバコ畑を作ることに成功している。(22)

 これらの例はいちおうは無害だが、他の例は無害どころではない。米国防総省は、天然痘、鳥・豚インフルエンザウイルス、コロナウイルス、ペスト、エイズなどの遺伝子をGM種子に組み込む研究へ巨額の資金を投じている。軍事兵器としてこのような科学技術はとても貴重である。モンサント社やカーギル社が天然痘ウイルスやH5N1ウイルス、コロナウイルスを含む米やトウモロコシ、大豆を販売できるのに、どうして銃撃戦を始める必要があろうか? その種子から収穫物ができ供給されれば、数週間以内に一度も発砲することなく人口の50%以上を絶滅させることができるのだ。

 これがまさに、GM種子がアメリカ人によって着想、開発された理由である。それは戦争の武器であり、ある国の全人口に致命的なウイルスや他の病気を送り届けるために設計され、意図されたものだ。侵略者には何の危険もなく、文字どおり敵を根絶できる。多くの科学者や米軍の文書では、軍事的支配を追求する上で、GM種子は爆弾よりもはるかに安価で、はるかに効果的であると述べられている。これは私は別のところで論じた軍事関連の文書で指摘したことだが、核兵器、通常兵器、生物兵器を「1人殺すのにかかる費用」で見てみると、後者は前者よりも桁違いに低い。

 2001年、サンディエゴにある米エピサイト社生物実験室の科学者たちは、遺伝子組み換え避妊用トウモロコシを作り出した。精子を攻撃するまれな種類のヒト抗体の発見だった。研究者たちは、これらの抗体の生産を制御する遺伝子を単離し、それをトウモロコシの植物に挿入して避妊薬を生産する園芸工場を作った。(23)(24) この画期的成果に関する議論は2001年のエピサイト社の記者発表の直後にすべて消えた。同社がバイオレックス社に買収されたからだ。精子殺傷トウモロコシの開発についてはこれ以上の報道はなかった。なお、エピサイト社、デュポン社、シンジェンタ社(3社はスバールバルド世界種子貯蔵庫のスポンサー)はこの技術を共有し使用するための共同企業体を持っていた。非政府組織ETCグループのシルビア・リベイロは、メキシコの日刊紙「ラ・ホルナダ」のコラムで、「細菌兵器としての精子殺傷トウモロコシの可能性は非常に高いと警告し、先住民族に対する強制的な不妊手術の使用を思い起こさせた。


世界終末の日に備えたスバールバルド種子保管庫

 ノルウェーにはスバールバルドという名の島がある。岩だらけの不毛の地だが、そこに巨大な種子貯蔵庫のあることが最近あきらかとなった。この貯蔵庫は北極近くの遠隔地にあり、事実上アクセスできないのだが、それには重大な懸念があるとして注目を集めている。記者発表によると、この種子貯蔵庫には、人感センサー付きの二重の防爆ドア、二重の気密構造、厚さ1メートルの鉄筋コンクリート壁が備えられている。貯蔵庫に常勤のスタッフはいないが、地理的にアクセスができないため外部からの進入を監視することは容易である。その設立目的は、作物の多様性を将来のために保存することができるように世界中の在来種子(非GM種子)を保存することであると言われているが、収穫物の多様性を保証する種子は世界中の貯蔵庫にすでに「保存済み」である。それにもかかわらず彼らはこのような遠隔の地に安全な施設を造るべきだと言うのだが、その意図はなにか。将来なにが起きると予測しているだろうか。

 この新規事業の発起人と出資者は、世界のGM種子を管理し、世界の人口を劇的に減少させることを最も積極的に提唱してきた、当の本人たちである。メンバーにはロックフェラー財団、ゲイツ財団、シンジェンタ社、デュポン社、モンサント社、CGIAR(国際農業研究協議グループ)といったと面々が顔を揃えている。その彼らが、いまなぜ突然に信心深くなり、他の至るところで自分たちが破壊している伝統的種子を、ノルウェーでは保存すると言っているのだろうか。

 少し前にウィリアム・エングダール氏はこの件について極めてよく調べた論文を発表し、私と同じ結論に達している。その結論は、貯蔵庫は致死性の病原体を貯蔵する保管庫としての役目も併せ持ち、そのDNAがGM種子に組み込まれれば、種子会社の手を借りてどこへでもばらまくことができる、ということだ。その他のどんな理由も、「どうしてこの面々が参加しているのか」「なぜ遠隔地に造ったのか」「実質的に核の脅威にさらされないセキュリティがなぜ必要なのか」といった疑問を説明することはできない。エングダール氏はこう問いかけている。「ノルウェー国家からロックフェラー財団、世界銀行に至るまで、全く同一のメンバーがスバールバルド種子保存銀行プロジェクトにも関わっている。これは偶然なのだろうか?」(25)

Notes
(20) https://www.mun.ca/research/explore/publications/rmatters/june_96/antifrez.html
(21) https://www.motherearthnews.com/real-food/adding-a-fish-gene-into-tomatoes-zmaz00amzgoe
(22) http://content.time.com/time/magazine/article/0,9171,143840,00.html
(23) GMトウモロコシは、人間が自分の種子を広めるのを止める為に設定されている。 https://www.theguardian.com/science/2001/sep/09/gm.food
(24) https://www.democraticunderground.com/discuss/duboard.php?az=view_all&address=104×3738803
(25) https://www.globalresearch.ca/doomsday-seed-vault-in-the-arctic-2/23503

中国はCovid-19被害の深刻な実態を隠蔽していないし、修正集計で死者数が50%増加したのは「一般的なやり方」と記者発表

<記事原文 寺島先生>
China denies covering up Covid-19 severity, says revision increasing deaths by 50 percent ‘common practice’

RT 2020年4月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月5日
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武漢におけるCovid-19関連死者が1,290人増え、現在3,869人と訂正したのは統計的な確認プロセスの一部であり、世界中どこでもやっていることだと中国外務省スポークスマンは語った。

趙 立堅は中国政府が武漢での集団感染の深刻さを隠蔽していたとの主張を斥け、中国政府はそのような事を許すことはないだろうと定例記者会見で語った。

この主張を後押ししてきたのは、まず誰よりもドナルド・トランプ米国大統領だ。彼はこのウイルスがもたらす脅威について世界保健機関(WHO)は中国と共謀し世界をミスリードしていると非難した後、今週、WHOへの資金提供を凍結した。

ALSO ON RT.COM 202005031249426e8.jpeg
China’s Wuhan death toll spikes by 50% as authorities report 1,290 ‘delayed & omitted’ fatalities


Covid-19パンデミックの震源地である武漢市の死亡者数が修正された後、中国の総死亡者数は4,632人となった。金曜日に行われたこの修正発表では、今回の集団感染の初期の段階において武漢市のいくつかの医療機関が「不正確な報告、遅延、症例の省略」を行っていた、との説明がなされた。

米国では、過去の症例を再評価した結果、Covid-19による死者数が急増している。ニューヨークでは今週、初期段階の死亡者数3,778を死亡者総数に加えた。その中には、検査結果が陽性というよりは症状や病歴に基づいて感染症で死亡したと「推定」される人も含まれている。

ALSO ON RT.COM 202005031249445c0.jpeg
‘Presumed Covid-19’: NYC corona deaths suddenly soar past 10,000 after more than 3,700 victims added to list on PROBABLE grounds





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我々は新しい封建主義を醸成中なのか?

<記事原文> Are We Brewing a New Feudalism?

Paul Craig Roberts
2020年4月16日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

その質問に対する答えは「イエス」だ。 救済された大口の債務者が、救済されなかった債務者の資産を横取りして終わりだ。救済されなかった債権者が、借金が返済できずに負わされる「救済ローン」と手数料と罰金が、大口の債権者に回るだけだ。1パーセントのものたちのための借金帳消し措置は、ほかのみんなをより深い借金地獄に陥れるだけだ。

経済のことを考えてみて欲しい。米国には、1億6400万人の労働力がある。コロナウイルスに伴う経済閉鎖後の失業率は30%になると予想される。つまり、4900万人が、未来の暴動者になるかもしれないということだ。(今はちょうどその中間地点にいることになる。というのも、今日の報道によると、失業率は16%で、失業者の数は2200万人だからだ)。これら失業者たちは、すでにその日暮らしで、急な出費として、400ドルさえ工面できず、借金のせいで、自由に使える収入はない。働いていたときでさえ、ほとんど借金を返済できていなかったのに、どうやって返済するのか?仕事がなくなり、中小企業が閉じられ、コストが発生し、収入さえなくなっているのだ。ローンがさらに借金を増やす。補助金は、失業者たちの食費や家賃をまかなってくれるかもしれないが、借金返済にまでは回らないだろう。

商店街のファーストフードや商店の店長は、3ヶ月、家賃を払っていないと言っている。商店街の店舗所有者たちは、債権者への支払いができなくなるだろう。借金の救済措置は、その原因を作ったもの達以外の誰も救わない。彼らが救済されるということは、倒産した企業を買い取ったり差し押さえたりするお金が手に入るということだ。さらに多くの資産が限られた人達の手中に入ることになるだろう。借金救済措置は、ニューヨークにある銀行たちとトランプ大統領の財務長官がでっちあげた措置であり、その財務長官といえば、ウオール街で働いていた時、「差し押さえ王」という別名さえもらっている。

借金がごく一部のものたちに集中し、人々がより借金まみれになるにつれて、経済を推進する消費者の購買力が低下する。差し押さえられた資産は、消費者の購買力の低下にともない、収益性が低下し、価値が低くなる。

米国経済の崩壊が進んでいるのは、以下のことがあったからだ。
①グローバル企業が中産階級の仕事を海外に移したこと
②金融部門が消費者所得を債務返済に転用することを増やしたこと
③企業が自社の生産能力を拡大するのではなく、自社の株を買い戻すために利益を投資しはじめたこと
④量的緩和政策のため、株と債券の価格が、本来もつ価値以上の高値になったこと

さらに、経済の崩壊が続いているのは、以下のことがあったからだ。
①富の集中を規制する法律が無視され、グラス・スティーガル法(銀行法)が廃止 されたこと
②戦争が絶え間なく起こっているせいで、インフラ投資と社会的セーフティネットの拡大が押さえ込まれたこと。

これは策を弄した陰謀なのだろうか?それともただのばかげた行為なのだろうか?答えがどうであれ、経済は破壊されている。

今回の経済問題は、個人も企業も民間債務が多すぎて支払えないことだ。この問題は、経済閉鎖前からすでに存在していた。経済閉鎖になるということは、さらに収入が減り、持続不可能なレベルにまでふくれあがった債務を支払えなくなるということだ。この問題は、さらなる借金をして、借金を返すことで解決できる問題ではない。

問題は、銀行が経済の潜在的な生産力を拡大するためではなく、既存の金融資産の購入のために資金を融資していることにある。

問題は、企業が利益を使ったり、融資を受けたりするのは、自社のビジネスのためではなく、自分の持株を買い戻すためだということにある。企業の重役は、企業に借金を負わせ、企業の資本を減らすと、「業績手当」がもらえるのだ。

問題は、短期的にしかものごとを考えないグローバル企業が、生産性も付加価値も高い米国内の雇用をアジアに移したことにより、米国の勤労所得が減少し、州と地方の税基盤が損なわれ、連邦準備銀行が、消費者所得が伸びなくなった穴埋めを、消費者の借金を増やすことでまかなってしまったことだ。

経済の修正を担当する人々が、自分のためだけに、近視眼的な方法で修正を行っているにすぎない。状況を修正する方法は1つしかない。それは民間債務を返済可能なレベルにまで引き下げることだ。債権者は、それでも債務者は、救済されるので、貸付損失は問題にはならない。

銀行や企業の債務救済は、別の効果的なやり方で経済を修正するチャンスになる。事実上、救済は国有化と同じことになる。政府は、購入する企業の所有権を受け入れなければならなくなる。次に、政府は「大きすぎてつぶせない」銀行を解体し、銀行から投資部門を切り離すことができる。新しいグラス・スティーガル法案を可決したり、議会に対する金融ロビー活動と戦ったりしなくても可能だ。解体された銀行を売ることもできる。これにより、金融システムの巨大な脆弱性が取り除かれ、金融競争が回復する。企業が政府の手に渡れば、仕事場を海外から持ち帰ることができる。中産階級は回復する。

これらの措置と債務帳消し措置を組み合わせれば、消費者の購買力が回復する。第二次世界大戦後に発生したように、累積需要は、経済をより高い成長へ押し上げる。

これこそが、この問題に対する真の解決策だ。しかし、問題を解決する責任者が1%のものたちであるため、真の解決策は選ばれないだろう。今まで以上に奴らに金が集まり

①金融資産の価格が押し上げられ
②返済不能の債務の債権がどんどん増やされ
そして
③人工的に高騰させられている株式市場のせいで経済はさらに瀕死の状態におちいる
だろう。

エリートたちは私たちを何度も裏切ってきた。やつらを引きずり下ろす時がきた。

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新世界誕生:それはどんな風になるのか?

<記事原文>
A New World Is Being Born: What Will It Be?

Paul Craig Roberts
2020年4月7日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月5日

Covid-19以降の世界は違ったものになると多くの人が言うのを私たちは耳にする。問題は、どのように違うのか? それは良くなるのか悪くなるのか?だ。

エリートたちは事態を自分たちにとってはより良く、それ以外の私たちにとってはより悪くなるように立ち回っている。そのことについての証拠ははっきりしている。大企業は救済され、その負債は公的資金で埋め合わされる。他の人――すでに社会の片隅に追いやられたり、最近の職歴や決まった住所もない人は別だ――は全員1ヶ月分の家賃をもらい、失業手当も延長されている。

ビッグ・ファーマ(巨大製薬会社)は今回のコロナウイルス騒ぎに莫大な収益を見込んでいるし、政府は国民支配の権力をより強大なものにしようと目論んでいる

しかし、経済的利益の格差が生じるというのがすべてではない。 ビル・ゲイツやビッグ・ファーマのような力を持った既得権益者たちは、私たち全員にワクチンを接種し、「ワクチン接種済み、ヘルスクリア済み」、あるいは同趣旨の他の言い方で呼ばれる体内埋め込みパスポートで私たちの動きをコントロールしようと決意している。 「獣の刻印」(「ヨハネの黙示録」13-16,17)を彷彿とさせる新しい追跡手順と技術が導入され、様々なカテゴリーの人々の、様々な分野や利益へのアクセスを取り締まることになっている。

専門家たちは指摘しているのだが、私たちがごく普通の風邪――前年の風邪はたぶん別――に対してワクチンを接種できないのと同じように、私たちはCovid-19や他の変異ウイルスに対してワクチンを接種することはできない。しかしそういった専門家たちの意見もすでに封殺されている。ワクチン接種の利権を邪魔するような専門家の意見は許されなくなっている。

栄養とビタミン大量摂取をウイルス対策にしようとする意見も許されなくなるだろう。 ビル・サルディは、 "有毒 "ビタミンの強制リコールで一斉に煽り立てる恐怖が私たちを待っていることを予測している( https://knowledgeofhealth.com/modern-medicine-laid-bare/ )。ビッグファーマは、ビタミン大量摂取法やホメオパシー療法を押さえ込むことを決意しており、FDAはビッグファーマの手先として動く可能性が高い。

 ワクチン接種を治療以上に高い所に押し上げてしまっているのは、ビッグファーマやその宣伝部局(例えばCNN)のせいだ。ヒドロキシクロロキンやアジスロマイシンを使った治療の成功例、そしてウイルスを撃退する免疫システムの能力を強化するビタミンC、ビタミンD3、亜鉛の有効性について医師たちが報告しているのを彼らは封殺している。ビッグファーマの影響を受けた正統的医療は、自分たちが入れられた箱から出ることができないでいる。新しい考え方や実験が必要な時に、思考能力のある者たちは、FDA(アメリカ食品医薬品局)の規制や独断論に阻まれ、さらには妨害されてしまう。

現在の永久政権とその安全保障機関は、国民の恐怖と混乱の中に、より多くの専制的な措置を講じることや、憲法上の権利の更なる除外条項の設定、そして言論の自由を今以上に無くしてしまう機会を狙っている。抑圧に抵抗する自由の能力は今や風前の灯火だ。

予想されるディストピアについては、インターネット上で様々に記述されている。しかし、必ずしもそのような展開を辿る必要はない。それは私たち次第なのだ。失意と恐怖に陥ってしまうと、「9.11」以降がそうだったように、政府により多くの権力を持たせることを受け入れてしまう可能性がある。そうではなく、私たちは西洋的リーダーシップが至る所で大失敗していることをみんなで認め、より生きやすく持続可能な社会を構築することができるのだ。

指導層の失敗は真の変革へのチャンス


CNN、ニューヨーク・タイムズ、そしてその他の支配層の意思を汲んだメディアは、トランプ大統領がリーダーシップの失敗代表、と毎日私たちに語りかけている。 しかし、リーダーシップの失敗は過去30年間のすべてのリーダーたちにも及んでおり、システムそのものに根付いたものだ。 グローバルで、「自主規制的」な、強欲主導の、金融化された、魂のない資本主義は、人々を持続可能なコミュニティに団結させることはできない。

リーダーシップの失敗は、国内の消費者所得を犠牲にして企業の利益を上げるために、生産性が高く、価値の高い仕事を海外に移動させることで、欧米社会を脆弱にした長年に亘るリーダーシップの失敗にある。 それは、医薬品やN95マスクなど、国家の生存に必要な資源を生産する能力を海外へ移動してしまった、ということだ。それは、外国勢力への依存を意味する。 大量の輸入品がなければ機能しないことを意味する。どのように見ても、グローバリズムは死刑宣告だ。その利益は金持ちにしか行かない。さらに、安価な労働力で金持ちの収益を膨らませるという形でその利益は彼らにもたらされる、それは国内所得と国民の購買力を縮小させることになる。

経済を引っ張る人々の収入がないので、エリートたちは、様々なローンや拡大融資枠を用意して個人負債をベースにした支払い能力を提供した。アメリカ国外で生産されたものをアメリカ国内に持ち込み、アメリカ市場で販売することを目指したのだ。大学教育の学費が高騰し、その質は低下した。教育補助金は削減され、その分学生の負債となった。 社会保障年金受給者の生活費の高騰を否定するために、インフレ率は控えめに見積もられた。医療提供者へのメディケアの支払いは絞り込まれた。 社会のセーフティネットは何度も何度も引き裂かれた。ますます多くの人々が脱落し、ホームレスの人口は増加し、Covid-19のための肥沃な繁殖地となった。

米国における所得と富の分配は、短期間に、公平さから極端に不平等なものになった。それは連邦準備制度理事会(FRB)が何兆ドルもの資金を金融資産の価格に投入したり、企業が自社株を買い戻して富裕層が利益を得たためだ。このように企業が資本形成をやめ、会社を赤字にしたのはすべて会社上層部のより高額のボーナスと株主のためにより多くの配当を場当たり的に確保するためだった。エリートたちは、自分たちの目先の利益のために経済を殺したのだ。

これらの破壊的な政策は、欲にまみれた短期的な思考の人たちがしたことだった。彼らの視野にあるのは「もっとたくさん欲しい!」だけだった。 そして、アンクルサム(US)が今助けようとしているのはその被害者ではなく、これらの価値のない人々なのだ。 すでに経済を覆っていた巨大な未払い債務バブルは、より大きく膨らまされている。 連邦準備制度理事会と米国財務省は、超富裕層を自分たちの強欲に駆られた悪行から救うために、米ドルを破壊しようとする無駄な努力を展開している。

経済危機に対するこの非常識なアプローチの代わりとなる、正気のアプローチがある。 救済された企業や銀行は、事実上政府に買収されている。 したがって、それらはそのまま国有化された企業として扱われるべきである。 一度国有化されると、政府は、企業とは違って、給与や健康保険料を支払うためにお金を創り出すことができる。予測されている30%、40%の失業率は回避できる。失業手当を払うよりも、給料を払った方がいい。心理的な違いだけでも莫大な価値がある。

現在の医療危機に対処するために、高コストのアメリカの民間医療システムは無力だということが明らかになっている。 利益主導型の医療制度は、最もコストの高い制度である。

 利益はすべてのレベルで組み込まれており、民間保険やメディケアが払い戻しを拒否するレベルまでコストが上昇している。 その結果、この医療システムは拡大ではなく縮小している。 例えば、最近閉鎖された病院、特に地方の病院の数にちょっと目を向けたらいい。

さらに、民間システムとメディケア自体の適用範囲は、巨大な格差を持っている。 国有化された医療サービスへ抵抗することは馬鹿げている。特に、国有化されたサービスは民営化されたものと共存することができるからだ。 1つよりも2つの方が明らかに優れている。

国有化には多くの利点がある。 例えば、チェイス・マンハッタンやJ.P.モルガンのような巨大銀行の合併によって生まれた、その巨大さ故に扱いにくい大企業を解体し、商業銀行と投資銀行の分離を再確立することができる。 グラス・スティーガル法の廃止と独占禁止法の施行の停止は無知な政策立案であり、最悪の事態であった。国有化は、政府がグローバル米国企業のオフショア生産を国内に移動させ、米国の労働力を中流階級の仕事に戻すことを可能にする。 それはアメリカ国民にとってWin-Winである。


巨大な独占企業が解体されれば、それは民営化され、公正価値に基づいた個人所有に戻される。大安売りをするわけではない。政府がそれらの販売から受け取る金は、政府の債務を償還するために使えるのだ。


 個人にとっては、生命と経済を圧迫するような重い借金は、収入によって処理できるレベルまで減額されるべきである。 マイケル・ハドソンと私は、解決策として「デット・ジュビリー(債務免除)」を提案した: https://www.paulcraigroberts.org/2020/03/25/a-brady-bond-solution-for-americas-unpayable-corporate-debt/ 他の人たちも私たちの呼びかけに賛同してくれた: https://truthout.org/articles/1200-only-goes-so-far-its-time-to-abolish-debt/?eType=EmailBlastContent&eId=98cb6aac-8ef8-4e0e-b80e-24a1d1f92ef6

現在、連邦準備制度理事会は、債務を減額せずに社会化している。 債務を拡大して救済しているのだから、これはナンセンスだ。

 アメリカでは、ほんの少しでも社会主義的色合いを帯びたものは、たとえそれが一時的にある目的を達成するものであっても、あまりにも独断的な偏見のせいで、考えた末の賢明な行動の前に大きな壁となって立ちはだかるのだ。 この障壁を乗り越えることができなければ、さらにはるかに困難な時代へ突き進むことは宿命となる。

コミュニティは回復できるのか、それとも国家はアイデンティティ政治の氏族主義や部族主義にまで退化するのか?

私たちが直面している最大の課題は、コミュニティという概念を取り戻すことだ。 かつてアメリカは、多くの民族から構成された他に類例をみないコミュニティの時代があった。移民の波が押し寄せるたびに、彼らは憲法のテストに合格し、国語を学び、アメリカのコミュニティに同化していった。


このコミュニティは様々な勢力によって破壊されてきたが、最新のものは「アイデンティティ政治」である。 アイデンティティ政治は、性別、性的嗜好、人種、その他新たに作り出せる、あるいは想像できるあらゆる分類によって、国民を相互に敵対的なグループに分解することで、コミュニティ形成を阻んでいる。 その結果がバベルの塔である。 バベルの塔はコミュニティではない。

アメリカはコミュニティというよりも、自分は被害者だと主張する人間が極めつけのヘイトを行い、加害者の地位を与えられた者が最大のヘイトの対象者になるという憎悪関係が醸成されている場所だ。当初は白人男性の異性愛者が主な憎悪の対象だったが、最近では、女性は女性であって、女性であると主張するフェミニストを憎悪するトランスジェンダーが出てきている。自分は女性だと主張する男性にはその攻撃は向けられない。 有名なフェミニストの指導者に対するトランスジェンダーの攻撃は、その言葉遣いが暴力的であり、さらには暴力的な行為へと進展する傾向がある。様々な同化されていない移民グループが、紛争地域を誰が支配しているかを巡って争っている。 イスラエルのパレスチナ人に対する非人道的な扱いは、ユダヤ人に対してイスラム系移民が激怒する事態となっている。 白人への暴力的な人種攻撃が日常化している。

何十年もの間、女性学は男性への憎悪を教え、黒人学は白人への憎悪を教えてきた。この教えられた憎悪は、現在、ニューヨーク・タイムズ1619プロジェクトによって補足されている。 同化の代わりに、私たちには今、相互の憎しみがある。 私たちはどのようにしてこれから逃れることができるのだろうか?

おそらく、Covid19からの挑戦は、このウイルスに打ち勝つために、私たちに再び団結することを強いるだろう。 このウイルスが変異すればそれとの付き合いは永遠になるかもしれない。団結することは、これまでのような一方的なアプローチではなく、公正な経済的救済によって助けられるだろう。デット・ジュビリー(債務免除)は、必要な公平性を提供する。


自分たちの利益だけを考えているエリート層は、危機が人々を一つにまとめる機会を与えてくれるのを邪魔する存在となっている。 もし、私たちが以前の団結に戻れなければ、私たちは、自分たち自身の被害者集団やアイデンティティ集団の境界を超えた団結を思い出せなくなる。 コミュニティではなく、私たちはバラバラのアイデンティティ氏族主義で組織されることになる。国内での結束がないと、海外の敵のカモにされてしまうだろう。

私たちは、ディストピアの願望リストがどんなものかはわかっている。私たちは反ディストピアの願望リストを持って、相互扶助のコミュニティとして一致団結することができるのだろうか。それともエリート層に私たちをバラバラの部族主義憎悪グループへとまんまと細分化させてしまうのだろうか?


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研究室からでも生鮮食品市場からでもなかった?ケンブリッジ大学で実施中の研究によると、Covid-19の大流行は1ヶ月前から始まっていて、しかも武漢由来ではなかったようだ。

<記事原文 寺島先生推薦>
Neither ‘lab’ nor ‘wet market’? Covid-19 outbreak started months EARLIER and NOT in Wuhan, ongoing Cambridge study indicates

RT World News  4月18日 
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月2日
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「新型コロナウイルスは、武漢市での発生の数ヶ月前に、中国南部のどこかで初めてヒトに伝染した可能性がある」との新しい研究結果により、パンデミックの起源について広く支持されている理論が否定された。

コロナウイルスゲノムのネットワークを地理的にとらえ、流行の様子を時間的に追跡した、ケンブリッジ大学の遺伝学者が率いる研究チームは、最初のCovid-19感染が武漢よりも南部にある地域で9月にすでに発生した可能性があるとし、より致命性のある病原体に変異するずっと前に、ヒトに、伝染された可能性もあると発表した

「ウイルスは、数か月前に最終的に「ヒトに伝染する」型に変異したかもしれないが、それ以前は、他の個体に感染することがない状態で、コウモリや他の動物、さらには人間の体内に数か月間留まっていた可能性がある」と 遺伝学者のピーター・フォースター氏はサウス・チャイナ・モーニングポスト紙に語った。彼は未査読の進行中の研究を先導しており、その研究論文が、全米科学アカデミー発行のプロシーディング誌に掲載されたばかりだ。


「その後、9月13日から12月7日の間に感染が始まり、ヒトにも広がりました。そのネットワークを[論文中に]提示しています。」


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ウイルスはコウモリから別の宿主動物に感染し-センザンコウが、その有力な候補だーそして最終的には人間に伝染したと考えられているが、この新しい研究結果は、ウイルスが、どうやって、いつ、どこで、種を超えて伝染されたかについての、現在広まっている一般的な考えを、正しい方向に変える可能性がある。当初、人間への伝染は、武漢の生鮮食品市場で起こったと考えられていたが、新しい研究結果はその考え方を疑問視し、Covid-19が中国の中央に位置する武漢市よりも南の地域で始まったかもしれないことを示唆している。

「求められたとしたら、私はこう答える。感染の広まりは武漢ではなく、中国南部で始まった可能性が高いと」

しかし、結論を確固たるものにするためには、流行初期の患者からの組織サンプルだけではなく、より多くのコウモリや他の潜在的な宿主動物を分析しなければならないとフォースター氏は釘をさした。

「しかし、これは、現時点でできる最善の仮定でしかありません。病院に保管されている未検査で残っている2019年の組織サンプルの研究結果を待っています」とフォスター氏は、別のインタビューでニューズウイーク紙に語っている。

ALSO ON RT.COM 20200502143256e10.jpeg
Wuhan lab origin of Covid-19 ‘seems to make sense’, Trump says as Fauci douses cold water on ‘man-made virus’ conspiracy

パンデミックの起源についての話題が盛り上がるにつれ、最近、物議をかもす議論が目立つようになっている。一例をあげると、今週、主要な米国メディア数社が、ウイルスは、武漢にある最大セキュリティに守られたウイルス研究室から漏れたのではないかという記事を出している。

ドナルド・トランプ米大統領は、まだこの主張を全面的に>支持しているわけではないが、ホワイトハウスが、現在この件を調査中であると述べ、彼は、世界的なウイルス危機は中国政府のせいだとずっと不満を言い続けている。トランプ氏は、中国が、発生の初期段階で「隠蔽工作」をしたと繰り返し非難しており、世界保健機関(WHO)が、中国政府当局と共謀して情報を隠していると主張している

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 Hello ‘Chinagate’: Why blaming Beijing is all the rage this US election cycle




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「人間としての品性を著しく欠く行為」とオリバー・ストーンは、Covid-19危機の最中での、イラン、ベネズエラに対するアメリカ政府の制裁行為を厳しく糾弾する

<記事原文 寺島先生推薦>
‘Profound lack of human decency’: Oliver Stone tears into US govt over Iran & Venezuela sanctions amid Covid-19 crisis
RT ワールド ニュース
2020年4月5日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月2日

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「アメリカ政府は、Covid-19危機のさなか、イランやベネズエラへの過酷な制裁措置を解除することを拒否し、人間愛や世界的連帯への蔑視をあらわにしている」とオリバー・ストーン監督は批判した。

 オリバー・ストーン監督はニューヨーク・デイリー・ニュースの特集記事の中で、「イランはCovid-19により巨大な被害を受けているが、伝えられるところによると、アメリカの制裁によりパンデミックと戦うのに必要な医薬品を買うことができない世界で唯一の国である」と述べている。

 言うべきことははっきり言うこのハリウッドの伝説的人物は、コロナウイルスが世界中で医療体制を震撼させている時に、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアのような国々に対する経済的締め付けを継続、またはある場合においては強化するというワシントンの決定についても強く非難している。

 「ベネズエラの場合は、パンデミックと戦うために50億ドルのローンをIMFに求めたが、アメリカの威圧のためにIMFは拒否した。また、アメリカ政府は、地球規模での健康危機が起こっている最中、ベネズエラが麻薬密売を行っているとして、ニコラス・マドゥロ大統領を失脚させ、暫定政府を樹立するようにカラカスに圧力をかけている」とストーンは非難している。

 幾多の賞を受賞してきた映画監督であり活動家でもあるストーンは「この健康危機がワシントンの外交政策の非人道性を暴露した」と述べている。

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Iran develops homegrown AI software to speed up coronavirus tests


「現在のパンデミックは、我が国政府が自国民を守ることにおいて完全に失敗したことだけでなく、他国との関わりにおいても人間的品性を深刻に欠いていることを暴露しつつある」

 ストーンは、「アメリカが直ちにその方針を変更しなければ、幾多の生命が危険にさらさる」とアメリカ政府に対して真剣な道徳的自省を求めている。

 ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、イランではCovid-19のためにおよそ3500人の死者と19700人の感染者が確認されている。ハサン・ロウハーニー大統領は、「この危機は、アメリカが謝罪し不当で不公平なイランへの制裁を解除する好機である」と先週、述べた。


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<動画>チェルノブイリから上がった煙と埃が、キエフの空を灰色に染める

<記事原文 寺島先生推薦>
WATCH smoke from Chernobyl & dust turning Kiev sky gray

RT ワールドニュース
2020年4月17日 
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月2日



世界が滅亡するかのようなシーンが、4月17日、ウクライナの首都で、大量に観察された。山火事による煙と、強風によって運ばれる埃が、短時間ですみはしたものの、キエフが「世界で最も汚染された都市」という別名をつけられることになってしまった。
SNSへの書き込みによると、キエフの空は、朝になっても灰色のままで、住民たちは窓を閉めて、吐き気のするようなものが焼けるひどいにおいを家の中に入れないようにしないといけなかった。

大気汚染が急増したのは、先週の木曜日、4月9日からだった。汚染の中身の一部は、強風によって運ばれる埃だった。ウクライナは、今年の冬と春、異常に乾燥していて、それが、大量の粉塵の発生につながったと、地元の気象局は説明した。




大気中の粒子の他の原因は、ウクライナの一地域を焼失しつつある複数の山火事のせいだ。この山火事は、同じ強風によって煽られ、雨不足によっても勢力を増した。煙の一部は、キエフの北約100 kmにある廃炉になったチェルノブイリ原子力発電所周辺の立ち入り禁止区域から発生しており、住民の健康への懸念は、さらに深くなっている。ウクライナ政府は、首都に到達した煙は、放射能の脅威をもたらさないことを住民に保証している。
17日の朝、ウクライナのメディアは、世界の大気汚染を追跡しているスイスのIQAir社からの情報を引用して、キエフが世界で最も汚染された都市になったと報じた。しかし、現時点では、ウクライナの首都キエフはランクを下げ、現在ワースト3位だ。

ALSO ON RT.COMWildfire rips through Chernobyl’s exclusion zone, raging just TWO MILES from crippled nuclear plant (PHOTO, VIDEO)


 キエフの住民達は、家にとどまるよう勧められている。一方、大気の状態は悪いままだ。さらに、住民達には、家から出てはいけない別の理由がある。世界中の他の都市と同様に、キエフは今、隔離状態にある。新鮮な空気の不足は、ソーシャル・ディスタンスのストレスをさらに大きくするであろうことは、間違いない。

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ロシアは制裁を撤廃し米国を軍備管理協定に戻す機会を逃した

<記事原文 Russia Missed Opportunity to Remove Sanctions & Restore US to Arms Control Agreements>

ポール・クレイグ・ロバーツ
2020年4月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2020年5月3日

ロシア政府は、石油交渉で勝利への切り札を持っていたのに、それを出さなかった。米国政府とサウジアラビア政府は、ロシア政府の同意をのどから手が出るくらいほしがっていた。その同意とは、石油の生産と供給を削減することにより、石油の価格を引き上げるという彼らの計画に対する同意だ。ロシアなら1バレル20ドル~25ドルでも耐えられるが、借金まみれで、破産しそうで、石油採掘でいうフラッキング(水圧で岩盤などを破砕すること)状態にある米国の産業では無理だし、肥大化した国家予算に苦しむサウジアラビアでも無理だ。ロシア政府は、ただこう言えば良かったのだ。

「原油価格を高くすることで、あなた方の窮地を救いましょう。でも、私たちの方にも、取引したいことがあります。 それは、以下のことです。すべての制裁措置をやめてください。私たちだけでなく、キューバ、ベネズエラ、中国、その他のいかなる国に対するすべての制裁措置を。これらの制裁は国際法違法であり、戦争行為にあたります。私たちは堪忍袋の緒が切れています。」

「私たちロシア政府が高い原油価格をあなた方に与える代わりに、さらなる要求があります。それは、あなた方米国が、不当にそして一方的に撤回したすべての軍備管理協定へ再度参加すること、私たちの国境からすべてのミサイルを取り除くこと、そして私たちの国境での挑発的な軍事演習をやめることです。」

借金まみれで、破産しそうで、フラッキング状態に直面している米国なら、きっとこの取引に同意しただろう。

嘆かわしいことだ。ロシア政府が、世界を平和に続く道に戻すチャンスではなく、またぞろ、米国政府に点数稼ぎをする道を選んだことは。米国政府は、ロシア政府のそんな思いやりを高く評価したことは今までないし、今回もそうはしないだろう。

ロシア政府は、「石油の混乱」を食い止めたと自慢しているが、実は、この混乱は、ロシアにとって最高の味方だったのだ。ロシア政府は、勝てる切り札を捨てて、米国政府とサウジアラビア政府を勝ち逃げさせてしまったのだ。

https://www.rt.com/news/485501-opec-russia-deal-prevents-chaos/

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新型コロナウイルスの時代においては、農民闘争は生きるための普遍的な闘争だ。

<記事原文>
In Times of COVID19 the Peasant Struggle is a Universal Struggle for Life

International 360° 2020年4月17日
ウランタリー・イツマナ

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月30日

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何をもって発展していると見るかの基盤のひとつに、人が大地からどれだけ離れた所にいられるかという概念があったし、今もある。大地は、経済活動にとってあまり役に立たないものだという捉え方からくるものだ。

大地は、汚く、悪影響を及し、不快なものとして連想されていた。罪としてさえ。著名なギリシアの哲学者たちは、学のある人間は、大地に触れるべきではないと信じていた。

近代文明にとって、開化した人物とは、学校教育や職業訓練を終えた人であるとされ、つまりそうでない人は必然的に開化していない人と見なされた。開化するためには、都市化していなければならず、大地を嫌うという美学を持っていないといけなかった。

農民というアイデンティティを持つということは、質の高い市民生活を享受することから除外された人間であることになってしまった。別の言い方をすれば、農民であるということは、権利の主体としてのステータスを放棄することだった。多くの国では農民が国民の大多数を占めているとしても、おそらく、農民たちは生産者ではあるが、統治者ではなかった。

近代性は、金銭と郊外の労働力を至上のものと崇拝してきたため、農民たちが果たしてきた欠くことのできない決定的な役割を、皆の頭から消し去ってしまった。21世紀までには、農民のもつ権利は、拘束力のある人権の一部さえ保証されていないところまで来てしまっている。

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しかし、なんの警告もなしに、新型コロナウイルスのパンデミックが到来して、私たちをコンクリートの一室に閉じ込めてしまった。「社会的孤立」措置により、市場へ食料を買いに行くことも制限されている。

そんな中で、大地への「想像/願い」を持ち始める人たちが現れてきた。それは、ただの植木鉢の中の大地だとしても。私たちは、金銭やコンクリートはただの手段であり、食べ物や水を生み出さないことを、今、実感している。金銭やコンクリートは、命を生み出さない。

想像してみて。 殺人的なウイルスが、食品産業が手配した食料に付着しているとしたら。ウイルスが、食料を植え、育て、市場に提供するすべての人々を破壊するとしたら。

近代は、私たちに食料を育てる方法も水を確保する方法も、教えてはくれなかった。私たちは、生き抜く術を教えられていない。

4月17日は、私たち農民が「大地と水と種子を守るための国際農民闘争記念日」を祝う日だ。確かに農民は先住民であろうがなかろうが、食料と健康的な種子と水を育み、命を繋ぐのに不可欠なものだが、それだけではない。この母なる地球上のすべての人類と生きとし生けるものにとって、農民は欠くことのできないものだ。

この「隔離状態の惑星」において、農民闘争を主張することは、農民のためだけではない。大地と水と種子を要求することは、都市内に閉じ込められ、郊外から孤立させられた「脆弱な市民たち」からも、大きな叫び声となるにちがいない。


新型コロナウイルスが引き起こしたこの新時代において、私たちの中に眠っていたノスタルジー、すなわち、母なる大地を恋焦がれる気持ちが呼び起こされている。

その気持ちが私たちを動かし、菜園への回帰を想像し実行させる。そして菜園こそが、この恐るべき脆弱な時代における人知を超えた変化を乗り越える場所なのだ。

命のための、大地/水、住処を回復させる絶え間ない闘争を先延ばししないで、その菜園を私たちの愛すべきものたちが、よりよい生活を送るための知識を伝授する学校として、取っておきの場所だと考えよう。私は信じている。私たちは、いまは、何とか生き残ろうとする時代にいるのだ、ということを。

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だから、思い描いてみよう。都市の公共空間にある共同菜園を。思い描いて、頑張ろう。水源地を回復し、水の確保と種子の保全のため、学習を深めよう。そうすることが、私たちの食糧主権を守ることになる。このパンデミックの世界では、食糧主権こそが、私たちの存在に必要となる主権である。

この情熱と使命感をみんなに伝えよう。反地球行為だった近代性により破壊された、生態系を取り戻そう。

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