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正義は盲目、あるいは肩書きで盲目にされる?
――『アンドリュー王子とジュリアン・アサンジの物語』

Justice blind or blinded by titles? A tale of Prince Andrew and Julian Assange
George Galloway
Rt. Op-ed 2019年11月26日

(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月27日)

<記事原文>寺島先生推薦 Justice blind or blinded by titles? A tale of Prince Andrew and Julian Assange

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勇ましいヨーク公(訳注:出典はマザーグース)は、今夜、王宮の羽根枕で眠る。 世紀を代表するパブリッシャーのジュリアン・アサンジは、英国のグアンタナモ刑務所と言ってもいいベルマーシュ刑務所で眠っている。


 ヨーク公は、児童買春業者と取り沙汰されている故ジェフリー・エプスタインをいつから知っていたのか、どういう関係だったのかについて嘘をついた。ジュリアン・アサンジは、戦争と平和の時代の富裕層と権力者の重罪と微罪について真実を語った。


FBIは女王のお気に入りの息子と話す必要がある。 しかし、地上のどんな権力も、彼が現代のソドムやゴモラであるマンハッタンのタウンハウスで見たかもしれない、あるいは参加したかもしれないことを彼に証言させるために配置されることはないだろう。 


Also on rt.com Prince Andrew’sdisastrous Epstein denial poses more questions than answers (VIDEO)


同じ米国の司法制度が、アサンジの残虐な投獄とこれから何年続くかもしれないアメリカへの送還話の中でカフカの小説ばりの監禁状態を引き起こした。 すべてのプロセスが終了する前に彼が死なないにしても、そうなる可能性はあると60人もの医師が最近警告した。


米英の犯罪人引き渡し協定は、これまで女王陛下の閣僚達が締結した条約の中で最も不平等なものかもしれない。今回のケースで、元ブレア政権の内務大臣デイビッド・ブランケット氏は視覚障害者ではあったが、自分が何をしているのかを正確に見ることができる人間だった。


本質的に、英国から米国への犯罪人引き渡しは、正当な理由を示す必要もなく、事実上米国から要求があれば実施されることになっていた。 しかし、その逆はない。英国が米国市民を英国で裁くために英国に送還するよりも、ラクダを針の目に通す方が簡単だろう。


Also on rt.com ‘Beast of BuckinghamPalace’ children’s book released amid Prince Andrew scandal leaves Twittersmirking

この条約が調印された当時、私は英国議会の議員だった。このことの持つ意味を軽視しているわけではない。この条約は、議会が開かれていなかった夏季休会期間中、王室大権の行使により署名されたものなのだ。


この条約はすでに発効してしまっていて、まさにその時私はこの条約の最初の犠牲者となった人間たちの引き渡しに文字通り反対することができた。 まずシティ・オブ・ロンドンの金融詐欺師と言われた人間たち、そして「テロリスト」の濡れ衣を着せられたロンドンの住人ババール・アーマド。


アンドリュー王子はそのような試練に直面することはないだろう。 今では王室サークルから追放され、事実上平民階級に格下げされ、ぎっしり並べられたよくわからない勲章が剥ぎ取られた彼のエポレットが、ただチュニックに付いた金属くずになってしまってはいるが。


従来の引渡規則では、上記いずれの事件も、英国の裁判官を説得するのに十分な推定的証拠(疎明)を提出しなければならないという以前の要件を満たすことはできなかっただろう。新しい条約の下では、それはお茶の子さいさいだった。そして、彼らは送還された。十代の少女との性的不品行を非難され、未成年女性との買春斡旋人と言われるギスレイン・マックスウエルとの密接な関係は認めている。 またギスレインのロンドンの自宅は性交渉の場の1つであるとされている。 しかし、米国が王子に証拠を提出するよう要求することや、英国が彼を差し出すことは決してないだろう。

 

Also on rt.com Assange treated asterrorist by UK, it's ‘almost murder by state’, doctors warn WikiLeaks foundermay die in jail


アサンジは冤罪でレイプの罪に問われているが、実質的に過去10年間、何らかの形で投獄されている。 もしアメリカに送還されることになると、最長175年の禁固刑が待っている。


これはバッキンガム宮殿とベルマーシュ・マキシマム・セキュリティ刑務所の『二都物語』だ。


二人の個人の物語――一人は今やうそつきが証明された人間、もう一人は真実を語っていることが十分に証明された人間の物語である。


二つの運命の物語――道徳的な乞食となった王子と、もう一人は道徳の巨人となった貧乏ジャーナリストの物語である。


これは今の時代の物語だ。






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「アサンジ事件」の真相を!

The lies about Assange must stop now (by John Pilger)

johnpilger.com 2019年11月24日

(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月27日)

<記事原文>寺島先生推薦 The lies about Assange must stop now (by John Pilger)

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米国、英国、そしてオーストラリアの新聞や他のメディアが最近、言論の自由、とりわけ出版の自由への熱い思いを表明した。彼らは「アサンジの波及」を心配しているのだ。

ジュリアン・アサンジやチェルシー・マニングのような真実を語る者たちの闘いが、今や彼らへの警告となっているかのようである。五月に、アサンジをエクアドル大使館から引きずり出した暴徒たちが、ある日自分達の所へとやってくるかもしれないことを恐れているかのようだ。

先週ガーディアン紙に目新しくもないリフレインのような言説が掲載された。 アサンジの身柄引き渡しについて、同紙は「アサンジ氏がいかに賢いか、ましていかに好感が持てるかということが問題なのではない。それは彼の性格の問題でもなければ彼の判断の問題でもない。報道の自由と国民の知る権利の問題だ」と伝えた。

ガーディアン紙がやろうとしているのは、アサンジ個人と、彼が為し遂げてきた画期的な業績を切り離すことだ。 彼はガーディアン紙の利益になることもしたし、同紙の脆弱性を暴露することもした。 さらには同紙が強欲な権力にすり寄ったり、同紙のダブルスタンダードを暴く人たちを中傷する傾向があることも明らかにした。

ALSO ON RT.COM Ideology trumps facts? Journalists have lost their moral compass, study reveals


ジュリアン・アサンジの迫害を煽った毒は、今回の社説ではいつもほどあからさまには出ていない。 また、アサンジが大使館の壁に糞便を塗りたくったとか、自分の猫を虐待したという作り話も一切書かれていない。その代わりに、「性格」とか「判断」とか「好感」とか、突っ込まれどころのない曖昧な言い方を連ね、ほぼ十年前から続いている彼に対する定番的な中傷を固定化させている。

拷問に関する国連報告者のニル・メルツァーは、もっと適切な表現を使った。「暴徒化した民衆の容赦のない、抑制されない運動は過去にもありました」と彼は書いている。 彼が言う「暴徒化した民衆」とは「マスコミで果てしなく流される、屈辱的で、卑劣で、脅迫的な言説の数々」のことだ。この「嘲笑的言説の塊」は拷問に相当し、アサンジを死に追いやる可能性がある。

メルツァーが描写している出来事の多くを目撃してきた私は、彼の言っていることはほんとうだ、と受けあうことができる。もし万一ジュリアン・アサンジが、医師たちが警告しているように、毎週、毎月、毎年、彼にのしかかってくる残虐行為に屈することになれば、ガーディアン紙のような新聞もその責任を負うことになるだろう。

数日前、シドニー・モーニング・ヘラルド紙のロンドン駐在員ニック・ミラーは、「アサンジの無実が証明されたわけではない。裁きを辛抱強く待っているに過ぎない」という見出しで、締まりのない見かけ倒しの記事を書いた。彼はスウェーデンがいわゆるアサンジの調査を断念したことに言及していた。

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ミラーの記事は、女性の権利擁護を装っていながら、省略したり歪曲したりする点で、お決まりの手口だ。 オリジナル性は全くない。実地に調査もしていない。 ただの悪口だ。

アサンジに対する性的不品行の「容疑」を乗っ取り、スウェーデンの法律とスウェーデン社会が自画自賛する良識を弄んだ一握りのスウェーデン人狂信者たちの行動に関する文書については何も述べていない。

ニック・ミラー記者は、2013年にスウェーデンの検察官(女性)が事件を取り下げようとし、ロンドンの検察局(CPS)に電子メールを送り、欧州逮捕令状を請求しないと言ったことについては何も言及していない。 CPSの彼女への返答は、「馬鹿を言うな!!!」(イタリアで最大部数を誇る日刊紙「ラ・レアップブリカ紙」のステファニア・モーリジ記者の取材)だった。

他の電子メールには、アサンジを尋問するためにスウェーデンの検察官がロンドンに来ることをCPSが思いとどまらせたことが書かれている。 しかし、こういう尋問は一般的に行われていたことであり、それを思いとどまらせることで、アサンジが2011年に釈放されたかもしれない可能性を阻んでしまったことになる。

アサンジに暴行されたと言われる女性の一人はアサンジが逮捕されたことで非常にショックを受けた。 彼女は、警察が彼女を急かせ、彼女の証言を書き換えたと非難した。主任検事のエヴァ・フィンは、彼女が言う「犯罪の疑い」はないと却下した。

ニック・ミラー記者は、野心家で自分の意見をあまり持たない政治家クレス・ボルグストロムがスウェーデン政治のリベラルな側面の後ろから現れ、この事件に手を伸ばし、一連の流れに沿うように再び取り上げたことについては何も書いていない。



ボルグストロームは、元政治的協力者のマリアンヌ・ナイを新しい検察官として採用した。インデペンデント紙が報じたように、「外交筋によると、ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジの米国への身柄引き渡しの可能性について、米国とスウェーデンの当局者の間では非公式な話し合いがすでに行われている。」 これはストックホルムでは公然の秘密だった。自由主義の国スウェーデンには、人々をCIAの手に委ねるという、文書化された暗い過去があったが、それはニュースにはならなかった。

沈黙が破られたのは2016年、各国政府が人権上の義務を果たしているかどうかを決定する機関である国連恣意的拘禁に関する作業部会が、ジュリアン・アサンジは英国によって違法に拘禁されていると裁定し、英国政府に彼の釈放を求めた時だ。

英国とスウェーデンの両政府は、この国連調査に参加し、国際法の重みを持つその判決を守ることに同意した。英国の外務大臣フィリップ・ハモンドは、国会で立ち上がり、国連作業部会へ暴言を吐いた。

アサンジがスウェーデンの女性二人に乱暴したという事件は、警察がストックホルムのタブロイド紙に秘密裏かつ違法に接触し、アサンジを食い物にしようとするヒステリーに火を付けた瞬間からいかさまだった。ウィキリークスが米国の戦争犯罪を暴露したことで、ジャーナリストと自称する権力の手先とその既得権益者たちは顔に泥を塗られた。 このことについて、彼らが周囲の空気を読むことのないアサンジを許すことは絶対にないだろう。

アサンジを記事にすることは解禁状態になった。 アサンジをメディアで拷問しようとする者たちは互いの嘘と罵倒を切り貼りした。ガーディアン紙のコラムニスト、スザンヌ・ムーア氏は「彼は本当箸にも棒にもかからないクソ野郎」と書いている。彼が告発されたというのが世間の常識だったが、それは決して真実ではなかった。私の経歴の中で、激動の地、苦しみの地、犯罪の地で取材してきたが、こんなことはどこにもなかった。

アサンジの母国オーストラリアでは、この「もみくちゃ状態」が頂点に達した。オーストラリア政府は国民を米国に送り込もうと躍起になっていたため、2013年にジュリア・ギラード首相は、アサンジのパスポートを取り上げ、犯罪で告発しようと考えていた。 が、彼は犯罪を犯しておらず、市民権を剥奪する権利もないと指摘されるに至った。

ウェブサイト 「オネスト・ヒストリー」 によると、ジュリア・ギラードは、米国議会で卑屈この上ない演説をしている。オーストラリアは、アメリカの「頼れる相棒」だと彼女は述べ、拍手を浴びた。この「頼れる相棒」は、アメリカと共謀して、ジャーナリストであることを罪に問われている一人のオーストラリア人を捕縛しようとした。保護と適切な援助を受ける彼の権利は否定された。

アサンジの弁護士、Gareth Peirceと私はロンドンで二人のオーストラリア領事担当官に会ったが、とてもショックだったのは、彼らがこの事件について知っていることはすべて「新聞で読んだものです」と言われた時だった。 オーストラリアがこんな風に彼を見捨てたことが、エクアドルが政治亡命を認めた主な理由である。オーストラリア人として、私はこれが特に恥ずかしいことだと思った。

最近アサンジについて尋ねられた時、現オーストラリア首相のスコット・モリソンは「彼は自分の言動の報いを受けるべき」と言った。真実と権利、原則と法の尊重を欠いたこの種の暴力的言辞が、ほぼマードックの支配下にあるオーストラリアのマスコミが自分達の将来を心配している理由となっている。 ガーディアン紙しかり、ニューヨークタイムズ紙しかり、だ。 彼らの懸念には「アサンジが先例」という名前がついている。

アサンジに起きたことが自分たちにも起こりうることを知っている。彼に否定された基本的な権利と正義は彼らに対しても否定される可能性がある。 彼らは警告を受けたのだ。私たち全員警告を受けたのだ。

ジュリアンがベルマーシュ刑務所の残酷で非現実的な世界にいるのを見るたびに、私は彼を守っている人間一人一人の責任を思い起こす。 この事件には普遍的な諸原則の存亡がかかっている。彼自身、「私個人が問題なのではありません。その及ぼす範囲はずっとずっと広いです」ということを好んで語っている。

しかし、この注目すべき闘いの中心にいるのは、一人の人間だ。 そして何よりもこれは闘いだ。 その人間の性格、そう、その人間の性格が驚異的な勇気を示したということだ。 敬礼!




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「ボリビアのクーデターは、リチウム資源を狙う
米州機構(OAS)の策略」と語るモラレス大統領

Bolivian coup was all about the lithium & OAS had a hand in it, ousted president Morales tells RT

RT/ Home/World News/  2019年11月21日

(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月12日)

<記事原文>寺島先生推薦  
Bolivian coup was all about the lithium & OAS had a hand in it, ousted president Morales tells RT

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ボリビアから追放された大統領エボ・モラレスはRTに対し、米州機構 (OAS) が彼の追放に重要な役割を果たしたことと、ボリビアには大量のリチウムが埋蔵されていることがクーデターを後押ししたと述べた。

モラレスは大統領再選を果たした直後の今月初め、ボリビアから逃れた。反対派は選挙は不正だったと主張し、モラレスは再投票を提案したが、彼は警察と軍の支持を失い、メキシコに亡命を求めた。

モラレスは、南米に残っている少数の左派指導者の一人であり、ラファエル・コレア前エクアドル大統領とのスペイン語での対談で、ワシントンDCを拠点とする南北アメリカの右派寄りの州の集まりである米州機構(OAS)が彼の失脚にからんでいると主張した。

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10月のボリビア選挙に関するOASの報告について、「どこにも不正があるとは書かれていませんでした」と彼は述べた。 報告は投票所での「選挙違反」を指摘しているが、他の専門家グループからはそれとは矛盾する報告が複数ある。

OASの報告書が公表された後、モラレスは、OASの事務総長ルイス・アルマグロに連絡を試みたが、返答はなかったと振り返っている。彼の側近に対して、モラレスは「もしあなたが報告書を見直さなければ、あなたはこの報告書でボリビアに火をつけ、死者を出す事態を招くだろう」というアルマグロへのメッセージを伝えている。

ALSO ON RT.COM Bolivia coup ended a period of stability the country hadn't seen for over 180 years, Evo Morales tells Rafael Correa on RT


彼の予測は正確だった。彼の追放以降、モラレスの国ボリビアは抗議と暴動によって麻痺し、彼の支持者と機動隊との間の小競り合いで30人以上が死亡した。デモ参加者は警察の人権侵害を非難しており、ボリビアの暫定政府は国を平和にするために迅速な選挙を導入する法案を提出した。

「OASは決定を下し、そして出された報告書は専門家の報告には基づかず、政治的決定が基礎となっている」と彼は付け加えた。

モラレスは、彼に対するクーデターは、ボリビアのリチウム埋蔵量―世界最大のものの一つ―を産業による搾取に開放する右翼指導者を任命することを目的としていたと続けた。リチウムは電気自動車や長寿命バッテリーの製造に不可欠であり、モラレスは国の経済的将来を確保するためにリチウムの採取の国有化を計画していた。

電気自動車のバッテリーにリチウムを使用しているTeslaは、モラレスの亡命後、株価が上昇した。およそ9億トンと推定されるボリビアのリチウム資源を何とか確保できた一連の企業は、相当の利益を上げることができる。Bloombergは昨年、2025年までに世界の(リチウム)需要が倍増するだろうと報じた。
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アムネスティがFacebookとGoogleを名指しで非難
――「両社のデータ収集は人権への脅威」

Surveillance giants’ Facebook & Google ‘threaten human rights’ with data-grabbing – Amnesty

RT /Hhome /World News , 2019年11月21日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月19日)
 
記事原文<寺島先生推薦> 
‘Surveillance giants’ Facebook & Google ‘threaten human rights’ with data-grabbing – Amnesty
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世界的に人権を脅かし、プライバシーを侵害するような「サーベイ(監視・調査)ベースのビジネスモデル」をグーグルやフェイスブックなどの大手IT企業が採用していると、アムネスティ・インターナショナルは新たな報告書の中で述べ、データ収集の中止を求めた。

水曜日に公表されたアムネスティの「巨大化した監視・調査企業」報告書は、FacebookとGoogle、およびそれらに関連する多くのプラットフォームが、如何に①プライバシーの権利と相容れない形で機能し、②インターネット上での表現の自由への「組織的脅威」を引き起こしているか、の実態を記述している。

「確かに、GoogleやFacebookが、提供してくれるサービスには価値があるが、代償は高くつく」と報告書は述べている。

「調査・監視」型のこれらの企業のビジネスモデルは、人々に「ファウスト的取引」(訳注:悪魔との取引)を強要し、人権侵害に基づくシステムに従うことによってのみ、オンラインで人権を享受することができるというものである。

他の大手テクノロジ-企業もインターネット業界の別の分野で大きな力を得ているが、アムネスティはFacebookとGoogleを名指しで非難、「新しい世界的な公共広場」に対する支配力を彼らが増大させている、とした。 この「公共広場」とは、世界中のネチズンが通信、取引、そして「彼らの権利をオンライン上で実現する」ために使用する主要チャネルのことだ。

ALSO ON RT.COM ‘The Great Hack’ expert warns that Facebook data-grabbing puts ‘power over people’

「GoogleとFacebookはわれわれの現代生活を支配している―何十億人もの個人データを収集し、それを基に金儲けすることで、デジタル世界における比類なき力を蓄積している」と、アムネスティのクミ・ナイドゥー事務総長はプレスリリースで述べた。

自分のデータが、自分たちを操作し、影響を与えるための武器として使われる監視機構に従うのか、或いはデジタル世界の利益を諦めるのか、わたしたちはそのいずれかを選ぶ必要がある。

さらに、ナイドゥ-氏は、「大手テクノロジーの運用方式を根本的に見直し」、人権を前面に、そして中心に据えたインターネットの構築を呼びかけた。

ALSO ON RT.COM Google sucks up & analyzes healthcare data on millions of Americans in secret AI project… after voluntary opt-in flops

アムネスティの報告書は、どうすることが、個人情報を保護しにくくするかを再度あきらかにしただけだ。これまで両社は、数え切れないくらい摘発されてきたのだから。

先週Wall Street Journalが報じたところによると、GoogleはヘルスケアプロバイダーのAscensionと提携して、21州にまたがる何百万人もの患者の医療記録を秘密裏に収集し保管している。同社がGoogle Healthを通し、医療データを自発的に提出するよう顧客を説得することに失敗した過去があるのに、だ。ちなみに、Google Healthは、データ収集の協力者がだれもいなかったために2011年に閉鎖された。

保存されたデータをハッキングや侵害から守ることができないことに加えて、Facebookは他の企業とデータを共有する方法についても非難の的になっている。 Facebookユーザーが、アカウント上のすべてのデータ共有を無効に設定していても、他のテクノロジー企業が、その個人情報にアクセスすることを可能にした150以上の違法な提携があったどうかについて、今年初めに調査の対象となった。 

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NHS patient information illegally shared with Google DeepMind
Facebook helps phone companies gather user data, including their 'creditworthiness' – report
Apple bans Facebook’s data-collecting app, reportedly kicks it off developer program
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「暗殺未遂」を確信する追放されたモラレスボリビア大統領

記事原文<寺島先生推薦>
Assassination attempt’: Bolivia’s Morales is certain helicopter malfunction was bid to kill him

翻訳<寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月>



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追放されたボリビアのエボ・モラレス大統領は、先月移動中のヘリコプターで発生した機械的故障は「暗殺未遂」であり、事故ではないことに「疑いの余地はない」と語った。

エクアドル元指導者ラファエル・コレアが聞き役となったRTスペインの独占インタビューの中で、モラレスは、事故は明らかに尾部ローターの機械的欠陥で、彼が新しい道路の開通式に向かう途中で起こったことだと言った。

「最初は事故かと思ったが、今では暗殺未遂だったことに何の疑いも持っていない。」

モラレスは、右派の軍事クーデターで追放された後、先週メキシコに亡命するためボリビアを脱出した。 
彼の言葉によると、1日に何度も、たとえ悪天候の中でも、ヘリコプターを使っていたが、今回のような出来事は一度も起きていない、とのことだ。

ALSO ON RT.COM Bolivia coup ended a period of stability the country hadn't seen for over 180 years, Evo Morales tells Rafael Correa on RT

この社会主義指導者モラレスは、最近「完全に変わった」と彼が言う空軍司令官ホルヘ・ゴンサロ・テルセロス・ララに、「暗殺未遂」の容疑をかけた。
  また、クーデターの指導者ルイス・フェルナンド・カマチョは、同日、ボリビア国民はすぐに「エボの転落を目撃する」ことになる、そしてそれは「ビデオに撮影されるだろう」と宣言していた。

「私たちがその夜の墜落事故を生き延びた、というニュースが入った時、大統領が墜落事故で死ぬことを期待していた人々は失望した」と彼は言った。その後数日のうちに、警察が街頭の抗議者たちに加わり始めたと、モラレス氏は振り返る。

ALSO ON RT.COM Bolivian coup was all about the lithium & OAS had a hand in it, ousted president Morales tells RT

土曜日にチモレを訪れた際、モラレスが語ったこと:一人の警官から、彼を拘束すれば「5万ドルが提供されるという数え切れないほどのメッセージ文書や電話の呼びかけ」を見せられた、という内容。
この警官は彼に用心を促し、警備を倍増して首都ラパスに戻るよう警告したとモラレスは語った。

水曜日、モラレスは、今回のクーデターと、自称「暫定大統領」のジャニン・アニェスが武力で政権を握った後に、彼の追放に抗議したボリビア先住民を警察が虐殺したことに介入し非難するよう国連に求めた。
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ロジャー・ウォーターズ、真のジャーナリストである
ジュリアン・アサンジの身の安全を訴える
―― スウェーデン検察当局の欺瞞的言辞を非難

<記事原文>寺島先生推薦
‘Mealy-mouthed bunch of bulls**t’: Waters decries hypocrisy of Swedish prosecutors, says no evidence Assange EVER injured anybody

RT / Home / World News 2019年11月20日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月17日)



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© Reuters / Henry Nicholls / Carlo Allegri

ピンク・フロイドの共同創設者ロジャー・ウォーターズは、昨日ウィキリークスの共同創設者ジュリアン・アサンジに対するレイプ捜査を取り下げたスウェーデンの検察を非難し、すべては最初から「完全にでたらめな罠」と言った。

ウォーターズはRTに対し、
①スウェーデン検察当局の、アサンジに対する証拠は2010年以来「その証拠能力は弱
まっている」とする声明は「何を言ってるのわからない戯言」であり、
②「(アサンジ)が誰かを傷つけたという考えを支持する証拠」はない、
と語った。

アサンジがいまだにロンドンのベルマーシュ刑務所で実際の法的手続きを踏まずに苦しんでいるのは、この「罠」のせいでもあるとウォーターズは言う。「アサンジは米国の戦争犯罪について不愉快な事実を述べたため、徐々に国家によって殺害されている」と彼は付け加えた。


この法律は、単一帝国として拡大しつつあるアメリカからの強い要請で窓から放り出されつつある。そして、それはあまりにも間違っている。

伝説的なイギリスのロックンローラーであるウォーターズによると、アサンジが獄中で拘禁され続けているのは「純粋に政治的」であり、本物のジャーナリズムに傾倒するかもしれない他の人々に彼が「警告」として利用されている政治犯であることは間違いないという。

正気の人間が集う世界であればどこでも、ジュリアン・アサンジは
人々の英雄と称賛されるだろう。

ウォーターズはまた、主要メディアにも照準を合わせ、現在主要メディアにいろいろな出来事の真実の報道を見つけるのはほとんど不可能だと述べた。「近頃真実を見つけるのは度外れに難しい」と彼は語った。

ALSO ON RT.COM Assange rape case dropped: Sweden abandons probe that led to WikiLeaks co-founder’s asylum in UK’s Ecuadorian embassy

アサンジは、米国への引き渡しについての審理を待って、現在、ベルマーシュ刑務所で苦しい獄中生活を送っている。 が、アメリカに送還されれば、漏洩した軍事文書を公開し、戦争犯罪を暴露した罪状で175年の刑を受ける可能性がある。ロンドンの裁判所は、10月、彼の弁護士が身柄引き渡しの審理を何とか延期させようとした後、アサンジに不利な判決を下した。

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アメリカ億万長者達の不安と焦り

<記事原文> 寺島先生推薦
‘War on Wall Street’? Billionaires declare themselves a persecuted minority

RT Op-ed   2019年11月15日 

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月16日)

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億万長者達は、前例のない格差の時代に漂っているポピュリストの怒りの亡霊を追い払おうと慌てふためいている。 その亡霊はある時は富裕税として、ある時は規制の強化として出現する。
おそらく、彼らはこうなる結果を40年前に考えるべきだったのだ。

2020年の選挙は「ウォール街と富との戦争」を引き起こす可能性があると、「大規模すぎて潰せない
銀行」のシティ銀行が、今週、ブルームバーグが引用した手紙でその顧客達に警告している
シティ銀行は、最近の富裕層は単に「低・中所得者のさらなる税控除を含む再分配政策」の「絞り出せば金が出る乳牛」と見られていると嘆いている。
トランプ政権2017年の税削減の第一の受益者はシティ銀行の手紙を受け取った金持ちであり、彼らが所有する企業だったことは気にするな、とも。 
ただ、大衆の怒りが出てきており、シティ銀行は顧客に対してそれへの心構えを求めている。

シティ銀行の手紙は、「われわれは迫害された階級だ!」と宣言する億万長者の、そこだけが突出した事柄では決してない。
民主党の大統領候補であるバーニー・サンダースとエリザベス・ウォーレンが提案している、国のボロボロの社会的セーフティーネットの必要な強化のための富裕税は、明らかに超富裕層の心に恐怖を吹き込んだ。
それは、ポピュリスト的言説が広まっているのと、世界の他の地域では新自由主義的資本主義が、いわれているような評判どおりのよいものではない、という認識が徐々に広まっている状況下でのことだ。


ALSO ON RT.COM ‘Arrogance of billionaires’: Bernie Sanders slams Michael Bloomberg’s potential run without campaigning in key states ALSO ON RT.COM ‘Arrogance of billionaires’: Bernie Sanders slams Michael Bloomberg’s potential run without campaigning in key states

この手紙を公表した唯一のテレビ局であるブルームバーグの局名は、ニューヨーク市の元市長マイケル・ブルームバーグにちなんで名付けられた。
マイケル・ブルームバーグは、富裕税と規制の強化に反対し、先月大統領選挙に急遽出馬した。 
しかし、すでに多数の立候補者があり、有権者は、彼のような70代の男性白人の金持ちがもう一人出馬することに特別な期待は何も持たなかった。
市長時代、彼はニューヨークを超富裕層のための遊び場、そして貧しい人々のための警察国家に変えた。 
こんな実績を良しとする人間は少数だ。もちろん、彼の仲間の億万長者は別だが。


「億万長者を中傷しても私には何の意味もない」とヘッジファンドの億万長者レオン・クーパーマンは、先週全米放送のCNBCで語り、仮にウォーレンが大統領になっても、自分の財産は守ると、涙目で言った。
そして、自分と同じ億万長者達(ブルームバーグを含む)は世界を「よりよい場所」にした、と主張した。
クーパーマンは、富裕税を「破産概念」と呼び、ウォーレンが選出されると株式市場が暴落することを警告した。
これは予言だが、警告というよりはヘッジファンドの創立者である彼からの脅しにも聞こえる。
彼が死んだ時は、「すべてのお金を寄付するつもりだ!」とお涙頂戴のような言い方をしたが、死んでからの慈善活動を口にしても政治家の心は動かないことにショックを受けた様子だった。

ALSO ON RT.COM Robin Hood in reverse: US billionaires paid lower tax rates than working class in 2018 in latest blow to capitalism


ピッチフォ-ク(鉄製熊手)を振るう怒り狂った大衆への恐怖は別に目新しくも何ともないが、格差があまりにも固着しているため、億万長者の税率が労働者階級のそれより低いのが現実だ。 
ちょっとした是正でも、それは怪物のように肥大化した富裕層への処罰感情につながる。
おそらくこれが、予想される階級闘争を避けようとする人間が少ないことの理由だ。 
この階級闘争は次のような構想を支持することによって労働者階級にプラスの結果をもたらすかもしれない:
    
    ①富裕層がその資産を海外、あるいは「慈善」基金に隠匿することを許す税の抜け穴を塞ぐこと
    ②ウォールストリートの株取引に課税すること
    ③大規模資産へ課税すること

いずれもサンダースやウォーレンがやろうとしていることだ。 これに対して億万長者達は前スターバックスCEOのハワード・シュルツの言説に従っている。民主党からはただ一人の富裕層立候者だが、彼に対する反対デモが起きている。
彼は自分の属するグループを「億万長者」ではなく「資産家」と呼ぶように主張している。 
「億万長者」は響きが悪いというのだ。

ウォーレンが、富裕税に対する数人の億万長者の、信じ難い反応をつなぎ合わせたコマーシャルをリリースした後、そのうち数人から反撃があった。
  ゴールドマンサックスのCEOであるロイド・ブランクファインは、億万長者への中傷は差別、つまり「人間を一括りにして批判すること」である、と示唆した。 
  さらに彼は、マサチューセッツ州上院議員であるウォーレンの「『ネイティブアメリカン』起源」問題をあてこすった。
  クーパーマンは、もっと意地悪く、「クソッタレが!ウォーレンは誰にツィートしているかわかってないんだ!」と罵った。 
  彼女が「インサイダー取引の嫌疑あり」の文を彼の顔の上に重ね合わせた選択をしたことに反応してのものだった。

「アメリカ人は裕福な人がきらいではありません。みんな裕福になりたいと思っています」とヘッジファンドのクーパーマンは言い張り、度外れに巨大化した富を守ろうと涙ながらに言葉を続けた。

 しかし、かつては「チャンスの国」と言われたアメリカで金持ちの階級に入るのは以前ほど簡単ではない。
 ハーバードのエコノミストRaj Chettyによると、アメリカにおける社会的流動性はこの半世紀で70%下落している。 
  2016年までに、30歳の約半分が同じ年齢だった両親より所得が少ないというのだ。 
  収入面で見た労働者の下半分に、1970年代以降、所得の実質的な伸びは見られなかった。 
  ただし、Chettyの指摘では、1980年が「変曲点」で、以降の格差の開きは爆発的だという。
  かつては安定していたアメリカの中産階級は、企業の海外移転と組合の解体により破壊されてきた。 
  一方格差の蔓延を引き起こした「トリクルダウン」経済政策は、労働者階級の貯蓄を裕福な人々へと仕込む「トリクルアップ」に変質した。
  そして、ほとんどのアメリカ人(5人中4人)は何らかの借金に苦しんでいる。
   人々が「アメリカン・ドリーム」の夢から目覚め始めていることは驚くに当たらない。
 
 しかし、それはクーパーマンが彼なりに抱いたひとつの不満であり、億万長者達を一様に襲っているパニックだ。
 「裕福な人々を中傷しながら、その意図は別にある。彼らの訴えは大衆に向けられているのだ!」と彼は叫んだ。 
 その様子は、まるでどんな政治家でも、彼らの活動資金を賄ってくれるのは紛れもなく寄付者であるのに、語りかけが有権者に向かってことに愕然としている風だ。 
 民主党の大口寄付者達は、ウォーレンがもし大統領候補としてノミネートされたら民主党への支持を撤回する、という脅しまでかけている。
 (「億万長者はいらない」という、今はバンパーステッカーにもなっている標語を挑戦の手袋として投げつけ有名になったサンダースについても同様)ている。

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実際のところ、ポピュリズム政治家たちが(支配層にとって)過去に問題になったことはない。 
民主党員として前回大統領を務めたバラク・オバマは、選挙戦で国民のために戦うと約束したにもかかわらず、シティ銀行幹部の指揮の下で主要人事を決めた。
彼が政権に就こうとしている間、彼の前任者のブッシュ(子)は、略奪的な住宅ローンの貸付で米国経済を破壊したシティ銀行や他の銀行を公的資金で救済し、2008年だけでほぼ100万家族を路頭に迷わせた
 そして、(億万長者所有の)メディアの最善の努力にもかかわらず、根強いポピュリズムの流れがアメリカの政治に浸透している。 主要メディアはと言えば、機会あるごとに「ポピュリズムファシズム」を発信している。 
 が、若いアメリカ人達はますます社会主義を好意的に見るようになっている。
  こういった傾向はどちらも、超富裕層の楽観的な未来を予測するものではない。

  もちろん、次期大統領がたとえ軍事に固執し、資金面では億万長者に照準を合わせても、その政策がうまく行くことは保証されない。
  シティ銀行が手紙で示唆しているのはこのことであり、改革志向の大統領が誰になっても、ウォール街に忠実な議会を通して立法を推進するのは並大抵ではないことを投資家達に想起させたのだ。
  ついでながら、金持ち達は、アメリカ政府が戦いを宣言した他のすべてのこと(貧困、麻薬、テロリズム)が全く撲滅されていない事実に胸をなで下ろすことができる、とも。

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ボリビアでのクーデター:モラレス大統領はなぜ追放されたのか?

<記事原文>寺島先生推薦
Bolivia’s coup: Morales toppled not due to his failures, but due to his success

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo. 2019年12月16日)

https://www.rt.com/op-ed/473560-bolivia-coup-morales-resources/
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© Global Look Press / Jair Cabrera Torres

モラレスの追放に至った状況、および外国政府がその追放に何らかの役割を果たしたかどうかについては疑問が残っている。 しかし、近年の歴史を見れば、「ボリビアには豊かな天然資源があるから」ということがその疑問への答えの一部になるかもしれない。

一人のボリビア軍将校が、ほとんど誰もいない部屋で、ベニ地区の上院議員ジャニーヌ・アネス・チャベスの肩に大統領サッシ(たすき)を掛けた。 彼女は最近の国政選挙には出馬していない。 熱心なキリスト教政治家として、彼女は聖書を式典に持ち込み、今回のボリビアにおけるクーデター体制を固めた。

一方、10月20日の投票の勝者であるエボ・モラレスは追放先のメキシコに到着するところだった。彼はジャニーヌ・アネス・チャベスを大統領に仕立て、クーデターは起きていないと主張する同じ軍将校達によって追放された。
不正選挙の申し立てに対する混乱を鎮めるために選挙のやり直しを呼びかけた後、モラレスは大統領を辞任した。 軍と警察のトップは彼に辞任を「持ちかけて」いた。もっともそれはモラレスの左翼「社会主義運動(MAS)」党の活動家と選挙管理人を保護できなかったあとのことだが。

確かに、モラレスの追放に至った状況については多くの疑問があるが、それがどのように起こったのか、なぜ起こったのかについては以前より明らかになってきている。
最初に見なければならないのは、彼が大統領職、そしてボリビアから追放された経緯だ。

エクアドルのレニン・モレノは、緊縮財政をめぐる大規模な抗議に直面したため、グアヤキルへの短い移動はあったが、カロンデレト宮殿に今でも居続けている。 
一方、チリ大統領セバスチャン・ピネラは、3週間以上の大規模な連日の抗議で支持率が9%に下がったにも関わらず、権力にしがみついている。

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チリとエクアドルの最近の例でわかるのは、政府が転覆されるのは必ずしも街頭の群衆の数によるというわけではないことだ。 一方、米国の同盟者であるモレノとピネラは、それぞれ自国の軍隊の支援を受けたが、モラレスはそうではなかった。

モラレスの政府が倒れた理由は、失政があったからというのではなく、むしろその政策が成功したからだ。
モラレス執政下のボリビアは、格差の是正、女性の立場を向上させる重要な獲得物、などなど、実質的にすべての社会的指標における目を見張る実績のために、多数のオブザーバーや色々な組織から賞賛されていた。

元コカ栽培農夫だったエボ・モラレスのリーダーシップの下、ボリビアは何十年も達成できないでいた政治的安定のレベルについに到達した。 それにもかかわらず、モラレスは数日のうちに国外に追放された。
ボリビア経済は、その左翼的、民族主義的傾向に沿ってきちんと強化されてきた。
最初の任期の早い段階で、エボはボリビアの天然ガスを国有化した。 ボリビアの天然ガスの埋蔵量はベネズエラに次いで、南アメリカで2番目に多い。 これにより、政府はそのインフラストラクチャーだけでなく、ボリビア国民のための支出を開始することができた。

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モラレスの社会主義政府は、国の資源の管理をめぐる企業との数多くの戦いに巻き込まれ、しばしば影響を受けた企業に何らかの形の補償をする必要は生じたが、ボリビアの経済に悪影響を与えなかったことは明白だった。

モラレスの政府は、その成功の大部分を天然ガス(繰り返しになるが、これは国有化されている)に負っているが、経済の多様化を目指しており、リチウムを国の経済の将来の鍵として注目していた。 リチウムは電気自動車に不可欠であり、ボリビアにはそれが大量にある。 (ボリビア人に言わせれば)世界の総埋蔵量の4分の3以上だ。

リチウムにはこういう価値があるにもかかわらず、投資家たちに課された条件は資源を確保するには厳しいものだった。 ただ、ドイツのACISAとTBEA GroupやChina Machinery Engineeringなどの中国企業はやがてボリビアの国営リチウム企業Yacimientos de Litio Bolivianos(YLB)と契約を結ぶことにはなったが。

しかし、モラレスは、強制辞任のわずか1週間前に、いろいろな抗議があったためウユニ塩原でのACIとの取引をキャンセルした。 ACISAの社長は、11月6日のドイツ経済相への手紙で、驚いたが、「リチウムプロジェクトが再開されることを確信している」と述べた。 

一部の人々にとって、中国資本の参入を含め、リチウムに対するエボの立ち位置が彼を追い出した理由になっている。

この時点では憶測以上には出ないかもしれないが、ボリビアにおける資源を支配するため、長期に亘る様々な介入が裏舞台で展開されていたことを指摘する人downloadもいる。
「ボリビアは非常に豊かで、新しい電池を作るために必要な材料の70パーセントを持っていると言われている。 世界におけるエネルギー事情の変化が起こっていることは、誰でも知っていることだ」とウルグアイの前大統領であるホセ・ムジカは述べた。

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「証拠がないからだれも非難はしないが、歴史があるから不信感を持ってしまうのだ。」
それほど遠くない歴史は、ムジカの疑惑の根拠を明確に裏付けている。
米国国際開発庁と民主主義国家基金(NED)は、ボリビアの野党グループとNGOに、サンタクルスでの暴力的な反政府抗議行動を含む不安定化の取り組みの一環として、何百万ドルもの資金を長い間投じてきた。 サンタクルスには市民委員会のリーダーであり、熱狂的クリスチャンであるルイス・フェルナンド・カマチョが拠点を置いている。

モラレスに辞任を「持ちかけた」ボリビア治安部隊の2人のトップ-警察署長のウラジミール・カルデロンとボリビア軍のウィリアムズ・カリマン司令官-もまた、悪名高い「アメリカンスクール」の卒業生であり、近年アメリカでそれぞれ大使館付き警部官そして武官として務めている。 米国は、中南米の軍人および警察官を資産として確保していることを何ら秘密にしなくなった。

現在、西半球の最も反動的なリーダー(訳注:トランプ大統領)と市場からの好意的な反応を考えると、モラレスを追い払う動きで外国政府と国際資本が果たした正確な役割をどうこう言っても意味がない。

ボリビアの社会主義指導者エボ・モラレスは、自分の国ボリビアをそれに服従させることを拒否したが故に、経済的および政治的利益グループの怒りを招いたのだ。 そしてそういう人間がどうなるか、のひとつの実例に、今彼はさせられている。

By Pablo Vivanco


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「『エリア51』急襲」騒動の真相

NOT ‘the last thing millennials will see’! US military apologizes for ‘Area 51 raid’ meme with B-2 stealth bomber

RT  Home/USA News/   2019年9月22日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月16日)

<記事原文>寺島先生推薦 
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ある米軍部隊はUFOファンと異星人愛好家に、政府がB-2核対応爆撃機を使用して機密エリア51施設内に保持されている秘密を保護する用意があるとしたツイートを謝罪せざるを得なかった。

ネバダ砂漠の秘密の空軍基地に向けられた一連の誇大宣伝に飛びつき、防衛ビジュアル情報配信サービス(DVIDS)は、金曜日、B-2ステルス爆撃機の写真をツイートすることで、自分のインターネット・ミーム(訳注:インターネットを通じて広まる情報。以下「ミーム」)の威力を発揮した。ぞっとするような警告も添えて(訳注:以下はそのツイート)

          #Millnnialsはもう最後だと思うことだ。 今日「エリア51」の急襲を企てるのなら。

しかし、上官の誰かは、ジョークとして書いたステルス爆撃機が、UFOハンターたちを本気にさせ、またはミレニアル世代を怒らせるのではないかと、心配したようだ。 急いでそのミームを削除し、謝罪した。 また、DVIDSHubアカウントを担当していたその隊員を部隊の勤務から外した。

この担当者が書いた最初のツイートは、一部、論争と批判を引き起こしたが、#Millennialsのハッシュタグの下に投稿された雪崩のようなミームの中でほとんど気付かれることはなかった。 それを面白いと感じているという投稿ですら、「ツイートした人間は昇進に値する」と述べていた。

そんな中、最大51万人のエイリアンハンターたちがエリア51のゲートを突破するとした、ウィルスのように拡散した悪ふざけは、爆発的な動きにはならず、数十人の熱狂者のブツブツ声だけに終わった。
 数人が無秩序な行為で逮捕されたが、米国政府は戦略爆撃機を配備したり、隠れているかもしれないエイリアンが設計した群衆制御技術を使用する必要もなかった。

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司法省、ウォールストリートに強腰の姿勢――JPモルガンのトレーダー告発

司法省、ウォールストリートに強腰の姿勢――JPモルガンのトレーダー告発

JP Morgan traders accused of manipulating price of gold, silver for a DECADE, as DoJ tries to look tough on Wall Street

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JPモルガンの貴金属トレーダーは、不正取引を通じて数百万ドルを稼ぎ、価格を操作するために広大な犯罪陰謀を操作したとの米司法省の声明。 その犯罪を摘発する、というシグナルが送られたものとみられる。

JPモルガンの現、そして元貴金属トレーダーであるグレッグ・スミス、マイケル・ノバック、およびクリストファー・ジョーダンらが、「貴金属先物契約の市場を操作し、市場参加者を欺くための大規模な複数年計画」に関わりがあったとは、月曜日に司法次官補Brian Benczkowskiが DOJ(米司法省)声明で述べたことだ。
  DOJの主張としては、この三人の銀行家が、数千件にわたる一連の違法な取引で、自分のクライアントの一部を含む他の市場参加者を詐取することによって数百万ドルを稼いでいた、というものだ。

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三人は、大規模な「なりすまし」に関与したと言われている。 つまり、金、銀、およびその他の貴金属の価格を操作するために、破棄することを考えていた取引を、契約締結前に行っていた。 
この事案は10年以上前に遡る。 彼らの違法な振る舞いは、検察が取得したチャットログで大っぴらに議論され、そのことは起訴状に述べられている。 
彼らの訴追名は、銀行、電信、及び商品詐欺、価格操作、なりすまし、さらには「あるパターンのゆすり行為を通じて、州間または海外商取引に関与する企業の業務を遂行する共同謀議」である。
 この訴追名は、通常、組織的犯罪グループにしか適用されないものだ。

これらの告発で司法省が、商品市場の統合性に対する投資家の信頼を損なう人々を訴追することに本腰を挙げたことは間違いないだろう。

明らかに、この訴追はあるメッセージを送ることを意図している。ただし、そのメッセージがウォール街の犯罪者に向けられているのか、銀行犯罪者たちが金融犯罪を犯しても何の処罰も受けないことにうんざりしているアメリカ人に向けられているのか、は不明である。司法省は、最近2件の価格操作事件裁判で敗訴している。

スミスとノバクは、調査が終了に近づいたため、先月JPモルガンから休暇扱いとなった。一方、ジョーダンはすでにより安穏な職場に異動済みで、クレディスイスとファーストニューヨークで貴金属を扱っている。
  起訴状によると、この三人は全員、倒産したベア・スターンズのの買収を通じてJP Morganに籍を置くようになった。

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ブルームバーグによれば、彼ら三人の起訴は、JPモルガンの少なくとも二人の元トレーダーの助けがあったからできたことだ。
 この二人は貴金属部門の、これまでのところ16人に誘いをかけた価格談合の広範なマルチバンク調査になった事件で有罪を認めている。

ドイツ銀行、HSBC、UBSは昨年、商品先物取引委員会と合意し、それぞれの銀行のトレーダーが「なりすまし」を使って貴金属先物価格を操作したという申し立てを解決した。ドイツ銀行が3,000万ドル、HSBCが1.6百万ドル、UBSが1,500万ドルを支払うことになった。自分たちの不正行為を認めることや、長期にわたりそうな法廷闘争を避けるためだ。


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30,000ドルの学生ローンから逃れるために中国へ

American who fled to CHINA from $30k in student loans
21 Jun, 2019 02:43 / Updated 5 months ago
(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo. 2019年12月16日)
<記事原文>寺島先生推薦

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© Reuters / Randall Mikkelsen

「何百万人ものアメリカ人が学生ローンの重さで苦しんでいますが、政府はそういう事態を何とかしようとするよりイランを爆撃したいと考えているのです」とRTに語るのは、自分が抱えた首が回らないほどの学生ローンから逃れようと中国行きを決めた大学院生だ。 

チャド・オルブライトは、2007年末にペンシルベニア州の中規模の公立大学であるミラーズビル大学で広報学の学位を取得した。 時期的には最悪だった。30、000ドルの学生ローンを抱え、オルブライトが仕事に就いたのは、前例のない住宅ローン危機により、アメリカ経済が不況に陥った、まさにその時だった。

仕事の見込みがほとんどないため、オルブライト氏選択肢が限られていると述べた。

「大学卒業者がこんなにいるのに、十分な仕事がありません。低賃金のサービス部門は別ですが」とオルブライトはRTに語った。 「学生ローンを返済するだけでは不十分で、卒業後6か月以内に返済を開始するよう政府から要求されます。」

It’s kind of like being in a debtor’s prison.
「債務者刑務所にいるみたいです」

じきに電話攻勢がかかるだろう。債権者たちは、オルブライトの電話を鳴らし続け、何とか集金をしようとする。 しかし、「ない袖は振れない」と彼は債権者たちに言ったのだった。

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「ローンの返済など、できようはずもありませんでしたし、債権者たちは私たちに金がないことをよく知っていました。でもそんなことはどこ吹く風です。教育省の電話は鳴り続け、鳴り止まず、もうウンザリでした。」

そんな目に遭っているのは、オルブライト一人ではない。フォーブスは2月の報告によれば、約4,400万人のアメリカ人が合計1.5兆ドルの学生ローンの負債がある。総額は2022年までに2兆ドルに急増すると予想されている。平均して、一人当たりは約30,000ドルの負債だが、200万人以上の学生に10万ドル以上の負債がある。
住宅ローンやクレジットカードの債務など、他の金融債務とは異なり、学生ローンは通常の状況では破産によって免責されない。 1998年に可決された法律は、債務者が免除を受けるために「過度の困難」を証明することを要求している。


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何年もの、実りのない就職面接の後、オルブライトは匙を投げ、2011年に、家から約7,000マイル離れた中国への片道切符を予約した。

.
現在、借金の負担のために国を逃れた学生の数を追跡する全国的なデータベースはないが、他のいくつかの有名な事例がニュース報道に登場している。


中国到着後、仕事を見つけるのは難しくなかった、とは彼の言葉だ。 中国では英語教育が「急成長ビジネス」だったからだ。 アジアで2年間教えた後、オルブライトはウクライナに定住することを決め、そこでさらに多くの雇用機会を見つけたと言っている。

国外居住している彼に、すぐ米国に戻る計画はないが、彼はまだ学生ローン制度を何とかしてほしいと思っていて、彼のケースが彼の母国での議論の促しになることを望んでいる、と言っている。
「これがアメリカ上院、下院の指導者たちの注意を引くようにしたい」とオルブライトは言った。 「これはとてつもなく大きな問題です。それなのに、私たちの政府は5000万人のアメリカ人に影響を与えている深刻な問題を修正するよりも、イランと戦争をしたいようです。それがウンザリなのです。」
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アメリカ政府はこんな個人情報まで把握している

c(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ o. 2019年12月16日)

<記事原文>寺島先生推薦 247wallst.comの記事より https://247wallst.com/special-report/2019/08/12/surprising-things-the-us-government-knows-about-you/

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1967年、スティーブン・スティルスは、「バッファロースプリングフィールド」バンドのために書いたヒット曲「For What It's Worth」で、「パラノイアが深く、あなたの人生に忍び寄る」という言葉を歌った。

それから50年以上の歳月が流れ、地球上のほぼすべての人に関する情報がどれだけ容易に入手できるかを考えるとき、彼と同じ気持ちを持つことは誇張ではない。 (特に)自分の母親ですら知らないことでもどこかで情報管理されているのだ! 
職場や学校にいるはずなのにどこかで車を運転していたということから、その時は素晴らしいと思って若気の至りで彫った小さなタトゥーの図柄まで。

政府は、コミュニティから連邦レベルまで、多くのデータを収集する。 それを諜報機関だけがやるわけではない。 
税金納入、選挙登録、運転免許証の取得、郵便利用、そして子供を通学させることなどを通して、私たち自身とおそらく私のたち家族に関する情報までも私たちは政府機関に提供している。 
誰がその多くのデータにアクセスできるのか、それを法執行機関と共有できるのか、あるいは連邦政府機関間で共有できるかなどは、法律によって規制される。 
最近、省庁間のコラボレーションの機会が増え、さまざまな政府機関がデータを組み合わせて、各部門が単独で達成できるよりも詳細な個人プロファイルを構築できるようになっている。

各機関がより多くの個人情報を持っていればいるほど、何らかの方法で誤った取り扱いがなされる可能性も高くなる。インターネットの普及により、個人情報泥棒の発生件数は以前とは比べものにならない。 
被害者は世界中から標的にされる可能性があるが、この種の犯罪の報告は州によってばらつきがある。 ここに挙げたのは、個人情報泥棒が最も多い州だ。these are the states with most and least identity theft

Click here to see the surprising things the government knows about Americans.

政府がデータ収集することの「ビッグブラザー効果」を一部心配する向きもあるが、私たちは、ソーシャルメディアでの共有、プライバシーポリシーと利用規約の受け入れ、クレジットカードや大学への申請を通じて、自分から進んで多くの情報を手渡しているのだ。
販売会社や信用調査機関やプロバイダ-、言い換えると世界全体と情報を共有する、しないにかかわらず、誰かが情報を収集して集約している。
個々の企業にはプライバシーポリシーがあるが、これらのガイドラインには法的効力はない。 政府とは異なり、これらの商用データベースにアクセスできる人はだれでも自由に使用できる。 
法執行機関や諜報機関にコンテンツを提供することもその中に入る。 多くの場合令状も裁判所の命令もなしに。

こういった情報共有は、悪人達の身元を特定したり、追跡することにはプラスになる可能性があるが、我々善人にとっては必ずしも素晴らしいとは限らない。
何気ないコミュニケーションや買い物、研究プロジェクト、皮肉な、または冷笑的なコメント、さらにはあまり厳密とは言えないオートコレクト機能(訳注:例えばマイクロソフト社の「ワード」)でさえ、我々にマイナスに働く可能性がある。

ここでは、政府がアクセスできる個人データの種類と、さまざまな機関がそれを取得する方法について詳しく説明することにする。その一部に触れるだけでも、冒頭に掲げたスティーブン・スティルスの半世紀前の懸念はむしろ古風な感じさえに思えてくる。

1.ソーシャルメディアへの投稿
私たちの多くは、ソーシャルメディアに夢中になっていることを嘆き、それを時間の浪費と非難したり、あるいは反対に連絡を取り合う方法、インスピレーションの源、貴重な情報の源泉として正当化する。
2002年に設立された国土安全保障省(DHS)は、少なくともその最後の部分について私たちと同意見だ。 2012年、電子プライバシー情報センターが提起した訴訟に対応するため、DHSは少なくとも18か月間、FacebookやTwitterなどのサイトを監視しながら、キーワードの検索をしたことを認めている。
昨年、DHSは、ソーシャルメディアのインフルエンサーが投稿したコンテンツを追跡、監視、類型化、そして活用するプログラムを提案し、米国憲法修正第1条(訳注、宗教の自由な行使を妨げる法律の制定などを禁止している)の活動家を警戒させた。
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Source: Rawpixel / Getty Images

2.メール履歴とトランスクリプト
外国情報監視法(FISA)の702項のおかげで、国家安全保障局などの政府機関は、米国内外の人々の通信を監視する時、令状を必要としない。
監視対象外のアメリカ人のメールは、他の調査の副産物として収集される可能性があるが、それはせいぜいプライバシー侵害にしかならない。
FISAに掲げられた目標は、国家安全保障を保護するために米国の外交に関連するコミュニケーションに目を向けることだが、抜け穴は、国外のすべての人間は実質的に監視の対象になるということだ。 その中にはジャーナリスト、政治活動家、および人権活動家、弁護士、科学者、学生、ビジネスマンなどが含まれる。

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Source: agrobacter / Getty Images

3.閲覧履歴
前世紀から、FBIや国家安全保障局などの政府機関は、我々がコンピューターで見ているものに興味を持っていた。
連邦通信委員会のインターネット・プライバシー・ルールは、企業が顧客の閲覧習慣、アプリの使用履歴、位置データ、社会保障番号などの情報でできることを制限することを目的としていた。
2017年に「インターネットプライバシー法」が廃止されたことにより、通信会社は顧客のプライベートオンライン使用情報を収集および販売することが許されている。 
「インターネットプライバシー法」の廃止はターゲットを絞った広告には恩恵になったと言われていると同時に、ブロードバンド企業が最高入札者にデータを販売することを妨げるものもなくなった。78-4




Source: alexsl / Getty Images

4.正確な位置特定
2012年に最高裁判所は、法執行機関が令状なしに誰かの車両にGPS追跡装置を設置することはできないと裁定した。
しかし、私たちは車や携帯電話を持っていることにより、四六時中GPSを身につけていることになる。米国政府は空軍が運営するナビゲーションシステムを所有しているため、政府機関は私たちを常に追跡することが可能だ。
GPSを搭載したデバイスをオフにしても、Wi-Fiネットワークや範囲内の基地局にpingを実行して、居場所を明らかにすることができる。
また、アプリから位置データのOKを求められたときに、躊躇したいと思うこともあるかもしれない。しかし、サードパーティのデータつまり、他の誰かと共有された情報はもはや個人情報とはとみなされず、令状なしに取得されてしまう。
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Source: Techa Tungateja / Getty Images

5.慈善寄付
IRS(国税庁)は、項目別の納税申告書を通じて慈善寄付についての情報を得る。さらに慈善団体自身、「寄付者のスケジュール」つまり「書式990『スケジュールB』」を提出する必要がある。 
それには寄付者の名前、住所とともに、受け取った寄付が記載される。
IRSは、裁判所命令があれば、その情報をFBIおよびその他の法執行機関と共有できる。
財務省は最近、特定の非営利団体が寄付者の名前と住所を明らかにすることを免除し、プレスリリースで「IRSは税法の処理においてこれらの組織に関する『スケジュールB』を組織的に活用することは一切ない」と説明している。
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Source: Spiderplay / Getty Images

6.財産と家のドローン画像
Google EarthストリートビューとZillow.comのようなサイトが使えるようになって、だれでも人の家を見ることができるという考えに抵抗がなくなってきている。
しかし、警察が公共の空域から観察できるもの、たとえばドローンを使用して自宅、ビジネス、車両を覗き込むことについて、警察が令状を必要としないことが分かっていないかもしれない。
米国憲法修正第4条は、人々が「プライバシーについてこれは大丈夫だろうという期待」を持っている場合の違法な検索や押収から私たちを保護してくれることになっている。
ドローンがますます当たり前になり、前述のZillowとGoogleの住居の画像に慣れるにつれて、ほんのちょっとしたプライバシーでさえ「これは大丈夫だろう」と言える権利を失っているのではないか?

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Source: SARINYAPINNGAM / Getty Images
7.与信限度と未払い債務
信用機関は、とてつもなく多くの個人情報をワンストップ(訳注:その1社だけで用が足せるの意)で提供する。彼らは、私たちの日々の金の出入りについて、取得できるだけの情報を収集している。どれだけの借金を抱えているか、請求書の支払いが期日までに行われているかどうか、そして専門の集金業者の注目を集めたことがあるかどうか、などだ。
信用機関はこの情報を集約し、銀行、クレジットカード発行会社、レンタカー業者、保険会社、ホテル経営者、雇用主など、そういった情報に喜んで金を払うすべての人が利用できるようにしている。
信用調査機関は米国政府にも情報を提供している。その際裁判所の命令は不要だ。

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Source: Jorge Villalba / Getty Images

8.オンライン購入履歴
米国市民をスパイする許可を取得することは、FBIやNSAなどの機関にとっても平気の平左というわけにはゆくまい。 もちろんその回避策はあるのだ。 例えば、民間企業に消費者が喜んで提供した情報の共有を依頼するのだ。 
クエリは、特定の期間内に特定の製品を注文した全員の名前など、一般的な情報が取得できる。 
あるいは、もっと焦点を絞って特定の顧客が購入した品目すべてを含めることも可能だ。多くの企業はその運営方針として、裁判所の命令がなくても法執行機関とその情報を共有することにどれほど前向きかを明示している。
契約条件の詳細を確認されたらいい。

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Source: hocus-focus / Getty Images

9.ビデオと音楽の閲覧・ダウンロード履歴
オンラインの利用規約に同意するためにクリックするとき、私たちは認識している以上のことに同意する場合がある。
結局のところ、友人や同僚がみんな話していることをチェックしたい時に、だれが時間をかけて小さな活字の画面を次から次へと読むというのか。 Webサイト、検索エンジン、およびISP(プロバイダー)は、私たちがあまり注意を払わないビデオや音楽のダウンロード履歴などについて、非常に多くのデータを収集できる。
政府機関は、オンライン販売業者に彼らが日常的に収集する情報を共有するよう依頼することができる。そして裁判所の命令なしに行われることもある。麻薬取締局、NSA、FBI、またはその他の機関が私たちの聴覚および視覚への執着を知ってどうするのか、誰にもわからない。

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Source: Kameleon007 / Getty Images

10.賃金差し押さえの履歴
労働省によると、「賃金差し押さえは、養育費などの借金の支払いのために、雇用主が裁判所の命令により個人の給与を天引きすることになる法的手続き」のこと。 ここでのキーワードは「裁判所命令」だ。 
これがあれば私たちのプライベートな事柄を、公的記録を検索する人または機関は、いつでも利用できるようになる。 
賃金差し押さえに関する情報もまた主要な調査機関の追跡対象となるだろう。 それを連邦取引委員会が監督し、その情報は政府機関が共有することになる。

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11.タトゥー
法執行機関は長い間、タトゥーなどの目立った身体的特徴を追跡している。
数世紀前の年代物「Wanted」ポスターにもそういった身体的特徴の記述がある。 刑務所に入れられた人のスキンアートは、おそらくFBIのタトゥー認識データベースで追跡されている。
逮捕記録がきれいだからといって、体に彫りつけた装飾が公的記録に含まれないわけではない。政府の研究者と共同でFBIが高度なタトゥー認識技術を開発している。
あなたの目を引いたそのファンキーなデザインまたは優雅なキャラクターは、法執行機関が「ギャング、サブカルチャー、宗教的または儀式的な信念、または政治的イデオロギー」と結びつける可能性がある。
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12.学生ローン返還ステータスと返還履歴
247wallst.comの記事より学生たちが借金の重荷を抱え、先が見え見えの将来へとその進路を辿るのは決していいことではない。 
さらに、その情報に加え、返還スケジュール、学業からのドロップアウトの有無、なども信用報告書に書き込まれる。
政府機関は信用報告書にアクセスできる。教育省の「全国学生ローン・データシステム」は、ローンのステータス、登録、連絡先情報などを追跡する。
近年、政府機関は他の部門との情報共有をより効率的に行い、集計データを添えた詳細な「モザイク」画像を作成している。その中には学生ローン申請書式から抜き出された詳細なデータが含まれることもある。
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13.学歴、そして出席率
公立学校の生徒? であれば、政府はあなたが受講している授業を把握している可能性がある。
オンラインで教科書や指導書を注文している場合は、その情報を共有することも可能だ。これはカリキュラムに関しては役立つ情報となるだろう。
教育省の「全国学生ローン・データシステム」にも、授業についての情報がある。
心配はいらない。 彼らはそれを「あなたの将来の援助の適格性を計算するため、または必要に応じてローンや助成金に関する質問を解決するために情報を必要とする個人」と共有するのだから。
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14.病歴、薬
社会保障局は、メディケア、メディケイド、および障害給付を申請した人の記録を保持している。
労働安全衛生局(OSHA)は、職場での事故を報告した場合、その対応に当たる可能性がある。医師の診察を受ける時、HIPAAフォームにすべて署名することになるが、だからと言って私たちの医療情報が想像されるほど機密扱いされない場合がある。
たとえば、法執行機関や児童保護機関がアクセスできる場合がある。 召喚状が必要になる場合があるにしても。 
オンラインで薬を注文したり、特定の条件や病気を検索したりするだけでも、ブラウザの履歴に追跡可能な痕跡が残る可能性がある。 
プロバイダーやその他の機関は、法執行機関やFBIやNSAなどの政府機関と情報を共有することが知られている。 
政府も省庁間の効率的なデータ共有を押し進めている。
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15.読んだ本、電子書籍リーダーでハイライトされた文章
Amazonなどの電子書籍販売者は、「弊社には『プライバシーポリシー』がありますから、裁判所命令がなければ個人情報を提出することはありません」と言うかもしれない。
 しかし、厳密にいえば、そのデータ共有を禁止する法律はない。 
Kindleまたはコンパニオンアプリで読んでいる場合、Amazonは、①何を読んでいるのか、②どのページを表示しているのか、③何をハイライトしたのか、④どんな時間に読書をするのか、⑤書き留めためメモのすべて、を把握する。 
そろそろAmazonはあなたの地元の図書館に近づくことになるかもしれない。 50州すべてで、通常、図書館の記録にアクセスするには裁判所命令が必要だ。
これまでのところ、電子書籍に対して同様の保護を提供している州はごくわずか。 それじゃ、というので電子書籍は止め、紙書籍に直行し、昔ながらの方法で勉強するという方針を決定することも選択肢のひとつだ。
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16.旅行履歴
政府が旅行を追跡する能力について考えたときに、パスポートのことだけが頭に浮かぶのは、今の世の中が分かっていないということだ。
政府がアクセスできるフライト記録には、米国の空港を出入りするすべてのフライトのすべての乗客の詳細が含まれている。
ナンバープレートスキャナーはどこにでもあり、通過するすべての車の日付、時刻、場所を明らかにする。また、国家安全保障局は、自動車または携帯電話のGPSによってpingされるグローバルセルタワーIDを使用して、あなたの動きを追跡できる。
徒歩であっても、国土安全保障省が設置したビデオカメラで歩道の進行状況を確認できる。
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17.ラップトップカメラへのアクセス
GUMFISHは新種の料理のように聞こえるかもしれない。が、そのかわいい名前で覆われているのはその邪悪な本質だ。
これは、国家安全保障局が使用するプラグインで、ラップトップの内蔵カメラを乗っ取り、ユーザーの知らないうちに同意なしで写真や動画をスナップする。
エドワード・スノーデンは、数年前にGUMFISHの存在を世界に警告した。また、ハッカーや他の人と同様に、FBIがラップトップカメラにアクセスできることも報告されている。
元FBIディレクターのJames Comeyでさえ、予防措置を講じ、ラップトップカメラをテープで覆っていると述べている。
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18.銃の所有権
全米レベルの銃登録記録はない。 それは「銃器所有者保護法」で禁止されているからだ。
しかし、だからと言って銃関連のデータ追跡がゼロという意味ではない。
ATFとして知られるアルコール局、タバコ局、銃器、爆発物局は、機関に盗難として報告された銃のリストや、犯罪目的に使用された疑いのある未回収の銃器など、いくつかの情報を保持している。
ATFは、所有者の名前と住所を含む特定の小火器の販売レポート、および小売業者の買い手と売り手を含む追跡された銃の記録も蓄積している。
このカテゴリのデータには、名前、住所、メーカー、モデル、シリアル番号、口径など、廃業した銃器店からの登録記録がある。
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Source: jacoblund / Getty Images

19.通話記録とその文字化
政府が裁判所の命令なしに米国の個人の携帯電話または固定電話からの呼び出しに耳を傾けることは、いずれかの当事者が同意しない限り違法だ。
ただし、各当事者の時刻、日付、場所、電話番号などの携帯電話のメタデータの収集を禁止する法律はない。
2013年、エドワードスノーデンは、NSAが何百万人ものAT&T、Sprint、およびVerizonユーザーのメタデータを収集したことを明らかにした。アメリカ国外の人への電話を聞くことに制限はない。
スノーデンはまた、NSAが外国の電話の100%を記録できる監視システムを作成し、通話が後最大1か月間それらを聴き直すことができることを明らかにした。
エルジー・コルブ
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「シーガニズム」――
次々と紹介される食事法にどう対処するか?

The rise of 'Seaganism': As another diet fad enters the market so does food propaganda
RT Home UK News 2019年11月8日 


(翻訳:寺島メソッド翻訳ニュースo. 2019年12月13日)
<記事原文>寺島先生推薦
chttps://www.rt.com/op-ed/472862-seaganism-diet-media-misinformation/https://www.rt.com/op-ed/472862-seaganism-diet-media-misinformation/

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Brötchen © imago stock&people

私たちが触れるニュースは、情報戦争と地政学が騒々しく入り交じった背景を持っているのかもしれない。 そんな中、酪農産業、海産物産業、食肉産業などもまた「誤情報」について自分達の主張を打ち出したいと考えている。

テレビや高級雑誌で、毎月新しい食事法の勧めが放映され、特集されているようだ。最新の流行は「より痩身に、健康に。そして世界の救済へ」だ。 お題目の数は増すばかり。 一例を挙げると、ラクト菜食主義者、フレキシタリアン、ケトダイエット、卵菜食主義者、フルーツ愛好家、パレオラバー、フリーガン、ビーガン、ベジタリアン、ペスカリアン等々。うんざり。

一応ここで止めておく。 Waitrose Food&Drink(英国のおしゃれなスーパーマーケット)の新しいレポートによると、人気が高まっている新しい食事法は「シーガニズム」だ。 別にこれは「目にする(see)ものは何でも食べる」ことができる時のお題目ではない。 植物ベースのビーガン(完全菜食主義)料理を食べたり、オメガ3の吸収を高めるために奇妙で怪しげな魚料理を食べるというのでもない。

多分、「シーガニズム」は悪いことではなさそう? ourworldindata.orgによると、温室効果ガスの排出量の4分の1は食品から発生し、その排出量の半分以上は動物性食品から発生している。ハンバーガーより魚を食べる方がよさそう、ということか?

しかし、これらの一方的な雑誌の記事やネット上の「食事法」サイトを少し深読みすると、何か怪しいことが起こっているように見える。そこで展開される一群の「倫理的攻撃志向」の中身は少し詳しく見る必要があるかもしれない

ALSO ON RT.COM Meat tax will take food off poor people’s tables so that wealthy eco-socialists can feel virtuous

このような「ビーガン・ミート・シーフードダイエット」(訳注:meetとmeatが同音?)には、脂肪性シーフードにビタミンDと体にいいオメガ3脂肪酸が含まれているため、心臓病のリスクを軽減し、炎症を軽減する可能性がある・・・

だが、魚の乱獲もその養殖も温室効果ガスである二酸化炭素の排出量が無視できない。 消費者主導の乱獲も混獲も水産業界では深刻な問題だ。 私たちが未だに動物性食品を食べていることは言わずもがなだ。

これはまた、「赤肉反対!」運動のテーマ全体につながる。 英国の企業Compare the Market Ltd.による2018年の報告書は、英国のビーガン人口が2016年以来600パーセント増加していることを指摘した。

先月のオックスフォード大学の研究では、健康的な食事が環境に最適であると結論付けたようだが、そのことは貧しいペルー人とボリビア人にも伝えていることになるのかもしれない。 彼らは自分達の主食であるキノアが手に入らなくなっている。 西側の需要の増加でキノアの価格が高騰したせいだ。

食肉業界は反撃の構えだ。今年の秋、Quality Meat Scotlandは、ビーガンのプロパガンダに対抗するために「Meat with Integrity(品性を持って肉食を!)」キャンペーンを開始した。ハイランドの農民たちは、人々が間違った情報を伝えられていると主張している。

肉食主義者、ビーガン、そして今や「シーガン」が一連のデマ情報に批判的な意見を展開しているので、人々は混乱状態だ。 慈善団体と活動家達は、事実と作り話を区別したいと考えているが、私たちが食べるものについての誤情報には二面性があるようだとの気づきもある。
しーがにずむ2

Fish market in Bergen, Norway © Hans Lippert/imageBROKER.com/Global Look Press

ビーガンは常に正しいとは限らず、肉が健康的なこともある。言い換えれば、南米のアボカドやインドのカシューナッツを食べるよりも、地元産の肉を食べる方が環境と二酸化炭素排出量の点では優れている。

実際のところ、私たちの棚にあるビーガン食品は、自然食とはほど遠く、高度に工業化され、もっぱら工場で生産され、大体は巨大な多国籍企業の所有だし…需要が高まると熱帯雨林が破壊される。だから、おそらく、その場合、私たちが何千年もの間行ってきたように地元産の魚や肉を食べることが、安定して持続可能だ。 ほどほどに、という条件はあるが。 
たぶん、私たち全員が私たちの裏庭やバルコニーで自分の食べ物を育てるのが最善だろう。

多くの人がより環境に優しい生活を送りたい、動物の幸せを気遣う、または二酸化炭素排出量を減らしたい、と考えているため、環境への問題意識は高まっている。 しかし色々な情報を正確に受け止めることは重要だ。 

とは言っても、このマスメディアの狂気と混乱した情報戦争の世界では、それはちょっと難しいかもしれない。あらゆる誤情報が私たちを取り巻いていても、シーガニズムや新しい流行はひとまず置くとして、私たちが何を食べるかだけでなく、食べ物がどのようにして私たちのテーブルにたどり着くのかを問うことは健康的と言える。

By Martyn Andrews, RT
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牛肉はどうなる?
Tescoの「完全菜食主義広告」に向けられた英国農民の怒り。
しかしスーパーマーケット業界も、長年農民を搾り取る。

What’s the beef? British farmers rail against Tesco’s VEGAN advert, but supermarkets have been squeezing them for years

RT Home UK News 2019年10月18日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo. 2019年12月13日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/uk/471251-farmers-tesco-vegan-ad/


© Reuters / Toby Melville

英国の小売大手Tescoの新しい「完全菜食主義」支持広告は、英国の農民を憤慨させた。 しかし、トレンドの変化、収益の低下、そしてスーパーマーケット自体が長年にわたってこの産業の存立を脅かしている。

ひとりの小学生の女の子が、「パパ、もう動物は食べたくない」とTescoの新しい広告「カールのすべてが変わる鍋料理」で言う。 カールは人一倍子煩悩なので、彼の代表的な料理のソーセージを植物ベースの代替品に取り換え、テスコの「植物シェフ・レンジ」のおかげで家族は再び幸せにというわけだ。

National Farmers 'Unionは、この広告に反対し、「肉を一つの食物群として悪魔化している」と反対している。肉は本来タンパク質が豊富で、「鉄、亜鉛、必須ビタミンの優れた供給源」であると彼らは言う。

「肉の悪魔化によって生計が危険にさらされている農民にとって、感情に先走った言説やまったく無神経な説教は、更なる打撃となった」と、酪農農家のノリーン・ウェインライトは、テレグラフ紙のコラムに後日書いている。

実際、近年の嗜好傾向の変化は、英国の農家に一連の打撃をもたらしている。 2018年の調査は、英国人の7%が完全菜食主義者で、14%がベジタリアンであると推定している。 赤肉の消費量は過去10年間で約10%減少し、ある牛肉製品の需要は昨年だけで7%減少した。 酪農産業も脅威に晒され、牛乳の消費量は1970年代以来3分の1に減少、5人に1人の顧客が豆乳やオート麦牛乳などの代替品を選択している。

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人間は雑食動物であり、植物ベースまたは肉ベースの食事で健康的に生きられる。 もっとも、完全菜食主義者は肉にのみ含まれる必須栄養素を補う必要はあるが。 しかし、食事の好みはさておき、経済的要因により、英国の農民は、肉離れが今後ちょっと進むだけで破局に至る可能性がある。

ほとんどの英国牛肉生産農家は赤字操業で、EUからの補助金に依存し、収支トントンの状態だ。 この生命線は、EUから離脱すればすぐに引き上げられてしまう可能性がある。 世界市場で、英国の牛肉生産者は北米でよく見られる産業方式との競争を余儀なくされている。北米方式は、牛に大量の成長ホルモンと抗生物質を投与してから屠殺する。 そして大特価で販売するからだ。

その結果、英国の牛の頭数は近年着実に減少している。 一方10箇所を越す「メガファーム」が出現して、牛乳パックや肉パックに頻繁に描かれていた田舎の牧草地に取って代わった。 規模の経済性だけで利益を上げているこれらのアメリカ式仕様上飼養場では、最大3,000頭の牛の群れが飼育され、その多くは草のない囲い地で長期間飼育されている。

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個々に、100万羽以上の鶏または20,000頭以上の豚を飼育している何百もの同様の事業も、英国の田舎で一般的になっている。

英国のスーパーマーケットも、小規模農家を廃業させる上で重要な役割を果たしてきた。 それは視聴者の気分をよくする完全菜食広告が流されるずっと以前からのことだ。 英国の買い物客の要求は高い健康基準と環境保護を考慮した英国産牛であり、しかもリーズナブル価格を求めている。 スーパーマーケットはこれを提供し、農民からは生産コスト以下で買いたたき、輸入の脅威を利用してコストを抑えていると、『ラベルの裏側』の著者フェリシティ・ローレンスは、ガーディアン紙に書いている。

「サステイナブル・フード・トラスト」の政策担当部長、リチャード・ヤング氏は、「メガファーム」から牛肉を調達することで、スーパーマーケットは「牛肉の小売価格を、従来の農家が生産できる価格よりも下げることができる」と言っている。 「しかしその結果、彼らは廃業するのですが。」

Tesco、Sainsbury’s、Morrisons、およびAsdaはすべて、「メガファーム」から肉を調達している。
したがって、英国の農民は四面楚歌の状態だ。 完全菜食主義者には、自分達の農産物は殺人であると言われ、環境保護主義者からは、母なる地球を破壊して生計を立てていると言われる。 より少ない金で、より多くの製品を搾り出そうとするスーパーマーケットに対して、英国の農民が脅威を感じるのは当然のことだ。

放映されたひとつの他愛もない広告は、大ごとには見えないかもしれない。 しかし、すでに生命維持装置をつけられた業界からすれば、そんな広告でも、農民には「重大な苦悩」を引き起こしているとする主張は、大袈裟な言い方でないかもしれない。
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学生ローンより 援助交際のほうがましだ

College students are increasingly finding ‘sugar daddies’ preferable to student loans - and can we really blame them?

大学生は、ますます学生ローンよりも 「シュガーダディ」[若い女に金品を貢ぐ中高年の男] の方がいいと考えるようになってきているが、本当にそれを責めることができるのだろうか?

Helen Buyniski

RT(Russia Today) Op-ed  2019年9月23日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo.i. 2019年12月10日) 

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/469443-college-sugar-babies-debt-prostitution/


借りている金額を首から下げている学生ローンの抗議者たち © Reuters / Andrew Burton

約250万人の米国の大学生が、学生の借金というくびきを避けようと、高齢者との「交際のお膳立てを求めている」と報じられている。大学の授業料が手に負えなくなって、学生たちの絶望感をネタに金儲けすることが産業になった。

学生たちは本当に、大学の学費を払うために美しく見せかけた売春に手を出しているのだろうか? 「シーキング・アレインジメント」Seeking Arrangementというサイトは、「シュガーダディ」や「シュガーママ」を「シュガーベイビー」と結びつけるものである。「シュガーダディ」や「シュガーママ」とは、交際相手を探すお金持ちの人たちのことで、通常は事実上それは性的な交際ではあるが、いつもそうだとは限らない。「シュガーベイビー」とは、生活の特典と引き換えに進んで交際をしようとする若くて貧しい人たちのことだ。「シーキング・アレインジメント」Seeking Arrangementのユーザーのうち250万人は、学生ローンの罠を避けようとしている米国の大学生である。


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4200万人以上の米国人が平均4万ドルの学生ローンを抱えているという事実に、大学生たちは確かに注目している。高齢の金持ちに性的な恩恵を与えることを、学生ローンよりましなもの、最高級の生活への簡単な道であると、学生たちは考えているようだ。その最高級の生活は人間の業績の頂点にあたるものであると、彼らは幼い頃から教えられてきた。テレビ、ハリウッド、大衆音楽など、すべてが 「自分の価値は銀行口座の残高に比例し、高価なものに囲まれることが幸せの秘訣」 というメッセージを伝える。大学の学位も、それを取得するために必要な金額が膨らんでも、プロとして成功するための必須条件として提示される。

大学の学費は過去20年間で急上昇し、私立大学で254%、公立大学で321%上昇した(州内出身者用学費で)。そんな学費上昇のほとんどは、2008年に住宅バブルがはじけ、学生ローン型資産担保証券であるSLABSが、住宅ローン担保証券に取って代わった時に起きた。アメリカンドリームへの願望を利用することに目を向ける投資家たちにとっては、最新の流行の投資として、住宅ローン担保証券に置き換えたのだった。

住宅ローンと違って、学生はローンをデフォルト(自己破産)にできない。たとえ破産を宣言しても白紙に戻すことはできないので、バブルは膨らみ続け、投資家は買い続けている。実際、このシナリオで損をするのは、給料で恒久的にローンを返済しているために、自分が受けるに値する生活を逃している何百万人もの学生だけである。彼らの2/3は、そもそもローンを組んだことを後悔することになる。

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Seeking Arrangementは139カ国で交際のお膳立てをしていると主張しているが、そのユーザーのほとんどは米国にいて、約1140万人の「シュガーベビー」が、豊かな生活を送っているか、単に食いつないでいるにすぎない(学生は全体のほんの一部でしかないようだ)。これらの「シュガーベイビー」は、おしゃれな服や高価な食事を望んでいるのではなく、日々の生活の必要があるのだ。ユナイテッド・ウェイのALICEプログラムは、アメリカ人の約43%が毎月の食料、避難所、医療、育児などの基本的なニーズを満たすことができないと主張しており、それは教育以前の問題である。

ミレニアル世代[1980年前後から2005年頃にかけて生まれた世代]の一番の財政的負担として、クレジットカードの負債が学生ローンの負債を覆い隠してきた。ミレニアル世代は生活必需品の支払いにクレジットカードを使うしかないからだ。外見が最優先で、平均的な人がぜいたく品を買う余裕がない世界では、インスタグラムの「情報発信者」が、借金をして幻想的で完璧な世界を維持しているという話があふれている。「シュガーダディ」と「シュガーママ」が重要な資源だからだ。一生懸命に挑戦すれば、アメリカンドリームが学生たちを待っていると、生まれた時からずっと教えられてきた米国人学生の多くは、卒業をして完全に落胆することになる。専門分野以外で低賃金の仕事に就かなければならない、あるいはいんちき話を信じ込まされたために親の所に戻らなければならない時があるからだ。

最近の調査によると、ベビーブーム世代の4分の1以上が、借金を完済する前に死ぬと信じているという。そのような生涯にわたる債務奴隷と比べると、エスコート[売春]はとてもたやすいよういに見えるかもしれない。「シュガーベイビー」は売春婦ではないが、その概念は「世界最古の職業[売春]」とほぼ同じくらい古いと言ってもいいだろう。しかし、「シーキング・アレインジメント」Seeking Arrangementの数字を信じるなら、かつては控えめに行われていたことが、多少の恥をかかされても(「金採掘者」は、軽蔑的な用語であった)今や公然と行われており、それは実用主義や必要性の問題であり、さらには誇りの源でさえある(「金採掘者」をGoogle検索するだけで、「お金もない彼女もいないクラブ」を自慢するTシャツがずらりと並んでいるのを見ることができる。)。Seeking Arrangementの「シュガーベイビー」の大学のトップリストには、アイビーリーグの名門コロンビア大学やあまり知られていない州立大学も含まれている。

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未来のエリートが、勝ち組としての大学の資格認定過程を支えるために、高級エスコートになりつつあるなら、この現象は確実に主流になっている。おそらくこれが、多くの学校が悪名高いジェフリー・エプスタイン[米国の実業家、児童買春で逮捕投獄]のお金を受け取ることに何の問題もなかった理由なのだろう。お金と名声で感じやすい少女たちを誘惑していた彼が、もし世界で最も邪悪な「シュガーダディ」ではないなら、一体何なんだ? 「シーキング・アレインメント」Seeking Arrangementに登録されている1000万人のユーザーには、「シュガーダディ、シュガーママ」の4倍の「シュガーベイビー」が含まれており、世の中には必死になっている「起業家」がたくさんいることを示している。これは買い手市場であり、学生ローンよりも援助交際を選択する人たちのことを誰が非難できるだろうか?

伝統的な関係へのよりよい代替案を提供しているとして、「シーキング・アレインジメント」Seeking Arrangementは自らを宣伝している。伝統的な関係は「与えるものが少しで、多くを得ることができるために失敗する...。こうなる前に、目標と出発点がすでに示されていれば、話はずっと楽になるだろう。」ロマンチックなタイプの誰もが、その文章で胸が悪くなるかもしれない。しかし、新自由主義的資本主義はかつてアメリカ社会が大切にしてきた多くのことを破壊している。ロマンスも例外ではない。切迫した時代は切迫した手段を必要とする。誰がこれ以上恋愛をする余裕などあるだろうか?

By Helen Buyniski, RT
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トゥルシー・ギャバードがヒラリー・クリントンを痛撃
 ツィッターで大反響

#IamTulsi trending after Gabbard hands Hillary Clinton brutal smackdown

RT Home / USA News2019年10月19日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo. 2019年2月10日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/usa/471314-tulsi-gabbard-trending-twitter/


FILE PHOTO: Tulsi Gabbard © Reuters / Gretchen Ertl

2020年の候補者トゥルシー・ギャバード(ハワイ州)がツィッターで話題になっている。 ヒラリー・クリントンを痛烈な言葉でこき下ろしてからだ。 それにもかかわらず、ヒラリーのファンは、トゥルシーの人気が自動投稿プログラム「ロシアンボット」のなせる技に過ぎないとしている。

ギャバードが金曜日にクリントンに非難の矛先を向けたのは、2016年大統領選の敗者クリントンが、「ギャバードはロシア人に手なずけられている。来年第三政党候補者として立候補させ、民主党の票を割らせるためだ」と言い出したからだ。

"言うじゃない! ヒラリー・クリントン、お礼を言っておくわ」と、ガバードはそれに応えてツイートした。 「戦争屋の女王、腐敗の権化、そして民主党を長い間病気にしてきた腐食の化身が、ついにカーテンの後ろから出てきたのよね。」

ALSO ON RT.COM 'Queen of warmongers, embodiment of corruption': Tulsi Gabbard DRAGS Hillary Clinton after 'Russian asset' claim


「今度の予備選が、あなたと私の勝負なのははっきりしてるわよね」とガバードは続けた。 「代弁者の後ろでこそこそ隠れているのはやめなさい。 この勝負に自分で出なさい。」

ギャバードのこの痛罵は、ツィッター上でたいへんな反響となった。 ファンが賛成のツイートをし、ハッシュタグ#IamTulsiで拡散したのだ。 土曜日の朝までに、このハッシュタグは米国で2位になった。

それでも、クリントンの陰謀説を信じる人たちはいた。 彼らにとって、トゥルシーは、5代目KKK(ク-・クラックス・クラン)の大天才デビッド・デューク(この人物をトゥルシーは「純粋な悪」と公に非難している)と、ロシア大統領ウラジミールプーチンのために働いているだけではなく、#IamTulsiハッシュタグ自体が裏で「ロシアン・ボット」に操られている、と見ている。

ギャバードの評判を高めようとする熱い闘いがオンライ上で展開されているが、ギャバードが2020年のノミネートを確保する道のりはまだ長い。 ギャバードの支持率は、現在一桁だ。 メディアからは「アサドの代弁者」とか「プーチンの操り人形」などと攻撃されている。アメリカのシリア外交政策を批判し、政府は反政府ジハード主義反乱勢力を支持すべきではないと、言っているからだ。
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