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絶望死、Z世代とミレーニアル世代に広がる。
経済が原因だとは、愚かな事だ

'Deaths of despair' soaring among Gen Z & millennials: 'It's the economy, stupid'

RT Home/World News/ 2019年6月19日

(翻訳:新見明 2019年9月30日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/news/462211-millennials-suicide-gen-z-economy/



アメリカの若者の自殺が、記録的な人数になっている。経済的、社会的要因が入り交じっている犠牲者だ。いわゆる「絶望死」の全国的上昇率よりさらに高い。

15歳から24歳(Z世代の最高年齢)までの10代と若者の自殺率は、2017年急上昇して、2000年以来もっとも多くなった(アメリカ医療協会誌[JAMA]の火曜日発表された研究による)。ソーシャル・メディアや薬物乱用とともに、不安や抑鬱の上昇率に伴って、その自殺率は、過去10年間で51%上昇した。そして意図的薬物乱用は自殺に含まれないので、その数はさらに高いかもしれない。

Also on rt.com Should Netflix’s 13 Reasons be held responsible for teen suicide spike or should grown-ups own it?

JAMA(アメリカ医療協会)によれば、若者達には死亡率の急激な上昇が見られる。しかし女性達も驚くほどのペースでそれを追いかけている。10代と若者達は、前の世代より高い比率で不安や抑鬱が報告されている。そして最近の多くの研究が示していることは、ソーシャル・メディアの使用が、不安や抑鬱の双方の状態を悪化させて、悲劇的な結果を招く持続的なフィードバック・ループ*を引き起こしている。

   *[訳注]二つの因子が働いて、それぞれの作用を高め合っているサイクル

しかしZ世代*は単に前世代の歩みを追っているだけである。よく非難されるミレニアル世代は、1982年から2000年の間に生まれた世代と統計局によって定義されるが、彼(女)らもまた記録的な数値で自殺している。18歳から34歳までの薬物関連死は、2007年から108%上昇した。一方、アルコール関連死は69%上昇し、自殺は35%の上昇だ(アメリカ健康維持団体によって先週発表された報告による)。ミレニアルたちは長い間、資格があるのに甘やかされたやつとして切り捨てられてきたが、メディアや社会は遅まきながらわかってきている。彼(女)らが、親の地下室を抜け出ようとしない単なる怠け者ではないことを。この「絶望」には原因があるのだ。そしてそれは主に経済的なことなのだ。

  *[訳注] ミレニアル世代は 1981年~1995年生まれ、
          Z世代は     1996年~2012年生まれ 

ミレニアル世代とZ世代の「絶望死」の上昇は、現実と期待の大きなギャップに由来する。彼(女)らは、アメリカン・ドリームの神話で育ったのに、親の世代より著しく低い生活水準を経験した最初のアメリカ人だ。親の世代は、戦後の経済成長の果実で豊かになったベビー・ブーム世代だ。20年にわたる勝利なき戦争によって国家の負債は膨張した。戦争のコストは6兆ドルに達している。そしてペンタゴン予算は前例のない規模に膨張した。たとえ社会的サービスを削減して、アメリカ人が当てにするほんの少しの社会的保障を縮小してでも、ペンタゴン予算を増やした。度重なる富裕層や企業への減税は、政府の歳入基盤を破壊した。そして驚くなかれ経済的不平等は、大恐慌時代に見られた不平等よりさらに拡大することとなった。

Also on rt.com Don’t mock college students because they handle failure poorly; they learned it from their gov't

そしてこれらの懸念でさえ、既に学生ローン負債に縛られて大学を出た世代にとっては的外れである。その学生ローン負債は何十万ドルになり、しかも自己破産宣告さえできないのだ。2008年の経済崩壊の後に卒業したミレニアル世代は、「実社会」に入ったが、彼らを待ち受ける仕事は見つからなかった。もし幸運にも、彼らが無給のインターンシップ(
実習訓練期間)やウェイトレスの仕事にありつけたとしても、彼らは親の地下室へ退却せざるを得ない。特に生まれてから彼らは特別で、望むことは何でもできる、世界は彼らの思い通りになるものと言われてきた世代にとっては、決定的な打撃なのだ。

アメリカでは、恐らく先進国では特に、貧困は罪と見做され、多くのミレニアル世代は黙って耐え、自分たちは「現実世界」から「見放された」仲間集団の中で唯一の者達だと考えられている。友達や家族からの支援を求める代わりに、彼らはアルコールや薬物の手ごろなものを利用する。それらは「絶望死」の数を急増させた。ウェスト・バージニアのように、いくつかの経済不振に陥った州では、薬物過剰摂取が過去12年で5倍以上増加した。そしてさらに多くの州では、2倍か3倍増加した(コモンウェルス基金による今月初めに発表された報告による)。ソーシャル・メディアの増加が人間関係の質や複雑さを荒廃させたことと同時に、製薬会社が市場に薬物を氾濫させことは、特に致命的なことである。

経営コンサルタントのデロイトによれば、1996年以来35歳以下の平均「消費者」総数が、35%減少した。広告主はわかりはじめている。そのグループをターゲットにすることは、アメリカの人口の4分の1を構成しているので、訳知りの市場決定のように考えられるかもしれないが、彼らは何も買う余裕がないから結局意味がないのだ。学生の負債は、2004年以来30歳以下の世代で、160%増加している。そしてミレニアル世代の持ち家率はわずか37%で、彼らの親世代より8%も低い。昨年行われた調査によれば、少なくとも89%は家を持ちたがっている。しかしほぼ半数が貯蓄ゼロである。まして、ほとんどの住宅ローンでは、20%が頭金として要求される。

若者達だけが「絶望死」の現象に苦しめられているのではない。国の平均寿命は3年連続して下がっている。そして昨年公表されたアメリカの健康維持団体の報告では、この「伝染病」を、彼らは自殺プラス、薬物死とアルコール死と定義するが、もしそれが現在の比率で増加し続ければ、2015年までに160万人以上を殺すことになる。ベビーブーム世代が退職し始めると、まだいくらか蓄えていると考えられているが、彼らは自分のわずかな蓄えだけでは生きていけないことがわかるので、彼らも、2007年から2015年まで40%自殺率が上昇し、頻繁に自殺している。

Also on rt.com Born in the USSA? Americans cozy up to Socialism as Neocons pursue regime change in Venezuela

これは若者だけの問題ではない。ましてそれを解決するのは容易ではない。しかし「世界でもっとも豊かな国」を苦しめている構造的な貧困、そこでは住民の3分の2が500ドル危機を逃れるために十分な貯金がないのだ。それを認識することが出発点だ。

Helen Buyniski
ヘレン・バイニスキー
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社会運動家を守るために、コロンビア中で計画された抗議活動

Protests planned across Colombia in defense of social leaders

By Zoe PC
Internationalist 360°投稿

2019年7月26日 

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年9月22日)

<記事原文>Peoples Dispatch
https://peoplesdispatch.org/2019/07/26/protests-planned-across-colombia-in-defense-of-social-leaders/


 2016年以降に暗殺されたコロンビアの社会運動の指導者800人の中の数名

今日,7月26日、コロンビアの社会運動の指導者や人権活動家たちの命を守ろうと、何十万人もの人々がコロンビアで100以上の町と国外30以上の町でのデモに参加することになっている。行動は“We defend peace”運動によって呼びかけられたもので、いま起こっているこれらのグループに対する大虐殺を広く知らせることと、コロンビア政府がこの件に関心を示さず、何の対策も打たないことを糾弾することを目的としている。
 
コロンビアの人権団体は、2016年以降800人を超える社会運動家や人権活動家、コロンビア革命軍(FARC)の元兵士とその家族が暗殺されたとしている。加えて、何千人もが殺害脅迫や嫌がらせをうけ、何百人もがでっち上げの罪で牢屋に入れられ、数十人が暗殺されかけてなんとか生き延びている。昨年、多くの大衆運動がさまざまな社会分野で行われたが、軍隊により厳しく取り押さえられ、重傷者や死亡者さえ出している

だれが犠牲者なのか?

暗殺の犠牲者の大部分は、国レベルの中心指導者や幹部ではない。ほとんどは地方レベルの指導者だ。つまり、地方レベルの指導者は、地方の有力者達の経済や支配モデルを直接脅かすからだ。地方の有力者たちは自分の影響下に私兵団や犯罪組織を持っているのだ。

例えば、多くの犠牲者は、違法な農作物をなくそうという国家プログラムなどに参加したり推奨したりする人たちだ。そのプログラムはFARC[コロンビア革命軍]と政府間で結ばれたハバナ和平協定を通じて創設され、小規模農家に、コカや違法作物の栽培をやめ、持続可能な別の作物の栽培に移行させることを目的としている。しかし、栽培作物を変えることは、麻薬取引が経済活動の中心になっている私兵団や犯罪組織が生計をたてているので、大きなさまたげとなる。

それ以外の被害者は、土地変換プログラムに基づいて、土地の所有を主張する人たちだ。そのプログラムは、被害者援助法によって2011年に創設され、立ち退きや暴力などにより土地を奪われた人に土地を返還する仕組みを作り上げているものだ。

FARCが2016年に武装解除したとき、FARCが支配していた領土が開放され、それが武装勢力同士の闘争の種になった。それ以降、多くの地域では、武装解除したとされていた私兵団が再結成され、土地の支配権をめぐっての領土争いが増加した。

先住民とアフリカ系住民のコミュニティも、地域社会活動委員会(Community Action Boards)や環境保全者、都市部の地域のまとめ役や人権保護組織のメンバーと同様、厳しくターゲットにされている。FARCの元戦闘員について言えば、最近の調査で2016年11月のハバナ和平協定締結以降、127人を超える元戦闘員が暗殺されたことが明らかになっている。

多くの暗殺事件において、指導者達や組織は以前から武装勢力から脅迫を受けていることを糾弾してきたが、政府当局は脅迫をまともに取り上げず、取り上げたとしても、痛ましいくらい乏しい防御体勢しかとらない。最近、EFE(スペインの通信社)との談話で、イバン・ドゥケ大統領は、「社会運動の指導者を守るのは難しい」とまで言っている。


7月20日、野党議員が国会期間中に暗殺された社会運動の指導者達の写真をかざしている

6月21日に、9才の息子の目の前で、暗殺された、34才のマリア・デル・ピラ-・フルタード事件は、コロンビア社会を動かした。6月1日、地域の指導者達とともに、フルタードは、地域で活動する自警団の一つであるコロンビア自警軍連合(AGC)の発行するパンフレットに攻撃の的として掲載された。地域の人権団体が政府にそのパンフレットのことを警告したのに、コロンビア当局は、パンフレットは偽物だと主張した。フルタードが自宅の外で亡くなってからほんの20日後に、彼女が殺されたことを公にした人権活動家は、止むことのない殺害脅迫のせいで避難を余儀なくされた。

コロンビアの社会運動や組織の現在の状況は、人道主義の危機であり、生きる権利や、コロンビアの平和構築を求める権利への脅威であるといっていいだろう。活動家たちは、防御手段を改善することだけではなく、コロンビアが変わることを求めて闘う者たちが組織的に殺されているが、その裏にある根本的な要因に有効な対策をうちだすことを政府に要求してきた。

今日、社会運動の窓口である人民会議は、運動について以下のような声明を明らかにした。
「人民の命や自然を犠牲にして、自分の利益のことだけを考えている独裁的で特権階級のための政権に、都市部や地方で対抗する者が殺されているだけではない。
社会運動やそのプロセス、組織を撲滅すべく、ごくつつましく活動している活動家さえも、合法的に抗議することが罪と見なされて、脅迫や暗殺の的になっている。
人権擁護活動や環境保全活動に対する非難、それと、何百万もの人々を退去させ、文無しにさせる巨大プロジェクトも止むことはない」と。

*[訳注] (コロンビア内戦を知るいい資料がないので、全体像を知る上でハフィントンポストのブログを転載しておきます。この翻訳ではコロンビア内政問題を扱っていますが、現在コロンビアが、アメリカのベネズエラのマドゥーロ政権打倒計画に加担し、傀儡のグアイドを支援しようとしていることは公然の事実です。しかも、コロンビア大統領サントスが、この翻訳記事のように内政を弾圧しながら、2016年ノーベル平和賞を受賞するとは考えられないことです。---- 新見)

コロンビア、左翼ゲリラと和平合意--半世紀に及ぶ内戦の行方は国民投票の結果次第
(2016年08月26日) 記事執筆者:原貫太

南米コロンビアで、歴史的な瞬間が訪れた。  
コロンビア政府と左翼ゲリラ組織である「コロンビア革命軍」(Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia/以下FARC)は今月24日、半世紀以上に及んだ内戦の終結に向けた和平交渉について最終合意に達したと発表した。4年にわたって交渉を続けてきた両者は、キューバの首都ハバナで共同声明を発表。調停役を務めたキューバ代表によって、「コロンビア政府とFARCは、内戦の終結と安定して持続的な平和の構築に関する、最終的で完全、かつ決定的な最終合意に到達したことを宣言する。」と読み上げられた。
コロンビア内戦は、アメリカ大陸における大規模な紛争としては最後のものとなっていた。この内戦では推定22万人が死亡、数万人が行方不明になったほか、500万人もの人々が避難民になったと言われている。
  
キューバ革命を見本とした左翼ゲリラ組織1959年にキューバ革命が起こると、それに影響を受けて中南米諸国では反政府左翼ゲリラ組織の結成が相次いだ。FARCもその内の一つであり、結成は1964年。キューバ革命を見本として、農地改革や富の再分配を目指して武装闘争を展開した。
台頭初期の勢力はわずかだったものの、その後麻薬組織と協力関係を築く事で勢力を拡大。最盛期には約2万人を擁し、国土の3分の1を支配していた。アメリカへのコカインの密輸で数百万ドル規模を稼いでいるとも言われており、また身代金を目的にした誘拐にも多数関与した。
しかしながら、2002年に就任したアルバロ・ウリベ元大統領は力によるFARCの掃討を掲げ、アメリカの支援を受けてFARCの掃討を本格化。複数の幹部の死亡や戦闘員の多数離脱などによって組織は弱体化し、現在のFARC構成員は7000人まで減少したと考えられている。
  
コロンビア政府によるFARCへの譲歩か200ページにわたる合意文書には、停戦実施、FARCの政治参加、人権侵害の容疑者や戦争犯罪者に対する裁判などについてが盛り込まれたが、これにはコロンビア政府によるFARCへの譲歩も伺える。
FARCは推定7000人の戦闘員を、ジャングルなどの野営地から国連によって設営されている武装解除キャンプへと移動させる。武装解除したゲリラ兵には月給200ドルが支給されると共に、今後政府の職業訓練事業に参加し、社会復帰への道を歩み始めることになる。
今後FARCは政党として活動することになり、助成金も受け取ることになる。また、2026年までの期間、FARCの設立する政党には10席の議席を確保することが合意文書には盛り込まれている。
紛争中に行われた人権侵害や戦争犯罪を裁くための特別裁判所の設立も予定されており、大量殺戮や拷問、レイプといった凶悪罪には最大で20年の懲役が課される。一方で、比較的軽度な犯罪に関しては恩赦が与えられる事になっており、和平合意を促進させるためのFARC側への配慮が見られる。
  
内戦の最終解決に向けた大きな課題--国民は納得するのか?
今回の和平合意が政治的な合法性を持つか否かは、10月2日に予定されている国民投票の結果次第だ。コロンビアのサントス大統領はテレビ演説にて、「長い戦闘を終わらせる歴史的な合意を支持するかは、全てのコロンビア人の手にかかっている。」と国民に対して呼びかけ、和平合意に対して賛成票を投じるよう求めた。
国民投票における賛成票が有権者全体の13%以上を構成した上で、過半数の人々が賛成票を投じれば今回の和平合意は発効となる。しかしながら、現地の世論調査会社によると、今年6月時点では74%の人々が賛成票を投じるとみられている一方で、多くの人々が投票の棄権を行うとも考えられており、その割合が65%に到達する恐れも出ている。これでは国民投票の正当性が確保されるとは言えず、サントス政権にとっては大きな問題となるだろう。
この背景の一つとしては、和平合意の内容に対する国民の疑念や反感が挙げられる。近年では「麻薬を手掛けているテロ集団と化した」とまで批判を受けているFARCに対して、コロンビア政府が大きく譲歩している点などはその理由だろう。加えて、停滞するコロンビア経済とそれに伴う食糧価格の高騰、また高い犯罪率などに対して大した打開策を打ち出せていないサントス政権に対する国民からの不人気も、この一因を担っているかもしれない。今年2月の時点では、国民の64%がサントス政権を支持していなかった。
また、コロンビア元大統領2人が10月の国民投票で反対票を投じる意向を表しており、当然の事ながらFARCや今回の和平合意に否定的な見方を取るその他の一部の国民も、反対票を投じることが予想される。その上、野党は軍事的なFARCの壊滅こそが、内戦の唯一の解決策であると主張しており、コロンビア内戦の最終的な解決に向けて、楽観視することは出来ないだろう。
https://www.huffingtonpost.jp/kanta-hara/colombia-civilwar_b_11716616.html
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「アメリカ経済は再生できるか?」

Can the American Economy Be Resurrected?

2019年8月26日 Paul Craig Roberts

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ: 2019年9月12日)

<記事原文>
http://www.informationclearinghouse.info/52170.htm

「レーニンは,『資本主義者たちは,共産主義者たちに自分自身の首をしめる縄を売るつもりだ』と言った。しかし実際起こったのは,資本主義者たちが中国の労働力を買って、アメリカの資本主義の首をしめたことだ」とマイケル・ハドソンは言った。

トランプが,かつて企業が見捨てたアメリカの労働者達のために,中国から仕事をアメリカにもどすようアメリカ企業に命令したことについて,読者から賞賛の声があがっていることに私はびっくりしている。アメリカの経済学者やメディアやワシントンの政策立案者達は,私の分析に見向きもしなかった。その分析とは,グローバリズムの名の下に,アメリカの仕事や技術を外国にもっていくことが,アメリカの経済力を低下させたという分析だ。読者も私の分析には関心をもっていないと思っていた。多くの読者は経済のことは分からないと言っている。経済についての記事が,私のブログで一番読まれていない。

もう一つ驚いたのは,外国のいくつかのメディアが,はるか遠くのイランのテレビ局までもが,私に連絡を取ってきて,私がホワイトハウスに何か影響を与えたのかと、インタビューを申し込んできたことだ。一体全体これはどういうことなのだろう?

まず,言いたいのは,誰かがトランプに私の最新の記事を見せて,彼のスイッチが入った可能性があるということだ。もう一つの可能性は,トランプが工場をアメリカに戻せと企業に命令したのは,ただの脅しであり,トランプが状況を分かっているからではなくて,今の関税のかけ方がおかしいので,アメリカからいい仕事がなくなって,収入が減ったとトランプが考えたからということだ。

しかし,ホワイトハウスで事が進み,トランプに,どうやって外国に出された本来ならアメリカにあるべき仕事をアメリカに戻すかを示す際に,私はこう言いたい。たぶん何の動きもないのであれば,この先,経済のことを書く未来の歴史家はポール・クレイグ・ロバーツとマイケル・ハドソンだけがアメリカの経済崩壊を立て直す方法が分かっていたと記すだろう、と。

議論を進める前に,簡単に振り返ろう。ソ連が突然,予期せぬ形で崩壊したとき,中国とインドは社会主義をあきらめて,自国の経済を西側資本に開放した。ソ連は,レーガンが冷戦に勝ったから崩壊したのではない,レーガンはそれを否定している。ゴルバチョフはアメリカ人を警戒心なしで信頼し,ソ連帝国を裏切っていると、ソ連共産党の強行論者の指導者達が考えていたからだ。ロシアが他国から領土を奪われるという崩壊をとめるため,共産党の強行論者たちはゴルバチョフを自宅監禁した。まさにこのことが,崩壊の始まりとなり,ワシントンの操り人形であったエリツィン大統領に権力をにぎらせ,アメリカがソ連を崩壊させ,イスラエルと一緒になってロシアの資源の摂取が始まったのだ。

世界で最大の国内人口をもつ,インドと中国が出した結論は,社会主義は崩壊を,資本主義は富を招くということだった。歴史上始めて,世界で国内人口1番と2番の国が,自国でまだ仕事に就いていない労働者たちを外国資本に差し出したのだ。その労働者達は,搾取される,言い換えれば,仕事をまっている労働者がたくさんいたため,働きにに見合わない少ない給料で働かせられるであろうと考えられた。労働者があまっているということは,企業に対して行った労働量よりもずっと安い値段で雇えるということだと。

会社のCEOや取締役は,さらにはウオール街は,利益を増やすいいチャンスだと考えた。中国に始めて入り込んだ会社は落胆した。そして「思ったほどいい話じゃないぞ」と言い出した。しかし,中国は外国から製造業を呼び込むのは儲かる話だと考えて働きかけたので,製造業が群れをなしてアメリカから出て行った。その結果,中流階級が没落し,それとともに,市や州の税基盤も減った。アメリカは繁栄することを止めたが,見せかけのインフレや雇用率やGDPの上昇や連邦準備銀行が大量の紙幣を印刷することで,金融資産や不動産の価格がひきあげられ,経済損失はごまかされてきた。

経済の損失が隠せないくらい厳しくなると,アメリカへの輸出過多が,アメリカの労働者を苦しめていると,中国が非難された。中国を非難する人は,中国からの輸入の中で,アップルのコンピューターやiPhoneやナイキのシューズやリーバイスのジーンズなどがどれだけの割合を占めているかわざわざ見ようとはしなかった。アメリカ企業の外国の工場で作られた製品が,輸入品の多くをしめているのだ。アメリカの企業が外国で製造した物やサービスが、アメリカ国内に持ち込まれて売られるときは,輸入品としてカウントされる。

言い換えれば,中国からの輸入問題は,実は,アメリカの企業が外国で製造した物が,アメリカに戻ってきた海外での製造品のことなのだ。そして,その商品を買うアメリカ人たちは,その商品やサービスの生産活動には携わっていない。つまり,自分たちが商品を買っても何も収入を得られてないということだ。一方,外国工場の株主にはたくさんお金が転がり込むということだ。

どこでも仕事ができて,ネット上で生産物を送ることができるアメリカのITやソフトウエア技術の仕事を引き受けることで,インドは利益を得てきた。インドは教育制度も整っていて,英語が話せる人が多いので,アメリカのテクノロジー産業は,アメリカの大学の卒業生をわざわざ雇わなくても,ワークビザをつかってインド人を簡単にやとうようになった。

その結果,この4半世紀でアメリカの製造業や産業を支えてきた供給プロセスと労働力が取り壊された。かつて好景気時の工場や産業地域は封鎖され,荒廃し,マンションやアパートに姿を変えた。もし,トランプがアメリカ企業を自国に戻せたとしても,どこにおけばいいというのか?

海外に工場を出していた時代は,ただの6ヶ月間の不景気どころではない。技術も経験もある労働者が年を取り,亡くなり,新入社員が技術や労働秩序を学べなくなってもう何年にもなる。中国は,いまや,完全に発達した製造業と産業の経済構造を持っている。今のアメリカはそうではない。

アメリカ企業が工場をアメリカに戻すためには,準発展状態、あるいは発展途上状態にあるアメリカ経済のために,十分発達した中国経済を手放さないといけない。もし,アメリカ企業がこれをすぐにやり遂げないといけないとしたら,中国での生産を失う前に,アメリカの製造力や生産力を再生するのに必要な工場や施設や労働力や供給プロセスや通商システムを作り直さないといけない。雇用統計報告を見れば,アメリカはもう何年も製造業や産業の仕事を作り出せていないことが分かる。

ここ四半世紀,アメリカから働き場所を外国に出してきたことで,アメリカは半世紀前のインドのようになってしまった。それは,国民の仕事のほとんどが,低賃金の召使いの仕事で占められている国だ。生きていくのに必要な給料がもらえる仕事がなくなったので,多くのアメリカの24才から34才にかけての年代の人たちが,自分の稼ぎで生活できなくて親や祖父母の家で暮らしている。さらに,大学の卒業生達が教育ローンを返せずに借金地獄に苦しんでいる。

アメリカの会社を中国からアメリカに戻すためには,トランプは以下のようなことをしないといけない。戻すのは,徐々にでないといけない。アメリカ企業が,アメリカ本国で生産活動ができるのに十分な状態が整って始めて,中国での生産拠点を閉じることができる。発展途上な経済を発展させるのと同じやり方をするのが効果的だ。

トランプ,つまりアメリカ議会は,企業に対して,アメリカ国内の労働者が国内の生産を生み出すシステムを再度作り上げることに関わって,人件費(負債コスト,調整費なども)が増えることに対しては,税金のかけ方を変えることで,利益の埋め合わせをしないといけない。国内の労働者で国内市場を作ろうとする企業への税金は下げる。外国の労働者を使って外国で生産する企業に対しては高い税金を課す。税金のかけ方をかえれば,人件費をどうすれば埋め合わせできるか計算できる。海外で生産したものを海外で売る企業は何も影響を受けない。

もしアメリカの製造業や産業の状態を再建する前に,トランプがアメリカ企業に中国から出て行くように命令したならば,会社は売り上げやもうけがなくなってつぶれてしまう。

トランプがアメリカの会社に中国を出てアメリカに帰れという命令を下せるかどうかが問題だ。トランプの命令が口だけになるかも知れない理由は二つある。一つ目の理由は,会社が安い人件費での今の利益に満足していて,コストの節約をなくすことに興味がないということだ。アメリカのグローバル企業はアメリカの選挙やその企業が拠点を持っているすべての国の選挙に介入できる十分な富を持っている。トランプがグローバル企業に反する行為を行えば,選挙資金がもらえなくなる。逆にそのお金は,対抗馬の候補者に行く

トランプが海外に生産拠点を移すことは,企業のためだけになることであって国民のためにはならないと主張することができる。いわゆる自由市場論者は,自信を持ってこう言った。「海外に製造業をもっていくことで,国内ではもっといい仕事ができるはずだ。さらに,海外で生産すると,人件費が安くすむので価格が安くなる。そうなると,国内の仕事がなくなって給料が減る以上に,元が取れる」と。そんなことはなかった。ナイキのシューズやリーバイスのジーンズやアップルのコンピューターやiPhoneが安くなったことがあったか?企業は自由市場で利益があがるという約束を果たさなかった。いい仕事なんて一つもできていない。トランプは,この議論をして,企業を守勢に追い込むべきだ。

トランプの命令が口先だけになるかもしれない二つ目の理由は,トランプにはアメリカ企業に中国を捨ててアメリカでの労働を戻す命令ができる権限がないと,最高裁から主張されることだ。これが実際に起こったことが一度ある。1952年,トルーマン大統領は,朝鮮戦争の際アメリカの鉄鋼産業を操業停止されるかもしれないストライキを止めるため,鉄鋼産業を国有化した。最高裁はトルーマンの施策を禁じた。しかし,クリントン,ジョージブッシュ,オバマにより,大統領の持つ権限は非常に高くなり,さらに,「テロとの戦い」に対応すべく,議会から行政権を与えられているため,今の大統領は,大統領命令によって,支配できる。

トランプは,中国から撤退させアメリカに戻させる法的よりどころとして,1977年の国際非常時経済権限法を引き合いに出した。それによると,トランプにはいろいろな権限がある。例えば,法廷に証拠を示さなくても,人身保護礼状に反してアメリカ市民を永久に拘束できる。法的に必要な手続きを踏まなくても,疑惑だけでアメリカ市民の処刑を命じることができる。したいことは何でも命令できるのだ。

ジョージ・ブッシュ時代の共和党とオバマ時代の民主党が創り出してきた権力のおかげで,トランプ大統領は,国内の生産を海外に出し,中国と共謀してアメリカの仕事を盗み,アメリカを第3世界ランクの国に引き落としたことを理由にCEOや取締役会を逮捕する力を持っている。ロシアとの関係を改善しようとしたトランプを止めるためにでっち上げられたあのばかげたロシアゲートよりも,こっちの方がよっぽどいい。

影の政府からの支持を確実にするためにトランプがすべきことは,アメリカの軍産複合体に,アメリカの製造業と産業を再興しない限りは,世界で支配権を維持するのに必要なだけの武器システムをアメリカが生産し続けることはできないと気付かせることだ。「軍事における真の改革」は,武器システムや軍の統合面においては,アメリカは,ロシア,そしてある部分では中国に決定的に遅れをとっていることを明らかにした。実際,イランで戦争が起こっても,通常戦争であればアメリカがイランに勝てるかはわからない。アメリカの武器システムの多くが海外で生産されている。もし戦争になれば,武器の供給がまかなえるか疑問である。

影の政府を味方に付けることで,トランプは企業にアメリカに戻ることを命令できる。

ここ何年も,私とジョン・ホワイトヘッドはワシントンが独裁主義を生み出していると強調してきた。もし,影の政府がバックについたならば,トランプは選挙や対抗馬を気にしなくていい独裁者になれる。もっとはっきり言えば,トランプだけではなくて,この先の将来のどの大統領もそうだ。残された唯一の問いは,「誰がターゲットになるか」だ。白人か?自分たちの利益のためにアメリカをだめにした企業か?ロシアか?中国か?イランか?

別に,キレているわけではない。みなさんに,いま我々が目撃し,生きている世界の見取り図を提示しているだけだ。アメリカ国民に選ばれたのに,欲にほだされたアメリカ企業によって,アメリカ国民の仕事と生活を奪われた大統領。無制限の不法な移民のせいで,まだ残っている仕事の給料を低く下げられる事に直面させられている大統領。今,攻撃を受けているのは,ドナルド・レーガンのようにロシアとの平和的な関係を築き,地球上のすべての生命を破壊する核戦争の可能性を減らすことを宣言した大統領なのだ。

なぜ,アメリカに仕事を戻し,核戦争の脅威を減らそうとする大統領が,アメリカの売女メディアや軍産複合体やリベラル・進歩・左翼,民主党,そしてそのほか何百万人もの絶望的なアメリカ国民に,こんなにも激しく攻撃されているのか?トランプに対するばかげた攻撃のたった一つの理由は,後ろに影の政府がついていることだった。そうでなかったら,この4半世紀で蓄積されてきた権限をもつ大統領なら,敵を逮捕し終身刑に処すこともできたはずだ。リンカーン大統領でさえ,北部拡張戦争(南北戦争)の間に300人の北部の新聞記者に対してそうすることができた。リンカーンは,南部連合国に対する侵略を批判した国会議員を追放することさえした。

トランプは正しい。もしアメリカを世界で力を持つ国のままにしたかったら製造業と産業の力を再建することは必要だ。もし,アメリカが第3世界の多くの人々の流入を受け入れるのであれば,中流階級の仕事や地位を向上させるはしごを元に戻さないといけない。

トランプが進むべき方向を企業に説明することだ。短期間で利益を向上させようとすることは,長いスパンで考えれば,国民の購買力をさげ,ひいては販売力を破壊することになると。実際のところは給料があがっていないアメリカ人は,自分で自由に使えるお金がなくて,アメリカ企業に収入をあたえるような商品やサービスを買うことができない。もちろん,CEOや取締役は長い目で物事を考えようとはしないだろうし,気にもとめないだろう。だが,大統領なら愛国心に訴えかけて,すぐに話を進めることができる。

次にトランプがすべきことは,税金のかけ方を変えることでアメリカの製造業を再建するよう企業に働きかけることだ。これは簡単なことではない。対立ではなく協力が求められる

当面は,移民は保留しないといけない。移民を受け入れる経済力はない。さらに,ワシントンは戦争もやめるべきだ。これらに関する費用,借金やリスクは,利益よりも膨大だ。もしアメリカが進むべき道を変えないのなら,発展途上国に落ち込むだろう。こっちの方がよっぽど我々には脅威だ。中東のいわゆる独裁国家のいわゆるテロ支援国家よりも。

これは、私のプレスTVとのインタビューです(8分44分)。
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香港問題とアメリカの大胆さ:
   それは中国への「不安定化工作」の一部だ

Hong Kong and the Audacity of the U.S. Part of a “Destabilization War” with China

ピーター・ケーニッヒ

グローバル・リサーチ 2019年8月26日

(翻訳:新見明 2019年9月8日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/hong-kong-and-the-audacity-of-the-u-s-part-of-a-destabilization-war-with-china/5687191

人々はよく、香港抗議運動とフランスのイェロー・ベストには類似性があるのではと言う。香港は3月31日に始まり、19週になろうとしている。イェロー・ベスト(YV)は先週末の抗議行動で40週目を祝ったところだ。最近、マクロン派が浸透したイェロー・ベスト運動、もしくは第5列*1は、イェロー・ベストが自由を求める香港抗議運動を支持していることをほのめかした・・・。
  
 [訳注]*1 第5列: 本来、味方であるはずの集団の中で敵方に味方する人々、つまり「スパイ」などの存在を
             指す。


ところが、それはよく教育され、よく訓練されたイェロー・ベストには当てはまらない。実際、彼らの多くはマクロンに侮辱されたと感じた。誰のために、こいつ[マクロン]は我々から奪うのだ。そして、まさにそうなのだ。二つの運動に、それらが抗議運動である点を除けば、一片の類似点もない。二つの抗議行動は、大きく違った動機をもち、そして全く違った行動目標であるからだ。イェロー・ベストは全く香港とは関係がない。香港はアメリカに資金援助されたカラー革命と同じなのだ。

イェロー・ベストの指導者は言った。我々はますます全体主義的になるフランス政府に反対して闘っているのだ。フランス政府は、いろいろな種類の税金で、我々の正当な収入をどんどん盗み、フランスの家族に、もうこれ以上生きられないというレベルの最低賃金を押しつけているのだ。労働者の定期的な年金では暮らしていけないのだ。マクロン政権は財源を移転することによって、貧困を生み出している。底辺から上層に吸い上げられ、ほとんど残っていない。だから我々は闘い、抗議をしているのだ。我々はフランスの経済構造とフランスの指導層の根本的変化を求めているのだ。これら全ては、ワシントンに資金援助された香港の抗議行動とは何の関係もない。香港は、ワシントンのために香港人が、中国本土政府に対して抗議しているのだ。

明かではないか。フランスのイェロー・ベストは、彼らが何のために闘っているか知っている。香港の抗議運動は、彼らのほとんどが偽の仮面を付けて、彼らの国、北京に対して少数の指導者に従って闘っているのだ。明らかに抗議行動の多くの者が、親欧米であり、彼らはアメリカ国歌を歌い、イギリス国旗を振っている。それは、彼らの元植民地主義者たちの旗であるのに。

実際、香港を将来にわたって不安定化する資金投入は、イギリスから中国への香港公式返還の少なくとも3年前、1994年に早くも始まっていた。アメリカが香港に第5列のネットワークをつくったのは、1997年の香港の中華人民共和国(PRC)への公式返還よりずっと前のことだ。

ワシントンは、ウクライナのように香港を不安定化するために、多額の資金を注ぎ込んだ。その時、アメリカ国務省は、2014年のクーデターの準備に少なくとも5年前から約50億ドルの資金援助をした。国務次官ビクトリア・ヌーランドが自ら認めるところでは、直接、又はNED(全米民主主義基金)を通して行われたが、それらは、「NGO」ではあり得ない。その資金援助はむしろ、CIAの長期にわたるソフトな武器であり、アメリカ国務省は世界中の「体制転覆」活動に数億ドルを出したのだ。

1991年、ワシントン・ポストは、NEDの創設者アレン・クインシュタインを引用して書いている。

   「今日、我々がしている多くのことは、CIAにより25年前に秘密裏
     に行われた。」

言わずもがな、我々は世界中でその結果を見ている。

まさしくこれが香港で起こったことで、今日まで続き、恐らくこれからも続くだろう。アメリカは手放さないだろう。特に、ほとんどの人が,これら欧米の策謀がどのように行われているか、少なくとも限られた理解しかもたないので、誰が不安定化の種をまいているのか、自分で見て理解しなければならない。22歳の学生、2014年雨傘革命の欧米ヒーロー、ジョシュア・ウォン(黄之鋒)*2は、アメリカ国務省、NED、CIAによって訓練され、資金援助されていた。彼は再び現在の抗議行動の立役者であるが、ジョシュア・ウォン(黄之鋒)は現場の少年であるが、地域のメディア王ジミー・ライ(黎智英)*3は、2014年に「オキュパイ・セントラル」抗議行動(雨傘革命)に自分のお金を数百万ドル使ったのだ。
  
  [訳注]*2 ジョシュア・ウォン(黄 之鋒 こう しほう)(1996年10月13日 - )
        は香港の民主化団体「学民思潮」の元リーダー、香港衆志
         事務局長、香港公開大学社会科学の学生。(ウィキペデア)

  [訳注]*3 ジミー・ライ(黎智英)
        中国を批判する香港メディア「アップル・デイリー」創業者
         1948年、中国広東省広州市生まれ。60年、12歳で香港へ密航し80年に
         アパレル小売りチェーン、ジョルダーノを創業。90年に創刊した雑誌
         「壹週刊」とその母体Next Media(現在はNext Digitalと改称)の経営
         に専念。94年にはアップル・デイリーを創刊。反中国政府、
         民主化支持の姿勢を貫く。(FACTA onlineより)

                  

オリガルヒ(寡頭政治家)は、抗議運動指導者や抗議運動グループに援助するため自分の資金を広範に使っている。ライ(黎)氏はまた、自分の国民党を創設した。それは、曰くありげな外国人嫌いの政党である。しかしライ(黎)氏はトランプ政権ときわめて密接な関係を持っており、多くの抗議運動指導者と共に、香港のアメリカ公使や、ジョン・ボルトン国家安全保障アドバイザーや、他のアメリカ高官とも会った。7月8日、ジミー・ライ(黎智英)氏は、アメリカ副大統領マイク・ペンスとホワイトハウスで会ったのだ。

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ライ(黎)は、これら抗議運動グループに火を付け、活性化するためにアメリカ政府の全面的な支援を受けている。しかしどちらというと、抗議行動派には,彼らが望むことの正確な計画や戦略がない。香港島は大きく分断されている。今のところ全ての抗議行動派が本土から分断することを望んでいるわけではない。彼らは中国人であり、ジミー・ライ(黎智英)の急進的な反北京宣伝に嫌悪の情を表している。彼らは彼を裏切り者と呼んでいる。

ライ(黎)氏は1948年中国本土で生まれ、広東の貧しい家庭で育った。彼は小学5年レベルの教育を受け、13歳の時小さな船で香港に密入国した。香港で彼は、織物工場で児童労働者として、1ヶ月約8ドルで働いた。1975年彼は破産した織物工場をわずかなお金で買い取り、ジオダーノを作った。J.C.ペニーやモントゴメリー・ウォード等のように、ほとんどアメリカの顧客としてセーターや他の服を作った。ライ(黎)氏は今日、香港暴動とか抗議行動(彼はそう呼ぶのを好むが)の暴力の背後の陰謀者として彼自身の仲間からでさえ広く批判されている。

抗議行動は「論争になっている」引き渡し条例から始まった。ところがそれは、アメリカのほとんどの州の間で存在している。ヨーロッパ諸国間でも、広く国際的にも存在している。だからこれは異例でも何でもないのだ。しかしその重要性が、欧米メディアやライ(黎)氏自身の地方紙でも構図をゆがめて大きく報道された。もちろん少数派は中国からの完全独立を望んでいる。それは、1997年の返還時にイギリス・北京間で署名された合意に全く反するものである。

2・3日前、アメリカは香港の中国水域に数隻の戦艦を派遣した。それらは大胆にも北京に対して香港港でドックに入れる権利を求めたのである。北京はもちろん拒否し、ワシントンに警告した。我々の国内問題に介入するな、と。もちろんワシントンは中国の忠告に従う意思はなく、一度も従ったことがない。彼らは、例外的な国が命令するのだという観念が植え付けられている。いつもだ。他の誰も敢えて彼らに反対しようとしない。以上。

7月3日、チャイナ・デイリーの報道は鋭い。

    「欧米政府のイデオローグは、彼らが好まない政府に対する
    不安定化工作を決して止めようとしない。たとえ彼らの行動が、
    ラテンアメリカ、アフリカ、中近東、アジアの国々で、貧困や混
    乱を引き起こそうとも。今、彼らは中国で同じ策謀を試みてい
    るのだ。」

アメリカの香港での戦術が、トランプの貿易戦争と結びついているのかもしれない。ペンタゴンがますます大きな存在感を示し、主にインド・太平洋地域で新たな軍事基地建設や海軍を派遣している。オバマの悪名高いアジア基軸政策は、南シナ海へアメリカ艦船の60%を派遣した。

これら全ては中国不安定化工作の一部である。ワシントンは、世界で勃興する中国の経済力を恐れている。特に中国の貨幣制度を。それは経済力や金に基づいていて、欧米のターボ資本主義制度に従ったUSドルやユーロや他の通貨のような名目紙幣ではない。そしてワシントンはドルが覇権を失うことを恐れている。世界準備通貨として、中国の元がドルの役割を徐々に取って代わりつつあるからだ。

香港は基本的に、1842年アヘン戦争の高まりでイギリスによって奪われた。1842年8月29日、イギリス軍事力の圧力下で署名された南京条約で、中国は香港を割譲した。それ故、香港はイギリス帝国直轄植民地となった。1898年、香港総監クリス・パッテンとチャールズ王子は99年間の借地契約に合意し、1997年香港を中国に返すことを誓約した。

香港の人々は、イギリスによって155年も植民地的抑圧を受けたのだから、もう香港の地位を正常化する時だった。絶えずそうあるべきものに、つまり中国の欠くべからざる領土という地位に正常化すべき時だった。1997年の「一国家二制度」合意は、香港を中華人民共和国に返したが、当事者たちは50年間資本主義制度を残すことに合意した。合意はまた、香港への介入や植民地的権利を終えることが規定されていた。いま何が起こっているのか。アメリカとイギリスは島の独立を求めて暴動を策動している。それは1997年割譲条約を全く無視している。

アメリカに鼓舞され、資金援助された抗議行動は、香港・中国の主権条項に異議を唱えるように仕向けられている。完全な「自由」を求める世論を動員することによって、中国からの独立を求めているのだ。

絶えず腐敗した資本主義が50年続いたので、アメリカ・イギリスの帝国主義者が、香港を経済的に支配し続け、それによって中華人民共和国に経済的影響を及ぼすだろう。なんとおかしなことをするのだろう。1997年香港のGDPは中華人民共和国のGDPの27%であったが、今その比率は3%にまで縮小した。中国の急速な発展は、とりわけ一帯一路(BRI)政策で、欧米は1年前頃まで全く無視してきたが、今やアメリカ企業世界にとって重大な脅威となったのだ。

アメリカとイギリス、そして他の西欧諸国が特に関心を示すものは、世界における香港の特別な銀行の立ち位置である。シンガポールや香港を通して、ウォール・ストリートやヨーロッパの主要銀行は、彼らの「倫理的に」汚れた、しばしば詐欺的なHSBC*4と結託して、アジア経済を支配し、影響を及ぼそうとしている。そして特にアジア金融市場を引き継ごうとする中国を阻止しようと試みているのだ。香港は、恐らく世界で最も自由な銀行法があり、そこでは違法な金融取引、マネー・ローンダリング、億万長者への影の投資が行われ、誰も監視していないのだ。香港をできるだけこの特別な国家の地位にとどめ、中国金融市場に影響を与え、支配することは、欧米の目標の一つなのだ。

  [訳注]*4 HSBCホールディングス
   イギリス最大規模の金融機関で、イギリス、アジアなどを基盤にする世界有数の
    銀行持株会社。世界87か国に約7500のオフィスをもつ(2011)。イギリスによる
    東アジア植民地経営の発展とともに成長した銀行であり、香港ドルの発券銀行
    の一つでもある。本社所在地はロ ンドン。

  
しかし欧米がほとんどわかっていないことは、中国や他の東洋の国々(ロシアやインド、パキスタンを含む)が、既に大きく離脱したこと、またはドル経済から離脱する過程にあることだ。そして彼らは上海協力機構(SCO)のメンバーであることだ。それに直視しよう。SCOは世界人口の約半分になり、世界経済生産の約3分の1を占めているのだ。

だからSCOメンバーは、もはや欧米金融市場や金融操作に頼っていない。実際、上海は、この10年で中国の金融ハブになるまでに成長し、中国にとって香港より重要性を増した。介入によって余りに多くの政治資金が失われた。欧米と香港抗議行動派は自分自身を暴動によって腐らせるかもしれない。

しかし、もし中国がこれらのたゆまない欧米の挑発にうんざりして、それらを終わらせたいのなら、中華人民共和国は48時間以内に香港を乗っ取ることができる。そして欧米資本主義の50年を短縮し、香港を中国の全面的な州にすることができる。特権もなく、特別な地位もなく、単なる主権国家中国の一部となる。話はこれで終わりだ。

*

ピーター・ケーニッヒはエコノミストで地政学アナリストである。彼は水資源や環境問題の専門家でもある。彼は、環境・水問題で、世界銀行やWHO(世界保健機構)で30年以上世界各地で働いた。彼はグローバル・リサーチ、ICH、RT、Spputnik、PressTV、the 21st Century、TeleSUR、The Saker Blog、the New Eastern Outlook(NEO)、その他のインターネットサイトに定期的に寄稿している。彼は「爆発 --- 戦争、環境破壊、企業の貪欲に関する経済スリラー」の著者である。また彼は「世界秩序と革命!抵抗のエッセー」の共著者でもある。彼はグローバリゼイション研究センターの準研究員である。
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南スーダン、CIAの汚れた戦争小史

A Brief History of the CIA’s Dirty War in South Sudan

ライアン・ドーソン

グローバルリサーチ 2019年8月2日

ANC Report 31 July 2019

(翻訳:新見明 2019年8月31日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/brief-history-cia-dirty-war-south-sudan/5685393


南スーダンにおけるCIAの汚い戦争が縮小している中、アフリカでのパックス・アメリカーナ(アメリカの力による平和)の犯罪、この最大の秘密の起源と歴史を大まかだが大局的に見る時だ。

アメリカの国益は、中国からアフリカのエネルギー資源への接近を奪回することである。アフリカで中国が唯一スーダンの油田を所有し、運用している。南スーダンの「反乱」の最初の目標の一つが、中国の油田であったことは、偶然の一致ではない。それは最初から南スーダンにおけるアメリカと中国の対立であった。

この歴史を語るとき、我々は2004年に始まる南スーダンの和平プロセスの起源に戻らなければならない。この新たな展開は、東スーダン蜂起と2003年ベジャ人とラシダ人の運動を支援していたエリトリア特別奇襲部隊の介入であった。エリトリア奇襲部隊が、スーダン港とハルツーム間のハイウェイを切断した。ハイウェイはスーダンの首都2500万人のライフラインであった。2週間にわたってスーダン軍は反撃したが、エリトリア特殊部隊に完敗した。

決定的に食料・燃料不足に直面し、スーダン官僚の中核は、最近罷免されたオマル・アル=バシールの支援基盤でもあったが、降伏することなり、和平交渉の一部として様々なスーダン抵抗グループと信頼に基づく交渉開始に同意した。それには東部や南部そして恐らく西部でさえ加わった。


これには、スーダン人民解放運動指導者[SPLM]ジョン・ガランやスーダン大統領オマル・アル=バシールも参加し、2004年後半エリトリアのアスマラで包括的和平合意に署名した。

2004年12月、我々はエリトリアのアスマラへ飛んで、エンボイソイラの古いインペリアル・ホテルにチェックインした。そこで我々はSPLMの高官指導者と朝食を共にした。そこにアメリカの衛星放送用でエリトリアTVを見れたので、朝食の時、我々はみんなでアスマラで最近行われた和平交渉を報道するニュースを見たのです。彼らはスーダンの和平の展望についてみな意気揚々としていて、まだ興奮していた。

その後、2005年アメリカに戻ったあと、我々は新たな和平合意を聞いた。今度はケニアのナバイシャで署名された。そして今度の合意はアメリカによって仲介された。2004年のアスマラ合意と2005年の協約の唯一の本質的相違は、南スーダン独立の国民投票を求める条項が入っていることであった。

アメリカはバシールとガランに、エリトリア調停努力とは別の新たな和平「交渉」、つまり結果的にケニアにおける協定を強いて、独立の国民投票を受け入れさせたのだ。世界の超大国による飴と鞭や、勧誘や、脅しによって、ガランやバシールはスーダンの分割を受け入れさせられ、アフリカの歴史で最も残忍な内戦状態の一つをつくり出したのだ。これは最初からアメリカの仕業なのだ。

READ MORE:The Sudan, Africa’s Longest Civil War: The Peace Deal Proves that South Sudan Is a Failed Concept


和平協定に署名した後ジョン・ガランは、スーダン人民解放運動(SPLM)の長として、ハルツームで最初の大衆集会をもち、100万人かそれ以上集めた。バシールが集めた最大の人数の3倍であった。そこで彼は運命的なスピーチをした。

ジョン・ガランは、南スーダン独立に強く「反対」であることを表明にした。そして北のスーダン同胞に彼を大統領に選び、全てのスーダン人に平等な権利と正義に基づく新たなスーダン建設に協力するように呼びかけた。

ガランは、欧米勢力から政治的に独立する意図を表明し、すでにスーダンで石油ビジネスを展開している中国にスーダン経済を発展させるように期待していると表明した。スーダンは全般的に、アフリカで最も大きく、最も豊かな国になる可能性を秘めていた。そしてアメリカにとってスーダンが中国に奪われることは、パックス・アメリカーナ(アメリカによる平和)にとって受け入れ難いことであった。

ジョン・ガランは2週間後、不可解なヘリコプター事故で死んだ。そして彼と共に統一スーダンも死んだのだ。

2・3年たって南スーダン「独立」のために国民投票が実施された.それは仕組まれた取り決めだったのだ。皮肉なことにジョン・ガランは、南スーダンの独立に激しく反対していたのに、今や彼は南スーダン独立国家の「父」として称えられている。

2009年、私の古い友人アレキサンダー・コックバーンは私に連絡してきて、スーダン・南スーダン問題に対してどうなっているか尋ねてきた。私は過去2・3年間エリトリアの隣で暮らしていて、「南スーダンを覆う暗雲」だと答えた。それをアレックスとジェフリー・セイント・クレアは「カウンター・パンチ」のウェブサイトで発表した。そこで私は、世界で最も新しい「独立」国家で、ホロコーストが行われることを予測した。

私は、私の言葉が現実のものとならないことを願うばかりだった。

私は繰り返し、次の数年間南スーダンにおけるCIAの汚れた戦争を暴露し続けることを余儀なくされた。タイトルは「南スーダンにおけるアメリカ対中国」とか、「南スーダンにおけるCIAの汚れた戦争」などで、とりわけこの最も汚れた、秘密裏の、CIAの密かな戦争に光を当てようと試みた。

誇張ではなく、私が南スーダンにおける内戦を、諜報史の中でCIAによる最も隠蔽された主要な秘密軍事作戦であると呼んだ。このことがCIAの手によるものであることは、私以外の記者が、誰一人として主張しておらず、著名な西側ジャーナリストたちがずっと、批判のターゲットを逸らして、南スーダンの国民に向かわせたことからわかる。 

それは進歩的受賞ジャーナリストによる恐ろしい現状報告であり、この汚れた戦争を、黒人対黒人の最悪のアフリカ種族間暴力事件として書いている。

さらに私が著名なジャーナリストに、反乱軍は一月300ドル月給をもらっていると指摘したとき、彼らは私の主張の正確ではないと否定した。ツイッターのやりとりで彼は、反乱軍は恐らく一年で300ドルもらっていると言った。もしそうなら、2万人の反乱軍の兵士に払うのに一ヶ月600万ドル払っているという説明は成り立たない。

この主張の問題点は、元南スーダン戦闘員が戦闘下にあるとき一ヶ月300ドル支払われていたという点だ。南スーダンでは若者が軍隊に入るのは、それが家族を養うのに十分なお金がもらえる唯一の方法だからで、愛国的情熱からではないのだ。普通、そのお金が反乱軍の将軍によって盗まれて、定期的に干上がるとき、兵士達は除隊し始めると、私の情報源は経験したと言う。

計算してみよう。2万人の反乱軍に一月300ドル、それが6年間支払われた。それにプラス食料や燃料や武器も加えて、そうすると5億ドル以上になる。計算できますか。いま正直に、そんなに長く全く秘密のお金がどこから出てくるのか、CIAではないのか。私達は、1970年代と1980年代に戻って、南アフリカのアパルトヘイトを支援したアンゴラやモザンビークのCIAの汚れた戦争を思い出さなければならないのか。

お金の出所を示してくれ、そうでしょう。世界のメディアの誰かがこの質問をしただろうか。反乱軍には明確な資金援助がない。彼らはどこからその資金を得ていたのだろうか。

この話は、CIAがこれまで行った最も秘密にされた「汚い戦争」である。中国が油田を守るために2・3千人の武装「平和維持軍」も派遣するまで、このCIAの作戦は成功し、一時的に南スーダンにおける中国の石油生産を止めることとなった。だからこの汚い戦争は、中国のアフリカにおける油田の主要な足場を切り崩すことであったのだ。

資金の出所を示してくれ。この戦争で利益を得る唯一の者達を私に示してくれ。そう、この残忍で外国資金援助のアフリカのホロコーストから利益を得る唯一の者は、パックス・アメリカーナ(アメリカによる平和)、つまり南スーダンの中国石油生産とその拡大を閉め出そうとするアメリカなのだ。

今日、南スーダンでは平和が突然現れた。恐らく不安定だが。CIAはエチオピアにいる元政権TPLF[ティグレ人民解放戦線]を使って、南スーダンの反乱軍に汚れたお金を注ぎ込んだのだ。しかしエチオピアで起こった「平和革命」で、この反乱軍へのルートは絶たれた。反乱軍の指導者は南スーダン大統領サルバ・キールとお金の交渉するしかなかった。それで彼らの軍隊に給料を払うことができたのだ。払うべきお金も、慰みもなく、彼らの軍隊に払うべきCIAの評判の良くないお金なしもなく、それが「平和にチャンスを与えよ」になったのだ。もちろん腐敗ははびこり、給料は盗まれ、様々な部族軍隊は反乱を起こし続けて不安定である。

しかし今のところ平和交渉は2018年アスマラで調印され、批准され、実施され、維持されている。今CIAは、南スーダンではまったく視野に入ってこない。しかしその悪への諜報能力は決して過小評価するべきではない。中国がアフリカの石油に接近することを拒むことがアメリカの国家利益なのだ。だから南スーダンにおけるアメリカ対中国の対立は、パックス・アメリカーナの全体計画の一部としていつも続くのだ。

(訳者挿入地図)
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