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トルシー・ギャバードはアメリカのために準備できていることを証明
したが、アメリカは彼女のために準備できているか。

Tulsi Gabbard has proved she is ready for America. Is America ready for her?

RT Home/Op-ed/ 2019年5月6日

(翻訳:新見明 2019年5月28日)

<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/458503-tulsi-gabbard-henry-wallace/


ジョン・ワイト
ジョンワイトは、様々な新聞、ウェブサイトに書いている。その中には、the Independent、Morning Star、Huffington Pos、Counterpunch、London Progressive Journal、Foreign Policy Journalなどがある。



トルシー・ギャバード議員(D-HI)、2019年4月16日、アイオワ市© Global Look Press / KC McGinnis

トルシー・ギャバードは、2020年の大統領選挙民主党指名争いに名乗りを上げて以来、彼女はアメリカの現実に立ち向かうただ一人の女性候補となった。

このハワイ出身の民主党下院議員は、スピーチに次ぐスピーチ、インタビューに次ぐインタビュー、ソーシャルメディアに次ぐソーシャルメディアで、アメリカの軍国主義を容赦なく告発し続けた。

軍国主義の弊害は、「公式には」12.3%の貧困率、つまり3,970万人の貧困者ということになる。それは告発されるべき比率のホームレス危機であり、50万人以上に影響を与えている。それは世界でもっとも裕福な国で、何千万人の市民が、健康保険を得られないということである。

前述のアメリカを飲み込む危機や、その他の危機を緩和するために使われるお金や資源が、代わりに、軍産複合体というブラックホールに投げ捨てられているのだ。それは公式に認められているだけでも、世界中で70カ国以上の国で、800以上の米軍基地を維持するためであり、国の経済エリートを利するために世界の自然資源や人的資源を搾取するためである。


Also on rt.com Grope & change: Would America become one nation under Joe Biden?
さらに読む「暗中模索と変化:アメリカはジョ-・バイデン支配下の国になるのか」


ハワード・ジンの古典的作品『アメリカ人民の歴史』の中で、彼はアメリカ史家マリリン・ヤングを引用している。マリリン・ヤングは1991年の湾岸戦争のあと次のように指摘した。「アメリカはイラクのハイウェイを破壊できたが、自分のハイウェイは建設できない。イラクに伝染病をはびこらせたが、何百万人ものアメリカ人に健康保険を提供していない。アメリカはイラクのクルド少数民族への処置を激しく非難するが、自国の人種問題には対処できない。海外でホームレス[難民]をつくり出すが、自国のホームレスを解決できない。」

ジョー・バイデン副大統領、老練なエリザベス・ウォレン議員、民主社会主義者バーニー・サンダースらの立候補者が居並ぶ中で、トルシー・ギャバードはアメリカ覇権のタブーに挑み、厳しい吟味と激しい批判さえ向けている唯一の立候補者として際立っている。その結果、ワシントン政治家やメディア階級から激しい非難を浴びている。彼らは、ハードパワー(軍事力と経済力)が人類の最終的な希望だという神話に強く縛られている。

民主党大統領予備選挙に彼女を推す最近のフェイスブックで、彼女は自分の立場を簡潔に述べている。「戦争のドラムを鳴らし続けるネオコンやネオリベラリズムにNoと言おう。司令長官として私はアメリカ人民にまず言うだろう。むだな体制転覆戦争をやめよと。新冷戦、軍備競争を終わらせよう。健康保険、教育、インフラ等々で民衆に奉仕しよう。私に加わりませんか。」

トゥルシー・ギャバードは、ホワイトハウスへの立候補を宣言する前でさえ、シリアの紛争になるとただ一人声を上げていた。彼女は批判するだけの人でなく、実際にその国を訪れ、その指導者アサド大統領と会う時間と労力を惜しまなかった。彼女はシリア大統領のことをこう述べた。「アサドはアメリカの敵ではない。なぜならシリアはアメリカに直接脅威を与えていないからだ」と。

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Also on rt.com Don’t ‘feel the Bern’ if you don’t want to get burnt
さらに読む 「もし怪我したくなかったら、”バーニーに共鳴するな”。」


ワシントンの狂ったネオコンのボス、ジョン・ボルトンによってベネズエラのクーデターが煽られて、今日まで行われてきたことについて、ギャバードは1月にこうツイートした。「アメリカはベネズエラから手を引く必要がある。ベネズエラ人に自分たちの未来を決定させよ。我々は他の国に自分たちのリーダーを選んで欲しくない。だから彼らの指導者を我々が選んではいけないのだ。」

彼女は、ロシアとの関係では、制裁と対決の現在の政策を、外交に重きを置き、正常化させることを強く主張している。そして彼女は「新冷戦」と呼ぶものを終わらせるように努力している。

つまり、トゥルシー・ギャバードは、アメリカのネオコンや自由主義介入主義者の体制に対して、恐れず、進んで対決してきた。彼女は反覇権主義、反戦争、平和主義という政治的ビジョンを、大いなる情熱と雄弁をもって明確にしてきた。また、彼女はまた軍隊に所属していた。だから武力信仰がもっとも広まった国で、指導者としてますます欠くべからざる人となっている。

トゥルシー・ギャバードは、人類の進歩や文明のためにアメリカ覇権に反対する少数派であるにもかかわらず、彼女の登場は、狂犬病に陥った帝国の狂った道徳や病に慢性的におかされたワシントンの政治的文化の空隙を輝かしく埋めることとなる。?

このことを求めて、彼女は戦争ではなく平和を求めるもう一人の偉大なアメリカの闘士を思い出させる。アメリカの例外主義に代わって人間的連帯を置き換えることを、国際法や家主権や、自決権を尊重した国連憲章にのっとる原則に置き換えることを呼びかけた人を思い出させてくれる。

彼の名前はヘンリー・ウォレスであった。彼は、1940年から1944年までハリー・トルーマンに代わるまで、ルーズベルトの副大統領として仕えた真の進歩主義者である。ウォレスは20世紀の残りの展望を「一般市民の世紀」として戦争の終結を説いた。彼は愛する者たちが死に、戦争で肉体的にも精神的にも永遠に不具にされたアメリカ人民に寄り添った。しかしワシントンの武器商人や好戦的タカ派は、永久戦争が、ローマの平和に通じる唯一の道だと信じていた。


Also on rt.com Straight-talking Tulsi’s rising star means setting sun for Dem Party establishment
さらに読む「歯に衣を着せぬトゥルシーの登場は、民主党規制体制の日暮れを意味する。」


もし1945年終戦間近のルーズベルトの死に際して、ハリー・トルーマンよりヘンリー・ウォレスが副大統領であったら、歴史はどんなに違っていただろう。

『語られざるアメリカ史』の中で共著者オリバー・ストーンとピーター・カズニックは、ヘンリー・ウォレスが、1946年ニューヨークでルーズベルトの一周忌に際して行ったスピーチを入れている。ウォレスは、ウィンストン・チャーチルの悪名高い「鉄のカーテン・スピーチ」で述べられたソ連との対決方針に応酬している。

ウォレス:「1ヶ月前、チャーチル氏はアングロ・サクソンの世紀として登場した。4年前、私はアメリカの世紀を批判した。今日、私はアングロ・サクソンの世紀をさらに断固として非難する。世界の一般民衆は、文明化されたアングロ・サクソンのもとでさえ帝国主義の再燃、つまり原爆の予兆を許さないだろう。英語話者世界の運命は、世界に奉仕することであり、世界を支配することはない。」

トゥルシー・ギャバードは我々のヘンリー・ウォレスだ。彼女のビジョンは、「覇権」や「帝国」や「支配」という大義のために、冷戦や熱戦によってはぎ取られたビジョンを、相手よりより高い道徳的、倫理的平面(水準)に置かれなければならないというものだった。彼女の真実を広め、戦争屋やタカ派を激しく非難する迫真生は、ウォレスを手本として鼓舞された女性の信条表明である。

ウォレスの時代のように、我々の時代の重大問題は、アメリカがこの異常な真相に聞く耳を持つかどうかにかかわっている。つまりアメリカの外交政策やワシントンの世界への関わり方を動かしている、本当の動機や既得権益に関する真相に気付くかどうかである。
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ベネズエラ危機をねつ造し、不安定化工作から
介入の機会を窺うアメリカ

US is manufacturing a crisis in Venezuela so that there is chaos and 'needed' intervention

RT / Home / Op-ed 2019年3月29日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年5月22日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/455081-manufactured-crisis-venezuela-us-intervention/


エバ・バーレットはフリーランスのジャーナリストで人権活動家。ガザ地区やシリアを中心に活動する。彼女の記事はブログ「In Gaza」で見られる。


政府支持の大集会、3月16日、カラカス© Eva Bartlett

ベネズエラは、現在アメリカの標的となっている。大規模な不安定化を引き起こし、傀儡政権を樹立しようとしている。

アメリカは、過去何年にも亘って、ベネズエラに対して経済戦争を仕掛けてきた。 国力を弱体化させる様々な制裁措置があった。 医薬品を購入するための国の資金力が著しく低下した。 また、バスや救急車等などに必要な交換部品すら買えなくなった。 経済戦争だけではない。 プロパンガンダ戦も途切れることはなかった。 大手メディアからアメリカの有力議員までそれに関わりを持ってきた。

ベネズエラへの「飛行をアメリカ人パイロットが拒否している」というのがAPの記事(2019年3月18日)だ。 アメリカン航空がすべてのベネズエラ便をキャンセルしたというこの記事の中には「安全上の不安」や「世情不安」という言葉もある。 

3月9日、私が搭乗予定だったマイアミ-カラカス便(アメリカン航空)は、カラカス空港には着陸用の電源が十分でないということを理由にキャンセルされた。 奇妙なことに、私は翌日コパ航空に搭乗したが、カラカス空港への着陸には何の問題もなかった。 コパ航空のスタッフの話では、前日の便もちゃんと着陸できた、とのことだ。 

ベネズエラ便のキャンセルの話は、マルコ・ルビオ、マイク・ペンス、ジョン・ボルトン、そして以前は無名で大統領でもなかったフアン・グアイドの声高なツイートをもっともらしく思わせることになる。 

私は3月10日以降、カラカスのあちらこちらを回った。 しかし、大手メディアが伝える「世情不安」などどこにもなかった。 カラカスの市内を歩いて回った。 たいていは一人で。 しかし、身に危険を感じることはなかった。 大手メディアは西側の人々に、ベネズエラでは突然の異常事態への準備をしておくべきだ、と懲りもせず語り続けている。 



事実として、2010年に私が半年過ごしたベネズエラと、今のベネズエラにほとんど差はない。 ただ、ハイパーインフレはあきれるほどひどくなっている。 2010年以降今回の再訪まで私はベネズエラに足を運んではいない。 その間の極右反政府勢力街頭暴力行為を見てはいない。 「ガリンバス」と呼ばれる暴力的街路封鎖、というのがその実態だ。 反政府勢力は人を火あぶりにしたこともある。 他にも人に暴力を振るったり、安全を損ねるような行動があった。

だから、私が思うに、アメリカン航空がベネズエラへのフライトを取りやめたことは、別に安全とか保安上の問題が絡んでいるわけではない。 政治的なものだ。 ありもしない人道危機という空洞化した言説ますます軌を一にしている。 これは前国連特別報告者アルフレッド・ゼイヤスも言っていることだ。 

この14年間ベネズエラに住んでいるポール・ドブソンというジャーナリストに、こんなことが以前にあったかどうか聞いてみた。 あったとのことだ。 しかも、ほぼ同じような状況で。 

2017年7月30日新憲法制定のための制憲議会選挙が行われた時だ。 エア・フランス、ユナイテッド航空やアメリカン航空を含む大手航空会社やのヨーロッパ便が、「保安上の理由」を掲げ、運航をキャンセルした。 大半の便は選挙の4日後運航を再開したが、一部は2週間後にまでずれ込んだ。

そこで、「保安上の理由」があったのか、ポールに質問した。

「ベネズエラで6ヶ月続いていた暴力的街路封鎖(「ガリンバス」)が終結するころでした。 反政府勢力は、どうして6ヶ月前にとか、2ヶ月前にその活動を止めなかったのでしょうか?  「ガリンバス」を止めたのは選挙前日です。 選挙に影響を与えようとしたことは明らかです。 国際的な視線も気にしていました。 この日特別な保安上の理由など皆無でした。 過去6ヶ月にはいくらでもありました。 ですから、実際のところ、何かちゃんとした理由があって活動を止めたわけではありません。 そして選挙を巡るたくさんの問題を引き起こすことになりました。」 



アメリカは危機をねつ造するが、ベネズエラ国民の反応は冷静

2月23日、以前はほとんど名前も知られず、アメリカに後押しされたフアン・グアイドと名乗る人物がベネズエラ大統領を宣言した1ヶ月後、ベネズエラ-コロンビア国境で線香花火的な混乱があった。 アメリカが支援物資トラックをベネズエラに断固運び込むと言ったのだ。

支援トラックは、同日、放火されたが、それはコロンビア側の覆面をした若者達がやったことだ。 西側大手メディアやキューバ系下院議員のマルコ・ルビオの言っていることに耳を傾ければ、ひょっとしたベネズエラ軍が攻撃したものではないかと思うかもしれない。 

もしアメリカの口先だけで言っているに過ぎない心配が、ほんとうに心からの心配であるなら、キューバ、中国、ロシア、そしてその他の国々と同じようにすることもできた。 つまり、国連や赤十字のような適切なチャンネルを通して支援を送ることができるということだ。 アメリカは複数のトラックを強引にベネズエラ国境越えさせようとしたが、それは人目を引くための安っぽいプロパンガンダだったことが分かっている。 それ以上でもそれ以下でもない。

数週間後、突然、まるで狙い定めたかのように、全国的な停電が6日間続いた。 それはベネズエラのインフラとライフラインの大半に影響を与えた。 同じことを、ガザに住むパレスチナ人が少なくとも2006年以来経験している。 この年イスラエルはガザ地区唯一の発電所を爆撃している。 しかも、修理に必要な部品の輸入も許していない。 私はガザに住んでいた時、1日16時間から22時間、何ヶ月も続く停電に慣れた。ほぼ毎日ある18時間以上の停電は今でもガザで続いている。 しかし、それは以前も今も、政権転覆のやからが怒ったりする類いの話ではない。  



この停電についての西側メディアの報道は、タブロイド版ばりのものだった。 何の証拠もなくこの停電で300人の死者が出たと伝え、ベネズエラの人々がカラカスのグアイレ川の泉から水を汲んでいる様子を、汚濁した下水を汲んでいると報道した。 略奪の記事もあった。 (略奪はマラカイボ市の西境では実際起きたが、カラカスでは起きていない。ただし、地方の報道されていない出来事は別だ) そして、総じてマドゥロ政権をすべてのことに責任があると非難している。 

ベネズエラの独立系調査ニュースサイトの「ミッション・ベルダード」のジャーナリストと話をして分かったことだが、略奪の一つはマルカイボ市のショッピングモールで起こった。 しかし、略奪されたのは電子機器であって食料ではない。 別の略奪品は、報道に依れば、ビールとソフトドリンクだった。 人道的危機にある飢えた人々の行動としては奇妙だ。

私がカラカス市現地に入ったのは停電になって3日後。照明の消えたビル、人っ子一人いない通り、そして4日目以降の給水車やATMでの長蛇の列は別にして、他に混乱した様子は全くなかった。 それどころか、私が自分の目で見て確認したのは、ベネズエラの人々が力を合わせ、停電の厳しい影響を何とか切り抜けてゆく姿だった。

私がベネズエラ都市農業省で知ったことの一つに、停電中に野菜や作物をどのように病院や学校に搬入したか、ということがある。 それだけではない。 戦争や偽ニュースの雨風の中にあって、都市農業がどれほど頑張っているかも知った。 一般住宅地に隣接する円形の区画で若い男女が作業に従事し、あふれんばかりのレタス、ハーブ、ビーツ、ほうれん草、そして胡椒を収穫していた。 さらに、まだ作付け段階の区画もあった。 


ベネズエラ北中部バラガス州の最大都市であるカティア・ラ・マール市ファブリシオ・オヘーダのコミューンはカラカス市の西方にあり、100万人を越すバリオ(最貧層の居住地)だが、住民達の話によれば、数年前17トンの収穫があったと言う。 そしてそれを平均市場価格の30-50%安い価格でコミューンに売ったのだ。 

コミューンの指導者の一人の言葉によれば、ウサギを飼育して手頃で入手し易いタンパク源にしているのだと言う。

「私たちは、頑張ってこういったものを自力生産し、コミューン・共同体の役に立てようと思います。 そうしてアメリカが仕掛けている経済戦争に対抗しているのです」と彼は語った。

2日前、ラス・ブリサスにあるカラカス・バリオを訪問して、コレクティヴォ(人民組織)の長であるJaskeherryにコミューン・共同体どうやって停電を切り抜けたのか質問した。 


「該当地域のすべてのコレクティヴォには不測の事態に対応して、人民に支援を与えるべく、自己組織化できる計画がありました。 私の家の冷蔵庫は強力な貯蔵庫と連携しています。 コミューン社会が肉をここに運んでくれ、私はそれを自分の家の冷蔵庫に貯蔵したのです。 約300家族がその恩恵を被りました。 すべてのコミューン・共同体には独自のコレクティヴォ組織があり、同じような支援の活動をしています」 

同じ場所でさらに別の数人から聞いた話だが、混乱が起きない一つの理由は、ベネズエラ人はアメリカ仕掛けの危機に何度も対処した経験があるので、そんな時でも取り乱さなくなった、ということだ。 それはベネズエラ国内を攪乱させ、それをアメリカ介入の口実にしようと企んでいる輩を確実に落胆させただろう。 

ねつ造された貧困。 政府からの支援もあるし、政府への支援もある

私は、カラカスの中産下層階層が住む区域とチャカオと、中産上層階級が住むチャカオとアルティミラ区域の大小スーパーマーケットをいくつか訪ねてみた。 食料はある。 贅沢品も。 ただし、贅沢品はベネズエラの貧困層には手が届かない。

また、棚には何の商品も置かれていない店もある、と言われている。 しかし、まだ私はそんな店を目撃したことはない。 民間企業の方針として商品を買いだめし、ありもしない物資の不足を創り出そうとしたことはよく知られている。 この企業には最大手のポーラーという食品製造会社も含まれている。 

ポーラーのCEOで反政府派の支持者達は、前回の選挙でJaskeherryにマドゥロ対立候補として立候補することを望んだ。 

食料が枯渇しているという話が一旦語られると、こんどは西側主流メディアがそれに尾ひれをつけて報道を続ける。 「人道的危機」もしかり。 最貧層を支援するため、政府はCLAP(=Local Committees of Supply and Production)と呼ばれる食料箱を低価格で配達することを率先して始めた。 コミューン共同体は、この取り組みで、ベネズエラ最貧層6百万の家庭に政府支援食料を配分している。

このシステムは完璧というわけではない。 食料箱がなかなか届かないコミューン共同体もある、という話を聞いた。 しかし、それは地方レベルでの腐敗があったり、コミューン共同体の個人が公正ないしは平等な配分をしていないから、とのことだ。 昨日インタビューをしたCLAPの配分作業に従事している女性も同じ事を言っていた。 

キューバ系アメリカ人の上院議員マルコ・ルビオのような性急な政治家と、自分の考えを持たない主流メディアは、マドゥロ大統領への支持はほぼ皆無、と一生懸命主張している。 しかし、大規模な大統領支持の集会と最近の影をひそめた反対派集会を見れば、その主張には根拠がないことがわかる。

3月16日、2時間、私は「反帝国主義-ベネズエラ政府支持」のデモでベネズエラ人と一緒に歩いた。 映像を撮り、彼らと話をし、選挙で選出された大統領への支持の言葉を次から次へと耳にした。


デモの参加者の多く、あるいは大半はカラカス市の最貧困層コミューン共同体の出身だった。 彼らは肌の色が黒いアフリカ系ベネズエラ人で、主流メディアにその声が取り上げられることはほとんどない。 彼らがマドゥロ政権とボリバル革命の熱心な支持者だから、というのはほぼ間違いない。 

主流メディアのベネズエラ報道をどう感じているか、という私の質問に、現実を描いていない、というのが人々の答えだった。「でっち上げ。 みんなウソ。 全部ウソ。 私たちが認める大統領はニコラス・マドゥロだけ。 フアン・グアイドなどという男はすぐにでも逮捕してほしい」

若い税専門弁護士の話:

「我々がこのデモに参加しているのは、我々の(ボリバル)プロジェクトを支えるためです。 戦争は望みません。 国民のために薬が欲しいのです。 いかなる政府も薬が購入できなくなるような経済制裁はやめて欲しい。 今は国民が必要とする物資を搬入することがとても難しいのです」

まだ大勢が集まっているデモを離れ、私はカラカス市の東部区域へと向かった。 ツイッターで3つないし4つ反対派行動があると地元のジャーナリストが私に語ってくれたどれかに顔を出せないかと思ったからだ。 しかしそんな動きは皆無だった。 

数日後、私はベジャス・アルテス地下鉄駅に行った。 ここでも反政府行動が起きる、との情報が乱れ飛んでいたからだ。 しかし、そんな動きはどこにもなかった。 結局のところ、国民議会の正面で、15人から20人のきちんとした身なりの男女の映像を撮った。 彼らは周辺でぶらぶら立っているだけだった。 反対声明の発表も聞かれず、その動きもなかった。 結局のところ、大半の人間はセキュリティを通り抜け、建物の中に入っていった。 反対声明もなく、その動きもなかった。 彼らからの暴力も彼らに向けられた暴力もなかった。

大人数の政府支持者たちがバイクで到着した。 近くにいた男性が語ってくれたのは、バイクに乗ったこれら男女は平穏状態を維持するために来た、とのことだ。 反対派は挑発行動も口にしており、政府支持バイク部隊はその挑発行動を起こさせないだろう、とも。 (この言葉は先ほどの地元のジャーナリストの言葉とも一致する。 反対派ならびに政府支持者のツイッターでもその趣旨の投稿があった)

カラカス市を一望するアヴィラ山から、タンカーが長い列となって山の泉水を満タンにしているところを目にした。 それはカラカス市周辺、そして市外のたくさんの病院に供給するものだ。

「ベネズエラをコントロールしているのは外国の影響ではない」と言いくるめるアメリカの反語的偽善

アメリカは力ずくで、自分達の影響力を外側からベネズエラに行使してきた。 何年にも亘って。 ワニの空涙を流すアメリカがベネズエラの人々を思っているなどと口先だけで言っても、ベネズエラの人々には何の利益もない。 西側主流メディアの大半は、アメリカがベネズエラに課している非倫理的な経済制裁の多方面にわたる弊害を一言も述べない。

1月下旬、国連人権問題専門家のイドリス・ジャザリはアメリカの経済制裁を非難し、「それはベネズエラ政府の転覆を目指したもの」であり、「軍事的であれ、経済的であれ、強制力を使って主権国家の転覆を求めることは絶対許されない」と明確に非難した。

これに加え、アメリカは最近50億USドルを差し押さえたとウエブサイト「Venezuelanalysis」は伝えている。 この金は医薬品と医薬品を生産するための原材料を購入するためのものだった。 これ以前にもアメリカは多数のベネズエラ資産を凍結している。 明らかに、これらは将来の操り人形大統領としてアメリカが育てあげたフアン・グアイドのための措置だった。

何ら驚くべきことではないが、 ジョン・ボルトンは最近またまたネズエラを脅迫し、トランプが言った「すべての選択肢が用意されている」というセリフを繰り返している。 軍事的介入の脅しだ。 まるで幻覚状態にあるかのように、外国の影響力とベネズエラについてくだを巻き、帝国主義者モンローの主義がまだ死んでいない、などと御託を並べ続けている。

3月中旬に行われたアメリカ平和評議会代表との会合において、ベネズエラ外相ホルヘ・アレアサはあからさまな米国の敵対的リーダーシップについて語った。

「あなた達の政権は『すべての選択肢が用意されている』などということをほぼ毎日口にしています。 そして、軍事的な選択もカードに入っている、というわけです。 だったら、私たちとしてはそれにたいする備えをしなければなりません。

私たちは新特使のエリオット・エイブラムスに言いました。 「クーデターは失敗だ。 で、これからどうしますか?」と。 彼は何となく頷き、こう言いました、『まあ、長い目で見ています。 次は貴国の経済が崩壊することを心待ちにしているということになります』」

マドゥロが、同じ代表団との会合で次のように私たちに語った。

「私たちは外国の軍事介入を望んでいません。 ベネズエラ人は国が独立していることにとても強い誇りを持っています。 トランプ大統領周辺の人々、例えばジョン・ボルトン、マイク・ポンペオ、マルコ・ルビオ、エリオット・エイブラムスなどですが、彼らは毎日毎日ツイッターでベネズエラについて投稿しています。 アメリカやアメリカ人についてではありません。 ベネズエラのことが気になって仕方がないのです。 もう病気と言ってもいいほどです。 極めて危険です。 私たちとしてはそれを糾弾し、止めさせなければなりません」

© Eva Bartlett

私は、シリアを巡って振りまかれた戦争プロパガンダや帝国主義者のレトリックについて過去8年間広範な著述活動をしてきたので、こういった病的なこだわりはよくわかる。 国連特別報告者のアルフレッド・デ・ゼイヤスも最近のインタビューで次のように語っている:

「もし、(あなたたちメディアが)マドゥロを腐敗した人物と呼べば、人々は次第に『あいつは、きっとどこか腐敗しているに違いない』と信じるようになるでしょう。 しかし、1980年代、90年代のベネズエラでは腐敗が蔓延していたことをマスメディアに思い起こさせる人はだれもいません。 チャベス以前、マドゥロ以前のことです。 現在の報道はマドゥロに焦点が絞られています。 マドゥロ政権の転覆が目的だからです」

現在はシリア。 過去にはリビア、イラクなどがあった。 いつも同じ事の繰り返し。 アメリカが支配したいと思う国のリーダー達を悪魔化だ。 馬鹿げたレトリックが毎日企業メディアから噴出される。 言うことはほとんど同じ。 ソーシャルメディア上で反帝国主義的な見方を辛辣な言葉で精力的に述べようものなら、 まるで待っていたかのようにそれをネット上でやみくもに攻撃する輩がいる。 一番気がかりなのは、個人への危害や政府を犯罪視することを意図したテロ行為だ。 

悲しいことに、アメリカは、過去8年間同盟国と一緒にシリアに対して行ってきた同じ汚い戦術を、恥も外聞もなく、取ろうとしているようだ。 テロリストを背後で操ったり、連携したりしてベネズエラを攻撃しようとしている。 実際、昨晩この原稿を仕上げようとしていた時、電気が消えた。 今もベネズエラ全土の多くの地域で停電状態が続いている。

今週初め、ロドリゲス情報相はツイッターで、「今回の停電はグリ水力発電所が攻撃されたため」と発表した。 この発電所はベネズエラの水力発電と電力発送を担う中心的なエリアである。

今日までに、電気はカラカスで一部復旧した。

今日の午後、オートバイに乗せてもらい、少し時間をかけてカラカスのペタレ地区を回った。 ペタレ地区と言えば、ラテン・アメリカ最大の「スラム街」として知られ、バリオ(居住区)が延々と連なる。 カラカス市の中でも最貧地区のひとつであり、最も危険な場所だ。 オートバイに乗せてもらいながら、主流メディアがあると主張する「人道的危機」を捜した。 だが、あったのは野菜、果物、チキン、そして基礎食料品だった。 私が足を運んだところはすべてそうだ。 カラカス市の中心広場から山沿いにあるバリオ(居住区)まで。 7月5日現在の話だが。




カラカス市を見下ろすアヴィラ山の山裾で、オートバイに乗りながら見かけたのだが、ところどころ列を作って水差しで泉の水を集めている人たちがいた。 停電で給水に影響が出たからだ。 またタンクローリー車が何台も連なっていた。 これは市当局が手配したものであり、軍も参加して都市部、郡部へ水を供給することになっている。

ベネズエラ政府は、3月7日の停電も今週の停電も背後にはアメリカがいる、と非難した。 3月の停電については、送電網に対する①サイバー的、②電磁波的、③物理的攻撃の組み合わせだと言明した。(同様の攻撃をアメリカはイランの送電網に行う秘密の計画を持っていると言われている) 今週の停電はグリ発電施設に対する直接的物理的攻撃であり、3箇所の変電施設が炎上した。

明らかにこういった攻撃の目的は、多くの苦しみと鬱屈した気持ちを人々に植え付けることで、カオス(混沌)が存在し、アメリカの介入が「必要だ」という情況を創り出すことだ。

混乱状態は起こっていない。 国民はそれをきっぱり拒否している。
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USSA(アメリカ社会主義合衆国)に生まれて? 
アメリカは、ネオコンがベネズエラで体制転覆を謀っているときに、
社会主義に寄り添おうとしている。

Born in the USSA? Americans cozy up to Socialism as Neocons pursue regime change in Venezuela

RT Home/Op-ed/ 2019年3月16日

(翻訳:新見明 2019年5月19日)

<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/453996-socialism-americans-neocons-venezuela/

ロバート・ブリッジ
ロバート・ブリッジはアメリカの作家でありジャーナリスト。元モスクワ・ニュースの編集長。彼は『アメリカ帝国の闇』(2013年)の著者である。

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ニューヨーク市のメーデー抗議デモ© AFP / Getty Images / Spencer Platt    

資本主義は、アップルパイや野球と同様、伝統的にアメリカ人の心になじみ深いものである。しかし社会主義が若者たちを獲得しつつあると言われる。彼らはカラカスの店の棚が空っぽだという大手メディアの報道を見落としたのか。

ベネズエラ大統領ニコラス・マドゥーロは、アメリカやその同盟国に脅されていたが、今週、アメリカからの報道を読んで、彼は愉快に大笑いした。ワシントンが、民主的に選ばれたベネズエラの社会主義政権の転覆を決意して、既に操り人形の指導者を待機させているとき、新たな世論調査では、18歳から24歳のアメリカ人の61%が、「社会主義」に対して好意的な態度をもっていることを示していた。

同じ統計調査では、資本主義は、大恐慌や大不況やジェフ・ベゾス[アマゾンのCEO]にもかかわらず嵐を乗り切ってきて、58%が好意的態度を示した。

全体で、アメリカ人の39%が、社会主義に対して好意をよせている。

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この明かな社会主義への意見の転換は、カラカスを情け容赦なく痛めつけるワシントンの体制転覆マシーンに、ブレーキをかけるだろうか。アメリカ国家安全保障アドバイザーのジョン・ボルトンが、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアのラテンアメリカ政府を「トロイカ独裁政治」と呼ぶとき、彼はアメリカを第四の車輪に加えざるをえないだろうか。気長に待った方がよさそうだ。

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ボルトンは去年、「恐怖のトライアングルは・・・膨大な人間的苦痛の原因となり、巨大な地域不安定化を推し進める力となっている。そして"西半球における共産主義"の不潔なゆりかごをつくり出すのだ」と、カラカスに対して全力で攻撃しながら語った。

もしアメリカが、本当に働き蜂のパラダイスで、その民主的理想を外国に押しつけるほど自信があるなら、では何故こんなに多くのアメリカ人が資本主義の船を見捨てようとしたり、少なくとも社会主義的理想を見直しているのだろうか。恐らく、自由市場経済の終わりなき不安定性に代わるべきものとして社会主義には何かがあるのだろう。

アメリカの大学生卒業生の苦境を考えてみよう。ここに資本主義の喜びにケチをつける統計がある。このグループが就職し、住宅のローンや車の支払いに契約する前に、恐らく家族をもつ前に、彼らはすでに膨大な授業料の支払いを抱えている。

現在、約4400万のアメリカの若者が、およそ1.5兆ドルという奨学金ローンを抱えている。アメリカ人がクレジット・カードの乱用で抱えている額より遙かに大きな狂った額である。2017年の平均的卒業生は、ほぼ4万ドルの奨学金返済を抱えている。ところが彼らの多くは、就活でも多くの問題を抱えているのだ。

ではアメリカの状況と北欧諸国と比べてみよう。北欧の学生は、外国人学生も同様、まったく無償で公立大学で学んでいる。実際、はるかスカンジナビア諸国を見るまでもなく、カリブ海のベネズエラ「独裁国家」でも授業料は無料で、すべての人に無償教育が特権ではなく、人権として考えられているのだ。 

アメリカ資本主義の共食い競争社会のもう一つの面は、医療面で非常に多くの人々を悩ませていることだ。健康保険制度は、実際、医者や病院、保険会社、製薬会社、そして株主達が利益をむさぼる激しい戦場である。そこで患者は資産を不当にもぎ取られ、犠牲者となっている。驚くなかれ、多くのアメリカ人が薬や治療のために、メキシコやカナダに旅をすることを選んでいるが、祖国へ戻る余裕もないのだ。恐らく、トランプがメキシコ国境に壁を建設したい本当の理由は、アメリカ人を外国の安い医療から遠ざけるためなのだ。

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Dissecting the jingoistic media coverage of the Venezuela crisis
  ベネズエラ危機への盲目的愛国主義メディア報道を分析する


この巨大な産業を修復しようとする最後の努力は、オバマケアであった。それは病気をさらに悪化させる治療である事が判明した。シカゴ大学の大規模な研究が示すところでは、アメリカ人の47%が、医者や歯科医の予防的治療を、法外な費用のため避けていることであった。

だから、政治的観点からみると、もはや共和党も民主党も、何百万人というアメリカ人の経済的苦境を無視することはできなくなっている。特にZ世代や2000年世代を構成する人々を。このグループは有権者の37%である。それは2020年の可能性がある大統領選挙でかなりの部分を占めるだろう。いま二大政党は、これらの懸念に取り組むために、ぎこちない歩みをしている。
   [訳注:「Generation Z(Z世代)」は1990年代半ばから2000年代前半生ま
    れの世代を指し、省略して「Gen Z」または「Gen Zers」と呼ばれる。
    年齢で言えば現在13歳の中学生から22歳の大学生くらいまでで、
    その上が20代半ばから30代後半の「ミレニアル世代(Generation Y)」
    となる。Z世代はすでにアメリカ人口の25.9%を占め、現時点でアメリカ
    の最大層だ。]
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77歳のバーニー・サンダースを見よ。このバーモント州出身の「独立民主社会主義者」は、ホワイトハウスを狙っているとき、民主党と「忠誠の誓い」にサインした。サンダースは「リムジン・リベラル」階級のメンバーで、大風呂敷を広げ、お金持ちを厳しく批判しているが、個人的には、資本主義労働者の果実を享受しているのだ。バーニーは2016年の民主党予備選挙でヒラリーに負けた後、どうやって自分を慰めたのか。彼はチャンプレイン湖の浜辺に、3番目の家を買いに出かけていったのだ。しかしサンダース支持者にとって、彼の本当の罪は、彼がヒラリー・クリントンを支持したときだ。その動きは彼が民主党の懐の中にいるだけでなく、中産・下層階級のために強く立ち上がる気はないということだった。

そこで29歳のニューヨーク州出身の新人上院議員アレクサンドリア・オカシオ・コルテスがいる。彼女はいわゆる「グリーン・ニューディール」を展開したが、もしそれが実施されれば、飛行機旅行が不必要となるような規模で高速鉄道を建設するという。それは近視眼的イニシアティブで、アメリカをどうしても発展途上国に変えてしまうだろう。明らかにオカシオ・コルティスは、支持者の中ではわかっているが、世界はアメリカの国境で始まり、そしてアメリカの国境で終わると考えている。「投資家のビジネス・デイリー紙」は彼女の計画を「環境社会主義への呼びかけ」で、それはすべての経済を政府が乗っ取ることになると非難した。

一方、共和党は、「敵が失策をおかしているときに、決して敵の邪魔をしてはいけない」という金言を堅持している。共和党がアメリカ政治に起きている地殻変動を理解する唯一のヒントは、トランプが先月の年頭教書演説で言ったように、「我々はアメリカが決して社会主義国にならないという決意を新たにしよう」ということだ。その声明に対して多くの者が拍手喝采したが、サンダースやオカシオ・コルティスやナンシー・ペロシを含めて多くの民主党員は、立ち上がりも拍手もしなかったことは注目しないわけにはいかない。

このことは次の疑問につながる。アメリカは実際、新たに登場したベネズエラのネメシス(天罰を加える神)のように、社会主義国家としての明るい朝を迎えることができるのだろうか。そして恐らく、さらに適切に言えば、アメリカは社会主義の道を採用するべきなのか。この問題に関して意見は大きく分かれるだろう。左派によって提出された無償教育、すべてのための健康保険制度のように魅力的アイディアがあるのに、何百万人というアメリカ人は社会主義のメリットを享受していない。それは共産主義のようなアメリカのひどい報道のためだ。それは驚くべきことではない。どの企業も、巨大な経済の草刈り場で私的所有制度から膨大な利益を失いたくないのだ。しかし調査が示すように、さらに多くのアメリカ人が、政府により強く経済のコントロールをして欲しいと思っているのだ。

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The end of Russia’s ‘democratic illusions’ about America (By Stephen Cohen) The end of Russia’s ‘democratic illusions’ about America (By Stephen Cohen)
ロシアのアメリカ「民主主義幻想」は終わった。(ステファン・コーエン)


ここでは、物事は徹底的に危険になっている。まず認めなければならないことは、アメリカの政治的・文化的現状は「薄暮地帯」の暗闇に入ったことだ。何か本当に奇妙なものがアメリカ人の心を捕らえている。それは肉食ウィルスに似ていなくもなく、「社会正義の戦士」がいて、他のすべてに彼らの世界観を押しつけることが本来の権利と義務であると考えている。しかし同時に、そのことに関する議論はすべてシャットアウトする。このことは大学のキャンパスや国中の会合で何度となく見られた。しかしそれに付け加えて、ここで見たように我々の高等教育機関で、今日教えられていることを考慮しなければならない。その多くは、はっきりと社会主義計画を推進するコースからなっている。

この「暴政の光」という過激な宣言は、「父権制」や「白人優越主義」への、そしてマンハッタンの大物ドナルド・トランプに関するほとんどすべて、つまり資本主義そのものの人格化への攻撃が進行していることに見ることができる。

さあ、このすべての鬱積した政治的憎しみと、アイデンティティ政治の新たな波との混乱を一緒に混ぜてみよう。アイデンティティ政治は、人々がなりたいと思う者に誰でもなれると教える。たとえ生物学が違うと言っても。そしてあなた方は何百万の抑圧された個人がいつか、彼らもお金持ちになれ、そして必要な手段が何であれ、彼らが彼らであると信じるものに向かって進むという状況である。言い換えれば、歴史は根本的に新たな状況でも繰り返すということである。アメリカ資本主義制度の平等や公正さをある程度望むのであれば、そこでは何百万の周辺化された人々が、経済の裂け目からひどい貧困にいつも落ちこぼれているが、そのリスクを軽減するための手段が今とられなければ、まったく望ましくないものになってしまう。その場合、ベネズエラ大統領マドゥーロは、結局、静かな絶望の中であえいでいるアメリカの周辺化された階級に、彼自身の同盟者を見つけることになるかもしれない。

@Robert_Bridge
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